説明

蒸気タービン設備および給水ポンプ駆動タービン運転方法

【課題】通常運転中の系統周波数変動等に伴いタービン負荷を急減させた場合であっても給水ポンプ駆動タービンへ必要な蒸気を供給できるようにすること。
【解決手段】制御装置40は、通常運転中に一定以上のタービン負荷急減が生じたときに、蒸気管23の給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bを開くと共に、高圧タービンバイパス蒸気管26の高圧タービンバイパス弁27を開くための制御を行い、これにより加減弁24a,24bの開度が一定以上となり且つバイパス弁27の開度が一定以上となった場合に、蒸気管28の低温再熱蒸気遮断弁29を開くための制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水ポンプ駆動タービンを備えた蒸気タービン設備および給水ポンプ駆動タービン運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭火力発電プラントなどの蒸気タービン設備には、ボイラドラムに水を供給することが可能な、給水ポンプを駆動する給水ポンプ駆動タービンが設けられる。
【0003】
蒸気タービン設備では、事故があった際の負荷遮断や所内単独運転においてタービン負荷を急減させると、給水ポンプ駆動タービンへ供給されるべきタービン抽気の量が急減する。このとき、給水ポンプ駆動タービンへ供給される蒸気が不足しないようにするためには、例えば蒸気タービン排気を直接、給水ポンプ駆動タービンへ供給する経路を形成する。特許文献1には、負荷遮断や所内単独運転により負荷が急減した場合に、再熱器に供給される蒸気タービン排気の一部を分流して給水ポンプ駆動タービンに供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−115807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、事故時のみならず、通常運転時においても、系統周波数変動等の不安定な状態が生じた場合にはタービン負荷を急減させる。この場合、ボイラドラムから発生する蒸気の量は急激には減少しないため、主蒸気圧力の上昇を抑えるためにタービンバイパス弁を開く。しかしながら、このとき、タービン負荷の急減のためにタービン加減弁の開度を減少させているため、ボイラドラムから発生する蒸気の量の減少に比べ、タービン抽気により供給される給水ポンプ駆動タービン用の蒸気の量の減少が著しくなり、給水ポンプが必要な流量の給水を行えなくなり、ドラムレベルが急激に減少してしまう。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、通常運転中の系統周波数変動等に伴いタービン負荷を急減させた場合であっても給水ポンプ駆動タービンへ必要な蒸気を供給することができる蒸気タービン設備および給水ポンプ駆動タービン運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による蒸気タービン設備は、ボイラに設けられた過熱器で発生した蒸気を主蒸気管を通じて高圧タービンに供給して膨張仕事をさせ、その排気を低温再熱蒸気管を通じて前記ボイラに設けられた再熱器で再熱した後、高温再熱蒸気管を通じて中圧タービンに供給して膨張仕事をさせ、この中圧タービンの排気を低圧タービンに供給して膨張仕事をさせた後、復水器で復水し、この復水を給水ポンプ駆動タービンで駆動される給水ポンプにより前記ボイラに給水として供給するよう構成した蒸気タービン設備において、前記中圧タービンから抽気された蒸気を加減弁を介して前記給水ポンプ駆動タービンに供給することが可能な第1の蒸気管と、前記主蒸気管内の蒸気をバイパス弁を介して前記低温再熱蒸気管へバイパスさせることが可能な第2の蒸気管と、前記第1の蒸気管から供給される蒸気とは異なる別の系統からの補助蒸気を遮断弁を介して前記給水ポンプ駆動タービンに供給することが可能な第3の蒸気管と、前記第1の蒸気管の加減弁の開度が一定以上となり且つ前記第2の蒸気管のバイパス弁の開度が一定以上となった場合に、前記第3の蒸気管の遮断弁を開く制御を行う制御手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通常運転中の系統周波数変動等に伴いタービン負荷を急減させた場合であっても給水ポンプ駆動タービンへ必要な蒸気を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蒸気タービン設備の構成の一例を示す図。
【図2】同実施形態の制御装置40による特殊運転時の動作ロジックと通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の動作ロジックとを組み合わせた概念の一例を示す図。
【図3】同実施形態における通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の制御装置40による動作の一例を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る蒸気タービン設備の構成の一例を示す図。
【図5】同実施形態の制御装置40による特殊運転時の動作ロジックと通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の動作ロジックとを組み合わせた概念の一例を示す図。
