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膜用ポリオレフィン組成物
説明

膜用ポリオレフィン組成物

防水用途における使用に好適な膜用ポリオレフィン組成物。特に、本発明は、水封じ込めおよび運搬、プールライナー、暴風雨および魚介用ポンドライナー、積雪用ラグーン、貯水池および工業用貯留池、食品関連ライニングなどのためのジオメンブレンにおいて使用される膜に関する。このような膜は、オレフィンポリマーの異相組成物および規定の添加剤パッケージを含む少なくとも1つの層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水用途における使用に好適な膜用ポリオレフィン組成物に関する。特に、本発明は、水封じ込めおよび運搬、プールライナー、暴風雨および魚介用ポンドライナー、積雪用ラグーン、貯水池および工業用貯留池、食品関連ライニングなどのためのジオメンブレンにおいて使用される組成物に関する。このような膜は、オレフィンポリマーの異相組成物および添加剤パッケージを含む少なくとも1つの層を含む。
【背景技術】
【0002】
公知の防水用途におけるPVC膜の使用が良好な適応性を有することは公知である。このような膜は、典型的には、環境または食品接触の問題(可塑剤放出)ならびに耐久性の美的外観および機械抵抗性についての要求の増加に起因して、ある用途における使用について一部の制限を有する。
【0003】
一般に改善された機械抵抗性を提供する、ポリオレフィン材料から構成され、またはポリオレフィン材料を含む多層膜も当分野において公知である。
【0004】
例えば、ポリエチレン膜がジオメンブレンとしての使用について公知である。HDPE膜は、ある用途について弱い応力亀裂および不十分な適応性を示すことが公知である。適応性は、より適応性のあるLLDPE膜の使用により改善されるが、一般に高い値の線熱膨張係数(CLTE)を有し、寸法安定性が悪化し、LLDPEライナーの美的外観が制限される。
【0005】
典型的には酸化防止剤および紫外線保護添加剤を含む添加剤パッケージも、ポリマーおよび得られたこの膜の特性を極端な条件への長期曝露後でさえ保存することが公知である。添加剤パッケージは、ポリマーを紫外線光および酸化から保護するために抽出性が低くなければならない。膜からの添加剤の枯渇は、水または液体の作用により達成される一方、ポリマー構造の酸化は環境高温曝露に起因する。米国特許第6541547号明細書は、抽出媒体と常に接触するポリオレフィン成形体用の安定剤として特に好適な、ホスファイトまたはホスホナイト、フェノール性酸化防止剤およびあるグループの立体障害アミン(HALS)を含む添加剤の選択された3成分混合物を開示している。フェノール性酸化防止剤の量は、ポリオレフィンの重量に対して0.02〜0.5%と開示されている。
【0006】
本出願人は、目下のところ、ポリマーベースとして選択された材料および規定量の添加剤の規定の組合せを使用することにより、機械抵抗性、寸法安定性および耐久性を組み合わせた、膜に好適な特に有利なポリオレフィン組成物が得られることを見出した。本発明によるポリオレフィン組成物は、ジオメンブレン用途に特に好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6541547号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明のさらなる目的は、引張特性および引裂抵抗の優れたバランス、低い表面粘性ならびに良好な熱溶接性および耐久性を有する本発明のポリオレフィンポリオレフィン組成物を含む膜、特にジオメンブレンである。追加の利点は、本発明による組成物が低い値のCLTEを有することである。前記特性は、高い寸法安定性を最終膜に付与し、温度の季節変動または運転条件に起因する膜の皺の発生を低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、膜の生成に好適なポリオレフィン組成物であって、
(I)
a)10〜40重量%、好ましくは20〜40重量%、より好ましくは25〜38重量%のプロピレンホモポリマー、またはプロピレンとエチレンもしくはCH2=CHRα−オレフィン(式中、Rは、C2−C8アルキル基である。)とのコポリマー、またはプロピレンとエチレンおよび前記CH2=CHRα−オレフィンとのコポリマー(前記コポリマーは、85重量%超のプロピレンを含有し、80重量%超の室温キシレン中不溶性フラクションを有する。);ならびに
b)(b1)エチレンとプロピレンまたはCH2=CHRα−オレフィン(式中、Rは、C2−C8アルキル基である。)、および場合により少量のジエンとのコポリマー、ならびに(b2)エチレンとプロピレンおよび前記α−オレフィン、および場合により少量のジエンとのコポリマーから選択される、60〜90重量%、好ましくは60〜80重量%、より好ましくは62〜75重量%の1種以上のコポリマー(前記コポリマーは、40重量%未満、好ましくは20から38重量%の量のエチレンを含有し、70重量%超、好ましくは80重量%超の室温キシレン中溶解度を有する。)
を含む組成物;
((a)および(b)の量は、(a)および(b)の全重量に対するものである。);ならびに
(II)
(i)1種以上の有機ホスファイトおよび/またはホスホナイト;
(ii)ヒンダードフェノール化合物からなる1種以上のフェノール性酸化防止剤;
