荷重計
【課題】偏置の影響を受ける荷重計において、精度良く荷重値を測定することのできる荷重計を提供すること。
【解決手段】荷重計は、載置面上の第1の範囲および第2の範囲へ荷重された場合それぞれについて、荷重センサでの検出値の校正値を規定した校正テーブルA361,B362を予め記憶する。荷重計は、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別するためのモード判別部102と、荷重センサでの検出値に基づいて荷重値を算出するための荷重値算出部104とを備える。荷重値算出部104は、モード判別部102による判別結果に従い、校正テーブルA361,B362のうち用いるべき校正情報を選択し、選択した校正テーブルを荷重センサでの検出値に適用することにより荷重値を算出する。
【解決手段】荷重計は、載置面上の第1の範囲および第2の範囲へ荷重された場合それぞれについて、荷重センサでの検出値の校正値を規定した校正テーブルA361,B362を予め記憶する。荷重計は、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別するためのモード判別部102と、荷重センサでの検出値に基づいて荷重値を算出するための荷重値算出部104とを備える。荷重値算出部104は、モード判別部102による判別結果に従い、校正テーブルA361,B362のうち用いるべき校正情報を選択し、選択した校正テーブルを荷重センサでの検出値に適用することにより荷重値を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重計に関し、特に、校正作業を要する荷重計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷重値の校正は、1箇所で行なわれていた。1箇所での校正を行なうための前提条件としては、偏置のない荷重計であることが求められる。
【0003】
つまり、偏置の影響をうける荷重計においては、あるA点での校正において、同じA点にて荷重値を計測した場合は精度は保障されるが、異なるB点で計測した場合、精度が保証できない。
【0004】
一方で、補正技術として特許文献1の電子天びんのように、中心と中心から距離L離れた位置とで校正し、偏値誤差を算出しておき、中心からの距離Lに応じて補正をかける、というものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−216217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
荷重計において、偏置の影響を受けないようにするためには、載置面の板金を硬くしたり、荷重センサを高精度にしたりする必要がある。そのため、コストが高くなったり、装置の重量が重くなったりする、という問題点がある。
【0007】
また、特許文献1のような従来技術では、中心からの距離Lと偏置誤差との関係が明確でなければならないため、精度良く荷重値を測定することは困難な場合がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、偏置の影響を受ける荷重計において、精度良く荷重値を測定することのできる荷重計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従う荷重計は、荷重をかけ得る第1の範囲および第2の範囲を有する載置面と、載置面へかけられた荷重の量を検出するための少なくとも一つの荷重センサと、第1の範囲および第2の範囲へ荷重された場合それぞれについて、荷重センサでの検出値の校正値に相当する値を規定した第1の校正情報および第2の校正情報を予め記憶するための記憶手段と、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別するための判別手段と、荷重センサでの検出値に基づいて、載置面へ載せられた測定対象の重さ、および、載置面へかけられた力の量の少なくともいずれかを表わす荷重値を算出するための第1の算出手段とを備え、第1の算出手段は、判別手段による判別結果に従い、第1の校正情報および第2の校正情報のうち用いるべき校正情報を選択し、選択した校正情報を荷重センサでの検出値に適用することにより荷重値を算出する。
【0010】
好ましくは、第1の校正情報は、第1の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、相当する値として規定しており、第1の算出手段は、判別結果が第1の範囲である場合、第1の校正情報を選択し、第1の校正情報において荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定する。
【0011】
あるいは、第2の構成情報は、第2の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、相当する値として規定しており、第1の算出手段は、判別結果が第2の範囲である場合には、第2の校正情報を選択し、第2の校正情報において荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定することが望ましい。
【0012】
好ましくは、第2の校正情報は、第2の範囲へ荷重された場合の検出値を第1の校正情報で規定された校正値に置換した場合における、実際の荷重値と置換後の校正値との誤差値を、相当する値として規定しており、第1の算出手段は、判別結果が第2の範囲である場合には、第1の校正情報において荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を、第2の校正情報において当該校正値と対応付けられた誤差値によって補正することにより荷重値を算出する。
【0013】
好ましくは、第1の範囲および第2の範囲は、それぞれ、載置面における、体重測定のために被測定者の両足裏と接する第1の部分、および、特定の身体部位の筋力測定のために被測定者の特定の身体部位の一部と接する第2の部分のいずれかに対応している。
【0014】
好ましくは、判別手段は、第1の範囲および第2の範囲のうち、第1の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合、体重測定モードと判別し、第2の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合には、筋力測定モードと判別し、荷重計は、体重測定モードと判別された場合、算出された荷重値を被測定者の体重として出力し、筋力測定モードと判別された場合には、算出された荷重値を特定の身体部位における筋力値として出力するための出力手段をさらに備える。
【0015】
好ましくは、被測定者の両足裏と接触させるための複数の電極と、体重測定モードと判別された場合に、算出された荷重値と、電極によって得られる生体インピーダンスとに基づいて、被測定者の体組成を算出するための第2の算出手段とをさら備え、出力手段は、体重測定モードと判別された場合には、さらに、算出された体組成を出力する。
【0016】
好ましくは、判別手段は、電極が通電しているか否かを検出することにより、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別する。
【0017】
あるいは、判別手段は、各荷重センサからの出力値の違いに基づいて、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別することが望ましい。
【0018】
あるいは、判別手段は、ユーザからの入力に基づいて、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、偏置の影響を受ける荷重計であっても、荷重値を精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態における荷重計としての体組成計の外観の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における体組成計の下肢ユニットの上面図である。
【図3】図1に示した体組成計における下肢ユニットのIII−III線における断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における体組成計の載置面に対して荷重がかけられる位置を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における体組成計の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態における体組成計のCPU100が実行する機能を示す機能ブロック図である。
【図7】(A),(B)は、それぞれ、本発明の実施の形態における校正テーブルAおよび校正テーブルBのデータ構造例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における校正テーブルA,Bの生成原理を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における荷重値測定処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態の変形例1における誤差値テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例1における荷重値測定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0022】
[実施の形態]
本実施の形態における荷重計は、少なくとも、荷重値を測定する機能を有する装置を表わす。本実施の形態において、「荷重値」とは、測定対象である人や物の重さ(質量)、および、力の量を重さで表わした値を総称している。後者の値は、たとえば人の特定の身体部位における力の量(以下「筋力値」という)を示す。
【0023】
荷重計が、人の重さすなわち体重を測定する場合、測定された体重に基づいて、被測定者の体組成を測定する機能をさらに有していてもよい。
【0024】
本実施の形態では、荷重計は、荷重値(体重を含む)および体組成を測定可能な体組成計であると説明する。なお、「体組成」とは、身体を組成する成分(身体を構成する組織)の割合もしくは量を表わし、たとえば、体脂肪率、筋肉率、除脂肪量、体脂肪量、筋肉量のうちの少なくともいずれかを含む。
