色予測モデル生成支援装置、色予測モデル作成支援方法及び色予測モデル生成支援プログラム
【課題】低明度域の色に対する色予測の精度を向上させることが可能な色予測モデルを生成する色予測モデル生成支援装置、色予測モデル作成支援方法及び色予測モデル生成支援プログラムを提供することを目的としている。
【解決手段】RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手段と、当該色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手段と、前記サンプルポイント数変更手段により変更されたサンプルポイント数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手段と、を有する。
【解決手段】RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手段と、当該色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手段と、前記サンプルポイント数変更手段により変更されたサンプルポイント数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置、色予測モデル作成支援方法及び色予測モデル生成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像を扱う分野では、ディスプレイ等の表示装置で表示される色を忠実に画像形成装置で出力することが重要視されている。これを実現するために、画像形成装置の開発の過程等において、色予測モデルを構築し、この色予測モデルによりディスプレイ等で表示された色を画像形成装置で出力した際の色を予測する色予測技術が既に知られている。色予測モデルとは、様々な組み合わせのCMYK色信号に対応するカラーパッチを画像形成装置から出力し、各カラーパッチのデバイスに依存しない独立信号(CIE L*a*b、XYZ)を測色した測色値を、CMYK色信号の組み合わせとを対応付けたものである。
【0003】
色予測を行う技術では、できるだけ多くのカラーパッチを出力し、多数の測色値とCMYK色信号との組み合わせに基づき色予測をすることが望ましい。しかしながら、カラーパッチの数を増やせば測色に係る負担も大きくなる。また画像形成装置で印字可能なトナー総量の総量規制値が設定されており、使用可能な最大トナー量が規制されている。総量規制値が少なく設定されている場合、使用できるトナーの総量が少なくなるため、トナーを多く要する色、特に黒色に近い低明度の色域では多数のカラーパッチを出力することが困難となる。また低明度の色域では、CMYKのトナー像が中間転写体や記録媒体(用紙)へ転写される際に、一部のトナーが転写されずに転写元に残り、トナーが安定して転写されない場合がある。
【0004】
これらの事情により、低明度の色域で形成される画像は、色予測モデルにおけるCMKY色信号と測色値との対応関係もよりも、実際に形成された画像の色合いが複雑になり、高精度の色予測が困難である。
【0005】
このような低明度の色域を高精度に予測するためには、総量規制値を考慮した上で、低明度の色域に相当するカラーパッチを多く用意する必要がある。例えば特許文献1には、総量規制を超えて、かつ色域外郭付近に相当するデバイス色信号に対して、総量規制を超えないように各色成分を修正し、色域外郭付近に位置するように出力値を求めることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の総量規制を考慮した修正方法では、総量規制値が小さい時でも低明度の色域のカラーパッチ数は固定値であるため、依然として低明度の色域に対する色予測の精度が低いという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決するために成されたものであり、低明度色域に対する色予測の精度を向上させることが可能な色予測モデル生成支援装置、色予測モデル作成支援方法及び色予測モデル生成支援プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
【0009】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置であって、RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手段と、当該色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手段と、前記サンプルポイント数変更手段により変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手段と、を有する。
【0010】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置による色予測モデル作成支援方法であって、RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手順と、前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手順と、前記サンプルポイント数変更手順において変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手順と、を有する。
【0011】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置において実行される色予測モデル作成支援プログラムであって、前記色予測モデル作成支援装置に、RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成ステップと、前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更ステップと、前記サンプルポイント数変更ステップにおいて変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低明度域の色に対する色予測の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】色予測モデルの作成の概略を説明する第一の図である。
【図2】色予測モデルの作成の概略を説明する第二の図である。
【図3】本実施形態の画像形成装置の構成の概略を説明する図である。
【図4】本実施形態の画像形成装置の機能構成を説明する図である
【図5】本実施形態の画像処理部の動作を説明するフローチャートである。
【図6】サンプルポイント作成部の処理を説明する図である。
【図7】サンプルポイント数変更部の機能構成を示す図である。
【図8】サンプルポイント数変更部の処理を説明するフローチャートである。
【図9】総量規制値の入力画面の一例を示す図である。
【図10】サンプルポイントと総量規制値との関係を説明する図である。
【図11】低明度色域を説明する第一の図である。
【図12】低明度色域を説明する第二の図である。
【図13】追加ポイント座標計算部の処理を説明する図である。
【図14】サンプルポイントの追加を説明する図である。
【図15】総量規制値と追加するサンプルポイント数との対応関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に図1、図2を参照して色予測モデルの作成の概略を説明する。図1は、色予測モデルの作成の概略を説明する第一の図である。図1(A)は色予測モデルの作成を説明する図であり、図1(B)は色予測モデルの一例を示す図である。
【0015】
図1(A)に示すように、色予測モデルは、画像形成装置100から出力されたカラーパッチをコンピュータ101等に接続された測色器102により測定して作成される。
【0016】
カラーパッチは、画像形成装置で作成される。画像形成装置100では、カラーパッチの作成指示を受けて、後述する画像処理部により複数のカラーパッチの画像データを作成し、出力する。
【0017】
出力されたカラーパッチは、測色器102により測色される。測色器は、カラーパッチの標準信号(CIE L*a*b信号)を測色する。測色結果である測色値は、コンピュータ101の有する記憶装置へ格納される。
【0018】
コンピュータ101は、CMYK4チャネルで構成されるCMYK色信号と測色値との関係から色予測モデルを作成する。具体的には、コンピュータ101は、カラーパッチ毎の測色値と、カラーパッチと対応したCMYK色信号におけるCMYKの組み合わせとの対応付けを行って色予測モデルを作成する。色予測モデル作成方法としては、CMYK色信号と、それに対応して出力されたカラーパッチの測色値との関係から学習するニューラルネットワークを用いた方法等がある。尚コンピュータ101は、各カラーパッチに対応したCMYK色信号のCMYKの組み合わせのデータを画像形成装置100から取得しているものとした。
【0019】
本実施形態では、カラーパッチ毎の測色値とCMYKの組み合わせとを対応付けたものを色予測モデルと呼ぶ。例えば図1(B)に示す色予測モデル10では、カラーパッチAの測色値Aと、CMYKの組み合わせ(c1,m1,y1,k1)とが対応付けられており、カラーパッチBの測色値B、CMYKの組み合わせ(c2,m2,y2,k2)とが対応付けられている。色予測モデル10は、コンピュータ101の記憶装置に格納されても良いし、可搬型の記憶媒体に格納されても良い。
【0020】
色予測モデル10は、例えば画像形成装置100の色再現性に係る開発の過程等で、コンピュータ101において参照される。コンピュータ101は、色予測モデル10を参照することにより、コンピュータ101の有する表示装置(図示せず)にRGB値で表現されたRGB画像データが、画像形成装置100でCMYK色信号に変換されて出力された際にどのような色の画像として出力されるかを予測することができる。
【0021】
色予測モデル10において、CMYKの組み合わせパターンの数は、カラーパッチの数に依存する。そこで本実施形態では、特に低明度色域のカラーパッチの数を増加させることで、CMYKの組み合わせパターンの数を増やし、低明度色域においても高精度の色予測を行うことが可能な色予測モデルを作成する。
