説明

船舶の情報処理方法及び船舶の情報処理システム

【課題】船内情報処理システムと陸側情報処理システムとで、共通のデータを使用しながら、航海用データと機関用データとを統合表示でき、管理対象の複数の船舶の遠隔監視を行うことができる船舶の情報処理方法及び船舶の情報処理システムを提供する。
【解決手段】船舶の機器から航海用データと機関用データとを船内LANシステム30経由で、船内サーバーに自動的に収集及び蓄積し、船内コンピュータ11で前記航海用データと前記機関用データとを統合表示すると共に、前記船内サーバーに蓄積した前記航海用データと前記機関用データとを衛星通信システム30を介して、ポータルサイトサーバ22に転送して蓄積し、この蓄積された前記航海用データと前記機関用データとをインターネット回線50経由で管理用コンピュータ23で得ると共に、前記航海用データと前記機関用データとを前記管理用コンピュータ23に統合表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理の対象とする船舶の航海用データと機関用データを、船内コンピュータ及び陸側コンピュータで統合処理する船舶の情報処理方法及び船舶の情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、海運業界では、運航規模の拡大に伴い、急速な船舶数の増加による船員士官と陸上監督官の不足が生じており、乗員の多国籍化と運航管理拠点のグローバル化に加え、安全・環境に関する国際規則の強化に対応した船舶運航体制の再整備が急務となっている。特に、「テロ、海賊の脅威」「海難事故による環境汚染」等の対策として、船舶と港湾施設の国際保安コードで、海運業務をテロリズムや海賊、密輸などの脅威から守ることを目的に施行されているISPS(International Ship and Protfacility Securytry) コードやSOLAS条約(Safety of LIf at Sea:海上における人命の安全のための国際条約) 等の制定及び改正の動きが活発になってきている。
【0003】
そのため、海運業界では、これに伴う法令の遵守や船舶の安全かつ効率的な運航のための膨大な情報の作成、伝達、蓄積等を効率よく処理することが必要となってきており、これらの達成には、管理対象の船舶とこの船舶の運航を管理する陸側のオフィスとが連携して船舶の運航を支援する船陸協調型の船舶管理の実現が必要となる。
【0004】
一方、情報の伝達に使用される通信手段も、従来の低速型の通信方式から「高速で常時接続型の通信方式」(海上のブロードバンド通信)への技術確信が進んでおり、船舶の情報処理においても、情報ネットワークにいつでもどこからでもアクセスできる環境を実現するユビキタス化が加速的に進んでいる。
【0005】
また、現状の情報処理においても、船舶の運航に関する情報は、各種の運航用機器や主機や補機等の機器からの情報は、それぞれの機器専用のソフトウエアのみでは利用できるようになっており、各船舶の航海用データのみや各船舶の機関運転用データのみを収集して陸側の管理会社に提供するサービスが実施されている。
【0006】
この一つとして、船舶のディーゼルエンジンへの潤滑油の注油量を適正に保持するために、船舶のシリンダライナの温度等のエンジン潤滑情報を、エンジン管理部で検出し、通信衛星を介して、地上に設けた注油量管理装置に送信すると共に、注油量管理装置では受信したエンジン潤滑情報を管理基準データと比較して、注油量制御情報を作成してエンジン管理部に送信し、この注油量制御情報を受信したエンジン管理部は、この注油量制御情報に基づいて注油器を制御するディーゼルエンジンの注油量管理方法及び装置並びにシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
しかしながら、航海用データと機関運転用データとは密接な関係を有しているので、これらを統合的に管理する必要性が増加してきているが、現状の情報処理システムでは、それぞれのデータの表示画面は見られるものの、各機器のデータロガーに対する提供ソフトがその機器やそのデータロガーの製作及び提供会社毎に異なるため、個別の機器毎の航海用データと個別の主機や補機等の機器の機関用データとを別々のソフトを使用して、別々の画面に表示したりしている。なお、幾つかの機器の航海用データをまとめて表示したり、主機や補機等の機器の機関用データを求めて表示したりすることも行われているが、両方のデータを関連付けて見ることは難しく、管理対象の船舶の運航用データや機関用データを突き合わせて、総合的な判断をするのが難しいという問題や複数の船舶の運航データを横並びで比較するのが難しいという問題がある。
【特許文献1】特開2003−90226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、航海用機器や機関等の機器等におけるそれぞれの専用ソフトを使用することなく、一つの統合ソフトで、船内情報処理システムと陸側情報処理システムとで、共通のデータを使用しながら、航海用データと機関用データとを統合表示することができ、管理対象の複数の船舶の遠隔監視を行うことができる船舶の情報処理方法及び船舶の情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の船舶の情報処理方法は、船舶の機器から航海用データと機関用データとを船内LANシステム経由で、船内サーバーに自動的に収集及び蓄積し、前記船内LANシステム上に設置された船内コンピュータで前記航海用データと前記機関用データとを統合表示すると共に、前記船内サーバーに蓄積した前記航海用データと前記機関用データとを衛星通信システムを介して、ポータルサイトサーバに転送して蓄積し、前記ポータルサイトサーバに蓄積された前記航海用データと前記機関用データとをインターネット回線経由で管理用コンピュータに得ると共に、前記航海用データと前記機関用データとを前記管理用コンピュータに統合表示することを特徴とする。この統合表示とは、各種の機器の航海用データと主機や補機等の機器の機関用データとを時間を同期させて、同一画面に表示可能にすることを言う。
