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自律型移動体とこれを用いた移動体システム
説明

自律型移動体とこれを用いた移動体システム

【課題】高速度で移動するときにも、自己の挙動を周囲に確実に報知することができるようにする。
【解決手段】本発明は、移動領域内の測距データを取得するための測距部と、その移動領域内を移動するための駆動機構と、視覚又は聴覚若しくはそれら双方を通じて所要の情報を周囲に報知するための報知装置とを備え、自律して移動可能な自律型移動体であって、測距部により取得した測距データに基づいて、移動可能エリアを抽出するエリア抽出手段30bと、移動可能エリアにおける自律移動のための移動経路を計画する移動経路計画手段30cと、計画した移動経路を含む自己の移動情報を報知装置により報知させる報知手段10bとを設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律して移動する例えば無人車両等の自律型移動体とこれを用いた移動体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自律型移動体として、移動ロボットとした名称で特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された自律型移動体は、周囲に人が介在する環境で走行面上を移動できる移動ロボットにおいて、駆動輪を駆動する駆動輪駆動手段と、移動する予定経路を光線を用いて該走行面上に描画する予告表示手段と、該移動ロボットの走行計画を時間経過と共に指令する走行指令情報に基づいて該駆動輪駆動手段を制御する駆動輪駆動制御手段と、走行指令情報および予告表示の仕方を指令する予告指令情報とに基づいて該予告表示手段を制御する予告表示制御手段とで構成され、上記走行面上への描画は所定の時間間隔毎に行われることを特徴とする予定経路予告表示機能を内蔵したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007‐310563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている自律型移動体は、走行指令情報及び予告表示の仕方を指令する予告指令情報とに基づいて、予定経路を光線を用いて走行面上に描画するものである。
そのため、自律型移動体の近傍においては描画した予定経路を視認することができるものの、遠くに位置する者は視認することができず、また、時速数十キロほどの高速度で移動する場合には、近くに位置する者であっても視認することが極めて困難である。
【0005】
そこで本発明は、高速度で移動するときにも、自己の挙動を周囲に確実に報知することができる自律型移動体とこれを用いた移動体システムの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための自律型移動体は、移動領域内の測距データを取得するための測距部と、その移動領域内を移動するための駆動機構と、視覚又は聴覚若しくはそれら双方を通じて所要の情報を周囲に報知するための報知装置とを備え、自律して移動可能なものであり、測距部により取得した測距データに基づいて、移動可能エリアを抽出するエリア抽出手段と、移動可能エリアにおける自律移動のための移動経路を計画する移動経路計画手段と、計画した移動経路を含む自己の移動情報を報知装置により報知させる報知手段とを設けたものである。
【0007】
同上の目的を達成するための自律型移動体を用いた移動体システムは、上記した自律型移動体と、この自律型移動体の移動を非常停止させるための非常停止信号を自律型移動体に向けて送信する非常停止用無線機を含む構成のものであり、自律型移動体には、非常停止用無線機から送信される非常停止信号を受信するための非常停止用無線回路と、この非常停止用無線回路で受信した非常停止信号を直接受信し、かつ、報知装置を駆動するための駆動回路とが設けられており、駆動回路は、非常停止用無線回路から送信された非常停止信号により、駆動機構を停止する機能を有している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高速度で移動するときにも自己の移動情報を周囲に遍く報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る自律型移動体を含む移動体システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】(A)は、本発明の一実施形態に係る自律型移動体の構成を概略的に示す側面図、(B)は、その正面図である。
