説明

自動形状調節機能を有する患者支持装置

【課題】デッキの頭部部分が上昇されるときデッキ上に支持されている患者の膝を上昇させるために自動形状調節機能を有する患者支持装置を提供する。
【解決手段】頭部部分42を昇降させることによって、少なくとも一つのドロップレール66がフレーム26に対して傾動するようになる。リンケージ400は、前記少なくとも一つのドロップレール66が傾動するとき前記座部部分44と前記大腿部分46とが実質的に平行なままであるような動作の第一モードを有している。前記リンケージ400は、前記少なくとも一つのドロップレール66が傾動するとき前記大腿部分46が前記座部部分44に対して傾動するような動作の第二モードを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に、可動な結合部のある患者支持デッキを有する、例えば病院ベッド又はストレッチャー等の患者支持装置に関するものである。さらに詳細には、本開示は、デッキの頭部部分が上昇されるときデッキ上に支持されている患者の膝を上昇させるために自動形状調節機能を有する患者支持装置に関している。
【背景技術】
【0002】
患者の頭部が上昇されるときに患者の膝も上昇されないと、患者はストレッチャーの足側端部の方に移動してしまいがちである。治療・介護者は、患者をストレッチャーの頭側端部の方へ戻すように再配置する必要がある場合があるが、これは、重い体重を有する患者の場合は特に困難な作業となり得る。頭部部分が上昇されるときにデッキの大腿部分の上昇を引き起こす自動形状調節機構を有するストレッチャーや病院ベッドが存在する。しかし、治療・介護者が頭部部分を上昇させるときに大腿部分を上昇させたくないような場合もある。ストレッチャーは、治療・介護者がデッキの頭部部分を上昇させることを助成し、また、頭部部分を所望の位置でロックするようなガススプリングを一つ以上有していることが多い。ガススプリングを有するストレッチャーでさえ、デッキ上に患者が支持されている状態で頭部部分を上昇させることは、体重の重い患者の場合、困難であることがある。
【0003】
「ストレッチャー」という用語をこの開示に渡って使用するが、この開示の教示は、例えば病院ベッド、撮像台、手術台、その他等、ストレッチャー以外の種類の患者支持装置に導入することも可能である。よって、この記載及び特許請求の範囲で使用する「患者支持装置」という用語には、例えばストレッチャー、病院ベッド、撮像台、手術台、その他等いかなる種類の患者支持装置も含まれるものと理解されたい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、単独で又はいかなる組み合わせでも特許可能な対象を備え得る、添付の特許請求の範囲で列挙されている特徴のうちの一つ以上を、又は以下の特徴又はこれらの組み合わせのうちの一つ以上を有している装置を備えている。
【0005】
本開示によると、患者支持装置は、フレームと、前記フレームに連結されて前記フレームに対して傾動可能な少なくとも一つのドロップレールと、共に傾動するように前記少なくとも一つのドロップレールによって支持されている座部部分と、大腿部分と、頭部部分が傾動されると前記少なくとも一つのドロップレールが傾動するように前記フレームに連結されて前記少なくとも一つのドロップレールに連結された頭部部分と、前記頭部部分に連結されて前記大腿部分に連結されたリンケージとを有していてもよい。前記リンケージは、前記少なくとも一つのドロップレールが傾動したとき前記座部部分と前記大腿部分とが実質的に平行なままであるような動作の第一モードを有していてもよい。前記リンケージは、前記少なくとも一つのドロップレールが傾動したとき前記大腿部分が前記座部部分に対して傾動するような動作の第二モードを有していてもよい。前記大腿部分は、少なくとも一部が前記少なくとも一つのドロップレールの上方に位置していてもよい。
【0006】
前記頭部部分が、第一軸を軸に回転動作可能に前記フレームに連結されていてもよい。前記少なくとも一つのドロップレールが、第二軸を軸に回転動作可能に前記フレームに連結されていてもよい。前記大腿部分が、前記第一軸と前記第二軸との間に位置する第三軸を軸に回転動作可能に前記座部部分に連結されていてもよい。足部部分が、第四軸を軸に回転動作可能に前記大腿部分に連結されていてもよい。前記第二軸が、前記第四軸の概ね下方に位置していてもよい。前記第一軸、前記第二軸、前記第三軸、前記第四軸は、前記フレームと前記デッキに対して横方向に延在していてもよい。
【0007】
前記頭部部分が、前記頭部部分が概ね水平であるような下降された位置から中間位置を経由して上昇された位置へと移動可能となっていてもよい。前記大腿部分が、前記頭部部分が前記下降された位置から前記中間位置へと移動するときに、前記少なくとも一つのドロップレールと概ね平行である第一位置から前記大腿部分が前記少なくとも一つのドロップレールに対して上昇されるような第二位置へと上方向に移動可能となっていてもよい。前記大腿部分が、前記頭部部分が前記中間位置から前記上昇された位置へと移動するときに、前記第二位置から前記少なくとも一つのドロップレールと平行である前記第一位置へと前記少なくとも一つのドロップレールに対して下方向に移動可能となっていてもよい。
【0008】
ある実施形態では、前記座部部分が前記少なくとも一つのドロップレールに固定されていてもよい。別の実施形態では、前記座部部分が、前記少なくとも一つのドロップレールに沿って平行移動可能に前記少なくとも一つのドロップレールによって支持されていてもよい。前記装置が、前記少なくとも一つのドロップレールが下方向に傾動されるとき前記座部部分を前記頭部部分から離れていく方向に前記ドロップレールに沿って移動させ、前記少なくとも一つのドロップレールが上方向に傾動されるとき前記座部部分を前記頭部部分に向かう方向に前記ドロップレールに沿って移動させるように前記フレームに連結されて前記座部部分に連結されたリンクを有していてもよい。
【0009】
前記少なくとも一つのドロップレールが、一対の横方向に離間されたドロップレールを備えていてもよい。各ドロップレールが、各ドロップレールが前記フレームと概ね平行である第一位置と下降された第二位置との間を移動可能となるように、回転動作可能に前記フレームに連結された足側端部を有していてもよい。各ドロップレールが、前記頭部部分の足側端部に連結された横方向に延在するピンが平行移動可能に受容されている長手方向に延在するスロットを有する頭側端部を有していてもよい。ローラーが前記ピンに連結されていてもよく、前記ドロップレールのそれぞれが上壁と前記上壁から下方向に延在する2つの側壁を有しており、これによって下方向に開放されているチャネルが各ドロップレールに、それぞれの上壁の下で、それぞれの対応する側壁の間で備えられるようになっていてもよい。ローラーが、前記ピンのそれぞれに連結されて、その対応するチャネル内に配置されていてもよい。前記ローラーが、前記ドロップレールを前記頭部部分に対して支持するために、前記ドロップレールそれぞれのその対応する上壁に接触していてもよい。
【0010】
前記リンケージが、前記フレームによって支持されているカムと、前記大腿部分と接触し前記カムと接触するローラーアセンブリとを備えていてもよい。前記頭部部分が昇降されると前記カムが前記フレームに沿って移動するように、前記カムが前記頭部部分に連結されていてもよい。前記カムが第一部分を有しており、前記頭部部分が前記下降された位置から前記中間位置へと移動するとき前記大腿部分を上昇させるために前記ローラーアセンブリがこの第一部分に沿って移動するようになっていてもよく、前記カムが第二部分を有しており、前記頭部部分が前記中間位置から前記上昇された位置へと移動するとき前記大腿部分を下降させるために前記ローラーアセンブリがこの第二部分に沿って移動するようになっていてもよい。前記カムの前記第二部分が、前記第一部分に対して傾斜していてもよい。
【0011】
前記ローラーアセンブリが、前記フレームの概ね水平なフレーム部材に対して概ね垂直な方向に移動できるように前記フレームに連結されていてもよい。前記ローラーアセンブリが、前記大腿部分の下側と係合するように配置された上部ローラーと、前記カムと係合するように配置された底部ローラーとを有していてもよい。前記リンケージが、前記頭部部分に連結されたハウジングと、前記ハウジングの内部に受容されているコイル把持ばねと、連結ロッドとを有する、例えばスプリングクラッチ等のロック可能な装置を備えていてもよい。前記連結ロッドが、前記把持ばね内部に受容されている第一部分と、前記カムに連結された第二部分とを有していてもよい。前記リンケージが前記第二モードにあるとき前記スプリングクラッチがロックされて、これにより前記把持ばねが前記連結ロッドの周囲を締め付けて前記頭部部分を前記カムに連結させるようになり、前記頭部部分が上昇されたとき前記大腿部分が前記少なくとも一つのドロップレールに対してまず上昇されてそれから下降されるようになっていてもよい。前記リンケージが前記第一モードにあるとき前記スプリングクラッチが解除されて、これにより前記把持ばねが前記連結ロッドに加えたその把持を緩めて前記頭部部分を前記カムから切り離すようになり、前記頭部部分を上昇させることを、前記大腿部分も一緒に前記少なくとも一つのドロップレールに対して昇降させるようなことなく、実行できるようになっていてもよい。
【0012】
前記装置が、前記頭部部分に連結されて、前記頭部部分を前記カムに連結させるために前記スプリングクラッチをロックするようなロック位置と、前記頭部部分を前記カムから切り離すために前記スプリングクラッチを解除するような解除位置との間を移動可能である少なくとも一つのハンドルを有していてもよい。バーが、長手方向に移動できるように前記少なくとも一つのハンドルに連結されていてもよい。前記少なくとも一つのハンドルが前記ロック位置と前記解除位置との間を動くことによって、前記バーが前記頭部部分の足側端部の方に近い第一位置と前記頭部部分の頭側端部の方に近い第二位置との間を動くようになっていてもよい。ケーブルが前記バーに連結されて、前記スプリングクラッチに連結されていてもよい。前記スプリングクラッチが通常はロックされていてもよい。前記バーが前記第一位置から前記第二位置へと動くことによって、前記ケーブルが引っ張られて前記スプリングクラッチがアンロックされ、前記頭部部分が前記カムから切り離されるようになっていてもよい。
【0013】
前記頭部部分が、その頭側端部付近に一対のコーナー部分を有する底部パネルを有していてもよい。前記少なくとも一つのハンドルが、前記コーナー部分のそれぞれに隣接して前記底部パネルに連結された一対のハンドルを備えていてもよい。これらのハンドルが、これらのハンドルのうちの一つがそのロック位置からその解除位置へと移動することよって、もう一方のハンドルのこれに対応するそのロック位置からその解除位置への移動が引き起こされるように、共に連結されていてもよい。各ハンドルが、カム部分を有していてもよい。前記カム部分が、前記2つのハンドルが各々のロック位置から各々の解除位置へと移動すると前記バーが前記第一位置から前記第二位置へと移動されるように、前記バーと係合していてもよい。