【0010】
この方法によれば、船舶の航海用データと機関用データからなる運航データを、船内コンピュータに統合表示できるだけでなく、船陸間の衛星通信システムおよびインターネット回線網を介して、陸側コンピュータにも統合表示できるので、船舶の運航データを陸側コンピュータで遠隔監視することができる。従って、陸側において、これらの運航データを総合的に管理できるようになる。これにより、運航管理の効率化と定時性の確保が可能となり、安全・安心を目指した運航管理体制の強化を図ることができるようになる。
【0011】
また、上記の船舶の情報処理方法で、前記管理用コンピュータにおいて、前記航海用データと前記機関用データとに基づいて、管理用データを作成し、この管理用データを、インターネット回線及び衛星通信システムとを経由して、前記船内コンピュータに送信し、前記船内LANシステムに接続された機器の管理を行うと、航行中の船舶の運航を陸側から正確でタイムリーな支援をすることができるようになる。
【0012】
また、上記の船舶の情報処理方法において、前記航海用データが、電子海図表示システムと、航海情報記録装置又は簡易型航海情報記録装置とからリアルタイムで取得したデータを含み、かつ、前記機関用データが主機と補機の運転データのデータロガーからリアルタイムで取得したデータを含むことを特徴とする。
【0013】
この電子海図表示システムは、ECDISと呼ばれるものであり、今まで、単体で使用していた、ジャイロ、全地球測位システム(GPS)、レーダー、自動レーダープロッティング装置(衝突予防援助装置)(ARPA)、船舶自動識別装置(AIS)、航行警報自動受信装置(NAVTEX)等の各航海用機器の情報を1つのディスプレイに集約表示し、位置情報とデジタル海図により自船情報を解析し、オートパイロットとの接続によりオートパイロットを自動制御する航海援助装置である。
【0014】
また、航海情報記録装置は、VDRと呼ばれるものであり、人為的過誤に基づく海難の原因調査と再発防止対策を目的に、船舶の航海に関するデータと操船に関する音声を記録するデータ記録装置であり、航空機のフライトレコーダーやボイスレコーダーに相当する。また、簡易型航海情報記録装置は、S−VDRと呼ばれるものであり、航海情報記録装置(VDR)の簡易型である。
【0015】
そして、上記の目的を達成するための本発明の船舶の情報処理システムは、船舶の機器から航海用データと機関用データを船内LANシステム経由で、船内サーバーに自動的に収集及び蓄積し、前記船内サーバーに蓄積した前記航海用データと前記機関用データとを衛星通信システムを介して、陸上のポータルサイトサーバに転送すると共に、前記船内LANシステム上に設置された船内コンピュータで前記航海用データと前記機関用データとを統合表示する船内情報処理システムと、前記ポータルサイトサーバに蓄積された前記航海用データと前記機関用データとをインターネット回線経由で管理用コンピュータに得ると共に、前記航海用データと前記機関用データとを前記管理用コンピュータに統合表示する陸側情報処理システムとを有して構成される。
【0016】
また、上記の船舶の情報処理システムで、前記陸側情報処理システムの管理用コンピュータにおいて、前記航海用データと前記機関用データとに基づいて、管理用データを作成し、この管理用データを、インターネット回線及び衛星通信システムとを経由して、前記船内情報処理システムの前記船内コンピュータに送信し、前記船内LANシステムに接続された機器の管理を行うように構成される。 また、上記の船舶の情報処理システムにおいて、前記航海用データが、電子海図表示システムと、航海情報記録装置又は簡易型航海情報記録装置とからリアルタイムで取得したデータを含み、かつ、前記機関用データが主機と補機の運転データのデータロガーからリアルタイムで取得したデータを含むように構成される。
【0017】
上記の構成によれば、上記の船舶の情報処理方法を実施することができ、同様な効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の船舶の情報処理方法及び船舶の情報処理システムによれば、航海用機器や機関等の機器等におけるそれぞれの専用ソフトを使用することなく、一つの統合ソフトで、船内情報処理システムと陸側情報処理システムとで、ポータルサイトサーバに蓄積した共通のデータを使用しながら、前記航海用データと前記機関用データとを統合表示することができ、陸側情報処理システムで管理対象の複数の各船舶の遠隔監視を行うことができる。また、複数の各船舶の運航データを、陸側情報処理システムの陸側コンピュータから総合的に分析でき、この分析等に基づいて管理対象の複数の各船舶の運航に関する管理ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下図面を参照して本発明に係る船舶の情報処理方法及び船舶の情報処理システムの実施の形態について説明する。
【0020】
最初に、本発明の実施の形態の船舶の情報処理システム1について説明する。図1に示すように、この船舶の情報処理システム1は、船内情報処理システム10と、陸側情報処理システム20とを有して構成される。
【0021】
この船内情報処理システム10は、データ収集蓄積手段S11と、船側データ表示手段S12と、管理手段S13と、船側送受信手段S14とを有して構成され、管理対象とされる複数の各船舶に搭載される。
【0022】
