説明

自動写真作成装置

【課題】フラッシュ光源を使用しつつ黒目に映る図形を所望の面形状にすることができる自動写真作成装置を提供する。
【解決手段】本自動写真作成装置では、利用者に対向する撮影ユニットの前面にスクリーン15を設け、ストロボ11から放たれた強い閃光がデザインボード13の3つの開口部を通り抜け、光を拡散透過する半透明のスクリーン15に照射される。よって、スクリーン15上には、デザインボード13に形成されている3つの開口部の平面形状と同一の面形状を有する明るい発光領域が形成される。この発光領域の面形状が利用者の黒目に映るため、ほぼ点光源のストロボを使用する場合であっても利用者の目を美しく撮影することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動写真作成装置に関し、より詳しくは、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像に基づき生成される合成画像を写真等として出力する自動写真作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者をカメラで撮影し、その撮影画像を写真として出力する遊技用写真作成装置が知られている。このような遊技用写真作成装置は、撮影画像と合成すべき画像(以下「付加画像」という)を、利用者の嗜好に応じて、予め用意された多種多様な背景画像および前景画像から選択したり、タッチペン等のペン型入力装置を用いて利用者が自由に描いたりできるように構成されるなど、遊技性または娯楽性を高める工夫がなされている。また、従来の遊技用写真作成装置は、撮影時に明るい閃光を発して利用者を照明するフラッシュや常時点灯して利用者を照明する蛍光灯などの光量や照明角度などを適宜に設定することにより、利用者を美しく撮影する工夫がなされている。
【0003】
ここで、一般的な写真撮影では、人物を撮影する場合に利用者の目(黒目)を美しく撮影する工夫が必要とされる場合がある。この点、上記従来の遊技用写真作成装置は、通常利用者の全身ないし顔を美しく撮影するための工夫のみがなされていることが多いが、一般的な写真撮影のように、利用者の目(黒目)に様々な図形を映り込ませて撮影するものがある。
【0004】
例えば、特開2002−77781号公報には、利用者の前方にスクリーンを配置し、映像出力装置から所定形状の図形の映像をスクリーンに投射することにより、利用者の目に当該図形を映り込ませて撮影する装置が開示されている(以下、この装置例を第1の従来例と呼ぶ。)
【0005】
また、特開2002−64726号公報には、利用者の前方に所定形状の図形を形成するよう複数の発光体を適宜に配置することにより、利用者の目に当該図形を映り込ませて撮影する装置が開示されている(以下、この装置例を第2の従来例と呼ぶ。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−77781号公報
【特許文献2】特開2002−56457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記第1の従来例では、映像出力装置からスクリーンへ投射された映像を目に映り込ませるため、黒目に映る図形の明るさが不足することが多く、その結果目を美しく撮影できないことがある。また上記第2の従来例では、発光体として電球や蛍光灯が使用されるため、この場合にも明るさが不足することがある。
【0008】
この点、上記第2の従来例において、発光体としてフラッシュ光源を使用すれば、黒目に映る図形が強い閃光によって形成されるため、その明るさが不足することはない。しかし、フラッシュ光源はほぼ点光源であるため、所望の図形を形成することが困難であり、目を美しく撮影することが困難となる。
【0009】
また、上記フラッシュ光源は撮影時点においてのみ瞬間的に点灯されるにすぎないため、撮影時点の前後を含む通常の撮影処理期間中に継続的に照明を行う照明装置を筐体の(利用者に対向する面である)前面に設ける場合、上記照明装置と共に筐体前面に設けられるフラッシュ光源や、カメラ、入力表示装置である液晶タッチパネルなどを、照明環境を好適に保ちつつそれぞれ適宜の位置に配置することが困難となる。
【0010】
そこで、本発明の目的は、フラッシュ光源を使用しつつ黒目に映る図形を所望の面形状にすることができる自動写真作成装置を提供することである。
【0011】
また、本発明のさらなる目的は、所望の図形を黒目に映すためのフラッシュ光源と通常の照明装置とを好適な照明環境を保ちつつ筐体前面に配置することができる自動写真作成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の発明は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段による撮影時に閃光を発するフラッシュ手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
前記利用者に対向するよう設けられる所定の大きさの面を有し、前記利用者の目に所定の面形状を有する発光領域が映るよう、前記フラッシュ手段からの前記閃光を、前記面の一部から前記利用者の方向へ拡散透過させるとともに、前記フラッシュ手段からの前記閃光を前記面の一部以外の部分から前記利用者の方向へ透過させない拡散透過手段を備えることを特徴とする。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、
前記拡散透過手段は、
前記面を有する半透明材からなるスクリーンと、
前記閃光により、前記スクリーンの前記面上に前記発光領域を形成する発光領域形成手段と
を含むことを特徴とする。
【0014】
第3の発明は、第2の発明において、
少なくとも前記撮影時の前後を含む期間中、照明光を照射する通常照明手段をさらに備え、
前記スクリーンは、前記面に前記発光領域の全てが形成され、
前記通常照明手段は、前記利用者へ向かう方向と反対側の方向へ前記スクリーンから所定距離だけ離れた位置に設けられており、前記期間中、前記スクリーンへ前記照明光を照射することを特徴とする。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、
