説明

自発光式道路鋲

【課題】埋設設置作業が容易で、損傷しにくくなされた自発光式道路鋲を提供する。
【解決手段】内装した自発光部の発する光を上面に設けた光放射部より外部に放射する本体と、この本体を上方から着脱可能に収納する有底筒状の外枠とを備え、前記本体に側方へ突出する羽根部を形成させ、前記外枠に前記羽根部を載置可能な載置部を上面に形成させ、前記外枠の載置部に前記本体の羽根部を載置させた状態で、前記本体を外枠内に収納させる。
設置場所に埋設固定した後に外枠から本体を取り外して、容易にメンテナンスや交換を行うことができる。
また、設置した自発光式道路鋲が車両の車輪に踏まれるなどして上方から外力がかかった時に、有底筒状の外枠に設けられた載置部で外力を受け止めるようになされ、外枠や本体が外力によって破壊されにくくなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の外側線やセンターライン、交差点中央、中央分離帯、縁石、歩道等、道路周辺の種々の場所に設置される自発光道路鋲に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自発光機能を有する装置を道路面に埋設設置して車両運転手や歩行者などの視線誘導や注意喚起を行う自発光式道路鋲のような製品については、埋設設置後のメンテナンスや交換などが容易に出来るように埋設設置後に設置場所から取り外し可能であることが望ましく、このような装置について種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば特許文献1には、内装した自発光部の発する光を上面に突出するように設けた光放射部より外部に放射する本体と、該本体を上方から着脱可能に収容する有底筒状の外枠とを備えた自発光式道路鋲において、前記本体に筒状のカバー体が被せられ、前記カバー体は本体の外周壁の上縁を押えるカバー部と本体の上部に外嵌される筒状部とからなり、この筒状部の外周壁の上縁に全周に亘る第一の段部を形成し、前記外枠の内周壁の上縁に全周に亘る第二の段部を形成し、前記本体を前記外枠に収容し、リング状の押え金具を前記第一の段部の上面と前記第二の段部の上面に跨って固定すると共に、前記押え金具の上面と前記外枠の上面とカバー部の上面とを面一としたことを特徴とする自発光式道路鋲、が本件出願人によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−221818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特許文献1とは異なる構成の外枠と本体とにより、埋設設置作業が容易で、損傷しにくくなされた自発光式道路鋲を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る自発光式道路鋲は、内装した自発光部の発する光を上面に設けた光放射部より外部に放射する本体と、該本体を上方から着脱可能に収納する有底筒状の外枠とを備えた自発光式道路鋲であって、
前記本体には側方へ突出する羽根部が形成され、
前記外枠には前記羽根部を載置可能な載置部が上面に形成され、
前記外枠の載置部に前記本体の羽根部が載置された状態で、
前記本体が外枠内に収納されることを特徴としている。
【0007】
本発明に係る自発光式道路鋲によれば、内装した自発光部の発する光を上面に設けた光放射部より外部に放射する本体と、該本体を上方から着脱可能に収納する有底筒状の外枠とを備えるので、設置場所に埋設固定した後に外枠から本体を取り外して、容易にメンテナンスや交換を行うことができる。
また、前記本体に側方へ突出する羽根部を形成させ、前記外枠に前記羽根部を載置可能な載置部を上面に形成させるので、設置した自発光式道路鋲が車両の車輪に踏まれるなどして上方から外力がかかった時に、この外力は本体の羽根部を介して外枠上面の載置部に伝達されるので、有底筒状の外枠に設けられた載置部で外力を受け止めるようになされ、外枠や本体が外力によって破壊されにくくなされる。
また、前記外枠の載置部に前記本体の羽根部を載置させた状態で、前記本体を外枠内に収納させるので、前記外枠を埋設固定させている接着剤などの充填剤と前記本体とが接触しないため、設置場所への埋設固定作業において、外枠に本体を収納させた状態でも、本体を収納させていない外枠のみの状態でも埋設固定作業を行うことができ、施工場所の状況に応じた作業を選択して容易に実施できる。
【0008】
