説明

自己パージ式エキスパンション・ジョイント

自己パージ式エキスパンション・ジョイントは、ベローズを第1の導管と連結する第1の環状シール・スリーブ、及びベローズを第2の導管と連結する第2の環状シール・スリーブを含むことができる。流量抑制孔は、より高圧の外部流体が、ベローズをパージするように環状通路を通り、より低圧の流体を含むエキスパンション・ジョイントの主流体流路へと、流れることを可能にする。自己パージ式エキスパンション・ジョイントは、流体接触分解ユニットの分離器内で、例えば一次ストリッピング・サイクロンと二次ストリッピング・サイクロンとの間で、利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施例はエキスパンション・ジョイント(伸縮継手)に関し、より詳細には、自己パージ式エキスパンション・ジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
エキスパンション・ジョイントは、多様なライン及び機器を連結するために、様々な業界で利用されている。エキスパンション・ジョイントはベローズを含むことがあり、このベローズは、異物を中に形成又は蓄積してエキスパンション・ジョイントの動作を妨げることがある。例えば、流体接触分解(FCC)ユニットのエキスパンション・ジョイントのベローズ内でコークス及び/又は触媒粒子の堆積が起きることがある。
【0003】
ベローズに沿って及び/又はベローズの周りに流体を循環させることによって、異物の形成又は蓄積を防ぐことができるが、エキスパンション・ジョイントとの別個の流体接続部によって、望ましくない複雑性、並びに流体接続部に関連する据付、運転、及び保守費用が発生することがある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
以下の詳細な説明は、添付の図面と併せるとより良く理解できるであろう。
【図1】一実施例による自己パージ式エキスパンション・ジョイントの部分切断図である。
【図2】一実施例による自己パージ式エキスパンション・ジョイントの概略的な断面図である。
【図3】一実施例による自己パージ式エキスパンション・ジョイントの概略的な断面図である。
【図4】一実施例による、流体接触分解(FCC)ユニットの分離器内の一次サイクロンと二次サイクロンの間に配設された、自己パージ式エキスパンション・ジョイントの概略図である。 実施例は、上記の図を参照して以下で詳細に説明される。
【実施例】
【0005】
実施例を詳細に説明する前に、実施例は特定の実施例に限定されるものではなく、様々な方法で実行又は実施することができることを理解されたい。
【0006】
実施例は、自己パージ式エキスパンション・ジョイントなどのエキスパンション・ジョイントに関する。自己パージ式エキスパンション・ジョイントは、エキスパンション・ジョイント外部の流体が、エキスパンション・ジョイント内の内部流体より圧力が高いとき、利用することができる。例えば、自己パージ式エキスパンション・ジョイントを、加圧された容器内に配設することができる。
【0007】
一実施例では、自己パージ式エキスパンション・ジョイントは、互いに対して可動な第1及び第2の導管の周りに配設されたベローズと、第1及び第2の導管の隣接する端部を通る主流体流路と、第1の導管とベローズの第1の端部との間に周辺シールを形成する第1の環状シール・スリーブと、第2の導管とベローズの第2の端部との間に周辺シールを形成する第2の環状シール・スリーブと、第1の環状シール・スリーブ内の流量抑制孔と、この孔を通り、ベローズと第1の導管との間を通り、第1及び第2の導管の隣接する端部間の間隙を通り、主流体流路へと流れるパージ流体流路とを含むことができる。流量抑制孔は、加圧された領域からベローズと第1の導管との間の環状通路への流体入口を含むことができる。間隙は、環状通路から主流体流路への出口を含むことができる。加圧された領域内の流体は、主流体流路より高圧とすることができる。1つ又は複数の流量抑制孔は、例えば、0より大きく約40キロパスカル未満などの、加圧された容器内のより高圧の流体と主流体流路内の流体との圧力差のための流体面積を提供することができる。
【0008】
自己パージ式エキスパンション・ジョイントは、ベローズを覆う保護カバーを含むことができる。保護カバーは流量抑制孔の上に重なることができる。保護カバーの近位側端部は、第1の環状シール・スリーブに対して周辺シールすることができ、保護カバーの遠位側端部の開口は、加圧された容器から流体が進入できるようにする。
【0009】