【0025】
<概観について>
はじめに、図1〜図3を参照して、本実施の形態における体組成計の概観について説明する。本実施の形態における体組成計は、体重測定モードおよび筋力測定モードにて動作可能である。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態における体組成計1の外観の一例を示す図である。図2は、体組成計1の下肢ユニット3の上面図である。図3は、図1に示したIII−III線における断面図である。
【0027】
図1を参照して、体組成計1は、ユーザが両手で把持可能な上肢ユニット2と、ユーザの両足を載置可能な下肢ユニット3と、上肢ユニット2および下肢ユニット3を電気的に接続するためのケーブル4とを備える。
【0028】
上肢ユニット2には、複数の電極E11,E12,E21,E22(以下、これらを総称して「上肢電極」ともいう)、ユーザからの指示を受付けるための操作部32、測定結果や各種情報を表示するための表示部34が設けられている。
【0029】
上肢ユニット2の左手用のグリップには、電極E11,E21が、右手用のグリップには、電極E12,E22が設けられている。電極E11,E12は、電流印加用の電極である。電極E21,E22は、電圧測定用の電極である。
【0030】
図1および図2を参照して、下肢ユニット3は、複数の電極E13,E14,E23,E24(以下、これらを総称して「下肢電極」ともいう)、および、複数の荷重センサ11,12,13,14を含んでいる。電極E13,E14は電流印加用の電極であり、電極E23,E24は電圧測定用の電極である。
【0031】
図3を参照して、下肢ユニット3は、トップカバー301、ボトムカバー302、および、足カバー305,306によって囲まれており、それらの内部に、フレーム(たとえば板金)303、基板304、荷重センサ11,12,13,14が設けられている。
【0032】
トップカバー301上の中央部分には、突出部5が配置されている。突出部5は、被測定者の膝(膝裏)を載置するための補助具として機能する。突出部5は、膝裏を押し付け易いように、その上面501はたとえば湾曲状に形成されている。突出部5の上面501に対しては、被測定者が、座位または仰臥位の状態で、膝裏を押し付けることにより荷重がかけられる。
【0033】
トップカバー301上の、突出部5よりも左側の領域301Lに電極E13,E23が設けられ、突出部5よりも右側の領域301Rに電極E14,E24が設けられている。
【0034】
本実施の形態のような体組成計1の場合、下肢ユニット3において、測定対象を載置できる面は、トップカバー301上面の露出した面(領域301L,301R)および、突出部5の上面501を含む。このような面を、「載置面SF10」と呼ぶ。
【0035】
荷重センサ11,12,13,14は、下肢ユニット3の載置面SF10へかけられた荷重の量を検出する。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態における体組成計1の載置面SF10に対して荷重がかけられる位置を模式的に示す図である。
【0037】
図4を参照して、本実施の形態では、体組成計1は、荷重をかけ得る場所として2組の点(荷重A点,荷重B点)がある。荷重A点は、体重または体組成を測定する際に、荷重がかけられる位置を示している。つまり、載置面SF10において、被測定者の両足裏を載せる位置(領域301L,301R内の位置)が、A点に対応している。荷重B点は、脚部(大腿四頭筋(太もも)や、ひざ関節)をとりまく筋肉の筋力を測定する際に、荷重がかけられる位置を示している。つまり、載置面SF10において、被測定者の膝裏を載せる位置(突出部5の上面501内の位置)が、B点に対応している。
【0038】
載置面SF10のうち、荷重A点に対応する範囲、つまり、少なくとも体重を測定する際に荷重をかけ得る場所を、以下「範囲A」という。載置面SF10のうち、荷重B点に対応する範囲、つまり、脚部の筋力を測定する際に荷重をかけ得る場所を、以下「範囲B」という。言い換えると、範囲Aは、トップカバー301上の領域301L,301Rに含まれる領域を表わし、範囲Bは、突出部5の上面501に含まれる領域を表わす。
【0039】
載置面SF10の範囲Aまたは範囲Bに荷重がかけられると、トップカバー301が押し下げられる。トップカバー301の押し下げに伴ない、フレーム303も押し下げられる。フレーム303が押し下げられると、各荷重センサ11,12,13,14により、載置面SF10へ加えられた力の量が検出される。
【0040】
各荷重センサ11,12,13,14は、たとえば、歪みゲージを用いたロードセルを含んでおり、力が加えられると、加えられた力を電位として検出する。各荷重センサにより検出された電位が、基板304内の電気回路に出力される。なお、荷重センサ11,12,13,14は、ロードセルに限定されず、載置面SF10へ加えられた力の量が検出できるものであれば、たとえば、ばねやピエゾフィルムを利用したセンサや、圧縮素子、変位センサなどであってもよい。
【0041】
なお、本実施の形態では、4つの荷重センサを設けることとしたが、2つあるいは1つであってもよい。
【0042】
<構成について>
図5は、本発明の実施の形態における体組成計1の構成例を示すブロック図である。
【0043】
図5を参照して、体組成計1は、上記した構成に加え、被測定者の生体インピーダンスを計測するためのインピーダンス計測部24と、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D(analog to digital)回路部26と、電源部30と、各種データやプログラムを記憶するための記憶部36と、通信I/F(interface)部38と、各部の制御および各種演算を行なうためのCPU100とを含む。
【0044】
インピーダンス計測部24は、上肢電極および下肢電極を用いて生体インピーダンスを計測する。インピーダンス計測部24は、ユーザの手足間に微弱の電流を印加した状態で、少なくとも手足間(全身)の電位差を検出し、検出された電位差からインピーダンスを計測する。
【0045】
インピーダンス計測部24は、CPU100により制御されて電極の切替を行なう。インピーダンス計測部24は、たとえば、電極E11〜E14,E21〜E24の全てと接続され、CPU100からの指示に応じて電極を切替えるための切替スイッチ(図示せず)と、切替スイッチにより選択されている少なくとも1対の電流用電極に定電流を流すための定電流発生部(図示せず)とを有する。そして、電流用電極を介して定電流がユーザに印加された状態において、切替スイッチにより選択されている少なくとも1対の電圧用電極の電位差を検出することで、インピーダンスを計測する。
【0046】
インピーダンス計測部24により計測された値は、A/D回路部26に出力される。なお、インピーダンス値は、CPU100において、検出された電位差に基づき算出されてもよい。
【0047】
A/D回路部26は、インピーダンス計測部24からの出力信号を、デジタル信号に変換し、CPU100に出力する。また、各荷重センサ11,12,13,14からの電気信号を、それぞれデジタル信号に変換し、CPU100に出力する。
【0048】
操作部32は、たとえば、複数のボタンを含む。表示部34は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)により構成される。
【0049】
記憶部36は、たとえば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含む。
通信I/F部38は、外部の装置との間で、データやプログラムを送受信する。なお、体組成計1は、通信I/F部38に代えて/加えて、着脱可能な記録媒体に記憶されたデータやプログラムを読出して、記憶部36に書き込むための書き込み部(図示せず)を備えてもよい。
【0050】
CPU100の機能構成について説明する。
図6は、本発明の実施の形態における体組成計1のCPU100が実行する機能を示す機能ブロック図である。
【0051】
図6を参照して、本実施の形態において、CPU100は、その機能として、モード判別部102と、荷重値算出部104と、体組成算出部106と、出力処理部108とを含む。
【0052】
モード判別部102は、荷重センサ11,12,13,14からの出力より、載置面SF10への荷重が検知されると、荷重値の測定モードが、体重測定モードか筋力測定モードかを判別する。そのために、下肢ユニット3の載置面SF10に対して荷重をかけられた場所が、上記範囲Aおよび範囲Bのいずれであるかが判別される。モード判別部102は、範囲Aへの荷重が検知されると、体重測定モード、範囲Bへの荷重が検知されると、筋力測定モードと判別する。
【0053】
本実施の形態では、モード判別部102は、下肢電極が通電しているか否かを検出することにより、荷重をかけられた場所を判別する。つまり、下肢電極が通電していれば、範囲Aに測定対象(被測定者)が載置されていると考えられるため、体重測定モードと判別する。一方、下肢電極が通電していなければ、範囲Aに測定対象が載置されていないと考えられるため、筋力測定モードと判別する。
【0054】
モードの判別結果は、荷重値算出部104および出力処理部108に出力される。
荷重値算出部104は、モードの判別結果、荷重センサ11,12,13,14からの出力値に基づく値(センサ検出値)、および、校正テーブルA361および校正テーブルB362に基づいて荷重値を算出する。
【0055】
校正テーブルA361および校正テーブルB362は、範囲Aおよび範囲Bへ荷重された場合それぞれについて、センサ検出値の校正値を規定した情報である。これらは、記憶部36内に格納されている。
【0056】
なお、本実施の形態において、「センサ検出値」とは、荷重センサ11,12,13,14からの電気信号がA/D回路部26において変換された後の信号に基づく値(たとえば各荷重センサからの出力値の平均値あるいは合計値)であり、校正作業が必要でない装置においては、測定対象の荷重値に相当する値である。
【0057】
図7(A),(B)は、それぞれ、本発明の実施の形態における校正テーブルA361および校正テーブルB362のデータ構造例を示す図である。
【0058】
