説明

膣に使用するためのセルタコナゾールの医薬組成物

本発明は、外陰膣カンジダ症の治療のためのセルタコナゾール又はその医薬的に許容できる塩の単回投与粘膜接着性膣組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は膣に使用するためのセルタコナゾール(sertaconazole)の組成物に関し、さらに特定的には外陰膣カンジダ症の治療において使用するためのセルタコナゾールの組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
外陰膣カンジダ症は、外陰部、膣又はその両方を一緒に冒す、炎症状態であり、そして特にイースト カンジダ アルビカンス(Candida albicans)により、そしてより低い程度で、C.グラブラタ(C.glabrata)、C.トロピカリス(C.tropicalis)、C.パラプシロシス(C.parapsilosis)、C.ギュィラーモンディ(C.guillermondi)及びC.クルセイ(C.krusei)のような他のカンジダ spp.(Candida spp.)により上皮細胞の表面感染により起こる。外陰膣カンジダ症は、外陰部の痒み、真正膣炎を伴う又は伴わない膣分泌、白帯下、外陰部紅斑及び浸解により特徴づけられる。この疾患の蔓延が増大しているので、新しい抗真菌薬製剤の調査研究及び開発が十分に正当化される。経口及び膣内の抗真菌薬が、併発症を併なわない外陰膣カンジダ症の治療において同様に有効であることは今日では認められている。特に妊娠女性において、経口的よりもむしろ局所的に医薬を投与することが通常好ましいので、その結果として外陰膣カンジダ症の局所治療が推奨され、そして経口医薬送達は可能な場合は避けられるべきである。
【0003】
USP 4551148は、膣表面への生体接着(bioadherence)の特性を有するナイスタチンのエマルション又は懸濁液からなる膣送達のためのシステムを記載している。他方、米国特許第5,266,329号は膣表面への生体接着の特性を有するイミダゾール抗真菌薬のエマルション又は懸濁液からなる膣送達のためのシステムを記載している。
【0004】
WO95/31178は膣使用のためのシクロデキストリンとイトラコナゾール(itraconazole)のエマルション及び水溶液を記載している。
USP 5514698は、人体において安定な粘性を有する長い持続性の抗真菌薬膣クリームを記載している。
【0005】
EP 770384は、ユニークな粘膜接着性(mucoadhesive)重合体としてポリカルボフィルを含有する膣使用のための、抗真菌薬、抗原虫薬、消毒薬、ホルモン類、抗生物質及び化学療法薬の無水固体医薬組成物を記載している。同様に、EP 918510は、ポリカルボフィルが粘膜接着性重合体として働く抗真菌活性又は抗原虫活性を有するポリカルボフィル−アゾール複合体のゲルを記載している。
【0006】
WO 00/30626は、外陰部への硝酸ミコナゾールクリームの適用と同様に、硝酸ミコナゾールの小卵状剤(ovule)の単回投与の膣内投与からなる外陰膣カンジダ症を治療するための方法を記載している。
【0007】
WO 02/03896は、親油性又は親水性賦形剤、粘膜接着剤及び活性成分の浸透増進剤を含む、抗真菌薬、抗細菌薬、抗ウイルス薬又はトリコモナス属虫殺虫剤を含有する膣内具(intravaginal device)に、膣上皮を接触させることからなる、真菌、細菌、ウイルス又は寄生生物により起こされる膣又は子宮の感染を治療するための方法を記載している。
【0008】
DE−A−19737348は、膣の細菌及び真菌感染の局所治療のための錠剤、ペッサリー及び小卵状剤(ovules)の形でのクリンダマイシンとクロトリマゾールとの相乗作用的組み合わせを記載している。
【0009】
WO 99/55333は、外陰膣炎及び膣炎を起こす微生物と局所的に闘うための少なくとも2種のイミダゾール成分の相乗作用的組み合わせを記載している。
【0010】
WO 03/032948は、口腔、鼻腔又は膣腔への抗細菌性、抗真菌性及び抗ウイルス性軟膏の送達のための組成物及び方法を記載している。前記組成物はキサンタンガム及びナトリウムカルボキシメチルセルロースのような1種以上の生体接着性剤(bioadhesive)を含有することができる。
【0011】
WO 99/13862は、膣投与のための医薬的に許容できる生体接着性担体を含む医薬組成物に関する。その生体接着性担体は、架橋したポリカルボン酸重合体配合物である。適当な架橋剤はジビニルグリコール、ジビニルベンゼン、N,N−ジアルキルアクリルアミド、3,4−ヒドロキシ−1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン及び同様な化学剤を包含する。適当なポリカルボン酸は、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸を包含する。
【0012】