【0022】
図2は、色予測モデルの作成の概略を説明する第二の図である。図2では、色予測モデルの作成手順を示している。
【0023】
色予測モデルを作成する場合、画像形成装置100において、カラーパッチを作成するためのサンプルポイントを後述する処理により作成する(ステップS21)。続いて画像形成装置100は、装置に設定された総量規制値を取得し(ステップS22)、カラーパッチを作成して出力(印刷)する(ステップS23)。
【0024】
カラーパッチが印刷されると、測色器102により各カラーパッチの測色が行われる(ステップS24)。全てのカラーパッチの色が測色されると、コンピュータ101は、測色値と、このカラーパッチを出力したときの画像形成装置100におけるCMYKの組み合わせと、を対応付けて色予測モデルを作成する(ステップS25)。
【0025】
本実施形態では、色予測モデルの作成の手順におけるカラーパッチの出力に特徴があるため、以下の説明ではカラーパッチを作成して出力する画像形成装置100について説明する。
【0026】
図3は、本実施形態の画像形成装置の構成の概略を説明する図である。本実施形態の画像形成装置100は、色予測モデルの作成の際にカラーパッチの出力(印刷)を行う色予測モデル作成支援装置として機能する。
【0027】
本実施形態の画像形成装置100において、記録紙1は給紙コロ2によって一枚ずつ分離して呼び出され、搬送ローラ対3へと搬送される。搬送ローラ対3は、さらに記録紙1を搬送し、レジストローラ対4へと搬送する。レジストローラ対4は図示しないレジストクラッチによってローラの回転、停止を自在にコントロールできる構成となっている。画像形成装置100は、後述する一連の画像形成プロセスの完了を待つために、一旦レジストローラ対4で記録紙1を停止させる。
【0028】
点線36で囲んだ部分はブラック版の作像ステーションである。感光体11の周りに帯電チャージャ12、露光ビーム13、現像器14、クリーニングブレード15、1次転写チャージャ16が配置されており、一連の作像動作を行うものである。
【0029】
帯電チャージャ12によって一様に帯電された感光体11の表面に対して、図示しない書き込みユニットから露光ビーム13が照射され、感光体上に潜像が形成される。現像器14では前記潜像に対してブラックトナーを現像し、トナー像として可視化させる。さらにトナー像は1次転写チャージャ16によって中間転写ベルト40に転写される。感光体11上に残留したトナーはクリーニングブレード15によって掻き取られる。さらに、再び帯電チャージャ12により帯電され、以降、上述の画像形成動作を繰り返し行う。
【0030】
点線37、38、39で囲んだ部分は、それぞれシアン版、マゼンタ版、イエロー版の作像ステーションであり、ブラック版と同様の動作によって、各版のトナー像を中間転写ベルト40に転写する。さらに、点線35で囲んだ部分は、透明トナー版の作像ステーションであり、その動作は他の色版と同様である。
【0031】
画像形成装置100では、すべての版のトナー像を転写ベルト40に転写させた後に、レジストローラ対4で一旦停止させておいた記録紙1を再搬送させ、2次転写チャージャ41で記録紙上にトナー像を転写させる。次いで記録紙1は、定着装置43に搬送され、熱と圧力によって未定着トナーが定着された後に出力される。
【0032】
中間転写ベルト40上に残存したトナーは、中間転写クリーナ42をベルトに当接させることによって掻き取られる。本実施形態では、透明トナーは、転写ベルト40上では最下層(転写ベルト側)に位置する。このため本実施形態の画像形成装置100では、記録紙1にトナー像を転写する際に、透明トナー以外の色版のトナーが転写ベルト40上にほとんど残存しない。よって色再現域の良い画像を形成できる。
【0033】
次に、図4を参照して本実施形態の画像形成装置100の機能構成を説明する。図4は、本実施形態の画像形成装置の機能構成を説明する図である。
【0034】
本実施形態の画像形成装置100は、例えばネットワーク等を介してコンピュータ等と接続されている。画像形成装置100は、コンピュータの有するプリンタドライバを介してPDL(Printer Descript Language)表記されたプリンタコマンドが画像データと共に出力されると、このプリンタコマンドを受けて画像処理を実行する。
【0035】
本実施形態の画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ120、画像処理部200、プロッタ部300を有する。
【0036】
CPU110は、画像形成装置100全体の制御を司る。メモリ120は、画像形成装置100の処理に必要なデータや設定値等を格納する。画像処理部300は、コンピュータから送信される画像データに対して画像処理を行う。プロッタ部300は、画像処理部200により処理を施された画像データを印刷して出力する。
【0037】
以下に本実施形態の画像処理部200の詳細を説明する。
【0038】
本実施形態の画像処理部200は、展開部210、色分解処理部220、総量規制処理部230、中間調処理部240、サンプルポイント作成部250、サンプルポイント数変更部260を有する。
【0039】
本実施形態の画像処理部200において、展開部210、色分解処理部220、総量規制理部230、中間調処理部240は、従来の画像処理を行う。
【0040】
画像処理部200にRGB画像データが入力されると、展開部210は、メモリ120上にRGBデータとして画像を展開する。色分解処理部220は、メモリ120に展開されたRGBデータをCMYKデータに変換し、総量規制処理部230へ渡す。CMYKデータとは、CトナーによるC版、MトナーによるM版、YトナーによるY版、KトナーによるK版をそれぞれ形成するためのデータであり、0(白)〜255(黒)の値をとるものとする。総量規制処理部230は、設定された総量規制値に基づき、Cトナー、Mトナー、Yトナー、Kトナーそれぞれのトナーの付着量に対して規制を行う。
【0041】
本実施形態の総量規制値は、例えば画像形成装置100の操作パネル等から入力される値である。本実施形態の総量規制値とは、CMYK4色を用いる画像形成装置100において印字に使用できる総トナー量を示すものである。CMYK各色のトナー量は、画像処理部200から出力される色信号で決定される。例えば総量規制値が200%に設定された場合の画像形成装置100のCMY色信号を、それぞれc、m、y、kとし、CMYKの各トナー量をT(c)、T(m)、T(y)、T(k)とすると、印字可能な総トナー量とCMYK各トナー量の関係は以下の式1で表せる。但し、CMYK色信号は各色256階調で、各トナー量は0〜100%の範囲とする。
(T(c)+T(m)+T(y)+T(k))<200% (式1)
尚画像形成装置100のCMYK色信号とトナー量との関係は、作像プロセスや紙へのトナーの付着量等によって異なるが、ここでは簡単のためにCMYK色信号とトナー量との関係が線形であると仮定し、以下の式が成立するものとする。
(トナー量)=(CMYK色信号)×100/255
総量規制処理部230において規制されたCトナー、Mトナー、Yトナー、Kトナーのそれぞれの付着量を示す値は、中間調処理部240へ出力される。
【0042】
中間調処理部240は、総量規制処理部230から出力された各トナーの付着量に基づきディザ処理や誤差拡散処理などの中間調処理を行い、CMYKデータを作成する。そして中間調処理部240は、各版の各画素のドットON/OFF情報をプロッタ部300へ送出する。プロッタ部300は、中間調処理部240から出力されたCMYKデータにしたがって、画像を形成する。
【0043】
サンプルポイント作成部250は、CPU110からカラーパッチの出力指示を受けると、カラーパッチを作成するためのサンプルポイントを作成する。
【0044】
サンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント作成部250で作成されたサンプルポイント数を変更する。具体的にはサンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント数を増やす。サンプルポイント作成部250とサンプルポイント数変更部260の詳細は後述する。
【0045】
以下に図5を参照して本実施形態の画像処理部200の動作について説明する。図5は
本実施形態の画像処理部の動作を説明するフローチャートである。
【0046】
本実施形態の画像処理部200において、サンプルポイント作成部250は、CPU110からカラーパッチの出力指示を受けて(ステップS51)、サンプルポイントを作成する(ステップS52)。次にサンプルポイント数変更部260は、総量規制値に基づき低明度色域のサンプルポイント数の変更を行う(ステップS53)。具体的にはサンプルポイント数変更部260は、低明度色域のサンプルポイント数を追加する。
【0047】
変更後のサンプルポイントが示すRGB画像データは、色分解処理部220へ入力され、上述した従来の色分解処理が行われる(ステップS54)。次に総量規制処理部230により上述した従来の総量規制処理が行われる(ステップS55)。次に中間調処理部250により上述した従来の中間調処理が行われ、カラーパッチを印刷するためのCMYK色信号がプロッタ部300へ出力される(ステップS56)。
【0048】
プロッタ部300では、受け取ったCMKY色信号に基づき画像形成を行い、カラーパッチを印刷する。
【0049】
本実施形態において、カラーパッチの出力指示を受けるときとは、例えば画像形成装置100が管理者等の特定ユーザによりメンテナンスされるときや、画像形成装置100の工場出荷時等である。カラーパッチの出力指示は、例えば画像形成装置100のシステム管理者等の特定ユーザが操作パネル等の操作により行っても良い。
【0050】
以下に本実施形態のサンプルポイント作成部250とサンプルポイント数変更部260について説明する。
【0051】
