説明

舶用推進装置

【課題】本発明は、製造コストを低減させるとともに、船体への組付け性を向上させる舶用推進装置の提供を目的とする。
【解決手段】原動機制御装置であるECU25が付設される原動機であるディーゼルエンジン21と、ディーゼルエンジン21に一体的に連結される減速逆転機であるマリンギヤ23と、減速逆転機制御装置であるCCU26と、を具備する舶用推進装置20において、CCU26は、操舵装置10とECU25とを接続する原動機制御装置用ハーネスであるECU用ハーネス28を含む減速逆転機制御装置用ハーネスであるCCU用ハーネス27及びECU25とディーゼルエンジン21とを接続する原動機用ハーネスであるエンジンハーネス29とを介して前記減速逆転機に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舶用推進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に舶用推進装置は、原動機、減速逆転機及び変速装置等から構成される。減速逆転機は前後進クラッチを備えており、前後進クラッチによって原動機の出力回転の方向を切り換え可能に構成される。舶用推進装置は、操舵装置からの制御信号に基づいて原動機及び減速逆転機を制御可能に構成される。舶用推進装置は、原動機からの回転動力を変速装置及び減速逆転機を介してプロペラ軸に伝動させる。その結果、プロペラ軸に固設されるプロペラによって推進力を発生させる。例えば特許文献1の如くである。
【0003】
このような舶用推進装置において、原動機は、原動機に付設される原動機制御装置によって制御され、減速逆転機は、機関室に配置される減速逆転機制御装置によって制御される。操舵装置と原動機制御装置とは、原動機制御装置用ハーネスによって接続され、操舵装置と減速逆転機制御装置とは、減速逆転機制御装置用ハーネスによって接続される。さらに、減速逆転機制御装置と減速逆転機とは、減速逆転機用ハーネスにより接続される。これにより、操舵装置からの制御信号は、各ハーネスを介して原動機制御装置と減速逆転機制御装置に伝送される。そして、減速逆転機制御装置に伝送された制御信号は、減速逆転機用ハーネスを介して減速逆転機に伝送される。
【0004】
しかし、特許文献1の舶用推進装置は、減速逆転機制御装置が船体によって構造が異なる機関室内に設置されるため、クラッチ制御装置と減速逆転機までの距離を一定に設定することができない。従って、クラッチ制御装置の設置位置に関わらずクラッチ制御装置と減速逆転機とを接続するために、ハーネスを必要以上に長く製作したり長さの異なる複数のハーネスを準備したりしていた。また、機関室の構造に合わせてその都度ハーネスを敷設する必要があった。つまり、船舶用推進装置の製造コストの増加や組付け性の低下を招く要因となり問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−48199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、製造コストを低減させるとともに、船体への組付け性を向上させる舶用推進装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、原動機制御装置が付設される原動機と、前記原動機に一体的に連結される減速逆転機と、減速逆転機制御装置と、を具備する舶用推進装置において、前記減速逆転機制御装置は、一部が操舵装置と前記原動機制御装置とを接続する原動機制御装置用ハーネスとして用いられる減速逆転機制御装置用ハーネス、及び前記原動機制御装置と前記原動機とを接続する原動機用ハーネスを介して前記減速逆転機に接続されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記減速逆転制御装置は、前記減速逆転機制御装置用ハーネスを介して前記原動機制御装置に接続され、前記減速逆転機は、前記原動機用ハーネスを介して前記原動機制御装置に接続され、前記原動機制御装置において前記減速逆転制御装置と前記減速逆転機とが接続されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記原動機用ハーネスは、途中部で分岐して前記減速逆転機のみが接続される減速逆転機用分岐部を有するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、減速逆転機制御装置と減速逆転機とを接続する専用の減速逆転機用ハーネスを別途製作する必要がない。また、船舶の機関室内に減速逆転機用ハーネスを別途敷設する必要がない。これにより、舶用推進装置の製造コストを低減させるとともに、船体への組付け性を向上させることができる。