図7(A)を参照して、校正テーブルA361は、範囲Aでの各センサ検出値に対する校正値を規定している。つまり、センサ検出値と、図4に示したA点への荷重である場合の校正値(以下「A点校正値」ともいう)とが対応付けられている。
【0059】
図7(B)を参照して、校正テーブルB362は、範囲Bでの各センサ検出値に対する校正値を規定している。つまり、センサ検出値と、図4に示したB点への荷重である場合の校正値(以下「B点校正値」ともいう)とが対応付けられている。
【0060】
このような校正テーブルA361,B362は、体組成計1ごとに、出荷前に生成される。ここで、各校正テーブルがどのようにして生成されるかについて説明する。
【0061】
図8は、本発明の実施の形態における校正テーブルA361,B362の生成原理を示す図である。
【0062】
図8を参照して、横軸におもりの重さ(単位:kg)、縦軸にセンサ検出値をとったグラフに、2つの線90A,90Bが示されている。線90Aは、図4に示したA点(範囲A)におもりを載せた場合の、おもりの重さとセンサ検出値との関係の一例を示している。線90Bは、図4に示したB点(範囲B)におもりを載せた場合の、おもりの重さとセンサ検出値との関係の一例を示している。
【0063】
たとえば、40kgのおもりを載置面SF10の範囲Aに載せた場合、センサ検出値は4000を示し、同じ重さのおもりを載置面SF10の範囲Bに載せた場合、センサ検出値は4400を示していたとする。その場合、荷重計は、校正テーブルA361における、センサ検出値4000に対応するA点校正値を40(kg)と記録する。校正テーブルB362における、センサ検出値4400に対応するB点校正値を40(kg)と記録する。
【0064】
このように、様々な重さのおもりを範囲A,範囲B内に載せて、センサ検出値と載せたおもりの重さとを対応付けていくことで、校正テーブルA361および校正テーブルB362が生成される。
【0065】
なお、本実施の形態では、範囲A,Bそれぞれについての校正情報がテーブル形式にてが保持されることとしたが、限定的ではなく、たとえば、2つの相関式によって保持されてもよい。
【0066】
再び図6を参照して、荷重値算出部104は、体重測定モードとの判別結果を受付けた場合、校正テーブルA361を選択する。そして、校正テーブルA361において、今回得られたセンサ検出値と対応付けられている校正値を、荷重値として算出する。一方、筋力測定モードとの判別結果を受付けた場合、校正テーブルB362を選択する。そして、校正テーブルB362において、今回得られたセンサ検出値と対応付けられている校正値を、荷重値として算出する。
【0067】
算出された荷重値は、出力処理部108に出力される。また、本実施の形態では、体重測定モードの場合には、算出された荷重値が、体組成算出部106にも出力される。
【0068】
体組成算出部106は、入力した荷重値(すなわち、被測定者の体重)と、検出された生体インピーダンスとに、公知のアルゴリズムを適用することで、全身または部位別の体組成を算出する。具体的には、たとえば、次式(1),(2)を用いて、全身の体脂肪率(%FAT)が算出される。体脂肪率の算出の場合、さらに、被測定者の属性情報(たとえば年齢,身長など)を用いてもよい。
【0069】
%FAT=(W−FFM)/W・100 …(1)
FFM =a・H2/Zw+b・W+c・Ag+d …(2)
(ただし、FFM:除脂肪量、W:体重(荷重値)、H:身長、Zw:全身インピーダンス、Ag:年齢、a〜d:定数)
なお、全身インピーダンスは、電極E11,E12から電極E13,E14に電流を流し、被測定者の全身に電流が印加された状態において、検出された電極E21,E22と電極E23,E24との間の電位差に基づき計測された値である。
【0070】
算出された体組成(たとえば体脂肪率)は、出力処理部108に出力される。
出力処理部108は、算出された荷重値および体組成を出力する。具体的には、出力処理部108は、体重測定モードとの判別結果を受付けた場合、荷重値および体組成の両方もしくは体組成のみを表示部34に表示する。体重測定モードの場合、荷重値は体重として表示される。出力処理部108は、筋力測定モードとの判別結果を受付けた場合、荷重値を脚部の筋力値として表示部34に表示する。
【0071】
なお、図6に示した各部の機能は、記憶部36中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、これらのうち少なくとも一つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
【0072】
また、体組成計1は、上肢電極および下肢電極の両方を用いて体組成を測定するが、下肢電極のみを用いて体組成を測定するものであってもよい。つまり、体組成計1は、上肢電極、あるいは、上肢電極を含んだ上肢ユニット2を備えない構成であってもよい。その場合、操作部32や表示部34は、たとえば下肢ユニット3に設けられる。
【0073】
<動作について>
次に、体組成計1が実行する最も特徴的な処理である、荷重値測定処理について説明する。
【0074】
図9は、本発明の実施の形態における荷重値測定処理を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして記憶部36に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、荷重値測定処理の機能が実現される。
【0075】
図9を参照して、CPU100は、電源が投入されている場合、荷重がかかったか否かを判定する(ステップS102)。荷重がかかったか否かは、センサ検出値の変化を検出することにより判定可能である。荷重がかかっていなければ、処理は終了される(ステップS102にてNO)。
【0076】
荷重がかかったと判定されると(ステップS102にてYES)、モード判別部102は、下肢電極が通電したか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、たとえば、下肢ユニット3の電極E13,E14に微弱電流を印加し、電極E23,E24において電位差が検出されたか否かを検出することによって、通電の有無が判定されてよい。
【0077】
下肢電極が通電したと判定された場合(ステップS104にてYES)、ステップS106に進む。通電していないと判定された場合(ステップS104にてNO)、ステップS112に進む。
【0078】
ステップS106において、モード判別部102は、図4に示したA点へ荷重されていると判定し、今回の測定を体重測定モードに設定する。体重測定モードが設定されると、荷重値算出部104は、記憶部36内に記憶されている校正テーブルA361を選択する(読出す)。そして、校正テーブルA361を用いて、センサ検出値をA点校正値に置換することで、被測定者の体重を測定する(ステップS108)。出力処理部108は、測定された体重を出力する(ステップS110)。
【0079】
次に、CPU100は、操作部32が、ユーザより体組成測定の指示を受付けたか否かを判定する(ステップS112)。体組成測定の指示が入力されたと判定した場合(ステップS112にてYES)、体組成算出部106は、公知の手法により、上肢電極および下肢電極を用いて生体インピーダンスを測定する処理を行なう。そして、少なくとも、測定されたインピーダンスと、ステップS108で測定された体重値とを、所定のアルゴリズムに適用することで、被測定者の体組成を算出する(ステップS114)。体脂肪率の算出は、たとえば、上記式(1),(2)により可能である。出力処理部108は、測定された体組成を出力する(ステップS116)。
【0080】
体組成測定の指示がなければ(ステップS112にてNO)、荷重値測定処理は終了される。
【0081】
これに対し、ステップS118では、モード判別部102は、図4に示したB点へ荷重されていると判定し、今回の測定を筋力測定モードに設定する。筋力測定モードが設定されると、荷重値算出部104は、記憶部36内に記憶されている校正テーブルB362を選択する(読出す)。そして、校正テーブルB362を用いて、センサ検出値をB点校正値に置換することで、脚部における筋力値を測定する(ステップS120)。出力処理部108は、測定された筋力値を出力する(ステップS122)。
【0082】
以上のように、本実施の形態によると、体組成計が従来より備えている下肢電極を利用して、載置面SF10における範囲A(A点)に荷重がかけられているのか、範囲B(B点)に荷重がかけられているのかを自動で判別することができる。また、その判別結果に応じて、2つの校正テーブルA361,B362のうちの一方が選択されるので、単純にかつ精度良く荷重値(体重または筋力値)を測定することができる。したがって、安価な構成であっても、荷重値測定の偏置誤差を軽減することが可能となる。
【0083】
また、本実施の形態では、2つの測定モードを有する装置であり、各モードが、荷重をかけ得る範囲(A,Bのいずれか)に対応している。そのため、荷重がかけられている範囲を特定することにより、測定モードを判別することができる。これにより、被測定者は、電源投入後に、載置面SF10の範囲Aに載るか、突出部5の上面501に膝裏を押し当てるだけで、荷重値の測定結果を、明示的に体重値あるいは筋力値として表示することもできる。
【0084】
<変形例1>
上記実施の形態では、範囲Aおよび範囲Bへ荷重された場合それぞれについて、センサ検出値の校正値を規定した2つの校正テーブルA,Bを用いた。しかし、一方の校正情報(テーブル)は、センサ検出値の校正値に相当する値であれば、センサ検出値の校正値そのものを規定したものでなくてもよい。
【0085】
具体的には、たとえば、一つの校正情報は、範囲Aへ荷重された場合のセンサ検出値の校正値を規定した情報(実施の形態の校正テーブルA361と同じ)とする。他方の構成情報は、範囲Bへ荷重された場合において、校正テーブルAで規定された各校正値から精確な荷重値(おもりの重さ)を算出するためのアルゴリズム(誤差値)を「センサ検出値の校正値に相当する値」として規定した情報としてもよい。
【0086】
以下に、上記実施の形態と異なる部分のみ説明する。
図10は、本発明の実施の形態の変形例1における誤差値テーブル363のデータ構造例を示す図である。
【0087】