前記発光領域形成手段は、前記スクリーンの前記面に略平行な面を有し、当該面に、前記発光領域の前記面形状に相当する形状を有する光透過領域が形成され、当該光透過領域以外の領域では光が透過しない面状部材であり、
前記フラッシュ手段は、前記スクリーンへ向かう方向へ前記面状部材の前記光透過領域を透過する閃光を発し、
前記通常照明手段は、前記スクリーンに対向する前記面状部材の前記面上に設けられることを特徴とする。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、
前記通常照明手段は、蛍光管を含み、
前記蛍光管の一部または全部は、前記光透過領域上に架け渡されることを特徴とする。
【0017】
第6の発明は、第2の発明において、
前記発光領域形成手段は、前記スクリーンの前記面に沿って略平行な面を有し、当該面に、前記発光領域の前記面形状に相当する形状を有する光透過領域が形成され、当該光透過領域以外の領域では光が透過しない面状部材であり、
前記フラッシュ手段は、前記スクリーンへ向かう方向へ前記面状部材の前記光透過領域を透過する閃光を発することを特徴とする。
【0018】
第7の発明は、第2の発明において、
前記発光領域形成手段は、前記発光領域の前記面形状に相当する形状の開口部を有する筐体を含み、当該筐体内部に前記フラッシュ手段を含むライトボックスであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記第1の発明によれば、利用者に対向するよう設けられる所定の大きさの面を有し、利用者の目に所定の面形状を有する発光領域が映るよう、フラッシュ手段からの閃光を面の一部から利用者の方向へ拡散透過させるとともに、面の一部以外の部分から前記利用者の方向へ透過させない拡散透過手段を備えるので、拡散透過手段に形成される発光領域の形状が利用者の黒目に映ることになる。そのため、フラッシュ光源を使用しつつ黒目に映る図形を所望の面形状にして、利用者の目を美しく撮影することができる。また、利用者に対向する面とは反対側に設けられる例えばフラッシュ手段などが利用者の目から隠されることにより、また発光領域と非発光領域とを含む(典型的には広い)面が利用者に対向して設けられることにより、装置の美観を保つこともできる。
【0020】
上記第2の発明によれば、半透明材からなるスクリーンが用いられるため、容易に拡散透過手段を設けることができる。
【0021】
上記第3の発明によれば、撮影時の前後を含む期間中、スクリーンへ照明光を照射する通常照明手段が設けられるので、拡散透過手段であるスクリーンを広く照らすことにより上記期間中内部の照明環境を好適に、例えば利用者が眩しく感じることなくかつ明るく保ちつつ利用者の前面に配置することができる。
【0022】
上記第4の発明によれば、発光領域形成手段が光透過領域以外の領域では光が透過しない面状部材であるため、発光領域形成手段を簡単に構成することができるとともに、通常照明手段を面状部材上に設けるので、(典型的には光透過領域以外の領域に)簡単に取り付けおよび配線を行うことができる。
【0023】
上記第5の発明によれば、通常照明手段としての蛍光管の一部または全部が光透過領域上に架け渡されるので、当該蛍光管によって光透過領域を透過する閃光が(少なくとも大きく)遮ることがない。したがって、光透過領域上に架け渡されるように設けることによってスクリーンをさらに均一に照らすように配置することが可能になる。
【0024】
上記第6の発明によれば、発光領域形成手段が、光透過領域以外の領域では光が透過しない面状部材であるため、発光領域形成手段を簡単に構成することができるとともに、フラッシュ手段を1つにすることもできる。
【0025】
上記第7の発明によれば、発光領域形成手段が、筐体内部にフラッシュ手段を含むライトボックスであるため、発光領域形成手段をより小型にして簡単に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。
【図2】上記実施形態における撮影ユニットの正面図である。
【図3】上記実施形態におけるストロボからの閃光の光路を簡略に示す斜視図である。
【図4】上記実施形態におけるスクリーン上に形成される発光領域を映した利用者の目を簡略に示す外観図である。
【図5】上記実施形態における編集ユニット4の正面図である。
【図6】上記実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
【図7】上記実施形態において、撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】上記実施形態において、編集処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置の外観を示す図である。より詳細には、図1(a)は、この遊戯用写真作成装置を横から見た外観側面図であり、図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用写真作成装置は、利用者が入る撮影室2と、利用者を撮影し背景画像および前景画像の選択を受け付ける撮影ユニット3と、利用者による落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付け撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4と、合成画像を出力する出力ユニット5とを備えている。図2は、撮影ユニット3の正面図である。以下、図1および図2を参照しつつ、本実施形態における遊戯用写真作成装置の全体構成について、まず撮影ユニット3を含む撮影室2の構成から説明する。
【0028】
<1.1 撮影ユニットの構成>
撮影室2は、略直方体形状であって、撮影ユニット3は、内部に入る利用者から見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置されている。なお、撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面には電動ロールカーテン装置25が配置されている。