また、前記本体に、有底円筒形状の本体ケース部と、該本体ケース部の上方を塞ぐ前記光放射部が形成された透光部材と、前記羽根部が形成された円筒形状のカバー体とを備えさせ、前記本体ケース部の外周側面に雄螺子部を形成させ、前記カバー体の内周側面に前記雄螺子部と螺合可能な雌螺子部を形成させ、前記雄螺子部と雌螺子部との螺合によって前記本体ケース部と前記カバー体とを固定させると共に、前記本体ケース部と前記カバー体との間に前記透光部材を狭着させて固定させれば、固定用のねじなどを別に用いることなく、前記本体ケース部と前記カバー体とを回転させて螺合させるだけでそれぞれを容易に固定できるので、作業性がよく好ましい。
また、前記雄螺子部と雌螺子部との螺合によって前記透光部材を狭着させて前記本体ケース部と前記カバー体とが固定されるので、この本体を収納させた外枠内に水などが浸入しても、自発光部が内装された前記本体内にこの水が浸入することがなく、自発光機能が損傷しにくくなされるので、好ましい。
また、前記雄螺子部と雌螺子部との螺合によって、前記羽根部が形成された円筒形状のカバー体に、記透光部材を狭着させて前記本体ケース部を固定させるので、前記透光部材と前記本体ケース部とを、前記外枠の載置部に羽根部を載置させた前記カバー体に固定させて、前記外枠内で宙づりになるように収納可能であるので、自発光式道路鋲の上方から外力がかかった時に、前記本体ケース部の下面と外枠の底面との接触による損傷が生じないようになされるので、好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る自発光式道路鋲によれば、損傷しにくく、埋設設置作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る自発光式道路鋲の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2の断面図において、外枠から本体を取り外した状態を示す図である。
【図4】図1の本体を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は底面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図5の本体を各部材に分解した状態を示す断面図である。
【図7】図1の外枠を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は底面図である。
【図8】図1の自発光道路鋲の外枠を埋設施工するための取付金具の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は底面図である。
【図9】図8の取付金具の下面側を図1の自発光式道路鋲の外枠に当接させて取り付けた状態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
【図10】図9の自発光式道路鋲を設置面へ埋設する状況を示す図である。
【図11】(イ)は図1の窪部付近の断面図であり、(ロ)は窪部に工具を挿入している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は本体であり、5は外枠である。
図1〜3に示すように、本体1は、有底筒形状に形成された外枠5に収納されて固定されている。
【0012】
図4は図1の本体を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は底面図であり、図5は図4のA−A断面図である。
本体1は、上方が開口された底壁を有する円筒状の形状をした本体ケース部11と、その上方の開口部分を塞ぐように配置された無色透明な透光部材3と、カバー体2とを備えている。
本体ケース11の内部には、発光体L、蓄電池B、太陽電池Sを備えた自発光部13が内装されており、太陽電池Sで起電させ蓄電池Bに蓄えた電力によって発光体Lを発光可能に設けている。
また、前記透光部材3の透光部材3の上面中央には光放射部31が上方へ突出するように形成されている。前記自発光部13は、前記透光部材3の下面下方に配置されて内装されており、前記発光体Lから発した光が前記透光部材3を透過し、水平方向から斜め上方方向へ向けて光放射部13の側面に形成させた傾斜面32から放射されるように設けている。
蓄電池Bには、鉛蓄電池などの充電池や電気二重層コンデンサ等の充電装置を用いることができる。また、本実施形態では発光体Lに発光ダイオードを用いているが、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、陰極管、エレクトロルミネッセンス、キセノンランプ等が適宜使用できる。