図10を参照して、誤差値テーブル363は、範囲Bへの荷重の際のセンサ検出値を校正テーブルA361で規定された校正値に置換した場合における、実際の荷重値(おもりの重さ)と置換後の校正値との誤差値を規定している。誤差値テーブル363は、たとえば、複数の体組成計(荷重計)のサンプルから平均的なA点校正値に対する誤差を求めることにより作成される。
【0088】
誤差値テーブル363に格納される誤差値は、A点校正値とおもりの重さとの比率(A点校正値/おもりの重さ、または、おもりの重さ/A点校正値)を示してもよいし、A点校正値とおもりの重さとの差分を示してもよい。本変形例では、たとえば、誤差値は、A点校正値/おもりの重さを示している。
【0089】
図11は、本発明の実施の形態の変形例1における荷重値測定処理を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、図9に示した処理と同一の処理については同じステップ番号を付してある。したがって、それらについての説明は繰返さない。
【0090】
図11を参照して、本変形例では、図9のステップS120の処理に代えて、ステップS120#の処理が実行される。ステップS120#の処理を実行するのは、「荷重値算出部104#」であるとして説明する。
【0091】
ステップS120#において、荷重値算出部104#は、記憶部36内に記憶されている校正テーブルA361および誤差値テーブル363の両方を用いて、荷重値を算出する。具体的には、校正テーブルA361において、センサ検出値と対応付けられているA点校正値を読出す。誤差値テーブル363において、読出されたA点校正値と対応付けられている誤差値を読出す。読出されたA点校正値を読出された誤差値で除算して補正することで、B点での荷重値すなわち、脚部における筋力値を算出する。
【0092】
このように、上記実施の形態のように範囲Aおよび範囲Bそれぞれについての校正値を規定した2つの校正テーブルを用いなくても、1つの校正テーブルと誤差値テーブルとがあれば、実施の形態と同様に、B点での荷重値すなわち、脚部における筋力値を精度良く測定することができる。
【0093】
<変形例2>
上記実施の形態では、下肢電極の通電の有無を検出することによってモードを判別したが、限定的ではない。たとえば、操作部32を介して、ユーザ(医師、あるいは、被測定者)からモードの入力を受付けてもよい。
【0094】
または、荷重センサ11,12,13,14からの出力値の違いに基づいて、モードを判別してもよい。この場合、下肢ユニット3において、4つの荷重センサ11,12,13,14が中心点より非対称に設けられているものとする。なお、荷重センサの数は、4つに限定されず複数であればよく、また、4つの荷重センサは中心点より対称にもうけられていてもよい。
【0095】
具体的には、たとえば、4つの荷重センサ11,12,13,14それぞれの出力値の比率が均等(1:1:1:1)であるかどうかを検出する。均等であれば範囲Aへの荷重すなわち、体重測定モードと判定する。均等でなければ(たとえば、1:1:2:2、など)、範囲Bへの荷重すなわち、筋力測定モードと判定することができる。
【0096】
<変形例3>
上記実施の形態では、荷重計の例として体組成計を採用したが、上述したように、体組成を測定する機能を備えたものでなくてもよい。なお、体組成を測定する機能を備えたものでない場合は、上肢電極、下肢電極、インピーダンス計測部24は備えられない。したがって、そのような場合は、変形例2の処理によって体重測定モードか筋力測定モードかを判別することが有効である。
【0097】
また、上記実施の形態では、体重測定モードと筋力測定モードとを有していたが、どちらか一方のモードのみを有するものであってもよい。つまり、荷重計は、単なる体重計であってもよいし、筋力計であってもよい。体重計の場合、突出部5は存在せず、載置面は、フラットな面であってよい。筋力計の場合は、突出部5の上面が、実施の形態で示した上面501よりも横幅が広い形状であってもよい。
【0098】
たとえば、体重計の場合、被測定者の足裏と接触する範囲よりも載置面が広い場合などは、大人が体重を測定する場合と、子供が体重を測定する場合とでは、荷重をかけ得る範囲が異なる可能性がある。つまり、大人が体重を測定する場合は、上記B点に相当する位置に荷重がかけられ、子供が体重を測定する場合は、上記A点のように中央寄りの位置に荷重がかけられると考えられる。そのような場合にも、上記実施の形態の荷重値測定処理を利用して、荷重をかけられた範囲の判別、および、判別された範囲に応じて、校正テーブルA361,B362のいずれかを用いた荷重値の算出を行なうことができる。
【0099】
なお、フラットな載置面上に、荷重をかけられた場所が、予め設定した荷重をかけ得る範囲からずれることも考えられるが、荷重をかけられた場所に近い方の範囲に対応する校正テーブルを用いて荷重値を算出すればよい。
【0100】
また、荷重をかけ得る場所として、3つ以上の範囲および校正テーブルを設定してもよい。
【0101】
また、測定対象を人とした体重計に限らず、測定対象を物とした秤(たとえば、キッチンスケールなど)にも、上記実施の形態の処理を適用することができる。
【0102】
なお、変形例1〜3の少なくともいずれかを組合わせてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 体組成計(荷重計)、2 上肢ユニット、3 下肢ユニット、4 ケーブル、5 突出部、11,12,13,14、 荷重センサ、24 インピーダンス計測部、26 A/D回路部、30 電源部、32 操作部、34 表示部、36 記憶部、38 通信I/F部、100 CPU、102 モード判別部、104 荷重値算出部、106 体組成算出部、108 出力処理部、301 トップカバー、302 ボトムカバー、303 フレーム、304 基板、305,306 足カバー、361 校正テーブルA,362 校正テーブルB、363 誤差値テーブル、E11,E12,E13,E14,E21,E22,E23,E24 電極。
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重計に関し、特に、校正作業を要する荷重計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷重値の校正は、1箇所で行なわれていた。1箇所での校正を行なうための前提条件としては、偏置のない荷重計であることが求められる。
【0003】
つまり、偏置の影響をうける荷重計においては、あるA点での校正において、同じA点にて荷重値を計測した場合は精度は保障されるが、異なるB点で計測した場合、精度が保証できない。
【0004】
一方で、補正技術として特許文献1の電子天びんのように、中心と中心から距離L離れた位置とで校正し、偏値誤差を算出しておき、中心からの距離Lに応じて補正をかける、というものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−216217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
荷重計において、偏置の影響を受けないようにするためには、載置面の板金を硬くしたり、荷重センサを高精度にしたりする必要がある。そのため、コストが高くなったり、装置の重量が重くなったりする、という問題点がある。
【0007】
また、特許文献1のような従来技術では、中心からの距離Lと偏置誤差との関係が明確でなければならないため、精度良く荷重値を測定することは困難な場合がある。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、偏置の影響を受ける荷重計において、精度良く荷重値を測定することのできる荷重計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のある局面に従う荷重計は、荷重をかけ得る第1の範囲および第2の範囲を有する載置面と、載置面へかけられた荷重の量を検出するための少なくとも一つの荷重センサと、第1の範囲および第2の範囲へ荷重された場合それぞれについて、荷重センサでの検出値の校正値に相当する値を規定した第1の校正情報および第2の校正情報を予め記憶するための記憶手段と、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別するための判別手段と、荷重センサでの検出値に基づいて、載置面へ載せられた測定対象の重さ、および、載置面へかけられた力の量の少なくともいずれかを表わす荷重値を算出するための第1の算出手段とを備え、第1の算出手段は、判別手段による判別結果に従い、第1の校正情報および第2の校正情報のうち用いるべき校正情報を選択し、選択した校正情報を荷重センサでの検出値に適用することにより荷重値を算出する。
【0010】
好ましくは、第1の校正情報は、第1の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、相当する値として規定しており、第1の算出手段は、判別結果が第1の範囲である場合、第1の校正情報を選択し、第1の校正情報において荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定する。
【0011】
あるいは、第2の構成情報は、第2の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、相当する値として規定しており、第1の算出手段は、判別結果が第2の範囲である場合には、第2の校正情報を選択し、第2の校正情報において荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定することが望ましい。
【0012】
好ましくは、第2の校正情報は、第2の範囲へ荷重された場合の検出値を第1の校正情報で規定された校正値に置換した場合における、実際の荷重値と置換後の校正値との誤差値を、相当する値として規定しており、第1の算出手段は、判別結果が第2の範囲である場合には、第1の校正情報において荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を、第2の校正情報において当該校正値と対応付けられた誤差値によって補正することにより荷重値を算出する。
【0013】
