説明

自動分析装置

【課題】バーコードの読み取り異常を未然に防ぐことができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】第1試薬が収容された試薬容器6を格納する試薬庫60内に配置され、試薬容器6を移動可能に保持する第1試薬ラック70と、試薬庫60外に配置され、第1試薬ラック70に保持された試薬容器6に記されるバーコード6aを、試薬庫60に設けられた開口部を塞ぐカバー63を通して読み取るリーダ80と、バーコード6aの読み取り異常を予測検知する検知部25とを備え、リーダ80は第1試薬ラック70に配置された判定用シンボル73を、カバー63を通した撮像により画像データを生成し、検知部25はリーダ80で生成された画像データを処理して、バーコード6aを読み取ることができるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に含まれる成分を分析する自動分析装置に係り、特に、ヒトの血液や尿などの体液中に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置は生化学検査項目や免疫検査項目等を対象とし、被検体から採取された被検試料と各検査項目の試薬との混合液の反応によって生ずる色調や濁りの変化を、分光光度計や比濁計等を有する測光部で光学的に測定することにより、被検試料中の様々な検査項目成分の濃度や酵素の活性等で表される分析データを得る。
【0003】
この自動分析装置では、各検査項目の試薬を収容した試薬容器を保冷が可能な試薬庫に格納してから、被検体の検査に応じて設定された検査対象の検査項目の分析を行う。そして、サンプル分注プローブにより試料容器から被検試料を吸引して反応容器に吐出する。また、試薬分注プローブにより試薬庫内の試薬容器から試薬を吸引して反応容器に吐出する。そして、反応容器に吐出された被検試料及び試薬の混合液を測光部で測定する。
【0004】
ところで、自動分析装置で分析可能な検査項目の種類の増加に伴い、試薬容器の数が増加しているため、試薬不足の試薬容器を取り外して、試薬が充填された試薬容器を試薬庫へ格納するときに格納位置を間違えてしまう問題がある。この問題に対して、試薬の情報を示すバーコードを試薬容器に記して、リーダで読み取ることにより試薬容器の位置を判断することができる自動分析装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この自動分析装置では、多数の試薬容器を試薬庫に格納して保冷する必要があり、リーダは試薬庫外に配置される。このため、試薬庫の一部に開口部が設けられている。そして、開口部は、冷気が試薬庫外に漏れるのを防いで、且つ試薬庫内の試薬容器に記されたバーコードの読み取りが可能なように光を透過するカバーで塞がれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3300704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、試薬庫内の冷気と外気との温度差に起因して結露した水滴、試薬庫内の試薬容器から蒸発する試薬等の汚れがカバーに付着して、試薬庫に格納された試薬容器に記されるバーコードの読み取り異常を発生する問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、バーコードの読み取り異常を未然に防ぐことができる自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る本発明の自動分析装置は、試料及び試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、前記試薬が収容された試薬容器を格納する試薬庫内に配置され、前記試薬容器を移動可能に保持する試薬ラックと、前記試薬庫外に配置され、前記試薬ラックに保持された前記試薬容器に記されるバーコードを読み取る読み取り手段と、前記試薬ラックに配置された判定用シンボルを撮像して画像データを生成する前記読み取り手段に含まれる撮像手段と、前記撮像手段により生成された画像データに基づいて、前記読み取り手段により前記バーコードを読み取ることができるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項11に係る本発明の自動分析装置は、試料及び試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、前記試料が収容された試料容器を格納する試料庫内に配置され、前記試料容器を移動可能に保持する試料ラックと、前記試料庫外に配置され、前記試料ラックに保持された前記試料容器に記されるバーコードを読み取る読み取り手段と、前記試料ラックに配置された判定用シンボルを撮像して画像データを生成する前記読み取り手段に含まれる撮像手段と、前記撮像手段により生成された画像データに基づいて、前記読み取り手段により前記バーコードを読み取ることができるか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バーコードの読み取り前に、リーダがバーコードを読み取ることができるか否かを判定することができる。これにより、バーコードの読み取り異常を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る分析部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の実施例に係る試薬容器の外観を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る判定用シンボルの一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る試薬庫、第1試薬ラック、及びリーダの配置、並びに試薬庫の断面を示す図。