【0013】
請求項2においては、原動機制御装置用ハーネスと原動機用ハーネスとを原動機制御装置に接続することで減速逆転制御装置と減速逆転機とを容易に接続することができる。これにより、作業時間を短縮して舶用推進装置の製造コストを低減させることができる。
【0014】
請求項3においては、原動機用ハーネスが原動機本体の所定の箇所に付設されていても、減速逆転機のみが接続される分岐部は拘束されないため、容易に減速逆転機と接続することができる。これにより、作業時間を短縮して舶用推進装置の製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の一形態に係る舶用推進装置におけるハーネスの配置を示す模式図。
【図2】本発明の実施の一形態に係る原動機の側面図。
【図3】本発明の実施の一形態に係る原動機を示す斜視図。
【図4】本発明の実施の一形態に係るハーネスを示す斜視図。
【図5】従来の実施の一形態に係る舶用推進装置におけるハーネスの配置を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本発明の一実施形態の船舶に係る船舶1の全体構成について図1を用いて説明する。なお、以下の説明では矢印F方向を船舶1の前方向として前後方向を規定し、矢印U方向を船舶1の上方向として上下方向を規定する。
【0017】
図1に示すように、船舶1は、船体2の上部に操舵室3が設けられ、船体2の後部に機関室4が設けられる。操舵室3には、船舶1の操舵を行うための舵輪やスロットルレバー等を具備する操舵装置10が設けられる。機関室4には、舶用推進装置20が設置されている。船舶1は、操舵室3の操舵装置10を操作することによって機関室4の舶用推進装置20を制御可能に構成される。
【0018】
次に、図1から図3を用いて舶用推進装置20について説明する。
【0019】
舶用推進装置20は、船舶1を推進させるものである。
図1に示すように、舶用推進装置20は、機関室4に設置される。舶用推進装置20は、原動機であるディーゼルエンジン21と、変速装置22と、減速逆転機であるマリンギヤ23と、プロペラ軸24と、プロペラ24aと、原動機制御装置であるECU25と、減速逆転機制御装置であるCCU26とを具備する。
【0020】
原動機であるディーゼルエンジン21は、回転動力を発生するものである。
図2及び図3に示すように、ディーゼルエンジン21は、本実施形態においてV形エンジンとするが、これに限るものではない。ディーゼルエンジン21は、例えば、プレジャーボート等の船舶1に搭載される。舶用エンジンとしてのディーゼルエンジン21は、船舶1の下部に設けられる機関室4内に配置される(図1参照)。
【0021】
ディーゼルエンジン21は、V形8気筒エンジンであり、エンジン主体部と、給気通路と、排気通路と、図示しないコモンレール燃料噴射装置等と、を備える。
【0022】
エンジン主体部は、シリンダブロック211を備え、シリンダブロック211内には、クランク軸212が前後方向に架設される。クランク軸212は、シリンダブロック211に回転可能に軸支される。ディーゼルエンジン21は、そのクランク軸212から回転動力を変速装置22に伝動する。また、シリンダブロック211には、シリンダ列が正面視にてV形に形成される。
【0023】
給気通路は、エアクリーナ213と、コンプレッサ214と、図示しない給気マニホールドと、を備えており、給入された空気がエアクリーナ213によって濾過され、濾過された空気がコンプレッサ214によって圧縮され、圧縮された空気が前記給気マニホールドによって燃焼室に分配される。また、コンプレッサ214と両給気マニホールドとの間には、一のインタークーラ215が設けられ、前記圧縮された空気がインタークーラ215によって冷却される。
【0024】
コンプレッサ214は、図示しないコンプレッサホイールを備え、このコンプレッサホイールは、後述する排気タービン217と連結される。これにより、排気タービン217が排気のエネルギーによって回転すると、排気タービン217と連動して前記コンプレッサホイールが回転し、前記濾過された空気が加圧される。
【0025】
排気通路は、排気マニホールド216と、排気タービン217と、を備えており、燃焼室からの排気が排気マニホールド216によって集合され、集合された排気のエネルギーによって排気タービン217が回転する。
【0026】