また、本体ケース部11の材質は鉄やアルミニウムなどの金属を好適に用いる事ができる。
【0013】
カバー体2は、側壁を構成する円筒形状の筒状部22と、筒状部22の上端から内側へ向けて突出するように延設されたカバー部23と、筒状部22の上端から外側へ向けて突出するように延設された羽根部24とを備えている。
前記本体ケース部11の外周側面には雄螺子部15が形成されており、カバー体2の筒状部22の内周側面には前記雄螺子部15と螺合可能な雌螺子部25が形成され、本体ケース部11とカバー体2とが螺合一体化されるようになされている。
本体ケース部11とカバー体2が螺合一体化されるとき、透光部材3の上面がカバー部23の下面に覆われ、透光部材3の下端が本体ケース部11の側壁に設けられた段部16の内側上面に当接されて、透光部材3が本体ケース部11とカバー体2と間に狭着されて固定されるようになされており、本体ケース部11と透光部材3とカバー体2とはそれぞれ固定用のねじなどを別に用いることなく、前記雄螺子部15と雌ねじ部25との螺合によって容易に一体化できるように設けている。
光放射部31は、透光部材3がカバー体2と本体ケース部11とに狭着されるときにカバー部23の内側に配置されてカバー部23上面より上方に突出し、自発光部13から発する光を光放射部31側面の傾斜面32から外側へ放射させるように設けられている。
カバー体2 の材質は鉄やアルミニウムなどの金属を好適に用いる事ができる。
また、透光部材3の材質は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、硬質ポリ塩化ビニールなどの合成樹脂或いはガラスなどを好適に用いることができる。
【0014】
羽根部24はカバー体2に2カ所形成されており、筒状部22の上端から水平方向外側へ向けてそれぞれ反対方向へ突出する平板形状に形成されている。また、各羽根部24の平面視の形状は、外側へ至る程に幅広となる台形形状にそれぞれ形成されている。
また図3に示すように、羽根部24の上面は、カバー部23の上面より高く形成され、カバー体2と本体ケース部11とに狭着させた透光部材3の光放射部31の上面より若干高く位置するように形成されている。
羽根部24の上面を光放射部31より高く配置させることで、自発光式道路鋲の上を車両の車輪などが踏みつけても、その加重が主に羽根部24にかかって透光部材3への負荷が軽減され、透光部材3の損傷が抑制される。
【0015】
図7は、図1の外枠5を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は底面図である。
本実施形態の外枠5は上方が開口する有底円筒状に形成され、その内部に前記本体1を収納可能に形成されている。
また、外枠5の円筒形の筒壁上方には、水平方向外方へ突出する載置部54が形成されており、載置部54は反対方向へ突出するように2カ所形成されている。各載置部54の上面は外枠5の筒壁の上面と面一の平面に形成されている。
また図3に示すように本実施形態の外枠5は、円筒形の筒壁の上下方向中央付近に拡径部53が形成されており、筒壁の上方が下方より大きな径の円筒形となり、前記拡径部53の内周側面に段部52を形成するように形成されている。
外枠5の材質は、鉄やアルミニウムなどの金属や、ポリアミド樹脂及び/又はポリブチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリエチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリアセタール樹脂及び/又はポリファニレンサルファイド樹脂及び/又は高密度ポリエチレン(HDPE)及び/又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)及び/又はアクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹脂(ASA樹脂)及び/又はポリプロピレン及び/又はポリスチレン及び/又はポリカーボネート及び/又は硬質塩化ビニル、のいずれかを選択または組み合わせた樹脂などを用いることができ、本実施形態はポリアミド樹脂であるナイロン樹脂を用いて形成させている。外枠5を金属で形成させた場合には、外枠5を埋設固定させた路面の研削や切断などの工事を行う場合は、外枠5が施工機を損傷させる恐れがあるため、あらかじめ外枠5を取り外す作業が必要であったが、本実施形態の外枠5を合成樹脂で形成させることで、これを埋設固定させた状態の路面で工事を行っても外枠5が施工機を損傷させることがない。
尚、合成樹脂を用いて外枠5を形成する場合には、ガラス繊維などを含有させてその強度を向上させてもよい。
