説明

臥床要介護者の遠隔見守り方法ならびに臥床要介護者の遠隔見守り装置

【課題】 床に臥して介護を要する臥床要介護者を見守る方法・装置において、臥床要介護者に対し、プライバシーに関わる不安感・緊張感や、身体の動きに対する拘束感・違和感を与えず、見守り装置には高度な画像処理技術を用いず、介護者には高度な画像識別技能を要せずして、介護者が臥床要介護者を遠隔箇所からでも常時見守りながら、その体調異変を速やかに察知し、医療・介護専門機関とも連携して、迅速適切な介護措置を講ずる。
【解決手段】 臥床要介護者の頭部重量によって枕上に生ずる頭位分布圧力を、分布圧力センサーシートで無人計測し、その頭位分布圧力計測データを基に生成した頭位分布圧力パターンを基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判定し、その異常頭位の判定を遠隔箇所で警告・表示し、その警告・表示から介護者が臥床要介護者の体調異変を察知して、医療・介護専門機関とも連携しながら、迅速適切な介護措置に当たる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、寝たきり高齢者のような常時介護を必要とする要介護者や、病床に臥して療養中の傷病患者で看護を必要とする要看護者(これらの要介護者や要看護者を総じて、この出願において「臥床要介護者」という)の体調異変(介護処置や医療処置が必要と考えられる体調の変化を、この出願において「体調異変」という)を、殊に在宅の臥床要介護者の体調異変を、その臥床要介護者の居場所から離れた遠隔箇所(臥床要介護者の居場所から離れた箇所を、この出願において「遠隔箇所」という)からでも、その臥床要介護者の介護に当たる介護者、あるいはその臥床要介護者を見守る医師・看護士・介護士が速やかに察知でき、その体調異変に対し適切な状況判断・措置を行う上で有効な情報が提供される臥床要介護者の遠隔見守り方法と、その方法を採るために用いる臥床要介護者の遠隔見守り装置に関するものである。そしてこの発明は、臥床要介護者の頭位(横たわっている臥床要介護者の頭部の位置や向き等の姿勢を、この出願において「頭位」という)を無人計測し、その頭位の計測データから、臥床要介護者の体調異変情報を生成し、その体調異変情報から、遠隔箇所にいる介護者や、遠隔箇所に在る医療センター(医療専門機関・施設・病院 等)あるいは介護サービスセンー(サービス専門機関・施設 等)で見守る医師・看護士・介護士が、臥床要介護者の体調異変を察知し且つその体調異変に対し適切な状況判断・措置を行う上で有効な情報を得ることができる臥床要介護者の遠隔見守り方法(略して「見守り方法」ともいう)と、その方法で臥床要介護者を見守るために用いる遠隔見守り装置(略して「見守り装置」ともいう)に関するものである。更に又この発明は、頭位計測手段として、頭部重量によって生ずる頭位分布圧力(頭部重量によってその頭部が接する面に生ずる分布圧力を、この出願において「頭位分布圧力」という)を分布圧力センサーシートで計測するものである。
【背景技術】
【0002】
高齢化が急速に進む社会環境下で、臥床要介護者が年々増加している。その一方で、医療・介護に携わる医師や看護士・介護士は手不足で常時多忙を極めている。また、良質の医療・介護サービスを求める社会傾向は高まっており、自宅での在宅介護を望む高齢者も増加している。その結果、医療センターや介護サービスセンターに足を運べない高齢者に対する訪問医療・介護のための医療センター・介護サービスセンターの負担や、在宅臥床要介護者の介護に当たる在宅介護者の負担が次第に増大している。このような背景から、殊に在宅臥床要介護者を擁する家庭において、臥床要介護者を、遠隔箇所で家事を行いながらでも常時見守り、その臥床要介護者の体調異変を素早く確実に察知して直ちに介護に当たると共に、必要に応じて、臥床要介護者の体調異変を医療センターや介護サービスセンターに報知して、医療センター・介護サービスセンターから迅速・適切な対処指示や医療・介護支援を受けることができる手立てが強く求められている。また医療センターや介護サービスセンターにおいても、広域にわたって処々に散在している多数の臥床要介護者の容態を集約的に把握し管理して、それらの多数の臥床要介護者に対して、良質の医療・介護サービスを適時適切に提供する上で、臥床要介護者の集約的遠隔見守り方法・装置は今後益々必要になると考えられる。更にまた、大規模な個々の医療センター・介護サービスセンターにおいても、所内の臥床要介護者の見守り業務を合理化して、高度な専門的知識・技術・経験を駆使した医療・介護業務を一段と充実させる上で、所内の臥床要介護者の遠隔見守り方法・装置は今後更に有用になると考えられる。
【0003】
従来から、要介護者を遠隔箇所から監視し、その要介護者の状態や行動の変化から、要介護者の異変を察知して医療・介護に当たり、あるいは要介護者の異変をインターネットで医療機関や介護サービス機関に連絡して、適切な医療や介護を求める要介護者の遠隔監視システムが提案されている。例えば、特開2002−157334号公開特許公報(特許文献1)には、要介護者の居住室内あるいは要介護者の身体に監視装置を取り付け、その監視装置で要介護者の生活パターン(例えば、家電製品の日常の使用状況や、要介護者の日常行動)を監視し、その監視された生活パターンの変化から要介護者の異常状態を察知した場合に、通信ネットワークを通じて介護サービス提供者に通知して迅速な対応をとる遠隔監視システムが示されている。しかし、このような遠隔監視システムは、日常の生活パターンが寝たきりの要介護者に対しては役立たない上に、医療や介護に直接には関わりのない日常行動までもが監視されることから、要介護者に対し、プライバシーに関わる強い不安感や緊張感を常時与えることになり、このプライバシーに関わる問題が、その種の遠隔監視システムの実用化と普及を妨げる大きな要因となっている。また、要介護者の身体に監視用機器部材を取り付ける必要がある遠隔監視システムでは、要介護者の動作に違和感や拘束感が付き纏うことは言うまでもない。なお、この種の遠隔監視システムには従来ビデオカメラが多用されているが、ビデオカメラを用いた遠隔監視システムは、カメラで撮った要介護者の生画像を監視者が直視して要介護者の体調異変を認識し判断するものであって、リアルタイムで監視しようとすれば、監視人が常時モニター画面を注視する監視体制を整える必要がある上に、要介護者の体調異変を識別するための高度な画像処理技術を用いた装置を必要としたり、介護者側に高度の画像識別技能が必要となる場合が多い。