本実施形態のサンプルポイント作成部250は、標準的な色空間であるsRGB等の色空間で定義されるRGB3チャネル各色8ビットのカラー画像信号を、一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを自動で作成する。例えばサンプルポイント作成部250は、RGBの各チャネルを9ステップ(0、32、64、96、128、160、192、224、255)でサンプリングした全組み合わせ(93=729)をカラーパッチ作成用のサンプルポイントとして記録する。
【0052】
図6は、サンプルポイント作成部の処理を説明する図である。
【0053】
サンプルポイントは、RGB色空間でRGB3チャネルを数ステップでサンプリングすることで得られる。図6では、RGB3チャネルを9ステップ(0、32、64、96、128、160、192、224、255)でサンプリングした場合のサンプルポイントをRGB色空間に示している。
【0054】
RGB3チャネルで作成されたサンプルポイントは、最終的にはCMYK4チャネルのCMYK色信号(出力データ)に変換される。プロッタ部300は、このCMYK色信号に基づいてカラーパッチが出力される。すなわち本実施形態のサンプルポイントは、出力されるカラーパッチを決定するために用いられる値であり、サンプルポイント数はカラーパッチの数と同じである。よって、サンプルポイント数を増やすことで、カラーパッチの数を増やすことができる。
【0055】
図6では、RGB色空間にある各格子点のRGBデータがサンプルポイントとなる。図6では、93=729個のカラーパッチ用のサンプルポイントが得られる。尚ここでは簡単のために、RGBともに0〜100%の値をとるものとし、K(黒)はRGBとも0%の点であり、点Kから頂点R、G、Bへの辺はそれぞれ各要素の値が0〜100%まで変化する点列である。頂点C(シアン)は、B=G=100%の点とし、M(マゼンタ)はR=B=100%の点とし、Y(イエロー)はR=G=100%の点とした。本実施形態のサンプルポイント作成部250は、以上のようにしてサンプルポイントを作成する。
【0056】
次にサンプルポイント数変更部260について説明する。
【0057】
図7は、サンプルポイント数変更部の機能構成を示す図である。本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、総量規制値取得部261、低明度色域決定部262、追加ポイント座標計算部263、追加判定部264、サンプルポイント追加部265を有する。
【0058】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント作成部250で作成されたRGB3チャネルで構成されるサンプルポイントのデータを、サンプルポイント数を増やすように変更する。本実施形態では、サンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント数の変更の際に、トナーを多く要する色、特に黒色に近い低明度色域のサンプルポイント数の割合が総量規制値に応じて変化するように変更する。
【0059】
総量規制値取得部261は、総量規制処理部230に設定された総量規制値を取得する。低明度色域決定部262は、取得した総量規制値に応じて、RGB色空間における低明度色域の範囲を決定する。追加ポイント座標計算部263は、サンプルポイント作成部250により作成されたサンプルポイントを用いて、追加されるサンプルポイントの候補となる点の座標を計算する。追加判定部264は、低明度色域決定部262により決定された低明度色域に基づき、追加ポイント座標計算部263により計算された座標の点をサンプルポイントとして追加するか否かを判定する。サンプルポイント追加部265は、追加判定部264によりサンプルポイントとして追加すると判定された点をサンプルポイントサンプルポイントデータに追加する。
【0060】
以下に図8を参照してサンプルポイント数変更部260の処理を説明する。図8は、サンプルポイント数変更部の処理を説明するフローチャートである。図8は、図5のステップS53の処理を詳細に示したものである。
【0061】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、サンプルポイントが作成されると、総量規制値取得部261により、総量規制処理部230に設定された総量規制値を読み込んで取得する(ステップS81)。本実施形態の総量規制値は、例えばカラーパッチの出力を行う際に操作パネル等から入力されても良い。図9は、総量規制値の入力画面の一例を示す図である。本実施形態の画像形成装置100では、例えばカラーパッチの出力指示が成されると、操作パネルに入力画面90を表示させ、入力された総量規制値を総量規制処理部230に設定しても良い。また本実施形態では、総量規制値が入力されたとき、総量規制処理部230とサンプルポイント数変更部260へ入力された総量規制値を設定しても良い。
【0062】
続いてサンプルポイント数変更部260は、低明度色域決定部262により、RGB色空間における低明度色域を決定する。以下に図10乃至12を参照して低明度色域の決定について説明する。
【0063】
図10は、サンプルポイントと総量規制値との関係を説明する図である。図10は、図6に示すRGB色空間の面61、62、63を展開した図である。通常C,M,Yの各単色の最高彩度色を出力する場合、C,M,Yの各トナーを100%必要とし、レッド、グリーン、ブルーの各色相で最高彩度色を出力する際には、C,M,Yの各トナーの何れか2色を100%(2色×100%=200%)必要とする。
【0064】
また、明度が最も低い色であるKを出力する際には、CMYK4色のトナーの組み合わせで出力されるが、ここでは簡単のためにKの出力にはKのトナーを含まないCMY各トナーを100%(2色×100%=300%)使用するものと仮定する。更に、C,M,Yの各点から、R,G,Bの各点を通り、K点までを結ぶ各辺において、CMY3色のトナーの総量値が線形に変化するものとした。
【0065】
図10において、例えば総量規制値として300%が入力された場合、RGB色空間上で予め与えられたサンプルポイントに対応するカラーパッチは全て出力することが可能である。
【0066】
しかし、入力された総量規制値が300%未満である場合、K付近の低明度色域の色を出力する際に、印字に必要なトナーの総量が総量規制値を超える。このような色は、CMYK色信号と出力された測色値の対応関係が複雑になるため、色予測モデルに基づいて正確に色予測をすることが難しくなる。
【0067】
また、総量規制値が低くなると、CIEL*a*b色空間で画像形成装置100の色再現域(色域)を定義する際に、低明度側の色域外郭付近の形状が凸凹になり、他の部分に比べ予測精度が低くなる。この凸凹部分を正確に色予測するには、凸凹部分の色域に相当するカラーパッチを多く用意し、非線形性が強い凸凹をより正確に記述(色予測)することが望ましい。
【0068】
本実施形態では、RGB色空間において総量規制値を超える領域を低明度色域とし、低明度色域におけるサンプルポイント数を増やすことにより、低明度色域のカラーパッチの数を増加させ、予測精度を向上させる。
【0069】
また通常、RGB色空間からCMYK色空間への色変換処理をどのように行うかは、各画像形成装置やプリンタエンジン毎に異なる。このため同じ色(デバイス独立信号L*a*b)を再現しようとした場合でも、各画像形成装置やプリンタエンジン毎にCMYKの組み合わせが異なる。そこで本実施形態では、上記の特性を無視することができるRGB色空間上で低明度色域を定義し、低明度色域のサンプルポイント数を増やして低明度色域のカラーパッチの数を増加させる。本実施形態では、この構成により、色予測を行う際に上記特性に関わりなく低明度色域の色がどのようなRGB値の組み合わせであるかを容易に把握することができる。
【0070】
以下に図11、12を参照して低明度色域について説明する。図11は、低明度色域を説明する第一の図である。
【0071】
本実施形態では、RGB色空間でトナーの総量値が、総量規制値取得部261により取得された総量規制値を超えるような領域を低明度色域とする。
【0072】
本実施形態では、低明度色域決定部262は、入力された総量規制値と、図10で示されるRGB色空間の面61、62、63との交点を計算し、各面での交点とK点とを結んだ線で囲まれる領域を低明度色域とする。
【0073】
例えば、取得した総量規制値が250%である場合、低明度色域決定部262は、図10の面61、62、63において、四角印でマークされた点とK点を結んだ線で囲まれる領域61A、62A、63Aを低明度色域とする。
【0074】
同様に総量規制値が200%の場合では、低明度色域決定部262は、丸印でマークされた点とK点を結んだ線で囲まれる領域61B、62B、63Bと領域61A、62A、63Aとを低明度色域とする。また総量規制値が150%の場合では、低明度色域決定部262は、三角印でマークされた点とK点を結んだ線で囲まれる領域61C、62C、63と領域61B、62B、63Bと領域61A、62A、63Aとを低明度色域とする。
【0075】
図12は、低明度色域を説明する第二の図である。図12では、図11で総量規制値に応じてマークされた点とK点を結んだ線で囲まれた領域(低明度色域)をRGB色空間上で示している。左から、入力される総量規制値が250%、200%、150%の場合の低明度色域を示している。トナー量を多く必要とするカラーパッチは、K点を中心とした低明度域に集中するため、入力される総量規制値が小さくなるに従い、低明度色域とされる領域がK点を中心に広がるようにしている。
【0076】
尚本実施形態では、総量規制値が入力される毎に低明度色域決定部262による低明度色域の決定を行ってもよいが、予め総量規制値と低明度色域の関係をLUT(Look Up Table)として記憶してメモリ120に記憶していても良い。この場合、低明度色域決定部262は、LUTを参照するだけで低明度色域を決定でき、計算の手間を省略することができる。また本実施形態では、総量規制値として入力が可能な値を最大で300%、最小で100%までとした。
【0077】
図8に戻って、ステップS82で低明度色域が決定されると、追加ポイント座標計算部263は、追加されるサンプルポイントの候補となる点の座標を計算する(ステップS83)。
