説明

自己始動形永久磁石式同期電動機およびそれを用いた圧縮機

【課題】従来の自己始動形永久磁石式同期電動機の回転子の端板固定構造では、鉄心に磁束を通す断面積が減り、磁束密度は上がることにより鉄損が増えると同時に電動機の振動、騒音などの課題が生じていた。
【解決手段】ダイキャストでかご形導体と一体化した磁石脱落の防止用端板6、26を固定する凸起部5、25を設け、端板6、26を嵌め合せ後凸起部5、26を押し潰すことにより端板6、26が容易に固定される。また、電動機のシャフト34に段付き30を設け、その段付き面30aを磁石脱落の防止用端板6,40と密着させ、またはリング43などの部品を介して接触させ固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般産業用や特に空気調和機等に使用される自己始動形永久磁石式同期電動機およびそれを用いた圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自己始動形永久磁石式同期電動機において、回転子の永久磁石の脱落を防止するための端板を付ける構造について、例えば特開2001−95183号公報(特許文献1)に,回転子鉄心の外周付近に位置する複数の導体バーと回転子軸方向の両端面に位置する短絡環とをアルミダイキャストで一体成型して始動用かご形導体を形成するが、この場合、導体バーの内側に複数個の永久磁石が鉄心に埋設され、磁石の脱落の防止用端板を固定するために、回転子鉄心に数個貫通穴を空け、ダイキャストでアルミを貫通穴に注入し凸起部が形成され、凸起部を押し潰し端板を固定する構造が記載されている。
【0003】
また、鉄心端部の短絡環の内周に凹部を設けるようにダイキャストで形成し、端板の外周に短絡環の凹部が嵌合うような凸部の設けて、端板を嵌め合わせ後短絡環の内周に凹部周辺を回転子の軸方向に押し潰し端板を固定する構造が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−95183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記自己始動形永久磁石式同期電動機の回転子の端板固定構造では、回転子の鉄心に複数個貫通穴が空けられているため、鉄心に磁束を通す断面積が減り、磁束密度は上がることにより鉄損が増えると同時に電動機の振動、騒音などの課題が生じていた。
【0006】
また、端板の外周に設けた凸部を鉄心端部の短絡環の内周に凹部に嵌め込みの構造となっているため、短絡環の内周に凹部周辺を回転子の軸方向に押し潰しにくい課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するために本発明は、
固定子鉄心に巻線が巻かれた固定子と、前記固定子の内側で回転可能な外径を有しかつ外周内側に複数の導体バー孔を設けた電磁鋼板を複数積層して構成され、前記複数の導体バー孔に形成される導体バーと前記導体バーを軸方向端部で短絡する両エンドリングとをアルミダイキャストで一体成型して始動用かご形導体を形成すると共に、前記導体バーの内周側に複数個の永久磁石を挿入埋設した回転子とからなる自己始動形永久磁石式同期電動機において、
前記エンドリングの内周側に端板固定用の凸起部を前記回転子の半径方向に前記アルミダイキャストで一体成型して形成し、埋設された前記永久磁石の脱落防止用の端板に前記凸起部と嵌めあうような凹部を設け、前記凸部を前記凹部に嵌め合わせした後、前記凸起部を押し潰すことにより前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする。
【0008】
また、前記回転子端部のエンドリングの内周側に前記回転子の軸方向に突出する端板固定用の凸起部を前記アルミダイキャストで一体成型して形成させ、前記回転子の磁石挿入側端部の複数枚の電磁鋼板と埋設された前記永久磁石の脱落防止用の端板に前記凸起部と嵌めあうような孔を設け、前記凸起部を前記孔に嵌め合わせした後、前記凸起部を押し潰すことにより前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする。
【0009】
また、前記永久磁石を磁石埋設孔に装着した後、埋設された前記永久磁石の脱落防止用の端板を前記永久磁石の挿入側端部にセットし、段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とを密着させて前記回転子に固設し、前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする。
【0010】
