自動分析装置及びその分注方法
【課題】被検試料を精度よく分注することができる自動分析装置及びその分注方法を提供する。
【解決手段】同じ被検試料をn回分注する場合、1回目の分注のときに、試料容器17からサンプル分注プローブ16内にエア及びダミー用被検試料を吸引して停止した後、1回目の測定用被検試料を吸引し、吸引した1回目の測定用被検試料のみを反応容器3に吐出する。そして、n回目の分注における吸引のときに、試料容器17からn回目の測定用被検試料を吸引し、吸引したn回目の測定用被検試料のみを反応容器3内に吐出する。
【解決手段】同じ被検試料をn回分注する場合、1回目の分注のときに、試料容器17からサンプル分注プローブ16内にエア及びダミー用被検試料を吸引して停止した後、1回目の測定用被検試料を吸引し、吸引した1回目の測定用被検試料のみを反応容器3に吐出する。そして、n回目の分注における吸引のときに、試料容器17からn回目の測定用被検試料を吸引し、吸引したn回目の測定用被検試料のみを反応容器3内に吐出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に含まれている成分を分析する自動分析装置及びその分注方法に係り、特に、ヒトから採取した血液や尿などの体液を分注して体液に含まれる成分を分析する自動分析装置及びその分注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、被検体から採取された被検試料及びこの被検体の検査を行うための検査項目に該当する試薬の混合液の反応によって生ずる色調等の変化を、光の透過量を測定することにより、被検試料中の様々な検査項目成分の濃度や酵素活性で表される分析データを生成する。
【0003】
この自動分析装置では、被検試料毎に分析条件の設定により測定可能になった多数の検査項目の中から、検査に応じて選択された項目の測定が行われる。そして、被検試料はサンプル分注プローブを用いて試料容器から反応容器に分注される。また、試薬は試薬分注プローブを用いて試薬容器から反応容器に分注される。反応容器に分注された被検試料及び試薬は撹拌子で混合され、混合された混合液は測光部で測定される。更に、被検試料、試薬、及び混合液に接触したサンプル分注プローブ、試薬分注プローブ、反応容器、及び撹拌子は、洗浄された後に繰り返し測定に使用される。
【0004】
ところで、自動分析装置における被検試料の分注では、吸引及び吐出動作を行うサンプル分注ポンプとサンプル分注プローブ間のチューブ、及びサンプル分注プローブ内に封入された水などの圧力伝達媒体を介して、試料容器内の被検試料をサンプル分注プローブ内に吸引し、吸引した被検試料を反応容器内に吐出する。
【0005】
被検試料における検査項目の数(n)が複数(nは2以上の整数)である場合、その被検試料を収容した試料容器からn個の反応容器に被検試料をn回分注する。1回目の分注では、サンプル分注プローブ内にエアを吸引した後、試料容器から測定に使用しないダミー用の被検試料及び1回目の検査項目に対応する測定用の被検試料を一括して吸引し、吸引した被検試料の測定用被検試料のみを反応容器に吐出する。
【0006】
n回目(n≧2)の分注では、サンプル分注プローブ内にn回目の検査項目に対応する測定用被検試料を吸引した後、吸引した測定用被検試料のみを反応容器に吐出する。そして、n回目の分注が終了した後に1回目の分注で吸引したダミーの被検試料をサンプル分注プローブ内から排出し、排出後にサンプル分注プローブの内外の洗浄を行う。
【0007】
この分注でサンプル分注プローブ内に吸引したエア及びダミー用被検試料は、ダミー用被検試料の後に吸引した測定用被検試料を圧力伝達媒体から隔離し、圧力伝達媒体の混入により測定用被検試料が希釈されて分注精度が低下するのを防ぐために設けられていることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−162401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、被検試料のn回目の分注により得られた検査項目の分析データと、例えば再検査により1回目の分注により得られた前記検査項目の分析データが、乖離する問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、被検試料を精度よく分注することができる自動分析装置及びその分注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明の自動分析装置は、被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段を備え、前記分注手段は、1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る本発明の自動分析装置の分注方法は、被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置の分注方法において、前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段により、1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、同じ被検試料を複数回分注する場合、1回目の分注ではダミー用被検試料を吸引して停止した後に1回目の測定用被検試料を吸引することができる。そして、n回目の測定用被検試料の量が1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、1回目の測定用被検試料と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引することにより、被検試料の分注精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図10を参照して説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の検量線の作成に用いる標準試料や、被検体から採取された被検試料を測定して標準データや被検データを生成する分析部18と、分析部18における各分析ユニットの測定動作の制御を行う分析制御部25とを備えている。
【0015】
また、分析部18で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量線の作成や分析データの生成を行うデータ処理部30と、データ処理部30で作成された検量線や生成された分析データを出力する出力部40と、各種コマンド信号の入力等を行う操作部50と、分析制御部25、データ処理部30、及び出力部40を統括して制御するシステム制御部60とを備えている。
【0016】
図2は、分析部18の構成を示した斜視図である。この分析部18は、標準試料、被検試料等のサンプルを収容した試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ5と、サンプルに含まれる各検査項目の成分に選択的に反応する第1試薬が入った試薬容器6と、この試薬容器6を回動可能に保持する試薬ラック1aを収納する試薬庫1と、第1試薬と対をなす第2試薬が入った試薬容器7と、この試薬容器7を回動可能に保持する試薬ラック2aを収納する試薬庫2と、サンプル、第1試薬、及び第2試薬を収容する円周上に複数配置された反応容器3を回転可能に保持する反応ディスク4とを備えている。
【0017】
また、分析サイクル毎に、試料容器17からサンプルをサンプル分注プローブ16内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行うサンプル分注ポンプ16aと、試薬庫1の試薬容器6から第1試薬を第1試薬分注プローブ14内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う第1試薬分注ポンプ14aと、試薬庫2の試薬容器7から第2試薬を第2試薬分注プローブ15内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う第2試薬分注ポンプ15aとを備えている。
【0018】