データ収集蓄積手段S11は、船舶の機器から航海用データと機関用データを船内LANシステム30を経由して、船内サーバーに自動的に収集して蓄積する手段である。この航海用データには、電子海図表示システム(EDCIS:Electronic Chart Display and Information System) と、航海情報記録装置(VDR:Voyage Data Recorder)又は簡易型航海情報記録装置(S−VDR:Simplified Voyage Data Recorder) とからリアルタイムで取得したデータを含める。
【0023】
この電子海図表示システム(EDCIS)は、航海援助装置であり、方位を検出するためのジャイロ、船舶の位置を検出する全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)、レーダー、レーダープロッティングを自動化した自動レーダープロッティング装置(衝突予防援助装置)(ARPA:Automatic Rader Plotting Aids)、自船の識別符合や船位、針路、船速等の情報を自動送信し、他船からの同種の情報を自動受信する船舶自動識別装置(AIS:Automatic Identification System)、海岸局から海上安全情報を自動的に受信し内蔵プリンタで印字する航行警報自動受信装置(NAVTEX:Navigation Telex)等の各航海用機器の情報を1つのディスプレイに集約表示する。それと共に、この電子海図表示システムは、位置情報とデジタル海図により自船情報を解析したり、オートパイロットとの接続によりオートパイロットを自動制御したりする。
【0024】
また、航海情報記録装置(VDR)は、人為的過誤に基づく海難の原因調査と再発防止対策を目的に、船舶の航海に関するデータと操船に関する音声を記録するデータ記録装置であり、航空機のフライトレコーダーやボイスレコーダーに相当する。また、簡易型航海情報記録装置(S−VDR)は航海情報記録装置(VDR)の簡易型である。
【0025】
これらの機器からのデータの取得に際しては、こらの機器毎にベンダーが異なり、データフォーマットも異なるため、対応する個々の機器のデータを標準化して、同一データベースにて一括して取り扱いできるように、各データに対してデータ変換テーブルを設けて構成する。また、画面表示に関しても、ベンダー毎の表示ソフトが異なるため、標準的な機側操作盤用の画面(MIMIC画面)を作成する。これにより、同一データベースに蓄積したデータを、各種の機器の航海用データと主機や補機等の機器の機関用データとを、時間的に同期を取りながら統合表示することができるようになる。また、この構成により、データロガー、VDR、ECDISのベンダー毎に表示ソフトを準備する必要が無くなる。
【0026】
船側データ表示手段S12は、船内LANシステム30上に設置された船内コンピュータ11で航海用データと機関用データとを統合表示する手段である。管理手段S13は、船内の各種の機器を管理する手段である。船側送受信手段S14は、船内サーバーに蓄積した航海用データと機関用データとからなる運航用データを衛星通信システム40を介して、陸側のポータルサイトサーバ−22で形成されるデータ集積管理手段S22に転送すると共に、陸側情報処理システム20からの管理データを受信する手段である。
【0027】
また、陸側情報処理システム20は、基地局21で形成される陸側送受信手段S21と、ポータルサイトサーバー22で形成されるデータ集積管理手段S22と、データアクセス手段S23と、陸側データ表示手段S24と、管理手段S25とを有して構成される。通常、陸側送受信手段S21とデータ集積管理手段S22とは、各1つでよく、データアクセス手段S23と陸側データ表示手段S24と管理手段S25と有する管理用コンピュータ23は、この船舶の情報処理システム1を使用して、管理対象の船舶の管理を行う側の数に応じてそれぞれ配設される。
【0028】
陸側送受信手段S21は、陸上に設けられた基地局21で構成され、インマルサット(国際移動衛星機構)衛星通信システム等の通信衛星システム30を経由して、船内情報処理システム10の船側送受信手段S14から転送される航海用データと機関用データを受信すると共に、陸側情報処理システム20の管理手段S25で、これらのデータを基に作成された管理用データを、船側送受信手段S14に送信する手段である。
【0029】
データ集積管理手段S22は、船側送受信手段S14から陸側送受信手段S21経由で転送された運航用データを蓄積すると共に、これらの運航用データを配信するポータルサイトサーバー22で形成され、各船舶の航海用データ、機関用データ、管理用データ等を蓄積し、保管し、陸側の管理用コンピュータや船内コンピュータに提供する。このデータ集積管理手段S22は、通常は、陸上のデータ管理会社内や船舶の運航管理会社内等に設けられる。
【0030】
一方、データアクセス手段S23と、陸側データ表示手段S24と、管理手段S25は、船舶の管理会社又は船舶搭載機器の管理会社の管理用コンピュータ23内に設けられる。データアクセス手段S23は、データ集積管理手段S22のポータルサイトサーバー22にインターネット回線50を経由してデータをアクセスするための手段であり、通常のインタネット接続手段でよい。
【0031】
また、陸側データ表示手段S24は、データ集積管理手段S22のポータルサイトサーバー22にアクセスして得た航海用データと機関用データとを、船舶の管理会社内等に設置された管理用コンピュータ23で航海用データと機関用データとを統合表示する手段であり、船内情報処理システム10の船側データ表示手段S12と略同様なソフトを含んで形成される。更に、管理手段S25は、これらの航海用データと機関用データを基に船舶の各種の機器の管理用データを作成する手段である。この陸側データ表示手段S24は、船内コンピュータ11と同じ統一されたフォームでコンピュータのWebプラウザーからの表示が可能なように構成する。