また上述したように前記凸起部を押し潰すことにより前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定した上に、更に段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とを密着させて前記回転子に固設し、前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする。
【0011】
また上述したように前記凸起部を押し潰すことにより前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定した上に、更に段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とをリングを介して密着させて前記回転子に固設し、前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする。
【0012】
また冷媒を吸い込んで圧縮し,吐き出する圧縮機構部と,この圧縮機構部を駆動する電動機部とからなる圧縮機において,前記電動機部が上述した自己始動形永久磁石式同期電動機であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ダイキャストでかご形導体と一体化した磁石脱落の防止用端板を固定する凸起部を設け、自己始動形永久磁石式同期電動機の性能低下の影響を与えず、簡易に、丈夫に固定することができる。
【0014】
また、磁極間に非磁性体のアルミを充填されたため、磁石の磁極端部の漏磁束を低減し、自己始動形永久磁石式同期電動機効率向上の改善にも寄与することができる。
【0015】
また、電動機が高温、高圧などの厳しい運転条件に運転する場合、アルミの経年劣化による端板の脱落を防止するために、電動機のシャフトに段付きを設け、磁石脱落の防止用端板に密着させ、またはリングなどの部品を介して接触させ固定することにより、自己始動形永久磁石式同期電動機の信頼性をコストを掛けず大幅向上することができる。
【0016】
さらに本発明に係わる二次銅損なしの高効率の自己始動形永久磁石式同期電動機を搭載することにより、高効率で冷凍サイクルの冷凍能力COPが高く、また、電動機がインバータ制御せず、商用電源の直接使用ができるため、冷凍サイクルの信頼性が高い圧縮機が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0018】
図15は本発明の一実施形態をなす自己始動形永久磁石式同期電動機の軸方向の断面図を示す。三相巻線72を有する複数の電磁鋼板を積層して構成され固定子71を電動機のケーシング77に圧入し、積層鉄心の外周内側にアルミダイキャストで一体成型して始動用かご形導体を形成し、導体バーの内周側に複数個の永久磁石9aを挿入埋設した回転子1をシャフト34に決められた位置に焼き嵌め固定している。回転子1を自由回転させるために、シャフト34の両端部付近にベアリング75、76を取り付け、固定子71に、回転子1の積厚鉄心を合せるようにセットした後、電動機のケーシング77の両端部に、ブラケット73、74の中心部に設けた孔をベアリング75、76に嵌め合せてボルトで固定する。このように構成された電動機を台架79で支え、三相電源を三相巻線72に印加すると電動機が運転する。
【0019】
このような自己始動形永久磁石式同期電動機の回転子の鉄心では、かご形導体を有するため、電動機の始動期はかご形導体の働きで回転し、回転磁界と同速になると回転子1に装着した磁石9aが回転磁界と吸引力、反発力により電動機が同期速で回転する。かご形導体に電流がほとんどないため、電動機の二次銅損を生ぜず、電動機の効率が向上される。
【0020】
また、一般の磁石モ-タに欠かせないインパータ制御が不要のため、電動機のコストを低減させると共に信頼性を向上させることができる。
【0021】
ここで回転子1の構造について、図1〜5を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係わる回転子の軸方向断面構成図である。図2は回転子の積層用鉄心コア、図3は磁石挿入側の端板、図4は磁石挿入の反対側の端板、図5は磁石挿入側方向から見た回転子の外形図である。
【0022】
