説明

自発光式視線誘導灯

【課題】湿気排出用に設けられる通気口から雨水の浸入を確実に防止することのできる自発光式視線誘導灯を提供することを課題とする。
【解決手段】LED及び太陽電池を有する発光・発電部を備える縦長筒状のポール本体と、蓄電体が収納された蓄電部とを備える。ポール本体(1)の上端には、ポール本体内の湿気を排出するための通気口(20)が形成されたトップカバー(18)が取り付けられ、トップカバーの上面には、隙間(S1)を形成するように被覆されたキャップ体(3)が取り付けられている。トップカバーの上面またはキャップ体の下面には、隙間の高さ相当の高さを有し且つトップカバーの周方向に配設された複数のリブ(31)〜(34)が形成され、複数のリブは、外方から浸入する雨水を堰き止めるとともに、ポール本体内の空気が前記通気口及び隙間を通って外方へ抜けるように迷路状の空気流通路を形成する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の中央分離帯や路肩等に設置して発光させることにより車両運転者や歩行者等の視線を誘導する自発光式視線誘導灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6に示す、従来の街路灯は、ポール本体(4)内に結露が発生するのを防止するために、上部通気口(41)と下部通気口(42)が設けられている。上部通気口(41)はポール本体(4)の上部に位置させている透明ケース(40)の頂面に形成され、その上方は隙間(S)を介して屋根部(43)で被覆させている。下部通気口(42)はポール本体(4)の側面下部域に開口され、その外方はガラリ(45)、雨避け板(46)及び防虫シート(47)で覆われている。そして、上部通気口(41)と下部通気口(42)を通じてポール本体(4)内に空気を積極的に流通させてポール本体(4)内の結露の発生を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−349095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上部通気口(41)を覆っている屋根部(43)は、周縁部に垂下片部(48)が設けられて上部通気口(41)からの雨水の浸入を防止しているが、横殴りの雨を伴う激しい風雨に晒された場合や水溜り上を走行する自動車から水しぶきがかかった場合には、ポール本体(4)に水が勢い良くかかると、雨水が垂下片部(48)の下端から隙間(S)へ浸入し、屋根部(43)の下面等を伝って上部通気口(41)からポール本体(4)内へ浸入してしまうおそれがある。このようにして、雨水がポール本体(4)内に浸入すると、透明ケースが曇って発光部(40)における外部からの視界を悪化させたり、光源(44)を点灯させる電気部品にショート等の悪影響を与えたりする不都合が生じる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、結露防止とともに湿気排出用に設けられる通気口から雨水の浸入を確実に防止する自発光式視線誘導灯を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る自発光式視線誘導灯は、
道路の中央分離帯や路肩等に設置して発光することにより車両運転者や歩行者等の視線を誘導する自発光式視線誘導灯において、
LED及び太陽電池を有する発光・発電部を備える縦長筒状のポール本体と、前記太陽電池により発電した電気を蓄電すると共にLEDに給電する蓄電体が収納された蓄電部とを備え、
前記ポール本体の上端には、前記ポール本体内の湿気を排出するための通気口が形成されたトップカバーが取り付けられ、
前記トップカバーの上面には、隙間を形成するように被覆されたキャップ体が取り付けられ、
前記トップカバーの上面または前記キャップ体の下面には、前記隙間の高さ相当の高さを有し且つ前記トップカバーの周方向に配設された複数のリブが形成され、
前記複数のリブは、外方から浸入する雨水を堰き止めるとともに、前記ポール本体内の空気が前記通気口及び前記隙間を通って外方へ抜けるように迷路状の空気流通路を形成する構成としたことである。
【0007】
上記構成によれば、通気口からトップカバーとキャップ体との隙間部分に排出されたポール本体内の湿気は、前記リブによって形成されている迷路状の空気流通路を通って前記キャップ体の周縁から外方へ排出される。一方、トップカバーとキャップ体との隙間部分に、外方から浸入して来る雨水や水しぶき等の水滴は、迷路状に形成された前記リブによって堰き止められるから、空気流通路を通り抜けて通気口に至ることが防止される。
