説明

背景照明レベルの局所的な動的制御を介したディスプレイの強調表示技術

【課題】単一の又は複数の特定シーン、又はビデオフレームのセッションの背景照明レベルの局所的な動的制御を介してビデオ又は静止画のフラットパネルディスプレイの表示能力を高める方法、ソフトウェア装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】空間的に配置され又は積み重ねられる層を介して表示コンテンツを重ね合わせる多層表示装置において、表示されることになる少なくとも1つの画像を受信するステップと、画像の明るさ、カラー、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを検出して、表示されるようにするステップと、検出又は受信される明るさ、カラー、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを達成するために、画像の局所的な領域において多層表示装置の各層の透過率を決定するステップと、表示装置又は記憶装置に対して画像の局所的な領域において多層表示装置の各層の決定された透過率を通信するステップと、を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の又は複数の特定シーン、又はビデオフレームのセッションの背景照明レベルの局所的な動的制御を介してビデオ又は静止画のフラットパネルディスプレイの表示能力を高める方法について述べる。これは、特有の配置である2つの積み重ねられたフラットパネルディスプレイを用いて成し遂げられ、そのうちの一つは、もう一方のディスプレイに与えられている視覚コンテンツのうちシーン内又は画像内の適当な領域に対して同期するバックライト輝度値を制御する。この制御は、ビデオ信号ケーブル(DDC)、シリアル、USB、又は特別注文タイプのインターフェースプロトコルを介して提供され得る。
【背景技術】
【0002】
多層ディスプレイ(MLD)ユニットは、現存する単一層ディスプレイ(SLD)ユニットすなわちディスプレイに対して大きな改善を提供する。MLDディスプレイは、空間的に配置され又は積み重ねられる層を介して表示コンテンツを重ね合わせるのに用いられ、強調される機構をユーザによる情報の吸収及び分析に与える。
【0003】
【特許文献1】WO9942889A
【0004】
現存する多層ディスプレイは、例えば特許文献1に論述されている。
【0005】
また、特許文献1に開示されるタイプの多層ディスプレイに関連して用いられている本発明に対して、本明細書にわたって参照される。しかしながら、当業者は、また本発明が他のタイプのMLDユニットでも利用できるようになっていることを考慮すべきであり、本明細書にわたって上記のみの参照に制限されるように認識すべきではない。
【0006】
検出器に入射する放射線の周波数スペクトルは、光源の特性、伝送媒体、あるいは反射媒体の特性に依存する。視覚を検出器とみなすならば、人間の視覚系は380nmから700nmの間の波長を有する放射線を感知できる。それゆえ、これは、電磁スペクトルの可視成分として説明される。人間は、異なる色彩と輝度を有する一定の周波数分布を知覚する。様々な重みを有する3つの基本スペクトル分布を付加することを介して任意の知覚される色彩及び輝度を説明するための方式が発明された。例えば、1931CIE色空間では、任意の知覚できる色彩は、以下の式によって説明される。
【0007】

【0008】
Cが説明される色彩である場合、Xr、Yr、及びZrは重みであり、X、Y、及びZは、波長に対する視覚の相対的感度のグラフである1931CIEの三刺激値の曲線である。任意の所定の色彩に対して、重みは、以下の式によって決定され得る。
【0009】

【0010】
1931座標は、以下の正規化を介して作られる。
【0011】

【0012】
これらは、1931CIE図表でプロットされ得る。スペクトル位置は、特定の波長を有する放射線を知覚する純粋なスペクトル色を画定する。純粋なスペクトル色から近い又は遠い色彩座標は、それぞれ多かれ少なかれ飽和していると説明される。また、y座標の値は、輝度すなわち変量Lとして言及される。後部に取り付けられた光源からの光線を導くディスプレイである透過型ディスプレイの画素は、最大及び最小の輝度状態に耐え得る。画素が最大状態をLbとして、そして最大状態をLdとしてラベル付けするならば、その時、コントラスト比は、以下の式によって説明される。
【0013】

【0014】
上述の知覚モデルは、ディスプレイ上の色彩が空間的又は時間的のいずれかがきわめて近接している変調強度を用いて小さな領域の3つの基本色を混合することによって作られることを、正確に予測する。基本色がCIE図表でプロットされる場合、囲まれる三角形は、視覚系によって生み出される全ての色彩を含んでいる。囲まれる領域は、カラーガマットと呼ばれ、それゆえ、大領域を有するディスプレイは色彩の大きな変化を表示することができ、大きなカラーガマットを有する。
【0015】
コンピュータモニターで用いられる2つの主なタイプの液晶ディスプレイである、受動マトリックス及び能動マトリックスが存在する。受動マトリックス液晶ディスプレイは、単純な格子アドレス指定方式を用いてディスプレイ上の特定の画素に電荷を与える。格子を作成することは、いわゆる基材である2つのガラス層を用いて始まる。一方の基材は所定の列であり、他方は所定の行であり、透過性の導電性材料から作られる。これは、通常、インジウム錫酸化物である。行又は列は、電荷が特定の行又は列に送られるのを制御する集積回路に接続される。液晶材料は、2つのガラス基材の間に挟まれており、偏光フィルムは各基材の外側に付加される。
【0016】
画素は、スクリーン上の又はメモリに記憶されるいずれかの画像の最小の分析可能領域として定義される。モノクロ画像の各画素は、ブラックに対する0からホワイトに対する最大値(例えば8ビット画素に対しては255)までのそれ自身の輝度を有している。カラー画像では、各画素は、それ自身の輝度及び色彩を有しており、通常は、3重のレッド、グリーン、及びブルーの強度として表現される。画素について、集積回路は、一基材の電荷を正確な列に送り、グランドは他の正確な行に活性化させる。列及び行は、指示される画素で交差し、集積回路は、その画素の液晶のねじれを解くように電圧を分配する。
【0017】
受動マトリックス系は、重大な欠点である、著しく遅い応答時間及び不正確な電圧制御を有している。応答時間は、表示される画像を再生するための液晶ディスプレイの能力に関連している。不正確な電圧制御は、一度に一画素のみに作用して受動マトリックスの能力を妨げる。電圧が一画素のねじれを解くように与えられる場合、その周りの画素もまた部分的にねじれを解き、画素がぼやけたように見えて、コントラストを欠くことになる。