【0078】
以下に図13を参照して、追加ポイント座標計算部263の詳細を説明する。図13は、追加ポイント座標計算部の処理を説明する図である。
【0079】
図13(A)は、取得した総量規制値が250%の場合のRGB色空間における低明度色域を示しており、図13(B)は、図13(A)に示すRGB色空間のサンプルポイントのうち、K点を含むK点近傍の8つの格子点で形成される立方体(図13(A)中の破線円で囲まれた部分)を拡大したものである。
【0080】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、図13(A)に示す低明度色域Sに対してサンプルポイント数の変更を行い、それ以外の領域に対しては何も変更しない。
【0081】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、追加ポイント座標計算部263により、作成されたサンプルポイントにおいて、隣り合う8点から形成される立方体の中心点の座標値を計算する。この立方体の中心点は、サンプルポイントに新たに追加される点の候補となる。
【0082】
追加ポイント座標計算部263は、例えば立方体131の中心点Pの座標値を新たなサンプルポイントの候補として計算する。図13において、立方体131は、K点近傍8点(R,G,B)=(0,0,0)、(32,0,0)、(0,32,0)、(0,0,32)、(32,32,0)、(32,0,32)、(0,32,32)、(32,32,32)により表される。点Pは、立方体131の中心点であるから、点Pの座標値(R,G,B)=(16,16,16)となる。
【0083】
図8に戻って、ステップS83においてRGB色空間に含まれる立方体の中心点の座標が算出されると、続いて追加判定部264は、中心点が低明度色域内に含まれるか否かを判定する(ステップS84)。ステップS84において中心点が低明度色域内に含まれると判定されると、サンプルポイント追加部265は、該当する中心点のRGB値をサンプルポイント作成部250により作成されたサンプルポイントに追加する(ステップS85)。
【0084】
ステップS84において、中心点の座標値が低明度色域でない場合、後述するステップS86へ進む。
【0085】
以下に図14を参照してサンプルポイント追加部265によるサンプルポイントの追加ついて説明する。図14は、サンプルポイントの追加を説明する図である。
【0086】
図14(A)は、総量規制値が250%と入力された場合のRGB色空間における低明度色域を示している。図14(B)は、低明度色域でサンプルポイントを追加した時のRGB色空間において、左から順にRが16、48、80、112のBG平面をそれぞれ示したものである。
【0087】
サンプルポイント作成部250が作成したサンプルポイントで、隣り合う8点から形成される立方体の中心点が低明度色域に含まれる場合、立方体の中心点がサンプルポイントとして追加される。
【0088】
例えばR=16のBG面では、6つの立方体の中心点が低明度色域に含まれる。またR=48のBG面では、3つの立方体の中心点が低明度色域に含まれ、またR=80のBG面では、1つの立方体の中心点が低明度色域に含まれる。そしてR=112のBG面では、低明度色域に含まれる立方体は存在しない。
【0089】
よって総量規制値が250%の場合では、サンプルポイントの数は予め与えられた729個に新たに10個が追加され、合計739個に変更される。
【0090】
図8に戻って、続いてサンプルポイント数変更部260は、RGB色空間に含まれる全ての立方体について、ステップS83以降の処理が行われたか否かを判断する(ステップS86)。ステップS86において全ての立方体に処理が行われたと判断されると、サンプルポイント数変更部260は処理を終了する。ステップS86において全ての立方体について処理が終了していない場合、サンプルポイント数変更部260は、ステップS83へ戻る。
【0091】
尚本実施形態では、総量規制値が入力されてから立方体の中心点の座標値を計算する構成としたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、総量規制値とサンプルポイント作成部250において作成されるサンプルポイント数に応じて、追加される立方体の中心点のRGB座標値を予め計算し、その対応関係をLUTとしてメモリ120に記憶させても良い。この場合、サンプルポイント追加部265は、このLUTを参照してサンプルポイントを追加すれば良く、追加ポイント座標計算部263と追加判定部264の処理を省略することができる。
【0092】
総量規制値と追加するサンプルポイント数との対応関係は、例えば図15のように示すことができる。図15は、総量規制値と追加するサンプルポイント数との対応関係の一例を示す図である。
【0093】
図15では、サンプルポイント生成部250でRGBの各色を9ステップでサンプリングした場合であり、サンプルポイント数が修正される前のサンプルポイント数は729個である。図15の例では、例えば入力される総量規制値が300%、200%、100%の場合のサンプルポイント追加後のサンプルポイント数は、それぞれ、729(=729+0)、813(=729+84)、1157(=729+428)となる。
【0094】
ここで追加されるサンプルポイントは、全て低明度色域内に追加されるものである。よって本実施形態では、総量規制値が小さい場合でも、低明度色域のカラーパッチに相当するサンプルポイント数の割合を、低明度色域外のサンプルポイント数よりも増やすことができ、低明度色域での色予測精度を向上させることが可能となる。
【0095】
以上に説明したように、本実施形態では、入力される総量規制に応じて低明度色域に新たなサンプルポイントを追加する処理を行う。そして新たな点が追加されたサンプルポイントに基づきカラーパッチを出力、測色し、色予測モデルを作成する。本実施形態では、この構成により、デバイスの独立信号であるCIEL*a*b色空間上で画像形成装置100の色再現域(色域)を見たときに、低明度側の色域外郭付近だけでなく低明度色域の内部もより正確に色予測することが可能となる。
【0096】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0097】
100 画像形成装置
110 CPU
120 メモリ
200 画像処理部
250 サンプルポイント作成部
260 サンプルポイント数変更部
261 総量規制値取得部
262 低明度色域決定部
263 追加ポイント座標計算部
264 追加判定部
265 サンプルポイント追加部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2004−147257号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置、色予測モデル作成支援方法及び色予測モデル生成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像を扱う分野では、ディスプレイ等の表示装置で表示される色を忠実に画像形成装置で出力することが重要視されている。これを実現するために、画像形成装置の開発の過程等において、色予測モデルを構築し、この色予測モデルによりディスプレイ等で表示された色を画像形成装置で出力した際の色を予測する色予測技術が既に知られている。色予測モデルとは、様々な組み合わせのCMYK色信号に対応するカラーパッチを画像形成装置から出力し、各カラーパッチのデバイスに依存しない独立信号(CIE L*a*b、XYZ)を測色した測色値を、CMYK色信号の組み合わせとを対応付けたものである。
【0003】
色予測を行う技術では、できるだけ多くのカラーパッチを出力し、多数の測色値とCMYK色信号との組み合わせに基づき色予測をすることが望ましい。しかしながら、カラーパッチの数を増やせば測色に係る負担も大きくなる。また画像形成装置で印字可能なトナー総量の総量規制値が設定されており、使用可能な最大トナー量が規制されている。総量規制値が少なく設定されている場合、使用できるトナーの総量が少なくなるため、トナーを多く要する色、特に黒色に近い低明度の色域では多数のカラーパッチを出力することが困難となる。また低明度の色域では、CMYKのトナー像が中間転写体や記録媒体(用紙)へ転写される際に、一部のトナーが転写されずに転写元に残り、トナーが安定して転写されない場合がある。
【0004】
これらの事情により、低明度の色域で形成される画像は、色予測モデルにおけるCMKY色信号と測色値との対応関係もよりも、実際に形成された画像の色合いが複雑になり、高精度の色予測が困難である。
【0005】
このような低明度の色域を高精度に予測するためには、総量規制値を考慮した上で、低明度の色域に相当するカラーパッチを多く用意する必要がある。例えば特許文献1には、総量規制を超えて、かつ色域外郭付近に相当するデバイス色信号に対して、総量規制を超えないように各色成分を修正し、色域外郭付近に位置するように出力値を求めることが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の総量規制を考慮した修正方法では、総量規制値が小さい時でも低明度の色域のカラーパッチ数は固定値であるため、依然として低明度の色域に対する色予測の精度が低いという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてこれを解決するために成されたものであり、低明度色域に対する色予測の精度を向上させることが可能な色予測モデル生成支援装置、色予測モデル作成支援方法及び色予測モデル生成支援プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の如き構成を採用した。
【0009】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置であって、RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手段と、当該色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手段と、前記サンプルポイント数変更手段により変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手段と、を有する。
