説明

自己診断機能付き近接センサ

【課題】センサケース内への水入りがあった場合には正常な段階でセンサの異常等の自己診断を行うと共に、その自己診断の結果を外部に出力することを可能にした近接センサを提供すること。
【解決手段】センサケース20に、検出対象に非接触で該検出対象を検出する非接触センサ部4と、センサケース内へ水が入ったことを検知する水入りセンサ部6と、上記両センサ部それぞれのセンサ信号を処理するセンサ処理部8と、を内蔵し、水入りセンサ部は、センサケース内への水入り状態に応じた水入りセンサ信号をセンサ処理部に与え、センサ処理部8は、非接触センサ部4からの検出対象センサ信号を処理中に水入りセンサ部6から水入りセンサ信号が入力されると、自己診断処理を実行し、その実行により、近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であると判定すると、センサ動作の継続を停止し、自己診断対応結果を外部に出力制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己診断機能付き近接センサにかかり、より詳しくは、センサケース内に水が入ったときに自己診断によりセンサ動作を行う自己診断機能付き近接センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近接センサに限らず、各種センサの使用場所は様々であり、水まわりや屋外など水のかかり易い環境で使用されるセンサの場合では、そのセンサケース内には水(クーラント)が入ることがないようにセンサケースには防水樹脂が充填されているのが一般的である(例えば特許文献1参照)。近接センサの場合でも、センサケース内部に防水樹脂を充填することにより防水性を高めている。
【0003】
上記防水構造では、センサケース内部の基板や回路部品への影響や温度変化の影響等を考慮して防水樹脂の充填量にも限界があり、そのため、防水樹脂を充填したとしてもセンサケース内周壁と防水樹脂との間には使用経過に伴い隙間が徐々に生じてきたり、あるいは衝撃等で急激に隙間が生じたりする場合がある。
【0004】
このような防水構造では、一旦、センサケース内部に水が入ってくると、電気部品が故障したりしてセンサ異常になる。
【0005】
しかしながら、上記した防水樹脂で完全防水した近接センサの場合では、上記隙間からの水入りに起因してセンサ異常を来たすことは想定外とされているために、このような近接センサのセンサ信号で制御機器を制御する制御システムでは取り扱いにくい近接センサとなっている。
【0006】
また、近接センサの小型化が促進されてくると、センサケース内に防水樹脂が充填されて水入りセンサを設置するスペースも確保しづらくなり、小型化指向タイプの近接センサでは水入りに対処する近接センサは提供されていなかった。
【特許文献1】特開平11−002580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明により解決しようとする課題は、センサケース内に水入りセンサ部を設置し、センサケース内への水入りがあった場合には正常な段階でセンサの異常等の自己診断を行うと共に、その自己診断の結果を外部に出力することを可能にした自己診断機能付きの近接センサを提供することである。
【0008】
本発明はまた、上記正常な段階で自己診断結果を出力することにより水入りによる異常発生予知を可能として制御機器を制御する制御システムで扱い易い近接センサを提供すると共に、加えて、防水樹脂で防水構造となっているセンサケース内の狭いスペースに水入りセンサ部を容易に設置可能とした自己診断機能付きの近接センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明第1による自己診断機能付き近接センサは、センサケースに、非接触センサ部と、水入りセンサ部と、上記両センサ部それぞれのセンサ信号を処理するセンサ処理部と、を内蔵し、上記センサ処理部は、非接触センサ部からのセンサ信号を処理すると共に、上記水入りセンサ部からセンサケース内に水が入ったことを示す水入りセンサ信号が入力されると、当該近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であるか否かを判定処理することを特徴とするものである。
【0010】
本発明第1を説明すると、樹脂で完全防水して水入り発生に起因してセンサ異常を来たすことは想定外とされている近接センサの場合でも、使用期間や使用態様によりセンサケース内周面と樹脂との間に微小な隙間が発生してくることは可能性として存在する。
【0011】
この場合、その隙間から徐々にではあるが水入りが発生するが、本発明第1では、水入りセンサ部で水入りを検知しセンサ処理部では近接センサが正常な段階で故障することを予知することが可能となり、このような近接センサのセンサ信号で制御機器を制御する制御システムでは取り扱い易い近接センサを提供することができる。
【0012】