(iii)1種以上のHALS(ヒンダードアミン光安定剤);
ならびに場合により
(iv)1種以上のエポキシ化脂肪酸エステル
を含む添加剤パッケージ(安定化組成物)
(比(iii)/(ii)、すなわち、HALS(iii)の量とフェノール性酸化防止剤(ii)の量との比は、1以下であり;添加剤パッケージ(II)の重量は、該ポリオレフィン組成物の重量に対して0.5から2重量%である。)
を含む組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添加剤パッケージ(II)は、好ましくは、水系溶媒中で低い抽出性である少なくとも1種の成分を特徴とする。低い抽出性は、0.01重量%以下の水中溶解度を示す。
【0011】
添加剤(i)、(ii)および(iii)および場合により(iv)の量は、好ましくは、ポリオレフィン組成物の重量に対して以下の範囲内である:
(i)0.05から0.6重量%、好ましくは0.1から0.3重量%
(ii)0.50〜1重量%、好ましくは0.55〜1重量%
(iii)0.10から1重量%、好ましくは0.30から1重量%および存在する場合、
(iv)は、0.02〜0.6重量%、好ましくは0.05から0.5重量%、より好ましくは0.1から0.3重量%である。
【0012】
比(iii)/(i)、すなわち、HALS(iii)の量とフェノール性酸化防止剤(ii)の量との比は、好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.4から0.8、いっそうより好ましくは0.5から0.8である。
【0013】
添加剤パッケージ(II)が異なる分子量を有する少なくとも2種のHALS(iii)を含むポリオレフィン組成物が特に好ましい。相対的に低い分子量のHALS(2000以下のMw)のフラクションが、成分(iii)の重量に対して20重量%以上である場合、いっそうより好ましくは30から60重量%である場合が特に有利である。
【0014】
本発明によるジオメンブレンは、実験部において本明細書に以下に記載の通り計測された、浸漬試験前に計測された基底値に対して35%以下、好ましくは30%未満、より好ましくは20%未満の酸化誘導時間(OIT)の低減パーセントを示す。基底OIT値は、典型的には、好ましくは115超、好ましくは120超である。
【0015】
本明細書において、室温は、約23℃の温度を指す。
【0016】
ポリマー成分(I)は、典型的には、半結晶PPホモまたはコポリマーマトリックス(a)内部に規則的に分布しているエラストマーエチレンコポリマー(b)を含む異相組成物である。異相組成物(I)において、成分(a)は、ホモポリマーではなくコポリマーであることが好ましい。好ましくは、成分(a)のコポリマー中のプロピレン含有率は、90から99重量%である。
【0017】
成分(a)のポリマーの室温キシレン中不溶性フラクションは、好ましくは、ホモポリマーの場合において85から99重量%の範囲であり、コポリマーの場合において85から95重量%である。
【0018】
好ましくは、異相組成物(I)は、ISO178に従って測定された、150MPa以下、好ましくは15から80MPaの曲げ弾性率を有する。
【0019】
異相組成物(I)が少なくとも20重量%の成分(a)を含有する膜が、この優れた機械特性のために特に好ましい。
【0020】
異相組成物(I)およびコポリマー(i)、(ii)および(iii)中に存在する、RがC2−C8アルキル基である上記CH2=CHRα−オレフィンの例は、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、およびオクテン−1である。ブテン−1が好ましい。
【0021】
異相組成物(I)の成分(b)中のジエンの量は、存在する場合、成分(b)の全重量に対して好ましくは1から10重量%である。ジエンの例は、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、およびエチリデン−1−ノルボルネンである。
【0022】
異相組成物(I)の例は、欧州特許出願公開第0472946号明細書および国際公開第03/011962号パンフレットに記載されており、これらの内容は本特許出願に参照のために組み込まれる。
【0023】
異相組成物(I)は、事前に調製された成分(a)および(b)を流動状態で、すなわち、これらの軟化点または融点超の温度において混合することにより、またはより好ましくは、2つ以上の段階における逐次重合により調製することができる。単一成分または異相組成物の調製のための重合法(逐次重合)を、高度に立体特異的なチーグラー・ナッタ触媒の存在下で実施することが好ましい。特に、使用される触媒系は、(1)塩化マグネシウム上に担持されたチタン化合物および電子供与化合物を含有する固体触媒成分、ならびに(2)Al含有共触媒ならびに場合により(3)電子供与化合物(外部供与体)を含む。
【0024】
固体触媒成分(1)は、電子供与体として、エーテル、ケトン、ラクトン、N、Pおよび/またはS原子を含有する化合物、ならびにモノ−およびジカルボン酸エステルから一般に選択される化合物を含有する。
【0025】
前記電子供与化合物のうち、フタル酸エステルおよびコハク酸エステルが特に好適である。
【0026】
好適なコハク酸エステルは、式(I):
【0027】
【化1】

