説明

脂肪酸アミドヒドロラーゼのインヒビター

本発明は、式(I)、(II)、または(III)を含む、化合物およびその薬学的組成物を提供する。本発明はまた、治療有効量の式(I)、(II)、または(III)の化合物またはその薬学的組成物を、FAAH媒介性の疾患、障害、または容態の治療を必要とする患者に投与することによる上記疾患、障害、または容態を治療する方法を提供する。さらに、本発明は、治療有効量の式(I)、(II)、または(III)の化合物またはその薬学的組成物を、FAAHの阻害を必要とする患者に投与することによるFAAHを阻害する方法を提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式III:
【化249】

(式中、
(i)Zは−ORであり、Zは、−OR、任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、またはC6〜12ヘテロアリール基であるか、
(ii)ZおよびZが共にBに直接結合した少なくとも1つのO原子を有する5〜8員環を形成し、該環は、炭素原子ならびに任意選択的にN、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のさらなるヘテロ原子から構成されるか、
(iii)Zは−ORであり、Zおよび環Aが共に任意選択的に置換された5〜7員環を形成し、該環は、炭素原子ならびに任意選択的にN、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のさらなるヘテロ原子から構成され、
各Rは、水素または任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、もしくはC6〜12ヘテロアリール基であり、
は、共有結合であるか、任意選択的に置換された直鎖または分岐鎖のC1〜6アルキレン部分またはC2〜6アルケニレン部分であり、
環Aは、N、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択的に含む置換された飽和、部分不飽和、または芳香族のC5〜8単環系、C6〜10二環系、またはC10〜16三環系であり、環Aは少なくとも1つのフッ素置換基を有し、
Xは共有結合または2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つ、2つ、または3つのメチレン単位は、1つまたは複数の−O−、−N=N−、−NR’−、−(C=NR’)−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、または任意選択的に置換されたフェニレン部分で任意選択的且つ独立して置換され、
各R’は、水素、−C(O)R、適切なアミノ保護基、または任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、またはC6〜12ヘテロアリール基であり、
は、(i)水素、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−CHO、−N、−NR、もしくは−N(R’)または(ii)式:
【化250】

(式中、環Bは、N、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択的に含む任意選択的に置換された飽和、部分不飽和、または芳香族のC5〜8単環系、C6〜10二環系、またはC10〜16三環系である)を有する環Bであり、
の各存在は、独立して、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−CHO、−N、−NR、−N(R’)、−B(OH)、または任意選択的に置換されたC1〜8脂肪族基であり、
の各例は、独立して、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−N、−NR、−N(R’)、任意選択的に置換されたC1〜8脂肪族基またはC6〜12アリール基であり、
nおよびmの各例は、独立して、0〜10の整数であり、
但し、Xが−NHCH−である場合、環Aのフッ素置換基はホウ素(B)原子に対してオルト位である)の化合物またはその薬学的に許容可能な形態および薬学的に許容可能な賦形剤を含む、薬学的に許容可能な組成物。
【請求項2】
環Aおよび環Bの両方が芳香族である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
環Aおよび環Bの両方がフェニルである、請求項3に記載の組成物。
【請求項4】
環Aがフェニルであり、基:
【化251】

が、ホウ素(B)原子に対してパラ位で環Aに結合する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
Xが共有結合である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
Xが2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つ、2つ、または3つのメチレン単位が、1つまたは複数の−O−、−N=N−、−NR’−、−(C=NR’)−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、または任意選択的に置換されたフェニレン部分で任意選択的且つ独立して置換される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
Xが2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つ、2つ、または3つのメチレン単位が、1つまたは複数の−O−で任意選択的且つ独立して置換される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
Xが2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つのメチレン単位が−O−で置換される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
治療有効量の式I:
【化252】

