説明

自動変速機

【課題】入力軸回転数センサが故障しても、別の正常なセンサ等を使用して、車両の走行を継続できるようにした自動変速機を提供する。
【解決手段】第1入力軸回転数センサ93aおよび第2入力軸回転数センサ93bの故障を検出する故障検出部(S100)と、故障検出部によって入力軸回転数センサの一方の故障が検出された場合には、シフト機構71〜74によるギヤチェンジ中におけるシフトアクチュエータ80に加えた電流値より求められる入力軸31a、31bの回転数変化速度ΔNiに基づいて、入力軸の回転数を算出する回転数算出手段(S312)とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力軸回転数センサが故障しても、別の正常なセンサ等を使用して、車両の走行を継続できるようにした自動変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用変速機の一種に、2つのクラッチをもつデュアルクラッチと、これらクラッチに接続された2つの入力軸と、一方の入力軸に伝達された回転駆動力を変速して奇数変速段を成立させるとともに、他方の入力軸に伝達された回転駆動力を変速して偶数変速段を成立させるシフト機構とを備えたデュアルクラッチ式自動変速機がある。かかる自動変速機は、2つのクラッチで係合切替を操作することによりトルクが途切れないようにして変速操作を行えるという利点がある。この種のデュアルクラッチ式自動変速機として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−196745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デュアルクラッチ式自動変速機においては、2つの入力軸の回転数を検出する2つの回転数センサが設けられ、変速時にエンジンの回転数が入力軸の回転数に等しくなると、一方のクラッチが係合制御されるようになっている。このため、入力軸の回転数を検出する回転数センサの1つでも故障すると、変速制御が行えなくなり、走行ができなくなる。
【0005】
本発明は上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、回転数センサが故障しても、別の正常なセンサ等を使用して、車両の走行を継続できるようにした自動変速機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、同心に配置された第1入力軸および第2入力軸と、原動機の回転駆動力を前記第1入力軸に伝達する第1クラッチと前記回転駆動力を前記第2入力軸に伝達する第2クラッチとを有するデュアルクラッチと、前記第1入力軸の回転数を検出する第1入力軸回転数センサ、および前記第2入力軸の回転数を検出する第2入力軸回転数センサと、シフトアクチュエータを有し、前記第1入力軸に伝達された前記回転駆動力を変速して奇数変速段を成立させるとともに、前記第2入力軸に伝達された前記回転駆動力を変速して偶数変速段を成立させるシフト機構と、前記第1入力軸回転数センサおよび前記第2入力軸回転数センサの故障を検出する故障検出部と、前記故障検出部によって前記入力軸回転数センサの一方の故障が検出された場合には、前記シフト機構によるギヤチェンジ中における前記シフトアクチュエータに加えた電流値より求められる前記入力軸の回転数変化速度に基づいて、前記入力軸の回転数を算出する回転数算出手段とを備えたことである。
【0007】
請求項2に係る発明の特徴は、車両に搭載された原動機と、前記原動機の駆動軸によって回転される入力軸の回転を複数段の変速比に変速して前記車両の駆動輪に伝達する変速装置と、前記原動機の駆動軸と前記変速装置の入力軸とを係脱するクラッチと、前記入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサと、前記車両の速度を検出する車速検出手段と、シフトアクチュエータを有し、前記入力軸に伝達された回転を変速して複数の変速段を成立させるシフト機構と、前記入力軸回転数センサの故障を検出する故障検出部と、前記故障検出部によって前記入力軸回転数センサの故障が検出された場合には、前記シフト機構によるギヤチェンジ中における前記シフトアクチュエータに加えた電流値より求められる前記入力軸の回転数変化速度に基づいて、前記入力軸の回転数を算出する回転数算出手段とを備えたことである。
【0008】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記回転数算出手段は、前記入力軸の回転数変化速度に基づいて、一定時間毎に回転数を予測し、この予測値に、前記正常な入力軸回転数センサあるいは前記車速検出手段を用いて算出したシフト開始時の前記入力軸の回転数を加算して、前記入力軸の回転数を算出するようにしたことである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、第1入力軸回転数センサおよび第2入力軸回転数センサの故障を検出する故障検出部と、故障検出部によって入力軸回転数センサの一方の故障が検出された場合には、シフト機構によるギヤチェンジ中におけるシフトアクチュエータに加えた電流値より求められる入力軸の回転数変化速度に基づいて、入力軸の回転数を算出する回転数算出手段を備えている。
