脊椎インプラント
【課題】骨体部の固定および支持のためのインプラントデバイスに関する。
【解決手段】骨体部を固定及び支持するための例示的なデバイスが、2つの骨体部間の位置にて患者の体内に植え込むためのベース部材を備えている。デバイスのベース部材は、融合材料を受けるための閉鎖チャンバと、隣接する骨体部内に埋め込むことができる骨留め具を受けるための孔とを備えている。デバイスは、ベース部材から延びる突起を更に備え、この突起は、インプラント時に1つまたは複数の骨体部と係合し、インプラント後、ある時間に亘って少なくとも1つの骨体部内へと漸進的に貫入するように、構成される。
【解決手段】骨体部を固定及び支持するための例示的なデバイスが、2つの骨体部間の位置にて患者の体内に植え込むためのベース部材を備えている。デバイスのベース部材は、融合材料を受けるための閉鎖チャンバと、隣接する骨体部内に埋め込むことができる骨留め具を受けるための孔とを備えている。デバイスは、ベース部材から延びる突起を更に備え、この突起は、インプラント時に1つまたは複数の骨体部と係合し、インプラント後、ある時間に亘って少なくとも1つの骨体部内へと漸進的に貫入するように、構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2006年4月21日出願の米国特許出願第60/745,294号の利益を請求し、2003年4月21日出願の米国特許出願第10/419,652号の利益を請求する。また現米国特許第6,984,234号の利益を請求し、かつその一部継続出願である、2007年1月5日出願の米国特許出願第11/620,255号及び2005年10月12日出願の米国特許出願第11/248,651号の利益を請求する。それら内容はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、骨体部の固定及び支持を行なうための、インプラントデバイスに関する。特に、本発明は、融合時に、制限された運動を骨体部間にもたらし、それを制御する、インプラントデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
脊椎動物の脊柱は、体重を支えるための支持と、繊細な脊髄及び脊髄神経の保護とをもたらす。脊柱は、相互に積み重なった一連の椎骨を含む。通常、7個の頸部(首)、12個の胸部(胸)、及び5個の腰部(下背部)区間が存在する。各椎骨は、脊椎の前方部分に円筒形の椎体を有し、後部に神経構造を覆う骨のアーチを備えている。各椎体間には、椎間板、すなわち、衝撃を吸収し脊椎に加わる圧縮力を弱めるのに役立つ軟骨性のクッションがある。後方に向かって、層状のアーチが、脊髄及び神経の神経構造を保護のために覆っている。アーチと後部椎体との接合部には、脊髄の運動を可能にするための関節がある。
【0004】
様々なタイプの問題が、脊柱の構造及び機能に影響を与えるおそれがある。脊柱の構造及び機能に影響を与えるおそれがある問題は、椎間板もしくは関節接合部の変性状態、脊椎を支持する椎間板、骨、もしくは靱帯の外傷性裂断、腫瘍、または感染症に基づく可能性がある。更に、先天的または後天的な変形は、脊椎の異常なアンギュレーション(angulation)またはすべりを引き起こすおそれがある。ある椎体が別の椎体の上で前方にすべると(脊椎すべり症)、脊髄または神経の圧迫を引き起こすおそれがある。これらの状態の1つまたは複数を患う患者は、極度の衰弱を伴う痛みをしばしば経験し、状態が適切に処置されなければ、永続的な神経障害を負う可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの疾患を処置する1つの技術は、脊椎の外科的関節固定術として知られている。これは、椎間板を除去して骨で置換し、脊椎を不動化して、椎間腔をまたいで骨物質を最終的に融合または成長させ、隣接する椎体を互いに連結することによって達成することができる。融合を可能にするための椎骨の安定化は、骨折した骨の上にギブスを置くのによく似ており、椎体を適正なアラインメントで保持し骨の治癒を可能にするために、外科的に植え込まれるデバイスによって補助されることが多い。そのような技術は、前述の状態を処置するために効果的に使用されており、ほとんどの場合、患者の痛みを軽減し、神経機能の喪失を防ぐのに有効である。しかし、現在の安定化デバイスには欠点がある。
【0006】
現在、いくつかのタイプの前方脊椎固定デバイスが使用されている。1つの技法は、バイコーティカルパーチェス(bicortical purchace)と呼ばれる、椎体の全体を通したネジの配置を伴う。ネジは、チタンプレートを通して配置されるが、プレートには取り付けられない。このデバイスは配置が困難であり、ネジを貫入させ過ぎることによって、脊髄の損傷がもたらされる可能性がある。ネジは、プレートに固定されないので、プレートから周囲の組織内へと戻り出る可能性がある。いくつかのより新しい世代のデバイスは、骨のユニコーティカルパーチェス(unicortical purchase)を使用しており、いくつかのやり方でネジをプレートに係止して、安定性をもたらし、ネジが抜け出ないようにしっかりと固定する。この方法では、不完全な骨の融合をまねくことになる過度に堅固な固定及び応力遮蔽や、ネジまたはプレートのところで固定デバイスの応力破壊をまねくことになる治療中の慢性的な微動や、ネジの離脱をまねくことになるプレートに対するネジの不安定な係止や、不適切な固定強度及びその結果生じる移植片の崩壊並びに脊椎のアンギュレーションの結果として、問題が生じている。
【0007】
これらのデバイスは、たとえば3個を1組として1組の椎骨を支持し、その両端間を跨ぐように設計されることが多い。これらのデバイスは通常、頸部区域内などで、骨の両端間を橋渡しするように配置されるので、時として、それらにより食道に炎症が起こり、患者が食物を嚥下することを困難にする。更に、ネジは骨内へと垂直に、すなわちプレート表面に対して90°で設置される。脊柱内で局部的な堅苦しさがあると、しばしば、ネジに高いせん断応力が加えられる。これらの応力は、ネジを疲労させ、ネジ孔の変形を引き起こすことがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明のいくつかの態様の基本的な理解をもたらすために、本発明の簡単な概要を提示する。この概要は、本発明の広範な概要ではない。これは、本発明の主要なまたは必要不可欠な要素の識別、あるいは本発明の範囲の境界を明示するものではない。その唯一の目的は、後に提示するより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡単な形で提示することである。
【0009】
本発明の一態様により、インプラントデバイスが提供される。このデバイスは、2以上の骨体部と相互作用するように構成されたベース部材を備え、ベース部材は、融合材料を受けるための周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材、及び一次部材に対してある角度で延びる二次部材を備えている。複数のインターフェース部材は、ベース部材の表面から延びている。インターフェース部材は、少なくとも1つの骨体部内へのデバイスの制御された沈下をもたらすように構成される。デバイスは、ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具(bone fastener)を更に備えている。
【0010】
本発明の他の態様によるインプラントデバイスが提供される。このデバイスは、融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバを有するベース部材を備えている。周囲が囲まれたチャンバは、頂面及び底面を有している。デバイスは、ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具を有する。デバイスは、少なくとも1つの骨留め具の運動を抑制するための抑制手段を備えている。デバイスは、周囲が囲まれたチャンバの表面から延びる、少なくとも1つのインターフェース部材を備えている。インターフェース部材は、骨体部内へのデバイスの制御された沈下をもたらすように構成される。
【0011】
本発明の更に他の態様によるインプラントデバイスが提供される。このデバイスは、第1及び第2の隣接する骨体部と相互作用するように構成されたベース部材を備えている。ベース部材は、融合材料を受けるための周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材を備え、骨チャンバは、融合材料による第1及び第2の骨体部間の力の伝達を可能にするために、第1及び第2の骨体部が融合材料に係合するように構成される。デバイスは、第1及び第2の骨体部の互いに相手方に向かう方向の運動を伴う制御された沈下を行なわせるための手段を備えている。
【0012】
以下の説明及び添付の図面は、本発明のいくつかの例示的な態様を詳細に説明する。但し、これらの態様は、本発明の原理を用いることができる様々な方法のうちのいくつかを示すに過ぎず、本発明は、それらの態様及びそれらの同等物のすべてを含むことが意図される。本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、本発明の以下の詳細な説明を図面と併せて考えると明らかになるであろう。
【0013】
本発明の上記及びその他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、融合時に、骨体部間の限定された運動をもたらしそれを制御するインプラントデバイスなどのデバイスに関する。次に、図面を参照しながら本発明を説明するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を参照するために使用される。様々な図面は、ある図と別の図との間で、または所定の図面内で、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、特に、図面の理解を容易にするために構成要素の大きさが任意で描かれていることを理解されたい。以下の説明では、例示の目的で、本発明の全体的な理解をもたらすために数多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、それらの具体的な細部を備えることなしに本発明を実施することができることは明らかである。更に、本発明の他の実施形態が可能であり、本発明は、説明される以外の方法で実施することができる。本発明の説明に使用される専門用語及び語法は、本発明の理解を促す目的で用いられるものであり、発明を限定しているとみなされるべきではない。
【0015】
図1を参照すると、本発明の一態様による、デバイス即ちインプラントデバイス10の一例が示されている。インプラントデバイス10は、2以上の骨体部をしっかりと固定するかまたは動かなくするように構成される。本明細書で使用されるように、「骨体部」という熟語は、個々の骨、並びに骨の断片または一部を含むことが意図されている。たとえば、骨体部は、2つの隣接する椎骨とすることができ、インプラントデバイス10は、椎骨間の移植片材料(図示せず)とともに、椎骨に取り付けることができる。また以下で更に詳細に説明するように、インプラントデバイス10は、椎骨間の軟骨性椎間板が骨組織の移植片またはその他同様の材料などの椎骨の融合を促進する材料により置換された隣接する椎骨をしっかりと固定することができる。本発明が取り扱う一態様は、移植片との負荷の分担であることを理解されたい。
【0016】
図1に示すように、インプラントデバイス10の構成は、ベース部材20を備え、ベース部材20は、該ベース部材20の表面から延びる複数の突起またはインターフェース部材30を有する。ベース部材20は、頂面150及び底面151を有する。図示のように、インターフェース部材30は、ベース部材20の底面151から延びている。図示してないが、インターフェース部材30がベース部材20の頂面150からのみ延びるようにすることもでき、また、インプラントデバイス10と隣接する骨体部の間に2つの沈下制御(controlled subsidence)インターフェースを提供するために、ベース部材20の頂面150及び底面から延びるようにすることもできる。インターフェース部材30は、インプラントデバイス10の沈下制御を行なわせるために、骨体部の少なくとも1つの表面に接触するように構成される。インターフェース部材30は、例えば、歯、ナイフエッジ、スパイク、ポスト、留め釘(peg)、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0017】
ベース部材20は、2つの隣接する骨体部の間に最初に挿入されるときに、インターフェース部材30が骨体部の少なくとも1つの表面に接触するように構成される。インターフェース部材30は、骨体部内への貫入がほぼ即座に生じるように構成される。インプラントデバイス10は、骨体部及び骨移植片が融合するとき、骨または椎体の整定時に支えられる体重を分担するために、徐々に沈んでいく。具体的には、整定時に骨体部が互いに相手方に向かって変位するときに、インターフェース部材30が骨体部に貫入し、沈下に対する抵抗が増大する。
【0018】
制御された沈下は、沈下に対する抵抗と、沈下の大きさの全体量とに関係する。制御された沈下を促進するため、インターフェース部材30は、ベース部材の表面から、脊椎内の2つの椎骨などの2つの隣接する骨体部の伸張方向と整列する方向に延びるようにすることができる。このようにして、インターフェース部材は、ある時間に亘って骨体部内に徐々に沈み込んでいくように構成される。加えられる負荷と、インプラントデバイス10が骨体部に固定される際に経験する整定の大きさとの関係である沈下プロファイルは、インターフェース部材30の構成または形状に依存する。例えば、インターフェース部材30は、最初は骨体部内へと容易に貫入することができ、次いで、インターフェース部材の断面がより多く埋め込まれるにつれて減速する。インターフェース部材30の高さ(H)は、対応する骨体部内への貫入の深さに関係する。一般に、インプラントデバイス10が骨内に完全に埋め込まれるところまで沈下したときに、加えられる負荷がインプラントデバイス10の表面全体にわたって分配され、沈下抵抗が増大する。インターフェース部材30と、該部材30がその中に延びる少なくとも1つの対応する骨体部との間の制御された沈下の関係については、参照によりその全体を本明細書に組み込む米国特許第11/248,651号に記載されている。
【0019】
インプラントデバイス10のベース部材20は、一次部材100と、一次部材100から延びていて、該一次部材に対して傾斜させられた二次部材110とを備えている。一次部材100は、骨移植片などの融合材料を受容し、保持するように構成された、閉鎖ループ、すなわち周囲が囲まれたチャンバ192を形成する。図示のように、チャンバ192は周囲が取り囲まれているが、該チャンバ192の上方及び下方にある骨体部をチャンバ192内に配置された融合材料と接触させることができるようにするために、完全に閉鎖されてはいない。本明細書において、周囲が囲まれたチャンバ192は、互いに融合されるべき骨体部の向きを受け入れるために、いかなる角度にも位置決めすることができることを理解されたい。いずれにせよ、チャンバ192は、融合材料の側方への変位を軽減し、隣接する骨体部が融合に際して固まるときにそれらの沈下を制御することができる。沈下は更に、ベース部材20の表面から延びているインターフェース部材30の存在によっても制御される。本発明の実施形態では、一次部材100及び二次部材110が連続的かつ一体である。二次部材110は、一次部材100の前面とほぼ連続的である前面と、一次部材100の裏面とほぼ連続的である裏面とを有する。一次部材100及び二次部材110は、それらの前面がある角度をなすようにして配置される。当然、その角度は非常に重要であるというわけではなく、通常、低プロファイルと、除去される必要がある骨の量との妥協に依存する。言うまでもなく、上記の角度は、適宜の角度(たとえば、90°より大きく180°より小さい角度)とすることができる。ただし、典型的な角度は、約140°から約170°の範囲内である。一次部材100と二次部材110が接合される角度は、骨ネジを、所望の角度でベース部材20を通して導入することができるように設定される。またベース部材20は、該ベース部材を通して骨ネジを所望の角度で導入することを可能にする他の任意のやり方で設計することもできる。
【0020】