更に、サンプルの分注を行うためにサンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10と、第1試薬の分注を行うために第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム8と、第2試薬の分注を行うために第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム9と、サンプルの分注終了毎にサンプル分注プローブ16を洗浄する洗浄槽16bと、第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ14を洗浄する洗浄槽14bと、第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ15を洗浄する洗浄槽15bとを備えている。
【0019】
更にまた、分析サイクル毎に、反応容器3内に吐出されたサンプル及び第1試薬の混合液や、サンプル、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する撹拌ユニット11と、反応容器3に収容した各混合液を測定する測光部13と、反応容器3内の測定を終えた各混合液の吸引や混合液を吸引した後の反応容器3内の洗浄及び乾燥を行う洗浄ユニット12とを備えている。
【0020】
そして、測光部13は、分析サイクル毎に回転移動する反応容器3内の標準試料を含む混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長の光を検出して標準データを生成する。また、反応容器3内の被検試料を含む混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長の光を検出して被検データを生成する。生成した標準データや被検データをデータ処理部30に出力する。また、測定後の反応容器3、サンプル分注プローブ16、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15、撹拌ユニット11などの各分析ユニットは、洗浄された後、再び測定に使用される。
【0021】
分析制御部25は、分析部18の各分析ユニットを駆動する機構部251及びこの機構部251を制御する制御部252を備えている。そして、機構部251は、分析部18における試薬庫1の試薬ラック1a、試薬庫2の試薬ラック2a、及びディスクサンプラ5を夫々回動する機構、反応ディスク4を回転する機構、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、及び撹拌ユニット11を夫々回動及び上下移動する機構、サンプル分注ポンプ16a、第1試薬分注ポンプ14a、及び第2試薬分注ポンプ15aを夫々吸引及び吐出駆動する機構、洗浄ユニット12を上下移動する機構等を備えている。また、制御部252は、機構部251の各機構を制御する制御回路を備え、機構部251の各機構を制御して分析部18の各分析ユニットを作動させる。
【0022】
図1のデータ処理部30は、分析部18の測光部13から出力された標準データや被検データから各検査項目の検量線の作成や分析データの生成を行う演算部31と、演算部31で作成された検量線や生成された分析データを保存するデータ記憶部32とを備えている。
【0023】
演算部31は、測光部13から出力された標準データから各検査項目の検量線を作成して、出力部40に出力すると共にデータ記憶部32に保存する。また、測光部13から出力された被検データに対応する検査項目の検量線をデータ記憶部32から読み出す。次いで読み出した検量線を用いてその被検データの分析データを生成し、生成した分析データを出力部40に出力すると共にデータ記憶部32に保存する。また、データ記憶部32は、ハードディスクなどを備え、演算部31から出力された検量線を検査項目毎に保存し、また分析データを被検試料毎に保存する。
【0024】
出力部40は、データ処理部30の演算部31から出力された検量線や分析データを印刷出力する印刷部41及び表示出力する表示部42を備えている。そして、印刷部41は、プリンタなどを備え、演算部31から出力された検量線や分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷出力する。
【0025】
また、表示部42は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部31から出力された検量線やや分析データを表示する。また、ID及び氏名等の被検体を識別するための被検体情報を入力する被検体情報入力画面、各検査項目の分析条件を入力するための分析条件設定画面、被検試料毎に検査する検査項目を選択入力するための検査項目設定画面等の表示を行う。
【0026】
操作部50は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析条件の入力、被検体情報の入力、被検試料毎の検査項目の選択入力、各検査項目の標準試料や被検試料の測定を行わせるための入力を行う。
システム制御部60は、CPU及び記憶回路を備え、操作部50から入力されたコマンド信号、各検査項目の分析条件、被検体情報、被検試料毎の検査項目などの入力情報を前記記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析部18の各分析ユニットなどを一定サイクルの所定のシーケンスで測定動作させる制御、検量線の作成、分析データの生成と出力などシステム全体の制御を行う。
【0027】
以下、図1乃至図10を参照して、被検試料を分注する自動分析装置100の動作を説明する。図3は、分析部18のサンプル分注に関わる各分析ユニットを上から見た図である。図4は、被検試料を分注するサンプル分注工程の構成を示す図である。図5は、サンプル分注工程を構成している第1のサンプル分注工程を示すフローチャートである。図6は、サンプル分注工程を構成している第n(2以上の整数)のサンプル分注工程を示すフローチャートである。
【0028】
また、図7は、サンプル分注プローブ16内に被検試料を吸引する動作を示す図である。図8は、被検試料の吸引を説明するための図である。図9は、サンプル分注プローブ16内にダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図である。図10は、サンプル分注プローブ16内にn回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図である。
【0029】
図3において、分析部18のサンプル分注アーム10は、この回動軸を中心として上停止位置における高さで矢印R1及びR2方向に回動して、サンプル分注プローブ16を破線で示した円形の軌道に沿って水平移動する。そして、サンプル分注プローブ16の軌道上におけるディスクサンプラ5の上方に位置する試料吸引位置T1、反応ディスク4の上方に位置する試料吐出位置T2、及び洗浄槽16bの上方の試料吸引位置T1と試料吐出位置T2の間に位置する洗浄位置T3の各停止位置で停止する。
【0030】
また、各停止位置でサンプル分注プローブ16を上下移動する。そして、試料吸引位置T1と、ディスクサンプラ5に保持された試料容器17内の被検試料の吸引が可能な高さである試料吸引高の間を上下移動する。また、試料吐出位置T2と、反応容器3内の被検試料を吐出する高さである試料吐出高の間を上下移動する。また、洗浄位置T3と、サンプル分注プローブ16の内外の洗浄が可能な高さである洗浄高の間を上下移動する。
【0031】
図4は、被検試料を分注するサンプル分注工程の構成を示した図である。このサンプル分注工程S1は、試料吸引位置T1の試料容器17に収容された被検試料を1回目に分注する第1のサンプル分注工程S10と、n回目に分注する第nのサンプル分注工程S30とにより構成される。そして、システム制御部60からの指示に基づいて、分析制御部25の制御部252による機構部251の各機構の制御により、反応ディスク5、サンプル分注アーム10、及びサンプル分注ポンプ16a等の各分析ユニットを作動させて被検試料の分注を行う。
【0032】
