説明

胎盤幹細胞を使用する免疫調節

本発明は、胎盤幹細胞及び胎盤幹細胞集団を使用する免疫調節の方法を提供する。また、本発明は、免疫調節に基づいて胎盤細胞及び細胞集団を産生及び選択する方法、並びにこのような細胞及び細胞集団を含む組成物を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の免疫細胞を、複数の胎盤幹細胞と、前記胎盤幹細胞が免疫応答を検出可能に抑制するのに十分な時間接触させることを含む免疫応答抑制方法であって、前記胎盤幹細胞は、混合リンパ球反応(MLR)アッセイ法におけるT細胞増殖を検出可能に抑制する、前記方法。
【請求項2】
前記複数の胎盤幹細胞が:
CD200及びHLA-Gを発現し;
CD73、CD105及びCD200を発現し;
CD200及びOCT-4を発現し;
CD73、CD105及びHLA-Gを発現し;
CD73及びCD105を発現し、かつ前記幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進し;及び/又は、
OCT-4を発現し、かつ前記幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記複数の免疫細胞がT細胞又はNK(ナチュラルキラー)細胞である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記T細胞がCD4+T細胞である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記T細胞がCD8+T細胞である、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記接触がインビトロで行われる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記接触がインビボで行われる、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記接触が哺乳動物対象で行われる、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記哺乳動物対象がヒト被験者である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記接触が、前記胎盤細胞を静脈内投与することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記接触が、前記胎盤細胞を筋肉内投与することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記接触が、前記胎盤細胞を前記対象の器官に投与することを含む、請求項7記載の方法。
【請求項13】
前記器官が膵臓である、請求項12記載の方法。
【請求項14】
加えて、抗マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)1α又は抗-MIP-1β抗体を前記対象に投与することを含み、前記抗体が前記対象からの血液中のMIP-1α又は抗-MIP-1βの量の検出可能な液滴を生じさせるために十分な量で投与される、請求項8記載の方法。
【請求項15】
前記免疫応答が移植片対宿主病である、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記免疫応答が自己免疫疾患である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記自己免疫疾患が糖尿病、エリテマトーデス、リウマチ様関節炎又は多発性硬化症である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記複数の免疫細胞が非胎盤細胞とも接触される、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記非胎盤細胞がCD34+細胞を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記CD34+細胞が末梢血造血前駆細胞、臍帯血造血前駆細胞又は胎盤血造血前駆細胞である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記非胎盤細胞が間充織幹細胞を含む、請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記間充織幹細胞が骨髄由来間充織幹細胞である、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記非胎盤細胞が同種移植片内に含まれる、請求項16記載の方法。
【請求項24】
前記複数の胎盤幹細胞が1×105胎盤幹細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記複数の胎盤幹細胞が1×106胎盤幹細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項26】
前記複数の胎盤幹細胞が1×107胎盤幹細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項27】
前記複数の胎盤幹細胞が1×108胎盤幹細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項28】
胎盤細胞集団を選択する方法であって、
(a)混合リンパ球反応(MLR)アッセイ法において複数の胎盤細胞をアッセイすること;及び、
(b)前記複数の胎盤幹細胞がMLR(混合リンパ球反応)においてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する場合に、前記胎盤幹細胞が:
(i)基体に付着し;及び、
(ii)CD200及びHLA-Gを発現するか、又は、
CD73、CD105及びCD200を発現するか、又は、
CD200及びOCT-4を発現するか、又は、
CD73、CD105及びHLA-Gを発現するか、又は、
CD73及びCD105を発現し、かつ前記幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進するか、又は、
OCT-4を発現し、かつ前記幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進する、前記複数の胎盤幹細胞を選択することを含む、前記方法。
【請求項29】
(a)基体に付着し、(b)CD200及びHLA-Gを発現し、及び(c)MLR(混合リンパ球反応)においてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する胎盤幹細胞を複数の細胞から選択すること;並びにその他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成すること;を含む、細胞集団を選択する方法。
【請求項30】
(a)基体に付着し、(b)CD73、CD105及びCD200を発現し、及び(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する胎盤幹細胞を複数の細胞から選択すること;並びにその他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成すること;を含む、細胞集団を選択する方法。
【請求項31】
(a)基体に付着し、(b)CD200及びOCT-4を発現し、及び(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する胎盤幹細胞を複数の細胞から選択すること;並びにその他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成すること;を含む、細胞集団を選択する方法。
【請求項32】
(a)基体に付着し、(b)CD73及びCD105を発現し、(c)胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに胚様体様体を形成し、及び(d)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する胎盤幹細胞を複数の細胞から選択すること;並びにその他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成すること;を含む、細胞集団を選択する方法。
