説明

腹膜透析システム

本発明は、患者に流体投与を実行するためのシステムおよびその使用方法に関し、システムは、流体ポンプ1と、液体が液体分配システム2からポンプ1に流れることができ、またその逆に流れることができるように、ポンプ1に接続された液体分配システム2と、液体分配システム2とポンプ1とを介して患者4に液体を供給するための液体供給手段3と、液体分配システム2を患者4に接続するようにされた患者導管5とを備え、システムは、液体ポンプ1が一方向性であることと、液体分配システム2が、ポンプ入口ライン56を供給手段3または患者導管5と交互に接続するように設計された切換手段を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に腹膜透析を実行するためのシステム、より正確には、ポンプを含むシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
上に規定した腹膜透析システムが次の特許文献、EP0790841B1、EP0695397B1、EP0852953B1、EP0694125B1、EP0686237B1、EP0471000B1、EP0332690B1、EP0262182B1、EP0259464B1およびEP1195171A2に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、改良された腹膜透析システム、特に改良された液体分配システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的および他の多くの目的は、請求項1と38に規定されるシステムで達成される。
【0005】
本発明の好ましい実施形態が、従属請求項2〜37および40〜46に規定されている。
【0006】
複数の利点が、本発明から、特に次のことから得られる。
−より単純、したがってより効率的な、2つの別個のキャビティのみを含むだけでよい液体分配システム
−蠕動(ぜんどう)ポンプ、特に回転式蠕動ポンプを使用可能なこと
−より高い精密さおよびより長い寿命時間をもたらす一方向性ポンプを使用可能なこと
−振動減衰手段を使い、液体分配システムとポンプとを共に固定可能なこと
−チャンバを覆いまたバルブ要素を含む可撓性膜を使用可能なこと
−成形可能な膜
−膜に組み込むことができる圧力センサの部分。
【0007】
上記その他の利点は、次の図と共に、以下に例示する本発明の詳細な説明により良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による腹膜透析システムが、図1に概略的に示されている。システムは、ポンプ1と、第1の基幹チャンバ7と第2の基幹チャンバ8とを備える液体分配システム2(カートリッジとも呼ばれる)とを含む。第1のチャンバ7は、ポンプ入口ライン56を介してポンプ1に接続されたポンプ入口26と、液体供給ライン24を介して、供給手段に、例えばバッグ3に接続されたバルブを有する液体供給ポート9と、患者ライン5を介して患者4に接続されたバルブを有する患者ポート10とを含む。第2のチャンバ8は、ポンプ出口ライン57を介してポンプ1に接続されたポンプ出口27と、排出ライン25を介して排出捕集器6に接続されたバルブを有する排出ポート11と、患者ライン5を介して患者4に接続されたバルブを有する患者ポート18とを含む。
【0009】
図1Aは、次の要素、すなわち、バッグ3、液体供給ライン24、(開いた)液体供給ポート9、第1のチャンバ7、ポンプ入口26、ポンプ入口ライン56、ポンプ1、ポンプ出口ライン57、ポンプ出口27、第2のチャンバ8、(開いた)患者ポート18、患者ライン5からかつそれを通過して患者4に液体が供給される「充填」段階を示している。
【0010】
図1Bは、次の要素、すなわち、患者4、患者ライン5、(開いた)患者ポート10、第1のチャンバ7、ポンプ入口26、ポンプ入口ライン56、ポンプ1、ポンプ出口ライン57、ポンプ出口27、第2のチャンバ8、(開いた)排出ポート11、排出ライン25、排出捕集器6からかつそれを通過して液体が排出される「排出」段階を示している。
【0011】
図2に例示した実施形態は、ポンプ要素1とカートリッジ2とによって構成されたアセンブリを示している。両方の要素は共に固定されるが、分離可能である。図21は、両方の要素の間の固定のより優れた図面を示している。好ましくは、ポンプ要素1は、ポンプが作動しているときにカートリッジ2に対する振動を最小にするために、振動減衰手段によってカートリッジ2に固定される。
【0012】
カートリッジの上面は、第1の基幹チャンバ7と、第2の別個の基幹チャンバ8と、圧力センサの一部を形成するキャビティ15とを含む。第1の基幹チャンバ7は、3つの液体供給ポート9と、1つの患者ポート10と、1つのポンプ入口26と、圧力センサの一部を形成するキャビティ36とを有する。第2の基幹チャンバ8は、患者ポート18と、排出ポート11と、ポンプ出口27とを有する。
【0013】