【0028】
[式中、R1およびR2基は、互いに同一または異なっており、場合によりヘテロ原子を含有するC1−C20直鎖または分枝鎖アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基であり;R3からR6基は、互いに同一または異なっており、水素または場合によりヘテロ原子を含有するC1−C20直鎖もしくは分枝鎖アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基であり、同一炭素原子に結合しているR3からR6基は、一緒になって結合して環を形成することができる。]により表される。
【0029】
1およびR2は、好ましくはC1−8アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびアルキルアリール基である。R1およびR2が、第1級アルキル、特に分枝鎖第1級アルキルから選択される化合物が特に好ましい。好適なR1およびR2基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ネオペンチル、2−エチルヘキシルである。エチル、イソブチル、およびネオペンチルが特に好ましい。
【0030】
式(I)により記載される化合物の好ましいグループの1つは、R3からR5が水素であり、R6が、3から10個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルおよびアルキルアリール基である化合物である。式(I)の化合物の範囲内の化合物の別の好ましいグループは、R3からR6の少なくとも2個の基が水素ではなく、場合によりヘテロ原子を含有するC1−C20直鎖または分枝鎖アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキルまたはアルキルアリール基から選択される化合物である。水素ではない2個の基が同一炭素原子に結合している化合物が特に好ましい。さらに、水素ではない少なくとも2個の基、すなわちR3およびR5またはR4およびR6が異なる炭素原子に結合している化合物も特に好ましい。
【0031】
特に好適な他の電子供与体は、欧州特許出願公開第361493号明細書および同第728769号明細書に説明されている1,3−ジエーテルである。
【0032】
共触媒(2)として、好ましくは、トリアルキルアルミニウム化合物、例えばAl−トリエチル、Al−トリイソブチルおよびAl−トリ−n−ブチルを使用する。
【0033】
外部電子供与体として使用することができる電子供与化合物(3)(Al−含有化合物に添加される)は、芳香族酸エステル(例えば、安息香酸アルキル)、複素環式化合物(例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび2,6−ジイソプロピルピペリジン)、および特に少なくとも1個のSi−OR結合(式中、Rは、炭化水素基である。)を含有するケイ素化合物を含む。前記1,3−ジエーテルも、外部供与体として使用するのに好適である。内部供与体が前記1,3−ジエーテルの1種である場合、外部供与体は省くことができる。
【0034】
触媒は、少量のオレフィンと予備接触させることができ(予備重合)、触媒を炭化水素溶媒中の懸濁液中で維持し、室温から60℃の温度において重合し、こうして触媒の重量の0.5から3倍の多量のポリマーを生成する。
【0035】
操作は液体モノマー中で行うこともでき、この場合、触媒の重量の最大1000倍の多量のポリマーが生成される。
【0036】
使用することができる他の触媒は、米国特許第5,324,800号明細書および欧州特許出願公開第第0129368号明細書に記載のメタロセンタイプ触媒であり;例えば米国特許第5,145,819号明細書および欧州特許出願公開第0485823号明細書に記載の架橋ビス−インデニルメタロセンが特に有利である。好適な触媒の別のクラスは、欧州特許出願公開第0416815号明細書(Dow)、欧州特許出願公開第0420436号明細書(Exxon)、欧州特許出願公開第0671404号明細書、欧州特許出願公開第0643066号明細書および国際公開第91/04257号パンフレットに記載のいわゆる幾何拘束型触媒である。これらのメタロセン化合物は、特に成分(b)を生成するために使用することができる。
【0037】
異相組成物(I)の生成のための上記逐次重合法は少なくとも2つの段階を含み、第1の段階において、プロピレンを場合により(1種以上の)コモノマーとしてのエチレンおよび/または前記α−オレフィンの存在下で重合して成分(a)を形成し、後続の(1つ以上の)段階において、エチレン/プロピレンおよび/または他のα−オレフィンおよび場合によりジエンの混合物を重合して成分(b)を形成する。重合法は、液相、気相、または液/気相中のいずれかで実施する。重合の種々の段階における反応温度は、同一または異なっていてよく、一般に、成分(a)については40から90℃、好ましくは50から80℃の範囲であり、成分(b)については40から60℃の範囲である。
【0038】
単一段階の圧力は、この段階が液体モノマー中で実施される場合、使用される操作温度において液体プロピレンの蒸気圧と競合する圧力であり、(1種以上の)モノマーおよび分子量調節剤として使用される水素の過圧により、ならびにおそらく触媒混合物を供給するために使用される少量の不活性希釈剤の蒸気圧により改変される。
【0039】
重合圧力は、重合が液相中で行われる場合、5から30atmであり得ることが示されている。逐次重合法の例は、前記欧州特許出願公開第0472946号明細書および国際公開第03/011962号パンフレットに記載されている。
【0040】
異相組成物(I)のメルトフローレートMFR値は、一般に、ASTM D1238(ISO113−1991と技術的に同等)に従って230℃/2.16kgにおいて計測された、0.1から100g/10分、好ましくは0.2から50g/10分、いっそうより好ましくは0.3から10g/10分である。
【0041】
本発明による膜用組成物において使用することができる異相組成物(I)についての望ましいMFR値は、分子量調節剤(例えば、水素)を適切に調節することにより重合において直接得ることができ、または前記ポリマー成分もしくは組成物をビスブレーキングに供することにより得ることができる。前記ポリマー鎖の分断またはビスブレーキングは、周知技術を使用することにより実施される。これらの1つは、一般に押出機中で加熱時に所望のビスブレーキングの程度を提供するのに十分な量でポリマー組成物に添加される過酸化物を使用することからなる。
【0042】
ポリマービスブレーキングプロセスにおいて最も都合良く使用される過酸化物は、好ましくは150℃から250℃の範囲の分解温度を有する。前記過酸化物の例は、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシンおよびLuperox 101 2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンであり、これらは全て市販されている。
【0043】
ビスブレーキングプロセスに必要な過酸化物の量は、好ましくはポリマーの0.001から1.5重量%、より好ましくは0.002から0.6重量%の範囲である。
【0044】
本発明による添加剤パッケージ(II)において使用される有機ホスファイト(i)は、好ましくは、以下の一般式を有する化合物から選択される:
【0045】
【化2】