【図6】本発明の実施例に係るリーダの構成を示す図。
【図7】本発明の実施例に係る第1試薬ラックに配置された判定用シンボルとリーダの位置関係の一例を示す図。
【図8】本発明の実施例に係る表示部に表示された最初の判定用シンボル画像データの一例を示す図。
【図9】本発明の実施例に係る判定処理部におけるシンボルデータの処理手順の一例を示す図。
【図10】本発明の実施例に係る自動分析装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0014】
以下、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図10を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料や被検試料と各検査項目の試薬との混合液を測定して標準データや被検データを生成する分析部24と、分析部24における異常を予測検知する検知部25と、分析部24の測定に関る各分析ユニットの駆動及び制御を行う分析制御部30とを備えている。
【0016】
また、自動分析装置100は、分析部24で生成された標準データや被検データを処理して検量データや分析データの生成を行うデータ処理部40と、データ処理部40で生成された検量データや分析データを印刷出力や表示出力する出力部45と、各種コマンド信号の入力等を行う操作部50と、検知部25、分析制御部30、データ処理部40、及び出力部45を統括して制御するシステム制御部51とを備えている。
【0017】
図2は、分析部24の構成を示した斜視図である。この分析部24は、標準試料や被検試料等の各試料を収容する試料容器17と、この試料容器17を保持する試料ラック5と、各検査項目の1試薬系や2試薬系の第1試薬を収容する試薬容器6と、2試薬系の第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器7とを備えている。
【0018】
また、試薬容器6を格納する試薬庫60と、この試薬庫60に格納された試薬容器6を移動可能に保持する第1試薬ラック70と、第1試薬ラック70に保持された試薬容器6に記されるバーコードを読み取るリーダ80と、試薬容器7を格納する試薬庫90と、この試薬庫90に格納された試薬容器7を移動可能に保持する第2試薬ラック91と、第2試薬ラック91に保持された試薬容器7に記されるバーコードを読み取るリーダ93と、第1及び第2試薬ラック70,91に配置された判定用シンボル73とを備えている。
【0019】
また、円周上に配置された複数の反応容器3を回転可能に保持する反応ディスク4と、試料ラック5に保持された試料容器17内の試料を吸引して反応容器3内へ吐出する分注を行うサンプル分注プローブ16と、このサンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10と、第1試薬ラック70に保持された試薬容器6内の第1試薬を吸引して各試料が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行う第1試薬分注プローブ14とを備えている。
【0020】
また、第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム8と、反応容器3内に吐出された各試料と第1試薬の混合液を撹拌する第1撹拌子18と、この第1撹拌子18を回動及び上下移動可能に保持する第1撹拌アーム20と、第2試薬ラック91に保持された試薬容器7内の第2試薬を吸引して各試料及び第1試薬が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行う第2試薬分注プローブ15とを備えている。
【0021】
また、この第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム9と、反応容器3内の各試料、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する第2撹拌子19と、第2撹拌子19を回動及び上下移動可能に保持する第2撹拌アーム21と、反応容器3内の混合液に光を照射して光学的に測定する測光部13と、測光部13で測定を終了した反応容器3内を洗浄する洗浄ユニット12とを備えている。
【0022】
そして、測光部13は、反応容器3に光を照射し、その反応容器3内の標準試料や被検試料を含む混合液を透過した各検査項目の波長光を検出する検出信号に基づいて、例えば吸光度や吸光度の変化量で表される標準データや被検データを生成する。そして、生成した標準データや被検データをデータ処理部40に出力する。
【0023】
図1に示した検知部25は、分析部24の第1及び第2試薬ラック70,91に保持された試薬容器6,7に記されるバーコードの読み取り異常を予測検知するために設けられる。そして、分析部24のリーダ80,93で判定用シンボル73の撮像により生成される画像データを処理する判定処理部26と、この判定処理部26で処理された処理結果に基づいて、分析部24の第1及び第2試薬ラック70,91に保持された試薬容器6,7に記されるバーコードを読み取ることができるか否かを判定する判定部27とを備えている。