ポンプ要素1は、ローラセパレータ12によってポンプケーシング中心の周りに保持される3つのローラ22を含むポンプケーシング45を備える。ローラセパレータ要素とポンプケーシングとの間の空間は、可撓性管37が配置されるポンプレース21を区画形成する。可撓性管は、ポンプ入口ライン56と出口ライン57とに接続される。ローラ22は、可撓性管37を徐々に圧縮するように、シャフト52(図2に図示せず)によってモータ駆動し、これによって、可撓性管37に沿った蠕動運動をもたらすことが可能である。
【0014】
「充填」段階では、液体は、1つの管コネクタ53と液体供給ポート9とを介して第1の基幹チャンバ7に供給される。次に、液体は、ポンプ入口26を通過してポンプ1に入り、可撓性管37に沿って移動し、ポンプ出口27を通過して第2の基幹チャンバ8に入り、また患者ポート18と患者ライン5とを介して患者4に至る。
【0015】
「排出」段階では、液体は患者4を離れ、患者ポート10を介して第1の基幹チャンバ7に入る。次に、液体はポンプ1に入り、可撓性管37に沿って移動し、第2の基幹チャンバ8に入り、また排出ポート11と排出管コネクタ54と排出ライン25とを介して排出捕集器6に至る。
【0016】
この段階で、各バッグ3が特定の液体を収容しても良いことを指摘したい。
【0017】
図3のカートリッジ2は、追加されたキャビティ、すなわち、加熱器ポート19と患者ポート16とを含む加熱器チャンバ17、を除いて図2のカートリッジと同一である。加熱器ポート19は、加熱器管コネクタ55と加熱器出口ライン30とを介して加熱器28(図3に図示せず)に接続される。患者ポート16は患者ライン5に接続される。第2の基幹チャンバ8は、加熱器管コネクタ23と加熱器入口ライン29とを介して加熱器28(図3に図示せず)に接続された加熱器ポート38を含む。
【0018】
「充填」段階では、液体は、1つの管コネクタ53と液体供給ポート9とを介して第1の基幹チャンバ7に供給される。次に、液体はポンプ1に入り、可撓性管37に沿って移動し、第2の基幹チャンバ8に入り、加熱器ポート38を介して加熱器28内に移動し、管コネクタ55を通過して加熱器ポート19を介して加熱器チャンバ17に入り、また患者ポート16と患者ライン5とを介して患者4に至る。
【0019】
図2と図3の実施形態に示すように、ポンプ1は一方向性であり、すなわち、ポンプがいずれの段階であっても、可撓性管37内の液体は常に同一方向に移動する。この特徴は、複数の利点を提供する。特に、充填段階および排出段階の両方における同一の流速に基づく液体交換の高い精密さ、および長い寿命時間を提供する。
【0020】
通常、蠕動ポンプは±5%内の正確性を有することが公知である。このため、腹膜透析用に蠕動ポンプを使用できない。この理由は、患者腹腔内に充填される体積が一定量の±2%で排出されることを必要とし、さもなければ、腹膜腔は過充填されることがあり(例えば、治療中に交換される12リットルについて、3%の差は360ミリリットルを表し、これは、各サイクルにつき腹膜腔内に収容された2リットルの約18%である)、および/または限外濾過(超濾過)が変更されることがあるからである。±2%の精度を保証する高精度のポンプ構造を必要とすることなく、交換体積の精度を改善するために、本発明は、充填段階および排出段階の両方について同一の正確さ(通常±2%以内)、したがって流体の適切な計量、を保証する、従来のポンプを一方向に使用する方法を、提供する。このようなポンプで充填された体積は、±5%内の精度であり得るが、同一の流速特性(すなわち同一の流動方向)を有する同一のカセットが使用されるので、計量は、治療に必要とされるような±2%内に保証することができる。カセットが両方向で使用される場合、流速の差は、特に長時間にわたる蠕動ポンプの同一方向ではない作動のため±5%であろう。
【0021】
ポンプ流速がある時間後に管の劣化により変化するとしても、充填および排出は、流速が劣化によって変更される(例えば、サイクル当たり約2リットルの交換体積で、ポンプされた20リットルの流体当たり約1%のポンプの流れ変更)までの時間と比較して小さな時間帯内で操作されるので、本発明により、液体交換の精密さを可能にすることを指摘したい。
さらに、カセットの一方向に使用することは、管の劣化に対するより優れた制御、したがって、ポンプ精度に対する影響のより優れた予測を可能にする。
【0022】
図4は、異なる要素がどのように接続されるかを良く示しているカートリッジの透視図である。カートリッジの底面図が、図5に示されている。下面の管システムおよび上面のキャビティは、すべて1つの部品、例えばプラスチック材料の射出成型部品内に作られる。
【0023】
図6は、ポンプ要素1に固定された図3のカートリッジ2と、患者ライン5と、供給バッグ3と、加熱器入口ライン29と、加熱器出口ライン30と、加熱プレートと接触させられるプラスチックバッグ(例えばPVC)内の流体回路から実質上製作される加熱器ポーチ28とを含むアセンブリを示している。
【0024】
図6”は、加熱システム内に収容された加熱プレートを示しており、加熱器ポーチは加熱プレートが挿入される靴下の形状を有する。加熱ポーチは、所定の流速において所定時間このような加熱器内で液体を保持する液体水路を備える。
【0025】
図7は、図3のカートリッジと同一のカートリッジを示しており、ローラは、カートリッジよりむしろ循環器の一部である。本実施形態では、管と管レースとを含むポンプ要素1およびカートリッジ2は、単一の要素を形成している。
