説明

脱イオンおよび電気化学的浄化用の関連構成要素および装置および電極の再生方法

電気化学的浄化装置の電気システムが提供される。該システムは、当該電極を貫通通過する流体を脱イオンする複数の電極と、上記各電極に対して接続された電源であって、所定電流、所定電圧、または、所定範囲内の電力を維持し乍ら上記各電極に対して電力を供給するという電源と、上記電源に対して接続されて該電源を制御するプログラマブルロジックコントローラと、上記プログラマブルロジックコントローラに対し接続され、上記システムに関するデータを該プログラマブルロジックコントローラに供給する監視デバイスとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年11月2日に出願された米国特許出願第60/624,268号の特典を主張すると共に、前記出願全体を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
流体を脱イオンして浄化する装置の例は、2つの異なる種類の非犠牲電極から形成された複数の脱イオンセルを収容するタンクを有する。一方の種類は、炭素系の不活性炭素マトリクス(ICM)から形成される。この種類の電極は励起されたとき、水溶液からイオンを抽出し、該イオンを電極自身上に保持する。他の種類は、イオンを抽出せず又はイオンを殆ど保持しないことから、非吸収型(非ICM電極)として分類される。第2の種類の電極は典型的には、炭素布、グラファイト、チタン、白金、および、水溶液中の電界において劣化しない他の導電性材料から形成される。
【0003】
隣り合う一対の電極間には、電源の一方側を一方の電極に対し且つ他方側を隣り合う電極に対して接続することにより電圧電位が確立される。種々の陰イオンおよび陽イオン、電気双極子、および/または、イオン化された懸濁粒子を含む流体は、一連の電極に対して委ねられる。ICM電極は逆の電荷の粒子またはイオンを吸引することで、それらを流体から除去する。
【0004】
流体を脱イオンすべく、容量型脱イオンシステムに対する電気回路はトラン特許(特許文献1)において提供されている。この電気システムは電圧がプログラム可能であるDC電源を配備すると共に、該電気システムは、上記電源の正端子および負端子に対して並列接続された抵抗負荷およびスイッチであって各電極を含む電気化学的セルを放電もしくは再生する抵抗負荷およびスイッチを有する。
【特許文献1】米国特許第6,309,532号
【特許文献2】米国特許第5,977,015号
【特許文献3】2004年9月3日付け米国特許出願第60/607,028号
【特許文献4】米国特許第5,925,230号
【特許文献5】米国特許第6,090,259号
【特許文献6】2005年9月2日付けPCT特許出願PCT/US05/31362号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作動時において上記スイッチは、各電極を備えた上記セルが脱イオンのために使用されるときには開成される。上記流体から電解質を上記セル内の各電極に対して吸引することにより、浄化が行われる。再生プロセスを開始するために、上記電源は遮断され且つ上記スイッチは閉成されることで、放電電流に対する経路が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、種々のイオン性または極性の不純物を含む流体を脱イオンして浄化する電気化学的浄化システム(または装置)に関する。本発明の一実施例において上記システムは、当該電極を貫通通過し、近傍通過し、または、当該電極間に静止している流体を脱イオンする複数の電極を含む。上記電極に対しては電源が接続され、所定電流、所定電圧、または、所定範囲内の電力を維持し乍ら上記電極に対して電力を提供する。上記システムは、上記電源に対して接続されて該電源を制御するプログラマブルロジックコントローラと、上記プログラマブルロジックコントローラに対し接続され、上記システムに関するデータを該プログラマブルロジックコントローラに供給する監視デバイスとを更に含む。上記電源はまた、上記システム内に存在し得る一切のソレノイド、バルブ、ポンプなどにも接続されてこれらの構成要素を制御する。
【0007】
第1実施例において上記システムは、遠隔的な監視および操作を許容する通信インタフェースを含み得る。たとえば、上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続されたディジタル通信インタフェースは、上記プログラマブルロジックコントローラに対して外部アクセスすることで、該プログラマブルロジックコントローラに含まれたデータを抽出し且つ上記プログラマブルロジックコントローラを遠隔的に再プログラムすることを許容する。遠隔的な操作および監視によれば、操作者は浄化操作および流出液純度を認証し乍ら、ユーザと操作者との間の分離が許容される。
【0008】
第2実施例において上記システムは、安全性およびセキュリティに関する自動的な監視および応答を提供する。たとえば、監視デバイスは、上記電気化学的システムにおける所定領域が、処理されるべき溶液により阻害されたか否かを決定するために湿気(漏出)センサを含み得る。流体/湿気が見出されるべきでない箇所に配置された漏出センサを介して上記プログラマブルロジックコントローラにより一定の所定レベルの漏出が検出されたなら、上記プログラマブルロジックコントローラは、上記システムを作動停止し、特に流体入力を遮断することにより上記システムを保護し得る。認証手順が確実かつ真正である様に上記システムの安全性および完全性を維持するために、該システムは、該システムの無権限の移動、システム包囲体の破壊、または、システム・モニタに対する不正操作の如き一切のセキュリティ侵害を上記システムが検知したときに該システムを作動不能とする緊急停止回路を含み得る。好適実施例において上記安全性モニタおよびセキュリティ・モニタは、適時の保守発呼、修理、または、他の改善的動作を確実とすべく外部制御器に対して通知を行う。
【0009】
第3実施例において上記プログラマブルロジックコントローラは、ひとつの電源に対し、該電源に対応する一組の電極に対してひとつのレベルの電圧を提供することを指示し、且つ、少なくともひとつの別の電源に対し、該電源に対応する組の電極に対して異なるレベルの電圧を提供することを指示し得る。上記システムにおける種々の電極間における電圧を変更すると、全体的な有効性が高められると共に、変化する入力溶液条件下で効率的な動作が許容される。
【0010】
第4実施例において上記システムは、(1)再生サイクルを自動的に開始する時点を決定するモニタ・システム;(2)各電極における電圧反転、各電極の短絡、または、反転および短絡の組み合わせを含み得る電気的再生段階;(3)再生廃棄物の除去プロセス;および、(4)濯ぎプロセス;の内のひとつ以上を含む再生プロトコルを含む。特定例において再生は、各電極の極性を反転して各電極から不純物を取出してから、上記電流制御器を介して各電極を短絡させることで、逆極性の電極に対する上記不純物の付着を阻止することで進展する。
【0011】
上記システムは、上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続された流れ制御器であって、上記各電極に対する流体および各電極からの流体のアクセスを夫々制御する取入口デバイスおよび吐出口デバイスを制御する流れ制御器;および、上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続され、当該システム内における電流を制御する電流制御器;のひとつ以上を更に含み得る。
【0012】
上記システムの上記監視デバイスはたとえば、上記電源と上記各電極との間に接続された電流モニタもしくは電圧モニタであって上記電源から各電極に対して供給される電流を監視する電流モニタまたは電圧モニタを含み得る。上記各電極はそれら自体、該電極を貫通通過する流体から抽出されたイオンにより該電極がどれだけ装荷されたかを監視する電圧、抵抗率または導電率のセンサとして作用し得る。一例において、各電極に対して流れる電流(電圧)が一定の所定スレッショルド・レベルを超えたこと、または所定範囲内に入ったことを上記電流(もしくは電圧)モニタが検出したなら、上記プログラマブルロジックコントローラは上記電極を再生する電極再生プロセスを実行し得る。
【0013】
上記監視デバイスは更に、上記電気化学的浄化装置に進入し且つ/又は該装置を離脱する流体の導電率を測定する一個以上の導電率モニタであって上記各電極に入り、貫通して離脱する流体の導電率を監視する一個以上の導電率モニタを含み得る。導電率モニタによれば、溶液の汚染の程度、および、浄化の程度、ならびに、上記システムにおける電極の動作に関するひとつの尺度が提供される。
【0014】
上記装置内には、流体のpHを測定する一個以上のpHモニタ、および、化学的不純物を検知する一個以上の化学センサが更に含まれ得る。これらのモニタは、上述された如き導電率モニタと同一の理由により、上記システムの取入口、吐出口および/または内側に配置され得る。
【0015】
上記監視デバイスは更に、上記各電極を収容するタンクに進入する流体の流速を測定する取入口流体モニタ、および、上記各電極を収容する上記タンクを退出する流体の流速を測定する吐出口流体モニタを含み得る。