流量抑制孔は、1つ又は複数の円形流量抑制孔とすることができる。エキスパンション・ジョイントは加圧された容器内とすることができ、一実施例では流体接触分解(FCC)ユニットの分離器とすることができる。第1又は第2の導管の一方は、サイクロンの入口又は出口と連通することができる。第1の導管は一次サイクロンの出口及び二次サイクロンの入口の一方と連通することができ、第2の導管は他方と連通することができる。一次サイクロンは閉じたサイクロンとすることができる。
【0010】
自己パージ式エキスパンション・ジョイントは、第1の導管、第2の導管、第1の環状シール・スリーブ、及び第2の環状シール・スリーブの少なくとも1つに、硬い耐熱性の内側ライナーを含むことができる。主流体流路は垂直方向に延びることができ、第1及び第2の導管の隣接する端部間の間隙は、エキスパンション・ジョイントの下側端部とすることができる。第1及び第2の導管の隣接する端部をそれらの間に間隙を形成するように軸方向に離間することができ、又は隣接する端部を、一方が他方より大きい直径を有し、同心として径方向に離間することができる。
【0011】
一実施例では、FCCユニットは自己パージ式エキスパンション・ジョイントを含むことができ、第1の導管が二次サイクロンと連通することができ、第2の導管が一次サイクロンからのシールされた蒸気出口と連通することができる。流体接触分解(FCC)ユニットは、FCCライザー流出物から触媒を分離し、炭化水素蒸気の触媒の少ない流れを形成するように一次サイクロンが分離器内に配設されたFCC分離器、FCC分離器の下側端部内の触媒ベッド、及びFCCライザー流出物を一次サイクロンに供給するための一次サイクロンへの入口を含むことができる。FCCユニットは、触媒ベッドへのストリッピング(剥離)流体の供給部、及び触媒ベッドからFCC分離器の下側端部を通る、ストリッピングされた触媒の出口を含むことができる。一次サイクロンは、サイクロン容器、懸濁液から固体を分離し、固体含有量の少ない蒸気の渦を形成するための円筒形表面、渦と連通する一次サイクロンからのシールされた蒸気出口、及び一次サイクロンの下側端部からの固体排出出口を含むことができる。
【0012】
加圧された容器内部で使用するためのエキスパンション・ジョイントをパージする方法は、互いに対して可動な隣接する端部を有する第1及び第2の導管の周りに配設されたベローズを設ける段階と、第1及び第2の導管を通る主流体流路を形成する段階と、第1の導管とベローズの第1の端部との間の第1の環状シール・スリーブで周辺シールを形成する段階と、第2の導管とベローズの第2の端部との間の第2の環状シール・スリーブで周辺シールを形成する段階と、第1の環状スリーブの流量抑制孔を通り、ベローズと第1の導管との間を通り、第1及び第2の導管の隣接する端部間の間隙を通り、主流体流路へと流れるパージ流体流路を形成する段階とを含むことができる。
【0013】
方法は、所望のパージ速度を達成するために、比較的高圧の外部流体と主流体流路内の比較的低圧の流体との間の圧力差のための流体面積を提供する、流量抑制孔のサイズ及び数を選択する段階を含むことができる。一実施例では、圧力差は0より大きく最大で約40キロパスカルとすることができる。方法は、ベローズからあらゆる異物をパージするために、加圧された領域から、流量抑制孔を通り、ベローズと第1の導管との間の環状通路へと、流体を通過させる段階を含むことができる。方法は、第1及び第2の導管の隣接する端部間の環状通路から主流体流路へと、流体を通過させる段階をさらに含むことができる。方法は、流量抑制孔を通過する前に、ベローズとベローズを覆う保護カバーとの間の加圧された領域から流体を通過させる段階を含むことができる。
【0014】
自己パージ式エキスパンション・ジョイントをパージする方法は、エキスパンション・ジョイントの流量抑制孔を通り、主流体流路へと、パージ流体を通過させる段階を含むことができる。
【0015】
図を参照すると、図1は、一実施例による自己パージ式エキスパンション・ジョイント100の部分切断図である。「パージ式」とは、エキスパンション・ジョイント内での固体の形成又は蓄積を阻止するために、例えば外部流体などの流体を、ベローズ内に又はベローズを通って循環させることをいう。「自己パージ式」とは、パージ流体として利用可能な圧力で周囲流体を受動的に使用することをいい、エキスパンション・ジョイント100の内部をパージする特定の目的のために、遠隔の供給源から専用流体を供給するためのいかなる外部配管又はラインも必要としないことがある。図に例示するように、ベローズ102が第1の導管104及び第2の導管106の周りに配設されている。ベローズ102は、限定はされないが、ステンレス鋼又は他の金属、ポリマー、織又は不織の天然又は合成繊維、又はそれらの組み合わせを含む、動作温度及び他の条件に適切な任意の材料とすることができる。第1及び第2の導管104、106の隣接する端部は、互いに対して可動とすることができる。主流体流路108は、第1及び第2の導管104、106の隣接する端部を通って延びることができる。流体は自己パージ式エキスパンション・ジョイント100を通って流れることができ、又はより詳細には、流体は主流体流路108を通って流れることができる。