【0008】
上記自発光式視線誘導灯において、前記複数のリブは、前記トップカバーの径方向側に多段に設置され、
前記多段のリブは、外側のリブ群を構成するリブ相互間の間隙部分に、内側のリブ群を構成するリブの各々が配置された構造とするのが望ましい。
【0009】
このものでは、前記トップカバーまたはキャップ体の周縁から両者間の隙間内に浸入しようとする雨水や水しぶき等の水滴は、最も外周側に位置するリブ群を構成している複数のリブで堰き止められ、これらリブ相互間の間隙部分を通過してくる水滴は、その内側に位置するリブ群を構成しているリブによって堰き止められる。このように、複数のリブを多段に配置することで雨水や水しぶき等の水滴はいずれかのリブによって堰き止められて通気口にまで到達しないようにすることができる。そして、空気流通路は、各リブ群間及び単一のリブ相互間の間隙によって形成されることとなり、通気口から排出されるポール本体内の空気(湿気等)は、各リブ群に設けられている間隙部分と各リブ群間を縫うように流れて外方へ排出される。
【0010】
上記自発光式視線誘導灯において、最も外周側に位置するリブ群よりも内側に位置するリブ群を構成する各リブは、外方側に凹を向けた弧状に形成されていることが望ましい。
最も外周側に位置するリブ群の各リブ間の間隙から浸入した雨水等の水滴は、それよりも内側に位置するリブ群を構成している各リブによって堰き止められる。このとき、前記各リブは外方側に凹を向けた弧状に形成されているので、この凹状部分で前記水滴を受け止めてそれよりも内方への浸入を防ぎ、且つ弧状のリブの両端が外方へ向いているので、弧状のリブに受け止められた水滴はリブ両端によって外方へ向かって排出されるように誘導される。一方、弧状のリブの内方側は凸となっているので、通気口から排出されてきた空気(湿気)は、各リブの凸面によって外方へのスムーズな流れを助長することができる。
【0011】
上記自発光式視線誘導灯において、前記複数のリブは、前記通気口の周縁を囲むように形成された複数の周縁リブを含むことが望ましい。
このものでは、雨水等の水滴が通気口近くまで浸入して来たとしても、周縁リブで堰き止めて通気口からポール本体への浸入を防止することができる。
【0012】
上記自発光式視線誘導灯において、前記トップカバーは、ドーム状に形成されていることが望ましい。
これにより、キャップ体の下面から滴下されたり、トップカバーの周縁から浸入してきた雨水等の水滴を、トップカバーの傾斜に沿って外方へ誘導し、最下位置の周縁部から外方へ排出することができる。
【0013】
上記自発光式視線誘導灯において、前記通気口は、前記トップカバーの中央に形成されていることが望ましい。
通気口をトップカバーの周縁から最も離れて位置させることができるから、雨水等の水滴の浸入の防止がより一層確実となる。
この場合、トップカバーをドーム状に構成したものでは、その頂部中央となる最も高い位置に通気口が形成されることとなるから、トップカバーまたはキャップ体の周縁から雨水等の水滴が這い上がるように浸入して来ても、前記頂部に至る前に落下してしまうので、通気口に雨水が至ることはない。しかも、トップカバーの中央が最も高い位置となるので、ポール本体内の空気(湿気)を中央に集中させることができ、空気(湿気)を通気口から良好に排出させることが可能となる。
【0014】
上記自発光式視線誘導灯において、前記トップカバーと前記キャップ体は、略同径に形成されていることが望ましい。
これにより、ポール本体と、トップカバー及びキャップ体とが一体感のあるデザインとなり、美観の良いものとなる。
【0015】
上記自発光式視線誘導灯において、前記通気口には、防虫ネットが取り付けられていることが好ましい。
防虫ネットにより、虫が前記迷路状の空気流通路を通って通気口からトップカバー内に入り込むことはない。
【発明の効果】
【0016】
ポール本体の内部の湿気は、トップカバーに設けた通気口からキャップ体との隙間部分へ排出されると共に、複数のリブにより前記隙間部分に迷路状に形成された空気流通路を通って、外方へ排出されることとなるから、ポール本体内に湿気がこもったり結露が生じたりして、ポール本体を構成している透明ケース等を長期間曇らせる不都合を防止することができ、又、ポール本体内に収納されている電気部品等を結露によって損傷させる不都合もない。
【0017】