好ましくは、第1の範囲および第2の範囲は、それぞれ、載置面における、体重測定のために被測定者の両足裏と接する第1の部分、および、特定の身体部位の筋力測定のために被測定者の特定の身体部位の一部と接する第2の部分のいずれかに対応している。
【0014】
好ましくは、判別手段は、第1の範囲および第2の範囲のうち、第1の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合、体重測定モードと判別し、第2の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合には、筋力測定モードと判別し、荷重計は、体重測定モードと判別された場合、算出された荷重値を被測定者の体重として出力し、筋力測定モードと判別された場合には、算出された荷重値を特定の身体部位における筋力値として出力するための出力手段をさらに備える。
【0015】
好ましくは、被測定者の両足裏と接触させるための複数の電極と、体重測定モードと判別された場合に、算出された荷重値と、電極によって得られる生体インピーダンスとに基づいて、被測定者の体組成を算出するための第2の算出手段とをさら備え、出力手段は、体重測定モードと判別された場合には、さらに、算出された体組成を出力する。
【0016】
好ましくは、判別手段は、電極が通電しているか否かを検出することにより、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別する。
【0017】
あるいは、判別手段は、各荷重センサからの出力値の違いに基づいて、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別することが望ましい。
【0018】
あるいは、判別手段は、ユーザからの入力に基づいて、載置面に対して荷重をかけられた場所が、第1の範囲および第2の範囲のいずれであるかを判別することが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、偏置の影響を受ける荷重計であっても、荷重値を精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態における荷重計としての体組成計の外観の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における体組成計の下肢ユニットの上面図である。
【図3】図1に示した体組成計における下肢ユニットのIII−III線における断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における体組成計の載置面に対して荷重がかけられる位置を模式的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における体組成計の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態における体組成計のCPU100が実行する機能を示す機能ブロック図である。
【図7】(A),(B)は、それぞれ、本発明の実施の形態における校正テーブルAおよび校正テーブルBのデータ構造例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における校正テーブルA,Bの生成原理を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における荷重値測定処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態の変形例1における誤差値テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態の変形例1における荷重値測定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0022】
[実施の形態]
本実施の形態における荷重計は、少なくとも、荷重値を測定する機能を有する装置を表わす。本実施の形態において、「荷重値」とは、測定対象である人や物の重さ(質量)、および、力の量を重さで表わした値を総称している。後者の値は、たとえば人の特定の身体部位における力の量(以下「筋力値」という)を示す。
【0023】
荷重計が、人の重さすなわち体重を測定する場合、測定された体重に基づいて、被測定者の体組成を測定する機能をさらに有していてもよい。
【0024】
本実施の形態では、荷重計は、荷重値(体重を含む)および体組成を測定可能な体組成計であると説明する。なお、「体組成」とは、身体を組成する成分(身体を構成する組織)の割合もしくは量を表わし、たとえば、体脂肪率、筋肉率、除脂肪量、体脂肪量、筋肉量のうちの少なくともいずれかを含む。
【0025】
<概観について>
はじめに、図1〜図3を参照して、本実施の形態における体組成計の概観について説明する。本実施の形態における体組成計は、体重測定モードおよび筋力測定モードにて動作可能である。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態における体組成計1の外観の一例を示す図である。図2は、体組成計1の下肢ユニット3の上面図である。図3は、図1に示したIII−III線における断面図である。
【0027】
図1を参照して、体組成計1は、ユーザが両手で把持可能な上肢ユニット2と、ユーザの両足を載置可能な下肢ユニット3と、上肢ユニット2および下肢ユニット3を電気的に接続するためのケーブル4とを備える。
【0028】
上肢ユニット2には、複数の電極E11,E12,E21,E22(以下、これらを総称して「上肢電極」ともいう)、ユーザからの指示を受付けるための操作部32、測定結果や各種情報を表示するための表示部34が設けられている。
【0029】
上肢ユニット2の左手用のグリップには、電極E11,E21が、右手用のグリップには、電極E12,E22が設けられている。電極E11,E12は、電流印加用の電極である。電極E21,E22は、電圧測定用の電極である。
【0030】
図1および図2を参照して、下肢ユニット3は、複数の電極E13,E14,E23,E24(以下、これらを総称して「下肢電極」ともいう)、および、複数の荷重センサ11,12,13,14を含んでいる。電極E13,E14は電流印加用の電極であり、電極E23,E24は電圧測定用の電極である。
【0031】
図3を参照して、下肢ユニット3は、トップカバー301、ボトムカバー302、および、足カバー305,306によって囲まれており、それらの内部に、フレーム(たとえば板金)303、基板304、荷重センサ11,12,13,14が設けられている。
【0032】
トップカバー301上の中央部分には、突出部5が配置されている。突出部5は、被測定者の膝(膝裏)を載置するための補助具として機能する。突出部5は、膝裏を押し付け易いように、その上面501はたとえば湾曲状に形成されている。突出部5の上面501に対しては、被測定者が、座位または仰臥位の状態で、膝裏を押し付けることにより荷重がかけられる。
【0033】
トップカバー301上の、突出部5よりも左側の領域301Lに電極E13,E23が設けられ、突出部5よりも右側の領域301Rに電極E14,E24が設けられている。
【0034】
本実施の形態のような体組成計1の場合、下肢ユニット3において、測定対象を載置できる面は、トップカバー301上面の露出した面(領域301L,301R)および、突出部5の上面501を含む。このような面を、「載置面SF10」と呼ぶ。
【0035】
荷重センサ11,12,13,14は、下肢ユニット3の載置面SF10へかけられた荷重の量を検出する。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態における体組成計1の載置面SF10に対して荷重がかけられる位置を模式的に示す図である。
【0037】
図4を参照して、本実施の形態では、体組成計1は、荷重をかけ得る場所として2組の点(荷重A点,荷重B点)がある。荷重A点は、体重または体組成を測定する際に、荷重がかけられる位置を示している。つまり、載置面SF10において、被測定者の両足裏を載せる位置(領域301L,301R内の位置)が、A点に対応している。荷重B点は、脚部(大腿四頭筋(太もも)や、ひざ関節)をとりまく筋肉の筋力を測定する際に、荷重がかけられる位置を示している。つまり、載置面SF10において、被測定者の膝裏を載せる位置(突出部5の上面501内の位置)が、B点に対応している。
【0038】
載置面SF10のうち、荷重A点に対応する範囲、つまり、少なくとも体重を測定する際に荷重をかけ得る場所を、以下「範囲A」という。載置面SF10のうち、荷重B点に対応する範囲、つまり、脚部の筋力を測定する際に荷重をかけ得る場所を、以下「範囲B」という。言い換えると、範囲Aは、トップカバー301上の領域301L,301Rに含まれる領域を表わし、範囲Bは、突出部5の上面501に含まれる領域を表わす。
【0039】
載置面SF10の範囲Aまたは範囲Bに荷重がかけられると、トップカバー301が押し下げられる。トップカバー301の押し下げに伴ない、フレーム303も押し下げられる。フレーム303が押し下げられると、各荷重センサ11,12,13,14により、載置面SF10へ加えられた力の量が検出される。
【0040】
各荷重センサ11,12,13,14は、たとえば、歪みゲージを用いたロードセルを含んでおり、力が加えられると、加えられた力を電位として検出する。各荷重センサにより検出された電位が、基板304内の電気回路に出力される。なお、荷重センサ11,12,13,14は、ロードセルに限定されず、載置面SF10へ加えられた力の量が検出できるものであれば、たとえば、ばねやピエゾフィルムを利用したセンサや、圧縮素子、変位センサなどであってもよい。
【0041】
なお、本実施の形態では、4つの荷重センサを設けることとしたが、2つあるいは1つであってもよい。
【0042】
<構成について>
図5は、本発明の実施の形態における体組成計1の構成例を示すブロック図である。
【0043】
図5を参照して、体組成計1は、上記した構成に加え、被測定者の生体インピーダンスを計測するためのインピーダンス計測部24と、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D(analog to digital)回路部26と、電源部30と、各種データやプログラムを記憶するための記憶部36と、通信I/F(interface)部38と、各部の制御および各種演算を行なうためのCPU100とを含む。