【0016】
第1の環状シール・スリーブ110は、第1の導管104とベローズ102の第1の端部との間に周辺シールを形成することができる。第2の環状シール・スリーブ112は、第2の導管106とベローズ102の第2の端部との間に周辺シールを形成することができる。図1に例示するように、第1及び/又は第2の環状シール・スリーブ110、112は、円筒形とすることができ、それぞれ第1及び第2の導管104、106への先細又は切頭円錐状の接続部114、116を含むことができる。第1の導管104の自由端は、ベローズ102及び第2の環状シール・スリーブ112を通り、第2の導管106の隣接する端部へ向かって、同軸方向に延びることができる。
【0017】
ベローズ102と第1の導管104の外表面との間に形成された環状通路120と連通して、第1の環状シール・スリーブ110に流量抑制孔118を形成することができる。図1に例示された実施例では、第1の環状シール・スリーブ110の円筒形部分の外周の周りに複数の円形孔が形成されている。したがって、孔118は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント100外部の流体が、ベローズ102と第1の導管104との間の全体的に環状の通路120に入り、第1及び第2の導管104、106の向かい合う端部間の間隙を通り、導管104、106内の中央通路108へと、流入することを可能にする。間隙は、第1及び第2の導管104、106の向かい合う端部を軸方向にオフセットすることによって形成することができ、又は導管104、106が同軸であり異なる直径を有する場合、径方向間隙が存在することができる(後述する図3を参照)。一般に、軸方向にオフセットする導管は同じ直径を有することができ、径方向間隙とする場合は、主流体流路を通る流体流の通常方向の下流にある導管は、上流の導管より大きい直径を有することができる。
【0018】
パージ流は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント100外部のより高圧の流体と、エキスパンション・ジョイント100の主流体流路108内に含まれるより低圧の流体との圧力差によって生じることができる。より高圧の流体は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント100を含む、例えば加圧された容器など、主流体流路108に対して相対的に高圧の領域からとすることができる。一実施例では、自己パージ式エキスパンションバルブ100外部の流体、例えば、FCCユニット内の分離器からの蒸気又は他のストリッピング流体を、パージ流体として利用することができる。パージ流は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント100外部の流体(例えば、周囲又は大気圧力)と、エキスパンション・ジョイント100の主流体流路108内に含まれる外部流体(例えば、大気圧以下の圧力)に対して負圧である流体との、圧力差によって生じることができる。
【0019】
環状通路120へと流れるパージ流体流はそこから粒子を押し流すことができ、流体が主流体流路108から流入することを阻止することができる。それにより、パージ流はベローズ102の折り目又は隣接する他の領域での固体の形成及び/又は蓄積を低減又は排除を助けることができ、さもなければ、エキスパンション・ジョイント100が第1の導管104と第2の導管106との相対動作に対応する能力に悪影響を与える可能性がある。したがって、パージ流は、例えば温度差膨張による負荷を軽減するなど、エキスパンション・ジョイント100が本来の機能を発揮することを可能にする。
【0020】
