説明

自動ファン回転速度調整を備えた建設機械、建設機械の冷却システムの自動調整及び制御の方法

【課題】建設機械、特に、冷却流の供給が建設機械の作動状態に適合した、道路舗装機械又はフィーダを作り出す。
【解決手段】本発明は、自動ファン回転速度調整を備えた建設機械(1)に関する。建設機械は、各ファン(70)に機能的に結合された少なくとも1つの電動モータ(90)を含む。建設機械(1)はまた、作動固有データ(2)を登録するコントロールユニット(60)を含む。コントロールユニット(60)は、ファン(70)における要求目標ファン回転速度を調整するために、作動固有データ(2)に基づいて、各電動モータ(90)の電気出力を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関し、特に、請求項1の導入部分に係る、自動ファン回転速度調整を備えた道路舗装機械(road paver)又はフィーダ(feeder)に関する。本発明はまた、請求項15に係る、建設機械の冷却システムの自動調整及び制御の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
実用的な適用では、ディーゼルエンジンは、道路舗装機械においてメインエンジンとして使用される。ディーゼルエンジン及びこれによって駆動されるアッセンブリ(assembly)は、それらの効率に起因して、駆動されるアッセンブリがオーバヒートするのを防止するために、冷却器(cooler)によって放熱される熱的な動力損失がある。
【0003】
現在の道路舗装機械において、3つの作動媒体(working media)、即ち、冷却水、給気(charge air)及び作動油は、熱交換器によって要求温度に冷却されることが知られている。熱交換器を通過する気流を確保するため、ファンは冷却システムの1つの構成要素である。
【0004】
従来の道路舗装機械の場合、ファンがディーゼルエンジン回転速度と常に同じ作動回転速度となるように、ファンはディーゼルエンジンにしっかりと結合されている。この場合の難点は、短期間でも、ディーゼルエンジン回転速度は上昇し、同様にファンもより高速で回転するため、かなりの騒音が発生することである。しかしながら、ファンの作動がディーゼルエンジン回転速度に同期して駆動される必要性よりも、作動媒体の要求温度によって決まるため、そのような通風機(ventilator)の同期作用は実際必要ではない。
【0005】
ディーゼルエンジンへのファンの固定継手(rigid coupling)に代えて、油圧駆動式のファンが道路舗装機械で実際に使用される。しかしながら、この場合、ファン駆動において油圧損失を容認しなければならない欠点を有している。さらに、油圧駆動式のファンの効率を最適化したい場合、コスト(financial expenditure)が大幅に増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、建設機械、特に、冷却流(cooling flow)の供給(provision)が建設機械の作動状態に適合した、道路舗装機械又はフィーダを作り出し、それによって、単純で経済的な機器(instrument)を使用することにある。冷却システムの改善された調整及び制御が可能な方法を作り出す目的も生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の技術的な機器、及び、独立請求項15の技術的な機器で解決される。本発明のさらに改善された展開(development)は、従属請求項の技術的な機器で与えられる。
【0008】
本発明は、建設機械、特に、自動ファン回転速度調整を備えた道路舗装機械又はフィーダに関する。この目的のために、建設機械は、駆動ユニット、コントロールユニット及び少なくとも1つのファンを有する冷却ユニットを含む。少なくとも1つのファンは、冷却気流を生成する。冷却気流は、例えば、作動媒体、主に冷却水、給気及び作動油を、建設機械の作動に要求される温度に冷却するために用いられる。
【0009】
特に、建設機械のコントロールユニットは、作動固有データ(operation-specific data)を記録するように構成される。これらは、以下により詳細に説明される。
本発明によれば、各ファンが機能的に結合される、少なくとも1つの調整可能な電動モータを含む冷却ユニットが建設機械に提供される。電動モータは、要求冷却気流をファンが生成するために、ファンを駆動すべく備えられ、対応する冷却を確保する。また、本発明によれば、コントロールユニットは、要求目標ファン回転速度がファン上で調整できるように、作動固有データによって決まる、各電動モータの電気出力を調整する。