【0014】
前記少なくとも一つのハンドルが、前記ハンドルの前記2つの位置に対応する一対のノッチを有する概ね円形の部分を有していてもよい。ロック部材が、前記頭部部分の前記底部パネルに連結されていてもよい。前記ロック部材が、前記頭部部分が上昇されたとき前記ハンドルが動くことを阻止するために前記ロック部材のロック部分が前記円形部分の前記2つのノッチの一つに受容されるようなロック位置へと移動可能となっていてもよい。前記ロック部材が、前記頭部部分が下降された位置にあるとき前記ハンドルを解放するために、前記ロック部分がその時に受容されているノッチから外されるような解除位置へと移動されてもよい。前記ロック部材が、前記ロック位置に向かって付勢されていてもよい。前記頭部部分が前記下降された位置へと移動したとき、ポストが前記ロック部材と係合し自動的に前記ロック部材を前記解除位置へと動かすようになっていてもよい。
【0015】
前記装置が、前記頭部部分に連結されて前記フレームに連結されたアクチュエータを有していてもよい。前記アクチュエータが前記フレームに対する前記頭部部分の傾動動作を阻止するようにロック可能であってもよく、前記アクチュエータが前記フレームに対する前記頭部部分の回転動作を可能にするように解除可能であってもよい。少なくとも一つの頭部部分解除ハンドルが前記頭部部分の前記底部パネルに連結されていてもよい。前記頭部部分解除ハンドルがそのロック位置からその解除位置へと移動することによって、前記フレームに対する前記頭部部分の傾動を可能にするようにアクチュエータが解除されてもよい。実施形態によっては、前記少なくとも一つの頭部部分解除ハンドルが、前記底部パネルの各コーナー部分付近にて前記底部パネルに連結された一対の頭部部分解除ハンドルを備えていてもよい。前記アクチュエータを解除するために、前記解除ハンドルのそれぞれを、長手方向、横方向、及び斜め方向に、また、これらの間のいなかる中間方向に移動させてもよい。
【0016】
さらなる特徴が、単独で、又は以上で列挙した特徴や添付の特許請求の範囲で列挙されている特徴などのその他のどの特徴との組み合わせでも、特許可能な対象を備えることができる。これらの特徴は、以降に示す例示的な実施形態についての詳細な説明を考慮して当業者には明らかとなるだろう。これらの実施形態は、現在理解されている実施形態を実行する最良の形態を例示するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
《図面の詳細な説明》
図1〜図4を参照すると、例えばストレッチャー20などの患者支持装置が、キャスター24上に支持されている下方フレーム22と、昇降調節機構28によって下方フレーム22に連結された上方フレーム26と、上方フレーム26に連結された患者支持デッキ30と、頭側端部32と、足側端部34と、長い左側36と、長い右側38と、長手方向軸40とを有している。一対の押しハンドル76、78が、下降された収納位置(左側ハンドル76に関して示す位置)と上昇された使用位置(右側ハンドル78に関して示す位置)との間を移動可能に、頭側端部32付近で上方フレーム26に連結されている。平明に説明を進めるために、上方フレーム26の相対する側36、38における一対のサイドレールは省略してストレッチャー20を示している。
【0018】
この記載で使用される「頭側端部32」というフレーズは、種類は問わず言及される対象物の、頭側端部32に最も近くに位置するように配置された端部を示すために使用される。「足側端部34」というフレーズは、種類は問わず言及される対象物の、足側端部34に最も近くに位置するように配置された端部を示すために使用される。同様に、「左側36」というフレーズは、種類は問わず言及される対象物の、左側36に最も近くに位置するように配置された側方を示すために使用される。「右側38」というフレーズは、種類は問わず言及される対象物の、右側38に最も近くに位置するように配置された側方を示すために使用される。
【0019】
図1〜図4で示すとおり、デッキ30は、長手方向に間隔を空けて配置された横方向に延在する頭部部分42、座部部分44、大腿部分46、足部部分48を有している。頭部部分42、座部部分44、大腿部分46、足部部分48が、マットレスパッド(図示せず)を支持するための上方向に面する支持面を画定している。そしてこのマットレスパッドが患者(図示せず)を支持することになる。頭部部分42の足側端部34は、図5に示すとおり、横方向第一軸50を軸に回転動作できるようにフレーム26に連結されている。一対の横方向に離間された左右ドロップレール66、68の足側端部34が、同様に図5に示すとおり、横方向第二軸52を軸に回転動作できるようにフレーム26に連結されている。頭部部分42の足側端部34は、図2及び図3に示すように頭部部分42が上方向に傾斜するとドロップレール66、68が下方向に傾斜するように、ドロップレール66、68に沿って平行移動可能に左右ドロップレール66、68の頭側端部32に連結されている。座部部分44は、ドロップレール66、68に沿って平行移動できるようにドロップレール66、68上で支持されている。大腿部分46の頭側端部32は、図5に示すように、第一軸50及び第二軸52の間に位置する横方向第三軸54を軸に回転動作できるように座部部分44に連結されている。足部部分48の頭側端部32は、同様に図5に示すとおり、横方向第四軸56を軸に回転動作できるように大腿部分46に連結されている。第四軸56は、第二軸52の概ね上方に位置している。
【0020】
図1に示すとおり、フレーム26は横方向に延在する一対の頭・足側端部横部材82、84を有しており、頭・足側端部横部材82、84は長手方向に離間されており、長手方向に延在する左・右側フレーム部材86、88の間で延在している。図2〜図5に示すとおり、一対の横方向に離間されたフランジ96が、頭部部分42の左側36にて頭部部分42の下側から下方向に延在している。横方向に離間されたフランジ96は、横方向に延在する枢軸ピン90(図5)によって、フレーム26の左側フレーム部材86から上方向に延在するフランジ106(図2〜図4)に連結されている。同様に、一対の横方向に離間されたフランジ98(図5)が、頭部部分42の右側38にて頭部部分42の下側から下方向に延在している。横方向に離間されたフランジ98は、横方向に延在する枢軸ピン92によって、フレーム26の右側フレーム部材88から上方向に延在するフランジ(図示せず)に連結されている。横方向に延在する枢軸ピン90、92は整列しており、頭部部分42がフレーム26に対して回転する際の軸となる第一軸50を画定している。
【0021】
図5に示すとおり、例えばガススプリング120等のロック可能なアクチュエータが、患者がデッキ30上に支持されているときに治療・介護者がデッキ30の頭部部分42を上昇させることを助成するために、頭部部分42に連結され、フレーム26に連結されている。ガススプリング120は、頭部部分42に連結されたハウジング122と、ハウジング122の内部に受容されているピストン(図示せず)と、ピストンに連結されてフレーム26に連結されたピストンロッド124とを有している。一対の横方向に離間されたフランジ128が、頭部部分42の下側から下方向に延在している。横方向に離間されたフランジ128は、図5に示すとおり、横方向に延在する枢軸ピン129によって、ガススプリング120のハウジング122から頭側端部32に向かって延在するフランジ132に連結されている。ピストンロッド124の足側端部34は、大腿部分46の概ね下方の領域にてフレーム26の横部材144から下方向に延在する一対の横方向に離間されたフランジ134に回転動作できるように連結されている。
【0022】
ガススプリング120をロックして、これにより、ピストンロッド124がガススプリング120のハウジング122に対して概ね固定されるようにして、ピストンロッド124がハウジング122から伸張することもハウジング122の中に引っ込むこともできないようにして、そして頭部部分42がフレーム26に対して回転できないようにすることができる。また、ガススプリング120を解除して、これにより、ピストンロッド124がハウジング122から伸張する又はハウジング122の中に引っ込むことができるようにして、そして頭部部分42を、例えば頭部部分42を上昇又は下降させるために、フレーム26に対して回転可能できるようにすることもできる。ガススプリング120はトリガープレート136を有している。トリガープレート136は、ピストンロッド124の足側端部34付近にてピストンロッド124から伸張するプランジャ(図示せず)に連結されている。トリガープレート136は、頭部部分42のフレーム26に対する回転が阻止されるようにガススプリング120がロックされるようなロック位置を有している。また、トリガープレート136は、頭部部分42がフレーム26に対して回転可能となるようにガススプリング120が解除されるような解除位置を有している。プランジャは通常、頭部部分42が通常は適切な位置でロックされるように、伸張されたロック位置に付勢されている。トリガープレート136は、ロック位置から解除位置に移動すると、プランジャをハウジングの中にさらに押し込んでガススプリングをアンロックし解除する。図示した実施形態では、頭部部分42をフレーム26に対してロックするためにロック可能なガススプリング使用しているが、これに限定されず、頭部部分42の回転動作を阻止するようにロック可能であり、頭部部分42の回転動作を可能にするように解除可能である適切なロック装置として機能するどのような他のアクチュエータを用いることも、現在理解されている本開示の範囲内である。
【0023】
図5に示すとおり、左ドロップレール66の足側端部34は、横方向に延在するピン150を軸に回転動作可能に、フレーム26の横部材144から上方向に延在する一対の横方向に離間されたフランジ146に連結されている。同様に、右ドロップレール68の足側端部34は、横方向に延在するピン152を軸に回転動作可能に、フレーム26の横部材144から上方向に延在する一対の横方向に離間されたフランジ148に連結されている。横方向に延在するピン150、152は整列しており、第二軸52を画定している。図示した実施形態では第二軸52と第四軸56との間に長手方向においてある程度の位置ずれはあるが、図5に示すとおり、第二軸52の長手方向位置は、第四軸56の長手方向位置とデッキ30上に支持される患者の膝の長手方向位置とに概ね一致している。
【0024】
同様に図5に示すとおり、一対の横方向に離間されたフランジ166が、頭部部分42の左側36にて頭部部分42の下側から下方向に延在している。横方向に離間されたフランジ166は、左ドロップレール66の頭側端部部分172を受容するためのスロット170を形成するように構成されている。ドロップレール66、68はそれぞれ、上壁173と、上壁173の左・右側36、38から下方向に延在する一対の側壁175とを有するチャネル部材として構成されている。つまり、各ドロップレール66、68は、各々の上壁173の下で、そしてそれぞれの対応する側壁175の間で画定されている下方向に開放されているチャネルを有している。左ドロップレール66の頭側端部部分172の領域では、側壁175がそれぞれ、横方向に延在するピン178を受容するための長手方向に延在するスロット174(図3及び図4)を有している。ピン178は、図3及び図4に示すとおり、頭部部分42の下方向に延在するフランジ166に連結されている。