【0010】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置による色予測モデル作成支援方法であって、RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手順と、前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手順と、前記サンプルポイント数変更手順において変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手順と、を有する。
【0011】
本発明は、複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置において実行される色予測モデル作成支援プログラムであって、前記色予測モデル作成支援装置に、RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成ステップと、前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更ステップと、前記サンプルポイント数変更ステップにおいて変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低明度域の色に対する色予測の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】色予測モデルの作成の概略を説明する第一の図である。
【図2】色予測モデルの作成の概略を説明する第二の図である。
【図3】本実施形態の画像形成装置の構成の概略を説明する図である。
【図4】本実施形態の画像形成装置の機能構成を説明する図である
【図5】本実施形態の画像処理部の動作を説明するフローチャートである。
【図6】サンプルポイント作成部の処理を説明する図である。
【図7】サンプルポイント数変更部の機能構成を示す図である。
【図8】サンプルポイント数変更部の処理を説明するフローチャートである。
【図9】総量規制値の入力画面の一例を示す図である。
【図10】サンプルポイントと総量規制値との関係を説明する図である。
【図11】低明度色域を説明する第一の図である。
【図12】低明度色域を説明する第二の図である。
【図13】追加ポイント座標計算部の処理を説明する図である。
【図14】サンプルポイントの追加を説明する図である。
【図15】総量規制値と追加するサンプルポイント数との対応関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に図1、図2を参照して色予測モデルの作成の概略を説明する。図1は、色予測モデルの作成の概略を説明する第一の図である。図1(A)は色予測モデルの作成を説明する図であり、図1(B)は色予測モデルの一例を示す図である。
【0015】
図1(A)に示すように、色予測モデルは、画像形成装置100から出力されたカラーパッチをコンピュータ101等に接続された測色器102により測定して作成される。
【0016】
カラーパッチは、画像形成装置で作成される。画像形成装置100では、カラーパッチの作成指示を受けて、後述する画像処理部により複数のカラーパッチの画像データを作成し、出力する。
【0017】
出力されたカラーパッチは、測色器102により測色される。測色器は、カラーパッチの標準信号(CIE L*a*b信号)を測色する。測色結果である測色値は、コンピュータ101の有する記憶装置へ格納される。
【0018】
コンピュータ101は、CMYK4チャネルで構成されるCMYK色信号と測色値との関係から色予測モデルを作成する。具体的には、コンピュータ101は、カラーパッチ毎の測色値と、カラーパッチと対応したCMYK色信号におけるCMYKの組み合わせとの対応付けを行って色予測モデルを作成する。色予測モデル作成方法としては、CMYK色信号と、それに対応して出力されたカラーパッチの測色値との関係から学習するニューラルネットワークを用いた方法等がある。尚コンピュータ101は、各カラーパッチに対応したCMYK色信号のCMYKの組み合わせのデータを画像形成装置100から取得しているものとした。
【0019】
本実施形態では、カラーパッチ毎の測色値とCMYKの組み合わせとを対応付けたものを色予測モデルと呼ぶ。例えば図1(B)に示す色予測モデル10では、カラーパッチAの測色値Aと、CMYKの組み合わせ(c1,m1,y1,k1)とが対応付けられており、カラーパッチBの測色値B、CMYKの組み合わせ(c2,m2,y2,k2)とが対応付けられている。色予測モデル10は、コンピュータ101の記憶装置に格納されても良いし、可搬型の記憶媒体に格納されても良い。
【0020】
色予測モデル10は、例えば画像形成装置100の色再現性に係る開発の過程等で、コンピュータ101において参照される。コンピュータ101は、色予測モデル10を参照することにより、コンピュータ101の有する表示装置(図示せず)にRGB値で表現されたRGB画像データが、画像形成装置100でCMYK色信号に変換されて出力された際にどのような色の画像として出力されるかを予測することができる。
【0021】
色予測モデル10において、CMYKの組み合わせパターンの数は、カラーパッチの数に依存する。そこで本実施形態では、特に低明度色域のカラーパッチの数を増加させることで、CMYKの組み合わせパターンの数を増やし、低明度色域においても高精度の色予測を行うことが可能な色予測モデルを作成する。
【0022】
図2は、色予測モデルの作成の概略を説明する第二の図である。図2では、色予測モデルの作成手順を示している。
【0023】
色予測モデルを作成する場合、画像形成装置100において、カラーパッチを作成するためのサンプルポイントを後述する処理により作成する(ステップS21)。続いて画像形成装置100は、装置に設定された総量規制値を取得し(ステップS22)、カラーパッチを作成して出力(印刷)する(ステップS23)。
【0024】
カラーパッチが印刷されると、測色器102により各カラーパッチの測色が行われる(ステップS24)。全てのカラーパッチの色が測色されると、コンピュータ101は、測色値と、このカラーパッチを出力したときの画像形成装置100におけるCMYKの組み合わせと、を対応付けて色予測モデルを作成する(ステップS25)。
【0025】
本実施形態では、色予測モデルの作成の手順におけるカラーパッチの出力に特徴があるため、以下の説明ではカラーパッチを作成して出力する画像形成装置100について説明する。
【0026】
図3は、本実施形態の画像形成装置の構成の概略を説明する図である。本実施形態の画像形成装置100は、色予測モデルの作成の際にカラーパッチの出力(印刷)を行う色予測モデル作成支援装置として機能する。
【0027】
本実施形態の画像形成装置100において、記録紙1は給紙コロ2によって一枚ずつ分離して呼び出され、搬送ローラ対3へと搬送される。搬送ローラ対3は、さらに記録紙1を搬送し、レジストローラ対4へと搬送する。レジストローラ対4は図示しないレジストクラッチによってローラの回転、停止を自在にコントロールできる構成となっている。画像形成装置100は、後述する一連の画像形成プロセスの完了を待つために、一旦レジストローラ対4で記録紙1を停止させる。
【0028】
点線36で囲んだ部分はブラック版の作像ステーションである。感光体11の周りに帯電チャージャ12、露光ビーム13、現像器14、クリーニングブレード15、1次転写チャージャ16が配置されており、一連の作像動作を行うものである。
【0029】
帯電チャージャ12によって一様に帯電された感光体11の表面に対して、図示しない書き込みユニットから露光ビーム13が照射され、感光体上に潜像が形成される。現像器14では前記潜像に対してブラックトナーを現像し、トナー像として可視化させる。さらにトナー像は1次転写チャージャ16によって中間転写ベルト40に転写される。感光体11上に残留したトナーはクリーニングブレード15によって掻き取られる。さらに、再び帯電チャージャ12により帯電され、以降、上述の画像形成動作を繰り返し行う。
【0030】
点線37、38、39で囲んだ部分は、それぞれシアン版、マゼンタ版、イエロー版の作像ステーションであり、ブラック版と同様の動作によって、各版のトナー像を中間転写ベルト40に転写する。さらに、点線35で囲んだ部分は、透明トナー版の作像ステーションであり、その動作は他の色版と同様である。
【0031】
画像形成装置100では、すべての版のトナー像を転写ベルト40に転写させた後に、レジストローラ対4で一旦停止させておいた記録紙1を再搬送させ、2次転写チャージャ41で記録紙上にトナー像を転写させる。次いで記録紙1は、定着装置43に搬送され、熱と圧力によって未定着トナーが定着された後に出力される。
【0032】
中間転写ベルト40上に残存したトナーは、中間転写クリーナ42をベルトに当接させることによって掻き取られる。本実施形態では、透明トナーは、転写ベルト40上では最下層(転写ベルト側)に位置する。このため本実施形態の画像形成装置100では、記録紙1にトナー像を転写する際に、透明トナー以外の色版のトナーが転写ベルト40上にほとんど残存しない。よって色再現域の良い画像を形成できる。
【0033】
次に、図4を参照して本実施形態の画像形成装置100の機能構成を説明する。図4は、本実施形態の画像形成装置の機能構成を説明する図である。
【0034】
本実施形態の画像形成装置100は、例えばネットワーク等を介してコンピュータ等と接続されている。画像形成装置100は、コンピュータの有するプリンタドライバを介してPDL(Printer Descript Language)表記されたプリンタコマンドが画像データと共に出力されると、このプリンタコマンドを受けて画像処理を実行する。
【0035】
本実施形態の画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)110、メモリ120、画像処理部200、プロッタ部300を有する。