【0026】
循環器の一部であり、したがってカートリッジと一緒に使い捨て可能であるよりもむしろ再利用可能なローラは、ポンプレースへのローラの自己挿入を可能にするように円錐形状を有する。この構造では、カートリッジの製造がより簡単であり、含まれる部品は少なくなる。ローラがカートリッジに挿入されながら、管がレース上に自動的に圧縮されるので、他の挿入機構は不必要である。別の利点として、円錐形のローラ22の使用により、可撓性管37に沿った液体のより安定した速度が得られる。
【0027】
図8は、ローラ22およびローラ要素なしの図7のアセンブリを示している。
【0028】
当然、他のローラの形状、例えば、球形または円筒状を使用してもよい。
【0029】
図9の実施形態は、ポンプケーシング45が、ポンプ要素1とカートリッジ2との間に境界面を有する2つの部品から製作されるという点でのみ、図8の実施形態と異なる。この構造は、ポンプの組立工程の改良、およびポンプ1からカートリッジ2への振動の伝播を制限する手段を追加する可能性を提供する。
【0030】
図10は、カートリッジ2およびポンプ要素1なしの循環器51を示している。循環器は、ローラ22および複数のアクチュエータ34用のモータシャフト52を含む駆動領域を含む。循環器51はまた、カートリッジ2が挿入されるときに患者ライン5に近接して位置する空気センサ43を含む。空気センサは、圧電エミッタおよび圧電レシーバから製作してもよい。
【0031】
図11は、基幹チャンバ7、8と圧力センサキャビティ15とを覆う可撓性膜13を有する図2の実施形態を示している。膜13(図12参照)の上面は、円筒状のキャビティ39と、キャビティの周辺の周りにプライ(ply)40を有する圧力センサ領域31とを有する複数のバルブ要素を含む。バルブ要素39は、膜13が下方に移動するときにポートを密閉するように設計される。
【0032】
その底面(図13参照)上に、膜13は、圧力センサ領域および環状の液密ジョイントの周りに半円フランジ32を含む。さらに、カートリッジ2は、液密ジョイントがカートリッジ2と膜13との間の液密接続を可能にするように配置された液密ジョイントを含む。
【0033】
膜は、成形されることが好都合である。膜13は、シリコーンから製造されることが好ましい。
【0034】
膜13は、膜フレーム14を有するその周辺に沿ってカートリッジ2に圧入される(図14参照)。
【0035】
図15は、ポンプモータとコーダー42とを含む開状態の図10の循環器を示している。長方形41は、カートリッジ装填装置を表している。図16は、カートリッジ装填装置シャフト46と、カートリッジ装填装置フレーム47と、カートリッジ装填装置線形カム48と、カートリッジ装填装置モータ49とを備えるカートリッジ装填装置を示している。この図では、2つの変位部分48’と48”は、説明上の理由のため、開位置および閉位置の装填装置の2つの異なる位置を表している。
【0036】
カートリッジ装填機構は、膜とバルブとカートリッジとの間の液密接続を可能にする。バルブアクチュエータへのカートリッジの適切な位置決め、同様に圧力センサおよび空気センサの位置決めを保証するために、カートリッジは、その表面に対し垂直の軸にカートリッジを漸次移動する装填機構内に保持される。この移動により、軸またはローラが正しい位置に挿入されて、ポンプの適切な機能を保証することができる。この移動はまた、例えばポンプの膜および/または管の液密性の制御のために、共に保持することが必要な表面に対する適切な圧力を保証することができる。
【0037】
図17は、カートリッジ2を含む図10の循環器51を示している。循環器51は、開位置に挿入用スロット50を有する。図18は同一の循環器51を示しているが、閉位置に挿入用スロットを有する。
【0038】
図19はアクチュエータ34を示しており、そのプランジャ35は、膜のその対応するバルブ要素39にクリップ留めされている。アクチュエータ34は、磁石または電磁石でもよい。プランジャ35およびバルブ要素39は、アクチュエータが作動されるときに一緒に移動するように設計される。
【0039】
図22aと図22bは、挿入前の分離している位置(図22a)および挿入後の作動位置(図22b)のプランジャ35およびバルブ要素39を示している。本発明の一実施形態は、膜のクリップに挿入されるアクチュエータヘッドの一定長の部分を、アクチュエータヘッドの可能な変位よりも長くすることによって、膜クリップ留め部内へのアクチュエータヘッドの適切な挿入を確保することである。このように、膜内へのクリップ並進運動中に、アクチュエータヘッドがアクチュエータ内で完全に後退されるであろう最悪の場合に、アクチュエータヘッドは、並進運動の終わりの前にクリップ平衡位置を通過し、この結果、残りの並進運動により、膜内へのアクチュエータヘッドのクリップ留めが保証される。
【0040】
図20の正面図は、カートリッジ2の独立した圧力センサキャビティ15または第1の基幹チャンバ7の圧力センサキャビティ36に使用可能な圧力センサ44を例示している。プライ40は、センサ圧力領域の膜13の弾性に対する圧力センサの感受性を低減する。さらに、キャビティ15の形状は、流体がキャビティ内を通過するときに、容易に空気を排除できるように形成されるべきである(例えば、流れの方向に丸い形状のキャビティ底部を有することによって)。