【0010】
この構成により、デュアルクラッチ式自動変速機における2つの入力軸の回転数を検出する2つの入力軸回転数センサの一方が故障した場合でも、ギヤチェンジ中における故障側の入力軸の回転数を、回転数変化速度に基づいて予測することができ、入力軸の回転数を算出することができる。
【0011】
従って、例えば、3速変速段で走行している状態において、4速変速段にプレシフトされ、その状態で、3速から5速変速段にギヤチェンジする場合においても、シフト開始時における故障センサ側の入力軸の回転数を、正常な入力軸回転数センサを用いてギヤ比を考慮して算出し、かつギヤチェンジ中における故障側の入力軸の回転数を、その回転数変化速度に基づいて予測することにより、シフト開始時に算出した入力軸の回転数と、ギヤチェンジ中に予測した入力軸の回転数を加算して、ギヤチェンジ中における入力軸の回転数を算出することができる。これにより、一方の入力軸回転数センサが故障していても、故障センサ側の入力軸と変速段ギヤとを同期できるようになり、センサ故障時においても車両の走行を継続させることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、入力軸回転数センサの故障を検出する故障検出部と、故障検出部によって入力軸回転数センサの故障が検出された場合には、シフト機構によるギヤチェンジ中におけるシフトアクチュエータに加えた電流値より求められる入力軸の回転数変化速度に基づいて、入力軸の回転数を算出する回転数算出手段を備えている。
【0013】
この構成により、AMTのような自動変速機における1つの入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサが故障した場合においても、ギヤチェンジ中における入力軸の回転数を、回転数変化速度に基づいて予測することにより、入力軸の回転数を算出することができる。
【0014】
従って、シフト開始時における故障側の入力軸の回転数を、車速検出手段を用いてギヤ比を考慮して算出し、かつギヤチェンジ中における入力軸の回転数を、回転数変化速度に基づいて予測することにより、シフト開始時に算出した入力軸の回転数と、ギヤチェンジ中に予測した入力軸の回転数を加算して、ギヤチェンジ中における入力軸の回転数を算出することができ、入力軸と変速段ギヤとを同期させることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、回転数算出手段は、入力軸の回転数変化速度に基づいて、一定時間毎に回転数を予測し、この予測値に、正常な入力軸回転数センサあるいは車速検出手段を用いて算出したシフト開始時の入力軸の回転数を加算して、入力軸の回転数を算出するようにしたので、入力軸回転数センサが故障した場合には、デュアルクラッチ式自動変速機においては、正常な入力軸回転数センサを用いて、また、AMTのような自動変速機においては、車速検出手段を用いて、入力軸と変速段ギヤとを同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係るデュアルクラッチ式自動変速機を搭載した車両を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すデュアルクラッチ式自動変速機の全体構造を示すスケルトン図である。
【図3】ギヤシフトクラッチを示す断面図である。
【図4】シフトアクチュエータ機構を示す概略図である。
【図5】変速時のタイムチャートを示す図である。
【図6】ギヤチェンジのフローチャートを示す図である。
【図7】図6のステップS300の詳細を示すフローチャートである。
【図8】本発明の別の実施の形態に係るギヤチェンジのフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、自動変速機の一例としてのデュアルクラッチ式自動変速機(DCT)10を、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプの車両に適用したブロック図である。当該車両は、デュアルクラッチ式自動変速機10の他、原動機の一例であるガソリンの燃焼によって駆動されるエンジン11と、差動装置(ディファレンシャル)13と、左右駆動軸15a、15bと、駆動輪としての左右前輪16a、16bなどを備えている。
【0018】
