説明

膜ろ過システムのリーク検知方法及び装置

【課題】ろ過膜を用いた膜ろ過システムのリークを迅速かつ確実に検知するリーク検知方法及び装置を提供する。
【解決手段】ろ過膜を用いた膜ろ過システム1の原水側及び処理水側のいずれか一方に超音波発信器4を配置し、原水側及び処理水側の他方に超音波受信器6を配置し、超音波発信器4から発信した超音波の波形を超音波受信器6で受信し、この受信波形の音圧を所定のしきい値と比較し、受信波形の音圧としきい値との差によってリークを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ろ過膜を用いたろ過システムのリークを検知する方法及び装置に関するものであり、より詳細には膜ろ過システムにおいて、膜の破損やシール不良に起因して原水がリークしたり、システムとしての容器から漏れが発生したりするのを、超音波を用いて迅速に検知するため検知可能な超音波式リーク検知方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膜ろ過システムは、一例として中空糸膜を集積させたものに、定常時の水源水質が比較的清浄な原水を、高い膜ろ過流速でろ過するもので、比較的小規模の水道施設で導入されていたが、近年特にクリプトスポリジウム等の有害微生物への対策として、この膜ろ過法に注目が集まり、また省エネルギーの観点からも歓迎されて、次第に大水量の膜ろ過施設が実用化されるに至っている。また、近年、水を通して起こる有害微生物による水感染症が問題になっている。主にクリプトスポリジウムやジアルジアは日本の多くの水源地で検出されており水や食物から感染し腸管系に寄生して、腹痛を伴う下痢を起こす。日本でも1990年代後半に水道水を介して大量の住人が集団下痢を起こしている。特にアルジアやクリプトスポリジウムは浄水工程の塩素では殺菌しにくい為、対策として小さな原虫でも取り除くことの出来る濾過装置が必要不可欠になっている。さらに、医療分野においても有害な細菌類の大腸菌、コレラ菌、サルモネラ菌やクリプトスポルジウム、エキノコックス、ジアルジア、カビ、を取り除くため孔径0.1ミクロン程度の中空糸膜のフイルタが使用されている。このように、膜ろ過システムは、今日では、原水を除菌し、安全な水を供給する上での重要な手段となっている。
【0003】
この膜ろ過システムに用いる中空糸膜は、ポリフッ化ビニリデン(PVFD)のように、強度があり、耐薬品性に優れ、薬品洗浄濃度の高い薬品にも影響を受けない特質があるものを素材としており、また膜ろ過システムは、均一な長さに揃えた中空糸膜を円筒ケースに充填し、ケースの一端(下端)から処理すべき原水を導入すると共に、中空糸膜の外表面から内部へろ過された処理水を集水板を介してケース中央部の膜ろ過水通路に送り、ケース他端(上端)からろ過水を取り出す方式が、一般的に用いられている。このように膜ろ過システムは物理的、化学的に耐久性を有し、長期の連続使用に耐えるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら万一このろ過膜が何らかの理由で破損した場合や、ろ過膜を収容したケースのシールが不完全な場合、原水の微粒子や有害微生物が完全にろ過されずに処理水に混入して、排出されることになる。このような事態は、クリプトスポリジウム対策として採用された膜ろ過システムにとって致命的な結果をもたらすので、このような万一の事故が起きた場合でも、効率的かつ迅速な検知と、リークの生じた膜又はケースの交換等の対策が必要になる。
【0005】
従来、膜ろ過法によるシステムの不具合の探知は、一度、処理水を全て排出し既知の濁度濃度の検水をフイルタの原水側より通水し処理水側より排出される。ろ過水を常時濁度計で監視し、不純物による汚濁が認められた場合、膜ろ過システムを一時停止し、破損膜の所在を突き止める他は無く、大規模施設になるに従って、その困難性は倍加された。又、濁度計はある程度の汚濁以下、たとえば原水中の微粒子数が25,000個/mL以下では検知が困難であり、有害微生物の処理水への混入を見過ごしてしまう場合が多い。また確認が上記の通り、大がかりとなり間欠的に確認をせざるを得ないため、確認の周期の間に生じた不具合は次の検査まで確認できずに、有害微生物の汚染の被害を拡大する可能性がある。この濁度計による検知より進んで、拡散空気流量試験、圧力保持試験等により、1ケース中約6,000本の中空糸膜の内1本の破損が特定できるまでに、微細な破損とそれによる汚濁を発見できるようになったが、より精密な膜ろ過システムの稼動の為には、より迅速かつ確実にリークを検知することが要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を達成するため、この発明のリーク検知方法は、ろ過膜を用いた膜ろ過システムの原水側及び処理水側のいずれか一方に超音波発信器を配置し、原水側及び処理水側の他方に超音波受信器を配置し、前記超音波発信器から発信した超音波の波形を前記超音波受信器で受信し、該受信波形の音圧を所定のしきい値と比較し、該該受信波形の音圧としきい値との差によってリークを検知するものである。