好ましい態様の1つは、上記センサ処理部は、マイクロコンピュータにより構成し、このマイクロコンピュータで、非接触センサ部からの検出対象センサ信号をメイン処理プログラムに従って実行処理中に水入りセンサ部から水入りセンサ信号が入力されると自己診断処理プログラムを割り込ませて実行処理し、その実行処理による自己診断が、近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であると判定させ、この判定によりセンサ動作の継続を停止し、自己診断対応結果を外部に出力制御することである。
【0013】
好ましい態様の1つは、上記センサケースには樹脂が充填されていると共に、上記水入りセンサ部は、少なくとも二つ一対の対向電極からなる検出コンデンサを備え、この検出コンデンサは上記樹脂と少なくともセンサケース内周壁との間の隙間に配置されていることである。
【0014】
本発明第2による自己診断機能付き近接センサは、センサケースに、検出対象に非接触で該検出対象を検出する非接触センサ部と、上記センサ部のセンサ信号を処理するセンサ処理部と、上記センサケースには充填されてその内部を防水するための樹脂と、上記センサケース内で水が浸入し易い特定箇所に配置されて当該センサケース内へ水が入ったことを検知する水入りセンサ部と、を内蔵したことを特徴とするものである。
【0015】
本発明第2を説明すると、樹脂で完全防水して水入り発生に起因してセンサ異常を来たすことは想定外とされている近接センサの場合でも、使用期間や使用態様によりセンサケース内周面と樹脂との間に微小な隙間が発生してくることは可能性として存在する。この場合、その隙間から徐々にではあるが水入りが発生するが、本発明第2では、水入りセンサ部がセンサケース内で水が浸入し易い特定箇所に配置したので、センサケース内への水入りをより早期の段階で検知することができるようになり、センサ処理部では近接センサが正常な段階で故障することを余裕をもって予知することが可能となり、このような近接センサのセンサ信号で制御機器を制御する制御システムでは取り扱い易い近接センサを提供することができる。
【0016】
好ましくは、上記特定箇所が、上記樹脂と上記センサケースの内周壁との間の隙間である。
【0017】
好ましくは上記センサケースにはケーブルが貫通装着されていると共に、上記特定箇所は、さらに上記樹脂と上記ケーブルとの間の隙間を含む。
【0018】
好ましくは上記水入りセンサ部は、センサケースの内周壁に検出コンデンサとして少なくとも二つ一対の対向電極を備えている。
【0019】
本発明第3による自己診断機能付き近接センサは、センサケースに、非接触センサ部と、水入りセンサ部と、センサ処理部と、を内蔵すると共に、センサケースに樹脂が充填されていると共に外部からケーブルが貫通装着されており、上記センサ処理部は、非接触センサ部からのセンサ信号を処理すると共に、上記水入りセンサ部から水入りセンサ信号が入力されると、当該近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であるか否かを判定処理するものであり、上記水入りセンサ部は、基板上に検出コンデンサとして、櫛歯状の複数の第1のコンデンサ電極と、櫛歯状の複数の第2のコンデンサ電極とを、互いコンデンサ電極を交互に対向させて構成しており、かつ、上記センサケースに充填された樹脂と上記センサケースの内周壁やケーブルとの狭い隙間に付着した水滴を毛細管現象で上記基板上の検出コンデンサに浸入可能とし、かつ、上記浸入した水分により上記検出コンデンサを構成する上記両第1、第2コンデンサ電極間に電解現象を発生させてマイグレーションを起こし、この起こしたマイグレーションで上記両第1、第2コンデンサ電極間を短絡させ、かつ、この短絡で発生した電圧を水入りセンサ信号として上記センサ処理部が監視することにより水入りしたことを検知するようにした、ことを特徴とするものである。
【0020】
本発明第1ないし第3ではさらに、センサ処理部のセンサ信号を無線で外部に送信する無線送信部を有することが好ましい。
【0021】
本発明第1ないし第3の近接センサはこの誘導形に限定されず、静電容量形、光電形、超音波形のいずれでもよく、本発明はそれらを含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、センサケース内に水入りセンサ部を設置し、センサケース内への水入りがあった場合には正常な段階でセンサの異常等の自己診断を行うと共に、その自己診断の結果を外部に出力することができるので、近接センサのセンサ信号で制御機器を制御する制御システムでは取り扱い易く動作上の信頼を置くことができる近接センサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係る近接センサを説明する。実施の形態では近接センサのうち誘導形近接センサを一例として説明する。
【0024】
図1を参照して実施の形態の近接センサの回路ブロックを説明すると、この近接センサ2では、図示略のセンサケース内に非接触センサ部4と、水入りセンサ部6と、センサ処理部8と、出力部10と、無線送信部12と、を備える。
【0025】