【0024】
分析制御部30は、分析部24の各分析ユニットを駆動する機構を有する機構部31、及びこの機構部31の各機構等を制御する制御部32を備えている。そして、機構部31は、分析部24の試料ラック5、第1試薬ラック70、及び第2試薬ラック91を夫々回動する機構、並びに反応ディスク4を回転する機構を備えている。
【0025】
また、サンプル分注プローブ16に試料の吸引及び吐出を行わせるポンプ、第1試薬分注プローブ14に第1試薬の吸引及び吐出を行わせるポンプ、及び第2試薬分注プローブ15に第2試薬の吸引及び吐出を行わせるポンプを夫々駆動する機構を備えている。また、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、第1撹拌アーム20、及び第2撹拌アーム21を夫々回動及び上下移動する機構、並びに洗浄ユニット12を上下移動する機構等を備えている。
【0026】
制御部32は、機構部31の各機構を制御して分析部24の各分析ユニットを分析サイクル毎に所定のタイミングで作動させる。また、分析部24のリーダ80,93を制御する。そして、リーダ80,93から出力されるバーコードの読み取り情報に基づいて、機構部31の第1及び第2試薬ラック70,91を回動する機構を制御する。また、検知部25の判定部27によりリーダ80,93が試薬容器6,7に記されたバーコードを読み取ることが不可能であると判定された場合、分析部24の測定に関る各分析ユニットの測定動作を停止させる。
【0027】
データ処理部40は、分析部24の測光部13から出力された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データを生成する演算部41と、演算部41で生成された検量データや分析データを保存するデータ記憶部42とを備えている。
【0028】
演算部41は、測光部13から出力された標準データ及びこの標準データの標準試料に予め設定された標準値から、各検査項目成分の濃度や活性と標準データの関係を表す検量データを生成し、生成した検量データを出力部45に出力すると共にデータ記憶部42に保存する。
【0029】
また、測光部13から出力された被検データに対応する検査項目の検量データをデータ記憶部42から読み出し、読み出した検量データを用いて測光部13から出力された被検データから濃度値や活性値として表される分析データを生成する。そして、生成した分析データを出力部45に出力すると共にデータ記憶部42に保存する。
【0030】
データ記憶部42は、ハードディスク等のメモリデバイスを備え、演算部41から出力された検量データを検査項目毎に保存する。また、演算部41から出力された各検査項目の分析データを被検試料毎に保存する。
【0031】
出力部45は、データ処理部40の演算部41から出力された検量データや分析データを印刷出力する印刷部46及び表示出力する表示部47を備えている。そして、印刷部46は、プリンタなどを備え、演算部41から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
【0032】
表示部47は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部41から出力された検量データや分析データを表示する。また、自動分析装置100で分析可能な各検査項目の分析パラメータを設定するための分析パラメータ設定画面、分析可能な各検査項目の第1及び第2試薬の情報を設定するための試薬情報設定画面、バーコードが記されていない試薬容器6,7の第1及び第2試薬ラック70,91への保持位置を設定するための保持位置設定画面、検査対象の被検試料を識別する被検情報及びこの被検試料の検査項目を設定するための被検情報/検査項目設定画面等を表示する。
【0033】
操作部50は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、検査項目毎の分析パラメータ、第1及び第2試薬情報、試薬容器6,7の保持位置、被検情報及び検査項目等を設定するための操作を行う。また、出力部45における表示部47の被検情報及び検査項目設定画面で設定された被検情報の被検試料毎に検査項目を分析するための操作を行う。
【0034】
システム制御部51は、CPU及び記憶回路を備え、操作部50からの操作により入力されたコマンド信号、各検査項目の分析パラメータの情報、第1及び第2試薬情報、試薬容器6,7の保持位置、被検情報及び検査項目の情報等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、検知部25、分析制御部30、データ処理部40、及び出力部45を統括してシステム全体を制御する。
【0035】
次に、図1乃至図9を参照して、分析部24における試薬容器6,7、判定用シンボル73、試薬庫60、第1試薬ラック70、及びリーダ80の構成、並びに検知部25における試薬容器6に記されたバーコードの読み取り異常を予測検知するための動作の詳細を説明する。
【0036】
なお、分析部24における試薬庫90、第2試薬ラック91、及びリーダ93は、位置が異なる以外、試薬庫60、第1試薬ラック70、及びリーダ80と同様に構成されるので、その構成の説明を省略する。また、検知部25における試薬容器7に記されたバーコードの読み取り異常を予測検知するための動作は試薬容器6に記されたバーコードの場合と同様であるので、その動作の説明を省略する。