エンジン11の回転数Neは、エンジン11の駆動軸12に近接して設けられたエンジン回転数センサ90によって検出される。アクセルペダル91を踏み込んだときのアクセル操作量は、アクセル開度センサ92によってアクセル開度として検出される。エンジン11の作動を制御するECU(Engine Control Unit)14は、エンジン回転数Neの情報、アクセル開度の情報、および自動変速機10を変速制御するTCU(Transmission Control Unit)23からの各種情報を取得し、これらの情報に基づいて、アクセル開度や燃料噴射量を制御することにより、エンジン制御部14aによって、エンジン回転数Neやエンジントルクを制御する。
【0019】
自動変速機10は、エンジン11と差動装置13の間の動力伝達経路上に配設され、第1および第2入力軸31a、31bの回転を複数段の変速比に変速して左右前輪16a、16bに伝達する変速装置17と、エンジン11の駆動軸12と変速装置17の各入力軸31a、31bとを係脱するクラッチ20を備えている。クラッチ20は、エンジン11から出力される駆動軸12の駆動トルクを、第1入力軸31aに伝達する第1クラッチ20aと、第2入力軸31bに伝達する第2クラッチ20bを有するデュアルクラッチにて構成されている。
【0020】
第1入力軸31aおよび第2入力軸31bの回転数Ni1、Ni2は、第1入力軸回転数センサ93aおよび第2入力軸回転数センサ93bによってそれぞれ検出される。左右の前輪16a、16bおよび左右の後輪(図示せず)の車輪速度は、車輪速センサ94a、94bによって検出され、これらの情報は、TCU23に送られる。車輪速センサ94a、94bによって検出された各車輪の回転速度に基づいて、車速(車両速度)が算出される。
【0021】
また、ドライバがシフトレバー95を操作したときシフト位置の情報は、シフト位置センサ96によって検出される。ECU14とTCU23は、CAN(Controller Area Network)通信によって相互に情報を交換可能となっている。TCU23は、変速制御部23aを備えている。変速制御部23aは、シフト位置センサ96によって検出されたシフト位置の情報、ECU14からの変速指令や取得した車両情報などに基づいて、複数の変速ギヤ段を切替えるとともに、第1クラッチ20aおよび第2クラッチ20bを係脱して、自動変速機10の変速制御を行う。
【0022】
デュアルクラッチ20の第1および第2クラッチ20a,20bは、乾式摩擦クラッチからなっている。第1クラッチ20aは、モータを駆動源とする第1のクラッチアクチュエータ25aによって係合制御されるようになっており、第2クラッチ20bは、モータを駆動源とする第2のクラッチアクチュエータ25bによって係合制御されるようになっている。第1および第2のクラッチアクチュエータ25a、25bは、クラッチアクチュエータ25a、25bのストローク量をそれぞれ検出するストロークセンサ26a、26bを有している。第1および第2クラッチ20a,20bのクラッチトルクTcは、クラッチアクチュエータ25a、25bのストローク量に応じて制御される。
【0023】
デュアルクラッチ式自動変速機10は、図2に示すように、前進7速、後進1速のギヤトレーンを備えている。デュアルクラッチ式自動変速機10は、デュアルクラッチ20と、第1入力軸31aおよび第2入力軸31bと、第1副軸35および第2副軸36を備えている。第1入力軸31aは棒状とされ、第2入力軸31bは筒状とされて、同軸的に回転可能に配置されている。第1入力軸31aの図中左側はデュアルクラッチ20の第1クラッチ20aに連結され、第2入力軸31bの図中左側はデュアルクラッチ20の第2クラッチ20bに連結されている。第1入力軸31aと第2入力軸31bは、独立してトルクが伝達され、異なる回転数で回転可能となっている。第1副軸35は、入力軸31a、31bと並行して、図中下側に配置され、第2副軸36は、入力軸31a、31bと並行して、図中上側に配置されている。
【0024】
第1入力軸31aには、複数の奇数変速段駆動ギヤである1速駆動ギヤ51、3速駆動ギヤ53、5速駆動ギヤ55および7速駆動ギヤ57が直接形成または別体で固定して設けられている。第2入力軸31bには、複数の偶数変速段駆動ギヤである2速駆動ギヤ52、4−6速駆動ギヤ54が直接形成または別体で固定して設けられている。
【0025】
第1副軸35には、1速、3速、4速従動ギヤ61、63、64がそれぞれ遊転可能に設けられ、1速従動ギヤ61は1速駆動ギヤ51に、3速従動ギヤ63は3速駆動ギヤ53に、4速従動ギヤ64は4−6速駆動ギヤ54に、それぞれ噛合されている。
【0026】
第2副軸36には、2速、5速、6速、7速従動ギヤ62、65、66、67がそれぞれ遊転可能に設けられ、2速従動ギヤ62は2速駆動ギヤ52に、5速従動ギヤ65は5速駆動ギヤ55に、6速従動ギヤ66は4−6速駆動ギヤ54に、7速従動ギヤ67は7速駆動ギヤ57に、それぞれ噛合されている。