非接触センサ部4は、検出対象物に非接触で当該検出対象物を検出するセンサであり、非接触センサ部4は、検出コイル、発振回路、発振状態検出回路等から構成されている。非接触センサ部4においては、検出コイルにより高周波磁界を発生し、金属体である検出対象物が接近すると、この検出対象物である金属中に電磁誘導による誘導電流が流れ、当該金属内に熱損失が発生する。この誘導電流による熱損失により発振回路は発振を維持することができず、発振停止する。発振状態検出回路は、この発振部の発振状態を検出し、発振が減衰または停止すると非接触センサ信号を発生する。
【0026】
水入りセンサ部6は、センサケース内へ水が入ったことを検知するセンサ部であり、詳しくは後述する。
【0027】
センサ処理部8は、非接触センサ部4からのセンサ信号により検出対象物を検出処理し、その処理結果を出力部を介して外部に出力する一方、水入りセンサ部6からセンサケース内に水が入ったことを示すセンサ信号が入力されると、そのセンサ信号を検出処理し、その処理結果を出力部を介して外部に出力する処理部である。
【0028】
センサ処理部8は、マイクロコンピュータから構成されたものであり、具体的には、CPU14と、このCPU14が非接触センサ部4と水入りセンサ部6それぞれのセンサ信号の処理作業に用いる作業メモリ16と、非接触センサ部4のセンサ動作の制御処理、非接触センサ部4から入力される検出対象物センサ信号の上記処理を行うためのメイン処理プログラムと、水入りセンサ信号を処理し近接センサの状況を自己診断するための自己診断処理プログラムとが書き込まれているプログラムメモリ18と、を備えている。
【0029】
CPU14は、作業メモリ16を用いて非接触センサ部4からの検出対象物センサ信号をメイン処理プログラムに従って実行処理中に水入りセンサ部6から水入りセンサ信号が入力されると自己診断処理プログラムを割り込ませて実行処理し、その実行処理による自己診断が、近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であると判定すると、センサ動作の継続を停止し、自己診断対応結果を出力部10と送信部12に出力制御することができるようになっている。
【0030】
なお、作業メモリ16にはCPU14が検出対象物センサ信号や自己診断センサ信号が含むデータの演算やその他の制御を行う作業エリアや他の近接センサを識別するIDコードやその他のデータの記憶エリア等を有している。
【0031】
無線送信部12は、CPU14により制御されて、検出対象物の検出処理結果や上記自己診断処理結果を無線で送信することができるようになっている。無線送信部12は図1では具体的には示さないがCPU14からのデータを送信処理する処理部と、その処理部出力を送信する送信アンテナ等を備える。この処理部では、CPU14からのセンサデータ(送信周波数(キャリア)、IDコード(識別コード)、非接触センサ部のセンサ信号、水入りセンサ部のセンサ信号等)を入力し、IDコードとセンサ出力を上記キャリアで変調して送信信号を生成し送信アンテナに出力することができるようになっている。
【0032】
上記近接センサ2の構成を、図2を参照して、説明する。
【0033】
この近接センサ2は断面矩形のセンサケース20を備える。センサケース20はその一端側が開口され、その開口には、断面矩形筒型のキャップ28が装着されていると共にそのキャップ28の中にフェライトコア30が配置されている。フェライトコア30には検出コイル32が巻回されている。
【0034】
センサケース20内部には図示略の支持機構で基板34が配置されている。この基板34の一方面側には上記CPU14や発振回路等の各種回路部品36が搭載され、他方面側には送信アンテナとしてのループアンテナ38が図3で示すように形成されている。
【0035】
センサケース20の他端側からは信号ケーブル22が挿入され、その信号ケーブル22内から延びるリード端部24は基板34上に固定される。
【0036】
基板34の面上には検出コイル32、回路部品36、信号ケーブル22のリード端部24、ループアンテナ38等を電気的に接続するための図示略の配線が形成されている。
【0037】
以上の構成において、センサケース20にはその内部に水が入らないように防水や防塵性に優れた樹脂44が充填されている。
【0038】
そして本実施の形態では、センサケース20の内周壁と樹脂44との隙間にセンサケース20内への水入りを検知する部品が実装される基板46が介装されている。この基板46上には図4で示すように検出コンデンサ48が形成されている。図4(a)は基板46の展開図であり、図4(b)はセンサケース20内への実装状態で示す図である。基板46は図4(a)の展開図では、平面視片仮名の「コ」の字形状の検出コンデンサ48が形成されている。この検出コンデンサ48は水入りセンサ部6の要部を構成するものであり、水入りによりそれを構成するコンデンサ電極間が短絡するなどして容量が変化しその容量変化を水入りセンサ信号とするものである。この場合、センサケース20に水が浸入してくる経路はキャップ28や信号ケーブル22が装着されるセンサケース20の開口付近であるので、この検出コンデンサ48はこれら開口付近に配置することが早期の水入り検知に好ましい。また、検出コンデンサ48を構成するコンデンサ電極がマイグレーションで短絡した場合も容量変化となるのでこのことからも水入りを検知することができる。