(式中、
(i)Zは−ORであり、Zは、−OR、任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、またはC6〜12ヘテロアリール基であるか、
(ii)ZおよびZが共にBに直接結合した少なくとも1つのO原子を有する5〜8員環を形成し、該環は、炭素原子ならびに任意選択的にN、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のさらなるヘテロ原子から構成されるか、
(iii)Zは−ORであり、Zおよび環Aが共に任意選択的に置換された5〜7員環を形成し、該環は、炭素原子ならびに任意選択的にN、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のさらなるヘテロ原子から構成され、
各Rは、水素または任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、もしくはC6〜12ヘテロアリール基であり、
は、共有結合であるか、任意選択的に置換された直鎖または分岐鎖のC1〜6アルキレン部分またはC2〜6アルケニレン部分であり、
環Aは、N、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択的に含む任意選択的に置換された飽和、部分不飽和、または芳香族のC5〜8単環系、C6〜10二環系、またはC10〜16三環系であり、
Xは共有結合または2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つ、2つ、または3つのメチレン単位は、1つまたは複数の−O−、−N=N−、−NR’−、−(C=NR’)−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、または任意選択的に置換されたフェニレン部分で任意選択的且つ独立して置換され、
各R’は、水素、−C(O)R、適切なアミノ保護基、または任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、またはC6〜12ヘテロアリール基であり、
は、(i)水素、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−CHO、−N、−NR、もしくは−N(R’)または(ii)式:
【化253】

(式中、環Bは、N、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択的に含む任意選択的に置換された飽和、部分不飽和、または芳香族のC5〜8単環系、C6〜10二環系、またはC10〜16三環系である)を有する環Bであり、
の各存在は、独立して、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−CHO、−N、−NR、−N(R’)、−B(OH)、または任意選択的に置換されたC1〜8脂肪族基であり、
の各例は、独立して、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−N、−NR、−N(R’)、任意選択的に置換されたC1〜8脂肪族基またはC6〜12アリール基であり、
nおよびmの各例は、独立して、0〜10の整数である)の化合物、その薬学的に許容可能な形態、またはその薬学的に許容可能な組成物を、FAAH媒介性の疾患、障害、または容態の治療を必要とする患者に投与することによる、該疾患、障害、または容態を治療するための方法。
【請求項10】
前記化合物が、式II:
【化254】

の化合物、その薬学的に許容可能な形態、またはその薬学的に許容可能な組成物である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が、式III:
【化255】

の化合物、その薬学的に許容可能な形態、またはその薬学的に許容可能な組成物である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
環Aおよび環Bの両方が芳香族である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
環Aおよび環Bの両方がフェニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
環Aがフェニルであり、少なくとも1つのR基がホウ素原子に対してオルト位のフルオロである、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
環Aがフェニルであり、基:
【化256】

が、ホウ素(B)原子に対してパラ位で環Aに結合する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
Xが共有結合である、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
Xが2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つ、2つ、または3つのメチレン単位が、1つまたは複数の−O−、−N=N−、−NR’−、−(C=NR’)−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、または任意選択的に置換されたフェニレン部分で任意選択的且つ独立して置換される、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
Xが2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つ、2つ、または3つのメチレン単位が、1つまたは複数の−O−で任意選択的且つ独立して置換される、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
Xが2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つのメチレン単位が−O−で置換される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記FAAH媒介性の疾患、障害、または容態が、有痛性の症候群、疾患、および/または障害、炎症性障害、免疫障害、鬱病、不安、睡眠障害、摂食行動、運動障害、緑内障、神経防護作用、または心血管疾患である、請求項9に記載の方法。
【請求項21】
前記有痛性の症候群、疾患、および/または障害が、神経因性疼痛、中心性疼痛、求心路遮断性疼痛、慢性疼痛、侵害受容体の刺激、急性疼痛、非炎症性疼痛、炎症性疼痛、癌に関連する疼痛、術前疼痛、関節痛、仙腰痛、筋骨格痛、頭痛、片頭痛、筋肉痛、腰痛および頸痛、および歯痛から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記有痛性の症候群、疾患、および/または障害が神経因性疼痛である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記炎症性障害が、有害物質の生成および神経の刺激由来の疼痛の1つまたは複数の徴候によって特徴づけられる炎症;血管拡張由来の熱によって特徴づけられる炎症;血管拡張および血流増加由来の発赤によって特徴づけられる炎症;流体の過剰な流入または制限された流出由来の腫脹によって特徴づけられる炎症;機能喪失によって特徴づけられる炎症;血管に影響を及ぼす炎症、関節に影響を及ぼす炎症;胃腸管に影響を及ぼす炎症;皮膚に影響を及ぼす炎症;複数の臓器および組織に影響を及ぼす炎症;脈管疾患に関連する炎症;片頭痛に関連する炎症;緊張性頭痛に関連する炎症;乾癬、過敏性腸疾患、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、リウマチ熱、I型糖尿病、重症筋無力症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、過敏症、結膜炎、多発性硬化症、および虚血に関連する炎症;脳障害に関連する神経炎症;頭蓋放射線損傷に関連する慢性炎症;急性炎症状態および慢性炎症状態;外傷および非炎症性筋肉痛に関連する炎症;急性炎症、癒着性炎症、萎縮性炎症、カタル性炎症、慢性炎症、硬変性炎症、びまん性炎症、播種性炎症、滲出性炎症、線維素性炎症、線維性炎症、局所性炎症、肉芽腫性炎症、増殖性炎症(hyperplastic inflammation)、肥大性炎症、間質性炎症、転移性炎症、壊死性炎症、閉鎖性炎症、実質性炎症、増殖性炎症(plastic inflammation)、増殖性炎症(productive inflammation)、増殖性炎症(proliferous inflammation)、偽膜性炎症、化膿性炎症(purulent inflammation)、硬化性炎症、漿液形成性炎症、漿液性炎症、単純炎症、特異性炎症、亜急性炎症、化膿性炎症(suppurative inflammation)、中毒性炎症、外傷性炎症、および/または潰瘍性炎症である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記炎症性障害が、乾癬または過敏性腸疾患に関連する炎症である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
式(I)−複合体:
【化257】