第1のサンプル分注工程S10は、試料吸引位置T1に停止した試料容器17の被検試料を1回目に分注するときに実行する。また、第nのサンプル分注工程S30は、第1のサンプル分注工程S10と同じ要領で同じ被検試料を複数回分注するときのn回目の分注のときに実行する。そして、各サンプル分注工程は夫々1分析サイクルの間に実行される。
【0033】
図5は、サンプル分注工程S1の第1のサンプル分注工程S10を示したフローチャートである。この第1のサンプル分注工程S10は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS11,S13,S16,S17,S18,S20,S21、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ12,S14,S15,S19により構成される。また、ステップS12,S14,S15におけるサンプル分注ポンプ16aの吸引動作を図7(a)乃至(c)に示す。
【0034】
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションである洗浄位置T3から試料吸引位置T1へ移動する(ステップS11)。
【0035】
サンプル分注プローブ16の移動に並行して、サンプル分注ポンプ16aは、図7(a)に示すように、サンプル分注プローブ16内に所定量のエアを吸引する(ステップS12)。
【0036】
エアの吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引位置T1から下へ移動して、試料容器17内の測定対象の被検試料の吸引が可能な試料吸引高で停止する(ステップS13)。
【0037】
サンプル分注プローブ16の停止後、サンプル分注ポンプ16aは、図7(b)に示すように、測定に使用しないダミー用被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して停止する(ステップS14)。
【0038】
停止した後、サンプル分注ポンプ16aは、図7(c)に示すように、サンプル分注プローブ16内に1回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプル量の被検試料(1回目の測定用被検試料)を吸引する(ステップS15)。
【0039】
なお、サンプル分注ポンプ16aは、図8に示すように、サンプル分注プローブ16内及びこのサンプル分注プローブ16とサンプル分注ポンプ16a間を連通しているチューブ内に封入された水等の圧力伝達媒体を介してエアや被検試料の吸引を行う。そして、サンプル分注プローブ16内に被検試料を吸引したとき、サンプル分注プローブ16の内壁に残存した圧力伝達媒体の混入により、吸引された被検試料が希釈されて測定対象成分の濃度が低下する問題がある。
【0040】
この問題に対して、サンプル分注プローブ16内の圧力伝達媒体と吸引された1回目の測定用被検試料の間に、エアの層及びダミー用被検試料の層を設けることにより、サンプル分注プローブ16の内壁に残存する圧力伝達媒体の混入による1回目の測定用被検試料の希釈を低減することができる。
【0041】
1回目の測定用被検試料の吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引高から試料吸引位置T1へ移動する(ステップS16)。
【0042】
試料吸引位置T1への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出位置T2へ移動する(ステップS17)。
【0043】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出位置T2に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS18)。
【0044】
サンプル分注プローブ16の移動後に、サンプル分注ポンプ16aは、反応容器3内にサンプル分注プローブ16内の1回目の測定用被検試料のみを吐出する(ステップS19)。
【0045】
1回目の測定用被検試料の吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高から試料吐出位置T2へ移動する(ステップS20)。
【0046】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS21)。
【0047】
図6は、サンプル分注工程S1の第nのサンプル分注工程S30を示したフローチャートである。この第nのサンプル分注工程S30は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS31,S32,S34,S35,S36,S38,S39、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ33,S37により構成される。また、ステップS33のサンプル分注ポンプ16aの吸引動作を図7(d)に示す。
【0048】
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションから試料吸引位置T1へ移動する(ステップS31)。
【0049】
サンプル分注プローブ16の移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を下へ移動して試料吸引高で停止する(ステップS32)。
【0050】
サンプル分注プローブ16の移動後、サンプル分注ポンプ16aは、図7(d)に示すように、1回目に吸引したエア及びダミー用被検試料を残した状態で、サンプル分注プローブ16内にn回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプル量の被検試料(n回目の測定用被検試料)を吸引する(ステップS33)。
【0051】
このように、1回目の分注のときに吸引したエア及びダミー用被検試料を、この被検試料の分注が終わるまでサンプル分注プローブ16内に残すことにより、被検試料の浪費を防いでサンプル分注プローブ16の内壁に残存する圧力伝達媒体の混入によるn回目の測定用被検試料の希釈を低減することができる。
【0052】
n回目の測定用被検試料の吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引高から試料吸引位置T1へ移動する(ステップS34)。
【0053】
試料吸引位置T1への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注分注プローブ16を試料吐出位置T2へ移動する(ステップS35)。
【0054】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出位置T2に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS36)。
【0055】
サンプル分注プローブ16の移動後、サンプル分注ポンプ16aは、反応容器3内にサンプル分注プローブ16内のn回目の測定用被検試料のみを吐出する(ステップS37)。
【0056】
n回目の測定用被検試料の吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高から試料吐出位置T2へ移動する(ステップS38)。
【0057】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS39)。
【0058】
そして、同じ被検試料の分注が終了した次の分析サイクルで、洗浄位置T3の下方に設けた洗浄槽16bで、サンプル分注プローブ16内のエア及びダミー用被検試料を排出した後、サンプル分注プローブ16内外を洗浄する。洗浄後に、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションに移動して、次の被検試料の分注に備えて待機する。
【0059】
図9は、サンプル分注プローブ16内にダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示した図である。