【0016】
上記監視デバイスは更に、上記各電極を収容するタンク内の流体レベルを検出する流体レベルセンサ、上記電気化学的浄化システムの外部のタンクの流体レベルを検知する外部流体レベルセンサ、および、上記電気化学的浄化システムの外部の上記タンク内の流体の化学的不純物を検知する化学センサを含み得る。
【0017】
上記監視デバイスは更に、たとえば上記電気化学的浄化システムの不都合な動作または無権限の内部照射を検出する動作センサもしくは光センサを、不正操作防止デバイスの一部として含み得る。もし上記プログラマブルロジックコントローラによりスレッショルド・レベルの動作または光が検出されたなら、上記緊急停止回路は上記システムの動作を不能とし得る。
【0018】
上記監視デバイスは更に、上記電気化学的浄化システム内の指定箇所における流体の流れを検出する流量センサ、または、流量センサの配列を含み得る。もし上記プログラマブルロジックコントローラにより上記指定箇所にて上記流量センサからスレッショルド・レベルの流体流が検出されたなら、該プログラマブルロジックコントローラは上記取入口デバイスに対し、流体流を減少もしくは増加することを指示し得る。上記制御器はまた、上記流量センサまたは他のセンサからの入力時に、上記装置内の流れを方向変換もし得る。
【0019】
上記監視デバイスは更に、上記各電極を収容するタンク内の流通流体の背圧を監視する流量損失モニタを含み得る。もし背圧がスレッショルド値を超過したなら、上記プログラマブルロジックコントローラは、上記各電極の再生が必要であることを意味する警告を送信するか、または、状況を緩和する他の対策を取る。
【0020】
上記プログラマブルロジックコントローラは更に、空気ポンプ、再循環ポンプ、排出バルブ、濯ぎ用ソレノイド、および、警告/安全デバイスを制御することで、一切の異常状態をユーザに対して喚起し得る。上記制御器は、キー・パッド、表示デバイス、および/または、他の任意の入力/出力デバイスに対して接続され得る。
【0021】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面と組み合わせて以下の詳細な説明を読破すれば明らかであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の電気化学的浄化システムは先行技術のシステムと比較して、以下の特徴の内のひとつ以上の特徴を含む多数の利点を提供する:(1)遠隔的な操作および監視;(2)安全性およびセキュリティの事象に関する遠隔通知による自動的な安全性およびセキュリティの制御;(3)複数の電源を用いることによる、個々の電極の極性および電圧の多重的な独立制御;および、(4)自動化された再生プロトコル。好適な見地において、これらの技術的特徴のひとつのまたは種々の組み合わせによれば、貫通通過、近傍通過、または、組み合わされた流体流路のいずれかで動作する多孔質の吸収性電極を用いてシステムが操作される。特に上記システムは、両者ともに言及したことにより全体が本明細書中に援用されている特許文献2に記述された電極ならびに特許文献3に記述された電極のような電極を以て作動する。
【0023】
「流体」という語句は、本発明のシステムにおいて処理される水性もしくは極性の溶液を指している。概略的に流体は水性である、と言うのも、水処理は工業的かつ環境的に重要な問題だからである。但し本記述から明らかとなる様に本発明は、イオンを含む極性で非水性の液体、または、極性材料の処理を許容する。
【0024】
「材料」という語句は、概略的に、流体内の物質であって電極により除去され得る物質を指している。斯かる材料としては、イオン、イオン化可能な化合物、極性のもしくは分極可能な化合物、および、微生物が挙げられる。
【0025】
図1は、本発明の実施例に係る電気化学的浄化装置の電気システム10を示している。電気システム10は、該システム10の種々の電子的構成要素を中央制御し且つ該構成要素からステータス情報を受信するプログラマブルロジックコントローラ100を含む。システム10は更に、単一もしくは一連の電源110、所定個数のモニタおよびセンサ120、流れ制御器(フローコントローラー)130および電流制御器(カレントコントローラー)140を含み、それらの全てはプログラマブルロジックコントローラ100により制御され得る。
【0026】
電気化学的浄化装置の例は、言及したことにより本明細書中に援用される特許文献4および特許文献5に見出され得る。上記浄化装置を作動させて流体の浄化を開始する前に、制御器100はたとえば、流体の浄化のためのタンクが満杯であること、不都合な漏出を阻止するために一定のバルブは閉成されていること、および、各電極の短絡のための短絡リレーが閉成されていないことを確認するなどの、一連のデバイス・ステータスをチェックする。これらのチェックによれば、上記電気化学的浄化装置の動作準備が確実とされる。
【0027】
電源110の配列は設定数の電極150に対して接続され、該電極は溶液からイオンおよびイオン化不純物を抽出して該電極内に保持することにより、各電極を貫通通過し、近傍通過し、または、各電極間に静止している水溶液を浄化もしくは脱イオンする。
【0028】
種々のモニタおよびセンサ120は、各センサから直接的に到来する信号を論理制御器100が解釈かつ理解し得る電圧および電流レベルへと変換し得る信号調節器を有し得る。制御器100によればモニタおよびセンサ120および流れ制御器130は、上記電気化学的浄化装置を通る未処理流体の経路、および、流れの速度、および/または、水切換えの頻度を制御すべく用いられる。たとえばそれらは、流体が何個の電極150を貫通通過するか、流体は各電極を如何なる速度で貫通通過するか、流体は各電極に対してどの程度の長さの時間に亙り接触するか、および、各電極に対して流体が如何なる順序で接触するかを制御し得る。
【0029】
システム10は更に、以下において詳細に記述される如く蓄積されたイオンを各電極から廃液内へと放出することにより達成されるという電極の再生が必要とされたときに電流制御器140により制御されて各電極150を短絡させる外部短絡回路160を含み得る。
【0030】
システム10は更に、上記システムに対して遠隔的に通信するためのモデムの如きディジタル通信インタフェース170を含み得る。プログラマブルロジックコントローラ100は、各構成要素の制御を調節すべく又は上記システムのステータス情報を遠隔的に抽出すべく再プログラムされるディジタル通信インタフェース170を介して制御され得る。たとえば制御器100は、プログラムをダウンロードすると共に、たとえば該プログラムにおいて使用される電流レベルもしくは電圧レベルの如き任意の群のパラメータを変更することにより、遠隔的にプログラムされ得る。浄化段階の順序は、制御器100を再プログラムすることにより容易に変更され得る。別の例において制御器100は、上記装置がどれだけの量の流体を処理したかを見出して処理済み流体の体積により課金を行うために、ディジタル通信インタフェース170を介して呼び出され得る。
【0031】
システム10には、緊急停止回路180も含まれ得る。回路180は、上記システムがたとえばモニタおよびセンサ120の一部としてのセキュリティ・センサを介して故意で無権限の不正操作を検出したときに、システム10を作動不能として該システムが権限あるユーザ以外の誰にも操作され得ない様にし得る。
【0032】
図1の各矢印は、種々の電子的構成要素がプログラマブルロジックコントローラ100の制御下であることを示している。モニタおよびセンサ120およびディジタル通信インタフェース170は更に、プログラマブルロジックコントローラ100と通信することで該制御器に対してステータス情報を供給し得る。
【0033】
好適にはシステム10は、流体が電気構成要素に侵入して動作不良および/または可能的損傷を引き起こし得ることを回避する様に液密に囲繞かつシールされ得る。
【0034】
システム10が如何に動作するかの例は、以下の如く与えられる。初期リセット(始動)の後、プログラマブルロジックコントローラ100は種々のセンサ120(流体レベル、廃液および処理済み流体のレベル、取入口および吐出口におけるpH、電圧、電流などを検出するセンサ)のステータスを読取り得る。センサ120を読取ることにより何らかの障害が検出されたなら、上記デバイスは作動停止され得ると共にプロセスを再び開始すべく再初期化され得る。各センサにおいて障害が検出されなければ、上記装置は該装置が流体により充填されているか否かを決定すべくチェックされる。充填されていなければ、バルブが開成されることで上記装置内への流体進入が許容され且つ該装置は再始動される。
【0035】
もし上記装置が流体により充填されていれば、該装置はプログラマブルロジックコントローラ100により、該装置が再生モードに在るか否かを決定すべくチェックされる。上記装置が再生モードに在るなら、プログラマブルロジックコントローラ100は流体の放出を禁止すると共に、再生モードの次段階に進展することを上記装置に指示する。再生モードが完了した後、廃液は廃棄されて上記装置は再始動される。
【0036】
