自動倉庫
【課題】保管棚の収容空間におけるコンテナの位置ずれを検知し、コンテナを定位置に矯正して入出庫動作の不具合を解消する自動倉庫を得る。
【解決手段】入出庫方向前後の収容空間に複数のコンテナを収容する保管棚1、保管棚1の前面に沿って移動するスタッカークレーン、保管棚1とスタッカークレーンとの間でコンテナ5を受け渡すコンテナ入出庫装置11、スタッカークレーンとコンテナ入出庫装置11を制御する制御装置を有する。コンテナ入出庫装置11は、保管棚1からコンテナ5を引き込むスライドアーム6と保管棚1に収容されているコンテナ5の位置を検知するコンテナ検知器7,8を有し、制御装置は、コンテナ検知器7,8による検知信号がコンテナ矯正動作条件を満たすとコンテナ5を定位置に矯正するようにコンテナ入出庫装置11のスライドアーム6の動作を制御する。
【解決手段】入出庫方向前後の収容空間に複数のコンテナを収容する保管棚1、保管棚1の前面に沿って移動するスタッカークレーン、保管棚1とスタッカークレーンとの間でコンテナ5を受け渡すコンテナ入出庫装置11、スタッカークレーンとコンテナ入出庫装置11を制御する制御装置を有する。コンテナ入出庫装置11は、保管棚1からコンテナ5を引き込むスライドアーム6と保管棚1に収容されているコンテナ5の位置を検知するコンテナ検知器7,8を有し、制御装置は、コンテナ検知器7,8による検知信号がコンテナ矯正動作条件を満たすとコンテナ5を定位置に矯正するようにコンテナ入出庫装置11のスライドアーム6の動作を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫あるいは図書館における物品、書籍類などのコンテナによる入出庫装置に関するもので、特に、コンテナの位置や姿勢のずれによる動作不良を解消することができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
自動制御によって物品あるいは書籍類などを入出庫することができる自動倉庫あるいは図書館などにおいては、物品あるいは書籍類などを収容したコンテナを収容区画に出し入れするようにしたものがある。コンテナはその寸法を規格化することができ、立体倉庫のコンテナ収容区画との間でコンテナを受け渡すスタッカークレーンなどの制御およびスタッカークレーンなどに組み込まれている入出庫装置の制御が容易になるからである。そして、立体倉庫の物品収容スペースを効率よく利用するために、立体倉庫の奥行方向に複数のコンテナを並べて収納できるようにし、これら奥行き方向の複数のコンテナ収納空間に対してコンテナを入出庫することができるようにしたコンテナ入出庫装置ないしは荷移載装置も提案されている。
【0003】
特許文献1および特許文献2に記載されているコンテナ格納装置に関する発明は、立体倉庫の奥行方向に複数のコンテナを並べて収納し、また、出庫できるようにしたものである。
特許文献1記載の発明は、昇降荷台を備えていて棚間口面に沿って走行するコンテナ搬送機を有し、上記昇降荷台には、コンテナを奥行き方向に沿い往復摺動可能に支持する支持部材が設けられ、上記昇降荷台にはまた、この昇降荷台上で収縮した状態と棚の奥に格納されたコンテナまで達する伸張した状態との間で伸縮可能なアーム装置と、コンテナの上下2個の取手のいずれかに係脱し得るフックとからなる移載装置が設けられてなるものである。そして、上記アーム装置は、旋回台に固定されたアーム支持部材と、このアーム支持部材上を前後方向に摺動可能な第1摺動アーム部材と、この第1摺動アーム部材上を前後方向に摺動可能な第2摺動アーム部材からなる3段アーム形式になっている。
【0004】
特許文献2記載の発明も、特許文献1記載の発明と同様に、コンテナを昇降荷台と棚との間で受け渡す移載装置と、コンテナを棚の間口側と棚の奥側との間で移動させる移動装置を備え、この移動装置は、基端スライド部材、中間スライド部材、先端スライド部材からなる多段スライド方式になっており、さらに、中間スライド部材は、左右両側板を備えていてチャンネル状に形成され、上記両側板の内外にそれぞれ基端スライド部材の溝に嵌まる案内ローラが、前後両端に2個ずつ、前後方向中央部に4個ずつ設けられてなるものである。
【0005】
そのほか、本発明に係る自動倉庫と関連のある発明として、本出願人の出願に係るコンテナ入出庫装置がある(特願2009−167455号参照)。上記出願に係る発明も、コンテナを使用し、一つの収納空間に複数のコンテナを収納するものである点において本発明と関連がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2566530号公報
【特許文献2】特許第3352846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
保管棚にコンテナが収容されている状態で地震が発生すると、コンテナ収容空間内でコンテナが移動する。特に、保管棚の奥行方向に複数のコンテナを並べて収納できるようにした自動倉庫において、奥側にのみコンテナが収容されていて、手前側の収容空間にコンテナが収容されていない場合、奥側のコンテナの移動可能な空間が大きくなるため、地震などの振動によってコンテナが大きく移動する。あるいは、コンテナが水平面内において回転してコンテナの前面が自動倉庫の間口面に正対しなくなる。このような事態は、例えば、メンテナンス時にコンテナを人為的に移動させたまま元に戻すことを忘れた場合などにも生じる。
【0008】
自動倉庫に用いられるコンテナは、一般に、その前面にフックが設けられていて、このフックにコンテナ入出庫装置側のフックを係合させ、コンテナを保管棚側からコンテナ入出庫装置側に引き込んで受け渡すようになっている。したがって、地震などによってコンテナの位置がずれ、あるいは水平面内において回転すると、コンテナのフックとコンテナ入出庫装置側のフックとを係合させることができず、コンテナの受け渡しができなくなる。
【0009】
従来の自動倉庫では、このようなコンテナの位置ずれや回転による入出庫動作の不具合に関してまでは考慮されていない。
【0010】
そこで本発明は、地震などによって保管棚の収容空間におけるコンテナの位置がずれ、あるいは水平面内において回転したとしても、このような位置ずれや回転を検知し、コンテナを定位置に矯正することにより入出庫動作の不具合を解消することができる自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る自動倉庫は、入出庫方向前後の収容空間に複数のコンテナを収容することができる保管棚、この保管棚の前面に沿って移動することができるスタッカークレーン、上記保管棚とスタッカークレーンとの間でコンテナを受け渡すコンテナ入出庫装置、上記スタッカークレーンの移動およびコンテナ入出庫装置の動作を制御する制御装置を有してなり、上記コンテナ入出庫装置は、上記保管棚からコンテナを引き込むスライドアームと上記保管棚に収容されているコンテナの位置を検知するコンテナ検知器を有し、上記制御装置は、上記コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすとコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御することを最も主要な特徴とする。
【0012】
上記制御装置は、コンテナを定位置に矯正した後コンテナをコンテナ入出庫装置に引き込むようにコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するようにするとよい。
上記制御装置はまた、コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすと、通常のコンテナ入出庫時よりも低速でコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するとよい。
【0013】
コンテナ検知器は、保管棚の収容空間に収容することができるコンテナの前後の位置に応じた複数の検知領域を持ち、どの検知領域においてコンテナを検知するかによってコンテナ位置を検出するようにするとよい。
コンテナ検知器はまた、保管棚の収容空間の前後に収容することができるコンテナに対応して複数配置してもよい。
【0014】
コンテナ検知器は、距離検出器であって、保管棚の収容空間に収容されているコンテナに対応して左右に配置され、左右のコンテナ検知器の検出信号差によってコンテナの回転を検知するようにしてもよい。
かかる構成において、左右のコンテナ検知器の検出信号差が許容値よりも大きい場合に、コンテナが所定の姿勢になるように、制御装置がコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するようにするとよい。
【発明の効果】
【0015】
地震などによって保管棚の収容空間におけるコンテナの位置がずれ、あるいは水平面内において回転したとしても、このようなコンテナの位置ずれや回転をコンテナ検知器が検知し、この検知信号によって、制御装置がコンテナを定位置に矯正するようにコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する。したがって、コンテナ入出庫装置のスライドアームは、常に定位置にあるコンテナに対し作用してスタッカークレーンとの間でコンテナを受け渡すことができ、受け渡しの誤動作を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る自動倉庫の実施例を示す外観側面図である。
【図2】上記自動倉庫における収容空間、コンテナ入出庫装置およびコンテナ検出器の関係を概念的に示す斜視図である。
【図3】本発明に係る自動倉庫の第1実施例の要部を示す平面図である。
【図4】上記第1実施例による正常な入出庫動作を順に示す平面図である。
【図5】上記第1実施例によるコンテナ矯正動作を順に示す平面図である。
【図6】上記第1実施例によるコンテナ矯正動作の別の例を順に示す平面図である。
【図7】上記第1実施例によるコンテナ矯正動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る自動倉庫の第2実施例の要部を示す平面図である。