【0046】
[式中、R1、R2、R3は、同一または異なっており、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアリールアルキル基である。];
【0047】
【化3】

【0048】
[式中、R1およびR2は、同一または異なっており、上記意味を有する基であり;Qは、4価アルキル基である。];
【0049】
【化4】

【0050】
[式中、R1、R2、R3、R4は、同一または異なっており、R基について既に示された意義を有する基であり、Xは、2価アルキル、アリール、またはアリールアルキル基である。]。
【0051】
一般式Iに含まれる有機ホスファイトの例は、米国特許第4,187,212号明細書および同第4,290,941号明細書に記載されている。
【0052】
一般式I、II、IIIに含まれる化合物の具体例は:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba specialty Chemicals)により商標名Irgafos 168で販売されているトリス(2,4−ジ−ter−ブチルフェニル)ホスファイト;ケムチュラ(Chemtura)によりWeston 618の商標名で販売されているジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト;アデカ・アーガス化学(Adeka Argus Chemical)により商標名Mark Pで販売されている4,4min−ブチリデンビス(3−メチル−6−ter−ブチルフェニル−ジトリデシル)ホスファイト;トリス(モノノニル−フェニル)ホスファイト;ケムチュラ(Chemtura)により商標名Ultranox 626で販売されているビス(2,4−ジ−ter−ブチル)ペンタエリスリトールジホスファイトである。
【0053】
本発明による添加物パッケージ(II)において添加剤(i)として代替的に使用することができる有機ホスホナイトは、好ましくは、一般式:
【0054】
【化5】

【0055】
[式中、R1、R2、R3は、同一または異なっており、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アリール、またはアリールアルキル基である。]の化合物から選択される。
【0056】
または、好ましくは、R3基は、基
【0057】
【化6】

【0058】
[式中、R4およびR5は、同一または異なっており、R基について上記の意義を有する基であり、Xは、2価アルキル、アリール、またはアリールアルキル基である。]により置換されていてよい。
【0059】
本発明により都合良く使用することができる一般式IVに含まれる有機ホスホナイトの例は、英国特許第1,372,528号明細書に記載されている。
【0060】
有機ホスファイトおよびホスホナイトは、一般に、溶融状態のポリオレフィンの分解および酸化を阻害するために使用される(プロセス安定剤)。
【0061】
本発明による添加剤パッケージ(II)において使用されるフェノール性酸化防止剤(ii)は、好ましくは、以下の式:
【0062】
【化7】

【0063】
[式中、R1およびR2は、tert−ブチルであり、R3は、水素であり、R4は、
【0064】
【化8】

である。]を有するヒンダードフェノール化合物から選択され、
または成分(ii)は、
【0065】
【化9】

である。
【0066】
上記の好ましいフェノール性酸化防止剤は:
(VI)Ciba Specialty Chemicalsにより以下の商標名Irganox 3114;Irganox 1330で販売されている1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ter−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−ter−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオン;
(VII)インペリアル・ケミカル・インダストリーズ(Imperial Chemical Industries Limited)により製造され、シール・サンズ・ケミカルズ(Seal Sands Chemical)により商標名Topanol CAで販売されている4−[4,4−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−tert−ブチル−フェニル)ブタン−2−イル]−5−メチル−2−tert−ブチル−フェノール;
(VIII)Ciba specialty Chemicalsにより商標名Irganox 1010で販売されているペンタエリスリチル−テトラキス[3(3,5−ジ−ter−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];
(IX)Ciba Specialty Chemicalsにより、商標名Irganox MD 1024で販売されている2’,3−[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド;
(X)Ciba Specialty Chemicalsにより商標名Irganox 1076で販売されているオクタデシル−3−(3,5−tert.ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネートである。
【0067】
本発明による添加剤パッケージ(II)においてさらに使用されるHALS(iii)は、アミン官能基の立体障害を有するアミン化合物であり、一般に、固体状態のポリオレフィンのための、光により誘導される酸化に対する安定剤として使用される。
【0068】
本発明により使用されるHALS(iii)は、以下の一般式:
【0069】
【化10】