【0004】
また、特開2004−201758号公開特許公報(特許文献2)には、ロータリーエンコーダ、加速度計、振動ジャイロセンサー、等の体位変換を検出する検出センサーを要介護者の人体に取り付けて、それらの検出センサーで人体の傾きや移動のデータを検出し、その検出データを基に、要介護者から離れた場所で、要介護者の寝返りの有無を監視し、長時間にわたって寝返りが無かった場合に、その「寝返り無し」の情報を、通信手段を介して遠隔箇所にある介護者に知らせて、寝たきり要介護者に生じ易い床ずれ症状を未然に防止する寝返り監視装置が示されている。しかし、このような遠隔寝返り監視装置においても、ロータリーエンコーダ、加速度計、振動ジャイロセンサー、等の検出センサーを要介護者の人体に取り付ける必要があることから、要介護者の臥床姿勢に大きな違和感と拘束感を与える。
【0005】
他方、例えば特開昭57−89588号公開特許公報(特許文献3)、特開昭62−80528号公開特許公報(特許文献4)、特開昭63−94376号公報(特許文献5)、特開平7−190870号公開特許公報(特許文献6)、特開2006−329909号公開特許公報(特許文献7)等に示されるように、所定の面上に加わる分布圧力を計測するための分布圧力センサーシートが周知であり、その種の分布圧力センサーシートの応用例として、分布圧力センサーシートを椅子の座面と背面に配置し、椅子に腰掛けた人体の姿勢によって椅子の座面と背面に加わる圧力分布を、その分布圧力センサーシートで測定し、その測定結果を解析して、椅子の座り心地を評価するものが、特開2003−111646号公開特許公報(特許文献8)に示されている。しかしながら、その種の分布圧力センサーを臥床要介護者の見守り手段に用いる技術思想を示唆する従来例は見当たらない。
【特許文献1】特開2002−157334号公開特許公報
【特許文献2】特開2004−201758号公開特許公報
【特許文献3】特開昭57−89588号公開特許公報
【特許文献4】特開昭62−80528号公開特許公報
【特許文献5】特開昭63−94376号公開特許公報
【特許文献6】特開平7−190870号公開特許公報
【特許文献7】特開2006−329909号公開特許公報
【特許文献8】特開2003−111646号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、従来から提案され実用化が試みられた上記のような要介護者の遠隔監視システムにおける難点を除き、臥床要介護者に対して、プライバシーに関わる不快感や不安感や緊張感を与えず、臥床要介護者の日常の不自由な動作に拘束感や違和感を及ぼすことなく、また装置には高度な画像処理技術を用いず、更にまた装置を扱う介護者に高度な画像識別技能を要することなくして、介護者あるいは医師・看護士が遠隔箇所からでも臥床要介護者を常時見守りながら、臥床要介護者の体調異変を速やかに察知し、その体調異変に対し適切な状況判断・措置をとる上で有用な情報を得ることが可能な臥床要介護者の遠隔見守り方法・装置、殊に在宅臥床要介護者の介護に役立つ臥床要介護者の遠隔見守り方法・装置の早期の実用化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明では、臥床要介護者の頭位を無人計測し、その頭位計測データから、臥床要介護者の体調異変情報を生成し、その体調異変情報から、遠隔箇所にいる介護者や、遠隔箇所に在る医療センター・介護サービスセンーで見守る医師・看護士・介護士が臥床要介護者の体調異変を察知すると共にその体調異変に対し適切な状況判断・措置を行う上での有効な情報を得るものである。すなわち、従来一般に、臥床要介護者の体調・容態を判断する場合、臥床要介護者の体位(身体胴部の位置、向き、形態等の姿勢を、この出願において「体位」という)を観察して判断しているが、この発明では、体位を直接に計測して体調異変を察知するのではなく、体位との相関性が高く体位の変化に連動する頭位の変化から、臥床要介護者の体調異変を察知することを特徴とする。
【0008】
そして又この発明では、頭位計測手段として、頭部重量によって枕上あるいは寝床上に生ずる頭位分布圧力(頭部重量によってその頭部が接する面に生ずる分布圧力を、この出願において「頭位分布圧力」という)を分布圧力センサーシートで計測することを特徴とする。
【0009】
その上でこの発明では、上記の頭位計測で得られる頭位分布圧力計測データを基に頭位分布圧力パターンを演算して生成し、その頭位分布圧力パターンを、予め選定した基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定し、その異常頭位の判定結果を、遠隔箇所で警告および/または表示することを特徴とする。また、基準頭位パターンとして、上向き頭位パターン、左向き頭位パターン、右向き頭位パターンを含む複数種類の基準頭位パターンを選定することを特徴とする。
【0010】
また、この発明では、必要に応じて、上記の異常頭位判定に関わる情報をインターネット等の通信網を介して医療センターまたは/および介護サービスセンターに報知し、医療センターまたは/および介護サービスセンターから適切な医療・介護支援を受けることを特徴とする。