【0007】
なお、ここでいう「リーク」とは、膜の取付け不良、破断若しくはピンホール、パッキンの損傷、又はケーシングのクラック等に起因して原水が処理水側に漏れ出すことをいうもの、及び処理水または源水が容器の外部へ漏れ出すことをいう。
【0008】
この検知方法においては、システム全体に液体を充満させた状態で検知を行ってもよく、またシステムから液体を排出し、ろ過膜表面が液体で濡れた状態で検知を行ってもよい。前者は、インラインでのリアルタイムのリーク検知に有効であり、後者は、システムの出荷前の検品に有効である。
【0009】
そして、この発明の膜ろ過システムのリーク検知装置は、ろ過膜を用いた膜ろ過システムの原水側及び処理水側の一方に配置した超音波発信器と、原水側及び処理水側の他方に配置した超音波受信器と、前記超音波発信器から発信した超音波を前記超音波受信器で受信した波形の音圧を所定のしきい値と比較する比較器と、前記受信波形の音圧が前記しきい値を越えた時にシステムのリーク信号を発生する警報器とを備えるものである。
【0010】
システム全体のリークを検知する場合には、超音波発信器をシステム全体の原水導入管に配置し、かつ超音波受信機を処理水排出管に配置することが好ましく、個々のろ過膜ケースのリークを検知する場合には、膜ろ過システムを構成する個々のろ過膜ケースの原水入口に超音波発信器を配置し、処理水出口に超音波受信器を配置することが好ましい。
【0011】
また、しきい値としては正常時の超音波受信波形の音圧を用いることが好ましい。
【0012】
この発明に従うリーク検知方法及びリーク検知装置は、孔径が10μm未満のろ過膜を用いた膜ろ過システムのリークの検知に特に有効である。これは、孔径が10μm未満であれば、膜の孔を通過する超音波が非常に少ないため、正常時の音圧とリーク時の音圧の差が大きくなり、検知精度が特に高くなるからである。しかし、孔径が10μm以上の場合であっても、膜の表面に適当な処理を施すこと、例えば水で濡らすことにより、膜の孔を通過する超音波を抑制することで検知精度を高めることができる。検知対象に好適なろ過膜の例は、MF膜、UF膜、NF膜、RO膜であるが、これに限定されない。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、破損部分からの超音波の漏洩を用いてリークを検知するので、迅速かつ確実にリークを検知することができる。また、インラインでリアルタイムにリークを検知することもできるので、原水の混入した処理水を使用するおそれが少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明の代表的な膜ろ過システムのリーク検知装置の概略図である。膜ろ過システム1は、円筒状のろ過膜ケース2の内部に、例えば約6,000本の均一な長さに揃えた中空糸膜を充填してなる。膜ろ過システム1は、外圧型の場合外部のポンプから原水入口を介してケース内に加圧導入された原水を、中空糸膜の外面から内部に対してろ過し、ろ過水をケースの他端部に集水して処理水出口からケース外に取り出すものである。かかる膜ろ過システム1の原水側及び処理水側のいずれか一方、図示の例では原水側にある導入管3に超音波発信器4を配置し、原水側及び処理水側の他方、図示の例では処理水側の排水管5に超音波受信器6を配置する。このように構成したリーク検知装置において、超音波発信器4から所定の音圧及び周波数で超音波を発信し、これを超音波受信器6で受信する。膜ろ過システム1の完全性が保たれている場合には、超音波発信器4から発信された超音波は、中空糸膜及びこれを収容したろ過膜ケース2により遮断されて、処理水側には殆ど伝播しない。しかし、膜ろ過システム1にリークが生じて完全性が失われている場合には、リークしている箇所から超音波が漏れ、処理水側にも超音波が伝播する。したがって、超音波受信器6で受信した超音波の波形をパーソナルコンピュータ等の比較器7で解析することでリークの有無を判定することができる。具体的には、受信した超音波の音圧を調べ、しきい値よりも大きな音圧、すなわち多くの超音波が伝播されている場合には、リークが発生していると判定することができる。この際、音圧の最大値、平均値又は単位時間内の積分値等を用いることができる。あるいは、受信した超音波を高速フーリエ変換(FFT)解析して、周波数成分のピークの数及び/又は高さをしきい値と比較して、リークの発生を検知することもできる。リークのない場合には、受信した超音波は発信した超音波と同一の周波数成分しか有しないが、リークした箇所を通過した超音波は、発信周波数に加えて高次成分をも有するからである。さらに、これら音圧と周波数を組み合わせてリークの検知を行うこともできる。そして、リークが検知された場合には、ブザー、フラッシュライト等の警報器8によりリークの発生を知らせる。