【0018】
能動マトリックス液晶ディスプレイは、薄膜トランジスタ(TFT)に依存する。薄膜トランジスタは、小さなスイッチング・トランジスタ及びコンデンサーである。それらは、ガラス基材上に行列配置される。特定の画素を取り扱うために、適当な行が切り替えられると、その後、電荷が正確な列に送られる。列が交差する他の行の全てが消されるので、指定される画素のコンデンサーのみが電荷を受信する。コンデンサーは、次の再生サイクルまで電荷を保持することができる。そして、液晶に加えられる電圧値が注意深く制御される場合、一定の光線の通過を許可するだけのねじれを解くことがなされ得る。非常に正確に、非常に小さな増分で、これを行うことによって、液晶ディスプレイはグレースケールを作ることができる。今日の多くのディスプレイは、各画素につき256レベルの輝度を提供する。
【0019】
色彩を示し得る液晶ディスプレイは、各カラー画素を作成するために、レッド、グリーン、及びブルーの色フィルタを有する3つのサブピクセルを有しなければならない。加えられる電圧の注意深い制御及び変更を通して、各サブピクセルの強度は256階調にまで及ぶ。サブピクセルを結合することは、1680万色(レッドの256階調×グリーンの256階調×ブルーの256階調)が可能なパレットを作り出す。
【0020】
液晶ディスプレイは、スーパーツイステッドネマティック、デュアルスキャンツイステッドネマティック、強誘電性液晶、及び表面安定化強誘電性液晶を含む、幾つかの液晶技術の変化を使用する。それらは、環境光を用いて明るくされ、この場合それらは反射型として呼ばれ、バックライトである場合には透過型と呼ばれる。また、有機発行ダイオード等の放射技術もあり、液晶ディスプレイと同様の手法で取り組まれている。これらのデバイスは、以下では画像平面として述べられる。
【0021】
"トランスフレクティブ(transflective)"又は部分的に反射するディスプレイとして知られる別のサブセットのLCDを考慮することは重要である。本出願では、(内部的又は外部的のいずれかに)液晶サブピクセルのセルの近位の部分の一部は、光反射材料で覆われている。この反射物材料によって達成される達成度は、所定のサブピクセルの20%から30%又はそれ以上のトータルの活性(光伝送)領域を含み得る。この部分のセルにおける任意の入射光は、近くに取り付けられたバックライトから生じるが、それが拡散され別のスポットに再反射されない場合には視聴者の視覚に達し得ない。しかしながら、頭上の蛍光灯から又は一様な太陽からの環境光の等価部分は、セルの色フィルタ及び液晶層を通過し、ユーザのもとへ(適当なグレースケール変更後に)反射される。このシステムにより、タブレットPC、PDA、及びセルフォンのような携帯用のカラー(又はモノクロ)ディスプレイでさえ、最もきびしい環境光の環境で、放射するバックライトによって作り出されるバッテリーのエネルギー排出を必要とすることなく、簡単に読み取ることができる。
【0022】
特徴色の輝度、階調、及び明るさが、サブピクセル位置それ自体の電子的に励起された光子放出から導出される、CRTのような"放射する"ディスプレイは、ディスプレイ市場に共通のものである。有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネセンス(EL)、及びプラズマに基づく技術のようなこの種類と一致する他の放射型ディスプレイ技術が存在する。各々のこれらの技術は、多層の構成を達成するために上に重なる透過型(又はトランスフレクティブ)液晶ディスプレイに関連して用いられ得る。
【0023】
所定の状況で原始の要素を正確に獲得することができる再現プロセス(例えば、景色を照らす日光の明るさ)は知られていない。全ての色再現システムが期待するのは、原始表示における対象との間の相対的な差異の複製である。シーンの最も暗い点に対する最も白色な点の割合は、そのダイナミックレンジとして知られており、フィルム、CRT、LCD、又は紙などの一定の媒体で再現されなければならない。この媒体の特性、すなわち"固有の応答"は、所定の再現が達成する成功のレベルを決定する。このダイナミックレンジが細分され得るステップ数すなわちグレースケールは、特定の原色の解像度を決定する。典型的なモニターシステムは、全1670万色(256×256×256)を超える各原色につき8ビット、又は256の明暗を表示する能力を有している。これは、表示システムの色の深さ又は画像パレットとして知られている。
【0024】
全ての表示媒体、特にCRTは、一定量の歪をもたらし、再現画像を"適当に"見せるように補正されなければならない。人間の目は、対数表現としてみる。これを補償するために、再生又は画像再現媒体は、人間の視覚応答曲線を擬態しなければならず、ディスプレイは人間が視力に用いるように情報を示す。その結果の応答曲線は、"ガンマ曲線"として知られる指数関数的挙動で変化し、特定のモニターに固有の曲線上の任意点を描写する多項式である。典型的な画像システムでは、輝度は、人間の眼が最も感応する影の細部に一定の圧縮を生じさせて、より低いエネルギーレベルでごく僅かに変化する。そのため、あらゆる値の入力に対する出力の等価量が存在する直線の線形応答の代わりに、曲線は、それが上昇し始める前に長く低い初期段階を有している。
【0025】
作成され、編集され、記憶され、その後フラットパネル媒体に与えられるビデオ又は静止画又はシーンは、著者又は編集者がそれらに分け与える輝度すなわち明るさに従ってそれらを表示する。一度、それらは刷り込まれ、及び/又は複製されると、表示されている内容の輝度特性に対するさらなる変更は、全ての内容に適用される場合にのみ可能である。今まで、規定される動的な様式で、所定のシーン、フレーム、又は一連のフレームの個々の部分を制御するために案出されている方法はない。前記のデバイス又は方法は有用である。
【0026】
全ての参照は、本出願で引用される任意の特許又は特許出願を含んでおり、この中に参照によって取り込まれている。任意の参照が従来技術からなる承認はしない。参照についての議論は、それらの著者が主張することを述べ、出願人は、正確かつ適切な引用文献を挑む権利を確保する。多くの従来技術の刊行物がこの中で参照されているが、この参照は、これらの任意の文献がニュージーランド又は他のいずれかの国の共通する一般の技術的な知識の部分を形成するという承認を構成するものではないことが明らかに理解される。
【0027】