【0011】
すなわち前記課題の解決に資する、この本発明に係る臥床要介護者の遠隔見守り方法は、臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートで計測し、その頭位分布圧力計測データを基に頭位分布圧力パターンを演算して生成し、その頭位分布圧力パターンを、予め選定して保存した複数種類の基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定し、その異常頭位判定に関わる情報を、臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告および/または表示し、その警告および/または表示から、臥床要介護者の体調異変を察知して介護に当り、更に必要に応じて通信網を介して、前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護サービスセンターに報知するものである。
【0012】
また、この発明に係る臥床要介護者の遠隔見守り装置は、臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を計測する、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートを含む分布圧力計測部と;前記分布圧力計測部から送出された頭位分布圧力計測データを基に臥床要介護者の頭位分布圧力パターンを演算し生成する頭位分布圧力パターン演算部と、予め選定した複数種類の基準頭位パターンが保存された基準頭位パターン記憶部と、前記臥床要介護者の頭位分布圧力パターンと前記基準頭位パターンを対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定する異常頭位判別部と、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告する見守り警報部、および/または、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で表示する見守り情報表示部と、通信網を介して前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護センターに報知する通信送受信部を含むコンピューターシステム;を備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
そしてこの発明を活用することにより、多岐にわたって、大きな効果がもたらされる。すなわち、介護を受ける臥床要介護者にとっては、日常の暮らしの現場を監視されることが無いので、プライバシーに関わる不安感や緊張感や精神的苦痛を伴うことが無く、また臥床要介護者の身体にセンサー等の機器類が一切取り付けられることも無いので、臥床要介護者の不自由な身体の動きや臥床姿勢に違和感や拘束感や肉体的苦痛が伴わず、更に医療センターや介護サービスセンターと連携して迅速・適切な医療・介護支援を受けることも可能であるので、日々安堵して介護を受けることができる。
【0014】
他方、介護者、殊に自宅で在宅介護に当たる介護者にとっては、遠隔箇所で日々の家事を行いながら臥床要介護者を常時見守ることができる上に、臥床要介護者の体調異変を察知した際には、医療センターや介護サービスセンターから適切な対処指示や医療・介護支援を迅速に受けることも可能であるので、日々心強く介護に当たることができる。また、臥床要介護者の体調異変を察知する手段が、カメラで撮影された臥床要介護者の生画像を介護者が直視して判断するものではないので、介護者に高度の画像認識技能は要しない。
【0015】
また、遠隔見守り装置の製造・設置・使用の面から見れば、装置に高度な画像処理技術を用いず、それに代えて、既に周知の分布圧力計測技術を用いているので、各種の用途・仕様に応じた遠隔見守り装置を、早期に開発し生産することができ、更に加えて、形の大きな体位の分布圧力を計測するのではなく、形状の小さな頭位を計測するものであるから、用いる分布圧力センサーシートは、枕の上面程度の極めて小さな面積の分布圧力センサーシートで足りる。したがって、分布圧力センサーシートを含む装置は小型軽量となって取り扱いも容易となり、製造コストは抑えられ、装置の設置場所や設置スペースに関しても大きな制約が伴わないものである。
【0016】
更に、医療センターや介護サービスセンターにおいては、この発明を活用することにより、医師や看護士・介護士が、検診、診察、診断、等の、高度の専門的医療・介護業務に、より多くの時間を当てることができるようになり、また、広域にわたって散在する多数の臥床要介護者を医療センターや介護サービスセンターで集約的に見守りながら、広域にわたる多数の要介護者に対して、一段と良質で高度な医療・介護サービスを適時適切に提供できるようになる。
【0017】
加えてまた、医療・介護分野の産業界においては、臥床要介護者の遠隔見守りの必要性が、今後益々増大すると考えられることから、この発明の実用化によって、産業界に新たな需要と活力が生まれることが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明の最良の実施形態の一つは、臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートで計測し、その頭位分布圧力計測データを基に頭位分布圧力パターンを演算して生成し、その頭位分布圧力パターンを、予め選定して保存した上向き頭位パターン、左向き頭位パターン、右向き頭位パターンを含む複数種類の基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定し、その異常頭位判定に関わる情報を、臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告および/または表示し、その警告および/または表示から、臥床要介護者の体調異変を察知して介護に当たると共に、必要に応じて通信網を介して、前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護サービスセンターに報知して、医療センターまたは/および介護サービスセンターから医療・介護支援を受ける臥床要介護者の遠隔見守り方法である。
