自転車用サスペンション制御装置
【課題】簡素なスイッチの構成でかつ簡単な操作で複数の動作状態に変更できる自転車用サスペンション制御装置を提供する。
【解決手段】サスペンション制御部95は、複数の動作状態を有するフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSをスイッチの操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置である。サスペンション制御95は、制御手段98を備える。制御手段は、操作部の第1操作により自転車用サスペンションを第1動作状態にし、第1操作と操作方法が異なる第2操作により自転車用サスペンションを第2動作状態にする。
【解決手段】サスペンション制御部95は、複数の動作状態を有するフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSをスイッチの操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置である。サスペンション制御95は、制御手段98を備える。制御手段は、操作部の第1操作により自転車用サスペンションを第1動作状態にし、第1操作と操作方法が異なる第2操作により自転車用サスペンションを第2動作状態にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、特に、複数の動作状態を有する自転車用サスペンションを操作部の操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車用のサスペンションには、サスペンションの硬さを変更可能なものが従来知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるサスペンション制御装置では、フロントサスペンションおよびリアサスペンションに対してそれぞれ複数の動作状態を変更するために、複数の接点を有するスイッチが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0192673号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサスペンション制御装置では、サスペンションの動作状態を変更する操作を複数の接点を有するスイッチで行っている。このため、スイッチの構成が複雑になる。
【0005】
本発明の課題は、自転車用サスペンション制御装置において、簡素なスイッチの構成で、サスペンションを所望の動作状態に変更できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1に係る自転車用サスペンション制御装置は、複数の動作状態を有する自転車用サスペンションを操作部の操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置である。自転車用サスペンション制御装置は、制御手段を備える。制御手段は、操作部の第1操作により自転車用サスペンションを第1動作状態にし、第1操作と操作方法が異なる第2操作により自転車用サスペンションを第2動作状態にする。
【0007】
このサスペンション制御装置では、操作部の第1操作によりサスペンションを第1動作状態にする。また、操作部の第1操作と操作方法が異なる第2操作によりサスペンションを第2動作状態にする。ここでは、操作方法が異なる第1操作と第2操作とにより、サスペンションの動作状態を変更可能である。このため、単接点の簡素なスイッチを用いることができる。第1操作と第2操作とでは、操作方法が異なるので、単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いたとしても、利用者はサスペンションを所望の動作状態に変更することができる。
【0008】
発明2に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第2操作は、第1操作と一操作当たりの操作時間が異なる。この場合には、一つの操作部の操作時間が異なる第1操作と第2操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態および第2動作状態に変化させることができる。
【0009】
発明3に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明2に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第1操作は、第2操作よりも操作時間が短い。
【0010】
発明4に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明3に記載の自転車用サスペンション制御装置において、制御手段は、第1操作および第2操作とは、操作時間が異なる第3操作により自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する。この場合には、一つの操作部の操作時間が異なる第1操作、第2操作および第3操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態、第2動作状態および第3動作状態に変化させることができる。
【0011】
発明5に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明4に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第3操作は、第1操作よりも操作時間が長く、第2操作よりも操作時間が短い。
【0012】
発明6に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第2操作は、第1操作と所定時間当たりの操作回数が異なる。この場合には、一つの操作部の操作回数が異なる第1操作と第2操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態および第2動作状態に変化させることができる。
【0013】
発明7に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明6に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第1操作は、第2操作よりも操作回数が少ない。
【0014】
発明8に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明7に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第1操作および第2操作とは、操作回数が異なる第3操作により自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する。この場合には、一つの操作部の操作回数が異なる第1操作、第2操作および第3操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態、第2動作状態および第3動作状態に変化させることができる。
【0015】
発明9に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明8に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第3操作は、第1操作よりも操作回数が多く、第2操作よりも操作回数が少ない。
【0016】
発明10に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明4,5,8,および9のいずれかに記載の自転車用サスペンション制御装置において、第3動作状態は、第1動作状態および第2動作状態と異なる状態である。この場合には、操作時間または操作回数が異なる3つの操作により、自転車用サスペンションを3つの異なる動作状態に変化させることができる。
【0017】
発明11に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1から10のいずれかに記載の装置において、第1動作状態は、サスペンションが伸縮不能な状態である。第2動作状態は、サスペンションが伸縮可能な状態である。この場合には、第1操作により、サスペンションの伸縮不能なロック状態になり、操作時間または操作回数が異なる第2操作により、サスペンションが伸縮可能なフリー状態になる。
【0018】
発明12に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1から10のいずれかに記載の自転車サスペンション制御装置において、第1動作状態は、サスペンションが伸縮可能な状態である。第2動作状態は、サスペンションが伸縮不能な状態である。この場合には、第1操作により、サスペンションの伸縮可能なフリー状態になり、操作時間または操作回数が異なる第2操作により、サスペンションが伸縮不能なロック状態になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作方法が異なる第1操作と第2操作とにより、サスペンションの動作状態を変更可能である。このため、単接点の簡素なスイッチを用いることができる。また単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いたとしても、利用者はサスペンションを所望の動作状態に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態が採用された自転車の側面部。
【図2】図1に示す自転車のハンドル部の斜視図
【図3】図2に示すハンドル部の側面模式図。
【図4】電源装置の構成を示すブロック図。
【図5】外部装置の接続形態を示すブロック図。
【図6】第1実施形態の外部装置の制御装置の機能構成を示すブロック図。
【図7】第1実施形態の制御装置のカスタム設定の処理動作を示すフローチャート。
【図8】第1実施形態のスイッチのカスタム設定画面を示す模式図。
【図9】第1実施形態のスイッチの標準設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図10】第1実施形態のスイッチの標準設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図11】第1実施形態のスイッチの長押し1設定の設定画面を示す模式図であって、独立モードを選択している状態を示す。
【図12】第1実施形態のスイッチの長押し1設定の設定画面を示す模式図であって、連動モードを選択している状態を示す。
【図13】第1実施形態のスイッチの長押し2設定の設定画面を示す模式図であって、独立モードを選択している状態を示す。
【図14】第1実施形態のスイッチの長押し2設定の設定画面を示す模式図であって、連動モードを選択している状態を示す。
【図15】第1実施形態のスイッチの長押し判定設定画面を示す模式図。
【図16】電源制御部の設定受付時の制御動作を示すフローチャート。
【図17】電源制御部の通常時の制御動作を示すフローチャート。
【図18】サイクルコンピュータの表示画面の一例を示す図。
【図19】第2実施形態の外部装置の制御装置の機能構成を示すブロック図。
【図20】第2実施形態の制御装置のカスタム設定の処理動作を示すフローチャート。
【図21】第2実施形態のスイッチのカスタム設定画面を示す模式図。
【図22】第2実施形態のスイッチのS操作設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図23】第2実施形態のスイッチのS操作設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図24】第2実施形態のスイッチのD操作設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図25】第2実施形態のスイッチのD操作設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図26】第2実施形態のスイッチのT操作設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図27】第2実施形態のスイッチのT操作設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図28】第2実施形態のスイッチの操作判定設定画面を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
図1において、本発明の一実施形態を採用する自転車は、複数のサスペンションを有する。前記自転車としては、たとえばマウンテンバイクがある。自転車は、フレーム1には、フロント電動変速装置8およびリア電動変速装置9を含む駆動部5と、前輪6と、後輪7とが設けられる。フレーム1は、フレーム体2、フロントフォーク3、及びハンドル部4を有する。フレーム体2は、フレーム本体2aと、フレーム本体2aの後部に揺動自在に連結されるスイングアーム2bを有する。フレーム本体2aとスイングアーム2bとの間に、リアサスペンションRSが設けられる。フロントフォーク3は、フロントサスペンションFSを有する。フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSは、ハード状態とソフト状態とロック状態の3つの動作状態をとり得る。ハード状態とソフト状態は、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSが伸縮可能なフリー状態である。ロック状態はロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSが伸縮不能な状態である。フリー状態は、ロック解除状態ともいう。サスペンションの動作状態は、サスペンションの設定状態ともいう。
【0022】
フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSは、電気を用いて動作状態の制御が可能である。フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSは、それぞれモータおよびソレノイドなどのアクチュエータを含む。フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSでは、アクチュエータを動作させることによって、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの内部に設けられるバルブを制御して、動作状態を変更することができる。
【0023】
フロント電動変速装置8は、電動フロントディレーラ26fとクランク組立体27とを有する。リア電動変速装置9は、電動リアディレーラ26rと、カセットスプロケット28を有する。クランク組立体27とカセットスプロケット28との間には、チェーン29が架け渡される。前輪6は、フロントフォーク3の下部に装着される。後輪7は、スイングアーム2bの後部に装着される。
【0024】
フレーム体2には、フロント電動変速装置8、リア電動変速装置9、フロントサスペンションFS、およびリアサスペンションRSの電源となる電源装置10が装着される。
【0025】
ハンドル部4は、図2に示すように、フロントフォーク3の上部に固定されるハンドルステム14と、ハンドルステム14に固定されるハンドルバー15とを有する。ハンドルバー15の両端にはブレーキレバー16とグリップ17とが装着される。それぞれのブレーキレバー16とグリップ17との間には、第1スイッチLSWまたは第1スイッチRSWが設けられる。第1スイッチLSWまたは第2スイッチRSWは、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を切り換えるために設けられる。第1スイッチLSWおよび第2スイッチRSWは、操作部の一例である。
【0026】
左スイッチLSWは、ハンドルバー15において自転車の進行方向に向かって左側の部分に配置される。右スイッチRSWは、ハンドルバー15において自転車の進行方向に向かって右側の部分に配置される。以後、第1スイッチLSWを左スイッチLSW、第2スイッチRSWを右スイッチRSWという。第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、所定の方向に操作可能なスイッチであって、本実施の形態では、押しボタンスイッチによって実現される。第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、単接点のスイッチである。本実施の形態では、第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、押しボタンスイッチであるが、第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、操作片をスライドさせて操作するスライド型スイッチであってもよく、または操作片を角変位させる角変位型スイッチであってもよい。