様々な権限の下での'含む、構成する(comprise)'という文言は、排他的又は包含的な意味のいずれかに属することが認識される。本明細書の目的で、別の態様で述べられていない場合、'含む、構成する(comprise)'の文言は包含的意味を有しており、すなわち、それが直接的に引用するリストの構成部品だけでなく、他の特定の構成部品又は要素の含有を意味するように捉えられる。また、この関係は、'含まれる、構成される(comprised)'の文言、又は'含んでいる、構成している(comprising)'の文言は、方法又は処理の1又は複数のステップに関連して用いられる時にも用いられる。
【0028】
前述の問題に取り組むことに対して少なくとも幾つかの方法で行うこと、又は公衆に少なくとも有用な選択を提供することは、本発明の対象である。
【0029】
本発明のさらなる側面及び利点は、もっぱら例によって与えられる説明を確保することから明らかになるであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0030】
ここに述べられるプロセス及びツールは、多層ディスプレイ装置をと共に用いられる場合に強調されるビデオ表示体験を提供することができる視覚画像システムの実現を描写することが意図されている。ガンマ応答、コントラスト比、色温度、及びフレームごとの輝度のような一のディスプレイ上での画像の一部又は部分の構成要素のパラメータを調整するためにハードウェア及びソフトウェア技術を使用して、他の(上下にある)画像平面で表示されているフレームの選択される一部又は部分の相補的なパラメータを変化させることによってこれを成し遂げる。ソフトウェアユーティリティーは、ビデオ情報のフレームを取得し、前述のパラメータの値を計算するように指示されると、その後、表示されている内容の強調又は変更される視覚体験を作成することを望む視聴者によって、調整可能なソフトウェアルックアップテーブル(LUT)に対する値を渡す特定のアルゴリズムの利用を介して、それに応じてそれらを調整する。その値は、専用のハードウェア及びソフトウェア駆動のデバイスによって受信され、その後、一のディスプレイ上でコマンドを、他のディスプレイ上で表示されている画像に変更することが必要とされるサブピクセル色度及び明るさの設定に解釈する。適切なスイッチング装置を有する制御デバイスは、多層ディスプレイスタックのいずれかの構成要素の所望の領域を制御することができる。
【0031】
従って、本発明の第1の側面は、多層表示装置における表示のために少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御する画像外観コントローラから成り、
i)表示されることになる前記少なくとも1つの画像を受信するための受信手段と、
ii)前記画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを検出して、表示されるようにするための検出手段と、
iii)検出又は受信される明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを達成するために、前記画像の局所的な領域において多層表示装置の各層の透過率を決定するための決定手段と、
iv)表示装置又は記憶装置に対して前記(画像)の局所的な領域において前記多層表示装置の各層の決定された透過率を通信するための通信手段と、
を含むことを開示する。
【0032】
本発明のさらなる側面は、少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御する画像外観制御システムから成り、
i)表示されることになる前記少なくとも1つの画像を受信するステップと、
ii)前記画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを検出して、表示されるようにするステップと、
iii)検出又は受信される明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを達成するために、前記画像の局所的な領域において多層表示装置の各層の透過率を決定するステップと、
iv)表示装置又は記憶装置に対して前記(画像)の局所的な領域において前記多層表示装置の各層の決定された透過率を通信するステップと、
を実行して、多層表示装置上で表示する画像外観制御システムを開示する。
【0033】
本発明は、前記画像の局所的な領域において前記多層化された装置の層の透過率を制御することによって多層表示装置上に表示されることになる少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御して強調するための方法又は装置である。
【0034】
この中で用いられる'透過率'という文言は、透過的な層又は部材を通る光の透過の程度を意味するものとして解釈される。特に、透過率は、前記層又は部材を通過する光の色調又は色度及び明るさの点から透過として解釈されるべきである。
【0035】
'画像'という文言は、この中で、静止画からビデオ画像に及ぶ、又は任意のそれらの一部である、例えば(制限のない)任意の内容、表示要素、画像、シーンである任意のタイプの画像を意味するものとして解釈されるべきである。
【0036】
望ましくは、前記受信手段又は画像を受信する前記ステップは、全てのシーン及びビデオ画像を受信できるようになっている。
【0037】
望ましくは、前記受信手段又は画像を受信する前記ステップは、画像の各画素の明るさ及び色調を受信できる。
【0038】
望ましくは、前記検出手段又は明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを検出する前記ステップは、画像の全体の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを検出して表示されるようにし、望ましくは、例えば、所望の前記画像のコントラスト、明るさ、及び/又は色調のレベルを定義するように、それと相互作用する、ユーザによって制御されるソフトウェア又はハードウェアによって実現される。択一的に、明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストは、ソフトウェアアプリケーションによって決定され得る。
【0039】
望ましくは、前記決定手段又は決定の前記ステップは、決定されることになる、画像の各画素の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを参照し、そして、その時に、ユーザ又はソフトウェア開発者によって調整され得る、事前定義されたアルゴリズム又はルックアップテーブル、又は代替的にアルゴリズム又はフックアップテーブルを参照して、各層における画像の各画素の透過率を計算し、多層表示の各層における各画素の透過率が決定される。典型的には、これは、受信される画像を表示する1つの層と、明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを制御する第2の層を伴う。