【0019】
また、この発明の他の最良の実施形態は、臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を計測する、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートを含む分布圧力計測部と;前記分布圧力計測部から送出された頭位分布圧力計測データを基に臥床要介護者の頭位分布圧力パターンを演算し生成する頭位分布圧力パターン演算部と、予め選定した上向き頭位パターン、左向き頭位パターン、右向き頭位パターンを含む複数種類の基準頭位パターンが保存された基準頭位パターン記憶部と、前記臥床要介護者の頭位分布圧力パターンと前記基準頭位パターンを対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定する異常頭位判別部と、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告する見守り警報部、および/または、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で表示する見守り情報表示部と、通信網を介して前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護センターに報知する通信送受信部を含むコンピューターシステム;を備えた臥床要介護者の見守り装置である。
【実施例】
【0020】
以下この発明を、その一実施例を示す図面を参考にして説明する。図1はこの発明に係る臥床要介護者の遠隔見守り装置のブロック構成図、図2は同遠隔見守り装置で見守られる臥床要介護者の斜視図、図3は同遠隔見守り装置における枕の部分の斜視図、図4は同枕に装着された分布圧力センサーシートの一部を切り出した拡大斜視図、図5は図4のA−A線に沿う同分布圧力センサーシートの拡大断面図、図6は同分布圧力センサーシートの内部に配設された電極ならびに圧力感知層の一部の平面図、図7は同分布圧力センサーシートに関する電気回路図、図8は同遠隔見守り装置において生成される頭位分布圧力パターンの一例を示す頭位分布圧力パターン図、図9は本発明に係る臥床要介護者の遠隔見守り方法における主要ステップの流れを示すフロー図である。
【0021】
図1において、Wは臥床要介護者の見守り装置で、分布圧力計測部1とコンピューターシステムPを含んで成る。そして分布圧力計測部1は、枕11と、分布圧力センサーシート12と、スキャナー13を含んで成り、分布圧力センサーシート12は、図2,3に示されるように、臥床要介護者Bが常時用いる枕11の上面に装着されている。なお、12aは分布圧力センサーシート12の端子束である。またコンピューターシステムPは、頭部分布圧力パターン演算部2、基準頭位パターン記憶部3、異常頭位判別部4、見守り警報部5、見守り情報表示部6、付加検診データ保存部(同臥床要介護者について別に測定された血圧・体温・脈拍等の検診データの保存部)7、通信送受信部8、等を含んで成る。そして、基準頭位パターン記憶部3に記憶させて保存する基準頭位パターンとして、枕11上の顔の向きが上向き(仰向き)の「上向き頭位パターン」31、枕上の顔の向きが左向きの「左向き頭位パターン」32、枕上の顔の向きが右向きの「右向き頭位パターン」33、枕上の顔の向きが下向き(俯せ向き)の「下向き頭位パターン」34、の4種類の頭位パターンを選定し記憶させている。なお、基準頭位パターンとして、「下向き頭位パターン」34を省いた3種類の頭位パターンを選定して用いることも可能である。また、基準頭位パターンとして選定した上向き頭位パターン31、左向き頭位パターン32、右向き頭位パターン33、下向き頭位パターン34は、それぞれ、臥床要介護者Bの寝返りによって現れる臥床要介護者Bの「上向き体位」、「左向き体位」、「右向き体位」、「下向き体位」にそれぞれ対応して現れるものであり、そこで現れた臥床要介護者Bの頭位を予め実測して得た頭位分布圧力計測データに基づいて生成した頭位分布圧力パターンを保存したものである。
【0022】
更にコンピューターシステムPは、通信送受信部8からインターネット9を介して医療センターCまたは/および介護センターCに接続可能で、必要に応じて、インターネット9を介して、医療センターCまたは/および介護センターCと介護者の間で臥床要介護者Bに関わる情報を授受できる。また、91,92はインターネット9に接続されたインターネット端末、101,102は電話回線10を介して医療センターCまたは/および介護センターCと通ずる携帯電話端末である。帯電話端末101,102は、多数の臥床要介護者の看護・介護を担当して多忙な看護士・介護士が持ち歩いているものである。
【0023】
また、見守り装置Wにおける少なくとも見守り警報部5または見守り情報表示部6は、臥床要介護者Bの居場所から離れた箇所(遠隔箇所)で且つ臥床要介護者Bの介護者あるいは見守り人が長時間在中する箇所、あるいは頻繁に出入りする箇所に設置されている。したがって、介護者は、臥床要介護者Bの傍に付き切りでなくとも、遠隔箇所で家事を行ないながらでも、臥床要介護者Bを常時見守り、見守り警報部5または見守り情報表示部6の警告や表示から、臥床要介護者Bの体調異変を速やかに察知して、直ちに介護に当たることができる。なお、上記の見守り警報部5または見守り情報表示部6が設置される遠隔箇所は、臥床要介護者と介護者あるいは見守り人との関係によって変わる。すなわち、臥床要介護者が在宅の臥床要介護者の場合は、同遠隔箇所は臥床要介護者の居室とは別の一室が遠隔箇所であり、臥床要介護者が独居人である場合や、見守り人が医療センター・介護サービスセンターにおける医師・看護士・介護士であれば、同遠隔箇所は、各医療センター・介護サービスセンターの集中管理室等に該当しよう。