【図9】上記第2実施例によるコンテナ矯正動作を順に示す平面図である。
【図10】上記第2実施例によるコンテナ矯正動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る自動倉庫の第3実施例の要部を示す平面図である。
【図12】上記第3実施例における制御パターンと動作の例を示す対比図である。
【図13】上記第3実施例によるコンテナ矯正動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る自動倉庫の実施例を、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明に係る自動倉庫の外観の一例を説明する。図1において、符号1は保管棚を示している。保管棚1は、一定の間隔をおいて垂直に立てられた複数の支柱2と、これらの支柱を水平方向に連結する適宜の水平方向の連結部材と、荷受部材3を有してなる。図1は保管棚1の側面を示していて、図1の紙面に直角方向の面が物品の入出庫面すなわち間口面となっている。図1に示す例では、左右方向の中央にスタッカークレーン10が走行する通路が紙面に直交する方向に形成されていて、この通路の両側に保管棚1が構築され、上記通路を挟んで対向する保管棚1の面が入出庫面となっている。
【0018】
上記荷受部材3は、保管棚1の間口面から見て奥行き方向すなわち前後方向に並ぶ支柱2間に水平方向に取り付けられている。間口方向に互いに隣接する支柱2の互いに対向する面の同じ高さ位置に連結されている一対の荷受部材3によってコンテナ5を支持するように、また、一対の荷受部材3に沿ってコンテナ5を滑らせながらコンテナ5を入出庫することができるように構成されている。左右に隣接する支柱2と上下に隣接する荷受部材3とで区画される空間がコンテナ収容空間となっていて、この収容空間には、入出庫方向前後に複数個の(図1に示す実施例では2個の)コンテナ5を収容することができるように構成されている。
【0019】
コンテナ5の前後両面には、コンテナ入出庫装置が備えているスライドアームが係合してコンテナ5をスタッカークレーン10側に引き寄せるためのフックが一体に形成されている。
【0020】
スタッカークレーン10は、台車によって上記通路内を保管棚1の前面に沿って移動することができるとともに、台車に立てられたガイド支柱に沿ってコンテナ入出庫装置11が昇降するようになっている。コンテナ入出庫装置11は、保管棚1とスタッカークレーン10との間でコンテナ5を受け渡すことができるように上記スライドアームを備えている。スタッカークレーン10の移動、コンテナ入出庫装置11およびそのスライドアームの動作を制御する制御装置が、適宜の制御盤などに備えられている。コンテナ入出庫装置11は、スタッカークレーン10の走行通路を挟んで両側に構築されている保管棚1の収容空間に対してコンテナ5を入出庫できるように、図1において左右いずれの方にもスライドアームを動作させることができる。
【0021】
上記コンテナ入出庫装置11は、上記のように保管棚1からコンテナ5を引き込むスライドアームを備えるとともに、保管棚1に収容されているコンテナ5の位置を検知するコンテナ検知器を備えている。このコンテナ検知器は、コンテナ収容空間におけるコンテナ5の位置を検出するもので、地震などによってコンテナ5の位置がずれた場合、この位置ずれを検出することができる。上記制御装置は、コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすと、コンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するようになっている。以下、実施例に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0022】
図2、図3において、保管棚1の構成部材である支柱2は、保管棚1の間口方向に一定間隔で垂直に立てられると共に奥行き方向にも一定間隔で垂直に立てられ、間口方向に隣接する支柱2の互いに対向する面の同一高さ位置には、奥行き方向に並ぶ支柱2を連結する荷受部材3が水平方向の姿勢を保って固定されている。荷受部材3は横断面形状がL字形の部材で、左右に対をなす荷受部材3の水平片によってコンテナ5の底面両側縁部を受けて支持し、また、この水平片上を滑らせながらコンテナ5を入出庫するようになっている。左右一対の荷受部材3によって上下方向に区切られる空間がコンテナ収納空間になっている。
【0023】
任意の上記コンテナ収納空間に対応する位置にコンテナ入出庫装置11が停止する。より正確には、コンテナ入出庫装置11はその上面がコンテナ収容空間の下端を画する荷受部材3の水平片の上面とほぼ同じ高さ位置になるように停止することができる。コンテナ入出庫装置11にはスライドアーム6が組み込まれている。スライドアーム6は、例えば前記特許文献1、特許文献2などに記載されているような3段アームからなる移載装置を構成している。上記3段アームの先端に設けられているフックをコンテナ5のフックに係合させて伸縮させることにより、コンテナ5を上記収容空間とコンテナ入出庫装置11との間で受け渡すことができる。
【0024】
コンテナ入出庫装置11によるコンテナ5の受け渡し方向を前後方向とすると、コンテナ入出庫装置11の前端部両側にはコンテナ検知器7,8がコンテナ収容空間に向かって斜めに、かつ、双方の検知光軸が平面上において交差するように取り付けられている。コンテナ検知器7,8は三角測量の原理を応用した光学的な検知器で、検知対象に向けてある角度をもって斜めに光束を照射し、対象物からの反射光を例えばCMOSなどのイメージセンサで受光し、受光位置によって対象物までの距離を検出するものである。検知対象がなければイメージセンサの出力がなく、検知対象があればイメージセンサの出力があり、かつ、検出対象の距離に応じて受光する素子の位置が変わる。そこで、検出対象が所定の距離範囲にあるときに信号を出力する受光素子を予め設定しておく。その受光素子から信号が出力されれば、検出対象が所定の距離範囲にあると判断し、その他の受光素子から信号が出力されれば、検出対象が所定の距離範囲からずれた位置にあると判断することができる。
【0025】
図2、図3に示す例では、コンテナ検知器7はコンテナ収容空間の奥側にあるコンテナ5の位置を検出するために、コンテナ収容空間の奥側に向けて設置され、コンテナ検知器8はコンテナ収容空間の手前側にあるコンテナ5の位置を検出するために、コンテナ収容空間の手前側に向けて設置されている。
【0026】
コンテナ検知器7は、二つの検知領域をもった2チャンネル構成になっている。第1のチャンネルは、コンテナ5が、収容空間の奥側においてずれのない位置から、前側へのずれが許容される位置までの範囲内で位置ずれしている場合に「ON」、それ以上に位置ずれしている場合に「OFF」するように設定されている。上記「ON」の範囲は、この実施例では0mm(コンテナ5の位置ずれがない状態)以上100mm未満に設定されている。コンテナ検知器7の第2のチャンネルは、コンテナ5が収容空間の奥側において100mm以上550mm未満の場合に「ON」、それ以外の場合に「OFF」するように設定されている。
【0027】
上記コンテナ検知器8は、手前側のコンテナが所定の許容範囲内にある場合に「ON」、それ以外の場合に「OFF」するように設定されている。上記手前側のコンテナの位置が所定の許容範囲内にある場合とは、この実施例ではコンテナの位置ずれが550mm以上670mm未満にある場合である。
【0028】
以上説明した二つのコンテナ検知器7、8は、コンテナ入出庫装置11上のスライドアーム6の移動方向両端部にそれぞれ設けられていて、コンテナ入出庫装置11の両側にある保管庫の任意の収容空間におけるコンテナ5の位置ずれを検知できるようになっている。収容空間におけるコンテナ5の位置ずれ検知動作は、いずれの側においても同じであるから、片側(いずれの図でも左側)の収容空間におけるコンテナ5の位置ずれ検知および検知後の動作について説明する。
【0029】
本発明は、初めに説明したように、奥行き方向に複数のコンテナを収容するようにした自動倉庫において、手前側にコンテナがなく、奥側のコンテナが地震などによって位置ずれを起こした場合などに生じる不具合を解決するものである。よって、奥側のコンテナの入出庫、特に出庫の場合の動作について説明する。図4は、奥側のコンテナ5の位置が所定の許容範囲内にある場合の正常な動作を示している。図4(1)は奥側のコンテナ5が許容範囲内にある場合のコンテナ検知器7、8による位置検知の様子を示す。コンテナ検知器7、8は前述の動作をするように設定されているので、コンテナ検知器7の1チャンネルは「ON」、2チャンネルは「OFF」、コンテナ検知器8は「OFF」である。このような検出出力の場合はコンテナ5に位置ずれがない場合であるから、制御装置の制御により図4(2)〜(5)に示すように平常の出庫動作が行われる。
【0030】
図4(2)に示すように、コンテナ入出庫装置11は所定のコンテナ収容空間に近接し停止する。次に、図4(3)に示すようにコンテナ入出庫装置11からスライドアーム6を奥側に収容されているコンテナ5に向かって伸張させ、さらにコンテナ入出庫装置11を僅かに上昇させるなどの動作によってスライドアーム6の先端のフックをコンテナ5のフックに係合させる。次に、図4(4)に示すようにスライドアーム6を収縮させ、コンテナ5を荷受部材3に沿って滑らせながらコンテナ入出庫装置11に向かって引き込む。スライドアーム6が原位置に復帰し、さらには荷受部材3上のコンテナ5をコンテナ入出庫装置11に移載する動作が完了すると、図4(5)に示すようにコンテナ入出庫装置11をコンテナ収容空間から離間させる。そのあとは図1に示すスタッカークレーン10の動作によって適宜の位置、例えば入出庫ステーションなどに搬送される。
【0031】
コンテナ5をコンテナ入出庫装置11に引き込むための移載装置は、適宜の構成のものを用いることができる。例えば、本出願人の出願に係る前記特願2009−167455号の明細書および図面に記載したコンテナ入出庫装置に用いられている移載装置を用いてもよい。
【0032】
コンテナ収容空間の奥側にコンテナ5を収容する(入庫する)場合は、上記出庫動作と逆の順序で動作する。本発明は、主として出庫する場合の問題点を解消するものであるから、入庫動作については具体的な説明はしない。