【0025】
同様に、一対の横方向に離間されたフランジ168が、頭部部分42の右側38にて頭部部分42の下側から下方向に延在している。横方向に離間されたフランジ168は、右ドロップレール68の頭側端部部分182を受容するためのスロット180を形成するように構成されている。右ドロップレール68の頭側端部部分182の領域では、側壁175がそれぞれ、横方向に延在するピン188(図5)を受容するための、スロット174と同様の長手方向に延在するスロットを有している。ピン188は、頭部部分42の下方向に延在するフランジ168に連結されている。横方向に延在するピン178、188は整列しており、図5に示す横方向第五軸58を画定している。第五軸58は、第一軸50とフレーム26の足側端部34との間に位置している。
【0026】
ローラー176がピン178に連結されて、これに対応するドロップレール66の側壁175の間のチャネル内に配置されている。同様に、ローラー186がピン188に連結されて、これに対応するドロップレール68の側壁175の間のチャネル内に配置されている。ローラー176、186は、頭部部分に対してドロップレール66、68を支持するために、各々のドロップレール66、68のそれぞれの対応する上壁173に接している。スペーサ又はワッシャー177が、フランジ166とドロップレール66の側壁175との間に備えられている。同様に、スペーサ又はワッシャー187が、フランジ168とドロップレール68の側壁175との間に備えられている。スペーサ177、187とローラー176、186とはプラスチックの素材から製造されており、ドロップレール66、68とピン178、188とフランジ166、168とは金属から製造されている。
【0027】
図2〜図4に示すとおり、頭部部分42の頭側端部32を回転軸50を軸として上昇させると、頭部部分42の足側端部34が下降する。頭部部分42の足側端部34が下降すると、頭部部分42の足側端部34においてフランジ166、168によって保持されているピン178、188も下方向に動いて、これによりドロップレール66、68の頭側端部32を下降させて、ドロップレール66、68が回転軸52を軸として下方向へ回転するようになる。頭部部分42が、図2に示すその水平位置から図4に示すその直立位置(水平位置に対して約80°)へと移動するにつれて、頭部部分42の足側端部34においてフランジ166、168によって保持されているピン178、188は、それぞれの対応する長手方向延在スロット174の中で、各々の足側端部34の方に寄った位置から各々の頭側端部32の方に寄った位置まで移動する。
【0028】
図5に示すとおり、一対の横方向に離間されたフランジ206が、座部部分44の左側36にて座部部分44の下側から下方向に延在している。横方向に離間されたフランジ206は、左ドロップレール66を受容するためのスロット210を形成するように構成されている。2つの上部ローラー212が、それぞれの対応する横方向に延在するピン214によって、下方向に延在するフランジ206に回転可能に連結されている。これらの上部ローラー212は、左ドロップレール66の上壁173の上に配置されている。下部ローラー216が、横方向に延在するピン218によって、下方向に延在するフランジ206に回転可能に連結されている。下部ローラー216は、左ドロップレール66の側壁175の下端の下に位置している。同様に、一対の横方向に離間されたフランジ208が、座部部分44の右側38にて座部部分44の下側から下方向に延在している。横方向に離間されたフランジ208は、右側ドロップレール68を受容するためのスロット220を形成するように構成されている。2つの上部ローラー222が、それぞれの対応する横方向に延在するピン224によって、下方向に延在するフランジ208に回転可能に連結されている。これらの上部ローラー222は、右側ドロップレール68の上壁173の上に配置されている。底部ローラー226が、横方向に延在するピン228によって、下方向に延在するフランジ208に回転可能に連結されている。底部ローラー226は、右側ドロップレール66の側壁175の下端の下に位置している。
【0029】
このように、4つの上部ローラー212、222と、これらに対応する各側に2つずつあるピン214、224とが、ドロップレール66、68に沿って平行移動可能に、ドロップレール66、68上で座部部分44を支持している。底部ローラー216、226と、これらに対応するピン218、228とが、座部部分44がドロップレール66、68から外れるように上方向に上げられることを阻止しており、これによって座部部分44をドロップレール66、68に固定している。上部ローラー212、222と底部ローラー216、226とはスプール状になっており、故に、ローラー212、216、222、226がそれぞれの対応するドロップレール66、68に対して中央で保持されるように、拡大された縁部分を有している。つまり、ローラー212、216、222、226の縁部分は、レール66、68が受容される溝を画定している。また、これらの縁部分は、レール66、68の側壁175がフランジ206、208と接触しないようにするためのスペーサとしての役割も果たしている。ローラー212、216、222、226はプラスチック素材から製造されており、レール66、68と、ピン214、218、224、228と、フランジ206、208とは金属から製造されている。
【0030】
図2に示すとおり、左・右リンク246が、座部部分44に回転可能に連結されており、フレーム26に回転可能に連結されている。リンク246と座部部分44との間の連結位置と、リンク246とフレーム26との間の連結位置とは、頭部部分42を上昇させてドロップレール66、68が下降されるとき座部部分44がストレッチャー20の足側端部34に向かって押されるように配置されている。座部部分44が足側端部34に向かって押されると、大腿部分46も同様にストレッチャー20の足側端部34に向かって押されて、その結果、図3に示すように足部部分48に対して大腿部分46が関節動作するようになる。各リンク246の足側端部34は、各々の横方向に延在するピン260によって、座部部分44に回転可能に連結されている。各リンク246の頭側端部32は、各々の横方向に延在するピン262によって、フレーム26のフレーム部材86、88から上方向に延在するフランジ266(図2)に回転可能に連結されている。頭部部分42が図2に示す水平位置から図4に示す直立位置へと上方向に傾斜していくにつれて、ドロップレール66、68は図2に示す水平位置から図4に示す下降位置へと下方向に傾斜していく。ドロップレール66、68が下方向に傾斜していくにつれて、リンク246も同様に傾斜する、つまりピン262を軸として下方向に回転して、座部部分44をドロップレール66、68に沿ってドロップレール66、68の足側端部34に向かって押していく。
【0031】
図5に示すとおり、大腿部分46のフレーム部材286、288の頭側端部32が、大腿部分46の左側36、右側38から座部部分44に向かって延びている。フレーム部材286は、横方向に延在するピン290によって、座部部分44の左側36からストレッチャー20の足側端部34に向かって延在する一対の横方向に離間されたフランジ296に回転可能に連結されている。同様に、フレーム部材288が、横方向に延在するピン300によって、座部部分44の右側38からストレッチャー20の足側端部34に向かって延在する一対の横方向に離間されたフランジ298に回転可能に連結されている。横方向に延在するピン290、300は整列しており、第三軸54を画定している。足部部分48のフレーム部材316、318の頭側端部32が、足部部分48の左側36、右側38から大腿部分46に向かって延びている。フレーム部材316は、横方向に延在するピン320によって、大腿部分44の左側36からストレッチャー20の足側端部34に向かって延在する一対の横方向に離間されたフランジ326に回転可能に連結されている。同様に、フレーム部材318は、横方向に延在するピン330によって、大腿部分44の左側36からストレッチャー20の足側端部34に向かって延在する一対の横方向に離間されたフランジ328に回転可能に連結されている。横方向に延在するピン320、330は整列しており、第四軸56を画定している。
【0032】
図2〜図4に示すとおり、足部部分48の足側端部34は、概ねU字形のロッカーフレーム340によって、回転可能にフレーム26に連結されている。大腿部分46が図3に示すように上昇すると、足部部分48も一緒に上昇し、デッキ30上に支持されている患者の膝が上げられる。ロッカーフレーム80は、横方向に延在する水平な部材344によって結合された一対の横方向に離間された部材342を有している。各部材342の上方端部は、それぞれの対応する横方向に延在するピン346によって、足部部分48の足側端部34付近にて足部部分48に回転可能に連結されている。部材344の相対する各端部領域は、一対の横方向に離間された長手方向に延在するスロット348に受容されるように構成されている。スロット348は、フレーム26のフレーム部材86、88から上方向に延在する各々のフランジ349に形成されている。スロット348は、横方向に延在する部材344を分離可能に受容するために、その下方縁に沿って複数のノッチ350を有している。横方向に延在する部材344は、様々な上昇位置に足部部分48を上昇させるために、スロット348に沿って手動で調整できるようになっている。横方向に延在する部材344を足側端部34に接近させるにつれて、足部部分48の足側端部34の位置は高くなっていく。
【0033】
図15に示すとおり、ストレッチャー20は、例えば図6等に示す自動形状調節機構400とは独立して大腿部分46を手動で昇降させるために膝クランク機構360を有している。膝クランク機構は、フレーム26に回転可能に取り付けられた長手方向に延在するボールねじ362を有している。ボールねじ362の足側端部34は、フレーム26に連結されたベアリングアセンブリ364によって支持されている。ボールねじ362に連結されたクランク366を回転させると、ボールねじ362がチューブ370に固定されたナット368に螺入する又はナット368から螺出して、チューブ370の頭側端部32とボールねじ362の足側端部34との間の長さが伸長又は短縮する。チューブ370の頭側端部32は、大腿部分46の下側から下方向に延在する一対の横方向に離間されたフランジ376に連結された横方向に延在するピン374を受容するために、長手方向に延在するスロット372を有している。クランク366を時計回り方向へ回転させて、例えば図1等に示すように、自動形状調節機構400とは独立して大腿部分46を上昇させることができる。図1では、頭部部分42は下降された位置にあるが大腿部分46はわずかに上昇されている。同様に、クランク366を反時計回り方向へ回転させて、自動形状調節機構400から独立して大腿部分46を下降させることができる。チューブ370の長手方向に延在するスロット372は、自動形状調節機構400が膝クランク機構360とは独立して約30°の角度まで大腿部分46を上昇させることを可能にするのに十分な長さを有している。膝クランク機構の一例が、名称が「Patient Support Apparatus Having Auto Contour (自動形状調節機能を有する患者支持装置)」である米国特許第6839926号に開示されている。この特許の開示をこれにより参照によって本願明細書に援用する。