【0036】
CPU110は、画像形成装置100全体の制御を司る。メモリ120は、画像形成装置100の処理に必要なデータや設定値等を格納する。画像処理部300は、コンピュータから送信される画像データに対して画像処理を行う。プロッタ部300は、画像処理部200により処理を施された画像データを印刷して出力する。
【0037】
以下に本実施形態の画像処理部200の詳細を説明する。
【0038】
本実施形態の画像処理部200は、展開部210、色分解処理部220、総量規制処理部230、中間調処理部240、サンプルポイント作成部250、サンプルポイント数変更部260を有する。
【0039】
本実施形態の画像処理部200において、展開部210、色分解処理部220、総量規制理部230、中間調処理部240は、従来の画像処理を行う。
【0040】
画像処理部200にRGB画像データが入力されると、展開部210は、メモリ120上にRGBデータとして画像を展開する。色分解処理部220は、メモリ120に展開されたRGBデータをCMYKデータに変換し、総量規制処理部230へ渡す。CMYKデータとは、CトナーによるC版、MトナーによるM版、YトナーによるY版、KトナーによるK版をそれぞれ形成するためのデータであり、0(白)〜255(黒)の値をとるものとする。総量規制処理部230は、設定された総量規制値に基づき、Cトナー、Mトナー、Yトナー、Kトナーそれぞれのトナーの付着量に対して規制を行う。
【0041】
本実施形態の総量規制値は、例えば画像形成装置100の操作パネル等から入力される値である。本実施形態の総量規制値とは、CMYK4色を用いる画像形成装置100において印字に使用できる総トナー量を示すものである。CMYK各色のトナー量は、画像処理部200から出力される色信号で決定される。例えば総量規制値が200%に設定された場合の画像形成装置100のCMY色信号を、それぞれc、m、y、kとし、CMYKの各トナー量をT(c)、T(m)、T(y)、T(k)とすると、印字可能な総トナー量とCMYK各トナー量の関係は以下の式1で表せる。但し、CMYK色信号は各色256階調で、各トナー量は0〜100%の範囲とする。
(T(c)+T(m)+T(y)+T(k))<200% (式1)
尚画像形成装置100のCMYK色信号とトナー量との関係は、作像プロセスや紙へのトナーの付着量等によって異なるが、ここでは簡単のためにCMYK色信号とトナー量との関係が線形であると仮定し、以下の式が成立するものとする。
(トナー量)=(CMYK色信号)×100/255
総量規制処理部230において規制されたCトナー、Mトナー、Yトナー、Kトナーのそれぞれの付着量を示す値は、中間調処理部240へ出力される。
【0042】
中間調処理部240は、総量規制処理部230から出力された各トナーの付着量に基づきディザ処理や誤差拡散処理などの中間調処理を行い、CMYKデータを作成する。そして中間調処理部240は、各版の各画素のドットON/OFF情報をプロッタ部300へ送出する。プロッタ部300は、中間調処理部240から出力されたCMYKデータにしたがって、画像を形成する。
【0043】
サンプルポイント作成部250は、CPU110からカラーパッチの出力指示を受けると、カラーパッチを作成するためのサンプルポイントを作成する。
【0044】
サンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント作成部250で作成されたサンプルポイント数を変更する。具体的にはサンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント数を増やす。サンプルポイント作成部250とサンプルポイント数変更部260の詳細は後述する。
【0045】
以下に図5を参照して本実施形態の画像処理部200の動作について説明する。図5は
本実施形態の画像処理部の動作を説明するフローチャートである。
【0046】
本実施形態の画像処理部200において、サンプルポイント作成部250は、CPU110からカラーパッチの出力指示を受けて(ステップS51)、サンプルポイントを作成する(ステップS52)。次にサンプルポイント数変更部260は、総量規制値に基づき低明度色域のサンプルポイント数の変更を行う(ステップS53)。具体的にはサンプルポイント数変更部260は、低明度色域のサンプルポイント数を追加する。
【0047】
変更後のサンプルポイントが示すRGB画像データは、色分解処理部220へ入力され、上述した従来の色分解処理が行われる(ステップS54)。次に総量規制処理部230により上述した従来の総量規制処理が行われる(ステップS55)。次に中間調処理部250により上述した従来の中間調処理が行われ、カラーパッチを印刷するためのCMYK色信号がプロッタ部300へ出力される(ステップS56)。
【0048】
プロッタ部300では、受け取ったCMKY色信号に基づき画像形成を行い、カラーパッチを印刷する。
【0049】
本実施形態において、カラーパッチの出力指示を受けるときとは、例えば画像形成装置100が管理者等の特定ユーザによりメンテナンスされるときや、画像形成装置100の工場出荷時等である。カラーパッチの出力指示は、例えば画像形成装置100のシステム管理者等の特定ユーザが操作パネル等の操作により行っても良い。
【0050】
以下に本実施形態のサンプルポイント作成部250とサンプルポイント数変更部260について説明する。
【0051】
本実施形態のサンプルポイント作成部250は、標準的な色空間であるsRGB等の色空間で定義されるRGB3チャネル各色8ビットのカラー画像信号を、一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを自動で作成する。例えばサンプルポイント作成部250は、RGBの各チャネルを9ステップ(0、32、64、96、128、160、192、224、255)でサンプリングした全組み合わせ(93=729)をカラーパッチ作成用のサンプルポイントとして記録する。
【0052】
図6は、サンプルポイント作成部の処理を説明する図である。
【0053】
サンプルポイントは、RGB色空間でRGB3チャネルを数ステップでサンプリングすることで得られる。図6では、RGB3チャネルを9ステップ(0、32、64、96、128、160、192、224、255)でサンプリングした場合のサンプルポイントをRGB色空間に示している。
【0054】
RGB3チャネルで作成されたサンプルポイントは、最終的にはCMYK4チャネルのCMYK色信号(出力データ)に変換される。プロッタ部300は、このCMYK色信号に基づいてカラーパッチが出力される。すなわち本実施形態のサンプルポイントは、出力されるカラーパッチを決定するために用いられる値であり、サンプルポイント数はカラーパッチの数と同じである。よって、サンプルポイント数を増やすことで、カラーパッチの数を増やすことができる。
【0055】
図6では、RGB色空間にある各格子点のRGBデータがサンプルポイントとなる。図6では、93=729個のカラーパッチ用のサンプルポイントが得られる。尚ここでは簡単のために、RGBともに0〜100%の値をとるものとし、K(黒)はRGBとも0%の点であり、点Kから頂点R、G、Bへの辺はそれぞれ各要素の値が0〜100%まで変化する点列である。頂点C(シアン)は、B=G=100%の点とし、M(マゼンタ)はR=B=100%の点とし、Y(イエロー)はR=G=100%の点とした。本実施形態のサンプルポイント作成部250は、以上のようにしてサンプルポイントを作成する。
【0056】
次にサンプルポイント数変更部260について説明する。
【0057】
図7は、サンプルポイント数変更部の機能構成を示す図である。本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、総量規制値取得部261、低明度色域決定部262、追加ポイント座標計算部263、追加判定部264、サンプルポイント追加部265を有する。
【0058】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント作成部250で作成されたRGB3チャネルで構成されるサンプルポイントのデータを、サンプルポイント数を増やすように変更する。本実施形態では、サンプルポイント数変更部260は、サンプルポイント数の変更の際に、トナーを多く要する色、特に黒色に近い低明度色域のサンプルポイント数の割合が総量規制値に応じて変化するように変更する。
【0059】
総量規制値取得部261は、総量規制処理部230に設定された総量規制値を取得する。低明度色域決定部262は、取得した総量規制値に応じて、RGB色空間における低明度色域の範囲を決定する。追加ポイント座標計算部263は、サンプルポイント作成部250により作成されたサンプルポイントを用いて、追加されるサンプルポイントの候補となる点の座標を計算する。追加判定部264は、低明度色域決定部262により決定された低明度色域に基づき、追加ポイント座標計算部263により計算された座標の点をサンプルポイントとして追加するか否かを判定する。サンプルポイント追加部265は、追加判定部264によりサンプルポイントとして追加すると判定された点をサンプルポイントサンプルポイントデータに追加する。
【0060】
以下に図8を参照してサンプルポイント数変更部260の処理を説明する。図8は、サンプルポイント数変更部の処理を説明するフローチャートである。図8は、図5のステップS53の処理を詳細に示したものである。
【0061】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、サンプルポイントが作成されると、総量規制値取得部261により、総量規制処理部230に設定された総量規制値を読み込んで取得する(ステップS81)。本実施形態の総量規制値は、例えばカラーパッチの出力を行う際に操作パネル等から入力されても良い。図9は、総量規制値の入力画面の一例を示す図である。本実施形態の画像形成装置100では、例えばカラーパッチの出力指示が成されると、操作パネルに入力画面90を表示させ、入力された総量規制値を総量規制処理部230に設定しても良い。また本実施形態では、総量規制値が入力されたとき、総量規制処理部230とサンプルポイント数変更部260へ入力された総量規制値を設定しても良い。