【0027】
それぞれのブレーキレバー16の近傍には、フロント電動変速装置8の変速操作を行うためのフロント変速操作部20aおよびリア電動変速装置9の変速操作を行うためのリア変速操作部20bが設けられる。この実施形態では、左スイッチLSWおよびフロント変速操作部20aが左側のブレーキレバー16の取付部分を挟んで配置され、右スイッチRSWおよびリア変速操作部20bが右側のブレーキレバー16の取付部分を挟んで配置される。
【0028】
左スイッチLSWおよび右スイッチRSWは、図3にハッチングで示す領域Cに配置するのが好ましい。領域Cは、ブレーキレバー16のレバー体16aとハンドルバー15の間の領域である。具体的には、ブレーキレバー16とハンドルバー15の中心を結ぶ線L1の近傍にスイッチを配するのは好ましい。領域Cは、ハンドルバー15の前下方に位置する。この領域Cは、ブレーキ操作によりレバー体16aがハンドルバー15に接近する方向に揺動しても空間が確保可能な領域だからである。これにより、レバー体16aを操作する手のレバー操作と異なる指で左スイッチLSWまたは右スイッチRSWによってサスペンションの切換操作を行える。更には、ブレーキレバー操作軌道面付近に位置する領域Cに左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置することにより、ブレーキレバーに指を掛けた状態で迅速にサスペンションの切換操作を行うことが可能となる。
【0029】
左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作方向を、ブレーキレバー16の操作方向とは異なる方向、たとえば、ブレーキレバー16の操作方向と直交する方向等に設定すれば、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの誤動作を防止することができる。
【0030】
この実施形態では、図2に示すように、左スイッチLSWは、ハンドルバー15に装着可能な第1スイッチブラケット31に取り付けられる。第1スイッチブラケット31には、第1報知部33が設けられる。第1報知部33は、たとえば1または複数のLED(Light Emitting Diode)によって実現される。
【0031】
右スイッチRSWは、ハンドルバー15に装着可能な第2スイッチブラケット32に取り付けられる。第2スイッチブラケット32には、第2報知部34が設けられる。第2報知部34は、たとえば1または複数のLEDによって実現される。
【0032】
第1報知部33および第2報知部34は、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を表示する。たとえば第1報知部33が、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSのうち一方の動作状態を表示し、第2報知部34が他方の動作状態を表示してもよい。またたとえば第1報知部33および第2報知部34のそれぞれは、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を表示してもよい。
【0033】
この実施形態においては、左スイッチLSW1および左スイッチLSW2は、短押し操作、長押し1操作および長押し2操作の3つの操作方法で操作可能である。短押し操作は、第1操作の一例であり、長押し2操作は、第2操作の一例であり、長押し1操作は、第3操作の一例である。短押し操作は、一操作の操作時間が第1判定時間T1未満の操作である。長押し1操作は、一操作の操作時間が第1判定時間T1以上かつ第2判定時間T2未満の操作である。長押し2操作は、一操作の操作時間が第2判定時間T2以上の操作である。この短押し操作、長押し1操作および長押し2操作ごとに、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWに、サスペンションの動作状態またはサスペンションの動作状態の組合せが対応付けられて設定される。
【0034】
フロント変速操作部20aは、フロントシフトアップスイッチ21aとフロントシフトダウンスイッチ21bとを有する。リア変速操作部20bは、リアシフトアップスイッチ21cとリアシフトダウンスイッチ21dとを有する。
【0035】
ハンドルバー15には、サイクルコンピュータ40が着脱自在に設けられる。サイクルコンピュータ40は、自転車の走行速度等の通常のサイクルコンピュータの表示を行う。さらに、サイクルコンピュータ40は、変速位置、ならびにフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態、さらに詳細には、動作状態の組合せを表示する。また、本実施の形態では、サイクルコンピュータ40は、操作モードが長押しモード1であるのか、長押しモード2であるのかを表示する。サイクルコンピュータ40には動作状態を報知するスピーカ88と複数の操作ボタン89とが設けられている。
【0036】
電源装置10は、図4に示すように、電源制御部11と、電源としての蓄電部12と、を有する。電源制御部11は、サスペンションを制御する制御装置の一例である。蓄電部12は電源制御部11に対して着脱可能である。電源制御部11は、蓄電部12を制御する。また電源制御部11は、フロント電動変速装置8、リア電動変速装置9、フロントサスペンションFS、リアサスペンションRS、第1スイッチユニット42、および第2スイッチユニット43、を統括的に制御している。
【0037】
第1スイッチユニット42は、左スイッチLSW、フロントシフトアップスイッチ21a、フロントシフトダウンスイッチ21b、および第1報知部33を含む。第2スイッチユニット43は、右スイッチRSW、リアシフトアップスイッチ21c、リアシフトダウンスイッチ21d、および第2報知部34を含む。
【0038】
また電源装置10には、被接続ポート92が設けられている。被接続ポート92は、たとえば、Bコネクタが接続可能なUSB(Universal Serial Bus)ポートである。
【0039】
図5に示すように、電源装置10は、たとえば接続ケーブル91を介して外部装置60に接続可能である。接続ケーブル91は、たとえばUSBケーブル91によって実現され、一方の端部にAコネクタを有し、他方の端部にBコネクタと有する。
【0040】
外部装置60は、たとえばノート型のパーソナルコンピュータである。外部装置60は、少なくとも、左スイッチLSWおよび右1スイッチRSWのいずれか一方の操作方法の設定に用いられる。
【0041】
外部装置60は、図6に示すように、選択部61と、表示部62と、接続ポート63aを備える通信部63と、を有する。選択部61は、キーボード、マウスおよびタッチパッド等のポインティングデバイスを含む。選択部61は、表示部62に表示される設定情報の選択を行う。表示部62は、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWに対応して設定可能な設定情報を表示する。接続ポート63aは、たとえば、USBポートである。接続ポート63aは、有線接続部の一例である。接続ポート63aは、接続ケーブル91を介して自転車に搭載される電源制御部11と電気的に接続可能である。これにより、選択部61により選択された設定情報を、たとえば電源制御部11に送信可能である。
【0042】
図7に示すように、外部装置60は、マイクロコンピュータを含む制御装置80を備える。制御装置80は、ソフトウェアで実現される機能構成として、サスペンションのカスタム設定部81を有する。カスタム設定部81は、スイッチ設定部82と、長押し判定設定部83と、を有する。カスタム設定部81は、フロントサスペンションFSとリアサスペンションRSとを使用者の好みに合わせて設定するために設けられる。
【0043】
スイッチ設定部82は、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態または動作状態の組合せを左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作方法に対応付けて設定するために設けられる。本実施の形態では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作方法は、それぞれ3つである。
【0044】
フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションFSは、独立モードと連動モードとのそれぞれで動作状態の設定を変更可能である。ここで、独立モードは、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を個別に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWで設定するモードである。また、連動モードは、フロントサスペンションFSとリアサスペンションペンRSの動作状態の組合せを左スイッチLSWおよび右スイッチRSWにより設定するモードである。
【0045】
フロントサスペンションFSの動作状態は、伸縮不能な第1動作状態と、伸縮可能な第2動作状態と、伸縮可能な第3動作状態と、を含む。リアサスペンションRSの動作状態は、伸縮不能な第4動作状態と、伸縮可能な第5動作状態と、伸縮可能な第6動作状態と、第1および第4動作状態は、ロック状態である。第2、第3、第5および第6動作状態は、フリー状態である。第2動作状態は、第5動作状態よりも、サスペンションの動作が硬い状態である。第3状態は、第6動作状態よりも、サスペンションの動作が硬い状態である。以後、第2および第5動作状態を、ハード状態といい、第3および第6動作状態をソフト状態という。独立モードが選択されると、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWのそれぞれ短押し操作、長押し1操作および長押し2操作により、フロントサスペンションFSの3種の動作状態およびリアサスペンションRSの3種の動作状態が個別に選択される。
【0046】
連動モードでは、動作状態の組合せは以下のIからIXの9種類ある。
I.フロントサスペンションFSをロック状態とし、リアサスペンションRSをロック状態にする。以後、この組み合わせをフルリジットという。
II.フロントサスペンションFSをハード状態とし、リアサスペンションRSをハード状態にする。以後、この組み合わせを第1フルサスペンション(以後、フルサスペンションをフルサスと記す)という。
III.フロントサスペンションFSをハード状態とし、リアサスペンションRSをソフト状態にする。以後、この組み合わせを第2フルサスという。
IV.フロントサスペンションFSをソフト状態とし、リアサスペンションRSをハード状態にする。以後、この組み合わせを第3フルサスという。
V.フロントサスペンションFSをソフト状態とし、リアサスペンションRSをソフト状態にする。以後、この組み合わせを第4フルサスという。
VI.フロントサスペンションFSをハード状態とし、リアサスペンションRSをロック状態にする。以後、この組み合わせを第1ハードテールという。
VII.フロントサスペンションFSをソフト状態とし、リアサスペンションRSをロック状態にする。以後、この組み合わせを第2ハードテールという。
VIII.フロントサスペンションFSをロック状態とし、リアサスペンションRSをハード状態にする。以後、この組み合わせを第1ハードフロントという。
IX.フロントサスペンションFSをロック状態とし、リアサスペンションRSを伸縮可能なソフト状態にする。以後、この組み合わせを第2ハードフロントという。
【0047】
連動モードが選択されると、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWのそれぞれ短押し操作、長押し1操作および長押し2操作により、上記9種類の動作状態の組合せのうち、複数の動作状態の組合せが選択される。
【0048】
本実施の形態では、設定されている動作状態の組合せは、サイクルコンピュータ40に表示される。また、独立モードおよび連動モードにかかわらずフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSのロック状態は、第1報知部33および第2報知部34により報知される。たとえば、フロントサスペンションFSがロック状態のときは、第1報知部33が赤色に点灯する。またたとえば、フロントサスペンションFSがハード状態のときは、第1報知部33が例えは緑等の別の色で点灯する。またたとえばフロントサスペンションFSがソフト状態のときは、第1報知部33が消灯する。同様に、たとえばリアサスペンションRSがロック状態のときは、第2報知部34が赤色に点灯する。またたとえばリアサスペンションRSがハード状態のときは、第2報知部34が緑色に点灯する。またたとえばリアサスペンションRSがソフト状態のときは、第2報知部34が消灯する。動作状態は、たとえばLEDの発光の状態、点灯するLEDの数、発光するLEDの位置によって表されてもよい。LEDの発行状態は、たとえば色、点滅、点滅時間および点滅回数の少なくとも1つによって表される。
【0049】
長押し判定設定部83は、長押し1操作および長押し2操作の判断に用いる第1判定時間T1および第2判定時間T2を設定するために設けられる。ここで、第1判定時間T1および第2判定時間T2は、複数の予め定める時間のうちのいずれかに設定される。ただし、第1判定時間T1は、第2判定時間T2未満の時間にしか設定できない。
【0050】
次に外部装置60の制御装置80のサスペンションのカスタム設定の処理について図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、カスタム設定の処理を行う場合は、使用者は、外部装置60を接続ケーブル91により電源装置10に接続する。
【0051】
図7のステップP1では、図8に示すカスタム画面を表示する。カスタム画面には、サスペンションのカスタム設定で設定可能な項目が表示される。本実施の形態では、たとえば、「スイッチ設定」、「長押し判定設定」の2項目である。使用者は、選択部61を用いて、これらの項目のいずれかを選択する。設定する項目にポインタを合わせ、たとえばクリックにより項目を選択する。「スイッチ設定」は、「短押し設定」と「長押し1設定」と「長押し2設定」の項目を含んでいる。「短押し設定」と「長押し1設定」と「長押し2設定」の項目は、「スイッチ設定」が選択されたときに画面に表示されてもよい。たとえば項目の選択にマウスを用いる場合には、ポインタを合わせ、たとえばクリックによって項目を選択する。またたとえば項目の選択にキーボードを用いる場合には、キーボードによってカーソルを移動させ、選択キーの操作によって項目を選択する。またたとえば項目の選択にタッチパネルを用いる場合には、表示されている項目の部分に接触することによって項目を選択する。以後、マウスによって項目を選択する場合について説明する。選択されている項目は、たとえば背景の色が変更されたり、文字の色が変更されたりして表示される。これによって、どの項目が選択されているのかを認識できる。
【0052】
スイッチ設定では、「短押し設定」と「長押し1設定」と「長押し2設定」の少なくとも二つを設定する。「短押し設定」では、短押し操作に対応するサスペンションの動作状態の設定を行う。「長押し1設定」では、長押し1操作に対応するサスペンションの動作状態の設定を行う。「長押し2設定」では、長押し2操作に対応するサスペンションの動作状態の設定を行う。もし、3つの操作方法のうち2つの操作方法に対応するサスペンションの動作状態だけが設定された場合、設定された2つの操作方法のみを用いてサスペンションの動作状態を変更することができる。
【0053】
ステップP2では、スイッチ設定が選択されたか否かを判断する。ステップP3では、長押し判定設定が選択されたか否かを判断する。ステップP4では、設定が確定したか否かを判断する。使用者は、設定作業が終わると、たとえばカスタム設定画面の下部に配置された確定ボタンにポインタを合わせてクリックする。設定が確定されたと判断すると、ステップP4からステップP5に移行する。ステップP5では、カスタム設定された設定情報を、接続ケーブル91を介して電源制御部11に送信して処理を終了する。
【0054】
スイッチ設定が選択されるとステップP2からステップP10に移行する。ステップP10では、短押し設定が選択されたか否かを判断する。短押し設定が選択されたと判断すると、ステップP11に移行する。ステップP11では、短押し設定を行い、それが終わるとステップP3に移行する。
【0055】