【0040】
望ましくは、本明細書を通しての前記決定手段又は決定の前記ステップは、専用化を可能にするようにユーザ/コンテンツ開発者によって定義され、意図した多層表示装置の各層の特定のガンマ応答、又は代替的には、各画像の局所的な領域において多層表示装置の各層の透過率を計算する際に要因の1つとして含められる任意の望ましいガンマ曲線を可能にする。
【0041】
望ましくは、画像外観制御システム又は画像外観コントローラは、多層表示装置に取り付けられ、外観制御システム又は画像外観コントローラを利用することによって、画像は強調され又は制御される前記画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを用いて表示され得る。
【0042】
望ましくは、通信手段又は通信ステップは、多層表示装置の個々の表示層と通信することができ、又は代替的には、強調され又は制御されるコントラストを有する後続の画像の検索及び表示のために各表示層の透過率のレベルを記録又は記憶し得るCPUなどの記録又は記憶装置と通信することができる。
【0043】
従って、本発明の第1の側面は、明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストコントローラから成り、少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御し、
i)表示されることになる前記少なくとも1つの画像を受信するための受信手段と、
ii)前記画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを検出して、表示されるようにするための検出手段と、
iii)検出又は受信される明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを達成するために、前記画像の局所的な領域において多層表示装置の非表示層の各々の透過率を決定するための決定手段と、
iv)表示装置又は記憶装置に対して前記(画像)の局所的な領域において前記多層表示装置の非表示層の決定された透過率を通信するための通信手段と、
を含んでいる多層表示装置で表示することが開示される。
【0044】
本発明のさらなる側面は、明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストの制御システムから成り、少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御し、
i)表示されることになる前記少なくとも1つの画像を受信するステップと、
ii)前記画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを検出して、表示されるようにするステップと、
iii)検出又は受信される明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを達成するために、前記画像の局所的な領域において多層表示装置の非表示層の各々の透過率を決定するステップと、
iv)表示装置又は記憶装置に対して前記(画像)の局所的な領域において前記多層表示装置の非表示層の各々の決定された透過率を通信するステップと、
を実行する多層表示装置上で表示することを開示する。
【0045】
この中で用いられる'非表示層'という文言は、明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御できる層として解釈されるべきであり、原始的に受信された画像が表示されないものである。実際、バックライトである2つのLCDから成る2層の多層表示において、1つの層は、画像が表示される表示層であり、もう一方の層は、画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストが制御される'非表示層'である。
【0046】
本発明は、受信され、変更のないディスプレイ上に表示されることになる、画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御する方法である。実際、受信される画像は、(それらが)表示されることになる層の透過率を変更することなしに表示され、それらの外観(明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラスト)は、前記画像の局所的な領域において他の層の透過率の制御を介して制御され、強調され得る。
【0047】
従って、本発明の別の側面は、画像外観コントローラ又は画像外観制御システムから成り、この中の:明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストに述べられている方法又はステップを利用することを組み合わせて少なくとも2つの以下の一画像(又は複数の画像)の属性を制御することを開示する。
【0048】
本発明は、前記画像の局所的な領域において前記多層化された装置の層の透過率を制御することによって多層表示装置上に表示されるように少なくとも1つの画像を組み合わせて明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを制御する方法又は装置である。
【0049】
望ましくは、前記検出手段又は前記検出ステップは、一画像又は複数の画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストに関する情報を検出することができる。
【0050】
望ましくは、本発明は、ソフトウェア又はハードウェアで具現化され、それによって、ユーザ又はコンテンツ開発者は、検出手段又は検出ステップによって検出される、彼らが表示させたい各画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを画定し、決定ステップ又は決定手段は、各画像に対する多層表示の各層の局所的な透過率を計算し、通信ステップ又は通信手段は、多層表示システムに記憶又は表示のための情報を記憶して通信する。
【0051】
従って、本発明の別の側面は、多層表示装置と共に用いるための画像外観コントローラ又は画像外観制御システムから成り、画像の知覚される最終的な明るさ(net brightness)がコントラストの任意の変化にもかかわらず維持されるように、前記画像の明るさがこの中に述べられる方法又は装置を利用して維持される一方で、この中で述べられるような一画像又は複数の画像のコントラストを制御する方法又は装置を利用することを開示する。