一次部材100は、様々な形状、サイズを有し、様々な位置で隣接する骨体部を受け入れるために、周囲が囲まれたチャンバ192を、任意の形状またはサイズのものとするように形成することもできる。本発明の周囲が囲まれたチャンバ192は、皮質または隣接する椎骨の外径と一致しまたはほぼ適合する外周を有するように設計される。インプラントデバイス10の頂面は、椎体の頂面、また好ましくはその下方に着座する。したがって、本発明のインプラントデバイス10は、患者の隣接する解剖学的構造を大幅に妨害しまたは刺激するいかなる部分ももたない。図示の通り、周囲が囲まれたチャンバ192は、脊柱の2つの隣接する椎骨を適切に受け入れる、縁部が丸まった矩形形状を有する。一次部材100は、一般に、脊柱内の植込み位置を見たときに垂直方向に開口し、周囲が取り囲まれた領域192を形成する。この領域は、2以上の骨体部間の融合材料を受容及び保持することができる領域である。使用に際しては、融合時に椎骨が固まるときに、移植片の側方への変位を軽減し、隣接する椎骨の沈下を制御するために、一次部材100が骨移植片などの融合材料の周りを側方に延びる。融合材料は、一次部材100により形成された、周囲が囲まれたチャンバ192内に詰め込むことができる。インプラントデバイス10のチャンバ192は、多数の骨体部を互いに融合させるために必要となることがあるその他のデバイスの必要性を実質的に低減させる1部片の融合材料ハウジングを作り出す。周囲が囲まれたチャンバ192は、ケージの形にデザインされたインプラントによって一般に支持されることになる融合材料を適切に収容する。この場合、一般には、骨体部及びケージを所望の位置に保持するためにプレートが必要とされる。本明細書で説明するインプラントデバイス10は、上記ケージとプレートとのデバイスの組み合わせなど、多数のデバイスを組み合わせて用いる融合方法に伴うコストを大幅に低減させる。
【0021】
インプラントデバイス10の他の利点は、積重ねが可能であることである。本発明のインプラントデバイス10は、それが取り付けられる椎体の頂面のわずかな部分を覆うだけである。その結果、2つのインプラントデバイス10を、互いに接触させずに共通の椎体に取り付けることができるように、多数のインプラントデバイスを、隣接する骨移植片(すなわち、共通の椎体の間)上に導入することができる。従って、新しい骨移植片の導入に続いて行う手順では、新しいデバイスを導入するのに先立って、既存のデバイスの取外しを必要としない。骨ネジがほぼ三角配置で設けられる図示のシステムは、本発明のインプラントデバイス10の積み重ね能力を更に向上させる。インプラントデバイス10は、様々な規模またはサイズのものとすることができ、様々な長さの骨ネジ及び様々な抑制プレートを有するものとすることができることを理解されたい。骨ねじの長さ及び抑制プレートは、本発明が使用される患者の様々な身体的寸法及びデバイスが植え込まれる脊椎の位置またはレベルと相補的である。本発明は、その目的のために様々なサイズで設けることができる。
【0022】
周囲が囲まれたチャンバ192は、融合材料をその中に詰め込みまたは装填することができる保持区域または開放された領域を提供する。椎骨などの隣接する骨体部間にインプラントデバイス10を挿入する前に、骨片及び/または骨ペーストを含む、粒子移植片材料などの融合材料を、チャンバ192内に装填することが可能である。骨片及び/または骨ペーストは、場合によっては成長因子と組み合わせて、骨移植片材料のブロックの代わりに使用することができる。多くの場合、骨片及び骨ペーストは、開かれた後端部を有するインプラントデバイス10とは対照的に、周囲が囲まれたチャンバ192内により容易に保持することができる。従って、骨片と骨ペーストとを組合せたものは、本願の図に示されたようなインプラントデバイス10の中央領域内に、よりよく保持される。
【0023】
本発明の他の態様によれば、インプラントデバイス10のいずれかの部分またはその全体を、放射線透過性またはラジオルーセント材料で構成することができる。具体的には、融合材料及び対応する骨体部の放射線写真による評価を容易にするために、ベース部材20、一次部材100、二次部材110、インプラントデバイス10のその他の任意の部分もしくは構成要素、またはそれらの組合せを、放射線透過性またはラジオルーセント材料で構成することができる。たとえば、インプラントデバイス10全体を、ラジオルーセント材料で構成することができる。ラジオルーセント材料は、X線がインプラントデバイス10の構成要素を通過することを許容するので、現像されるX線写真は、デバイス10により生じる画像アーチファクト(imaging artifact)などの顕著な干渉を伴わずに、融合材料及び骨体部のより高い視認性をもたらす。放射線不透過性である従来の金属または合金インプラント材料は、周囲の組織、骨、及び融合材料の総合的な検査を妨げる画像アーチファクト及び散乱を発生する可能性があったが、ラジオルーセント材料は、X線及びコンピュータトモグラフィー(CT)などの撮像技術による明瞭な描出を可能にする。すなわち、ラジオルーセント材料によって、骨体部及び融合材料のより明瞭な画像形成が可能になる。
【0024】
ラジオルーセント材料には、ポリマー、炭素複合材、繊維強化ポリマー、プラスチック、それらの組合せなどを含めることができるが、これらに限定されない。本明細書で説明する、本発明の態様と共に使用することができるラジオルーセント材料の一例は、米国サウスカロライナ州グリーンビル(Greenville)のInvibio Inc.から供給されるPEEK−OPTIMA(登録商標)ポリマーである。PEEK−OPTIMA(登録商標)ポリマーは、一般的にポリエーテルエーテルケトンとして知られる多環芳香族の半結晶性熱可塑性材料である。PEEK−OPTIMA(登録商標)ポリマーは、生体適合性がある不活性材料である。PEEK−OPTIMA(登録商標)の代替物として知られているものは、米国サウスカロライナ州グリーンビル(Greenville)のInvibio Inc.から供給されるENDOLIGN(登録商標)ポリマー複合材などの生体適合性ポリマーを含むが、これらに限定されない。ENDOLIGN(登録商標)ポリマーは、生体適合性の炭素繊維強化熱可塑性材料である。X線コントラストまたは可視特徴のレベルを変えるために、上記で説明したものを含むラジオルーセント材料に様々な濃度の放射線不透過性材料を任意にドープしたり、上記ラジオルーセント材料をこれらの放射線不透過性材料と結合させたりすることができる。インプラントデバイス10のラジオルーセント材料により構成される部分は、機械加工、射出成形、または圧縮成形など、当業界で知られた任意の技術により形成することができる。
【0025】
本発明の他の実施形態では、インプラントデバイス10が、ラジオルーセント材料及び放射線不透過性材料の両方により構成された構成要素の組合せを備えることができる。放射線不透過性材料は、医療デバイス業界で使用するためのデバイスを構成するために、従来から使用されている。放射線不透過性材料は、金属、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、及びそれらの組合せなどを含むが、これらに限定されるものではない。放射線不透過性材料は、X線を妨害する傾向が有り、したがって、材料がその中に配置される領域のX線可視性を制限する。しかし、放射線不透過性材料は、一般に、医療デバイスに関して有利な構造的特徴を有する。すなわち、いくつかのラジオルーセント材料は、放射線不透過性材料が有する強度及び/または剛性をもたないため、インプラントデバイス10の適切な構造的一体性をもたらすために、いくつかの設計上の修正が行われることがある。放射線不透過性材料は、一般に、ラジオルーセント材料に比べより高い剛度を有するので、放射線不透過材料は、インプラントデバイス10を植え込まれた患者により生じさせられる厳しい圧力及び力にもかかわらず、骨体部のアラインメントを維持しやすいことがある。すなわち、所望のレベルの強度及び/または剛性が得られ、かつX線視認度も高められるように、インプラントデバイス10の一部を金属など放射線不透過性材料で構成し、インプラントデバイス10のその他の部分をラジオルーセント材料で構成することが望ましいことがある。たとえば図4に示すように、一次部材100の第1の脚部120と第2の脚部130とに連結されるチャンバ部材196は、チャンバ部材196と一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130とから形成される周囲が囲まれた領域内に配置される融合材料、ならびに周囲を囲む骨体部のX線視認性を高めるために、ラジオルーセント材料により構成することができる。ただし、その他の理由で、ラジオルーセント材料ではなく、放射線不透過性材料を使用することができることを理解されたい。たとえば、主にラジオルーセントであるデバイスは、デバイスの位置を容易に確認することができるように、放射線不透過性のマーカを備えることができる。
【0026】
インプラントデバイス10のベース部材20は、複数の孔を備えることができ、該複数の孔は、それぞれを通る対応する骨留め具50を受けるように構成される。骨留め具50は、骨ネジを備えることができ、インプラントデバイス10を隣接する骨体部に固定するために、それらが複数使用される。骨留め具50は、チタンもしくはチタン合金、ラジオルーセント材料、放射線不透過性材料、またはそれらの組合せなど、適当な材料で製作することができる。複数の骨留め具50はすべて、図1及び図2に示すものなどと同一の形状を有することができる。図示の実施形態では、骨留め具がそれぞれ、丸み付けがされた頭部190を有している。本明細書で使用する「丸み付けがされた頭部」という用語は、骨ネジがそれぞれの孔140及びスロット180内でトグル動作をすることを可能にするために、骨ネジ頭部の低部、すなわちシャンクに最も近い部分に、全体的に丸みが付けられることを意味する。
【0027】
本発明の他の実施形態では、ベース部材20内の孔を通り抜けるように構成された骨ネジ50に、先端に切削フルートを備えた尖った端部を持たせることができる。骨ネジ50の先端の切削フルートによって、ネジがセルフドリリングまたはセルフタッピングすることが可能になる。すなわち、セルフドリリングまたはセルフタッピング型の先端を有する骨ネジ50の使用によって、ドリルまたはセンターパンチの使用が任意となる。
【0028】
インプラントデバイス10の嵌合を向上させるために、骨体部の縁部の骨棘(lip osteophyte)から、骨ネジ孔140、180に対応する角度で、骨の一部を切り取るかまたは別の方法で除去することができる。骨体部の骨表面に対する、骨ネジ50の角度は、骨ネジ50の係留に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、縁部の骨棘は、椎骨の最も強い部分であるため、縁部の骨棘を通る骨ネジ50を角度付けすることによって、ベース部材20を椎体に係留されたままの状態に保持する能力が増大する。各骨ネジ50は、角度を付けることによって、対応する骨体部の回転角度、及び骨体部の整定角度に沿って位置決めされる。この構成により、各ネジ50は、脊柱の運動に対して保護された位置に配置される。その結果、椎体が回転及び/または整定するときに、顕著なせん断力がネジ50上にかかることがない。
【0029】
一次部材100は、該一次部材を貫通して延びる第1の骨ネジ孔140を少なくとも1つ、好ましくは図示のように2つ備えており、これら第1の骨ネジ孔はそれぞれ、対応する骨留め具、即ち骨ネジ50を受けるように構成される。一次部材100に設けられた第1の骨ネジ孔140は、一次部材100の前面上に配置され、インプラントデバイス10が挿入されるときに、患者の外側に向く。骨ネジ孔140は、骨ネジ50が孔140をある角度で通り抜けるように構成される。その結果、第1の骨ネジ孔140を通って延びる各骨ネジは、ある角度で骨体部に入ることができる。第1の骨ネジ孔140はそれぞれ、それぞれの骨ネジ50の一部をそこに貫通させるのに十分な大きさであるが、骨ネジの頭部190など骨ネジの保持部分を貫通させるのに十分な大きさではない。更に、第1の骨ネジ孔140はそれぞれ、座部165を有し、それぞれの骨ネジの保持部分がその上に載る。各座部165は、一般に凹状の半球形を有し、座部165と接触する骨ネジ50の保持部分の表面は、相補的な凸状半球状の構成を有する。したがって、骨ネジ50は、座部165上で自由にピボット運動し得る。一次部材100はまた、骨体部からの少なくとも1つの骨留め具の離脱を減少させるように構成された抑制手段を受けるためのネジ孔170を備えている。
【0030】
二次部材110は、骨ネジを受けるための細長いスロットである第2の骨ネジ孔180を備えている。骨ネジは、第2の骨ネジ孔180内及び第2の骨体部内へと導入される。第2の骨ネジ孔180は、骨ネジをベース部材20に対して相対的に、かつほぼ一次部材100に向かって、スロット(骨ネジ孔180)内で摺動及び回転させることができるように構成される。従って、使用に際しては、ベース部材20が固定される2つの隣接する骨体部がつぶれるかまたは整定して、互いに相手方に向かって変位するにつれて、第2の骨ネジ孔180内に収容された骨ネジが、該骨ネジ孔により構成されるスロット内で摺動して、該骨ねじが内部に伸びている一方の骨体部と共に、一次部材100及び他方の骨体部へと向かう方向に変位する。上記スロットは、骨体部の表面の輪郭形状の高さに対してある角度をなしているので、二次部材110の平面内では該スロットが骨体部の表面の輪郭形状の高さよりも長い長さを有していることに注目すべきである。言い換えると、上記スロットは、ネジに骨体部の表面の輪郭形状の高さに等しい垂直方向運動を生じさせる。
【0031】
少なくとも1つの、好ましくは2つの突起183が、ベース部材20の頂面150から上向きに延びている。突起183は、ベース部材20を骨体部間に挿入するときに、骨体部の表面に接触してストッパ部を構成する。突起183は、インプラントデバイス10を患者の体内に挿入する時に該デバイスを対応する骨体部に対して停止させるために骨体部と接触する基部または棚状部を提供する。図1には示してないが、少なくとも1つの突起183を、一次部材100の底面から延びるように位置決めして設けることもできる。
【0032】
図2に示すように、インプラントデバイス10は、ベース部材20に連結される1以上の骨留め具50の運動を制限するための抑制手段を備えることができる。抑制手段は、骨留め具50が1度ネジ込まれた後に骨体部から抜け出るのを防ぐために、少なくとも1つの骨留め具50の少なくとも一部を確実に覆う何らかの手段であればよい。図示の実施形態では、骨ネジ抑制手段が、抑制プレート60と、孔170内に嵌るように構成されるネジなどの抑制プレート固定手段70とを備えている。したがって、抑制プレート60は、単なるカバープレートとすることができる。抑制プレート60は、チタンもしくはチタン合金、ラジオルーセント材料、放射線不透過性材料、またはこれらの組合せなど、当業界で知られている何らかの適当な材料で製作することもできる。抑制手段は、ベース部材に永久的に固定される必要はなく、取外し可能とすることができる。図示の実施形態では、抑制プレート60が、ベース部材20の凹んだ領域に対応するように構成される。凹んだ領域により、抑制プレート60の適正な位置決めが容易になる。抑制プレート60の厚さは、たとえば約0.5mmから約2mmなど、可能な限り薄くすべきである。抑制プレート60の例示的な代替実施形態及びその実施形態が骨固定具と相互作用する方法は、参照によりその全体を本明細書に組み込む、米国特許出願第11/620,255号において説明及び記載されている。また、抑制手段によってもたらされる1つまたは複数の骨留め具の運動の制限は、沈下時の、1つまたは複数の骨留め具とベースプレートとの間の相対運動の制御(すなわち、相対運動への抵抗、または相対運動への抵抗の変化)を含むことができる。また更に、他の実施形態では、抑制手段によってもたらされるような運動の制限は、(1)骨留め具の離脱防止、及び(2)沈下時の1以上の骨留め具とベースプレートとの間の相対運動の制御の両方を含むと考えることができることを理解されたい。
【0033】
更に、その他いかなる適当な骨ネジ抑制手段も、本発明と共に使用することができることを理解されたい。たとえば、骨ネジ抑制手段は、様々な骨ネジを覆う多数の抑制プレートを備えることができる。また、骨ネジ抑制手段は、少なくとも一部が1以上の骨ネジの少なくとも一部に重なる頭部を有する1以上のネジを備えて、該ネジの頭部が骨ネジの少なくとも一部に重なることにより、骨ネジが抜け出るのを防止するようにすることもできる。
【0034】
本発明の他の実施形態では、一次部材100により形成される周囲が囲まれたチャンバ192が、内部部材194により複数の内部区画に分割される。内部部材は、ラジオルーセントまたは放射線不透過性材料で構成することができる。隣接する骨体、及び周囲が囲まれたチャンバ192の各区画内に収容される融合材料の、放射線写真による評価を高めるために、内部部材は、ラジオルーセント材料で構成されることが好ましい。周囲が囲まれたチャンバ192は、一次部材100により形成されるほぼ平坦な内面を有する。図示の通り、内部部材は、隣接する骨体部とともに制御された沈下をもたらすために、周囲が囲まれたチャンバ192の底面から延びるように設けることができる。図示してないが、内部部材はまた、周囲が囲まれたチャンバ192の頂面から、またはチャンバ192の頂面及び底面の両方から延びるように設けることができる。