【0024】
分布圧力計測部1における分布圧力センサーシート12は既に周知のもので、その概略構成は図4,5,6,7に示すようなものである。すなわち、分布圧力センサーシート12の主要部の構造は、図4,5,6に示されるように、表面に圧力感知層122xが形成された多数のX方向電極(横行電極)121xと、表面に圧力感知層122yが形成された多数のY方向電極(縦行電極)121yを縦横に格子状に重ね合わせて、両電極121x,121yの交叉位置Rにおいて、X方向電極121xとY方向電極121yの間に、圧力感知層122x,122yが重なって挟まれた状態で保持された構造である。圧力感知層122x,122yは、例えば、導電性ゴムなどの弾力性のある感圧電気抵抗材層や、感圧導電性インクで形成された薄膜層であって、圧力感知層122x,122yは、その層に加わる圧力の大きさに反比例して電気抵抗値が低下する特性を有している。そしてX方向電極121xとY方向電極121yの交叉位置Rは、同時にまた分布圧力計測点Rともなっている。したがって、X方向電極121xとY方向電極121y間に一定電圧を印加しておけば、各分布圧力計測点RにおいてX方向電極121xとY方向電極121yの間に流れる電流は、その分布圧力計測点Rに加わっている分布圧力値に応じて変化し、あるいは、分布圧力計測点RにおいてX方向電極121xとY方向電極121y間に流れる電流が一定電流値になるように制御しておけば、その各分布圧力計測点RにおけるX方向電極121xとY方向電極121yの間に、その分布圧力計測点Rに加わっている分布圧力値に応じて変化する電圧が生ずる。すなわち、臥床要介護者Bの頭部Hの重量によって枕11上に生ずる頭位分布圧力の変化は、分布圧力センサーシート12の各分布圧力計測点Rにおいて、電気信号(電流・電圧)の変化に変換される。そして各分布圧力計測点Rにおいて得られた電気信号は一連の電気信号群となって、分布圧力センサーシート12の端子束12aから順次出力される。
【0025】
図7は、分布圧力センサーシート12に関わる電気回路図で、図7に示すように、X方向電極121xには周知のデマルチプレクサ(選択回路)M1が接続されて、基準電圧端子Eから一定の基準電圧がデマルチプレクサM1を介して各X方向電極121xに印加され、各Y方向電極121yは周知のマルチプレクサ(選択回路)M2を介して接地されている。デマルチプレクサM1とマルチプレクサM2はスキャナー13の機能を果たすもので、デマルチプレクサM1によって、多数のX方向電極121xの中から、基準電圧を印加する一つのX方向電極121xnが順次選択され(但し、n:選択されたX方向電極のY座標)、且つ同時にマルチプレクサM2によって、多数のY方向電極121yの中から一つのY方向電極121ymが順次選択される(但し、m:選択されたY方向電極のX座標)。その結果、多数の分布圧力計測点Rの中から順次一つの分布圧力計測点Rmn(X座標:m,Y座標:nに位置する分布圧力計測点)が順次選択されて、その各分布圧力計測点Rmnで計測された分布圧力値から変換された分布圧力電気信号Zmnが、その分布圧力計測点Rmnの位置信号(座標信号)m,nと共に、一連の頭位分布圧力計測データとして、分布圧力センサーシート12の端子束12aから、アナログ・ディジタル変換器(A/D変換器)(図示省略)を介して、順次コンピューターシステムPの頭位分布圧力パターン演算部2に入力され、頭位分布圧力パターン演算部2のメモリー(図示省略)に保存される。なお、分布圧力計測点Rで計測された分布圧力値から変換された分布圧力電気信号はアナログ信号であるが、そのアナログ信号は前記A/D変換器によってディジタル信号に変換されて頭位分布圧力パターン演算部2に入力される。そして頭位分布圧力パターン演算部2に入力される一連の頭位分布圧力計測データは、各分布圧力計測点Rの位置を特定する2次元の位置データ(X座標:m,Y座標:n)と、その各分布圧力計測点Rmnで計測された分布圧力値zに対応する分布圧力電気信号(電圧)Zmnからなる3次元マップデータ群となっている。
【0026】
次いで、頭位分布圧力パターン演算部2は、前記の頭位分布圧力計測データを受けて、その頭位分布圧力計測データ(3次元マップデータ)を基に、臥床要介護者Bの頭位に対応した頭位分布圧力パターンを演算して生成する。なお、頭位分布圧力パターンの生成に先立って、前記の実測の頭位分布圧力計測データに補正処理が加えられる。すなわち、分布圧力センサーシート12の各要素の感度のばらつきの影響を除去するために、枕11に頭部Hが置かれていない状態で予め測定しておいた初期分布圧力計測値を、実測の分布圧力値Zmnから差し引き、更に頭部重量による圧力パターンを抽出するために、予め定めた閾値以下の部分を除去する補正が加えられる。そして補正後の頭位分布圧力計測データを基に、臥床要介護者Bの頭位圧力分布パターンHpが作成される。生成された頭位分布圧力パターンHpは、図8に示すように、頭位分布圧力演算部2のディスプレー2a上に表示することもできる。図8において、2aは頭位分布圧力演算部2のディスプレーで、その表示面に、分布圧力センサーシート12で計測した頭位分布圧力計測データに基づいて演算して生成された頭位分布圧力パターンHpが表示されている。そして、頭位分布圧力パターンHp中の各点(分布圧力計測点Rに対応する点)における分布圧力の大小は、表示色の色をを違え、あるいは単一表示色の濃淡によって表示されている。また、頭位分布圧力パターンを生成する際に、閾値により圧力分布を2値化すれば輪郭線のみの単純なパターンにすることもでき、いずれのパターンも頭部の方向によって特徴づけられたものになる。
