説明

自動車制御装置

本発明は、自動車制御装置に関し、前記装置は少なくとも1つの操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素を車両の内部機能を操作するために備え、前記制御装置は、車両の手動制御ハンドブレーキレバー上に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の内部機能を駆動するために、少なくとも1つの作動可能な操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素を有する車両用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様なこのような制御装置が知られており、これらの制御装置は、一般に、車両のステアリングコラムスイッチ、ダッシュボード及び/又はセンターコンソールに配置されている。例えば照明、空調、座席を快適にするものなどの車両の内部機能は、制御装置の操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素により駆動することができる。純粋な操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素に加え、一般に、視覚的支援を提供するディスプレイがこうした関係で設けられている。
【0003】
基本的には、制御装置は装着スペースを必要とする。特に、現代の比較的小さな自動車は、比較的小さな装着スペースが利用できる。特許文献1は、自動車のトランスミッション用スイッチレバーの領域に制御装置を設けることを開示している。ギア速度を変更するときのスイッチレバーの移動により、このような配置は比較的コスト高で損傷しやすい。
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第 196 47 460 A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、できるだけ装着スペースを少なくし、又は首尾よく装着スペースを取ることなく、及び、車両の操作者にとって十分にアクセス可能である制御装置を提供するという目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、車両の手動で作動可能なハンドブレーキのハンドブレーキレバー上に制御装置を配置することを提案することにより達成される。対応する装着スペースは、ハンドブレーキレバーに利用されることとなる。本発明によると、制御装置がハンドブレーキレバー上に配置されるという事実により、この制御装置自体は何ら追加の装着スペースを必要としない。さらに、ハンドブレーキレバーは一般に運転室に人間工学的に好ましい態様で配置されているため、人間工学的に好ましい位置が得られる。さらに、制御装置が、室内又はハンドブレーキレバーのデザインと一体となるため、室内デザインが悪影響を受けることはない。
【0007】
この関係で、制御装置の少なくとも一部をハンドブレーキレバー内に組み込むことが有利であると考えることができる。この結果、制御装置の極めてコンパクトな実施形態を実現することができ、この実施形態は、サイズが小さく、視覚的に障害となるものではない。
【0008】
本発明の1つの有利な実施形態では、接触センサシステムを有するハンドレスト部が設けられ、ここでは、操作者の手がハンドレスト部に接触している場合にのみ、操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素が作動目的で駆動される。これにより、手がハンドレスト部に接触している場合にのみ、自動車の内部機能が実際に確実に駆動可能となる。操作要素、制御要素、及び/又はスイッチ要素が、任意に又は意図せずして接触したときの、車両の内部機能の意図しない作動が防止される。車両の内部機能の作動は、操作者の手が意図的にハンドレスト部に接触したときにのみ、可能となる。これにより制御装置の作動信頼性が高まる。
【0009】
この関係で、手の膨らみ部を載置するためのハンドレスト部を、移動方向から離れた方向に向く、制御装置の後方上側部に配置することができる。ハンドレスト部は、ハンドブレーキが作動されるときに、操作者の手が接触しないように配置されると有利である。これにより、ハンドブレーキが作動されたときに、プッシュボタン式操作スイッチの1つが意図することなく操作されないことを確実にする。
【0010】
本発明のさらに有利な実施形態によると、タッチパッド、作動ホイール、プッシュボタン式操作スイッチ、スライド式操作スイッチ及び/又はジョイスティックの形態で、移動方向の前部に位置する制御装置の上側部に設けられる操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素を提供することができる。これにより、自動車内部機能の好ましい作動を上側部で行うことができ、これも車両操作者の視野内にある。
【0011】
本発明の他の実施形態によると、ハンドブレーキのラッチ位置を解除するプッシュボタン式リリーススイッチが、移動方向を指すハンドブレーキレバーの自由端に設けられ、移動方向における前部で頂部に位置する操作、制御及び/又はスイッチ要素は、プッシュボタン式リリーススイッチが作動されたときに、作動されないように、凹部又は溝内に配置される。これにより、ハンドブレーキが作動されたときに、制御装置の望ましくない作動が生じないか又は作動しても困難を伴うという点で、制御装置の機能的な信頼性が高まる。
【0012】
本発明のさらなる実施形態によると、ハンドブレーキレバー上又は内部に配置された配管による制御装置の動力源及びデータ通信を提供することができる。
【0013】
本発明のさらなる詳細及び有利な改良点は、図面に示された実施形態を詳細に説明及び記載する以下の説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、車両用の制御装置10を示し、この制御装置は2つの操作要素12及び14及び制御要素16を備える。本明細書では、制御装置は、図示しない車両の手動で作動可能なハンドブレーキ20のハンドブレーキレバー18に配置されている。移動方向を指す自由端22に、ハンドブレーキレバー18はプッシュボタン式リリーススイッチ24を備え、このリリーススイッチで、ハンドブレーキレバーをラッチ位置から解除することができる。
【0015】