【0027】
また、第1副軸35には、後進ギヤ70が遊転可能に設けられ、後進ギヤ70は、2速従動ギヤ62の小径ギヤ62bに常時噛合されている。
【0028】
第1副軸35および第2副軸36上には、シンクロメッシュ機能を有する第1、第2、第3、第4ギヤシフトクラッチ71〜74が設けられ、これらギヤシフトクラッチ71〜74は、TCU23の変速制御部によって選択的に作動される。
【0029】
第1ギヤシフトクラッチ71は、第1副軸35上に設けられ、1速従動ギヤ61のシンクロギヤ部と3速従動ギヤ63のシンクロギヤ部との間に配設されている。第1ギヤシフトクラッチ71のスリーブを軸方向にスライドすることにより、1速従動ギヤ61および3速従動ギヤ63の一方と第1副軸35とが相対回転不能に連結され、中間位置ではどちらの従動ギヤ61、63とも連結されないニュートラル状態となるように構成されている。
【0030】
同様にして、第1副軸35上に設けられた第2ギヤシフトクラッチ72は、4速従動ギヤ64のシンクロギヤ部と後進ギヤ70のシンクロギヤ部との間に配設され、第2ギヤシフトクラッチ72のスリーブを軸方向にスライドすることにより、4速従動ギヤ64および後進ギヤ70の一方と第1副軸35とが相対回転不能に連結される。第2副軸36上に設けられた第3ギヤシフトクラッチ73は、7速従動ギヤ67のシンクロギヤ部と5速従動ギヤ65のシンクロギヤ部との間に配設され、第3ギヤシフトクラッチ73のスリーブを軸方向にスライドすることにより、7速従動ギヤ67および5速従動ギヤ65の一方と第2副軸36とが相対回転不能に連結される。さらに、第2副軸36上に設けられた第4ギヤシフトクラッチ74は、6速従動ギヤ66のシンクロギヤ部と2速従動ギヤ62のシンクロギヤ部との間に配設され、第4ギヤシフトクラッチ74のスリーブを軸方向にスライドすることにより、6速従動ギヤ66および2速従動ギヤ62の一方と第2副軸36とが相対回転不能に連結される。
【0031】
第1副軸35および第2副軸36には、それぞれ最終減速駆動ギヤ58および最終減速駆動ギヤ59が固定され、これら最終減速駆動ギヤ58、59は、差動装置13(図1参照)に連結された軸33上の減速従動ギヤ77に常時噛合されている。これにより、最終減速駆動ギヤ58および最終減速駆動ギヤ59を介して左右前輪16a、16bが駆動される。
【0032】
上記したギヤシフトクラッチ71〜74は、図3の第1ギヤシフトクラッチ71の例で示すように、クラッチハブ71aと、第1速係合部材71bと、第3速係合部材71cと、一対のシンクロナイザリング71d、71dと、スリーブ71fとにより構成されている。クラッチハブ71aは、1速従動ギヤ61と3速従動ギヤ63との軸方向間において第1副軸35にスプライン係合により固定されている。第1速係合部材71bおよび第3速係合部材71cは、1速従動ギヤ61および3速従動ギヤ63のそれぞれに圧入等によって固定されている。スリーブ71fは、クラッチハブ71aの外周に軸方向移動自在にスプライン係合されている。シンクロナイザリング71d、71dは、クラッチハブ71aと第1速係合部材71bおよび第3速係合部材71cとの各間にそれぞれ配置されている。シンクロナイザリング71d、71dの内周にはテーパ面が形成され、このテーパ面に対応した傾斜面が第1速係合部材71bおよび第3速係合部材71cの外周に形成されている。そして、いずれか一方のシンクロナイザリング71dが軸方向にシフトされて、第1速係合部材71bあるいは第3速係合部材71cに押付けられることにより、テーパ面が傾斜面に接触し、同期トルクが伝達されるようになっている。
【0033】
第1ギヤシフトクラッチ71のスリーブ71fは、図3に示す中立位置では第1速係合部材71bおよび第3速係合部材71cの何れにも係合されていない。スリーブ71fの外周に形成された環状溝に係合するシフトフォーク71gにより、スリーブ71fが1速従動ギヤ61側にシフトされれば、スリーブ71fはまずシンクロナイザリング71dにスプライン係合して、第1副軸35と1速従動ギヤ61の回転を同期させ、次いで、スリーブ71fは第1速係合部材71bの外周の外歯スプラインと係合し、第1副軸35と1速従動ギヤ61を一体的に連結して1速変速段を形成する。また、シフトフォーク71gにより、スリーブ71fが3速従動ギヤ63側にシフトされれば、同様にして第1副軸35と3速従動ギヤ63の回転を同期させた後、この両者を一体的に連結して3速変速段を形成する。
【0034】
図4に示すように、シフトフォーク71gを軸方向にシフトさせるシフトアクチュエータ80は、ウォームギヤ81を回転するモータ82、ウォームギヤ81に噛合するウォームホイール83、ウォームホイール83に一体的に連結されたピニオンギヤ84、ピニオンギヤ84に噛合するラック軸85を備えており、ラック軸85上に上記したシフトフォーク71gが設けられている。これにより、シフトアクチュエータ80のモータ82を回転することで、そのモータ82に連結されたシフトフォーク71gが軸方向にシフトされる。シフトフォーク71gのストローク量は、シフトストロークセンサ87によって検出される。