ダミー用被検試料を吸引する場合、試料吸引高でサンプル分注プローブ16が停止してから待ち時間後の時間t0から時間t1までのダミー用被検試料を吸引する速度を加速する時間帯Td1、時間t1から時間t2までの吸引する速度を一定速に保つ時間帯Td2、及び時間t2から時間t3までの吸引する速度を減速して停止する時間帯Td3に区分される。そして、時間帯Td1では、時間t0に速度Sd1まで立ち上げて、時間t1に速度Sd2に達するまで加速する。また、時間帯Td2では、速度Sd2に保つ。更に、時間帯Td3では、時間t3に速度Sd1に達するまで減速した後に停止する。
【0060】
1回目の測定用被検試料を吸引する場合、1回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプル量に応じて吸引速度を可変する。ダミー用被検試料の吸引を停止した時間t3から所定時間経過した時間tv0から時間tv1までの1回目の測定用被検試料を吸引する速度を加速する時間帯Tv1、時間tv1から時間tv2までの吸引する速度を一定に保つ時間帯Tv2、及び時間tv2から時間tv3までの吸引する速度を減速して停止する時間帯Tv3に区分される。そして、時間帯Tv1では、時間tv0に速度Sv1に立ち上げて、時間tv1に速度Sv2に達するまで加速する。また、時間帯Tv2では、速度Sv2に保つ。更に、時間帯Tv3では、時間tv3に速度Sv1に達するまで減速した後に停止する。
【0061】
図10は、サンプル分注プローブ16内にn回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示した図である。
n回目の測定用被検試料を吸引する場合、n回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプルの量に応じて吸引速度を可変し、このサンプル量が1回目と同じサンプル量であるとき、1回目の測定用被検試料を吸引する速度と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引する。
【0062】
1回目と同じサンプル量であるとき、試料吸引高でサンプル分注プローブ16が停止してから待ち時間後の時間t0から時間tv4までのn回目の測定用被検試料を吸引する速度を加速する時間帯Tv1、時間tv4から時間tv5までの吸引する速度を一定に保つ時間帯Tv2、及び時間tv4から時間tv6までの吸引する速度を減速して停止する時間帯Tv3に区分される。そして、時間帯Tv1では、時間t0に速度Sv1に立ち上げて、時間tv4に速度Sv2に達するまで加速する。また、時間帯Tv2では、速度Sv2に保つ。更に、時間帯Tv3では、時間tv6に速度Sv1に達するまで減速した後に停止する。
【0063】
なお、最初の検査で被検試料がn回目に分注された検査項目を、例えば再検査により1回目に分注して検査が行われたとき、n回目の分注では、加速、一定速、及び減速により構成される速度で測定用被検試料のみを吸引する。しかしながら、1回目の分注でダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を一括して吸引すると、図11に示すように、一定速及び減速により構成される速度で1回目の測定用被検試料を吸引することになる。
【0064】
このように、1回目とn回目の分注で被検試料を吸引する速度が異なると、この速度に応じてサンプル分注プローブ16の内壁に残存する圧力伝達媒体の量が異なり、1回目とn回目の測定用被検試料への圧力伝達媒体の混入量が異なるため、同じ被検試料を複数回分注する場合の分注精度が低下する問題がある。
【0065】
従って、1回目の分注ではエア及びダミー用被検試料を吸引して停止した後に1回目の測定用被検試料を吸引することにより、1回目の測定用被検試料をn回目の測定用被検試料と同様に、加速、一定速、及び減速により構成される速度で吸引することができる。そして、n回目の測定用被検試料の量が1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、1回目の測定用被検試料を吸引する速度と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引することができる。
【0066】
これにより、1回目とn回目の測定用被検試料に混入する圧力伝達媒体の混入量の差を低減することが可能となり、同じ被検試料を複数回分注する場合の分注精度の向上を図ることができる。
【0067】
以上述べた本発明の実施例によれば、同じ被検試料をn回分注する場合、1回目の分注ではその被検試料を収容した試料容器17からダミー用被検試料を吸引して停止した後、1回目の測定用被検試料を吸引して反応容器3内に1回目の測定用被検試料のみを吐出し、n回目の分注ではその試料容器17からn回目の測定用被検試料を吸引して反応容器3内にn回目の測定用被検試料のみを吐出することができる。
【0068】
そして、n回目の測定用被検試料の量が1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、1回目の測定用被検試料と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引することができる。これにより、同じ被検試料を複数回分注する場合の分注精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示す図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係る分析部のサンプル分注に関わる各分析ユニットを上から見た図。
【図4】本発明の実施例に係る被検試料を分注するサンプル分注工程の構成を示す図。
【図5】本発明の実施例に係るサンプル分注工程を構成している第1のサンプル分注工程を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例に係るサンプル分注工程を構成している第nのサンプル分注工程を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ内に被検試料を吸引する動作を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る被検試料の吸引を説明するための図。
【図9】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ内にダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図。
【図10】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ内にn回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図。
【図11】背景技術に係る1回目の測定用被検試料を吸引する速度を示す図。
【符号の説明】
【0070】
T1 試料吸引位置
T2 試料吐出位置
T3 洗浄位置
3 反応容器
4 反応ディスク
5 ディスクサンプラ
10 サンプル分注アーム
16 サンプル分注プローブ
16a サンプル分注ポンプ
16b 洗浄槽
17 試料容器
18 分析部
25 分析制御部
251 機構部
252 制御部
30 データ処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中に含まれている成分を分析する自動分析装置及びその分注方法に係り、特に、ヒトから採取した血液や尿などの体液を分注して体液に含まれる成分を分析する自動分析装置及びその分注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は、被検体から採取された被検試料及びこの被検体の検査を行うための検査項目に該当する試薬の混合液の反応によって生ずる色調等の変化を、光の透過量を測定することにより、被検試料中の様々な検査項目成分の濃度や酵素活性で表される分析データを生成する。
【0003】
この自動分析装置では、被検試料毎に分析条件の設定により測定可能になった多数の検査項目の中から、検査に応じて選択された項目の測定が行われる。そして、被検試料はサンプル分注プローブを用いて試料容器から反応容器に分注される。また、試薬は試薬分注プローブを用いて試薬容器から反応容器に分注される。反応容器に分注された被検試料及び試薬は撹拌子で混合され、混合された混合液は測光部で測定される。更に、被検試料、試薬、及び混合液に接触したサンプル分注プローブ、試薬分注プローブ、反応容器、及び撹拌子は、洗浄された後に繰り返し測定に使用される。