【0027】
次に、異常頭位判別部4において、予め選定して基準頭位パターン記憶部3に保存されている「左向き頭位パターン」、「右向き頭位パターン」、「上向き頭位パターン」、「下向き頭位パターン」から成る基準頭位パターンと、臥床要介護者Bの前記実測の頭位分布圧力パターンを重ね合わせて照合し、臥床要介護者の現在の頭位の特徴を判別して、臥床要介護者の異常頭位の有無を判定し、延いては頭部に直結した臥床要介護者の体位を推測し、更に臥床要介護者の体調異変の可能性を判定する。すなわち、異常頭位判別部4において、臥床要介護者の頭位分布圧力パターンと基準頭位パターンとの間に解離が認められた場合には、臥床要介護者の頭位が異常頭位と判定し、臥床要介護者に体調異変の可能性有りと判定される。また、人間は正常な体調であれば時々寝返りを打つのが正常とされているので、この発明では、体位との相関性が高い頭位を見守って、同じ体位(頭位)が所定以上の長時間持続した場合は体調異変と判定する。更にまた頭部が枕から外れて頭位分布圧力が検出されない場合も体調異変と判定される。
【0028】
上記の臥床要介護者Bの頭位分布圧力パターンと基準頭位パターンの照合、すなわちパターンマッチングは、出来得る限り簡潔な手法によるのが望ましく、例えば、先の頭部重量による3次元分布圧力パターンにおいて最大圧力点が、頭部輪郭内領域の何処に位置するかによって行うことができる。或いはまた、2値化パターンであれば、実測パターンをz=f(x,y)、基準パターンをz=f(x,y)とすると、両パターンの論理積A=f(x,y)∧f(x,y)は両パターンの一致の程度を表すことから、「左向き頭位パターン」、「右向き頭位パターン」、「上向き頭位パターン」、「下向き頭位パターン」の基準頭位パターンの中で、臥床要介護者Bの頭位分布圧力パターンとのマッチング度合の最大のものを採択することによって臥床要介護者Bの頭位の区分を判定できる。但し、枕上における頭部の置き位置は常に同じではないので、その位置の違いを補正するために、各パターンのX座標,Y座標はそれぞれのパターンの中心位置を原点とする座標変換をしたものとするのが良い。そして4個の基準頭位パターンを照合することによって、頭部の姿勢が判別でき、延いては臥床要介護者の体位を知ることができる。また他の手法として、3次元分布圧力パターンを用いてその重心点を求め、その位置の照合によっても同様の効果を得ることができる。その他、パターンマッチングに関しては種々の手法が提案されており、それらの手法を利用することも有効である。
【0029】
次に、異常頭位判別部4において、臥床要介護者Bの頭位分布圧力パターンから、「異常頭位」が認められた際には、臥床要介護者Bに体調異変が生じたと判定して、その判定結果と異常頭位判定に関わる情報を、遠隔箇所に置かれた見守り警報部5ならびに見守り情報表示部6へ送り、見守り警報部5から警告を発し、見守り情報表示部6において異常頭位判定に関わる情報が表示されるものである。そして介護者は、遠隔箇所において、見守り警報部5から警告を受けて、あるいは見守り情報表示部6で表示された情報に接して、臥床要介護者Bに体調異変を速やかに察知し、直ちに臥床要介護者Bの許へ介護に向かうことができる。
【0030】
同時にまた、必要に応じて、前記の判定結果と異常頭位判定に関わる情報は、通信送受信部8からインターネット9を通じて、医療センターCや介護サービスセンターCに報知することがでる。その報知の際に、付加検診データ保存部7に保存された臥床要介護者Bの血圧・体温・脈拍等の検診データを付加送信して診療・介護の参考に供することもできる。そして医療センターCや介護サービスセンターCは、その報知を受けて、保管しているカルテ情報等をも加えて臥床要介護者Bの容態を判断し、適切な対処指示を介護者側へ迅速に与え、あるいは有効な医療・介護支援を施すことができる。また医療センターCや介護サービスセンターCは、報知を受けた臥床要介護者Bの体調異変情報に対応して、インターネット9や電話回線10等を通してインターネット端末91,92、あるいは携帯電話端末101,102の先にある他の医療機関や救急機関あるいは、当該臥床要介護者を担当する医師や看護士・介護士に当該臥床要介護者の居所への急行等の協力要請を求めることもできる。
【0031】
なお、図9は、上記で縷々説明した、この発明に係る臥床要介護者の遠隔見守り方法の実施過程における主要なステップの流れを参考までに示したものである。先ず第一のステップS1で、臥床要介護者Bの頭部Hの重量によって枕11に加わる頭位分布圧力を、分布圧力センサーシート12で計測し、次にステップS2で、頭位分布圧力計測データの初期値化処理を行ない、次にステップS3で、頭位分布圧力計測データの閾値処理を行ない、次にステップS4で、頭部分布圧力計測データに基づいて、頭位分布圧力パターンを演算して生成し、次にステップS5において、頭位分布圧力パターンと基準頭位パターンを対比照合し、次にステップS6において、前ステップにおける照合結果を基に臥床要介護者の異常頭位の有無の判別・判定を行ない、次のステップS7において、異常頭位すなわち体調異変に関する情報を遠隔箇所で表示し警告する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
上記実施例の説明からも明らかなように、この発明に係る臥床要介護者の遠隔見守り方法とその遠隔見守り装置は、今後更に進行する高齢化社会において、需要が大きく広がると考えられることから、医療機関・施設や介護サービス機関・施設における利用が高まり、それに伴って、医療・介護分野の機器・システムの企画、開発・設計、製造、生産技術、販売、メンテナンスサービス等に関わる幅広い産業分野で、この発明が利用させる可能性は極めて高いと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】 この発明の一実施例を示す臥床要介護者の遠隔見守り装置のブロック構成図.