上記装置が再生モードに無く且つ該装置が流体により充填されているなら、動作電力が付与されて流体の処理が開始される。上記各センサを通して上記プログラマブルロジックコントローラは、処理済み流体が放出に対して準備されているか否かを決定する。準備されていれば、処理済み流体は保持タンク内に放出されて上記装置は再始動される。これにより、処理の1サイクルが完了される。
【0037】
このサイクルは、1回の操作プロセスを表す。操作に対しては、本発明の有効範囲内である他の多くの変更例が在る。たとえば別の操作モードにおいて流体は、該流体の連続処理のために、且つ、目標とする流体の化学作用が達成されたか否かに関わらずに、装置を連続的に通過し得る。同様に、上記装置を再生する時点の決定は、通過された水の量に基づき、または、最後の再生からの時間の長さにさえ基づき得る。
【0038】
電気システム10の電子的構成要素の各々は、以下において添付図面に関して相当に詳細に記述される。
【0039】
[電源]
図1の各電源110は並列に配置され得ると共に、各電源110は一組の電極150に対し、所定の電流、所定の電圧、すなわち、所定範囲の電力を提供すべく構成され得る。上記所定電流または電圧は、所定範囲とされ得る。電源110の供給源は、たとえば110/120ボルトもしくは220/240ボルトのライン電圧、習用のバッテリ、太陽電池、燃料電池、または、他の任意の形式の発電器とされ得る。上記供給源は、人力、風力または流体駆動式とされ得る。
【0040】
本発明の一実施例において電源110がプログラマブルロジックコントローラ100により制御されて各電極150に対し定電流を提供するなら、電圧は溶液の純度に従い変更される。溶液が各電極150を貫通通過し、近傍通過しまたは該電極間に存在(滞留)するにつれ、該溶液からは不純物が除去されて電極に保持される。イオン化不純物の抽出により溶液の導電率は減少し且つ抵抗は上昇する、と言うのも、導電に寄与する溶液内のイオン化粒子が更に少なくなるからである。同様に、各電極がイオンもしくはイオン化粒子を蓄積するにつれ、導電率は変化し得る。故に定電流を提供するためには、電圧(および電力)は抵抗率の変化を補償すべく変化されねばならない。最後に、定電流を維持するために必要な電圧は、飽和し、または、定常状態に到達する。電圧の飽和は、溶液が取り出されるに十分なほど清浄になり且つ次の体積の溶液が浄化のために導入されるべきことを表し得る。
【0041】
本発明の別実施例において電源110がプログラマブルロジックコントローラ100により制御されて各電極150に対し定電圧を提供するなら、電流が変更される。溶液が一回以上、各電極を貫通通過し、近傍通過しまたは該電極間に滞留するにつれ、溶液は更に清浄となり且つ抵抗は上昇する。定電圧を維持するためには、抵抗の上昇は電流が減少すべきことを必然とすることから、電力の量は低下する必要がある。定常状態電流(すなわち定電圧を維持する上で電流の変化が必要とされないという状態)が実現された後、溶液は、次の体積の溶液が上記浄化装置に対して導入されるに十分なほど清浄であり得る。
【0042】
各電極150に対して定電流を供給することのひとつの利点は、イオンの除去速度は電圧に依存することから、定電流を維持すべく電圧が、故に電力が上昇されるにつれて一定の不純物が効率的に除去されるということである。他方、定電圧を供給する利点は、電流が減少するにつれて電力は減少することから、定電圧を維持すべく電流が減少されるにつれて必要電力は更に少なくなるということである。同様に、イオンの除去速度は電圧に依存することから、定電圧によれば溶液内におけるイオンの平衡状態が更に良好に制御され得る。
【0043】
代替的に本発明の別実施例において、電力は電圧と電流との積であることから、浄化プロセスを最適化すべく経時的に電流、電圧、または両方を適切に変化させることで、電力は一定値に又は特定範囲内に制御され得る。たとえば電源110はプログラマブルロジックコントローラ100により最初は低電圧および高電流を各電極に対して供給すべく制御され得るが、種々の不純物の除去を最適化すべく電圧は傾斜上昇され得ると共に電流は逆に傾斜減少可能であり、このことは、一定の不純物は他の電圧よりも特定の電圧にて更に効率的に除去される如く電圧に対する機能的依存性を有し得る。
【0044】
概略的には、電力もまた経時的に変化すべく制御され得る。プログラマブルロジックコントローラ100は、特定用途が与えられたなら経時的に電力を傾斜上昇または下降して浄化プロセスを最適に制御し得る。
【0045】
図2は、並列な電源110A、…、110Eの配列を示し、且つ、これらの各々は例えば逆極性の一組の電極150Aおよび電極150Bに対して接続される。変更例は、全ての電極は一方の極性であり且つ唯一個の電極は逆極性とされるものであり、また、少なくとも一個の電極が一方の極性であり且つ別の電極が逆極性である限りにおいて他の変更例が在る。ひとつの電源は1番目〜N番目の電極に対して電力を供給し得ると共に、別の電源はN+1番目〜2N番目の電極に対して電力を供給可能であり、以下同様である。図2の各電極は、特定の配置構成を表さずに、複数個の電源に接続された複数組の電極の単なる例示である。たとえば電極150Aおよび150Bは、隣り合う任意の2つの電極が相互に対して逆極性である様に並列様式で交互的に配置され得る。たとえば電極150Bなどの一方の極性の一群の電極は、相互に対して接続されることで共通の基準電圧点を有し得る。各電極150Aに対して供給される電圧は、これらの電極に対して連結された電源に従い変更され得る。故に、各電極150に対して供給される電圧は、正イオンおよび負イオンおよび/または正もしくは負に帯電した粒子を最適に除去すべく変更され得る。
【0046】
たとえば電源110Aなどのひとつの電源により提供される電圧は、別の電源110Bにより提供される電圧と異なり得る。低電圧は負に帯電したイオンの除去に対して更に効率的であると共に、溶液を塩基性とし得る。高電圧は正に帯電したイオンの除去に対して更に効率的であると共に、溶液を酸性とし得る。故に、ひとつの電源110Aはひとつの組の電極150に対して低電圧を提供し且つ別の電源110Bは別の組の電極150に対して高電圧を提供すべく制御することにより、正イオンおよび負イオンの両方の除去に関して調整された速度が達成され得る、と言うのも、これらの異なるイオンが更に良好に目標限定されるからである。
【0047】
上記各電源は上記システム内に固定され得るが、該電源はモジュール式ともされ得る。電源110A、…、110Eは、モジュール式システムの一例である。各電源および電極は、未処理流体の処理の体積および品質により左右される要求内容に基づいて付加または除去され得ると共に、独立的にもしくは一体的に動作され得る。故に、ひとつの電源は第1セル・タンク内の一組の電極に対して電力を供給する一方、第2セル・タンクは再生されることが可能である。
【0048】
電源110A、…、110Eは、一般的な110VのACコンセントとされ得るか、または、上記電気化学的浄化装置が配備される設備に適した電力に適合する異なる電圧にて駆動されるべく適合作成され得る。上記装置は1/2ボルト〜5ボルトにて駆動され得るが、適用可能な電圧はこの範囲に限定されるべきでない。
【0049】
[電極]
各電極150は、好適には非犠牲型であると共に、たとえば流出液などの流体は、該電極150の厳密な構成に依存して、該電極を貫通して流れ、電極表面の近傍を流れ、または、各電極間に滞留し得る。
【0050】
電極150は、当該炭素マトリクスの組成において、重合モノマと、架橋体と、触媒との炭化生成物を含む炭素マトリクスで作成可能であり、その場合に上記生成物は、電極を作成するプロセスの間に重合モノマおよび架橋体の混合物に対して付加される炭素繊維補強剤を含まない。溶融半田が上記炭素マトリクス内へと膨張して機械的接続を作成するように、上記電極に対しては、ワイヤ、または、ワイヤに接続される付属片が直接的に半田付けされ得る。代替的に、ワイヤまたは付属片を半田付けする代わりに、それは半田または溶融金属を含まない上記炭素マトリクス内へと直接的に螺着され得る。代替的に、導電性の非犠牲材料が任意の機械的手段により上記電極と接触して保持され得る。
【0051】
電極150の形状は、正方形、三角形、長方形、台形、楕円形、円形、ロッド形状もしくは平坦形状、または、規則的もしくは不規則的な形状を含む任意数の他の形状とされ得る。上記電極の幾何学形状は、上記電気化学的浄化装置の制約条件に従い決定され得る。
【0052】
一実施例によれば電極150の内の一個以上は、言及したことにより全体が本明細書中に援用されるという特許文献6の開示に従い形成され得る。
【0053】
電極150は、それら自体が抵抗率または導電率のセンサとして使用され得る。該電極に対する電力が一時的に中断されることで、既知の抵抗率を有する溶液内において電極150上にどれほどの残留電圧または電荷が蓄積するかが決定され得る。電極150上に進展した電荷の量は、流体から除去されたイオンの量と相関され得る。これはまた、上記電極を再生する次の期間を判断し、または、電極150が十分に再生された時点を判断するためにも使用され得る。
【0054】
[モニタおよびセンサ]
モニタおよびセンサ120は、上記浄化装置の種々のステータスを監視かつ検知すべくプログラマブルロジックコントローラ100の制御下にある種々の電子的構成要素を含む。