【0032】
次に、船舶の情報処理方法について説明する。この船舶の情報処理方法では、船内情報処理システム10で、データ収集蓄積手段S11により、船舶の機器から航海用データと機関用データを船内LANシステム30経由で、船内コンピュータ11の一部又は別体として配設されている船内サーバーで定時に自動的に収集してこの船内サーバー内に蓄積する。それと共に、船側送受信手段S14により、船内サーバーに蓄積した航海用データと機関用データとを衛星通信システム40を介して、陸側情報処理システム20の陸側送受信手段S21に送信する。この船内サーバーに蓄積されるデータは自船に関するデータのみであり、船内サーバーの記憶容量などを考慮して、必要に応じて、古いデータは更新される。
【0033】
また、船側データ表示手段S12により、船内LANシステム30上に設置された船内コンピュータ11の表示画面に航海用データと機関用データとを統合表示する。船乗員は、これらの統合表示された、船内LANシステム30で収集された航海用データと機関用データ、及び、陸側情報処理システム20から送信されてきた管理用データを見て、航海用機器及び機関等の機器を運転管理する。
【0034】
一方、陸側情報処理システム20では、陸側送受信手段21により、船内サーバーに蓄積した航海用データと機関用データとを衛星通信システム40を介して受信する。データを受信した陸側送受信手段S21は、インターネット回線50経由で、データ管理会社内や船舶の運航管理会社内等に設けられているデータ集積管理手段S22のポータルサイトサーバ22に転送する。データ集積管理手段S22は、これらの航海用データと機関用データとを、その船舶のデータとして集積し管理する。このデータ集積管理手段S22は、1隻だけでなく、管理対象の複数の船舶のデータを集積して管理する。そして、船舶の運航管理会社や機器の管理会社等のユーザーの管理用コンピュータ23からのアクセスに応じて、アクセスされたデータを提供する。なお、緊急のデータはポータルサイトサーバ22経由ではなく、並行して、陸側送受信手段S21から管理用コンピュータ23に送信するように構成してもよい。
【0035】
また、船舶における緊急事態では、よりメッシュの細かいデータが必要となる等、通常のデータ入手方法では効果的に対応できない場合に対しては、これらの緊急自体のケースに合わせて、最適なデータの入手用の設定を予め作成しておき、その船舶の船内コンピュータ11で容易な操作、又は、陸上の管理用コンピュータ23から遠隔操作で、その設定を有効とし、必要なデータを陸上の管理用コンピュータ23に送信させ、遠隔でその船舶の状態を把握し、各ベンダーからの必要な手段を提案させるように構成してもよい。
【0036】
そして、船舶の運航管理会社内や機器の管理会社内に設けられた管理用コンピュータ23は、必要に応じて、データアクセス手段S23により、データ集積管理手段S22から航海用データと機関用データデータをアクセスして入手し、陸側データ表示手段S24により、航海用データと機関用データとを統合表示する。
【0037】
また、管理用コンピュータ23の管理手段S25により、これらの航海用データと機関用データを、管理用データと比較して、新たな管理用データを作成する。この新たなデータは、陸側の管理員が入手したデータを見ながら、自動又は手動で作成する。
【0038】
これらの新たに作成されたデータを、インターネット回線50と衛星通信システム40を介して陸側送受信手段S21に送信する。陸側送受信手段S21は受信したデータを、該当する船舶の船内情報処理システム10の船側送受信手段S11に送信する。また、同時に、これらのデータをインターネット回線50経由で、ポータルサイトサーバ22に送信し、これらのデータをポータルサイトサーバ22に集積し、保管する。なお、データの船側送受信手段S11への送信は、ポータルサイトサーバ22を介して行うように構成してもよい。
【0039】
そして、船内情報処理システム10では、船側送受信手段S11により受信した新たな管理用データを船側データ表示手段13により船内コンピュータ11の表示画面に表示する。船側データ表示手段13により表示された管理用データを見た船乗員により、手動又は自動で、航海及び機器の管理が行われるか、これらのデータが管理に反映させる。なお、必要に応じて行われる船乗員の管理用データの入力により、この入力された新たな管理用データを基に、管理手段14により船内機器を管理する。
【0040】
この船舶の情報処理システム1では、船舶の情報処理システム1で使用される航海用データ、機関用データ、管理用データ等は、予め設定された基準に則って取捨選択されながら、ポータルサイトサーバー22に集積され、保管される。このポータルサイトサーバー22は、情報共有のプラットフォームとなるものであり、船舶の運航に関わる総合的な情報提供拠点として使用する。
【0041】
次に、船内情報処理システム10と陸側情報処理システム20の構成に関して、船内コンピュータ11と管理用コンピュータ22の操作と関連付けて、より詳細に説明する。
【0042】
この船舶の情報処理システム1では、データベースのポータルサイトサーバー22にアクセルするWebに関するアドレスを確保し、このWebに名称(ここでは、仮に「フリートモニター(Fleet Moniter)」とする。)を付ける。また、各船内コンピュータ11用と各管理用コンピュータ22用のそれぞれのメールアドレスを確保し、船舶の情報処理システム1に登録する。
【0043】
