説明

能動電力負荷管理システムおよび能動電力負荷管理方法

【課題】サーバから受信した制御メッセージに少なくとも部分的に応答して作動し、1以上の制御可能装置の作動を制御するクライアント装置を提供する。
【解決手段】クライアント装置は、サーバから受信した制御メッセージに少なくとも部分的に応答して作動し、1以上の制御可能装置の作動を制御する。制御可能装置は、1以上の電力消費装置への電力の流れを、選択的に有効にしたり無効にしたりする。サーバは、それぞれクライアント装置あたりの基準部に、電力消費装置が消費する電力に関する情報を格納する。電力削減がユーティリティによって要求されると、サーバは、データベースに格納したクライアント装置情報に基づき、電力削減メッセージが発行される少なくとも1つのクライアント装置を選択する。電力削減メッセージは、削減されるべき少なくとも1つの電力量と、電力の流れを無効にするよう命令される制御可能装置の識別とを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、一般に電力負荷制御システムの分野に関し、より詳細には個々の顧客の電力負荷を能動的に制御し且つ、個々の顧客並びに全体の電気利用の両方の省電力を選択的に追跡するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高負荷時に生じているピーク電力のコストの増大と相まって化石燃料発電の使用によるカーボン・エミッションの影響に対する認識の増大により、電力施設による更なる発電容量の配備の必要性を抑制する、またはある場合には排除するためのメカニズムとして、負荷制御を使用する代替解決法の必要性が増大している。現在の電力施設には、化石燃料ベースの発電を構築するための必要性を抑制するまたは排除する方法が強く求められている。今日、要求応答負荷管理プログラムを実行するためのシステムが部分的に存在しているが、それらでは、様々な周波数帯における様々な無線サブシステムが、「一方向の」送信のみの通信方法を利用している。これらのプログラムにおいては、RF制御リレースイッチが、一般的に顧客の空調機、給湯器、またはプールポンプに取り付けられる。包括的なコマンドが特定の地理的領域に送信され、それによって送信基地(たとえば、一般的にページングネットワーク)の範囲内の全ての受信ユニットは、電力利用の選択として電力ピーク時に電源を切っている。ピーク負荷が過ぎた時間帯の後で、第二の包括的なコマンドが、電源が切られたこれらの装置の電源を入れるために送信される。
【0003】
遠隔計測器がエネルギー使用を報告する目的のために特に使用される一方で、双方向の能動的制御負荷管理装置の制御下で電力消費、炭酸ガス放出、二酸化硫黄ガス放出、および/または二酸化窒素放出を計算し且つ特定の装置の状態を報告するための技術が存在しない。特に、一方向無線通信装置は、現在の電気供給または配分会社のネットワークから、ヒータ、換気装置、空調(HVAC)ユニット、給湯器、プールポンプおよび照明等の電化製品を非能動化するために利用される。これらの装置は、ページング送信機からの電源「ON」または電源「OFF」コマンドを受信する無線ページング受信機と共に一般的に使用されている。さらに、一方向装置は、一般的に地上通信中継線、またはある場合にはページング送信機へのマイクロ波送信を介して供給側電気供給者制御センタに接続される。負荷管理プログラムに加入する顧客は、供給側電気供給者(ユーティリティ)がそれらの電化製品に接続して高いエネルギー利用期間中にこれらの電化製品を非能動化することを許容にするためのディスカウントを享受する。
【0004】
一方向性装置は、一般的に工業規格として存在しており、これを実行するために比較的安価である一方で、受信機からの返送経路の欠乏により、受信機に接続された実際の装置の情報の欠乏と相まって、供給側ユーティリティが実際の電力平均配分対策を行うことを非常に非能率的にさせている。差動電流引き込みが、供給側電気ユーティリティ送信ライン上で測定可能である一方で、実際の電力平均配分は概算であり、負荷を抑制する地域は供給側ユーティリティの制御センタにおいては概算となる。
【0005】
遠隔計測器システムの一例が、特許文献1に開示される。この特許は、住居内装置のメッシュ通信や、これら住居内装置のWANを介したコンピュータへの報告および制御に関して詳細に記載している。この特許において記載されている設計目的は、「住居施設の自動化システムの監視および制御」を容易化することである。しかし、この特許は、供給側ユーティリティまたは顧客が、電力の減少を容易化するための装置をどのようにして能動的に制御できるかについて説明していない。対照的に、この特許は、(遠隔計測器の分野における多くの他の従来の応用例のように)供給側ユーティリティの電力メータによって
表示される情報を報告するために利用できる技術を開示している。
【0006】
遠隔計測器システムの更なる例が、特許文献2に開示される。この公開された出願の主な目的は、利用負荷を制御することでなく、むしろ、顧客の利用負荷の状態を遠隔操作で監視および確立するための改善された相互作用システムを提供することである。この出願公開に記載されている目的は、無線技術を利用することによって、メータを提供している現場で費やさなければならない地域要因の時間利用量を減少することである。
【0007】
別の従来技術が特許文献3に開示されており、これには、建造物または住居内の装置に遠隔操作で電源を切るまたは電源を入れるために所有者のハードウェアを使用することが詳細に記載されている。最初にこの従来技術は、電力負荷制御管理における利用を支援するシステムを一般に記載する一方で、従来技術は、完全なシステムを構築または実行するために必要性な特有の属性を含んでいない。特に、この特許は、制御される装置セキュリティやの負荷の正確性、および適用可能なハードウェアを利用する顧客が、顧客の不満足および顧客のサービス解除の可能性を、または手数料不正取得行為(churn)の可能性を減少するインテリジェントアルゴリズム内において、温度設定値、顧客の嗜好情報、および顧客の手数料等のパラメータをどのように設定しうるかの方法の領域について不完全である。
【0008】
一方向性の、非検証型電力負荷制御管理システムと積極制御(positive control)検証型電力負荷制御管理システムとの間のギャップを橋渡しするための試行が行われている。しかしながら、最近までスマートブレーカおよび命令リレー装置等の技術には、そもそも、高コストエントリーポイントと、顧客要求の欠如と、負荷制御を実行するコストと比較した電力生成コストに起因して、住居や市場環境での使用について考慮されていなかった。
【0009】
橋渡しの試みの一例が、特許文献4に記載されている。この出願公開は、IEEE802ベースの無線通信リンクを使用する遠隔操作の電力管理のシステムおよび方法を開示する。この出願公開に開示されたシステムは、業務用のプロセッサ(OPP)、ホストプロセッサ、および端末装置を含む。そのホストプロセッサは、そのホストプロセッサの管理下で命令を端末装置に交互にリレーするOPPに電力管理命令を発行する。開示されたOPPは、電力管理システムにおけるいくつかの情報を提供する一方で、その制御下におけるどの端末装置が電力減少イベント時に電源をOFFするのかを判定できず、そのような判定をホスト装置に依存している。たとえば電力減少イベント時に、端末装置は、電源を入れるためにOPPから許可を要求しなければならない。この要求は、継続中の電力減少イベントのパラメータを考慮してその要求を決定するために、ホスト装置に送られる。このシステムは、OPPによるユーティリティメータの定期的な読み込み、およびホスト装置に対する最後の通信についてのOPPにおける読み込みデータの格納をさらに意図している。OPPは、OPPの制御下にある負荷を不活性化することができないことにより電力減少コマンドに従うことが不可能であることを、ホストプロセッサに示すための情報を更に含みうる。しかしながら、特に電力管理システムの管理下でいくつかのユーティリティのうちの一つによってコマンドが発せられた時に、ホストプロセッサもOPPのいずれも、電気ユーティリティからの電力減少コマンドを満たすためにどの負荷を取り除くかについて判定できない。さらに、ホストプロセッサもOPPのいずれも、ユーティリティおよび/または顧客による将来の利用のために、顧客当りまたはユーティリティ当りにもたらされる省電力および/またはカーボンクレジットを追跡または累積しない。さらに、この出願公開のシステムは、電力管理システムにおける顧客の関与に基づいて顧客に対して報奨金プログラムが欠如している。さらに、この出願公開に記載されるシステムは、ホストプロセッサとOPPとの間の、および/またはOPPと端末装置との間の安全な通信を提供していない。結果として、記載されるシステムは、商業的に実行可能な実施に必要と
なりうる多くの特徴が欠如している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,891,838号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0240315号明細書
【特許文献3】米国特許第6,633,823号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0065742号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、個々の顧客並びに電気ユーティリティについて省電力を選択的に追跡可能として従来技術の欠点を克服する、個々の顧客についての能動的電源負荷管理のためのシステムおよび方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明に従う詳細な例示の実施形態を説明する前に、実施形態が、主に装置構成要素の組合せと、個々の加入者基準での電力負荷の能動的管理および個々の加入者と電気ユーティリティとの両方によって負担される省電力の選択的な追跡に関する処理ステップとを備えていることに気付くべきである。従って、装置および方法の構成要素は、図面において符号によって適宜に表され、本明細書に記載される利益に関係する当業者に容易に明らかになる詳細な説明を伴うこの開示を不明瞭にさせないために、本願発明の実施形態を理解するために関連する特定の詳細のみが示される。
【0013】
この明細書において、「第一」および「第二」、「先端」および「底面」等の関係する用語などは、各構成要素の間の任意の物理的なまたは論理的な関係または並びを必ずしも要求または暗示すること無しに、別の構成要素から一つの構成要素を区別するために単独で使用される。用語「備える」、「備えている」等は、非排他的な包含を対象とすることを意図し、こうして処理、方法、物品、または各要素のリストを含む装置は、これらの要素のみを含まないが、上記処理、方法、物品、装置等の明らかにリストされていない、または本来備わっている他の要素を含みうる。任意の対象物または動作と関係して使用される用語「複数の」は、二つ以上の対象物または動作等を意味する。ある物品に付する「一つ」、「一つの」によって特許請求の範囲の要素が記載されないが、より制限すること無しに、処理、方法、物品、またはこの要素を含む装置における追加の同一の要素の存在を排除する。更に、用語「ZigBee」は、基準802.15.4による電気電子技術学会(IEEE)または任意の後継基準によって採用された任意の無線通信プロトコルを参照し、用語「Wi−Fi」は、基準802.11の下でIEEEまたは任意の後継基準によって採用された任意の通信プロトコルを参照し、用語「WiMax」は、基準802.16の下でIEEEまたは任意の後継基準によって適合された任意の通信プロトコルを参照し、用語「Bluetooth」は、IEEE基準802.15.1または任意の後継基準を実行する任意の短距離通信プロトコルを参照する。