【0052】
本発明は、視聴者に明るさの任意の変化の知覚させることなしに一画像又は複数の画像のコントラストを変更させる方法である。すなわち、検出ステップ又は検出手段での一画像又は複数の画像のコントラストの変化は、決定手段に、前記画像の(コントラスト変化次第で)全体の明るさを増減させる一方で、決定手段は、画像の局所的な領域において多層表示の各層の透過率を付加的に決定し、前記画像の全体の明るさが維持されるように制御される。
【0053】
望ましくは、決定ステップ又は決定手段は、任意のコントラストの調整又は制御に関わらず同じ明るさを維持するために透過率を決定し又は計算する。この手法では、ユーザは、前記画像の明るさを付加的に調整する必要なく、一画像又は複数の画像のコントラストを画定することができる。明るさの自動的な制御は、この中で述べられる明るさを制御する方法又は装置を用いて実現される。
【0054】
同時に、コントラストは、画像の任意の明るさの変化にかかわらず維持され得る。
【0055】
望ましくは、決定手段又は決定ステップは、独立して各層の透過率を決定することにより、続いて表示されることになる画像の局所的な領域において各層の決定される透過率は、異なることがあり、すなわち独立して決定され得る。
【0056】
本発明のさらなる側面によると、装置は、この中で述べられている方法を利用して、明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを制御する方法を実行するように実現される。
【0057】
望ましくは、本発明の実施例は、表示されることになる画像の所望の又は特定の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを受信し又は検出するステップを実行するソフトウェアを含んでおり、これに基づいて、決定手段又は決定のステップは、MLDの各層の透過率を決定する。
【0058】
この装置は、以下に本発明を実行する最良の形態でさらに述べられる。
【0059】
従って、さらなる本発明の側面は、強調される画像制御を有するディスプレイから成り、
i)少なくとも部分的に選択され透過的である、少なくとも1つの画像が表示される少なくとも1つの表示装置と、
ii)前記画像を照明するバックライティングシステムと、
iii)前記画像の局所的な領域において前記バックライトから視聴者への光の透過率を選択的に制御する少なくとも1つの透過率制御装置と、
を含むことを開示する。
【0060】
この中で用いられる'バックライトシステム'という文言は、例えば(限定するものではないが)、典型的な液晶表示装置で見られるようなリン・チューブ(phosphorous tubes)を含む任意の手段によって前記表示装置の背後から少なくとも部分的に表示装置を照明する任意のタイプのシステムを意味するものとして解釈されるべきである。不確かさを回避するために、光源は、必要とされないか、又はディスプレイの背後にはもっぱら必要とされない。
【0061】
本発明の望ましい実施例において、本発明にかかる少なくとも1つの表示装置は、液晶表示パネルである。
【0062】
本発明の望ましい実施例において、本発明にかかる少なくとも1つの透過率制御装置は液晶表示パネルである。
【0063】
従って、本発明のさらなる側面は、
i)それ自身の光線を放射する、少なくとも1つの画像が表示される少なくとも1つの表示装置と、
ii)前記画像の局所的な領域において前記表示装置から視聴者への光の透過を選択的に制御する少なくとも1つの透過率制御装置と、
を含むディスプレイを構成する。
【0064】
i)トランスフレクティブ表示装置である、少なくとも1つの画像が表示される少なくとも1つの表示装置と、
ii)前記画像の局所的な領域において前記表示装置から視聴者への光の透過を選択的に制御する少なくとも1つの透過率制御装置と、
を含むディスプレイを構成する。
【0065】
望ましくは、少なくとも1つの表示装置は、ビデオ画像を表示できるようになっており、望ましくは、それがDVDプレーヤーなどの画像を表示されるように受信し得るCPU又は他の装置に接続されるようになっている。望ましくは、少なくとも1つの表示装置は、コンピュータ又はマイクロプロセッサなどのプログラマブルロジックデバイスにロードされる命令に基づくコンピュータのソフトウェアコードを介して駆動され得る。
【0066】
望ましくは、少なくとも透過率制御装置は、それがDVDプレーヤーなどの透過レベルを受信し得る、CPU又は他の装置に接続されるようになっている。望ましくは、少なくとも1つの透過率制御装置は、コンピュータ又はマイクロプロセッサなどのプログラマブルロジックデバイスにロードされる命令に基づくコンピュータのソフトウェアコードを介して駆動され得る。
【0067】
望ましくは、少なくとも1つの透過率制御装置及び少なくとも1つの表示装置は、同じ装置によって駆動又は制御されるようになっている。
【0068】
望ましくは、少なくとも1つの透過率制御装置は、表示装置に表示されることになる画像に関連する、ユーザ又はソフトウェア定義の選択に基づいて、選択的に光の透過を制御するようになっている。例えば、ユーザ、コンテンツ開発者、又は公表者は、特定の画像に関連する光の透過レベルを画定する。
【0069】
望ましくは、少なくとも1つの透過率制御装置は、表示される一画像又は複数の画像の形態に特有の光の透過を制御できるようになっている。
【0070】
望ましくは、少なくとも1つの透過率制御装置及び少なくとも1つの表示装置は、透過率制御装置が表示装置上の画像に関連する光の透過を制御することに関連して駆動されるようになっている。
【0071】
ビデオコンテンツを表示するパネルの背後に垂直に積み重ねられる第2のディスプレイによって行われる特定の大きさの制御を付加することにより、この明るさ調整は、所定のフレームの全体シーンに適用されるというよりもむしろ局所的な一領域又は複数の領域において可能になる。バックライト輝度レベルの適切かつ選択的な遮断は、一ディスプレイが強調されない又は遮蔽されることを望むシーンの部分の直後にある第2のディスプレイの画素に対して、異なったより暗く中性なグレーレベル(例えば50%透過率)を適用することによって成し遂げられ得る。逆に、一ディスプレイがより明るくされることを望む画像の領域の背後の画素は、全てのバックライトパワーがそれらの領域を照明できるように、全てすなわち100%に対応するグレーレベルで駆動され得る。
【0072】