【図3】同上の自律型移動体に設けた制御回路のブロック図である。
【図4】(A)は、自律移動用コンピュータが有する機能を示すブロック図、(B)は、車両制御用コンピュータが有する機能を示すブロック図である。
【図5】走行可能エリア、計画された移動経路及び最大曲率の関係を示す説明図である。
【図6】(A)は、移動経路の最大曲率で許容できる移動速度を算出するときの説明図、(B)は、現在の移動速度における停止距離を算出するときの説明図である。
【図7】(A)は、本発明の一実施形態に係る自律型移動体に配設した報知装置の報知態様の一例を示す説明図、(B)は、その報知態様の他例を示す説明図である。
【図8】無人車両の移動状態の変化と、発音装置の作動/停止の関係を示す説明図である。
【図9】無人車両を自律モードで移動させる処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自律型移動体を含む移動体システムの全体構成を示す説明図、図2(A)は、本発明の一実施形態に係る自律型移動体の構成を概略的に示す側面図、(B)は、その正面図である。また、図3は、その自律型移動体に設けた制御回路のブロック図、図4(A)は、自律移動用コンピュータが有する機能を示すブロック図、(B)は、車両制御用コンピュータが有する機能を示すブロック図である。
【0011】
図1に示す移動体システムA1は、本発明の一実施形態に係る自律型移動体である無人車両B、非常停止用無線機C及び遠隔操作装置Dを有して構成されている。
なお、P1は非常停止用無線機Cを、また、P2は遠隔操作装置Dをそれぞれ操作するための非常停止者とオペレータである。
【0012】
非常停止用無線機Cは、詳細を後述する無人車両Bに対して、非常停止信号を送信するものである。
遠隔操作装置20は、無人車両Bとの間において、その無人車両Bの車両情報や当該無人車両Bの操縦情報等の送受信を行うものであり、通信回路Da、コンピュータDb及び操縦装置Dc等を有して構成されている。
【0013】
無人車両Bは、環境認識を行いながら自律して移動することができる機能を有するとともに、上記の遠隔操作装置Dからの操縦情報に基づく移動を行う機能を併有するものであり、本実施形態においては、一般の乗用車両のハンドル/アクセル/ブレーキを、下記の移動体制御用,自律移動用コンピュータ10,30によって操作できるように、各種のアクチュエータを付加した構成のものである。
【0014】
すなわち、無人車両Bは、CPU(Central Processing Unit)やインターフェース回路(いずれも図示しない)等からなる移動体制御用コンピュータ10と、同じく自律移動用コンピュータ30とによって制御されるようになっている(図2,3参照)。
なお、以下には、移動体制御用コンピュータ10を、本実施形態に対応して車両制御用コンピュータ10という。
車両制御用コンピュータ10と、自律移動用コンピュータ30とは、イーサネット(登録商標)11を介して互いに接続されている。
なお、車両制御用コンピュータ10と自律移動用コンピュータ30との接続は、イーサネット(登録商標)以外にもCAN(Controller Area Network)等の車内ネットワークを用いることができる。
【0015】
自律移動用コンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)やインターフェース回路(いずれも図示しない)等からなるものであり、これの入力ポートには、移動領域内の測距データを取得するための測距部33が接続されている。
測距部33は、自律移動用カメラ14,31と、レーザー光センサ(以下、「LRF」という。)32a,32bを有して構成されている(図2,3参照)。
【0016】
LRF32a,32bは、レーザ光の投光から受光までの時間を計測するタイムオブフライト方式による測距を行うものであり、本実施形態において示すものは、1つのレーザ光源を用い、光軸を光学的又は機械的に掃引することにより、物体の3次元的な形状を取得するスキャンタイプのものである。
本実施形態においては、一方のLRF32aが遠距離用のものであり、他方のLRF32bが近距離用のものであり、遠近を問わず移動領域をカバーできるようにしている。
【0017】
自律移動用カメラ14,31は、自律移動を行うときに必要な画像データを取得するためのものであり、移動方向に向け、かつ、車幅方向において左右対称に配列されている。
【0018】