【0014】
本明細書に記載される発明の実施形態は、一つ以上のプロセッサと、所定の非プロセッサ回路と連動して、電力負荷配分を管理し、個々の加入者電力消費を追跡し、および本明細書に記載されるような一つ以上の電力負荷管理システムにおいて省電力のためのいくつかの、多くのまたは全ての機能を実行するために前記一つ以上のプロセッサを制御する、固有の格納されたプログラム指示を含みうることが適切であろう。非プロセッサ回路は、無線受信機、無線送信機、アンテナ、モデム、信号ドライバ、クロック回路、電源回路、リレー、メータ、スマートブレーカ、電流センサ、およびユーザ入力装置を含むが、これらに制限されない。このように、これらの機能は、電力負荷管理システムにおいてそれぞ
れ装置間の情報および制御信号を配分するための方法のステップとして解釈されうる。あるいはまた、幾つかのまたは全ての機能は、プログラム指示を格納しない状態マシーンによって、または、それぞれの機能または幾つかの機能の組合せが、カスタムロジックとして実行される1つ以上の特定用途集積回路(ASICs)において実行される。当然ながら、二つのアプローチの組合せが使用できる。従って、これらの機能のための方法および手段が、本明細書に記載される。更に当業者は、たとえば可能な時間、現在の技術、および経済的な考慮によって動機付けされた多大な努力および多くの設計選択が存在するにもかかわらず、本明細書に開示された考えおよび原理によって導かれる場合に、ソフトウェア指示、プログラムおよび集積回路(ICs)等を生成し、必要以上の実験をすること無しに、非プロセッサ回路等を適宜に配列し且つ機能的に集積することが容易に可能となることに気付くであろう。
【0015】
最近、IEEEは、スマートブレーカ技術を採用する電源負荷制御装置の応答および制御を改善するために新たな技術を考慮した、改善されたWiMax無線基準を公開した。本願発明の実施形態は、抑制された電力(または削減された炭素、SOまたはNO)の総量をリアルタイムで監視する能力を有するシステムにおいて特にWiMaxまたはIPベース負荷制御を採用することによって、従来の技術を拡張しおよび強化する。これらの改善は、電気ユーティリティの新たな選択を控える、或いは環境に優しい新たな発電に投資することを可能とする。
【0016】
IPベースの電力管理は、多くの理由により現存のシステムにおいて有利である。たとえば、能動制御は、システムコントローラが、実際のターゲット装置が電源を切ったまたは電源を入れたことを示す顧客の位置においてインストールされた端末装置から応答を受信することを可能とさせる。ここで、応答は、実際の対象装置の電源がオンであるかオフであるかを示す。更に、それぞれ装置識別子は、固有であり、それぞれIPアドレスは、装置が能動化された時に動的に割当られる(たとえば動的ホスト構成プロトコル(DHCP)の使用を通して)、または供給側IPネットワークによって静的に割当てられ、こうして、不意に電力サービスをシャットダウンするランダムテロリズムまたは妨害行為の動作から、装置を保護するための強化セキュリティを提供する。現存の電力管理システム(同システムを利用する無線サブシステムを含む)は、適切にセキュリティ問題に対処せず、敵対するまたは悪意のある動作に対して影響を受け易い。
【0017】
IPベースのシステムは、更に帯域幅またはネットワーク効率を有する。たとえばIP装置は、7層開放型システム間相互接続(OSI)モデルを介して制御され、従ってそれぞれのパケットのペイロード(payload)は、メッセージまたは「状態の変化」を含むことができ、同期通信を要求しない。この送信方法は、ブロードバンドネットワーク上での最小限のオーバーヘッドおよび低いデータ転送速度を可能とする。更に、IP装置は、「電力がない」という状態を含む、多くの状態を報告できる。たとえば能動負荷クライアント300は、AC電力が損失した時に能動負荷クライアント300にバックアップまたは補助電力を提供するためのバッテリバックアップメカニズムで実施されうる。この場合に、バッテリバックアップが命令を呼び起こす時に、能動負荷クライアント300は、「電力がない」状態を報告できる。あるいはまた、「電力がない」状態は、能動負荷クライアント300がALDサーバ100からのメッセージ(たとえば、問い合わせまたは他のメッセージ)に適時に応答できない場合が想定され、特にある地理エリアにある複数の能動負荷クライアント300が、ALDサーバメッセージに適時に応答することができない場合である。各々の顧客の地理的な位置が前提とされるとともに、能動負荷クライアント300は、設置時またはその後に(たとえば、GPS座標を使用して)知らされるので、そのようなネットワーク電力供給停止期間はメータ基準で定められうる。
【0018】
本願発明の一つの実施形態において提供されるように、IPベース電力管理システムの
最も有益な利点のうちの一つは、それぞれの顧客によって個々の基準による実際の省電力量を正確に報告することである。本願発明の実施形態は、単に予測を提供する代わりに、顧客当りどの位のキロワット(またはカーボンクレジット)が生成されまたは節約されたかを追跡または計算する。更に、本願発明の実施形態は、混合生成、供給側ユーティリティおよび地理的領域に応じて抑制された負荷および汚染物質の実際量を追跡するための手段を提供する。
【0019】
本願発明の実施形態は、供給側ユーティリティまたは電力配分者(たとえば、地方自治体、電気的共同体または任意の他の大規模なまたは小規模な電力生産者等)をサポートするための例示のシステム、システムにおける継続リアルタイム能動電力制御を提供するための方法、およびどの位実際の負荷が、保護管理、代替の発電およびカーボン(および他のガスエミッション)クレジットの生成を目的として与えられた時間において制御されるかを判定するための方法を含む。
【0020】
更なる本願発明の実施形態は、制御のための供給側ユーティリティに利用可能な負荷の提示を最適化するために、負荷情報、顧客の電力消費の位置、制御される装置の状態の変化、電流検出、顧客設定値/嗜好および人為的なインテリジェンス(たとえば、ソフトウェアを通して実行されるような)の一意的な使用を通して例示の方法を実行するシステムを提供する。
【0021】
一般に、本願発明に開示される実施形態は、住宅のリアルタイム(能動)制御および一般に240Vまたはそれ以下である商業的な電気的装置を対象とする。しかしながら、特定の特徴および機能は、240Vより大きいより大きな商業設備に適用可能でありうる。本明細書の記載は、大きな地理的位置上に亘る自発的または非自発的な加入者のための、理想的には多くの供給側電気供給者にとって適しているリアルタイム負荷管理の実施を提供することを意図する。本願発明に開示された例示の方法およびシステムは、一つ以上のユーティリティの電力負荷を追跡および管理する、個々のユーティリティプロバイダ、または第三者監視サービスによって実行されうる。この出願では、必要な方法が記載され、ホスト機能(たとえば、能動負荷ディレクタ(ALD)サーバ)とコンパニオン能動負荷クライアント(ALC)との両方のためのソフトウェアサブシステムが記載される。
【0022】
本願発明の一つの実施形態は、各々のユーティリティによって必要とされる電力量を能動的に監視することによって様々な電気ユーティリティ会社の電力配分を制御し、加入顧客からの電力の出力先を変更することによって要求された電力を供給する。この実施形態において、顧客は、電力管理システムが、一日のピーク負荷時間の間に所定の電力消費装置を無効にすることを可能にする。遠隔操作でスイッチを入れるまたは切ることの可能なスマートブレーカは、公知のIPアドレスによってアクセスされた電気的サービス制御パネルにおける特定の装置にインストールされる。あるいはまた、IPアドレス可能なスマート電化製品が使用されうる。電力管理システムは、電源を入れ且つ各々の加入者のデータベースの情報にログインする時に、各々の装置の電力消費の一定状態の電力量を判定する。たとえば、各々のスマート電化製品上のまたは各々のスマートブレーカ内の電流センサは、各々の監視された装置によって消費された電流量を測定しうる。能動負荷クライアントは、次に電力消費量をうるために、装置の動作電圧によって消費された複数の電流量を乗算し、この電力消費量をALDサーバに送信する。供給側ユーティリティが現在供給可能な量より多くの電力を必要とされた場合、電力負荷管理システムは、個々の加入者基準によって特定の負荷の電源を切ることによって自動的に電力配分を調節する。各々の特定の負荷によって消費される電力量は公知であるので、このシステムは、どの負荷の電源が切られたのかを正確に判定することができて、この短い電力停止期間の結果として各々の顧客によって生じた省電力量を追跡する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本願発明の例示の実施形態に従うIP(インターネットプロトコル)ベース能動的電力負荷管理システムのブロック図。
【図2】図1のシステムに示されるような例示の能動的負荷ディレクタ(ALD)サーバを説明するブロック図。
【図3】図1のシステムに示されるような例示の能動的負荷クライアントおよびスマートブレーカモジュールを説明するブロック図。
【図4】本願発明の一例の実施形態に従う能動的電力負荷管理システムにおいて自動的なスケジュールサービス発呼の方法を説明する操作フロー図。
【図5】本願発明の別例の実施形態に従う能動的電力負荷管理システムにおいて新たな加入者を能動化するための方法を説明する操作フロー図。
【図6】本願発明の更に別例の実施形態に従う能動的電力負荷管理システムにおいて生じるそれぞれイベントを管理するための方法を説明する操作フロー図。
【図7】本願発明の別例の実施形態に従う能動的電力負荷管理システムにおいて個々の顧客基準に基づいて能動的に消費電力を減少させ且つ省電力を追跡するための方法を説明する操作フロー図。
【図8】本願発明の更に別例の実施形態に従う省電力イベント時に能動的電力負荷管理システムにおける電気ユーティリティの累積省電力量を追跡する方法を説明する操作フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願発明は、図1〜8を参照してより容易に理解され、同様の参照符号が同様の部材を指し示す。図1は、本願発明の一つの実施形態に従うIPベース能動電力負荷管理システム10の例を表す。例示の能動電力負荷(電源負荷)管理システム10は、一つ以上のユーティリティ制御センタ(UCCs)200(1つが示される)と一つ以上の能動負荷クライアント(ALCs)300(1つが示される)との間に接続された能動負荷ディレクタ(ALD)サーバ100を介して電力配分を監視および管理する。ALDサーバ100は、ユーティリティ制御センタ200およびインターネットプロトコル(IP)または任意の他の接続ベースプロトコルを使用するネットワーク80と直接的にまたはネットワーク80を通じてどちらか一方によりそれぞれの能動負荷クライアント300と通信する。たとえばALDサーバ100は、移動体通信のためのグローバルシステム(GSM、強化型データGSM環境(EDGE、高スピードパケットアクセス(HSDPA、時間分割多重アクセス(TDMA、またはCDMA2000、CDMA Rev.AおよびCDMA
Rev.Bを含む符号分割多重接続データ基準等の一つ以上の無線通信プロトコルを使用する、一つ以上の基地局90(1つが示される)を介してRFシステム操作を使用して通信しうる。あるいはまた、または更に、ALDサーバ100は、接続可能なデジタル加入者線(DSL)、IP接続可能なテレビベースのケーブル、またはそれらの任意の組合せを介して通信しうる。図1に示される例示の実施形態において、ALDサーバ100は、基地局90への従来のIPベースの通信(たとえばトラックライン上の)と基地局90から能動負荷クライアント300への「ラストマイル(last mile)」のためのWiMaxプロトコルを実行する無線チャネルとの組合せを使用する一つ以上の能動負荷クライアント300と通信する。