【0055】
図3に示された如くモニタおよびセンサ120は、電源110から電極150に対して供給される電流または印加される電圧を監視すべく該電源110と電極150との間に接続された電流モニタ300および/または電圧モニタ302を含み得る。電極の再生の一例において、電極150に対して流れる電流(または印加される電圧)が所定スレッショルド・レベルに到達しまたは所定範囲内に入ったことを電流モニタ300(または電圧モニタ302)が検出したなら、プログラマブルロジックコントローラ100は各電極150の極性を反転し且つ/又は各電極150を短絡させて蓄積イオンを廃液内へと戻して流すべく電極再生プロセスを実行可能であり、上記廃液は上記プロセスが完了した後で引き続き廃棄される。電流モニタ300(または電圧モニタ302)は、多段階の再生プロセスにおいて次の段階に進展する条件が十分である時点も決定し得る。
【0056】
上記電気化学的浄化装置に進入し、該装置内に在り、または該装置を退出する溶液の導電率を測定する導電率モニタ305も含まれ得る。たとえば上記システムに対する進入に先立ち、モニタ305は流体の導電率を検出して、浄化のために必要な電極条件を決定し得る。その後、脱イオンの間に流体の導電率(故に抵抗率)が定常的に測定されることで、逆極性の各電極150に対して定電圧または定電流を維持するために必要な電流または電圧が決定され得る。溶液がタンクを退出するときには導電率センサ305が使用されることで溶液の純度が決定可能であり、もし溶液が超純粋である必要はないという十分な純度であれば該溶液は外部タンクに対して供給され得るが、もしそうでなければ溶液は、更なる脱イオン/浄化のために内部タンク内へと再循環されるか又は第2の浄化装置へと順送りされ得る。導電率モニタ305はまた、多段階の再生プロセスにおいて次段階へと進展する上で条件が十分である時点も決定し得る。
【0057】
上記電気化学的浄化装置には、流体のpHを測定するpHモニタ310および化学的不純物を検知する化学センサ315が更に含まれ得る。上記pHセンサ、特に化学センサは、浄化されるべき流体、上記システムにおける流体の状態、および、上記システムを退出する流体を評価すべく使用され得る。これらの種々の監視段階によれば、動作パラメータの自動的選択およびシステムパフォーマンスの決定が許容される。
【0058】
導電率モニタ305、pHモニタ310または化学センサ315は、未処理流体が浄化される速度を決定すべく一体的にまたは独立的にも使用され得る。もし未処理流体が浄化される速度が相当に低速なら、これは電極150の再生が必要とされ得ることを表し得る。
【0059】
本発明の上記システムは、多数のユーザ指向の利点を有する。遠隔操作センターとインタフェースすることにより、取入口における上記導電率センサ、pHモニタおよび化学センサは、到来する流体の開始パラメータを決定するために上記装置が必要とする情報に加え、上記電気化学的浄化装置を使用するユーザに対する請求書を作成する根拠を提供し得る。同様に、上記システムを退出する浄化済み流体の一個以上のパラメータを監視することにより、遠隔操作者はユーザにより生成された流出液の品質を独立的に認証し得る。斯かる認証は、環境規則に対する準拠を支援し得ると共に、斯かる準拠の必要要素となり得る。第三者である操作者/認証者は独立的なエンティティであることから、上記認証の信頼性は高く、政府機関による膨大な確認試験の必要性を回避し得る。
【0060】
モニタおよびセンサ120は、上記電極を収容するタンクに進入する流体の流速を測定する取入口流体センサ320、および、上記電極を収容するタンクを退出する流体の流速を測定する吐出口流体センサ320を更に含み得る。各センサ320は情報をプログラマブルロジックコントローラ100に対してフィードバックすることで、電極150を収容するタンク内への流体の流れを制御する。
【0061】
モニタおよびセンサ120は更に、電極150を収容するタンク内の流体レベルを検出する内部流体レベルセンサ325を含み得る。内部流体レベルセンサ325はプログラマブルロジックコントローラ100に対し、電極150を収容するタンク内に(入力されたまたは規定された)所望のレベルの流体が存在することを表す情報を送信する。内部流体レベルセンサ325はたとえば、フロート、電気スイッチ、完全に積荷されたタンクの重量を測定する重量計などとされ得る。規定量の流体レベルが達成されたなら/達成されたとき、センサ325はプログラマブルロジックコントローラ100に対して信号を送信し、すると該制御器は流れ制御器130に対し、取入口バルブを遮断して上記タンクに対する流体供給を終了することを指示する。制御器100により実施される制御の階層において流体レベルの制御は最高の優先度が与えられる、と言うのも、上記浄化装置を適切に作動させるためにはタンク内に規定量の流体を存在させることが重要だからである。
【0062】
別実施例においてシステム10は更に、該電気化学的浄化システム10の外部のタンクの流体レベルを検知する外部流体レベルセンサ345を包含し得る。外部流体レベルセンサ345は、流れ制御器130が適切に作用することを確実とするバックアップ・システムとして作用し得る。外部タンク内には、該外部タンク内における処理済み流体の化学的不純物を検知する外部化学センサ350が配備され得る。外部化学センサ350は、指定純度の処理済み流体が浄化装置10から出てくることを確実とするための、内部化学センサ315に対するバックアップであり得る。
【0063】
流体が存在すべきでない箇所における一切の漏出をチェックすべく、システム10は更に、上記電気化学的浄化装置における所定領域が流体/湿気により阻害されているか否かを決定するために湿気センサ330を含み得る。もし所定レベルの湿気がセンサ330を介してプログラマブルロジックコントローラ100により検出されたなら、該制御器は、システム10を作動停止させることで該システム10を保護すべく作用する。湿気センサ330は、規定箇所における不都合な流体を阻止するために頻繁に監視されるべきである。もし流体(すなわち湿気)が存在するなら、プログラマブルロジックコントローラ100の制御下でシステム10は安全モードに入ると共に該システム全体を作動停止することで、不都合な流体が該システムに対して更に浸入することが阻止され得る。プログラマブルロジックコントローラ100はまた、上記装置内に存在する流体を外部へと進路変更すべく導向することで、上記システムが動作している領域の更なる損傷ならびに浸液を防止し得る。漏出の検出および自動的な作動停止もしくは進路変更によれば、環境に対する放出、および、環境規程および規則の可能的な違反が回避され得る。
【0064】
センサ330はまた、システム10における不都合な湿気を警告する警報装置に対しても接続され得る。システム10は更に、上記警報装置が鳴り出したときなどの非常事態の場合にシステム全体を手動で作動停止させる非常スイッチを有し得る。すなわちシステム10は、工場において破滅的な障害が生じ、または、上記システムが命令に応答しない、または、内部センサが故障した場合のマスタON/OFFボタンを有し得ると共に、現場における操作者もしくは他者は、単一のボタンを押して、全てのバルブをロックし調べて一切の付加的な流体溢流を回避し得る。
【0065】
代替的に、本発明の遠隔操作実施例に依れば、上記湿気警報装置は通信インタフェースを介して遠隔操作者に通知を行うことで遠隔的な作動停止または修復を許容し得る。この自動的な通知の結果、一切の必要な修復を実施する保守作業員が更に迅速に派遣され得る。
【0066】
システム10は更に、該電気化学的浄化装置10の無権限の不正操作を検出する不正操作防止デバイスの一部として、動作センサもしくは光センサの如きセキュリティ・センサ335を含み得る。たとえば、もし論理制御器100により動作のスレッショルド・レベルが検出されたなら、緊急停止回路180はシステム10を作動不能とすることが可能であり、且つ/又は、上記制御器は、上記装置が不正操作されたという信号をディジタル通信インタフェース170を介して送信し得る。上記動作センサは、デバイスの完全性の認証のために安全性を促進する(たとえば可能的な感電を防止する)と共に、盗難を防止するために配備される。
【0067】
同様に、上記装置の一切の無権限の開成を検出するために光センサが装備され、この光センサは通常動作の間は覆われて閉成される。もし侵入者が上記装置を開くと共に光が存在すべきでない箇所に光を入れると、上記光センサはプログラマブルロジックコントローラ100に対して信号を送信し得る。制御器100はシステム10を作動不能とすることを緊急停止回路180に対して指示可能であり、且つ/又は、該制御器は、上記装置に対する無権限の不正操作をデジタルインタフェース170を介して遠隔的に警告し得る。
【0068】
システム10は更に、上記電気化学的浄化システム内の指定箇所における流体の流れを検出する流量センサ340を含み得る。もしプログラマブルロジックコントローラ100により該流量センサから指定箇所における流体流のスレッショルド・レベルが検出されたなら、制御器100は、電極150を収容するタンク内への流体の進入を許容する取入口デバイスに対し、流体流の増減を指示し得る。