【0062】
続いてサンプルポイント数変更部260は、低明度色域決定部262により、RGB色空間における低明度色域を決定する。以下に図10乃至12を参照して低明度色域の決定について説明する。
【0063】
図10は、サンプルポイントと総量規制値との関係を説明する図である。図10は、図6に示すRGB色空間の面61、62、63を展開した図である。通常C,M,Yの各単色の最高彩度色を出力する場合、C,M,Yの各トナーを100%必要とし、レッド、グリーン、ブルーの各色相で最高彩度色を出力する際には、C,M,Yの各トナーの何れか2色を100%(2色×100%=200%)必要とする。
【0064】
また、明度が最も低い色であるKを出力する際には、CMYK4色のトナーの組み合わせで出力されるが、ここでは簡単のためにKの出力にはKのトナーを含まないCMY各トナーを100%(2色×100%=300%)使用するものと仮定する。更に、C,M,Yの各点から、R,G,Bの各点を通り、K点までを結ぶ各辺において、CMY3色のトナーの総量値が線形に変化するものとした。
【0065】
図10において、例えば総量規制値として300%が入力された場合、RGB色空間上で予め与えられたサンプルポイントに対応するカラーパッチは全て出力することが可能である。
【0066】
しかし、入力された総量規制値が300%未満である場合、K付近の低明度色域の色を出力する際に、印字に必要なトナーの総量が総量規制値を超える。このような色は、CMYK色信号と出力された測色値の対応関係が複雑になるため、色予測モデルに基づいて正確に色予測をすることが難しくなる。
【0067】
また、総量規制値が低くなると、CIEL*a*b色空間で画像形成装置100の色再現域(色域)を定義する際に、低明度側の色域外郭付近の形状が凸凹になり、他の部分に比べ予測精度が低くなる。この凸凹部分を正確に色予測するには、凸凹部分の色域に相当するカラーパッチを多く用意し、非線形性が強い凸凹をより正確に記述(色予測)することが望ましい。
【0068】
本実施形態では、RGB色空間において総量規制値を超える領域を低明度色域とし、低明度色域におけるサンプルポイント数を増やすことにより、低明度色域のカラーパッチの数を増加させ、予測精度を向上させる。
【0069】
また通常、RGB色空間からCMYK色空間への色変換処理をどのように行うかは、各画像形成装置やプリンタエンジン毎に異なる。このため同じ色(デバイス独立信号L*a*b)を再現しようとした場合でも、各画像形成装置やプリンタエンジン毎にCMYKの組み合わせが異なる。そこで本実施形態では、上記の特性を無視することができるRGB色空間上で低明度色域を定義し、低明度色域のサンプルポイント数を増やして低明度色域のカラーパッチの数を増加させる。本実施形態では、この構成により、色予測を行う際に上記特性に関わりなく低明度色域の色がどのようなRGB値の組み合わせであるかを容易に把握することができる。
【0070】
以下に図11、12を参照して低明度色域について説明する。図11は、低明度色域を説明する第一の図である。
【0071】
本実施形態では、RGB色空間でトナーの総量値が、総量規制値取得部261により取得された総量規制値を超えるような領域を低明度色域とする。
【0072】
本実施形態では、低明度色域決定部262は、入力された総量規制値と、図10で示されるRGB色空間の面61、62、63との交点を計算し、各面での交点とK点とを結んだ線で囲まれる領域を低明度色域とする。
【0073】
例えば、取得した総量規制値が250%である場合、低明度色域決定部262は、図10の面61、62、63において、四角印でマークされた点とK点を結んだ線で囲まれる領域61A、62A、63Aを低明度色域とする。
【0074】
同様に総量規制値が200%の場合では、低明度色域決定部262は、丸印でマークされた点とK点を結んだ線で囲まれる領域61B、62B、63Bと領域61A、62A、63Aとを低明度色域とする。また総量規制値が150%の場合では、低明度色域決定部262は、三角印でマークされた点とK点を結んだ線で囲まれる領域61C、62C、63と領域61B、62B、63Bと領域61A、62A、63Aとを低明度色域とする。
【0075】
図12は、低明度色域を説明する第二の図である。図12では、図11で総量規制値に応じてマークされた点とK点を結んだ線で囲まれた領域(低明度色域)をRGB色空間上で示している。左から、入力される総量規制値が250%、200%、150%の場合の低明度色域を示している。トナー量を多く必要とするカラーパッチは、K点を中心とした低明度域に集中するため、入力される総量規制値が小さくなるに従い、低明度色域とされる領域がK点を中心に広がるようにしている。
【0076】
尚本実施形態では、総量規制値が入力される毎に低明度色域決定部262による低明度色域の決定を行ってもよいが、予め総量規制値と低明度色域の関係をLUT(Look Up Table)として記憶してメモリ120に記憶していても良い。この場合、低明度色域決定部262は、LUTを参照するだけで低明度色域を決定でき、計算の手間を省略することができる。また本実施形態では、総量規制値として入力が可能な値を最大で300%、最小で100%までとした。
【0077】
図8に戻って、ステップS82で低明度色域が決定されると、追加ポイント座標計算部263は、追加されるサンプルポイントの候補となる点の座標を計算する(ステップS83)。
【0078】
以下に図13を参照して、追加ポイント座標計算部263の詳細を説明する。図13は、追加ポイント座標計算部の処理を説明する図である。
【0079】
図13(A)は、取得した総量規制値が250%の場合のRGB色空間における低明度色域を示しており、図13(B)は、図13(A)に示すRGB色空間のサンプルポイントのうち、K点を含むK点近傍の8つの格子点で形成される立方体(図13(A)中の破線円で囲まれた部分)を拡大したものである。
【0080】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、図13(A)に示す低明度色域Sに対してサンプルポイント数の変更を行い、それ以外の領域に対しては何も変更しない。
【0081】
本実施形態のサンプルポイント数変更部260は、追加ポイント座標計算部263により、作成されたサンプルポイントにおいて、隣り合う8点から形成される立方体の中心点の座標値を計算する。この立方体の中心点は、サンプルポイントに新たに追加される点の候補となる。
【0082】
追加ポイント座標計算部263は、例えば立方体131の中心点Pの座標値を新たなサンプルポイントの候補として計算する。図13において、立方体131は、K点近傍8点(R,G,B)=(0,0,0)、(32,0,0)、(0,32,0)、(0,0,32)、(32,32,0)、(32,0,32)、(0,32,32)、(32,32,32)により表される。点Pは、立方体131の中心点であるから、点Pの座標値(R,G,B)=(16,16,16)となる。
【0083】
図8に戻って、ステップS83においてRGB色空間に含まれる立方体の中心点の座標が算出されると、続いて追加判定部264は、中心点が低明度色域内に含まれるか否かを判定する(ステップS84)。ステップS84において中心点が低明度色域内に含まれると判定されると、サンプルポイント追加部265は、該当する中心点のRGB値をサンプルポイント作成部250により作成されたサンプルポイントに追加する(ステップS85)。
【0084】
ステップS84において、中心点の座標値が低明度色域でない場合、後述するステップS86へ進む。
【0085】
以下に図14を参照してサンプルポイント追加部265によるサンプルポイントの追加ついて説明する。図14は、サンプルポイントの追加を説明する図である。
【0086】
図14(A)は、総量規制値が250%と入力された場合のRGB色空間における低明度色域を示している。図14(B)は、低明度色域でサンプルポイントを追加した時のRGB色空間において、左から順にRが16、48、80、112のBG平面をそれぞれ示したものである。
【0087】
サンプルポイント作成部250が作成したサンプルポイントで、隣り合う8点から形成される立方体の中心点が低明度色域に含まれる場合、立方体の中心点がサンプルポイントとして追加される。
【0088】
例えばR=16のBG面では、6つの立方体の中心点が低明度色域に含まれる。またR=48のBG面では、3つの立方体の中心点が低明度色域に含まれ、またR=80のBG面では、1つの立方体の中心点が低明度色域に含まれる。そしてR=112のBG面では、低明度色域に含まれる立方体は存在しない。
【0089】
よって総量規制値が250%の場合では、サンプルポイントの数は予め与えられた729個に新たに10個が追加され、合計739個に変更される。
【0090】
図8に戻って、続いてサンプルポイント数変更部260は、RGB色空間に含まれる全ての立方体について、ステップS83以降の処理が行われたか否かを判断する(ステップS86)。ステップS86において全ての立方体に処理が行われたと判断されると、サンプルポイント数変更部260は処理を終了する。ステップS86において全ての立方体について処理が終了していない場合、サンプルポイント数変更部260は、ステップS83へ戻る。
【0091】
尚本実施形態では、総量規制値が入力されてから立方体の中心点の座標値を計算する構成としたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、総量規制値とサンプルポイント作成部250において作成されるサンプルポイント数に応じて、追加される立方体の中心点のRGB座標値を予め計算し、その対応関係をLUTとしてメモリ120に記憶させても良い。この場合、サンプルポイント追加部265は、このLUTを参照してサンプルポイントを追加すれば良く、追加ポイント座標計算部263と追加判定部264の処理を省略することができる。
【0092】