自律移動用コンピュータ30は、所要のプログラムの実行により、図4(A)に示す各機能を発揮する。
・測距部33により取得した測距データに基づいて、環境地図を作成する機能。この機能を「地図作成手段30a」という。
本実施形態においては、LRF32a,32bにより取得したレーザー光データと、自律走行用カメラ14,31により取得した画像データの双方に基づいて環境地図を作成している。
【0019】
環境地図は、自律走行用コンピュータ30内のメモリ(図示しない)に順次記憶されていくようになっている。
なお、上記の環境地図は、自律走行用カメラ14,31により取得した画像データのみに基づき、また、LRF32により取得したレーザー光データのみに基づいて作成してもよい。
【0020】
・測距部33により取得した測距データに基づいて、移動可能エリアを抽出する機能。この機能を「エリア抽出手段30b」という。
具体的には、作成した上記環境地図に基づいて移動可能エリアを抽出している。
【0021】
・移動可能エリアにおける自律移動のための移動経路を計画する機能。これを「移動経路計画手段30c」という。
「移動経路」は、換言すると、移動可能エリア内における無人車両Bの移動ルートであり、所謂ポテンシャル法やグラフ探索法等によるものである。
【0022】
・計画された移動経路に応じた無人車両Bの移動速度を計画する機能。この機能を「移動速度計画手段30d」という。
「移動経路に応じた無人車両Bの移動速度」は、例えば移動経路のカーブの曲率の大小に応じて安全に走行できる速度という意味であり、小さなカーブでは大きなカーブよりも移動速度を低下させるようにしている。
【0023】
図5は、走行可能エリア、計画された移動経路及び最大曲率の関係を示す説明図、図6(A)は、移動経路の最大曲率で許容できる移動速度を算出するときの説明図、(B)は、現在の移動速度における停止距離を算出するときの説明図である。なお、図6に示す無人車両は、説明のために簡略化して示している。
【0024】
まず、走行可能エリアa、計画された移動経路b及び最大曲率κmaxの関係は、図5に示すとおりである。
最大曲率で許容できる移動速度の算出は、次のように行っている。
横滑り限界速度:mV^2κ=μmGzより、
Vslip= √(μGz/κmax)
横転限界速度:hmV ^2κ=dmGzより、
Vroll= √(dGz/hκmax)
VslipとVrollのうち、小さい方が計画された移動経路bを横滑り、横転せずに走行できる最大速度である。
【0025】
・現在の移動速度における停止距離を算出する機能。この機能を「停止距離算出手段30e」という。
ここで、停止距離=空走距離+制動距離=V・T1+V^2/(2Gμ)
T1:反応時間(制御システムの遅延)
G:9.8m/s^2μ:路面の摩擦係数
V:速度
【0026】
本実施形態においては、現在の移動速度における停止距離だけ離れた地点における移動情報を生成しているので、無人車両Bの周囲に位置する者は、その無人車両Bの挙動に対応した対処行動を無理なく行うことができる。
【0027】
車両制御用コンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)、インターフェース回路及びメモリ(いずれも図示しない)等からなるものである。
この車両制御用コンピュータ10の入力ポートには、イーサネット(登録商標)12を介して非常停止用無線回路13、通信機20及び遠隔操作用カメラ19、また、GPS(Global Positioning System)15、バーチカルジャイロ16、車速パルス17、オドメトリ18及び詳細を後述する報知装置8がそれぞれシリアル回線を介して接続されている。なお、符号13a,20aはアンテナを示している。
【0028】
また、出力ポートには、モータドライバ21を介して、ステアリング用アクチュエータ22、ブレーキ/アクセル用アクチュエータ23がそれぞれ接続されている。
なお、図1,2に示す9…は走行輪であり、これらの走行輪9…とともに、モータドライバ21、ステアリング用アクチュエータ22、ブレーキ/アクセル用アクチュエータ23により駆動機構Eを構成している。
【0029】
非常停止用無線回路13は、非常停止用無線機Cから送信された非常停止信号を受信する機能を有するものであり、これには、モータドライバ21が車両制御用コンピュータ10を介在することなく接続されている。
【0030】
モータドライバ21は、非常停止用無線回路13から送出された非常停止信号により、ステアリング用アクチュエータ22及びブレーキ/アクセル用アクチュエータ23の駆動を停止する機能を有している。