【0016】
図2に示すように外枠5内に本体1を収納させたときに、外枠5の各載置部54の上面に本体1の各羽根部24の下面が当接されるように形成されている。
前記2個の各羽根部24には、上面から下面に至る貫通穴26がそれぞれ2カ所づつ合計4カ所形成されており、前記2箇所の各載置部54には、上方に開口する固定穴56がそれぞれ2カ所づつ合計4カ所形成されており、各固定穴56は前記各貫通穴26に対応した位置に形成されている。また各固定穴56の内周側面には、固定ボルト9と螺結可能な雌ねじが形成されている。
各羽根部24を各載置部54に載置させ、その上方から固定ボルト9の雄ねじ部分を各貫通穴26に挿通させて固定穴56に螺結させることで、本体1を外枠5に収納させて固定させることができる。
また、本実施形態の前記各貫通穴26は上部が拡径されており、各固定穴56に螺結させた各固定ボルト9の頭部下面をこの拡径部分の底面に当接させ、各固定ボルトの頭部を各貫通穴26内部に収納可能に形成させている。このように各貫通穴26を形成することで、自発光式道路鋲が車両の車輪などに踏まれるなどしたときに、各貫通穴26に収納された各固定ボルト9に力が直接かからないようになされるので、各固定ボルト9と各固定穴56との結合が破壊されにくくなされる。
【0017】
また各載置部54は、前記本体部1の各羽根部24より若干大きな形状に形成されている。各載置部54をこのように形成することで、外枠5に本体1を収納固定させた自発光式道路鋲が車両の車輪などに踏まれるなどしたときに、本体1へ上方からかかる加重が各羽根部24下面全部を介して各載置部54に伝達されるので、前記羽根部24や載置部54の一部分に力が集中せずに荷重が分散され、各羽根部24や各載置部54が損傷しにくくなされる。
【0018】
また図2に示すように、外枠5の底面と、これに収納固定された本体1の本体ケース部11下面との間には隙間Cが形成されるように取り付けられており、本体ケース部11は、各載置部54に各羽根部24を載置させて固定されたカバー体2に吊り下げられるように固定されている。このように本体1を固定させることで、設置面に埋設固定させた自発光式道路鋲が車両の車輪などに踏まれるなどしたときに、本体ケース部11下面と外枠5底面との接触が抑制されて、本体ケース部11や内装された自発光部13への力の伝達による損傷が生じにくくなされる。
【0019】
また本実施形態の本体1は、カバー体2の雌螺子部25に本体ケース部11の雄螺子部15を螺合させ、カバー体2の筒状部22内に本体ケース部11の筒壁の上部分を挿入させて一体化されているが、図2に示すように外枠5内に本体1が収納されたとき、カバー体2の筒状部22の下面の真下に外枠5の段部52が配置されるように形成されている、筒状部22の下面と段部52とは、当接又は若干の隙間が形成されるように設けられており、筒状部22下面と段部52との間に隙間が形成される場合は、本体ケース部11の下面と外枠5の底面との間の隙間より小さく形成されるように設けられている。
上記のように設けることで、設置面に埋設固定させた自発光式道路鋲が車両の車輪などに踏まれるなどしたときに、上からの荷重によって外枠5に歪みなどが生じた場合でも、カバー体2の筒状部22と外枠5の段部52とが当接して、本体ケース部11下面と外枠5底面との接触が抑制され、本体ケース部11や内装された自発光部13の損傷が生じにくくなされる。
【0020】
また、外枠5の筒壁の内周側面には外側方向へ窪む溝部59が形成されている。溝部59は外枠5の中心を挟んで一条づつ合計二条形成されており、各溝部59は外枠5の上面から下方に向かってそれぞれ形成されている。
そして、本体1のカバー体2の筒壁部22の外周側面には、前記溝部59内に収納可能な大きさの突条29が一条形成されている。
外枠5に本体1を収納させるときに、前記溝部59に突条29が挿入されて収納され、本体1と外枠5との相対的な向きが一定に配置されるように形成されている。また、上記のように一条の突条29に対して二条の溝部59を形成させることで、外枠5に対して180度回転させた本体1を取り付け可能に形成させている。
【0021】
本実施形態の外枠5の外周側面には、上下方向に沿って外方へ突出する突条部57A及び突条部57Bがそれぞれ複数本づつ間隔をあけて形成されている。
突状部57Aは、それぞれ各載置部54の下方に9本づつ合計18本形成されており、その上端が各載置部54の下面と一体となり、下方に至る程に突出の大きさが小さくなって外枠5の外周側面に収束するように形成されている。