変速装置22は、入力される回転動力の回転数を増減するものである。変速装置22は、図1及び図2に示すように、ディーゼルエンジン21の後部にディーゼルエンジン21のクランク軸212と連動連結される。変速装置22は、ディーゼルエンジン21からの回転動力の回転数を変速して変速装置22の出力軸22aから減速逆転機であるマリンギヤ23に伝動する。変速装置22は、操舵室3に設けられる操舵装置10を操作することによって制御可能に構成される。
【0027】
減速逆転機であるマリンギヤ23は、入力される回転数を減速するとともに、回転方向を切り換えるものである。マリンギヤ23は、変速装置22の後部に変速装置22の出力軸22aと連動して直結される。つまり、マリンギヤ23は、変速装置22を介してディーゼルエンジン21に一体的に連結される。マリンギヤ23は、クラッチ用アクチュエータ23aによって操作される図示しない前後進クラッチを具備する。マリンギヤ23は、変速装置22からの回転動力の回転数を小さくするとともに、クラッチ用アクチュエータ23aの作動によって回転方向を切り換えてプロペラ軸24に伝動する。プロペラ軸24は、一端がマリンギヤ23に接続され、他端が水中に至るまで船体2から延出するように構成される。プロペラ軸24の他端には、プロペラ24a(図1参照)が固設される。
【0028】
図1から図3に示すように、原動機制御装置であるECU25は、ディーゼルエンジン21を制御するものである。ECU25は、ディーゼルエンジン21本体に付設される。ECU25は、ディーゼルエンジン21の前部、具体的には、エンジン内部を循環する清水を冷却する清水クーラ218の前面に配置される制御ボックス251内に収納される。制御ボックス251は、図示しないボルトによって清水クーラ218に固定される。なお、制御ボックス251内には、ECU25の他、ヒューズ、リレー、コネクタその他の制御系部品が収納される。ECU25は、操舵装置10に接続され、操舵装置10からの制御信号を取得することができる。また、ECU25は、ディーゼルエンジン21の燃料噴射装置21bや、水温センサー21c、吸気温センサー21d、レール圧センサー21e、ヒューズ21f及びグローリレー21g等の図示しない各種センサー等に接続され、燃料噴射装置21bの制御や、各種センサー等からの信号を取得することができる(図4参照)。
【0029】
図1に示すように、減速逆転機制御装置であるCCU26は、マリンギヤ23のクラッチ用アクチュエータ23aを制御するものである。CCU26は、機関室4の任意の場所に設置される。CCU26は、操舵装置10に接続され、操舵装置10からの制御信号を取得することができる。また、CCU26は、マリンギヤ23のクラッチ用アクチュエータ23aに接続され、クラッチ用アクチュエータ23aを制御することができる。
【0030】
上述のように、舶用推進装置20は、操舵装置10からの制御信号に基づいて、ディーゼルエンジン21が発生する回転動力を、変速装置22、マリンギヤ23を介してプロペラ軸24に伝動する。その結果、水中のプロペラ24aが回動することで推進力を発生させる。
【0031】
次に、図1から図4を用いて操舵装置10からの制御信号を伝送するハーネスについて説明する。
【0032】
図1に示すように、舶用推進装置20は、減速逆転機制御装置用ハーネスであるCCU用ハーネス27、原動機制御装置用ハーネスであるECU用ハーネス28及び原動機用ハーネスであるエンジンハーネス29を具備する。ここで、ハーネスとは複数の電力を供給する電線や制御信号を伝送する信号線を集約して構成したものを言う。
【0033】
CCU用ハーネス27は、操舵装置10とCCU26、及びCCU26と後述のECU25とを接続するものである。CCU用ハーネス27は、その一部を後述のECU用ハーネス28として用いられるように構成される。CCU用ハーネス27は、操舵室3から機関室4内の適宜な箇所に至るまでECU用ハーネス28と一体的に構成され、機関室4の構造に応じて適当な箇所(分岐点P)で分岐している。つまり、CCU用ハーネス27は、操舵装置10から分岐点PまでのECU用ハーネス28が一体的に構成されている第一共用部27aと、分岐点PからCCU26までの分岐部27bと、分岐点PからECU25(制御ボックス251)までのECU用ハーネス28が一体的に構成されている第二共用部27cとから構成される。CCU用ハーネス27は、操舵室3に設けられる操舵装置10から機関室4の任意の場所に設置されるCCU26及びディーゼルエンジン21に付設されるECU25に至るまで船体2内の適宜な箇所に敷設される。
【0034】