流量抑制孔118及び/又は環状通路120は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント100の動作に干渉することがある異物の蓄積及び/又は形成の防止の助けとなるのに十分な、流体の流量を可能にするサイズとすることができる。孔118に関する「流量抑制」とは、孔118のサイズ及び数によって流量を効果的に制御することができるように、孔が総合的に、エキスパンション・ジョイント100を通るパージ流体流路の最小の効果的な流体の断面積を示すことができる、という意味を含んでいる。孔118は、例えば、利用可能な圧力差、エキスパンション・ジョイントの形状及び流体特性に所望されるパージ速度を提供するように、選択することができる。
【0021】
孔118のサイズ及び数は、所望されるパージ速度を達成するように、エキスパンション・ジョイント100外部のより高圧の流体と、主流体流路108内の流体との間の圧力差のための流領域を提供するように選択することができる。例えば、FCC分離器内では圧力差は、一実施例では0より大きく約40キロパスカル(kPa)未満、又は他の実施例では1から20kPa又は5から15kPaとすることができる。
【0022】
任意で、シュラウド又は保護カバー122を、例えば、ベローズ102の上に含むことができる。カバー122は、ベローズ102が、保守又は他の運転中に、工具又は人間による予期しない衝撃によって損傷を受けることがないように、剛性の円筒の形態とすることができる。保護カバー122は、孔118の上に重なることもできる。図1に例示するように、保護カバー122の一方の端部を第1の環状シール・スリーブ110に対して周辺シールし、保護カバー122の自由端に、周囲パージ流体が孔118へと進入することができるように、保護カバー122とベローズ102の間の環状通路への開口を設けることができる。特に断面の流体の面積が孔118を通る面積より大きい場合の、ベローズ102の外面に沿った流れ、及び垂直又は上向きのパージ流体流の向きが、異物の形成及び/又は蓄積を低減又は排除する助けとなることができる。
【0023】
第1の導管104、第2の導管106、第1の環状シール・スリーブ110、第2の環状シール・スリーブ112、又はそれらの組み合わせに、任意の内側ライナー124を使用することができる。例えば、内側ライナー124は、一次流体流に巻き込まれた粒子による浸食に耐性のある、十分な硬度の耐熱材料を含むことができる。
【0024】
導管(104、106)、環状シール・スリーブ(110、112)、ベローズ102、及び/又は保護カバー122は、円形、長方形等の横断面を有する、全体的に管状又は円筒形の形状とすることができる。孔118及び/又は環状通路120は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント100の動作に干渉することがある異物の蓄積及び/又は形成の防止の助けとなるのに十分な、流体の流量を可能にするように構成することもできる。
【0025】
市販のFCC分離器のシールされたプレナムの1つの特定の実施例では、主流体流路108の内径は91cm、ベローズ102と第1の導管104との径方向間隔は1.27cm、及び環状通路120の面積は365cmとすることができる。それぞれの直径が0.69cmである孔118が24個あり、総合的な孔の面積が8.8cm、圧力差が6.9kPa、及び主流体流路108内の流速が126m/sであるとき、環状通路120を通る速度は3m/sとなる。
【0026】
図2は、一実施例による自己パージ式エキスパンション・ジョイント200の概略的な断面図を示す。自己パージ式エキスパンション・ジョイント200の、内部を流れるより低圧の流体と、外面上を流れる流体との圧力差によって、外部流体が孔202を通り、異物をパージするようにベローズ206と第1の導管208との間の環状通路204に沿って流れ、第1の導管208及び第2の導管210の隣接する端部間の間隙を通り、第1の導管208及び第2の導管210の中央通路によって全体的に画成される主流体流路212へと流れることができる。図2の実施例では、間隙は軸方向であり、軸方向に離間して隣接する導管208、210の端部によって画成されている。第1の導管208は、第2の導管210と同じ又は異なる内径及び/又は外径を有することができる。
【0027】