【0010】
その結果、駆動ユニットに備えられた固定継手を不要にすることができるように、本発明は、建設機械のファン回転速度調整が、この目的のために特に備えられる1つの電動モータ、又は、この目的のために備えられる複数の電動モータによって行われるという技術的な利点がある。電動モータの使用は同様に、油圧駆動式の使用にとってかわる経済的な代替手段を提供する。使用される電動モータに基づいて、メンテナンス及びサービスのコストを特に低減することができる。
【0011】
作動固有データに応じて、コントロールユニットによって必要とされる電動モータの調整及び制御を行うことにより、建設機械の作動中に発生する騒音を低減することができる。従来の建設機械のように、ファンがもはやディーゼルエンジンにしっかりと結合されておらず、その代わり、作動固有データに応じた状況ごとに、コントロールユニットにより調整することができる。その結果、要求目標ファン回転速度は、建設機械の作動状態に最適に適合することができる。
【0012】
電動モータ又は電動モータに結合されたファンの作動関連制御によって、作動コストが低減できる結果として、同様に、改善された平均寿命(life expectancy)がもたらされることも期待できる。
【発明の効果】
【0013】
建設機械、特に、冷却流の供給が建設機械の作動状態に適合した、道路舗装機械又はフィーダを作り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る建設機械の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の有利な実施形態では、駆動ユニットの負荷率及び回転速度の少なくとも一方は、作動固有データとして、コントロールユニットにより記録(register)することができる。負荷率は、例えば、舗装現場での舗装走行(paving run)、運搬走行(transport run)又は建設機械の移動中の走行などのような、建設機械の作動状態を記述する。一方、駆動ユニットは、建設機械の使用中に上昇又は下降する、駆動ユニットの瞬間的なディーゼルエンジン回転速度を記述する。負荷率、例えば、駆動ユニットの回転速度をコントロールユニットにより記録することは、駆動ユニットへのコントロールユニットの機能的な結合によって可能となる。とりわけ、これにより、駆動ユニットの作動固有データ、即ち、負荷率及びディーゼルエンジン回転速度の少なくとも一方が、この情報に基づいて要求目標ファン回転速度に調整するために、建設機械の作動中いつでも記録することができるという技術的な利点がもたらされる。
【0016】
本発明のさらなる実施形態では、コントロールユニットは、作動固有データとして、建設機械の吸気温度及び大気温度の少なくとも一方を記録する。吸気温度及び大気温度の少なくとも一方を記録するために、要求目標ファン回転速度の計算に際しては、コントロールユニットにより記録された温度を考慮に入れるという方法で、コントロールユニットに機能的に結合された機器が備えられる。吸気温度又は大気温度を記録することによって、気象条件に応じてファン作動を最適化することができる。
【0017】
コントロールユニットが、作動固有データとして、給気、冷却空気及び作動油の少なくとも1つの温度を記録すれば、それはまた利点となる。建設機械の作動中、供給されたアセンブリがスムーズに作動する特定温度で、これらの作動媒体、即ち、給気、冷却空気及び作動油を維持することは特に重要である。作動媒体の温度仕様(temperature specification)に基づいて、作動媒体、即ち、給気、冷却空気及び作動油の少なくとも1つが規定温度に維持されるように、コントロールユニットによってファンを調整することができる。その結果、建設機械の作動を改善することができる。
【0018】
要求目標ファン回転速度を決定するために、望ましくは、コントロールユニットに少なくとも1つのマップ(mapping)が備えられる。この目標ファン回転速度に基づいてコントロールユニットによって電動モータの駆動を行うために、マップは、作動固有データに基づいて、要求目標ファン回転速度を決定する。マップは、コントロールユニットが要求目標ファン回転速度を決定する、簡単な解決手段を提供する。複数のマップを使用することで、建設機械の異なる作動状態は、それらに適合された特定の通風状態(ventilation)で調整することができる。
【0019】