【0029】
撮影ユニット3は、利用者を撮影する撮像手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の下方に配置され利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用タッチパネル20と、フラッシュ光源であるストロボ11と、ストロボ11からの閃光を反射する反射板12と、図2において一点鎖線で示されるような3つの開口部を有する遮光性のデザインボード13と、撮影ユニット3の前面を構成する半透明のスクリーン15と、スクリーン15およびデザインボード13の間であってカメラ10の周囲の所定位置に配置される複数の蛍光灯照明装置14とを備えている。
【0030】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。
【0031】
撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域、および撮影によって得られる落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域などを含む画面が表示される。
【0032】
撮影ユニット3は、コンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および編集ユニット4と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、撮影ユニット3は、前面下方にコイン投入口26を備えている。
【0033】
ストロボ11は、撮影時点において閃光を発する。この閃光は、反射板12により反射され、デザインボード13の開口部を通り、利用者に向かって照射される。図3は、この閃光の光路を簡略に示す斜視図である。
【0034】
図3に示されるように、ストロボ11から放たれた閃光は光路L1を通って、反射板12に照射される。この閃光は、反射板12により反射され、光路L2を通ってデザインボード13に照射される。この閃光のうちデザインボード13の3つの開口部を通り抜けた閃光は、光路L3を通ってスクリーン15に照射される。なお、デザインボード13は遮光性を有する素材(例えばアルミ材など)からなるので、開口部以外からスクリーン15に閃光が照射されることはない。また、スクリーン15とデザインボード13との距離は20〜30[cm]程度である。さらにデザインボード13の開口部は、光透過領域として機能するので、デザインボード13は、例えば光を良く透過するガラス板などの素材を、開口部に相当する領域以外の領域を光が透過しないように加工し、上記開口部の位置にのみ光透過領域が形成されているものであってもよい。
【0035】
図3に示されるように、スクリーン15にはカメラ10、タッチパネル20、およびコイン投入口26を露出させるための開口部が設けられているが、スクリーン15は布やプラスチック、すりガラスなど、光を拡散透過させる(具体的には入射光に対して内部または表面で拡散を生じて出射する)半透明の素材からなる拡散透過手段である。なお、この半透明とは、少しでも透き通って見える場合に限定されるわけではなく、光を透過しない不透明と、完全な透明との中間状態を意味する。この半透明の拡散透過手段であるスクリーン15に照射された閃光はスクリーン15において拡散透過され、利用者(の目)に向かって照射される。その結果、スクリーン15上には、デザインボード13に形成されている3つの開口部の平面形状と同一の面形状を有する非常に高い輝度で発光する領域(以下、単に「発光領域」という)が形成され、この明るい発光領域の面形状が利用者の黒目に映るため、図4に示すように利用者の目を美しく撮影することができる。この意味でデザインボード13は、ストロボ11からの閃光の一部を透過しスクリーン15において拡散(透過)させることにより上記発光領域を形成する拡散透過手段の一部であるとともに、上記発光領域の面形状を規定する発光領域形成手段であると言える。なお、もしスクリーン15が光をほとんど拡散させないほぼ透明の素材であれば、ほぼ点光源であるストロボ11の形状がそのまま利用者の目に映り、上記発光領域が形成されて利用者の目に映ることがないため好ましくない。
【0036】
図4は、上記発光領域を映した利用者の目を簡略に示す外観図である。図4に示す利用者の目のうちの虹彩領域irは、利用者の前方に存在する高輝度の領域を反射して映す性質を有している。そのため、撮影時において、虹彩領域irにはスクリーン15上の上記発光領域が映ることになり、利用者の目を美しく撮影することができる。
【0037】
なお、図4に示す白目領域whには高輝度の領域が映りにくく、また利用者の目を美しく撮影するためにも、予め美しく映るように形成された上記発光領域は、上記虹彩領域ir(または瞳孔領域ppを含む黒目部分)に映るように構成されることが好適である。また、上記発光領域は、利用者の目を美しく撮影することができるような面形状、具体的には目を活き活きとまたは印象的に撮影することができるような、およそ撮影に適する面形状であればよい。
【0038】
次に、複数の蛍光灯照明装置14は、上記のように撮影時点にのみ閃光を発するストロボ11とは異なり、撮影時点の前後を含む撮影処理期間中発光する通常照明手段として機能する。この複数の蛍光灯照明装置14は、それぞれ白熱電球状(球状)の蛍光灯および駆動用のインバータなどからなる。
【0039】
図2に示されるように、複数の蛍光灯照明装置14は、スクリーン15を均一に照らすことができるよう、スクリーン15から(その面に対して)垂直方向にやや離れた位置であって、水平方向に互いに適宜の間隔を空けた位置に設けられている。
【0040】
具体的には、複数の蛍光灯照明装置14は、デザインボード13上に適宜の間隔を空けて配置される。そうすれば複数の蛍光灯照明装置14は、デザインボード13の開口部に設けられることがないためストロボ11からの閃光を遮ることがなく、また簡単に取り付けおよび配線を行うことができる。