図3は、本発明の一実施例による自己パージ式エキスパンション・ジョイント300の概略的な断面図を示す。図3に例示する実施例では、間隙は径方向であり、第1及び第2の導管302、304の端部を重ねることによって画成されており、より小さい導管の外径は、より大きい導管の内径より小さい。導管302、304は垂直方向とすることができ、すなわち、それにより画成される主流体流路306の軸は垂直である。下側の導管304は、主流体流路を通る流れに対して上流に向けることができ、上流の導管は下流の導管より小さい直径を有することができ、実施例ではベンチュリ効果をもたらすことができる。したがって、図示された構成は、ベローズ308付近の領域から残滓の排除を維持することをさらに容易にする。第2の導管304に関連する環状シール・スリーブ310は、第1の導管302の端部を可動に受けるように、第1の導管302の外径より大きい内径を有する円筒形部分を含むことができる。図3に示す実施例は、第1の環状シール・スリーブ314に取り付けられた保護カバー312を含む。
【0028】
環状通路316と自己パージ式エキスパンション・ジョイント300の外面上のより高圧の流体との圧力差によって、より高圧の外部流体が、保護カバー312とベローズ308の外面との間の周方向間隙へと流れ、孔318を通り、あらゆる異物をパージするように(例えば、ベローズ308の穴に沿って)環状通路316へと流れ、第2の環状シール・スリーブ310の穴と第1の導管302の外面との間の間隙及び第1の導管302の穴と第2の導管304の外面との間の間隙によって画成される経路へと流れ、自己パージ式エキスパンション・ジョイント300の主流体流路306へと流れることができる。
【0029】
図4は、一実施例による、流体接触分解(FCC)ユニットの分離器406内の一次サイクロン402と二次サイクロン404との間に配設された、自己パージ式エキスパンション・ジョイント400の概略図を示す。
【0030】
分離器406は、例えば、限定はされないが蒸気を含む、ストリッピング流体などの加圧された流体を含むことができる。分離器406内のストリッピングは任意であり、例えば、別個の容器をストリッピングのために利用することもできる。一次サイクロン402は、FCCライザー410からの流体/粒子懸濁液(すなわち、FCCライザー流出物)を受ける入口408を有することができる。一次サイクロン402は閉じたサイクロンとすることができる。一次サイクロン402は、触媒の固体をそこからデンス・ベッド414へと排出することができる出口412を含むことができ、任意で、そこに供給される蒸気などのストリッピング流体を使用して、ストリッピング・ベッドとして操作することもできる。一次サイクロン402からの蒸気出口は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント400に連結することができ、又はより詳細には、その第2の導管416に連結することができ、炭化水素蒸気の触媒の少ない流れが、そこを通過することができる。二次サイクロン404の接線方向の入口418は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント400に連結することができ、又はより詳細には、その第1の導管420に連結することができる。二次サイクロン404は、蒸気出口422及び触媒の固体414を排出することができる出口424を含むことができる。
【0031】
図4に例示された実施例のFCCユニットは、分離器406からオフセットされた再生器426、及びライザー410の上に垂直に配置された分離器406を含み、ライザー410はベッド414を通っている。ストリッピングされた触媒を、輸送ライン428を通って再生器426に供給することができる。ディップレッグ412、424は、触媒ベッド414内でシールすることができ、或いは細流バルブ(図示せず)を含むことができる。ストリッピング・ガスは、使用する場合、触媒ベッド414の底面付近で従来のディストリビュータ430を通って供給することができる。懸濁された固体中の蒸気を希薄にするプロセスの混合物を上面の出口432から回収することができる。再生された触媒は、新しく供給されたストリーム436とともに輸送ライン434を通ってライザー410へ再循環することができる。
【0032】
主分離器406の希薄段階に含まれる流体は、自己パージ式エキスパンション・ジョイント400の流量抑制孔へと流入することができる。一次サイクロン402から排出された炭化水素蒸気の触媒の少ない流れは、ストリッピング流体より低圧であってもよい。
【0033】
孔は、そこを通るストリッピング流体の流量を抑制するように、エキスパンション・ジョイント400をパージするのに十分なサイズとすることができる。パージ流体として利用されるストリッピング流体は、炭化水素蒸気の触媒の少ない流れを通過させることのできる、自己パージ式エキスパンション・ジョイント400の主流体流路へと排出することができる。分離器406内の流体(例えば、ストリッピングされた蒸気及び/又は任意のストリッピング流体)をパージ流体として利用することができるので、別個の流体供給及び/又はエキスパンション・ジョイント400への連結が不要であり、据付、運転、及び/又は保守が簡略化される。