短押し設定の設定画面を図9および図10に示す。図9は、独立モードを選択している状態を示す短押し設定画面である。具体的には、図9では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWと、に対応付けて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態を設定する。
【0056】
独立モードを設定するときは、最初に、「前後独立」の横のチェックボックスのところにポインタを合わせ、チェック印をクリックにより入れる。これにより、フロントサスペンションFS及びリアサスペンションRSの独立モードが選択される。設定をキャンセルする場合は、ポインタをチェック印に合わせてクリックするとキャンセルされる。続いて、スイッチに対応付けられた「ロック」、「ハード」および「ソフト」の3つの動作状態を表す項目を選択する。設定したい動作状態の横に設けられたチェックボックスにポインタを合わせ、クリックによりチェック印を入れる。図9では、たとえば、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのロック状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのロック状態が対応付けられる場合を示している。
【0057】
連動モードを設定するときには、「前後連動」のチェックボックスにチェック印を付ける。また、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態にチェック印を付ける。図10では、たとえば、連動モードのとき、左スイッチLSWにフルリジットが対応付けられ、右スイッチRSWに第4フルサスが対応付けられる場合を示している。対応付けの作業が終わると、選択ボタンにポインタを合せてクリックすると、設定が外部装置60内に記憶され、カスタム画面に戻る。
左スイッチLSWまたは右スイッチRSWを使用しない場合、使用しないスイッチには、動作状態を対応付けなくても良い。以降の処理でも、選択ボタンを選択と、設定が完了してカスタム画面に戻る。
【0058】
図8のステップP10で短押し設定ではないと判断するとステップP11に移る。ステップP11では、長押し1設定が選択されたか否かを判断する。長押し1設定の場合は、ステップP13に移り長押し1設定を行う。
長押し1設定の設定画面を図11および図12に示す。図11は、独立モードを選択している状態を示す長押し1設定画面である。図12は、連動モードを選択している状態を示す長押し1設定画面である。
【0059】
長押し1設定でも、基本的な画面は短押し設定と同じである。図11に示す独立モード及び図12に示す連動モードでは、短押し設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWに、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図11では、たとえば、長押し1設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのハード状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのハード状態が対応付けられる場合を示している。また図12では、たとえば長押し1設定の連動モードのとき、左スイッチLSWに第1フルサスが設定され、右スイッチRSWに第2フルサスが設定される場合を示す。
【0060】
図8のステップP11で長押し1設定ではないと判断するとステップP14に移る。ステップP14では、長押し2設定を行う。長押し2設定の設定画面を図13および図14に示す。図13は、独立モードを選択している状態を示す長押し2設定画面である。図14は、連動モードを選択している状態を示す長押し2設定画面である。
【0061】
長押し2設定でも、基本的な画面は短押し設定と同じである。図13に示す独立モード及び図14に示す連動モードでは、短押し設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWにフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図13では、たとえば、長押し2設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのソフト状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのソフト状態が対応付けられる場合を示している。また図14では、たとえば連動モードのとき、左スイッチLSWに第1ハードテールが設定され、右スイッチRSWに第2ハードテールが設定される場合を示す。
【0062】
図8のステップP3で長押し判定設定が選択されると、ステップP3からステップP15に移行する。ステップP15では、図15に示す長押し判定設定の画面を表示部62に表示する。長押し判定設定が終わると、ステップP4に移行する。ここでは、スイッチの長押し1操作の第1判定時間T1の最小値および長押し2操作の第2判定時間T2の最小値を設定できる。本実施の形態では、図15に示すように、300m秒から700m秒の間において、100m秒間隔で5段階に第1判定時間T1を設定できる。また本実施の形態では、500m秒から900m秒の間において、100m秒間隔で5段階に第2判定時間T2を設定できる。図15では、第1判定時間T1として500m秒が選択され、第2判定時間900m秒が選択されている場合を示す。この場合900m秒以上連続してスイッチが操作されると、長押し2操作がなされたと判定し、500m秒以上900m秒未満の操作がなされると長押し1操作がなされたと判定する。
【0063】
電源制御部11は、電装品制御部92の一例である。電源制御部11は、たとえばマイクロコンピュータを有し、図4に示すような主にソフトウェアで実現される機能構成を有している。電源制御部11は、変速制御部93と、サスペンション制御部95と、を有するサスペンション制御部95は、サスペンション制御装置の一例である。電源制御部11には、第1スイッチユニット42と、第2スイッチユニット43と、が接続されている。また、リアディレーラ26rと、フロントディレーラ26fと、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRSと、サイクルコンピュータ40とが電源制御部11に接続されている。さらに電源制御部11には蓄電部12が着脱可能に接続されている。
【0064】
サスペンション制御部95は、機能構成として受付手段96と、記憶手段97と、制御手段98と、を有する。受付手段96は、外部装置60で設定されるフロントサスペンションFSの動作状態を表す情報と、リアサスペンションRSの動作状態を表す情報と、フロントサスペンションFSの動作状態およびリアサスペンションRSの動作状態の組合せのうち、少なくとも1つの動作状態の組合せを表す組合せ情報とを受け付け可能である。受付手段96は、たとえば接続ポート92を含んで実現され、接続ポート92を介して外部装置60と接続可能である。記憶手段97は、受付手段96によって受け付けた動作状態および/または動作状態の組合せ情報を記憶する。記憶手段97は、サスペンション制御部95内の不揮発メモリを含んで構成される。制御手段98は、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの少なくとも一方が操作されると、記憶手段97に記憶される動作情報および/または動作状態の組合せ情報に基づいて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSを制御する。
【0065】
次にサスペンション制御部95の制御動作について図16および図17に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0066】
図16は、サスペンション制御部95のカスタム設定時の制御動作を示すフローチャートである。サスペンション制御部95は、電力線が設定装置60と接続されると、カスタム設定処理を開始し、ステップS1に移る。ステップS1では、外部装置60から設定情報を受け付けたか否かを判断する。ステップS1において、設定情報を受け付けた場合、ステップS2に移行する。ステップS2では、受け付けた設定情報を記憶手段97に記憶し、処理を終了する。
【0067】
図17は、サスペンション制御部95の通常時の制御動作を示すフローチャートである。サスペンション制御部95の電源が投入された後、操作部が操作されると処理を開始し、ステップA1に移る。サスペンション制御部95は、電源が投入されると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSを予め定める初期設定状態とする。初期設定状態は、たとえばフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSがともにソフト状態とする。この初期設定状態は、設定装置60によって予め定めておいてもよい。
【0068】
ステップA1では、操作されたスイッチが、連動動作に対応付けられたスイッチか否かを判断する。ステップA1で、連動操作に対応付けられていると判断すると、ステップA2に移って連動動作処理を行い、対応付けられていないと判断すると、ステップA3に移る。ステップA3では、操作されたスイッチが、独立動作に対応付けられたスイッチか否かを判断する。ステップA3で、独立動作に対応付けられていると判断すると、ステップA4に移って独立動作処理を行い、対応付けられていないと判断すると、ステップA5に移る。
【0069】
ステップA5では、スイッチ対応付けられた動作状態に基づいて、第1報知部33、第2報知部34およびサイクルコンピュータ40の少なくともいずれかに報知させて、ステップA6に移り処理を終了する。
【0070】
図17のステップA2の連動動作処理では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作に応じて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態の組合せを切り換える。図17のステップA4の独立動作処理では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作に応じて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を個別に切り換える。
【0071】
図20のステップA5の報知処理では、記憶手段97から読み出した設定状態に基づいて、現在の動作状態を、サイクルコンピュータ40に表示させてもよい。また、連動モードの場合では、図18に示すように9種の動作状態の組合せのいずれが選択されているかを、表示させてもよい。
【0072】
本実施の形態では、さまざまなスイッチに対応させてサスペンションの様々な動作状態の設定を行うことができるが、たとえば操作時間が長くなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したり、または操作時間が短くなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したりしてもよい。この場合、利用者にとって、スイッチの操作時間とサスペンションの硬さ変化との関係が分かりやすくなる可能性がある。一例としては、たとえば操作部の長押しでフロントサスペンションFSのみをロック状態に変更し、操作部の短押しでフロントサスペンションFSのみのロック状態を解除する設定にする。また他の例としては、たとえば操作部を長押し2操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をロック状態に変更し、操作部を長押し1操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をハード状態に変更し、操作部を短押し操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をソフト状態に変更する。
【0073】
<第2実施形態>
第1実施形態では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの一操作当たりの操作時間により、第1操作と第2操作と体3操作とを区分けしたが、第2実施形態では、所定時間当たりの操作回数により、第1操作と第2操作と第3操作とに区分けしている。具体的には、第1操作であるシングル操作(以下S操作という)と、第2操作であるダブル操作(以下D操作という)と、第3操作であるトリプル操作(以下T操作という)により操作を行う。ここで、S操作では、後述する判定時間T3内に一回スイッチを操作する。S操作は、第1操作の一例である。D操作では、後述する判定時間T内に二回スイッチを操作する。D操作は、第2操作の一例である。T操作では、後述する判定時間T内に三回スイッチを操作する。T操作は、第3操作の一例である。たとえばスイッチが単接点スイッチの場合、スイッチの操作回数は、スイッチの接点を接続した回数、または非接続とした回数とする。
【0074】
第2実施形態は、図19に示すように、第1実施形態に対して外部装置160の機能構成が異なる。外部装置160の制御装置180は、ソフトウェアで実現される機能構成として、サスペンションのカスタム設定部181を有する。カスタム設定部181は、スイッチ設定部182と、T操作D操作判定設定部183と、を有する。
【0075】
T操作D操作判定設定部183は、T操作設定およびD操作設定の際のT操作およびD操作の判断に用いる判定時間を複数の段階の時間のいずれかに設定するために設けられる。ここで、判定時間Tは、複数の予め定める時間のうちのいずれかに設定される。
【0076】
次に第2実施形態の外部装置160の制御装置180のサスペンションのカスタム設定の処理について図20に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、カスタム設定の処理を行う場合は、使用者は、外部装置60を接続ケーブル91により電源装置10に接続する。
【0077】
図20のステップP31では、図21に示すカスタム画面を表示する。カスタム画面には、サスペンションのカスタム設定で設定可能な項目が表示される。本実施の形態では、たとえば、「スイッチ設定」、「T操作D操作判定設定」の2項目である。使用者は、選択部61を用いて、これらの項目のいずれかを、前述した実施の形態と同様に、選択部61を用いて選択する。「スイッチ設定」は、「S操作設定」と「D操作設定」と「T操作設定」の項目を含んでいる。「S操作設定」と「D操作設定」と「T操作設定」の項目は、「スイッチ設定」が選択されたときに画面に表示されてもよい。本実施の形態では、マウスによって選択する場合について説明する。設定する項目にポインタを合わせ、たとえばクリックにより項目を選択する。スイッチ設定では、「S操作設定」と「D操作設定」と「T操作設定」のうち少なくとも二つを設定する。選択されている項目は、たとえば背景の色が変更されたり、文字の色が変更されたりして表示される。これによって、どの項目が選択されているのかを認識できる。もし、3つの操作方法のうち2つの操作方法だけが設定された場合、設定された2つの操作方法で操作可能である。
【0078】
ステップP32では、スイッチ設定が選択されたか否かを判断する。ステップP33では、操作判定設定が選択されたか否かを判断する。ステップP34では、設定が確定したか否かを判断する。使用者は、設定作業が終わると、たとえばカスタム設定画面の下部に配置された確定ボタンにカーソルを合わせてクリックする。設定が確定されたと判断すると、ステップP34からステップP5に移行する。ステップP35では、カスタム設定された設定情報を、接続ケーブル91を介して電源制御部11に送信して処理を終了する。
【0079】
スイッチ設定が選択されるとステップP32からステップP40に移行する。ステップP10ではS操作設定が選択されたか否かを判断する。S操作設定が選択されたと判断すると、ステップP41に移行する。ステップP41では、S操作設定を行い、それが終わるとステップP33に移行する。
【0080】
S操作設定の設定画面を図22および図23に示す。図22は、独立モードを選択している状態を表すS操作設定画面である。図23は、連動モードを選択している状態を表すS操作設定画面である。
【0081】