【図6】同実施形態における通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の制御装置40による動作の一例を示すフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る蒸気タービン設備の構成の一例を示す図。
【図8】同実施形態の制御装置40による特殊運転時の動作ロジックと通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の動作ロジックとを組み合わせた概念の一例を示す図。
【図9】同実施形態における通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の制御装置40による動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
最初に、図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蒸気タービン設備の構成の一例を示す図である。
【0012】
図1の蒸気タービン設備は、例えば火力発電プラントに設置されるものであり、主な構成要素として、ボイラドラム1、スーパーヒータ(過熱器)2、主蒸気管3、高圧タービン加減弁4、高圧タービン5、低温再熱蒸気管6、再熱器7、高温再熱蒸気管8、再熱蒸気加減弁9、中圧タービン10、クロスオーバ管11、低圧タービン12、復水器13、復水ポンプ14、低圧給水加熱器15、脱気器16、給水ポンプ17a,17b、高圧給水加熱器18、タービン発電機20、抽気蒸気管21、抽気逆止弁22、蒸気管23、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24b、および給水ポンプ駆動タービン25a,25bを有する。
【0013】
この蒸気タービン設備においては、ボイラドラム1に設けられたスーパーヒータ2で加熱されて発生した蒸気を、主蒸気管3を通じて、高圧タービン加減弁4にて蒸気量を加減しつつ高圧タービン5に供給して、膨張仕事をさせ、その排気を低温再熱蒸気管6を通じてボイラドラム1に設けられた再熱器7で再熱した後、高温再熱蒸気管8を通じて、再熱蒸気加減弁9にて蒸気量を加減しつつ中圧タービン10に供給して、膨張仕事をさせ、この中圧タービン10の排気をクロスオーバ管11を通じて低圧タービン12に供給し、膨張仕事をさせた後、復水器13で復水し、この復水を復水ポンプ14で加圧して給水し、この給水を低圧給水加熱器15にてタービン抽気により加温した後、脱気器16にて脱気し、脱気された水を、給水ポンプ駆動タービン25a,25bで駆動される給水ポンプ17a,17bによりボイラドラム1に供給するよう構成している。タービン発電機12は、高圧タービン9、中圧タービン10、および低圧タービン11によって発生する回転トルクにより駆動される。
中圧タービン10から抽気される蒸気は、抽気蒸気管21を通じて抽気逆止弁22を経由し、さらに蒸気管23を通じて、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bにより蒸気量を加減されて給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給される。これにより、蒸気の供給を受けた給水ポンプ駆動タービン25a,25bは、給水ポンプ17a,17bを駆動する。
【0014】
また、上記蒸気タービン設備は、更なる構成要素として、高圧タービンバイパス蒸気管26、高圧タービンバイパス弁27、蒸気管28、低温再熱蒸気遮断弁29、低温再熱蒸気調節弁30、圧力トランスミッタ31a,31b、および制御装置40を有する。
【0015】
高圧タービンバイパス蒸気管26は、高圧タービンバイパス弁27を備え、主蒸気管3内の蒸気を高圧タービンバイパス弁27を介して低温再熱蒸気管6へバイパスさせることが可能である。高圧タービンバイパス弁27は、制御装置40からの指令に応じて開閉動作し、高圧タービンバイパス蒸気管26を通る蒸気の量を設定する。
【0016】
蒸気管28は、低温再熱蒸気管6と高圧タービンバイパス蒸気管26との接続部の下流位置にて低温再熱蒸気管6に接続されている。そして蒸気管28は、低温再熱蒸気遮断弁29および低温再熱蒸気調節弁30を備え、低温再熱蒸気管6内の蒸気を補助蒸気として低温再熱蒸気遮断弁29および低温再熱蒸気調節弁30を介して給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給することが可能である。低温再熱蒸気遮断弁29は、制御装置40からの指令信号に応じて開閉動作し、蒸気管28を通る補助蒸気の量を設定する。低温再熱蒸気調節弁30は、制御装置40からの指令信号に応じて蒸気管28を通る補助蒸気の圧力を設定する。
【0017】
圧力トランスミッタ31a,31bは、蒸気管23を通じて給水ポンプ駆動タービン25a,25bにそれぞれ供給される蒸気の圧力を計測するものであり、制御装置40が低温再熱蒸気調節弁30を通じて当該蒸気圧力をフィードバック制御するために使用される。なお、圧力トランスミッタ31a,31bが設置される場所は、蒸気管23に限られず、例えば蒸気管28に設けられていてもよい。