【0034】
例えば図6等に示されている自動形状調節機構400(「リンケージ400」と言うこともある)が、頭部部分42に連結されて、大腿部分46に連結されている。リンケージ400は、第一モード(図2〜図4)では、頭部部分42が図2に示す水平位置から図3に示す中間位置(水平に対して約50°)を経て図4に示す直立に近い位置(水平に対して約80°)へと上昇されるとき、大腿部分46をドロップレール66、68に対してまず上昇させてそれから下降させるように機能できる。動作の第二モード(図14)では、リンケージ400は、ドロップレール66、68に対して大腿部分46を上昇させて下降させることをしない。しかし、言うまでも無く、リンケージ400が動作の第一モードであるか第二モードであるかに関わらず、ドロップレール66、68は、頭部部分が図14に示すように傾動するとやはり傾動する。
【0035】
全体的に図2〜図7を、特に図6を参照すると、リンケージ400は、リンケージ400を動作の第一モードに置くためにロックすることができ、リンケージ400を動作の第二モードに置くためにアンロック又は解除できるような、例えばスプリングクラッチ(例、MECHLOC(登録商標)装置)等のロック可能な装置402を有している。本願明細書では、装置402をスプリングクラッチ402と言う場合もある。しかし、特許請求の範囲における「ロック可能な装置」という用語は、スプリングクラッチに限定するものとして使用しているのではなく、むしろロックしアンロックするあらゆるタイプの適切な装置を指すものとして使用している。さて、スプリングクラッチ402は、ハウジング404と、ハウジング404の内部の把持ばね(図示せず)と、連結ロッド406と、トリガープレート408とを有している。トリガープレート408が解除位置にあると、スプリングクラッチ402は、把持ばねが連結ロッド406に加えた自身の把持を緩めて連結ロッド406がクラッチハウジング404に対して滑動可能となるように、解除される、又は係合が解消される。トリガープレート408がロック位置にあるときは、スプリングクラッチ402は、把持ばねが連結ロッド406の周囲を締め付けて連結ロッド406がクラッチハウジング404に対して滑動できなくなるように、ロックされる、又は係合される。図示した実施形態では、スプリングクラッチ402は通常、ロックされている。
【0036】
図5及び図6に示すとおり、一対の横方向に離間されたフランジ196が、頭部部分42の左側36にて頭部部分42の下側から下方向に延在している。ハウジング404は、横方向に延在するピン410を軸に回転動作できるように、下方向に延在するフランジ196に連結されている。連結ロッド406の頭側端部32付近の部分412は、把持ばねの内側に滑動可能に受容されている。連結ロッド406の足側端部34は、横方向に延在するピン422によって、リンケージ400の長手方向に延在するカムブラケット420の頭側端部32に回転可能に連結されている。連結ロッド406がカムブラケット420に対して中央で保持されるために、スペーサ414が使用されている。
【0037】
図6〜図7を参照すると、例示的なカムブラケット420は、一対の横方向に離間された長手方向に延在する垂直プレート又は側壁424と、その間に延在する上部プレート又は上壁426とを有している概ね長方形の箱型部材又はチャネル部材である。各プレート424の足側端部部分428は、長手方向に延在するスロット430を有している。一対の横方向に離間された垂直フランジ442が、上方フレーム26の横部材144に固定されるように連結されている。カムブラケット420は、横方向に延在するピン446に回転可能に連結された一対のローラー439によって支持されている。各ピン446は、カムブラケット420の長手方向に延在する各スロット430を貫通し、各フランジ442に備えられたそれぞれの対応する各開口447を貫通して延在している。各ピン446の各端部部分は各垂直フランジ442に連結されており、カムブラケット420をフレーム26のフレーム部材86、88と概ね平行の方向で保持している。カムブラケット420がフランジ442に対して中央で保持されるために、スペーサ440が使用されている。図示した実施形態では、ローラー439とスペーサ440とはプラスチック素材から製造されており、カムブラケット420とフランジ442とは金属素材から製造されている。リンケージ400のカム450が、上部プレート426の上方向に面している面に取り付けられている。カム450は、その頭側端部32付近にて比較的急勾配である傾斜部分452と、概ね水平である中間直線部分454と、その足側端部34付近にてそれほど急勾配ではない傾斜部分456とを有している。
【0038】
スプリングクラッチ402がロックされている状態で頭部部分42を上昇させると、図2〜図4に示すとおり、頭部部分42の下方向に延在するフランジ196によって、スプリングクラッチ402のハウジング404がフレーム26の頭側端部32に向かって移動するようになる。これによって、図2〜図4に示すように、連結ロッド406がストレッチャーの頭側端部32に向かって移動するようになり、そしてカムブラケット420とその上に取り付けられたカム450とが同様に頭側端部32に向かって移動するようになる。スプリングクラッチ402がロックされている状態で頭部部分42を下降させると、上記の一連の動作が逆になる。すなわち、頭部部分42を下降させると、クラッチハウジング404と、連結ロッド406と、カムブラケット420と、カム450とが全て、ストレッチャー20の足側端部34に向かって移動する。図14に示すとおりスプリングクラッチ402がアンロックされている状態で頭部部分42を上昇させると、頭部部分42の下方向に延在するフランジ196によってやはりクラッチハウジング404は頭側端部32に向かって移動するようになる。しかし、連結ロッド406と、カムブラケット420と、カム450とが頭側端部32に向かって移動することはなく、その代わりにハウジング404と、ハウジング404の内部のクラッチスプリングとがロッド406上で滑動する。
【0039】
図6〜図7に示すとおり、リンケージ400は、ローラーアセンブリ460を有している。ローラーアセンブリ460は、概ね上下垂直方向への移動が可能なように、フレーム26の横方向に離間されたフランジ442に連結されている。ローラーアセンブリ460はブラケット462を有している。ブラケット462は、一対の横方向に離間された垂直プレート464と、その間に延在する端プレート466とを備えている。上部ローラー470が、横方向に延在するピン472によって、横方向に離間されたプレート464に取り付けられている。ピン472は、横方向に離間されたプレート464の相対する各側に配置された各開口473を貫通して延在し、そして横方向に離間されたフランジ442の相対する各側に配置された垂直に延在する各スロット474を貫通して延在している。同様に、底部ローラー480が、横方向に延在するピン482によって、横方向に離間されたプレート464に取り付けられている。ピン482は、横方向に離間されたプレート464の相対する各側に配置された各開口483を貫通して延在し、そして横方向に離間されたフランジ442の相対する各側に配置された垂直に延在する各スロット474を貫通して延在している。ローラーアセンブリ460が上方向及び下方向へ移動する間にブラケット462がフランジ442と接触することがないように、スペーサ476が使用されている。ブラケット462とピン472、482は金属素材から製造されており、ローラー470、480とスペーサ476はプラスチック素材から製造されている。
【0040】
図6〜図7に示すとおり、上部ローラー470は、大腿部分46の長手方向に延在する部材478の下側と係合するように配置されている。底部ローラー480は、カム450の上面と係合するように構成されている。スプリングクラッチ402がロックされている状態で頭部部分42が図2に示すその水平位置から図3に示すその中間位置へと移動すると、カムブラケット420に取り付けられたカム450が図2に示す位置から図3に示す位置へと頭側端部32に向かって移動する。カム450が図2に示す位置から図3に示す位置へと頭側端部32に向かって移動すると、底部ローラー480はカム450の直線部分454に沿って進み、大腿部分46をその回転軸54を軸に上方向に傾動させる。ドロップレール66、68が図2に示す各々の水平位置から図3に示す各々の中間位置へと下方向に傾動すると大腿部分46の座部部分44に対する回転軸54が下がるので、大腿部分46が上方向へ傾斜することになる。底部ローラー480は、頭部部分42が図3に示すような中間位置に到達したとき、カム450の直線部分454と傾斜部分456との接合部に到達する。
【0041】
スプリングクラッチ402がロックされている状態で頭部部分42が図3に示す中間位置から図4に示す直立に近い位置へと移動すると、カムブラケット420上に取り付けられたカム450が図3に示す位置から図4に示す位置へと頭側端部32に向かって移動する。カム450が図3に示す位置から図4に示す位置へと頭側端部32に向かって移動すると、底部ローラー480はカム450のそれほど急勾配ではない傾斜部分456に沿って進み、大腿部分46を図4に示すとおり座部部分44と実質的に同一平面となるような位置へと下方向に傾斜させる。大腿部分46を支持しているローラーアセンブリ460が図3に示す位置から図4に示す位置へと下降されるので、大腿部分46が下方向へ傾斜することになる。
【0042】