【0041】
なお、デザインボード13上に複数の蛍光灯照明装置14を配置しない場合には、デザインボード13は、遮光性のカーテンなど、およそ開口部に相当する光透過領域を有する面状部材であればよい。
【0042】
また、複数の蛍光灯照明装置14に代えて、白熱灯やLED照明装置など、スクリーン15を均一に照らすことができるような照明装置を使用することもできる。
【0043】
さらに、複数の蛍光灯照明装置14には、白熱電球状(球状)の蛍光灯に代えて、管状の蛍光灯(蛍光管)を使用することも好適である。このような蛍光管のガラス部分は光を透過させるため、ストロボ11からの閃光を(少なくとも大きく)遮ることがない。したがって、デザインボード13の開口部上に架け渡されるように設けることができるので、スクリーン15をさらに均一に照らすように配置することが可能になる。
【0044】
以上のように、複数の蛍光灯照明装置14によってスクリーン15を均一に照らすことができるので、スクリーン15のほぼ全面の広い範囲から発せられる拡散光によって、撮影時点の前後を含む撮影処理期間中、撮影室2内部の照明環境を好適に、具体的には例えば利用者が眩しく感じることなくかつ明るく保つことができる。また、スクリーン15によって、ストロボ11および複数の蛍光灯照明装置14等が利用者の目から隠されるため美観を損ねることがない。また、スクリーン15自体が利用者に対向する広い面を形成することにより、利用者から見た装置の美観を(例えばシンプルに)保つこともできる。次に編集ユニット4の構成について、図1および図5を参照して説明する。
【0045】
<1.2 編集ユニットの構成>
図5は、編集ユニット4の正面図である。編集ユニット4は、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、および撮影ユニット3等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、編集ユニット4は、図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含む編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるタッチペン49L、49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
【0046】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいてそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような画面構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。
【0047】
<1.3 出力ユニットの構成>
出力ユニット5は、典型的には携帯電話端末に備えられる(一般的にはIrDA規格に基づく赤外線通信を行うための)赤外線ポートを使用して行われるような近距離で接触を要しない通信(以下「非接触通信」という)により、利用者の携帯電話端末に画像を送信する際に利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30と、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され上記画像送信のための赤外線通信を行う非接触通信ポート31と、上記非接触通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるスピーカ32とを備えている。また、出力ユニット5は、前面下方に、編集ユニット4で編集操作が行われた合成画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。
【0048】
出力操作用タッチパネル30は、利用者が合成画像を印刷された写真シール等を携帯電話端末でも見たい場合に、上記非接触通信機能を備えた携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されていている。なお、当該操作は主に合成画像の写真シール等が印刷されるまでの時間を利用して行われるので、利用者は写真シール等が印刷されるまでの時間を持て余すことなく有効に利用することができる。その詳しい表示例については省略する。
【0049】
このような出力ユニット5は、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および編集ユニット4等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵しているほか、合成画像を写真シール等として印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
【0050】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像に対して落書きを行う。そして、利用者は、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタによって印刷したり、非接触通信機能を有する携帯電話端末に非接触通信を利用して画像を送信し、携帯電話端末で受信した画像を端末画面に表示させたりする。
【0051】
<2.機能的構成>
図6は、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。図6に示されるようにこの遊戯用写真作成装置は、機能的には、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行うための撮影処理部7と、主として落書き対象画像に対する利用者の落書き操作に応じて当該落書き対象画像の編集処理を行うための編集処理部8と、編集処理が行われた落書き対象画像を写真シール等として出力したり、非接触通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行う出力処理部9とから構成されている。
【0052】