【0035】
図3に示すように、中央内部部材194は、チャンバ192の対向する内面の間を延びるように設けることができ、これにより、チャンバ192を2以上の区画に分割して、隣接する2つの骨体部間に配置されるべき融合材料を各区画に保持または収容するようにすることができる。図示のように、図3の内部部材194は、周囲が囲まれたチャンバ192の内面の一部から延び、チャンバ192即ち一次部材100の対向する内面に連結されている。周囲が囲まれたチャンバ192に、部材194などからなる内部部材を加えることにより、インプラントデバイス10に全体的な支持強度を付加することができる。更に内部部材により、融合材料を2つの骨体部間にしっかりと固定することができる。内部部材194が存在することにより得られる利益の一つは、PEEKインプラントが骨の間で過剰な力による衝撃を受けた際に、該PEEKインプラントの破損を防ぐのに役立つということであることが理解されるべきである。
【0036】
隣接する骨体部(たとえば椎骨)間にインプラントデバイス10を挿入する前に、骨ペーストまたは骨片などの融合材料を、周囲が囲まれたチャンバ192内に装填することが可能である。しかしながら、開かれた前面を有するチャンバ部材を、隣接する骨体部間に挿入する方がより容易なことがある。この場合には、チャンバ部材に、融合材料を前面から詰め込み、次いでベース部材20のようなプレートを用いて封止するようにすることができる。ある段階では、周囲が囲まれたチャンバ192への融合材料の詰め込みと、インプラントデバイス10の患者への挿入とを容易にするために、周囲が囲まれたチャンバ192の一部を形成するチャンバ部材196を、一次部材100から取り外すことができるようにしておくことが望ましいことがある。図4は、本発明の他の実施形態において、一次部材100が、開口された領域を取り囲む、即ち融合材料を受けるように構成された周囲が囲まれたチャンバ192を取り囲む取外し可能なチャンバ部材196を備えることができることを示している。一次部材100は、融合材料を受けるための湾曲した開いた弧を形成する第1の脚部120と第2の脚部130とを更に備えることができる。図示のように、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130は、ほぼU字形の形状をなすように設けることができる。チャンバ部材196が有する取外し可能機能により、後で隣接する2つの骨体部間にインプラントされる前に、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130によって形成されるU字形の開かれた領域、及びU字形チャンバ部材196自体に、融合材料を別々に詰め込むことが可能になる。
【0037】
チャンバ部材196は、ラジオルーセント材料または放射線不透過性材料により構成することができる。チャンバ部材196は、融合材料及び隣接する骨体部の放射線写真による評価を潜在的に制限する可能性があるので、チャンバ部材196を、ラジオルーセント材料により構成することが望ましい。図示のように、チャンバ部材196は、U字型を有する。しかしながら、チャンバ部材196は、適宜の形状を有するように構成することができ、隣接する骨体部の形状に一致するように構成することもできる。チャンバ部材196が一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130に連結された場合、周囲が囲まれたチャンバ192は、図示のようにほぼ矩形である。図示してないが、周囲が囲まれたチャンバ192は、チャンバ部材196と、第1の脚部120及び第2の脚部130との構成に応じて、円形またはその他の望ましい形状とすることができる。チャンバ部材196は更に、一次部材100の頂面150及び底面151にそれぞれ対応してそれぞれと整合する頂面及び底面を有している。
【0038】
図4に示すように、チャンバ部材196は、図示の取付孔210内に挿入することができるネジ又はだぼなどの留め具によって、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130と連結することができる。インプラントデバイス10が、周囲が囲まれたチャンバ192を形成するためにチャンバ部材196が一次部材100に締結されて取り付けられるアセンブリ(組立て体)である場合、取付孔210は、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130を貫通して延びるように設けられ、チャンバ部材196内の対応する取付孔210と整合するように設計される。第1の脚部120及び第2の脚部130の取付面197は、チャンバ部材196の取付面197と面一に突き合わされるように、ほぼ平坦である。したがって、第1の脚部120及び第2の脚部130は、チャンバ部材196に締結される際に、取付面197同士が整合され、チャンバ部材196が一次部材100にきつく固定される。
【0039】
周囲が囲まれたチャンバ192は、必要であれば、例えば図5に示したように、複数の内部区画に分割することができることを理解されたい。図5は、内部部材194を有するU字形の取外し可能なチャンバ部材196を示している。内部部材194は、チャンバ部材196の内面から外向きに、取付面197を有するチャンバ部材196の端部と平行な方向に延びる。一次部材100及びチャンバ部材196は、当業界で知られている何らかの適当な構造または簡便な手段によって、互いに連結させることができる。図示のように、内部部材194は、ほぼ平坦な取付面197を有する。内部部材194の取付面197は、一次部材100の表面の一部と整合してそれと面一に突き合わされるように設計される。図示してないが、内部部材194の取付面197に、ネジ切りされた留め具孔を設けることができる。この場合孔170は異なる構成をとることができる。例えば、孔170をクリアランスホールとして、抑制手段が内部部材194の留め具孔内に延びるようにすることができる。この場合、抑制手段をベース部材20に取り付けるために使用される留め具は、内部部材194内に延びて、取外し可能なチャンバ部材196を一次部材100に固定するように設けることができる。図4に示した例と同様に、チャンバ部材196の取付面197並びに第1の脚部120及び第2の脚部130には、両者を互いに締結するために用いる取付孔210を設けることができる。チャンバ部材196を、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130に固定するために、ネジ、だぼ、または同様の留め具を使用することができる。
【0040】
チャンバ部材196は、いくつかの代替方法で、一次部材100に取り付けることができる。たとえば、図6及び図7は、他の実施形態において、チャンバ部材196を一次部材100に固定するために用いることができるペグ及びスロットシステムを示す。チャンバ部材196の取付面197には、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130の取付面197に設けられたスロット(図示せず)に対応するペグ199が設けられている。スロットは、ペグ199と同様の形状を有し、ペグ199と同じ寸法を有するので、ペグ199とスロットとは、嵌め合わされるときつく固定される。チャンバ部材196がインプラントデバイス10の一次部材100に確実に取り付けられることを保証する目的で、ペグ199とスロットを互いにしっかりと固定するために、当業界で標準的な接着剤を使用することもできる。
【0041】
ラジオルーセント材料は、放射線不透過性材料が有するような強度をもたないことがあるという欠点に対処するために、インプラントデバイス10に適正な構造的一体性を持たせるための設計上の修正を行うことが必要とされることがある。例えば、図8に示すように、一次部材100及び二次部材110の一部の厚さを、増大させることができる。例えば、骨ネジ孔140及びスロット180並びにこれらを取り囲む部分の厚さを増大させることができる。骨ネジ孔140及び/またはスロット180の厚さを増大させることによって、骨体部内に延びる骨ネジ50と1次及び二次部材との間の境界領域に対する支持が強化される。同様にこれらの位置の厚さを増大させることによって、ネジの長さまたはスロットの厚さが増大する。一次部材100及び二次部材110などインプラントデバイス10の一部を、その他の部分よりも厚く設計するか、または嵩高に設計することによって、骨体部の変位及び骨ネジのトグル動作の応力を緩和し、インプラントデバイス10の曲り、ひび割れ、その他の損傷を引き起こす可能性がある力を緩和することができる。
【0042】
インプラントデバイスは、その他様々な特徴を含むことができることを理解されたい。それらの特徴のいくつかは、参照により本明細書に組み込まれる特許出願において説明されている特徴を含むことができる。特徴のいくつかの例を、図9〜図13に示す。これらの図のうちのいくつかの図は、具体的な詳細を示すために、断面図となっている。これらの図に例示した特徴は、前述のいかなる実施形態にも適用することができる。当然、図示の特徴は、単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0043】
図9を参照すると、前述のように、インターフェース部材30の有効変位高さ(H)が、インターフェース部材の骨体部内への貫入深さに関係している。しかし、高さ(H)はまた、インプラントデバイス10に関連するその他の相対変位とも相互関係を有する可能性がある。例えば、制御された沈下を行わせるために、骨体部内へのインターフェース部材30の貫入を、1つまたは複数の骨ネジのそれぞれの孔140及びスロット180に対するピボット運動及び/またはスライド運動と協調させることができる。図9に示すように、スロットと関係をもつ骨ネジは、変位距離Dを有することができる。スロット180内での相対的なスライド運動に関する一例では、インターフェース部材30が完全に埋め込まれた状態に到達したときに、ネジがスロット180の端部に到達することになる。そのような例では、HがDと等しいか、またはほぼ等しいとみなすことによって、一般的な特徴付けをすることができる。このようにして、ネジの変位が骨体部内へのインターフェース部材の貫入沈下と一致するように、骨留め具がスロット内に配置される。
【0044】
相対的な寸法決めに関する他の例が詳しく示される。この他の例には、インターフェース部材30が完全な埋込み状態に到達する前にネジがスロット180の端部に達するようなネジのスロット内での相対的スライド変位と、インターフェース部材30が完全な埋込み状態に到達した後もネジのスロット180内での変位が許容されるようなスロット内でのネジの相対的なスライド変位とが含まれる。これらの例はそれぞれ、HがDよりも大きいとみなすことにより、及びHがDよりも小さいとみなすことにより、一般的な特徴付けをすることができる。配置及びスライド変位もまた変数となりうる。例えば、それぞれの骨留め具を、細長いスロットの端部に到達するように配置し、スロット内でトグル動作させて、インターフェース部材を骨体部内に更に貫入させることができる。
【0045】
図10は、他の特徴を有する例を示している。詳細に述べると、この例ではインターフェース部材32を頂面上に配置することができる。このようにして、インターフェース部材の位置を、上下逆にすることができる。他の可能な位置の入換えは、孔及びスロットに関係する。詳細に述べると、図11では、孔(図10に示された140)が細長いスロット142(図11)で置き換えられ、細長いスロット(図10の180)が細長くない孔182により置き換えられている。
【0046】
また上記の修正を、様々な構成と組み合わせることができる。例えば、図12に示された例では、スロット142及び180のみが設けられている。言い換えると、すべての孔がスロットに変更されている。他の実施例として、インターフェース部材30、32が底部及び頂部の双方の上に配置された例が図13に示されている。図13はまた、スロット142及び180のみを用いていることを示している。インターフェース部材30、32とスロット142、180とをこのように組合せることにより、多くのタイプの沈下制御を行わせることができることを理解されたい。インターフェース部材の貫入及びスロットに沿った運動は、様々な沈下プロファイルをもたらすように構成することができ、様々な異なる方法において使用することができる。例えば、沈下は、多少なりとも、力及び時間を必要とすることがある。また、沈下は、それぞれ異なるプロファイルを有する、種々の異なるセグメントを有することができる。
【0047】
また、沈下プロファイルに影響を及ぼす可能性がある他の態様では、インターフェース部材30、32の高さ、適宜の高さとするか、または適宜の高さの組合せとすることもできる。複数のインターフェース部材30、32が、ベース部材の表面から延びている場合、各インターフェース部材を、他のインターフェース部材と等しい高さにしたり、他のインターフェース部材よりも実質的に高くしたり低くしたりすることができる。図11は、所望される沈下抵抗の大きさに応じて実質的に異なる高さを有するインターフェース部材32を示している。また頂部上及び底部上のインターフェース部材を比較するとき、いかなる相対的な寸法も可能である。たとえば、頂面から延びるインターフェース部材の高さは、底面から延びるインターフェース部材の高さより高くすることも、ほぼ同じにすることも、またより低くすることもできる。
【0048】
更に、制御された沈下を行わせる際に、複数の留め具のうちの1つ、複数の留め具のうちのいくつかの留め具、またはすべての留め具とベース部材との間に、相対的な摺動が生じないすることが検討される。これは、スロットなしで孔のみを使用することにより実現することができる。代替例では、骨ネジを、スロットに沿った運動に対して動かないように保持するようにすることができる。このようにした場合には、1以上の骨ネジにピボット運動が生じることがある。
【0049】
椎骨の前方区域内の隣接する頸椎を支持するための、本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明の骨プレートを、椎体領域内の、隣接する頸部、胸部、及び腰部を支持するために使用することができることは、当業者であれば理解できるであろう。更に、本発明のデバイス及び方法は、椎体に限定されるものではなく、身体の別の部位の2つの骨片を接合するために使用することもできる。
【0050】
本発明の実施形態及び応用例を図示し、説明したが、本明細書の発明の概念から逸脱することなく更に多くの修正が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神以外には制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は周囲が囲まれたチャンバを有するベース部材を備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスの斜め前方斜視図である。
【図2】図2は本発明の一態様によるインプラントデバイスの側面図である。
【図3】図3は周囲が取り囲まれたマルチコンパートメント形のチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図4】図4は周囲が取り囲まれた非組立て位置にあるチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図5】図5は非組立て状態にある横方向に取り囲みが可能なマルチコンパートメント形チャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図6】図6は非組立て状態にある横方向に取り囲みが可能なチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図7】図7は非組立て状態にある横方向に取り囲みが可能なマルチコンパートメント形チャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図8】図8は周囲が囲まれたチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の前方斜視図である。
【図9】図9は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の前方斜視図である。