第一共用部27aには、操舵装置10が接続される。分岐部27bには、CCU26が接続される。第二共用部27cは、コネクタ27dによってECU25(制御ボックス251)に接続される。さらに、第二共用部27cは、ECU25(制御ボックス251)において後述のECU25(制御ボックス251)に接続されているエンジンハーネス29に接続される。つまり、CCU26とエンジンハーネス29とは、コネクタ27dをECU25(制御ボックス251)に接続することによって、CCU用ハーネス27を介して容易に接続される。これにより、CCU用ハーネス27は、操舵装置10からの制御信号を第一共用部27aから分岐部27bを介してCCU26に伝送可能に構成される。そして、CCU26からの制御信号を分岐部27bから第二共用部27c、コネクタ27d、及びECU25を介してエンジンハーネス29に伝送可能に構成される。
【0035】
ECU用ハーネス28は、操舵装置10とECU25とを接続するものである。ECU用ハーネス28は、CCU用ハーネス27に含まれるように構成される。ECU用ハーネス28(CCU用ハーネス27)の一端には、操舵装置10が接続される。ECU用ハーネス28(CCU用ハーネス27)の他端は、コネクタ27dによってECU25(制御ボックス251)に接続される。つまり、操舵装置10とECU25とは、ECU用ハーネス28(CCU用ハーネス27)によって容易に接続される。これにより、ECU用ハーネス28は、操舵装置10からの制御信号をECU25に伝送可能に構成される。
【0036】
エンジンハーネス29は、ECU25と各種装置及び各種センサー等とを接続するものである。
図4に示すように、エンジンハーネス29は、主体部29a、分岐部29b・29b及び減速逆転機用分岐部29cから構成される。エンジンハーネス29は、ディーゼルエンジン21本体の所定の箇所に付設される(図2、図3参照)。本実施形態において、エンジンハーネス29は、ECU25から主体部29a及び一方の分岐部29bがディーゼルエンジン21の左側バンク部分を経由して後部に向かうようにディーゼルエンジン21に付設される(図3参照)。他方の分岐部29bは、ディーゼルエンジン21の右側バンク部分に付設される。主体部29aには、ECU25が接続される。分岐部29b・29bには、左右の燃料噴射装置21b・21b、水温センサー21c、吸気温センサー21d、レール圧センサー21e、ヒューズ21f、グローリレー21g等の各種センサー等がそれぞれ接続される。これにより、エンジンハーネス29は、ECU25からの制御信号を各種装置に、各種センサー等からの検出信号をECU25に伝送可能に構成される。
【0037】
また、主体部29aには、ECU25を介してCCU用ハーネス27の第二共用部27cが接続される。一方の分岐部29bには、途中部で分岐してマリンギヤ23のクラッチ用アクチュエータ23aのみが接続される減速逆転機用分岐部29cが形成される。減速逆転機用分岐部29cは、ディーゼルエンジン21に固設される各種センサー等との接続によって拘束されることがない。このため、主体部29aや分岐部29bがディーゼルエンジン21の所定の箇所に付設されている状態でも容易にクラッチ用アクチュエータ23aに接続することができる。つまり、第二共用部27cとクラッチ用アクチュエータ23aとは、エンジンハーネス29の主体部29a、分岐部29bを介して、減速逆転機用分岐部29cによって容易に接続される。これにより、エンジンハーネス29は、CCU26からの制御信号を分岐部27bから第二共用部27c、コネクタ27d、ECU25、エンジンハーネス29、減速逆転機用分岐部29c及びコネクタ29dを介してクラッチ用アクチュエータ23aに伝送可能に構成される(図3黒矢印参照)。従って、機関室4の任意の箇所に設置されるCCU26の位置に合わせてハーネスを製作し、機関室4の構造に応じて適宜な箇所にハーネスを敷設する必要がない。
【0038】
一方、図5に示すように、従来の舶用推進装置30においては、CCU用ハーネス31、ECU用ハーネス32、及びエンジンハーネス33に加えて、マリンギヤ用ハーネス34が具備される。マリンギヤ用ハーネス34は、CCU26とマリンギヤ23のクラッチ用アクチュエータ23aとを接続するものである。
CCU26は、ECU用ハーネス32と一体的に構成されるCCU用ハーネス31の第一共用部31a及び分岐点PからCCUまでの分岐部31bを介して操舵装置10と接続される。また、CCU26は、マリンギヤ用ハーネス34を介してクラッチ用アクチュエータ23aと接続される。すなわち、CCU26は、エンジンハーネス33を介さずに、別途マリンギヤ用ハーネス34を介してクラッチ用アクチュエータ23aに接続される。このため、従来の舶用推進装置30においては、マリンギヤ用ハーネス34が機関室4に設置されるCCU26の位置に合わせて製作され、船舶毎に機関室4の構造に合わせて適宜な箇所に敷設される。
【0039】