【0033】
次に、奥側のコンテナ5が許容範囲を超えて位置ずれしている場合の、コンテナ位置検知動作について図5を参照しながら説明する。図5(1)は、奥側のコンテナ5の位置ずれが前述の許容範囲すなわち0mm〜100mm未満にある場合を示している。この範囲をAとする。この範囲Aでの各検知器の検知動作は、図4(1)で説明したように、
コンテナ検知器7
1チャンネル:ON
2チャンネル:OFF
コンテナ検知器8:OFF
である。かかる検知器出力の場合は、コンテナ5の位置ずれ矯正動作条件を満たさず、図4について説明したように、通常のコンテナ引き込み動作を行う。
【0034】
図5(2)は、奥側のコンテナ5が許容範囲を超え、100mm〜500mm未満の範囲で位置ずれしている場合を示す。この位置ずれ範囲をBとする。この範囲Bでの各検知器の検知動作は、
コンテナ検知器7
1チャンネル:OFF
2チャンネル:ON
コンテナ検知器8:OFF
である。かかる検知器出力の場合に、コンテナ5の位置ずれ矯正動作条件を満たすものとして予め設定されていて、後で説明するコンテナ位置ずれ矯正動作によって位置ずれが矯正されたあと、コンテナ5の引き込みが行われる。
【0035】
図5(3)は、奥側のコンテナ5が許容範囲を大きく超え、500mm〜550mm未満の範囲で位置ずれしている場合を示す。この位置ずれ範囲をCとする。この範囲Cでの各検知器の検知動作は、
コンテナ検知器7
1チャンネル:OFF
2チャンネル:OFF
コンテナ検知器8:OFF
である。かかる検知器出力の場合は、奥側のコンテナ5があまりにも大きく位置ずれしているものと考えられるので、何らかの異常ないしは不具合が発生していて、人為的な安全確認が必要であると判断して異常停止する。異常停止した場合は、人為的に安全を確認し、奥側のコンテナが大きく位置ずれしていた場合は、人力によってコンテナ位置を修正するなどの方法により、コンテナ5を所定の位置に戻す。
【0036】
図5(4)も、奥側のコンテナ5が許容範囲を大きく超え、550mm〜670mm未満の範囲で位置ずれしている場合を示す。この位置ずれ範囲をDとする。この範囲Dでの各検知器の検知動作は、
コンテナ検知器7
1チャンネル:OFF
2チャンネル:OFF
コンテナ検知器8:ON
である。かかる検知器出力の場合、コンテナ検知器は前側にコンテナがあることを検知していることになる。しかし、この場合は、図5(3)の場合と同様になんらかの異常ないしは不具合が発生しているか、またはコンピュータなどからなる制御装置が記憶しているコンテナ収容位置と実際に収容されているコンテナ収容位置が整合していない可能性もあるので、人為的な安全確認が必要であると判断して異常停止する。異常停止したあとの処置も図5(3)の場合と同じである。
【0037】
図6は、図5(2)に示すようにコンテナ5の位置ずれ範囲が前記Bの範囲で、位置ずれを矯正することができる場合の動作を示す。なお、図6では、コンテナ5が水平面内において回転して姿勢が崩れた場合も示している。図6(1)は、コンテナ5が前記Bの範囲で位置ずれしている場合を示していて、コンテナ検知器7の1,2チャンネルおよびコンテナ検知器8の検知出力が前述のとおりになり、予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たす。
【0038】
そこで、図6(2)に示すように、コンテナ入出庫装置11を所定のコンテナ収容空間に近接させ停止させる。次に、図6(3)に示すように、コンテナ入出庫装置11からスライドアーム6を奥側に収容されているコンテナ5に向かって伸張させ、スライドアーム6の先端でコンテナ5を押しながら、コンテナ5の位置を矯正して定位置に戻す。コンテナ5の位置を矯正した後は平常の動作と同じで、図6(4)に示すように、伸張したスライドアーム6の先端のフックをコンテナ5のフックに係合させ、さらにスライドアーム6を収縮させてコンテナ5をコンテナ入出庫装置11に移載する。次に、図6(5)のようにコンテナ入出庫装置11をコンテナ収容空間から離間させ、スタッカークレーン10(図1参照)によって所定の位置にコンテナ5を搬送する。
【0039】
図7は、以上説明した第1の実施例の動作をまとめて示すフローチャートである。図7において、ピッキング動作が開始されると、コンテナ検知器7、8がそれぞれの前記検知領域におけるコンテナの有無を検知する(S1)。次に、コンテナ検知器7、8による検知情報(信号)に基づき制御パターンを決定する(S2)。図7に示す制御パターンA,制御パターンB,制御パターンC,Dは、それぞれ図5(2)(3)(4)に示したコンテナ5の位置ずれ範囲A,B,C,Dに対応している。
【0040】
制御パターンAの場合は平常のコンテナピッキング動作を行う(S3)。制御パターンBの場合は、平常のピッキング動作時よりもスライドアームを低速で動作させてコンテナ5をスライドアーム6で押し、コンテナ5の位置を矯正する(S4)。この矯正ステップでは、コンテナの位置が矯正されたか否かを検知し、位置が矯正されていれば平常のコンテナピッキング動作を行う(S3)。位置矯正が行われていなければ異常停止し(S5)、人力などによる適宜の回復処置をとる。位置矯正動作後にコンテナ5の位置が正しく矯正されたか否かの検知は、コンテナ検知器7,8による再度の検知動作によって行う。上記ステップS2で制御パターンC,Dと決定された場合は、スライドアーム6による矯正も異常停止し(S6)、人力などによる適宜の回復処置をとる。
【0041】
以上説明したとおり、第1の実施例によれば、地震による振動、その他の理由によってコンテナ5の位置が許容範囲を超えてずれると、コンテナ検知器7,8の検知動作に基づいて位置矯正動作を行い、その後平常のピッキング(出庫)動作を行うことができるため、コンテナ5の位置ずれによるピッキング動作不良を防止することができる。また、地震後のコンテナの位置ずれをコンテナ入出庫装置によって矯正することができるため、人力による矯正作業を軽減することができる。
【実施例2】
【0042】
次に、本発明に係る自動倉庫の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、コンテナ5が荷受部材3上で水平面内において回転し、姿勢が崩れた場合に、これを検知し、正しい姿勢に矯正するようにしたものである。したがって、コンテナ検知器の構成が前記実施例のものとは異なっている。図8において、符号17,18がコンテナ検知器を示している。コンテナ検知器17,18は、距離検出器、例えばレーザー距離計からなり、コンテナ入出庫装置11の前後両端部の左右両側に、収容空間に収容されるコンテナ5の正面に正対するように配置されている。コンテナ収容空間に向かって右側に配置されているコンテナ検知器17によって測定されるコンテナ5の前面右側との距離をXR、左側に配置されているコンテナ検知器18によって測定されるコンテナ5の前面左側との距離をXLとする。
【0043】
図9は、コンテナ5が水平面内において回転して姿勢が崩れた場合の上記コンテナ検知器17、18による検出動作を示す。図9(1)はコンテナ5が平面的に見て時計方向に回転し、上記XRよりもXLが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以下である場合、すなわち、
0≦|XR−XL|≦Y
の場合を示している。
また、図9(2)は、コンテナ5が反時計方向に回転し、上記XLよりもXRが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以下である場合、すなわち、
0≦|XR−XL|≦Y
の場合を示している。
【0044】
図9(3)はコンテナ5が平面的に見て時計方向に回転し、上記XRよりもXLが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以上である場合、すなわち、
|XR−XL|>Y
の場合を示している。
また、図9(4)は、コンテナ5が反時計方向に回転し、上記XLよりもXRが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以上である場合、すなわち、
|XR−XL|>Y
の場合を示している。
【0045】
図9(1)(2)に示すように、コンテナ5が許容範囲内で回転して姿勢が崩れている場合は、図4について説明した平常のコンテナピッキング動作を行わせる。
図9(3)(4)に示すように、コンテナ5が許容範囲を超えて回転して姿勢が崩れている場合は、図6を参照しながら説明したコンテナ位置矯正動作と同じ動作を行わせることによって、コンテナ5の姿勢を矯正することができる。図6(1)(2)はこの姿勢矯正も想定して、コンテナ5が回転した状態で記載している。矯正動作では、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6が伸張してコンテナ5の左右を押すため、コンテナ5の姿勢も矯正される。矯正後は平常のピッキング動作を行うことができる。
【0046】
図10は、第2の実施例の動作をまとめて示すフローチャートである。図10に示すように、ピッキング動作を開始すると、まず、コンテナ検知器17,18によってこれらの検知器17,18からコンテナ5の前面までの距離を検知する(S11)。検知器17,18による検知情報に基づき制御パターンを決定する(S12)。制御パターンは、コンテナ5の水平面内における回転(傾き)が許容範囲内である場合の制御パターンEと、許容範囲を超えている場合の制御パターンFがある。制御パターンEの場合は平常のコンテナピッキング動作を行う(S13)。ステップS12で制御パターンFと決定した場合は、図6で説明した動作と同様に、平常のピッキング動作時よりもスライドアームを低速で動作させてコンテナを押し、コンテナの姿勢を矯正するとともに、矯正できたか否かを確認する(S14)。コンテナ5の姿勢が矯正されていれば平常のピッキング動作を行ない(S13)、矯正されていなければ異常停止し(S15)、人力などによる適宜の矯正復帰作業を待つ。
【0047】