図22では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWと、に対応付けて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態を設定する。独立モードを設定するときは、最初に、「前後独立」の横のチェックボックスのところにポインタを合わせ、チェック印をクリックにより入れる。これにより、フロントサスペンションFS及びリアサスペンションRSの独立モードが選択される。設定をキャンセルする場合は、ポインタをチェック印に合わせてクリックするとキャンセルされる。続いて、スイッチに対応付けられた「ロック」、「ハード」および「ソフト」の3つの動作状態を表す項目を選択する。設定したい動作状態の横に設けられたチェックボックスにポインタを合わせ、クリックによりチェック印を入れる。図22では、たとえば、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのハード状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのハード状態が対応付けられる場合を示している。
【0082】
連動モードを設定するときには、「前後連動」のチェックボックスにチェック印を付ける。また、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態にチェック印を付ける。図23では、たとえば、連動モードのとき、左スイッチLSWにフルリジットが対応付けられ、右スイッチRSWに第4フルサスが対応付けられる場合を示している。対応付けの作業が終わると、選択ボタンにポインタを合せてクリックすると、設定が外部装置60内に記憶され、カスタム画面に戻る。
【0083】
左スイッチLSWまたは右スイッチRSWを使用しない場合、使用しない場合、使用しないスイッチには、動作状態を対応付けなくても良い。以降の処理でも、選択ボタンを選択と、設定が完了してカスタム画面に戻る。
【0084】
図20のステップP40でS操作設定ではないと判断するとステップP41に移る。ステップP41では、D操作設定が選択されたか否かを判断する。D操作設定の場合は、ステップP43に移りD操作設定を行う。D操作設定の設定画面を図24および図25に示す。図24は、独立モードを選択している状態を示すD操作設定画面である。図25は、連動モードを選択している状態を示すD操作設定画面である。
【0085】
D操作設定でも、基本的な画面はS操作設定と同じである。図24に示す独立モード及び図25に示す連動モードでは、短押し設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWにフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図24では、たとえば、D操作設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのハード状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのハード状態が対応付けられる場合を示している。また図25では、例えばD操作設定の連動モードのとき、左スイッチLSWに第1フルサスが設定され、右スイッチRSWに第2フルサスが設定される場合を示す。
【0086】
図20のステップP41でD操作設定ではないと判断するとステップP44に移る。ステップP44では、T操作設定を行う。D操作設定の設定画面を図26および図27に示す。図26は、独立モードを選択している状態を示すT操作設定画面である。図27は、連動モードを選択している状態を示すT操作設定画面である。
【0087】
T操作設定でも、基本的な画面はS操作設定およびD操作設定と同じである。図26に示す独立モード及び図27に示す連動モードでは、S操作設定およびD操作設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWに、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図26では、たとえば、T操作設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのソフト状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのソフト状態が対応付けられる場合を示している。また図27では、例えばT操作設定の連動モードのとき、左スイッチLSWに第1ハードテールが設定され、右スイッチRSWに第2ハードテールが設定される場合を示す。
【0088】
図20のステップP33で操作判定設定が選択されると、ステップP33からステップP45に移行する。ステップP45では、図28に示す操作判定設定の画面を表示部62に表示する。T操作D操作判定設定が終わると、ステップP34に移行する。ここでは、スイッチのD操作およびT操作の判定時間T3の最大値を設定できる。本実施の形態では、図28に示すように、300m秒から700m秒の間において、100m秒間隔で5段階に判定時間Tを設定できる。図28では、判定時間Tとして600m秒が選択されている場合を示す。この場合600m秒の間にスイッチが1回が操作されるとS操作と判断され、スイッチが2回操作されるとD操作と判断され、スイッチが3回操作されるとT操作と判定される。
【0089】
本実施の形態では、さまざまなスイッチに対応させてサスペンションの様々な動作状態の設定を行うことができるが、たとえば単位時間あたりの操作回数が多くなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したり、または単位時間あたりの操作回数が少なくなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したりしてもよい。この場合、利用者にとって、スイッチの操作回数とサスペンションの硬さ変化との関係が分かりやすくなる可能性がある。一例としては、たとえば操作部の1回操作でフロントサスペンションFSのみをロック状態に変更し、操作部の2回操作でフロントサスペンションFSのみのロック状態を解除する設定にする。また他の例としては、たとえば操作部を3回操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をロック状態に変更し、操作部を2回操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をハード状態に変更し、操作部を1回操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をソフト状態に変更する。
【0090】
上述した各実施の形態では、操作方法が異なる第1操作と第2操作とにより、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの少なくともいずれかの動作状態を変更可能である。このため、単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いることができる。また第1操作と第2操作とでは、操作方法が異なるので、単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いたとしても、利用者はサスペンションを所望の動作状態に変更することができる。
【0091】
また、一つの操作部について、操作時間または単位時間当たりの操作回数が異なる第1操作、第2操作および第3操作により、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの少なくともいずれかを3つの動作状態に変化させることができる。
【0092】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0093】
(a)前記実施形態では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWについて、独立モードと連動モードのいずれかを選択的に対応付けしているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、外部装置から各操作部について、独立モードおよび連動モードの両者の設定情報を送信し、電装品制御部側で独立モードと連動モードとを選択できるようにしても良い。この場合、たとえば、サイクルコンピュータ40に独立モードと連動モードとを表示し、操作ボタン89を用い、サイクルコンピュータ40に表示された独立モードと連動モードとの項目のいずれかを選択しても良い。この場合サスペンション制御部は、各操作部が操作されたときに、独立モードおよび連動モードのうち選択されたモードに対応する動作状態となるようにサスペンションを制御する。
【0094】
(b)前記実施の形態において、変速操作部および操作部を一定時間操作しないと、各電装品制御部が、省電力モード、すなわちスリープモードに移行する構成としてもよい。省電力モードに移行する基準となる時間は、利用者が選択部61を用いて設定してもよい。
【0095】
(c)前記実施形態では、サスペンションの動作状態は、ロック状態と、ハード状態、ソフト状態との3つであるが、サスペンションの動作状態としては、サスペンションの高さ、サスペンションの硬さ、サスペンションの圧縮減衰力、サスペンションのリバウンド減衰力、およびペダルを踏んだときに生じる減衰力のいずれであってもよい。
【0096】
(d)前記実施形態では、長押し1操作および長押し2操作の判定に用いる所定時間は、複数の予め定める時間から選択されるが、利用者が選択部61を用いて、前記所定時間の数値を設定する構成としてもよい。また、判断時間T3も同様に利用者が選択部61を用いて設定する構成としても良い。
【0097】
(e)前記実施形態では、2つスイッチが設けられる場合について説明しているが、1つのスイッチのみが設けられる構成としてもよい。この場合、表示装置62には対応するスイッチの情報のみが表示されてもよい。
【0098】
(f)前記実施形態では、フロントディレーラおよびリアディレーラが電動制御されるものであったが、変速ケーブルにより駆動されるものでもよい。この場合、前述した図3に示すように、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを、手動の変速操作部50の巻取レバー50aおよび解除レバー50bの間のハッチングで示した領域Dに配置してもよい。具体的には、巻取りレバー50aの操作完了した位置近傍に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置することで、変速操作直後に迅速にサスペンションの切換操作が可能となる。
【0099】
また、解除レバー50bの手前近傍に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置すれば、変速操作直前にサスペンションの切替操作を行い、その後直ぐに変速操作を行うことができる。
【0100】
好ましくは、巻取りレバー50aの操作完了した位置近傍、かつ、解除レバー50bの手前近傍の位置に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置すれば、上述の両方の効果を奏することが可能になる。
【0101】
更に、左スイッチLSWおよび右スイッチRSW2の操作方向を、巻取りレバー50aや解除レバー50bの操作方向とは異なる方向、たとえば、巻取りレバー50aや解除レバー50bの操作方向と直交する方向等、に設定することで、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの誤動作を防止することができる。
【0102】
(g)前記実施形態では、フロントサスペンションFSとリアサスペンションRSと同じ数の動作状態を設定したが、フロントサスペンションとリアサスペンションとが異なる数の動作状態を有していても良い。例えば、フロントサスペンションがロック状態とハード状態とソフト状態とを有し、リアサスペンションがロック状態とハード状態を有しても良い。
【0103】
(h)前記実施形態では、電源制御部11,160でサスペンションの制御を行ったが、本発明はこれに限定されない。サスペンションの制御は、電装品のいずれかの電装品制御部に設けてもよく、また、前述した電装品とは独立しても設けられてもよい。
【0104】
(i)前記実施形態において、操作部である第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2と制御手段である電源制御部11とは、電力線および電力線とは異なる通信線によって接続される構成されてもよく、電力線が通信線を兼ねる電力線通信(PLC通信)によって接続されてもよい。
(*)前記実施形態においてスイッチは、単接点のスイッチとしているが、スイッチとしては、2値を出力可能なスイッチであればよく、たとえばホール素子と磁石を用いたスイッチであってもよい。
【0105】
(j)前記実施形態において、第1判定時間T1および第2判定時間T2について最小値を設定しているが、第1判定時間T1および第2判定時間T2については、それぞれ最小値と最大値とを設けてもよい。この場合、第1判定時間の最大値と、第2判定時間の最小値とが異なるように設定されればよい。
【0106】
(k)前記実施形態において、スイッチは、単接点のスイッチとしているが、スイッチとしては、2値を出力可能なスイッチであればよく、たとえばホール素子と磁石を用いたスイッチであってもよい。
【0107】
(l)前記実施形態において、短押し操作の判定の時間についての最小値が設定されていないが、他の形態では、短押し判定の時間についての最小値について設定しておき、スイッチが操作された時間が前記最小値に満たない場合には、サスペンション制御部は、サスペンションの動作状態を変更しないようにしてもよい。この場合、不所望な接触や、振動によってサスペンションの動作状態が変更されてしまうことを抑制することができる。
【0108】
(m)他の実施の形態において、複数の操作方法は、操作時間と、単位時間当たりの操作回数とを組み合わせて設定されてもよい。たとえば、第1操作を、単位時間あたりに2回操作し、かつ1回当たりの操作時間が予める第1の時間以上とし、第2操作を、単位時間あたりに2回操作し、かつ1回当たりの操作時間が予め定める第2の時間以上としてもよい。
【0109】
(n)他の実施の形態において、3つの操作方法で操作されるが、操作方法は、4つ以上設定されてもよい。
【0110】
(o)前記実施形態において、ステップP4またはステップP34で確定ボタンが選択されたと判断されると設定状態がサスペンション制御部に送信されるが、各設定画面において選択ボタンが選択されたときに設定情報をサスペンション制御部に送信してもよい。
【符号の説明】
【0111】
11 電源制御部
60 外部装置
95 サスペンション制御部
LSW 左スイッチ
RSW 右スイッチ
FS フロントサスペンション
RS リアサスペンション
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、特に、複数の動作状態を有する自転車用サスペンションを操作部の操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車用のサスペンションには、サスペンションの硬さを変更可能なものが従来知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されるサスペンション制御装置では、フロントサスペンションおよびリアサスペンションに対してそれぞれ複数の動作状態を変更するために、複数の接点を有するスイッチが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0192673号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサスペンション制御装置では、サスペンションの動作状態を変更する操作を複数の接点を有するスイッチで行っている。このため、スイッチの構成が複雑になる。
【0005】
本発明の課題は、自転車用サスペンション制御装置において、簡素なスイッチの構成で、サスペンションを所望の動作状態に変更できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明1に係る自転車用サスペンション制御装置は、複数の動作状態を有する自転車用サスペンションを操作部の操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置である。自転車用サスペンション制御装置は、制御手段を備える。制御手段は、操作部の第1操作により自転車用サスペンションを第1動作状態にし、第1操作と操作方法が異なる第2操作により自転車用サスペンションを第2動作状態にする。
【0007】
このサスペンション制御装置では、操作部の第1操作によりサスペンションを第1動作状態にする。また、操作部の第1操作と操作方法が異なる第2操作によりサスペンションを第2動作状態にする。ここでは、操作方法が異なる第1操作と第2操作とにより、サスペンションの動作状態を変更可能である。このため、単接点の簡素なスイッチを用いることができる。第1操作と第2操作とでは、操作方法が異なるので、単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いたとしても、利用者はサスペンションを所望の動作状態に変更することができる。