【0025】
それぞれの能動負荷クライアント300は、特定のアドレス(たとえばIPアドレス)を通じてアクセス可能であり、個々のスマートブレーカモジュールの状態または能動負荷クライアント300が関係する(たとえば、接続されたまたはサポートされた)商業施設または住宅の20に設置されたインテリジェント電化製品60の状態を制御および監視する。それぞれの能動負荷クライアント300は、単一の住居のまたは商売上の顧客と関係する。一つの実施形態において、能動負荷クライアント300は、能動負荷クライアント300からの信号に応答して、「ON」(能動)状態から「OFF」(非能動)状態にス
イッチの切替が可能であり、更に逆もまた同様に可能である、スマートブレーカモジュールを含む住宅の負荷センタ400と通信する。スマートブレーカモジュールは、たとえば新たなデータ構築時に設置するために、登録商標「SquareD」が付されたシュナイダー電気株式会社または登録商標「Cutler−Hammer」が付されたイートン株式会社によって製造されたスマートブレーカパネルを含みうる。既に存在するビルディングに合わせるために、個々の識別手段と、制御手段とを有するスマートブレーカは、使用されうる。一般的に、それぞれのスマートブレーカは、単一の電化製品(たとえば洗濯機/乾燥機30、熱給湯器40、HVACユニット50またはプールポンプ70)を制御する。
【0026】
更に、能動負荷クライアント300は、様々な公知の通信プロトコル(たとえばIPや、様々な形態での高速電力線通信(BPL)を通じたブロードバンドであり、HOMEPLUG電力線アライアンスによって公表または展開された仕様を通じたもの、IEEE、イーサネット(登録商標)、Bluetooth、ZigBee、Wi−Fi、WiMax等を含む)のうちの一つ以上を介して個々のスマート電化製品を直接的に(たとえば住宅の能動負荷クライアント300と通信すること無しに)制御しうる。一般的にスマート電化製品60は、通信能力を有する電力制御モジュール(図示せず)を含む。電力制御モジュールは、実際の電化製品と電源との間において、電化製品に対して電源と直列に取り付けられる(たとえば、電力制御モジュールは、家庭または商業施設においてコンセントにプラグインされ、電化製品の電力コードが、電力制御モジュールにプラグインされる)。こうして、電力制御モジュールは、電化製品60の電源を切るコマンドを受信した時に、電化製品60に供給する実際の電力を遮断する。あるいはまた、スマート電化製品60は、電化製品内に直接的に組み込まれた電力制御モジュールを含み、コマンドを受信し且つ電化製品の動作を直接的に制御する(たとえば、スマートサーモスタットは、設定温度より上げるまたは低くする、HVACユニットのスイッチを切るまたは入れる、またはファンのスイッチを入れるまたは切る機能を実行される。)。
【0027】
図2を参照すると、ALDサーバ100は、顧客、並びにサービス員に対する主要なインターフェイスとして機能しうる。図2に表された例示の実施形態において、ALDサーバ100は、ユーティリティ制御センタ(UCC)のUCCセキュリティインターフェイス102、UCC命令プロセッサ104、マスタイベントマネージャ106、ALCマネージャ108、ALCセキュリティインターフェイス110、ALCインターフェイス112、ウェブブラウザインターフェイス114、顧客契約アプリケーション116、顧客の個人的な設定138、顧客報告アプリケーション118、省電力アプリケーション120、ALC診断マネージャ122、ALDデータベース124、サービス発送マネージャ126、トラブルチケット生成器128、コールセンタマネージャ130、省炭素アプリケーション132、ユーティリティP&Cデータベース134、メータ読込アプリケーション136、およびセキュリティ装置マネージャ140を含む。
【0028】
一つの実施形態において、ウェブブラウザインターフェイス114を使用して、顧客は、ALDサーバ100と相互作用し、顧客契約アプリケーション116を介して電源負荷管理システム10によって提示された幾つかのまたは全てのサービスに加入する。顧客契約アプリケーション116に従い、顧客は、顧客に関する情報および顧客の住居または商業施設の情報を含む個人的な設定138を指定し、顧客が望むサービスの範囲を規定する。顧客契約アプリケーション116の更なる詳細を以下に述べる。顧客は、それらの現存のアカウントに付属する情報にアクセスおよび同情報を変更するために、ウェブブラウザインターフェイス114をさらに使用しうる。
【0029】
ALDサーバ100は、第三者がALDサーバ100に対し、認証されていない指示を提供することが出来ないようにするために、ALDサーバ100とユーティリティ会社の
制御センタ200との間にセキュリティおよび暗号化を提供するUCCセキュリティインターフェイス102をさらに含む。UCC命令プロセッサ104は、ALDサーバ100とユーティリティ制御センタ200との間でメッセージを受信し且つ送信する。同様に、ALCセキュリティインターフェイス110は、システム10上でALDサーバ100と各々の能動負荷クライアント300との間にセキュリティおよび暗号化を提供し、第三者が能動負荷クライアント300から情報を受信するまたは能動負荷クライアント300に指示を送ることができないようにしている。セキュリティ技術は、ALCセキュリティインターフェイス110によって採用され、UCCセキュリティインターフェイス102は、無線暗号化プロトコル(WEP)、Wi−Fi保護アクセス(WPAおよびWPA2)、進化型暗号化基準(AES)、Pretty Good Privacy (PGP)または独自の暗号化技術等の、一般的な対称鍵または非対称鍵アルゴリズムを含みうる。
【0030】
一つの実施形態において、電気ユーティリティのユーティリティ制御センタ200からのUCC命令プロセッサ104によって受信できる命令は、「切断」命令、「どれくらいの量」命令、「イベントを終了させる」命令および「メータ読込」命令を含む。「切断」命令は、特定の時間において特定の電力量を減少させるようにALDサーバ100に指示する。特定の電力量は、単位時間当りの瞬間的な電力量または平均電力消費量でありうる。「切断」命令はさらに、電力負荷減少のための地理的な領域または特定の位置を更に選択的に指示しうる。「どれくらいの量」命令は、ユーティリティ制御センタ200によって減少できる電力量(たとえばメガワット)の情報を要求する。「イベントを終了させる」命令は、現在のALDサーバ100の実行処理を停止させる。「メータ読込」命令は、要求側ユーティリティによってサービスを受ける全ての顧客の計測器を読込むようにALDサーバ100に指示する。
【0031】
UCC命令プロセッサ104は、ユーティリティ制御センタ200に対し、「どれくらいの量」命令または「イベントを終了させる」状態確認への応答を送信しうる。「どれくらいの量」命令への応答によって、削減できる電力量が返送される。「イベントを終了させる」確認メッセージは、現在のALDサーバ処理が終了したことを確認する。
【0032】
マスタイベントマネージャ106は、電力管理システム10によって制御された電源負荷の全体の状態を維持する。マスタイベントマネージャ106は、制御される各ユーティリティの状態を維持するとともに、各々のユーティリティ内の現在の電力利用を追跡する。マスタイベントマネージャ106は、さらに各々のユーティリティの管理状態を追跡する(たとえば、各々のユーティリティが現在管理されているか否か)。マスタイベントマネージャ106は、UCC命令プロセッサ104から実行処理要求の形態で指示を受信し、ALCマネージャ108および省電力アプリケーション120等の、要求された実行処理を完了させるために必要な構成要素への指示をルーティングする。
【0033】
ALCマネージャ108は、ALCインターフェイス112を通じて能動電力負荷管理システム10内のALDサーバ100とそれぞれの能動負荷クライアント300との間で指示をルーティングする。たとえばALCマネージャ108は、個々のIPアドレスを通じて能動負荷クライアント300と通信することによって、特定のユーティリティによって供給された全ての能動負荷クライアント300の状態を追跡する。ALCインターフェイス112は、ALCマネージャ108から受信した指示(たとえば、実行処理)を、ターゲットとなる能動負荷クライアント300によって把握される適切なメッセージ構造に翻訳し、次にこのメッセージを能動負荷クライアント300に送る。同様に、ALCインターフェイス112は、能動負荷クライアント300からメッセージを受信すると、ALCマネージャ108によって把握できる形態にメッセージを翻訳し、翻訳されたメッセージをALCマネージャ108にルーティングする。
【0034】
ALCマネージャ108は、周期的にまたはALCマネージャ108によって送られたポーリングメッセージに応答して動作する各々の能動負荷クライアント300から、メッセージを受信する。そのメッセージは、現在の電力消費、および能動負荷クライアント300によって制御される各々の装置の状態(たとえば、「ON」または「OFF」)を含む。あるいはまた、個々の装置の測定が有効ではない場合には、全ての能動負荷クライアント300についての総電力消費量および負荷管理状態が、報告されうる。それぞれの状態メッセージに含まれた情報が、特定の能動負荷クライアント300と関係する記録としてALDデータベース124に格納される。ALDデータベース124は、全ての顧客アカウントおよび電力配分を管理するために必要な全ての情報を含む。一実施形態において、ALDデータベース124は名前、住所、電話番号、Eメールアドレス、顧客の住居または商業施設において設置された能動負荷クライアント300を有する全ての顧客に関係するユーティリティ会社、並びに各々の管理された装置(たとえば、IPアドレス可能なスマートブレーカまたは電化製品)についての特定の操作指示、装置状態、および装置診断履歴等の顧客コンタクト情報を含む。
【0035】
ALCマネージャ108が能動負荷クライアント300から受信してそれに応じて処理するいくつかの形式のメッセージがある。そのようなメッセージの一つは、セキュリティアラートメッセージである。セキュリティアラートメッセージは、住居または商業施設に設置され且つ能動負荷クライアント300に(たとえば、無線でまたは有線接続を介して)結合された選択セキュリティまたは安全監視システムから送信される。セキュリティアラートメッセージが受信されると、ALCマネージャ108は、何処にアラートを送るかを判定するためのルーティング情報をうるためにALDデータベース124にアクセスし、次に指示通りにアラートを送る。たとえばALCマネージャ108は、アラートまたは別のメッセージ(たとえば電子メールメッセージまたは以前に記録された音声メッセージ)をセキュリティ監視サービス会社および/または所有者の住居または商業施設に送るようにプログラムされうる。
【0036】
能動負荷クライアント300とALCマネージャ108との間でやり取りされる別のメッセージは、報告トリガメッセージである。報告トリガメッセージは、既定の電力量が能動負荷クライアント300によって監視された特定の装置によって消費されるALDサーバ100をアラートする。報告トリガメッセージが能動負荷クライアント300から受信されると、ALCマネージャ108は、情報を供給する能動負荷クライアント300と関係する顧客のために、メッセージに含まれる情報をALDデータベース124に記録する。電力消費情報は、電力減少イベントの間に電力減少または「切断」メッセージを送る能動負荷クライアント300を判定するために、次にALCマネージャ108によって使用される。
【0037】