また、横殴りの雨を伴う激しい風雨に晒された場合や水溜り上を走行する自動車から水しぶきがかかった場合でも、迷路状に配設されているリブに堰き止められて通気口に至ることはないから、通気口からポール本体内への雨水等の水滴の浸入を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1番目の実施の形態の自発光式視線誘導灯を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1番目の実施の形態の自発光式視線誘導灯のトップカバーとキャップ体との関係を示す要部拡大断面図である。
【図3】本発明の第1番目の実施の形態の自発光式視線誘導灯に採用したキャップ体の下面を示す説明図である。
【図4】本発明の第2番目の実施の形態の自発光式視線誘導灯に採用したキャップ体の下面を示す説明図である。
【図5】本発明の第3番目の実施の形態の自発光式視線誘導灯に採用したキャップ体の下面を示す説明図である。
【図6】従来の街路灯の縦部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態による自発光式視線誘導灯(100)は、道路の中央分離帯や路肩等に設置される鋼管製の支持パイプ(5)の上端部に取り付けられるポール本体(1)と、ポール本体(1)に備える発光・発電部(54)と、支持パイプ(5)内に収納される蓄電部(2)とから構成されている。発光・発電部(54)は、LED(発光ダイオード)(50)と、太陽電池(53)と、LED(50)の発光パターンや発光の停止及び開始等を制御する制御部(図示せず)とを備える。尚、制御部の回路には樹脂コート等の所望の防水処理を施しているが、これに限らず、防水処理していないものでもよい。蓄電部(2)は、太陽電池(53)により発電した電気を蓄電すると共にLED(50)に給電する蓄電体(25)を備える。この蓄電体(25)は、鉛蓄電池、電気二重層コンデンサ、リチウム電池、マンガン電池等の各種の電池が採用可能である。
【0020】
LED(50)は細長い板状のLED基板に一直線状に複数個並べて取り付けられてあり、太陽電池(53)は四角形状の太陽電池セルを細長いパネル板に複数個添設して細長い板状に形成されている。そして、太陽電池(53)は、太陽電池セルからなる3枚の前記パネル板で三角筒を形成し、その3つの頂部のうち1つの頂部に沿ってLED(50)を並設するLED基板を取り付けている。LED(50)は、図示しない制御部からの制御信号によって点灯又は点滅し、これにより、車両運転者等の視線を誘導する。
【0021】
発光・発電部(54)は、円筒状のベース体(10)の上部に、LED(50)、太陽電池(53)及び制御部等の内部ユニットが取り付けられている。そして、LED(50)及び太陽電池(53)を包囲する細長い筒状の透明ケース(16)が、ベース体(10)の上面周縁に沿って形成された上方に凸の凸条(11)内に下端部が嵌め込まれる態様で立設されている。
【0022】
ベース体(10)の下面周縁には、下方へ延びるスカート状筒部(12)が形成されていると共に、スカート状筒部(12)の内方には、スカート状筒部(12)よりも短い環状垂下片(14)が形成されてあり、この環状垂下片(14)内側が支持パイプ(5)の上端に載置される。そして、スカート状筒部(12)に設けた複数のネジ孔(12a)に螺合させる固定用ネジ(15)の先端部で、支持パイプ(5)の側面を押圧することにより、ベース体(10)を支持パイプ(5)の上端に安定した設置状態で固定させている。
【0023】
透明ケース(16)の内面には、結露防止剤がコーティングされていると共に、透明ケース(16)の上端開放部に蓋板(17)が取り付けられている。この蓋板(17)に外嵌するように、上方に凸の円形ドーム状のトップカバー(18)が取り付けられている。尚、蓋板(17)は、適宜隙間を有しているので、透明ケース(16)内とトップカバー(18)との間は、空気流通可能に連通されている。そして、このトップカバー(18)の頂面中央には、円形の通気口(20)が形成されていると共に、通気口(20)を覆うように、防虫ネット(21)が張設されてあり、さらに、トップカバー(18)の上面には、隙間(S1)を形成してキャップ体(3)が被覆されている。
【0024】
キャップ体(3)は、円形のトップカバー(18)の外径と略一致する外径を有する円形で且つトップカバー(18)の曲率に沿った断面円弧状の皿状体に構成されてあり、トップカバー(18)と一体感のあるデザインに仕上げられている。
【0025】