【0041】
以前に説明した実施形態では、各ポートは専用のバルブを有する。このことは、常に開口するポンプ入口およびポンプ出口には当てはまらない。
【0042】
本発明は、図に例示した他の複数の特徴を必ずしも含まない。例えば、循環器またはカートリッジポンプ要素アセンブリは、図21に示したようなポンプの可撓性管の正確な位置決めを検出するための窓(円)を含んでもよい。
【0043】
システムが機能するとき、排出に対し圧力が常に正に維持されることが好ましい。これは、前記汚染された液体が患者を冒す可能性を回避する安全対策である。
【0044】
カートリッジに入り、それを出る液体圧力が感知され、必要時は、圧力差に従ってポンプ流速が補正されることが有利である。この圧力差は、システムの初期の始動段階により良く計算され、この場合、圧力は、液体バッグ3の位置決めおよび循環器に対する患者位置に直接関係する。
【0045】
代わりにまたは追加して、管の特性から知られる管の所定の劣化に従ってポンプ流速を調整してもよい。
【0046】
排出段階は、排出速度の関数の排出時間に関して制限してもよく、排出速度は、患者腹膜腔の圧力が減少するときに、典型的に、名目200ml/分の速度の代わりに30ml/分〜120ml/分に低減されなければならない。透析効率は、液体が腹膜腔内に留まる時間に直接関係し、また腹膜腔を完全に排出するために必要な持続時間は、腹膜流体特性に対し重要な影響なしにこの時間(液体が腹膜腔内に留まる時間)を制限し得るので、この特徴は重要である。このように、本発明の1つの方法は、追い出されなかった腹膜腔内の残りの流体体積と、過充填を回避するために予定される限外濾過の追加体積とを考慮しつつ、どの速度において患者から完全に排出し続ける価値がないか、むしろ新鮮な流体を患者に充填するか、を決定する。したがって、サイクルは、所定の排出速度または排出速度の所定の減少特性の到達に基づき異なり、この結果、効率的な透析時間が増加する。患者からの排出速度の例が、図25に示されており、この場合、3つの部分に分割される各コラムについて、上方部分は、次の充填体積が完全な充填でないとしても、例えば、排出の継続に値しない排出速度の限度に対応する。例えば80%のタイダル(潮汐)が予めセットされる実際の方法と比較して、本発明の方法は、各々の排出を実際の排出速度に適合させ、腹膜透析の有効性を犠牲にすることなく可能な限り空にすることを試みている。当然、ある限度を設定でき、この場合、このような制限が各サイクルについて行われる前に最小の排出体積に達しなければならない。
【0047】
本発明の他の方法は、ある腹膜腔の圧力に達するまで、患者のために設定されるある限度内で、常に同量の体積を充填することからなる。このように、効率は、すべてのサイクルで充填される流体量と関係するので、腹膜透析を改良することができる。このような方法に従って、ポンプは、ある圧力(例えば水柱10cm)に達するまで患者に充填し、またこのような圧力に達するかあるいはある最大体積に達したときにのみ停止する。したがって、一時休止時間中に連続的に圧力を測定して、例えば限外濾過による超過圧力に達しないことを確実にすることが重要である。1つの可能性はまた、このような制限圧力および/または体積まで常に充填し、またその後ある間隔で、予測される限外濾過を補償するために、ある体積を排出することである。他の可能性は、例えば低ナトリウムの濃縮溶液を使用することによって、最後のサイクル中に限外濾過を増すことである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の原理の概略図である。
【図1A】「充填」段階の図面である。
【図1B】「排出」段階の図面である。
【図2】本発明の第1の実施形態(液体分配システム)の図面である。
【図3】加熱器チャンバを含む第2の実施形態(使い捨て可能なカートリッジ)の図面である。
【図4】図3の実施形態の透視図である。
【図5】図3の実施形態(使い捨て可能なカートリッジ)の背面図である。
【図6】完全な管セットを有する図3の使い捨て可能なカートリッジの図面である。
【図7】循環器に一体化された回転部(ローラ)を有する実施形態の図面である。
【図8】ローラなしの図7の実施形態の図面である。
【図9】ポンプ振動の吸収を可能にする2つの部品の使い捨て可能なカートリッジの図面である。
【図10】カートリッジ挿入用スロットなしの循環器の図面である。
【図11】腹膜ポンプを示す開いた使い捨て可能なカートリッジの図面である。
【図12】成形された弾性膜の上面図である。
【図13】図12の膜の底面図である。
【図14】膜クリップシステムの図面である。
【図15】開状態の図10の循環器の図面である。
【図16】カートリッジ装填装置の図面である。
【図17】挿入用スロットがカートリッジで開かれている図10の循環器の図面である。
【図18】挿入用スロットがカートリッジで閉じられている図10の循環器の図面である。
【図19】バルブの正面図である。
【図20】圧力センサの正面図である。
【図21】ポンプレースの図面である。
【図22】バルブアクチュエータおよび膜クリップシステムの図面である。
【図23】加熱器の図面である。
【図24】加熱器ケーシングの図面である。