目標ファン回転速度を決定するために、コントロールユニットは、望ましくは、駆動ユニットの回転速度を考慮して所定のマップを選択(activate)する。その結果、建設機械の現在の作動状態にファン回転速度を特に適合させるために、目標ファン回転速度を計算するのに最も適したマップの予備選択(preliminary selection)を行うことができる。
【0020】
本発明の実施形態では、コントロールユニットは、選択されたマップに基づいて目標ファン回転速度を決定するが、この場合、マップは駆動ユニットの負荷率及び大気温度を考慮して目標ファン回転速度を決定する。これは、目標ファン回転速度を計算するために、建設機械の環境の固有データ及び駆動ユニットの実作動の固有データの両方が考慮されるという技術的な利点がもたらされる。
【0021】
この代わりに、本発明のさらなる実施形態では、コントロールユニットは、給気、冷却空気及び作動油の温度の少なくとも1つを考慮した所定のマップによって、目標ファン回転速度を決定する。その結果、作動温度、即ち、給気、冷却空気及び作動油の温度の少なくとも1つの組合せによっても、目標ファン回転速度の決定を行うことができる。従って、この点について、目標ファン回転速度のマップ計算に基づく要求作動温度に、作動媒体を維持することができる。なぜならば、作動媒体は、要求作動温度に応じて、ファンによる冷却気流が供給されるからである。
【0022】
ファンを要求目標ファン回転速度で回転させるために、対応供給電圧が電動モータに印加されなければならない。このため、コントロールユニットは、望ましくは、決定された目標ファン回転速度を考慮した、固有の可変電圧を電動モータに供給する電力機器(power electronics)を含む。このため、電力機器は、例えば、前述したマップ計算で得られた目標ファン回転速度でファンを回転させるために、電動モータの十分な電力供給が確保される。
【0023】
本発明のさらなる実施形態では、コントロールユニットは、コントロールユニットにより記録された作動固有データのそれぞれを平均化する機器を含む。電動モータが高頻度で駆動し、これに応答してファンが高速で回転するのをコントロールユニットによって防ぐことができれば、これは利点となる。平均化を備えるコントロールユニットのこれらの機器によって、作動固有データから平均化された、ファン調整のための記録量を計算するために、舗装走行中の所定期間の間に作動固有データを記録することができる。コントロールユニットによる平均化に基づいて、コントロールユニットが過熱する危険がないように、計算負荷を同様に低減することができる。
【0024】
作動固有データから平均値を求めるため、コントロールユニットは、少なくとも1秒に2回、望ましくは、少なくとも1秒に20回のサンプリングレートで、作動固有データを記録する利点がある。これは、所定期間内で平均化するために、少なくとも20個の同一種類の作動固有データが得られることを意味する。特に、コントロールユニットが、1秒ごとに各作動固有データを記録すると、その結果、少なくとも総計20個の各記録データが平均化するたびに得られるという利点となる。その結果、高頻度の調整が起こらないようにファンを調整することができ、これにより、作動中の騒音発生を同様に低減することができる。
【0025】
ある目標ファン回転速度から新たに計算された目標ファン回転速度に急激に変化することを防止するために、コントロールユニットは、望ましくは、目標ファン回転速度をゆっくりと調整する減衰(attenuation)のための機器を含む。減衰のための機器は、例えば、目標ファン回転速度が緩増加するランプ機能(ramp function)を含むことができる。減衰又はランプ機能のための機器は、目標ファン回転速度の階段的かつ選択的な調整が可能な勾配を規定する。従って、舗装作業が回転速度の急上昇の影響(impression)がないように、ランプ機能の勾配が平坦となる。一方、冷却システムのオーバヒートに対処するために、ランプ機能の勾配は、ファン回転速度に対して迅速な調整が十分可能な急勾配となる。本発明の特に有利な実施形態では、ランプ機能の勾配が、毎秒0.1回転から毎秒200回転の範囲にあり、これによって、望ましくは、勾配がおおよそ毎秒12回転になる。このように、ファン機能を最適化することができる。
【0026】
本発明のさらなる実施形態では、コントロールユニットは、建設機械の作動中に、詳細な作動固有データを記憶するメモリを含む。また、メモリは、コントロールユニット内の計算段階の中間結果を選択的に記憶することもできる。メモリにより記憶された値は、建設機械がある作動状態にある場合に検索が可能であり、その結果、例えば、目標ファン回転速度の迅速な計算が可能である。
【0027】
冷却ユニットは、望ましくは、実際のファン回転速度を記録し、かつ、これをコントロールユニットに送出するセンサを備える。このようにすれば、ファンの作動をモニタすることができる。