更に能動負荷クライアント300とALCマネージャ108との間で交換される別のメッセージは、状態応答メッセージである。状態応答メッセージは、能動負荷クライアント300によって制御されたそれぞれの装置の形式および状態をALDサーバ100に報告する。状態応答メッセージが能動負荷クライアント300から受信されると、ALCマネージャ108は、メッセージに含まれる情報をALDデータベース124に記録する。
【0038】
一つの実施形態において、特定のユーティリティのための電力消費を減少させるためにマスタイベントマネージャ106から指示(たとえば「切断」指示)を受信すると、ALCマネージャ108は、ALDデータベース124に格納された現在の電力消費データに基づいて、どの能動負荷クライアント300および/または個々の制御された装置を「OFF」状態に切り替えるのかを判定する。ALCマネージャ108は、次に能動負荷クライアントの制御下で全てまたはいくつかの装置の電源を切るための指示を含むメッセージを、選択された各能動負荷クライアント300に送る。
【0039】
別の実施形態において、省電力アプリケーション120は、電力減少イベント(「切断イベント」と称する)の間に各ユーティリティによって削減される総電力量や、搬送された電力量を減少する能動負荷クライアント300に関連する各顧客についての総省電力量を計算しうる。省電力アプリケーション120は、特定のユーティリティによってサービスを受ける各々の顧客についてのALDデータベース124に格納されたデータにアクセスし、ユーティリティが利用電力および炭素(P&C)データベース134に登録者として加入した各々の削減イベントについて、各々のユーティリティによって累積される総累積電力削減量(たとえば、時間当りのメガワットとして)を格納する。
【0040】
更なる実施形態において、省炭素アプリケーション132は、削減イベント毎の各々のユーティリティおよび各々の顧客による省炭素量を判定するために、省電力アプリケーション120によって提供された情報を使用する。省炭素情報は、各々の能動負荷クライアント300についてのALDデータベース124および各々のユーティリティについてのユーティリティP&Cデータベース134に格納される。省炭素情報は、たとえば、終了したばかりのイベントに含まれる顧客設備のための電力の発電に使用された燃料の種類、以前のイベントにおいて削減された電力、行政機関基準計算比率、および/又はその他のデータを含み、その他のデータとしては、供給施設当りの発電ミックス、および顧客の地理的位置、および最も近い電源の位置等である省炭素アプリケーション132は、以前の削減イベントに参加した各々の能動負荷クライアント300(顧客)および施設について削減されたカーボンクレジットに相当する量を計算し、それぞれALDデータベース124およびユーティリティP&Cデータベース134に情報を格納する。
【0041】
更に、ALCマネージャ108は、サービス発送マネージャ126と選択的に相互作用することによって電源負荷管理システム10全体の円滑な操作を自動的に提供する。たとえば、新たな顧客が、加入者電源負荷管理システム10に参加するために加入すると、サービス発送マネージャ126は、顧客契約アプリケーション116から新たな加入者を通知する。サービス発送マネージャ126は、次に能動要求をALCマネージャ108に送る。サービス発送マネージャ126から能動要求を受信すると、ALCマネージャ108は、新たな能動負荷クライアント300にこの情報のクエリ要求を送り、この情報を受信すると、その情報をサービス発送マネージャ126に提供する。更に、ALCマネージャ108が、特定の能動負荷クライアント300が適切に機能しないことを検知するといつでも、ALCマネージャ108は、問題を修正するためにサービスコールを手配するよう、サービス発送マネージャ126にサービス要求を送りうる。
【0042】
別の実施形態において、サービス発送マネージャ126は、能動電力負荷管理システム10の顧客から電話を受ける、オペレーションセンタ(図示せず)にサポートを提供するコールセンタマネージャ130からサービス要求を更に受信する。顧客が、サービスを要求するためにオペレーションセンタに電話すると、コールセンタマネージャ130は、ALDデータベース124にサービスコールに記録し、「サービス」実行処理メッセージをサービス発送マネージャ126に送る。サービスコールが終了すると、コールセンタマネージャ130は、サービス発送マネージャ126から完了通知を受信し、ALDデータベース124に「終了した(closed)」として最初のサービスコールを記録する。
【0043】
更に別の実施形態において、サービス発送マネージャ126は、サービス発送マネージャ126がサービス要求を受信する任意の能動負荷クライアント300について一連の診断テストを実行するように、ALC診断マネージャ122を更に指示しうる。ALC診断マネージャ122は、診断手順を実行した後で、結果をサービス発送マネージャ126に返送する。サービス発送マネージャ126は、次に要求されたサービス(たとえば、顧客名、住所、必要な装置にアクセスするための任意の特別な事項、および診断処理の結果)
に付属する(ALDデータベース124からサービス発送マネージャ126によっていくつかが検索される)情報を含む報告(たとえば、トラブルチケット)を生成するために、トラブルチケット生成器128を呼び出す。住居顧客サービスの専門家は、サービスコールを実行するために必要な装置又は交換部品の形式を選択するために、トラブルチケットとして提供される情報を使用しうる。
【0044】
メータ読込アプリケーション136は、UCC命令プロセッサ104が「メータ読込」又はユーティリティ制御センタ200からの等価コマンドを受信する時に、選択的に呼び出されうる。メータ読込アプリケーション136は、ALDデータベース124内を循環して、メータ読込メッセージ又はコマンドを、各々の能動負荷クライアント300に又は、ALCマネージャ108を介して、UCCのコマンドで特別に特定されたそれらの能動負荷クライアント300に送る。ALCマネージャ108によって能動負荷クライアント300から受信された情報は、各々の顧客のALDデータベース124に記録される。全ての能動負荷クライアント計測情報が受信されると、その情報は、企業間電子商取引(たとえば、ebXML)又は他の所望されたプロトコルを使用する要求ユーティリティ制御センタ200に送られる。
【0045】
セキュリティ装置管理ブロック140は、セキュリティインターフェイス110によって受信されたセキュリティシステムメッセージを処理するためのプログラム指示を含む。セキュリティ装置管理ブロック140は、全てのセキュリティシステムメッセージの情報をルーティングすることを含み、顧客又はサービス会社当りのメッセージオプションを更に含みうる。たとえば、一つのセキュリティサービスは、セキュリティイベントの生起によってALDサーバ100からEメールアラートを要求するが、別のセキュリティサービスは、ビル内システムから送られたメッセージが能動負荷クライアント300およびALDサーバ100によって、セキュリティサービス会社に直接に伝えられることを必要としうる。
【0046】
更なる実施形態において、ALDサーバ100は、さらに、個々の顧客に送られるべき報告であって、以前の支払請求サイクルの間における省電力量の詳細についての報告を生成する顧客報告アプリケーション118を含む。各々の報告は、以前の支払請求サイクルでの累積された総省電力量、制御された装置(たとえば、ブレーカ又は電化製品)当りの詳細な省電力量、施設を対象としたイベントからの省電力量、顧客を対象としたイベントからの省電力量、管理された装置、期間中に削減されたおよび使用された総炭素等価量、および/又は顧客の能動負荷クライアントが参加した各々の切断イベントについての特定の詳細を含みうる。顧客は、顧客報奨プログラム150を通して電源負荷管理システム10に参加することによる奨励(インセンティブ)および報奨を受け取りうる。たとえば、施設又は第三者システム操作者は、所定の参加基準または指標に基づいてプロバイダによって提示された製品およびサービスのシステム参加者ディスカウントを要求するために、製品および/又はサービスプロバイダと契約しうる。顧客報奨プログラム150は、省電力に対してポイントが累積される(たとえば、削減または抑制されたメガワット当り1ポイント)一般的な利用プログラムと同様に設定されうることができ、累積ポイントが既定のレベルとなると、顧客は、製品又はサービスディスカウントを選択できる。あるいはまた、供給側施設は、顧客に、システム10への参加率に応じたディスカウントを提示しうる。
【0047】
図3は、本願発明の一つの実施形態に従う例示の能動負荷クライアント300のブロック図を説明する。図示された能動負荷クライアント300は、Linuxベースオペレーティングシステム302、状態応答生成器304、スマートブレーカモジュール制御器306、スマート装置インターフェイス324、通信インターフェイス308、セキュリティインターフェイス310、IPベース通信変換器312、装置制御マネージャ314、
スマートブレーカ(B1〜BN)計数マネージャ316、報告トリガアプリケーション318、IPルータ320、スマートメータインターフェイス322、セキュリティ装置インターフェイス328、およびIP装置インターフェイス330を含む。この実施形態における能動負荷クライアント300は、顧客の住居または商業施設においてサイト上に配置されたコンピュータまたはプロセッサベースシステムである。能動負荷クライアント300の主な機能は、住居または商業施設に配置された制御可能な装置の電力負荷レベルを管理することであり、能動負荷クライアント300が顧客の利益を監視する。例示の実施形態において、能動負荷クライアント300上で起動するソフトウェアは、ハードウェアおよび一般のソフトウェア環境を管理するために組込型Linuxオペレーティングシステム302を使用して操作される。当業者は、マイクロソフト系列のオペレーティングシステム、マックOS、SunOS等の、他のOSを含む他のオペレーティングシステムが、代わりに使用されることを容易に認識する。更に、能動負荷クライアント300は、機能的に能動負荷クライアント300が、能動負荷クライアント300とALDサーバ100との間の通信を容易にするホストIPネットワーク上でDHCPサーバから、それ自身のおよび/または一つ以上の制御可能な装置402〜412、420、460のIPアドレスを動的に要求することを可能にするDHCPクライアントを含みうる。能動負荷クライアント300は、更にルータ機能を含み、能動負荷クライアント300から制御可能な装置402〜412、420、460へのメッセージの配達を容易にするために、能動負荷クライアント300のメモリに、割当てられたIPアドレスのルーティングテーブルを維持する。
【0048】
通信インターフェイス308は、能動負荷クライアント300とALDサーバ100との間で接続を容易にする。能動負荷クライアント300とALDサーバ100との間の通信は、WiMaxプロトコルを含むがこれに制限されない、任意形式のIPまたは他の接続プロトコルに基づいている。従って、通信インターフェイス308は、有線または無線モデム、無線アクセスポイントまたは他の適宜なインターフェイスとしうる。
【0049】