総量規制値と追加するサンプルポイント数との対応関係は、例えば図15のように示すことができる。図15は、総量規制値と追加するサンプルポイント数との対応関係の一例を示す図である。
【0093】
図15では、サンプルポイント生成部250でRGBの各色を9ステップでサンプリングした場合であり、サンプルポイント数が修正される前のサンプルポイント数は729個である。図15の例では、例えば入力される総量規制値が300%、200%、100%の場合のサンプルポイント追加後のサンプルポイント数は、それぞれ、729(=729+0)、813(=729+84)、1157(=729+428)となる。
【0094】
ここで追加されるサンプルポイントは、全て低明度色域内に追加されるものである。よって本実施形態では、総量規制値が小さい場合でも、低明度色域のカラーパッチに相当するサンプルポイント数の割合を、低明度色域外のサンプルポイント数よりも増やすことができ、低明度色域での色予測精度を向上させることが可能となる。
【0095】
以上に説明したように、本実施形態では、入力される総量規制に応じて低明度色域に新たなサンプルポイントを追加する処理を行う。そして新たな点が追加されたサンプルポイントに基づきカラーパッチを出力、測色し、色予測モデルを作成する。本実施形態では、この構成により、デバイスの独立信号であるCIEL*a*b色空間上で画像形成装置100の色再現域(色域)を見たときに、低明度側の色域外郭付近だけでなく低明度色域の内部もより正確に色予測することが可能となる。
【0096】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0097】
100 画像形成装置
110 CPU
120 メモリ
200 画像処理部
250 サンプルポイント作成部
260 サンプルポイント数変更部
261 総量規制値取得部
262 低明度色域決定部
263 追加ポイント座標計算部
264 追加判定部
265 サンプルポイント追加部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0098】
【特許文献1】特開2004−147257号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置であって、
RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手段と、
当該色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手段と、
前記サンプルポイント数変更手段により変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手段と、を有する色予測モデル作成支援装置。
【請求項2】
前記サンプルポイント変更手段は、前記低明度色域のサンプルポイント数を増加させる請求項1記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項3】
前記サンプルポイント数変更手段は、
前記総量規制値に基づき低明度色域を決定する低明度色域決定手段を有し、
前記低明度色域決定手段は、
前記総量規制値が小さくなるにつれて、前記RGB色空間の黒点を中心として前記低明度色域が広がるように前記低明度色域を決定する請求項1又は2記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項4】
前記サンプルポイント数変更手段は、
前記RGB色空間において、隣り合う8つ前記サンプルポイントにより形成される立方体の中心点の座標値を算出する座標計算手段と、
前記中心点の座標値が前記低明度色域に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記低明度色域に含まれる前記中心点をサンプルポイントに追加する追加手段と、を有する請求項1ないし3の何れか一項に記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項5】
前記追加手段により前記サンプルポイントに追加された前記中心点と、追加された前記中心点の座標値と、が対応付けられたテーブル格納された記憶手段を有し、
前記追加手段は、前記総量規制値と、前記テーブルとに基づき前記サンプルポイントを追加する請求項4記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項6】
複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置による色予測モデル作成支援方法であって、
RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手順と、
前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手順と、
前記サンプルポイント数変更手順において変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手順と、を有する色予測モデル作成支援方法。
【請求項7】
複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置において実行される色予測モデル作成支援プログラムであって、
前記色予測モデル作成支援装置に、
RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成ステップと、
前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更ステップと、
前記サンプルポイント数変更ステップにおいて変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタステップと、を実行させる色予測モデル作成支援プログラム。
【請求項1】
複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置であって、
RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手段と、
当該色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手段と、
前記サンプルポイント数変更手段により変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手段と、を有する色予測モデル作成支援装置。
【請求項2】
前記サンプルポイント変更手段は、前記低明度色域のサンプルポイント数を増加させる請求項1記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項3】
前記サンプルポイント数変更手段は、
前記総量規制値に基づき低明度色域を決定する低明度色域決定手段を有し、
前記低明度色域決定手段は、
前記総量規制値が小さくなるにつれて、前記RGB色空間の黒点を中心として前記低明度色域が広がるように前記低明度色域を決定する請求項1又は2記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項4】
前記サンプルポイント数変更手段は、
前記RGB色空間において、隣り合う8つ前記サンプルポイントにより形成される立方体の中心点の座標値を算出する座標計算手段と、
前記中心点の座標値が前記低明度色域に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記低明度色域に含まれる前記中心点をサンプルポイントに追加する追加手段と、を有する請求項1ないし3の何れか一項に記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項5】
前記追加手段により前記サンプルポイントに追加された前記中心点と、追加された前記中心点の座標値と、が対応付けられたテーブル格納された記憶手段を有し、
前記追加手段は、前記総量規制値と、前記テーブルとに基づき前記サンプルポイントを追加する請求項4記載の色予測モデル作成支援装置。
【請求項6】
複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置による色予測モデル作成支援方法であって、
RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成手順と、
前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更手順と、
前記サンプルポイント数変更手順において変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタ手順と、を有する色予測モデル作成支援方法。
【請求項7】
複数色のトナーにより色予測モデル作成用の複数のカラーパッチ画像を形成して出力する色予測モデル作成支援装置において実行される色予測モデル作成支援プログラムであって、
前記色予測モデル作成支援装置に、
RGB色空間で定義されるRGB画像データを一定間隔の階調に分割したサンプルポイントを作成するサンプルポイント作成ステップと、
前記色予測モデル作成支援装置に設定された総量規制値に基づき決定される前記RGB色空間における低明度色域のサンプルポイント数を変更するサンプルポイント数変更ステップと、
前記サンプルポイント数変更ステップにおいて変更されたサンプルポイント毎の前記RGB画像データに基づき、前記変更された前記サンプルポイントの数に対応した数のカラーパッチ画像を形成して出力するプリンタステップと、を実行させる色予測モデル作成支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−249182(P2012−249182A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120860(P2011−120860)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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