以上説明した第2の実施例に使用されているコンテナ検知器17,18は、距離を測定するものであるため、例えばコンテナ検知器17,18による測定値の平均値をとるといった方法でコンテナ5の位置ずれを検知することができる。そこで、位置ずれの検知結果に基づき、第1の実施例と同様に、コンテナの位置ずれ矯正動作などを行わせることができる。
【0048】
第2の実施例においても、コンテナの姿勢の傾き(回転)を検知し、姿勢が傾いている場合は傾きを矯正することができるため、コンテナの傾きによるピッキング動作不良を防止することができる。また、地震後のコンテナの傾きや位置ずれをコンテナ入出庫装置によって矯正することができるため、人力による矯正作業を軽減することができる。
【実施例3】
【0049】
次に、本発明に係る自動倉庫の第3の実施例について説明する。第3の実施例で用いるコンテナ検知器は、第1の実施例で用いているコンテナ検知器と同様に、検出対象であるコンテナが所定の距離範囲にあるときコンテナを検知して信号を出力する距離設定型の検知器である。第3の実施例が第1の実施例と異なるのは、スライドアーム6の進行方向左右に取り付けられたコンテナ検知器7,8がコンテナ5に正対するように配置され、また、コンテナ検知器7,8がコンテナ5に所定の距離まで接近したとき信号を出力するように設定されていて、コンテナ5の水平面内での回転を検知するように構成されていることである。
【0050】
コンテナ収容空間の奥側にあるコンテナ5をピッキングして出庫するために、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6がコンテナ5に近づく過程で、コンテナ検知器7はコンテナ5の前面右側との距離が予め設定された距離まで近づいたとき、コンテナ検出器8はコンテナ5の前面左側との距離が予め設定された距離まで近づいたとき、それぞれ検知信号を出力する。コンテナ検知器7,8は、例えば、コンテナ5との距離が100mmとなった時点で検知信号を出力するように予め設定しておく。コンテナ検知器7,8による検知信号の出力が同時であればコンテナ5は回転していないと判断できる。図11(1)はこの状態を示している。コンテナ5が回転していれば、コンテナ検知器7,8による検知信号の出力タイミングにずれが生じるので、このずれすなわち時間差の大小から、許容できる回転量かまたは許容できない回転量かを判断することができる。
【0051】
具体的な数値を挙げて説明する。コンテナ5の水平面内における回転の許容量は、例えば左右の位置ずれにおいて30mmとする。スライドアーム6のスライド移動速度が30mm/sとすると、コンテナ検知器7,8から出力される検知信号の時間差が1秒以内であれば、コンテナ5の回転は許容範囲内にあることになる。図11(2)に示す例では、コンテナ5が上から見て時計方向に回転しているので、コンテナ5に向かって右側のコンテナ検知器7が初めに検知信号を出力し、遅れて左側のコンテナ検知器8が検知信号を出力する。図11(2)において○で囲まれた数字1,2は検知器7,8による検知信号の出力順を示している。コンテナ5が逆向きに回転していれば、初めにコンテナ検知器8が、次にコンテナ検知器7が検知信号を出力する。
【0052】
コンテナ検知器7,8による検知信号の出力タイミングにずれがあったとしても、許容できる時間差であれば通常のコンテナ引き込み動作(ピッキング動作)を行う。コンテナ検知器7,8の一方が検知信号を出力した後、上記許容できる時間差分の時間が経過しても他方の検知器から検知信号が出力されない場合は、予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすことになり、前述の矯正動作を行う。矯正動作は、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6を、通常のコンテナ入出庫時よりも低速で作動させることによって行う。スライドアーム6がコンテナ5を奥の方に向かって押すことにより、コンテナ5を定位置に矯正する。
【0053】
図12は、第3の実施例におけるコンテナ検知器7,8による検知動作とそれに応じたコンテナ入出庫装置の動作との関係を示す。
制御パターンGは、左右のコンテナ検知器7,8が同時に検知信号を出力した場合で、コンテナ入出庫装置は通常の引き込み動作を行う。
制御パターンHとJは、左右のコンテナ検知器7,8の一方が検知信号を出力した後、許容時間内に他方が検知信号を出力した場合で、この場合もコンテナ入出庫装置は支障なく通常の引き込み動作を行う。
制御パターンIとKは、左右のコンテナ検知器7,8の一方が検知信号を出力した後、許容時間が経過しても他方が検知信号を出力しない場合で、この場合はコンテナ5が大きく回転しているものと判断することができるので、前述の矯正動作を行わせる。矯正後にコンテナ引き込み動作を行わせる。
【0054】
図13は、以上説明した第3の実施例の動作の流れを示す。まず、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6がスライド移動して収容空間に収容されているコンテナ5に接近する(S21)。所定の位置ないしはタイミングで左右のコンテナ検知器7,8でコンテナ5を検知する(S22)。この検知は、コンテナ検知器7,8からコンテナ5の左右の面までの距離が所定の距離に至ったとき信号を出力することによって行われる。コンテナ検知器7,8からの検知信号ないしは検知情報に基づき制御パターンを決定する(S23)。制御パターンとは、図12について説明したG〜Kの各パターンである。制御パターンがG,H,Jであれば、そのままコンテナピッキング動作に移行する(S24)。制御パターンがI,Kであれば、コンテナ5をスライドアーム6で押してコンテナ5の姿勢を矯正する(S25)。矯正動作が正常に行われた場合はコンテナピッキング動作に移行し(S24)、矯正を正しく行うことができなければ異常停止する(S26)。
【0055】
コンテナ検知器7,8は、スライドアーム6の先端に設け、スライドアーム6の先端がコンテナ5に所定の距離まで接近したとき検知信号を出力するようにしてもよい。そして、左右のスライドアームの先端に取り付けられたコンテナ検知器による検知信号が所定の許容時間差以内であるか否かによって、コンテナ5の姿勢を矯正するか否かを判断する。あるいは、コンテナ検知器7,8をコンテナ入出庫装置本体に設置し、コンテナ入出庫装置本体が保管棚に接近するためのスライド移動でコンテナ検知器7,8が検知動作するようにし、各コンテナ検知器7,8による検知信号の時間差で上記の判断を行うようにしてもよい。
【0056】
以上説明した第3の実施例によっても、前述の第2の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0057】
第4の実施例は、第2の実施例で用いられている距離検知型のコンテナ検知器を用いて、第3の実施例と同様の動作を行わせるようにしたものである。すなわち、レーザー距離計などの距離検知型コンテナ検知器をスライドアームの左右に取り付け、コンテナ検知器がスライドアームとともに移動するように構成する。スライドアームが所定の位置まで移動したとき、あるいは任意のスライドアーム位置で、コンテナ収容空間に向かって右側に配置されているコンテナ検知器によってコンテナの前面右側との距離を測定し、左側に配置されているコンテナ検知器によってコンテナの前面左側との距離を測定する。測定した左右の距離の差からコンテナの回転の有無を判断し、回転している場合は回転の程度を判断し、通常の引き込み動作が可能な範囲か否か、回転を矯正できる範囲か否かを判断して、それぞれの判断に基づいた動作を行う。このように構成することにより、第2、第3の実施例と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る自動倉庫は、物流倉庫における物品の保管や入出庫、図書館における書籍類の保管、出納などに利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 保管棚
2 支柱
3 荷受部材
5 コンテナ
6 スライドアーム
7 コンテナ検知器
8 コンテナ検知器
10 スタッカークレーン
11 コンテナ入出庫装置
17 コンテナ検知器
18 コンテナ検知器
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫あるいは図書館における物品、書籍類などのコンテナによる入出庫装置に関するもので、特に、コンテナの位置や姿勢のずれによる動作不良を解消することができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
自動制御によって物品あるいは書籍類などを入出庫することができる自動倉庫あるいは図書館などにおいては、物品あるいは書籍類などを収容したコンテナを収容区画に出し入れするようにしたものがある。コンテナはその寸法を規格化することができ、立体倉庫のコンテナ収容区画との間でコンテナを受け渡すスタッカークレーンなどの制御およびスタッカークレーンなどに組み込まれている入出庫装置の制御が容易になるからである。そして、立体倉庫の物品収容スペースを効率よく利用するために、立体倉庫の奥行方向に複数のコンテナを並べて収納できるようにし、これら奥行き方向の複数のコンテナ収納空間に対してコンテナを入出庫することができるようにしたコンテナ入出庫装置ないしは荷移載装置も提案されている。
【0003】
特許文献1および特許文献2に記載されているコンテナ格納装置に関する発明は、立体倉庫の奥行方向に複数のコンテナを並べて収納し、また、出庫できるようにしたものである。
特許文献1記載の発明は、昇降荷台を備えていて棚間口面に沿って走行するコンテナ搬送機を有し、上記昇降荷台には、コンテナを奥行き方向に沿い往復摺動可能に支持する支持部材が設けられ、上記昇降荷台にはまた、この昇降荷台上で収縮した状態と棚の奥に格納されたコンテナまで達する伸張した状態との間で伸縮可能なアーム装置と、コンテナの上下2個の取手のいずれかに係脱し得るフックとからなる移載装置が設けられてなるものである。そして、上記アーム装置は、旋回台に固定されたアーム支持部材と、このアーム支持部材上を前後方向に摺動可能な第1摺動アーム部材と、この第1摺動アーム部材上を前後方向に摺動可能な第2摺動アーム部材からなる3段アーム形式になっている。