【0004】
ところで、自動分析装置における被検試料の分注では、吸引及び吐出動作を行うサンプル分注ポンプとサンプル分注プローブ間のチューブ、及びサンプル分注プローブ内に封入された水などの圧力伝達媒体を介して、試料容器内の被検試料をサンプル分注プローブ内に吸引し、吸引した被検試料を反応容器内に吐出する。
【0005】
被検試料における検査項目の数(n)が複数(nは2以上の整数)である場合、その被検試料を収容した試料容器からn個の反応容器に被検試料をn回分注する。1回目の分注では、サンプル分注プローブ内にエアを吸引した後、試料容器から測定に使用しないダミー用の被検試料及び1回目の検査項目に対応する測定用の被検試料を一括して吸引し、吸引した被検試料の測定用被検試料のみを反応容器に吐出する。
【0006】
n回目(n≧2)の分注では、サンプル分注プローブ内にn回目の検査項目に対応する測定用被検試料を吸引した後、吸引した測定用被検試料のみを反応容器に吐出する。そして、n回目の分注が終了した後に1回目の分注で吸引したダミーの被検試料をサンプル分注プローブ内から排出し、排出後にサンプル分注プローブの内外の洗浄を行う。
【0007】
この分注でサンプル分注プローブ内に吸引したエア及びダミー用被検試料は、ダミー用被検試料の後に吸引した測定用被検試料を圧力伝達媒体から隔離し、圧力伝達媒体の混入により測定用被検試料が希釈されて分注精度が低下するのを防ぐために設けられていることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−162401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、被検試料のn回目の分注により得られた検査項目の分析データと、例えば再検査により1回目の分注により得られた前記検査項目の分析データが、乖離する問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、被検試料を精度よく分注することができる自動分析装置及びその分注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明の自動分析装置は、被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段を備え、前記分注手段は、1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る本発明の自動分析装置の分注方法は、被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置の分注方法において、前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段により、1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、同じ被検試料を複数回分注する場合、1回目の分注ではダミー用被検試料を吸引して停止した後に1回目の測定用被検試料を吸引することができる。そして、n回目の測定用被検試料の量が1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、1回目の測定用被検試料と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引することにより、被検試料の分注精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図10を参照して説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の検量線の作成に用いる標準試料や、被検体から採取された被検試料を測定して標準データや被検データを生成する分析部18と、分析部18における各分析ユニットの測定動作の制御を行う分析制御部25とを備えている。
【0015】
また、分析部18で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量線の作成や分析データの生成を行うデータ処理部30と、データ処理部30で作成された検量線や生成された分析データを出力する出力部40と、各種コマンド信号の入力等を行う操作部50と、分析制御部25、データ処理部30、及び出力部40を統括して制御するシステム制御部60とを備えている。
【0016】
図2は、分析部18の構成を示した斜視図である。この分析部18は、標準試料、被検試料等のサンプルを収容した試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ5と、サンプルに含まれる各検査項目の成分に選択的に反応する第1試薬が入った試薬容器6と、この試薬容器6を回動可能に保持する試薬ラック1aを収納する試薬庫1と、第1試薬と対をなす第2試薬が入った試薬容器7と、この試薬容器7を回動可能に保持する試薬ラック2aを収納する試薬庫2と、サンプル、第1試薬、及び第2試薬を収容する円周上に複数配置された反応容器3を回転可能に保持する反応ディスク4とを備えている。
【0017】
また、分析サイクル毎に、試料容器17からサンプルをサンプル分注プローブ16内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行うサンプル分注ポンプ16aと、試薬庫1の試薬容器6から第1試薬を第1試薬分注プローブ14内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う第1試薬分注ポンプ14aと、試薬庫2の試薬容器7から第2試薬を第2試薬分注プローブ15内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う第2試薬分注ポンプ15aとを備えている。
【0018】
更に、サンプルの分注を行うためにサンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10と、第1試薬の分注を行うために第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム8と、第2試薬の分注を行うために第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム9と、サンプルの分注終了毎にサンプル分注プローブ16を洗浄する洗浄槽16bと、第1試薬の分注終了毎に第1試薬分注プローブ14を洗浄する洗浄槽14bと、第2試薬の分注終了毎に第2試薬分注プローブ15を洗浄する洗浄槽15bとを備えている。
【0019】
更にまた、分析サイクル毎に、反応容器3内に吐出されたサンプル及び第1試薬の混合液や、サンプル、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する撹拌ユニット11と、反応容器3に収容した各混合液を測定する測光部13と、反応容器3内の測定を終えた各混合液の吸引や混合液を吸引した後の反応容器3内の洗浄及び乾燥を行う洗浄ユニット12とを備えている。
【0020】
そして、測光部13は、分析サイクル毎に回転移動する反応容器3内の標準試料を含む混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長の光を検出して標準データを生成する。また、反応容器3内の被検試料を含む混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長の光を検出して被検データを生成する。生成した標準データや被検データをデータ処理部30に出力する。また、測定後の反応容器3、サンプル分注プローブ16、各第1及び第2試薬分注プローブ14,15、撹拌ユニット11などの各分析ユニットは、洗浄された後、再び測定に使用される。
【0021】