【0044】
インピーダンス計測部24は、上肢電極および下肢電極を用いて生体インピーダンスを計測する。インピーダンス計測部24は、ユーザの手足間に微弱の電流を印加した状態で、少なくとも手足間(全身)の電位差を検出し、検出された電位差からインピーダンスを計測する。
【0045】
インピーダンス計測部24は、CPU100により制御されて電極の切替を行なう。インピーダンス計測部24は、たとえば、電極E11〜E14,E21〜E24の全てと接続され、CPU100からの指示に応じて電極を切替えるための切替スイッチ(図示せず)と、切替スイッチにより選択されている少なくとも1対の電流用電極に定電流を流すための定電流発生部(図示せず)とを有する。そして、電流用電極を介して定電流がユーザに印加された状態において、切替スイッチにより選択されている少なくとも1対の電圧用電極の電位差を検出することで、インピーダンスを計測する。
【0046】
インピーダンス計測部24により計測された値は、A/D回路部26に出力される。なお、インピーダンス値は、CPU100において、検出された電位差に基づき算出されてもよい。
【0047】
A/D回路部26は、インピーダンス計測部24からの出力信号を、デジタル信号に変換し、CPU100に出力する。また、各荷重センサ11,12,13,14からの電気信号を、それぞれデジタル信号に変換し、CPU100に出力する。
【0048】
操作部32は、たとえば、複数のボタンを含む。表示部34は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)により構成される。
【0049】
記憶部36は、たとえば、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含む。
通信I/F部38は、外部の装置との間で、データやプログラムを送受信する。なお、体組成計1は、通信I/F部38に代えて/加えて、着脱可能な記録媒体に記憶されたデータやプログラムを読出して、記憶部36に書き込むための書き込み部(図示せず)を備えてもよい。
【0050】
CPU100の機能構成について説明する。
図6は、本発明の実施の形態における体組成計1のCPU100が実行する機能を示す機能ブロック図である。
【0051】
図6を参照して、本実施の形態において、CPU100は、その機能として、モード判別部102と、荷重値算出部104と、体組成算出部106と、出力処理部108とを含む。
【0052】
モード判別部102は、荷重センサ11,12,13,14からの出力より、載置面SF10への荷重が検知されると、荷重値の測定モードが、体重測定モードか筋力測定モードかを判別する。そのために、下肢ユニット3の載置面SF10に対して荷重をかけられた場所が、上記範囲Aおよび範囲Bのいずれであるかが判別される。モード判別部102は、範囲Aへの荷重が検知されると、体重測定モード、範囲Bへの荷重が検知されると、筋力測定モードと判別する。
【0053】
本実施の形態では、モード判別部102は、下肢電極が通電しているか否かを検出することにより、荷重をかけられた場所を判別する。つまり、下肢電極が通電していれば、範囲Aに測定対象(被測定者)が載置されていると考えられるため、体重測定モードと判別する。一方、下肢電極が通電していなければ、範囲Aに測定対象が載置されていないと考えられるため、筋力測定モードと判別する。
【0054】
モードの判別結果は、荷重値算出部104および出力処理部108に出力される。
荷重値算出部104は、モードの判別結果、荷重センサ11,12,13,14からの出力値に基づく値(センサ検出値)、および、校正テーブルA361および校正テーブルB362に基づいて荷重値を算出する。
【0055】
校正テーブルA361および校正テーブルB362は、範囲Aおよび範囲Bへ荷重された場合それぞれについて、センサ検出値の校正値を規定した情報である。これらは、記憶部36内に格納されている。
【0056】
なお、本実施の形態において、「センサ検出値」とは、荷重センサ11,12,13,14からの電気信号がA/D回路部26において変換された後の信号に基づく値(たとえば各荷重センサからの出力値の平均値あるいは合計値)であり、校正作業が必要でない装置においては、測定対象の荷重値に相当する値である。
【0057】
図7(A),(B)は、それぞれ、本発明の実施の形態における校正テーブルA361および校正テーブルB362のデータ構造例を示す図である。
【0058】
図7(A)を参照して、校正テーブルA361は、範囲Aでの各センサ検出値に対する校正値を規定している。つまり、センサ検出値と、図4に示したA点への荷重である場合の校正値(以下「A点校正値」ともいう)とが対応付けられている。
【0059】
図7(B)を参照して、校正テーブルB362は、範囲Bでの各センサ検出値に対する校正値を規定している。つまり、センサ検出値と、図4に示したB点への荷重である場合の校正値(以下「B点校正値」ともいう)とが対応付けられている。
【0060】
このような校正テーブルA361,B362は、体組成計1ごとに、出荷前に生成される。ここで、各校正テーブルがどのようにして生成されるかについて説明する。
【0061】
図8は、本発明の実施の形態における校正テーブルA361,B362の生成原理を示す図である。
【0062】
図8を参照して、横軸におもりの重さ(単位:kg)、縦軸にセンサ検出値をとったグラフに、2つの線90A,90Bが示されている。線90Aは、図4に示したA点(範囲A)におもりを載せた場合の、おもりの重さとセンサ検出値との関係の一例を示している。線90Bは、図4に示したB点(範囲B)におもりを載せた場合の、おもりの重さとセンサ検出値との関係の一例を示している。
【0063】
たとえば、40kgのおもりを載置面SF10の範囲Aに載せた場合、センサ検出値は4000を示し、同じ重さのおもりを載置面SF10の範囲Bに載せた場合、センサ検出値は4400を示していたとする。その場合、荷重計は、校正テーブルA361における、センサ検出値4000に対応するA点校正値を40(kg)と記録する。校正テーブルB362における、センサ検出値4400に対応するB点校正値を40(kg)と記録する。
【0064】
このように、様々な重さのおもりを範囲A,範囲B内に載せて、センサ検出値と載せたおもりの重さとを対応付けていくことで、校正テーブルA361および校正テーブルB362が生成される。
【0065】
なお、本実施の形態では、範囲A,Bそれぞれについての校正情報がテーブル形式にてが保持されることとしたが、限定的ではなく、たとえば、2つの相関式によって保持されてもよい。
【0066】
再び図6を参照して、荷重値算出部104は、体重測定モードとの判別結果を受付けた場合、校正テーブルA361を選択する。そして、校正テーブルA361において、今回得られたセンサ検出値と対応付けられている校正値を、荷重値として算出する。一方、筋力測定モードとの判別結果を受付けた場合、校正テーブルB362を選択する。そして、校正テーブルB362において、今回得られたセンサ検出値と対応付けられている校正値を、荷重値として算出する。
【0067】
算出された荷重値は、出力処理部108に出力される。また、本実施の形態では、体重測定モードの場合には、算出された荷重値が、体組成算出部106にも出力される。
【0068】
体組成算出部106は、入力した荷重値(すなわち、被測定者の体重)と、検出された生体インピーダンスとに、公知のアルゴリズムを適用することで、全身または部位別の体組成を算出する。具体的には、たとえば、次式(1),(2)を用いて、全身の体脂肪率(%FAT)が算出される。体脂肪率の算出の場合、さらに、被測定者の属性情報(たとえば年齢,身長など)を用いてもよい。
【0069】
%FAT=(W−FFM)/W・100 …(1)
FFM =a・H2/Zw+b・W+c・Ag+d …(2)
(ただし、FFM:除脂肪量、W:体重(荷重値)、H:身長、Zw:全身インピーダンス、Ag:年齢、a〜d:定数)
なお、全身インピーダンスは、電極E11,E12から電極E13,E14に電流を流し、被測定者の全身に電流が印加された状態において、検出された電極E21,E22と電極E23,E24との間の電位差に基づき計測された値である。
【0070】
算出された体組成(たとえば体脂肪率)は、出力処理部108に出力される。
出力処理部108は、算出された荷重値および体組成を出力する。具体的には、出力処理部108は、体重測定モードとの判別結果を受付けた場合、荷重値および体組成の両方もしくは体組成のみを表示部34に表示する。体重測定モードの場合、荷重値は体重として表示される。出力処理部108は、筋力測定モードとの判別結果を受付けた場合、荷重値を脚部の筋力値として表示部34に表示する。
【0071】
なお、図6に示した各部の機能は、記憶部36中に格納されたソフトウェアを実行することで実現されてもよいし、これらのうち少なくとも一つについては、ハードウェアで実現されてもよい。
【0072】
また、体組成計1は、上肢電極および下肢電極の両方を用いて体組成を測定するが、下肢電極のみを用いて体組成を測定するものであってもよい。つまり、体組成計1は、上肢電極、あるいは、上肢電極を含んだ上肢ユニット2を備えない構成であってもよい。その場合、操作部32や表示部34は、たとえば下肢ユニット3に設けられる。
【0073】
<動作について>
次に、体組成計1が実行する最も特徴的な処理である、荷重値測定処理について説明する。
【0074】
図9は、本発明の実施の形態における荷重値測定処理を示すフローチャートである。図9のフローチャートに示す処理は、予めプログラムとして記憶部36に格納されており、CPU100がこのプログラムを読み出して実行することにより、荷重値測定処理の機能が実現される。
【0075】
図9を参照して、CPU100は、電源が投入されている場合、荷重がかかったか否かを判定する(ステップS102)。荷重がかかったか否かは、センサ検出値の変化を検出することにより判定可能である。荷重がかかっていなければ、処理は終了される(ステップS102にてNO)。
【0076】