Torres、等のInternational Journal of Gynecology & Obsterics 71(2000) 53−520において、婦人科におけるセルタコナゾール(sertaconazole)の使用を記載している。試験した配合物及び投与量は、300mg持続放出膣小卵状剤(ovule)、500mg膣錠剤(両方共に単回投与)、及び7日間繰り返しての適用における2%膣クリームであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、外陰膣カンジダ症の治療において膣使用のためのセルタコナゾール(sertaconazole)の新しい組成物を提供することである。さらに特定的には、本発明は、外陰膣カンジダ症の治療のための単回投与の薬剤投与型(dosage form)におけるセルタコーゾールの粘膜接着性(mucoadhesive)膣組成物に関する。
上記特性を有するセルタコナゾールの組成物は今迄記載されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
セルタコナゾール(sertaconazole)は、イースト類、皮膚糸状菌類、及び日和見感染性真菌に対して優れた活性を有する広いスペクトルの抗真菌薬である。その抗真菌効能に加えて、セルタコナゾールは良好な安全プロフィール、持続した皮膚における保持、及び低い全身吸収性を有している。すべてのこれらの性質から、これは局所適用のための理想的な製品である。参考のために、外陰膣カンジダ症において多くの蔓延しているカンジダ spp.(Candida spp.)に対するセルタコナゾール、ビフォナゾール(bifonazole)及びエコナゾールの最小抑制濃度(MIC)として表されるインビトロ活性を表1に示す(Carrillo−Munoz A.J.及びTorres−Rodriguez J.M.のJ.Antimicrob.Chemother.1995:36第713頁〜716頁)。
【0015】
【表1】

【0016】
さらに、セルタコナゾールは、C.アルビカンス(C.albicans)に対する殺真菌薬として、大部分のイミダゾール抗真菌薬よりも優れている(Palacin C.、Sacristan A.及びOrtiz J.A.のArzneim.Forschung,1992:42(I)第711頁〜第714頁;Agut J.、Palacin C.及びOrtiz J.A.のArzneim.Forschung 1992:42(I)第721頁〜第724頁)。
【0017】
先行技術の組成物とは対照的に、本発明は、1種以上の粘膜接着性(mucoadhesive)賦形剤の存在により特徴づけられる。これらの粘膜接着性賦形剤は、好ましくは、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等のようなセルロース重合体から、又はカルボマー、ポリカルボフィル等のようなポリアクリル酸−誘導体重合体から選ばれる。本出願人等は、驚くべきことに、ポリカルボフィルとカルボマーとの組み合わせが製剤の粘膜接着作用を高めるが、しかしセルタコナゾールの吸収を高めないことを見い出した。その結果、活性成分セルタコナゾールは、3〜5日の期間、膣の粘膜に留まり、膣粘膜を通過してのその吸収(浸透)は投与量の0.1%未満である。結果として、全身副作用を無視することができる。得られた膣内製剤は、カンジダ spp.(Candida spp.)の都合のよい且つ安全な撲滅を達するために単に単回投与適用を必要とするだけであり、このことは実施において非常に有利である。
【0018】
本発明において使用する賦形剤は、親油性剤、粘膜接着性剤及び保存料として分類されるものである。本発明の範囲を限定することを意図しない可能な賦形剤の中で、以下のものが好ましい:
【0019】
a)親油性賦形剤:
ステアリン酸グリセリル類及び誘導体類、例えばポリエチレングリコールステアレート類、ケトステアリルアルコール類、n−アルコール類(ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びミリスチルアルコール)のポリエチレングリコールエーテル類、液体パラフィン、レシチンオイル、グリセロール、等。エチレングリコールのパルミチン酸ステアリン酸エステルとポリエチレングリコールとの組み合わせ(テフォース 63(Tefose 63))、飽和ポリグリコール化グリセリド類(ラブラフィル M2130CS(Labrafil M2130CS))、イソステアリン酸グリセリル(イソステアリックペセオール(isostearic peceol))及び液体パラフィンが、本発明の実施のために非常に適当であることを、本出願人等は見い出した。全体として、親油性賦形剤は、本組成物の10〜40%、好ましくは30〜35%の総割合で存在する。
【0020】
b)粘膜接着性(mucoadhesive)賦形剤:
ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、等から選ばれたセルロース重合体、ゼラチン、コロイド無水シリカ、あるいはカルボマー及びポリカルボフィルのようなポリアクリル酸重合体。すべてのこれらの粘膜接着性賦形剤はまたゲル形成能力を持っている。ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸(例えはポリカルボフィル AA−1)と、スクロース又はペンタエリスリトールのアリルエステルで架橋したアクリル酸(例えばカルボポール 974p(carbopol 974p)又はカルボポール 934p)との組み合わせは、本発明の実施のために非常に適当であることを本出願人等は見い出した。全体として、ゲル形成性性質を有する粘膜接着性賦形剤は、本組成物の0.1〜3%、好ましくは1〜1.5%の総割合で存在する。
【0021】
c)保存料:
メチルパラベン、ブチルパラベン又はプロピルパラベンのようなパラベン類、安息香酸、ソルビン酸、硼酸、等。全体として、保存料は、本組成物の0.01〜0.3%、好ましくは0.1〜0.2%の総割合で存在する。
【0022】
任意に、本発明の組成物は、なおその上に、ポビドン又はプロピレングリコールのような懸濁剤及び湿潤剤、及び水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン(TEA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような、組成物の粘性を調節するための中和剤を含有することができる。ポピドンを、本組成物の1〜3%、好ましくは2%の濃度で通常使用する。プロピレングリコールに関して、それは通常本組成物の5〜10%、好ましくは7%で使用される。
【0023】
可能な組成物の中で、本発明は好ましくはクリーム及びゲルに関する。本発明の組成物の調製のために、セルタコナゾールは、遊離塩基として、又は医薬的に許容できる塩の形で使用できる。医薬的に許容できる塩の中で、硝酸塩が好ましい。本組成物はまた、1種以上の塩との遊離塩基の混合物、ならびに2種以上の塩の混合物を含有することができる。
【0024】
クリーム配合物を、セルタコナゾールの2つの異なる濃度で適用することができる。最も高い濃度のクリームを膣の内部に適用し、そして最も低い濃度のクリームを感染領域、外陰の周辺上に適用する。さらに厳密には、本発明は単回投与で投与する内部適用のためのクリームに関する。このクリーム組成物における硝酸セルタコナゾールの濃度は、2〜10%の範囲にあることができ、容積によるその量は4〜6ミリリットルの範囲にあることができる。これは80〜600mgの硝酸セルタコナゾールの投与量に相当する。1つの態様に従えば、その濃度は、2%より高く、3%、4%、5%又は6%であり、そして特に3〜10%又は4〜9%の範囲にある。5〜8%の濃度が好ましく、さらに好ましくは6〜7%である。
【0025】
5mlの容積が好ましい。これは硝酸セルタコナゾールの250〜400mg、さらに好ましくは300〜350mgの投与量に相当する。セルタコナゾール、及び硝酸塩以外のセルタコナゾール塩は、同じ濃度を適用する。別法として、本発明はまた、膣の内部に適用するためのゲルに関し、これは単回投与で投与することができる。ゲル配合物中の活性成分の濃度は、対応するクリーム配合物の濃度に類似している。しかしながら、クリームとは異なって、ゲルは、それらの配合物中に親油性賦形剤を必ずしも含有しない。
【0026】
これらの配合物(クリーム類及びゲル類)の適当な投与のために、それらはES2,133,090に記載されているような、塗布具(applicator)の内部に都合よく包入することができ、これは本発明の目的の1つを構成する。得られたクリーム中の硝酸セルタコナゾールの結晶の寸法は、80μmより小さい。好ましくは、80μmより小さい粒子寸法を有する微粉状化硝酸セルタコナゾールを使用する。
【0027】
他方、前の文節に記載された膣適用のための従来のクリームは、硝酸セルタコナゾールの1〜3%、好ましくは2%の濃度を有する。その容積は5〜15ミリリットルの範囲、好ましくは10ミリリットルである。内部適用のためのクリーム又はゲル配合物の場合において、単回投与又は繰り返し投与量で投与することができる。このクリーム組成物は、外陰及び膣の両方において、カンジダ sppで感染した女性における(外陰における)膣外側の痒み及び刺激を緩和するために使用され、そして前の文節において記載されたように、濃厚なクリーム又はゲル配合物を用いての補助的膣治療を務める。
【0028】
したがって、本発明の好ましい態様は、2種の配合物を有するキットである。内部使用のための濃厚なクリーム又はゲル配合物は、好適には塗布具(applicator)中に包入され、そして単回投与でのその適用のために調製される。外部使用のための従来のクリームは、単回投与での又は繰り返し投与でのその適用のために慣用のチューブ中に包入される。
【0029】