【図25】排出特性を示す表である。
【符号の説明】
【0049】
1 ポンプ
2 液体分配システム(カートリッジ)
3 供給手段(バッグ)
4 患者
5 患者ライン
6 排出捕集器
7 第1の基幹チャンバ
8 第2の基幹チャンバ
9 バルブを有する液体供給ポート
10 バルブを有する患者ポート
11 バルブを有する排出ポート
12 ローラセパレータ
13 膜
14 膜フレーム
15 圧力センサのキャビティ(患者)
16 バルブを有する患者ポート(加熱器チャンバ)
17 加熱器チャンバ
18 バルブを有する患者ポート(第1の基幹チャンバ)
19 加熱器ポート
20 ローラ要素
21 ポンプレース
22 ローラ
23 入口ラインを加熱するための管コネクタ
24 液体供給ライン
25 排出ライン
26 ポンプ入口
27 ポンプ出口
28 加熱器ポーチ
29 加熱器入口ライン
30 加熱器出口ライン
31 膜圧力センサ領域
32 圧力センサ用の保持要素
33 クリップキャビティ
34 アクチュエータ
35 クリッププランジャ
36 圧力センサキャビティ(第1の基幹チャンバ)
37 ポンプのフレキシブル管
38 バルブを有する加熱器ポート
39 膜アクチュエータクリップ
40 膜圧力ボリュート
41 カートリッジ装填装置
42 ポンプモータ+コーダー
43 空気センサ
44 圧力センサ
45 ポンプケーシング
46 カートリッジ装填装置シャフト
47 カートリッジ装填装置フレーム
48 カートリッジ装填装置リニアカム
49 カートリッジ装填装置モータ
50 カートリッジ挿入用スロット
51 循環器
52 カートリッジモータシャフト
53 供給ライン用の管コネクタ
54 排出ライン用の管コネクタ
55 加熱器出口ライン用の管コネクタ
56 ポンプ入口ライン
57 ポンプ出口ライン
58 センサ圧力ハウジング
59 シールフランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に流体投与を実行するためのシステムであって、
液体ポンプ(1)と、
液体が液体分配システム(2)から前記ポンプ(1)へポンプ入口ライン(56)を介して流れることができ、またポンプ出口ライン(57)を介してその逆に流れることができるように、前記ポンプ(1)に接続された液体分配システム(2)と、
前記液体分配システム(2)と前記ポンプ(1)とを介して患者(4)に液体を供給するための液体供給手段(3)と、
前記液体分配システム(2)を患者(4)に接続するようにされた患者導管(5)と、を備えるシステムにおいて、
前記液体ポンプ(1)が一方向性であることと、前記液体分配システム(2)が、ポンプ入口ライン(56)を供給手段(3)または患者導管(5)のいずれかを選択してこれに接続するように設計された切換手段を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
さらに排出ライン(25)を備えたシステムであって、
前記切換手段は、ポンプ出口ライン(57)を排出ライン(25)または患者導管(5)のいずれかを選択してこれに接続するように設計されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記液体ポンプ(1)が蠕動(ぜんどう)ポンプである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記蠕動ポンプは回転式である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記液体分配システム(2)が2つの別個の基幹チャンバ(7、8)を備え、
第1の前記基幹チャンバ(7)が、専用のバルブ手段を有する少なくとも1つの液体供給ポート(9)と、専用のバルブ手段(10)を有する1つの患者ポートと、1つのポンプ入口(26)とを含み、第2の前記基幹チャンバ(8)が、専用のバルブ手段を有する少なくとも1つの患者ポート(18)又は加熱器ポート(16)と、1つのポンプ出口(27)とを含み、
前記システムが、さらに、前記液体供給ポート(9)が開いているときに前記第1の基幹チャンバ(7)の前記患者ポート(10)を閉じるように、またその逆が行われるように設計された制御手段を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の基幹チャンバ(8)が、専用のバルブ手段(11)を有する少なくとも1つの排出ポートをさらに含み、
前記制御手段は同様に、前記排出ポート(11)が開いているときに前記第2の基幹チャンバ(8)の前記患者ポート(18)を閉じるように、またその逆が行われるように設計された、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記液体分配システム(2)が2つの基幹チャンバ(7、8)のみを備える、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