撮影処理部7は、第1の制御部70と、撮像部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、第1の通信部75とによって構成されている。編集処理部8は、第2の制御部80と、第2の表示・操作部81,82と、第2の通信部83とによって構成されている。出力処理部9は、第3の制御部90と、第3の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、第3の通信部95とによって構成されている。ネットワークアダプタである第1、第2および第3の通信部75,83,95は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0053】
撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。
【0054】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、撮影画像に合成されるべき背景画像および前景画像を選択する操作や、出力されるべき写真のレイアウトを決定するための利用者の操作やシャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にストロボ11から閃光が放たれる。そのとき、利用者の撮影画像を表す信号として撮像部71から出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
【0055】
照明部74は、カメラ10の周囲に配置された蛍光灯照明装置14およびストロボ11に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部75は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0056】
第1の制御部70は、撮影ユニット3に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また撮影された画像に基づいて落書き対象画像を生成する。生成された落書き対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。さらに、第1の制御部70は、落書き対象画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部72に表示される。こうして撮影および合成画像の生成が終了すると、生成された合成画像は利用者の入力操作に応じて適宜選択された後、第1の通信部75を介して、編集ユニット4に対応する第2の制御部80へ送られる。
【0057】
上記の構成要素の他、撮影ユニット3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影ユニット3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、本遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0058】
第2の制御部80は、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、編集処理に関する全体の制御を行う。また、第2の制御部80は、第1の制御部70から送られてきた撮影画像に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき、落書き対象画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像は利用者の指示に応じて対応する第2の表示・操作部81,82に表示される。上記のような合成画像の生成が終了すると、当該合成画像は出力ユニット5に送られる。なお、印刷出力部92が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送られる。
【0059】
第2の表示・操作部81、82は、落書きのための編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペンを用いた利用者の操作を受け付ける。第2の通信部83は、編集ユニット4に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0060】
第3の制御部90は、出力ユニット5に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、出力処理に関する全体の制御を行う。第3の制御部90は、第2の制御部80から送られてきた合成画像を合成画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力ユニットに内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された4枚の合成画像データを(適宜にレイアウトした)写真シール(または写真カード)として印刷する。印刷された写真シール等は、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
【0061】
また、第3の制御部90は、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シール等の印刷処理を開始すると同時に、利用者が作成した合成画像のデータを携帯電話端末によってサーバから当該合成画像をダウンロードできるように、利用者の入力操作を受け付けるための後述する操作画面を第3の表示・操作部91に表示する。この第3の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当し、入力手段として機能する。出力操作用タッチパネル30は、液晶ディスプレイまたはCRT(Cathode Ray Tube)等の表示手段として機能するモニタと、その上面に積層され、入力座標を認識することができる1人用のタッチパネルから構成される。モニタは複数の画面に分割された操作画面を表示することができ、タッチパネルは分割された複数の画面ごとに利用者のタッチペンを用いた入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を操作信号として第3の制御部90に入力する。