【0037】
図3は、試薬容器6,7の外観を示した図である。各試薬容器6,7は、例えば上底と下底間の長さである高さの方向を長手方向とする台形を成す上面及び底面により構成される。また、上面及び底面における台形の上底を短辺とする長方形を成す内周側面、下底を短辺とする長方形を成す外周側面、並びに上底及び下底以外の対辺を夫々一辺とする長方形を成す2つの幅側面により構成される。
【0038】
そして、試薬容器6,7の上面の外周側面近傍には、第1及び第2試薬分注プローブ14,15が第1及び第2試薬を吸引するために進入する開口部が設けられている。また、試薬容器6,7の外周側面におけるバーコードエリアに、第1及び第2試薬情報である試薬ID、検査項目名、試薬名等がコード化された例えばITF等の1次元バーコードやPDF417等の2次元バーコードであるバーコード6a,7aが記されている。
【0039】
図4は、判定用シンボル73の一例を示した図である。この判定用シンボル73は、図4(a)に示すように、試薬容器6,7に記されたバーコード6a,7aの構成単位である四角形(セル)を幅方向にn列配列し、上下方向にm列配列した(m×n)個のセル7311乃至73mnにより構成される。そして、各セル7311乃至73mn内は白又は黒一色にされ、一色にされた白と黒の各セル7311乃至73mnを交互に並べた模様を形成している。
【0040】
また、判定用シンボル73は、図4(b)に示すように、例えば試薬容器6,7と略同じ形状であり、略同じ寸法を有するシンボル本体74における試薬容器6,7のバーコード6aが記されたバーコードエリアに対応するシンボルエリアに記されている。この判定用シンボル73が記されたシンボル本体74は、第1及び第2試薬ラック70,91に保持された試薬容器6,7に記されるバーコード6a,7aを読み取ることができるか否かを判定するために、第1及び第2試薬ラック70,91により試薬容器6,7の保持が可能な保持位置の内、操作部50からの入力により設定された保持位置に配置される。
【0041】
図5は、試薬庫60、第1試薬ラック70、及びリーダ80の配置、並びに試薬庫60の断面を示した図である。そして、図5(a)は試薬庫60、第1試薬ラック70、及びリーダ80の平面図であり、図5(b)は図5(a)に示した試薬庫60及び第1試薬ラック70のA−A線矢視断面図である。
【0042】
試薬庫60は、第1試薬が収容された試薬容器6を格納するための上側に円形の開口部を有する試薬ケース61と、冷気が逃げ出すのを防止するために試薬ケース61の開口部を覆う着脱自在の蓋62と、冷気が逃げ出すのを防止するために試薬ケース61の側部に設けられた開口部を塞ぐカバー63と、試薬ケース61に格納された試薬容器6を保冷する冷却器64とを備えている。
【0043】
第1試薬ラック70は、試薬庫60内に配置され、試薬容器6の底面、内周側面、及び外周側面を保持する保持体71と、試薬容器6の両側の幅側面を保持する保持体71に所定の間隔で放射状に複数配置された仕切り板72とにより構成される。そして、上面及び底面の長手方向を試薬庫60の中心に向けた各試薬容器6を円周上に保持した状態で、長手方向に対して垂直方向である配列方向に移動する。
【0044】
なお、判定用シンボル73を、第1試薬ラック70により保持される隣合せの試薬容器6間に位置する仕切り板72上に記して配置するように実施してもよい。
【0045】
図6は、リーダ80の構成を示した図である。このリーダ80は、図7に示すように、試薬庫60外のカバー63近傍に配置され、光を照射する照射部81と、撮像して画像データを生成する撮像部82と、撮像部82で生成された画像データを処理する画像処理部83とを備えている。
【0046】
照射部81は、光を発する例えば発光ダイオード等の光源を有する。そして、カバー63を透過した光を、試薬庫1内のカバー63近傍を通過する第1試薬ラック70に配置された判定用シンボル73や、第1試薬ラック70に保持された試薬容器6に記されるバーコード6aに照射する。
【0047】
撮像部82は、判定用シンボル73やバーコード6aからの光を、カバー63を通して検出する検出部821と、検出部821で検出された検出信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成部822とを備えている。
【0048】
検出部821は、光を検出する例えばCCD(電荷結合素子)等の光検出素子を有する。そして、照射部81からの照射により、判定用シンボル73やバーコード6aから反射され、カバー63を透過した光を検出し、検出した光を電気信号に変換する。更に、その変換した信号をデジタル信号に変換して画像データ生成部822に出力する。
【0049】
画像データ生成部822は例えばVRAM等のメモリを有し、検出部821からの信号を蓄積して判定用シンボル73の画像データ(判定用シンボル画像データ)や、バーコード6aの画像データ(バーコード画像データ)を生成する。そして、生成した判定用シンボル画像データを検知部25の判定処理部26に出力する。また、生成したバーコード画像データを画像処理部83に出力する。
【0050】
画像処理部83は、撮像部82の画像データ生成部822で生成されたバーコード画像データを所定の閾値に基づいて、白及び黒に二値化処理した二値化データを生成する。次いで、予め設定された変換テーブルを用いて二値化データを文字等で表される第1試薬情報に変換する。そして、変換された第1試薬情報を分析制御部30の制御部32に出力する。