基準IP3層ルータ320は、通信インターフェイス308によって受信したメッセージを、能動負荷クライアント300と任意の他のローカル接続された装置440との両方にルーティングする。ルータ320は、受信したメッセージが、能動負荷クライアント300に向けられているかを判定し、もしそうであれば、復号するためにこのメッセージをセキュリティインターフェイス310に送る。セキュリティインターフェイス310は、ALDサーバ100と能動負荷クライアント300との間で交換されたメッセージの内容を保護する。メッセージコンテンツは、たとえば能動負荷クライアント300のIPアドレスとGPSデータとの組合せからなる対称性暗号化鍵又は公知の情報の他の組合せを使用して、セキュリティインターフェイス310によって暗号化および復号化される。このメッセージが、能動負荷クライアント300に向けられていないと、一つ以上のローカル接続された装置440に配達するためのIP装置インターフェイス330に送られる。たとえば、IPルータ320は、電源負荷管理システムメッセージ並びに従来のインターネットメッセージをルーティングするようにプログラムされうる。そのような場合に、能動負荷クライアント300は、分離したインターネットゲートウェイ又はルータを使用する代わりに住居又は商業施設に提供されたインターネットサービスのゲートウェイとして機能しうる。
【0050】
IPベース通信変換器312は、ALDサーバ100から次のメッセージを開き、それらのメッセージを能動負荷クライアント300内の適切な機能に向ける。変換器312は、さらに様々な能動負荷クライアント300機能(たとえば、装置制御マネージャ314、状態応答生成器304、および報告トリガアプリケーション318)からメッセージを受信し、ALDサーバ100によって期待される形態にメッセージをパッケージ化し、次に暗号化のためにセキュリティインターフェイス310を通じてそれらのメッセージを送
る。
【0051】
装置制御マネージャ314は、能動負荷クライアント300に論理的に接続された様々な制御可能な装置の電力管理コマンドを処理する。この装置は、個々の制御モジュール(示されない)を有するスマート電化製品等のスマートブレーカ402〜412又は他のIPベース装置420のどちらかである。装置制御マネージャ314は、能動負荷クライアント300によって制御された各々の装置の形式および状態を維持する状態応答生成器304に問い合わせを行い、そして、この状態をALDサーバ100に提供することによって、ALDサーバ100からの「クエリ要求」又はそれに等価なコマンド又はメッセージをさらに処理する。「クエリ要求」メッセージは、熱的制御される装置の温度設定値、負荷制御が許可又は禁止される間の時間間隔、負荷制御が許可又は禁止される間の日付、および装置制御の優先度(たとえば、電力減少イベントの間に、HVACユニットが電源を切る前に給湯器およびプールポンプの電源が切られる)等の、単なる状態要求以外の情報を含みうる。温度設定値又は他の非状態情報が「クエリ要求」メッセージに含まれて、その情報を処理できる能動負荷クライアント300に取り付けられた装置が存在する場合、温度設定値又は他の情報が、スマート装置インターフェイス324を介してその装置420に送られる。
【0052】
状態応答生成器304は、ALDサーバ100からの状態メッセージを受信し、これに応答して、制御可能な装置402〜412、420、460が能動化され且つ好ましい動作手順であるかどうかを判定するために、能動負荷クライアントの制御下で、各々の制御可能な装置402〜412、420、460をポーリングする。各々の制御可能な装置402〜412、420、460は、そのポーリングに対して、操作情報(たとえば、能動状態および/又はエラー報告)を含む状態応答メッセージで応答する。能動負荷クライアント300は、電力減少イベントと接続する基準として状態応答生成器304と関連するメモリにこの状態応答を格納する。
【0053】
スマート装置インターフェイス324は、能動負荷クライアント300に取付けられた個々の装置420(たとえば、スマート電化製品電力制御モジュール)へのIP又は他のアドレスベースの通信を容易化する。この接続は、BPL,ZigBee,Wi−Fi,Bluetooth,又は直接的なイーサネット(登録商標)通信を含むがこれらに制限されない、様々な異なる形式のネットワークのうちの一つとしうる。従って、スマート装置インターフェイス324は、スマート装置420を能動負荷クライアント300に接続するネットワーク内での又はネットワーク上での使用に適合されるモデムである。スマート装置インターフェイス324は、さらに装置制御マネージャ314が、温度設定を検知しおよび温度変化に応答する可能性を有するこれらの装置を管理することができる。
【0054】
スマートブレーカモジュール制御器306は、スマートブレーカモジュール400へおよびスマートブレーカモジュール400からの、電力制御指示を含むメッセージを、フォーマットしたり、送信したりおよび受信したりする。1つの実施形態において、通信がBPL接続を通じて行われることが好ましい。このような実施形態において、スマートブレーカモジュール制御器306は、BPLモデムを含み且つソフトウェアを動作させる。スマートブレーカモジュール400は、個々のスマートブレーカ402〜412を含み、各々のスマートブレーカ402〜412が適用可能なモデム(たとえば、BPLがネットワーク技術に採用される場合のBPLモデム)を含み、単一の電化製品又は他の装置に供給される電力と好ましくはインライン化される。B1〜BN計数マネージャ316は、各々のインストールされたスマートブレーカ402〜412のリアルタイム電力使用を判定し且つ格納する。たとえば、計数マネージャ316は、各々のスマートブレーカ402〜412によって使用される電力量を追跡し且つ計数し、計数マネージャ316と関係する能動負荷クライアント300のメモリに計数した電力量を格納する。任意のブレーカ402
〜412の計数が規定の制限値に達すると、計数マネージャ316は、スマートブレーカ402〜412と対応し且つ電力量(電力番号)と対応する識別番号を報告トリガアプリケーション318に提供する。一旦、この情報が、報告トリガアプリケーション318に送られると、計数マネージャ316は、適応可能なブレーカ402〜412の計数を、情報が再度修正できるように0にリセットする。報告トリガアプリケーション318は、次に能動負荷クライアント300の識別情報、特定のスマートブレーカ402〜412の識別情報、および電力番号を含む報告メッセージを作成し、この報告メッセージをALDサーバ100へ送信するためにIPベース通信変換器312に送る。
【0055】
スマートメータインターフェイス322は、高速電力線通信(BPL)を用いて通信するスマートメータ460と、従来の電力メータ450に接続する電流センサ452のいずれかを管理する。能動負荷クライアント300が、ALDサーバ100からの「メータ読込(Read Meters)」命令または「メータ読込」メッセージを受信し、スマートメータ460が能動負荷クライアント300に取付けられると、「メータ読込」命令は、スマートメータインターフェイス322経由で(たとえば高速電力線通信モデム経由で)、スマートメータ460に送信される。スマートメータインターフェイス322は、スマートメータ460から「メータ読込」メッセージへの応答を受信し、能動負荷クライアント300の識別情報に従って、この情報をフォーマットし、フォーマットしたメッセージを、ALDサーバ100に送信すべくIPベースの通信変換器312に提供する。
【0056】
セキュリティ装置インターフェイス328は、セキュリティメッセージを、取付けられたセキュリティ装置に伝送し、セキュリティ装置から伝送する。たとえばセキュリティ装置インターフェイス328は、有線または無線で、監視システムまたはセキュリティシステムに接続されうる。監視システムまたはセキュリティシステムは、モーションセンサ、機械センサ、光センサ、電気センサ、煙センサ、一酸化炭素センサ、および他の安全およびセキュリティ監視センサのうちの少なくとも1つを含む。監視システムがセキュリティまたは安全問題を検知すると、監視システムは、アラーム信号をセキュリティ装置インターフェイス328に送信し、セキュリティ装置インターフェイス328は、順にアラーム信号を、対象のIPアドレスに配達すべく(たとえばセキュリティ監視サービスプロバイダに配達すべく)、ALDサーバを通じてIPネットワークに送信する。セキュリティ装置インターフェイス328はまた、取付けられたセキュリティ装置と、IP装置インターフェイスを通じて通信し、線ベースの電話接続を失ってしまった装置からの通知メッセージを認識しうる。通知メッセージを受信すると、アラートメッセージがフォーマットされ、IPベースの通信変換器312を通じてALDサーバ100に送信される。
【0057】
例示的実施形態に従って、能動電力負荷(電源負荷)管理システム10の動作は、以下に記述される。一実施形態において、顧客はまず、ウェブブラウザを用いて、電力負荷管理サービスの契約をする。ウェブブラウザを用いて、顧客は、ウェブブラウザインターフェイス114を通じて、電力負荷管理システムプロバイダのウェブサイトにアクセスする。そして、顧客は、能動電力負荷管理システム10によって制御される所望の装置の型と、彼または彼女の名前と住所情報を提供する。能動電力負荷管理システム10は、ピーク負荷時のエネルギーを節約し、省電力化またはカーボンクレジット(これは、顧客によって節約された全電力量または二酸化炭素量に基づき、報奨金を受取るべく使用されうる)を貯める。同時に省電力を行いつつまたはカーボンクレジットを貯めつつ、顧客はまた、過剰電力を公共施設に売り戻すべく、非ピーク時の電力消費の管理を許可することに同意しうる。顧客契約アプリケーション116は、ALDデータベース124内にそれぞれ顧客用のデータベース入力部(entry)を生成する。それぞれ顧客の連絡先と負荷管理の設定(preference)は、ALDデータベース124に格納または記録される。たとえば顧客には、任意の数の装置または装置の分類を管理する簡単なオプションが与えられうる。これらのオプションには、装置を管理するパラメータが含まれる(たとえば
それぞれの型の装置がどれくらい長くスイッチオフされるか、および/または、装置が全くスイッチオフにされない場合はどれくらいの時間を規定するか)。特に、顧客はまた、空調操作の詳細なパラメータを提供しうる(たとえば空調システムが低温範囲および高温範囲を特定する制御点を設定するなど)。加えて、顧客には、電力管理イベントが発生したときに通知(たとえばEメールメッセージ、インスタントメッセージ、テキストメッセージ、または録音された電話呼出、またはそれらの任意の組合せ)を受信するオプションが与えられうる。顧客がデータ入力を完了すると、「新たなサービス(New Service)」または等価な実行処理(transaction)メッセージまたは等価な実行処理命令がサービス発送マネージャ126に送信される。
【0058】
図4は、本発明の一実施形態に従って、例示的な能動電力負荷管理システム10におけるサービス要求を管理するALDサーバ100によって(たとえばサービス発送マネージャ126の一部として)、実行されるステップを提供する例示的な動作フロー図500を示す。図4のステップは、好ましくはALDサーバのメモリ(図示せず)に格納されたコンピュータ命令(ソフトウェア)として実行され、ALDサーバ100の1以上のプロセッサ(図示せず)によって実行される。論理フローに従って、サービス発送マネージャ126は、実行処理メッセージまたは実行処理命令を受信し(S502)、実行処理の型を判定する(S503)。「新たなサービス」という実行処理メッセージを受信すると、サービス発送マネージャ126は、サービス員(たとえば技術者)が新たな顧客に設置するための訪問スケジュールを決定する(S504)。サービス発送マネージャ126は、そしてスケジュールが決定したサービス員またはサービス部員の発送係に、たとえばEメール、テキストメッセージ、およびインスタントメッセージ通知のうちの少なくとも1つを用いて、待機中のサービスコールを通知する(S506)。
【0059】