【0062】
第3の制御部90は、入力された操作信号に基づき、利用者の携帯電話端末に画像データを送信するように非接触通信部94に対して指示を出す。非接触通信部94は非接触通信ポート31に相当する。上記画像データは、非接触通信部94から非接触通信方式の赤外線信号として利用者の携帯電話端末に直接送信される。第3の通信部95は、出力ユニット5に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0063】
ここで、第3の制御部90は、落書きを終えてから操作を始めるまでの間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)をフレームバッファに書き込むことにより第3の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第3の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明し、また第3の表示・操作部91にデモ画像が表示されているときにデモ画像に応じた楽曲等を流す。なお、入力操作方法の説明や楽曲等は補助記憶装置としてのハードディスク装置等に予め格納されている。
【0064】
その後、第3の制御部90は、利用者が非接触通信を利用した合成画像の送信操作を行わないと決定すると、第3の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声や効果音等により合成画像の印刷が完了するまで後述するミニゲームを利用者に提供し続ける。また、合成画像の送信操作を行うと決定すると、非接触通信を利用した合成画像の送信操作に対する案内を第3の表示・操作部91の表示や音声出力部93による音声等により行う。
【0065】
<3.遊戯用写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用写真作成装置には、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。なお、或る利用者が撮影ユニット3でプレイしている時に他の利用者は編集ユニット4でプレイし、さらに他の利用者は出力ユニット5で合成画像を出力することができるように構成されている。すなわち、この遊戯用写真作成装置は、撮影処理と編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。以下に、撮影処理、編集処理、および出力処理の処理手順の概要について説明する。
【0066】
<3.1 撮影処理>
図7は、本実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。この遊戯用写真作成装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
【0067】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。ステップS110では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)を選択し、明るさを選択し、自動で撮影するか手動で撮影するかを選択し、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用するフレームと背景との組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレームと背景とを利用者が自由に決定する。その後、ステップS120に進み、撮影が行われる。この撮影により、撮影画像データが第1の制御部70のメモリに格納される。
【0068】
なお、このとき上述したようにストロボ11の閃光がデザインボード13の開口部を通してスクリーン15に照射されることにより、利用者の目が図4に示されるように美しく撮影される。
【0069】
ステップS130では、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像が、撮影操作用タッチパネル20に表示される。詳しくは、ステップS130の処理が行われる都度、図7に示した撮影操作用タッチパネル20の落書き対象画像表示領域203に落書き対象画像が順次追加表示される。その後、ステップS140に進み、第1の制御部70は、予め定められた枚数の撮影が終了したか否かを判定する。判定の結果、当該枚数の撮影が終了していればステップS150に進み、当該枚数の撮影が終了していなければ処理はステップS120に戻る。なお、実際には撮影のための制限時間(例えば3分)が設けられる。
【0070】
ステップS150では、複数の落書き対象画像の中から実際の落書き対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、落書きおよび印刷に使用する画像を利用者に選択させるために、落書き対象画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者によって選択された画像を実際の落書き対象画像として第2の制御部80に送る。ステップS150の終了後、処理はステップS160に進む。ステップS160では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集ユニット4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0071】
<3.2 編集処理>
図8は、本実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80は、ネットワーク6を介して第1の制御部70から送られる落書き対象画像(図7に示すステップS150における処理で利用者によって選択された画像)を取得する(ステップS200)。その後、タイマーが所定の時間(利用者に落書きを許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS210)。タイマーのカウントダウン開始後、編集ユニット4では、利用者による落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS220)。