図2、図3に示すように、キャップ体(3)の裏面には、4つのネジ螺合用筒(30)が設けられてあり、各ネジ螺合用筒(30)に対応するトップカバー(18)の所定位置には、ネジ挿通孔(13)がそれぞれ形成されている。トップカバー(18)のネジ挿通孔(13)に、キャップ体(3)のネジ螺合用筒(30)がそれぞれ対応するように、キャップ体(3)をトップカバー(18)の上面に設置し、トップカバー(18)の裏側からネジ(19)をネジ挿通孔(13)及びネジ螺合用筒(30)に挿通螺合することにより、キャップ体(3)はトップカバー(18)にネジ止めされ、トップカバー(18)と一体となる。
【0026】
そして、キャップ体(3)の裏面には、図2及び図3に示すように複数の円弧状リブ(31)〜(34)が形成されている。各円弧状リブ(31)〜(34)の下端部は、トップカバー(18)の上面に対して、がたつかないように、トップカバー(18)の上面の円弧に応じた形状にそれぞれ形成されてあり、ネジ(19)を最終締付け状態まで締め付けると、全ての円弧状リブ(31)〜(34)の下端部がトップカバー(18)の上面に当接する高さに設定されている。これにより、トップカバー(18)の上面とキャップ体(3)の下面との間には、円弧状リブの高さに相当する隙間(S1)が均等に形成され、この隙間(S1)が空気流通路として機能することとなる。尚、各円弧状リブ(31)〜(34)の高さは2〜3mmに設定されているので、隙間(S1)の高さは2〜3mmとなっている。
【0027】
前記円弧状リブ(31)〜(34)は、キャップ体(3)の外周縁近傍に設けられ前記外周縁に沿った円弧を有する第1リブ(31)と、第1リブ(31)の内方に位置し且つ前記外周縁側に向かって凹となった第2リブ(32)と、第2リブ(32)の内方に位置し且つ前記外周縁側に向かって凹となった第3リブ(33)と、第3リブ(33)の内方に位置し且つ前記外周縁側に向かって凹となった第4リブ(34)とからなる。
第1リブ(31)は、所定の間隙毎に前記外周縁に沿って円周上に複数配設された第1環状リブ群を構成し、第2リブ(32)は、隣り合う第1リブ(31)(31)間の間隙に対応する各位置に対応して円周上に複数配設された第2環状リブ群を構成し、第3リブ(33)は、一つおきに位置する第2リブ(32)よりも内方に所定の距離を置いて円周上に複数配設された第3環状リブ群を構成し、第4リブ(34)は、第3リブ(33)よりもさらに内方に位置すると共に隣り合う第3リブ(33)(33)間の間隙に対応する各位置に円周上に複数配設されて第4環状リブ群を構成している。このように、複数の円弧状リブ(31)〜(34)は、第1〜第4の環状リブ群となってトップカバー(18)の径方向側に多段に配置されている。そして、第4リブ(34)による第4環状リブ群がトップカバー(18)の通気口(20)の周囲を囲むように配設された周縁リブとして機能する。
【0028】
上記した多数の円弧状リブ(31)〜(34)は、それぞれ所定の間隔をおいて配設されているから、トップカバー(18)の上面とキャップ体(3)の下面との間に形成される空気流通路(S1)は、通気口(20)から外方へ連通する構成となっている。
【0029】
一方、図1に示すように、ベース体(10)の環状垂下片(14)の内側における、支持パイプ(5)の上端を当接させる位置には、複数の突部(55)が部分的に設けられ、これら突部(55)(55)間の間隙を通して外部からベース体(10)内に入り込む空気は、透明ケース(16)内を上方へ流れて行き、通気口(20)から、空気流通路(S1)内に排出される。これにより、透明ケース(16)内の空気を流通させて結露防止効果が発揮される。尚、透明ケース(16)内面の結露防止剤のコーティングによっても透明ケース(16)の曇りが防止される。
【0030】
通気口(20)は、トップカバー(18)の頂面中央に設けてあるから、透明ケース(16)内を上昇する空気(湿気)を集中させ易く、外部へ排出させ易くなっている。そして、通気口(20)から排出された空気は、第4リブ(34)の円弧状凸面に沿って、第4リブ(34)(34)間へ誘導された後、第3リブ(33)の円弧状凸面に沿って、第3リブ(33)(33)間へ誘導され、さらに、第2リブ(32)の円弧状凸面に沿って、第2リブ(32)(32)間へ誘導され、そして、第1リブ(31)(31)間の間隙から外方へスムーズに排出される。このように、透明ケース(16)内の通気性が良好となるから、透明ケース(16)内に湿気がたまったり長期間結露するという不都合を防止することができる。