図2の拡大図から明らかなように、2つの操作要素12、14が制御装置の2つの長手方向側部26の区域として配置されており、これらの区域はプッシュボタン式操作スイッチと同様に、移動方向の前部に配置されている。手が制御装置10上に置かれると、2つの操作要素12及び14は、それぞれ操作者の親指又は人差し指/中指で作動することができる。
【0016】
ジョイスティック部材として具体化されている制御要素16は、移動方向の前部に位置する上側部28に配置されている。人差し指で有利に操作することができ、この場合、2つの操作要素12の一方を中指で有利に操作することができる。
【0017】
制御装置は、移動方向から離れた方向に向くその上側部に、操作者の手の膨らみ部を載置するためのハンドレスト区域30を有する。ハンドレスト部30は、本明細書では、コンタクトセンサシステム(図示せず)を備え、このコンタクトセンサシステムにより、操作者の手がこのハンドレスト部に接触しているか判断することができる。本明細書では、制御装置は、操作要素12及び14そして制御要素16が、操作者の手がハンドレスト部30の上に載置されているときにのみ、作動を目的として作動されるように具体化してある。これにより、操作要素12、14及び制御要素16の意図しない作動が防止される。
【0018】
図2から明らかになるように、制御要素16は凹部32内に位置する。これにより、プッシュボタン式リリーススイッチ24が作動されたときに、制御要素16の意図しない作動が防止される。これにも関わらず、快適な態様でプッシュボタン式リリーススイッチ24を作動できるようにするため、平坦部34が移動方向に向く前側部で、制御装置10に設けられる。
【0019】
プッシュボタン式操作スイッチ12、14及びジョイスティック16の代わりに、例えば、スイッチホイール又はスイッチボール又は他のタッチパッドなどの他の操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素を設けることもできる。
【0020】
図1及び2から明らかとなるように、制御装置10は把持されるハンドブレーキレバー18の全長にわたって縦方向に延びる。制御装置10は、ハンドブレーキレバーの上側に配置されるか、又は、この内部に少なくとも部分的に組み入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ハンドブレーキレバー上に配置された本発明による制御装置。
【図2】図1による制御装置の個々の例示。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの作動可能な操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素(12、14、16)を自動車内部機能を駆動するために有する車両用制御装置(10)であって、前記制御装置は、前記車両の手動で作動可能なハンドブレーキ(20)のハンドブレーキレバー(18)に設けられることを特徴とする制御装置(10)。
【請求項2】
前記制御装置は、前記ハンドブレーキレバー(18)に少なくとも部分的に組み込まれることを特徴とする請求項1に記載の制御装置(10)。
【請求項3】
接触センサシステムを有するハンドレスト部(30)が設けられ、前記操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素(12、14、16)は、操作者の手が前記ハンドレスト部(30)に接触している場合にのみ作動するように、駆動されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の制御装置(10)。
【請求項4】
手の膨らみ部を載置するための前記ハンドレスト部(30)は、移動方向から離れた方向に向く、前記制御装置の後方の上側部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の制御装置(10)。
【請求項5】
前記ハンドレスト部は、前記ハンドブレーキが作動されたときに、操作者の手に接触しないように配置されることを特徴とする請求項3あるいは4に記載の制御装置(10)。
【請求項6】
いずれの場合も、プッシュボタン式操作スイッチ(12、14)が前記制御装置(10)の2つの長手方向側部(26)の、移動方向の前部に位置する部分に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の制御装置(10)。
【請求項7】
前記操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素(12、14、16)が、タッチパッド、作動ホイール、プッシュボタン式操作スイッチ、スライド式操作スイッチ及び/又はジョイスティック(16)の形態で、前記制御装置の、移動方向前部に位置する上側部(28)に設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記ハンドブレーキ(20)のラッチ位置を解除するプッシュボタン式リリーススイッチ(24)が、前記ハンドブレーキレバー(18)の移動方向を指す自由端に設けられ、移動方向の前部で頂部に位置する前記操作要素、制御要素及び/又はスイッチ要素(16)は、前記プッシュボタン式リリーススイッチ(24)が作動されたときに作動されないように、凹部(32)又は溝内に配置されることを特徴とする制御装置(10)。
【請求項9】
前記制御装置(10)の動力源及びデータ通信が、前記ハンドブレーキレバー上又は内部に位置する配線によって提供されることを特徴とする制御装置(10)。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−538439(P2008−538439A)
【公表日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506969(P2008−506969)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003308
【国際公開番号】WO2006/111300
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(598051819)ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 137,70327 Stuttgart,Deutschland
【Fターム(参考)】