背面照明を使用して光干渉変調器を照明するシステム及び方法
【課題】 背面照明を使用して光干渉変調器を照明するシステム及び方法。
【解決手段】 背面照明を用いた光干渉変調器アレイ装置が開示される。光干渉変調器アレイ装置は、複数の光干渉変調器素子を具備し、ここでは、光干渉変調器素子の各々は、光学的キャビティを具備する。光干渉変調器アレイは、光学的開口領域を含み、少なくとも1つの反射素子は、光学的開口領域を通過する光を受光するように、そして受光された光の少なくとも一部を光干渉変調器素子のキャビティの方へ反射するように、置かれる。複数の実施形態において、光干渉変調器素子は、光学的開口領域が隣接する複数の光干渉変調器素子の間に形成されるように、互いに分離されることができる。
【解決手段】 背面照明を用いた光干渉変調器アレイ装置が開示される。光干渉変調器アレイ装置は、複数の光干渉変調器素子を具備し、ここでは、光干渉変調器素子の各々は、光学的キャビティを具備する。光干渉変調器アレイは、光学的開口領域を含み、少なくとも1つの反射素子は、光学的開口領域を通過する光を受光するように、そして受光された光の少なくとも一部を光干渉変調器素子のキャビティの方へ反射するように、置かれる。複数の実施形態において、光干渉変調器素子は、光学的開口領域が隣接する複数の光干渉変調器素子の間に形成されるように、互いに分離されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ディスプレイを照明するシステム及び装置に関し、特に、背面照明若しくは1又はそれ以上の反射素子を使用してディスプレイを照明するシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び、或いは、電子装置及び電子機械装置を形成するために基板及び/又は堆積された材料の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加する、その他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMS装置の1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。光干渉変調器は、1対の導電性プレートを具備し、その一方又は両方が、全体或いは一部分が透明である及び/又は反射でき、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を具備し、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を具備することができる。そのような装置は、広範囲のアプリケーションを有し、これらのタイプの装置の特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、自身の特徴は、既存の製品を改善することに活用されることができ、未だ開発されていない新たな製品を創り出すことに活用されることができる。
【0003】
ある種のアプリケーションに関して、光干渉変調器装置は、アレイ構成に配置されることができ、有利な動作上及び性能特性を有するディスプレイ・アセンブリを提供する。例えば、これらのディスプレイは、低電力消費ばかりではなく鮮やかな色特性を有することができる。
【0004】
このようなディスプレイにおける光干渉変調器装置は、光を反射し、光学的干渉を生成することにより動作する。光干渉変調器アレイは、アレイから反射された周囲光を変調することにより動作することができる。しかしながら、周囲光が利用できないか又は不充分であるとき、背面照明により提供されるような、補助の照明が望まれる。このように、光干渉変調器アレイを照明するためのシステム及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本発明のシステム、方法、及び装置は、それぞれ複数の態様を有し、そのいずれもが、その好ましい特性に単独で寄与するのではない。本発明の範囲を制限することなく、自身のより卓越した特徴が、ここに簡潔に説明される。本明細書を熟考した後で、特に“特定の実施形態の詳細な説明”の項を読んだ後で、本発明の特徴が、その他のディスプレイ装置に対する利点をどのようにして提供するかを、理解するであろう。
【0006】
空間光変調器の1つの実施形態は、第1及び第2の光学表面により規定されるキャビティを各々が有する複数の光変調素子を具備し、ここで、第2の光学表面は、第1の光学表面に対して可動である光変調アレイを具備する。光変調アレイは、少なくとも1つの光学的開口領域を含む。光変調アレイ装置は、更に、基板と複数の光変調素子との間に形成され、光学的開口領域を通過する光を受光し且つ受光された光の少なくとも一部をキャビティへ反射するように構成された、少なくとも1つの反射素子を具備する。背面照明は、その結果ある実施形態において促進される。
【0007】
少なくとも1つの反射素子は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備することができる。その上、少なくとも1つの反射素子は、傾斜面を有することができる。
【0008】
反射素子は、実質的に凸面状の幾何学的形状、又は実質的に凹面状の幾何学的形状を有することができる。更に、少なくとも1つの反射素子は、複数の光変調素子の近くへ伸びる連続的な一体構造を形成するように、相互接続された部分を具備することができる。
【0009】
空間光変調器は、更に、少なくとも1つの反射素子への視界を少なくとも部分的に遮るように、少なくとも1つの反射素子に位置合せされたマスクを具備することができる。マスクは、少なくともエタロン(etalon)の一部を具備することができ、エタロンの一部分は、1又はそれ以上の部分的反射材料の層及び1又はそれ以上のスペース層を具備することができる。
【0010】
複数の実施形態において、少なくとも1つの反射素子は、少なくとも成形された構造(feature )及び成形された構造を覆う反射材料を具備する。
【0011】
光変調アレイの基板は、少なくとも1つのキャビティを具備することができ、ここで、少なくとも1つの反射素子は、基板のキャビティ中に形成される。少なくとも1つの反射素子は、実質的に透明な材料中に懸濁された実質的に粒子形状の反射材料を具備することができる。
【0012】
複数の実施形態において、複数の光変調素子は、金属層を含み、ここで、金属層は、複数の光学的透過開口部を具備する。少なくとも複数の光変調素子は、その間に光学的開口領域を形成するように、互いに分離されることができる。
【0013】
空間光変調器を製作する方法の1つの実施形態は、基板上に少なくとも1つの反射素子を形成すること、光変調アレイを形成するように、基板上の少なくとも1つの反射素子の上方に複数の光変調素子を形成することを具備する。光変調素子の各々は、キャビティを規定する第1及び第2の光学表面を具備し、ここで、第2の光学表面は、第1の光学表面に対して可動である。光変調アレイは、少なくとも1つの光学的透過開口領域を有する。少なくとも1つの反射素子は、少なくとも1つの開口領域を通して光を受光し、受光された光の少なくとも一部をキャビティ内部に反射するように構成される。
【0014】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを堆積させることを具備することができ、少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に傾斜面、実質的に凸面状の幾何学的形状、又は実質的に凹面状の幾何学的形状を形成するために、1又はそれ以上の材料を堆積させることを具備することができる。複数の実施形態において、少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に成形された基体構造(base structure)を形成すること、成形された基体構造上に反射材料を堆積させることを具備する。
【0015】
本方法は、更に、基板中にキャビティを形成すること、及び基板のキャビティ中に実質的に少なくとも1つの反射素子を形成することを具備することができる。少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に反射材料の層を堆積させること、反射材料の反射率及び/又は散乱を向上させるために層を表面処理すること、を具備することができる。
【0016】
複数の実施形態において、本方法は、更に、少なくとも1つの反射素子の可視的存在を隠すように、少なくとも1つの反射素子に位置合せされた基板上に隠し構造(concealing feature)を形成することを具備する。隠し構造は、吸収材料、反射材料、及び透過材料の少なくとも1つのマスクを具備することができる。隠し構造は、カーボン・ブラック材料、染料、クロム、及びモリブデンの少なくとも1つのマスク層を具備することができる。複数の実施形態において、隠し構造は、金属膜及び少なくとも1つの反射素子を具備するエタロンを形成するために金属膜を具備する。エタロンは、所定の色として観察者に出現するように構成されることができる。
【0017】
本方法の1つの実施形態において、少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板表面に複合材料を堆積させることを具備する。ここで、複合材料は、実質的に透明な材料中に懸濁された反射粒子を具備する。複合材料は、複数の反射素子を形成するように基板表面上の離散した位置に堆積されることができ、又は複合材料は、連続層として基板表面上に堆積されることができ、これにより単一の反射素子構造を形成する。
【0018】
複数の実施形態において、光変調素子は、光干渉変調器素子を具備し、光変調アレイは、光干渉変調器アレイを具備する。しかしながら、その他の実施形態において、その他の型のMEMS構造を含むその他の型の光変調器が、採用されることがある。
【0019】
光干渉変調器アレイを背面照明する方法の1つの実施形態は、光干渉変調器アレイの第1の側に近接した光源を配置すること、及び光を光源から光干渉変調器アレイの第2の反対側へ反射させることを具備する。複数の実施形態において、光は、基板と基板上に形成された複数の変調器素子の間に配置された1又はそれ以上の反射素子で反射される。その上、本方法は、更に、視界から反射素子を隠すために、1又はそれ以上の反射素子を遮蔽することを具備することができ、遮蔽することは、1又はそれ以上の反射素子と観察者との間にエタロンの少なくとも一部を形成することを具備することができる。
【0020】
本方法の複数の実施形態において、光は、複数の離散した反射素子で反射され、そして、光は、傾斜面を有する1又はそれ以上の反射素子で反射されることがある。光は、1又はそれ以上の凸面状の反射素子で、又は1又はそれ以上の凹面状の反射素子で反射されることがある。光は、アルミニウム、銀、チタン、金、又は銅の少なくとも1つを具備する1又はそれ以上の反射素子で反射されることがある。
【0021】
後でより充分に議論されるように、ある好ましい実施形態において、1又はそれ以上の反射素子は、背面照明から近くの光干渉変調器素子へ照明を向けるためにディスプレイに統合されることができる。光干渉変調器アレイは、1又はそれ以上の開口領域を含むことができ、その開口領域を通して背面照明の光源から照明が伝播する。開口領域は、例えば、隣接する複数の光干渉変調器素子の間に配置されることができる。1又はそれ以上の反射素子は、基板と光干渉変調器アレイとの間に形成される。反射素子は、開口領域を通過する光を受光するように配置され、受光した光を光干渉変調器の光学的キャビティに反射することができる。反射素子は、望み通りに光を向ける湾曲面又は傾斜面を有することができる。反射素子は、アルミニウム又は銀のような反射材料を具備することができる。ある実施形態において、反射素子は、フォトレジストのような基体材料(base material)、及びアルミニウム又は銀のような反射被覆材料を具備することができる。これらの反射素子は、基板上に又は基板中に形成されることができ、平坦化により覆われることができる。背面照明の効率は、このような反射素子を用いて向上されることができる。これらの反射素子は、しかも、ディスプレイの表面を通した光の漏れも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、干渉変調器ディスプレイの1実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1の干渉変調器の可動反射層は、リリースされた位置にあり、第2の干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の干渉変調器の1つの具体例としての実施形態に関する可動鏡位置対印加電圧の図である。
【図4】図4は、干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3干渉変調器ディスプレイにディスプレイ・データのフレームを書き込むために使用されることができる行及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図5B】図5Bは、図2の3×3干渉変調器ディスプレイにディスプレイ・データのフレームを書き込むために使用されることができる行及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは、図1の装置の断面図である。
【図6B】図6Bは、干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図6C】図6Cは、干渉変調器のその他の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7】図7は、光干渉変調器を駆動するための電極を示す光干渉変調器アレイの平面図である。
【図8A】図8Aは、開口領域により分離された複数の光干渉変調器素子を具備する光干渉変調器アレイの1実施形態の平面図である。
【図8B】図8Bは、背面照明素子による照明を示す図8Aの光干渉変調器アレイの断面図である。
【図9A】図9Aは、1つより多い材料を具備する反射素子の1実施形態の断面図である。
【図9B】図9Bは、キャビティ中に形成された凸面状の反射素子の1実施形態の断面図である。
【図9C】図9Cは、キャビティ中に形成された凹面状の反射素子の1実施形態の断面図である。
【図10】図10は、観察者から反射素子を隠すように構成された反射素子及びマスクの断面図である。
【図11】図11は、その領域を通して光を透過するための複数の光学的開口領域を形成するためにパターニングされた上部電極層を示す光干渉変調器アレイの平面図である。
【図12A】図12Aは、複数の干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図12B】図12Bは、複数の干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
下記の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に向けられる。しかしながら、発明は、多数の異なる方法で具体化されることができる。この明細書では、参照符合が、図面に与えられ、全体を通して同様の部分が類似の数字を用いて表される。下記の説明から明らかになるように、本発明は、動画(例えば、ビデオ)であるか固定画面(例えば、静止画)であるかに拘わらず、及びテキストであるか画像であるかに拘わらず、画像を表示するために構成された任意の装置で実行されることができる。より詳しくは、本発明が種々の電子装置で実行される若しくは電子装置に関連付けられることができることが、予想される。電子装置は、携帯電話機、無線装置、パーソナル・データ・アシスタンツ(PDAs)、ハンド−ヘルド又は携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム・コンソール、腕時計、時計、計算機、テレビ・モニタ、フラット・パネル・ディスプレイ、コンピュータ・モニタ、自動車ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、等)、コクピット制御装置及び/又はディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例えば、自動車の後方監視カメラのディスプレイ)、電子写真、電子広告板又はサイン、プロジェクタ、建築上の構造物、包装、及び芸術的な構造のようなもの(例えば、宝飾品1個の画像のディスプレイ)であるが、限定されない。ここに説明されたものに類似の構造のMEMS装置も、電子スイッチング装置のような、非−ディスプレイ・アプリケーションで使用されこともできる。
【0024】
光干渉MEMSディスプレイ素子を具備する1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらの装置において、画素は、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗(“オフ”又は“閉(close)”)状態にある場合は、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に依存して、“オン”及び“オフ”状態の光反射率特性は、逆になることがある。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0025】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の2つの隣接する画素を図示する等測図であり、ここでは、各画素は、MEMS光干渉変調器を具備する。複数の実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを具備する。各光干渉変調器は、互いに可変であり制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層の1つは、2つの位置の間を移動することができる。第1の位置では、ここではリリース状態(released state)と呼ぶ、可動層は、固定された部分反射層から比較的離れた距離に位置する。第2の位置では、可動層は、部分反射層により近くに隣接して位置する。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に依存して、積極的に(constructively)又は否定的に(destructively)干渉して、各画素に対して全体が反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0026】
図1の画素アレイの図示された部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左の光干渉変調器12aでは、可動且つ高反射層14aは、固定された部分反射層16aから所定の距離のリリースされた位置に図示される。右の光干渉変調器12bでは、可動高反射層14bは、固定された部分反射層16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0027】
固定層16a,16bは、電気的に導電性であり、部分的に透明であり、部分的に反射する、そして、例えば、透明基板20上にクロムとインジウム−スズ−酸化物のそれぞれの1つの又はそれ以上の層を堆積することにより製作されることができる。複数の層は、平行なストライプにパターニングされ、下記に更に説明されるようにディスプレイ装置中の行電極を形成できる。可動層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18の間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数の層の堆積された金属層の一連の平行なストライプとして形成されることができる。犠牲材料がエッチされて除去されるときに、変形可能な金属層は、決められたエアー・ギャップ19だけ固定金属層から分離される。アルミニウムのような非常に電導性があり反射する材料が、変形可能層として使用されることができ、そして、これらのストライプは、ディスプレイ装置において列電極を形成できる。
【0028】
印加電圧がないと、キャビティ19は、2つの層14a,16aの間に留まり、変形可能層は、図1の画素12aに図示されたように機械的にリラックス(relax)した状態にある。しかしながら、電位差が選択された行及び列に印加されると、対応する画素において行及び列電極の交差点に形成されたキャパシタは、充電され、静電力が電極を互いに引きつける。電圧が十分に高ければ、可動層は、変形され、図1中の右の画素12bにより図示されたように、固定層に対して押し付けられる(この図に図示されていない誘電材料が、固定層上に堆積されることがあり、短絡することを防止し、分離距離を制御する)。この動きは、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射対非反射画素状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0029】