次に、船内側情報処理システム10を導入した管理対象の船舶を、これらの管理対象の船舶からなる船団に名称(仮にここでは「フリートA/タンカー(Fleet A/Tanker)」)を付けて、この船舶の情報処理システム1に登録する。また、登録した船団又は個々の船舶に対して、管理者(ユーザー)側の管理用データである各種の閾値(最小値レベル、最大値レベル、平均値レベル等)を設定して、陸側情報処理システム20の管理手段S25に入力して、ポータルサイトサーバー22に送信して保管する。
【0044】
そして、管理対象の船舶の船内コンピュータ11から、管理者により設定された閾値から外れたデータや機関データロガー・アラームの発生のデータ等を、ポータルサイトサーバー22が受信した際には、ポータルサイトサーバー22が自動的に警報メールをユーザー登録されたメールアドレスに、即ち、船内コンピュータ11と管理用コンピュータ23とに送信するように構成する。
【0045】
警報メールを受信した船内コンピュータ11及び管理用コンピュータ23では、リアルタイムで画面上に警報メールの内容をポップアップ表示し、必要に応じて警報を鳴らしたりして、船内の船乗員及び陸側の管理者に注意を喚起する。なお、画面表示は、この画面表示された警報メールを一読するだけで、管理対象の船舶の管理対象データ、即ち、主機の回転数の異常、機関データロガー・アラームの発生等が分かるように構成される。
【0046】
次に、船内情報処理システム10の船内コンピュータ11及び陸側情報処理システム20の管理用コンピュータ23で、この船舶の情報処理システム1を使用する場合について説明する。この場合には、インターネットエクスプローラ等の汎用プラザソフトから、船内LANシステム30、衛星通信システム40、インターネット回線50等を経由して、Web「フリートモニター(Fleet Moniter)」のアドレスにアクセスする。図2に示す例では、一旦Web「マリタイムソリューション(Maritime-SOL)」に入ってから、Web「フリートモニター(Fleet Moniter)」に入る。
【0047】
船内コンピュータ11及び管理用コンピュータ23では、このアクセスにより、図2に示すような「マリタイムソリューション(Maritime-SOL)」の「ログインウィンドウ」を画面上に表示し、「会社の識別番号(COMPANY ID)」と「利用者の識別番号(USER ID )」と「パスワード(PASSWARD)」の入力でログインし、「フリートマネジメント(Fleet Management) 」を選択すると、「フリートモニター(Fleet Moniter)」に入るように構成される。
【0048】
図3の「フリートモニターメニユー」の画面上で左上の「船団(Ship Group)」をプルダウンして、管理対象の船団(例えば、「フリートA/タンカー(Fleet A/Tanker)」)の「選択(Select)」ボタンが押された場合に、画面の左上に世界地図(ワールドチャート)を、その下側に船舶のリスト(Ship List) を表示し、右側に海図(チャート)を表示するように構成する。更に、この海図上に選択した船団に所属する各船舶の位置を表示する。そして、この表示された各船舶の状態を確認し、海図上の船舶の位置の印及びリストの船名を、正常な状態の場合は黄色で表示し、機関データロガー・アラームが発生している等、異常な状態の場合は、赤色で表示するように構成する。
【0049】
また、船舶の選択に関して、海図上の船舶の位置が選択されたり、船舶のリストの船名を選択された時に、その船舶を抽出するように構成する。これにより、管理対象の船団を容易に選択できるようになる。また、世界地図で領域(エリア)が選択された場合に、その領域内に存在する管理対象の船舶を抽出し、そのリストを表示すると共に、右側の海図にその船舶の位置を表示するように構成する。これにより、船団別ではなく、例えば、危険海域等の特定の海域に存在している管理対象の船舶を抽出できる。
【0050】
更に、海図上の位置又はリストの船名で、赤色の船舶が選択された場合には、該当する船舶の「データ最終計測日時」や「船位」等の詳細データをポップアップして表示するように構成する。この表示により、該当する船舶の詳細なデータを確認することができる。また、青色の船舶が選択された場合には、この船舶の詳細個別情報の画面に移行するように構成する。
【0051】
この船舶の詳細個別情報の画面には、図4の「船位(Ship's Position)」に示すように、「船位(Ship's Position) 」、「機側操作盤(MIMIC)」、「主機運転データ(M/E Running Data)」、「VDR(VDR) 」、 「データロガー(Data Logger) 」、「警報リスト(Warning List)」、「データ入力履歴(Data Import History) 」、「データ出力(Data Export) 」、「船舶状況(Ship's Status) 」のタグを設けて構成する。
「船位(Ship's Position) 」のタグが選択されると、図4に示すように、海図上に船位、速力、針路および、船首方位を表示するように構成する。また、海図の表示スケールも選択に応じて変更可能に構成する。これにより、各船舶の運航状態を確認することができる。例えば、図4では、現在、大阪港に入港中となっている。従って、船速はゼロとなっている。
【0052】
また、時系列変化(トレンド)を見るために、航跡を表示させるように構成する。例えば、3日前からの履歴を確認する場合には、画面右側の「航跡表示(Display Ship Track)」に期間の初日(Start Date)に「2005-11-20」が、終日(End Date)に「2005-11-23」が入力され、その横にある「表示(Display) 」ボタンが押されると、その期間の航跡を水色で表示するように構成する。また、航海計画のラインを白色で示すように構成すると、これにより、航跡を航海計画と比較できる。
【0053】