【0028】
本発明はまた、建設機械の冷却システムの自動調整及び制御の方法に関する。この目的のため、コントロールユニットは、建設機械の作動固有データを記録し、これらのデータに基づいて要求目標ファン回転速度を決定する。これに応答して、コントロールユニットは、電動モータに結合されたファンが要求目標ファン回転速度に達するように、冷却システムに備えられた電動モータに電圧を供給する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態を示す。図1は、本発明に係る、建設機械1の概略を示す。
建設機械1は、道路舗装機械又はフィーダとすることができる。建設機械1は、ポンプトランスファーギヤ81に結合される駆動ユニット80を含む。駆動ユニット80はさらに、コントロールユニット60に機能的に結合される。破線矢印130及び140は、それによって、コントロールユニット60が駆動ユニットの回転速度及び負荷率を記録できることを示している。
【0030】
コントロールユニットはまた、冷却ユニット3に機能的に結合される。冷却ユニット3は、電動モータ90及び電動モータ90に連結されたファン70を含む。
点線120は、コントロールユニット60から電動モータ90へと向かう電源供給を示すために使用される。電動モータ90からコントロールユニット60へと向かう破線矢印100は、実際のファン回転速度がコントロールユニット60によって記録され得ることを明確にする。
【0031】
コントロールユニット60は同様に、給気30、冷却空気40及び作動油50の温度を記録する。給気30、冷却空気40及び作動油50の温度の記録は、コントロールユニット60の方向に向かう点線31、41及び51によって表現される。破線矢印21は、コントロールユニット60が大気温度10及び吸気温度20を記録できることを示す。
【0032】
コントロールユニット60は、例えば、負荷率と大気温度又は吸気温度との相関関係に基づいて、要求目標ファン回転速度を決定するための少なくとも1つのマップ150を含む。複数のマップ150の存在下で、対応するマップ150をディーゼルエンジン回転速度に応じて選択することができる。
【0033】
コントロールユニット60はまた、記録された作動固有データ2を選択的に平均化する機器300を含む。記録された作動固有データ2は、負荷率、ディーゼルエンジン回転速度、給気温度、冷却空気温度、作動油温度、大気温度及び吸気温度の少なくとも1つを含むことができる。
【0034】
平均化のための機器300によって、コントロールユニット60は、10ミリ秒から360秒以内に、2から1000のサンプリングレートで測定された複数の値を記録する。平均値は、記録値から求められる。記録は、望ましくは、少なくとも1秒以内に少なくとも20のサンプリングレートで起こる。これにより、短くかつ大きな負荷の変化がファン回転速度及び作動中の気に障る騒音発生に影響することが防止される。機器300はまた、移動平均(sliding average)、幾何平均(geometric average)、調和平均(harmonic average)、二次平均(quadratic average)又は三次平均(cubic average)によって、別の平均化を行う。
【0035】
コントロールユニットはまた、減衰機器240を含む。このように、ファン70における可能な回転速度の変化は、減衰機器240に備えられるランプ機能によって減衰することができる。目標ファン回転速度に達するまで、実際のファン回転速度の階段的な調整を行うための減衰機器240が備えられる。目標ファン回転速度の階段的な調整は、減衰機器240で規定される規定勾配によって起こる。ランプ機能を意味する減衰機器240の勾配は、建設機械のオペレータが回転速度の変化を感じないように平坦であるべきである。一方、傾斜は、冷却システム3のオーバヒートを防止するのに十分な迅速さで、目標ファン回転速度が上昇する範囲に存在する。1秒あたり0.1から200回転のランプ傾斜(ramp gradient)が考えられ、これによって、望ましくは、1秒あたりおおよそ12回転の傾斜となる。
【0036】
さらに、メモリ160は、コントロールユニット60に備えられる。作動固有データがメモリ160に記憶され、これによって、コントロールユニット60内における計算段階の中間結果の記憶がまた、メモリ160で選択的に可能となる。
【0037】
最後に、コントロールユニット60は、電力機器110を含む。電力機器110は、電動モータ90への電力供給を意味する、供給電圧を保障する。電力機器110により電動モータに供給される供給電圧の大きさは、決定された目標ファン回転速度によって決まる。