【0008】
発明2に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第2操作は、第1操作と一操作当たりの操作時間が異なる。この場合には、一つの操作部の操作時間が異なる第1操作と第2操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態および第2動作状態に変化させることができる。
【0009】
発明3に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明2に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第1操作は、第2操作よりも操作時間が短い。
【0010】
発明4に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明3に記載の自転車用サスペンション制御装置において、制御手段は、第1操作および第2操作とは、操作時間が異なる第3操作により自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する。この場合には、一つの操作部の操作時間が異なる第1操作、第2操作および第3操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態、第2動作状態および第3動作状態に変化させることができる。
【0011】
発明5に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明4に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第3操作は、第1操作よりも操作時間が長く、第2操作よりも操作時間が短い。
【0012】
発明6に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第2操作は、第1操作と所定時間当たりの操作回数が異なる。この場合には、一つの操作部の操作回数が異なる第1操作と第2操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態および第2動作状態に変化させることができる。
【0013】
発明7に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明6に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第1操作は、第2操作よりも操作回数が少ない。
【0014】
発明8に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明7に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第1操作および第2操作とは、操作回数が異なる第3操作により自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する。この場合には、一つの操作部の操作回数が異なる第1操作、第2操作および第3操作により、自転車用サスペンションを第1動作状態、第2動作状態および第3動作状態に変化させることができる。
【0015】
発明9に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明8に記載の自転車用サスペンション制御装置において、第3操作は、第1操作よりも操作回数が多く、第2操作よりも操作回数が少ない。
【0016】
発明10に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明4,5,8,および9のいずれかに記載の自転車用サスペンション制御装置において、第3動作状態は、第1動作状態および第2動作状態と異なる状態である。この場合には、操作時間または操作回数が異なる3つの操作により、自転車用サスペンションを3つの異なる動作状態に変化させることができる。
【0017】
発明11に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1から10のいずれかに記載の装置において、第1動作状態は、サスペンションが伸縮不能な状態である。第2動作状態は、サスペンションが伸縮可能な状態である。この場合には、第1操作により、サスペンションの伸縮不能なロック状態になり、操作時間または操作回数が異なる第2操作により、サスペンションが伸縮可能なフリー状態になる。
【0018】
発明12に係る自転車用サスペンション制御装置は、発明1から10のいずれかに記載の自転車サスペンション制御装置において、第1動作状態は、サスペンションが伸縮可能な状態である。第2動作状態は、サスペンションが伸縮不能な状態である。この場合には、第1操作により、サスペンションの伸縮可能なフリー状態になり、操作時間または操作回数が異なる第2操作により、サスペンションが伸縮不能なロック状態になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、操作方法が異なる第1操作と第2操作とにより、サスペンションの動作状態を変更可能である。このため、単接点の簡素なスイッチを用いることができる。また単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いたとしても、利用者はサスペンションを所望の動作状態に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態が採用された自転車の側面部。
【図2】図1に示す自転車のハンドル部の斜視図
【図3】図2に示すハンドル部の側面模式図。
【図4】電源装置の構成を示すブロック図。
【図5】外部装置の接続形態を示すブロック図。
【図6】第1実施形態の外部装置の制御装置の機能構成を示すブロック図。
【図7】第1実施形態の制御装置のカスタム設定の処理動作を示すフローチャート。
【図8】第1実施形態のスイッチのカスタム設定画面を示す模式図。
【図9】第1実施形態のスイッチの標準設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図10】第1実施形態のスイッチの標準設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図11】第1実施形態のスイッチの長押し1設定の設定画面を示す模式図であって、独立モードを選択している状態を示す。
【図12】第1実施形態のスイッチの長押し1設定の設定画面を示す模式図であって、連動モードを選択している状態を示す。
【図13】第1実施形態のスイッチの長押し2設定の設定画面を示す模式図であって、独立モードを選択している状態を示す。
【図14】第1実施形態のスイッチの長押し2設定の設定画面を示す模式図であって、連動モードを選択している状態を示す。
【図15】第1実施形態のスイッチの長押し判定設定画面を示す模式図。
【図16】電源制御部の設定受付時の制御動作を示すフローチャート。
【図17】電源制御部の通常時の制御動作を示すフローチャート。
【図18】サイクルコンピュータの表示画面の一例を示す図。
【図19】第2実施形態の外部装置の制御装置の機能構成を示すブロック図。
【図20】第2実施形態の制御装置のカスタム設定の処理動作を示すフローチャート。
【図21】第2実施形態のスイッチのカスタム設定画面を示す模式図。
【図22】第2実施形態のスイッチのS操作設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図23】第2実施形態のスイッチのS操作設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図24】第2実施形態のスイッチのD操作設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図25】第2実施形態のスイッチのD操作設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図26】第2実施形態のスイッチのT操作設定の独立モード設定画面を示す模式図。
【図27】第2実施形態のスイッチのT操作設定の連動モード設定画面を示す模式図。
【図28】第2実施形態のスイッチの操作判定設定画面を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1実施形態>
図1において、本発明の一実施形態を採用する自転車は、複数のサスペンションを有する。前記自転車としては、たとえばマウンテンバイクがある。自転車は、フレーム1には、フロント電動変速装置8およびリア電動変速装置9を含む駆動部5と、前輪6と、後輪7とが設けられる。フレーム1は、フレーム体2、フロントフォーク3、及びハンドル部4を有する。フレーム体2は、フレーム本体2aと、フレーム本体2aの後部に揺動自在に連結されるスイングアーム2bを有する。フレーム本体2aとスイングアーム2bとの間に、リアサスペンションRSが設けられる。フロントフォーク3は、フロントサスペンションFSを有する。フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSは、ハード状態とソフト状態とロック状態の3つの動作状態をとり得る。ハード状態とソフト状態は、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSが伸縮可能なフリー状態である。ロック状態はロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSが伸縮不能な状態である。フリー状態は、ロック解除状態ともいう。サスペンションの動作状態は、サスペンションの設定状態ともいう。
【0022】
フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSは、電気を用いて動作状態の制御が可能である。フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSは、それぞれモータおよびソレノイドなどのアクチュエータを含む。フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSでは、アクチュエータを動作させることによって、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの内部に設けられるバルブを制御して、動作状態を変更することができる。
【0023】
フロント電動変速装置8は、電動フロントディレーラ26fとクランク組立体27とを有する。リア電動変速装置9は、電動リアディレーラ26rと、カセットスプロケット28を有する。クランク組立体27とカセットスプロケット28との間には、チェーン29が架け渡される。前輪6は、フロントフォーク3の下部に装着される。後輪7は、スイングアーム2bの後部に装着される。
【0024】
フレーム体2には、フロント電動変速装置8、リア電動変速装置9、フロントサスペンションFS、およびリアサスペンションRSの電源となる電源装置10が装着される。
【0025】
ハンドル部4は、図2に示すように、フロントフォーク3の上部に固定されるハンドルステム14と、ハンドルステム14に固定されるハンドルバー15とを有する。ハンドルバー15の両端にはブレーキレバー16とグリップ17とが装着される。それぞれのブレーキレバー16とグリップ17との間には、第1スイッチLSWまたは第1スイッチRSWが設けられる。第1スイッチLSWまたは第2スイッチRSWは、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を切り換えるために設けられる。第1スイッチLSWおよび第2スイッチRSWは、操作部の一例である。
【0026】
左スイッチLSWは、ハンドルバー15において自転車の進行方向に向かって左側の部分に配置される。右スイッチRSWは、ハンドルバー15において自転車の進行方向に向かって右側の部分に配置される。以後、第1スイッチLSWを左スイッチLSW、第2スイッチRSWを右スイッチRSWという。第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、所定の方向に操作可能なスイッチであって、本実施の形態では、押しボタンスイッチによって実現される。第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、単接点のスイッチである。本実施の形態では、第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、押しボタンスイッチであるが、第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2は、操作片をスライドさせて操作するスライド型スイッチであってもよく、または操作片を角変位させる角変位型スイッチであってもよい。
【0027】
それぞれのブレーキレバー16の近傍には、フロント電動変速装置8の変速操作を行うためのフロント変速操作部20aおよびリア電動変速装置9の変速操作を行うためのリア変速操作部20bが設けられる。この実施形態では、左スイッチLSWおよびフロント変速操作部20aが左側のブレーキレバー16の取付部分を挟んで配置され、右スイッチRSWおよびリア変速操作部20bが右側のブレーキレバー16の取付部分を挟んで配置される。
【0028】
左スイッチLSWおよび右スイッチRSWは、図3にハッチングで示す領域Cに配置するのが好ましい。領域Cは、ブレーキレバー16のレバー体16aとハンドルバー15の間の領域である。具体的には、ブレーキレバー16とハンドルバー15の中心を結ぶ線L1の近傍にスイッチを配するのは好ましい。領域Cは、ハンドルバー15の前下方に位置する。この領域Cは、ブレーキ操作によりレバー体16aがハンドルバー15に接近する方向に揺動しても空間が確保可能な領域だからである。これにより、レバー体16aを操作する手のレバー操作と異なる指で左スイッチLSWまたは右スイッチRSWによってサスペンションの切換操作を行える。更には、ブレーキレバー操作軌道面付近に位置する領域Cに左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置することにより、ブレーキレバーに指を掛けた状態で迅速にサスペンションの切換操作を行うことが可能となる。
【0029】
左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作方向を、ブレーキレバー16の操作方向とは異なる方向、たとえば、ブレーキレバー16の操作方向と直交する方向等に設定すれば、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの誤動作を防止することができる。
【0030】
この実施形態では、図2に示すように、左スイッチLSWは、ハンドルバー15に装着可能な第1スイッチブラケット31に取り付けられる。第1スイッチブラケット31には、第1報知部33が設けられる。第1報知部33は、たとえば1または複数のLED(Light Emitting Diode)によって実現される。
【0031】
右スイッチRSWは、ハンドルバー15に装着可能な第2スイッチブラケット32に取り付けられる。第2スイッチブラケット32には、第2報知部34が設けられる。第2報知部34は、たとえば1または複数のLEDによって実現される。
【0032】
第1報知部33および第2報知部34は、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を表示する。たとえば第1報知部33が、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSのうち一方の動作状態を表示し、第2報知部34が他方の動作状態を表示してもよい。またたとえば第1報知部33および第2報知部34のそれぞれは、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を表示してもよい。
【0033】
この実施形態においては、左スイッチLSW1および左スイッチLSW2は、短押し操作、長押し1操作および長押し2操作の3つの操作方法で操作可能である。短押し操作は、第1操作の一例であり、長押し2操作は、第2操作の一例であり、長押し1操作は、第3操作の一例である。短押し操作は、一操作の操作時間が第1判定時間T1未満の操作である。長押し1操作は、一操作の操作時間が第1判定時間T1以上かつ第2判定時間T2未満の操作である。長押し2操作は、一操作の操作時間が第2判定時間T2以上の操作である。この短押し操作、長押し1操作および長押し2操作ごとに、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWに、サスペンションの動作状態またはサスペンションの動作状態の組合せが対応付けられて設定される。