図1に示している回転子1は図2の鉄心コア1aを用いて一定の長さに積層して構成し、鉄心コア1a径方向の外周側付近に導体バー孔8を設け、バー孔8内側に磁石の埋設用孔9を上下二極になるような空け、磁極間に一定幅を有するリブ10を設ける。磁石埋設孔9にダイキャストのアルミ湯の流入を防ぐため、図4に示している端板7を鉄心1の片方に取り付け、ダイキャストにより回転子鉄心1の両端に位置するエンドリング3とエンドリング4および導体バー2を一体成型されて始動用かご形導体を形成している。このとき、図3の端板6を固定するための図1において破線で示すような凸部5を磁極間リブ10の上にエンドリング4と一体化ダイキャストで形成する。一方、端板6に前記エンドリング4の凸部5と嵌めるような切り欠け部6aを設け、磁石9aを磁石埋設孔9に装着した後、端板6切り欠け部を前記エンドリング4凸起部5に嵌め合せて、凸起部5は前記極間リブの上にあるため、凸部5を軸方向に押し潰すことによりアルミを係止部5aのように変形させ、図5に示しているように端板6を固定する。
【0023】
このような構造により、磁石の脱落防止の端板が簡易に固定されるため、自己始動形永久磁石式同期電動機の性能を低下せず、生産工数を減少し,生産効率を向上することができる。
【実施例2】
【0024】
実施例2における回転子について図6〜9を用いて説明する。ここで自己始動形永久磁石式同期電動機の固定子やその他の構成は前述した図15と同様な構成であるため、説明を省略する。図6は本発明に係わる回転子の実施例2を示す回転子の軸方向断面構成図である。図7は回転子端部の積層用部鉄心コア、図8は磁石挿入側の端板、図9は磁石挿入側方向から見た回転子の外形図である。
【0025】
図6に示している回転子21は鉄心コア1aおよび片方の端部に複数枚(10〜30枚程度)の図7に示している鉄心コア21aを用いて一定の長さ(5〜10mm程度)に積層して構成している。鉄心コア21a径方向の外周側付近に導体バー孔28を設け、導体バー孔28内側に磁石の埋設用孔29を上下二極分布の配置で空け、磁極間の両端に1個の導体バー孔28を含む長方形状の孔28aをそれぞれ設ける。磁石埋設孔29にダイキャストのアルミ湯の流入を防ぐため、端板7を回転子21の鉄心コア1aの端面に取り付けた後、回転子21の両端部にダイキャスト型を取り付け、ダイキャストにより回転子鉄心21の両端に位置するエンドリング23とエンドリング24および導体バー22を一体成型されて始動用かご形導体を形成すると同時に、図8の端板26を固定するための図6において破線で示すような凸起部25をかご形導体とも一体形成する。端板26に凸起部25と嵌めるような孔26aを設け、磁石9aを磁石埋設孔29に装着した後、端板26の孔26aを磁極間の凸起部25に嵌め合せて、凸起部25の先端の軸方向に押し潰すことによりアルミを係止部25aのように変形させ、図9に示しているように端板26を固定する。
【0026】
このような構造により、磁石の脱落防止の端板が簡易に且つ丈夫に固定され、また、磁極間に非磁性体のアルミを充填されたため、磁石の磁極端部の磁束漏れを減らせ、自己始動形永久磁石式同期電動機の生産コスト低減および性能、生産効率を向上することができる。
【実施例3】
【0027】
実施例3における回転子とシャフト組みについて図10、11を用いて説明する。ここで自己始動形永久磁石式同期電動機の固定子やその他の構成は前述した図15と同様な構成であるため、説明を省略する。図10は磁石挿入側の端板、図11は電動機の回転子とシャフト組みの軸方向の断面図である。鉄心コア1aで積層した回転子1の片方端面に端板40を設置し、ダイキャストにより回転子1の両端に位置するエンドリング3、4および導体バー2を一体成型されて始動用かご形導体を形成している。
【0028】
回転子を組み立てる時、磁石9aを磁石埋設孔9に装着し、図10に示している端板40を磁石9aの挿入側端部に内径合せてセットした後、段付き30を設けたシャフト34を圧入、或は焼き嵌めの方法で段付きの端面30aと密着させて固設し、端板40を固定する。
【0029】
このような構造により、電動機が高温、高圧などの厳しい運転条件に運転する場合、回転子の鉄心に埋設された同極の分割磁石を着磁することにより軸方向の反発力を発生し、磁石に覆った端板に常に前記磁石の反発力を受けているようにしているため、アルミの経年劣化による端板の脱落を防止するのに有効な構造である。この結果、自己始動形永久磁石式同期電動機の信頼性をコスト掛けず大幅に向上させることができる。
【実施例4】
【0030】
実施例4における回転子とシャフト組みについて図12、13を用いて説明する。ここで自己始動形永久磁石式同期電動機の固定子やその他の構成は前述した図15と同様な構成であるため、説明を省略する。図12、13は電動機の回転子と段付きシャフト34組みの軸方向の断面図である。本実施例は実施例1または実施例2で説明したアルミの凸部を軸方向に押し潰すことにより形成した係止部5aまたは係止部25a設けるとともに、さらに図12に示すように回転子1の磁石挿入側の端板6をモ-タシャフトの段付き部30に、または図13に示したようにリング43などの部品を介してリング端部面43aに接触させ固定する構造としている。
【0031】