【図10】図10は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【図11】図11は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【図12】図12は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【図13】図13は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、2006年4月21日出願の米国特許出願第60/745,294号の利益を請求し、2003年4月21日出願の米国特許出願第10/419,652号の利益を請求する。また現米国特許第6,984,234号の利益を請求し、かつその一部継続出願である、2007年1月5日出願の米国特許出願第11/620,255号及び2005年10月12日出願の米国特許出願第11/248,651号の利益を請求する。それら内容はすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、骨体部の固定及び支持を行なうための、インプラントデバイスに関する。特に、本発明は、融合時に、制限された運動を骨体部間にもたらし、それを制御する、インプラントデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
脊椎動物の脊柱は、体重を支えるための支持と、繊細な脊髄及び脊髄神経の保護とをもたらす。脊柱は、相互に積み重なった一連の椎骨を含む。通常、7個の頸部(首)、12個の胸部(胸)、及び5個の腰部(下背部)区間が存在する。各椎骨は、脊椎の前方部分に円筒形の椎体を有し、後部に神経構造を覆う骨のアーチを備えている。各椎体間には、椎間板、すなわち、衝撃を吸収し脊椎に加わる圧縮力を弱めるのに役立つ軟骨性のクッションがある。後方に向かって、層状のアーチが、脊髄及び神経の神経構造を保護のために覆っている。アーチと後部椎体との接合部には、脊髄の運動を可能にするための関節がある。
【0004】
様々なタイプの問題が、脊柱の構造及び機能に影響を与えるおそれがある。脊柱の構造及び機能に影響を与えるおそれがある問題は、椎間板もしくは関節接合部の変性状態、脊椎を支持する椎間板、骨、もしくは靱帯の外傷性裂断、腫瘍、または感染症に基づく可能性がある。更に、先天的または後天的な変形は、脊椎の異常なアンギュレーション(angulation)またはすべりを引き起こすおそれがある。ある椎体が別の椎体の上で前方にすべると(脊椎すべり症)、脊髄または神経の圧迫を引き起こすおそれがある。これらの状態の1つまたは複数を患う患者は、極度の衰弱を伴う痛みをしばしば経験し、状態が適切に処置されなければ、永続的な神経障害を負う可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの疾患を処置する1つの技術は、脊椎の外科的関節固定術として知られている。これは、椎間板を除去して骨で置換し、脊椎を不動化して、椎間腔をまたいで骨物質を最終的に融合または成長させ、隣接する椎体を互いに連結することによって達成することができる。融合を可能にするための椎骨の安定化は、骨折した骨の上にギブスを置くのによく似ており、椎体を適正なアラインメントで保持し骨の治癒を可能にするために、外科的に植え込まれるデバイスによって補助されることが多い。そのような技術は、前述の状態を処置するために効果的に使用されており、ほとんどの場合、患者の痛みを軽減し、神経機能の喪失を防ぐのに有効である。しかし、現在の安定化デバイスには欠点がある。
【0006】
現在、いくつかのタイプの前方脊椎固定デバイスが使用されている。1つの技法は、バイコーティカルパーチェス(bicortical purchace)と呼ばれる、椎体の全体を通したネジの配置を伴う。ネジは、チタンプレートを通して配置されるが、プレートには取り付けられない。このデバイスは配置が困難であり、ネジを貫入させ過ぎることによって、脊髄の損傷がもたらされる可能性がある。ネジは、プレートに固定されないので、プレートから周囲の組織内へと戻り出る可能性がある。いくつかのより新しい世代のデバイスは、骨のユニコーティカルパーチェス(unicortical purchase)を使用しており、いくつかのやり方でネジをプレートに係止して、安定性をもたらし、ネジが抜け出ないようにしっかりと固定する。この方法では、不完全な骨の融合をまねくことになる過度に堅固な固定及び応力遮蔽や、ネジまたはプレートのところで固定デバイスの応力破壊をまねくことになる治療中の慢性的な微動や、ネジの離脱をまねくことになるプレートに対するネジの不安定な係止や、不適切な固定強度及びその結果生じる移植片の崩壊並びに脊椎のアンギュレーションの結果として、問題が生じている。
【0007】
これらのデバイスは、たとえば3個を1組として1組の椎骨を支持し、その両端間を跨ぐように設計されることが多い。これらのデバイスは通常、頸部区域内などで、骨の両端間を橋渡しするように配置されるので、時として、それらにより食道に炎症が起こり、患者が食物を嚥下することを困難にする。更に、ネジは骨内へと垂直に、すなわちプレート表面に対して90°で設置される。脊柱内で局部的な堅苦しさがあると、しばしば、ネジに高いせん断応力が加えられる。これらの応力は、ネジを疲労させ、ネジ孔の変形を引き起こすことがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明のいくつかの態様の基本的な理解をもたらすために、本発明の簡単な概要を提示する。この概要は、本発明の広範な概要ではない。これは、本発明の主要なまたは必要不可欠な要素の識別、あるいは本発明の範囲の境界を明示するものではない。その唯一の目的は、後に提示するより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を簡単な形で提示することである。
【0009】
本発明の一態様により、インプラントデバイスが提供される。このデバイスは、2以上の骨体部と相互作用するように構成されたベース部材を備え、ベース部材は、融合材料を受けるための周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材、及び一次部材に対してある角度で延びる二次部材を備えている。複数のインターフェース部材は、ベース部材の表面から延びている。インターフェース部材は、少なくとも1つの骨体部内へのデバイスの制御された沈下をもたらすように構成される。デバイスは、ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具(bone fastener)を更に備えている。
【0010】
本発明の他の態様によるインプラントデバイスが提供される。このデバイスは、融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバを有するベース部材を備えている。周囲が囲まれたチャンバは、頂面及び底面を有している。デバイスは、ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具を有する。デバイスは、少なくとも1つの骨留め具の運動を抑制するための抑制手段を備えている。デバイスは、周囲が囲まれたチャンバの表面から延びる、少なくとも1つのインターフェース部材を備えている。インターフェース部材は、骨体部内へのデバイスの制御された沈下をもたらすように構成される。
【0011】
本発明の更に他の態様によるインプラントデバイスが提供される。このデバイスは、第1及び第2の隣接する骨体部と相互作用するように構成されたベース部材を備えている。ベース部材は、融合材料を受けるための周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材を備え、骨チャンバは、融合材料による第1及び第2の骨体部間の力の伝達を可能にするために、第1及び第2の骨体部が融合材料に係合するように構成される。デバイスは、第1及び第2の骨体部の互いに相手方に向かう方向の運動を伴う制御された沈下を行なわせるための手段を備えている。
【0012】
以下の説明及び添付の図面は、本発明のいくつかの例示的な態様を詳細に説明する。但し、これらの態様は、本発明の原理を用いることができる様々な方法のうちのいくつかを示すに過ぎず、本発明は、それらの態様及びそれらの同等物のすべてを含むことが意図される。本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、本発明の以下の詳細な説明を図面と併せて考えると明らかになるであろう。
【0013】
本発明の上記及びその他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、融合時に、骨体部間の限定された運動をもたらしそれを制御するインプラントデバイスなどのデバイスに関する。次に、図面を参照しながら本発明を説明するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を参照するために使用される。様々な図面は、ある図と別の図との間で、または所定の図面内で、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、特に、図面の理解を容易にするために構成要素の大きさが任意で描かれていることを理解されたい。以下の説明では、例示の目的で、本発明の全体的な理解をもたらすために数多くの具体的な細部を説明する。しかしながら、それらの具体的な細部を備えることなしに本発明を実施することができることは明らかである。更に、本発明の他の実施形態が可能であり、本発明は、説明される以外の方法で実施することができる。本発明の説明に使用される専門用語及び語法は、本発明の理解を促す目的で用いられるものであり、発明を限定しているとみなされるべきではない。
【0015】
図1を参照すると、本発明の一態様による、デバイス即ちインプラントデバイス10の一例が示されている。インプラントデバイス10は、2以上の骨体部をしっかりと固定するかまたは動かなくするように構成される。本明細書で使用されるように、「骨体部」という熟語は、個々の骨、並びに骨の断片または一部を含むことが意図されている。たとえば、骨体部は、2つの隣接する椎骨とすることができ、インプラントデバイス10は、椎骨間の移植片材料(図示せず)とともに、椎骨に取り付けることができる。また以下で更に詳細に説明するように、インプラントデバイス10は、椎骨間の軟骨性椎間板が骨組織の移植片またはその他同様の材料などの椎骨の融合を促進する材料により置換された隣接する椎骨をしっかりと固定することができる。本発明が取り扱う一態様は、移植片との負荷の分担であることを理解されたい。
【0016】
図1に示すように、インプラントデバイス10の構成は、ベース部材20を備え、ベース部材20は、該ベース部材20の表面から延びる複数の突起またはインターフェース部材30を有する。ベース部材20は、頂面150及び底面151を有する。図示のように、インターフェース部材30は、ベース部材20の底面151から延びている。図示してないが、インターフェース部材30がベース部材20の頂面150からのみ延びるようにすることもでき、また、インプラントデバイス10と隣接する骨体部の間に2つの沈下制御(controlled subsidence)インターフェースを提供するために、ベース部材20の頂面150及び底面から延びるようにすることもできる。インターフェース部材30は、インプラントデバイス10の沈下制御を行なわせるために、骨体部の少なくとも1つの表面に接触するように構成される。インターフェース部材30は、例えば、歯、ナイフエッジ、スパイク、ポスト、留め釘(peg)、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0017】
ベース部材20は、2つの隣接する骨体部の間に最初に挿入されるときに、インターフェース部材30が骨体部の少なくとも1つの表面に接触するように構成される。インターフェース部材30は、骨体部内への貫入がほぼ即座に生じるように構成される。インプラントデバイス10は、骨体部及び骨移植片が融合するとき、骨または椎体の整定時に支えられる体重を分担するために、徐々に沈んでいく。具体的には、整定時に骨体部が互いに相手方に向かって変位するときに、インターフェース部材30が骨体部に貫入し、沈下に対する抵抗が増大する。
【0018】
制御された沈下は、沈下に対する抵抗と、沈下の大きさの全体量とに関係する。制御された沈下を促進するため、インターフェース部材30は、ベース部材の表面から、脊椎内の2つの椎骨などの2つの隣接する骨体部の伸張方向と整列する方向に延びるようにすることができる。このようにして、インターフェース部材は、ある時間に亘って骨体部内に徐々に沈み込んでいくように構成される。加えられる負荷と、インプラントデバイス10が骨体部に固定される際に経験する整定の大きさとの関係である沈下プロファイルは、インターフェース部材30の構成または形状に依存する。例えば、インターフェース部材30は、最初は骨体部内へと容易に貫入することができ、次いで、インターフェース部材の断面がより多く埋め込まれるにつれて減速する。インターフェース部材30の高さ(H)は、対応する骨体部内への貫入の深さに関係する。一般に、インプラントデバイス10が骨内に完全に埋め込まれるところまで沈下したときに、加えられる負荷がインプラントデバイス10の表面全体にわたって分配され、沈下抵抗が増大する。インターフェース部材30と、該部材30がその中に延びる少なくとも1つの対応する骨体部との間の制御された沈下の関係については、参照によりその全体を本明細書に組み込む米国特許第11/248,651号に記載されている。
【0019】
インプラントデバイス10のベース部材20は、一次部材100と、一次部材100から延びていて、該一次部材に対して傾斜させられた二次部材110とを備えている。一次部材100は、骨移植片などの融合材料を受容し、保持するように構成された、閉鎖ループ、すなわち周囲が囲まれたチャンバ192を形成する。図示のように、チャンバ192は周囲が取り囲まれているが、該チャンバ192の上方及び下方にある骨体部をチャンバ192内に配置された融合材料と接触させることができるようにするために、完全に閉鎖されてはいない。本明細書において、周囲が囲まれたチャンバ192は、互いに融合されるべき骨体部の向きを受け入れるために、いかなる角度にも位置決めすることができることを理解されたい。いずれにせよ、チャンバ192は、融合材料の側方への変位を軽減し、隣接する骨体部が融合に際して固まるときにそれらの沈下を制御することができる。沈下は更に、ベース部材20の表面から延びているインターフェース部材30の存在によっても制御される。本発明の実施形態では、一次部材100及び二次部材110が連続的かつ一体である。二次部材110は、一次部材100の前面とほぼ連続的である前面と、一次部材100の裏面とほぼ連続的である裏面とを有する。一次部材100及び二次部材110は、それらの前面がある角度をなすようにして配置される。当然、その角度は非常に重要であるというわけではなく、通常、低プロファイルと、除去される必要がある骨の量との妥協に依存する。言うまでもなく、上記の角度は、適宜の角度(たとえば、90°より大きく180°より小さい角度)とすることができる。ただし、典型的な角度は、約140°から約170°の範囲内である。一次部材100と二次部材110が接合される角度は、骨ネジを、所望の角度でベース部材20を通して導入することができるように設定される。またベース部材20は、該ベース部材を通して骨ネジを所望の角度で導入することを可能にする他の任意のやり方で設計することもできる。
【0020】
一次部材100は、様々な形状、サイズを有し、様々な位置で隣接する骨体部を受け入れるために、周囲が囲まれたチャンバ192を、任意の形状またはサイズのものとするように形成することもできる。本発明の周囲が囲まれたチャンバ192は、皮質または隣接する椎骨の外径と一致しまたはほぼ適合する外周を有するように設計される。インプラントデバイス10の頂面は、椎体の頂面、また好ましくはその下方に着座する。したがって、本発明のインプラントデバイス10は、患者の隣接する解剖学的構造を大幅に妨害しまたは刺激するいかなる部分ももたない。図示の通り、周囲が囲まれたチャンバ192は、脊柱の2つの隣接する椎骨を適切に受け入れる、縁部が丸まった矩形形状を有する。一次部材100は、一般に、脊柱内の植込み位置を見たときに垂直方向に開口し、周囲が取り囲まれた領域192を形成する。この領域は、2以上の骨体部間の融合材料を受容及び保持することができる領域である。使用に際しては、融合時に椎骨が固まるときに、移植片の側方への変位を軽減し、隣接する椎骨の沈下を制御するために、一次部材100が骨移植片などの融合材料の周りを側方に延びる。融合材料は、一次部材100により形成された、周囲が囲まれたチャンバ192内に詰め込むことができる。インプラントデバイス10のチャンバ192は、多数の骨体部を互いに融合させるために必要となることがあるその他のデバイスの必要性を実質的に低減させる1部片の融合材料ハウジングを作り出す。周囲が囲まれたチャンバ192は、ケージの形にデザインされたインプラントによって一般に支持されることになる融合材料を適切に収容する。この場合、一般には、骨体部及びケージを所望の位置に保持するためにプレートが必要とされる。本明細書で説明するインプラントデバイス10は、上記ケージとプレートとのデバイスの組み合わせなど、多数のデバイスを組み合わせて用いる融合方法に伴うコストを大幅に低減させる。