図2から図5は、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例としてのプロセス及びシステムを説明する。図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例としての実施形態において、電子装置は、プロセッサ21を含む。そのプロセッサ21は、いずれかの汎用のシングル・チップ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのようないずれかの特殊用途マイクロプロセッサ、であることができる。本技術において通常であるように、プロセッサ21は、1又はそれ以上のソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、若しくはいずれかのその他のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又はそれ以上のソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0030】
1実施形態では、プロセッサ21は、しかも、アレイ・コントローラ22と通信するように構成される。1実施形態では、アレイ・コントローラ22は、画素アレイ30に信号を供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に図示されたアレイの断面は、図2に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に説明されたこれらの装置のヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリリースされた状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から減少される場合に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例としての実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリリースされない。そのようにして、図3に説明された例では、約3から7Vの電圧の範囲があり、そこでは、その範囲内で装置がリリースされた状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である、印加電圧のウィンドウが存在する。これは、ここでは“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”として呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、行ストロービング(strobing)の期間に、アクチュエートされるべきストローブされた行の画素は、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリリースされるべき画素は、零ボルトに近い電圧差を受ける。ストローブの後で、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差受け、その結果、画素は、行ストローブが画素をどんな状態に置いてもそこに留まる。書き込まれた後で、各画素は、電位差がこの例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内であると判断する。この特徴は、アクチュエートされた又はリリースされた現在の状態いずれかの状態に同じ印加電圧条件の下で、図1に説明された画素設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態であるかリリースされた状態であるかに拘わらず、光干渉変調器の各画素が、基本的に固定反射層と移動反射層とにより形成されたキャパシタであるので、この安定状態は、ほとんど電力消費なしにヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧で保持されることができる。印加された電位が一定であるならば、基本的に電流は、画素に流れ込まない。
【0031】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされた画素の所望のセットに従って列電極のセットを明示すること(asserting)によって創り出される。行パルスは、それから行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応する画素をアクチュエートする。列電極の明示されたセットは、その後、第2行中のアクチュエートされた画素の所望のセットに対応するように変更される。パルスは、それから、行2の電極に印加されて、明示された列電極に従って行2中の適切な画素をアクチュエートする。行1画素は、行2パルスに影響されず、行1画素は、行1パルスの間に設定された状態に留まる。これは、連続した方式で一連の行全体に対して繰り返され、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレームの数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たなディスプレイ・データでリフレッシュされる及び/又は更新される。ディスプレイ・フレームを生成するために画素アレイの行及び列電極を駆動するための広範なプロトコルも、周知であり、本発明とともに使用されることができる。
【0032】
図4及び図5は、図2の3×3アレイでディスプレイ・フレームを創り出すための1つの可能性のあるアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、画素が図3のヒステリシス曲線を表すために使用されることができる、列及び行電圧レベルの可能性のあるセットを説明する。図4の実施形態では、画素をアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を+ΔVに設定することを含む。これは、それぞれ−5V及び+5Vに対応することができる。画素をリリースさせることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を同じ+ΔVに設定することにより達成され、画素を横切って零ボルトの電位差を生成する。行電圧が零ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbias又は−Vbiasであるかに拘らず、画素が元々あった状態がどうであろうとも、画素は、その状態で安定である。
【0033】
図5Bは、そこではアクチュエートされた画素が反射しない図5Aに説明されたディスプレイ配列に結果としてなる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図である。図5Aに図示されたフレームを書き込むことに先立って、画素は、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧で、全ての画素は、自身の現在のアクチュエートされた状態又はリリースされた状態で安定である。
【0034】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされている。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全ての画素が3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どの画素の状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、零に戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)画素をアクチュエートし、(1,3)画素をリリースする。アレイ中のその他の画素は、影響されない。望まれるように行2を設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び3は、+5ボルトに設定される。行2に印加された同じストローブは、その後、画素(2,2)をアクチュエートし、画素(2,1)及び(2,3)をリリースする。再び、アレイのその他の画素は、影響されない。行3は、列2及び3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されたように行3画素を設定する。フレームを書き込んだ後、行電位は零に、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、ディスプレイは、その後、図5Aの配列で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、歓迎される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用された電圧のタイミング、シーケンス、及びレベルが、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、具体的な例だけであり、任意のアクチュエーション電圧方法は、本発明とともに使用されることができる。
【0035】
上記に説明された原理に従って動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広い範囲で変化できる。例えば、図6A−図6Cは、移動鏡構造の3つの異なる実施形態を図示する。図6Aは、図1の実施形態の断面であり、そこでは金属材料14のストライプが、直角に伸びている支柱18上に堆積される。図6Bでは、可動反射材料14は、連結部(tether)32上に、角だけで支柱に取り付けられる。図6Cでは、可動反射材料14は、変形可能層34から吊り下げられる。反射材料14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されることができるため、及び変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化できるため、この実施形態は、利点を有する。種々のタイプの干渉装置の製造は、例えば、米国公開出願2004/0051929を含む、種々の公開された文書に記載されている。多種多様な周知の技術が、一連の材料堆積、パターニング、及びエッチング工程を含む、上記に説明された構造を製造するために使用されることができる。
【0036】
例えば、空間光変調器を形成する光干渉変調器のアレイに含まれるような“光干渉変調器”は、ここでは“光干渉変調器素子”と呼ばれることもある。
【0037】
図7は、ガラスのような、実質的に透明な基板554上の具体例の光干渉変調器アレイ500の上面図である。上記に説明されたようなプロセスにおいて、材料の層は、図7に図示されるように、下部列電極550A-C及び上部行電極552A-Cを形成するために、パターニングされる。図7では見られないが、上部及び下部鏡面(図示されていない)により規定される光学的キャビティ又はエタロン(etalon)は、行電極552A-Cと列電極550A-Cの交点に創り出される。図示された実施形態において、9個の光干渉変調器素子525を形成する3個の列電極550A-C及び3個の行電極552A-Cが示されるが、大きくても小さくてもアレイ500は、より多くの又はより少ない光干渉変調器を含むことができる。代案の構成も可能である。例えば、光干渉変調器素子525は、同じ寸法および形状である必要はなく、垂直列に及び水平行に配置される必要はない。或いは、列電極と行電極の所定の交点において干渉変調器素子525により占有される空間は、図示されたものより寸法的により小さい複数の光干渉変調器素子をその代わりに具備することができる。
【0038】
その上、アレイ500は、しかも、例えば、光干渉変調器の行を横切って伸びる単一の電極552の代わりに各光干渉変調器525に対して1つの、別個の上部機械的電極を用いて製作されることもできる。分離した上部機械的電極は、例えば、別個の層を通して電気的に接触されることができる。その上、行で個々の変調器525を接続する電極の部分(例えば、上部の機械的電極552)は、縮小された幅を有する。このような縮小された幅の電極部分は、複数の光干渉変調器525の間で図7に示されるより狭い接続を提供できる。個々の変調器を接続する狭い電極部分は、より充分に後で議論されるように、例えば、複数の実施形態において光干渉変調器525の隅に設けられることができる。
【0039】
図7に示されるように,各列550A-Cは、コンタクト・パッド556A-Cへ電気的に接続される。各行552A-Cも、コンタクト・パッド556D-Fへ電気的に接続される。タイミング及びデータ信号は、光干渉変調器アレイへ向けるためにコンタクト・パッド556へ接続されることができる。しかしながら、上記に説明されたように、電気的コンタクトのない光干渉変調器アレイのような、その他の構成及び設計が採用されることができるので、図示された実施形態は、本質的に具体例である。
【0040】
ある実施形態において、背面照明は、図8Aに示されるような、少なくとも1つの光干渉変調器アレイ500を具備するディスプレイを照明するために使用される。このような構成において、光干渉変調器アレイ500は、後方から、又は光干渉変調器アレイの非表示面側(non-viewing side)から照明を受けるように設計されることができる。
【0041】
図8Aに示されるアレイ500において、複数の光干渉変調器素子525の間の分離部分574は、アレイの非表示面側から見られるように、光学的開口領域を形成する。図8Aに図示される光干渉変調器525の部分は、図1−6Cに関連して上記に説明されたように、上部鏡(図示されていない)を支持する機械的層570に対応する。このアレイ500は、図7に示されるように、例えば、光干渉変調器の行を横切って伸びる単一の電極ストライプの代わりに、各光干渉変調器525に対して1つの上部機械的電極の別個の又は分離した部分570を有するように製作される。機械的層のこれらの部分570は、分離され、その間に光学的透過開口領域又はスペース574を形成する。個別の上部機械的電極570は、上記に説明されたように、例えば、分離層を通して電気的に接続されることができる。
【0042】
図8Aに図示された具体例としての実施形態において、上部機械的電極570の個別の部分は、光干渉変調器525の間に格子状に成形されたスペースを創り出す。上部電極層570中の光学的透過開口領域574は、実質的に材料が無い部分であることができ、及び/又はこれらの光学的開口領域は、実質的に光学的透過性である材料を具備することができる。
【0043】
光干渉変調器アレイ500中のスペース領域又は開口領域は、ディスプレイ中の複数の画素の間に形成されたものに限定されずに、例えば、1つの画素内の下位画素素子に対応する複数の光干渉変調器素子の間のスペースを含むことができる。これらの下位画素は、それぞれ、多色若しくはグレースケール・ディスプレイにおける拡大されたカラー範囲又はグレースケール範囲を提供するために使用されることができる。複数の実施形態において、光干渉変調器アレイは、1又はそれ以上の光干渉変調器素子の機械的層中の1又はそれ以上の光学的透過開口領域及び鏡を具備する。上記に説明されたように、1又はそれ以上の光学的透過開口領域は、実質的に材料が無い部分であることができ、及び/又はこれらの光学的開口領域は、実質的に光学的透過性である材料を具備することができる。
【0044】
1つの実施形態において、光干渉変調器アレイは、1又はそれ以上の実質的に中央の光学的透過開口領域を具備することができる。光干渉変調器装置のある実施形態は、上記に説明された場所及び構成の組み合わせで、光学的透過開口領域を具備することができる。例えば、隣接する複数の光干渉変調器素子間の及び1又はそれ以上の光干渉変調器素子の機械的層及び鏡の中の両者の光学的透過開口領域である。
【0045】
1つの実施形態において、光学的透過開口領域574は、一般に、一定の幅wを有する。幅wは、最小の加工寸法又はその他の製作プロセスの設計ルールにより決定されることができる。一般に、異なる光干渉変調器525に関する機械的層570の複数の隣接する部分の間のスペース574は、どの画素領域も無駄にしないように可能な限り小さくする。しかしながら、幅wは、例えば、ディスプレイ装置の大きさ及び設計又はその他の要因に依存して異なることがあり、この中に説明され図示された実施形態により限定されない。例えば、機械的層570の複数の別個の部分の間の光学的開口領域574は、光学的開口領域574を通過し、光干渉変調器素子525に入射される光の量を増加させるために、最小の寸法より大きく作られることがある。種々の実施形態において、開口領域574の幅は、約2μmと15μmとの間のからの範囲であるが、この範囲以外の幅が可能である。その上、開口領域574の長さは、約10μmと100μmとの間の範囲であるが、この範囲以外の長さが採用されることがある。開口領域574の幅及び長さは、一定である必要はなく、例えば、アレイ500における異なる場所での光レベルを制御するために、アレイ全体に亘って変化することができる。従って、光干渉変調器素子525の寸法及び形状並びに機械的層570の対応する部分は、一定である必要はなく、変化することができる。例えば、ある実施形態において、1画素中の異なる下位画素に関する光干渉変調器素子525の大きさは、拡大されたカラー・レベル及びグレースケール・レベルを提供するためにディザーされる(dithered)。
【0046】
図8Bは、線8B-8Bに沿った図8Aの光干渉変調器アレイ500の断面図である。図8Bは、背面照明575が光干渉変調器アレイ500の第1の非表示面側577に近接して置かれた、1つの実施形態を示す。この背面光源575は、機械的層570の異なる部分上に及び光学的透過開口領域574を通して、光を分散させるように構成される。ある実施形態において、この背面光源575は、1又はそれ以上の方向に伸びている。しかしながら、図8Bに示される背面光源575は、その他のタイプの背面照明光源が使用されることができるので、具体例である。
【0047】
複数の実施形態において、背面光源575は、例えば、発光ダイオードのような、独立した光源を具備することができる。背面光源575は、光放出器(light emitter )から光干渉変調器アレイ500へ光を伝送するか又は伝播するように構成された、導波管のような、1又はそれ以上の光放出器及び光学部品の組み合わせを具備することもできる。アレイ500を横切って伸びる光学的透過層は、例えば、光を光干渉変調器525に接続する導波管として使用されることができる。放出器は、光を導波管に注入するために、この導波管の端部に配置されることができる。
【0048】
図8Bに示されるように、光を背面光源575からそれぞれの光干渉変調器525中の光学的キャビティ584へ向けるために、1又はそれ以上の光反射素子572がディスプレイに含まれる。反射素子572は、背面光源575からの光を複数の光干渉変調器素子525の間の光学的透過開口領域574を通過して反射するように構成される。反射素子は、光干渉変調器525中の光学的キャビティに光を向ける反射面573を有する。光反射素子572は、“散乱素子”と呼ばれることもあり、ここでは、反射素子572は、更に、キャビティを光で充満させるために、光を光学的キャビティ574の方へ散乱させる又は屈折させるために構成される。
【0049】
反射素子572は、例えば、干渉光学素子525の列と行との間の光学的透過開口領域574に位置合せされた格子状反射素子を具備することができる。この単位構造572は、例えば、変調器525の行及び列に平行に位置合せされた、支柱状の又は細長い反射部分を具備することができる。図8Bは、そのような格子状反射素子572の一部分を形成する支柱状の又は細長い反射部分の断面図を示す。図8Bは、光干渉変調器525の光学的キャビティの方へ光を向けるように構成された反射素子572の反射面573を示す。
【0050】
或いは、例えば、点又は別々の細長い部分のような、複数の離散した構造を具備する複数の反射素子572が、使用されることがある。これらの離散した構造は、例えば、反射面を有する出っ張り(bump)、小山(mound)、及び隆起(ridge)を具備することができる。反射素子572は、規則正しい(均一の)又は不規則の(例えば、ランダム)配列に置かれることができる。反射素子572は、同様に、より複雑な形状又は幾何学的形状を有することができる。例えば、格子状パターンは、列及び行とは異なる形状(例えば、“+”又は“L”字形状の素子)に分割されることができる。それでも、格子状パターンを一緒に形成することができるかできない、その他の形状が、可能である。しかしながら、上記に説明されたように、複数の実施形態において、単一の反射素子572が、使用されることができる。