【0034】
フロント変速操作部20aは、フロントシフトアップスイッチ21aとフロントシフトダウンスイッチ21bとを有する。リア変速操作部20bは、リアシフトアップスイッチ21cとリアシフトダウンスイッチ21dとを有する。
【0035】
ハンドルバー15には、サイクルコンピュータ40が着脱自在に設けられる。サイクルコンピュータ40は、自転車の走行速度等の通常のサイクルコンピュータの表示を行う。さらに、サイクルコンピュータ40は、変速位置、ならびにフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態、さらに詳細には、動作状態の組合せを表示する。また、本実施の形態では、サイクルコンピュータ40は、操作モードが長押しモード1であるのか、長押しモード2であるのかを表示する。サイクルコンピュータ40には動作状態を報知するスピーカ88と複数の操作ボタン89とが設けられている。
【0036】
電源装置10は、図4に示すように、電源制御部11と、電源としての蓄電部12と、を有する。電源制御部11は、サスペンションを制御する制御装置の一例である。蓄電部12は電源制御部11に対して着脱可能である。電源制御部11は、蓄電部12を制御する。また電源制御部11は、フロント電動変速装置8、リア電動変速装置9、フロントサスペンションFS、リアサスペンションRS、第1スイッチユニット42、および第2スイッチユニット43、を統括的に制御している。
【0037】
第1スイッチユニット42は、左スイッチLSW、フロントシフトアップスイッチ21a、フロントシフトダウンスイッチ21b、および第1報知部33を含む。第2スイッチユニット43は、右スイッチRSW、リアシフトアップスイッチ21c、リアシフトダウンスイッチ21d、および第2報知部34を含む。
【0038】
また電源装置10には、被接続ポート92が設けられている。被接続ポート92は、たとえば、Bコネクタが接続可能なUSB(Universal Serial Bus)ポートである。
【0039】
図5に示すように、電源装置10は、たとえば接続ケーブル91を介して外部装置60に接続可能である。接続ケーブル91は、たとえばUSBケーブル91によって実現され、一方の端部にAコネクタを有し、他方の端部にBコネクタと有する。
【0040】
外部装置60は、たとえばノート型のパーソナルコンピュータである。外部装置60は、少なくとも、左スイッチLSWおよび右1スイッチRSWのいずれか一方の操作方法の設定に用いられる。
【0041】
外部装置60は、図6に示すように、選択部61と、表示部62と、接続ポート63aを備える通信部63と、を有する。選択部61は、キーボード、マウスおよびタッチパッド等のポインティングデバイスを含む。選択部61は、表示部62に表示される設定情報の選択を行う。表示部62は、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWに対応して設定可能な設定情報を表示する。接続ポート63aは、たとえば、USBポートである。接続ポート63aは、有線接続部の一例である。接続ポート63aは、接続ケーブル91を介して自転車に搭載される電源制御部11と電気的に接続可能である。これにより、選択部61により選択された設定情報を、たとえば電源制御部11に送信可能である。
【0042】
図7に示すように、外部装置60は、マイクロコンピュータを含む制御装置80を備える。制御装置80は、ソフトウェアで実現される機能構成として、サスペンションのカスタム設定部81を有する。カスタム設定部81は、スイッチ設定部82と、長押し判定設定部83と、を有する。カスタム設定部81は、フロントサスペンションFSとリアサスペンションRSとを使用者の好みに合わせて設定するために設けられる。
【0043】
スイッチ設定部82は、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態または動作状態の組合せを左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作方法に対応付けて設定するために設けられる。本実施の形態では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作方法は、それぞれ3つである。
【0044】
フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションFSは、独立モードと連動モードとのそれぞれで動作状態の設定を変更可能である。ここで、独立モードは、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を個別に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWで設定するモードである。また、連動モードは、フロントサスペンションFSとリアサスペンションペンRSの動作状態の組合せを左スイッチLSWおよび右スイッチRSWにより設定するモードである。
【0045】
フロントサスペンションFSの動作状態は、伸縮不能な第1動作状態と、伸縮可能な第2動作状態と、伸縮可能な第3動作状態と、を含む。リアサスペンションRSの動作状態は、伸縮不能な第4動作状態と、伸縮可能な第5動作状態と、伸縮可能な第6動作状態と、第1および第4動作状態は、ロック状態である。第2、第3、第5および第6動作状態は、フリー状態である。第2動作状態は、第5動作状態よりも、サスペンションの動作が硬い状態である。第3状態は、第6動作状態よりも、サスペンションの動作が硬い状態である。以後、第2および第5動作状態を、ハード状態といい、第3および第6動作状態をソフト状態という。独立モードが選択されると、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWのそれぞれ短押し操作、長押し1操作および長押し2操作により、フロントサスペンションFSの3種の動作状態およびリアサスペンションRSの3種の動作状態が個別に選択される。
【0046】
連動モードでは、動作状態の組合せは以下のIからIXの9種類ある。
I.フロントサスペンションFSをロック状態とし、リアサスペンションRSをロック状態にする。以後、この組み合わせをフルリジットという。
II.フロントサスペンションFSをハード状態とし、リアサスペンションRSをハード状態にする。以後、この組み合わせを第1フルサスペンション(以後、フルサスペンションをフルサスと記す)という。
III.フロントサスペンションFSをハード状態とし、リアサスペンションRSをソフト状態にする。以後、この組み合わせを第2フルサスという。
IV.フロントサスペンションFSをソフト状態とし、リアサスペンションRSをハード状態にする。以後、この組み合わせを第3フルサスという。
V.フロントサスペンションFSをソフト状態とし、リアサスペンションRSをソフト状態にする。以後、この組み合わせを第4フルサスという。
VI.フロントサスペンションFSをハード状態とし、リアサスペンションRSをロック状態にする。以後、この組み合わせを第1ハードテールという。
VII.フロントサスペンションFSをソフト状態とし、リアサスペンションRSをロック状態にする。以後、この組み合わせを第2ハードテールという。
VIII.フロントサスペンションFSをロック状態とし、リアサスペンションRSをハード状態にする。以後、この組み合わせを第1ハードフロントという。
IX.フロントサスペンションFSをロック状態とし、リアサスペンションRSを伸縮可能なソフト状態にする。以後、この組み合わせを第2ハードフロントという。
【0047】
連動モードが選択されると、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWのそれぞれ短押し操作、長押し1操作および長押し2操作により、上記9種類の動作状態の組合せのうち、複数の動作状態の組合せが選択される。
【0048】
本実施の形態では、設定されている動作状態の組合せは、サイクルコンピュータ40に表示される。また、独立モードおよび連動モードにかかわらずフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSのロック状態は、第1報知部33および第2報知部34により報知される。たとえば、フロントサスペンションFSがロック状態のときは、第1報知部33が赤色に点灯する。またたとえば、フロントサスペンションFSがハード状態のときは、第1報知部33が例えは緑等の別の色で点灯する。またたとえばフロントサスペンションFSがソフト状態のときは、第1報知部33が消灯する。同様に、たとえばリアサスペンションRSがロック状態のときは、第2報知部34が赤色に点灯する。またたとえばリアサスペンションRSがハード状態のときは、第2報知部34が緑色に点灯する。またたとえばリアサスペンションRSがソフト状態のときは、第2報知部34が消灯する。動作状態は、たとえばLEDの発光の状態、点灯するLEDの数、発光するLEDの位置によって表されてもよい。LEDの発行状態は、たとえば色、点滅、点滅時間および点滅回数の少なくとも1つによって表される。
【0049】
長押し判定設定部83は、長押し1操作および長押し2操作の判断に用いる第1判定時間T1および第2判定時間T2を設定するために設けられる。ここで、第1判定時間T1および第2判定時間T2は、複数の予め定める時間のうちのいずれかに設定される。ただし、第1判定時間T1は、第2判定時間T2未満の時間にしか設定できない。
【0050】
次に外部装置60の制御装置80のサスペンションのカスタム設定の処理について図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、カスタム設定の処理を行う場合は、使用者は、外部装置60を接続ケーブル91により電源装置10に接続する。
【0051】
図7のステップP1では、図8に示すカスタム画面を表示する。カスタム画面には、サスペンションのカスタム設定で設定可能な項目が表示される。本実施の形態では、たとえば、「スイッチ設定」、「長押し判定設定」の2項目である。使用者は、選択部61を用いて、これらの項目のいずれかを選択する。設定する項目にポインタを合わせ、たとえばクリックにより項目を選択する。「スイッチ設定」は、「短押し設定」と「長押し1設定」と「長押し2設定」の項目を含んでいる。「短押し設定」と「長押し1設定」と「長押し2設定」の項目は、「スイッチ設定」が選択されたときに画面に表示されてもよい。たとえば項目の選択にマウスを用いる場合には、ポインタを合わせ、たとえばクリックによって項目を選択する。またたとえば項目の選択にキーボードを用いる場合には、キーボードによってカーソルを移動させ、選択キーの操作によって項目を選択する。またたとえば項目の選択にタッチパネルを用いる場合には、表示されている項目の部分に接触することによって項目を選択する。以後、マウスによって項目を選択する場合について説明する。選択されている項目は、たとえば背景の色が変更されたり、文字の色が変更されたりして表示される。これによって、どの項目が選択されているのかを認識できる。
【0052】
スイッチ設定では、「短押し設定」と「長押し1設定」と「長押し2設定」の少なくとも二つを設定する。「短押し設定」では、短押し操作に対応するサスペンションの動作状態の設定を行う。「長押し1設定」では、長押し1操作に対応するサスペンションの動作状態の設定を行う。「長押し2設定」では、長押し2操作に対応するサスペンションの動作状態の設定を行う。もし、3つの操作方法のうち2つの操作方法に対応するサスペンションの動作状態だけが設定された場合、設定された2つの操作方法のみを用いてサスペンションの動作状態を変更することができる。
【0053】
ステップP2では、スイッチ設定が選択されたか否かを判断する。ステップP3では、長押し判定設定が選択されたか否かを判断する。ステップP4では、設定が確定したか否かを判断する。使用者は、設定作業が終わると、たとえばカスタム設定画面の下部に配置された確定ボタンにポインタを合わせてクリックする。設定が確定されたと判断すると、ステップP4からステップP5に移行する。ステップP5では、カスタム設定された設定情報を、接続ケーブル91を介して電源制御部11に送信して処理を終了する。
【0054】
スイッチ設定が選択されるとステップP2からステップP10に移行する。ステップP10では、短押し設定が選択されたか否かを判断する。短押し設定が選択されたと判断すると、ステップP11に移行する。ステップP11では、短押し設定を行い、それが終わるとステップP3に移行する。
【0055】
短押し設定の設定画面を図9および図10に示す。図9は、独立モードを選択している状態を示す短押し設定画面である。具体的には、図9では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWと、に対応付けて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態を設定する。
【0056】
独立モードを設定するときは、最初に、「前後独立」の横のチェックボックスのところにポインタを合わせ、チェック印をクリックにより入れる。これにより、フロントサスペンションFS及びリアサスペンションRSの独立モードが選択される。設定をキャンセルする場合は、ポインタをチェック印に合わせてクリックするとキャンセルされる。続いて、スイッチに対応付けられた「ロック」、「ハード」および「ソフト」の3つの動作状態を表す項目を選択する。設定したい動作状態の横に設けられたチェックボックスにポインタを合わせ、クリックによりチェック印を入れる。図9では、たとえば、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのロック状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのロック状態が対応付けられる場合を示している。
【0057】
連動モードを設定するときには、「前後連動」のチェックボックスにチェック印を付ける。また、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態にチェック印を付ける。図10では、たとえば、連動モードのとき、左スイッチLSWにフルリジットが対応付けられ、右スイッチRSWに第4フルサスが対応付けられる場合を示している。対応付けの作業が終わると、選択ボタンにポインタを合せてクリックすると、設定が外部装置60内に記憶され、カスタム画面に戻る。
左スイッチLSWまたは右スイッチRSWを使用しない場合、使用しないスイッチには、動作状態を対応付けなくても良い。以降の処理でも、選択ボタンを選択と、設定が完了してカスタム画面に戻る。
【0058】
図8のステップP10で短押し設定ではないと判断するとステップP11に移る。ステップP11では、長押し1設定が選択されたか否かを判断する。長押し1設定の場合は、ステップP13に移り長押し1設定を行う。
長押し1設定の設定画面を図11および図12に示す。図11は、独立モードを選択している状態を示す長押し1設定画面である。図12は、連動モードを選択している状態を示す長押し1設定画面である。
【0059】
長押し1設定でも、基本的な画面は短押し設定と同じである。図11に示す独立モード及び図12に示す連動モードでは、短押し設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWに、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図11では、たとえば、長押し1設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのハード状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのハード状態が対応付けられる場合を示している。また図12では、たとえば長押し1設定の連動モードのとき、左スイッチLSWに第1フルサスが設定され、右スイッチRSWに第2フルサスが設定される場合を示す。
【0060】
図8のステップP11で長押し1設定ではないと判断するとステップP14に移る。ステップP14では、長押し2設定を行う。長押し2設定の設定画面を図13および図14に示す。図13は、独立モードを選択している状態を示す長押し2設定画面である。図14は、連動モードを選択している状態を示す長押し2設定画面である。
【0061】