更に、画面右上にある「設定(Setting) 」ボタンが押されると、重畳させるデータを選択する画面に移動し、各データのチェックボックスにチェックマークが入れられるとそのデータを選択し、更に、「設定決定(Set) 」ボタンが押されるとと、元の画面に戻り、選択したデータを重畳表示するように構成する。海図に、当時の気象・海象データ、航海計画を重畳表示させると、事故調査等に貢献できるようになる。
【0054】
また、画面右下のプレイバック機能を用いて、過去のデータを所定の時間間隔(例えば、1時間毎に) 表示できるように構成する。日付を入れて「再生」ボタンを押すと、過去のある時点での状態を表示し、「巻き戻し」や「早送り」ボタンを押すとプレイバックや早送りするように構成する。更に、例えば、航海計画データが存在している場合に未来の方向にも早送りできるように構成すると、計測日時よりも未来の時間に対しても対応できる。この場合、気象・海象データとしては、日本気象協会より1日4回購入する予報データを使用する。
【0055】
「機側操作盤(MIMIC)」のタグが選択されると、図5に示すように、主機(M/E)、発電機(D/G)、蒸気ライン等を、画面左上のプルダウンメニューで選択可能とし、「選択(Select ) 」ボタンが押されることで、その情報を示す表示に切り替わるように構成する。また、この画面上に表示されるデータとして、瞬時値(毎定時)、平均値(1時間平均)、最大値(1時間での)、最小値(1時間での)等が選択できるように構成する。なお、本機能においても、プレイバック機能を付与する。
【0056】
「主機運転データ(M/E Running Data)」のタグが選択されると、図6の左側の図に示すように、主機(M/E)回転数と軸馬力の基準線を表示し、更に、この基準線上に現在の状態をプロットして表示する。この基準線は別の設定メニユーからユーザーが作成して入力することもできるように構成する。また、画面左側の過去データを重畳させる機能を付与し、プロット期間の初日(Start Date)に「2005-11-20」と、終日(End Date)に「2005-11-23」が入力され、「表示(Display) 」ボタンが押されると、過去のデータを青色でプロットするように構成することで、今現在の状況だけでなく、変化の傾向を掴むこともできるようになる。この他、「プロペラスリップ」、「ログスピード」等が選択できるように構成する。この2つに関しては基準線は無いが、略同様の機能を付与する。左上のプルダウンメニューでこれらが選択され、「選択(Select)」ボタンが押されると選択された事項の表示に切り替えるように構成する。
【0057】
「VDR(VDR) 」のタグが選択されると、図示しないが、略同様に航海情報記録装置のデータを表示するように構成される。
【0058】
「データロガー(Data Logger) 」のタグが選択されると、図7に示すように、リストの最上段に主機の回転数を表示し、表の右端にグラフ欄を表示する。これにより、主機の回転数のトレンドを確認することができるようになる。更に、この画面で、トレンドを模擬したアイコンがクリックされると、横軸が時間、縦軸が回転数を示すトレンドグラフが別ウィンドウでポップアップするように構成する。図7の右側の図では、70回転、100回転に引かれている赤色の直線がユーザー定義の閾値を示し、曲線が計測値を示す。この図7の右側の図では、時折、最小値レベルを下回っていることが分かる。なお、トレンドグラフ以外にもバーグラフ、メータ、コンパス等の表示も選択できるように構成する。
【0059】
また、「主機の回転数」の他の任意の収録データを個別表示する機能を有して構成する。これにより、注意すべき各種データを個々に表示させておくことができるようになる。なお、図7の左側の図では、選択できるデータとして9種類のデータを表示しているが、これを容易に変更できるようにするために次のように構成する。画面の左上の「データ選択(Data Select) 」ボタンが押された場合に、設定用画面(図無し)を表示する。この設定用画面で、収録先の機器のアイテムを選択して「追加(add) 」又は「削除(Delete)」を選択し、設定用画面で「表示(Display) 」ボタンを登録することで、この設定が反映された「データロガー(Data Logger) 」の画面に戻るように構成する。更に、この画面の表示で、右上の「保存(Save)」ボタンが押された場合に、このユーザー識別番号に対しての表示設定が船舶の情報処理システム1に登録され、次回以降のログオン時にこの表示設定が踏襲されるるように構成される。
【0060】
「警報リスト(Warning List)」のタグが選択されると、図8に示すように、画面の左上に、履歴を調査する対象期間(Interval)、例えば、「2005−1−20」〜「2005−11−23」が入力された場合に、図8に示すように、対象期間の警報履歴をリストアップするように構成する。これにより、警報履歴の確認を行うことができるようになる。例えば、図8では、主機の回転数の異常等が発生していることが分かる。また、ログタイプ(Log Type) に表示された事項のタグが選択されると、機関データロガー・アラーム、ユーザー定義の閾値に対する異常や、全てのアラーム等を抽出するように構成する。
【0061】
「データ入力履歴(Data Import History) 」のタグが選択されると、船舶の船内コンピュータ11からのデータを受信した日時、データを計測した日時等を表示するように構成する。これにより、ポータルサイトサーバー22が保有しているデータを確認することができる。
【0062】
「データ出力(Dat Expor) 」のタグが選択されると、図9に示すような画面を表示し、取り出すデータアイテムと期間が入力されると、収録データをテキストファイルで、外部にダウンロードできるように構成する。これにより、他のシステム等でデータを解析する必要がある場合には、この船舶の情報処理システム1に収録されたデータを他のシステムに移動することができるようになる。