【0051】
図8Bに示されるように、反射素子572は、基板と光干渉変調器素子525との間の基板554上に配置される。反射素子572は、機械的層570の異なる部分の間の光学的透過開口領域574に近接して設置された部分を有することができる。従って、対応する反射面573の部分は、光学的透過開口領域574に近接する。1つの実施形態において、反射素子572又はその部分は、開口領域574に位置合せされ、図8Aに示されるように、非表示面側577から観察した時に、開口領域を通して見ることができる。
【0052】
反射素子572は、機械的層570が設置される(矢印577により示される)非表示面側又は光干渉変調器アレイ500の第1の側に近接して置かれた、背面光源575から光を光学的透過開口領域574を通して受光し、そして受光した光を観察者の目に見える光干渉変調器アレイの第2の側579へ反射するように構成される。観察者の目に見える光干渉変調器アレイの第2の側579は、背面光源575が設置された光干渉変調器アレイの第1の側と反対側である。図8Bは、更に、機械的層570から伸びている上部鏡571aと下部鏡571b、例えば、基板554を覆って形成された金属層578を具備する、の間に形成されている各光干渉変調器素子525中の光学的キャビティ584を示す。上記に説明されたように、反射素子572上の反射面573の形状は、光学的キャビティ584の方へ光を反射する及び/又は散乱させるように構成される。
【0053】
図8Bに図示された実施形態において、反射素子572は、基板554に対して実質的に凸面状の断面を有する。従って、反射素子の断面は、開口領域574に向かって傾斜し、反射面573の部分と反対側に傾斜を付けられ、隣接する光学的キャビティ584に面する。示された反射面573は、湾曲している。しかしながら、反射素子572の幾何学的形状は、その他の幾何学的形状が考えられるので、この中に図示され説明されたものには限定されない。例えば、反射素子は、基板554に対して傾けられ又は斜めにされることができる若しくはできない、平坦な又は平面の断面を有することができる。例えば、断面は、三角形の形状であることができる。その他の形状も可能である。断面は、例えば、実質的に凹面状であることができる。上記に説明されたように、反射素子の部分は、細長いことがある。或いは、複数の実施形態において、一般に、円対称である、マウンド、出っ張り、又は点の場合のように、その部分は、細長い必要はない。或いは、反射素子は、不均一な幾何学的形状を有することがある。その上、反射面573は、実質的に平滑であるように示されているが、反射面は、粗いことがある。反射面は、段を付けられ、又はぎざぎざを付けられることがある。上記に説明されたように、反射面573からの反射は、散乱反射又は鏡面反射であることができる。
【0054】
反射素子は、反射率及び散乱特性を向上させるために、表面処理されることもできる。例えば、反射面573は、マイクロエッチングされることができ、例えば、光の屈折/散乱を向上させるようにより大きな表面積、粗さ、及び/又は隆起を創り出す。或いは、反射面573は、マイクロエッチングされることができ、反射面573を平滑にする、それにより、光の集中を向上させ、光干渉変調器アレイの背面照明の均一性を可能であれば改善する。
【0055】
1つの実施形態において、1又はそれ以上の反射素子は、実質的に平坦又は平面構造及びマイクロラフネス(micro-roughness)を有する材料を具備し、ここで、反射素子材料は、例えば、エッチング、熱アニール、及び/又は放射線硬化(radiated curing)を含むプロセスにより1又はそれ以上の層に堆積され及び形成されることができる。マイクロラフネスは、マイクロエッチング、堆積プロセスの制御、及び/又は材料の特質により、創り出されることができる。
【0056】
その他の実施形態において、1又はそれ以上の反射素子572は、実質的に光学的透過性材料及び透過性材料中に懸濁された複数の反射粒子を具備する。反射粒子は、好ましくは、入射光を反射する及び/又は散乱させるために形成された材料を具備する。上記に議論したように、1又はそれ以上の反射素子は、連続した層のような一体構造を有することができ、及び/又は反射素子は、複数の離散した構造を具備することができる。反射層は、ある実施形態において、実質的に格子状のパターンを具備することができる。
【0057】
反射素子572の位置及び構造(例えば、形状)は、光を光干渉変調器キャビティ584の方へ向けることの有効性を最適化するように操作されることができる。反射素子も同様に、異なるように設置されることができるが、複数の実施形態において、光反射素子572は、光学的開口領域574の直下に置かれることができる。
【0058】
1つの実施形態において、反射素子572は、十分に幅広く、且つ開口領域574を通過する実質的に全ての背面照明575からの光が、光干渉変調器アレイ素子525のキャビティ584内部に反射されるように成形される。複数の実施形態において、反射素子572の幅は、開口領域574を通過する背面照明575からの光の角度分布の大きさに基づいて変化できる。平行にされない背面光源(即ち、幅広い範囲の角度で穴を通過して来る)に関して、反射素子572の大きさは、開口領域から反射素子572への距離の関数であることがある。この距離は、例えば、上部鏡571の厚さ、鏡571と反射素子572との間の間隔により決定されることができる。開口領域を通して入る光の角度の範囲と同様に、開口領域574の幅(w)は、要因であることもできる。光が制限された範囲の角度で開口部574を通過して来るとき、反射素子は、より小さくなることができる。
【0059】
1つの実施形態において、反射素子572は、開口領域574の幅wより実質的に大きな幅、好ましくは3wより大きな幅、を有する。1つの実施形態において、反射素子572は、対応する開口領域574のどちらかの側で少なくともwを越える距離に広がる。
【0060】
極度に幅広い反射素子572は、迷光を遮ることでは有効であるが、反射状態に利用できる画素領域の大きさを減少させることがある。このように、より多くの光を屈折させる幅広い反射素子を選択することと光干渉変調器素子525の反射状態に利用できる画素領域との間に、トレードオフが存在する。反射素子572は、約1μmから約10μmの幅を有することができる。反射素子572は、その他の実施形態ではより大なり幅又は小さい幅を持つ断面を有することができる。
【0061】
反射素子572は、約200Åと約1000Åとの間の高さを有することができるけれども、この範囲以外の値が可能である。高さは、光干渉変調器525のまわりの異なる位置に設置された、又は異なる高さを有するアレイ500中の異なる場所に設置された反射素子572の異なる部分で変化することもある。
【0062】
反射素子572は、好ましくは、1又はそれ以上の反射材料を具備し、例えば、アルミニウム、銀、チタン、銀、及び銅の少なくとも1つを含むことができる。その他の材料が、採用されることがある。更に、反射素子572は、鏡面又は散乱反射光学素子のどちらかであることができる。
【0063】
上記に議論されたように、反射素子572は、基板と光干渉変調器素子525との間の基板554上に形成される。基板554は、例えば、約200μmから約2mm若しくは約2mmから約5mmの厚さを有することができ、若しくはそれより大きいか小さいことが可能である。反射素子572は、平坦化材料582のような、実質的に光学的透過性材料の層により覆われる。この層は、例えば、約1μmの厚さを有することができる。上記に説明された、鏡571と反射素子572との間の間隔は、平坦化材料582の厚さに関係する。その他の材料は、代案の実施形態において採用されることができる。
【0064】
各々が光学的キャビティ584を具備する1又はそれ以上の光干渉変調器素子525は、平坦化材料582の上方に形成される。これらの光干渉変調器素子525は、平坦化材料582上に形成された光学的スタック(optical stack )583を具備する、ここで、光学的スタック583は、電極層580、クロムのような金属層578、及び誘電体又は酸化物層576を具備する。電極層580は、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、又は酸化亜鉛(ZnO)のような、導電性材料を具備し、実質的に光学的透過性又は部分的透過性であることができる。金属層578は、クロムのような、反射性である材料を具備することができる。その他の金属も、採用されることができる。種々の実施形態において、電極層580は、導電性であるように十分な厚さを有し、金属層578は、部分的反射性になるように十分な厚さを有することができる。電極層580及び金属層578は、例えば、約100Åから約1μmの厚さを有することができ、誘電体層576は、約100から2000Åの厚さを有することができる。誘電体層は、複数の実施形態において、多層誘電体光学膜を具備することもできる。代案の構成も可能である。例えば、複数の層が、除外されることがあり、追加の層が採用されることがある。更に、その他の実施形態においては、厚さは、範囲を外れることがある。
【0065】
上記に説明されたように、機械的層570は、キャビティ584を形成するために、電極、金属、及び誘電体層580、578、576の上方で鏡571を支持する。その他の構成が、可能である。上記に議論されたように、複数の実施形態において、機械的層570及び鏡571は、光がそれを通して背面光源575から通過し、対応する光干渉変調器素子のキャビティの方へ通過することを可能にするように構成された、1又はそれ以上の光学的透過開口領域を具備する。しかも、電極580及び/又は金属層578は、実質的に透過性材料を具備することができ、及び/又は光干渉変調器素子のキャビティの方へ1又はそれ以上の反射素子から反射する光を透過させるように、複数の実質的透過開口部を具備することができる。これらの構造は、この中に後で更に詳細に議論される。
【0066】
反射素子572は、技術的に公知の複数の方法を使用して形成されることができ、複数の具体例の方法は、図9A-9Cを参照してこの中に後で更に議論される。図は、複数の具体例としての反射素子の構造及び構成を図示する。図9Aに図示された実施形態において、反射素子572は、ポリマのような基体材料で形成された成形された構造、例えば、出っ張り702を具備する。この成形された構造702は、アルミニウムのような反射材料を具備する被覆層704により覆われる。アルミニウム層704は、例えば、可視範囲に波長を持つ光を反射することができる。例えば、銀、チタン、金、又は銅のような、アルミニウム以外の反射材料が、使用されることができる。基体材料の層は、出っ張り702又はその他の所望の形状を形成するために、堆積され、パターニングされることができる。反射材料704の層は、反射被覆を形成するために、ポリマ基体材料上に堆積されることができる。
【0067】
図9Bに図示された実施形態において、基板554は、実質的に長方形断面を持つキャビティ706を形成するようにエッチングされる。反射素子572は、金属のような反射材料を堆積させることにより、キャビティ706中に形成される。例えば、実質的に凸面状の幾何学的形状が、キャビティ706中に形成されることができる。1つの実施形態において、キャビティは、その中に実質的に凸面状の面を有し、実質的に凸面状の幾何学的形状は、キャビティ中の凸面状の表面を覆って反射材料を堆積することにより形成される。その他の幾何学的形状が、可能である。
【0068】
図9Cに図示された実施形態において、実質的に凹面状のキャビティ708が、基板554中に形成され、反射材料の層は、キャビティ708中に堆積され、実質的に凹面状の反射素子572を形成する。或いは、凹面状の又は凸面状の表面構造、例えば、基板をエッチングすることにより、キャビティ中ではない基板上に形成されることができ、反射材料は、この成形された表面構造上に堆積されることができる。上に記されたように、この中に図示され議論された位置と同様に、反射素子構造、幾何学的形状は、本質的に具体例であり、その他の構造、幾何学的形状、及び位置が、除外されるべきではない。上記に説明されたように、反射素子を形成する具体例の方法は、材料の堆積、エッチング、熱アニール、放射線硬化及びその組み合わせを具備することができる。
【0069】
図8Bを参照して議論されるように、反射素子572は、例えば、約1μmの厚さを有する平坦化材料により覆われることができる。平坦化材料は、スピン-オン堆積のような方法を使用して適用されることができる。光学的透過性である複数のスピン-オン堆積材料が、利用可能である。これらの材料の多くは、透明であるシリコン酸化物材料を形成するために“手を加える(cooked)”ことができる。このようなスピン-オン堆積材料は、ミシガン州、ミッドランドのダウ・コーニング社(Dow Corning,Inc.)及び日本国、東京のクラリアント・ライフ・サイエンシズ社(Clariant Life Sciences K.K.)から入手可能である。平坦化材料は、感光樹脂のような材料であることもできる。一旦、平坦化材料が形成されると、化学的機械的研磨(CMP)のような平坦化プロセスが、平坦化材料の表面を平坦化するために使用されることができる。或いは、平坦化材料以外の材料が、採用されることができ、多層も、使用されることができる。
【0070】
図10は、光干渉変調器アレイのための反射素子572の1つの実施形態を図示し、ここでは、隠し構造(concealing feature)又はマスクが、視界から反射素子572を隠すために使用される。1つの実施形態において、マスク802は、ガラス基板554を覆って形成され、実質的な透明層804により覆われる。反射素子572は、それから、透明なマスク802を覆って形成される。好ましくは、マスク802は、反射素子572の可視的な存在を隠すように構成された材料を具備する。このマスク802は、不透明又は半透明であることができる。マスク802は、吸収材料、反射材料、透過性材料、又はその組み合わせを具備することができ、そしてクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、カーボン・ブラック、染料、等のような材料を具備することができる。ある実施形態において、例えば、マスク802は、感光樹脂材料(例えば、スピン-オン・レジスト)、ポリイミド、フォトアミド、無機ポリマ、及び/又はポリマ材料を具備することができる。これらは、本来的に実質的に光学的吸収性又は反射のどちらかである、若しくは炭素粒子(例えば、カーボン・ブラック)、金属粒子、充填材、及び/又は染料のような材料を有し、マスク802が可視光波長領域において実質的に光学的吸収するか反射するようにその中に組み込まれる。ある実施形態において、(複数の)材料が、選択され、黒い外観を有する結果的に実質的に光学的吸収性支持構造を提供するために効果的な量にマスク892中に組み込まれる。設計における変形は、可能である。
【0071】
1つの実施形態において、マスク802は、エタロン又はエタロンの一部を具備する。具体的に、マスク802の1つの実施形態は、例えばクロムを具備する金属層のような第1の部分的反射/部分的透過性層、及び酸化物又は平坦化材料のような少なくとも1つのキャビティ又はスペーシング材料の層を具備する、その結果、第1の反射(例えば、金属)層及び反射素子572を具備するエタロンを形成する。他の1つの実施形態において、マスク802は、更に、スペーシング材料と反射素子572との間に第2の反射層を具備する、ここで、エタロンは、反射素子572の下方に第1及び第2の反射層により形成される。第1及び/又は第2のエタロン反射層は、光学的スタック583中の金属層578と同じ材料を具備することができる。ある実施形態において、エタロンは、光干渉変調器アレイの可視側又は表示側で所定の色に結果としてなり、そして見られることが好ましくない構造をマスクする。
【0072】
上記に説明されたように、光干渉変調器アレイ500は、背面照明を使用して効率的に照明されることができる。複数の実施形態において、光は、背面光源575から放たれる光が制限された範囲の角度を有するように、平行にされる。好ましくは、光は、背面光源575とアレイ500との間を真っ直ぐに向けられる。許容される角度の範囲は、複数の構造的寸法の組み合わせに依存することがある。例えば、開口幅(w)が10μmであり、反射素子の幅が30μmであり、そして鏡571と反射素子572との間の距離が1μmであるならば、急峻な角度(基板の垂線に対して大きな角度)の光は、阻止され、その他の光は、反射される。光は、背面照明の選択に依存して、複数の方法で平行にされることができる。例えば、放出された光をある範囲の角度の中に制限する複数の背面照明構造が、提供されることができる。レンズ又はその他の平行にする光学部品が、採用されることができる。背面照明575は、外れた角度の光を排除するためにフィルタ又はその他の光学的膜を使用することもできる。
【0073】
反射素子572は、背面照明575からの平行にされた光を隣接する光干渉変調器へ広げる。光が広い角度で反射素子から反射するという理由で、光は、単一の反射素子から複数の光干渉変調器へ与えられる。1個の光干渉変調器への光は、複数の反射素子から来ることもできる。しかしながら、背面照明により供給される光が平行にされた光を具備することは、必ずしも必要ではない。
【0074】
光干渉変調器アレイの他の1つの実施形態のSEM像が、図11に示される。この光干渉変調器アレイ500において、機械的層570は、各光干渉変調器素子525を取り巻く複数の開口領域574を形成するために、パターニングされる。変調器素子525の角における電極層570の狭い部分は、例えば、行方向の、複数の光干渉変調器の間の電気的接続を提供する。電極層570のこれらの狭い部分は、図11に示される支柱構造599の近くに配置される。複数の光学的透過開口領域574は、上記に説明したように、光を反射素子(図示されていない)へ伝播させることを可能にする。
【0075】
図12A及び図12Bは、ディスプレイ装置2040の実施形態を説明するシステム・ブロック図である。ディスプレイ装置2040は、例えば、セルラ又は携帯電話機である可能性がある。しかしながら、ディスプレイ装置2040の同じ構成要素又はそのわずかな変形は、しかも、テレビ及び携帯型メディア・プレーヤのような種々のタイプのディスプレイ装置を説明する。
【0076】
ディスプレイ装置2040は、ハウジング2041、ディスプレイ2030、アンテナ2043、スピーカ2045、入力装置2048、及びマイクロフォン2046を含む。ハウジング2041は、一般に当業者に周知の各種の製造技術のいずれかから形成され、射出成型、及び真空形成を含む。その上、ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、又はこれらの組み合わせを含むが、限定されないいずれかの種々の材料から形成されることができる。1つの実施形態では、ハウジング2041は、除去可能な部分(図示せず)を含み、異なる色、若しくは異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0077】
具体例のディスプレイ装置2040のディスプレイ2030は、ここに説明されたように、双安定ディスプレイを含む種々のディスプレイのいずれかであることができる。その他の実施形態では、当業者に周知であるように、ディスプレイ2030は、上記に説明されたような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCDのようなフラット−パネル・ディスプレイ、若しくはCRT又はその他の真空管装置のような、非フラット−パネル・ディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ2030は、ここに説明されたように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0078】
具体例のディスプレイ装置2040の1つの実施形態の構成要素が、図12Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ装置2040は、ハウジング2041を含み、少なくとも部分的にその中に納められた増設の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ装置2040は、トランシーバ2047に接続されたアンテナ2043を含むネットワーク・インターフェース2027を含む。トランシーバ2047は、プロセッサ2021に接続され、プロセッサ2021は、調整ハードウェア2052に接続される。調整ハードウェア2052は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア2052は、スピーカ2045及びマイクロフォン2046に接続される。プロセッサ2021は、しかも入力装置2048及びドライバ・コントローラ2029に接続される。ドライバ・コントローラ2029は、フレーム・バッファ2028に接続され、そしてアレイ・ドライバ2022に接続される。アレイ・ドライバ2022は、順番にディスプレイ・アレイ2030に接続される。電源2050は、個々の具体例のディスプレイ装置2040設計によって必要とされるように全ての構成要素に電力を供給する。