【0051】
制御部32では、リーダ80から出力された第1試薬情報に基づいて、その試薬情報で識別される第1試薬を収容した試薬容器6の第1試薬ラック70における保持位置を検出する。そして、検出した保持位置の試薬容器6内の第1試薬の分注を行わせるとき、第1試薬ラック70を回動させて、その試薬容器6を第1試薬分注プローブ14により吸引が可能な位置へ移動させる。
【0052】
なお、分析部24で検査対象となる検査項目のバーコード6aが記されていない試薬容器6を第1試薬ラック70に設置する場合、測定開始前に操作部50からその試薬容器6を設置する第1試薬ラック70の保持位置及び第1試薬情報を入力することにより、第1試薬ラック70を回動させて、入力した保持位置の試薬容器6を第1試薬分注プローブ14により吸引が可能な位置へ移動させる。
【0053】
検知部25の判定処理部26は、操作部50からの入力により設定された保持位置に判定用シンボル73が配置された後に、リーダ80における撮像部82の画像データ生成部822から出力される最初の判定用シンボル画像データを出力部45の表示部47に表示する。
【0054】
図8は、表示部47に表示された最初の判定用シンボル画像データの一例を示した図である。この判定用シンボル画像データ75は、判定用シンボル73に対応するシンボルデータ76、及び判定用シンボル73以外のシンボル本体74等に対応する背景データ77により構成される。なお、シンボルデータ76の領域は、画像データ生成部822で生成されるバーコード画像データのバーコード6aに対応する破線で示したバーコードデータの領域78を含んでいる。
【0055】
ここで、判定用シンボル画像データ75の処理領域を指定する指定操作が操作部50から行われると、判定処理部26は、判定用シンボル画像データ75の指定された領域であるシンボルデータ76の領域を切り抜き、切り抜いたシンボルデータ76を処理する。この指定操作により、指定された領域の位置情報が判定処理部26内に保存され、指定操作以降に画像データ生成部822から出力される判定用シンボル画像データ75から前記位置情報の領域を切り抜くことになる。
【0056】
図9は、判定処理部26におけるシンボルデータ76の処理手順の一例を示した図である。この判定処理部26は、切り抜いたシンボルデータ76を二値化処理する。次いで、図9(a)に示すように、二値化処理したシンボルデータ76aにおける判定用シンボル73の各セル7311乃至73mnに対応する各セル領域7611乃至76mnの構成単位であるピクセルを色別にカウントする。
【0057】
カウントした後、各セル領域7611乃至76mnで数が多いほうの色をその領域の色として確定し、図9(b)に示すように、色を確定した各セル領域7611b乃至76mnbにより構成されるシンボルデータ76bの模様を判定用シンボル73の模様と比較する。そして、シンボルデータ76bの各セル領域7611b乃至76mnbを、判定用シンボル73の各セル7311乃至73mnの色に一致する正しい領域と判定用シンボル73の色に不一致の誤り領域に分類して、誤り領域をカウントする。
【0058】
ここで、図9(c)に示すように、判定用シンボル73の例えばセル7311乃至7319は、黒色のセル7311,7313,7315,7317,7319、及び白色のセル7312,7314,7316,7318に分類される。また、シンボルデータ76bのセル7311乃至7319に対応する各セル領域7611b乃至7619bは、黒色のセル領域7611b,7613b,7614b,7615b,7617b、及び白色のセル領域7612b,7616b,7618b,7619bに分類される。そして、セル領域7613b乃至7615bが同じ黒色が隣り合い、セル領域7618b及び7619bが同じ白色が隣り合う。このため、セル領域7614b,7619bを誤り領域としてカウントする。
【0059】
このようにして、シンボルデータ76bの全セル領域に対する誤り領域の占める割合(誤り率)を求め、求めた誤り率をリーダ80の誤り率の情報として判定部27に出力する。
【0060】
判定部27は、判定処理部26で処理された処理結果であるリーダ80の誤り率の情報に基づいて、分析部24の第1試薬ラック70に保持された試薬容器6に記されるバーコード6aを読み取ることができるか否かを判定する。そして、誤り率が予め設定された許容範囲内である場合、バーコード6aを読み取ることができると判定する。また、誤り率が許容範囲から外れている場合、バーコード6aの読み取りが不可能であると判定し、その判定結果を分析制御部30の制御部32に出力する。
【0061】
ここで、バーコード6aが例えばPDF417であると、PDF417の誤り訂正率が10%であるため、余裕をもって誤り率が例えば8%未満の場合にバーコード6aを読み取ることができると判定し、誤り率が8%以上の場合にバーコード6aの読み取りが不可能であると判定する。
【0062】
このように、判定用シンボル73を第1試薬ラック70に配置して、検知部25を設けるだけの簡単な構成により、バーコード6aの読み取り異常を予測検知することができる。そして、リーダ80から得られる判定用シンボル画像データ75を処理して誤り率を求めることにより、バーコード6aを読み取ることができるか否かを判定することができる。また、バーコード6aのデータパターンに依存しない判定用シンボル73を用いて判定するため、高い精度の判定が可能となる。