【0072】
その後、利用者に落書きを許可する残り時間が60秒になると、第2の制御部80は、落書き時間を延長するか否かを判定する(ステップS230)。落書き時間を延長するか否かは、次にこのユニット4aまたは4bでプレイすることになる利用者が撮影室2にいるか否か(撮影ユニット3で撮影処理が行われているか否か)によって判定される。その結果、落書き時間を延長する旨の判定がなされると、処理はステップS240に進む。一方、落書き時間を延長しない旨の判定がなされると、処理はステップS250に進む。ステップS240では、タイマーが所定の時間(利用者に更に落書きを許可する時間)に設定され、再度カウントダウンが開始される。ステップS240の終了後、処理はステップS250に進む。
【0073】
ステップS250では、ステップS220と同様、編集ユニット4で利用者による落書き操作が受け付けられる。落書き時間が0になる(終了する)と、出力される写真の分割パターンの選択が行われる(ステップS260)。具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。なお、ここで利用者の目に映る発光領域の形状や色等をタッチペン49L、49Rなどで修正するような落書きを行うことも可能である。上記ステップS260の終了後、処理はステップS270に進む。
【0074】
ステップS270では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力ユニット5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、編集処理が終了する。
【0075】
<4.効果>
以上のように、本実施形態では、ストロボ11から放たれた強い閃光がデザインボード13の3つの開口部を通り抜け、スクリーン15に照射されるので、スクリーン15上には、デザインボード13に形成されている3つの開口部の平面形状と同一の面形状を有する明るい発光領域が形成される。この発光領域の形状が利用者の黒目に映るため、図4に示すように利用者の目を美しく撮影することができる。
【0076】
また複数の蛍光灯照明装置14によってスクリーン15のほぼ全面を均一に照らすことができるので、撮影処理期間中、撮影室2内部の照明環境を好適に、例えば利用者が眩しく感じることなくかつ明るく保つことができる。
【0077】
さらにスクリーン15によって、ストロボ11および複数の蛍光灯照明装置14等が利用者の目から隠されるため、撮影ユニット3の前面の美観を保つことができる。また、スクリーン15自体が利用者に対向する広い面を形成することにより、利用者から見た装置の美観を保つこともできる。なお、デザインボード13の開口部(の形状)が判別できない程度にスクリーン15が半透明であれば、利用者は形成されるべきアイキャッチの形状を知ることができないので、意外性を高めることもできる。
【0078】
また、本実施形態では、スクリーン15の形状と、利用者の黒目に映るべき発光領域の形状を規定する発光領域形成手段(ここではデザインボード13の開口部の形状など)とをそれぞれ無関係に定めることができるので、撮影空間のデザインと、黒目に映るべき発光領域の形状とをそれぞれ適宜かつ柔軟に検討し決定することができる。
【0079】
<5.変形例>
上記実施形態では、ストロボ11、反射板12、デザインボード13、およびスクリーン15により利用者の目を美しく撮影するための発光領域を形成しているが、強い閃光を発するストロボ11を使用することによりスクリーン15のような拡散透過手段に明るい発光領域がその面の一部に形成される構成であれば、上記実施形態の構成以外の構成であってもよい。
【0080】
例えば、反射板12を省略してこの位置にストロボ11を設けてもよいし、ストロボを備えたライトボックスであって、デザインボード13の開口部と同様の大きさおよび形状を有する開口部を備えた3つのライトボックスを、デザインボード13の3つの開口部の位置に相当する撮影ユニット3前面の位置に設ける構成であってもよい。この構成では、ライトボックス(の開口部)が発光領域の面形状を規定する発光領域形成手段となる。なお、ここでのライトボックスとは、上記開口部を有する筐体を含む(フラッシュ)照明装置を指し、特に箱状である必要はない。また、この構成では反射板12およびデザインボード13を省略することができるが、ストロボが3つ必要となり、また複数の蛍光灯照明装置14を適宜の位置に設置するための(デザインボード13に相当する)支持部材が必要となる。ここで、スクリーン15によって閃光が十分に拡散されないなどの理由によってストロボが点光源として目立つ場合、デザインボード13の開口部またはライトボックスの開口部の位置に、面光源となるよう閃光を拡散透過する拡散透過材が適宜設けられてもよい。
【0081】
以上のようにライトボックスが使用される場合であっても、スクリーン15上には、デザインボード13が使用される場合と同様に、ライトボックス(の開口部)の平面形状と同一の面形状を有する明るい発光領域が形成され、それ以外の領域は発光しない(非発光領域が形成される)。この発光領域の形状が利用者の黒目に映るため、図4に示すように利用者の目を美しく撮影することができる。なお、ライトボックスはデザインボード13のように大きくないため、発光領域形成手段を小型にしてより簡単に設置することができる。
【0082】
また図2の場合と同様に配置された複数の蛍光灯照明装置14によってスクリーン15のほぼ全面を均一に照らすことができるので、撮影処理期間中、撮影室2内部の照明環境を好適に保つことができる。さらにスクリーン15によって、ライトボックスおよび複数の蛍光灯照明装置14等が利用者の目から隠されるため、撮影ユニット3の前面の美観を保つことができる。
【0083】