一実施形態において、サービスコール通知に応答して、サービス員は、サービス発送マネージャ126のサービス記録から、新たな顧客の氏名と住所、所望のサービスの説明、およびサービス時間を取得する。サービス員は、顧客の場所に設置すべく、能動負荷クライアント300、全ての必要なスマートブレーカ402〜412、および全ての必要なスイッチを取得する。サービス員は、顧客のデータベース情報から、任意の欠落した情報(たとえば制御される装置、それぞれ装置の型およびモデル、およびシステムが正しく機能するのに必要な他の任意の情報)を記す。サービス員は、能動負荷クライアント300とスマートブレーカ402〜412を新たな顧客の場所に設置する。全地球位置発見システム(GPS)装置は、随意的に、新たな顧客のビルの正確な地理的位置を決定すべく、サービス員によって使用されうる。新たな顧客のビルの正確な地理的位置は、ALDデータベース124における顧客の入力部に加えられ、ALDサーバ100と能動負荷クライアント300の間の安全通信を促進する対称暗号鍵を生成すべく使用されうる。設置された能動負荷クライアント300の物理的位置はまた、顧客の入力部に記入される。スマートスイッチ装置は、サービス員によって設置されうる。または顧客が設置すべく顧客の場所に放置されうる。能動負荷クライアント300が設置されたあと、サービス発送マネージャ126は、サービス員から設置が完了したと示すサービス記録を通じて報告を受信する(S508)。サービス発送マネージャ126は、そして「更新(Update)」または等価な実行処理メッセージをALCマネージャ108に送信する(S510)。
【0060】
ブロック503に戻り、「サービス(Service)」または類似の実行処理メッセージまたは類似の実行処理命令が受信されると、サービス発送マネージャ126は、サービス員がサービスコールを特定の顧客に行うスケジュールを決定する(S512)。サービス発送マネージャ126は、そして「診断(Diagnose)」または同様の実行処理を、ALC診断マネージャ122に送信する(S514)。ALC診断マネージャ122は、診断手続の結果をサービス発送マネージャ126に返送する。サービス発送マネージャ126は、そしてサービス員にサービスコールを通知し(S516)、従来のトラブ
ルチケットを用いて、サービス員に診断手続の結果を提供する。サービス員は、トラブルチケットの診断手続結果を用いて、装置の型と、サービスコールに必要な交換部品を選択する。
【0061】
図5は、本発明の一実施形態に従って、能動電力負荷管理システム10の顧客契約を確認する、ALDサーバ100によって(たとえばALCマネージャ108の一部として)実行されるステップを提供する、例示的な動作フロー図600を示す。図5のステップは、好ましくはALDサーバのメモリ(図示せず)に格納されたコンピュータ命令(ソフトウェア)として実行され、ALDサーバ100の1以上のプロセッサ(図示せず)によって実行される。論理フローに従って、ALCマネージャ108は、「更新」または同様の実行処理メッセージまたは同様の実行処理命令を受信し(S602)、「更新」メッセージにおいて特定されるIPアドレスを用いて、「クエリ要求(Query Request)」または同様のメッセージまたは同様の命令を能動負荷クライアント300に送信する(S604)。「クエリ要求」メッセージは、ALDサーバ100が管理されることを期待する装置のリストを含む。顧客契約において入力された顧客情報が1以上の負荷制御装置の温度設定点を含んでいる場合、該顧客情報は「クエリ要求」メッセージに含まれる。ALCマネージャ108は、能動負荷クライアント300に関する情報を含むクエリ応答を受信する(S606)。情報は、たとえば使用された現在のWiMaxバンド、動作状態(たとえば機能しようがしまいが)、電流使用測定のすべてのカウンタの設定(たとえば初期設定時間にすべてゼロに設定される)、制御される装置の状態(たとえば「オン」状態または「オフ」状態のいずれも)に関する。ALCマネージャ108は、ALDデータベース124を、能動負荷クライアント300から取得した最新の状態情報によって更新する(S608)。ALCマネージャ108が、クエリ応答から、能動負荷クライアント300が適切に機能していることを検出すると(S610)、ALCマネージャ108は、顧客の状態を「能動的(Active)」にし、ALDサーバ活動への加入を認める(S612)。しかしながら、ALCマネージャ108が、能動負荷クライアント300が適切に機能していないと検出すると(S610)、ALCマネージャ108は、「サービス」または類似の実行処理メッセージまたは類似の実行処理命令を、サービス発送マネージャ126に送信する(S614)。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態に従って、例示的な能動電力負荷管理システム10におけるイベントを管理する、ALDサーバ100によって(たとえばマスタイベントマネージャ106の一部として)実行されるステップを提供する、例示的な動作フロー図700を示す。図6のステップは、好ましくはALDサーバのメモリ(図示せず)に格納されたコンピュータ命令(ソフトウェア)として実行され、ALDサーバ100の1以上のプロセッサ(図示せず)によって実行される。論理フローに従って、マスタイベントマネージャ106は、ALDサーバ100によって管理されているそれぞれユーティリティ内の現在の電力使用を追跡する(S702)。マスタイベントマネージャ106が実行処理メッセージまたは実行処理命令をUCC命令プロセッサ104またはALCマネージャ108から受信すると(S704)、マスタイベントマネージャ106は、受信した実行処理の型を判定する(S706)。「切断(Cut)」実行処理をUCC命令プロセッサ104から受信すると(ユーティリティ制御センタ200によって発行された「切断」命令に起因して)、マスタイベントマネージャ106は、ユーティリティを管理された論理状態に配置する(S708)。マスタイベントマネージャ106は、そして「切断」実行処理メッセージまたは「切断」イベントメッセージまたは「切断」実行処理命令または「切断」イベント命令をALCマネージャ108に送信する(S710)。ここで、ALCマネージャ108は、公共施設によって供給された電力システムから除去されるべき電力量(たとえばメガワット内の電力量)を識別する。「切断」命令において削減のために特定された電力量は、瞬時の電力量または単位時間あたりの平均電力量でありうる。最後に、マスタイベントマネージャ106は、(たとえばEメール送信または他の既知の通知方法を通じ
て)パワー管理イベントが動作中であるという通知を受信すべく選択されたそれぞれ顧客に通知する(S711)。
【0063】
ブロック706に戻り、マスタイベントマネージャ106が「どれくらいの量(Howmuch)」または他の等価な電力引合実行処理メッセージまたは等価な電力引合(inquiry)実行処理命令をUCC命令プロセッサ104から受信すると(ユーティリティ制御センタ200によって発行された「どれくらいの量」命令に起因して)、マスタイベントマネージャ106は、ユーティリティの現在の使用情報にアクセスすることによって、特有のユーティリティ管理システムから一時的に除去されうる電力量を判定する(S712)。一実施形態において、提供中のユーティリティの全可能な負荷を集めることによって、ALDデータベース124に格納されたユーティリティの顧客使用情報から決定されるように、現在の使用情報が導出される。この導出は、ユーティリティの顧客に供給されるべきである全電力量に基づき、能動負荷クライアント300とそれぞれの制御可能な負荷装置402〜412,420,460のそれぞれの状態を考慮することによって、「どれくらいの量」メッセージにおいて識別された負荷制御インターバル中に、行われる。
【0064】
それぞれユーティリティは、任意の電力削減イベント中に削減されるべき最大電力量または電力の最大パーセンテージを示しうる。そのような最大値または限度は、ALDサーバ100のユーティリティP&Cデータベース134に格納されえ、マスタイベントマネージャ106にダウンロードされうる。一実施形態において、マスタイベントマネージャ106は、任意の特定の電力管理期間(たとえば1時間)中のユーティリティの現在の電力消費量の初期値の1パーセントを除去すべくプログラムされる。代替の実施形態において、マスタイベントマネージャ106は、現在の電力消費量の他の固定されたパーセンテージを除去し、現在の電力消費量に基づき現在の電力消費量のパーセンテージを変化させる(たとえば電力消費量がシステムの最大値であるときは1パーセントで、電力消費量がシステムの最大値の50パーセントであるときは、10パーセント)べく、プログラムされうる。除去される電力量に基づき、マスタイベントマネージャ106は、「切断」または等価なイベントメッセージをALCマネージャ108に送信する(S710)。ALCマネージャ108は、ユーティリティの電力システムから除去されるべき(たとえば現在の使用量の1パーセント)電力量(たとえばメガワット)を示す。そして、マスタイベントマネージャ106は、電力管理イベントが処理中であるという通知を受信すべく選択された全ての顧客に通知する(S711)。マスタイベントマネージャ106はまた、UCC命令プロセッサ104経由で、応答をユーティリティ制御センタ200に送信する。UCC命令プロセッサ104は、ユーティリティ制御センタ200に、要求するユーティリティによって一時的に削減しうる電力量を教える。
【0065】
ブロック706に戻り、マスタイベントマネージャ106が「イベントを終了させる(End Event)」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令をUCC命令プロセッサ104から受信すると(ユーティリティ制御センタ200によって発行された「イベントを終了させる」命令に起因する)、マスタイベントマネージャ106は、現在のイベントの状態を「保留(Pending)」として設定する(S714)。そして、「イベントを終了させる」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令をALCマネージャ108に送信する(S716)。ALCマネージャ108が現在のイベントを終了させるのに必要なステップを実行した場合(たとえば電力削減または切断イベント)、マスタイベントマネージャ106は、「イベント終了(Event Ended)」または等価な実行処理を、ALCマネージャ108から受信する(S718)。そして、ユーティリティを、論理的に「非管理(Not Managed)」状態に設定する(S720)。マスタイベントマネージャ106は、そして、電力管理イベントが終了したという通知を受信すべく選択されたそれぞれ顧客に(たとえばEメール送信を
通じて、または他の既知の通知方法を通じて)通知する(S722)。最後に、マスタイベントマネージャ106は、「イベント終了」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、(UCC命令プロセッサ104経由で)省電力アプリケーション120とユーティリティ制御センタ200に送信する(S724)。
【0066】
図7に移ると、例示的な動作フロー図800は、本発明の一実施形態に従って、例示的な能動電力負荷管理システム10における電力消費量を管理するALDサーバ100によって実行されるステップを示す。図7のステップは、好ましくはALDサーバのメモリ(図示せず)に格納されたコンピュータ命令(ソフトウェア)として実行され、ALDサーバ100の1以上のプロセッサ(図示せず)によって実行される。論理フローに従って、ALCマネージャ108は、ALCマネージャ108が管理するそれぞれ能動負荷クライアント300から、周期的に、またはALCマネージャ108によって発行されたポール(poll)に応答して、メッセージを受信することによって、管理されたそれぞれ能動負荷クライアント300の状態を追跡する(S802)。これらのメッセージは、能動負荷クライアント300の現在の状態を示す。状態は、能動負荷クライアント300によって制御されるそれぞれ制御可能な装置402〜412、420の現在の電力消費量を(または、個々の装置メータが可能でない場合、能動負荷クライアント300によって制御される全ての制御可能な装置402〜412、420の全電力消費量を)含む。また、状態は、それぞれ制御可能な装置402〜412、420の状態(たとえば「オン」または「オフ」)を含む。ALCマネージャ108は、特定の能動負荷クライアント300と、その関連する顧客と、供給するユーティリティとに対応する記録中に、ALDデータベース124に、電力消費量と装置状態情報を、格納または記録する(S804)。