【0063】
なお、判定用シンボル73の撮像を行うための専用の撮像部82をリーダ80の外側に移動可能に追加配置すると共にリーダ80を移動可能に配置し、判定用シンボル73の撮像を行うときに追加した撮像部82を撮像位置に移動し、バーコード6aの読み取りを行うときに、追加した撮像部82を退避位置へ移動すると共にリーダ80を撮像位置へ移動して実施するようにしてもよい。
【0064】
以下、図1乃至図10を参照して、試薬容器6,7に記されたバーコード6aの読み取り異常を予測検知する自動分析装置100の動作の一例を説明する。
【0065】
図10は、自動分析装置100の動作を示したフローチャートである。
試薬容器6,7に記されたバーコード6a,7aの読み取り異常を予測検知する動作は、分析部24で測定を行うときの操作部50からの測定操作に応じて実行される。
【0066】
ここで、予測検知を実行するための検知条件である例えば「測定開始時」が設定されている場合、測定開始操作に応じて、分析部24でバーコード読み取り動作及び分注動作を含む測定動作に先立ち、予測検知の動作を実行する。
【0067】
また、検知条件である「一時停止解除後」が設定されている場合、測定動作中に試薬庫60,90に格納された試薬容器6,7のいずれかに不足した試薬を補充するために分注動作を一時停止させる一時停止操作が行われた後、不足した試薬を補充して分注動作を再開させる一時停止解除操作に応じて、バーコード読み取り動作及び分注動作を含む測定動作の再開に先立ち、予測検知の動作を実行する。
【0068】
更に、分析部24の待機中に試薬庫60,90に格納された試薬容器6,7内の第1及び第2試薬の情報を取得するために行われる操作部50からの試薬スキャン操作に応じて、予測検知動作を実行する。
【0069】
以下では、「測定開始時」の検知条件に基づいて実行する予測検知の動作の例を説明する。分析部24で測定を行うために、測定対象の被検試料が収容された試料容器17を試料ラック5に設置し、その被検試料に設定された各検査項目の第1及び第2試薬が収容される試薬容器6,7を試薬庫60,90に格納した後、操作部50から測定開始の操作が行われると、自動分析装置100は動作を開始する(ステップS1)。
【0070】
システム制御部51は、検知部25、分析制御部30、データ処理部40、及び出力部45に、検知動作及び測定動作を指示する。分析制御部30の制御部32は、測定動作に先立ち、リーダ80,93及び機構部31を制御して、予測検知の動作を実行させる。
【0071】
第1及び第2試薬ラック70,91は、判定用シンボル73及びバーコード6a,7aが記された試薬容器6,7を移動する(ステップS2)。
【0072】
リーダ80,93は、第1及び第2試薬ラック70,91により移動された判定用シンボル73の撮像により、夫々判定用シンボル画像データ75を生成し、生成した判定用シンボル画像データ75を検知部25に出力する(ステップS3)。
【0073】
検知部25の判定処理部26は、リーダ80,93から出力された判定用シンボル画像データ75を処理してリーダ80,93の誤り率を求め、求めたリーダ80,93の誤り率の情報を判定部27に出力する(ステップS4)。
【0074】
判定部27は、判定処理部26から出力されたリーダ80,93の誤り率の情報に基づいて、第1及び第2試薬ラック70,91に保持された試薬容器6,7に記されるバーコード6a,7aを読み取ることができるか否かを判定する。
【0075】
そして、リーダ80,93の誤り率が許容範囲内である場合(ステップS5のはい)、バーコード6a,7aを読み取ることができると判定する。また、リーダ80又はリーダ93の誤り率が許容範囲から外れている場合(ステップS5のいいえ)、バーコード6a又はバーコード7aを読み取ることが不可能であると判定し、その判定結果を制御部32に出力する。
【0076】
このように、分析部24で測定動作を開始する前に、リーダ80,93がバーコード6a,7aを読み取ることができるか否かを判定することができる。
【0077】
ステップS5の「いいえ」の後に、制御部32は、判定部27からの判定結果に基づいて、サンプル分注プローブ16並びに第1及び第2試薬分注プローブ14,15の分注動作を含む測定動作を停止させる(ステップS6)。
【0078】
ステップS6の後に、制御部32は、判定部27からの例えば「リーダでバーコードを読み取ることができません」等の判定結果を出力部45の表示部47に表示する(ステップS7)。
【0079】
なお、測定対象の被検試料の全ての検査項目の試薬容器6,7にバーコード6a,7aが記されておらず、その試薬容器6,7の第1及び第2試薬ラック70,91へ設置する保持位置が表示部47の保持位置設定画面で設定されている場合、ステップS5の「いいえ」の後に、測定動作を開始させると共に、判定結果を出力部45の表示部47に表示させる。
【0080】
ステップS5の「はい」の後に、分析部24の各分析ユニットは測定動作を開始する。そして、リーダ80,93は、第1及び第2試薬ラック70,91により移動された試薬容器6,7のバーコード6a,7aを読み取り、読み取った第1及び第2試薬情報を制御部32に出力する。
【0081】