分析制御部25は、分析部18の各分析ユニットを駆動する機構部251及びこの機構部251を制御する制御部252を備えている。そして、機構部251は、分析部18における試薬庫1の試薬ラック1a、試薬庫2の試薬ラック2a、及びディスクサンプラ5を夫々回動する機構、反応ディスク4を回転する機構、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、及び撹拌ユニット11を夫々回動及び上下移動する機構、サンプル分注ポンプ16a、第1試薬分注ポンプ14a、及び第2試薬分注ポンプ15aを夫々吸引及び吐出駆動する機構、洗浄ユニット12を上下移動する機構等を備えている。また、制御部252は、機構部251の各機構を制御する制御回路を備え、機構部251の各機構を制御して分析部18の各分析ユニットを作動させる。
【0022】
図1のデータ処理部30は、分析部18の測光部13から出力された標準データや被検データから各検査項目の検量線の作成や分析データの生成を行う演算部31と、演算部31で作成された検量線や生成された分析データを保存するデータ記憶部32とを備えている。
【0023】
演算部31は、測光部13から出力された標準データから各検査項目の検量線を作成して、出力部40に出力すると共にデータ記憶部32に保存する。また、測光部13から出力された被検データに対応する検査項目の検量線をデータ記憶部32から読み出す。次いで読み出した検量線を用いてその被検データの分析データを生成し、生成した分析データを出力部40に出力すると共にデータ記憶部32に保存する。また、データ記憶部32は、ハードディスクなどを備え、演算部31から出力された検量線を検査項目毎に保存し、また分析データを被検試料毎に保存する。
【0024】
出力部40は、データ処理部30の演算部31から出力された検量線や分析データを印刷出力する印刷部41及び表示出力する表示部42を備えている。そして、印刷部41は、プリンタなどを備え、演算部31から出力された検量線や分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷出力する。
【0025】
また、表示部42は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部31から出力された検量線やや分析データを表示する。また、ID及び氏名等の被検体を識別するための被検体情報を入力する被検体情報入力画面、各検査項目の分析条件を入力するための分析条件設定画面、被検試料毎に検査する検査項目を選択入力するための検査項目設定画面等の表示を行う。
【0026】
操作部50は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析条件の入力、被検体情報の入力、被検試料毎の検査項目の選択入力、各検査項目の標準試料や被検試料の測定を行わせるための入力を行う。
システム制御部60は、CPU及び記憶回路を備え、操作部50から入力されたコマンド信号、各検査項目の分析条件、被検体情報、被検試料毎の検査項目などの入力情報を前記記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析部18の各分析ユニットなどを一定サイクルの所定のシーケンスで測定動作させる制御、検量線の作成、分析データの生成と出力などシステム全体の制御を行う。
【0027】
以下、図1乃至図10を参照して、被検試料を分注する自動分析装置100の動作を説明する。図3は、分析部18のサンプル分注に関わる各分析ユニットを上から見た図である。図4は、被検試料を分注するサンプル分注工程の構成を示す図である。図5は、サンプル分注工程を構成している第1のサンプル分注工程を示すフローチャートである。図6は、サンプル分注工程を構成している第n(2以上の整数)のサンプル分注工程を示すフローチャートである。
【0028】
また、図7は、サンプル分注プローブ16内に被検試料を吸引する動作を示す図である。図8は、被検試料の吸引を説明するための図である。図9は、サンプル分注プローブ16内にダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図である。図10は、サンプル分注プローブ16内にn回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図である。
【0029】
図3において、分析部18のサンプル分注アーム10は、この回動軸を中心として上停止位置における高さで矢印R1及びR2方向に回動して、サンプル分注プローブ16を破線で示した円形の軌道に沿って水平移動する。そして、サンプル分注プローブ16の軌道上におけるディスクサンプラ5の上方に位置する試料吸引位置T1、反応ディスク4の上方に位置する試料吐出位置T2、及び洗浄槽16bの上方の試料吸引位置T1と試料吐出位置T2の間に位置する洗浄位置T3の各停止位置で停止する。
【0030】
また、各停止位置でサンプル分注プローブ16を上下移動する。そして、試料吸引位置T1と、ディスクサンプラ5に保持された試料容器17内の被検試料の吸引が可能な高さである試料吸引高の間を上下移動する。また、試料吐出位置T2と、反応容器3内の被検試料を吐出する高さである試料吐出高の間を上下移動する。また、洗浄位置T3と、サンプル分注プローブ16の内外の洗浄が可能な高さである洗浄高の間を上下移動する。
【0031】
図4は、被検試料を分注するサンプル分注工程の構成を示した図である。このサンプル分注工程S1は、試料吸引位置T1の試料容器17に収容された被検試料を1回目に分注する第1のサンプル分注工程S10と、n回目に分注する第nのサンプル分注工程S30とにより構成される。そして、システム制御部60からの指示に基づいて、分析制御部25の制御部252による機構部251の各機構の制御により、反応ディスク5、サンプル分注アーム10、及びサンプル分注ポンプ16a等の各分析ユニットを作動させて被検試料の分注を行う。
【0032】
第1のサンプル分注工程S10は、試料吸引位置T1に停止した試料容器17の被検試料を1回目に分注するときに実行する。また、第nのサンプル分注工程S30は、第1のサンプル分注工程S10と同じ要領で同じ被検試料を複数回分注するときのn回目の分注のときに実行する。そして、各サンプル分注工程は夫々1分析サイクルの間に実行される。
【0033】
図5は、サンプル分注工程S1の第1のサンプル分注工程S10を示したフローチャートである。この第1のサンプル分注工程S10は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS11,S13,S16,S17,S18,S20,S21、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ12,S14,S15,S19により構成される。また、ステップS12,S14,S15におけるサンプル分注ポンプ16aの吸引動作を図7(a)乃至(c)に示す。
【0034】
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションである洗浄位置T3から試料吸引位置T1へ移動する(ステップS11)。
【0035】
サンプル分注プローブ16の移動に並行して、サンプル分注ポンプ16aは、図7(a)に示すように、サンプル分注プローブ16内に所定量のエアを吸引する(ステップS12)。
【0036】
エアの吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引位置T1から下へ移動して、試料容器17内の測定対象の被検試料の吸引が可能な試料吸引高で停止する(ステップS13)。
【0037】
サンプル分注プローブ16の停止後、サンプル分注ポンプ16aは、図7(b)に示すように、測定に使用しないダミー用被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して停止する(ステップS14)。
【0038】
停止した後、サンプル分注ポンプ16aは、図7(c)に示すように、サンプル分注プローブ16内に1回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプル量の被検試料(1回目の測定用被検試料)を吸引する(ステップS15)。
【0039】
なお、サンプル分注ポンプ16aは、図8に示すように、サンプル分注プローブ16内及びこのサンプル分注プローブ16とサンプル分注ポンプ16a間を連通しているチューブ内に封入された水等の圧力伝達媒体を介してエアや被検試料の吸引を行う。そして、サンプル分注プローブ16内に被検試料を吸引したとき、サンプル分注プローブ16の内壁に残存した圧力伝達媒体の混入により、吸引された被検試料が希釈されて測定対象成分の濃度が低下する問題がある。