【0021】
インプラントデバイス10の他の利点は、積重ねが可能であることである。本発明のインプラントデバイス10は、それが取り付けられる椎体の頂面のわずかな部分を覆うだけである。その結果、2つのインプラントデバイス10を、互いに接触させずに共通の椎体に取り付けることができるように、多数のインプラントデバイスを、隣接する骨移植片(すなわち、共通の椎体の間)上に導入することができる。従って、新しい骨移植片の導入に続いて行う手順では、新しいデバイスを導入するのに先立って、既存のデバイスの取外しを必要としない。骨ネジがほぼ三角配置で設けられる図示のシステムは、本発明のインプラントデバイス10の積み重ね能力を更に向上させる。インプラントデバイス10は、様々な規模またはサイズのものとすることができ、様々な長さの骨ネジ及び様々な抑制プレートを有するものとすることができることを理解されたい。骨ねじの長さ及び抑制プレートは、本発明が使用される患者の様々な身体的寸法及びデバイスが植え込まれる脊椎の位置またはレベルと相補的である。本発明は、その目的のために様々なサイズで設けることができる。
【0022】
周囲が囲まれたチャンバ192は、融合材料をその中に詰め込みまたは装填することができる保持区域または開放された領域を提供する。椎骨などの隣接する骨体部間にインプラントデバイス10を挿入する前に、骨片及び/または骨ペーストを含む、粒子移植片材料などの融合材料を、チャンバ192内に装填することが可能である。骨片及び/または骨ペーストは、場合によっては成長因子と組み合わせて、骨移植片材料のブロックの代わりに使用することができる。多くの場合、骨片及び骨ペーストは、開かれた後端部を有するインプラントデバイス10とは対照的に、周囲が囲まれたチャンバ192内により容易に保持することができる。従って、骨片と骨ペーストとを組合せたものは、本願の図に示されたようなインプラントデバイス10の中央領域内に、よりよく保持される。
【0023】
本発明の他の態様によれば、インプラントデバイス10のいずれかの部分またはその全体を、放射線透過性またはラジオルーセント材料で構成することができる。具体的には、融合材料及び対応する骨体部の放射線写真による評価を容易にするために、ベース部材20、一次部材100、二次部材110、インプラントデバイス10のその他の任意の部分もしくは構成要素、またはそれらの組合せを、放射線透過性またはラジオルーセント材料で構成することができる。たとえば、インプラントデバイス10全体を、ラジオルーセント材料で構成することができる。ラジオルーセント材料は、X線がインプラントデバイス10の構成要素を通過することを許容するので、現像されるX線写真は、デバイス10により生じる画像アーチファクト(imaging artifact)などの顕著な干渉を伴わずに、融合材料及び骨体部のより高い視認性をもたらす。放射線不透過性である従来の金属または合金インプラント材料は、周囲の組織、骨、及び融合材料の総合的な検査を妨げる画像アーチファクト及び散乱を発生する可能性があったが、ラジオルーセント材料は、X線及びコンピュータトモグラフィー(CT)などの撮像技術による明瞭な描出を可能にする。すなわち、ラジオルーセント材料によって、骨体部及び融合材料のより明瞭な画像形成が可能になる。
【0024】
ラジオルーセント材料には、ポリマー、炭素複合材、繊維強化ポリマー、プラスチック、それらの組合せなどを含めることができるが、これらに限定されない。本明細書で説明する、本発明の態様と共に使用することができるラジオルーセント材料の一例は、米国サウスカロライナ州グリーンビル(Greenville)のInvibio Inc.から供給されるPEEK−OPTIMA(登録商標)ポリマーである。PEEK−OPTIMA(登録商標)ポリマーは、一般的にポリエーテルエーテルケトンとして知られる多環芳香族の半結晶性熱可塑性材料である。PEEK−OPTIMA(登録商標)ポリマーは、生体適合性がある不活性材料である。PEEK−OPTIMA(登録商標)の代替物として知られているものは、米国サウスカロライナ州グリーンビル(Greenville)のInvibio Inc.から供給されるENDOLIGN(登録商標)ポリマー複合材などの生体適合性ポリマーを含むが、これらに限定されない。ENDOLIGN(登録商標)ポリマーは、生体適合性の炭素繊維強化熱可塑性材料である。X線コントラストまたは可視特徴のレベルを変えるために、上記で説明したものを含むラジオルーセント材料に様々な濃度の放射線不透過性材料を任意にドープしたり、上記ラジオルーセント材料をこれらの放射線不透過性材料と結合させたりすることができる。インプラントデバイス10のラジオルーセント材料により構成される部分は、機械加工、射出成形、または圧縮成形など、当業界で知られた任意の技術により形成することができる。
【0025】
本発明の他の実施形態では、インプラントデバイス10が、ラジオルーセント材料及び放射線不透過性材料の両方により構成された構成要素の組合せを備えることができる。放射線不透過性材料は、医療デバイス業界で使用するためのデバイスを構成するために、従来から使用されている。放射線不透過性材料は、金属、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、及びそれらの組合せなどを含むが、これらに限定されるものではない。放射線不透過性材料は、X線を妨害する傾向が有り、したがって、材料がその中に配置される領域のX線可視性を制限する。しかし、放射線不透過性材料は、一般に、医療デバイスに関して有利な構造的特徴を有する。すなわち、いくつかのラジオルーセント材料は、放射線不透過性材料が有する強度及び/または剛性をもたないため、インプラントデバイス10の適切な構造的一体性をもたらすために、いくつかの設計上の修正が行われることがある。放射線不透過性材料は、一般に、ラジオルーセント材料に比べより高い剛度を有するので、放射線不透過材料は、インプラントデバイス10を植え込まれた患者により生じさせられる厳しい圧力及び力にもかかわらず、骨体部のアラインメントを維持しやすいことがある。すなわち、所望のレベルの強度及び/または剛性が得られ、かつX線視認度も高められるように、インプラントデバイス10の一部を金属など放射線不透過性材料で構成し、インプラントデバイス10のその他の部分をラジオルーセント材料で構成することが望ましいことがある。たとえば図4に示すように、一次部材100の第1の脚部120と第2の脚部130とに連結されるチャンバ部材196は、チャンバ部材196と一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130とから形成される周囲が囲まれた領域内に配置される融合材料、ならびに周囲を囲む骨体部のX線視認性を高めるために、ラジオルーセント材料により構成することができる。ただし、その他の理由で、ラジオルーセント材料ではなく、放射線不透過性材料を使用することができることを理解されたい。たとえば、主にラジオルーセントであるデバイスは、デバイスの位置を容易に確認することができるように、放射線不透過性のマーカを備えることができる。
【0026】
インプラントデバイス10のベース部材20は、複数の孔を備えることができ、該複数の孔は、それぞれを通る対応する骨留め具50を受けるように構成される。骨留め具50は、骨ネジを備えることができ、インプラントデバイス10を隣接する骨体部に固定するために、それらが複数使用される。骨留め具50は、チタンもしくはチタン合金、ラジオルーセント材料、放射線不透過性材料、またはそれらの組合せなど、適当な材料で製作することができる。複数の骨留め具50はすべて、図1及び図2に示すものなどと同一の形状を有することができる。図示の実施形態では、骨留め具がそれぞれ、丸み付けがされた頭部190を有している。本明細書で使用する「丸み付けがされた頭部」という用語は、骨ネジがそれぞれの孔140及びスロット180内でトグル動作をすることを可能にするために、骨ネジ頭部の低部、すなわちシャンクに最も近い部分に、全体的に丸みが付けられることを意味する。
【0027】
本発明の他の実施形態では、ベース部材20内の孔を通り抜けるように構成された骨ネジ50に、先端に切削フルートを備えた尖った端部を持たせることができる。骨ネジ50の先端の切削フルートによって、ネジがセルフドリリングまたはセルフタッピングすることが可能になる。すなわち、セルフドリリングまたはセルフタッピング型の先端を有する骨ネジ50の使用によって、ドリルまたはセンターパンチの使用が任意となる。
【0028】
インプラントデバイス10の嵌合を向上させるために、骨体部の縁部の骨棘(lip osteophyte)から、骨ネジ孔140、180に対応する角度で、骨の一部を切り取るかまたは別の方法で除去することができる。骨体部の骨表面に対する、骨ネジ50の角度は、骨ネジ50の係留に影響を及ぼす可能性がある。たとえば、縁部の骨棘は、椎骨の最も強い部分であるため、縁部の骨棘を通る骨ネジ50を角度付けすることによって、ベース部材20を椎体に係留されたままの状態に保持する能力が増大する。各骨ネジ50は、角度を付けることによって、対応する骨体部の回転角度、及び骨体部の整定角度に沿って位置決めされる。この構成により、各ネジ50は、脊柱の運動に対して保護された位置に配置される。その結果、椎体が回転及び/または整定するときに、顕著なせん断力がネジ50上にかかることがない。
【0029】
一次部材100は、該一次部材を貫通して延びる第1の骨ネジ孔140を少なくとも1つ、好ましくは図示のように2つ備えており、これら第1の骨ネジ孔はそれぞれ、対応する骨留め具、即ち骨ネジ50を受けるように構成される。一次部材100に設けられた第1の骨ネジ孔140は、一次部材100の前面上に配置され、インプラントデバイス10が挿入されるときに、患者の外側に向く。骨ネジ孔140は、骨ネジ50が孔140をある角度で通り抜けるように構成される。その結果、第1の骨ネジ孔140を通って延びる各骨ネジは、ある角度で骨体部に入ることができる。第1の骨ネジ孔140はそれぞれ、それぞれの骨ネジ50の一部をそこに貫通させるのに十分な大きさであるが、骨ネジの頭部190など骨ネジの保持部分を貫通させるのに十分な大きさではない。更に、第1の骨ネジ孔140はそれぞれ、座部165を有し、それぞれの骨ネジの保持部分がその上に載る。各座部165は、一般に凹状の半球形を有し、座部165と接触する骨ネジ50の保持部分の表面は、相補的な凸状半球状の構成を有する。したがって、骨ネジ50は、座部165上で自由にピボット運動し得る。一次部材100はまた、骨体部からの少なくとも1つの骨留め具の離脱を減少させるように構成された抑制手段を受けるためのネジ孔170を備えている。
【0030】
二次部材110は、骨ネジを受けるための細長いスロットである第2の骨ネジ孔180を備えている。骨ネジは、第2の骨ネジ孔180内及び第2の骨体部内へと導入される。第2の骨ネジ孔180は、骨ネジをベース部材20に対して相対的に、かつほぼ一次部材100に向かって、スロット(骨ネジ孔180)内で摺動及び回転させることができるように構成される。従って、使用に際しては、ベース部材20が固定される2つの隣接する骨体部がつぶれるかまたは整定して、互いに相手方に向かって変位するにつれて、第2の骨ネジ孔180内に収容された骨ネジが、該骨ネジ孔により構成されるスロット内で摺動して、該骨ねじが内部に伸びている一方の骨体部と共に、一次部材100及び他方の骨体部へと向かう方向に変位する。上記スロットは、骨体部の表面の輪郭形状の高さに対してある角度をなしているので、二次部材110の平面内では該スロットが骨体部の表面の輪郭形状の高さよりも長い長さを有していることに注目すべきである。言い換えると、上記スロットは、ネジに骨体部の表面の輪郭形状の高さに等しい垂直方向運動を生じさせる。
【0031】
少なくとも1つの、好ましくは2つの突起183が、ベース部材20の頂面150から上向きに延びている。突起183は、ベース部材20を骨体部間に挿入するときに、骨体部の表面に接触してストッパ部を構成する。突起183は、インプラントデバイス10を患者の体内に挿入する時に該デバイスを対応する骨体部に対して停止させるために骨体部と接触する基部または棚状部を提供する。図1には示してないが、少なくとも1つの突起183を、一次部材100の底面から延びるように位置決めして設けることもできる。
【0032】
図2に示すように、インプラントデバイス10は、ベース部材20に連結される1以上の骨留め具50の運動を制限するための抑制手段を備えることができる。抑制手段は、骨留め具50が1度ネジ込まれた後に骨体部から抜け出るのを防ぐために、少なくとも1つの骨留め具50の少なくとも一部を確実に覆う何らかの手段であればよい。図示の実施形態では、骨ネジ抑制手段が、抑制プレート60と、孔170内に嵌るように構成されるネジなどの抑制プレート固定手段70とを備えている。したがって、抑制プレート60は、単なるカバープレートとすることができる。抑制プレート60は、チタンもしくはチタン合金、ラジオルーセント材料、放射線不透過性材料、またはこれらの組合せなど、当業界で知られている何らかの適当な材料で製作することもできる。抑制手段は、ベース部材に永久的に固定される必要はなく、取外し可能とすることができる。図示の実施形態では、抑制プレート60が、ベース部材20の凹んだ領域に対応するように構成される。凹んだ領域により、抑制プレート60の適正な位置決めが容易になる。抑制プレート60の厚さは、たとえば約0.5mmから約2mmなど、可能な限り薄くすべきである。抑制プレート60の例示的な代替実施形態及びその実施形態が骨固定具と相互作用する方法は、参照によりその全体を本明細書に組み込む、米国特許出願第11/620,255号において説明及び記載されている。また、抑制手段によってもたらされる1つまたは複数の骨留め具の運動の制限は、沈下時の、1つまたは複数の骨留め具とベースプレートとの間の相対運動の制御(すなわち、相対運動への抵抗、または相対運動への抵抗の変化)を含むことができる。また更に、他の実施形態では、抑制手段によってもたらされるような運動の制限は、(1)骨留め具の離脱防止、及び(2)沈下時の1以上の骨留め具とベースプレートとの間の相対運動の制御の両方を含むと考えることができることを理解されたい。
【0033】
更に、その他いかなる適当な骨ネジ抑制手段も、本発明と共に使用することができることを理解されたい。たとえば、骨ネジ抑制手段は、様々な骨ネジを覆う多数の抑制プレートを備えることができる。また、骨ネジ抑制手段は、少なくとも一部が1以上の骨ネジの少なくとも一部に重なる頭部を有する1以上のネジを備えて、該ネジの頭部が骨ネジの少なくとも一部に重なることにより、骨ネジが抜け出るのを防止するようにすることもできる。
【0034】
本発明の他の実施形態では、一次部材100により形成される周囲が囲まれたチャンバ192が、内部部材194により複数の内部区画に分割される。内部部材は、ラジオルーセントまたは放射線不透過性材料で構成することができる。隣接する骨体、及び周囲が囲まれたチャンバ192の各区画内に収容される融合材料の、放射線写真による評価を高めるために、内部部材は、ラジオルーセント材料で構成されることが好ましい。周囲が囲まれたチャンバ192は、一次部材100により形成されるほぼ平坦な内面を有する。図示の通り、内部部材は、隣接する骨体部とともに制御された沈下をもたらすために、周囲が囲まれたチャンバ192の底面から延びるように設けることができる。図示してないが、内部部材はまた、周囲が囲まれたチャンバ192の頂面から、またはチャンバ192の頂面及び底面の両方から延びるように設けることができる。
【0035】