【請求項33】
(a)基体に付着し、(b)CD73、CD105、HLA-Gを発現し、及び(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する胎盤幹細胞を複数の細胞から選択すること;並びにその他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成すること;を含む、細胞集団を選択する方法。
【請求項34】
(a)基体に付着し、(b)OCT-4を発現し、(c)胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに胚様体様体を形成し、及び(d)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制する胎盤幹細胞を複数の細胞から選択すること;並びにその他の細胞から前記胎盤幹細胞を単離して細胞集団を形成すること;を含む、細胞集団を選択する方法。
【請求項35】
前記T細胞及び前記胎盤幹細胞が、前記MLRにおいて約5:1の比で存在する、請求項28〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
前記胎盤幹細胞が羊膜、羊膜及び絨毛膜に由来する、請求項28〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
前記胎盤幹細胞が、前記MLRにおける前記胎盤幹細胞の非存在下でのT細胞増殖の量と比較して、前記MLRにおいて少なくとも50%までCD4+又はCD8+T細胞増殖を抑制する、請求項28〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
前記胎盤幹細胞が、前記MLRにおける前記胎盤幹細胞の非存在下でのT細胞増殖の量と比較して、前記MLRにおいて少なくとも75%までCD4+又はCD8+T細胞増殖を抑制する、請求項28〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
前記胎盤幹細胞が、前記MLRにおける前記胎盤幹細胞の非存在下でのT細胞増殖の量と比較して、前記MLRにおいて少なくとも90%までCD4+又はCD8+T細胞増殖を抑制する、請求項28〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
前記胎盤幹細胞が、前記MLRにおける前記胎盤幹細胞の非存在下でのT細胞増殖の量と比較して、前記MLRにおいて少なくとも95%までCD4+又はCD8+T細胞増殖を抑制する、請求項28〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
前記胎盤幹細胞が、加えてナチュラルキラー(NK)細胞の活性を検出可能に抑制する、請求項28〜34のいずれか1項記載の方法。
【請求項42】
請求項28〜34のいずれか1項記載の方法に従って産生される単離された胎盤幹細胞集団。
【請求項43】
胎盤幹細胞の単離された集団であって、前記胎盤幹細胞は:
(a)基体に付着し;
(b)CD200及びHLA-Gを発現するか、又は、
CD73、CD105及びCD200を発現するか、又は、
CD200及びOCT-4を発現するか、又は、
CD73、CD105及びHLA-Gを発現するか、又は、
CD73及びCD105を発現し、かつ前記胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進するか、又は、
OCT-4を発現し、かつ前記胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進し;並びに、
(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定された、前記集団。
【請求項44】
(a)基体に付着し、(b)CD200及びHLA-Gを発現し、及び(c)MLR(混合リンパ球反応)においてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定された胎盤幹細胞を含む、単離された細胞集団。
【請求項45】
(a)基体に付着し、(b)CD73、CD105及びCD200を発現し、及び(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定された胎盤幹細胞を含む、単離された細胞集団。
【請求項46】
(a)基体に付着し、(b)CD200及びOCT-4を発現し、及び(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定された胎盤幹細胞を含む、単離された細胞集団。
【請求項47】
(a)基体に付着し、(b)CD73及びCD105を発現し、(c)胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに胚様体様体を形成し、及び(d)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定された胎盤幹細胞を含む、単離された細胞集団。
【請求項48】
(a)基体に付着し、(b)CD73、CD105及びHLA-Gを発現し、及び(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定された胎盤幹細胞を含む、単離された細胞集団。
【請求項49】
(a)基体に付着し、(b)OCT-4を発現し、(c)胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに胚様体様体を形成し、及び(d)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定された胎盤幹細胞を含む、単離された細胞集団。
【請求項50】
請求項43〜49のいずれか1項記載の細胞集団の培養由来の上清を含む組成物。
【請求項51】
胎盤幹細胞の培養由来の培地を含む組成物であって、前記胎盤幹細胞は、
(a)基体に付着し;
(b)CD200及びHLA-Gを発現するか、又は、
CD73、CD105及びCD200を発現するか、又は、
CD200及びOCT-4を発現するか、又は、
CD73、CD105及びHLA-Gを発現するか、又は、
CD73及びCD105を発現し、かつ前記胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進するか、又は、
OCT-4を発現し、かつ前記胎盤幹細胞を含む胎盤細胞の集団における1つ以上の胚様体様体の形成を、前記集団が胚様体様体の形成が可能な条件下で培養されるときに促進し;並びに、
(c)MLRにおいてCD4+又はCD8+T細胞増殖を検出可能に抑制するとして同定され、
前記胎盤幹細胞の培養は、前記培地において24時間以上培養された、前記組成物。
【請求項52】
複数の前記胎盤幹細胞を更に含む、請求項51記載の組成物。
【請求項53】
複数の非胎盤細胞を更に含む、請求項51記載の組成物。
【請求項54】
前記非胎盤細胞がCD34+細胞を含む、請求項53記載の組成物。
【請求項55】
前記CD34+細胞が末梢血造血前駆細胞、臍帯血造血前駆細胞又は胎盤血造血前駆細胞である、請求項54記載の組成物。
【請求項56】
前記非胎盤細胞が間充織幹細胞を含む、請求項53記載の組成物。
【請求項57】
前記間充織幹細胞が骨髄由来間充織幹細胞である、請求項56記載の組成物。
【請求項58】
抗-MIP-1α又は抗MIP-1β抗体を更に含む、請求項51記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2009−511598(P2009−511598A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535724(P2008−535724)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/040148
【国際公開番号】WO2007/047468
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508000076)アントフロゲネシス コーポレーション (12)
【Fターム(参考)】