【0079】
ネットワーク・インターフェース2027は、アンテナ2043及びトランシーバ2047を含み、その結果、具体例のディスプレイ装置2040は、ネットワークを介して1又はそれ以上の装置と通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、しかも、プロセッサ2021の要求を軽減させるためにある種の処理能力を持つことができる。アンテナ2043は、信号を送信し受信するために当業者に公知のいずれかのアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE802.11規格に従ってRF信号を送信し、受信する。他の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)(登録商標)規格に従ってRF信号を送信し、受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS若しくは無線セル電話ネットワークの内部で通信するために使用されるその他の公知の信号を受信するように設計される。トランシーバ2047は、アンテナ2043から受信された信号を事前処理し、その結果、信号が受信され、プロセッサ2021によって更に操作されることができる。トランシーバ2047は、しかも、プロセッサ2021から受信された信号を処理し、その結果、信号はアンテナ2043を介して具体例のディスプレイ装置2040から送信されることができる。
【0080】
代わりの実施形態では、トランシーバ2047は、受信機によって置き換えられることがある。しかも他の1つの代わりの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、画像ソースによって置き換えられることができる。画像ソースは、プロセッサ2021に送られるべき画像データを記憶できる、又は発生できる。例えば、画像ソースは、ディジタル・ビデオ・ディスク(digital video disc)(DVD)又は画像データを含むハード−ディスク・ドライブ、若しくは画像データを発生するソフトウェア・モジュールであることができる。
【0081】
プロセッサ2021は、一般に具体例のディスプレイ装置2040の総合的な動作を制御する。プロセッサ2021は、ネットワーク・インターフェース2027又は画像ソースからの圧縮された画像データのような、データを受信し、そしてデータを生の画像データに、若しくは生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ2021は、その後、処理されたデータをドライバ・コントローラ2029へ、又は記憶のためにフレーム・バッファ2028へ送る。生のデータは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報を呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレースケール・レベルを含むことができる。
【0082】
1つの実施形態では、プロセッサ2021は、マイクロコントローラ、CPU、若しくは論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御する。調整ハードウェア2052は、一般に、スピーカ2045に信号を送信するために、そして、マイクロフォン2046から信号を受信するために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア2052は、具体例のディスプレイ装置2040内部の独立した構成要素であることができる、若しくは、プロセッサ2021又はその他の構成要素の内部に組み込まれることができる。
【0083】
ドライバ・コントローラ2029は、プロセッサ2021により発生された生の画像データをプロセッサ2021から直接又はフレーム・バッファ2028からのいずれかで取得し、そしてアレイ・ドライバ2022への高速送信に適切であるように生の画像データを再フォーマット化する。具体的には、ドライバ・コントローラ2029は、生の画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ2030全体をスキャニングするために適した時間の順番を有する。それから、ドライバ・コントローラ2029は、フォーマット化された情報をアレイ・ドライバ2022へ送る。LCDコントローラのような、ドライバ・コントローラ2029が独立型の集積回路(Integrated Circuit)(IC)としてプロセッサ2021にしばしば関連付けられるけれども、そのようなコントローラは、複数の方法で与えられることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、若しくはアレイ・ドライバ2022を用いたハードウェアに完全に統合されることができる。
【0084】
一般的に、アレイ・ドライバ2022は、フォーマット化された情報をドライバ・コントローラ2029から受信し、そしてビデオ・データをウェーブフォームの並列セットに再フォーマット化する。ウェーブフォームの並列セットは、ディスプレイの画素のx−y行列から来る毎秒数回から数百回そして時には数千回のリード(lead)を適用される。
【0085】
1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029、アレイ・ドライバ2022、及びディスプレイ・アレイ2030は、ここに説明されたいずれかのタイプのディスプレイに対して適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、従来型のディスプレイ・コントローラ又は双安定ディスプレイ・コントローラ(例えば、光干渉変調器コントローラ)である。他の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ2022は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、アレイ・ドライバ2022と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。更に他の1つの実施形態では、ディスプレイ・アレイ2030は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0086】
入力装置2048は、ユーザが具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力装置2048は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン2046は、具体例のディスプレイ装置2040のための入力装置である。マイクロフォン2046が装置にデータを入力するために使用される場合に、音声命令は、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御するためにユーザによって与えられることができる。
【0087】
電源2050は、この技術において周知のように各種のエネルギー蓄積装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源2050は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、充電可能な電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、若しくはプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0088】
いくつかの方法では、制御のプログラム可能性は、上記に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることができるドライバ・コントローラ中に常駐する。複数の場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ2022中に常駐する。上記に説明された最適化が、任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素において及び種々の構成において実施されることができることを、当業者は、認識する。
【0089】
光干渉変調器素子のアレイを具備する空間光変調器が上記に説明されてきたが、その他の実施形態において、光変調アレイを形成するその他のタイプの光変調素子が、採用されることができる。例えば、その他のタイプのMEMS構造が、その他の実施形態において採用されることができる。MEMS技術に基づかないその他のタイプの構造が、ある実施形態に使用されることもできる。
【0090】
多数のそして種々の変形が本発明の精神から離脱することなく行い得ることが、当業者により理解される。従って、本発明の形式が説明的であるのみで、本発明の範囲を制限することを意図していないことが、明確に理解されるはずである。
【符号の説明】
【0091】
12…光干渉変調器、14…可動反射層、16…固定反射層、18…支柱、19…キャビティ、20…基板、30…画素アレイ、32…連結部、34…変形可能層、500…光干渉変調器アレイ、525…光干渉変調器素子、550A-C…列電極、552A-C…行電極、554…基板、556A-F…コンタクト・パッド、570…機械的電極、571a…上部鏡、571b…下部鏡、572…反射素子、573…反射面、574…開口領域、575…背面光源、576…誘電体又は酸化物層、577…非表示面側、578…金属層、579…光干渉変調器アレイの第2の側、580…電極層、582…平坦化材料、583…光学的スタック、584…キャビティ、2040…ディスプレイ装置、2041…ハウジング。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ディスプレイを照明するシステム及び装置に関し、特に、背面照明若しくは1又はそれ以上の反射素子を使用してディスプレイを照明するシステム及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械素子、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械素子は、堆積、エッチング、及び、或いは、電子装置及び電子機械装置を形成するために基板及び/又は堆積された材料の一部分をエッチングして取り除く、若しくは複数の層を付加する、その他のマイクロマシニング・プロセスを使用して創り出されることができる。MEMS装置の1つのタイプは、光干渉変調器と呼ばれる。光干渉変調器は、1対の導電性プレートを具備し、その一方又は両方が、全体或いは一部分が透明である及び/又は反射でき、そして適切な電子信号の印加により相対的動きが可能である。一方のプレートは、基板上に堆積された静止層を具備し、他方のプレートは、エアー・ギャップにより静止層から分離された金属膜を具備することができる。そのような装置は、広範囲のアプリケーションを有し、これらのタイプの装置の特性を利用すること及び/又は変形することは、この技術において有益であり、その結果、自身の特徴は、既存の製品を改善することに活用されることができ、未だ開発されていない新たな製品を創り出すことに活用されることができる。
【0003】
ある種のアプリケーションに関して、光干渉変調器装置は、アレイ構成に配置されることができ、有利な動作上及び性能特性を有するディスプレイ・アセンブリを提供する。例えば、これらのディスプレイは、低電力消費ばかりではなく鮮やかな色特性を有することができる。
【0004】
このようなディスプレイにおける光干渉変調器装置は、光を反射し、光学的干渉を生成することにより動作する。光干渉変調器アレイは、アレイから反射された周囲光を変調することにより動作することができる。しかしながら、周囲光が利用できないか又は不充分であるとき、背面照明により提供されるような、補助の照明が望まれる。このように、光干渉変調器アレイを照明するためのシステム及び方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本発明のシステム、方法、及び装置は、それぞれ複数の態様を有し、そのいずれもが、その好ましい特性に単独で寄与するのではない。本発明の範囲を制限することなく、自身のより卓越した特徴が、ここに簡潔に説明される。本明細書を熟考した後で、特に“特定の実施形態の詳細な説明”の項を読んだ後で、本発明の特徴が、その他のディスプレイ装置に対する利点をどのようにして提供するかを、理解するであろう。
【0006】
空間光変調器の1つの実施形態は、第1及び第2の光学表面により規定されるキャビティを各々が有する複数の光変調素子を具備し、ここで、第2の光学表面は、第1の光学表面に対して可動である光変調アレイを具備する。光変調アレイは、少なくとも1つの光学的開口領域を含む。光変調アレイ装置は、更に、基板と複数の光変調素子との間に形成され、光学的開口領域を通過する光を受光し且つ受光された光の少なくとも一部をキャビティへ反射するように構成された、少なくとも1つの反射素子を具備する。背面照明は、その結果ある実施形態において促進される。
【0007】
少なくとも1つの反射素子は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備することができる。その上、少なくとも1つの反射素子は、傾斜面を有することができる。
【0008】
反射素子は、実質的に凸面状の幾何学的形状、又は実質的に凹面状の幾何学的形状を有することができる。更に、少なくとも1つの反射素子は、複数の光変調素子の近くへ伸びる連続的な一体構造を形成するように、相互接続された部分を具備することができる。
【0009】
空間光変調器は、更に、少なくとも1つの反射素子への視界を少なくとも部分的に遮るように、少なくとも1つの反射素子に位置合せされたマスクを具備することができる。マスクは、少なくともエタロン(etalon)の一部を具備することができ、エタロンの一部分は、1又はそれ以上の部分的反射材料の層及び1又はそれ以上のスペース層を具備することができる。
【0010】
複数の実施形態において、少なくとも1つの反射素子は、少なくとも成形された構造(feature )及び成形された構造を覆う反射材料を具備する。
【0011】
光変調アレイの基板は、少なくとも1つのキャビティを具備することができ、ここで、少なくとも1つの反射素子は、基板のキャビティ中に形成される。少なくとも1つの反射素子は、実質的に透明な材料中に懸濁された実質的に粒子形状の反射材料を具備することができる。
【0012】
複数の実施形態において、複数の光変調素子は、金属層を含み、ここで、金属層は、複数の光学的透過開口部を具備する。少なくとも複数の光変調素子は、その間に光学的開口領域を形成するように、互いに分離されることができる。
【0013】
空間光変調器を製作する方法の1つの実施形態は、基板上に少なくとも1つの反射素子を形成すること、光変調アレイを形成するように、基板上の少なくとも1つの反射素子の上方に複数の光変調素子を形成することを具備する。光変調素子の各々は、キャビティを規定する第1及び第2の光学表面を具備し、ここで、第2の光学表面は、第1の光学表面に対して可動である。光変調アレイは、少なくとも1つの光学的透過開口領域を有する。少なくとも1つの反射素子は、少なくとも1つの開口領域を通して光を受光し、受光された光の少なくとも一部をキャビティ内部に反射するように構成される。
【0014】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを堆積させることを具備することができ、少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に傾斜面、実質的に凸面状の幾何学的形状、又は実質的に凹面状の幾何学的形状を形成するために、1又はそれ以上の材料を堆積させることを具備することができる。複数の実施形態において、少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に成形された基体構造(base structure)を形成すること、成形された基体構造上に反射材料を堆積させることを具備する。
【0015】
本方法は、更に、基板中にキャビティを形成すること、及び基板のキャビティ中に実質的に少なくとも1つの反射素子を形成することを具備することができる。少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に反射材料の層を堆積させること、反射材料の反射率及び/又は散乱を向上させるために層を表面処理すること、を具備することができる。
【0016】
複数の実施形態において、本方法は、更に、少なくとも1つの反射素子の可視的存在を隠すように、少なくとも1つの反射素子に位置合せされた基板上に隠し構造(concealing feature)を形成することを具備する。隠し構造は、吸収材料、反射材料、及び透過材料の少なくとも1つのマスクを具備することができる。隠し構造は、カーボン・ブラック材料、染料、クロム、及びモリブデンの少なくとも1つのマスク層を具備することができる。複数の実施形態において、隠し構造は、金属膜及び少なくとも1つの反射素子を具備するエタロンを形成するために金属膜を具備する。エタロンは、所定の色として観察者に出現するように構成されることができる。
【0017】
本方法の1つの実施形態において、少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板表面に複合材料を堆積させることを具備する。ここで、複合材料は、実質的に透明な材料中に懸濁された反射粒子を具備する。複合材料は、複数の反射素子を形成するように基板表面上の離散した位置に堆積されることができ、又は複合材料は、連続層として基板表面上に堆積されることができ、これにより単一の反射素子構造を形成する。
【0018】
複数の実施形態において、光変調素子は、光干渉変調器素子を具備し、光変調アレイは、光干渉変調器アレイを具備する。しかしながら、その他の実施形態において、その他の型のMEMS構造を含むその他の型の光変調器が、採用されることがある。
【0019】
光干渉変調器アレイを背面照明する方法の1つの実施形態は、光干渉変調器アレイの第1の側に近接した光源を配置すること、及び光を光源から光干渉変調器アレイの第2の反対側へ反射させることを具備する。複数の実施形態において、光は、基板と基板上に形成された複数の変調器素子の間に配置された1又はそれ以上の反射素子で反射される。その上、本方法は、更に、視界から反射素子を隠すために、1又はそれ以上の反射素子を遮蔽することを具備することができ、遮蔽することは、1又はそれ以上の反射素子と観察者との間にエタロンの少なくとも一部を形成することを具備することができる。
【0020】
本方法の複数の実施形態において、光は、複数の離散した反射素子で反射され、そして、光は、傾斜面を有する1又はそれ以上の反射素子で反射されることがある。光は、1又はそれ以上の凸面状の反射素子で、又は1又はそれ以上の凹面状の反射素子で反射されることがある。光は、アルミニウム、銀、チタン、金、又は銅の少なくとも1つを具備する1又はそれ以上の反射素子で反射されることがある。
【0021】
後でより充分に議論されるように、ある好ましい実施形態において、1又はそれ以上の反射素子は、背面照明から近くの光干渉変調器素子へ照明を向けるためにディスプレイに統合されることができる。光干渉変調器アレイは、1又はそれ以上の開口領域を含むことができ、その開口領域を通して背面照明の光源から照明が伝播する。開口領域は、例えば、隣接する複数の光干渉変調器素子の間に配置されることができる。1又はそれ以上の反射素子は、基板と光干渉変調器アレイとの間に形成される。反射素子は、開口領域を通過する光を受光するように配置され、受光した光を光干渉変調器の光学的キャビティに反射することができる。反射素子は、望み通りに光を向ける湾曲面又は傾斜面を有することができる。反射素子は、アルミニウム又は銀のような反射材料を具備することができる。ある実施形態において、反射素子は、フォトレジストのような基体材料(base material)、及びアルミニウム又は銀のような反射被覆材料を具備することができる。これらの反射素子は、基板上に又は基板中に形成されることができ、平坦化により覆われることができる。背面照明の効率は、このような反射素子を用いて向上されることができる。これらの反射素子は、しかも、ディスプレイの表面を通した光の漏れも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、干渉変調器ディスプレイの1実施形態の一部分を図示する等測図であり、そこでは、第1の干渉変調器の可動反射層は、リリースされた位置にあり、第2の干渉変調器の可動反射層は、アクチュエートされた位置にある。