【0035】
これにより、シフトストロークセンサ87にて検出されるシフトストロークに基づいて、ギヤシフトクラッチ71〜74の各スリーブ71fが、ボーク点(スリーブ71fとシンクロナイザリング71dとの噛合い開始点)P1(図5参照)およびストッパ点(ストロークエンド)P3に到達したことを検出できる。
【0036】
第2ギヤシフトクラッチ72〜第4ギヤシフトクラッチ74についても、前記したと同様に構成されているので、説明を省略する。
【0037】
上記した第1および第3ギヤシフトクラッチ71、73により、エンジン11の駆動軸12より第1入力軸31に伝達された回転駆動力を変速して奇数変速段を成立させるシフト機構を構成し、第2および第4ギヤシフトクラッチ72、74により、同じく第2入力軸31bに伝達された回転駆動力を変速して偶数変速段を成立させるシフト機構を構成している。
【0038】
第1および第2入力軸回転数センサ93a、93bによって検出された第1および第2入力軸31a、31bの回転数は、TCU23によって常時モニタリングされ、第1および第2入力軸回転数センサ93a、93bが故障すると、後述する故障検出部によってセンサ故障が検出されるようになっている。なお、センサ故障は、入力軸回転数センサ93a、93b自体の故障の他、信号線の断線あるいは短絡等を含む。
【0039】
上記した自動変速機10の変速装置17およびデュアルクラッチ20は、アクセル開度、エンジン11の駆動軸12の回転数Ne、自動変速機10の両入力軸31a、31bの回転数Ni1、Ni2、車速などの車両の走行状態に応じて、TCU23の変速制御部23aからの指令に基づいて作動される。車両の停止状態においては、変速装置17の第1〜第4ギヤシフトクラッチ71〜74は中立位置にあり、デュアルクラッチ20の第1および第2クラッチ20a、20bの係合は共に解除されている。
【0040】
今、例えば、3速変速段で走行している状態において、4速変速段にプレシフトされ、その後、アクセル開度が増大するなどして車両の走行状況が5速走行に適した状態になると、TCU23の変速制御部23aは、3速から5速変速段にギヤチェンジする指令を自動変速機10に送る。
【0041】
これに基づいて、第1ギヤシフトクラッチ71のシフトアクチュエータ80によって、スリーブ71fが図2の右方向に作動され、3速従動ギヤ63と第1副軸35との連結が解除されるとともに、第1クラッチ20aが切り離される。同時に、第3ギヤシフトクラッチ73のシフトアクチュエータ80によって、スリーブ71fが図2の左方向に作動され、5速従動ギヤ65を第2副軸36に連結するように作動する。この際、第1入力軸31aの回転数を検出する第1入力軸回転数センサ93aが故障していると、ギヤチェンジ中における第1入力軸31aの回転数を検出することができなくなるため、車輪16a、16b側より3速変速段に応じた回転数で回転されている第2副軸36と、5速従動ギヤ65との同期をとれなくなる。
【0042】
そこで、本実施の形態においては、図5のタイムチャートで示すように、ギヤチェンジ中における第1入力軸31aの回転数Ni1を予測することにより、第2副軸36(スリーブ71f)と5速従動ギヤ65との同期をとれるようにしている。
【0043】
すなわち、今、4速にプレシフトされている状態において、3速から5速への変速指令が発せられたとすると、第3ギヤシフトクラッチ73のシフトアクチュエータ80のモータ82に一定の電流値Im1が供給され、シフトフォーク71gによってスリーブ71fが図2の左方向にシフトされる。この際、第1入力軸31aの回転数Ni1を検出する第1入力軸回転数センサ93aがたとえ故障していても、4速へのプレシフトによって、4速従動ギヤ64が第1副軸35に連結され、これによって、第2入力軸31bが第1入力軸31aの回転に連動して回転されているため、シフト開始時の第1入力軸31aの回転数Ni1は、第2入力軸回転数センサ93bによって検出された第2入力軸31bの回転数Ni2に、所定のギヤ比を掛けることによって計算で求めることができる。
【0044】
第3ギヤシフトクラッチ73のスリーブ71fが所定量シフトされると、シフトストロークセンサ87によって検出されるシフトストロークに基づいて、ボーク点P1(図5参照)に到達したことが検出される。ボーク点P1に到達すると、スリーブ71fがシンクロナイザリング71dに押付けられ、シンクロナイザリング71dを介して5速従動ギヤ65に同期トルクが伝達される結果、モータ82に作用する押付け荷重(トルク)が増大するとともに、惰性で回転している5速従動ギヤ65、延いては第1入力軸31aの回転数Ni1は急激に低下する。
【0045】