リンケージ400は、動作の第一モードにあるとき、頭部部分42が下降された位置から中間の位置へと上昇されるときに患者がストレッチャー20の足側端部34に向かって滑って行くことを防ぐために大腿部分46を上昇させるというだけではなく、胸部X線を目的として頭部部分42を図4に示す直立に近い位置まで上昇させることを、患者の脚と胴体とが過度に折り重なることを防ぐために大腿部分46をドロップレール66、68に対して元の位置へと下降させることによって実現可能にする。図示した実施形態ではスプリングクラッチ402を使用しているが、ロック可能な装置の動作を阻止するようにロックでき、また、ロック可能な装置の伸張や引っ込みを可能にするために解除できるような、いかなる適切なロック可能な装置を含めることも本開示の範囲内である。よって、本願明細書及び特許請求の範囲で使用している「スプリングクラッチ」という用語には、頭部部分42の動作をカム450に結び付けるために係合させることができ、また、頭部部分42の動作をカム450から切り離すために係合解除させることができるような、いかなる適切なロック可能な装置も含まれる。図示した実施形態では、スプリングクラッチ402は通常はロックされて頭部部分42の動作をカムブラケット420に結び付けており、頭部部分42が図2に示す水平位置から図4に示す直立に近い位置に上昇されるとき大腿部分46はまず上昇されてそれから下降されるようになっている。
【0043】
図8及び図9に示すとおり、頭部部分42は、チューブ状フレーム500と、概ね長方形の上部パネル510及び底部パネル520とを有している。上部パネル510及び底部パネル520は、適切な留め具(図示せず)によってフレーム500の上側と底側にてフレーム500に取り付けられている。チューブ状フレーム500は、頭側端部ストラット502と、一対の側方ストラット506、508と、曲線となっているコーナー部分516、518とを有している。上部パネル510、底部パネル520はどちらも、フレーム500の各々のコーナー部分516、518付近にてカットアウト526、528を有している。一対の頭部部分解除ハンドル536、538と、一対の自動形状調節オン・オフハンドル546、548とが、底部パネル520にカットアウト526、528付近にて取り付けられており、これにより、ストレッチャー20の頭側端部32付近に立つ治療・介護者が、頭部部分解除ハンドル536、538と自動形状調節オン・オフハンドル546、548とに、頭部部分42の上側と底側の両方からカットアウト526、528を通して接近できるようになっている。
【0044】
図10に示すとおり、頭部部分解除ハンドル536、538はそれぞれ、概ね平らでパイ状の本体部分550と、本体部分550から外側に延在する脚部分552とを有している。本体部分550は外側に面する縁554を有しており、縁554は、それぞれの対応する曲線コーナー部分516、518と概ね同じように弧を描いている。本体部分550は、同様に外方向に面する縁554と概ね平行になっている一対の弓状縁560、562によって画定されている弓状スロット558を有している。頭部部分解除ハンドル536、538の弓状スロット558によって、ハンドル536、538にそれぞれの対応するコーナー部分516、518付近にて握り部分564が形成されている。頭部部分解除ハンドル536、538の脚部分552はそれぞれ、細長いスロット570を有している。図8及び図9に示すとおり、一対の取り付けピン566、568が、底部パネル520から各々のコーナー部分516、518付近にて上方向に延在している。取り付けピン566、568は、それぞれの対応する頭部部分解除ハンドル536、538の細長いスロット570を貫通して上方向に延在している。
【0045】
図11に示すとおり、自動形状調節オン・オフハンドル546、548はそれぞれ、概ね平らで円形の本体部分600と、円形の本体部分600から外側に延在するハンドル部分602とを有している。各自動形状調節オン・オフハンドル546、548のハンドル部分602は、細長いスロット610と、細長いスロット610の外周から上方向に延在する楕円形のフランジ611とを有している。自動形状調節オン・オフハンドル546、548のハンドル部分602は、それぞれの対応するコーナー部分516、518付近にて握り部分604を形成している。各自動形状調節オン・オフハンドル546、548の円形本体部分600は、それぞれの対応する取り付けピン566、568を受容するために中央開口612を有している。図8及び図9に示すとおり、取り付けピン566、568は、各々の頭部部分解除ハンドル536、538の細長いスロット570を貫通し、それぞれの対応する自動形状調節オン・オフハンドル546、548の中央開口612を貫通して延在している。ねじ606、608が、取り付けピン566、568のねじ挿入孔にねじ込まれて、頭部部分解除ハンドル536、538と、それぞれの対応する自動形状調節オン・オフハンドル546、548とを適所で保持している。図9に示す保持ワッシャー616が、ねじ606、608の頭部分とそれぞれの対応する自動形状調節オン・オフハンドル546、548の上方向に面している面との間に配置されている。自動形状調節オン・オフハンドル546、548の上方向に面している面には、いかなる突起部分が生じることも避けるために、参照番号619で示すとおり、中央開口612の周辺に皿穴が形成されている。
【0046】
図8に示すとおり、頭部部分解除ハンドル536、538と自動形状調節オン・オフハンドル546、548とは、ストレッチャー20の頭側端部32付近に立つ治療・介護者がカットアウト526、528を通して頭部部分解除ハンドル536、538の握り部分564と自動形状調節オン・オフハンドル546、548の握り部分604とに接近できるように頭部部分解除ハンドル536、538の握り部分564と自動形状調節オン・オフハンドル546、548の握り部分604とがコーナー部分516、518付近に位置するように、寸法が合わせられている。頭部部分解除ハンドル536、538の脚部分552は、それぞれの対応するケーブル576、578を取り付けるために、各々の遠位端付近に開口572を有している。ケーブル576、578は、底部パネル520の上方向に延在するフランジ522のそれぞれの対応する開口596、598(図9)を通って脱出している。図8に概略的に示すとおり、ケーブル576、578の他方の端部は、ガススプリング120のトリガープレート136(図5)に連結されている。ガススプリング120は、前述したとおり、頭部部分42に回転可能に連結されており、フレーム26に回転可能に連結されている。ガススプリング120は通常は、頭部部分42の昇降を阻止するためにロックされている。
【0047】
ガススプリング120を解除するには、治療・介護者が頭部部分解除ハンドル536、538の一つをそれぞれの対応するコーナー部分516、518に向かって斜めに又は長手方向に又は横方向に引く。ハンドル536、538は、コーナー部分516、518に向かって斜めに引かれると、各々のポスト566、568に対して滑動し、各々のスロット570の向きと同じ方向に沿って平行移動する。ハンドル536、538は、それぞれの対応するコーナー部分516、518に向かって長手方向に又は横方向に引かれると、各々のポスト566、568を軸にどちらかの方向に回転する。ハンドル536、538を、長手方向と横方向との間のどのような中間方向に引いてもよい。この場合のハンドルの動きは、各々のポスト566、568に対する回転動作と平行移動を組み合わせたものとなる可能性がある。頭部部分解除ハンドル536、538を、どのような方向であれ、各々のコーナー部分516、518に向かって引くと、それぞれの対応するケーブル576、578が頭側端部32に向かって引っ張られて、ガススプリング120がアンロックされ、頭部部分42が、その回転軸50を軸に回転するようにアンロックされる。案内ローラー586、588が、底部パネル520の上方向に延在するフランジ522の開口596、598にケーブル576、578を案内するために、底部パネル520に取り付けられている。
【0048】
自動形状調節オン・オフハンドル546、548のハンドル部分602は、図8に実線で示す頭側端部ストラット502に近い「オン」又はロック位置から、図8に想像線で示すそれぞれの対応する側方ストラット506、508に近い「オフ」又は解除位置へと移動可能となっている。ハンドル546、548の一つがそのオン位置からオフ位置へと移動されたときにハンドル546、548のもう一方も同様にそのオン位置からオフ位置へと移動されるように、連結リンク650が2つの自動形状調節オン・オフハンドル546、548を連結している。同様に、ハンドル546、548の一つがそのオフ位置からオン位置へと移動されたときも、ハンドル546、548がリンク650によって相互に連結されている構成によって、ハンドル546、548のもう一方もそのオフ位置からオン位置へと移動される。例えば、リンク650の各端部は、それぞれの対応するピン652、654を軸に回転動作できるようにハンドル546、548に連結されている。図8に示すとおり、リンク650は頭側端部ストラット502と概ね平行に延在している。リンク650の各ハンドル546、548との連結位置は、ハンドル546、548がオン位置からオフ位置へと、又はオフ位置からオン位置へと移動されるときに、ハンドル546、548が相反する方向へと回転することを実現させるような位置である。つまり、ハンドル546、548の一つが時計回り方向へ回転すると、ハンドル546、548のもう一方は反時計回り方向へ回転し、ハンドル546、548の一つが反時計回り方向へ回転すると、ハンドル546、548のもう一方は時計回り方向へ回転する。
【0049】
図8及び図9に示すとおり、L字形のロッカーアーム620(自動形状調節解除レバーとも言う)は、円筒形の本体部分622と、円筒形の本体部分622から外側に延在する長アーム部分624及び短アーム部分626とを有している。図示した実施形態では、2つのアーム部分624、626は、相互に対して実質的に垂直となっている。ロッカーアーム620の円筒形本体部分622は、頭部部分42の底部パネル520から上方向に延在する取り付けピン630を受容するために、中央開口628を有している。ねじ632が、ロッカーアーム620を適所で保持するために、取り付けピン630のねじ挿入孔にねじ込まれている。保持ワッシャー634が、ねじ632の頭部分とロッカーアーム620の上方向に面する面との間に配置されている。長アーム部分624は、その自由端付近に、2つの自動形状調節オン・オフハンドル546、548を連結するリンク650から下方向に延在するピン638を受容するために、細長いスロット636を有している。ピン638は、リンク650の長さに対して概ね中央に位置している。短アーム部分626は、ケーブル672の一方の端部を取り付けるために開口640を有している。図8に概略的に示すとおり、ケーブル672の他方の端部は、底部パネル520の上方向に延在するフランジ522の開口674を通って脱出した後、スプリングクラッチ402のトリガープレート408に連結されている。前述したとおり、スプリングクラッチ402は通常は、自動形状調節機構400を有効にするためにロックされている。
【0050】