【0031】
すなわち、非常停止用無線機Cから送出された非常停止信号により、無人車両Bの駆動機構Eによる移動を直接停止するようにしている。
本実施形態における「直接停止」とは、車両制御用コンピュータ10を介在することなくという意味であり、これにより、車両制御用コンピュータ10が故障若しくは暴走等が生じた場合にも、無人車両Bを確実に停止させることができる。
【0032】
なお、車両制御用コンピュータ10及びモータドライバ21を介して、ステアリング用アクチュエータ22及びブレーキ/アクセル用アクチュエータ23の駆動を停止するようにしてもよい。
【0033】
通信機20は遠隔操作装置Dとの間において、無人車両Bの車両情報や操縦情報を互いに交信するものである。
【0034】
バーチカルジャイロ16は、無人車両Bの鉛直面内における傾斜姿勢、従ってまた、後述する自律走行用カメラ14,31、LRF32a,32b及び遠隔操作用カメラ19の光軸姿勢(向き)情報を取得するものである。
【0035】
オドメトリ18は、無人車両Bの走行輪9…の各回転量に基づいて、自己の位置情報を取得するためのセンサである。
GPS15は、無人車両Bの位置情報を取得するためのものである。
車速パルス17は、無人車両Bの移動速度を測定するためのものであり、無人車両Bの移動速度をパルス情報として出力するものである。
【0036】
本実施形態において示す報知装置8は、視覚又は聴覚若しくはそれら双方を通じて所要の情報を周囲に報知するためのものであり、5つの回転灯7a〜7eを無人車両Bの車幅方向に一定の間隔をおいて列設した走行・速度表示灯7と、サウンダと称される音声発生装置6とを有する構成のものである。
【0037】
車両制御用コンピュータ10は、GPS15やバーチカルジャイロ16で取得した各種の情報を、イーサネット(登録商標)11,通信機20を通じ、遠隔操作装置Dに向けて送信する機能の他、ステアリング用アクチュエータ22、ブレーキ/アクセル用アクチュエータ23をモータドライバ21を介して駆動制御する機能を有している。
【0038】
車両制御用コンピュータ10は、図示しないメモリに記憶されている所要のプログラムの実行により、次の各機能を発揮する。図7(A)は、本発明の一実施形態に係る自律型移動体に配設した報知装置の一例に係る報知態様を示す説明図、(B)は、その報知装置の他例に係る報知態様を示す説明図である。
【0039】
・計画した移動経路と移動速度に従って、駆動機構Eを介して無人移動体Bを移動させる機能。この機能を「自律移動手段10a」という。
・計画した移動経路を含む自己の移動情報を走行・速度表示灯7により報知させる機能。この機能を「報知手段10b」という。
本実施形態においては、計画した移動経路に応じた移動速度を含む自己の移動情報を報知させるようにしている。
【0040】
すなわち、計画した移動経路と移動速度に対応する光源の発光態様での報知を行わせているが、本実施形態においては、次のようにしている。
具体的には、図7(A)に示すように、光源の一例である回転灯7a〜7eが、旋回するときの曲率に対応して回転点灯するようになっている。
【0041】
敷衍すると、無人車両Bが直進するときには、回転灯7cのみが回転点灯し、図示右方向α1に旋回するときには、その旋回曲率に対応する回転灯7d又は回転灯7dとともに回転灯7eを回転点灯させるようになっている。
回転灯7dのみを回転点灯させるときの旋回曲率よりも、回転灯7d,7eを同時に回転点灯する旋回曲率が小さい。
【0042】
一方、図示左方向α2に旋回するときには、その旋回曲率に対応する回転灯7b又は回転灯7bとともに回転灯7aを回転点灯させるようになっている。
この場合にも、回転灯7b,7dのみを回転点灯させるときの旋回曲率よりも、回転灯7b,7aを同時に回転点灯する旋回曲率が小さい。
要約すると、旋回方向側に配列された回転灯であって、旋回曲率に対応させている回転灯を点灯させている。
【0043】
また、本実施形態において示す回転灯7a〜7eは、これらのうち、回転灯7cを水色、回転灯7b,7dを緑色、回転灯7a,7eを赤色で点灯させることにより、旋回曲率に対応させた互いに異なる発色にして、大きな曲率の旋回であるか、小さな曲率での旋回であるかを視覚的にも認識させるようにしている。
【0044】
さらに、本実施形態においては、回転点灯させた回転灯を移動速度に応じた時間間隔(点滅周期)で点滅させている。
具体的には、図7(B)に示すように、移動速度0から10km/h増える毎に、等差数列的に点滅周期を短くし、所定の移動速度になったときから連続して点灯させている。これにより、移動速度を視覚的に認識させられるようにしている。