【図2】 同遠隔見守り装置で見守られる臥床要介護者の斜視図.
【図3】 同遠隔見守り装置における枕の部分の斜視図.
【図4】 同枕に装着された分布圧力センサーシートの一部を切り出した拡大斜視図.
【図5】 図4のA−A線に沿う同分布圧力センサーシートの拡大断面図.
【図6】 同分布圧力センサーシートの内部に配設された電極ならびに圧力感知層の一部の平面図.
【図7】 同分布圧力センサーシートに関する電気回路図.
【図8】 同遠隔見守り装置における頭位分布圧力パターンの一例を示すパターン図.
【図9】 この発明に係る臥床要介護者の遠隔見守り方法における主要ステップのフロー図.
【符号の説明】
【0034】
B : 臥床要介護者
C : 医療センター,介護サービスセンター
E : 基準電圧端子
H : 臥床要介護者の頭部
Hp : 臥床要介護者の頭位分布圧力パターン
M1 : デマルチプレクサ(選択回路)
M2 : マルチプレクサ(選択回路)
P : コンピューターシステム
R : 分布圧力センサーシートの電極の交叉位置(分布圧力計測点)
S1〜S7:臥床要介護者の見守り方法における主要ステップ
W : 臥床要介護者の見守り装置
1 : 分布圧力計測部
11 : 枕
12 : 分布圧力センサーシート
12a :分布圧力センサーシートの端子束
121x :X方向電極(横行電極)
121y :Y方向電極(縦行電極)
122x :圧力感知層
122y :圧力感知層
123a :電気絶縁フィルム
123b :電気絶縁フィルム
124 :充填材
13: スキャナー
2 : 頭位分布圧力パターン演算部
2a: 頭位分布圧力パターン演算部のディスプレー
3 : 基準頭位パターン記憶部
31: 上向き頭位パターン
32: 左向き頭位パターン
33: 右向き頭位パターン
34: 下向き頭位パターン
4 : 異常頭位判別部
5 : 見守り警報部
6 : 見守り情報表示部
7 : 付加検診データ保存部
8 : 通信送受信部
9 : インターネット(通信網)
91: インターネット端末
92: インターネット端末
10: 無線電話回線(電話回線)
101: 携帯電話端末
102: 携帯電話端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートで計測し、その頭位分布圧力計測データを基に頭位分布圧力パターンを演算して生成し、その頭位分布圧力パターンを、予め選定して保存した複数種類の基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定し、その異常頭位判定に関わる情報を、臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告および/または表示し、その警告および/または表示から、臥床要介護者の体調異変を察知して介護に当たることを特徴とする臥床要介護者の遠隔見守り方法。
【請求項2】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートで計測し、その頭位分布圧力計測データを基に頭位分布圧力パターンを演算して生成し、その頭位分布圧力パターンを、予め選定して保存した上向き頭位パターン、左向き頭位パターン、右向き頭位パターンを含む複数種類の基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定し、その異常頭位判定に関わる情報を、臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告および/または表示し、その警告および/または表示から、臥床要介護者の体調異変を察知して介護に当たることを特徴とする臥床要介護者の遠隔見守り方法。
【請求項3】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートで計測し、その頭位分布圧力計測データを基に頭位分布圧力パターンを演算して生成し、その頭位分布圧力パターンを、予め選定して保存した複数種類の基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定し、その異常頭位判定に関わる情報を、臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告および/または表示し、その警告および/または表示から、臥床要介護者の体調異変を察知して介護に当たると共に、通信網を介して、前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護サービスセンターに報知して、医療センターまたは/および介護サービスセンターから医療・介護支援を受けることを特徴とする臥床要介護者の遠隔見守り方法。
【請求項4】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートで計測し、その頭位分布圧力計測データを基に頭位分布圧力パターンを演算して生成し、その頭位分布圧力パターンを、予め選定して保存した上向き頭位パターン、左向き頭位パターン、右向き頭位パターンを含む複数種類の基準頭位パターンと対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定し、その異常頭位判定に関わる情報を、臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告および/または表示し、その警告および/または表示から、臥床要介護者の体調異変を察知して介護に当たると共に、通信網を介して、前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護サービスセンターに報知して、医療センターまたは/および介護サービスセンターから医療・介護支援を受けることを特徴とする臥床要介護者の遠隔見守り方法。