【0067】
ALCマネージャ108が、マスタイベントマネージャ106から実行処理メッセージを受信すると(S806)、ALCマネージャ108は、まず受信した実行処理の型を判定する(S808)。ALCマネージャ108が、「切断」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令をマスタイベントマネージャ106から受信すると、ALCマネージャ108は、「管理(Manage)」論理状態を入力する(S810)。ALCマネージャ108は、そして、「切断」メッセージにおいて特定されたユーティリティに影響する、いずれの能動負荷クライアント300といずれの関連する装置402〜412、420を、「オフ」状態にするかを判定する(S812)。場所(たとえばGPS位置、GPS位置範囲、地理的範囲、または電力網リファレンス領域(power grid reference area))が「切断」実行処理メッセージに含まれている場合、特定の領域内の能動負荷クライアント300のみが、「オフ」状態となるべく選択される。換言すると、ALCマネージャ108は、「停止(Turn Off)」メッセージの発行が関連する能動負荷クライアント300の群を選択する。ここで、「停止」メッセージは、少なくともそれぞれ能動負荷クライアント300の地理的位置に基づき、受信した「切断」実行処理メッセージにおいて特定された任意の場所に関連する。ALDデータベース124は、能動電力負荷管理システム10のそれぞれ能動負荷クライアント300に接続するそれぞれ制御可能な装置402〜412、420のために、現在の電力消費量(と、平均電力消費量の少なくとも1つ)に関する情報を含む。ALCマネージャ108は、格納した電力消費量情報を用いて、必要な装置402〜412、420の数量を選択し、停止することによって「切断」メッセージによって要求された省電力を達成する。そして、停止すべき装置のリストと、リスト中のそれぞれ装置402〜412、420用の「状態をオフに変更(change state to off)」表示とに従って、ALCマネージャ108は、「停止」メッセージまたは等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、それぞれ能動負荷クライアント300に送信する(S814)。そして、ALDデータベース124から決定されたように、電力が削減されたときを表示するタイムスタンプに従って、ALCマネージャ108は、それぞれ能動負荷クライアント300用に記憶された電力量(実際のまたは平均の電力量)を記録する(S816)
。ALCマネージャ108は、そしてそれ自身用に、既定の期間後(たとえば期間は、初期値を特定されたユーティリティから設定され、または顧客からの命令によって設定され、またはALCマネージャ108にプログラムされる)、「作動(Turn On)」する実行処理のスケジュールを決定する(S818)。
【0068】
ブロック808に戻り、ALCマネージャ108が特定の能動負荷クライアント300用の「作動」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、マスタイベントマネージャ106から受信し、ALCマネージャ108の状態が現在「管理」状態であると、ALCマネージャ108は、「オン」状態であり、すでに停止済みの装置402〜412、420を有していない(そして、元の「切断」実行処理メッセージによってそのように要求されている場合、特定された領域に存在する)1以上の能動負荷クライアント300を探し出す(S820)。いずれの、またいつそのような1以上の装置402〜412、420を停止するのかということは、「オフ」状態にある特定の能動負荷クライアントによって現在節約されると同じまたは実質的に同じ電力量を節約する。電力を節約すべき新たな能動負荷クライアント300を識別するときに、ALCマネージャ108は、「停止」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、停止されるべきそれぞれ能動負荷クライアント300に送信する(S822)。その結果、作動する能動負荷クライアント(すなわち、能動負荷クライアントの管理された装置402〜412、420が作動している)と同じ電力量を節約する。または容認できる電力量(たとえば再び作動される能動負荷クライアントによってすでに節約された電力の一部)を節約する。ALCマネージャ108はまた、「作動」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、再び作動されるべきそれぞれ能動負荷クライアント300に送信する(S824)。「作動」メッセージは、停止中の任意の制御可能な装置を作動させるよう、全ての能動負荷クライアント300に命令する。そして、「作動メッセージ」は、影響された能動負荷クライアント300に、その制御可能な装置402〜412、420が関連する電力消費装置(たとえば電化製品、空調ユニットなど)への電力の流れを可能にすべく命令させる。最後に、ALCマネージャ108は、「作動」実行処理メッセージがALDデータベース124内に送信された時間を記録する(S826)。
【0069】
再びブロック808に戻り、ALCマネージャ108が「イベントを終了させる」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、マスタイベントマネージャ106から受信すると、ALCマネージャ108は、「作動」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、それぞれ能動負荷クライアント300に送信する(S828)。ここで、送信されるそれぞれ能動負荷クライアント300は、現在「オフ」状態であり、「イベントを終了させる」メッセージにおいて特定されたユーティリティによって供給され、または「イベントを終了させる」メッセージに関連する。全ての適切な能動負荷クライアント300が「オン」状態に遷移したと判定すると(S830)、ALCマネージャ108は、「イベント終了」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、マスタイベントマネージャ106に送信する(S832)。
【0070】
図8を参照し、例示的な動作フロー図900は、本発明の一実施形態に従って、能動電力負荷管理システム10における省電力量を算出し、割当てる、ALDサーバ100によって(たとえば省電力アプリケーション120の動作を通じて)実行されるステップを示す。省電力アプリケーション120は、それぞれ切断イベントに関するそれぞれユーティリティによって節約された全電力量と、能動負荷クライアント300を所持するそれぞれ顧客によって節約された電力量とを算出する。
【0071】
図8の論理フローに従って、省電力アプリケーション120は、「切断」または省電力イベントが終わる度に、「イベント終了」または等価な実行処理メッセージまたは等価な実行処理命令を、マスタイベントマネージャ106から受信する(S902)。省電力ア
プリケーション120は、そして「切断」イベントに関連したそれぞれ能動負荷クライアント300のために、ALDデータベース124にアクセスする(S904)。それぞれ能動負荷クライアント300のデータベース記録は、能動負荷クライアント300に関連したそれぞれ制御可能な装置402〜412、420が停止されていた時間に従って、最近の「切断」イベント中に能動負荷クライアント300によって使用されたであろう実際の電力量(または平均電力量)を含む。省電力アプリケーション120は、この情報を用いて、それぞれ能動負荷クライアント300のために節約された電力量(たとえば1時間あたりのメガワット)を算出する。それぞれ能動負荷クライアント300の全省電力量は、ALDデータベース124の対応する入力部に格納される。作動中の節約された全電力量は、それぞれ「切断」実行処理のために保存される。ALDサーバ100によって供給されたそれぞれユーティリティは、ユーティリティP&Cデータベース134内に入力部を有する。省電力アプリケーション120は、ユーティリティP&Cデータベース134のユーティリティの対応する入力部に特定のユーティリティのために節約された全電力量(たとえば1時間あたりのメガワット)を格納する(S906)。ここで、省電力アプリケーション120は、省電力イベントに関連する他の情報(たとえばイベントの持続期間、省電力を達成するのに必要な能動負荷クライアント数、それぞれ装置がオフ状態にある平均時間、その上、将来のイベントの微調整や、顧客経験の改善に有用となる任意の他の情報)に従って、格納する。全ての能動負荷クライアント入力部が処理されると、省電力アプリケーション120は、特定の供給ユーティリティによって節約と顧客の地理的位置に基づき、随意的に、省電力をカーボンクレジットに関連づけるべく省炭素アプリケーション132を、または同様に、省電力を二酸化硫黄クレジットに関連づけるべく二酸化硫黄節約アプリケーションを、または省電力を二酸化窒素クレジットに関連づけるべく二酸化窒素節約アプリケーションを起動する(S908)。加えて、一実施形態において、省炭素アプリケーション132は、政府によって承認または供給された式に基づき、カーボンクレジットを判定し、判定されたカーボンクレジットを、1顧客あたりの基準(basis)および/またはユーティリティあたりの基準(basis)に格納する。
【0072】
上述のように、本発明は、アドレス可能(addressable)で遠隔的に制御可能な装置からのリアルタイムフィードバックに基づき、電力負荷管理システム内の電力の管理および分配方法を包含する。リアルタイムフィードバックは、アドレス可能な装置によって個々にまたは集合的に消費される実際の電力量を含む。本発明では、電力負荷管理システムは、電力使用量の大きい特定の領域を突き止めえ、より正確に電力負荷を必要に応じてユーティリティに分配しうる。加えて、本発明は、電力負荷管理システムにおける実際の関与量に基づき、顧客に関与報奨金を提供する。
【0073】
上述の明細書において、本発明は、特定の実施形態に関連して記述されている。しかしながら、請求項に記載の本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正や変化がなされることを、当業者は理解するであろう。たとえば本発明は、IPに基づく通信方法または他の通信方法を用いて、ユーティリティ会社から会員登録した顧客への電力分配管理に適用できる。加えて、ALDサーバ100と能動負荷クライアント300の少なくとも1つの中の特定のモジュールの機能は、1以上の等価な手段によって実行されうる。従って、明細書および図面は、限定的というよりむしろ図示的であるとみなされるべきであり、そのようなすべての修正は、本発明の範囲内に含まれるよう意図される。
【0074】