上記のように突条部57Aを形成することで、自発光式道路鋲へ上方から力がかかったときに、本体1の羽根部24等を介して外枠5の載置部54に伝達された力が、突条部57Aによって支えられるようになされ、外枠5の強度が向上して損傷しにくくなされる。
また、突条部57Bは各載置部の間に3本づつ合計6本形成されており、その上端が前記外枠5の拡径部53に位置し、拡径部53の上方部分より外方へ突出するように形成されている。
上記のように突条部57Bを形成することで、外枠5を設置面に埋設固定したときに、突条部57Bが埋設穴中でアンカーとして機能し、外枠5の上方への抜けを防止させる。
また、接着剤やモルタルなどの充填剤を充填させた設置面の埋設穴に外枠5を埋設させ、充填剤の固化によって外枠5を固定させるとき、各突条部57A及び各突条部57Bの間に前記の充填剤が入り込み、埋設穴中で固定させた外枠5が回転することを防止させる。
【0022】
図1に示すように、本体1を内部に収納固定させた外枠5の各載置部54の上面には、取付金具6を取り付けるための取付部54Aがそれぞれ外方に張り出すようにして形成されている。
各取付部54Aは、突出する各載置部54の先端部分に長方形形状に形成されて設けられ、これに載置される本体1の各羽根部24が各取付部54Aの上面に当接しないように各羽根部24より外方に張り出して形成されている。
また、各取付部54Aには、上方に開口する小穴形状の凹部54bがそれぞれ2個合計4形成され、各凹部54bの中央にこれより若干大径のネジ穴54cがそれぞれ1個づつ合計2個形成されている。
【0023】
図8は図1の自発光道路鋲の外枠を埋設施工するための取付金具6の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図であり、(ハ)は側面図であり、(ニ)は底面図であり、図9は図8の取付金具の表面側を図1の自発光式道路鋲に取り付けた状態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
取付金具6は細長の平板形状の平板部61を備え、平板部61はその中央付近が幅狭に形成されている。
また、平板部61の上面には、平板部61の厚みの大きさより若干小さく上方へ突出する長方形形状の調整部62が形成されており、調整部62は前記外枠5の取付部54Aと略同じ大きさの長方形状に形成されている。
【0024】
調整部62の中央付近には、その上面から平板部61の下面に貫通するネジ貫通穴64が1個形成されており、ネジ貫通穴64は前記取付部54Aに形成されたネジ穴54cに対応した位置に形成され、且つネジ穴54cより若干大径に形成されている。
また、調整部62の上面及び平板部61の下面には、それぞれ上方及び下方に突出する凸部65がそれぞれ2個づつ合計4個形成されている。調整部62の上面及び平板部61の下面において、各凸部65はネジ貫通穴64を挟むように形成されており、前記外枠5の取付部54Aに形成された各凹部54bに対応した位置と大きさに形成されている。
上記のように各凸部65及びネジ貫通穴64を形成することで、

取付金具6の下面側の各凸部65をそれぞれ外枠5の各凹部54bに挿入させ、固定用のネジNをネジ貫通穴64に挿通させてネジ穴54cに螺入させ、平板部61の下面を取付部54Aの上面に当接させて取付金具6を外枠5に固定させることができる。図9は図8の取付金具6の下面側を図1の自発光式道路鋲の外枠5に当接させて取り付けた状態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
また、取付金具6の上面側の各凸部65を外枠5の各凹部54bに挿入させて、上方から固定用のネジNをネジ穴54cに螺入させ、調整部62を取付部54Aの上面に当接させて、取付金具6を外枠5に固定させることができる。
【0025】
図10は図9の自発光式道路鋲を設置面へ埋設する状況を示す図である。
本発明に係る自発光式道路鋲を埋設固定させる場合には、設置面Gに外枠5を収納可能な埋設穴Hを穿設し、これを収納させた後に埋設穴Hの隙間に接着剤やモルタルなどの充填剤Fを充填させて固化させることで、外枠5を設置面に埋設固定させることができる。
このとき、外枠5の各取付部54Aにそれぞれ取付金具6を固定させれば、埋設穴H内に外枠5を収納させるときに、固定させた取付金具6を埋設穴Hの周縁の設置面Gに当接させ、外枠5の上面を設置面Gと面一の状態に容易に保つことができる。この状態で充填剤Fを埋設穴H内に充填させて、図10の状態で充填剤Fを固化させた後、固定用のネジNを取り外して取付金具6を外枠5から取り外し、外枠5を設置面Gに埋設固定させることができる。