【0034】
以上、これらの実施例を実施例を強調して説明したが、実施例は、添付の特許請求の範囲内で、本願で具体的に説明したもの以外にも実施することができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部加圧流体とともに使用するための自己パージ式エキスパンション・ジョイントであって、
互いに対して可動な隣接する端部を有する第1及び第2の導管の周りに配設されたベローズと、
前記第1及び第2の導管を通る主流体流路と、
前記第1の導管と前記ベローズの第1の端部との間に周辺シールを形成する第1の環状シール・スリーブと、
前記第2の導管と前記ベローズの第2の端部との間に周辺シールを形成する第2の環状シール・スリーブと、
前記第1の環状シール・スリーブ内の流量抑制孔と、
前記孔を通り、前記ベローズと前記第1の導管との間を通り、前記第1及び第2の導管の前記隣接する端部間の間隙を通り、前記主流体流路へと流れるパージ流体流路とを含む自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項2】
前記孔が、加圧された領域から前記ベローズと前記第1の導管との間の環状通路への流体入口を含む、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項3】
前記間隙が、前記環状通路から前記主流体流路への出口を含む、請求項2に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項4】
前記加圧された領域内の流体が、前記主流体流路より高圧である、請求項2に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項5】
前記第1の導管、第2の導管、第1の環状シール・スリーブ、及び第2の環状シール・スリーブの少なくとも1つに、硬い耐熱性の内側ライナーをさらに含む、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項6】
前記主流体流路が垂直方向に延び、前記第1及び第2の導管の前記隣接する端部間の前記間隙が、前記エキスパンション・ジョイントの下側端部にある、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項7】
前記第1及び第2の導管の前記隣接する端部が、それらの間に前記間隙を形成するように軸方向に離間する、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項8】
前記第1及び第2の導管の前記隣接する端部が同心であり径方向に離間され、それらの間に前記間隙を形成するように、前記隣接する端部の一方が他方より大きい直径を有する、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項9】
1つ又は複数の流量抑制孔が、加圧された容器内の比較的高圧の流体と主流体流路内の流体との間の圧力差のための流体面積を提供する、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイントを収容する加圧された容器。
【請求項10】
前記ベローズを覆う保護カバーをさらに含む、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項11】
前記保護カバーが前記流量抑制孔の上に重なる、請求項10に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項12】
前記保護カバーの近位側端部が前記第1の環状シール・スリーブに対して周辺シールされ、前記保護カバーの遠位側端部の開口が外部加圧流体の進入を可能にする、請求項11に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項13】
前記流量抑制孔が複数の円形流量抑制孔である、請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項14】
前記加圧された容器が流体接触分解(FCC)ユニットの分離器である、請求項9に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項15】
前記第1又は第2の導管の一方が、サイクロンの出口と連通する、請求項14に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項16】