【0070】
[式中、R1基は、同一または異なっており、C1−C4アルキル基、もしくはテトラメチルピペリジン基であり、またはアルキル基は、これらが結合しているピペリジン炭素原子と一緒にC5−C9シクロアルキル基を形成しており;R2基は、同一または異なっており、水素またはC1−C18アルキル基、C7−C18アリールアルキル基であり、またはアルキル基は、これらが結合しているピペリジン炭素原子と一緒にC5−C10シクロアルキル基を形成しており;R3基は、同一または異なっており、水素、またはC1−C18アルキル基もしくはC7−C18アリールアルキル基であり;R4基は、水素、またはC1−C8アルキル基、またはベンジル基、またはピペリジン環の4位に炭素を含む複素環であり;Zは、水素、またはC1−C18アルキル、C1−C12アルキレン、C3−C12アルケニル、C3−C5アルキニル、C7−C18アリールアルキル、C2−C4アシル、C2−C18アルカノイル、C3−C18アルコキシアルキル、C3−C18アルケノイル、オキシリック(oxylic)、シアノメチル、キシリレニル基、または1から4価を有し、1から4個のヒドロキシル基および場合によりエーテル、エステル、もしくは複素環基を含有する基(ピペリジン基の窒素に結合している前記基の原子価である。)であり、または1個以上のエステルもしくはアミド基を含有する2価基、または
【0071】
【化11】

基(式中、R5およびR6は、炭化水素基である。)である。]を有する1個以上の置換ピペリジン基を分子中に含有するモノマーまたはオリゴマー化合物である。
【0072】
好ましくは、Zは、C1−C12アルキル基、またはC3−C8アルケニル、C7−C11アラルキル基、または1個以上のエステル基を含有する2価基(ピペリジン基の窒素原子に結合している前記基の原子価である。)である。
【0073】
R4基が、ピペリジン環の4位に炭素を含む複素環基である場合、HALSとエピクロロヒドリンとの反応の生成物を本発明による成分(iii)として使用することもできる。
【0074】
本発明による好ましいHALSの具体例は、以下の式を有する化合物である:
【0075】
【化12】

【0076】
[式中、nは、一般に、2から20で変動する。]。このタイプの化合物は、Ciba Specialty Chemicalsにより商標名Chimassorb 944で販売されているポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]](分子量:2000〜3100、溶融範囲100〜135℃である。
【0077】
【化13】

【0078】
[式中、nは、一般に、2から20で変動する。]。
【0079】
このタイプの化合物は、Ciba specialty Chemicalsにより商標名Tinuvin 622(分子量:3100〜4000、溶融範囲50〜70℃)で販売されている。
【0080】
【化14】

【0081】
すなわち、三共(Sankyo Co.,Ltd)により商標名SANOL(登録商標)LS−2626で販売されている1,[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(分子量:722、溶融範囲:135−140℃)。
【0082】
ヘキスト(Hoechst)により商標名Hostavin N30で販売されている、式
【0083】
【化15】