【0004】
特許文献2記載の発明も、特許文献1記載の発明と同様に、コンテナを昇降荷台と棚との間で受け渡す移載装置と、コンテナを棚の間口側と棚の奥側との間で移動させる移動装置を備え、この移動装置は、基端スライド部材、中間スライド部材、先端スライド部材からなる多段スライド方式になっており、さらに、中間スライド部材は、左右両側板を備えていてチャンネル状に形成され、上記両側板の内外にそれぞれ基端スライド部材の溝に嵌まる案内ローラが、前後両端に2個ずつ、前後方向中央部に4個ずつ設けられてなるものである。
【0005】
そのほか、本発明に係る自動倉庫と関連のある発明として、本出願人の出願に係るコンテナ入出庫装置がある(特願2009−167455号参照)。上記出願に係る発明も、コンテナを使用し、一つの収納空間に複数のコンテナを収納するものである点において本発明と関連がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2566530号公報
【特許文献2】特許第3352846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
保管棚にコンテナが収容されている状態で地震が発生すると、コンテナ収容空間内でコンテナが移動する。特に、保管棚の奥行方向に複数のコンテナを並べて収納できるようにした自動倉庫において、奥側にのみコンテナが収容されていて、手前側の収容空間にコンテナが収容されていない場合、奥側のコンテナの移動可能な空間が大きくなるため、地震などの振動によってコンテナが大きく移動する。あるいは、コンテナが水平面内において回転してコンテナの前面が自動倉庫の間口面に正対しなくなる。このような事態は、例えば、メンテナンス時にコンテナを人為的に移動させたまま元に戻すことを忘れた場合などにも生じる。
【0008】
自動倉庫に用いられるコンテナは、一般に、その前面にフックが設けられていて、このフックにコンテナ入出庫装置側のフックを係合させ、コンテナを保管棚側からコンテナ入出庫装置側に引き込んで受け渡すようになっている。したがって、地震などによってコンテナの位置がずれ、あるいは水平面内において回転すると、コンテナのフックとコンテナ入出庫装置側のフックとを係合させることができず、コンテナの受け渡しができなくなる。
【0009】
従来の自動倉庫では、このようなコンテナの位置ずれや回転による入出庫動作の不具合に関してまでは考慮されていない。
【0010】
そこで本発明は、地震などによって保管棚の収容空間におけるコンテナの位置がずれ、あるいは水平面内において回転したとしても、このような位置ずれや回転を検知し、コンテナを定位置に矯正することにより入出庫動作の不具合を解消することができる自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る自動倉庫は、入出庫方向前後の収容空間に複数のコンテナを収容することができる保管棚、この保管棚の前面に沿って移動することができるスタッカークレーン、上記保管棚とスタッカークレーンとの間でコンテナを受け渡すコンテナ入出庫装置、上記スタッカークレーンの移動およびコンテナ入出庫装置の動作を制御する制御装置を有してなり、上記コンテナ入出庫装置は、上記保管棚からコンテナを引き込むスライドアームと上記保管棚に収容されているコンテナの位置を検知するコンテナ検知器を有し、上記制御装置は、上記コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすとコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御することを最も主要な特徴とする。
【0012】
上記制御装置は、コンテナを定位置に矯正した後コンテナをコンテナ入出庫装置に引き込むようにコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するようにするとよい。
上記制御装置はまた、コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすと、通常のコンテナ入出庫時よりも低速でコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するとよい。
【0013】
コンテナ検知器は、保管棚の収容空間に収容することができるコンテナの前後の位置に応じた複数の検知領域を持ち、どの検知領域においてコンテナを検知するかによってコンテナ位置を検出するようにするとよい。
コンテナ検知器はまた、保管棚の収容空間の前後に収容することができるコンテナに対応して複数配置してもよい。
【0014】
コンテナ検知器は、距離検出器であって、保管棚の収容空間に収容されているコンテナに対応して左右に配置され、左右のコンテナ検知器の検出信号差によってコンテナの回転を検知するようにしてもよい。
かかる構成において、左右のコンテナ検知器の検出信号差が許容値よりも大きい場合に、コンテナが所定の姿勢になるように、制御装置がコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するようにするとよい。
【発明の効果】
【0015】
地震などによって保管棚の収容空間におけるコンテナの位置がずれ、あるいは水平面内において回転したとしても、このようなコンテナの位置ずれや回転をコンテナ検知器が検知し、この検知信号によって、制御装置がコンテナを定位置に矯正するようにコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する。したがって、コンテナ入出庫装置のスライドアームは、常に定位置にあるコンテナに対し作用してスタッカークレーンとの間でコンテナを受け渡すことができ、受け渡しの誤動作を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る自動倉庫の実施例を示す外観側面図である。
【図2】上記自動倉庫における収容空間、コンテナ入出庫装置およびコンテナ検出器の関係を概念的に示す斜視図である。
【図3】本発明に係る自動倉庫の第1実施例の要部を示す平面図である。
【図4】上記第1実施例による正常な入出庫動作を順に示す平面図である。
【図5】上記第1実施例によるコンテナ矯正動作を順に示す平面図である。
【図6】上記第1実施例によるコンテナ矯正動作の別の例を順に示す平面図である。
【図7】上記第1実施例によるコンテナ矯正動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る自動倉庫の第2実施例の要部を示す平面図である。
【図9】上記第2実施例によるコンテナ矯正動作を順に示す平面図である。
【図10】上記第2実施例によるコンテナ矯正動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る自動倉庫の第3実施例の要部を示す平面図である。
【図12】上記第3実施例における制御パターンと動作の例を示す対比図である。
【図13】上記第3実施例によるコンテナ矯正動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る自動倉庫の実施例を、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明に係る自動倉庫の外観の一例を説明する。図1において、符号1は保管棚を示している。保管棚1は、一定の間隔をおいて垂直に立てられた複数の支柱2と、これらの支柱を水平方向に連結する適宜の水平方向の連結部材と、荷受部材3を有してなる。図1は保管棚1の側面を示していて、図1の紙面に直角方向の面が物品の入出庫面すなわち間口面となっている。図1に示す例では、左右方向の中央にスタッカークレーン10が走行する通路が紙面に直交する方向に形成されていて、この通路の両側に保管棚1が構築され、上記通路を挟んで対向する保管棚1の面が入出庫面となっている。
【0018】
上記荷受部材3は、保管棚1の間口面から見て奥行き方向すなわち前後方向に並ぶ支柱2間に水平方向に取り付けられている。間口方向に互いに隣接する支柱2の互いに対向する面の同じ高さ位置に連結されている一対の荷受部材3によってコンテナ5を支持するように、また、一対の荷受部材3に沿ってコンテナ5を滑らせながらコンテナ5を入出庫することができるように構成されている。左右に隣接する支柱2と上下に隣接する荷受部材3とで区画される空間がコンテナ収容空間となっていて、この収容空間には、入出庫方向前後に複数個の(図1に示す実施例では2個の)コンテナ5を収容することができるように構成されている。
【0019】
コンテナ5の前後両面には、コンテナ入出庫装置が備えているスライドアームが係合してコンテナ5をスタッカークレーン10側に引き寄せるためのフックが一体に形成されている。
【0020】
スタッカークレーン10は、台車によって上記通路内を保管棚1の前面に沿って移動することができるとともに、台車に立てられたガイド支柱に沿ってコンテナ入出庫装置11が昇降するようになっている。コンテナ入出庫装置11は、保管棚1とスタッカークレーン10との間でコンテナ5を受け渡すことができるように上記スライドアームを備えている。スタッカークレーン10の移動、コンテナ入出庫装置11およびそのスライドアームの動作を制御する制御装置が、適宜の制御盤などに備えられている。コンテナ入出庫装置11は、スタッカークレーン10の走行通路を挟んで両側に構築されている保管棚1の収容空間に対してコンテナ5を入出庫できるように、図1において左右いずれの方にもスライドアームを動作させることができる。
【0021】
上記コンテナ入出庫装置11は、上記のように保管棚1からコンテナ5を引き込むスライドアームを備えるとともに、保管棚1に収容されているコンテナ5の位置を検知するコンテナ検知器を備えている。このコンテナ検知器は、コンテナ収容空間におけるコンテナ5の位置を検出するもので、地震などによってコンテナ5の位置がずれた場合、この位置ずれを検出することができる。上記制御装置は、コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすと、コンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御するようになっている。以下、実施例に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0022】