長押し2設定でも、基本的な画面は短押し設定と同じである。図13に示す独立モード及び図14に示す連動モードでは、短押し設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWにフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図13では、たとえば、長押し2設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのソフト状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのソフト状態が対応付けられる場合を示している。また図14では、たとえば連動モードのとき、左スイッチLSWに第1ハードテールが設定され、右スイッチRSWに第2ハードテールが設定される場合を示す。
【0062】
図8のステップP3で長押し判定設定が選択されると、ステップP3からステップP15に移行する。ステップP15では、図15に示す長押し判定設定の画面を表示部62に表示する。長押し判定設定が終わると、ステップP4に移行する。ここでは、スイッチの長押し1操作の第1判定時間T1の最小値および長押し2操作の第2判定時間T2の最小値を設定できる。本実施の形態では、図15に示すように、300m秒から700m秒の間において、100m秒間隔で5段階に第1判定時間T1を設定できる。また本実施の形態では、500m秒から900m秒の間において、100m秒間隔で5段階に第2判定時間T2を設定できる。図15では、第1判定時間T1として500m秒が選択され、第2判定時間900m秒が選択されている場合を示す。この場合900m秒以上連続してスイッチが操作されると、長押し2操作がなされたと判定し、500m秒以上900m秒未満の操作がなされると長押し1操作がなされたと判定する。
【0063】
電源制御部11は、電装品制御部92の一例である。電源制御部11は、たとえばマイクロコンピュータを有し、図4に示すような主にソフトウェアで実現される機能構成を有している。電源制御部11は、変速制御部93と、サスペンション制御部95と、を有するサスペンション制御部95は、サスペンション制御装置の一例である。電源制御部11には、第1スイッチユニット42と、第2スイッチユニット43と、が接続されている。また、リアディレーラ26rと、フロントディレーラ26fと、フロントサスペンションFSと、リアサスペンションRSと、サイクルコンピュータ40とが電源制御部11に接続されている。さらに電源制御部11には蓄電部12が着脱可能に接続されている。
【0064】
サスペンション制御部95は、機能構成として受付手段96と、記憶手段97と、制御手段98と、を有する。受付手段96は、外部装置60で設定されるフロントサスペンションFSの動作状態を表す情報と、リアサスペンションRSの動作状態を表す情報と、フロントサスペンションFSの動作状態およびリアサスペンションRSの動作状態の組合せのうち、少なくとも1つの動作状態の組合せを表す組合せ情報とを受け付け可能である。受付手段96は、たとえば接続ポート92を含んで実現され、接続ポート92を介して外部装置60と接続可能である。記憶手段97は、受付手段96によって受け付けた動作状態および/または動作状態の組合せ情報を記憶する。記憶手段97は、サスペンション制御部95内の不揮発メモリを含んで構成される。制御手段98は、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの少なくとも一方が操作されると、記憶手段97に記憶される動作情報および/または動作状態の組合せ情報に基づいて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSを制御する。
【0065】
次にサスペンション制御部95の制御動作について図16および図17に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0066】
図16は、サスペンション制御部95のカスタム設定時の制御動作を示すフローチャートである。サスペンション制御部95は、電力線が設定装置60と接続されると、カスタム設定処理を開始し、ステップS1に移る。ステップS1では、外部装置60から設定情報を受け付けたか否かを判断する。ステップS1において、設定情報を受け付けた場合、ステップS2に移行する。ステップS2では、受け付けた設定情報を記憶手段97に記憶し、処理を終了する。
【0067】
図17は、サスペンション制御部95の通常時の制御動作を示すフローチャートである。サスペンション制御部95の電源が投入された後、操作部が操作されると処理を開始し、ステップA1に移る。サスペンション制御部95は、電源が投入されると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSを予め定める初期設定状態とする。初期設定状態は、たとえばフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSがともにソフト状態とする。この初期設定状態は、設定装置60によって予め定めておいてもよい。
【0068】
ステップA1では、操作されたスイッチが、連動動作に対応付けられたスイッチか否かを判断する。ステップA1で、連動操作に対応付けられていると判断すると、ステップA2に移って連動動作処理を行い、対応付けられていないと判断すると、ステップA3に移る。ステップA3では、操作されたスイッチが、独立動作に対応付けられたスイッチか否かを判断する。ステップA3で、独立動作に対応付けられていると判断すると、ステップA4に移って独立動作処理を行い、対応付けられていないと判断すると、ステップA5に移る。
【0069】
ステップA5では、スイッチ対応付けられた動作状態に基づいて、第1報知部33、第2報知部34およびサイクルコンピュータ40の少なくともいずれかに報知させて、ステップA6に移り処理を終了する。
【0070】
図17のステップA2の連動動作処理では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作に応じて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態の組合せを切り換える。図17のステップA4の独立動作処理では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの操作に応じて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態を個別に切り換える。
【0071】
図20のステップA5の報知処理では、記憶手段97から読み出した設定状態に基づいて、現在の動作状態を、サイクルコンピュータ40に表示させてもよい。また、連動モードの場合では、図18に示すように9種の動作状態の組合せのいずれが選択されているかを、表示させてもよい。
【0072】
本実施の形態では、さまざまなスイッチに対応させてサスペンションの様々な動作状態の設定を行うことができるが、たとえば操作時間が長くなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したり、または操作時間が短くなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したりしてもよい。この場合、利用者にとって、スイッチの操作時間とサスペンションの硬さ変化との関係が分かりやすくなる可能性がある。一例としては、たとえば操作部の長押しでフロントサスペンションFSのみをロック状態に変更し、操作部の短押しでフロントサスペンションFSのみのロック状態を解除する設定にする。また他の例としては、たとえば操作部を長押し2操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をロック状態に変更し、操作部を長押し1操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をハード状態に変更し、操作部を短押し操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をソフト状態に変更する。
【0073】
<第2実施形態>
第1実施形態では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの一操作当たりの操作時間により、第1操作と第2操作と体3操作とを区分けしたが、第2実施形態では、所定時間当たりの操作回数により、第1操作と第2操作と第3操作とに区分けしている。具体的には、第1操作であるシングル操作(以下S操作という)と、第2操作であるダブル操作(以下D操作という)と、第3操作であるトリプル操作(以下T操作という)により操作を行う。ここで、S操作では、後述する判定時間T3内に一回スイッチを操作する。S操作は、第1操作の一例である。D操作では、後述する判定時間T内に二回スイッチを操作する。D操作は、第2操作の一例である。T操作では、後述する判定時間T内に三回スイッチを操作する。T操作は、第3操作の一例である。たとえばスイッチが単接点スイッチの場合、スイッチの操作回数は、スイッチの接点を接続した回数、または非接続とした回数とする。
【0074】
第2実施形態は、図19に示すように、第1実施形態に対して外部装置160の機能構成が異なる。外部装置160の制御装置180は、ソフトウェアで実現される機能構成として、サスペンションのカスタム設定部181を有する。カスタム設定部181は、スイッチ設定部182と、T操作D操作判定設定部183と、を有する。
【0075】
T操作D操作判定設定部183は、T操作設定およびD操作設定の際のT操作およびD操作の判断に用いる判定時間を複数の段階の時間のいずれかに設定するために設けられる。ここで、判定時間Tは、複数の予め定める時間のうちのいずれかに設定される。
【0076】
次に第2実施形態の外部装置160の制御装置180のサスペンションのカスタム設定の処理について図20に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、カスタム設定の処理を行う場合は、使用者は、外部装置60を接続ケーブル91により電源装置10に接続する。
【0077】
図20のステップP31では、図21に示すカスタム画面を表示する。カスタム画面には、サスペンションのカスタム設定で設定可能な項目が表示される。本実施の形態では、たとえば、「スイッチ設定」、「T操作D操作判定設定」の2項目である。使用者は、選択部61を用いて、これらの項目のいずれかを、前述した実施の形態と同様に、選択部61を用いて選択する。「スイッチ設定」は、「S操作設定」と「D操作設定」と「T操作設定」の項目を含んでいる。「S操作設定」と「D操作設定」と「T操作設定」の項目は、「スイッチ設定」が選択されたときに画面に表示されてもよい。本実施の形態では、マウスによって選択する場合について説明する。設定する項目にポインタを合わせ、たとえばクリックにより項目を選択する。スイッチ設定では、「S操作設定」と「D操作設定」と「T操作設定」のうち少なくとも二つを設定する。選択されている項目は、たとえば背景の色が変更されたり、文字の色が変更されたりして表示される。これによって、どの項目が選択されているのかを認識できる。もし、3つの操作方法のうち2つの操作方法だけが設定された場合、設定された2つの操作方法で操作可能である。
【0078】
ステップP32では、スイッチ設定が選択されたか否かを判断する。ステップP33では、操作判定設定が選択されたか否かを判断する。ステップP34では、設定が確定したか否かを判断する。使用者は、設定作業が終わると、たとえばカスタム設定画面の下部に配置された確定ボタンにカーソルを合わせてクリックする。設定が確定されたと判断すると、ステップP34からステップP5に移行する。ステップP35では、カスタム設定された設定情報を、接続ケーブル91を介して電源制御部11に送信して処理を終了する。
【0079】
スイッチ設定が選択されるとステップP32からステップP40に移行する。ステップP10ではS操作設定が選択されたか否かを判断する。S操作設定が選択されたと判断すると、ステップP41に移行する。ステップP41では、S操作設定を行い、それが終わるとステップP33に移行する。
【0080】
S操作設定の設定画面を図22および図23に示す。図22は、独立モードを選択している状態を表すS操作設定画面である。図23は、連動モードを選択している状態を表すS操作設定画面である。
【0081】
図22では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWと、に対応付けて、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態を設定する。独立モードを設定するときは、最初に、「前後独立」の横のチェックボックスのところにポインタを合わせ、チェック印をクリックにより入れる。これにより、フロントサスペンションFS及びリアサスペンションRSの独立モードが選択される。設定をキャンセルする場合は、ポインタをチェック印に合わせてクリックするとキャンセルされる。続いて、スイッチに対応付けられた「ロック」、「ハード」および「ソフト」の3つの動作状態を表す項目を選択する。設定したい動作状態の横に設けられたチェックボックスにポインタを合わせ、クリックによりチェック印を入れる。図22では、たとえば、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのハード状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのハード状態が対応付けられる場合を示している。
【0082】
連動モードを設定するときには、「前後連動」のチェックボックスにチェック印を付ける。また、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの動作状態にチェック印を付ける。図23では、たとえば、連動モードのとき、左スイッチLSWにフルリジットが対応付けられ、右スイッチRSWに第4フルサスが対応付けられる場合を示している。対応付けの作業が終わると、選択ボタンにポインタを合せてクリックすると、設定が外部装置60内に記憶され、カスタム画面に戻る。
【0083】
左スイッチLSWまたは右スイッチRSWを使用しない場合、使用しない場合、使用しないスイッチには、動作状態を対応付けなくても良い。以降の処理でも、選択ボタンを選択と、設定が完了してカスタム画面に戻る。
【0084】
図20のステップP40でS操作設定ではないと判断するとステップP41に移る。ステップP41では、D操作設定が選択されたか否かを判断する。D操作設定の場合は、ステップP43に移りD操作設定を行う。D操作設定の設定画面を図24および図25に示す。図24は、独立モードを選択している状態を示すD操作設定画面である。図25は、連動モードを選択している状態を示すD操作設定画面である。
【0085】
D操作設定でも、基本的な画面はS操作設定と同じである。図24に示す独立モード及び図25に示す連動モードでは、短押し設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWにフロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図24では、たとえば、D操作設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのハード状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのハード状態が対応付けられる場合を示している。また図25では、例えばD操作設定の連動モードのとき、左スイッチLSWに第1フルサスが設定され、右スイッチRSWに第2フルサスが設定される場合を示す。
【0086】
図20のステップP41でD操作設定ではないと判断するとステップP44に移る。ステップP44では、T操作設定を行う。D操作設定の設定画面を図26および図27に示す。図26は、独立モードを選択している状態を示すT操作設定画面である。図27は、連動モードを選択している状態を示すT操作設定画面である。
【0087】
T操作設定でも、基本的な画面はS操作設定およびD操作設定と同じである。図26に示す独立モード及び図27に示す連動モードでは、S操作設定およびD操作設定と同様な操作で左スイッチLSWと右スイッチRSWに、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの個別の動作状態または動作状態の組合せを対応付ける。図26では、たとえば、T操作設定の独立モードのとき、左スイッチLSWにフロントサスペンションFSのソフト状態が対応付けられ、右スイッチRSWにリアサスペンションRSのソフト状態が対応付けられる場合を示している。また図27では、例えばT操作設定の連動モードのとき、左スイッチLSWに第1ハードテールが設定され、右スイッチRSWに第2ハードテールが設定される場合を示す。
【0088】