【0039】
この検出コンデンサ48は、図5で示すようにセンサケース20の内周面に印刷等により形成して上記基板46を省略可能としてもよい。この場合、上記基板46に検出コンデンサ48を形成する場合よりも基板46を設置しなくて済む分、コスト低減が可能となり、また、センサケース20内での設置スペースも節約することができて好ましい。
【0040】
検出コンデンサ48は、図6で示すように回路部品36や信号ケーブル22のリード端部24周囲の基板34上に形成して、回路部品36周囲への水入りを検知可能としてもよい。
【0041】
図7を参照して検出コンデンサ48の構成およびこれを備えた水入りセンサ部6を説明する、検出コンデンサ48は、互いの一端側が共通に接続されて櫛の歯状とされた複数の第1コンデンサ電極48aと、同様に互いの一端側が共通に接続されて櫛の歯状とされた複数の第1コンデンサ電極48aそれぞれと交互に対向する複数の第2コンデンサ電極48bとから構成されている。複数の第1コンデンサ電極48aには直流電源50が印加され、複数の第2コンデンサ電極48bは接地52されている。この検出コンデンサ48は水入り検知部6の一部を構成するものである。
【0042】
上記検出コンデンサ48は、直流電源50に接続された第1抵抗54と、接地52側に接続された第2抵抗56との間に直列に接続されている。
【0043】
以上の構成を備えた水入り検知部6では、センサケース20内に水が入ってくると、第1コンデンサ電極48aと第2コンデンサ電極48bとが電気的に短絡等することにより、検出コンデンサ48としてのインピーダンスである容量が低下する。このインピーダンス変化により第2抵抗56と検出コンデンサ48との接続部58から水入り検知部6の出力として水入りセンサ信号が出力されるようになっている。
【0044】
なお、図8で示すように第2抵抗56と検出コンデンサ48との接続部58出力を比較回路60に入力し、この入力を基準値refと比較することにより、水入りを検知する水入りセンサ信号を出力するようにしてもよい。
【0045】
以上説明した水入りセンサ部6を備えた実施の形態の近接センサにおけるCPU14の制御動作を説明すると、CPU14は、作業メモリ16を用いて非接触センサ部4からの検出対象センサ信号をメイン処理プログラムに従って実行処理中に水入りセンサ部6から水入りセンサ信号が入力されると、自己診断処理プログラムを割り込ませて実行処理する。
【0046】
この実行処理では、水入りが無くて検出コンデンサ48の容量が大きいときは水入りセンサ部6からの水入りセンサ信号の信号レベルは大きい。CPU14の入力ポートに入力される水入りセンサ信号の信号レベルが規定値より大きいので、水入りは無いと判定する。一方、水入りが有って検出コンデンサ48の容量が小さくなるときは水入りセンサ部6からの水入りセンサ信号の信号レベルは小さくなる。CPU14の入力ポートに入力される水入りセンサ信号の信号レベルが規定値より小さくなると、水入り有りと判定する。
【0047】
上記規定値は、CPU14が、近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であると判定することができる値に定められている。これによって、CPU14は、上記自己診断により、センサ動作の継続を停止し、自己診断対応結果を外部に出力制御することができるようになる。
【0048】
なお、センサケース20に充填された樹脂44とセンサケース20の内周壁や信号ケーブル22との狭い隙間に付着した水滴は毛細管現象で検出コンデンサ48に浸入し、この浸入した水分により検出コンデンサ48を構成する第1、第2コンデンサ電極48a,48b間に電解現象を発生させてマイグレーションが起こる。そして、この起きたマイグレーションで第1、第2コンデンサ電極48a,48b間が短絡し、この短絡で発生した電圧は水入りセンサ信号として上記センサ処理部8により監視されて水入りしたことが検知されるようになっている。
【0049】
以上説明したように本実施の形態では、近接センサが異常を来たす前の段階で当該近接センサの異常を予知することができ、この近接センサを用いる制御システムに対してその近接センサの使用上における信頼性を大きく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る近接センサの回路ブロック図である。
【図2】図2は図1の近接センサの機構的な構成を示す図である。
【図3】図3は基板面に設けたループアンテナを示す図である。
【図4】図4は水入りセンサ部の検出コンデンサを示す図である。
【図5】図5は検出コンデンサの変形例を示す図である。
【図6】図6は検出コンデンサの他の変形例を示す図である。
【図7】図7は検出コンデンサを含む水入りセンサ部の回路ブロック図である。
【図8】図8は検出コンデンサを含む水入りセンサ部の他の例の回路ブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
2 近接センサ
4 非接触センサ部
6 水入りセンサ部
8 センサ処理部
10 出力部
12 無線送信部
14 CPU
16 作業メモリ
18 プログラムメモリ
20 センサケース