図2、図3において、保管棚1の構成部材である支柱2は、保管棚1の間口方向に一定間隔で垂直に立てられると共に奥行き方向にも一定間隔で垂直に立てられ、間口方向に隣接する支柱2の互いに対向する面の同一高さ位置には、奥行き方向に並ぶ支柱2を連結する荷受部材3が水平方向の姿勢を保って固定されている。荷受部材3は横断面形状がL字形の部材で、左右に対をなす荷受部材3の水平片によってコンテナ5の底面両側縁部を受けて支持し、また、この水平片上を滑らせながらコンテナ5を入出庫するようになっている。左右一対の荷受部材3によって上下方向に区切られる空間がコンテナ収納空間になっている。
【0023】
任意の上記コンテナ収納空間に対応する位置にコンテナ入出庫装置11が停止する。より正確には、コンテナ入出庫装置11はその上面がコンテナ収容空間の下端を画する荷受部材3の水平片の上面とほぼ同じ高さ位置になるように停止することができる。コンテナ入出庫装置11にはスライドアーム6が組み込まれている。スライドアーム6は、例えば前記特許文献1、特許文献2などに記載されているような3段アームからなる移載装置を構成している。上記3段アームの先端に設けられているフックをコンテナ5のフックに係合させて伸縮させることにより、コンテナ5を上記収容空間とコンテナ入出庫装置11との間で受け渡すことができる。
【0024】
コンテナ入出庫装置11によるコンテナ5の受け渡し方向を前後方向とすると、コンテナ入出庫装置11の前端部両側にはコンテナ検知器7,8がコンテナ収容空間に向かって斜めに、かつ、双方の検知光軸が平面上において交差するように取り付けられている。コンテナ検知器7,8は三角測量の原理を応用した光学的な検知器で、検知対象に向けてある角度をもって斜めに光束を照射し、対象物からの反射光を例えばCMOSなどのイメージセンサで受光し、受光位置によって対象物までの距離を検出するものである。検知対象がなければイメージセンサの出力がなく、検知対象があればイメージセンサの出力があり、かつ、検出対象の距離に応じて受光する素子の位置が変わる。そこで、検出対象が所定の距離範囲にあるときに信号を出力する受光素子を予め設定しておく。その受光素子から信号が出力されれば、検出対象が所定の距離範囲にあると判断し、その他の受光素子から信号が出力されれば、検出対象が所定の距離範囲からずれた位置にあると判断することができる。
【0025】
図2、図3に示す例では、コンテナ検知器7はコンテナ収容空間の奥側にあるコンテナ5の位置を検出するために、コンテナ収容空間の奥側に向けて設置され、コンテナ検知器8はコンテナ収容空間の手前側にあるコンテナ5の位置を検出するために、コンテナ収容空間の手前側に向けて設置されている。
【0026】
コンテナ検知器7は、二つの検知領域をもった2チャンネル構成になっている。第1のチャンネルは、コンテナ5が、収容空間の奥側においてずれのない位置から、前側へのずれが許容される位置までの範囲内で位置ずれしている場合に「ON」、それ以上に位置ずれしている場合に「OFF」するように設定されている。上記「ON」の範囲は、この実施例では0mm(コンテナ5の位置ずれがない状態)以上100mm未満に設定されている。コンテナ検知器7の第2のチャンネルは、コンテナ5が収容空間の奥側において100mm以上550mm未満の場合に「ON」、それ以外の場合に「OFF」するように設定されている。
【0027】
上記コンテナ検知器8は、手前側のコンテナが所定の許容範囲内にある場合に「ON」、それ以外の場合に「OFF」するように設定されている。上記手前側のコンテナの位置が所定の許容範囲内にある場合とは、この実施例ではコンテナの位置ずれが550mm以上670mm未満にある場合である。
【0028】
以上説明した二つのコンテナ検知器7、8は、コンテナ入出庫装置11上のスライドアーム6の移動方向両端部にそれぞれ設けられていて、コンテナ入出庫装置11の両側にある保管庫の任意の収容空間におけるコンテナ5の位置ずれを検知できるようになっている。収容空間におけるコンテナ5の位置ずれ検知動作は、いずれの側においても同じであるから、片側(いずれの図でも左側)の収容空間におけるコンテナ5の位置ずれ検知および検知後の動作について説明する。
【0029】
本発明は、初めに説明したように、奥行き方向に複数のコンテナを収容するようにした自動倉庫において、手前側にコンテナがなく、奥側のコンテナが地震などによって位置ずれを起こした場合などに生じる不具合を解決するものである。よって、奥側のコンテナの入出庫、特に出庫の場合の動作について説明する。図4は、奥側のコンテナ5の位置が所定の許容範囲内にある場合の正常な動作を示している。図4(1)は奥側のコンテナ5が許容範囲内にある場合のコンテナ検知器7、8による位置検知の様子を示す。コンテナ検知器7、8は前述の動作をするように設定されているので、コンテナ検知器7の1チャンネルは「ON」、2チャンネルは「OFF」、コンテナ検知器8は「OFF」である。このような検出出力の場合はコンテナ5に位置ずれがない場合であるから、制御装置の制御により図4(2)〜(5)に示すように平常の出庫動作が行われる。
【0030】
図4(2)に示すように、コンテナ入出庫装置11は所定のコンテナ収容空間に近接し停止する。次に、図4(3)に示すようにコンテナ入出庫装置11からスライドアーム6を奥側に収容されているコンテナ5に向かって伸張させ、さらにコンテナ入出庫装置11を僅かに上昇させるなどの動作によってスライドアーム6の先端のフックをコンテナ5のフックに係合させる。次に、図4(4)に示すようにスライドアーム6を収縮させ、コンテナ5を荷受部材3に沿って滑らせながらコンテナ入出庫装置11に向かって引き込む。スライドアーム6が原位置に復帰し、さらには荷受部材3上のコンテナ5をコンテナ入出庫装置11に移載する動作が完了すると、図4(5)に示すようにコンテナ入出庫装置11をコンテナ収容空間から離間させる。そのあとは図1に示すスタッカークレーン10の動作によって適宜の位置、例えば入出庫ステーションなどに搬送される。
【0031】
コンテナ5をコンテナ入出庫装置11に引き込むための移載装置は、適宜の構成のものを用いることができる。例えば、本出願人の出願に係る前記特願2009−167455号の明細書および図面に記載したコンテナ入出庫装置に用いられている移載装置を用いてもよい。
【0032】
コンテナ収容空間の奥側にコンテナ5を収容する(入庫する)場合は、上記出庫動作と逆の順序で動作する。本発明は、主として出庫する場合の問題点を解消するものであるから、入庫動作については具体的な説明はしない。
【0033】
次に、奥側のコンテナ5が許容範囲を超えて位置ずれしている場合の、コンテナ位置検知動作について図5を参照しながら説明する。図5(1)は、奥側のコンテナ5の位置ずれが前述の許容範囲すなわち0mm〜100mm未満にある場合を示している。この範囲をAとする。この範囲Aでの各検知器の検知動作は、図4(1)で説明したように、
コンテナ検知器7
1チャンネル:ON
2チャンネル:OFF
コンテナ検知器8:OFF
である。かかる検知器出力の場合は、コンテナ5の位置ずれ矯正動作条件を満たさず、図4について説明したように、通常のコンテナ引き込み動作を行う。
【0034】
図5(2)は、奥側のコンテナ5が許容範囲を超え、100mm〜500mm未満の範囲で位置ずれしている場合を示す。この位置ずれ範囲をBとする。この範囲Bでの各検知器の検知動作は、
コンテナ検知器7
1チャンネル:OFF
2チャンネル:ON
コンテナ検知器8:OFF
である。かかる検知器出力の場合に、コンテナ5の位置ずれ矯正動作条件を満たすものとして予め設定されていて、後で説明するコンテナ位置ずれ矯正動作によって位置ずれが矯正されたあと、コンテナ5の引き込みが行われる。
【0035】
図5(3)は、奥側のコンテナ5が許容範囲を大きく超え、500mm〜550mm未満の範囲で位置ずれしている場合を示す。この位置ずれ範囲をCとする。この範囲Cでの各検知器の検知動作は、
コンテナ検知器7
1チャンネル:OFF
2チャンネル:OFF
コンテナ検知器8:OFF
である。かかる検知器出力の場合は、奥側のコンテナ5があまりにも大きく位置ずれしているものと考えられるので、何らかの異常ないしは不具合が発生していて、人為的な安全確認が必要であると判断して異常停止する。異常停止した場合は、人為的に安全を確認し、奥側のコンテナが大きく位置ずれしていた場合は、人力によってコンテナ位置を修正するなどの方法により、コンテナ5を所定の位置に戻す。
【0036】
図5(4)も、奥側のコンテナ5が許容範囲を大きく超え、550mm〜670mm未満の範囲で位置ずれしている場合を示す。この位置ずれ範囲をDとする。この範囲Dでの各検知器の検知動作は、
コンテナ検知器7
1チャンネル:OFF
2チャンネル:OFF
コンテナ検知器8:ON
である。かかる検知器出力の場合、コンテナ検知器は前側にコンテナがあることを検知していることになる。しかし、この場合は、図5(3)の場合と同様になんらかの異常ないしは不具合が発生しているか、またはコンピュータなどからなる制御装置が記憶しているコンテナ収容位置と実際に収容されているコンテナ収容位置が整合していない可能性もあるので、人為的な安全確認が必要であると判断して異常停止する。異常停止したあとの処置も図5(3)の場合と同じである。
【0037】
図6は、図5(2)に示すようにコンテナ5の位置ずれ範囲が前記Bの範囲で、位置ずれを矯正することができる場合の動作を示す。なお、図6では、コンテナ5が水平面内において回転して姿勢が崩れた場合も示している。図6(1)は、コンテナ5が前記Bの範囲で位置ずれしている場合を示していて、コンテナ検知器7の1,2チャンネルおよびコンテナ検知器8の検知出力が前述のとおりになり、予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たす。
【0038】