【0040】
この問題に対して、サンプル分注プローブ16内の圧力伝達媒体と吸引された1回目の測定用被検試料の間に、エアの層及びダミー用被検試料の層を設けることにより、サンプル分注プローブ16の内壁に残存する圧力伝達媒体の混入による1回目の測定用被検試料の希釈を低減することができる。
【0041】
1回目の測定用被検試料の吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引高から試料吸引位置T1へ移動する(ステップS16)。
【0042】
試料吸引位置T1への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出位置T2へ移動する(ステップS17)。
【0043】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出位置T2に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS18)。
【0044】
サンプル分注プローブ16の移動後に、サンプル分注ポンプ16aは、反応容器3内にサンプル分注プローブ16内の1回目の測定用被検試料のみを吐出する(ステップS19)。
【0045】
1回目の測定用被検試料の吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高から試料吐出位置T2へ移動する(ステップS20)。
【0046】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS21)。
【0047】
図6は、サンプル分注工程S1の第nのサンプル分注工程S30を示したフローチャートである。この第nのサンプル分注工程S30は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS31,S32,S34,S35,S36,S38,S39、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ33,S37により構成される。また、ステップS33のサンプル分注ポンプ16aの吸引動作を図7(d)に示す。
【0048】
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションから試料吸引位置T1へ移動する(ステップS31)。
【0049】
サンプル分注プローブ16の移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を下へ移動して試料吸引高で停止する(ステップS32)。
【0050】
サンプル分注プローブ16の移動後、サンプル分注ポンプ16aは、図7(d)に示すように、1回目に吸引したエア及びダミー用被検試料を残した状態で、サンプル分注プローブ16内にn回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプル量の被検試料(n回目の測定用被検試料)を吸引する(ステップS33)。
【0051】
このように、1回目の分注のときに吸引したエア及びダミー用被検試料を、この被検試料の分注が終わるまでサンプル分注プローブ16内に残すことにより、被検試料の浪費を防いでサンプル分注プローブ16の内壁に残存する圧力伝達媒体の混入によるn回目の測定用被検試料の希釈を低減することができる。
【0052】
n回目の測定用被検試料の吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引高から試料吸引位置T1へ移動する(ステップS34)。
【0053】
試料吸引位置T1への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注分注プローブ16を試料吐出位置T2へ移動する(ステップS35)。
【0054】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出位置T2に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS36)。
【0055】
サンプル分注プローブ16の移動後、サンプル分注ポンプ16aは、反応容器3内にサンプル分注プローブ16内のn回目の測定用被検試料のみを吐出する(ステップS37)。
【0056】
n回目の測定用被検試料の吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高から試料吐出位置T2へ移動する(ステップS38)。
【0057】
試料吐出位置T2への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS39)。
【0058】
そして、同じ被検試料の分注が終了した次の分析サイクルで、洗浄位置T3の下方に設けた洗浄槽16bで、サンプル分注プローブ16内のエア及びダミー用被検試料を排出した後、サンプル分注プローブ16内外を洗浄する。洗浄後に、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションに移動して、次の被検試料の分注に備えて待機する。
【0059】
図9は、サンプル分注プローブ16内にダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示した図である。
ダミー用被検試料を吸引する場合、試料吸引高でサンプル分注プローブ16が停止してから待ち時間後の時間t0から時間t1までのダミー用被検試料を吸引する速度を加速する時間帯Td1、時間t1から時間t2までの吸引する速度を一定速に保つ時間帯Td2、及び時間t2から時間t3までの吸引する速度を減速して停止する時間帯Td3に区分される。そして、時間帯Td1では、時間t0に速度Sd1まで立ち上げて、時間t1に速度Sd2に達するまで加速する。また、時間帯Td2では、速度Sd2に保つ。更に、時間帯Td3では、時間t3に速度Sd1に達するまで減速した後に停止する。
【0060】
1回目の測定用被検試料を吸引する場合、1回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプル量に応じて吸引速度を可変する。ダミー用被検試料の吸引を停止した時間t3から所定時間経過した時間tv0から時間tv1までの1回目の測定用被検試料を吸引する速度を加速する時間帯Tv1、時間tv1から時間tv2までの吸引する速度を一定に保つ時間帯Tv2、及び時間tv2から時間tv3までの吸引する速度を減速して停止する時間帯Tv3に区分される。そして、時間帯Tv1では、時間tv0に速度Sv1に立ち上げて、時間tv1に速度Sv2に達するまで加速する。また、時間帯Tv2では、速度Sv2に保つ。更に、時間帯Tv3では、時間tv3に速度Sv1に達するまで減速した後に停止する。
【0061】
図10は、サンプル分注プローブ16内にn回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示した図である。
n回目の測定用被検試料を吸引する場合、n回目の分注に対応する検査項目の予め設定されたサンプルの量に応じて吸引速度を可変し、このサンプル量が1回目と同じサンプル量であるとき、1回目の測定用被検試料を吸引する速度と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引する。
【0062】
1回目と同じサンプル量であるとき、試料吸引高でサンプル分注プローブ16が停止してから待ち時間後の時間t0から時間tv4までのn回目の測定用被検試料を吸引する速度を加速する時間帯Tv1、時間tv4から時間tv5までの吸引する速度を一定に保つ時間帯Tv2、及び時間tv4から時間tv6までの吸引する速度を減速して停止する時間帯Tv3に区分される。そして、時間帯Tv1では、時間t0に速度Sv1に立ち上げて、時間tv4に速度Sv2に達するまで加速する。また、時間帯Tv2では、速度Sv2に保つ。更に、時間帯Tv3では、時間tv6に速度Sv1に達するまで減速した後に停止する。