色すなわち"色度"の制御は、例えば、画像が色を飽和される(又は場合によっては飽和されない)ようにする。
【0073】
明るさのレベルに加えて、色相、飽和、及び色温度などの画像の属性に対して記録されるレベルもまた、与えられ得る。
【0074】
この中で述べられているように利用される表示装置のタイプにかかわらず、ディスプレイは、透過制御装置を介して、一画像又は複数の画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを制御でき、局所的な領域において前記一画像又は複数の画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストが表示されるように選択的に制御する。
【0075】
この方法を用いて強調され得る視覚的なデジタル媒体アプリケーションは、DV、HDTV、eCinema、DVD、QuickTime、AVI、RealVideoなど;フラッシュのようなベクターアニメーション;PowerPoint、slide−showソフトウェアなどの表示ソフトウェア;ウェブページ上のJPEG又はGIF画像、PhotoCD、TIFF、PhotoShopなどのタグ静止画ファイルフォーマットを含んでいる。この中に述べられる表示体験に対するエンハンスメントは、エンターテイメント及び出版業に特に価値を有するものである。
【0076】
当業者には可能である方法によって、ディスプレイの明るさは、フラットパネル装置上に表示されている静止又はビデオ画像のコンテンツに同期させることができる。ソフトウェアは、フレーム又は一連のフレームのグレースケールコンテンツを検査するために書き込まれ、例えば、変化する(動的な)明るさレベルの演算手段を計算する。所定のパラメータ群からの現在の値次第で、ソフトウェアは、適当なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)からバックライトドライバへ送信されることになる命令を生じさせ、ディスプレイを照明する一のランプ又は複数のランプの電圧レベルを制御することによってディスプレイの明るさレベルを動的に調整する。
【0077】
従って、本発明のさらなる側面は、画像の局所的な領域において光の透過率を制御する強調される方法から成ることを開示し、透過率制御装置が与えられていないか又は与えられてなかった時であって、光を遮るか又はフィルタリングするように動作しなかった時に、少なくとも1つの透過率制御装置及び少なくとも1つの表示装置の透過率が、視聴者によって、経験される前記画像の同一又は類似の輝度レベルを維持するように関連して制御される。
【0078】
バックライト輝度が部分的に遮られている第1の場合、ビデオコンテンツを表示するディスプレイ上の対応する領域の画素のガンマ応答曲線は、ここで、それらの透過率を増加させるように変更され得る。この増加は、観測者に達する最終的な明るさレベルを変更しない一方で、観測者の視覚皮膚の光化学作用の刺激の増加したレベルを与える。それゆえ、同じ合成輝度レベルが維持されるように、透過率制御装置の利用及び画像のガンマ値を増加させることを介して、バックライトの明るさレベルを同期させて低くすることによって、より鋭く感応する色の衝突が、動的でない再生を用いて可能になる前に達成され得る。
【0079】
望ましくは、本発明は、最終的な輝度レベルが維持されるか又はほぼ維持されるようになっており、視聴者の表示体験が透過率制御装置を利用して表示装置に対する光の透過を制限することによって強調される一方で、同時に表示装置の透過率を増加させることによって、改善されたコントラストを通して強調される。
【0080】
本発明は従来技術を超える多くの可能性のある利点を提供するものである。
【0081】
本発明のさらなる側面は、もっぱら例を通し添付図面を参照して与えられる以下の説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0082】
図1は、改善された色調及びコントラスト特性を用いてシーンを表示することに関連して用いられる表示装置及び透過率制御装置の図を例証する。
【0083】
示される例では、表示装置(1)として動作する透過型LCD層又はパネル、及び透過率制御装置(2)として動作するさらなる透過型LCD層又はパネルは、互いに関して一列に配置されて置換されるが、利用時には、表示装置及び透過率制御装置は、積み重ねられ又は挟み込まれる構造を形成するように直前に配列される。表示されることになるシーンは、丘の頂上、月、及び夜空(3a、3b、3c)から構成され、表示装置上に表示される。光線は、透過率制御装置(4)の背後の(示されていない)バックライティングシステムから入る。透過率制御装置は、画像の局所的な領域において選択的にこの光線を制御する。月(5a)に関しては、透過率制御装置を抜け出る結果としての光線は、黄色(色は示されていない)で明るく飽和し、丘の上に関しては、結果としての光線は、色(5b)が強められることはなく飽和しない。夜空の局所的な領域において透過率制御装置に入る光線は、透過率制御装置及び表示装置によって(完全ではないとしても)かなり大きな程度で遮られる。表示装置上に表示される結果としての画像は、月と夜空の間で特にコントラスト比が増加しており、加えて、画像の色は、より鋭く感応する。
【0084】
望ましい実施例において、例証されるディスプレイは、構造上、積み重ねられている2つのLCDを含んでいる。望ましくは、カラーLCDであるが、それらのLCDは、それは代替的にグレースケールLCDを用いてさほど高価でないものになり得る。特に、透過制御装置として動作するグレースケールLCDは、表示装置として動作するカラーLCDと組み合わせて用いられ得る。このカラーLCD/グレースケールLCDの組み合わせ又は複数のグレースケールLCDの組み合わせは、効果的に画像の照明を制御するが、本発明に述べられている色調強調属性に対してはほとんど付加しないため、コントラスト割当ては、効果的に制御されるが、色調飽和又は他の色調特性は制御されない。
【0085】
2つの層のLCDのこの望ましい実施例において、モアレ干渉が、類似パターンの層のため結果として生じ、これは、LCDの間に配置される任意の同質の層などの光拡散装置の利用を通して克服又は制限され得るが、そのような介在の層は、多層表示装置の層の透過率を決定するのに計算に入れられる必要がある。
【0086】
代替的に、(視聴者の眺望から)前方のLCDは、装置を制御する照明として用いられ、後方のLCDは、表示装置として用いられる。
【0087】
望ましくは、LCD層は、2つの層の間にできる限りほとんど距離がないように構成される。
【0088】