サンプル分注プローブ16は、試料ラック5に保持された試料容器17から被検試料を吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う。制御部32は、リーダ80から出力された第1試薬情報に基づいて、その試薬情報で識別される第1試薬を収容した試薬容器6の第1試薬ラック70における保持位置を検出する。そして、第1試薬ラック70を回動させて、検出した保持位置の試薬容器6内の第1試薬の分注を行わせるとき、その試薬容器6を第1試薬分注プローブ14により吸引が可能な吸引位置へ移動させる。
【0082】
第1試薬分注プローブ14は、吸引位置に移動した第1試薬ラック70に保持される試薬容器6から第1試薬を吸引して、被検試料が吐出された反応容器3内に吐出する分注を行う。第1撹拌子18は、被検試料及び第1試薬が吐出された反応容器3内の混合液を撹拌する。
【0083】
制御部32は、リーダ93から出力された第2試薬情報に基づいて、その試薬情報で識別される第2試薬を収容した試薬容器7の第2試薬ラック91における保持位置を検出する。そして、第2試薬ラック91を回動させて、検出した保持位置の試薬容器7内の第2試薬の分注を行わせるとき、その試薬容器7を第2試薬分注プローブ15により吸引が可能な吸引位置へ移動させる。
【0084】
第2試薬分注プローブ15は、吸引位置に移動した第2試薬ラック91に保持される試薬容器7から第2試薬を吸引して、撹拌された混合液が収容された反応容器3内に吐出する。第2撹拌子19は、被検試料並びに第1及び第2試薬が吐出された反応容器3内の混合液を撹拌する。測光部13は反応容器3内の混合液を測定して、その測定結果である被検データをデータ処理部40に出力する。データ処理部40は測光部13から出力された被検データから分析データを生成して出力部45に印刷出力及び表示出力する。
【0085】
ステップS7で表示部47に判定結果が表示された後、又はステップS8で出力部45から分析データが出力された後、システム制御部51が、検知部25、分析制御部30、データ処理部40、及び出力部45に、検知動作及び測定動作の停止を指示することにより、自動分析装置100は動作を終了する(ステップS8)。
【0086】
自動分析装置100の動作が終了した後、表示部47に例えばバーコード6aの読み取りが不可能であることを示す判定結果が表示された場合、試薬庫60のカバー63に付着した水滴、第1試薬等の汚れや、カバー63の試薬庫60外側に付着した水滴等の汚れが原因で、リーダ80で第1試薬ラック70に保持された試薬容器6のバーコード6aを読み取ることが不可能であると判断する。そして、試薬庫60内外のカバー63表面を清掃した後、分析部24の測定動作を再開させる。
【0087】
このように、カバー63の汚れによるバーコード6aの読み取り異常を未然に防ぐことができる。なお、分析部24の測定動作を再開させたとき、再度、バーコード6aの読み取りが不可能であることを示す判定結果が出力されると、カバー63の汚れ以外の範囲に原因を絞込むことができるため、原因究明を迅速に行うことができる。
【0088】
なお、カバー63とリーダ80の間に反射体を設け、リーダ80からの光を反射体で反射させてバーコード6aや判定用シンボル73に照射し、バーコード6aや判定用シンボル73からのカバー63を透過した光を反射体で反射させてリーダ80で検出するように実施してもよい。そして、バーコード6aの読み取りが不可能である場合には、カバー63の汚れ又は反射体の汚れによる原因であると想定し、カバー63及び反射体を清掃するようにする。
【0089】
以上述べた本発明の実施例によれば、判定用シンボル73を第1及び第2試薬ラック70,91に配置して、検知部25を設けるだけの簡単な構成により、操作部50からの測定開始操作及び一時停止解除操作に応じて、測定動作に先立ち、バーコード6a,7aの読み取り異常を予測検知することができる。また、試薬スキャン操作に応じて、バーコード6a,7aの読み取り異常を予測検知することができる。
【0090】
そして、リーダ80から得られる判定用シンボル画像データ75を処理して誤り率を求めることにより、バーコード6aを読み取ることができるか否かを判定して、予測検知することができることができる。
【0091】
そして、リーダ80,93の誤り率が予め設定した許容範囲内である場合、バーコード6a,7aを読み取ることができると判定し、測定動作を開始させることができる。また、誤り率が許容範囲から外れている場合、バーコード6a,7aの読み取りが不可能であると判定し、測定動作を停止させると共にその判定結果を表示部47に出力することができる。
【0092】
以上により、試薬容器6,7に記されたバーコード6a,7aの読み取り異常を未然に防ぐことができる。
【0093】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば採血管等の試料容器17にこの容器内の試料を識別するバーコードを記す。また、試料の濃縮を低減するために試料容器17及試料ラック5を格納する試料ケース及びこの試料ケースを覆う蓋から成る試料庫を設ける。更に、その試料庫に格納した試料容器17のバーコードを読み取るために、試料庫の試料ケースに開口部及びこの開口部を塞ぐカバーを設けると共にそのカバーを通して試料庫内のバーコードの読み取りが可能なリーダ80と同様に構成されるリーダを設ける。更にまた、判定用シンボルを試料容器17と略同じ形状及び寸法を有するシンボル本体に記して配置する。そして、測定開始操作に応じて測定に先立つタイミングや、各試料の分注終了毎に、図8に示した予測検知動作と同様に実行させるように実施してもよい。
【0094】