【0063】
「船舶状況(Ship's Status) 」のタグが選択されると、図10に示すように、電子海図表示システム(ECDIS)のデータを表示するように構成する。これにより、修理、荷下ろしのため等の入港予定時間(ETA)を確認することができる。
【0064】
そして、「フリートモニター」の画面の上部のメニューの「ユーザー設定(User Setup)」のタグが選択されると、船団、閾値、警報メール( 閾値) を設定するメニューに移行するように構成する。また、「主管理(Master Management) 」のタグが選択されると、主機(M/E)の基準線、機関データロガー・アラーム等の警報メールを設定するメニューに移行するように構成される。この場合に、竣工時の試運転データ等が入力されているため、データの秘匿性を確保しながら、設定画面を表示する。
【0065】
そして、上記の船舶の情報処理方法および船舶の情報処理システム1によれば、各船舶の運航に関わる基本情報として、「航海用データ(航行データ)」と「機関用データ(機関運転データ)」を含む運航、メンテナンス、管理の様々なデータを、インターネット回線50上のポータルサイトサーバー22に集積して管理すると共に、船舶の船内コンピュータ11のみならず、陸上オフィスの管理用コンピュータ23でも統合表示ができる。
【0066】
これにより、複数の船舶の運航管理を、航海用データと機関用データを統合して、しかも、船内コンピュータ11と同じ統一されたフォームで、陸側コンピュータ23のWebプラウザーからの表示が可能となる。
【0067】
また、管理対象の船舶上のWeb対応型の船内LANシステム30と衛星通信システム40とインターネット回線50とを介して、船内コンピュータ11とポータルサイトサーバー22と陸側コンピュータ23とが接続されているので、これらの船・陸間の通信回線を介して、運航、保守(メンテナンス)、管理等の様々なデータを、ポータルサイトサーバー22に集積して蓄積できる。
【0068】
更に、ポータルサイトサーバー22に蓄積されたデータを関係者にインターネット回線50を通じて提供することで、これらのデータを、世界中の様々な場所で、管理対象の船舶の運航状態を示すリアルタイムのデータを、使用目的に応じた画面構成で閲覧及び利用できるので、船・陸間での情報共有が可能となる。
【0069】
また、ユーザーの要望に合わせて各船舶のデータの収集と陸側情報処理システム20へのデータ送信を自動的に行うことにより、船乗員の運用負荷を軽減できる。また、ユーザー毎に閾値の設定を可能とし、これらの閾値を逸脱したデータが発生時には警報で連絡する機能を有しているので、陸側コンピュータ23を操作する監督官の作業を効率化でき、この作業に対する信頼性を向上することができる。また、この船舶情報処理システム1以外の機器の解析システムとの併用も容易であるので、この併用により、より高精度の主機の性能診断・余寿命診断解析が可能となる。
【0070】
これにより、陸上オフィスから正確でタイムリーな運航支援を行うことができるようになる。また、三国間での就航船に対する遠隔監視が実現することで、管理対象の船舶の状態に即した監督官の訪船タイミングを最適化することができ、監督官の待機時間などを減少できるので経費削減が図れる。
【0071】
つまり、上記の船舶の情報処理システム1は、管理対象の船舶の航海用データや機関用データ等のデータを、衛星通信システム40とインターネット回線50とポータルサイトサーバー22とにより、陸上オフィスからのモニタリングを可能とするシステムである。現在数社から提供されている航海データ(船位、気象・海象)のみを表示するモニターリングサービスと異なり、主機をはじめとした搭載機器の運転データも同時にモニタリングが可能となる。また、任意の船団を一元管理することもできる。
【0072】
なお、上記の船舶の情報処理システム1を使用した場合の船主、船舶管理、機器ベンダー、造船所別のメリットを次に示す。船主側においては、船舶の運航状態をほぼリアルタイムで把握できるので、荷主への報告書の作成を迅速化でき、配船計画の作成も迅速化できる。その結果、運航管理の効率化とコスト削減を図ることができる。
【0073】
船舶管理側においては、主機、発電機及び補機の状態を遠隔監視でき、タイムリーな運航支援を航海部と機関部に行うことができる。また、事故解析の精度の向上と迅速化を図ることができる。従って、定時制の確保と安全・安心の確度を向上できる。
【0074】
また、機器ベンダー側においては、そのベンダーの機器の状態監視、性能解析・余寿命診断などが,大量の船舶で遠隔監視で行えるので、定時制の確保とコスト削減を図ることができ、容易に機器の信頼性を向上させることができる。その結果、壊れにくい機器を製造販売することで、競争力の向上を図ることができる。
【0075】
更に、造船所側では、船舶や機器の状態を監視できると共に、各種データを取得できるので、修理作業の準備やドック工事の準備などが的確にでき、定時制の確保とコスト削減を図ることができる。
【0076】