図8に示すとおり、自動形状調節オン・オフハンドル546、548が各々のオン位置から各々のオフ位置へと移動されると、2つのハンドル546、548を連結しているリンク650が、側方ストラット508の方に寄った第一位置から側方ストラット506の方に寄った第二位置へと、642の方向(つまり図8において上から見て右側方向)へ横方向に移動する。リンク650が642の方向へ移動すると、下方向に延在するピン638によって、ロッカーアーム620が、側方ストラット508に向かって傾斜したオン位置から側方ストラット506に向かって傾斜したオフ位置へと、時計回り方向644へ回転するようになる。ロッカーアーム620の時計回り方向への回転によって、短アーム626がケーブル672を頭側端部32に向かって646の方向へ引くようになり、これによりスプリングクラッチ402が解除又はアンロックされて、自動形状調節機構400が無効化される。
【0051】
図8に示すとおり、ロッカーアーム620が、故に自動形状調節オン・オフハンドル546、548が各々のオフ位置で保持されるように、保持ピン656が頭部部分42の底部パネル520から上方向に延在している。ロッカーアーム620の長アーム部分624が、その自由端付近に比較的硬い片持ち構成の戻り止め部材658を有している。片持ち構成の戻り止め部材658は、ロッカーアーム620がそのオフ位置に到達したときにピン656を受容するために、外側に面する溝660を有している。前述のとおり、自動形状調節オン・オフハンドル546、548が各々のオフ位置へ移動するとき、ロッカーアーム620は、そのオフ位置に向かって時計回り方向644へ回転する。ロッカーアーム620がそのオフ位置に接近していくとき、保持ピン656は戻り止め部材658の拡大頭部分を通過し戻り止め部材658を保持ピン656から一時的に撤退させ、ロッカーアーム620がそのオフ位置に到達できるようにする。その後戻り止め部材658は、保持ピン656がロッカーアーム620の外側に面する溝660に受容されて、これによりロッカーアーム620が、故に自動形状調節オン・オフハンドル546、548が、図8において想像線で示す各々のオフ位置でロックされるような位置へ、保持ピン656に向かって再び伸張する。さらに、保持ピン656が戻り止め部材658の溝660内に留められるとき、音や感触が治療・介護者にフィードバックされるようになっている。
【0052】
自動形状調節オン・オフハンドル546、548が各々のオフ位置から各々のオン位置へと移動するときは、一連の動作が逆になる。つまり、自動形状調節オン・オフハンドル546、548が各々のオフ位置から各々のオン位置へと移動すると、2つのハンドル546、548を連結しているリンク650が、側方ストラット506の方に寄った第二位置から側方ストラット508の方に寄った第一位置へと、反対方向643(つまり図8において上から見て左側方向)へ移動する。リンク650が643の方向へ移動すると、ロッカーアーム620の細長いスロット636(図9)に受容されているピン638(図9)によって、ロッカーアーム620が、側方ストラット506に向かって傾斜したオフ位置から側方ストラット508に向かって傾斜したオン位置へと、反時計回り方向645へ回転するようになる。ロッカーアーム620の反時計回り方向への回転によって、短アーム626がケーブル672の引っ張りを解除してスプリングクラッチ402を再びロックし、自動形状調節機構400を有効にする。スプリングクラッチ402のそのロック位置に向かうばね付勢が、ケーブル672を介して、ロッカーアーム620を、故に自動形状調節オン・オフハンドル546、548を図8に示す各々のオン位置に向かって付勢する役目を果たす。
【0053】
図11に示すとおり、ハンドル546の円形部分600は、そのオン位置とオフ位置とに対応する2つのノッチ664、666を有している。図8〜図9及び図12〜図13に示すとおり、自動形状調節ロックアウトレバー700が、長手方向に延在するピン702によって、底部パネル520から上方向に延在する一対の長手方向に離間されたフランジ522、524に、回転動作可能に連結されている。ロックアウトレバー700は、頭部部分42がフレーム26に対して上昇されたときの図12に示すロック位置と、頭部部分42がフレーム26に対して完全に下降されたときの図13に示す解除位置との間を回転する。枢軸ピン702は、ロックアウトレバー700を上方向に延在するフランジ522、524に固定するためにナット704にねじ込まれるねじ部を有している。
【0054】
ロックアウトレバー700は、中央部分710と、中央部分710から横方向に外側方向に延在する側方部分706と、中央部分710から横方向に内側方向に延在する側方部分708とを有している。外側方向に延在する側方部分706の端部部分712は、頭部部分42の頭側端部32に向かって曲がっている。ブロック714が、ブロック714から上方向に延在する一対の横方向に離間されたフランジ716によって曲がり部分712に固定されている。内側方向に延在する側方部分708の端部部分718も同様に、頭部部分42の頭側端部32に向かって曲がっている。ロックアウトレバー700は、図8及び図9に示すように、平面図で見ると概ねU字形の形状をしており、図12及び図13に示すように、端面図で見ると概ねS字形の形状をしている。スペーサ711が、レバー700の中央部分710とフランジ522との間に備えられている。ピン702がスペーサ711の穴を貫通して延在している。
【0055】
ロックアウトレバー700が図12に示すロック位置にあるときは、ブロック714が、ブロック714の下方向に面する面が底部パネル520の下方向に面する面と概ね同一平面上となるように、底部パネル520のカットアウト720に受容され、また、ロックアウトレバー700の曲がり部分718の端末部分722が、自動形状調節オン・オフハンドル546、548が図8にて実線で示すような各々のオン位置にあるか、図8にて想像線で示すような各々のオフ位置にあるかに応じて、自動形状調節オン・オフハンドル546の円形部分600の2つのノッチ664、666の一つに受容される。つまり、自動形状調節オン・オフハンドル546、548が各々のオン位置にある場合は、ロックアウトレバー700の端末部分722は自動形状調節オン・オフハンドル546の円形部分600のノッチ664に受容され、ハンドル546、548が各々のオン位置でロックされる。同様に、自動形状調節オン・オフハンドル546、548が各々のオフ位置にある場合は、ロックアウトレバー700の端末部分722は自動形状調節オン・オフハンドル546の円形部分600のノッチ666に受容され、ハンドル546、548が各々のオフ位置でロックされる。トーションばね724が、図12に示すロック位置に向かって728の方向へロックアウトレバー700を付勢している。図示した実施形態では、ブロック714とカットアウト720のどちらも概ね長方形の断面を有している。
【0056】
頭部部分42を頭部部分42の完全な下降位置まで下降させると、上方フレーム26に連結されたポスト又はブロック726が、図13で示すように底部パネル520の下側から底部パネル520のカットアウト720に入り込み、ロックアウトレバー700を730の方向へ回転させて、ロックアウトレバー700の端末部分722とその時に受容されているノッチ664又は666との係合を解除させて、オン位置とオフ位置との間を移動できるように自動形状調節オン・オフハンドル546、548を解放する。その後、希望に応じて、自動形状調節オン・オフハンドル546、548をそのオン位置からそのオフ位置へと、又はそのオフ位置からそのオン位置へと移動させることができる。自動形状調節オン・オフハンドル546、548をそのオフ位置からそのオン位置へと移動させた場合、頭部部分42が上昇されてロックアウトレバー700の端末部分722が再び自動形状調節オン・オフハンドル546のノッチ664に受容されるまでの間は、スプリングクラッチ402のそのロック位置に向かうばね付勢が、ケーブル672を介してロッカーアーム620を、故に自動形状調節オン・オフハンドル546、548を、図8において実線で示す各々のオン位置に向かって付勢するよう機能する。他方で、自動形状調節オン・オフハンドル546、548をそのオン位置からそのオフ位置へ移動させた場合、頭部部分42が上昇されてロックアウト700の端末部分722が再び自動形状調節オン・オフハンドル546のノッチ666に受容されるまでの間は、片持ち構成の戻り止め部材658が、ロッカーアーム620を、故に自動形状調節オン・オフハンドル546、548を、図8において想像線で示す各々のオフ位置で保持する。
【0057】
図14に示すようにスプリングクラッチ402を解除した状態(自動形状調節機能を無効にした状態)で頭部部分42を上昇させると、頭部部分42の下方向に延在するフランジ196(図6)によって、クラッチハウジング404(図6)はやはり頭側端部32に向かって移動するようになる。しかし、連結ロッド406と、カムブラケット420と、カムブラケット420に取り付けられたカム450とは(全て図6に示されている)、頭側端部32に向かって移動しない。その代わり、座部部分44と実質的に同一平面上のままとなる大腿部分46がローラーアセンブリ460(図6)を押し下げる。大腿部分46は、図15に示す圧縮ばね378によってその同一平面の位置に向かうようばね仕掛けとなっている。図15に示すとおり、圧縮ばね378は、膝クランク機構360のチューブ370から横方向に外側に延在するピン380と、大腿部分46の下側から下方向に延在するフランジ376から横方向に外側に延在するピン374との間で圧縮状態に保持されている。ローラーアセンブリ460が押し下げられると、カム450の急勾配の傾斜部分452と係合状態にある底部ローラー480がカムブラケット420をストレッチャー20の足側端部34に向かって押して、これにより図5〜図7及び図14に示すコイル状リセットばね488が圧縮される。
【0058】
図5、図7及び図14に示すとおり、リセットばね488は、カムブラケット420の下側に連結されたフランジ490と、フランジ442に対してカムブラケット420を支持しているローラー439の一つの隣に配置されたブロック492との間で圧縮される。図7に最も良く示す(想像線で示す)ピン493はフランジ490に留められており、フランジ490から長手方向に延在してばね488の穴を貫通し、ブロック492に形成された穴に進入している。ばね488が圧縮されると、ブロック492に隣接しておりフレーム26に対して適所で固定されたフランジ442に連結されているローラー439が、ブロック492がストレッチャー20の足側端部34に向かって移動することを阻止し、ピン493がブロック492の穴の中にさらに進入していく。ブロック492の穴がピン493の一部を受容していることによって、ブロック492がカムブラケット420に備えられているチャネルから下方向に落下することが阻止されている。
【0059】
スプリングクラッチ402を解除している状態で頭部部分42をその下降位置に戻すと、圧縮されたリセットばね488によって、カムブラケット420とその上に取り付けられたカム450とが図2に示す各々の定位置に戻される。図6に示すように、別のリセットばね494がローラーアセンブリ460に連結されており、フランジ442の一つに連結されており、ローラーアセンブリ460を上方向に付勢している。頭部部分42をその下降位置に戻すと、リセットばね494によって、ローラーアセンブリ460が図14に示すその下降位置から図2に示すその上昇位置へと戻される。