これにより、試料容器17のバーコードを読み取ることができるか否かを判定して、バーコードの読み取り異常を予測検知することにより、試料容器17のバーコードの読み取り異常を未然に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0095】
6 試薬容器
6a バーコード
25 検知部
26 判定処理部
27 判定部
60 試薬庫
61 試薬ケース
62 蓋
63 カバー
64 冷却器
70 第1試薬ラック
71 保持体
72 仕切り板
80 リーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料及び試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、
前記試薬が収容された試薬容器を格納する試薬庫内に配置され、前記試薬容器を移動可能に保持する試薬ラックと、
前記試薬庫外に配置され、前記試薬ラックに保持された前記試薬容器に記されるバーコードを読み取る読み取り手段と、
前記試薬ラックに配置された判定用シンボルを撮像して画像データを生成する前記読み取り手段に含まれる撮像手段と、
前記撮像手段により生成された画像データに基づいて、前記読み取り手段により前記バーコードを読み取ることができるか否かを判定する判定手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
前記試薬庫には、開口部及びこの開口部を塞ぐカバーが設けられ、
前記読み取り手段は、前記バーコードを、前記カバーを通して読み取り、
前記撮像手段は、前記判定用シンボルを、前記カバーを通して撮像するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項3】
前記判定用シンボルは、前記バーコードの構成単位であるセルを白又は黒一色にし、一色にした白及び黒のセルを交互に並べた模様を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
前記判定用シンボルは、前記試薬容器と略同じ形状であり、略同じ寸法を有するシンボル本体における前記試薬容器の前記バーコードが記されるバーコードエリアに対応するシンボルエリアに配置され、
前記シンボル本体は、前記試薬ラックにより前記試薬容器の保持が可能な保持位置の内の予め設定された位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項5】
前記判定用シンボルは、前記試薬ラックにより保持される隣合せの前記試薬容器の間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項6】
前記試薬を前記試薬ラックに保持された前記試薬容器内から吸引して前記反応容器内に吐出する分注を行う試薬分注プローブを有し、
前記試薬分注プローブは、前記バーコードの読み取りが不可能であると判定された場合、前記バーコードが記された前記試薬容器内の試薬の分注を停止するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項7】
前記バーコードの読み取りが不可能であると判定された場合、その判定結果を出力する出力手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記撮像手段は、前記試薬の分注に先立ち、前記判定用シンボルの撮像を行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記試料及び試薬の分注動作を一時停止させる入力、及び一時停止させた前記試料及び試薬の分注動作を再開させる入力が可能な操作手段を有し、
前記撮像手段は、前記操作手段からの前記試薬の分注動作を再開させる入力に応じて、前記試薬の分注の再開に先立ち、前記判定用シンボルの撮像を行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかにに記載の自動分析装置。
【請求項10】
前記バーコードは、前記試薬容器に収容された試薬を識別する試薬情報を示したものであり、
前記読み取り手段は、前記撮像手段及びこの撮像手段による前記バーコードの撮像により生成される画像データを処理して前記試薬情報に変換する画像処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
【請求項11】
試料及び試薬を反応容器に分注して、その混合液を測定する自動分析装置において、
前記試料が収容された試料容器を格納する試料庫内に配置され、前記試料容器を移動可能に保持する試料ラックと、
前記試料庫外に配置され、前記試料ラックに保持された前記試料容器に記されるバーコードを読み取る読み取り手段と、
前記試料ラックに配置された判定用シンボルを撮像して画像データを生成する前記読み取り手段に含まれる撮像手段と、
前記撮像手段により生成された画像データに基づいて、前記読み取り手段により前記バーコードを読み取ることができるか否かを判定する判定手段とを
備えたことを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−99834(P2011−99834A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256470(P2009−256470)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】