このような構造で端板を更に強固に固定できるため、回転子1は電動機が高温、高圧などの厳しい運転条件に運転する場合、回転子の鉄心に埋設された同極の分割磁石を着磁することにより軸方向の反発力を発生し、磁石に覆った端板に常に前記磁石の反発力を受けるために生じるアルミの経年劣化による端板の脱落を、より防止できる構造となり、自己始動形永久磁石式同期電動機の信頼性をコスト掛けず更に大幅向上することができる。
【実施例5】
【0032】
図14は本発明に係わる自己始動形永久磁石式同期電動機を用いた圧縮機の軸方向の断面図である。圧縮機構部では固定スクロール部材61の端板62に直立する渦巻状ラップ63と、旋回スクロール部材64の旋回スクロールの端板65に直立する渦巻状ラップ66とを噛み合わせて形成されている。そして、旋回スクロール部材64を上述した実施例1乃至4に記載した自己始動形永久磁石式同期電動機の駆動により、クランクシャフト34によって旋回運動させることで圧縮動作を行い、冷媒を吸い込み口67から吸い込んで圧縮し、吐き口68から吐出す。
【0033】
このように本発明に係わる二次銅損なしの高効率の自己始動形永久磁石式同期電動機を搭載した圧縮機の高効率化により、冷凍サイクルの冷凍能力COPが高くなり、また、電動機がインバータ制御せず、商用電源の直接使用ができるため、冷凍サイクルの信頼性が高くなり、製品の低コスト生産が可能になる。
【0034】
また本発明に係わる自己始動形永久磁石式同期電動機の磁石挿入側の反対側の端部にバランスウェイト45を取り付けるとなお良い。即ち回転子にバランスウェイト45を取り付けると、自己始動形永久磁石式同期電動機の回転軸を介して負荷と繋ぐ運転をする時には(例えば圧縮機)、負荷の回転重心が電動機の回転軸中心とずれ、回転バランスが破壊され、電動機の振動や騒音などが生じ、正常な性能が発揮できなくなる。回転子の径方向のトータルモーメントをゼロになるようバランスウェイトを付けることにより電動機の回転バランスが維持され、正常な運転ができる。
【0035】
このように、上述した実施例1乃至4に記載した自己始動形永久磁石式同期電動機を用いた圧縮機は、例えば冷凍サイクルと接続され、空気調和機として極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による実施例1における回転子の軸方向の断面構成図である。
【図2】本発明による実施例1における回転子鉄心コアの平面図である。
【図3】本発明による実施例1における磁石挿入側の端板の平面図である。
【図4】本発明による実施例1における磁石挿入側の反対側の端板の平面図である。
【図5】本発明による実施例1における回転子を磁石挿入側から見た外形図である。
【図6】本発明による実施例2における回転子の軸方向の断面構成図である。
【図7】本発明による実施例2における回転子鉄心コアの平面図である。
【図8】本発明による実施例2における磁石挿入側の端板の平面図である。
【図9】本発明による実施例2における磁石挿入側から見た外形図である。
【図10】本発明による実施例3における磁石挿入側の端板の平面図である。
【図11】本発明による実施例3における回転子とシャフト組みの軸方向の断面構成図である。
【図12】本発明による実施例4における回転子とシャフト組みの軸方向の断面構成図である。
【図13】本発明による実施例4における回転子とシャフト組みの軸方向の断面構成図である。
【図14】本発明による実施例5における圧縮機の軸方向の断面構成図である。
【図15】本発明による電動機の軸方向の断面構成図である。
【符号の説明】
【0037】
1、21…回転子、1a、21a…鉄心コア、2、22…導体バー、3、4、23、24…エンドリング、5、25、…凸起部、5a、25a…係止部、6、7、26、40、…端板、8、28…導体バー孔、長方形状孔…28a、9、29…磁石埋設孔、9a…磁石、10…リブ、30…シャフト段付き、30a…シャフト段付き端面、34…シャフト、43…リング、43a…リング端部面
45…バランスウェイト、61…固定スクロール部材、62…固定スクロールの端板、