【0038】
道路舗装機械は、非常に高い大気温度及び非常に高いモータ稼働率を伴う極限作動条件でのみ、最大の冷却空気体積流れを必要とする。このような作動状態はまれにしか生じないが、しかし、多数の応用事例に対して、目標ファン回転速度を低下させることができ、その結果、道路舗装機械の騒音を低減することができる。道路舗装機械1の最大設計点でファン70が動作しなければ、低下された目標ファン回転速度は燃料を節約することができる。油圧駆動式のファンと比較して、電動モータ90を備える本発明に係るファン駆動は、全面的により良好な効率を有する。
【0039】
この発明は同様に、負荷率及び大気温度10に応じて目標ファン回転速度が決定され得るという、技術的な利点を提供し、その結果、機械のオーバヒートを防止するために、ファン70の迅速な応答時間を可能とする。負荷率及び大気温度10が、既に冷却媒体30、40及び50の昇温過程ポイントにあるため、目標ファン回転速度は、冷却ユニット3の温度が上昇する前に調整することができる。オーバヒートする可能性が生じる前に、正確な冷却気流がファン70により調整され得るので、その結果、無駄時間が回避される。駆動ユニット80の現在のディーゼルエンジン回転速度とは独立して、これは、冷却ユニットのために特に備えられる電動モータ90で可能となる。
【0040】
ファンを直接駆動する場合、ファン70が駆動ユニット80の駆動軸に近接して位置する必要がないという事実によって、冷却ユニット3の位置、特に、ファン70の位置は、建設機械1の範囲内で自由に選択することができる。
【0041】
特に、複雑な排気後処理システムにより次第に増す構成スペース問題に関して、冷却ユニット3の配置について、建設機械1の範囲内の位置に固定する必要がないという利点がある。
【0042】
既に説明したように、複数のファン70が冷却ユニット3に備えられ、それによって、複数の電動モータ90により各ファン70を駆動することができる。電気的に駆動される複数のファン70により、個々の空気冷却要求に応じて、冷却される媒体、例えば、給気、冷却空気及び作動油の少なくとも1つを個別に調整することができる。
【0043】
また、コントロールユニットに診断機能を実装することも考えられる。温度を正確に記録することができない事態が生じた場合、これにより建設機械1のオーバヒートを回避することができる。例えば、温度センサの機能を診断することができる。
【0044】
本発明は、建設機械のオーバヒートが発生しないように、改善された冷却空気供給を備えた建設機械に関する。それ故、作動固有データ2を条件とする状況に応じて、冷却ユニット3を駆動することができる。少なくとも1つの電動モータが特に冷却ユニット3に備えられ、それによって、連結されたファン70により要求冷却気流を提供するための、効率的かつ経済的な解決が電動モータによって保障される。
【符号の説明】
【0045】
1 建設機械
2 作動固有データ
3 冷却ユニット
4 センサ
10 大気温度
20 吸気温度
30 給気温度
40 冷却空気温度
50 作動油温度
60 コントロールユニット
70 ファン
80 駆動ユニット
90 電動モータ
110 電力機器
130 回転速度
140 負荷率
150 マップ
160 メモリ
240 減衰機器
300 機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動ファン回転速度調整を備えた建設機械(1)、特に、道路舗装機械又はフィーダであって、駆動ユニット(80)、コントロールユニット(60)及び冷却気流を生成するための少なくとも1つのファン(70)含む冷却ユニット(3)を備え、前記コントロールユニット(60)が、作動固有データ(2)を記録する建設機械において、
前記冷却ユニット(3)は、各ファン(70)に機能的に結合された、少なくとも1つの調整可能な電動モータ(90)を含み、
前記コントロールユニット(60)は、前記ファン(70)における要求目標ファン回転速度を調整するために、前記作動固有データ(2)に基づいて、各電動モータ(90)の電気出力を調整する、
ことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記コントロールユニット(60)は、前記作動固有データ(2)によって、前記駆動ユニット(80)の負荷率(140)及び回転速度(130)の少なくとも一方を記録する、
ことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記コントロールユニット(60)は、前記作動固有データ(2)によって、前記建設機械(1)の吸気温度(20)及び大気温度(10)の少なくとも一方を記録する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記コントロールユニット(60)は、前記作動固有データ(2)によって、給気温度、冷却空気温度及び作動油温度(30、40及び50)の少なくとも1つを記録する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の建設機械。
【請求項5】
前記コントロールユニット(60)は、前記目標ファン回転速度を決定するための少なくとも1つのマップ(150)を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の建設機械。
【請求項6】
前記コントロールユニット(60)は、前記駆動ユニット(80)の回転速度(130)を考慮して前記目標ファン回転速度を決定するために、所定のマップ(150)を選択する、
ことを特徴とする請求項5に記載の建設機械。
【請求項7】
前記コントロールユニット(60)は、詳細な作動固有データ(2)、特に、前記駆動ユニット(80)の負荷率(140)及び大気温度(10)を考慮した前記所定のマップ(150)によって、前記目標ファン回転速度を決定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の建設機械。
【請求項8】
前記コントロールユニット(60)は、給気温度、冷却空気温度及び作動油温度(30、40及び50)の少なくとも1つを考慮した前記所定のマップ(150)により、前記目標ファン回転速度を決定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の建設機械。
【請求項9】
前記コントロールユニット(60)は、前記決定された目標ファン回転速度を考慮した所定電圧を、前記電動モータ(90)に供給する電力機器(110)を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の建設機械。
【請求項10】
前記コントロールユニット(60)は、前記コントロールユニット(60)により記録された前記作動固有データを平均化する機器(300)を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の建設機械。
【請求項11】
前記機器(300)は、作動固有データから平均値を求めるために、少なくとも10、望ましくは、少なくとも20の作動固有データ(2)を記録する、
ことを特徴とする請求項10に記載の建設機械。
【請求項12】
前記コントロールユニット(60)は、前記目標ファン回転速度を階段的ではなくスムーズに調整する減衰機器(240)を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の建設機械。
【請求項13】
前記コントロールユニット(60)は、前記建設機械(1)の作動中に、詳細な作動固有データ(2)を記憶するメモリ(160)を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の建設機械。
【請求項14】
前記冷却ユニット(3)は、実際の前記ファン回転速度を記録し、これを前記コントロールユニット(60)に送出するセンサ(4)を含む、
ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1つに記載の建設機械。
【請求項15】
建設機械(1)の冷却システム(3)の自動調整及び制御の方法であって、
コントロールユニット(60)が、前記建設装置の作動固有データ(2)を記録し、これらのデータに基づいて、要求目標ファン回転速度を決定し、電動モータ(90)に結合されたファン(70)が前記要求目標ファン回転速度となるように、前記冷却システム(3)に備えられる電動モータ(90)に調整可能な電圧を供給する、
ことを特徴とする建設機械の冷却システムの自動調整及び制御の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−83256(P2013−83256A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−222755(P2012−222755)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【出願人】(596068349)ヨゼフ フェゲーレ アーゲー (35)
【Fターム(参考)】