【0060】
以上、特定の例示的な実施形態について詳細に説明してきたが、様々な改変や変更も本開示の範囲と趣旨に入るものとする。本開示の範囲と趣旨は、添付の特許請求の範囲に記載し定義するとおりである。
詳細な説明では特に、添付の以下のような図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、例示的なストレッチャーの斜視図であり、キャスター上に支持されている下方フレームと、下方フレームの上方で支持されている上方フレームと、上方フレームによって支持されているデッキであって、頭部部分と座部部分と大腿部分と足部部分とを有しているデッキと、頭側端部付近にて上方フレームに連結された一対の押しハンドルと、下方フレームに連結された複数のフットペダルとを示している。
【図2】図2は、図1のストレッチャーを一部切り欠いて示す側面図であり、水平に配置された頭部部分と、座部部分と、大腿部分と、足部部分とを示している。
【図3】図3は、図2と同様に図1のストレッチャーを示す側面図であるが、中間位置に上昇された頭部部分と、ドロップレールと共に下方に下降された座部部分と、ドロップレールから上に離れるように座部部分に対して上昇された大腿部分と、大腿部分によって支持されている端部とロッカーアームによって支持されているもう一方の端部を有する足部部分と、を示している。
【図4】図4は、図2及び図3と同様に図1のストレッチャーを示す側面図であるが、直立に近い位置に上昇された頭部部分を、座部部分と整列するようにドロップレールに対して元の体勢に戻るように下降された大腿部分と共に示している。
【図5】図5は、図1のストレッチャーの一部を示す底面図であり、頭部部分に連結されて上方フレームに連結されたガススプリングと、頭部部分に連結されてカムを保持する細長いカムブラケットに連結されたスプリングクラッチと、上方フレームに連結されて頭部部分に連結された一対のドロップレールとを示している。
【図6】図6は、ストレッチャーの自動形状調節機構と頭部部分及び大腿部分の一部とを示す分解斜視図であり、頭部部分から下方向に延在する一対のフランジと、下方向に延在するフランジの下方にあるスプリングクラッチと、スプリングクラッチの連結ロッドの下にあるカムブラケットと、カムブラケットのカムの上方にあり大腿部分の下方にあるローラーアセンブリとを示している。
【図7】図7は、上方フレームに連結されたローラーブラケットと、ローラーブラケットによって保持されているローラーの上で支持されているカムブラケットと、大腿部分の下側と係合する上部ローラーを有しカム上に配置された底部ローラーを有するローラーアセンブリと、を示す一部を切り欠いた側面図である。
【図8】図8は、頭部部分を一部切り欠いて示す平面図であり、頭部部分フレームと、フレームのコーナー付近に位置している一対の自動形状調節オン・オフハンドルと、オン・オフハンドルの下に配置されている一対の頭部部分解除ハンドルと、2つのオン・オフハンドルに連結された解除バーと、解除バーをスプリングクラッチ(概略的に示す)に連結させるケーブルと、解除ハンドルをガススプリング(概略的に示す)に連結させる2本のケーブルと、2本のケーブルを案内するための2つのローラーと、ローラーの右側にある自動形状調節ロックアウトレバーと、を示している。
【図9】図9は、頭部部分を一部切り欠いて示す分解斜視図であり、頭部部分フレームと、自動形状調節オン・オフハンドルと、頭部部分解除ハンドルと、横方向に延在する解除バーと、3本のケーブルと、自動形状調節ロックアウトレバーと、を示している。
【図10】図10は、頭部部分解除ハンドルの一つを示す斜視図である。
【図11】図11は、自動形状調節オン・オフハンドルの一つを示す斜視図であり、その下側に取り付けられた概ね楕円形のフランジを示している。
【図12】図12は、図8の線12−12に沿って切り取った断面図であり、頭部部分が上昇されて上方フレームのフレーム部材から上方向に延在するポストから離れているときに、その対応する自動形状調節オン・オフハンドルと係合されている自動形状調節ロックアウトレバーを示している。
【図13】図13は、図12と同様の端面図であるが、頭部部分が下降された位置にあるときに、その対応する自動形状調節オン・オフハンドルから外される解除位置へとポストによって回転された自動形状調節ロックアウトレバーを示している。
【図14】図14は、図3に対応する側面図であるが、自動形状調節機構が「オフ」モードになっており、これにより、頭部部分が中間位置にあるとき座部部分と大腿部分とが概ね同一平面上のままとなっている。
【図15】図15は、頭部部分と自動形状調節機構とから独立して大腿部分を手動で昇降させるための膝クランク機構を示す側面図である。
【符号の説明】
【0062】
20 ストレッチャー
22 下方フレーム
24 キャスター
26 上方フレーム
30 患者支持デッキ
32 頭側端部
34 足側端部
36 左側
38 右側
40 長手方向軸
42 頭部部分
44 座部部分
46 大腿部分
48 足部部分
50 横方向第一軸
52 横方向第二軸
54 横方向第三軸
56 横方向第四軸
58 横方向第五軸
66 左ドロップレール
68 右ドロップレール
86 左側フレーム部材
88 右側フレーム部材
120 ガススプリング
122 ハウジング
124 ピストンロッド
136 トリガープレート
144 横部材
172 左ドロップレール66の頭側端部部分
173 ドロップレールの上壁
174 ドロップレールのスロット
175 ドロップレールの側壁
176 ローラー
178 ピン
182 ドロップレール68の頭側端部部分
186 ローラー
188 ピン
212 上部ローラー
216 下部ローラー
222 上部ローラー
226 下部ローラー
246 リンク
340 ロッカーフレーム
342 ロッカーフレームの横方向に離間された部材
344 ロッカーフレームの水平部材
346 ピン
348 スロット
350 ノッチ
360 膝クランク機構
362 ボールねじ
364 ベアリングアセンブリ
366 クランク
368 ナット
370 チューブ
372 スロット
374 ピン
400 自動形状調節機構
402 スプリングクラッチ
404 クラッチハウジング
406 連結ロッド
408 トリガープレート
412 連結ロッド406の頭側端部付近の部分
420 カムブラケット
424 カムブラケット420の側壁
426 カムブラケット420の上壁
430 カムブラケット420スロット
439 ローラー
442 フランジ
450 カム
452 傾斜部分
454 中間直線部分
456 傾斜部分
460 ローラーアセンブリ
462 ブラケット
470 上部ローラー
474 スロット
480 下部ローラー
488 リセットばね
490 フランジ
492 ブロック
493 ピン
494 リセットばね
500 頭部部分42のフレーム
502 頭側端部ストラット
506 左ストラット
508 右ストラット
510 上部パネル
516 左側コーナー部分
518 右側コーナー部分
520 底部パネル
526 左側カットアウト
528 右側カットアウト
536、538 頭部部分解除ハンドル
546、548 自動形状調節オン・オフハンドル
550 頭部部分解除ハンドルの本体部分
552 頭部部分解除ハンドルの脚部分
564 頭部部分解除ハンドルの握り部分
566、568 取り付けピン
570 脚部分552の細長いスロット
576、578 ケーブル
586、588 案内ローラー
600 円形本体部分
602 ハンドル部分
604 握り部分
610 細長いスロット
612 中央開口
620 ロッカーアーム
622 円筒形本体部分
624 長アーム部分
626 短アーム部分
638 リンク650のピン
650 リンク
656 ピン
658 戻り止め部材
664、666 ノッチ
672 ケーブル
700 ロックアウトレバー
720 底部パネル520のカットアウト
722 ロックアウトレバーの端末部分
724 トーションばね
726 上方フレームに連結されたポスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに連結されて、前記フレームに対して傾動可能な少なくとも一つのドロップレールと、
共に傾動するように前記少なくとも一つのドロップレールによって支持されている座部部分と、
少なくとも一部が前記少なくとも一つのドロップレールの上方に位置している大腿部分と、
前記フレームに連結されて前記少なくとも一つのドロップレールに連結された頭部部分であって、前記フレームに対して前記少なくとも一つのドロップレールを傾動させるように昇降可能である頭部部分と、
前記頭部部分に連結されて前記大腿部分に連結されたリンケージであって、前記少なくとも一つのドロップレールが傾動したとき前記座部部分と前記大腿部分とが実質的に平行なままであるような動作の第一モードを有し、前記少なくとも一つのドロップレールが傾動したとき前記大腿部分が前記座部部分に対して傾動するような動作の第二モードを有しているリンケージと
を備えている患者支持装置。
【請求項2】
前記座部部分上で支持されている患者の体重が前記頭部部分を上昇させる方向に前記頭部部分に力を加えるように前記頭部部分が前記少なくとも一つのドロップレールに連結されている
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記頭部部分が第一軸を軸に回転動作可能に前記フレームに連結されており、
前記少なくとも一つのドロップレールが、第二軸を軸に回転動作可能に前記フレームに連結されており、
前記大腿部分が第一軸と第二軸との間に位置する第三軸を軸に回転動作可能に前記座部部分に連結されている
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのドロップレールが、前記頭部部分に連結されたピンが受容される長手方向に延在するスロットを有しており、
ローラーが回転可能に前記ピンに取り付けられており、
前記頭部部分が昇降されるとき、前記ローラーが前記少なくとも一つのドロップレールを転がって行く
ことを特徴とする請求項3の装置。
【請求項5】
前記頭部部分が上昇されるとき前記ピンと前記ローラーが前記スロットの頭側端部に向かって移動し、前記頭部部分が下降されるとき前記ピンと前記ローラーが前記スロットの足側端部に向かって移動する
ことを特徴とする請求項4の装置。
【請求項6】
前記頭部部分が、前記頭部部分が概ね水平であるような下降された位置と、前記頭部部分が概ね直立でありほぼ垂直であるような上昇された位置との間を移動可能となっており、
前記頭部部分が、前記上昇された位置と前記下降された位置との間に中間位置を有しており、
前記リンケージが前記動作の第二モードにあるとき、前記頭部部分が前記下降された位置から前記中間位置へと移動すると前記大腿部分が前記少なくとも一つのドロップレールと概ね平行である第一位置から前記ドロップレールに対して上方向に上昇された第二位置へと少なくとも一つのドロップレールに対して移動し、前記頭部部分が前記中間位置から前記上昇された位置へと移動すると前記大腿部分が前記第二位置から前記第一位置へと戻るように前記ドロップレールに対して移動する