【0069】
システム10は更に、上記各電極を収容するタンク内の流通流体の背圧を監視する流量損失モニタ355を含み得る。もし背圧がスレッショルド値を超過したなら、プログラマブルロジックコントローラ100は、電極150の再生が必要であることを意味する警告を送信し得るか、システム圧力を減少し得るか、または、上記電極に対する損傷を回避する他の警告的動作を取り得る。
【0070】
モニタおよびセンサ120によれば、上記装置の一連の診断が実施され得る。たとえば、pHモニタ310または化学センサ315の読取値が取入口流体の体積に関する事前設定限界値を超過したなら、動作は一時停止され得る。別の例においては、電極150に対して供給される電圧および電流も診断され得る。もし定電流が供給されると共に何らかの理由で電圧が事前設定限界値を超過したなら、動作は一時停止され得る。同様に、異常性の原因が後時に決定され得る様に、電圧が上記限界値を超過した時点において、ステータス情報/状態(電圧、電流、pH、導電率、外部タンクにおける流体品質など)が制御器100に記憶され得る。診断の他の例において、制御器100が流体の出力を指示し乍らも吐出口流体センサ320に関して依然としてゼロ読取値が在るなら、問題に対処すべきことを技術者に対して喚起する警報が発せられる。概略的に、定量化可能な一個以上のパラメータが予想範囲を超過したならば対処される必要がある問題を指摘すべく警報が設定される様に、斯かるパラメータに基づいて一連の診断が行われ得る。
【0071】
ひとつの実施例において上記装置は、流体が単一ポートを介して導入され且つ取出される如く配置された20個のICM電極を含む。上記システムに注入される流体は、導電率が300〜700μSおよびpHが7.0〜8.5で変化する。処理の間において上記プログラマブルロジックコントローラ(PLC)は電源に対し、処理セルを通して2.1Aで駆動することを指示する。上記PLCによれば上記装置は、pHに対して補正された40μSの品質レベルに流体が到達したときにタンクから該流体を放出し得る。上記PLCは、(取入口流体純度×取入口流体量)−(吐出口流体純度×吐出口流体量)の運転検数票を維持する。上記装置が所定量の総不純物を除去したことを上記PLCが決定したとき、該PLCは上記装置が再生シーケンスを開始することをトリガする。
【0072】
[流れ制御器]
システム10は、図4に示された流れ制御器130を更に含み得る。流れ制御器130(図示では比例的流れ制御器400)は、電極150を収容するタンクに対する流体の流入および流出を夫々許容する取入口バルブ駆動器410および吐出口バルブ駆動器420を制御すべくプログラマブルロジックコントローラ100に対して接続される。流れ制御器130は、流体を異なる方向へと進路変更する他のバルブを制御し得る。取入口バルブ駆動器410および吐出口バルブ駆動器420は、たとえばバタフライバルブ、ボールバルブまたはスプール・バルブなどとされ得る取入口バルブおよび吐出口バルブを制御するソレノイドを含み得る。上記吐出口および取入口は、バルブの代わりにゲート・オリフィスとさえされ得る。上記取入口バルブおよび吐出口バルブを移動させる上記ソレノイドを駆動すべく低出力の論理出力源を高出力信号へと変換するために、リレーおよび他の付加的なハードウェアが使用され得る。取入口センサ320および吐出口センサ320は、タンクを離脱する溶液およびタンクに流入する溶液の量を検知する。故に、流体の流出および流入が調節され得る。たとえば、十分な量の浄化が行われた後でタンク内の溶液が清浄であると決定されたとき、該溶液は上記吐出口バルブを介して取り出され得ると共に、流出の速度は吐出口センサ320により監視され得る。同時に上記取入口バルブは開成されることで、次の体積の溶液が進入して取入口センサ320により監視され得る。故に上記取入口バルブおよび吐出口バルブは、流出の速度が流入の速度と等しい様に調節され得る。
【0073】
上記装置を通る循環速度および上記装置を退出する流体の速度を流れ制御器130を以て制御することにより、任意の程度の流体品質が達成され得る。たとえば、pHおよび導電率センサ305および310からプログラマブルロジックコントローラ100を通り流れ制御器130に至るフィードバック・ループにより上記装置を通して溶液を再循環させることにより、pHおよび導電率は任意の所望のレベルへと制御され得る。もし、浄化タンクから退出する流体が依然として十分にはpHおよび導電率の特定範囲内でないことをpHおよび導電率センサ305および310が示すなら、流体は更なる浄化のためにタンクに戻され得る。もし流体が十分なpHおよび導電率であれば、流体は流体制御器130により保持タンクに対して進路変更され得ると共に、新たな溶液が浄化のためにタンク内に導入され得る。
【0074】
流れ制御器130はまた、非常事態の場合には流体をタンクから完全に離間して進路変更させ得る。湿気センサ330が、何らかの流体を含む様には設計されていない上記装置の領域において湿気を検知したとき、プログラマブルロジックコントローラ100からの命令時に流れ制御器130は、タンクから離間して流体を進路変更し、且つ/又は、該電気化学的浄化装置から一切の流体を排出し得る。流れ制御器130はまた、上記各電極が再生されているときに廃液を適切に排出するためにも利用され得る。
【0075】
[電流制御器]
図5に示された電流制御器140は、システム10内における電流を制御するためにプログラマブルロジックコントローラ100に対して接続される。本発明の一実施例において、電極150を再生する処理手順の間、電流を反転させて各電極の極性を変化させるために電流反転回路510が使用され得る。これが行われたとき、各電極に捕捉されていたイオンは溶液内へと戻り移動する。イオンが溶液内へと戻り移動するにつれ、溶液の導電率は増大する。もし反転電流が印加され続けるなら導電率は減少し始め得る、と言うのも、今やイオンは移動して逆の電極に付着するからである。故に、導電率が最大値に到達した時点の如き適切な時点にて各電極はリレー回路160により短絡され得ると共に、イオンを含む廃液は各電極から排出され得る。本発明の別実施例においては、作動電極上にて相互汚染している陽イオンおよび陰イオンを排除するために、正電極および負電極150は相互から分離されると共に別の組の非犠牲電極に対置して再生される。
【0076】
ひとつの実施例において上記PLCは、陽イオン除去電極および陰イオン除去電極が相互から分離される如く、電源を係合解除してから各電極を別体的タンク内へと移動することにより各電極の再生を開始する。上記各タンクは、再生作業の専用とされて対置された非犠牲電極を含む。次に上記PLCは、上記電極に収集されたイオンを溶液内へと戻り反発する如き極性にて電流を該電極に印加する。上記PLCは、電解質が最大レベルに到達したことを上記導電率モニタが表したときにこの再生段階が完了したと決定する。この時点にて上記PLCは上記バルブに対し、上記電解質を放出することを命令する。上記電極は次にそれらの作用位置に戻し移動され、順方向動作を継続する。作用電極と再生電極とタンクの各物理的運動の任意の組合せは、本明細書に記述された本発明の有効範囲内に収まることは理解される。
【0077】
[ディジタル通信インタフェース]
上記プログラマブルロジックコントローラに対しては、たとえばモデムもしくはRS−232、GPIB、IEEE488、イーサネット(登録商標)、または、任意の無線通信デバイスとされ得るディジタル通信インタフェース170が接続される。ディジタル通信インタフェース170によれば、プログラマブルロジックコントローラ100に対して外部からアクセスすることで、各センサを通して獲得されたシステム10のステータス情報が抽出され得ると共に、該プログラマブルロジックコントローラが遠隔的に再プログラムされ得る。プログラマブルロジックコントローラ100の制御下に在る一切の電子的構成要素は、電話線を介してラップトップ・コンピュータなどの遠隔ステーションから遠隔的に制御され得る。
【0078】
制御器100は遠隔的にアクセスされることで、たとえば流体品質の変更に対処するために、再生プロセスを開始するスレッショルド値の如きパラメータが変更され得る様に再生ルーチンが再プログラムされ得る。
【0079】
必要であれば、種々のセンサおよびモニタが動作するパラメータは遠隔的に変更されることで、状況による要求内容が満足され得る。もし流体が厳密な監視を必要とするならば上記センサおよびモニタは更に頻繁に動作され得るが、上記装置に到来かつ退出する流体の品質が比較的に一貫しているならば上記センサおよびモニタは更に低頻度で動作すべく設定され得る。
【0080】
同様に、上記各電極に印加される電流、電圧および電力などの種々の動作パラメータは、通信インタフェース170を介して遠隔的に制御され得る。また、状況に依存して各バルブはインタフェース170を介して遠隔的に開成されることで、流体を排出し、または、各電極を清浄化する再生プロセスが開始され得る。
【0081】
制御器100は、ディジタル通信インタフェース170を介して発呼することでシステム10の一切の異常状態を喚起すべくプログラムされ得る。もし上記センサの内のいずれかのセンサが、電源における異常に高い電流、湿潤しているとは設計されない箇所における湿気、浄化タンクにおける不適当な流体レベル、または、処理済み流体の不適切な(すなわち、設定された純度の基準外、または、操作者により入力された規定範囲外である)不純物の如き異常な読取値を検出したなら、制御器100は指定箇所を呼び出すことで、上記浄化装置に対する問題を表し得る。