【0015】
なお、ろ過膜は中空糸膜に限定されず、平膜を板状、スパイラル状、プリーツ状にしたモジュールや、セラミックス膜のモノリス型モジュール等、種々のろ過膜を用いることができる。また、膜ろ過システムは、図示の態様に限定されず、クロスフローろ過方式や全量ろ過(デッドエンドフロー)方式に対しても適用可能である。
【0016】
検知に当っては、膜ろ過システム内に液体を充満させた状態で行ってもよく、液体を排出させた状態で行ってもよい。特に、実際に稼動している膜ろ過システムのリークを検知する場合には、システム全体に液体を充満させた状態で検知を行うことが好ましい。これによれば、液体を排出する必要がないことから、迅速かつ簡易にリークの検知が可能となる。また、差圧検査やヘリウム検査等の従来のリーク検知方法では困難であった、インラインでのリアルタイムなリーク検知が可能となる上、濁度計による監視に比べると高い精度での検知が可能となる。
【0017】
また、ろ過膜、特に中空糸膜は乾燥させてしまうと細孔が収縮し復元しなくなり性能が著しく低下してしまう為、膜が乾燥しない状態で輸送することが望ましい。しかしシステム全体に清浄な水を充填した状態で輸送した場合は重量がかさみ、輸送コストを上昇しかねない。その為、膜は中空糸の孔に毛細管現象で水が充満した状態で輸送することが望ましい。この発明のリーク検知方法は、このような状態のシステムに対しても適用可能である。具体的には、前記と同様に、原水側及び処理水側のいずれか一方に超音波発信器を、他方に超音波受信器を配置し、発信器から発信した超音波の波形を受信器で受信する。このとき、正常な膜の場合には膜の細孔に毛細管現象により水が充満しているため空間を伝搬する超音波にとって伝達を妨げる壁となる。つまり、空中を伝搬する超音波は空気である気体から水に覆われた膜に到達するが密度が急激に高くなる中空糸膜表面で減衰し処理水側には超音波はほとんど伝搬しない。しかし、中空糸にピンホールや切損があった場合は空気の連絡口が形成され発信器から発信された超音波はその連絡口を通して、ほとんど減衰することなく受信器に到達する。この超音波を受信機で検知することでリークの検知が可能である。このように、この発明によれば、通常の出荷工程を変更することなく最終工程で迅速かつ簡易にリークの検知、すなわちろ過システムの出荷前検品が可能となり、非常に有益である。
【0018】
さらに、図示は省略するが、図1に示したような膜ろ過システム1を水槽等の中で水没させ、水槽に超音波発信器(又は受信器)を入れ、処理水側に超音波受信器(又は発信器)を入れ、前記と同様に超音波の波形を解析することで、システム全体の完全性を試験することもできる。
【0019】
また、膜ろ過システムは、処理量により複数のろ過膜を用いる場合がある。このようなシステムでは、複数のろ過膜ケースを縦又は横に並列させて、1本の原水導入管を分岐させて各ろ過膜ケースの原水入口に接続し、また各ろ過膜ケースの処理水出口を枝管で集束させて、1本の処理水排出管としている。このように複数のろ過膜ケースが存在する場合には、図2に示すように、超音波発信器4をシステム全体の原水導入管9に配置し、かつ超音波受信機6を処理水排出管10に配置することができる。このように構成すると、少ない超音波発信器及び受信器でシステム全体のリークを検知できるという点で有利である。また、図3に示すように、個々のろ過膜ケース2の原水入口に超音波発信器4を配置し、処理水出口に超音波受信器5を配置することもできる。このように構成すると、個々のろ過膜ケースのリークを検知することができ、リークの発生したケースの交換を迅速に行えるという点で有利である。
【0020】
しきい値としては、超音波発信器から発信した超音波の音圧や周波数に所定の係数を乗じたものを用いることもできるが、ろ過システムの大きさ、処理する液体の種類、設置環境等を考慮して係数を決める必要があり煩雑となることから、リーク検知装置を設置した後、リークのない完全な状態である正常時の超音波受信波形をしきい値として用いることが簡便である。
【0021】
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。
【実施例】
【0022】
次に、この発明に従うリーク検知装置を試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
【0023】
(実施例1)
実施例1のリーク検知装置は、図1に示すような、単一の中空糸膜ケースの原水側に超音波発信器を配置し、処理水側に超音波受信器を配置したものである。超音波発振子としては共唱振動子を用いた。中空糸膜ケース内部に水を満たした後、これを排出し、中空糸膜がある程度水分を含んだ状態で超音波を照射した。超音波発振出力は1Wとし、発振周波数は約30KHzとした。