加熱器システム(28)と、加熱器ポート(19)を含むキャビティ(17)と、患者ポート(16)とをさらに備え、前記第2の基幹チャンバ(8)の前記患者ポート(18)が、前記加熱器システム(28)を介して前記加熱器ポート(19)に接続される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記加熱器システム(28)が、ライン状の加熱器である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記ライン状の加熱器が、その中に収容された加熱プレートを備え、このような加熱プレートは靴下のような加熱ポーチによって覆われる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記加熱ポーチが、所定の流速において一定時間、前記加熱器内に液体を保持する液体水路から構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の基幹チャンバ(7)が、それぞれのバルブ手段(9)を有する複数の液体供給ポートを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記液体供給ポート(9)が、各々が異なる種類の液体を有する液体供給手段に接続される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記液体ポンプ(1)が、管とローリング面とから構成され、前記ローリング面において、ローラを含むポンプ装置に前記カートリッジが挿入されると、前記管が圧縮される、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記ローラ(22)が、ポンプレースに自身で、すなわち他の機構なしに挿入されるように円錐形状である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ローラが球形である、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記液体ポンプ(1)および前記液体分配システム(2)が共に固定されて、単一のカートリッジを形成する、請求項1〜16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記液体ポンプ(1)が、前記ポンプが作動中に前記液体分配システム(2)に対する振動を最小にするために、振動減衰手段によって前記液体分配システム(2)に固定される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ポートを含むすべての基幹チャンバが、単一部品内に作られる、請求項1〜18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記単一部品が、プラスチック材料の射出成型部品である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
各基幹チャンバ(7、8)が、可撓性膜(13)から製作された上方壁で閉じられ、前記膜が、前記ポートまたはバルブ手段を有する前記ポートの各々の上方に位置するバルブ要素(39)を含み、前記バルブ要素(39)が、前記膜(13)が下方に移動するときに前記ポートまたはバルブ手段を有する前記ポートを閉じるよう設計されている、請求項1〜20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記膜が成形される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記膜がシリコーンから製造される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記膜が液密ジョイントを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記液体分配システムが、前記液体分配システムとその上に位置する膜と間の液密接続を可能にするように設計された液密ジョイントを含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記膜が、前記基幹チャンバの間の液密接続のために設計された突出要素を含む、請求項21〜24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記バルブ要素(39)の各々が、前記膜(13)の上方に配置されたアクチュエータ(34)(例えば電磁アクチュエータまたは磁石)にクリップ留めされるように設計された、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記バルブ要素の各々が、アクチュエータのプランジャを受容して保持するように設計されたキャビティを備え、前記キャビティが、少なくとも前記バルブ変位に実質上対応する高さを有する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記膜(13)が、前記液体分配システムの外部境界に沿って前記液体分配システムに圧入され、前記膜(13)がフレーム(14)によってさらに保持される、請求項21〜27および請求項21〜28のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記膜(13)が、圧力センサの一部を形成している部分(15)を含む、請求項21〜29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記圧力センサの能動領域が、残りの領域よりも可撓であるように設計された、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記圧力センサが、周辺が把持される円盤の形状を有し、前記円盤が環状プライをさらに備える、請求項30または31に記載のシステム。