の化合物と、エピクロロヒドリンとの反応生成物(オリゴマーアミン)(分子量:1500、溶融範囲:100〜130℃)。
【0084】
本発明による安定化添加剤パッケージにおいて場合により使用することができるエポキシ化脂肪酸エステル(iv)は、プラスチック材料における可塑剤としての使用が公知の、エポキシ化オレオケミカル、例えばエポキシ化グリセロール脂肪エステルESO(エポキシ化ダイズ油)およびELO(エポキシ化アマニ油)である(例えば、PVCにおけるフタレートの置き換え)。
【0085】
規定量のこのさらに好ましい添加剤の添加により、安定化に関して追加の驚くべき利点がもたらされる。このことは、任意の理論に拘束されるわけではないが、ポリマーマトリックス中での添加剤の相溶化効果または溶解度の増加と相関し得る。
【0086】
ポリオレフィンを安定化させるために一般に使用されるさらなる添加剤、特にステアリン酸Ca、Mg、Zn、および鉱油、例えばパラフィン油を、本発明によるポリオレフィン組成物および膜の調製において使用することもできる。
【0087】
本発明の膜に使用される全てのポリマー成分および組成物は、当分野において一般に用いられる他の添加剤、例えば核形成剤、着色剤および充填剤を含有することもできる。
【0088】
上記の通り、本発明のさらなる目的は、本発明によるポリオレフィン組成物を含む膜、特にジオメンブレンである。本発明による膜は、好ましくは、単層膜であるが、多層構造であってもよい。例えば、本発明による膜は、本発明によるポリオレフィン組成物から構成される少なくとも1つの層を含む膜であり得る。具体例は、本発明によるベース層(A)およびトップ層(B)、例えば国際公開第2009/0077481号パンフレットに記載の層を含む2層膜であり得る。他の層、例えば特に強化層が存在してよい。
【0089】
このような強化層は、ポリオレフィン材料、例えばプロピレンホモポリマーおよびコポリマー、またはポリエチレンテレフタレート(PET)から構成されていてよい。特に、これらの強化層は、前記ポリオレフィン材料を含む繊維から構成される織布または不織布であり得る。
【0090】
本発明による単層膜についての好ましい厚さの値は、1000から3500μmである。
【0091】
構造が本発明によるベース層(A)およびトップ層(B)を有するものとみなす場合、ベース層(A)についての好ましい厚さの値は、500μm以上である。
【0092】
本発明の膜は、関連分野において周知の装置および方法、特に押出、同時押出および積層により調製することができる。
【0093】
特に、単層膜は、吹込成形、スロットダイ押出または圧延してシートにすることができる。
【0094】
押出および同時押出は、好ましくは、185から210℃の溶融温度プロファイルおよび200から220℃の頭部温度を用いて実施する。
【0095】
さらに、本発明による膜は、本発明による組成物を含むインフレートフィルムおよび二軸延伸フィルム(BOPP)であり得る。
【0096】
キャストフィルムプロセスにおいて、溶融ポリマー材料を長く薄い矩形スリットに押込む。押出物は、薄いフィルムの形状を有する。フィルムは、巻取前に冷却する。
【0097】
上記の通り、本発明の膜は、特に、ジオメンブレン用途、すなわち、ルーフィングにおけるジオメンブレン用途において使用される膜であり得、すなわち、ルーフィング膜は除外されない。
【実施例】
【0098】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、限定するものではない。パーセントは、特に記載のない限り重量基準である。分子量は、特に記載のない限り数平均である。