この好ましい実施例において、2つの積み重ねられているLCD層は、アドレス画像表示装置としてのそれらの通常の方法で用いられ、CPU又は他の装置駆動部に接続され得る。コンテンツ生成及び編集のために、多くのソフトウェアアプリケーションが、本発明に関連して用いられ得る。
【0089】
2つの積み重ねられているLCD層についてのこの好ましい実施例において、後方の層は、本発明で述べられるコントラスト及び色調エンハンスメントの両目的に対するものとして用いられ、また、それらの層が距離によって置換される場合には、実施例は独立の画像表示のために用いられ、異なる画像が知覚対象の強調される深さを用いて前後の層に表示され得る。
【0090】
さらなる望ましい実施例において、コントラスト比及び色調のエンハンスメントは、ユーザの相互作用に基づいて行われる。このユーザの相互作用の実施例は、ディスプレイをCPU又は他の装置駆動部に接続することを伴うことにより、ユーザは、彼らが画像の明るさ、コントラスト、色相、色温度に関して表示装置上に表示される画像を強調するのに必要とされる照明制御のレベルを決定することができる。ユーザは、ソフトウェアアプリケーションと相互作用することができ、画像が表示され、ソフトウェアアプリケーションが透過率制御装置及び表示装置の両者を駆動し、それらの特定される特性を用いて画像を表示する場合に、彼らが知覚しようとしている明るさ及び色を特定する。彼らは、望ましくは、前記層の透過率を計算する際に利用される各層のガンマ曲線を制御し得る。望ましくは、透過率制御装置が示す照明及び色調制御のレベルは、例えばユーザが相互に作用するマウスのキーストロークによって制御されるスライディングスケールによって制御される。代替的に、ユーザが相互に作用する装置は配線によって接続され、ユーザは物理的なスライダー又はノブと相互に作用する。
【0091】
ユーザの相互作用についてのこの望ましい実施例を利用すると、色調及びコントラストの強調された画像又は実際の映画全体は、CPU又はDVDなどの他の装置駆動部を用いて再生のために再度記録され得る。この望ましい実施例の視聴者は、色調及びコントラストの前記エンハンスメントを制御する機構にたいてい気付かないが、改善された表示体験を楽しむであろう。
【0092】
図2は、改善された色調及びコントラスト特性を用いて画像を表示するソフトフトウェアによって実行される情報のフロー及びステップのフローチャート図を例証する。図2において、実行は、アドレスフォーマット(望ましくはレッド、グリーン、ブルーのフォーマット)で与えられている画像ファイルのステップであるブロックAで始まる。フローチャートは、処理段階であるブロックBに進む。画像の処理は、ユーザ定義の選択又は事前定義された設定のいずれかに基づいて行われ、それによって、コントラスト又は照明及び色調又は色度が画定される。処理段階は、その後、2つの情報を与え、その1つは、透過率制御装置(D)に表示するために透過率制御装置を駆動するのに必要とされる情報(C)である。もう一方の情報は、表示装置(F)に表示される表示装置を駆動するのに必要とされる情報(E)である。明らかに、2つの積み重ねられたLCD層を用いたユーザ制御されたコントラスト比及び色調エンハンスメントの組み合わせの実施例により、ユーザ/コンテンツ開発者は、表示されることになる画像の表示特性を正確に制御することができる。
【0093】
図3は、望ましい実施例に関連するサンプル画像制御ソフトウェアパネルを例証しており、この場合において、表示スクリーンを読み込み、値を計算し、任意にそれを補正し、値を適当な情報転送ポートに出力し、任意にディスプレイのガンマを補正する、アプリケーションが存在している。
【0094】
計算される値は、変更され又は修正されようとしている領域におけるサブピクセルの平均グレーレベルである。グレーは以下を用いて計算される。
【0095】
Grey=red*0.3+green*0.59+blue*0.11
【0096】
計算は、例えば100ミリ秒ごとに初期化されるタイマーに従って実現され得る。しかしながら、計算が100ミリ秒よりも長くかかる場合には、計算はあまり頻繁には行われない。各フレーム計算に対する時間は、サンプル制御パネル図(図3)の"Time to compute frame(フレームの計算時間)"の読出し表示部に表示される。
【0097】
例えば、デフォルト設定として、アプリケーションは、水平垂直8画素ごとに読み出すように設定され得る。すなわち、8×8すなわち64画素からの1つは、ガンマ決定のためのグレー値を計算するのに用いられる。これは、スキップピクセル(Skip Pixels)オプションを用いて調整され得る。1、2、4、8、及び16画素に対する設定が存在する。1に設定する場合、スクリーン上の各画素が読み出される。
【0098】
計算されるガンマ応答は、例えば、ルックアップテーブルによって作用され得る。これは、例えば、通常1.0からおよそ2.3の範囲の256フローティングポイントのテーブルであり、計測された値に応答して単一の領域又は複数の領域において各サブピクセル又はサブピクセル群の明るさを調整し得る。テーブルは、アプリケーションと同じディレクトリに位置する"gamlut.txt"と名付けられたテキストファイルを変更することによって編集され得る。"Use gamma lut"がアプリケーション上でチェックされている場合には、調整された明るさは、gamma lutのテーブルを介して実行され、装置のガンマテーブルに出力されるフローティングポイント値を生成する。例えば、調整される明るさが125の一定の格子ポイントの位置であり、gamma lutが位置125に値1.5を含む場合には、ガンマ1.5のテーブルが計算され、画面表示装置は更新される。(例証されるような)アプリケーションにおいて"Use gamma lut"をチェックしない場合には、1.0のガンマを設定する。
【0099】
明るさ及びガンマルックアップテーブルは、スタートボタンが押されると同時にそれらのテキストファイルからリロードされる。これにより、ルックアップテーブルを変更し、その効果を見ることは、より便利になる。ファイルは、それぞれ、復帰及び改行(CR、LF、又はその入力キー)によって分離される256個の値を含まなければならない。
【0100】
ルックアップテーブルを編集するためには、Notepad又はMicrisoft Excelなど、任意のテキストエディタを用いることができる。
【0101】
例えば、初期値では以下を読み出す。
【0102】



::::
254
255
【0103】
例えば2倍のゲインを得るためには、オペレータはテーブルが以下を読み出すように変更する。
【0104】



::::
254
255
【0105】