2種の配合物、即ち濃厚な膣内クリーム配合物(例1)及び従来のクリーム配合物からの硝酸セルタコナゾールの放出を試験した。外部領域(外陰)の治療のためにまた使用する従来のクリーム配合物とは対照的に、本発明の配合物は、ゆっくりとした放出プロフィールで活性成分を放出する。
【0030】
他の様に示さない限り、パーセント〔%〕として与えられる濃度及び割合は、重量に関し、したがって“重量%”を意味する。
【実施例】
【0031】
本発明を、以下の諸例によりさらに例示するが、しかし本発明はそれらの例に限定されない。
例 1
膣内投与のための100gのクリームの調製
組成
【表2】


1:テフォース 63(Tefose 63):
エチレングリコール及びポリエチレングリコールパルミテートステアレート。2:ラブラフィル M2130CS(Labrafil M2130CS):
飽和ポリグリコールグリセリド類。
3:イソステアリック ペセオール(Isostearic peceol): イソステアリン酸グリセリル。
4:ポリカルボフィル AA−1(Polycarbophil AA−1): ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸。
5:カルボポール 974p(Carbopol 974p):
スクロース及びペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体。
【0032】
物理化学的性質
外観:白色、匂い無し(又は軽い油状匂い)。
流動体粘稠性の半固体クリーム。
浸透性:43.5±5%mm。
粘性率:347,000cps±45%(25℃)。
【0033】
例 2
インビトロ溶解及び経皮浸透試験
例1のクリーム配合物からの硝酸セルタコナゾールのインビトロ溶解及び経皮浸透性試験を、2%硝酸セルタコナゾールの従来のクリーム配合物と比較して評価した。
【0034】
従来のクリームの100gのための組成は以下のとおりである:
【表3】


1:テフォース 63(Tefose 63):
エチレングリコール及びポリエチレングリコールパルミテートステアレート。
2:ラブラフィル MS2230(Labrafil MS2230):
飽和(C10−C18)ポリオキシエチレングリコールおよびグリコールグリセリド類。
3:イソステアリック ペセオール(Isostearic peceol):
イソステアリン酸グリセリル。
4:ニパギン(Nipagin):p−ヒドロキシ安息香酸メチル。
【0035】
2.54cmの拡散面積を有するフランツ セル(Franz cell)タイプの拡散システムを使用して両方の試験を行った。1ミリリットルのクリームをドナー区画に入れ、そして11ミリリットルの適当なレセプター媒体をレセプター区画に入れた。溶解試験のために、ナイロンエステル類の0.45μmのミリポア(Millipore)膜を使用し、そしてレセプター媒体をエタノール−水(1:1)の混合物から形成した。膣上皮を浸透膜として使用しそしてpH7.4での燐酸塩緩衝溶液をレセプター媒体として使用した。
【0036】
浸透試験において使用した4cm膜は、ポリカーボネート支持体上のヒト膣上皮の形質転換細胞から再形成された膣上皮細胞(5日間培養)により、形成した。これらの細胞を、外陰部類表皮癌の細胞系から得た。試験温度は両方の場合について32℃であった。
【0037】
セルタコナゾールの物理化学的性質から考えて、浸透した最大量である約1%の量は膜上に位置していることが推定できる。そのような推定下、レセプター区画に到達するセルタコナゾールの最大量は6.18g/ミリリットルである。
【0038】
2種のクリーム配合物からの硝酸セルタコナゾールの放出を示す曲線を図1にプロットした。例1のクリーム配合物の5ミリリットルから開始して、24時間で125mgの活性成分が既に放出され、そして50〜60mg/日の速度で、その後放出された。したがって、活性成分の送達は5日後に81%であることが観察される。
【0039】
さらに、インビトロ浸透試験は、例1の膣クリーム配合物において存在する活性物質が投与量の0.1%未満しか浸透しないことを示している。
【0040】
粘膜接着性(mucoadhesive)クリームの非臨床膣許容度を評価するために行った毒性研究は、(CMP/SWP/21H5/00に従う方法で)ラットへの単回投与で又は繰り返し投与で適用した後に良好な許容度を示している。
【0041】
例 3
膣内投与のための100gのゲルの調製
適当な成分から出発して、そして製薬技術の標準の方法に従って、以下のゲル組成物を得た。
【表4】


1:カルボポール 974P(Carbopol 974P):
カルボマー、即ちスクロース及びペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体。
2:ポリカルボフィル AA−1(Polycarbophil AA−1): ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸。
3:ニパギン(Nipagin):
p−ヒドロキシ安息香酸メチル。
4:ニパソル(Nipasol):