ここで、モータ82に作用するトルク(押付力荷重)T0は、慣性の法則より、式T0=In・ΔNiで求められる。なお、Inは、第1入力軸31aのイナーシャトルク、ΔNiは、第1入力軸31aの回転数を微分した回転数変化速度である。
【0046】
上記式より、回転数変化速度ΔNiは、モータ82に作用するトルクT0をイナーシャトルクInで除算する(ΔNi=T0/In)ことによって求めることができるため、回転数変化速度ΔNiは、モータ82に作用するトルクT0に応じた値となる。すなわち、図5における第1入力軸31aの回転数Ni1の変化速度(勾配ΔNi)は、モータ82に加えた電流値Im1に応じたものとなる。
【0047】
このため、シフト開始時の第1入力軸31aの回転数Ni1が第2入力軸回転数センサ93bを用いて予め算出されているため、ギヤチェンジ中の第1入力軸31aの回転数Ni1を、回転数変化速度ΔNiに基づいて一定時間Δt経過毎に予測し、これにシフト開始時の回転数Ni1を加算することにより、現在の第1入力軸31aの回転数Ni1を算出(推定)することができる。具体的には、前回算出した回転数Nibに、回転数変化速度ΔNiから求めた一定時間Δt後の回転数の増分(ΔNi×Δt)を加算(Nib+ΔNi×Δt)して、第1入力軸31aの回転数Ni1を算出する。
【0048】
このようにして求めた第1入力軸31aの回転数Ni1が、5速変速段に応じた回転数まで低下され、第1入力軸31aの回転が車輪16a、16b側より回転される第2副軸36の回転数に同期する(図5のP2点)と、スリーブ71fが5速従動ギヤ65側に噛合うことで、相対回転はなくなり、同期が終了されたことになる。
【0049】
なお、第1入力軸31aと第2副軸36の回転が同期した状態で、シフトアクチュエータ80のモータ82に加える電流値を増大することにより、シフト操作を迅速かつ確実に行えるようにしている。
【0050】
次に、第1および第2入力軸回転数センサ93a、93bのいずれか一方が故障した場合のシフト操作の制御プログラムを、図6および図7のフローチャートに基づいて説明する。以下においては、第1入力軸回転数センサ93aが故障し、かつ車両が3速で走行中に4速へプレシフトされ、その状態で5速にギヤチェンジする場合の動作について説明する。
【0051】
図6において、ステップS100では、第1入力軸回転数センサ93aおよび第2入力軸回転数センサ93bのいずれか一方が故障しているか否かが判定される。両入力軸回転数センサ93a、93bが共に正常であると判定された場合には、ステップS200に移行し、第1および第2入力軸回転数センサ93a、93bで検出した回転数Ni1、Ni2に基づいて、ギヤチェンジする処理を実行する。
【0052】
一方、ステップS100において、例えば、第1入力軸回転数センサ93aが故障していると判定された場合には、ステップS300に移行し、正常な第2入力軸回転数センサ93bを用いて第1入力軸31aの回転数を算出して、ギヤチェンジする処理を実行する。
【0053】
ステップS200の処理は従来と同じであるので、説明を省略し、以下、ステップS300の処理について、図7を参照して説明する。
【0054】
まず、ステップS302において、5速への変速が指令されたか否かが判定される。ステップS302において、5速への変速が指令されたことが判定されると、第1ギヤシフトクラッチ71のシフトアクチュエータ80(図3参照)によって、スリーブ71fが図2の右方向に作動され、スリーブ71fと3速従動ギヤ63との連結が解除されるとともに、第1クラッチ20aが切り離される。同時に、第3ギヤシフトクラッチ73のシフトアクチュエータ80のモータ82に所定の電流値Im1が加えられ、スリーブ71fが5速従動ギヤ65に向かって図2の左方向にシフトされる。
【0055】
このようにして、ステップS304において、変速のためのシフトが開始されたことが判定されると、次いで、ステップS306において、スリーブ71fがボーク点(同期動作の開始点)P1に到達したか否かが判定される。スリーブ71fがボーク点P1に到達したか否かは、シフトストロークセンサ87によって検出されるシフトストロークに基づいて判断される。ボーク点P1に到達すると、スリーブ71fがシンクロナイザリング71dに押付けられ、シンクロナイザリング71dを介して5速従動ギヤ65を介して第1入力軸31aに同期トルクが伝達されるため、第1入力軸31aの回転数Ni1は急激に低下する。
【0056】
次いで、ステップS308において、モータ82に加えた電流値Im1より、荷重(モータトルク)T0を算出するとともに、続くステップS310において、加えた電流値Im1より第1入力軸31aの回転数変化速度ΔNiを、上記した式(ΔNi=T0/In)に基づいて算出する。
【0057】