更に、データの有効活用として、陸上のポータルサイトサーバー22に蓄積したデータは、単なる各船舶上で収集されたデータの閲覧に留まらず、このデータを元に各機器のベンダーのアドバイスを受けられるサービスを付加することで、船舶管理会社の安全運航・定時性確保及び効率化を目標とした船舶管理に役立てることができる。具体的には、パフォーマンス解析、余寿命診断等の遠隔診断のツールを各ベンダーが提供することにより、このツールをポータルサイトサーバー22に設置して、各船舶管理会社がポータルサイトサーバー22のデータを流用することで任意のタイミングでこの診断を容易に実施することができる。船舶管理会社は、この診断結果を参照し、各船舶の状態をより深く遠隔監視し、上記目標に向けて、運航・運転計画、メンテナンス計画を最適化できる。各ベンダーはポータルサイトサーバー22にツールを提供することで、容易に遠隔診断が可能となり、機器の信頼性を向上できる。なお、システム上の問題や会社の方針でツールを提供できないベンダーは、その固有のツール・場所で容易に遠隔診断を受けられるように、専用のダウンロードファイル形式でデータのダウンロードを可能とし、各船舶管理会社に容易に遠隔診断が受けられるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態の船舶の情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】「ログインウィンドウ」の画面の構成を示す図である。
【図3】「フリートモニターメニユー」の画面の構成を示す図である。
【図4】「船位(Ship's Position)」の画面の構成を示す図である。
【図5】「機側操作盤(MIMIC)」の画面の構成を示す図である。
【図6】「主機運転データ(M/E Running Data)」の画面の構成を示す図である。
【図7】「データロガー(Data Logger) 」の画面の構成を示す図である。
【図8】「警報リスト(Warning List)」の画面の構成を示す図である。
【図9】「データ出力(Data Export) 」の画面の構成を示す図である。
【図10】「船舶状況(Ship's Status) 」の画面の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 船舶の情報処理システム
10 船内情報処理システム
11 船内コンピュータ
20 陸側情報処理システム
21 基地局
22 ポータルサイトサーバ
23 管理用コンピュータ
30 船内LANシステム
40 衛星通信システム
50 インターネット回線
S11 データ収集蓄積手段
S12 船側データ表示手段
S13 管理手段
S14 船側送受信手段
S22 データ集積管理手段
S21 陸側送受信手段
S22 データ集積管理手段
S23 データアクセス手段
S24 陸側データ表示手段
S25 管理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の機器から航海用データと機関用データとを船内LANシステム経由で、船内サーバーに自動的に収集及び蓄積し、前記船内LANシステム上に設置された船内コンピュータで前記航海用データと前記機関用データとを統合表示すると共に、
前記船内サーバーに蓄積した前記航海用データと前記機関用データとを衛星通信システムを介して、ポータルサイトサーバに転送して蓄積し、
前記ポータルサイトサーバに蓄積された前記航海用データと前記機関用データとをインターネット回線経由で管理用コンピュータに得ると共に、前記航海用データと前記機関用データとを前記管理用コンピュータに統合表示することを特徴とする船舶の情報処理方法。
【請求項2】
前記管理用コンピュータにおいて、前記航海用データと前記機関用データとに基づいて、管理用データを作成し、この管理用データを、インターネット回線及び衛星通信システムとを経由して、前記船内コンピュータに送信し、前記船内LANシステムに接続された機器の管理を行うことを特徴とする請求項1記載の船舶の情報処理方法。
【請求項3】
前記航海用データが、電子海図表示システムと、航海情報記録装置又は簡易型航海情報記録装置とからリアルタイムで取得したデータを含み、かつ、前記機関用データが主機と補機の運転データのデータロガーからリアルタイムで取得したデータを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の船舶の情報処理方法。
【請求項4】
船舶の機器から航海用データと機関用データを船内LANシステム経由で、船内サーバーに自動的に収集及び蓄積し、前記船内サーバーに蓄積した前記航海用データと前記機関用データとを衛星通信システムを介して、陸上のポータルサイトサーバに転送すると共に、前記船内LANシステム上に設置された船内コンピュータで前記航海用データと前記機関用データとを統合表示する船内情報処理システムと、
前記ポータルサイトサーバに蓄積された前記航海用データと前記機関用データとをインターネット回線経由で管理用コンピュータに得ると共に、前記航海用データと前記機関用データとを前記管理用コンピュータに統合表示する陸側情報処理システムとを有することを特徴とする船舶の情報処理システム。
【請求項5】
前記陸側情報処理システムの管理用コンピュータにおいて、前記航海用データと前記機関用データとに基づいて、管理用データを作成し、この管理用データを、インターネット回線及び衛星通信システムとを経由して、前記船内情報処理システムの前記船内コンピュータに送信し、前記船内LANシステムに接続された機器の管理を行うことを特徴とする請求項4記載の船舶の情報処理システム。
【請求項6】
前記航海用データが、電子海図表示システムと、航海情報記録装置又は簡易型航海情報記録装置とからリアルタイムで取得したデータを含み、かつ、前記機関用データが主機と補機の運転データのデータロガーからリアルタイムで取得したデータを含むことを特徴とする請求項4又は5記載の船舶の情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−198136(P2008−198136A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35503(P2007−35503)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】