【0099】
実施例において使用される材料
Heco−1は、実施例において膜を調製するために使用される異相組成物(I)である。Heco−1は、約0.6g/10分のMFR値、20MPaの曲げ弾性率および室温キシレン中可溶性フラクションの76重量%の含有率を有し、プロピレンと3.3重量%のエチレンとの(重量パーセント)17重量%の結晶性コポリマー(A);および90重量%の室温キシレン中溶解度を有する32重量%のエチレンを含有するプロピレンとエチレンとの83重量%のコポリマー(B)を含む異相ポリオレフィン組成物である。
【0100】
全組成物の室温キシレン中可溶性フラクションの固有粘度は、テトラヒドロナフタレン中で135℃において測定して2.8dl/gである。
【0101】
Heco−1は、二塩化マグネシウム上で担持された立体特異的チーグラー・ナッタ触媒の存在下で逐次重合法により調製した。
【0102】
実施例1から4および1bならびに比較例1および2(c1、c2)
表1に規定された安定化添加剤パッケージを含有するポリオレフィン組成物を、Leistritz Micro 27 2軸スクリュー押出機(サイズ=27mm;L/D=40;最大RPM=500;容量=5〜40Kg/時、供給:3個のポート(メインフィーダ+2機のサイドフィーダ);4機のロスインウェイトフィーダ)中で調製した。押出条件は以下の通りであった:
200rpmの回転速度
237℃の溶融温度
【0103】
1mmの呼称厚を有する膜試料を、調製組成物により出発して、フラットダイ(140mm)を備えたBrabender 30mmにより、以下の条件下で製造した:
処理量6〜8Kg/時
回転速度150rpm
溶融温度245℃
頭部圧力40bar
【0104】
こうして得られた膜のOIT値および機械特性も表1に報告する。
【0105】
以下の試験法を使用して規定の特性を計測した。
【0106】
酸化誘導時間(OIT)
120×150mmの試験片を各膜試料から切り取り、85±1℃において水中浸漬により6週間老化させて添加剤の枯渇を加速した。水中浸漬老化後、120℃においてオーブン老化を行って酸化効果を加速した。各膜組成物についての試験片を取り出し、試験が不合格になるまで毎週試験した。
【0107】
「酸化誘導時間」(OIT)は、ポリマー試料の酸素に対する曝露と酸化反応の開始との間の時間である。
【0108】
OIT手順:1.0±0.2グラムの各試験片の試料を秤量し、真空ラインに接続されたガラス管試験容器中に導入し、加熱油浴(200℃)上に15分間配置した。次いで、酸素を1250±30mbarの圧力範囲内で容器中に導入した。次いで、容器を酸素ラインから隔離し、容器内部の圧力変動を時間に応じて記録した。記録計は、初期の一定のシグナルおよび酸化反応に起因する試料による酸素の急速な吸収に起因する後続の傾斜の変化を示す。曲線の2本の接線の交点が酸化誘導時間(OIT)を与える。最終値(分)は、3回の計測値の平均である。
【0109】
12分以下のOITを有する試料を不合格と判断した。
【0110】
引張特性(破断点伸びおよび破断点応力)
引張特性を、ISO527−5Aに従って500mm/分の変形速度において計測した。試料を老化させてから85±1℃において10週間水中浸漬し、次いで120℃においてオーブン老化させることにより引張特性を試験した。試料をオーブンから取り出し、試料が不合格になるまで2週間毎に試験した。試料が50%未満の保持特性を有した場合、不合格とみなした。
【0111】
【表1−1】