図3に示すように、中央内部部材194は、チャンバ192の対向する内面の間を延びるように設けることができ、これにより、チャンバ192を2以上の区画に分割して、隣接する2つの骨体部間に配置されるべき融合材料を各区画に保持または収容するようにすることができる。図示のように、図3の内部部材194は、周囲が囲まれたチャンバ192の内面の一部から延び、チャンバ192即ち一次部材100の対向する内面に連結されている。周囲が囲まれたチャンバ192に、部材194などからなる内部部材を加えることにより、インプラントデバイス10に全体的な支持強度を付加することができる。更に内部部材により、融合材料を2つの骨体部間にしっかりと固定することができる。内部部材194が存在することにより得られる利益の一つは、PEEKインプラントが骨の間で過剰な力による衝撃を受けた際に、該PEEKインプラントの破損を防ぐのに役立つということであることが理解されるべきである。
【0036】
隣接する骨体部(たとえば椎骨)間にインプラントデバイス10を挿入する前に、骨ペーストまたは骨片などの融合材料を、周囲が囲まれたチャンバ192内に装填することが可能である。しかしながら、開かれた前面を有するチャンバ部材を、隣接する骨体部間に挿入する方がより容易なことがある。この場合には、チャンバ部材に、融合材料を前面から詰め込み、次いでベース部材20のようなプレートを用いて封止するようにすることができる。ある段階では、周囲が囲まれたチャンバ192への融合材料の詰め込みと、インプラントデバイス10の患者への挿入とを容易にするために、周囲が囲まれたチャンバ192の一部を形成するチャンバ部材196を、一次部材100から取り外すことができるようにしておくことが望ましいことがある。図4は、本発明の他の実施形態において、一次部材100が、開口された領域を取り囲む、即ち融合材料を受けるように構成された周囲が囲まれたチャンバ192を取り囲む取外し可能なチャンバ部材196を備えることができることを示している。一次部材100は、融合材料を受けるための湾曲した開いた弧を形成する第1の脚部120と第2の脚部130とを更に備えることができる。図示のように、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130は、ほぼU字形の形状をなすように設けることができる。チャンバ部材196が有する取外し可能機能により、後で隣接する2つの骨体部間にインプラントされる前に、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130によって形成されるU字形の開かれた領域、及びU字形チャンバ部材196自体に、融合材料を別々に詰め込むことが可能になる。
【0037】
チャンバ部材196は、ラジオルーセント材料または放射線不透過性材料により構成することができる。チャンバ部材196は、融合材料及び隣接する骨体部の放射線写真による評価を潜在的に制限する可能性があるので、チャンバ部材196を、ラジオルーセント材料により構成することが望ましい。図示のように、チャンバ部材196は、U字型を有する。しかしながら、チャンバ部材196は、適宜の形状を有するように構成することができ、隣接する骨体部の形状に一致するように構成することもできる。チャンバ部材196が一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130に連結された場合、周囲が囲まれたチャンバ192は、図示のようにほぼ矩形である。図示してないが、周囲が囲まれたチャンバ192は、チャンバ部材196と、第1の脚部120及び第2の脚部130との構成に応じて、円形またはその他の望ましい形状とすることができる。チャンバ部材196は更に、一次部材100の頂面150及び底面151にそれぞれ対応してそれぞれと整合する頂面及び底面を有している。
【0038】
図4に示すように、チャンバ部材196は、図示の取付孔210内に挿入することができるネジ又はだぼなどの留め具によって、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130と連結することができる。インプラントデバイス10が、周囲が囲まれたチャンバ192を形成するためにチャンバ部材196が一次部材100に締結されて取り付けられるアセンブリ(組立て体)である場合、取付孔210は、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130を貫通して延びるように設けられ、チャンバ部材196内の対応する取付孔210と整合するように設計される。第1の脚部120及び第2の脚部130の取付面197は、チャンバ部材196の取付面197と面一に突き合わされるように、ほぼ平坦である。したがって、第1の脚部120及び第2の脚部130は、チャンバ部材196に締結される際に、取付面197同士が整合され、チャンバ部材196が一次部材100にきつく固定される。
【0039】
周囲が囲まれたチャンバ192は、必要であれば、例えば図5に示したように、複数の内部区画に分割することができることを理解されたい。図5は、内部部材194を有するU字形の取外し可能なチャンバ部材196を示している。内部部材194は、チャンバ部材196の内面から外向きに、取付面197を有するチャンバ部材196の端部と平行な方向に延びる。一次部材100及びチャンバ部材196は、当業界で知られている何らかの適当な構造または簡便な手段によって、互いに連結させることができる。図示のように、内部部材194は、ほぼ平坦な取付面197を有する。内部部材194の取付面197は、一次部材100の表面の一部と整合してそれと面一に突き合わされるように設計される。図示してないが、内部部材194の取付面197に、ネジ切りされた留め具孔を設けることができる。この場合孔170は異なる構成をとることができる。例えば、孔170をクリアランスホールとして、抑制手段が内部部材194の留め具孔内に延びるようにすることができる。この場合、抑制手段をベース部材20に取り付けるために使用される留め具は、内部部材194内に延びて、取外し可能なチャンバ部材196を一次部材100に固定するように設けることができる。図4に示した例と同様に、チャンバ部材196の取付面197並びに第1の脚部120及び第2の脚部130には、両者を互いに締結するために用いる取付孔210を設けることができる。チャンバ部材196を、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130に固定するために、ネジ、だぼ、または同様の留め具を使用することができる。
【0040】
チャンバ部材196は、いくつかの代替方法で、一次部材100に取り付けることができる。たとえば、図6及び図7は、他の実施形態において、チャンバ部材196を一次部材100に固定するために用いることができるペグ及びスロットシステムを示す。チャンバ部材196の取付面197には、一次部材100の第1の脚部120及び第2の脚部130の取付面197に設けられたスロット(図示せず)に対応するペグ199が設けられている。スロットは、ペグ199と同様の形状を有し、ペグ199と同じ寸法を有するので、ペグ199とスロットとは、嵌め合わされるときつく固定される。チャンバ部材196がインプラントデバイス10の一次部材100に確実に取り付けられることを保証する目的で、ペグ199とスロットを互いにしっかりと固定するために、当業界で標準的な接着剤を使用することもできる。
【0041】
ラジオルーセント材料は、放射線不透過性材料が有するような強度をもたないことがあるという欠点に対処するために、インプラントデバイス10に適正な構造的一体性を持たせるための設計上の修正を行うことが必要とされることがある。例えば、図8に示すように、一次部材100及び二次部材110の一部の厚さを、増大させることができる。例えば、骨ネジ孔140及びスロット180並びにこれらを取り囲む部分の厚さを増大させることができる。骨ネジ孔140及び/またはスロット180の厚さを増大させることによって、骨体部内に延びる骨ネジ50と1次及び二次部材との間の境界領域に対する支持が強化される。同様にこれらの位置の厚さを増大させることによって、ネジの長さまたはスロットの厚さが増大する。一次部材100及び二次部材110などインプラントデバイス10の一部を、その他の部分よりも厚く設計するか、または嵩高に設計することによって、骨体部の変位及び骨ネジのトグル動作の応力を緩和し、インプラントデバイス10の曲り、ひび割れ、その他の損傷を引き起こす可能性がある力を緩和することができる。
【0042】
インプラントデバイスは、その他様々な特徴を含むことができることを理解されたい。それらの特徴のいくつかは、参照により本明細書に組み込まれる特許出願において説明されている特徴を含むことができる。特徴のいくつかの例を、図9〜図13に示す。これらの図のうちのいくつかの図は、具体的な詳細を示すために、断面図となっている。これらの図に例示した特徴は、前述のいかなる実施形態にも適用することができる。当然、図示の特徴は、単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0043】
図9を参照すると、前述のように、インターフェース部材30の有効変位高さ(H)が、インターフェース部材の骨体部内への貫入深さに関係している。しかし、高さ(H)はまた、インプラントデバイス10に関連するその他の相対変位とも相互関係を有する可能性がある。例えば、制御された沈下を行わせるために、骨体部内へのインターフェース部材30の貫入を、1つまたは複数の骨ネジのそれぞれの孔140及びスロット180に対するピボット運動及び/またはスライド運動と協調させることができる。図9に示すように、スロットと関係をもつ骨ネジは、変位距離Dを有することができる。スロット180内での相対的なスライド運動に関する一例では、インターフェース部材30が完全に埋め込まれた状態に到達したときに、ネジがスロット180の端部に到達することになる。そのような例では、HがDと等しいか、またはほぼ等しいとみなすことによって、一般的な特徴付けをすることができる。このようにして、ネジの変位が骨体部内へのインターフェース部材の貫入沈下と一致するように、骨留め具がスロット内に配置される。
【0044】
相対的な寸法決めに関する他の例が詳しく示される。この他の例には、インターフェース部材30が完全な埋込み状態に到達する前にネジがスロット180の端部に達するようなネジのスロット内での相対的スライド変位と、インターフェース部材30が完全な埋込み状態に到達した後もネジのスロット180内での変位が許容されるようなスロット内でのネジの相対的なスライド変位とが含まれる。これらの例はそれぞれ、HがDよりも大きいとみなすことにより、及びHがDよりも小さいとみなすことにより、一般的な特徴付けをすることができる。配置及びスライド変位もまた変数となりうる。例えば、それぞれの骨留め具を、細長いスロットの端部に到達するように配置し、スロット内でトグル動作させて、インターフェース部材を骨体部内に更に貫入させることができる。
【0045】
図10は、他の特徴を有する例を示している。詳細に述べると、この例ではインターフェース部材32を頂面上に配置することができる。このようにして、インターフェース部材の位置を、上下逆にすることができる。他の可能な位置の入換えは、孔及びスロットに関係する。詳細に述べると、図11では、孔(図10に示された140)が細長いスロット142(図11)で置き換えられ、細長いスロット(図10の180)が細長くない孔182により置き換えられている。
【0046】
また上記の修正を、様々な構成と組み合わせることができる。例えば、図12に示された例では、スロット142及び180のみが設けられている。言い換えると、すべての孔がスロットに変更されている。他の実施例として、インターフェース部材30、32が底部及び頂部の双方の上に配置された例が図13に示されている。図13はまた、スロット142及び180のみを用いていることを示している。インターフェース部材30、32とスロット142、180とをこのように組合せることにより、多くのタイプの沈下制御を行わせることができることを理解されたい。インターフェース部材の貫入及びスロットに沿った運動は、様々な沈下プロファイルをもたらすように構成することができ、様々な異なる方法において使用することができる。例えば、沈下は、多少なりとも、力及び時間を必要とすることがある。また、沈下は、それぞれ異なるプロファイルを有する、種々の異なるセグメントを有することができる。
【0047】
また、沈下プロファイルに影響を及ぼす可能性がある他の態様では、インターフェース部材30、32の高さ、適宜の高さとするか、または適宜の高さの組合せとすることもできる。複数のインターフェース部材30、32が、ベース部材の表面から延びている場合、各インターフェース部材を、他のインターフェース部材と等しい高さにしたり、他のインターフェース部材よりも実質的に高くしたり低くしたりすることができる。図11は、所望される沈下抵抗の大きさに応じて実質的に異なる高さを有するインターフェース部材32を示している。また頂部上及び底部上のインターフェース部材を比較するとき、いかなる相対的な寸法も可能である。たとえば、頂面から延びるインターフェース部材の高さは、底面から延びるインターフェース部材の高さより高くすることも、ほぼ同じにすることも、またより低くすることもできる。
【0048】
更に、制御された沈下を行わせる際に、複数の留め具のうちの1つ、複数の留め具のうちのいくつかの留め具、またはすべての留め具とベース部材との間に、相対的な摺動が生じないすることが検討される。これは、スロットなしで孔のみを使用することにより実現することができる。代替例では、骨ネジを、スロットに沿った運動に対して動かないように保持するようにすることができる。このようにした場合には、1以上の骨ネジにピボット運動が生じることがある。
【0049】
椎骨の前方区域内の隣接する頸椎を支持するための、本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明の骨プレートを、椎体領域内の、隣接する頸部、胸部、及び腰部を支持するために使用することができることは、当業者であれば理解できるであろう。更に、本発明のデバイス及び方法は、椎体に限定されるものではなく、身体の別の部位の2つの骨片を接合するために使用することもできる。
【0050】
本発明の実施形態及び応用例を図示し、説明したが、本明細書の発明の概念から逸脱することなく更に多くの修正が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神以外には制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は周囲が囲まれたチャンバを有するベース部材を備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスの斜め前方斜視図である。
【図2】図2は本発明の一態様によるインプラントデバイスの側面図である。
【図3】図3は周囲が取り囲まれたマルチコンパートメント形のチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図4】図4は周囲が取り囲まれた非組立て位置にあるチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図5】図5は非組立て状態にある横方向に取り囲みが可能なマルチコンパートメント形チャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図6】図6は非組立て状態にある横方向に取り囲みが可能なチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図7】図7は非組立て状態にある横方向に取り囲みが可能なマルチコンパートメント形チャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の斜め前方斜視図である。
【図8】図8は周囲が囲まれたチャンバを備えた本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の前方斜視図である。
【図9】図9は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材の前方斜視図である。
【図10】図10は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【図11】図11は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【図12】図12は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【図13】図13は上記の実施形態に対して加えることが可能な修正を示す本発明の一態様によるインプラントデバイスのベース部材を一部断面して示した後部斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
融合材料を受けるための周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材、及び前記一次部材に対してある角度をなして延びる二次部材を有し、2以上の骨体部と相互作用するように構成されたベース部材と、