【請求項5】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を計測する、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシート含む分布圧力計測部と;前記分布圧力計測部から送出された頭位分布圧力計測データを基に臥床要介護者の頭位分布圧力パターンを演算し生成する頭位分布圧力パターン演算部と、予め選定した複数種類の基準頭位パターンが保存された基準頭位パターン記憶部と、前記臥床要介護者の頭位分布圧力パターンと前記基準頭位パターンを対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定する異常頭位判別部と、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告する見守り警報部、および/または、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で表示する見守り情報表示部を含むコンピューターシステム;を備えたことを特徴とする臥床要介護者の見守り装置。
【請求項6】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を計測する、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートを含む分布圧力計測部と;前記分布圧力計測部から送出された頭位分布圧力計測データを基に臥床要介護者の頭位分布圧力パターンを演算し生成する頭位分布圧力パターン演算部と、予め選定した上向き頭位パターン、左向き頭位パターン、右向き頭位パターンを含む複数種類の基準頭位パターンが保存された基準頭位パターン記憶部と、前記臥床要介護者の頭位分布圧力パターンと前記基準頭位パターンを対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定する異常頭位判別部と、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告する見守り警報部、および/または、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で表示する見守り情報表示部を含むコンピューターシステム;を備えたことを特徴とする臥床要介護者の見守り装置。
【請求項7】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を計測する、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートを含む分布圧力計測部と;前記分布圧力計測部から送出された頭位分布圧力計測データを基に臥床要介護者の頭位分布圧力パターンを演算し生成する頭位分布圧力パターン演算部と、予め選定した複数種類の基準頭位パターンが保存された基準頭位パターン記憶部と、前記臥床要介護者の頭位分布圧力パターンと前記基準頭位パターンを対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定する異常頭位判別部と、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告する見守り警報部、および/または、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で表示する見守り情報表示部と、通信網を介して前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護センターに報知する通信送受信部を含むコンピューターシステム;を備えたことを特徴とする臥床要介護者の見守り装置。
【請求項8】
臥床要介護者の頭部重量によって生ずる頭位分布圧力を計測する、枕の上面大程度の小面積の分布圧力センサーシート、あるいは枕の上面に装着した分布圧力センサーシートを含む分布圧力計測部と;前記分布圧力計測部から送出された頭位分布圧力計測データを基に臥床要介護者の頭位分布圧力パターンを演算し生成する頭位分布圧力パターン演算部と、予め選定した上向き頭位パターン、左向き頭位パターン、右向き頭位パターンを含む複数種類の基準頭位パターンが保存された基準頭位パターン記憶部と、前記臥床要介護者の頭位分布圧力パターンと前記基準頭位パターンを対比照合して臥床要介護者の異常頭位を判別・判定する異常頭位判別部と、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で警告する見守り警報部、および/または、前記異常頭位判定に関わる情報を臥床要介護者の居場所から離れた箇所で表示する見守り情報表示部と、通信網を介して前記異常頭位判定に関わる情報を医療センターまたは/および介護センターに報知する通信送受信部を含むコンピューターシステム;を備えたことを特徴とする臥床要介護者の見守り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−199565(P2009−199565A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−70339(P2008−70339)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(593165487)学校法人金沢工業大学 (202)
【Fターム(参考)】