【0112】
【表1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン組成物であって、
(I)
a)10〜40重量%のプロピレンホモポリマー、またはプロピレンとエチレンもしくはCH2=CHRα−オレフィン(式中、Rは、C2−C8アルキル基である。)とのコポリマー、またはプロピレンとエチレンおよび前記CH2=CHRα−オレフィンとのコポリマー(前記コポリマーは、85重量%超のプロピレンを含有し、80重量%超の室温キシレン中不溶性フラクションを有する。);ならびに
b)(b1)エチレンとプロピレンまたはCH2=CHRα−オレフィン(式中、Rは、C2−C8アルキル基である。)とのコポリマー、ならびに(b2)エチレンとプロピレンおよび前記α−オレフィンとのコポリマーから選択される、60〜90重量%の1種以上のコポリマー(前記コポリマーは、40重量%未満の量のエチレンを含有し、70重量%超の室温キシレン中溶解度を有する。)
を含む組成物;
((a)および(b)の量は、(a)および(b)の全重量に対するものである。);ならびに
(II)
(i)1種以上の有機ホスファイトおよび/またはホスホナイト;
(ii)ヒンダードフェノール化合物からなる1種以上のフェノール性酸化防止剤;
(iii)1種以上のHALS;
ならびに場合により
(iv)1種以上のエポキシ化脂肪酸エステル
を含む添加剤パッケージ
(比(iii)/(ii)は、1以下であり;添加剤パッケージ(II)の重量は、該ポリオレフィン組成物の重量に対して0.5から2重量%である。)
を含む組成物。
【請求項2】
該添加剤パッケージ(II)が、水系溶媒中で低い抽出性である少なくとも1種の成分によって特徴付けられる、請求項1に記載のポリオレフィン組成物。
【請求項3】
異相組成物(I)が、150MPa以下の曲げ弾性率を有する、請求項1に記載のポリオレフィン組成物。
【請求項4】
請求項1に記載のポリオレフィン組成物を含む膜。
【請求項5】
ジオメンブレンとして使用される、請求項4に記載の膜。

【公表番号】特表2013−515117(P2013−515117A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545246(P2012−545246)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069930
【国際公開番号】WO2011/076664
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(506126071)バーゼル・ポリオレフィン・イタリア・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (138)
【Fターム(参考)】