前記ベース部材の少なくとも1つの表面から延び、少なくとも1つの骨体部内へのインプラントデバイスの制御された沈下をもたらすように構成された複数のインターフェース部材と、
前記ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具とを備えたインプラントデバイス。
【請求項2】
前記ベース部材の一部が、ラジオルーセント材料を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ベース部材の一部は、放射線不透過性材料を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記一次部材は、該一次部材を貫通する骨留め具を受けるように構成された少なくとも1つの孔を有し、前記二次部材は、該二次部材を貫通する骨留め具を受けるように構成された少なくとも1つの孔を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ベース部材に設けられた孔を通して延びる少なくとも1つの骨留め具の運動を制限するための抑制手段を更に備えている請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記一次部材は、取外し可能なチャンバ部材を備え、前記取外し可能なチャンバ部材が、前記融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバの一部を構成する請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記取外し可能なチャンバ部材は、ラジオルーセント材料を含む請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記一次部材は、第1の脚部及び第2の脚部を更に備え、前記第1及び第2の脚部は、前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材に取り付けられていないときに、融合材料を受けるための湾曲した開放領域を形成する請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材の前記第1の脚部及び前記第2の脚部に連結された際に前記融合部材を受けるための周囲が囲まれたチャンバが形成される請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記取外し可能なチャンバ部材は、前記チャンバ部材の内面から延びる少なくとも1つの内部部材を更に備え、前記少なくとも1つの内部部材は、前記融合部材を受けるための周囲が囲まれたチャンバを少なくとも2つの内部区画に分割するように構成されている請求項6に記載のデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの内部部材が、ラジオルーセント材料を含む請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバは、少なくとも2つの内部区画を備えている請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記周囲が囲まれたチャンバは、前記内面の一部から延びる内部部材を有するほぼ平坦な内面を備え、前記内部部材は、前記周囲が囲まれたチャンバが2つの内部区画に分割されるように、前記周囲が囲まれたチャンバの前記内面の対向部分に連結されている請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記孔の少なくとも1つは、前記制御された沈下が行なわれる間の、前記スロットに沿ったそれぞれの骨留め具の相対的な変位を可能にするように構成された細長いスロットである請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数のインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれる間に前記骨体部内に貫入する寸法延長部を有し、それぞれの骨留め具は、前記ネジの変位が前記骨体部内への前記複数のインターフェース部材の貫入沈下に一致するように前記スロット内に配置されている請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記孔の少なくとも1つは細長いスロットであり、前記複数のインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれる間に前記骨体部内に貫入する長さ寸法を有し、前記スロットは、前記制御された沈下が行なわれる間にそれぞれの骨留め具がそれに沿って運動する長さ寸法を有している請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記複数のインターフェース部材の前記寸法延長部が前記骨体部内への貫入を完了するときにそれぞれの骨ネジが前記スロットの端部に到達するように、前記複数のインターフェース部材の前記寸法延長部の寸法が前記スロットの前記長さ寸法に合わせられている請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記制御された沈下が行なわれる間に、少なくとも1つの留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じる請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記制御された沈下が行なわれる間に、少なくとも1つの留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じない請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記制御された沈下が行なわれる間に、前記複数の留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じない請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記制御された沈下は、少なくとも1つのインターフェース部材の前記骨体部内への貫入寸法と関係していて、少なくとも1つの骨留め具は、前記ベース部材に対してある変位量を有し、前記少なくとも1つの骨留め具のベース部材に対する変位量は、零変位量を含み、前記貫入寸法に等しい変位量は含まない範囲にある請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
少なくとも1つのインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれている間のある時点で前記骨体部内へ完全に貫入される寸法を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つのインターフェース部材は、前記制御された沈下の完了時に前記骨体部内に完全に貫入される請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記制御された沈下が行なわれる間に少なくとも1つの骨留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じ、前記相対的スライド運動は、前記制御された沈下が行なわれている間のある時点で抑止される請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記相対的スライド運動は、前記制御された沈下の完了時に抑止される請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記複数のインターフェース部材は、前記一次部材の頂面及び底面から延びている請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記一次部材の前記頂面から延びる前記インターフェース部材の高さは、前記一次部材の前記底面から延びる前記インターフェース部材とほぼ同じ高さである請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記複数のインターフェース部材は、前記一次部材の頂面から延びている請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記複数のインターフェース部材は、前記一次部材の前記底面から延びている請求項1に記載のデバイス。
【請求項30】
前記孔の少なくとも1つは、少なくとも1つのインターフェース部材の高さよりも大きい長さを有する細長いスロットである請求項1に記載のデバイス。
【請求項31】
前記細長いスロットの前記長さは、いかなる単一のインターフェース部材の高さよりも大きい請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記孔の少なくとも1つは、いかなる単一インターフェース部材の高さよりも小さい長さを有する細長いスロットである請求項1に記載のデバイス。
【請求項33】
前記孔の少なくとも1つは細長いスロットであり、前記制御された沈下が行なわれる間に、少なくとも1つのインターフェース部材がほぼ完全に貫入する前に、それぞれの骨留め具が前記細長いスロットの前記端部のところに達する請求項1に記載のデバイス。
【請求項34】
前記孔の少なくとも1つは細長いスロットであり、それぞれの骨留め具は、前記細長いスロットの端部に到達し、前記インターフェース部材が前記骨体部内に更に入り込んでいくことが可能になるように前記スロット内でトグル動作を行う請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
前記ベース部材内の少なくとも1つの孔は、ほぼ凹状の半球形座部を有し、前記孔を通り抜ける前記骨留め具が前記座部上でピボット運動しトグル動作することを可能にする請求項1に記載のデバイス。
【請求項36】
インプラントデバイスであって、
頂面及び底面を有し、融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバを有するベース部材と、
前記ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具と、
少なくとも1つの骨留め具の運動を制限するための抑制手段と、
前記周囲が囲まれたチャンバの表面から延びる少なくとも1つのインターフェース部材とを備え、
前記インターフェース部材は、骨体部内へのインプラントデバイスの制御された沈下をもたらすように構成されているインプラントデバイス。
【請求項37】
前記周囲が囲まれたチャンバの前記表面から延びる複数のインターフェース部材を備えている請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記インターフェース部材は、前記周囲が囲まれたチャンバの前記底面から延びている請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記インターフェース部材は、前記周囲が囲まれたチャンバの前記底面から延びている請求項37に記載のデバイス。
【請求項40】
前記インターフェース部材は、前記周囲が囲まれたチャンバの前記底面及び前記頂面から延びている請求項37に記載のデバイス。
【請求項41】
前記孔の少なくとも1つは、前記制御された沈下が行なわれる間の前記スロットに沿ったそれぞれの骨留め具の相対変位を可能にするように構成された細長いスロットであり、前記複数のインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれる間に前記骨体部内に貫入する寸法延長部を有し、それぞれの骨留め具は、前記ネジの変位が前記骨体部内への前記複数のインターフェース部材の貫入沈下と一致するように前記スロット内に配置される請求項37に記載のデバイス。
【請求項42】
前記制御された沈下は、少なくとも1つのインターフェース部材が前記骨体部内へと貫入する寸法に関係し、少なくとも1つの骨留め具は、前記ベース部材に対してある変位量を有し、前記少なくとも1つの骨留め具のベース部材に対する変位量は、零変位量を含み、前記貫入寸法に等しい変位量は含まない範囲にある請求項37に記載のデバイス。
【請求項43】
前記周囲が囲まれたチャンバは、前記チャンバを少なくとも2つの内部区画へと分割するように構成された少なくとも1つの内部部材を備えている請求項36に記載のデバイス。
【請求項44】
前記ベース部材の一部が、ラジオルーセント材料を含む請求項36に記載のデバイス。
【請求項45】
前記ベース部材の一部が、放射線不透過性材料を含む請求項36に記載のデバイス。
【請求項46】
第1及び第2の隣接する骨体部と相互作用するように構成されたベース部材と、
前記第1及び第2の骨体部の互いに相手方に向かう方向への動きを伴う制御された沈下を行なわせる手段とを備え、
前記ベース部材は、融合材料を受けるために周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材を備え、
前記骨チャンバは、前記第1及び第2の骨体部間での前記融合材料を通した力の伝達を可能にするために、前記第1及び第2の骨体部を前記融合材料に係合させるように構成されているインプラントデバイス。
【請求項47】
前記制御された沈下を行なわせる手段は、前記ベース部材の少なくとも1つの表面から延びる複数のインターフェース部材を含み、前記インターフェース部材は、少なくとも1つの骨体部内への前記インプラントデバイスの制御された沈下をもたらすように構成されている請求項46に記載のデバイス。
【請求項48】
前記ベース部材の一部は、ラジオルーセント材料を含む請求項46に記載のデバイス。
【請求項49】
前記ベース部材の一部は、放射線不透過性材料を含む請求項46に記載のデバイス。
【請求項50】
前記一次部材は取外し可能なチャンバ部材を備え、前記取外し可能なチャンバ部材は、前記融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバの一部を形成する請求項46に記載のデバイス。
【請求項51】
前記取外し可能なチャンバ部材は、ラジオルーセント材料を含む請求項50に記載のデバイス。
【請求項52】
前記一次部材は、前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材に取り付けられていないときに、融合材料を受けるための湾曲した開放領域を形成する第1の脚部及び第2の脚部を更に備えている請求項50に記載のデバイス。
【請求項53】
融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバは、前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材の前記第1の脚部及び前記第2の脚部に連結される際に形成される請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記取外し可能なチャンバ部材は、前記チャンバ部材の内面から延びる少なくとも1つの内部部材を更に備え、前記少なくとも1つの内部部材は、融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバを少なくとも2つの内部区画に分割するように構成される請求項50に記載のデバイス。
【請求項55】
融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバは、少なくとも2つの内部区画を備えている請求項46に記載のデバイス。
【請求項56】
前記周囲が囲まれたチャンバは、前記内面の一部から延びる内部部材を有するほぼ平坦な内面を備え、前記内部部材は、前記周囲が囲まれたチャンバが2つの内部区画に分割されるように、前記周囲が囲まれたチャンバの前記内面の対向部分に連結されている請求項46に記載のデバイス。
【請求項57】
前記ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具と、少なくとも1つの骨留め具の運動を制御するための抑制手段とを更に備えている請求項46に記載のデバイス。
【請求項58】
前記抑制手段は、前記骨留め具が抜け出るのを防止するために少なくとも1つの骨留め具の一部を覆って延びるカバーを有している請求項57に記載のデバイス。
【請求項1】
融合材料を受けるための周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材、及び前記一次部材に対してある角度をなして延びる二次部材を有し、2以上の骨体部と相互作用するように構成されたベース部材と、