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項7】
前記頭部部分が前記中間位置にあるとき、前記頭部部分と前記フレームとの間の角度が約50°である
ことを特徴とする請求項6の装置。
【請求項8】
前記頭部部分が前記上昇された位置にあるとき、前記頭部部分と前記フレームとの間の角度が約80°である
ことを特徴とする請求項6の装置。
【請求項9】
前記頭部部分が前記中間位置にあるとき、前記大腿部分と前記少なくとも一つのドロップレールとの間の角度が約20°である
ことを特徴とする請求項6の装置。
【請求項10】
前記座部部分が前記少なくとも一つのドロップレールに固定されている
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項11】
前記座部部分が、前記少なくとも一つのドロップレールに沿って平行移動可能に前記少なくとも一つのドロップレールに取り付けられており、
前記頭部部分の上昇の間に前記少なくとも一つのドロップレールが傾動するとき前記座部部分を前記頭部部分から離れていく方向に移動させるように前記フレームに連結されて前記座部部分に連結されたリンクをさらに備えている
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのドロップレールが一対の横方向に離間されたドロップレールを備えており、
各ドロップレールが前記フレームに回転可能に連結された足側端部部分を有しており、
前記頭部部分が上昇されるとき、前記一対の横方向に離間されたドロップレールが前記フレームに対して概ね平行である第一位置から下降された第二位置へと下方向に傾動し、
各ドロップレールが、前記頭部部分の足側端部部分に連結されたピンを受容する長手方向に延在するスロットを有する頭側端部部分を有している
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項13】
前記座部部分が、前記ドロップレールに沿って平行移動可能に前記ドロップレール上で支持されており、
前記一対の横方向に離間されたドロップレールが下降されたとき前記座部部分が前記装置の足側端部に向かって移動するように前記フレームに連結されて前記座部部分に連結されたリンクをさらに備えている
ことを特徴とする請求項12の装置。
【請求項14】
前記リンケージが前記フレームによって支持されているカムを備えており、
前記リンケージが前記大腿部分と前記カムとの間に配置されたローラーアセンブリを備えており、
カムが前記ローラーアセンブリを動かすように前記ローラーアセンブリの下で動き、これによって前記大腿部分を前記少なくとも一つのドロップレールに対して傾動させる
ことを特徴とする請求項1の装置。
【請求項15】
前記カムが、前記頭部部分が前記フレームに対して概ね平行である下降された位置から中間位置へと上方向に移動するとき、前記大腿部分を上昇させるように前記ローラーアセンブリの下で動く第一部分を有しており、
前記カムが、前記頭部部分が前記中間位置から上昇された位置へとさらに上方向に移動するとき、前記大腿部分を下降させるように前記ローラーアセンブリの下で動く第二部分を有している
ことを特徴とする請求項14の装置。
【請求項16】
前記ローラーアセンブリが、概ね垂直の方向に移動可能なように前記フレームに連結されており、
前記ローラーアセンブリが、前記大腿部分と接触するように配置された上部ローラーを有しており、
前記ローラーアセンブリが、前記カムと接触するように配置された底部ローラーを有している
ことを特徴とする請求項15の装置。
【請求項17】
前記リンケージが、前記頭部部分に前記カムを連結させるロック可能な装置を備えており、
前記頭部部分が昇降されると前記ローラーアセンブリの下で前記カムが動くように、前記リンケージが前記動作の第二モードにあるとき前記ロック可能な装置はロックされており、
前記頭部部分が昇降されたとき前記カムが前記ローラーアセンブリの下で概ね静止したままとなるように、前記リンケージが前記動作の第一モードにあるとき前記ロック可能な装置はアンロックされている
ことを特徴とする請求項15の装置。
【請求項18】
前記ロック可能な装置が、前記頭部部分に連結されたハウジングと、前記ハウジングの内部で受容されているコイル把持ばねと、連結ロッドとを有するスプリングクラッチを備えており、
前記連結ロッドが、前記把持ばね内部に受容されている第一部分を有しており、
前記連結ロッドが、前記カムに連結された第二部分を有しており、
前記頭部部分を前記カムに連結させるために前記把持ばねが前記連結ロッドの周囲を締め付けるように、前記スプリングクラッチがロック可能であり、
前記頭部部分を前記カムから切り離すために前記把持ばねが前記連結ロッドに加えたその把持を緩めるように、前記スプリングクラッチが解除可能である
ことを特徴とする請求項17の装置。
【請求項19】
前記頭部部分に連結されて、ロック位置と解除位置との間を移動可能である少なくとも一つのハンドルをさらに備えており、
前記少なくとも一つのハンドルが前記ロック位置にあるとき前記ロック可能な装置がロックされ、前記少なくとも一つのハンドルが前記解除位置にあるとき前記ロック可能な装置がアンロックされる
ことを特徴とする請求項17の装置。
【請求項20】
部材をさらに備えており、
前記少なくとも一つのハンドルは、そのロック位置からその解除位置に移動したとき、前記ロック可能な装置をアンロックするように前記部材を動かすように構成されている
ことを特徴とする請求項19の装置。
【請求項21】
前記少なくとも一つのハンドルがそのロック位置からその解除位置に移動したとき、前記部材の動きによってケーブルが引っ張られて前記ロック可能な装置をアンロックし前記頭部部分を前記カムから切り離すように、前記部材に連結されて前記ロック可能な装置に連結されたケーブルをさらに備えている請求項20の装置。
【請求項22】
前記頭部部分が、前記頭側端部付近に一対のコーナー部分を有する底部パネルを有しており、
前記少なくとも一つのハンドルが、前記コーナー部分のそれぞれに隣接して前記底部パネルに連結された一対のハンドルを備えており、
これらのハンドルが、これらのハンドルのうちの第一ハンドルがそのロック位置からその解除位置へと移動するとこれらのハンドルのうちの第二ハンドルがそのロック位置からその解除位置へと移動するようになるように、リンクによって連結されている
ことを特徴とする請求項19の装置。
【請求項23】
部材と、前記部材から前記ロック可能な装置へと延在するケーブルとをさらに備えており、
前記リンクが、前記一対のハンドルが各々のロック位置から各々の解除位置へと移動したときに前記ロック可能な装置をアンロックするために前記ケーブルを引っ張るように前記部材を動かすように構成されている
ことを特徴とする請求項22の装置。
【請求項24】
前記ハンドルが、前記ハンドルの前記ロック位置と前記解除位置にそれぞれ対応する第一ノッチと第二ノッチとを有する概ね円形の部分を有しており、
前記頭部部分に連結されたロック部材と、前記頭部部分が上昇されたとき前記ハンドルが動くことを阻止するために前記ロック部材のロック部分をその対応する円形部分の前記2つのノッチのうちの一つの中に付勢するばねと、をさらに備えており、
前記フレームから延在するポストが、前記頭部部分が前記下降された位置へと移動されたときに前記ハンドルを移動可能に解放するために、前記円形部分のその時に受容されているノッチから前記ロック部分を外すように前記ロック部材を移動させる
ことを特徴とする請求項19の装置。
【請求項25】
前記頭部部分に連結されて前記フレームに連結されたアクチュエータであって、前記フレームに対する前記頭部部分の傾動動作を阻止するようにロック可能であり、前記フレームに対する前記頭部部分の回転動作を可能にするように解除可能であるようなアクチュエータと、
前記頭部部分に連結されて、ロック位置と複数の解除位置との間で複数の方向へ移動可能である少なくとも一つの頭部部分解除ハンドルと
をさらに備えており、
前記少なくとも一つの頭部部分解除ハンドルが前記ロック位置から前記複数の解除位置のいずれの位置へ移動しても、前記アクチュエータが解除されて前記フレームに対する前記頭部部分の傾動が可能になる
ことを特徴する請求1の装置。
【請求項26】
前記頭部部分解除ハンドルが、ハンドグリップを有する本体部分と、前記本体部分から延在する脚部分とを備えており、
前記脚部分が、細長いスロットを有しており、
前記頭部部分が、前記スロットに受容されるピンを有している
ことを特徴とする請求項25の装置。
【請求項27】
フレームと、
前記フレームに対して概ね平行な第一位置と下降された第二位置との間を傾動動作可能に前記フレームに連結された少なくとも一つのドロップレールと、
共に傾動するように前記少なくとも一つのドロップレールによって支持されている座部部分と、
前記少なくとも一つのドロップレールに対して概ね平行な第一位置と前記少なくとも一つのドロップレールに対して上昇された第二位置との間を傾動動作可能に前記座部部分に連結された大腿部分と、
フレームに連結されて前記少なくとも一つのドロップレールに連結された頭部部分であって、頭部部分が前記フレームに対して概ね平行な下降された位置から上昇された位置へと傾動することによって、前記少なくとも一つのドロップレールが前記第一位置から前記第二位置へと下方向への傾動を行うようになるような頭部部分と、
前記頭部部分が上昇されたとき前記大腿部分をまず上昇させてそれから下降させるように、前記頭部部分に連結されて前記大腿部分に連結されたリンケージと
を備えている患者支持装置。
【請求項28】
フレームと、
前記フレームに連結されて前記フレームに対して傾動可能な少なくとも一つのドロップレールと、
前記少なくとも一つのドロップレールに沿って平行移動可能に前記少なくとも一つのドロップレールによって支持されている座部部分と、
前記フレームに連結されて前記少なくとも一つのドロップレールに連結された頭部部分であって、頭部部分が昇降されることによって、前記少なくとも一つのドロップレールが前記フレームに対して傾動するようになるような頭部部分と、
前記頭部部分が昇降されるとき、前記ドロップレールに沿って前記座部部分を移動させるように前記フレームに連結されて前記座部部分に連結されたリンクと
を備えている患者支持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2007−222607(P2007−222607A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−10836(P2007−10836)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(501453167)ヒル−ロム サービシーズ,インコーポレイティド (54)
【Fターム(参考)】