【0031】
尚、通気口(20)には防虫ネット(21)が張設されていることから、虫やゴミ等がキャップ体(3)の周縁側から空気流通路(S1)を通って通気口(20)まで到達しても、通気口(20)を通過することはできず、よって、トップカバー(18)内に入り込むことはない。
【0032】
さらに、上記構成の自発光式視線誘導灯(100)に横殴りの雨や、水溜り上を走行する自動車からの水しぶきが勢い良くかかった場合等には、その水滴がキャップ体(3)とトップカバー(18)との間から空気流通路(S1)内部に浸入しようとしても、前記水滴は、まず、第1リブ(31)で堰き止められ、第1リブ(31)より内部への浸入を防いでいる。
【0033】
第1リブ(31)(31)間の間隙部分を通過してきた水滴は、外方に向かって凹状に形成されている第2リブ(32)で堰き止められる。第2リブ(32)の両端が外方へ向かう形状、及びドーム状に形成されて外方へ向かって低くなったトップカバー(18)の上面の傾斜に従って、第2リブ(32)で堰き止められた水滴は、空気流通路(S1)の外部へ移動するように誘導され外部へ排出される。同様に、第2リブ(32)(32)間を通過した水滴は、第3リブ(33)で堰き止められ、第3リブ(33)(33)間を通過した水滴は、第4リブ(34)によって堰き止められるから、水滴が通気口(20)に至ることはない。
【0034】
このように、キャップ体(3)の周縁部から空気流通路(S1)内へ浸入してくる水滴は、多段のリブ群として配置する第1リブ(31)〜第4リブ(34)のいずれかで堰き止められると共に、第2リブ(32)〜第4リブ(34)の両端が外方へ向かう形状、及びドーム状に形成されて外方へ向かって低くなったトップカバー(18)の上面の傾斜に従って、スムーズに外方へ排出されていく。しかも、トップカバー(18)やキャップ体(3)は、ドーム状に形成されているので、トップカバー(18)の上面やキャップ体(3)の下面に伝った雨水等の水滴は、通気口(20)に至る前に外方へ誘導し、最下位置の周縁部から外方へ排出することができる。
【0035】
よって、自発光式視線誘導灯(100)が暴風雨に晒されたり、車の水しぶきが勢い良くかかったりしても、水滴は、トップカバー(18)の頂部中央に形成されたが通気口(20)にまで至ることはなく、通気口(20)からトップカバー(18)、さらには、透明ケース(16)内に浸入することはない。よって、透明ケース(16)内に水滴が浸入して結露して透明ケース(16)が長期間曇って発光・発電部(54)の視界が悪化したり、透明ケース(16)内に収納されているLED(50)、太陽電池(53)及び制御部等の部品や配線等が損傷したりする不都合はない。
【0036】
図4は、第2番目の実施の形態であり、キャップ体(3)の裏面に設けたリブの変形例を示している。この第2番目の実施の形態では、第1リブ(31)の内方に位置させる第2リブ(32)は、第1リブ(31)(31)間の全ての間隙に対応しておらず、一つおきに位置する間隙(35)(35)に対応するように設けられている。そして、第2リブ(32)の内方にて、第1リブ(31)(31)間の他の一つおきに位置する間隙(36)(36)に対応するように第3リブ(33)(33)が設けられ、第3リブ(33)(33)間の間隙部分に対応するように第4リブ(34)が設けられている。
このものは、図3の第1番目の実施の形態のキャップ体(3)よりも、円弧状リブの数は少なく設けられているが、各リブ間の間隙部分には、いずれかのリブが対応するように設定してあるから、キャップ体(3)の中心まで水滴が至ることはない。
【0037】
図5は、第3番目の実施の形態であり、キャップ体(3)の裏面に設けるリブの他の変形例を示している。この第3番目の実施の形態では、キャップ体(3)の周縁に沿って設ける第1リブ(31)は、周方向に比較的長い形状に形成されてあり、その各間隙に対応するように、周縁方向に開放する断面略半円状の小円弧状リブ(37)が設けられている。そして、これら複数の小円弧状リブ(37)のうち、2つの小円弧状リブ(37)(37)を内側から同時に覆うように、大円弧状リブ(38)が設けられている。そして、通気口(20)の外周縁に沿って、4つの周縁リブ(39)を突設させている。各周縁リブ(39)は、両端が径方向外方に延ばされて隣接する周縁リブ(39)間に径方向外方へ延びた通路(39a)が形成されている。
この第3番目の実施の形態のものでは、リブの数は上記した第1、第2番目の実施の形態のものよりは少ないが、通気口(20)の周縁を囲むように設けられた周縁リブ(39)によって、通気口(20)への水滴の浸入は確実に阻止することができる。