63、66…渦巻状ラップ、64…旋回スクロール部材、65…旋回スクロールの端板、67…冷媒吸い込み口、68…冷媒吐出し口、71…固定子、72…三相巻線、73、74…ブラケット、75、76…ベアリング、77…ケーシング、79…台架。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子鉄心に巻線が巻かれた固定子と、前記固定子の内側で回転可能な外径を有しかつ外周内側に複数の導体バー孔を設けた電磁鋼板を複数積層して構成され、前記複数の導体バー孔に形成される導体バーと前記導体バーを軸方向端部で短絡する両エンドリングとをアルミダイキャストで一体成型して始動用かご形導体を形成すると共に、前記導体バーの内周側に複数個の永久磁石を挿入埋設した回転子とからなる自己始動形永久磁石式同期電動機において、前記エンドリングの内周側に端板固定用の凸起部を前記回転子の半径方向に前記アルミダイキャストで一体成型して形成し、埋設された前記永久磁石の脱落防止用の端板に前記凸起部と嵌めあうような凹部を設け、前記凸起部を前記凹部に嵌め合わせした後、前記凸部を押し潰すことにより前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする自己始動形永久磁石式同期電動機。
【請求項2】
固定子鉄心に巻線が巻かれた固定子と、前記固定子の内側で回転可能な外径を有しかつ外周内側に複数の導体バー孔を設けた電磁鋼板を複数積層して構成され、前記複数の導体バー孔に形成される導体バーと前記導体バーを軸方向端部で短絡する両エンドリングとをアルミダイキャストで一体成型して始動用かご形導体を形成すると共に、前記導体バーの内周側に複数個の永久磁石を挿入埋設した回転子とからなる自己始動形永久磁石式同期電動機において、前記回転子端部のエンドリングの内周側に前記回転子の軸方向に突出する端板固定用の凸起部を前記アルミダイキャストで一体成型して形成させ、前記回転子の磁石挿入側端部の複数枚の電磁鋼板と埋設された前記永久磁石の脱落防止用の端板に前記凸起部と嵌めあうような孔を設け、前記凸起部を前記孔に嵌め合わせした後、前記凸起部を押し潰すことにより前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする自己始動形永久磁石式同期電動機。
【請求項3】
固定子鉄心に巻線が巻かれた固定子と、前記固定子の内側で回転可能な外径を有しかつ外周内側に複数の導体バー孔を設けた電磁鋼板を複数積層して構成され、前記複数の導体バー孔に形成される導体バーと前記導体バーを軸方向端部で短絡する両エンドリングとをアルミダイキャストで一体成型して始動用かご形導体を形成すると共に、前記導体バーの内周側に複数個の永久磁石を挿入埋設した回転子とからなる自己始動形永久磁石式同期電動機において、前記永久磁石を磁石埋設孔に装着した後、埋設された前記永久磁石の脱落防止用の端板を前記永久磁石の挿入側端部にセットし、段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とを密着させて前記回転子に固設し、前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする自己始動形永久磁石式同期電動機。
【請求項4】
請求項1又は2に記載した自己始動形永久磁石式同期電動機において、更に段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とを密着させて前記回転子に固設し、前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする自己始動形永久磁石式同期電動機。
【請求項5】
請求項1又は2に記載した自己始動形永久磁石式同期電動機において、更に段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とをリングを介して密着させて前記回転子に固設し、前記端板を前記回転子の鉄心端面に固定したことを特徴とする自己始動形永久磁石式同期電動機。
【請求項6】
請求項3に記載した自己始動形永久磁石式同期電動機において、段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とを密着させて前記回転子に圧入して固設したことを特徴とする自己始動形永久磁石式同期電動機。
【請求項7】
請求項3に記載した自己始動形永久磁石式同期電動機において、段付きのシャフトを前記シャフトの段付き端面と前記端板とを密着させて焼き嵌めにより前記回転子に固設したことを特徴とする自己始動形永久磁石式同期電動機。
【請求項8】
冷媒を吸い込んで圧縮し,吐き出する圧縮機構部と,この圧縮機構部を駆動する電動機部とからなる圧縮機において,前記電動機部が請求項1から8のいづれか1つに記載された自己始動形永久磁石式同期電動機であることを特徴とする圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−141892(P2008−141892A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327293(P2006−327293)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】