荷重がかかったと判定されると(ステップS102にてYES)、モード判別部102は、下肢電極が通電したか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、たとえば、下肢ユニット3の電極E13,E14に微弱電流を印加し、電極E23,E24において電位差が検出されたか否かを検出することによって、通電の有無が判定されてよい。
【0077】
下肢電極が通電したと判定された場合(ステップS104にてYES)、ステップS106に進む。通電していないと判定された場合(ステップS104にてNO)、ステップS112に進む。
【0078】
ステップS106において、モード判別部102は、図4に示したA点へ荷重されていると判定し、今回の測定を体重測定モードに設定する。体重測定モードが設定されると、荷重値算出部104は、記憶部36内に記憶されている校正テーブルA361を選択する(読出す)。そして、校正テーブルA361を用いて、センサ検出値をA点校正値に置換することで、被測定者の体重を測定する(ステップS108)。出力処理部108は、測定された体重を出力する(ステップS110)。
【0079】
次に、CPU100は、操作部32が、ユーザより体組成測定の指示を受付けたか否かを判定する(ステップS112)。体組成測定の指示が入力されたと判定した場合(ステップS112にてYES)、体組成算出部106は、公知の手法により、上肢電極および下肢電極を用いて生体インピーダンスを測定する処理を行なう。そして、少なくとも、測定されたインピーダンスと、ステップS108で測定された体重値とを、所定のアルゴリズムに適用することで、被測定者の体組成を算出する(ステップS114)。体脂肪率の算出は、たとえば、上記式(1),(2)により可能である。出力処理部108は、測定された体組成を出力する(ステップS116)。
【0080】
体組成測定の指示がなければ(ステップS112にてNO)、荷重値測定処理は終了される。
【0081】
これに対し、ステップS118では、モード判別部102は、図4に示したB点へ荷重されていると判定し、今回の測定を筋力測定モードに設定する。筋力測定モードが設定されると、荷重値算出部104は、記憶部36内に記憶されている校正テーブルB362を選択する(読出す)。そして、校正テーブルB362を用いて、センサ検出値をB点校正値に置換することで、脚部における筋力値を測定する(ステップS120)。出力処理部108は、測定された筋力値を出力する(ステップS122)。
【0082】
以上のように、本実施の形態によると、体組成計が従来より備えている下肢電極を利用して、載置面SF10における範囲A(A点)に荷重がかけられているのか、範囲B(B点)に荷重がかけられているのかを自動で判別することができる。また、その判別結果に応じて、2つの校正テーブルA361,B362のうちの一方が選択されるので、単純にかつ精度良く荷重値(体重または筋力値)を測定することができる。したがって、安価な構成であっても、荷重値測定の偏置誤差を軽減することが可能となる。
【0083】
また、本実施の形態では、2つの測定モードを有する装置であり、各モードが、荷重をかけ得る範囲(A,Bのいずれか)に対応している。そのため、荷重がかけられている範囲を特定することにより、測定モードを判別することができる。これにより、被測定者は、電源投入後に、載置面SF10の範囲Aに載るか、突出部5の上面501に膝裏を押し当てるだけで、荷重値の測定結果を、明示的に体重値あるいは筋力値として表示することもできる。
【0084】
<変形例1>
上記実施の形態では、範囲Aおよび範囲Bへ荷重された場合それぞれについて、センサ検出値の校正値を規定した2つの校正テーブルA,Bを用いた。しかし、一方の校正情報(テーブル)は、センサ検出値の校正値に相当する値であれば、センサ検出値の校正値そのものを規定したものでなくてもよい。
【0085】
具体的には、たとえば、一つの校正情報は、範囲Aへ荷重された場合のセンサ検出値の校正値を規定した情報(実施の形態の校正テーブルA361と同じ)とする。他方の構成情報は、範囲Bへ荷重された場合において、校正テーブルAで規定された各校正値から精確な荷重値(おもりの重さ)を算出するためのアルゴリズム(誤差値)を「センサ検出値の校正値に相当する値」として規定した情報としてもよい。
【0086】
以下に、上記実施の形態と異なる部分のみ説明する。
図10は、本発明の実施の形態の変形例1における誤差値テーブル363のデータ構造例を示す図である。
【0087】
図10を参照して、誤差値テーブル363は、範囲Bへの荷重の際のセンサ検出値を校正テーブルA361で規定された校正値に置換した場合における、実際の荷重値(おもりの重さ)と置換後の校正値との誤差値を規定している。誤差値テーブル363は、たとえば、複数の体組成計(荷重計)のサンプルから平均的なA点校正値に対する誤差を求めることにより作成される。
【0088】
誤差値テーブル363に格納される誤差値は、A点校正値とおもりの重さとの比率(A点校正値/おもりの重さ、または、おもりの重さ/A点校正値)を示してもよいし、A点校正値とおもりの重さとの差分を示してもよい。本変形例では、たとえば、誤差値は、A点校正値/おもりの重さを示している。
【0089】
図11は、本発明の実施の形態の変形例1における荷重値測定処理を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、図9に示した処理と同一の処理については同じステップ番号を付してある。したがって、それらについての説明は繰返さない。
【0090】
図11を参照して、本変形例では、図9のステップS120の処理に代えて、ステップS120#の処理が実行される。ステップS120#の処理を実行するのは、「荷重値算出部104#」であるとして説明する。
【0091】
ステップS120#において、荷重値算出部104#は、記憶部36内に記憶されている校正テーブルA361および誤差値テーブル363の両方を用いて、荷重値を算出する。具体的には、校正テーブルA361において、センサ検出値と対応付けられているA点校正値を読出す。誤差値テーブル363において、読出されたA点校正値と対応付けられている誤差値を読出す。読出されたA点校正値を読出された誤差値で除算して補正することで、B点での荷重値すなわち、脚部における筋力値を算出する。
【0092】
このように、上記実施の形態のように範囲Aおよび範囲Bそれぞれについての校正値を規定した2つの校正テーブルを用いなくても、1つの校正テーブルと誤差値テーブルとがあれば、実施の形態と同様に、B点での荷重値すなわち、脚部における筋力値を精度良く測定することができる。
【0093】
<変形例2>
上記実施の形態では、下肢電極の通電の有無を検出することによってモードを判別したが、限定的ではない。たとえば、操作部32を介して、ユーザ(医師、あるいは、被測定者)からモードの入力を受付けてもよい。
【0094】
または、荷重センサ11,12,13,14からの出力値の違いに基づいて、モードを判別してもよい。この場合、下肢ユニット3において、4つの荷重センサ11,12,13,14が中心点より非対称に設けられているものとする。なお、荷重センサの数は、4つに限定されず複数であればよく、また、4つの荷重センサは中心点より対称にもうけられていてもよい。
【0095】
具体的には、たとえば、4つの荷重センサ11,12,13,14それぞれの出力値の比率が均等(1:1:1:1)であるかどうかを検出する。均等であれば範囲Aへの荷重すなわち、体重測定モードと判定する。均等でなければ(たとえば、1:1:2:2、など)、範囲Bへの荷重すなわち、筋力測定モードと判定することができる。
【0096】
<変形例3>
上記実施の形態では、荷重計の例として体組成計を採用したが、上述したように、体組成を測定する機能を備えたものでなくてもよい。なお、体組成を測定する機能を備えたものでない場合は、上肢電極、下肢電極、インピーダンス計測部24は備えられない。したがって、そのような場合は、変形例2の処理によって体重測定モードか筋力測定モードかを判別することが有効である。
【0097】
また、上記実施の形態では、体重測定モードと筋力測定モードとを有していたが、どちらか一方のモードのみを有するものであってもよい。つまり、荷重計は、単なる体重計であってもよいし、筋力計であってもよい。体重計の場合、突出部5は存在せず、載置面は、フラットな面であってよい。筋力計の場合は、突出部5の上面が、実施の形態で示した上面501よりも横幅が広い形状であってもよい。
【0098】
たとえば、体重計の場合、被測定者の足裏と接触する範囲よりも載置面が広い場合などは、大人が体重を測定する場合と、子供が体重を測定する場合とでは、荷重をかけ得る範囲が異なる可能性がある。つまり、大人が体重を測定する場合は、上記B点に相当する位置に荷重がかけられ、子供が体重を測定する場合は、上記A点のように中央寄りの位置に荷重がかけられると考えられる。そのような場合にも、上記実施の形態の荷重値測定処理を利用して、荷重をかけられた範囲の判別、および、判別された範囲に応じて、校正テーブルA361,B362のいずれかを用いた荷重値の算出を行なうことができる。
【0099】
なお、フラットな載置面上に、荷重をかけられた場所が、予め設定した荷重をかけ得る範囲からずれることも考えられるが、荷重をかけられた場所に近い方の範囲に対応する校正テーブルを用いて荷重値を算出すればよい。
【0100】
また、荷重をかけ得る場所として、3つ以上の範囲および校正テーブルを設定してもよい。
【0101】
また、測定対象を人とした体重計に限らず、測定対象を物とした秤(たとえば、キッチンスケールなど)にも、上記実施の形態の処理を適用することができる。
【0102】
なお、変形例1〜3の少なくともいずれかを組合わせてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 体組成計(荷重計)、2 上肢ユニット、3 下肢ユニット、4 ケーブル、5 突出部、11,12,13,14、 荷重センサ、24 インピーダンス計測部、26 A/D回路部、30 電源部、32 操作部、34 表示部、36 記憶部、38 通信I/F部、100 CPU、102 モード判別部、104 荷重値算出部、106 体組成算出部、108 出力処理部、301 トップカバー、302 ボトムカバー、303 フレーム、304 基板、305,306 足カバー、361 校正テーブルA,362 校正テーブルB、363 誤差値テーブル、E11,E12,E13,E14,E21,E22,E23,E24 電極。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重をかけ得る第1の範囲および第2の範囲を有する載置面と、