すなわち、モータ82に加えた電流値Im1に応じたモータトルクT0によって、第1入力軸31aが、図5に示すように、ステップS310で算出された回転数変化速度(加減速度)ΔNiで減速される。次いで、ステップS312において、前回算出した回転数Nibに、回転数変化速度ΔNiから求めた一定時間Δt後の回転数の増分(ΔNi×Δt)を加算(Nib+ΔNi×Δt)して、第1入力軸31aの回転数Ni1を算出する。言い換えれば、シフト開始時に第2入力軸回転数センサ93bを用いて算出した第1入力軸31aの回転数Ni1に、Δt時間毎に予測した第1入力軸31aの回転数Ni1を加算して、第1入力軸31aの回転数Ni1を算出(推定)する。
【0058】
次いで、ステップS314において、ステップS312で算出された第1入力軸31aの回転数Ni1が、3速によって走行されていた車両速度に応じた回転速度で回転される第2副軸36の回転数に同期した(図5のP2点)か否かが判定される。同期していない場合には、上記したステップS308に戻り、ステップS308〜ステップS314の処理を繰り返す。
【0059】
そして、ステップS314で同期したことが判定されると、ステップS316に移行し、シフトアクチュエータ80のモータ82に加える電流値が増大されて、スリーブ71fが5速従動ギヤ65に噛合され、同期動作が終了される。
【0060】
次いで、ステップS314において、シフトストロークがストッパ点P3に到達したか否かが判定され、ストッパ点P3に到達したことが判定されると、シフト操作が完了する。
【0061】
上記したステップS100により、入力軸回転数センサ93a、93bの故障を検出する故障検出部を構成し、上記したステップS312により、入力軸回転数センサ93a、93bの一方の故障が検出された場合に、正常な入力軸回転数センサを用いて、入力軸の回転数を算出する回転数算出手段を構成している。
【0062】
上記においては、第1入力軸回転数センサ93aが故障した場合について説明したが、第2入力軸回転数センサ93bが故障した場合においても、例えば、2速変速段で走行している状態において、3速変速段にプレシフトされ、その状態で、2速から4速変速段にギヤチェンジする場合においても、ギヤチェンジ中の第2入力軸31bの回転数変化速度ΔNiに基づいて第2入力軸31bの回転数を予測することができるので、上記した同様なギヤチェンジが可能となる。
【0063】
なお、所定の変速段から1段上の変速段にシフトアップされる場合や、反対に所定の変速段から1段下の変速段にシフトダウンされる場合には、切断状態にあるクラッチ側の入力軸の回転が通常停止されているため、一方の入力軸回転数センサが故障していても、シフト開始時の回転数を0にして、上記したと同様にギヤチェンジ中における故障側の入力軸の回転数を予測できるようになる。
【0064】
上記した実施の形態によれば、2つの入力軸回転数センサ93a、93bの一方、例えば、第1入力軸回転数センサ93aが故障した場合に、ギヤチェンジ中における第1入力軸31aの回転数変化速度に基づいて、第1入力軸31aの回転数を算出する回転数算出手段(ステップS312)を有している。
【0065】
これにより、例えば、3速変速段で走行している状態において、4速変速段にプレシフトされ、その状態で、3速から5速変速段にギヤチェンジする場合においても、シフト開始時における故障側の第1入力軸31aの回転数を、正常な第2入力軸回転数センサ93bを用いてギヤ比を考慮して算出することができ、かつギヤチェンジ中における第1入力軸31aの回転数を、第1入力軸31aの回転数変化速度に基づいて予測することができる。
【0066】
従って、シフト開始時に算出した第1入力軸31aの回転数と、ギヤチェンジ中に予測した第1入力軸31aの回転数を加算することにより、ギヤチェンジ中における第1入力軸31aの回転数を算出することができる。この結果、第1入力軸回転数センサ93aが故障していても、第1入力軸31a(副軸36)と5速変速段ギヤ(5速従動ギヤ65)とを同期させることができるようになり、センサ故障時においても車両の走行を継続させることができる。
【0067】
上記した実施の形態においては、デュアルクラッチ式自動変速機10の2つの入力軸回転数センサ93a、93bの一方が故障した場合に、他方の正常なセンサを用いて、故障した側の入力軸の回転数を予測しながら、シフトチェンジするようにしたが、自動変速機10はデュアルクラッチ式自動変速機に限定されるものではなく、例えば、特開2008−75814号公報に記載されているように、既存のマニュアルトランスミッションにアクチュエータを取付け、運転者の意思、若しくは車両状態によって、変速操作(クラッチの断接、ギヤシフト、およびセレクト)を自動的に行なう自動変速機(AMT(オートメイテッドマニュアルトランスミッション))に適用することも可能である。
【0068】
図8は、AMTに適用した場合のフローチャートを示すもので、この場合には、単一のクラッチに連結された入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサが故障した場合、車速情報を用いて、上記したと同様に、入力軸の回転数を予測することができる。