28 キャップ
30 フェライトコア
32 検出コイル
44 樹脂
46 基板
48 検出コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサケースに、非接触センサ部と、水入りセンサ部と、センサ処理部と、を内蔵し、上記センサ処理部は、非接触センサ部からのセンサ信号を処理すると共に、上記水入りセンサ部からセンサケース内に水が入ったことを示す水入りセンサ信号が入力されると、当該近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であるか否かを判定処理する、ことを特徴とする自己診断機能付き近接センサ。
【請求項2】
上記センサ処理部は、マイクロコンピュータにより構成されており、このマイクロコンピュータは、非接触センサ部からのセンサ信号をメイン処理プログラムに従って実行処理中に水入りセンサ部から水入りセンサ信号が入力されると自己診断処理プログラムを割り込ませて実行処理し、その実行処理による自己診断が、当該近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であると判定すると、センサ動作の継続を停止し、自己診断対応結果を外部に出力制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の自己診断機能付き近接センサ。
【請求項3】
上記センサケースには樹脂が充填されていると共に、上記水入りセンサ部は、少なくとも二つ一対の対向電極からなる検出コンデンサを備え、この検出コンデンサは上記樹脂と少なくともセンサケース内周壁との間の隙間に配置されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の自己診断機能付き近接センサ。
【請求項4】
センサケースに、
検出対象に非接触で該検出対象を検出する非接触センサ部と、
上記センサ部のセンサ信号を処理するセンサ処理部と、
上記センサケースには充填されてその内部を防水するための樹脂と、
上記センサケース内で水が浸入し易い特定箇所に配置されて当該センサケース内へ水が入ったことを検知する水入りセンサ部と、
を内蔵したことを特徴とする自己診断機能付き近接センサ。
【請求項5】
上記特定箇所が、上記樹脂と上記センサケースの内周壁との間の隙間である、ことを特徴とする請求項4に記載の自己診断機能付き近接センサ。
【請求項6】
上記センサケースにはケーブルが貫通装着されていると共に、上記特定箇所は、さらに上記樹脂と上記ケーブルとの間の隙間を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の自己診断機能付き近接センサ。
【請求項7】
上記水入りセンサ部は、基板上に検出コンデンサとして少なくとも二つ一対の対向電極を配置してなり、この基板を上記特定箇所に配置した、ことを特徴とする請求項5または6に記載の自己診断機能付き近接センサ。
【請求項8】
上記水入りセンサ部は、センサケースの内周壁に検出コンデンサとして少なくとも二つ一対の対向電極を備えている、ことを特徴とする請求項5または6に記載の自己診断機能付き近接センサ。
【請求項9】
センサケースに、非接触センサ部と、水入りセンサ部と、センサ処理部と、を内蔵し、かつ、センサケースに樹脂が充填されていると共に外部からケーブルが貫通装着されており、
上記センサ処理部は、非接触センサ部からのセンサ信号を処理すると共に、上記水入りセンサ部から水入りセンサ信号が入力されると、当該近接センサが現在は正常に動作しているが上記水入りによりセンサ動作が異常になる前段階であるか否かを判定処理するものであり、
上記水入りセンサ部は、基板上に検出コンデンサとして、櫛歯状の複数の第1のコンデンサ電極と、櫛歯状の複数の第2のコンデンサ電極とを、互いコンデンサ電極を交互に対向させて構成しており、かつ、上記センサケースに充填された樹脂と上記センサケースの内周壁やケーブルとの狭い隙間に付着した水滴を毛細管現象で上記基板上の検出コンデンサに浸入可能とし、かつ、上記浸入した水分により上記検出コンデンサを構成する上記両第1、第2コンデンサ電極間に電解現象を発生させてマイグレーションを起こし、この起こしたマイグレーションで上記両第1、第2コンデンサ電極間を短絡させ、かつ、この短絡で発生した電圧を水入りセンサ信号として上記センサ処理部が監視することにより水入りしたことを検知するようにした、ことを特徴とする自己診断機能付き近接センサ。
【請求項10】
さらに、センサ処理部のセンサ信号を無線で外部に送信する無線送信部を有する、ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の自己診断機能付き近接センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−261718(P2008−261718A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−104436(P2007−104436)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】