前記載置面へかけられた荷重の量を検出するための少なくとも一つの荷重センサと、
前記第1の範囲および前記第2の範囲へ荷重された場合それぞれについて、前記荷重センサでの検出値の校正値に相当する値を規定した第1の校正情報および第2の校正情報を予め記憶するための記憶手段と、
前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別するための判別手段と、
前記荷重センサでの検出値に基づいて、前記載置面へ載せられた測定対象の重さ、および、前記載置面へかけられた力の量の少なくともいずれかを表わす荷重値を算出するための第1の算出手段とを備え、
前記第1の算出手段は、前記判別手段による判別結果に従い、前記第1の校正情報および前記第2の校正情報のうち用いるべき校正情報を選択し、選択した校正情報を前記荷重センサでの検出値に適用することにより荷重値を算出する、荷重計。
【請求項2】
前記第1の校正情報は、前記第1の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、前記相当する値として規定しており、
前記第1の算出手段は、前記判別結果が前記第1の範囲である場合、前記第1の校正情報を選択し、前記第1の校正情報において前記荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定する、請求項1に記載の荷重計。
【請求項3】
前記第2の構成情報は、前記第2の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、前記相当する値として規定しており、
前記第1の算出手段は、前記判別結果が前記第2の範囲である場合には、前記第2の校正情報を選択し、前記第2の校正情報において前記荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定する、請求項2に記載の荷重計。
【請求項4】
前記第2の校正情報は、前記第2の範囲へ荷重された場合の検出値を前記第1の校正情報で規定された校正値に置換した場合における、実際の荷重値と置換後の校正値との誤差値を、前記相当する値として規定しており、
前記第1の算出手段は、前記判別結果が前記第2の範囲である場合には、前記第1の校正情報において前記荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を、前記第2の校正情報において当該校正値と対応付けられた誤差値によって補正することにより荷重値を算出する、請求項2に記載の荷重計。
【請求項5】
前記第1の範囲および前記第2の範囲は、それぞれ、前記載置面における、体重測定のために被測定者の両足裏と接する第1の部分、および、特定の身体部位の筋力測定のために被測定者の前記特定の身体部位の一部と接する第2の部分のいずれかに対応している、請求項2〜4のいずれかに記載の荷重計。
【請求項6】
前記判別手段は、前記第1の範囲および前記第2の範囲のうち、前記第1の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合、体重測定モードと判別し、前記第2の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合には、筋力測定モードと判別し、
前記荷重計は、前記体重測定モードと判別された場合、前記算出された荷重値を被測定者の体重として出力し、前記筋力測定モードと判別された場合には、前記算出された荷重値を前記特定の身体部位における筋力値として出力するための出力手段をさらに備える、請求項5に記載の荷重計。
【請求項7】
被測定者の両足裏と接触させるための複数の電極と、
前記体重測定モードと判別された場合に、前記算出された荷重値と、前記電極によって得られる生体インピーダンスとに基づいて、被測定者の体組成を算出するための第2の算出手段とをさら備え、
前記出力手段は、前記体重測定モードと判別された場合には、さらに、算出された体組成を出力する、請求項6に記載の荷重計。
【請求項8】
前記判別手段は、前記電極が通電しているか否かを検出することにより、前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別する、請求項7に記載の荷重計。
【請求項9】
前記判別手段は、各前記荷重センサからの出力値の違いに基づいて、前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別する、請求項1〜6のいずれかに記載の荷重計。
【請求項10】
前記判別手段は、ユーザからの入力に基づいて、前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別する、請求項1〜6のいずれかに記載の荷重計。
【請求項1】
荷重をかけ得る第1の範囲および第2の範囲を有する載置面と、
前記載置面へかけられた荷重の量を検出するための少なくとも一つの荷重センサと、
前記第1の範囲および前記第2の範囲へ荷重された場合それぞれについて、前記荷重センサでの検出値の校正値に相当する値を規定した第1の校正情報および第2の校正情報を予め記憶するための記憶手段と、
前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別するための判別手段と、
前記荷重センサでの検出値に基づいて、前記載置面へ載せられた測定対象の重さ、および、前記載置面へかけられた力の量の少なくともいずれかを表わす荷重値を算出するための第1の算出手段とを備え、
前記第1の算出手段は、前記判別手段による判別結果に従い、前記第1の校正情報および前記第2の校正情報のうち用いるべき校正情報を選択し、選択した校正情報を前記荷重センサでの検出値に適用することにより荷重値を算出する、荷重計。
【請求項2】
前記第1の校正情報は、前記第1の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、前記相当する値として規定しており、
前記第1の算出手段は、前記判別結果が前記第1の範囲である場合、前記第1の校正情報を選択し、前記第1の校正情報において前記荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定する、請求項1に記載の荷重計。
【請求項3】
前記第2の構成情報は、前記第2の範囲へ荷重された場合の検出値に対する校正値を、前記相当する値として規定しており、
前記第1の算出手段は、前記判別結果が前記第2の範囲である場合には、前記第2の校正情報を選択し、前記第2の校正情報において前記荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を荷重値として決定する、請求項2に記載の荷重計。
【請求項4】
前記第2の校正情報は、前記第2の範囲へ荷重された場合の検出値を前記第1の校正情報で規定された校正値に置換した場合における、実際の荷重値と置換後の校正値との誤差値を、前記相当する値として規定しており、
前記第1の算出手段は、前記判別結果が前記第2の範囲である場合には、前記第1の校正情報において前記荷重センサでの検出値と対応付けられた校正値を、前記第2の校正情報において当該校正値と対応付けられた誤差値によって補正することにより荷重値を算出する、請求項2に記載の荷重計。
【請求項5】
前記第1の範囲および前記第2の範囲は、それぞれ、前記載置面における、体重測定のために被測定者の両足裏と接する第1の部分、および、特定の身体部位の筋力測定のために被測定者の前記特定の身体部位の一部と接する第2の部分のいずれかに対応している、請求項2〜4のいずれかに記載の荷重計。
【請求項6】
前記判別手段は、前記第1の範囲および前記第2の範囲のうち、前記第1の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合、体重測定モードと判別し、前記第2の部分に対応する範囲へ荷重がかけられたと判別された場合には、筋力測定モードと判別し、
前記荷重計は、前記体重測定モードと判別された場合、前記算出された荷重値を被測定者の体重として出力し、前記筋力測定モードと判別された場合には、前記算出された荷重値を前記特定の身体部位における筋力値として出力するための出力手段をさらに備える、請求項5に記載の荷重計。
【請求項7】
被測定者の両足裏と接触させるための複数の電極と、
前記体重測定モードと判別された場合に、前記算出された荷重値と、前記電極によって得られる生体インピーダンスとに基づいて、被測定者の体組成を算出するための第2の算出手段とをさら備え、
前記出力手段は、前記体重測定モードと判別された場合には、さらに、算出された体組成を出力する、請求項6に記載の荷重計。
【請求項8】
前記判別手段は、前記電極が通電しているか否かを検出することにより、前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別する、請求項7に記載の荷重計。
【請求項9】
前記判別手段は、各前記荷重センサからの出力値の違いに基づいて、前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別する、請求項1〜6のいずれかに記載の荷重計。
【請求項10】
前記判別手段は、ユーザからの入力に基づいて、前記載置面に対して荷重をかけられた場所が、前記第1の範囲および前記第2の範囲のいずれであるかを判別する、請求項1〜6のいずれかに記載の荷重計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−191088(P2011−191088A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55366(P2010−55366)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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