【0024】
破損のない中空糸膜(良品)及び破損のある中空糸膜(不良品)のそれぞれに対して超音波の音圧測定と周波数のFFT解析を行った。その結果を図4及び5に示す。なお、図4(a)の音圧の最大値は0.589dBであり、図5(a)の音圧の最大値は58.214dBであった。
【0025】
(実施例2)
原水側に超音波受信器を配置し、処理水側に超音波発信器を配置したことを除いて、実施例1と同様のリーク検知装置を構成した。超音波発振出力は1Wとし、発振周波数は約30KHzとし、良品及び不良品のそれぞれに対して超音波の音圧測定と周波数のFFT解析を行った。その結果を図6及び7に示す。なお、図6(a)の音圧の最大値は3.435dBであり、図7(a)の音圧の最大値は53dBであった。
【0026】
図示の結果から、良品と不良品とでは受信した超音波の音圧及び周波数成分が大きく異なり、これらを用いて迅速かつ確実にリークの検知が可能であることが分かる。
【0027】
(実施例3)
実施例3のリーク検知装置は、図8に概略を示すような膜ろ過システム内に組み込んだインラインの検知装置である。この膜ろ過システム11は、貯水槽12内の液体を、ポンプ13により原水供給ライン14を介して、内部に中空糸膜を収容したろ過膜ケース15の一方の導入管16に送液している。ろ過膜ケース15に送液された原水のうち、気泡を含んだ部分は脱泡ライン17を介して貯水槽12に戻され、その他の部分は中空糸膜でろ過された後、ろ過膜ケース15の排出管18から排出され、処理水の流量を測定するための流量計19を介して処理水ライン20に送られる。また、この原水供給ライン14、脱泡ライン17及び処理水ライン19内には、システム停止時の液体の逆流を防止するためのストップ弁21a、21b及び21cがそれぞれ設けられている。
【0028】
また、このシステム11は、リーク検知装置の超音波発振器22がろ過膜ケース15の導入管16に接続され、第1の超音波受信器23が排出管18に接続され、第2の超音波受信器24が隔膜25を介して処理水ライン20に接続されている。なお、超音波発振器22の超音波発振子には水中用共唱振動子(発振周波数約30kHz)を用い、第1の超音波受信器23としては水中マイクロホンを用い、第2の超音波受信器24としては気中マイクロホンを用いる。
【0029】
原水として水を用い、処理水流量0.8l/minでシステムを運転した状態における、破損のない中空糸膜(良品)を用いた場合、及び中空糸膜の出口側の接着剤部分に、中空糸1本分よりも小さな0.7mmの穴を開けたもの(不良品)を用いた場合のそれぞれに対して超音波の音圧測定と周波数のFFT解析を行った。その結果を図9及び10に示す。なお、図9は良品の通水状態での試験結果を示し、図10は不良品の通水状態での試験結果を示し、図11は良品の止水状態(フイルタ内に処理水が充満した状態で通水を停止した状態)での試験結果を示し、図12は不良品の止水状態での試験結果を示している。
【0030】
図示の結果から、フイルタを含む配管内に処理水が充満した条件では、通水するか止水状態であるかに拘わらず良品と不良品とでは受信した超音波の音圧及び周波数成分が大きく異なり、良品の音圧及び周波数成分を用いれば、中空糸1本の切断又は中空糸1本相当の断面積の中空糸膜の損傷、中空糸の封止接着剤の不良、封止口の切除等を迅速かつ確実に検知するが可能であることが分かる。特にFFT解析した結果の、発振周波数領域の音圧比を用いると高精度な検知が可能となる。
【0031】
さらに、図3のシステムにおいて、ろ過膜ケース15をハウジング内に収容し、このハウジングに水を充満できるように構成しておけば、ろ過膜自体のみならず、ろ過膜ケースに生じたリークをも検出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の代表的な膜ろ過システムのリーク検知装置の概略図である。
【図2】この発明の他の膜ろ過システムのリーク検知装置の超音波発信器及び受信器の配置図である。
【図3】この発明の他の膜ろ過システムのリーク検知装置の超音波発信器及び受信器の配置図である。
【図4】実施例1の検知装置による良品の中空糸膜の試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【図5】実施例1の検知装置による不良品の中空糸膜の試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【図6】実施例2の検知装置による良品の中空糸膜の試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【図7】実施例2の検知装置による不良品の中空糸膜の試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【図8】実施例3に用いた膜ろ過システム及びリーク検知装置の概略図である。