【図2】図2は、3×3干渉変調器ディスプレイを組み込んでいる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図3】図3は、図1の干渉変調器の1つの具体例としての実施形態に関する可動鏡位置対印加電圧の図である。
【図4】図4は、干渉変調器ディスプレイを駆動するために使用されることができる行及び列電圧のセットの説明図である。
【図5A】図5Aは、図2の3×3干渉変調器ディスプレイにディスプレイ・データのフレームを書き込むために使用されることができる行及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図5B】図5Bは、図2の3×3干渉変調器ディスプレイにディスプレイ・データのフレームを書き込むために使用されることができる行及び列信号に関する1つの具体例のタイミング図を図示する。
【図6A】図6Aは、図1の装置の断面図である。
【図6B】図6Bは、干渉変調器の代わりの実施形態の断面図である。
【図6C】図6Cは、干渉変調器のその他の1つの代わりの実施形態の断面図である。
【図7】図7は、光干渉変調器を駆動するための電極を示す光干渉変調器アレイの平面図である。
【図8A】図8Aは、開口領域により分離された複数の光干渉変調器素子を具備する光干渉変調器アレイの1実施形態の平面図である。
【図8B】図8Bは、背面照明素子による照明を示す図8Aの光干渉変調器アレイの断面図である。
【図9A】図9Aは、1つより多い材料を具備する反射素子の1実施形態の断面図である。
【図9B】図9Bは、キャビティ中に形成された凸面状の反射素子の1実施形態の断面図である。
【図9C】図9Cは、キャビティ中に形成された凹面状の反射素子の1実施形態の断面図である。
【図10】図10は、観察者から反射素子を隠すように構成された反射素子及びマスクの断面図である。
【図11】図11は、その領域を通して光を透過するための複数の光学的開口領域を形成するためにパターニングされた上部電極層を示す光干渉変調器アレイの平面図である。
【図12A】図12Aは、複数の干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【図12B】図12Bは、複数の干渉変調器を具備する視覚ディスプレイ装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
下記の詳細な説明は、本発明のある特定の実施形態に向けられる。しかしながら、発明は、多数の異なる方法で具体化されることができる。この明細書では、参照符合が、図面に与えられ、全体を通して同様の部分が類似の数字を用いて表される。下記の説明から明らかになるように、本発明は、動画(例えば、ビデオ)であるか固定画面(例えば、静止画)であるかに拘わらず、及びテキストであるか画像であるかに拘わらず、画像を表示するために構成された任意の装置で実行されることができる。より詳しくは、本発明が種々の電子装置で実行される若しくは電子装置に関連付けられることができることが、予想される。電子装置は、携帯電話機、無線装置、パーソナル・データ・アシスタンツ(PDAs)、ハンド−ヘルド又は携帯型コンピュータ、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム・コンソール、腕時計、時計、計算機、テレビ・モニタ、フラット・パネル・ディスプレイ、コンピュータ・モニタ、自動車ディスプレイ(例えば、走行距離計ディスプレイ、等)、コクピット制御装置及び/又はディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例えば、自動車の後方監視カメラのディスプレイ)、電子写真、電子広告板又はサイン、プロジェクタ、建築上の構造物、包装、及び芸術的な構造のようなもの(例えば、宝飾品1個の画像のディスプレイ)であるが、限定されない。ここに説明されたものに類似の構造のMEMS装置も、電子スイッチング装置のような、非−ディスプレイ・アプリケーションで使用されこともできる。
【0024】
光干渉MEMSディスプレイ素子を具備する1つの光干渉変調器ディスプレイの実施形態が、図1に図示される。これらの装置において、画素は、明状態又は暗状態のいずれかである。明(“オン”又は“開(open)”)状態では、ディスプレイ素子は、入射可視光の大部分をユーザに反射する。暗(“オフ”又は“閉(close)”)状態にある場合は、ディスプレイ素子は、入射可視光をユーザにほとんど反射しない。実施形態に依存して、“オン”及び“オフ”状態の光反射率特性は、逆になることがある。MEMS画素は、選択された色を主に反射するように構成されることができ、白黒に加えてカラー表示を可能にする。
【0025】
図1は、視覚ディスプレイの一連の画素中の2つの隣接する画素を図示する等測図であり、ここでは、各画素は、MEMS光干渉変調器を具備する。複数の実施形態では、光干渉変調器ディスプレイは、これらの光干渉変調器の行/列アレイを具備する。各光干渉変調器は、互いに可変であり制御可能な距離に位置する1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変の大きさを有する共鳴光学的キャビティを形成する。1つの実施形態において、反射層の1つは、2つの位置の間を移動することができる。第1の位置では、ここではリリース状態(released state)と呼ぶ、可動層は、固定された部分反射層から比較的離れた距離に位置する。第2の位置では、可動層は、部分反射層により近くに隣接して位置する。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に依存して、積極的に(constructively)又は否定的に(destructively)干渉して、各画素に対して全体が反射状態又は非反射状態のいずれかを作る。
【0026】
図1の画素アレイの図示された部分は、2つの隣接する光干渉変調器12a及び12bを含む。左の光干渉変調器12aでは、可動且つ高反射層14aは、固定された部分反射層16aから所定の距離のリリースされた位置に図示される。右の光干渉変調器12bでは、可動高反射層14bは、固定された部分反射層16bに隣接するアクチュエートされた位置に図示される。
【0027】
固定層16a,16bは、電気的に導電性であり、部分的に透明であり、部分的に反射する、そして、例えば、透明基板20上にクロムとインジウム−スズ−酸化物のそれぞれの1つの又はそれ以上の層を堆積することにより製作されることができる。複数の層は、平行なストライプにパターニングされ、下記に更に説明されるようにディスプレイ装置中の行電極を形成できる。可動層14a,14bは、支柱18の頂上に及び複数の支柱18の間に堆積された介在する犠牲材料上に堆積された(行電極16a,16bに直交する)1層又は複数の層の堆積された金属層の一連の平行なストライプとして形成されることができる。犠牲材料がエッチされて除去されるときに、変形可能な金属層は、決められたエアー・ギャップ19だけ固定金属層から分離される。アルミニウムのような非常に電導性があり反射する材料が、変形可能層として使用されることができ、そして、これらのストライプは、ディスプレイ装置において列電極を形成できる。
【0028】
印加電圧がないと、キャビティ19は、2つの層14a,16aの間に留まり、変形可能層は、図1の画素12aに図示されたように機械的にリラックス(relax)した状態にある。しかしながら、電位差が選択された行及び列に印加されると、対応する画素において行及び列電極の交差点に形成されたキャパシタは、充電され、静電力が電極を互いに引きつける。電圧が十分に高ければ、可動層は、変形され、図1中の右の画素12bにより図示されたように、固定層に対して押し付けられる(この図に図示されていない誘電材料が、固定層上に堆積されることがあり、短絡することを防止し、分離距離を制御する)。この動きは、印加される電位差の極性に拘わらず同じである。このようにして、反射対非反射画素状態を制御できる行/列アクチュエーションは、従来のLCD及びその他のディスプレイ技術において使用される多くの方法に類似している。
【0029】
図2から図5は、ディスプレイ・アプリケーションにおいて光干渉変調器のアレイを使用するための1つの具体例としてのプロセス及びシステムを説明する。図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子装置の1実施形態を説明するシステム・ブロック図である。具体例としての実施形態において、電子装置は、プロセッサ21を含む。そのプロセッサ21は、いずれかの汎用のシングル・チップ又はマルチ・チップ・マイクロプロセッサ、例えば、ARM,ペンティアム(登録商標)、ペンティアムII(登録商標)、ペンティアムIII(登録商標)、ペンティアムIV(登録商標)、ペンティアム(登録商標)プロ、8051、MIPS(登録商標)、パワーPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、若しくはディジタル・シグナル・プロセッサ、マイクロコントローラ、又はプログラム可能なゲート・アレイのようないずれかの特殊用途マイクロプロセッサ、であることができる。本技術において通常であるように、プロセッサ21は、1又はそれ以上のソフトウェア・モジュールを実行するように構成されることができる。オペレーティング・システムを実行することに加えて、プロセッサは、ウェブ・ブラウザ、電話アプリケーション、電子メール・プログラム、若しくはいずれかのその他のソフトウェア・アプリケーションを含む、1又はそれ以上のソフトウェア・アプリケーションを実行するように構成されることができる。
【0030】
1実施形態では、プロセッサ21は、しかも、アレイ・コントローラ22と通信するように構成される。1実施形態では、アレイ・コントローラ22は、画素アレイ30に信号を供給する行ドライバ回路24及び列ドライバ回路26を含む。図1に図示されたアレイの断面は、図2に線1−1により示される。MEMS光干渉変調器に関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、図3に説明されたこれらの装置のヒステリシス特性を利用することができる。これは、例えば、可動層をリリースされた状態からアクチュエートされた状態へ変形させるために10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかしながら、電圧がその値から減少される場合に、10ボルトより下に電圧が降下して戻るとしても、可動層はその状態を維持する。図3の具体例としての実施形態では、可動層は、電圧が2ボルトより下に降下するまで完全にはリリースされない。そのようにして、図3に説明された例では、約3から7Vの電圧の範囲があり、そこでは、その範囲内で装置がリリースされた状態又はアクチュエートされた状態のいずれかで安定である、印加電圧のウィンドウが存在する。これは、ここでは“ヒステリシス・ウィンドウ”又は“安定ウィンドウ”として呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ・アレイに関して、行/列アクチュエーション・プロトコルは、行ストロービング(strobing)の期間に、アクチュエートされるべきストローブされた行の画素は、約10ボルトの電圧差を受け、そしてリリースされるべき画素は、零ボルトに近い電圧差を受ける。ストローブの後で、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差受け、その結果、画素は、行ストローブが画素をどんな状態に置いてもそこに留まる。書き込まれた後で、各画素は、電位差がこの例では3−7ボルトの“安定ウィンドウ”の範囲内であると判断する。この特徴は、アクチュエートされた又はリリースされた現在の状態いずれかの状態に同じ印加電圧条件の下で、図1に説明された画素設計を安定にさせる。アクチュエートされた状態であるかリリースされた状態であるかに拘わらず、光干渉変調器の各画素が、基本的に固定反射層と移動反射層とにより形成されたキャパシタであるので、この安定状態は、ほとんど電力消費なしにヒステリシス・ウィンドウの範囲内の電圧で保持されることができる。印加された電位が一定であるならば、基本的に電流は、画素に流れ込まない。
【0031】
代表的なアプリケーションでは、ディスプレイ・フレームは、第1行中のアクチュエートされた画素の所望のセットに従って列電極のセットを明示すること(asserting)によって創り出される。行パルスは、それから行1の電極に印加されて、明示された列ラインに対応する画素をアクチュエートする。列電極の明示されたセットは、その後、第2行中のアクチュエートされた画素の所望のセットに対応するように変更される。パルスは、それから、行2の電極に印加されて、明示された列電極に従って行2中の適切な画素をアクチュエートする。行1画素は、行2パルスに影響されず、行1画素は、行1パルスの間に設定された状態に留まる。これは、連続した方式で一連の行全体に対して繰り返され、フレームを生成する。一般に、フレームは、1秒当たり所望のフレームの数でこのプロセスを連続的に繰り返すことにより、新たなディスプレイ・データでリフレッシュされる及び/又は更新される。ディスプレイ・フレームを生成するために画素アレイの行及び列電極を駆動するための広範なプロトコルも、周知であり、本発明とともに使用されることができる。
【0032】
図4及び図5は、図2の3×3アレイでディスプレイ・フレームを創り出すための1つの可能性のあるアクチュエーション・プロトコルを説明する。図4は、画素が図3のヒステリシス曲線を表すために使用されることができる、列及び行電圧レベルの可能性のあるセットを説明する。図4の実施形態では、画素をアクチュエートすることは、適切な列を−Vbiasに、そして適切な行を+ΔVに設定することを含む。これは、それぞれ−5V及び+5Vに対応することができる。画素をリリースさせることは、適切な列を+Vbiasに、そして適切な行を同じ+ΔVに設定することにより達成され、画素を横切って零ボルトの電位差を生成する。行電圧が零ボルトに保持されるこれらの行では、列が+Vbias又は−Vbiasであるかに拘らず、画素が元々あった状態がどうであろうとも、画素は、その状態で安定である。
【0033】
図5Bは、そこではアクチュエートされた画素が反射しない図5Aに説明されたディスプレイ配列に結果としてなる、図2の3×3アレイに印加される一連の行及び列信号を示すタイミング図である。図5Aに図示されたフレームを書き込むことに先立って、画素は、任意の状態であることができ、そしてこの例では、全ての行が0ボルトであり、全ての列が+5ボルトである。これらの印加電圧で、全ての画素は、自身の現在のアクチュエートされた状態又はリリースされた状態で安定である。
【0034】
図5Aのフレームでは、画素(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)及び(3,3)がアクチュエートされている。これを実現するために、行1に対する“ライン時間”の期間に、列1及び2は、−5ボルトに設定され、そして列3は、+5ボルトに設定される。全ての画素が3−7ボルトの安定ウィンドウの中に留まるため、これは、どの画素の状態も変化させない。行1は、その後、0から5ボルトまで上がり、零に戻るパルスでストローブされる。これは、(1,1)及び(1,2)画素をアクチュエートし、(1,3)画素をリリースする。アレイ中のその他の画素は、影響されない。望まれるように行2を設定するために、列2は、−5ボルトに設定され、そして列1及び3は、+5ボルトに設定される。行2に印加された同じストローブは、その後、画素(2,2)をアクチュエートし、画素(2,1)及び(2,3)をリリースする。再び、アレイのその他の画素は、影響されない。行3は、列2及び3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することより同様に設定される。行3ストローブは、図5Aに示されたように行3画素を設定する。フレームを書き込んだ後、行電位は零に、そして列電位は+5又は−5ボルトのいずれかに留まることができ、ディスプレイは、その後、図5Aの配列で安定である。同じ手順が数十から数百の行及び列のアレイに対して採用されることができることが、歓迎される。しかも、行及び列アクチュエーションを実行するために使用された電圧のタイミング、シーケンス、及びレベルが、上記に概要を示された一般的な原理の範囲内で広範囲に変化されることができ、そして、上記の例は、具体的な例だけであり、任意のアクチュエーション電圧方法は、本発明とともに使用されることができる。
【0035】
上記に説明された原理に従って動作する光干渉変調器の構造の詳細は、広い範囲で変化できる。例えば、図6A−図6Cは、移動鏡構造の3つの異なる実施形態を図示する。図6Aは、図1の実施形態の断面であり、そこでは金属材料14のストライプが、直角に伸びている支柱18上に堆積される。図6Bでは、可動反射材料14は、連結部(tether)32上に、角だけで支柱に取り付けられる。図6Cでは、可動反射材料14は、変形可能層34から吊り下げられる。反射材料14に使用される構造設計及び材料が光学的特性に関して最適化されることができるため、及び変形可能層34に使用される構造設計及び材料が所望の機械的特性に関して最適化できるため、この実施形態は、利点を有する。種々のタイプの干渉装置の製造は、例えば、米国公開出願2004/0051929を含む、種々の公開された文書に記載されている。多種多様な周知の技術が、一連の材料堆積、パターニング、及びエッチング工程を含む、上記に説明された構造を製造するために使用されることができる。
【0036】
例えば、空間光変調器を形成する光干渉変調器のアレイに含まれるような“光干渉変調器”は、ここでは“光干渉変調器素子”と呼ばれることもある。
【0037】
図7は、ガラスのような、実質的に透明な基板554上の具体例の光干渉変調器アレイ500の上面図である。上記に説明されたようなプロセスにおいて、材料の層は、図7に図示されるように、下部列電極550A-C及び上部行電極552A-Cを形成するために、パターニングされる。図7では見られないが、上部及び下部鏡面(図示されていない)により規定される光学的キャビティ又はエタロン(etalon)は、行電極552A-Cと列電極550A-Cの交点に創り出される。図示された実施形態において、9個の光干渉変調器素子525を形成する3個の列電極550A-C及び3個の行電極552A-Cが示されるが、大きくても小さくてもアレイ500は、より多くの又はより少ない光干渉変調器を含むことができる。代案の構成も可能である。例えば、光干渉変調器素子525は、同じ寸法および形状である必要はなく、垂直列に及び水平行に配置される必要はない。或いは、列電極と行電極の所定の交点において干渉変調器素子525により占有される空間は、図示されたものより寸法的により小さい複数の光干渉変調器素子をその代わりに具備することができる。
【0038】
その上、アレイ500は、しかも、例えば、光干渉変調器の行を横切って伸びる単一の電極552の代わりに各光干渉変調器525に対して1つの、別個の上部機械的電極を用いて製作されることもできる。分離した上部機械的電極は、例えば、別個の層を通して電気的に接触されることができる。その上、行で個々の変調器525を接続する電極の部分(例えば、上部の機械的電極552)は、縮小された幅を有する。このような縮小された幅の電極部分は、複数の光干渉変調器525の間で図7に示されるより狭い接続を提供できる。個々の変調器を接続する狭い電極部分は、より充分に後で議論されるように、例えば、複数の実施形態において光干渉変調器525の隅に設けられることができる。
【0039】
図7に示されるように,各列550A-Cは、コンタクト・パッド556A-Cへ電気的に接続される。各行552A-Cも、コンタクト・パッド556D-Fへ電気的に接続される。タイミング及びデータ信号は、光干渉変調器アレイへ向けるためにコンタクト・パッド556へ接続されることができる。しかしながら、上記に説明されたように、電気的コンタクトのない光干渉変調器アレイのような、その他の構成及び設計が採用されることができるので、図示された実施形態は、本質的に具体例である。
【0040】
ある実施形態において、背面照明は、図8Aに示されるような、少なくとも1つの光干渉変調器アレイ500を具備するディスプレイを照明するために使用される。このような構成において、光干渉変調器アレイ500は、後方から、又は光干渉変調器アレイの非表示面側(non-viewing side)から照明を受けるように設計されることができる。