そこで、図6(2)に示すように、コンテナ入出庫装置11を所定のコンテナ収容空間に近接させ停止させる。次に、図6(3)に示すように、コンテナ入出庫装置11からスライドアーム6を奥側に収容されているコンテナ5に向かって伸張させ、スライドアーム6の先端でコンテナ5を押しながら、コンテナ5の位置を矯正して定位置に戻す。コンテナ5の位置を矯正した後は平常の動作と同じで、図6(4)に示すように、伸張したスライドアーム6の先端のフックをコンテナ5のフックに係合させ、さらにスライドアーム6を収縮させてコンテナ5をコンテナ入出庫装置11に移載する。次に、図6(5)のようにコンテナ入出庫装置11をコンテナ収容空間から離間させ、スタッカークレーン10(図1参照)によって所定の位置にコンテナ5を搬送する。
【0039】
図7は、以上説明した第1の実施例の動作をまとめて示すフローチャートである。図7において、ピッキング動作が開始されると、コンテナ検知器7、8がそれぞれの前記検知領域におけるコンテナの有無を検知する(S1)。次に、コンテナ検知器7、8による検知情報(信号)に基づき制御パターンを決定する(S2)。図7に示す制御パターンA,制御パターンB,制御パターンC,Dは、それぞれ図5(2)(3)(4)に示したコンテナ5の位置ずれ範囲A,B,C,Dに対応している。
【0040】
制御パターンAの場合は平常のコンテナピッキング動作を行う(S3)。制御パターンBの場合は、平常のピッキング動作時よりもスライドアームを低速で動作させてコンテナ5をスライドアーム6で押し、コンテナ5の位置を矯正する(S4)。この矯正ステップでは、コンテナの位置が矯正されたか否かを検知し、位置が矯正されていれば平常のコンテナピッキング動作を行う(S3)。位置矯正が行われていなければ異常停止し(S5)、人力などによる適宜の回復処置をとる。位置矯正動作後にコンテナ5の位置が正しく矯正されたか否かの検知は、コンテナ検知器7,8による再度の検知動作によって行う。上記ステップS2で制御パターンC,Dと決定された場合は、スライドアーム6による矯正も異常停止し(S6)、人力などによる適宜の回復処置をとる。
【0041】
以上説明したとおり、第1の実施例によれば、地震による振動、その他の理由によってコンテナ5の位置が許容範囲を超えてずれると、コンテナ検知器7,8の検知動作に基づいて位置矯正動作を行い、その後平常のピッキング(出庫)動作を行うことができるため、コンテナ5の位置ずれによるピッキング動作不良を防止することができる。また、地震後のコンテナの位置ずれをコンテナ入出庫装置によって矯正することができるため、人力による矯正作業を軽減することができる。
【実施例2】
【0042】
次に、本発明に係る自動倉庫の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、コンテナ5が荷受部材3上で水平面内において回転し、姿勢が崩れた場合に、これを検知し、正しい姿勢に矯正するようにしたものである。したがって、コンテナ検知器の構成が前記実施例のものとは異なっている。図8において、符号17,18がコンテナ検知器を示している。コンテナ検知器17,18は、距離検出器、例えばレーザー距離計からなり、コンテナ入出庫装置11の前後両端部の左右両側に、収容空間に収容されるコンテナ5の正面に正対するように配置されている。コンテナ収容空間に向かって右側に配置されているコンテナ検知器17によって測定されるコンテナ5の前面右側との距離をXR、左側に配置されているコンテナ検知器18によって測定されるコンテナ5の前面左側との距離をXLとする。
【0043】
図9は、コンテナ5が水平面内において回転して姿勢が崩れた場合の上記コンテナ検知器17、18による検出動作を示す。図9(1)はコンテナ5が平面的に見て時計方向に回転し、上記XRよりもXLが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以下である場合、すなわち、
0≦|XR−XL|≦Y
の場合を示している。
また、図9(2)は、コンテナ5が反時計方向に回転し、上記XLよりもXRが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以下である場合、すなわち、
0≦|XR−XL|≦Y
の場合を示している。
【0044】
図9(3)はコンテナ5が平面的に見て時計方向に回転し、上記XRよりもXLが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以上である場合、すなわち、
|XR−XL|>Y
の場合を示している。
また、図9(4)は、コンテナ5が反時計方向に回転し、上記XLよりもXRが大きく、また、その差分|XR−XL|が許容値Y以上である場合、すなわち、
|XR−XL|>Y
の場合を示している。
【0045】
図9(1)(2)に示すように、コンテナ5が許容範囲内で回転して姿勢が崩れている場合は、図4について説明した平常のコンテナピッキング動作を行わせる。
図9(3)(4)に示すように、コンテナ5が許容範囲を超えて回転して姿勢が崩れている場合は、図6を参照しながら説明したコンテナ位置矯正動作と同じ動作を行わせることによって、コンテナ5の姿勢を矯正することができる。図6(1)(2)はこの姿勢矯正も想定して、コンテナ5が回転した状態で記載している。矯正動作では、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6が伸張してコンテナ5の左右を押すため、コンテナ5の姿勢も矯正される。矯正後は平常のピッキング動作を行うことができる。
【0046】
図10は、第2の実施例の動作をまとめて示すフローチャートである。図10に示すように、ピッキング動作を開始すると、まず、コンテナ検知器17,18によってこれらの検知器17,18からコンテナ5の前面までの距離を検知する(S11)。検知器17,18による検知情報に基づき制御パターンを決定する(S12)。制御パターンは、コンテナ5の水平面内における回転(傾き)が許容範囲内である場合の制御パターンEと、許容範囲を超えている場合の制御パターンFがある。制御パターンEの場合は平常のコンテナピッキング動作を行う(S13)。ステップS12で制御パターンFと決定した場合は、図6で説明した動作と同様に、平常のピッキング動作時よりもスライドアームを低速で動作させてコンテナを押し、コンテナの姿勢を矯正するとともに、矯正できたか否かを確認する(S14)。コンテナ5の姿勢が矯正されていれば平常のピッキング動作を行ない(S13)、矯正されていなければ異常停止し(S15)、人力などによる適宜の矯正復帰作業を待つ。
【0047】
以上説明した第2の実施例に使用されているコンテナ検知器17,18は、距離を測定するものであるため、例えばコンテナ検知器17,18による測定値の平均値をとるといった方法でコンテナ5の位置ずれを検知することができる。そこで、位置ずれの検知結果に基づき、第1の実施例と同様に、コンテナの位置ずれ矯正動作などを行わせることができる。
【0048】
第2の実施例においても、コンテナの姿勢の傾き(回転)を検知し、姿勢が傾いている場合は傾きを矯正することができるため、コンテナの傾きによるピッキング動作不良を防止することができる。また、地震後のコンテナの傾きや位置ずれをコンテナ入出庫装置によって矯正することができるため、人力による矯正作業を軽減することができる。
【実施例3】
【0049】
次に、本発明に係る自動倉庫の第3の実施例について説明する。第3の実施例で用いるコンテナ検知器は、第1の実施例で用いているコンテナ検知器と同様に、検出対象であるコンテナが所定の距離範囲にあるときコンテナを検知して信号を出力する距離設定型の検知器である。第3の実施例が第1の実施例と異なるのは、スライドアーム6の進行方向左右に取り付けられたコンテナ検知器7,8がコンテナ5に正対するように配置され、また、コンテナ検知器7,8がコンテナ5に所定の距離まで接近したとき信号を出力するように設定されていて、コンテナ5の水平面内での回転を検知するように構成されていることである。
【0050】
コンテナ収容空間の奥側にあるコンテナ5をピッキングして出庫するために、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6がコンテナ5に近づく過程で、コンテナ検知器7はコンテナ5の前面右側との距離が予め設定された距離まで近づいたとき、コンテナ検出器8はコンテナ5の前面左側との距離が予め設定された距離まで近づいたとき、それぞれ検知信号を出力する。コンテナ検知器7,8は、例えば、コンテナ5との距離が100mmとなった時点で検知信号を出力するように予め設定しておく。コンテナ検知器7,8による検知信号の出力が同時であればコンテナ5は回転していないと判断できる。図11(1)はこの状態を示している。コンテナ5が回転していれば、コンテナ検知器7,8による検知信号の出力タイミングにずれが生じるので、このずれすなわち時間差の大小から、許容できる回転量かまたは許容できない回転量かを判断することができる。
【0051】
具体的な数値を挙げて説明する。コンテナ5の水平面内における回転の許容量は、例えば左右の位置ずれにおいて30mmとする。スライドアーム6のスライド移動速度が30mm/sとすると、コンテナ検知器7,8から出力される検知信号の時間差が1秒以内であれば、コンテナ5の回転は許容範囲内にあることになる。図11(2)に示す例では、コンテナ5が上から見て時計方向に回転しているので、コンテナ5に向かって右側のコンテナ検知器7が初めに検知信号を出力し、遅れて左側のコンテナ検知器8が検知信号を出力する。図11(2)において○で囲まれた数字1,2は検知器7,8による検知信号の出力順を示している。コンテナ5が逆向きに回転していれば、初めにコンテナ検知器8が、次にコンテナ検知器7が検知信号を出力する。
【0052】
コンテナ検知器7,8による検知信号の出力タイミングにずれがあったとしても、許容できる時間差であれば通常のコンテナ引き込み動作(ピッキング動作)を行う。コンテナ検知器7,8の一方が検知信号を出力した後、上記許容できる時間差分の時間が経過しても他方の検知器から検知信号が出力されない場合は、予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすことになり、前述の矯正動作を行う。矯正動作は、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6を、通常のコンテナ入出庫時よりも低速で作動させることによって行う。スライドアーム6がコンテナ5を奥の方に向かって押すことにより、コンテナ5を定位置に矯正する。
