説明

自動車用サイドバイザー

【課題】 庇板部の裏側に形成される空間を利用して、ウインカーランプ(方向指示器)としての機能を付加した自動車用サイドバイザーを提供する。
【解決手段】 庇板部3と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部4とを備えた自動車用サイドバイザーにおいて、庇板部3の一部に発光ダイオード10を設け、当該発光ダイオード10をウインカーランプの電気配線に結線する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用サイドバイザーに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用サイドバイザーには、自動車の側窓に沿ったルーフ部分に取り付ける所謂ルーフバイザーと、窓枠に取り付ける所謂ドアバイザーの二種類があり、何れも、その大多数は、合成樹脂の射出成形によって製造され、透明な庇板部と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部とを備えており、自動車に装着した状態においては、庇板部の裏側に雨の当たらない空間が形成されている。そして、窓ガラスを少し下げた状態で走行することにより、窓の隙間による室内換気を促進する役目と、窓の隙間から雨が入り込むのを防ぐ雨除けとしての役目を果たすようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような自動車用サイドバイザーの多機能化を図ったもので、庇板部の裏側に形成される空間を利用して、ウインカーランプ(方向指示器)としての機能を付加した自動車用サイドバイザーを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、本発明が講じた技術手段は、次のとおりである。即ち、請求項1に記載の発明による自動車用サイドバイザーは、庇板部と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部とを備えた自動車用サイドバイザーであって、庇板部の一部に発光ダイオードを設け、当該発光ダイオードをウインカーランプの電気配線に結線してあることを特徴としている。
【0005】請求項2に記載の発明による自動車用サイドバイザーは、自動車側面の窓の上縁に沿った主バイザー部分とAピラーに沿った前下がりの補助バイザー部分とを備え、主バイザー部分及び補助バイザー部分の夫々が透明な庇板部と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部とを備えた自動車用サイドバイザーであって、補助バイザー部分における庇板部の前端部の内面に発光ダイオードを設け、当該発光ダイオードをウインカーランプの電気配線に結線してあることを特徴としている。
【0006】請求項3に記載の発明による自動車用サイドバイザーは、自動車側面の窓の上縁に沿った主バイザー部分とAピラーに沿った前下がりの補助バイザー部分とを備え、主バイザー部分及び補助バイザー部分の夫々が透明な庇板部と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部とを備えた自動車用サイドバイザーであって、主バイザー部分における庇板部の後端部の内面に発光ダイオードを設け、当該発光ダイオードをウインカーランプの電気配線に結線してあることを特徴としている。
【0007】上記の構成によれば、ステアリンブホイール近辺での操作によってウインカーランプ(方向指示器)を点滅させると、これに連動して自動車用サイドバイザーの庇板部に設けられた発光ダイオードも点滅して、補助的なウインカーランプ(方向指示器)として機能することになり、安全性の向上に寄与する。
【0008】殊に、請求項2、3に記載の構成によれば、透明な庇板部の裏側に形成される空間を利用して、発光ダイオードを設けるため、風雨による故障の心配がなく、且つ、庇板部の表面を、従来通り、滑らかで風の抵抗が少ない形状に維持できる利点がある。
【0009】
【発明の実施の形態】図1と図2は、本発明に係る自動車用サイドバイザーAの一例を示す。この自動車用サイドバイザーAは、窓枠に取り付ける形式(所謂ドアバイザー)であり、合成樹脂の射出成形によって製造されたもので、自動車側面の窓の上縁に沿った主バイザー部分1AとAピラーに沿った前下がりの補助バイザー部分2Aとを備え、主バイザー部分1A及び補助バイザー部分2Aの夫々が透明な庇板部3と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部4とを備えている。そして、取付け用板部4を両面接着テープ5で窓枠6に取り付けるようになっている。7は窓ガラス、8はドアミラー、9はドアミラーベースである。
【0010】補助バイザー部分2Aにおける庇板部3の前端部の内面には、列状に並んだ多数の発光ダイオード10を設けてあり、当該発光ダイオード10は、ドアミラーベース9の内方において、図外のウインカーランプの電気配線に結線してある。