【0069】
すなわち、ギヤシフトクラッチの変速段が成立されている状態においては、車輪16a、16b側と入力軸とが変速段ギヤを介して連結されるため、各変速段ギヤのギヤ比を考慮すれば、車速情報に基づいて入力軸の回転数を算出することが可能である。従って、入力軸回転数センサが故障した場合には、図8のフローチャートのステップS300aで示すように、ギヤチェンジ中、車速検出手段にて検出された車速情報を用いて、上記したと同様に、入力軸の回転数変化速度に基づいて入力軸の回転数を予測することにより、ギヤチェンジ中における入力軸と変速段ギヤとの回転数が同期したことを推定できるようになる。なお、車速検出手段は、車輪速センサ94a、94bによって検出された各車輪の回転速度に基づいて算出するようにしても、あるいはセンサによって直接検出するようにしてもよい。
【0070】
また、上記した実施の形態においては、FFタイプの車両に好適な自動変速機10を例にして説明したが、FR(フロントエンジンリヤドライブ)タイプの車両にも適用することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係る自動変速機は、原動機の駆動軸と変速装置の入力軸とを係脱するクラッチと、入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサを有する自動変速機を備えた車両に用いるのに適している。
【符号の説明】
【0073】
10…自動変速機、11…原動機(エンジン)、17…変速装置、20…クラッチ、25…クラッチアクチュエータ、31…入力軸、71〜74…シフト機構、93a…第1入力軸回転数センサ、93b…第2入力軸回転数センサ、S100、S100…故障検出部、S312…回転数算出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心に配置された第1入力軸および第2入力軸と、
原動機の回転駆動力を前記第1入力軸に伝達する第1クラッチと前記回転駆動力を前記第2入力軸に伝達する第2クラッチとを有するデュアルクラッチと、
前記第1入力軸の回転数を検出する第1入力軸回転数センサ、および前記第2入力軸の回転数を検出する第2入力軸回転数センサと、
シフトアクチュエータを有し、前記第1入力軸に伝達された前記回転駆動力を変速して奇数変速段を成立させるとともに、前記第2入力軸に伝達された前記回転駆動力を変速して偶数変速段を成立させるシフト機構と、
前記第1入力軸回転数センサおよび前記第2入力軸回転数センサの故障を検出する故障検出部と、
前記故障検出部によって前記入力軸回転数センサの一方の故障が検出された場合には、前記シフト機構によるギヤチェンジ中における前記シフトアクチュエータに加えた電流値より求められる前記入力軸の回転数変化速度に基づいて、前記入力軸の回転数を算出する回転数算出手段と、
を備えたことを特徴とする自動変速機。
【請求項2】
車両に搭載された原動機と、
前記原動機の駆動軸によって回転される入力軸の回転を複数段の変速比に変速して前記車両の駆動輪に伝達する変速装置と、
前記原動機の駆動軸と前記変速装置の入力軸とを係脱するクラッチと、
前記入力軸の回転数を検出する入力軸回転数センサと、
前記車両の速度を検出する車速検出手段と、
シフトアクチュエータを有し、前記入力軸に伝達された回転を変速して複数の変速段を成立させるシフト機構と、
前記入力軸回転数センサの故障を検出する故障検出部と、
前記故障検出部によって前記入力軸回転数センサの故障が検出された場合には、前記シフト機構によるギヤチェンジ中における前記シフトアクチュエータに加えた電流値より求められる前記入力軸の回転数変化速度に基づいて、前記入力軸の回転数を算出する回転数算出手段と、
を備えたことを特徴とする自動変速機。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記回転数算出手段は、前記入力軸の回転数変化速度に基づいて、一定時間毎に回転数を予測し、この予測値に、前記正常な入力軸回転数センサあるいは前記車速検出手段を用いて算出したシフト開始時の前記入力軸の回転数を加算して、前記入力軸の回転数を算出するようにした自動変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−83330(P2013−83330A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224764(P2011−224764)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(592058315)アイシン・エーアイ株式会社 (490)
【Fターム(参考)】