【0063】
なお、最初の検査で被検試料がn回目に分注された検査項目を、例えば再検査により1回目に分注して検査が行われたとき、n回目の分注では、加速、一定速、及び減速により構成される速度で測定用被検試料のみを吸引する。しかしながら、1回目の分注でダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を一括して吸引すると、図11に示すように、一定速及び減速により構成される速度で1回目の測定用被検試料を吸引することになる。
【0064】
このように、1回目とn回目の分注で被検試料を吸引する速度が異なると、この速度に応じてサンプル分注プローブ16の内壁に残存する圧力伝達媒体の量が異なり、1回目とn回目の測定用被検試料への圧力伝達媒体の混入量が異なるため、同じ被検試料を複数回分注する場合の分注精度が低下する問題がある。
【0065】
従って、1回目の分注ではエア及びダミー用被検試料を吸引して停止した後に1回目の測定用被検試料を吸引することにより、1回目の測定用被検試料をn回目の測定用被検試料と同様に、加速、一定速、及び減速により構成される速度で吸引することができる。そして、n回目の測定用被検試料の量が1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、1回目の測定用被検試料を吸引する速度と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引することができる。
【0066】
これにより、1回目とn回目の測定用被検試料に混入する圧力伝達媒体の混入量の差を低減することが可能となり、同じ被検試料を複数回分注する場合の分注精度の向上を図ることができる。
【0067】
以上述べた本発明の実施例によれば、同じ被検試料をn回分注する場合、1回目の分注ではその被検試料を収容した試料容器17からダミー用被検試料を吸引して停止した後、1回目の測定用被検試料を吸引して反応容器3内に1回目の測定用被検試料のみを吐出し、n回目の分注ではその試料容器17からn回目の測定用被検試料を吸引して反応容器3内にn回目の測定用被検試料のみを吐出することができる。
【0068】
そして、n回目の測定用被検試料の量が1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、1回目の測定用被検試料と同じ速度でn回目の測定用被検試料を吸引することができる。これにより、同じ被検試料を複数回分注する場合の分注精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示す図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係る分析部のサンプル分注に関わる各分析ユニットを上から見た図。
【図4】本発明の実施例に係る被検試料を分注するサンプル分注工程の構成を示す図。
【図5】本発明の実施例に係るサンプル分注工程を構成している第1のサンプル分注工程を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施例に係るサンプル分注工程を構成している第nのサンプル分注工程を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ内に被検試料を吸引する動作を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る被検試料の吸引を説明するための図。
【図9】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ内にダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図。
【図10】本発明の実施例に係るサンプル分注プローブ内にn回目の測定用被検試料を吸引する速度の一例を示す図。
【図11】背景技術に係る1回目の測定用被検試料を吸引する速度を示す図。
【符号の説明】
【0070】
T1 試料吸引位置
T2 試料吐出位置
T3 洗浄位置
3 反応容器
4 反応ディスク
5 ディスクサンプラ
10 サンプル分注アーム
16 サンプル分注プローブ
16a サンプル分注ポンプ
16b 洗浄槽
17 試料容器
18 分析部
25 分析制御部
251 機構部
252 制御部
30 データ処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段を備え、
前記分注手段は、
1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、
n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記分注手段は、前記分注プローブ内に吸引した前記1回目の測定用被検試料のみを前記反応容器内に吐出し、前記分注プローブ内に吸引した前記n回目の測定用被検試料のみを前記反応容器内に吐出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分注手段は、前記反応容器内に吐出する前記n回目の測定用被検試料の量が前記1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、前記1回目の測定用被検試料を吸引する速度と同じ速度で前記n回目の測定用被検試料を吸引するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置の分注方法において、
前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段により、
1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、
n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする自動分析装置の分注方法。
【請求項1】
被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段を備え、
前記分注手段は、
1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、
n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記分注手段は、前記分注プローブ内に吸引した前記1回目の測定用被検試料のみを前記反応容器内に吐出し、前記分注プローブ内に吸引した前記n回目の測定用被検試料のみを前記反応容器内に吐出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記分注手段は、前記反応容器内に吐出する前記n回目の測定用被検試料の量が前記1回目の測定用被検試料の量と同じである場合、前記1回目の測定用被検試料を吸引する速度と同じ速度で前記n回目の測定用被検試料を吸引するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
被検試料及び試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置の分注方法において、
前記被検試料を収容する試料容器から前記被検試料を分注プローブ内に吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う分注手段により、
1回目の分注では、前記試料容器からダミー用被検試料を吸引して停止した後、前記1回目の測定用被検試料を吸引し、
n回目(nは2以上の整数)の分注では、前記試料容器から前記n回目の測定用被検試料を吸引することを特徴とする自動分析装置の分注方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−257767(P2009−257767A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103620(P2008−103620)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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