【0041】
図8Aに示されるアレイ500において、複数の光干渉変調器素子525の間の分離部分574は、アレイの非表示面側から見られるように、光学的開口領域を形成する。図8Aに図示される光干渉変調器525の部分は、図1−6Cに関連して上記に説明されたように、上部鏡(図示されていない)を支持する機械的層570に対応する。このアレイ500は、図7に示されるように、例えば、光干渉変調器の行を横切って伸びる単一の電極ストライプの代わりに、各光干渉変調器525に対して1つの上部機械的電極の別個の又は分離した部分570を有するように製作される。機械的層のこれらの部分570は、分離され、その間に光学的透過開口領域又はスペース574を形成する。個別の上部機械的電極570は、上記に説明されたように、例えば、分離層を通して電気的に接続されることができる。
【0042】
図8Aに図示された具体例としての実施形態において、上部機械的電極570の個別の部分は、光干渉変調器525の間に格子状に成形されたスペースを創り出す。上部電極層570中の光学的透過開口領域574は、実質的に材料が無い部分であることができ、及び/又はこれらの光学的開口領域は、実質的に光学的透過性である材料を具備することができる。
【0043】
光干渉変調器アレイ500中のスペース領域又は開口領域は、ディスプレイ中の複数の画素の間に形成されたものに限定されずに、例えば、1つの画素内の下位画素素子に対応する複数の光干渉変調器素子の間のスペースを含むことができる。これらの下位画素は、それぞれ、多色若しくはグレースケール・ディスプレイにおける拡大されたカラー範囲又はグレースケール範囲を提供するために使用されることができる。複数の実施形態において、光干渉変調器アレイは、1又はそれ以上の光干渉変調器素子の機械的層中の1又はそれ以上の光学的透過開口領域及び鏡を具備する。上記に説明されたように、1又はそれ以上の光学的透過開口領域は、実質的に材料が無い部分であることができ、及び/又はこれらの光学的開口領域は、実質的に光学的透過性である材料を具備することができる。
【0044】
1つの実施形態において、光干渉変調器アレイは、1又はそれ以上の実質的に中央の光学的透過開口領域を具備することができる。光干渉変調器装置のある実施形態は、上記に説明された場所及び構成の組み合わせで、光学的透過開口領域を具備することができる。例えば、隣接する複数の光干渉変調器素子間の及び1又はそれ以上の光干渉変調器素子の機械的層及び鏡の中の両者の光学的透過開口領域である。
【0045】
1つの実施形態において、光学的透過開口領域574は、一般に、一定の幅wを有する。幅wは、最小の加工寸法又はその他の製作プロセスの設計ルールにより決定されることができる。一般に、異なる光干渉変調器525に関する機械的層570の複数の隣接する部分の間のスペース574は、どの画素領域も無駄にしないように可能な限り小さくする。しかしながら、幅wは、例えば、ディスプレイ装置の大きさ及び設計又はその他の要因に依存して異なることがあり、この中に説明され図示された実施形態により限定されない。例えば、機械的層570の複数の別個の部分の間の光学的開口領域574は、光学的開口領域574を通過し、光干渉変調器素子525に入射される光の量を増加させるために、最小の寸法より大きく作られることがある。種々の実施形態において、開口領域574の幅は、約2μmと15μmとの間のからの範囲であるが、この範囲以外の幅が可能である。その上、開口領域574の長さは、約10μmと100μmとの間の範囲であるが、この範囲以外の長さが採用されることがある。開口領域574の幅及び長さは、一定である必要はなく、例えば、アレイ500における異なる場所での光レベルを制御するために、アレイ全体に亘って変化することができる。従って、光干渉変調器素子525の寸法及び形状並びに機械的層570の対応する部分は、一定である必要はなく、変化することができる。例えば、ある実施形態において、1画素中の異なる下位画素に関する光干渉変調器素子525の大きさは、拡大されたカラー・レベル及びグレースケール・レベルを提供するためにディザーされる(dithered)。
【0046】
図8Bは、線8B-8Bに沿った図8Aの光干渉変調器アレイ500の断面図である。図8Bは、背面照明575が光干渉変調器アレイ500の第1の非表示面側577に近接して置かれた、1つの実施形態を示す。この背面光源575は、機械的層570の異なる部分上に及び光学的透過開口領域574を通して、光を分散させるように構成される。ある実施形態において、この背面光源575は、1又はそれ以上の方向に伸びている。しかしながら、図8Bに示される背面光源575は、その他のタイプの背面照明光源が使用されることができるので、具体例である。
【0047】
複数の実施形態において、背面光源575は、例えば、発光ダイオードのような、独立した光源を具備することができる。背面光源575は、光放出器(light emitter )から光干渉変調器アレイ500へ光を伝送するか又は伝播するように構成された、導波管のような、1又はそれ以上の光放出器及び光学部品の組み合わせを具備することもできる。アレイ500を横切って伸びる光学的透過層は、例えば、光を光干渉変調器525に接続する導波管として使用されることができる。放出器は、光を導波管に注入するために、この導波管の端部に配置されることができる。
【0048】
図8Bに示されるように、光を背面光源575からそれぞれの光干渉変調器525中の光学的キャビティ584へ向けるために、1又はそれ以上の光反射素子572がディスプレイに含まれる。反射素子572は、背面光源575からの光を複数の光干渉変調器素子525の間の光学的透過開口領域574を通過して反射するように構成される。反射素子は、光干渉変調器525中の光学的キャビティに光を向ける反射面573を有する。光反射素子572は、“散乱素子”と呼ばれることもあり、ここでは、反射素子572は、更に、キャビティを光で充満させるために、光を光学的キャビティ574の方へ散乱させる又は屈折させるために構成される。
【0049】
反射素子572は、例えば、干渉光学素子525の列と行との間の光学的透過開口領域574に位置合せされた格子状反射素子を具備することができる。この単位構造572は、例えば、変調器525の行及び列に平行に位置合せされた、支柱状の又は細長い反射部分を具備することができる。図8Bは、そのような格子状反射素子572の一部分を形成する支柱状の又は細長い反射部分の断面図を示す。図8Bは、光干渉変調器525の光学的キャビティの方へ光を向けるように構成された反射素子572の反射面573を示す。
【0050】
或いは、例えば、点又は別々の細長い部分のような、複数の離散した構造を具備する複数の反射素子572が、使用されることがある。これらの離散した構造は、例えば、反射面を有する出っ張り(bump)、小山(mound)、及び隆起(ridge)を具備することができる。反射素子572は、規則正しい(均一の)又は不規則の(例えば、ランダム)配列に置かれることができる。反射素子572は、同様に、より複雑な形状又は幾何学的形状を有することができる。例えば、格子状パターンは、列及び行とは異なる形状(例えば、“+”又は“L”字形状の素子)に分割されることができる。それでも、格子状パターンを一緒に形成することができるかできない、その他の形状が、可能である。しかしながら、上記に説明されたように、複数の実施形態において、単一の反射素子572が、使用されることができる。
【0051】
図8Bに示されるように、反射素子572は、基板と光干渉変調器素子525との間の基板554上に配置される。反射素子572は、機械的層570の異なる部分の間の光学的透過開口領域574に近接して設置された部分を有することができる。従って、対応する反射面573の部分は、光学的透過開口領域574に近接する。1つの実施形態において、反射素子572又はその部分は、開口領域574に位置合せされ、図8Aに示されるように、非表示面側577から観察した時に、開口領域を通して見ることができる。
【0052】
反射素子572は、機械的層570が設置される(矢印577により示される)非表示面側又は光干渉変調器アレイ500の第1の側に近接して置かれた、背面光源575から光を光学的透過開口領域574を通して受光し、そして受光した光を観察者の目に見える光干渉変調器アレイの第2の側579へ反射するように構成される。観察者の目に見える光干渉変調器アレイの第2の側579は、背面光源575が設置された光干渉変調器アレイの第1の側と反対側である。図8Bは、更に、機械的層570から伸びている上部鏡571aと下部鏡571b、例えば、基板554を覆って形成された金属層578を具備する、の間に形成されている各光干渉変調器素子525中の光学的キャビティ584を示す。上記に説明されたように、反射素子572上の反射面573の形状は、光学的キャビティ584の方へ光を反射する及び/又は散乱させるように構成される。
【0053】
図8Bに図示された実施形態において、反射素子572は、基板554に対して実質的に凸面状の断面を有する。従って、反射素子の断面は、開口領域574に向かって傾斜し、反射面573の部分と反対側に傾斜を付けられ、隣接する光学的キャビティ584に面する。示された反射面573は、湾曲している。しかしながら、反射素子572の幾何学的形状は、その他の幾何学的形状が考えられるので、この中に図示され説明されたものには限定されない。例えば、反射素子は、基板554に対して傾けられ又は斜めにされることができる若しくはできない、平坦な又は平面の断面を有することができる。例えば、断面は、三角形の形状であることができる。その他の形状も可能である。断面は、例えば、実質的に凹面状であることができる。上記に説明されたように、反射素子の部分は、細長いことがある。或いは、複数の実施形態において、一般に、円対称である、マウンド、出っ張り、又は点の場合のように、その部分は、細長い必要はない。或いは、反射素子は、不均一な幾何学的形状を有することがある。その上、反射面573は、実質的に平滑であるように示されているが、反射面は、粗いことがある。反射面は、段を付けられ、又はぎざぎざを付けられることがある。上記に説明されたように、反射面573からの反射は、散乱反射又は鏡面反射であることができる。
【0054】
反射素子は、反射率及び散乱特性を向上させるために、表面処理されることもできる。例えば、反射面573は、マイクロエッチングされることができ、例えば、光の屈折/散乱を向上させるようにより大きな表面積、粗さ、及び/又は隆起を創り出す。或いは、反射面573は、マイクロエッチングされることができ、反射面573を平滑にする、それにより、光の集中を向上させ、光干渉変調器アレイの背面照明の均一性を可能であれば改善する。
【0055】
1つの実施形態において、1又はそれ以上の反射素子は、実質的に平坦又は平面構造及びマイクロラフネス(micro-roughness)を有する材料を具備し、ここで、反射素子材料は、例えば、エッチング、熱アニール、及び/又は放射線硬化(radiated curing)を含むプロセスにより1又はそれ以上の層に堆積され及び形成されることができる。マイクロラフネスは、マイクロエッチング、堆積プロセスの制御、及び/又は材料の特質により、創り出されることができる。
【0056】
その他の実施形態において、1又はそれ以上の反射素子572は、実質的に光学的透過性材料及び透過性材料中に懸濁された複数の反射粒子を具備する。反射粒子は、好ましくは、入射光を反射する及び/又は散乱させるために形成された材料を具備する。上記に議論したように、1又はそれ以上の反射素子は、連続した層のような一体構造を有することができ、及び/又は反射素子は、複数の離散した構造を具備することができる。反射層は、ある実施形態において、実質的に格子状のパターンを具備することができる。
【0057】
反射素子572の位置及び構造(例えば、形状)は、光を光干渉変調器キャビティ584の方へ向けることの有効性を最適化するように操作されることができる。反射素子も同様に、異なるように設置されることができるが、複数の実施形態において、光反射素子572は、光学的開口領域574の直下に置かれることができる。
【0058】
1つの実施形態において、反射素子572は、十分に幅広く、且つ開口領域574を通過する実質的に全ての背面照明575からの光が、光干渉変調器アレイ素子525のキャビティ584内部に反射されるように成形される。複数の実施形態において、反射素子572の幅は、開口領域574を通過する背面照明575からの光の角度分布の大きさに基づいて変化できる。平行にされない背面光源(即ち、幅広い範囲の角度で穴を通過して来る)に関して、反射素子572の大きさは、開口領域から反射素子572への距離の関数であることがある。この距離は、例えば、上部鏡571の厚さ、鏡571と反射素子572との間の間隔により決定されることができる。開口領域を通して入る光の角度の範囲と同様に、開口領域574の幅(w)は、要因であることもできる。光が制限された範囲の角度で開口部574を通過して来るとき、反射素子は、より小さくなることができる。
【0059】
1つの実施形態において、反射素子572は、開口領域574の幅wより実質的に大きな幅、好ましくは3wより大きな幅、を有する。1つの実施形態において、反射素子572は、対応する開口領域574のどちらかの側で少なくともwを越える距離に広がる。
【0060】
極度に幅広い反射素子572は、迷光を遮ることでは有効であるが、反射状態に利用できる画素領域の大きさを減少させることがある。このように、より多くの光を屈折させる幅広い反射素子を選択することと光干渉変調器素子525の反射状態に利用できる画素領域との間に、トレードオフが存在する。反射素子572は、約1μmから約10μmの幅を有することができる。反射素子572は、その他の実施形態ではより大なり幅又は小さい幅を持つ断面を有することができる。
【0061】
反射素子572は、約200Åと約1000Åとの間の高さを有することができるけれども、この範囲以外の値が可能である。高さは、光干渉変調器525のまわりの異なる位置に設置された、又は異なる高さを有するアレイ500中の異なる場所に設置された反射素子572の異なる部分で変化することもある。
【0062】
反射素子572は、好ましくは、1又はそれ以上の反射材料を具備し、例えば、アルミニウム、銀、チタン、銀、及び銅の少なくとも1つを含むことができる。その他の材料が、採用されることがある。更に、反射素子572は、鏡面又は散乱反射光学素子のどちらかであることができる。
【0063】
上記に議論されたように、反射素子572は、基板と光干渉変調器素子525との間の基板554上に形成される。基板554は、例えば、約200μmから約2mm若しくは約2mmから約5mmの厚さを有することができ、若しくはそれより大きいか小さいことが可能である。反射素子572は、平坦化材料582のような、実質的に光学的透過性材料の層により覆われる。この層は、例えば、約1μmの厚さを有することができる。上記に説明された、鏡571と反射素子572との間の間隔は、平坦化材料582の厚さに関係する。その他の材料は、代案の実施形態において採用されることができる。
【0064】
各々が光学的キャビティ584を具備する1又はそれ以上の光干渉変調器素子525は、平坦化材料582の上方に形成される。これらの光干渉変調器素子525は、平坦化材料582上に形成された光学的スタック(optical stack )583を具備する、ここで、光学的スタック583は、電極層580、クロムのような金属層578、及び誘電体又は酸化物層576を具備する。電極層580は、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、又は酸化亜鉛(ZnO)のような、導電性材料を具備し、実質的に光学的透過性又は部分的透過性であることができる。金属層578は、クロムのような、反射性である材料を具備することができる。その他の金属も、採用されることができる。種々の実施形態において、電極層580は、導電性であるように十分な厚さを有し、金属層578は、部分的反射性になるように十分な厚さを有することができる。電極層580及び金属層578は、例えば、約100Åから約1μmの厚さを有することができ、誘電体層576は、約100から2000Åの厚さを有することができる。誘電体層は、複数の実施形態において、多層誘電体光学膜を具備することもできる。代案の構成も可能である。例えば、複数の層が、除外されることがあり、追加の層が採用されることがある。更に、その他の実施形態においては、厚さは、範囲を外れることがある。
【0065】
上記に説明されたように、機械的層570は、キャビティ584を形成するために、電極、金属、及び誘電体層580、578、576の上方で鏡571を支持する。その他の構成が、可能である。上記に議論されたように、複数の実施形態において、機械的層570及び鏡571は、光がそれを通して背面光源575から通過し、対応する光干渉変調器素子のキャビティの方へ通過することを可能にするように構成された、1又はそれ以上の光学的透過開口領域を具備する。しかも、電極580及び/又は金属層578は、実質的に透過性材料を具備することができ、及び/又は光干渉変調器素子のキャビティの方へ1又はそれ以上の反射素子から反射する光を透過させるように、複数の実質的透過開口部を具備することができる。これらの構造は、この中に後で更に詳細に議論される。
【0066】
反射素子572は、技術的に公知の複数の方法を使用して形成されることができ、複数の具体例の方法は、図9A-9Cを参照してこの中に後で更に議論される。図は、複数の具体例としての反射素子の構造及び構成を図示する。図9Aに図示された実施形態において、反射素子572は、ポリマのような基体材料で形成された成形された構造、例えば、出っ張り702を具備する。この成形された構造702は、アルミニウムのような反射材料を具備する被覆層704により覆われる。アルミニウム層704は、例えば、可視範囲に波長を持つ光を反射することができる。例えば、銀、チタン、金、又は銅のような、アルミニウム以外の反射材料が、使用されることができる。基体材料の層は、出っ張り702又はその他の所望の形状を形成するために、堆積され、パターニングされることができる。反射材料704の層は、反射被覆を形成するために、ポリマ基体材料上に堆積されることができる。
【0067】
図9Bに図示された実施形態において、基板554は、実質的に長方形断面を持つキャビティ706を形成するようにエッチングされる。反射素子572は、金属のような反射材料を堆積させることにより、キャビティ706中に形成される。例えば、実質的に凸面状の幾何学的形状が、キャビティ706中に形成されることができる。1つの実施形態において、キャビティは、その中に実質的に凸面状の面を有し、実質的に凸面状の幾何学的形状は、キャビティ中の凸面状の表面を覆って反射材料を堆積することにより形成される。その他の幾何学的形状が、可能である。
【0068】
図9Cに図示された実施形態において、実質的に凹面状のキャビティ708が、基板554中に形成され、反射材料の層は、キャビティ708中に堆積され、実質的に凹面状の反射素子572を形成する。或いは、凹面状の又は凸面状の表面構造、例えば、基板をエッチングすることにより、キャビティ中ではない基板上に形成されることができ、反射材料は、この成形された表面構造上に堆積されることができる。上に記されたように、この中に図示され議論された位置と同様に、反射素子構造、幾何学的形状は、本質的に具体例であり、その他の構造、幾何学的形状、及び位置が、除外されるべきではない。上記に説明されたように、反射素子を形成する具体例の方法は、材料の堆積、エッチング、熱アニール、放射線硬化及びその組み合わせを具備することができる。
【0069】
図8Bを参照して議論されるように、反射素子572は、例えば、約1μmの厚さを有する平坦化材料により覆われることができる。平坦化材料は、スピン-オン堆積のような方法を使用して適用されることができる。光学的透過性である複数のスピン-オン堆積材料が、利用可能である。これらの材料の多くは、透明であるシリコン酸化物材料を形成するために“手を加える(cooked)”ことができる。このようなスピン-オン堆積材料は、ミシガン州、ミッドランドのダウ・コーニング社(Dow Corning,Inc.)及び日本国、東京のクラリアント・ライフ・サイエンシズ社(Clariant Life Sciences K.K.)から入手可能である。平坦化材料は、感光樹脂のような材料であることもできる。一旦、平坦化材料が形成されると、化学的機械的研磨(CMP)のような平坦化プロセスが、平坦化材料の表面を平坦化するために使用されることができる。或いは、平坦化材料以外の材料が、採用されることができ、多層も、使用されることができる。
【0070】