【0045】
図8は、無人車両Bの移動状態の変化と、発音装置6の作動/停止の関係を示す説明図である。
発音装置6はサウンダと称される大きな音量を発することができるものであり、本実施形態においては、図8に示すように、以下に示す6つの移動モードの変化に従って、サウンダ6の作動/停止を行わせている。
【0046】
移動モードは、スタンバイモード、設定モード、非常停止モード、自律モード、半自律モード及び遠隔操縦モードからなる。
「スタンバイモード」は、全プログラムの起動を待つ状態であり、各プログラムは起動後の初期化状態になっている。
「設定モード」は、変数等の設定とともに、モータ(アクチュエータ)をEnable状態とし、状態確認を行う。また、シフトはパーキング位置であり、そのままでは無人車輌が動けない状態、すなわち、Go指令待ちの状態をいう。
【0047】
「非常停止モード」は、車両制御用コンピュータからの指令等をオーバライドして、モータ(アクチュエータ)を車輌停止状態にさせている状態をいう。
「自律モード」は、Go指令後にシフトをドライブ・バック位置に入れ、アクセル指令でエンジン(図示しない)を吹かし、自律的に移動できる状態をいう。
【0048】
「半自律モード」は、Go指令後にシフトをドライブ・バック位置に入れ、アクセル指令でエンジン(図示しない)を吹かし、一部をオペレータ操作により移動できる状態をいう。なお、Go指令は、オペレータP2から発せられる指令である。
【0049】
「遠隔操縦モード」は、Go指令後にシフトをドライブ・バック位置に入れ、アクセル指令でエンジン(図示しない)を吹かし、全てオペレータによる遠隔操作によって移動できる状態をいう。
それらのうちの設定モードから自律モード、半自律モード,遠隔操縦モードに移行するときにサウンダ6を作動させている。
これにより、無人車両Bが自律的に移動する可能性があることの注意喚起を行うことができる。
【0050】
また、半自律モード,遠隔操縦モードからスタンバイモード、自律モードからスタンバイモード、非常停止モードからスタンバイモードに移行するときにサウンダ6を停止している。
【0051】
次に、無人車両Bが上記した自律モードで移動する場合における、その移動情報の報知について、図9を参照して説明する。図9は、無人車両を自律モードで移動させる処理を示すフローチャートである。
【0052】
ステップ1(図中、「S1」と略記する。以下、同様。):センジングを行う。すなわち、LRF31から測距データを取得する。
ステップ2:取得した測距データによって環境認識を行い、ステップ3に進む。
ステップ3:環境地図を作成するとともに、移動可能エリアを抽出する。
ステップ4:目的地点(方位)を設定する。
ステップ5:現在の推定位置から目的地点に至る局所経路(移動経路)を計画する。
図5においては、自車位置が現在の推定位置である。
ステップ6:経路追随目標地点を算出する。
【0053】
ステップ7:経路追随目標地点に至るハンドル角度(旋回曲率)を算出する。
具体的には、タイヤ角δ、ホイールベースL、重心と後輪の間隔Lrとすると、
δ=arctan(L/√((1/κ) ^2-Lr^2)) (式1)
ハンドル角度は、移動体の特性によりタイヤ角δから一意に定まる。
【0054】
ステップ8:回転灯7a〜7eを所要の態様で点灯させる。
具体的には、旋回曲率に対応した回転灯を点灯する。
【0055】
ステップ9:ステアリングホイールのアクチュエータを制御する。
ステップ10:局所経路の最大曲率κmaxを算出する。
【0056】
ステップ11:上述したようにして、最大曲率で許容できる移動速度を算出する。
ステップ12:算出した移動速度に対応させて、回転灯の点滅周期を変更する。
ステップ13:最大曲率で許容できる移動速度となるように、アクセル・ブレーキアクチュエータを制御する。
【0057】
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・上述した実施形態においては、自律して移動可能な移動状態に移行するときに、音声発生装置によって音声を発生させる例について説明したが、例えば移動速度に応じた音声を音声発生装置によって発生させるようにしてもよい。
「移動速度に応じた音声」は、例えば周波数を異ならせたもの等が考えられる。
具体的には、想定される移動速度を一定の速度間隔毎に区分しておき、それら各区分と周波数の異なる音声とを対応させておく等が考えられる。
【0058】
・上述した実施形態においては、光源の一例である回転灯を例として説明したが、回転灯に限らず、回転しない光源を採用することもできる。