恩恵、他の優位性、問題に対する解は、本発明の詳細な実施形態に関して記述されてきた。しかしながら、より強調されるべき、そのような恩恵、優位性、問題に対する解をもたらしうる、恩恵、優位性、問題に対する解、および任意の要素は、任意のまたはすべての請求項の、重大な、必要とされた、または本質的な特徴または要素として、解釈されるべきではない。本発明は、本出願の係属中になされた任意の補正と、発行された請求項のすべての均等物とを含む請求項によって、規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気事業者によって複数の電力消費装置に供給される電力の消費を管理するシステムにおいて使用されるクライアント装置であって、前記複数の電力消費装置のうちの少なくとも幾つかへの電力の流れが複数の制御可能装置によって制御され、少なくとも1つの制御可能装置は前記クライアント装置の制御下で動作し、前記クライアント装置はシステムコントローラから電力制御メッセージを受信し、前記クライアント装置は、
電力制御命令を前記少なくとも1つの制御可能装置に通信する少なくとも1つの制御可能装置インターフェイスであって、前記電力制御命令によって、前記少なくとも1つの制御可能装置が、前記複数の電力消費装置のうちの少なくとも1つへの電力の流れを選択的に有効にしたり無効にしたりする、前記インターフェイスと、
受信した電力制御メッセージに応答して、前記少なくとも1つの制御可能装置インターフェイスを介して前記少なくとも一つの制御可能装置に電力制御命令を通信する装置制御マネージャであって、前記受信した電力制御メッセージは、前記電気事業者によって発行された電力削減要求に応答するものであり、前記電力制御命令によって、前記少なくとも一つの制御可能装置が、少なくとも一つの関連する電力消費装置への電力の流れを無効にする、前記装置制御マネージャと、
を備える、クライアント装置。
【請求項2】
前記受信した電力制御メッセージが、削減すべき電力量と、1以上の関連する電力消費装置への電力の流れを無効にするように命令すべき制御可能装置の識別とのうち、少なくとも一方を示す、請求項1記載のクライアント装置。
【請求項3】
前記システムコントローラと前記クライアント装置との間を通信する通信インターフェイスを更に含み、
前記装置制御マネージャが、少なくとも一つの電力消費指標と少なくとも一つの電力管理状態とを、前記通信インターフェイスを介して前記システムコントローラに通信する、請求項1記載のクライアント装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの電力消費指標は、それぞれの制御可能装置に関連する電力消費指標を含んでおり、前記少なくとも一つの電力管理状態が、それぞれの制御可能装置に関連する電力管理状態を含む、請求項3記載のクライアント装置。
【請求項5】
前記通信インターフェイスは、インターネットプロトコル(IP)ベースのインターフェイスを含む、請求項3記載のクライアント装置。
【請求項6】
前記IPベースのインターフェイスが、WiMAXインターフェイスと高スピードパケットアクセス(HSPA)・インターフェイスとのうちの一方である、請求項5記載のクライアント装置。
【請求項7】
インターネットプロトコル(IP)アドレスを含むIPメッセージを受信し、且つ前記IPメッセージが前記クライアント装置、又は該クライアント装置に結合された、インターネットにアクセス可能な装置、に向けられるかどうかを判定する3層ルータと、
該3層ルータから前記IPメッセージを受信し、且つ前記IPメッセージが前記インターネットにアクセス可能な装置に向けられるときに、前記IPメッセージを前記インターネットアクセス可能な装置に通信するIP装置インターフェイスと、を更に備える、請求項1記載のクライアント装置。
【請求項8】
前記3層ルータは、IPメッセージがクライアント装置に向けられていることを判断するようにさらに動作可能である、請求項7記載のクライアント装置。
【請求項9】
前記受信した電力制御メッセージは、関連する電力消費装置への電力の流れを無効にするように指示すべき制御可能装置のリストを含む、請求項1記載のクライアント装置。
【請求項10】
前記受信した電力制御メッセージは、前記リスト内の制御可能装置のインターネットプロトコル(IP)アドレスをさらに含む、請求項9記載のクライアント装置。
【請求項11】
電気事業者によって複数の電力消費装置に供給される電力の消費を管理するシステムにおいて使用されるクライアント装置であって、前記複数の電力消費装置のうちの少なくとも幾つかへの電力の流れが複数の制御可能装置によって制御され、少なくとも1つの制御可能装置は前記クライアント装置の制御下で動作し、前記クライアント装置はシステムコントローラから電力制御メッセージを受信し、前記クライアント装置は、
電力制御命令を前記少なくとも1つの制御可能装置に通信する少なくとも1つの制御可
能装置インターフェイスであって、前記電力制御命令によって、前記少なくとも一つの制御可能装置が、前記複数の電力消費装置のうちの少なくとも1つの電力消費装置への電力の流れを選択的に有効にしたり無効にしたりする、前記制御可能装置インターフェイスと、
受信した電力制御メッセージに応答して、前記電力制御命令を生成するように動作可能な装置制御マネージャと、
インターネットプロトコル(IP)アドレスを含むIPメッセージを受信して、該IPメッセージがクライアント装置または同クライアント装置に結合されたインターネットにアクセス可能な装置に向けられているかどうかを判断するように動作可能な3層ルータであって、インターネットにアクセス可能な装置が、少なくとも一つの制御可能装置以外の装置である、前記3層ルータと、
3層ルータからIPメッセージを受信して、該IPメッセージがインターネットにアクセス可能な装置に向けられているときに、同インターネットにアクセス可能な装置にIPメッセージを通信するように動作可能なIP装置インターフェイスと、を含む、クライアント装置。
【請求項12】
前記受信した電力制御メッセージは、関連する電力消費装置への電力の流れを無効にするように指示すべき制御可能装置のリストを含んでおり、前記受信した電力制御メッセージが、前記リスト内の制御可能装置のIPアドレスを含む、請求項11記載のクライアント装置。
【請求項13】
前記受信した電力制御メッセージは、電気事業者のコントロールセンターが発行した電力削減要求に応答する、請求項12記載のクライアント装置。
【請求項14】
前記3層ルータは、電源制御メッセージが、クライアント装置に向けられたIPメッセージであることを判断するように動作可能である、請求項11記載のクライアント装置。
【請求項15】
電気事業者によって供給される電力の流れを管理する方法であって、該方法は、
削減すべき削減電力量と、少なくとも1つの関連する電力消費装置への電力の流れを無効にするように命令されるべき少なくとも1つの制御可能装置の識別とのうち、少なくとも一方を示す電力制御メッセージを受信するステップであって、前記電力制御メッセージは、前記電気事業者によって発行された電力削減要求に応答するものである、前記受信するステップと、
前記電力制御メッセージに応答して、少なくとも1つの電力消費装置への電力の流れを無効にさせるステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項16】
前記少なくとも一つの電力消費装置への電力の流れを無効にするステップが、
前記少なくとも一つの電力消費装置への電力の流れを無効にするような電力管理コマンドを発行するステップを含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記電力制御メッセージは、関連する電力消費装置への電力の流れを無効にするように指示すべき制御可能装置のリストを含んでおり、前記電力管理コマンドによって、前記リスト内で識別された制御可能装置が、関連する電力消費装置への電力の流れを無効にさせる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記電力制御メッセージは、電力削減イベントと関連し、前記方法は、更に、
前記少なくとも一つの電力消費装置への電力の流れを無効にした後、前記電力削減イベントの終了を示す第2の電力制御メッセージを受信するステップと、
第2の電力制御メッセージに応答して、前記少なくとも一つの電力消費装置への電力の流れを有効にするステップとを、更に含む、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記電力制御メッセージが、前記電気事業者に通信可能に結合され且つ複数のクライアント装置を制御するシステムコントローラから受信され、
前記方法は、更に、前記システムコントローラに報告メッセージを通信するステップを含み、
前記報告メッセージは、前記少なくとも1つの電力消費装置によって消費された電力量の指標を含む、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記電力制御メッセージは、顧客への場所に設置されたクライアント装置によって受信され、該クライアント装置が3層ルータを含み、少なくとも1つのインターネットにアク
セス可能な装置が、クライアント装置に結合されており、該方法は、さらに、
3層ルータが、インターネットプロトコル(IP)アドレスを含むIPメッセージを受信するステップと、
3層ルータは、IPメッセージが、クライアント装置に結合されたインターネットにアクセス可能な装置に向けられているか否かを判定するステップと、
IPメッセージが、インターネットにアクセス可能な装置に向けられていることを判定することに応じて、該インターネットにアクセス可能な装置にIPメッセージを通信する、請求項15記載の方法。
【請求項21】
IPメッセージが暗号化されており、該方法は、
3層ルータは、IPメッセージが、インターネットにアクセス可能な装置ではなく、クライアント装置に向けられているか否かを判定するステップと、
IPメッセージが、インターネットにアクセス可能な装置ではなく、クライアント装置に向けられていることを判定するステップに応じて、IPメッセージを復号化するステップを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
電力制御メッセージは、顧客の場所に設置されたクライアント装置によって受信され、該クライアント装置がホスト・インターネットプロトコル(IP)ネットワークに結合され、該方法が、
クライアント装置と、ホスト・IPネットワーク上での動的ホスト構成プロトコル(DHCP)サーバから少なくとも一つの制御装置との少なくとも一方のIPアドレスを動的に要求する、請求項15記載の方法。
【請求項23】
電力制御メッセージは、システムコントローラによって送信されて、顧客の場所に設置されたクライアント装置によって受信され、少なくとも1つのスマート・メータがクライ
アント装置に結合されており、該方法は、
クライアント装置に少なくとも一つのスマートメータを読み取るように指示するシステムコントローラから制御メッセージを受信するステップと、
制御メッセージを受信することに応答して、電力の読み取りを要求する少なくとも一つのスマートメータにコマンドを通信するステップと、
電力読み込みを受信することに応答して、システムコントローラに電力読み込み値を通信する、請求項15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−59256(P2013−59256A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−260104(P2012−260104)
【出願日】平成24年11月28日(2012.11.28)
【分割の表示】特願2010−522953(P2010−522953)の分割
【原出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
3.GSM
4.Linux
【出願人】(510055253)コンサート インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】CONSERT INC.
【Fターム(参考)】