前記第1の導管が一次サイクロンの出口及び二次サイクロンの入口の一方と連通し、前記第2の導管が他方と連通する、請求項14に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイント。
【請求項17】
請求項1に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイントを含むFCCユニットであって、第1の導管が二次サイクロンと連通し、第2の導管が一次サイクロンからのシールされた蒸気出口と連通し、前記流体接触分解(FCC)ユニットが、
FCCライザー流出物から触媒を分離し、炭化水素蒸気の触媒の少ないストリームを形成するように前記一次サイクロンが分離器内に配設されたFCC分離器と、
前記FCC分離器の下側端部内の触媒ベッドと、
前記FCCライザー流出物を前記一次サイクロンに供給するための前記一次サイクロンへの入口と、
前記触媒ベッドへの任意のストリッピング流体供給部と、前記触媒ベッドから前記FCC分離器の前記下側端部を通る、触媒出口とを含み、
前記一次サイクロンが、
サイクロン容器と、
懸濁液から固体を分離し、固体含有量の少ない蒸気の渦を形成するための円筒形表面と、
前記渦と連通する前記一次サイクロンからのシールされた前記蒸気出口と、
前記一次サイクロンの下側端部からの固体排出出口とをさらに含むFCCユニット。
【請求項18】
外部加圧流体とともに使用するためのエキスパンション・ジョイントをパージする方法であって、
互いに対して可動な隣接する端部を有する第1及び第2の導管の周りに配設されたベローズを設ける段階と、
前記第1及び第2の導管を通る主流体流路を形成する段階と、
前記第1の導管と前記ベローズの第1の端部との間に第1の環状シール・スリーブで周辺シールを形成する段階と、
前記第2の導管と前記ベローズの第2の端部との間に第2の環状シール・スリーブで周辺シールを形成する段階と、
前記第1の環状スリーブの流量抑制孔を通り、前記ベローズと前記第1の導管との間を通り、前記第1及び第2の導管の前記隣接する端部間の間隙を通り、前記主流体流路へと流れるパージ流体流路を形成する段階とを含む方法。
【請求項19】
パージ流体の流速を制御するのに効果的な、比較的高圧の外部流体と前記主流体流路内の流体との間の圧力差のための流体面積を提供する、前記流量抑制孔のサイズ及び数を選択する段階をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ベローズからあらゆる異物をパージするために、加圧された領域から、前記流量抑制孔を通り、前記ベローズと前記第1の導管との間の環状通路へと、流体を通過させる段階をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記第1及び第2の導管の前記隣接する端部間の環状通路から前記主流体流路へと、前記流体を通過させる段階をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記流量抑制孔を通過する前に、前記ベローズと前記ベローズを覆う保護カバーとの間の前記加圧された領域から流体を通過させる段階をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項17に記載の自己パージ式エキスパンション・ジョイントをパージする方法であって、分離器内の蒸気空間から、前記エキスパンション・ジョイントの流量抑制孔を通り、主流体流路へと、流体を通過させる段階を含む方法。
【請求項24】
前記分離器内の前記蒸気空間と前記主流体流路との間の圧力差を、0より大きく最大40キロパスカルの範囲内に維持する段階をさらに含む、請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−504488(P2010−504488A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529173(P2009−529173)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【国際出願番号】PCT/US2007/018116
【国際公開番号】WO2008/039276
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(506288771)ケロッグ ブラウン アンド ルート エルエルシー (5)
【Fターム(参考)】