p−ヒドロキシ安息香酸プロピル。
5:TEA:トリエタノールアミン。
*:粘性率を調整するために十分な量。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明(例1)のクリーム配合物、及び従来のクリーム配合物からの硝酸エタノールの放出を示す曲線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルタコナゾール又はその医薬的に許容できる塩の1種を含む、単回投与のための膣粘膜接着性組成物であって、セルタコナゾール又はその塩の割合が2%より高く、そして10%を超えない、前記膣粘膜接着性組成物。
【請求項2】
セルタコナゾール又はその塩の割合が3〜10%である、請求項1の組成物。
【請求項3】
クリーム又はゲルである、請求項1又は2の組成物。
【請求項4】
医薬的に許容できる塩が硝酸セルタコナゾールである、請求項1〜3のいずれか1項の組成物。
【請求項5】
硝酸セルタコナゾールの割合が6〜7%である、請求項4の組成物。
【請求項6】
クリームが親油性賦形剤、粘膜接着性賦形剤及び1種以上の保存料を含有し、そしてゲル薬剤投与型が粘膜接着性賦形剤及び1種以上の保存料を含有する、請求項3〜5のいずれか1項の組成物。
【請求項7】
親油性賦形剤がステアリン酸グリセリル類、及びそれらの誘導体、ケトステアリルアルコール類、n−アルコール類のポリオキシエチレングリコールエーテル類、液体パラフィン、レシチンオイル、グリセロール、等から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項8】
親油性賦形剤が10〜40%の総割合で存在する、請求項7の組成物。
【請求項9】
親油性賦形剤が30〜35%の総割合で存在する、請求項8の組成物。
【請求項10】
粘膜接着性賦形剤がセルロース重合体類、ゼラチン、コロイド無水シリカ及びポリアクリル酸重合体類から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項11】
粘膜接着性賦形剤がポリアクリル酸重合体類である、請求項10の組成物。
【請求項12】
ポリアクリル酸重合体類がジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸重合体と、スクロース又はペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体との混合物を形成している、請求項11の組成物。
【請求項13】
ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸重合体とスクロース又はペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体との混合物が0.1〜3%の割合で存在する、請求項12の組成物。
【請求項14】
ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸重合体と、スクロース又はペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体との混合物が1〜1.5%の割合で存在する、請求項13の組成物。
【請求項15】
保存料がパラベン類、安息香酸、ソルビン酸、硼酸等から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項16】
保存料が0.01〜0.3%の総割合で存在する、請求項15の組成物。
【請求項17】
保存料が0.1〜0.2%の総割合で存在する、請求項16の組成物。
【請求項18】
その内容物が単回投与塗布具(アプリケーター)中に包入されている、請求項1〜17のいずれか1項の組成物。
【請求項19】
その収容能力が4〜6ミリリットルである、請求項18の組成物。
【請求項20】
その収容能力が5ミリリットルである、請求項19の組成物。
【請求項21】
請求項1〜20に記載の組成物と、セルタコナゾール又はその医薬的に許容できる塩の1種を含有する膣適用のためのクリーム組成物とを含むキット。
【請求項22】
医薬的に許容できる塩が硝酸セルタコナゾールである、請求項21のキット。
【請求項23】
硝酸セルタコナゾールが1〜3%の割合で存在する、請求項22のキット。
【請求項24】
硝酸セルタコナゾールが2%の割合で存在する、請求項23のキット。
【請求項25】
膣の外陰膣カンジダ症の治療のための医薬的に許容できる薬剤投与型の製造のための、請求項1〜20に記載の組成物の使用。
【請求項26】
単回投与で、外陰膣カンジダ症の治療を必要としている患者の膣中に請求項1の組成物を投与する、外陰膣カンジダ症の治療のための方法。
【請求項27】
さらに、セルタコナゾール又はその医薬的に許容出来る塩の1種を含有する組成物を単回投与又は繰り返し投与で外陰部に適用する、請求項26の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーム又はゲルであり、そしてセルタコナゾール又はその医薬的に許容できる塩の1種を含む、単回投与のための膣粘膜接着性組成物であって、セルタコナゾール又はその塩の割合が2%より高く、そして10%を超えない、前記膣粘膜接着性組成物。