【請求項33】
前記圧力センサが、前記基幹チャンバから独立して前記患者ラインに位置する、請求項30または31に記載のシステム。
【請求項34】
前記第1の基幹チャンバと接続している第2の圧力センサをさらに備える、請求項30〜33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記液体分配システムが、患者導管側に位置する空気センサを含む、請求項1〜34のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項36】
前記膜と前記バルブと前記液体分配システムとの間の液密接続を可能にするカートリッジ装填機構を備える、請求項1〜35のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか1項に記載の患者に流体投与をするシステムのための液体分配システム(2)。
【請求項38】
請求項30〜36のいずれか1項に記載の患者に流体投与をするシステムのための圧力センサ。
【請求項39】
前記管の正確な位置決めを検出するための窓をさらに備える、請求項1〜38のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
前記患者ポート(10)が、前記液体供給ポート(9)が開いているときに閉じられ、またその逆が行われる、請求項1〜39のいずれか1項に記載のシステムを使用する方法。
【請求項41】
前記排出に対し圧力が常に正に維持される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記液体が常に同一の方向にポンプされる、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
液体分配システムに入りまた出る液体圧力を感知し、必要時は、圧力差に従ってポンプ流速を補正するステップを含む、請求項40〜42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記管の劣化による既知の所定の流速の変化に従って前記ポンプ流速を調整するステップを含む、請求項40〜43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記排出段階が、前記排出速度の関数であり患者の腹膜腔の圧力測定に基づくある値に前記速度が到達するときに、前記排出段階が終了される、請求項40〜44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
サイクルの間に充填される腹膜体積が腹腔内の圧力の関数である、請求項40〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記圧力が予め規定された閾値に達すると、前記腹膜腔が部分的に空にされる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
最後の交換サイクルに低ナトリウム濃度の液体を使用して、限外濾過を改善することからなる、請求項40〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
請求項1〜48のいずれか1項に記載の腹膜透析用システムの使用。

【図1】
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【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7a】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図14a】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22a】
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【図22b】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図25】
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【公表番号】特表2007−500523(P2007−500523A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521368(P2006−521368)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000481
【国際公開番号】WO2005/009512
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(504288421)デビオテック ソシエテ アノニム (10)
【Fターム(参考)】