【0082】
更にディジタル通信インタフェース170は、セキュリティ・センサ335により上記電気化学的浄化装置における動作を検知することで該装置が不正操作されたことを上記ステーションに対して通信し得る。上記装置が不正操作されたとの情報を受信すると同時に、該装置は遠隔的に作動停止され得る。
【0083】
更に、セキュリティ・センサ335を介して上記システムが動作を検知したときにプログラマブルロジックコントローラ100は緊急停止回路180に対し、システム10を完全に作動不能とする指示を与え得る。たとえば盗難抑止力としての緊急停止回路180は、各電極150の接続を作動不能に溶融するに十分な電圧およびアンペア数を各電極に対して送り得る。
【0084】
盗難抑止力の別の例においてプログラマブルロジックコントローラ100は、所定期間内に遠隔アクセスが為されなければ自己破壊すべくプログラムされ得る。もし、上記ディジタル通信インタフェースが意図的に作動不能とされるべく上記装置が不正操作されたならプログラマブルロジックコントローラ100は、ホストに対する所定の接触期間の後で接続を溶融して短絡させることにより各電極を作動不能とするとの指示を緊急停止回路180に対して与え得る。それはまた、当該プロセッサを完全に作動不能とするに十分な電圧もプログラマブルロジックコントローラ100に対して送り得る。上記システムが作動不能とされる上記様式は、此処では単に例示的である。上記システムを作動不能とする他の多くの等価的方法が企図されると共に、本発明の範囲内に包含される。
【0085】
別の例において、上記装置を流出する流体の品質は遠隔的に監視かつ認証され得る。吐出口に配備される例えば導電率センサ、pHセンサおよび化学センサなどの各センサ120は、流体の純度に関する情報を遠隔ステーションに対して送信可能であり、その場合に該ステーションは、上記装置から到来する流体が一定の所定レベルの純度および/または脱イオン度を満足するならば該流体の品質を認証し得る。セキュリティ・センサ335は、上記認証を阻害すべく上記装置が不正操作されてはいないことを確実とする。
【0086】
上記内容は、本発明の原理の例示にすぎないと考慮される。更に、当業者であれば多くの改変および変更が容易に想起され得ることから、本発明を図示かつ記述された厳密な構成および動作に限定することは所望されず、故に、本発明の有効範囲内に収まる全ての適切な改変および均等物が求められ得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】プログラマブルロジックコントローラにより制御される構成要素を示す本発明の電気システムの一実施例の概略図である。
【図2】本発明の実施例に係るプログラマブルロジックコントローラにより制御される電源の配列を示す図である。
【図3】本発明の別実施例に係るプログラマブルロジックコントローラにより制御されるモニタおよびセンサを示す図である。
【図4】本発明の別実施例に係るプログラマブルロジックコントローラにより制御される流れ制御器を示す図である。
【図5】本発明の実施例に係るプログラマブルロジックコントローラにより制御される電流制御器を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
100 プログラマブルロジックコントローラ
110 電源
120 センサ
130 流れ制御器
140 電流制御器
150 電極
160 外部短絡回路
170 通信インタフェース
180 緊急停止回路
300 電流モニタ
305 導電率モニタ
310 pHモニタ
315 化学センサ
320 流体センサ
325 内部流体レベルセンサ
330 湿気センサ
335 セキュリティ・センサ
340 流量センサ
345 外部流体レベルセンサ
350 外部タンク化学センサ
355 流量損失センサ
360 種々の箇所におけるセンサ
302 電圧モニタ
400 比例的流れ制御器
410 取入口バルブ駆動器
420 吐出口バルブ駆動器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を脱イオンする複数の電極と、
上記各電極に対して接続された電源であって、上記各電極の内の少なくとも幾つかの電極において所定電流、所定電圧、または、所定範囲内の電力を維持し乍ら上記各電極に対して電力を供給する電源と、
上記電源に対して接続されて該電源を制御するプログラマブルロジックコントローラと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続されて該プログラマブルロジックコントローラに対してデータを供給する少なくとも一個の監視デバイスと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続された通信インタフェースであって、上記プログラマブルロジックコントローラに対して外部アクセスすることで、該プログラマブルロジックコントローラに含まれたデータを抽出し又は上記プログラマブルロジックコントローラに対して指示およびデータを遠隔的に送信することを許容するという通信インタフェースとを備えて成り、
当該システムは、上記各電極が相互に別個に再生され得る如く、命令時に各電極が移動され又は物理的に遮断され得る様に構成される、
電気化学的浄化装置の電気システム。
【請求項2】
前記各電極は、該各電極に対して前記流体からの不純物がどれほど装荷されたかを監視する抵抗率センサまたは導電率センサとして作用する、請求項1に記載の電気システム。
【請求項3】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電源と前記各電極との間に接続されて上記電源から上記各電極に対して供給される電流および/または電圧を監視する電流モニタおよび/または電圧モニタを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項4】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電源と前記各電極との間に接続されて上記電源から上記各電極に対して供給される電流を監視する電流モニタを含み、
上記各電極の再生は上記電流モニタにより検出された電流に基づいて開始される、請求項1に記載の電気システム。
【請求項5】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電源と前記各電極との間に接続されて上記電源から上記各電極に対して供給される電圧を監視する電圧モニタを含み、
上記各電極の再生は上記電圧モニタにより検出された電圧に基づいて開始される、請求項1に記載の電気システム。
【請求項6】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記装置に進入し且つ/又は該装置を離脱する流体の導電率を測定する導電率モニタを含み、
もし上記流体の導電率が所定スレッショルド値に到達したなら、上記流体は放出され、且つ、前記各電極の再生は、上記導電率と、取入口流体および吐出口流体の対比である体積との積であって上記各電極により捕捉されたイオン性汚染物質の計算値であるという積に基づいて開始される、請求項1に記載の電気システム。
【請求項7】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記装置に進入し且つ/又は該装置を離脱する流体のpHを測定するpHモニタを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項8】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記装置に進入し且つ/又は該装置を離脱する流体の化学的不純物を検知する化学センサを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項9】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記装置に進入する流体の流速を測定する取入口流体モニタを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項10】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記装置を退出する流体の流速を測定する吐出口流体モニタを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項11】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記装置における流体レベルを検出する流体レベルセンサを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項12】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、当該電気化学的システムにおける所定領域が湿気により阻害されているか否かを決定する湿気センサを含み、