図10は、光干渉変調器アレイのための反射素子572の1つの実施形態を図示し、ここでは、隠し構造(concealing feature)又はマスクが、視界から反射素子572を隠すために使用される。1つの実施形態において、マスク802は、ガラス基板554を覆って形成され、実質的な透明層804により覆われる。反射素子572は、それから、透明なマスク802を覆って形成される。好ましくは、マスク802は、反射素子572の可視的な存在を隠すように構成された材料を具備する。このマスク802は、不透明又は半透明であることができる。マスク802は、吸収材料、反射材料、透過性材料、又はその組み合わせを具備することができ、そしてクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、カーボン・ブラック、染料、等のような材料を具備することができる。ある実施形態において、例えば、マスク802は、感光樹脂材料(例えば、スピン-オン・レジスト)、ポリイミド、フォトアミド、無機ポリマ、及び/又はポリマ材料を具備することができる。これらは、本来的に実質的に光学的吸収性又は反射のどちらかである、若しくは炭素粒子(例えば、カーボン・ブラック)、金属粒子、充填材、及び/又は染料のような材料を有し、マスク802が可視光波長領域において実質的に光学的吸収するか反射するようにその中に組み込まれる。ある実施形態において、(複数の)材料が、選択され、黒い外観を有する結果的に実質的に光学的吸収性支持構造を提供するために効果的な量にマスク892中に組み込まれる。設計における変形は、可能である。
【0071】
1つの実施形態において、マスク802は、エタロン又はエタロンの一部を具備する。具体的に、マスク802の1つの実施形態は、例えばクロムを具備する金属層のような第1の部分的反射/部分的透過性層、及び酸化物又は平坦化材料のような少なくとも1つのキャビティ又はスペーシング材料の層を具備する、その結果、第1の反射(例えば、金属)層及び反射素子572を具備するエタロンを形成する。他の1つの実施形態において、マスク802は、更に、スペーシング材料と反射素子572との間に第2の反射層を具備する、ここで、エタロンは、反射素子572の下方に第1及び第2の反射層により形成される。第1及び/又は第2のエタロン反射層は、光学的スタック583中の金属層578と同じ材料を具備することができる。ある実施形態において、エタロンは、光干渉変調器アレイの可視側又は表示側で所定の色に結果としてなり、そして見られることが好ましくない構造をマスクする。
【0072】
上記に説明されたように、光干渉変調器アレイ500は、背面照明を使用して効率的に照明されることができる。複数の実施形態において、光は、背面光源575から放たれる光が制限された範囲の角度を有するように、平行にされる。好ましくは、光は、背面光源575とアレイ500との間を真っ直ぐに向けられる。許容される角度の範囲は、複数の構造的寸法の組み合わせに依存することがある。例えば、開口幅(w)が10μmであり、反射素子の幅が30μmであり、そして鏡571と反射素子572との間の距離が1μmであるならば、急峻な角度(基板の垂線に対して大きな角度)の光は、阻止され、その他の光は、反射される。光は、背面照明の選択に依存して、複数の方法で平行にされることができる。例えば、放出された光をある範囲の角度の中に制限する複数の背面照明構造が、提供されることができる。レンズ又はその他の平行にする光学部品が、採用されることができる。背面照明575は、外れた角度の光を排除するためにフィルタ又はその他の光学的膜を使用することもできる。
【0073】
反射素子572は、背面照明575からの平行にされた光を隣接する光干渉変調器へ広げる。光が広い角度で反射素子から反射するという理由で、光は、単一の反射素子から複数の光干渉変調器へ与えられる。1個の光干渉変調器への光は、複数の反射素子から来ることもできる。しかしながら、背面照明により供給される光が平行にされた光を具備することは、必ずしも必要ではない。
【0074】
光干渉変調器アレイの他の1つの実施形態のSEM像が、図11に示される。この光干渉変調器アレイ500において、機械的層570は、各光干渉変調器素子525を取り巻く複数の開口領域574を形成するために、パターニングされる。変調器素子525の角における電極層570の狭い部分は、例えば、行方向の、複数の光干渉変調器の間の電気的接続を提供する。電極層570のこれらの狭い部分は、図11に示される支柱構造599の近くに配置される。複数の光学的透過開口領域574は、上記に説明したように、光を反射素子(図示されていない)へ伝播させることを可能にする。
【0075】
図12A及び図12Bは、ディスプレイ装置2040の実施形態を説明するシステム・ブロック図である。ディスプレイ装置2040は、例えば、セルラ又は携帯電話機である可能性がある。しかしながら、ディスプレイ装置2040の同じ構成要素又はそのわずかな変形は、しかも、テレビ及び携帯型メディア・プレーヤのような種々のタイプのディスプレイ装置を説明する。
【0076】
ディスプレイ装置2040は、ハウジング2041、ディスプレイ2030、アンテナ2043、スピーカ2045、入力装置2048、及びマイクロフォン2046を含む。ハウジング2041は、一般に当業者に周知の各種の製造技術のいずれかから形成され、射出成型、及び真空形成を含む。その上、ハウジング2041は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、及びセラミックス、又はこれらの組み合わせを含むが、限定されないいずれかの種々の材料から形成されることができる。1つの実施形態では、ハウジング2041は、除去可能な部分(図示せず)を含み、異なる色、若しくは異なるロゴ、絵柄、又はシンボルを含むその他の取り外し可能な部分と取り替えられることができる。
【0077】
具体例のディスプレイ装置2040のディスプレイ2030は、ここに説明されたように、双安定ディスプレイを含む種々のディスプレイのいずれかであることができる。その他の実施形態では、当業者に周知であるように、ディスプレイ2030は、上記に説明されたような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCDのようなフラット−パネル・ディスプレイ、若しくはCRT又はその他の真空管装置のような、非フラット−パネル・ディスプレイを含む。しかしながら、本実施形態を説明する目的のために、ディスプレイ2030は、ここに説明されたように、光干渉変調器ディスプレイを含む。
【0078】
具体例のディスプレイ装置2040の1つの実施形態の構成要素が、図12Bに模式的に図示される。図示された具体例のディスプレイ装置2040は、ハウジング2041を含み、少なくとも部分的にその中に納められた増設の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、具体例のディスプレイ装置2040は、トランシーバ2047に接続されたアンテナ2043を含むネットワーク・インターフェース2027を含む。トランシーバ2047は、プロセッサ2021に接続され、プロセッサ2021は、調整ハードウェア2052に接続される。調整ハードウェア2052は、信号を調整する(例えば、信号をフィルタする)ために構成されることができる。調整ハードウェア2052は、スピーカ2045及びマイクロフォン2046に接続される。プロセッサ2021は、しかも入力装置2048及びドライバ・コントローラ2029に接続される。ドライバ・コントローラ2029は、フレーム・バッファ2028に接続され、そしてアレイ・ドライバ2022に接続される。アレイ・ドライバ2022は、順番にディスプレイ・アレイ2030に接続される。電源2050は、個々の具体例のディスプレイ装置2040設計によって必要とされるように全ての構成要素に電力を供給する。
【0079】
ネットワーク・インターフェース2027は、アンテナ2043及びトランシーバ2047を含み、その結果、具体例のディスプレイ装置2040は、ネットワークを介して1又はそれ以上の装置と通信できる。1つの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、しかも、プロセッサ2021の要求を軽減させるためにある種の処理能力を持つことができる。アンテナ2043は、信号を送信し受信するために当業者に公知のいずれかのアンテナである。1つの実施形態では、アンテナは、IEEE802.11(a),(b),又は(g)を含む、IEEE802.11規格に従ってRF信号を送信し、受信する。他の1つの実施形態では、アンテナは、ブルートゥース(BLUETOOTH)(登録商標)規格に従ってRF信号を送信し、受信する。セルラ電話機の場合には、アンテナは、CDMA、GSM、AMPS若しくは無線セル電話ネットワークの内部で通信するために使用されるその他の公知の信号を受信するように設計される。トランシーバ2047は、アンテナ2043から受信された信号を事前処理し、その結果、信号が受信され、プロセッサ2021によって更に操作されることができる。トランシーバ2047は、しかも、プロセッサ2021から受信された信号を処理し、その結果、信号はアンテナ2043を介して具体例のディスプレイ装置2040から送信されることができる。
【0080】
代わりの実施形態では、トランシーバ2047は、受信機によって置き換えられることがある。しかも他の1つの代わりの実施形態では、ネットワーク・インターフェース2027は、画像ソースによって置き換えられることができる。画像ソースは、プロセッサ2021に送られるべき画像データを記憶できる、又は発生できる。例えば、画像ソースは、ディジタル・ビデオ・ディスク(digital video disc)(DVD)又は画像データを含むハード−ディスク・ドライブ、若しくは画像データを発生するソフトウェア・モジュールであることができる。
【0081】
プロセッサ2021は、一般に具体例のディスプレイ装置2040の総合的な動作を制御する。プロセッサ2021は、ネットワーク・インターフェース2027又は画像ソースからの圧縮された画像データのような、データを受信し、そしてデータを生の画像データに、若しくは生の画像データに容易に処理されるフォーマットに処理する。プロセッサ2021は、その後、処理されたデータをドライバ・コントローラ2029へ、又は記憶のためにフレーム・バッファ2028へ送る。生のデータは、一般的に、画像の内部でのそれぞれの位置における画像特性を識別する情報を呼ぶ。例えば、そのような画像特性は、色彩、彩度、及びグレースケール・レベルを含むことができる。
【0082】
1つの実施形態では、プロセッサ2021は、マイクロコントローラ、CPU、若しくは論理ユニットを含み、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御する。調整ハードウェア2052は、一般に、スピーカ2045に信号を送信するために、そして、マイクロフォン2046から信号を受信するために、増幅器及びフィルタを含む。調整ハードウェア2052は、具体例のディスプレイ装置2040内部の独立した構成要素であることができる、若しくは、プロセッサ2021又はその他の構成要素の内部に組み込まれることができる。
【0083】
ドライバ・コントローラ2029は、プロセッサ2021により発生された生の画像データをプロセッサ2021から直接又はフレーム・バッファ2028からのいずれかで取得し、そしてアレイ・ドライバ2022への高速送信に適切であるように生の画像データを再フォーマット化する。具体的には、ドライバ・コントローラ2029は、生の画像データをラスタ状のフォーマットを有するデータ・フローに再フォーマットする、その結果、データ・フローは、ディスプレイ・アレイ2030全体をスキャニングするために適した時間の順番を有する。それから、ドライバ・コントローラ2029は、フォーマット化された情報をアレイ・ドライバ2022へ送る。LCDコントローラのような、ドライバ・コントローラ2029が独立型の集積回路(Integrated Circuit)(IC)としてプロセッサ2021にしばしば関連付けられるけれども、そのようなコントローラは、複数の方法で与えられることができる。これらは、ハードウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、ソフトウェアとしてプロセッサ2021に搭載される、若しくはアレイ・ドライバ2022を用いたハードウェアに完全に統合されることができる。
【0084】
一般的に、アレイ・ドライバ2022は、フォーマット化された情報をドライバ・コントローラ2029から受信し、そしてビデオ・データをウェーブフォームの並列セットに再フォーマット化する。ウェーブフォームの並列セットは、ディスプレイの画素のx−y行列から来る毎秒数回から数百回そして時には数千回のリード(lead)を適用される。
【0085】
1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029、アレイ・ドライバ2022、及びディスプレイ・アレイ2030は、ここに説明されたいずれかのタイプのディスプレイに対して適切である。例えば、1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、従来型のディスプレイ・コントローラ又は双安定ディスプレイ・コントローラ(例えば、光干渉変調器コントローラ)である。他の1つの実施形態では、アレイ・ドライバ2022は、従来型のドライバ又は双安定ディスプレイ・ドライバ(例えば、光干渉変調器ディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバ・コントローラ2029は、アレイ・ドライバ2022と統合される。そのような実施形態は、セルラ電話機、時計、及びその他の小面積ディスプレイのような高度に集積されたシステムにおいて一般的である。更に他の1つの実施形態では、ディスプレイ・アレイ2030は、典型的なディスプレイ・アレイ又は双安定ディスプレイ・アレイ(例えば、光干渉変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0086】
入力装置2048は、ユーザが具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態では、入力装置2048は、クワーティ(QWERTY)キーボード又は電話キーパッドのようなキーパッド、ボタン、スイッチ、接触感応スクリーン、感圧又は感熱膜を含む。1つの実施形態では、マイクロフォン2046は、具体例のディスプレイ装置2040のための入力装置である。マイクロフォン2046が装置にデータを入力するために使用される場合に、音声命令は、具体例のディスプレイ装置2040の動作を制御するためにユーザによって与えられることができる。
【0087】
電源2050は、この技術において周知のように各種のエネルギー蓄積装置を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、電源2050は、ニッケル−カドミウム電池又はリチウム・イオン電池のような、充電可能な電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、回復可能なエネルギー源、キャパシタ、若しくはプラスチック太陽電池、及びソーラー−セル塗料を含む太陽電池である。他の1つの実施形態では、電源2050は、壁のコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0088】
いくつかの方法では、制御のプログラム可能性は、上記に説明されたように、電子ディスプレイ・システム中の複数の場所に置かれることができるドライバ・コントローラ中に常駐する。複数の場合では、制御のプログラム可能性は、アレイ・ドライバ2022中に常駐する。上記に説明された最適化が、任意の数のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素において及び種々の構成において実施されることができることを、当業者は、認識する。
【0089】
光干渉変調器素子のアレイを具備する空間光変調器が上記に説明されてきたが、その他の実施形態において、光変調アレイを形成するその他のタイプの光変調素子が、採用されることができる。例えば、その他のタイプのMEMS構造が、その他の実施形態において採用されることができる。MEMS技術に基づかないその他のタイプの構造が、ある実施形態に使用されることもできる。
【0090】
多数のそして種々の変形が本発明の精神から離脱することなく行い得ることが、当業者により理解される。従って、本発明の形式が説明的であるのみで、本発明の範囲を制限することを意図していないことが、明確に理解されるはずである。
【符号の説明】
【0091】
12…光干渉変調器、14…可動反射層、16…固定反射層、18…支柱、19…キャビティ、20…基板、30…画素アレイ、32…連結部、34…変形可能層、500…光干渉変調器アレイ、525…光干渉変調器素子、550A-C…列電極、552A-C…行電極、554…基板、556A-F…コンタクト・パッド、570…機械的電極、571a…上部鏡、571b…下部鏡、572…反射素子、573…反射面、574…開口領域、575…背面光源、576…誘電体又は酸化物層、577…非表示面側、578…金属層、579…光干渉変調器アレイの第2の側、580…電極層、582…平坦化材料、583…光学的スタック、584…キャビティ、2040…ディスプレイ装置、2041…ハウジング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が第1及び第2の光学表面により規定されたキャビティを有する複数の光変調素子を具備する光変調アレイであって、前記第2の光学表面は第1の光学表面に対して可動である; 前記光変調アレイにおける少なくとも1つの光学的開口領域;及び 基板と複数の光変調素子との間に形成され、且つ光学的開口領域を通過する光を受光するためにそして前記キャビティへ受光された光の少なくとも一部を反射するために構成された少なくとも1つの反射素子、を具備する、装置。
【請求項2】
少なくとも1つの光学的開口領域は、光変調アレイにおいて実質的に中央の場所に置かれる、請求項1の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの反射素子は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備する、請求項1の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの反射素子は、傾斜面を有する、請求項1の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの反射素子は、実質的に凸面状の幾何学的形状を有する、請求項1の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの反射素子は、実質的に凹面状の幾何学的形状を有する、請求項1の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの反射素子の視界を少なくとも部分的に妨げるために少なくとも1つの反射素子に位置合せされたマスクを更に具備する、請求項1の装置。
【請求項8】
マスクは、エタロンの少なくとも一部を具備する、請求項7の装置。
【請求項9】
前記エタロンの部分は、1又はそれ以上の部分反射層、部分透過材料層及び1又はそれ以上のスペーシング層を具備する、請求項8の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの反射素子は、少なくとも成形された構造及び成形された構造を覆う反射材料を具備する、請求項1の装置。
【請求項11】
光変調アレイの基板は、少なくとも1つのキャビティを有する、及びここで、少なくとも1つの反射素子は、基板のキャビティ中に形成される、請求項1の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの反射素子は、複数の光変調素子の近くに伸びる連続的な一体構造を形成するように相互接続された部分を具備する、請求項1の装置。
【請求項13】
複数の光変調素子は、金属層を具備する、及びここで、金属層は、複数の光学的透過開口部を有する、請求項1の装置。
【請求項14】
少なくとも複数の前記光変調素子は、それらの間に光学的開口領域を形成するために互いに分離される、請求項1の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの反射素子は、実質的に透明な材料中に懸濁された実質的に粒子形状の反射材料を具備する、請求項1の装置。
【請求項16】
複数の光変調素子と電気的通信状態にあるプロセッサであって、前記プロセッサは映像データを処理するために構成される;及び 前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリ装置、を更に具備する、請求項1の装置。
【請求項17】