色温度、明るさなどの他のパラメータに対する類似のアルゴリズムのライブラリは、ユーザが、画像の選択した部分のそれらに対して変更を実現するためには有用であり得る。
【0106】
本発明の側面について、もっぱら例を通して述べてきたが、その中の範囲から出発することなしに変更及び付加がなされ得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】改善された色調及びコントラスト特性を用いてシーンを表示することに関連して用いられる表示装置及び透過率制御装置の図を例証する。
【図2】改善された色調及びコントラスト特性を用いて画像を表示するソフトウェアによって実行される情報のフロー及びステップのフローチャート図を例証する。
【図3】望ましい実施例に関連するサンプル画像制御ソフトウェアパネルを例証する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層表示装置における表示のために、少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御する方法であって、
i)表示されることになる前記少なくとも1つの画像を受信するステップと、
ii)前記画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを検出して、表示されるようにするステップと、
iii)検出又は受信される明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを達成するために、前記画像の局所的な領域において多層表示装置の各層の透過率を決定するステップと、
iv)表示装置又は記憶装置に対して前記(画像)の局所的な領域において多層表示装置の各層の決定された透過率を通信するステップと、
を実行することを特徴とする方法。
【請求項2】
多層表示装置における表示のために、少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを制御する方法であって、
i)表示されることになる前記少なくとも1つの画像を受信するステップと、
ii)前記画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストを検出して、表示されるようにするステップと、
iii)検出又は受信される明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを達成するために、前記画像の局所的な領域において多層表示装置の各々の非表示層の透過率を決定するステップと、
iv)表示装置又は記憶装置に対して前記(画像)の局所的な領域において前記多層表示装置の非表示層の決定された透過率を通信するステップと、
を実行することを特徴とする方法。
【請求項3】
別の画像と組み合わせて表示されるように、少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、及び/又はコントラストを制御する、請求項1又は2のいずれか1つに記載の方法。
【請求項4】
請求項1又は2のいずれか1つに記載の方法を利用して、表示されることになる少なくとも1つの画像のコントラストを制御する一方で、前記画像の知覚される最終的な明るさ(net brightness)がコントラストの変化にかかわらず維持されるように、明るさが請求項1又は2のいずれか1つに記載の方法を利用して維持される、方法。
【請求項5】
i)少なくとも部分的に選択され透過的である、少なくとも1つの画像が表示される少なくとも1つの表示装置と、
ii)前記画像を照明するバックライティングシステムと、
iii)前記画像の局所的な領域において前記バックライトから視聴者への光の透過率を選択的に制御する少なくとも1つの透過率制御装置と、
を含み、
透過率の決定及び制御が、前記装置上に表示される少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストの制御を可能にすることを特徴とするディスプレイ。
【請求項6】
i)それ自身の光線を放射する、少なくとも1つの画像が表示される少なくとも1つの表示装置と、
ii)前記画像の局所的な領域において前記表示装置から視聴者への光の透過を選択的に制御する少なくとも1つの透過率制御装置と、
を含み、
透過率の決定及び制御が、前記装置上に表示される少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストの制御を可能にすることを特徴とするディスプレイ。
【請求項7】
i)トランスフレクティブ表示装置である、少なくとも1つの画像が表示される少なくとも1つの表示装置と、
ii)前記画像の局所的な領域において前記表示装置から視聴者への光の透過を選択的に制御する少なくとも1つの透過率制御装置と、
を含み、
透過率の決定及び制御が、前記装置上に表示される少なくとも1つの画像の明るさ、色調、色相、色温度、ガンマ応答、又はコントラストの制御を可能にすることを特徴とするディスプレイ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの透過率制御装置及び前記少なくとも1つの表示装置の透過率が、表示されることになる前記画像の局所的な領域においてコントラストを制御することに関連して用いられる一方で、前記画像の明るさはコントラストのその変化にかかわらず維持されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか1つに記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記表示装置は、液晶表示パネルであることを特徴とする請求項5、7、又は8のいずれか1つに記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記透過率制御装置は、液晶表示パネルであることを特徴とする請求項5から9のいずれか1つに記載のディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−145676(P2011−145676A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10489(P2011−10489)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【分割の表示】特願2004−515255(P2004−515255)の分割
【原出願日】平成15年6月25日(2003.6.25)
【出願人】(505000745)ピュアデプス リミテッド (6)
【Fターム(参考)】