また撮影ユニット3前面のほぼ全面に設けられるスクリーン15に代えて、上記3つのライトボックスそれぞれの前面にスクリーンを設ける構成も考えられる。この構成では、各スクリーンに発光領域と非発光領域とが形成されることになる。なお、スクリーンの数とライトボックスの数とは同じである必要はない。例えば、スクリーン15は複数に分割されていてもよい。
【0084】
さらに、ライトボックスにデザインボードに相当するテンプレートボードを設ける構成も考えられる。このテンプレートボードには、例えばハート型などの任意の形状の図形が形成されるように1つまたは複数の開口部が形成される。そうすればスクリーン15またはそれに代わるスクリーン上に、テンプレートによって形成されるハート型などの図形を映すことができる。
【0085】
上記実施形態では、複数の蛍光灯照明装置14によってスクリーン15のほぼ全面を照らす構成であるが、撮影室2内部の照明環境を好適に保つことができれば、スクリーン15の一部のみを照らす構成であってもよい。
【0086】
また、スクリーン15自体が撮影ユニット3の前面全体に設置される必要はなく、図4に示されるような発光領域の形状を利用者の黒目に映すことにより利用者の目を美しく撮影することができれば、撮影ユニット3の前面のうちの一部にのみ設置されてよい。
【0087】
なおこの場合、複数の蛍光灯照明装置14は、スクリーン15を照らさずに照明を行う構成や、さらには複数の蛍光灯照明装置14を省略する構成も考えられる。このような構成でもストロボ11等からの強い閃光によってスクリーン15等に上記発光領域が形成される構成であれば、利用者の目を美しく撮影することができる。
【符号の説明】
【0088】
3…撮影ユニット
4…編集ユニット
5…出力ユニット
6…ネットワーク(LAN)
10…カメラ
11…ストロボ
12…反射板
13…デザインボード
14…蛍光灯照明装置
15…スクリーン
20…撮影操作用タッチパネル
30…出力操作用タッチパネル
35…ネットワークプリンタ
31…非接触通信ポート(赤外線ポート)
32…スピーカ
70…第1の制御部
72…第1の表示・操作部(撮影操作用タッチパネル)
75…第1の通信部(ネットワークアダプタ)
80…第2の制御部
81,82…第2の表示・操作部(編集操作用タッチパネル)
90…第3の制御部
91…第3の表示・操作部(出力操作用タッチパネル)
92…印刷出力部(ネットワークプリンタ)
93…音声出力部(スピーカ)
94…非接触通信部(非接触通信ポート)
80…第2の制御部
81,82…第2の表示・操作部(編集操作用タッチパネル)
83…第2の通信部(ネットワークアダプタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段による撮影時に閃光を発するフラッシュ手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像を含む合成画像を写真として出力する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
前記利用者に対向するよう設けられる所定の大きさの面を有し、前記利用者の目に所定の面形状を有する発光領域が映るよう、前記フラッシュ手段からの前記閃光を、前記面の一部から前記利用者の方向へ拡散透過させるとともに、前記フラッシュ手段からの前記閃光を前記面の一部以外の部分から前記利用者の方向へ透過させない拡散透過手段を備えることを特徴とする、自動写真作成装置。
【請求項2】
前記拡散透過手段は、
前記面を有する半透明材からなるスクリーンと、
前記閃光により、前記スクリーンの前記面上に前記発光領域を形成する発光領域形成手段と
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動写真作成装置。
【請求項3】
少なくとも前記撮影時の前後を含む期間中、照明光を照射する通常照明手段をさらに備え、
前記スクリーンは、前記面に前記発光領域の全てが形成され、
前記通常照明手段は、前記利用者へ向かう方向と反対側の方向へ前記スクリーンから所定距離だけ離れた位置に設けられており、前記期間中、前記スクリーンへ前記照明光を照射することを特徴とする、請求項2に記載の自動写真作成装置。
【請求項4】
前記発光領域形成手段は、前記スクリーンの前記面に略平行な面を有し、当該面に、前記発光領域の前記面形状に相当する形状を有する光透過領域が形成され、当該光透過領域以外の領域では光が透過しない面状部材であり、
前記フラッシュ手段は、前記スクリーンへ向かう方向へ前記面状部材の前記光透過領域を透過する閃光を発し、
前記通常照明手段は、前記スクリーンに対向する前記面状部材の前記面上に設けられることを特徴とする、請求項3に記載の自動写真作成装置。
【請求項5】
前記通常照明手段は、蛍光管を含み、
前記蛍光管の一部または全部は、前記光透過領域上に架け渡されることを特徴とする、請求項4に記載の自動写真作成装置。
【請求項6】
前記発光領域形成手段は、前記スクリーンの前記面に沿って略平行な面を有し、当該面に、前記発光領域の前記面形状に相当する形状を有する光透過領域が形成され、当該光透過領域以外の領域では光が透過しない面状部材であり、
前記フラッシュ手段は、前記スクリーンへ向かう方向へ前記面状部材の前記光透過領域を透過する閃光を発することを特徴とする、請求項2に記載の自動写真作成装置。
【請求項7】
前記発光領域形成手段は、前記発光領域の前記面形状に相当する形状の開口部を有する筐体を含み、当該筐体内部に前記フラッシュ手段を含むライトボックスであることを特徴とする、請求項2に記載の自動写真作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−164144(P2011−164144A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−23430(P2010−23430)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(597047392)辰巳電子工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】