前記複数の光変調素子へ少なくとも1つの信号を送出するために構成されたドライバ回路、を更に具備する、請求項16の装置。
【請求項18】
前記ドライバ回路へ前記画像データの少なくとも一部を送るために構成されたコントローラ、を更に具備する、請求項17の装置。
【請求項19】
前記プロセッサへ前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュール、を更に具備する、請求項16の装置。
【請求項20】
前記画像ソース・ジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機の少なくとも1つを具備する、請求項19の装置。
【請求項21】
入力データを受信するため及び前記プロセッサへ前記入力データを通信するために構成された入力装置、を更に具備する、請求項16の装置。
【請求項22】
基板上に少なくとも1つの反射素子を形成すること;及び 光変調アレイを形成するために少なくとも1つの反射素子の上方の基板上に複数の光変調素子を形成することであって、光変調アレイは少なくとも1つの光学的透過開口領域を有し、各光変調素子はキャビティを規定する第1及び第2の光学表面を具備し、前記第2の光学表面は第1の光学表面に対して可動である、を具備する、空間光変調器を製作する方法であって、 ここで、少なくとも1つの反射素子は、少なくとも1つの開口領域を通して光を受光するため及び受光された光の少なくとも一部を前記キャビティ内部に反射するために構成される。
【請求項23】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを堆積することを具備する、請求項22の方法。
【請求項24】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に傾斜面を形成することを具備する、請求項22の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に凸面状の幾何学的形状を形成することを具備する、請求項22の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に凹面状の幾何学的形状を形成することを具備する、請求項22の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの反射素子は、前記基板上に形成された材料の層上に形成される、請求項22の方法。
【請求項28】
少なくとも1つの反射素子の可視的存在を隠すために少なくとも1つの反射素子に位置合せされた基板上に隠し構造を形成することを更に具備する、請求項22の方法。
【請求項29】
隠し構造は、吸収材料及び反射材料の少なくとも1つのマスクを具備する、請求項28の方法。
【請求項30】
隠し構造は、カーボン・ブラック材料、染料、クロム、及びモリブデンの少なくとも1つのマスク層を具備する、請求項28の方法。
【請求項31】
隠し構造は、金属膜及び少なくとも1つの反射素子を具備するエタロンを形成するための金属膜を具備する、請求項28の方法。
【請求項32】
エタロンは、エタロンにある色の反射を生じさせる厚さを有する、請求項31の方法。
【請求項33】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に成形された基体構造を形成すること、及び成形された基体構造上に反射材料を堆積することを具備する、請求項22の方法。
【請求項34】
基板中にキャビティを形成すること、及び実質的に基板のキャビティ中に少なくとも1つの反射素子を形成することを更に具備する、請求項22の方法。
【請求項35】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に反射材料の層を堆積すること及び前記層を表面処理することを具備する、請求項22の方法。
【請求項36】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板面上に複合材料を堆積することを具備する、ここで、複合材料は、実質的に透明な材料中に懸濁された反射粒子を具備する、請求項22の方法。
【請求項37】
複合材料は、複数の反射素子を形成するために基板面上の別々の場所に堆積される、請求項36の方法。
【請求項38】
請求項22から37の任意の方法により製作された空間光変調器。
【請求項39】
光干渉変調器アレイの第1の側に近接する光源を起動すること;及び 基板と基板上に形成された複数の光干渉変調器素子との間に置かれた1又はそれ以上の反射素子を用いて光干渉変調器アレイの第2の反対側へ光源からの光を反射すること、を具備する、光干渉変調器アレイを背面照明する方法。
【請求項40】
光は、複数の離散した反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項41】
光は、傾斜面を有する1又はそれ以上の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項42】
光は、1又はそれ以上の凸面状の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項43】
光は、1又はそれ以上の凹面状の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項44】
光は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備する1又はそれ以上の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項45】
光は、1又はそれ以上の反射素子を用いて反射される、及び該方法は、視界から反射素子を隠すために1又はそれ以上の反射素子を遮蔽することを更に具備する、請求項39の方法。
【請求項46】
前記遮蔽することを実行するために1又はそれ以上の反射素子と観察者との間にエタロンの少なくとも一部を形成することを更に具備する、請求項45の方法。
【請求項47】
基板上に配置された光を変調するための手段; 光を変調させるための手段の第1の側に近接する光を生成するための手段;及び 基板と基板上に形成された光を変調するための手段との間の位置から光を変調させるための手段の第2の反対側へ前記光を反射させるための手段、を具備するディスプレイ。
【請求項48】
前記光を変調させるための手段は、光干渉変調器アレイの少なくとも一部を形成する複数の光干渉変調器素子を具備する、請求項47のディスプレイ。
【請求項49】
前記反射させるための手段は、複数の離散した反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項50】
視界から反射素子を隠すために離散した反射素子を遮蔽するための手段を更に具備する、請求項49のディスプレイ。
【請求項51】
前記遮蔽するための手段は、1又はそれ以上の反射素子と観察者との間にエタロンの少なくとも一部を形成するための手段を具備する、請求項50のディスプレイ。
【請求項52】
前記反射させるための手段は、傾斜面を有する1又はそれ以上の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項53】
前記反射させるための手段は、1又はそれ以上の凸面状の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項54】
前記反射させるための手段は、1又はそれ以上の凹面状の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項55】
前記反射させるための手段は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備する1又はそれ以上の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項56】
前記光を生成するための手段は、発光ダイオード、蛍光灯、及び白熱灯の少なくとも1つを具備する、請求項47の空間光変調器。
【請求項1】
各々が第1及び第2の光学表面により規定されたキャビティを有する複数の光変調素子を具備する光変調アレイであって、前記第2の光学表面は第1の光学表面に対して可動である; 前記光変調アレイにおける少なくとも1つの光学的開口領域;及び 基板と複数の光変調素子との間に形成され、且つ光学的開口領域を通過する光を受光するためにそして前記キャビティへ受光された光の少なくとも一部を反射するために構成された少なくとも1つの反射素子、を具備する、装置。
【請求項2】
少なくとも1つの光学的開口領域は、光変調アレイにおいて実質的に中央の場所に置かれる、請求項1の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの反射素子は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備する、請求項1の装置。
【請求項4】
少なくとも1つの反射素子は、傾斜面を有する、請求項1の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの反射素子は、実質的に凸面状の幾何学的形状を有する、請求項1の装置。
【請求項6】
少なくとも1つの反射素子は、実質的に凹面状の幾何学的形状を有する、請求項1の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの反射素子の視界を少なくとも部分的に妨げるために少なくとも1つの反射素子に位置合せされたマスクを更に具備する、請求項1の装置。
【請求項8】
マスクは、エタロンの少なくとも一部を具備する、請求項7の装置。
【請求項9】
前記エタロンの部分は、1又はそれ以上の部分反射層、部分透過材料層及び1又はそれ以上のスペーシング層を具備する、請求項8の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの反射素子は、少なくとも成形された構造及び成形された構造を覆う反射材料を具備する、請求項1の装置。
【請求項11】
光変調アレイの基板は、少なくとも1つのキャビティを有する、及びここで、少なくとも1つの反射素子は、基板のキャビティ中に形成される、請求項1の装置。
【請求項12】
少なくとも1つの反射素子は、複数の光変調素子の近くに伸びる連続的な一体構造を形成するように相互接続された部分を具備する、請求項1の装置。
【請求項13】
複数の光変調素子は、金属層を具備する、及びここで、金属層は、複数の光学的透過開口部を有する、請求項1の装置。
【請求項14】
少なくとも複数の前記光変調素子は、それらの間に光学的開口領域を形成するために互いに分離される、請求項1の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの反射素子は、実質的に透明な材料中に懸濁された実質的に粒子形状の反射材料を具備する、請求項1の装置。
【請求項16】
複数の光変調素子と電気的通信状態にあるプロセッサであって、前記プロセッサは映像データを処理するために構成される;及び 前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリ装置、を更に具備する、請求項1の装置。
【請求項17】
前記複数の光変調素子へ少なくとも1つの信号を送出するために構成されたドライバ回路、を更に具備する、請求項16の装置。
【請求項18】
前記ドライバ回路へ前記画像データの少なくとも一部を送るために構成されたコントローラ、を更に具備する、請求項17の装置。
【請求項19】
前記プロセッサへ前記画像データを送るために構成された画像ソース・モジュール、を更に具備する、請求項16の装置。
【請求項20】
前記画像ソース・ジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機の少なくとも1つを具備する、請求項19の装置。
【請求項21】
入力データを受信するため及び前記プロセッサへ前記入力データを通信するために構成された入力装置、を更に具備する、請求項16の装置。
【請求項22】
基板上に少なくとも1つの反射素子を形成すること;及び 光変調アレイを形成するために少なくとも1つの反射素子の上方の基板上に複数の光変調素子を形成することであって、光変調アレイは少なくとも1つの光学的透過開口領域を有し、各光変調素子はキャビティを規定する第1及び第2の光学表面を具備し、前記第2の光学表面は第1の光学表面に対して可動である、を具備する、空間光変調器を製作する方法であって、 ここで、少なくとも1つの反射素子は、少なくとも1つの開口領域を通して光を受光するため及び受光された光の少なくとも一部を前記キャビティ内部に反射するために構成される。
【請求項23】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを堆積することを具備する、請求項22の方法。
【請求項24】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に傾斜面を形成することを具備する、請求項22の方法。
【請求項25】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に凸面状の幾何学的形状を形成することを具備する、請求項22の方法。
【請求項26】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、実質的に凹面状の幾何学的形状を形成することを具備する、請求項22の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの反射素子は、前記基板上に形成された材料の層上に形成される、請求項22の方法。
【請求項28】
少なくとも1つの反射素子の可視的存在を隠すために少なくとも1つの反射素子に位置合せされた基板上に隠し構造を形成することを更に具備する、請求項22の方法。
【請求項29】
隠し構造は、吸収材料及び反射材料の少なくとも1つのマスクを具備する、請求項28の方法。
【請求項30】
隠し構造は、カーボン・ブラック材料、染料、クロム、及びモリブデンの少なくとも1つのマスク層を具備する、請求項28の方法。
【請求項31】
隠し構造は、金属膜及び少なくとも1つの反射素子を具備するエタロンを形成するための金属膜を具備する、請求項28の方法。
【請求項32】
エタロンは、エタロンにある色の反射を生じさせる厚さを有する、請求項31の方法。
【請求項33】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に成形された基体構造を形成すること、及び成形された基体構造上に反射材料を堆積することを具備する、請求項22の方法。
【請求項34】
基板中にキャビティを形成すること、及び実質的に基板のキャビティ中に少なくとも1つの反射素子を形成することを更に具備する、請求項22の方法。
【請求項35】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板上に反射材料の層を堆積すること及び前記層を表面処理することを具備する、請求項22の方法。
【請求項36】
少なくとも1つの反射素子を形成することは、基板面上に複合材料を堆積することを具備する、ここで、複合材料は、実質的に透明な材料中に懸濁された反射粒子を具備する、請求項22の方法。
【請求項37】
複合材料は、複数の反射素子を形成するために基板面上の別々の場所に堆積される、請求項36の方法。
【請求項38】
請求項22から37の任意の方法により製作された空間光変調器。
【請求項39】
光干渉変調器アレイの第1の側に近接する光源を起動すること;及び 基板と基板上に形成された複数の光干渉変調器素子との間に置かれた1又はそれ以上の反射素子を用いて光干渉変調器アレイの第2の反対側へ光源からの光を反射すること、を具備する、光干渉変調器アレイを背面照明する方法。
【請求項40】
光は、複数の離散した反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項41】
光は、傾斜面を有する1又はそれ以上の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項42】
光は、1又はそれ以上の凸面状の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項43】
光は、1又はそれ以上の凹面状の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項44】
光は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備する1又はそれ以上の反射素子を用いて反射される、請求項39の方法。
【請求項45】
光は、1又はそれ以上の反射素子を用いて反射される、及び該方法は、視界から反射素子を隠すために1又はそれ以上の反射素子を遮蔽することを更に具備する、請求項39の方法。
【請求項46】
前記遮蔽することを実行するために1又はそれ以上の反射素子と観察者との間にエタロンの少なくとも一部を形成することを更に具備する、請求項45の方法。
【請求項47】
基板上に配置された光を変調するための手段; 光を変調させるための手段の第1の側に近接する光を生成するための手段;及び 基板と基板上に形成された光を変調するための手段との間の位置から光を変調させるための手段の第2の反対側へ前記光を反射させるための手段、を具備するディスプレイ。
【請求項48】
前記光を変調させるための手段は、光干渉変調器アレイの少なくとも一部を形成する複数の光干渉変調器素子を具備する、請求項47のディスプレイ。
【請求項49】
前記反射させるための手段は、複数の離散した反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項50】
視界から反射素子を隠すために離散した反射素子を遮蔽するための手段を更に具備する、請求項49のディスプレイ。
【請求項51】
前記遮蔽するための手段は、1又はそれ以上の反射素子と観察者との間にエタロンの少なくとも一部を形成するための手段を具備する、請求項50のディスプレイ。
【請求項52】
前記反射させるための手段は、傾斜面を有する1又はそれ以上の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項53】
前記反射させるための手段は、1又はそれ以上の凸面状の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項54】
前記反射させるための手段は、1又はそれ以上の凹面状の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項55】
前記反射させるための手段は、アルミニウム、銀、チタン、金、及び銅の少なくとも1つを具備する1又はそれ以上の反射素子を具備する、請求項48のディスプレイ。
【請求項56】
前記光を生成するための手段は、発光ダイオード、蛍光灯、及び白熱灯の少なくとも1つを具備する、請求項47の空間光変調器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2011−39536(P2011−39536A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−208050(P2010−208050)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【分割の表示】特願2005−218736(P2005−218736)の分割
【原出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(506109856)クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5775 Morehouse Drive, San Diego, CA 92121−1714,U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208050(P2010−208050)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【分割の表示】特願2005−218736(P2005−218736)の分割
【原出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(506109856)クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5775 Morehouse Drive, San Diego, CA 92121−1714,U.S.A.
【Fターム(参考)】
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