【0059】
・上述した実施形態においては、四輪の無人車両を例として説明したが、これに限るものではなく、二輪や三輪のものに適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【0060】
6 音声発生装置(サウンダ)
7(7a〜7e) 光源(走行・速度表示灯)
8 報知装置
10b 報知手段
13 非常停止用無線回路
21 駆動回路
30b エリア抽出手段
30c 移動経路計画手段
30d 移動速度計画手段
30e 停止距離算出手段
33 測距部
A1 自律型移動体(無人車両)
C 非常停止用無線機
E 駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動領域内の測距データを取得するための測距部と、その移動領域内を移動するための駆動機構と、視覚又は聴覚若しくはそれら双方を通じて所要の情報を周囲に報知するための報知装置とを備え、自律して移動可能な自律型移動体であって、
測距部により取得した測距データに基づいて、移動可能エリアを抽出するエリア抽出手段と、
移動可能エリアにおける自律移動のための移動経路を計画する移動経路計画手段と、
計画した移動経路を含む自己の移動情報を報知装置により報知させる報知手段とを設けたことを特徴とする自律型移動体。
【請求項2】
計画された移動経路に応じた移動速度を計画する移動速度計画手段が設けられており、
報知手段は、計画した移動経路に応じた移動速度を含む自己の移動情報を報知させることを特徴とする請求項1に記載の自律型移動体。
【請求項3】
現在の移動速度における停止距離を算出する停止距離算出手段が設けられており、
報知手段は、現在の移動速度における停止距離だけ離れた地点における自己の移動情報を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の自律型移動体。
【請求項4】
報知装置は、移動方向に対して交差する方向に列設された複数の光源を有しており、
報知手段は、移動経路に対応する光源の発光態様での報知を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の自律型移動体。
【請求項5】
複数の光源が所定の旋回曲率毎に対応しており、
報知手段は、旋回曲率に対応する光源を発光させることを特徴とする請求項4に記載の自律型移動体。
【請求項6】
所定の移動速度毎に光源の点滅周期が設定されており、
報知手段は、移動速度に対応する点滅周期で光源を点滅させることを特徴とする請求項4又は5に記載の自律型移動体。
【請求項7】
報知装置は所要の音声を発生する音声発生装置であり、
報知手段は、自律して移動可能な移動状態に移行するときに、音声発生装置によって音声を発生させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自律型移動体。
【請求項8】
報知装置は所要の音声を発生する音声発生装置であり、
報知手段は、移動速度に応じた音声を音声発生装置によって発生させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の自律型移動体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の自律型移動体と、この自律型移動体の移動を非常停止させるための非常停止信号を自律型移動体に向けて送信する非常停止用無線機を含む移動体システムであって、
自律型移動体には、非常停止用無線機から送信される非常停止信号を受信するための非常停止用無線回路と、この非常停止用無線回路で受信した非常停止信号を直接受信し、かつ、報知装置を駆動するための駆動回路とが設けられており、
駆動回路は、非常停止用無線回路から送信された非常停止信号により、駆動機構を停止する機能を有していることを特徴とする移動体システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−282568(P2010−282568A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137495(P2009−137495)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(500302552)株式会社IHIエアロスペース (298)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】