(式中、
およびZは−OHであり、
は、共有結合であるか、任意選択的に置換された直鎖または分岐鎖のC1〜6アルキレン部分またはC2〜6アルケニレン部分であり、
環Aは、N、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択的に含む任意選択的に置換された飽和、部分不飽和、または芳香族のC5〜8単環系、C6〜10二環系、またはC10〜16三環系であり、
Xは共有結合または2価のC1〜6炭化水素鎖であり、Xの1つ、2つ、または3つのメチレン単位は、−O−、−N=N−、−NR’−、−(C=NR’)−、−S−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−、または任意選択的に置換されたフェニレン部分で任意選択的に置換され、
各R’は、水素、−C(O)R、適切なアミノ保護基、または任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、またはC6〜12ヘテロアリール基であり、
各Rは、水素または任意選択的に置換されたC1〜6脂肪族基、C1〜6ヘテロ脂肪族基、C6〜12アリール基、もしくはC6〜12ヘテロアリール基であり、
は、(i)水素、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−CHO、−N、−NR、もしくは−N(R’)または(ii)式:
【化258】

(式中、環Bは、N、S、およびOからなる群から独立して選択される1つまたは複数のヘテロ原子を任意選択的に含む任意選択的に置換された飽和、部分不飽和、または芳香族のC5〜8単環系、C6〜10二環系、またはC10〜16三環系である)を有する環Bであり、
の各存在は、独立して、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−CHO、−N、−NR、−N(R’)、−B(OH)、または任意選択的に置換されたC1〜8脂肪族基であり、
の各例は、独立して、ハロゲン、−OR、−CF、−CN、−NO、−NC、−SOR、−SOR、−C(O)R、−COR、−C(O)N(R’)、−N、−NR、−N(R’)、任意選択的に置換されたC1〜8脂肪族基またはC6〜12アリール基であり、
nおよびmの各例は、独立して、0〜10の整数であり、
Res−Ser−Resは、約400残基〜600残基の長さを有するタンパク質であり、SerはFAAHのセリン残基Ser241である)を有するタンパク質のセリン残基と結合した化合物を含む複合体。
【請求項26】
前記化合物が、式(II)−複合体:
【化259】

の化合物である、請求項25に記載の複合体。
【請求項27】
前記化合物が、式(III)−複合体:
【化260】

の化合物である、請求項25に記載の複合体。
【請求項28】
前記化合物が、式(III−a)−複合体:
【化261】

の化合物である、請求項25に記載の複合体。

【公表番号】特表2010−505955(P2010−505955A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532388(P2009−532388)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/021626
【国際公開番号】WO2008/063300
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(509101882)インフィニティー ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】