【0053】
図12は、第3の実施例におけるコンテナ検知器7,8による検知動作とそれに応じたコンテナ入出庫装置の動作との関係を示す。
制御パターンGは、左右のコンテナ検知器7,8が同時に検知信号を出力した場合で、コンテナ入出庫装置は通常の引き込み動作を行う。
制御パターンHとJは、左右のコンテナ検知器7,8の一方が検知信号を出力した後、許容時間内に他方が検知信号を出力した場合で、この場合もコンテナ入出庫装置は支障なく通常の引き込み動作を行う。
制御パターンIとKは、左右のコンテナ検知器7,8の一方が検知信号を出力した後、許容時間が経過しても他方が検知信号を出力しない場合で、この場合はコンテナ5が大きく回転しているものと判断することができるので、前述の矯正動作を行わせる。矯正後にコンテナ引き込み動作を行わせる。
【0054】
図13は、以上説明した第3の実施例の動作の流れを示す。まず、コンテナ入出庫装置11のスライドアーム6がスライド移動して収容空間に収容されているコンテナ5に接近する(S21)。所定の位置ないしはタイミングで左右のコンテナ検知器7,8でコンテナ5を検知する(S22)。この検知は、コンテナ検知器7,8からコンテナ5の左右の面までの距離が所定の距離に至ったとき信号を出力することによって行われる。コンテナ検知器7,8からの検知信号ないしは検知情報に基づき制御パターンを決定する(S23)。制御パターンとは、図12について説明したG〜Kの各パターンである。制御パターンがG,H,Jであれば、そのままコンテナピッキング動作に移行する(S24)。制御パターンがI,Kであれば、コンテナ5をスライドアーム6で押してコンテナ5の姿勢を矯正する(S25)。矯正動作が正常に行われた場合はコンテナピッキング動作に移行し(S24)、矯正を正しく行うことができなければ異常停止する(S26)。
【0055】
コンテナ検知器7,8は、スライドアーム6の先端に設け、スライドアーム6の先端がコンテナ5に所定の距離まで接近したとき検知信号を出力するようにしてもよい。そして、左右のスライドアームの先端に取り付けられたコンテナ検知器による検知信号が所定の許容時間差以内であるか否かによって、コンテナ5の姿勢を矯正するか否かを判断する。あるいは、コンテナ検知器7,8をコンテナ入出庫装置本体に設置し、コンテナ入出庫装置本体が保管棚に接近するためのスライド移動でコンテナ検知器7,8が検知動作するようにし、各コンテナ検知器7,8による検知信号の時間差で上記の判断を行うようにしてもよい。
【0056】
以上説明した第3の実施例によっても、前述の第2の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0057】
第4の実施例は、第2の実施例で用いられている距離検知型のコンテナ検知器を用いて、第3の実施例と同様の動作を行わせるようにしたものである。すなわち、レーザー距離計などの距離検知型コンテナ検知器をスライドアームの左右に取り付け、コンテナ検知器がスライドアームとともに移動するように構成する。スライドアームが所定の位置まで移動したとき、あるいは任意のスライドアーム位置で、コンテナ収容空間に向かって右側に配置されているコンテナ検知器によってコンテナの前面右側との距離を測定し、左側に配置されているコンテナ検知器によってコンテナの前面左側との距離を測定する。測定した左右の距離の差からコンテナの回転の有無を判断し、回転している場合は回転の程度を判断し、通常の引き込み動作が可能な範囲か否か、回転を矯正できる範囲か否かを判断して、それぞれの判断に基づいた動作を行う。このように構成することにより、第2、第3の実施例と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る自動倉庫は、物流倉庫における物品の保管や入出庫、図書館における書籍類の保管、出納などに利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 保管棚
2 支柱
3 荷受部材
5 コンテナ
6 スライドアーム
7 コンテナ検知器
8 コンテナ検知器
10 スタッカークレーン
11 コンテナ入出庫装置
17 コンテナ検知器
18 コンテナ検知器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出庫方向前後の収容空間に複数のコンテナを収容することができる保管棚、この保管棚の前面に沿って移動することができるスタッカークレーン、上記保管棚とスタッカークレーンとの間でコンテナを受け渡すコンテナ入出庫装置、上記スタッカークレーンの移動およびコンテナ入出庫装置の動作を制御する制御装置を有する自動倉庫であって、
上記コンテナ入出庫装置は、上記保管棚からコンテナを引き込むスライドアームと上記保管棚に収容されているコンテナの位置を検知するコンテナ検知器を有し、
上記制御装置は、上記コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすとコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する自動倉庫。
【請求項2】
制御装置は、コンテナを定位置に矯正した後コンテナをコンテナ入出庫装置に引き込むようにコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する請求項1記載の自動倉庫。
【請求項3】
制御装置は、コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすと、通常のコンテナ入出庫時よりも低速でコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する請求項1記載の自動倉庫。
【請求項4】
コンテナ検知器は、保管棚の収容空間に収容することができるコンテナの前後の位置に応じた複数の検知領域を持ち、どの検知領域においてコンテナを検知するかによってコンテナ位置を検出する請求項1記載の自動倉庫。
【請求項5】
コンテナ検知器は、保管棚の収容空間の前後に収容することができるコンテナに対応して複数配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の自動倉庫。
【請求項6】
コンテナ検知器は、距離検出器であって、保管棚の収容空間に収容されているコンテナに対応して左右に配置され、左右のコンテナ検知器の検出信号差によってコンテナの回転を検知する請求項1乃至4のいずれかに記載の自動倉庫。
【請求項7】
左右のコンテナ検知器の検出信号差が許容値よりも大きい場合、コンテナが所定の姿勢になるように制御装置がコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する請求項6記載の自動倉庫。
【請求項1】
入出庫方向前後の収容空間に複数のコンテナを収容することができる保管棚、この保管棚の前面に沿って移動することができるスタッカークレーン、上記保管棚とスタッカークレーンとの間でコンテナを受け渡すコンテナ入出庫装置、上記スタッカークレーンの移動およびコンテナ入出庫装置の動作を制御する制御装置を有する自動倉庫であって、
上記コンテナ入出庫装置は、上記保管棚からコンテナを引き込むスライドアームと上記保管棚に収容されているコンテナの位置を検知するコンテナ検知器を有し、
上記制御装置は、上記コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすとコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する自動倉庫。
【請求項2】
制御装置は、コンテナを定位置に矯正した後コンテナをコンテナ入出庫装置に引き込むようにコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する請求項1記載の自動倉庫。
【請求項3】
制御装置は、コンテナ検知器による検知信号が予め設定したコンテナ矯正動作条件を満たすと、通常のコンテナ入出庫時よりも低速でコンテナを定位置に矯正するように上記コンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する請求項1記載の自動倉庫。
【請求項4】
コンテナ検知器は、保管棚の収容空間に収容することができるコンテナの前後の位置に応じた複数の検知領域を持ち、どの検知領域においてコンテナを検知するかによってコンテナ位置を検出する請求項1記載の自動倉庫。
【請求項5】
コンテナ検知器は、保管棚の収容空間の前後に収容することができるコンテナに対応して複数配置されている請求項1乃至4のいずれかに記載の自動倉庫。
【請求項6】
コンテナ検知器は、距離検出器であって、保管棚の収容空間に収容されているコンテナに対応して左右に配置され、左右のコンテナ検知器の検出信号差によってコンテナの回転を検知する請求項1乃至4のいずれかに記載の自動倉庫。
【請求項7】
左右のコンテナ検知器の検出信号差が許容値よりも大きい場合、コンテナが所定の姿勢になるように制御装置がコンテナ入出庫装置のスライドアームの動作を制御する請求項6記載の自動倉庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−57334(P2011−57334A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−206802(P2009−206802)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000163833)金剛株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000163833)金剛株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
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