図20のステップP33で操作判定設定が選択されると、ステップP33からステップP45に移行する。ステップP45では、図28に示す操作判定設定の画面を表示部62に表示する。T操作D操作判定設定が終わると、ステップP34に移行する。ここでは、スイッチのD操作およびT操作の判定時間T3の最大値を設定できる。本実施の形態では、図28に示すように、300m秒から700m秒の間において、100m秒間隔で5段階に判定時間Tを設定できる。図28では、判定時間Tとして600m秒が選択されている場合を示す。この場合600m秒の間にスイッチが1回が操作されるとS操作と判断され、スイッチが2回操作されるとD操作と判断され、スイッチが3回操作されるとT操作と判定される。
【0089】
本実施の形態では、さまざまなスイッチに対応させてサスペンションの様々な動作状態の設定を行うことができるが、たとえば単位時間あたりの操作回数が多くなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したり、または単位時間あたりの操作回数が少なくなるほど、サスペンションが硬くなるように設定したりしてもよい。この場合、利用者にとって、スイッチの操作回数とサスペンションの硬さ変化との関係が分かりやすくなる可能性がある。一例としては、たとえば操作部の1回操作でフロントサスペンションFSのみをロック状態に変更し、操作部の2回操作でフロントサスペンションFSのみのロック状態を解除する設定にする。また他の例としては、たとえば操作部を3回操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をロック状態に変更し、操作部を2回操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をハード状態に変更し、操作部を1回操作すると、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの両方をソフト状態に変更する。
【0090】
上述した各実施の形態では、操作方法が異なる第1操作と第2操作とにより、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの少なくともいずれかの動作状態を変更可能である。このため、単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いることができる。また第1操作と第2操作とでは、操作方法が異なるので、単接点スイッチのような簡素なスイッチを用いたとしても、利用者はサスペンションを所望の動作状態に変更することができる。
【0091】
また、一つの操作部について、操作時間または単位時間当たりの操作回数が異なる第1操作、第2操作および第3操作により、フロントサスペンションFSおよびリアサスペンションRSの少なくともいずれかを3つの動作状態に変化させることができる。
【0092】
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0093】
(a)前記実施形態では、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWについて、独立モードと連動モードのいずれかを選択的に対応付けしているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、外部装置から各操作部について、独立モードおよび連動モードの両者の設定情報を送信し、電装品制御部側で独立モードと連動モードとを選択できるようにしても良い。この場合、たとえば、サイクルコンピュータ40に独立モードと連動モードとを表示し、操作ボタン89を用い、サイクルコンピュータ40に表示された独立モードと連動モードとの項目のいずれかを選択しても良い。この場合サスペンション制御部は、各操作部が操作されたときに、独立モードおよび連動モードのうち選択されたモードに対応する動作状態となるようにサスペンションを制御する。
【0094】
(b)前記実施の形態において、変速操作部および操作部を一定時間操作しないと、各電装品制御部が、省電力モード、すなわちスリープモードに移行する構成としてもよい。省電力モードに移行する基準となる時間は、利用者が選択部61を用いて設定してもよい。
【0095】
(c)前記実施形態では、サスペンションの動作状態は、ロック状態と、ハード状態、ソフト状態との3つであるが、サスペンションの動作状態としては、サスペンションの高さ、サスペンションの硬さ、サスペンションの圧縮減衰力、サスペンションのリバウンド減衰力、およびペダルを踏んだときに生じる減衰力のいずれであってもよい。
【0096】
(d)前記実施形態では、長押し1操作および長押し2操作の判定に用いる所定時間は、複数の予め定める時間から選択されるが、利用者が選択部61を用いて、前記所定時間の数値を設定する構成としてもよい。また、判断時間T3も同様に利用者が選択部61を用いて設定する構成としても良い。
【0097】
(e)前記実施形態では、2つスイッチが設けられる場合について説明しているが、1つのスイッチのみが設けられる構成としてもよい。この場合、表示装置62には対応するスイッチの情報のみが表示されてもよい。
【0098】
(f)前記実施形態では、フロントディレーラおよびリアディレーラが電動制御されるものであったが、変速ケーブルにより駆動されるものでもよい。この場合、前述した図3に示すように、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを、手動の変速操作部50の巻取レバー50aおよび解除レバー50bの間のハッチングで示した領域Dに配置してもよい。具体的には、巻取りレバー50aの操作完了した位置近傍に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置することで、変速操作直後に迅速にサスペンションの切換操作が可能となる。
【0099】
また、解除レバー50bの手前近傍に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置すれば、変速操作直前にサスペンションの切替操作を行い、その後直ぐに変速操作を行うことができる。
【0100】
好ましくは、巻取りレバー50aの操作完了した位置近傍、かつ、解除レバー50bの手前近傍の位置に左スイッチLSWおよび右スイッチRSWを配置すれば、上述の両方の効果を奏することが可能になる。
【0101】
更に、左スイッチLSWおよび右スイッチRSW2の操作方向を、巻取りレバー50aや解除レバー50bの操作方向とは異なる方向、たとえば、巻取りレバー50aや解除レバー50bの操作方向と直交する方向等、に設定することで、左スイッチLSWおよび右スイッチRSWの誤動作を防止することができる。
【0102】
(g)前記実施形態では、フロントサスペンションFSとリアサスペンションRSと同じ数の動作状態を設定したが、フロントサスペンションとリアサスペンションとが異なる数の動作状態を有していても良い。例えば、フロントサスペンションがロック状態とハード状態とソフト状態とを有し、リアサスペンションがロック状態とハード状態を有しても良い。
【0103】
(h)前記実施形態では、電源制御部11,160でサスペンションの制御を行ったが、本発明はこれに限定されない。サスペンションの制御は、電装品のいずれかの電装品制御部に設けてもよく、また、前述した電装品とは独立しても設けられてもよい。
【0104】
(i)前記実施形態において、操作部である第1スイッチLSW1および第2スイッチLSW2と制御手段である電源制御部11とは、電力線および電力線とは異なる通信線によって接続される構成されてもよく、電力線が通信線を兼ねる電力線通信(PLC通信)によって接続されてもよい。
(*)前記実施形態においてスイッチは、単接点のスイッチとしているが、スイッチとしては、2値を出力可能なスイッチであればよく、たとえばホール素子と磁石を用いたスイッチであってもよい。
【0105】
(j)前記実施形態において、第1判定時間T1および第2判定時間T2について最小値を設定しているが、第1判定時間T1および第2判定時間T2については、それぞれ最小値と最大値とを設けてもよい。この場合、第1判定時間の最大値と、第2判定時間の最小値とが異なるように設定されればよい。
【0106】
(k)前記実施形態において、スイッチは、単接点のスイッチとしているが、スイッチとしては、2値を出力可能なスイッチであればよく、たとえばホール素子と磁石を用いたスイッチであってもよい。
【0107】
(l)前記実施形態において、短押し操作の判定の時間についての最小値が設定されていないが、他の形態では、短押し判定の時間についての最小値について設定しておき、スイッチが操作された時間が前記最小値に満たない場合には、サスペンション制御部は、サスペンションの動作状態を変更しないようにしてもよい。この場合、不所望な接触や、振動によってサスペンションの動作状態が変更されてしまうことを抑制することができる。
【0108】
(m)他の実施の形態において、複数の操作方法は、操作時間と、単位時間当たりの操作回数とを組み合わせて設定されてもよい。たとえば、第1操作を、単位時間あたりに2回操作し、かつ1回当たりの操作時間が予める第1の時間以上とし、第2操作を、単位時間あたりに2回操作し、かつ1回当たりの操作時間が予め定める第2の時間以上としてもよい。
【0109】
(n)他の実施の形態において、3つの操作方法で操作されるが、操作方法は、4つ以上設定されてもよい。
【0110】
(o)前記実施形態において、ステップP4またはステップP34で確定ボタンが選択されたと判断されると設定状態がサスペンション制御部に送信されるが、各設定画面において選択ボタンが選択されたときに設定情報をサスペンション制御部に送信してもよい。
【符号の説明】
【0111】
11 電源制御部
60 外部装置
95 サスペンション制御部
LSW 左スイッチ
RSW 右スイッチ
FS フロントサスペンション
RS リアサスペンション
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作状態を有する自転車用サスペンションを操作部の操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置であって、
前記操作部の第1操作により前記自転車用サスペンションを第1動作状態にし、前記第1操作と操作方法が異なる第2操作により前記自転車用サスペンションを第2動作状態にする制御手段、
を備える自転車用サスペンション制御装置。
【請求項2】
前記第2操作は前記第1操作と一操作当たりの操作時間が異なる、自転車用サスペンション制御装置。
【請求項3】
前記第1操作は、前記第2操作よりも前記操作時間が短い、請求項2に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1操作および前記第2操作とは、前記操作時間が異なる第3操作により前記自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する、請求項3に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項5】
前記第3操作は、前記第1操作よりも前記操作時間が長く、前記第2操作よりも前記操作時間が短い、請求項4に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項6】
前記第2操作は、前記第1操作と所定時間当たりの操作回数が異なる、請求項1に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項7】
前記第1操作は、前記第2操作よりも操作回数が少ない、請求項6に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1操作および前記第2操作とは、前記操作回数が異なる第3操作により前記自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する、請求項7に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項9】
前記第3操作は、前記第1操作よりも前記操作回数が多く、前記第2操作よりも前記操作回数が少ない、請求項8に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項10】
前記第3動作状態は、前記第1動作状態および前記第2動作状態と異なる状態である、請求項4,5,8,および9のいずれか1項に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項11】
前記第1動作状態は、前記サスペンションが伸縮不能な状態であり、前記第2動作状態は、前記サスペンションが伸縮可能な状態である、請求項1から10のいずれか1項に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項12】
前記第1動作状態は、前記サスペンションが伸縮可能な状態であり、前記第2動作状態は、前記サスペンションが伸縮不能な状態である、請求項1から10のいずれか1項に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項1】
複数の動作状態を有する自転車用サスペンションを操作部の操作に応じて制御する自転車用サスペンション制御装置であって、
前記操作部の第1操作により前記自転車用サスペンションを第1動作状態にし、前記第1操作と操作方法が異なる第2操作により前記自転車用サスペンションを第2動作状態にする制御手段、
を備える自転車用サスペンション制御装置。
【請求項2】
前記第2操作は前記第1操作と一操作当たりの操作時間が異なる、自転車用サスペンション制御装置。
【請求項3】
前記第1操作は、前記第2操作よりも前記操作時間が短い、請求項2に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1操作および前記第2操作とは、前記操作時間が異なる第3操作により前記自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する、請求項3に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項5】
前記第3操作は、前記第1操作よりも前記操作時間が長く、前記第2操作よりも前記操作時間が短い、請求項4に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項6】
前記第2操作は、前記第1操作と所定時間当たりの操作回数が異なる、請求項1に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項7】
前記第1操作は、前記第2操作よりも操作回数が少ない、請求項6に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1操作および前記第2操作とは、前記操作回数が異なる第3操作により前記自転車用サスペンションを第3動作状態に制御する、請求項7に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項9】
前記第3操作は、前記第1操作よりも前記操作回数が多く、前記第2操作よりも前記操作回数が少ない、請求項8に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項10】
前記第3動作状態は、前記第1動作状態および前記第2動作状態と異なる状態である、請求項4,5,8,および9のいずれか1項に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項11】
前記第1動作状態は、前記サスペンションが伸縮不能な状態であり、前記第2動作状態は、前記サスペンションが伸縮可能な状態である、請求項1から10のいずれか1項に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【請求項12】
前記第1動作状態は、前記サスペンションが伸縮可能な状態であり、前記第2動作状態は、前記サスペンションが伸縮不能な状態である、請求項1から10のいずれか1項に記載の自転車用サスペンション制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−179977(P2012−179977A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43071(P2011−43071)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】
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