もし前記プログラマブルロジックコントローラにより所定レベルの湿気が検出されたなら、上記プログラマブルロジックコントローラは当該システムを作動停止させることで該システムを保護する、請求項1に記載の電気システム。
【請求項13】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置の無権限のアクセスまたは不正操作を報告するセキュリティ・センサを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項14】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置内の指定箇所における流体の流れを検出する流量センサを含み、
もし上記指定箇所にて上記流量センサから前記プログラマブルロジックコントローラによりスレッショルド・レベルの流体流が検出されたなら、上記プログラマブルロジックコントローラは取入口デバイスに対して流体流を減少もしくは増加することを指示する、請求項1に記載の電気システム。
【請求項15】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置内の指定箇所における流体の流れを検出する流量センサを含み、
上記流量センサにより測定された所定量の流体が前記装置を通過するなら、前記各電極の再生が開始される、請求項1に記載の電気システム。
【請求項16】
前記プログラマブルロジックコントローラは、前記各電極が最後に再生されてから所定時間が経過した後に該各電極の再生を開始する、請求項1に記載の電気システム。
【請求項17】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置の外部のタンクの流体レベルを検知する外部流体レベルセンサを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項18】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置の外部のタンク内の流体の化学的不純物を検知する化学センサを含む、請求項1に記載の電気システム。
【請求項19】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記各電極を収容するタンク内の流通流体の背圧を監視する流量損失モニタを含み、
上記背圧がスレッショルド値を超過したなら、前記プログラマブルロジックコントローラは上記各電極の再生が必要であることを意味する警告を送信する、請求項1に記載の電気システム。
【請求項20】
前記少なくとも一個の監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置内の指定箇所に分布されて流体漏出を監視するセンサの配列を含み、
もし前記プログラマブルロジックコントローラが上記センサの内のいずれかから流体漏出を検出したなら、該プログラマブルロジックコントローラは取入れデバイスに対して流体流を停止することを指示する、請求項1に記載の電気システム。
【請求項21】
前記プログラマブルロジックコントローラに接続された流れ制御器であって前記各電極に対して流体がアクセスすること及び前記装置から上記流体が退出することを夫々が許容する取入口デバイスおよび吐出口デバイスを制御する流れ制御器を更に備えて成る、請求項1に記載の電気システム。
【請求項22】
前記プログラマブルロジックコントローラに接続されて当該システム内の電流を制御する電流制御器を更に備えて成る、請求項1に記載の電気システム。
【請求項23】
前記通信インタフェースは、前記監視デバイスにより収集された情報を該情報が認証され得る遠隔ステーションに対して遠隔的に送信し、且つ/又は、上記遠隔ステーションがプログラムおよびパラメータを前記プログラマブルロジックコントローラに対して送信することを許容する、請求項1に記載の電気システム。
【請求項24】
当該システムが不正操作を検知したときに、当該緊急停止回路自体を作動停止させることなく上記システムを作動不能とする緊急停止回路を更に備えて成る、請求項1に記載の電気システム。
【請求項25】
各電極は炭化材料で作成された非犠牲電極である、請求項1に記載の電気システム。
【請求項26】
付加的な電極に対して電力を供給する付加的な電源を更に備えて成る、請求項1に記載の電気システム。
【請求項27】
当該電極を貫通通過または近傍通過する流体を脱イオンする複数組の電極と、
所定電流、所定電圧、または、所定範囲内の電力を維持し乍ら各組の電極に対して各々が接続されて電力を提供する複数の電源と、
上記各電源に対し接続されて該電源を制御するプログラマブルロジックコントローラと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対し接続され、当該システムに関するデータを該プログラマブルロジックコントローラに供給する一個以上の監視デバイスと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続された通信インタフェースであって、上記プログラマブルロジックコントローラに対して外部アクセスすることで、該プログラマブルロジックコントローラに含まれたデータを抽出し又は上記プログラマブルロジックコントローラに対して指示およびデータを遠隔的に送信することを許容するという通信インタフェースとを備えて成る、
電気化学的浄化装置の電気システム。
【請求項28】
前記各電極は、該各電極に対して前記流体からの不純物がどれほど装荷されたかを監視する抵抗率センサまたは導電率センサとして作用する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項29】
前記プログラマブルロジックコントローラは、一組の電極に対してはひとつのレベルの電圧を提供することをひとつの電源に対して指示し、且つ、異なる組の電極に対しては異なるレベルの電圧を提供することを少なくともひとつの別の電源に対して指示する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項30】
前記監視デバイスは、前記電源から前記各電極に供給される電流および/または電圧を監視すべく上記電源と上記各電極との間に接続された電流モニタおよび/または電圧モニタを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項31】
前記監視デバイスは、前記電源から前記各電極に対して供給される電流を監視すべく上記電源と上記各電極との間に接続された電流モニタを備えて成り、
上記各電極の再生は上記電流モニタにより検出された電流に基づいて開始される、請求項27に記載の電気システム。
【請求項32】
前記監視デバイスは、前記電源から前記各電極に対して印加される電圧を監視すべく上記電源と上記各電極との間に接続された電圧モニタを備えて成り、
上記各電極の再生は上記電圧モニタにより検出された電圧に基づいて開始される、請求項27に記載の電気システム。
【請求項33】
前記監視デバイスは、前記装置に進入し且つ/又は該装置を離脱する流体の導電率を測定する導電率モニタを備えて成り、
もし上記流体の導電率が所定スレッショルド値に到達したなら、上記流体は放出され、且つ、前記各電極の再生は、上記導電率と、取入口流体および吐出口流体の対比である体積との積であって上記各電極により捕捉されたイオン性汚染物質の計算値であるという積に基づいて開始される、請求項27に記載の電気システム。
【請求項34】
前記監視デバイスは、前記装置に進入し且つ/又は該装置を離脱する流体のpHを測定するpHモニタを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項35】
前記監視デバイスは、前記装置に進入し且つ/又は該装置を離脱する流体の化学的不純物を検知する化学センサを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項36】
前記監視デバイスは、前記装置に進入する流体の流速を測定する取入口流体モニタを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項37】
前記監視デバイスは、前記装置を退出する流体の流速を測定する吐出口流体モニタを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項38】
前記監視デバイスは、前記装置における流体レベルを検出する流体レベルセンサを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項39】
前記監視デバイスは、当該電気システムにおける所定領域が湿気により阻害されているか否かを決定する湿気センサを備えて成り、
もし前記プログラマブルロジックコントローラにより所定レベルの湿気が検出されたなら、上記プログラマブルロジックコントローラは当該システムを作動停止させることで該システムを保護する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項40】