上述の如く構成された舶用推進装置20においては、船舶1の操舵装置10が操作されると、当該操作に基づいたディーゼルエンジン21の制御信号が、ECU用ハーネス28(CCU用ハーネス27)を介してECU25に伝送される。そして、ECU25からの制御信号が、エンジンハーネス29を介して燃料噴射装置21b等に伝送される。
同様に、船舶1の操舵装置10が操作されると、当該操作に基づいたマリンギヤ23の制御信号がCCU用ハーネス27の第一共用部27a及び分岐部27bを介してCCU26に伝送される。そして、CCU26からの制御信号が、分岐部27b、第二共用部27c及びエンジンハーネス29を介してクラッチ用アクチュエータ23aに伝送される。
【0040】
以上の如く、原動機制御装置であるECU25が付設される原動機であるディーゼルエンジン21と、ディーゼルエンジン21に一体的に連結される減速逆転機であるマリンギヤ23と、減速逆転機制御装置であるCCU26と、を具備する舶用推進装置20において、CCU26は、一部が操舵装置10とECU25とを接続する原動機制御装置用ハーネスとして用いられる減速逆転機制御装置用ハーネスであるCCU用ハーネス27、及びECU25とディーゼルエンジン21とを接続する原動機用ハーネスであるエンジンハーネス29とを介して前記減速逆転機に接続されるものである。
このように構成することにより、CCU26とマリンギヤ23とを接続する専用のマリンギヤ用ハーネス34を別途製作する必要がない。また、船舶の機関室4内にマリンギヤ用ハーネス34を別途敷設する必要がない。これにより、舶用推進装置20の製造コストを低減させるとともに、船体2への組付け性を向上させることができる。
【0041】
また、CCU26は、CCU用ハーネス27を介してECU25に接続され、マリンギヤ23は、エンジンハーネス29を介してECU25に接続され、ECU25においてCCU26とマリンギヤ23とが接続されるものである。
このように構成することにより、CCU用ハーネス27とエンジンハーネス29とをECU25に接続することでCCU26とマリンギヤ23とを容易に接続することができる。これにより、作業時間を短縮して舶用推進装置20の製造コストを低減させることができる。
【0042】
また、エンジンハーネス29は、途中部で分岐してマリンギヤ23のみが接続される減速逆転機用分岐部29cを有するものである。
このように構成することにより、エンジンハーネス29がディーゼルエンジン21の所定の箇所に付設されていても、マリンギヤ23のみが接続される分岐部である減速逆転機用分岐部29cは拘束されないため、容易にマリンギヤ23と接続することができる。これにより、作業時間を短縮して舶用推進装置20の製造コストを低減させることができる。
【0043】
1 船舶
10 操舵装置
20 舶用推進装置
21 ディーゼルエンジン(原動機)
23 マリンギヤ(減速逆転機)
25 ECU(原動機制御装置)
26 CCU(減速逆転機制御装置)
27 CCU用ハーネス(減速逆転機制御装置用ハーネス)
28 ECU用ハーネス(原動機制御装置用ハーネス)
29 エンジンハーネス(原動機用ハーネス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機制御装置が付設される原動機と、
前記原動機に一体的に連結される減速逆転機と、
減速逆転機制御装置と、を具備する舶用推進装置において、
前記減速逆転機制御装置は、
一部が操舵装置と前記原動機制御装置とを接続する原動機制御装置用ハーネスとして用いられる減速逆転機制御装置用ハーネス、及び前記原動機制御装置と前記原動機とを接続する原動機用ハーネスを介して前記減速逆転機に接続される舶用推進装置。
【請求項2】
前記減速逆転制御装置は、
前記減速逆転機制御装置用ハーネスを介して前記原動機制御装置に接続され、
前記減速逆転機は、
前記原動機用ハーネスを介して前記原動機制御装置に接続され、
前記原動機制御装置において前記減速逆転制御装置と前記減速逆転機とが接続される請求項1に記載の舶用推進装置。
【請求項3】
前記原動機用ハーネスは、
途中部で分岐して前記減速逆転機のみが接続される減速逆転機用分岐部を有する請求項1または請求項2に記載の舶用推進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−111265(P2012−111265A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259436(P2010−259436)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】