【請求項2】
セルタコナゾール又はその塩の割合が3〜10%である、請求項1の組成物。
【請求項3】
クリームである、請求項1又は2の組成物。
【請求項4】
医薬的に許容できる塩が硝酸セルタコナゾールである、請求項1〜3のいずれか1項の組成物。
【請求項5】
硝酸セルタコナゾールの割合が6〜7%である、請求項4の組成物。
【請求項6】
クリームが親油性賦形剤、粘膜接着性賦形剤及び1種以上の保存料を含有し、そしてゲル薬剤投与型が粘膜接着性賦形剤及び1種以上の保存料を含有する、請求項〜5のいずれか1項の組成物。
【請求項7】
親油性賦形剤がステアリン酸グリセリル類、及びそれらの誘導体、ケトステアリルアルコール類、n−アルコール類のポリオキシエチレングリコールエーテル類、液体パラフィン、レシチンオイル、グリセロール等から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項8】
親油性賦形剤が10〜40%の総割合で存在する、請求項7の組成物。
【請求項9】
親油性賦形剤が30〜35%の総割合で存在する、請求項8の組成物。
【請求項10】
粘膜接着性賦形剤がセルロース重合体類、ゼラチン、コロイド無水シリカ及びポリアクリル酸重合体類から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項11】
粘膜接着性賦形剤がポリアクリル酸重合体類である、請求項10の組成物。
【請求項12】
ポリアクリル酸重合体類がジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸重合体と、スクロース又はペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体との混合物を形成している、請求項11の組成物。
【請求項13】
ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸重合体とスクロース又はペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体との混合物が0.1〜3%の割合で存在する、請求項12の組成物。
【請求項14】
ジビニルグリコールで架橋したポリアクリル酸重合体と、スクロース又はペンタエリスリトールアリルエステルで架橋したアクリル酸重合体との混合物が1〜1.5%の割合で存在する、請求項13の組成物。
【請求項15】
保存料がパラベン類、安息香酸、ソルビン酸、硼酸等から選ばれる、請求項6の組成物。
【請求項16】
保存料が0.01〜0.3%の総割合で存在する、請求項15の組成物。
【請求項17】
保存料が0.1〜0.2%の総割合で存在する、請求項16の組成物。
【請求項18】
その内容物が単回投与塗布具(アプリケーター)中に包入されている、請求項1〜17のいずれか1項の組成物。
【請求項19】
その収容能力が4〜6ミリリットルである、請求項18の組成物。
【請求項20】
その収容能力が5ミリリットルである、請求項19の組成物。
【請求項21】
請求項1〜20に記載の組成物と、セルタコナゾール又はその医薬的に許容できる塩の1種を含有する膣適用のためのクリーム組成物とを含むキット。
【請求項22】
医薬的に許容できる塩が硝酸セルタコナゾールである、請求項21のキット。
【請求項23】
硝酸セルタコナゾールが1〜3%の割合で存在する、請求項22のキット。
【請求項24】
硝酸セルタコナゾールが2%の割合で存在する、請求項23のキット。
【請求項25】
膣の外陰膣カンジダ症の治療のための医薬的に許容できる薬剤投与型の製造のための、請求項1〜20に記載の組成物の使用。
【請求項26】
単回投与で、外陰膣カンジダ症の治療を必要としている患者の膣中に請求項1の組成物を投与する、外陰膣カンジダ症の治療のための方法。
【請求項27】
さらに、セルタコナゾール又はその医薬的に許容出来る塩の1種を含有する組成物を単回投与又は繰り返し投与で外陰部に適用する、請求項26の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−513182(P2006−513182A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560465(P2004−560465)
【出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014422
【国際公開番号】WO2004/054576
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(501108452)フエルレル インターナショナル,ソシエダッド アノニマ (39)
【Fターム(参考)】