前記監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置の無権限のアクセスまたは不正操作を報告するセキュリティ・センサを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項41】
前記監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置内の指定箇所における流体の流れを検出する流量センサを備えて成り、
もし上記指定箇所にて上記流量センサから前記プログラマブルロジックコントローラによりスレッショルド・レベルの流体流が検出されたなら、上記プログラマブルロジックコントローラは取入口デバイスに対して流体流を減少もしくは増加することを指示する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項42】
前記監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置内の指定箇所における流体の流れを検出する流量センサを備えて成り、
上記流量センサにより測定された所定量の流体が前記装置を通過するなら、前記各電極の再生が開始される、請求項27に記載の電気システム。
【請求項43】
前記プログラマブルロジックコントローラは、前記各電極が最後に再生されてから所定時間が経過した後に該各電極の再生を開始する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項44】
前記監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置の外部のタンクの流体レベルを検知する外部流体レベルセンサを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項45】
前記監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置の外部のタンク内の流体の化学的不純物を検知する化学センサを備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項46】
前記監視デバイスは、前記各電極を収容するタンク内の流通流体の背圧を監視する流量損失モニタを備えて成り、
上記背圧がスレッショルド値を超過したなら、前記プログラマブルロジックコントローラは上記各電極の再生が必要であることを示す警告を送信する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項47】
前記監視デバイスは、前記電気化学的浄化装置内の指定箇所に分布されて流体漏出を監視するセンサの配列を備えて成り、
もし前記プログラマブルロジックコントローラが上記センサの内のいずれかから流体漏出を検出したなら、該プログラマブルロジックコントローラは取入れデバイスに対して流体流を停止することを指示する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項48】
前記プログラマブルロジックコントローラに接続された流れ制御器であって前記各電極に対して流体がアクセスすること及び前記装置から上記流体が退出することを夫々が許容する取入口デバイスおよび吐出口デバイスを制御する流れ制御器を更に備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項49】
前記プログラマブルロジックコントローラに接続されて当該システム内の電流を制御する電流制御器を更に備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項50】
前記通信インタフェースは、前記監視デバイスにより収集された情報を該情報が認証され得る遠隔ステーションに対して遠隔的に送信し、且つ/又は、上記遠隔ステーションがプログラムおよびパラメータを前記プログラマブルロジックコントローラに対して送信することを許容する、請求項27に記載の電気システム。
【請求項51】
当該システムが不正操作を検知したときに、当該緊急停止回路自体を作動停止させることなく上記システムを作動不能とする緊急停止回路を更に備えて成る、請求項27に記載の電気システム。
【請求項52】
各電極は炭化材料で作成された非犠牲電極である、請求項27に記載の電気システム。
【請求項53】
流体を脱イオンする複数の電極と、
上記各電極に対して接続された電源であって、上記各電極の内の少なくとも幾つかの電極において所定電流、所定電圧、または、所定範囲内の電力を維持し乍ら上記各電極に対して電力を供給するという電源と、
上記電源に対して接続されて該電源を制御するプログラマブルロジックコントローラと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対し接続され、当該システムに関するデータを該プログラマブルロジックコントローラに供給する複数の監視デバイスであって、電流モニタ、電圧モニタ、導電率モニタ、pHモニタ、化学センサ、取入口センサ、吐出口センサ、内部流体センサ、湿気センサ、セキュリティ・センサ、流量センサ、外部流体レベルセンサ、外部タンク化学センサおよび流量損失センサから成る群から選択される複数の監視デバイスと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続された緊急停止回路であって、上記監視デバイスの内のひとつの監視デバイスがセキュリティ侵害を検知したなら当該電気システムを作動不能とする緊急停止回路と、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続され、当該電気化学的浄化装置における流体の流れを制御する流れ制御器と、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続され、当該電気システム内を流れる電流を制御する電流制御器と、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続された通信インタフェースであって、上記プログラマブルロジックコントローラに対して外部アクセスすることで、該プログラマブルロジックコントローラに含まれたデータを抽出し又は上記プログラマブルロジックコントローラに対して指示およびデータを遠隔的に送信することを許容するという通信インタフェースとを備えて成る、
電気化学的浄化装置の電気システム。
【請求項54】
当該電極を貫通通過または近傍通過する流体を脱イオンする複数組の電極と、
所定電流、所定電圧、または、所定範囲内の電力を維持し乍ら各組の電極に対して各々が接続されて電力を提供する複数の電源と、
上記各電源に対し接続されて該電源を制御するプログラマブルロジックコントローラと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対し接続され、当該システムに関するデータを該プログラマブルロジックコントローラに供給する複数の監視デバイスであって、電流モニタ、電圧モニタ、導電率モニタ、pHモニタ、化学センサ、取入口センサ、吐出口センサ、内部流体センサ、湿気センサ、セキュリティ・センサ、流量センサ、外部流体レベルセンサ、外部タンク化学センサおよび流量損失センサから成る群から選択される複数の監視デバイスと、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続された緊急停止回路であって、上記監視デバイスの内のひとつの監視デバイスがセキュリティ侵害を検知したなら当該電気システムを作動不能とする緊急停止回路と、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続され、当該電気化学的浄化装置における流体の流れを制御する流れ制御器と、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続され、当該電気システム内を流れる電流を制御する電流制御器と、
上記プログラマブルロジックコントローラに対して接続された通信インタフェースであって、上記プログラマブルロジックコントローラに対して外部アクセスすることで、該プログラマブルロジックコントローラに含まれたデータを抽出し又は上記プログラマブルロジックコントローラに対して指示およびデータを遠隔的に送信することを許容するという通信インタフェースとを備えて成る、
電気化学的浄化装置の電気システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−525163(P2008−525163A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539159(P2007−539159)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/038909
【国際公開番号】WO2006/050079
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507069243)ザ ウォーター カンパニー エルエルシー (4)
【Fターム(参考)】