【0011】庇板部3の前端部の内面に発光ダイオード10を設けるにあたって、この例では、図2に示すように、庇板部3に小孔11を形成し、発光ダイオード10が収納されたケース10aの透明な先端側部分を前記小孔11に、庇板部3の裏面側からケース段差部まで嵌め込んで、ケース10a先端を庇板部3の表面と面一状とし、且つ、小孔11の周囲に接着して固定してあるが、図3に示すように、透明な庇板部3に小孔を開けずに、庇板部3の裏面に発光ダイオード10が収納されたケース10aを接着して固定してもよい。この場合、ケース10a接着面を含むケース10a周囲の庇板部3裏面に、印刷等による不透明な膜体12を形成して、余分な部分が外部から見えないようにすることが望ましい。
【0012】上記の構成によれば、ステアリンブホイール近辺での操作によってウインカーランプ(方向指示器)を点滅させると、これに連動して自動車用サイドバイザーAの庇板部3に設けられた発光ダイオード10も点滅して、補助的なウインカーランプ(方向指示器)として機能することになり、安全性の向上に寄与するのである。
【0013】殊に、透明な庇板部3の裏側に形成される空間を利用して、発光ダイオード10を設けるため、風雨による故障の心配がなく、且つ、庇板部3の表面を、従来通り、滑らかで風の抵抗が少ない形状に維持できる利点がある。
【0014】図4、図5は、他の実施の形態を示し、主バイザー部分1Aにおける庇板部3の後端部の内面に発光ダイオード10を設け、当該発光ダイオード10をウインカーランプの電気配線に結線した点に特徴がある。この場合、発光ダイオード10が自動車用サイドバイザーAの後端部、換言すれば、揺動開閉するドアの先端(ヒンジと反対側)に位置するので、発光ダイオード10への電気配線が、図1の例よりも面倒であるが、図5と図6に示すように、薄いテープ状の電線13を使用し、この電線13を両面接着テープ5で取付け用板部4に接着固定するようにすれば容易に実施できる。また、図7に示すように、取付け用板部4に配線用の溝14を形成する場合は、厚みのある電線13の使用が可能である。
【0015】
【発明の効果】本発明は、上述した構成よりなるため、ステアリンブホイール近辺での操作によってウインカーランプ(方向指示器)を点滅させると、これに連動して自動車用サイドバイザーの庇板部に設けられた発光ダイオードも点滅して、補助的なウインカーランプ(方向指示器)として機能することになり、安全性の向上に寄与する等の効果がある。
【0016】殊に、請求項2、3に記載の発明によれば、透明な庇板部の裏側に形成される空間を利用して、発光ダイオードを設けるため、風雨による故障の心配がなく、且つ、庇板部の表面を、従来通り、滑らかで風の抵抗が少ない形状に維持できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用サイドバイザーの使用状態における斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】他の実施の形態を示す要部の断面図である。
【図4】他の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】他の実施の形態を示す要部の斜視図である。
【図6】要部の断面図である。
【図7】他の実施の形態を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
A…自動車用サイドバイザー、3…庇板部、4…取付け用板部、10…発光ダイオード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 庇板部と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部とを備えた自動車用サイドバイザーであって、庇板部の一部に発光ダイオードを設け、当該発光ダイオードをウインカーランプの電気配線に結線してあることを特徴とする自動車用サイドバイザー。
【請求項2】 自動車側面の窓の上縁に沿った主バイザー部分とAピラーに沿った前下がりの補助バイザー部分とを備え、主バイザー部分及び補助バイザー部分の夫々が透明な庇板部と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部とを備えた自動車用サイドバイザーであって、補助バイザー部分における庇板部の前端部の内面に発光ダイオードを設け、当該発光ダイオードをウインカーランプの電気配線に結線してあることを特徴とする自動車用サイドバイザー。
【請求項3】 自動車側面の窓の上縁に沿った主バイザー部分とAピラーに沿った前下がりの補助バイザー部分とを備え、主バイザー部分及び補助バイザー部分の夫々が透明な庇板部と、その幅方向一辺に連設された取付け用板部とを備えた自動車用サイドバイザーであって、主バイザー部分における庇板部の後端部の内面に発光ダイオードを設け、当該発光ダイオードをウインカーランプの電気配線に結線してあることを特徴とする自動車用サイドバイザー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2002−240551(P2002−240551A)
【公開日】平成14年8月28日(2002.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−42809(P2001−42809)
【出願日】平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願人】(000203357)
【Fターム(参考)】