また、取付金具6の調整部62を設けた面の各凸部65を外枠5の各凹部54bに挿入させて固定させれば、取付金具6を埋設穴Hの周縁の設置面Gに当接させて、外枠5の上面を調整部62の突出大きさ分だけ設置面Gより下方に位置させた状態に保つことができるので、設置場所の状況に応じた施工を容易に行うことができる。
【0026】
また、本発明に係る自発光式道路鋲は、外枠5の上面に設けた載置部54に前記本体1の羽根部24を載置させると共に、前記羽根部24以外の前記本体1を外枠5内に収納させるので、前記外枠5を埋設固定させている充填剤Hと前記本体1とが接触しないように設けられている。このため図10に示すように外枠5に本体1を収納させた状態で埋設固定作業を行うことができる、又、本体1を収納させていない外枠5のみの状態で埋設固定作業を行った後に本体1を外枠5に収納固定させることもでき、施工場所の状況に応じた好適な作業方法を選択して実施できる。
【0027】
本実施形態の外枠5の載置部54には、下方へ長方形形状に窪む窪部58が形成されている。具体的には載置部54の上面において、窪部58は本体部11の羽根部24が載置される載置部54と、羽根部24が載置されない取付部54Aとに跨がるように形成されている。
図11は(イ)は図1の窪部58付近の断面図であり、(ロ)は窪部58内に工具Kを挿入している状態を示す図である。
上記のように窪部58を形成させることで、外枠5内に本体1を収納させた本発明に係る自発光式道路鋲において、外枠5から本体1を取り外すときに、外枠5上面と本体1との間に無理矢理工具類を差し込むような必要がなく、窪部58内に工具Kの先端を差し込み本体1を容易に持ち上げて取り外すことができる。
【0028】
本体1は、前記の如く本体ケース11とカバー体2とに透光部材3を狭着させて固定し、内装させた自発光部3の発する光を光放射部31より外部へ放射可能に設けているので、外枠5に収納固定させずに本体1のみを路面に埋設固定させて自発光式道路鋲として機能させることも可能である。またこのとき、本体1のカバー体2に形成された外方へ突出する羽根部24を、外枠5に取り付けた取り付け金具6のように、その下面を埋設穴Hの周縁の設置面Gに当接させて、本体1を設置面Gに埋設固定させることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 本体
11 本体ケース部
13 自発光部
15 雄螺子部
16 段部
2 カバー体
22 筒状部
23 カバー部
24 羽根部
25 雌螺子部
26 貫通穴
29 突条
3 透光部材
31 光放射部
32 傾斜面
5 外枠
52 段部
53 拡径部
54 載置部
54A 取付部
54b 凹部
54c ネジ穴
56 固定穴
57A 突条部
57B 突条部
58 窪部
59 溝部
6 取付金具
61 平板部
62 調整部
64 ネジ貫通穴
65 凸部
9 固定ボルト
L 発光体
S 太陽電池
B 蓄電池
C 隙間
G 設置面
H 埋設穴
F 充填剤
N 固定用のネジ
K 工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内装した自発光部の発する光を上面に設けた光放射部より外部に放射する本体と、該本体を上方から着脱可能に収納する有底筒状の外枠とを備えた自発光式道路鋲であって、
前記本体には側方へ突出する羽根部が形成され、
前記外枠には前記羽根部を載置可能な載置部が上面に形成され、
前記外枠の載置部に前記本体の羽根部が載置された状態で、
前記本体が外枠内に収納されることを特徴とする自発光式道路鋲。
【請求項2】
前記本体は、有底円筒形状の本体ケース部と、該本体ケース部の上方を塞ぐ前記光放射部が形成された透光部材と、前記羽根部が形成された円筒形状のカバー体とを備え、
前記本体ケース部の外周側面には雄螺子部が形成され、
前記カバー体の内周側面には前記雄螺子部と螺合可能な雌螺子部が形成され、
前記雄螺子部と雌螺子部との螺合によって前記本体ケース部と前記カバー体とが固定されると共に、前記本体ケース部と前記カバー体との間に前記透光部材が狭着されて固定されることを特徴とする請求項1に記載の自発光式道路鋲。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−26082(P2012−26082A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162485(P2010−162485)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】