【図9】実施例3の検知装置による良品の中空糸膜の通水状態での試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【図10】実施例3の検知装置による不良品の中空糸膜の通水状態での試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【図11】実施例3の検知装置による良品の中空糸膜の止水状態での試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【図12】実施例3の検知装置による不良品の中空糸膜の止水状態での試験結果であり、(a)は超音波音圧を、(b)は超音波周波数成分をそれぞれ示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0033】
1 膜ろ過システム
2 ろ過膜ケース
3 導入管
4 超音波発信器
5 排水管
6 超音波受信器
7 比較器
8 警報器
9 原水導入管
10 処理水排出管
11 膜ろ過システム
12 貯水槽
13 ポンプ
14 原水供給ライン
15 ろ過膜ケース
16 導入管
17 脱泡ライン
18 排出管
19 流量計
20 処理水ライン
21a、21b、21c ストップ弁
22 超音波発振器
23、24 超音波受信器
25 隔膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ろ過膜を用いた膜ろ過システムの原水側及び処理水側のいずれか一方に超音波発信器を配置し、原水側及び処理水側の他方に超音波受信器を配置し、前記超音波発信器から発信した超音波の波形を前記超音波受信器で受信し、該受信波形の音圧を所定のしきい値と比較し、前記受信波形の音圧としきい値との差によってリークを検知する、膜ろ過システムのリーク検知方法。
【請求項2】
システム全体に液体を充満させた状態で検知を行う、請求項1に記載のろ過システムの膜リーク検知方法。
【請求項3】
システムから液体を排出し、ろ過膜表面が液体で濡れた状態で検知を行う、請求項1に記載の膜ろ過システムのリーク検知方法。
【請求項4】
前記超音波発信器をシステム全体の原水導入管に配置し、かつ超音波受信機を処理水排出管に配置して、システム全体のリークを検知するようにした、請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜ろ過システムのリーク検知方法。
【請求項5】
前記膜ろ過システムを構成する個々のろ過膜ケースの原水入口に超音波発信器を配置し、処理水出口に超音波受信器を配置して、個々のろ過膜ケースのリークを検知するようにした、請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜ろ過システムのリーク検知方法。
【請求項6】
正常時の超音波受信波形の音圧をしきい値として用いる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の膜ろ過システムのリーク検知方法。
【請求項7】
ろ過膜を用いた膜ろ過システムの原水側及び処理水側の一方に配置した超音波発信器と、原水側及び処理水側の他方に配置した超音波受信器と、前記超音波発信器から発信した超音波を前記超音波受信器で受信した波形の音圧を所定のしきい値と比較する比較器と、前記受信波形の音圧が前記しきい値を越えた時にシステムのリーク信号を発生する警報器とを備える、膜ろ過システムのリーク検知装置。
【請求項8】
前記超音波発信器をシステム全体の原水導入管に配置し、かつ超音波受信機を処理水排出管に配置した、請求項7に記載の膜ろ過システムのリーク検知装置。
【請求項9】
前記膜ろ過システムを構成する個々のろ過膜ケースの原水入口に超音波発信器を配置し、処理水出口に超音波受信器を配置した、請求項7に記載の膜ろ過システムのリーク検知装置。
【請求項10】
前記しきい値は正常時の超音波受信波形である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の膜ろ過システムのリーク検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−296516(P2007−296516A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93921(P2007−93921)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000120401)荏原実業株式会社 (31)
【Fターム(参考)】