前記ベース部材の少なくとも1つの表面から延び、少なくとも1つの骨体部内へのインプラントデバイスの制御された沈下をもたらすように構成された複数のインターフェース部材と、
前記ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具とを備えたインプラントデバイス。
【請求項2】
前記ベース部材の一部が、ラジオルーセント材料を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ベース部材の一部は、放射線不透過性材料を含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記一次部材は、該一次部材を貫通する骨留め具を受けるように構成された少なくとも1つの孔を有し、前記二次部材は、該二次部材を貫通する骨留め具を受けるように構成された少なくとも1つの孔を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記ベース部材に設けられた孔を通して延びる少なくとも1つの骨留め具の運動を制限するための抑制手段を更に備えている請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記一次部材は、取外し可能なチャンバ部材を備え、前記取外し可能なチャンバ部材が、前記融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバの一部を構成する請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記取外し可能なチャンバ部材は、ラジオルーセント材料を含む請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記一次部材は、第1の脚部及び第2の脚部を更に備え、前記第1及び第2の脚部は、前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材に取り付けられていないときに、融合材料を受けるための湾曲した開放領域を形成する請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材の前記第1の脚部及び前記第2の脚部に連結された際に前記融合部材を受けるための周囲が囲まれたチャンバが形成される請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記取外し可能なチャンバ部材は、前記チャンバ部材の内面から延びる少なくとも1つの内部部材を更に備え、前記少なくとも1つの内部部材は、前記融合部材を受けるための周囲が囲まれたチャンバを少なくとも2つの内部区画に分割するように構成されている請求項6に記載のデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つの内部部材が、ラジオルーセント材料を含む請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバは、少なくとも2つの内部区画を備えている請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記周囲が囲まれたチャンバは、前記内面の一部から延びる内部部材を有するほぼ平坦な内面を備え、前記内部部材は、前記周囲が囲まれたチャンバが2つの内部区画に分割されるように、前記周囲が囲まれたチャンバの前記内面の対向部分に連結されている請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記孔の少なくとも1つは、前記制御された沈下が行なわれる間の、前記スロットに沿ったそれぞれの骨留め具の相対的な変位を可能にするように構成された細長いスロットである請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記複数のインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれる間に前記骨体部内に貫入する寸法延長部を有し、それぞれの骨留め具は、前記ネジの変位が前記骨体部内への前記複数のインターフェース部材の貫入沈下に一致するように前記スロット内に配置されている請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記孔の少なくとも1つは細長いスロットであり、前記複数のインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれる間に前記骨体部内に貫入する長さ寸法を有し、前記スロットは、前記制御された沈下が行なわれる間にそれぞれの骨留め具がそれに沿って運動する長さ寸法を有している請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記複数のインターフェース部材の前記寸法延長部が前記骨体部内への貫入を完了するときにそれぞれの骨ネジが前記スロットの端部に到達するように、前記複数のインターフェース部材の前記寸法延長部の寸法が前記スロットの前記長さ寸法に合わせられている請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記制御された沈下が行なわれる間に、少なくとも1つの留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じる請求項1に記載のデバイス。
【請求項19】
前記制御された沈下が行なわれる間に、少なくとも1つの留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じない請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記制御された沈下が行なわれる間に、前記複数の留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じない請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記制御された沈下は、少なくとも1つのインターフェース部材の前記骨体部内への貫入寸法と関係していて、少なくとも1つの骨留め具は、前記ベース部材に対してある変位量を有し、前記少なくとも1つの骨留め具のベース部材に対する変位量は、零変位量を含み、前記貫入寸法に等しい変位量は含まない範囲にある請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
少なくとも1つのインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれている間のある時点で前記骨体部内へ完全に貫入される寸法を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つのインターフェース部材は、前記制御された沈下の完了時に前記骨体部内に完全に貫入される請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記制御された沈下が行なわれる間に少なくとも1つの骨留め具と前記ベース部材との間で相対的スライド運動が生じ、前記相対的スライド運動は、前記制御された沈下が行なわれている間のある時点で抑止される請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記相対的スライド運動は、前記制御された沈下の完了時に抑止される請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記複数のインターフェース部材は、前記一次部材の頂面及び底面から延びている請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記一次部材の前記頂面から延びる前記インターフェース部材の高さは、前記一次部材の前記底面から延びる前記インターフェース部材とほぼ同じ高さである請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記複数のインターフェース部材は、前記一次部材の頂面から延びている請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記複数のインターフェース部材は、前記一次部材の前記底面から延びている請求項1に記載のデバイス。
【請求項30】
前記孔の少なくとも1つは、少なくとも1つのインターフェース部材の高さよりも大きい長さを有する細長いスロットである請求項1に記載のデバイス。
【請求項31】
前記細長いスロットの前記長さは、いかなる単一のインターフェース部材の高さよりも大きい請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記孔の少なくとも1つは、いかなる単一インターフェース部材の高さよりも小さい長さを有する細長いスロットである請求項1に記載のデバイス。
【請求項33】
前記孔の少なくとも1つは細長いスロットであり、前記制御された沈下が行なわれる間に、少なくとも1つのインターフェース部材がほぼ完全に貫入する前に、それぞれの骨留め具が前記細長いスロットの前記端部のところに達する請求項1に記載のデバイス。
【請求項34】
前記孔の少なくとも1つは細長いスロットであり、それぞれの骨留め具は、前記細長いスロットの端部に到達し、前記インターフェース部材が前記骨体部内に更に入り込んでいくことが可能になるように前記スロット内でトグル動作を行う請求項1に記載のデバイス。
【請求項35】
前記ベース部材内の少なくとも1つの孔は、ほぼ凹状の半球形座部を有し、前記孔を通り抜ける前記骨留め具が前記座部上でピボット運動しトグル動作することを可能にする請求項1に記載のデバイス。
【請求項36】
インプラントデバイスであって、
頂面及び底面を有し、融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバを有するベース部材と、
前記ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具と、
少なくとも1つの骨留め具の運動を制限するための抑制手段と、
前記周囲が囲まれたチャンバの表面から延びる少なくとも1つのインターフェース部材とを備え、
前記インターフェース部材は、骨体部内へのインプラントデバイスの制御された沈下をもたらすように構成されているインプラントデバイス。
【請求項37】
前記周囲が囲まれたチャンバの前記表面から延びる複数のインターフェース部材を備えている請求項36に記載のデバイス。
【請求項38】
前記インターフェース部材は、前記周囲が囲まれたチャンバの前記底面から延びている請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記インターフェース部材は、前記周囲が囲まれたチャンバの前記底面から延びている請求項37に記載のデバイス。
【請求項40】
前記インターフェース部材は、前記周囲が囲まれたチャンバの前記底面及び前記頂面から延びている請求項37に記載のデバイス。
【請求項41】
前記孔の少なくとも1つは、前記制御された沈下が行なわれる間の前記スロットに沿ったそれぞれの骨留め具の相対変位を可能にするように構成された細長いスロットであり、前記複数のインターフェース部材は、前記制御された沈下が行なわれる間に前記骨体部内に貫入する寸法延長部を有し、それぞれの骨留め具は、前記ネジの変位が前記骨体部内への前記複数のインターフェース部材の貫入沈下と一致するように前記スロット内に配置される請求項37に記載のデバイス。
【請求項42】
前記制御された沈下は、少なくとも1つのインターフェース部材が前記骨体部内へと貫入する寸法に関係し、少なくとも1つの骨留め具は、前記ベース部材に対してある変位量を有し、前記少なくとも1つの骨留め具のベース部材に対する変位量は、零変位量を含み、前記貫入寸法に等しい変位量は含まない範囲にある請求項37に記載のデバイス。
【請求項43】
前記周囲が囲まれたチャンバは、前記チャンバを少なくとも2つの内部区画へと分割するように構成された少なくとも1つの内部部材を備えている請求項36に記載のデバイス。
【請求項44】
前記ベース部材の一部が、ラジオルーセント材料を含む請求項36に記載のデバイス。
【請求項45】
前記ベース部材の一部が、放射線不透過性材料を含む請求項36に記載のデバイス。
【請求項46】
第1及び第2の隣接する骨体部と相互作用するように構成されたベース部材と、
前記第1及び第2の骨体部の互いに相手方に向かう方向への動きを伴う制御された沈下を行なわせる手段とを備え、
前記ベース部材は、融合材料を受けるために周囲が囲まれた骨チャンバを形成する一次部材を備え、
前記骨チャンバは、前記第1及び第2の骨体部間での前記融合材料を通した力の伝達を可能にするために、前記第1及び第2の骨体部を前記融合材料に係合させるように構成されているインプラントデバイス。
【請求項47】
前記制御された沈下を行なわせる手段は、前記ベース部材の少なくとも1つの表面から延びる複数のインターフェース部材を含み、前記インターフェース部材は、少なくとも1つの骨体部内への前記インプラントデバイスの制御された沈下をもたらすように構成されている請求項46に記載のデバイス。
【請求項48】
前記ベース部材の一部は、ラジオルーセント材料を含む請求項46に記載のデバイス。
【請求項49】
前記ベース部材の一部は、放射線不透過性材料を含む請求項46に記載のデバイス。
【請求項50】
前記一次部材は取外し可能なチャンバ部材を備え、前記取外し可能なチャンバ部材は、前記融合材料を受けるための周囲が囲まれたチャンバの一部を形成する請求項46に記載のデバイス。
【請求項51】
前記取外し可能なチャンバ部材は、ラジオルーセント材料を含む請求項50に記載のデバイス。
【請求項52】
前記一次部材は、前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材に取り付けられていないときに、融合材料を受けるための湾曲した開放領域を形成する第1の脚部及び第2の脚部を更に備えている請求項50に記載のデバイス。
【請求項53】
融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバは、前記取外し可能なチャンバ部材が前記一次部材の前記第1の脚部及び前記第2の脚部に連結される際に形成される請求項52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記取外し可能なチャンバ部材は、前記チャンバ部材の内面から延びる少なくとも1つの内部部材を更に備え、前記少なくとも1つの内部部材は、融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバを少なくとも2つの内部区画に分割するように構成される請求項50に記載のデバイス。
【請求項55】
融合部材を受けるための前記周囲が囲まれたチャンバは、少なくとも2つの内部区画を備えている請求項46に記載のデバイス。
【請求項56】
前記周囲が囲まれたチャンバは、前記内面の一部から延びる内部部材を有するほぼ平坦な内面を備え、前記内部部材は、前記周囲が囲まれたチャンバが2つの内部区画に分割されるように、前記周囲が囲まれたチャンバの前記内面の対向部分に連結されている請求項46に記載のデバイス。
【請求項57】
前記ベース部材内に設けられた孔を通して延びる複数の骨留め具と、少なくとも1つの骨留め具の運動を制御するための抑制手段とを更に備えている請求項46に記載のデバイス。
【請求項58】
前記抑制手段は、前記骨留め具が抜け出るのを防止するために少なくとも1つの骨留め具の一部を覆って延びるカバーを有している請求項57に記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−283992(P2008−283992A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−111229(P2007−111229)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(505389248)アールエスビー スパイン, エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−111229(P2007−111229)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(505389248)アールエスビー スパイン, エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】
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