【0038】
尚、本発明は、以上の各実施形態のみに限定されず、適宜に変更してもよい。
例えば、トップカバー(18)の通気口(20)の周縁には、更なる水滴避けと通気口(20)の補強のためキャップ体(3)に達しない低い高さの環状リブ(22)を突設するようにしてもよい(図5参照)。
【0039】
また、上記各実施の形態では、円弧状リブ(31)〜(34)は、キャップ体(3)の下面に設ける構成としたが、キャップ体(3)とトップカバー(18)間に迷路状の空気流通路(S1)を構成できれば、トップカバー(18)の上面に設ける構成としても良いし、キャップ体(3)の下面とトップカバー(18)の上面の両方に適宜に振り分けて設ける構成としても良い。
また、通気口(20)は複数設けられていても良い。
【符号の説明】
【0040】
1・・ポール本体
2・・蓄電部
3・・LED
4・・太陽電池
5・・支持パイプ
10・・ベース体
16・・透明ケース
21・・バッテリーケース
25・・蓄電体
54・・発光・発電部
100・自発光式視線誘導灯



【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の中央分離帯や路肩等に設置して発光することにより車両運転者や歩行者等の視線を誘導する自発光式視線誘導灯において、
LED及び太陽電池を有する発光・発電部を備える縦長筒状のポール本体と、前記太陽電池により発電した電気を蓄電すると共にLEDに給電する蓄電体が収納された蓄電部とを備え、
前記ポール本体の上端には、前記ポール本体内の湿気を排出するための通気口が形成されたトップカバーが取り付けられ、
前記トップカバーの上面には、隙間を形成するように被覆されたキャップ体が取り付けられ、
前記トップカバーの上面または前記キャップ体の下面には、前記隙間の高さ相当の高さを有し且つ前記トップカバーの周方向に配設された複数のリブが形成され、
前記複数のリブは、外方から浸入する雨水を堰き止めるとともに、前記ポール本体内の空気が前記通気口及び前記隙間を通って外方へ抜けるように迷路状の空気流通路を形成する構成とした自発光式視線誘導灯。
【請求項2】
請求項1に記載の自発光式視線誘導灯において、
前記複数のリブは、前記トップカバーの径方向側に多段に設置され、
前記多段のリブは、外側のリブ群を構成するリブ相互間の間隙部分に、内側のリブ群を構成するリブの各々が配置された構造とした自発光式視線誘導灯。
【請求項3】
請求項1または2に記載の自発光式視線誘導灯において、
最も外周側に位置するリブ群よりも内側に位置するリブ群を構成する各リブは、外方側に凹を向けた弧状に形成されている自発光式視線誘導灯。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の自発光式視線誘導灯において、
前記複数のリブは、前記通気口の周縁を囲むように形成された複数の周縁リブを含む自発光式視線誘導灯。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の自発光式視線誘導灯において、
前記トップカバーは、ドーム状に形成されている自発光式視線誘導灯。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の自発光式視線誘導灯において、
前記通気口は、前記トップカバーの中央に形成されている自発光式視線誘導灯。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の自発光式視線誘導灯において、
前記トップカバーと前記キャップ体は、略同径に形成されている自発光式視線誘導灯。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の自発光式視線誘導灯において、
前記通気口には、防虫ネットが取り付けられている自発光式視線誘導灯。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−108268(P2013−108268A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253554(P2011−253554)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(591052941)コスモケミカル株式会社 (1)
【Fターム(参考)】