【0018】
制御装置40は、当該プラントにおける各種の状態に応じて、給水ポンプ駆動タービン25a,25bに必要な蒸気が供給されるよう、各種の蒸気管の弁を制御するためのプロセッサである。
【0019】
このような構成において、通常運転が安定しているときは、蒸気管21および23を介して供給される、中圧タービン10より抽気された蒸気により給水ポンプ駆動タービン25a,25bが駆動され、当該給水ポンプ駆動タービン25a,25bにより給水ポンプ17a,17bが駆動されて給水を行っている。このとき、上記制御装置40は、高圧タービン加減弁4、再熱蒸気加減弁9、給水ポンプ駆動タービン25a,25bは適度な開度で開き、一方、高圧タービンバイパス弁27および低温再熱蒸気遮断弁29は閉じた状態となるよう制御している。
【0020】
一方、事故があった際の負荷遮断や所内単独運転、ランバックなどの特殊運転時においては、制御装置40は、タービン負荷を急減させるために、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9を急閉し、高圧タービンバイパス弁27を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う。これにより、高圧タービン5および中圧タービン10に流入する蒸気の量を急減させる。このとき、中圧タービン10から抽気される蒸気の量が急減し、このままではボイラドラム1へ給水するための給水ポンプ駆動タービン25a,25b用の駆動蒸気が不足することになる。そこで、制御装置40は、更に低温再熱蒸気遮断弁29を開くと共に低温再熱蒸気調節弁30を調整して給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給する蒸気の圧力を一定に保つための制御を行う。これにより、蒸気が主蒸気管3から高圧タービンバイパス蒸気管26を通じて低温再熱蒸気管6へ送られ、高圧タービンバイパス蒸気管26の接続部の下流における低温再熱蒸気管6内の蒸気が、補助蒸気としてその量および圧力が適切に調整されて蒸気管28を通じ供給される。したがって、このとき給水ポンプ駆動タービン25a,25bは、蒸気管21および23を介して供給される蒸気と蒸気管28を介して供給される補助蒸気の両者によって駆動される。
【0021】
また、通常運転中であっても、当該プラントにて系統周波数変動等の不安定な状態が生じた場合は、制御装置40は、タービン負荷を急減させるために、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9の開度を減少させ、高圧タービンバイパス弁27を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う。これにより、高圧タービン5および中圧タービン10に流入する蒸気の量を減少させる。このとき、中圧タービン10から抽気される蒸気の量が減少し、このままではボイラドラム1へ給水するための給水ポンプ駆動タービン25a,25b用の駆動蒸気が不足することになる。そこで、制御装置40は、更に給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bを一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、これにより給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度が一定以上(例えば、全開)となり且つ高圧タービンバイパス弁27の開度が一定以上(例えば、全開)になったら、低温再熱蒸気遮断弁29を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う。また、低温再熱蒸気遮断弁29の開度が一定以上(例えば、全開)になったら、低温再熱蒸気調節弁30を調整して給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給する蒸気の圧力を一定に保つための制御を行う。これにより、蒸気が主蒸気管3から高圧タービンバイパス蒸気管26を通じて低温再熱蒸気管6へ送られ、高圧タービンバイパス蒸気管26の接続部の下流における低温再熱蒸気管6内の蒸気が、補助蒸気としてその量および圧力が適切に調整されて蒸気管28を通じて給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給されることになる。
【0022】
なお、通常運転時やプラント起動/停止時に給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが過渡的に全開したとしても、高圧タービンバイパス弁27が開していなければボイラドラム1からの蒸気発生量に見合ったタービン抽気量は確保されているため、低温再熱蒸気管6から給水ポンプ駆動タービン25a,25bへの蒸気供給を行わない。
【0023】
図2は、同実施形態の制御装置40による特殊運転時の動作ロジックと通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の動作ロジックとを組み合わせた概念の一例を示す図である。
【0024】
図2に示されるように、事故があった際には、「負荷遮断または所内単独運転」、もしくは「ランバック」などの特殊運転が行われる。このとき、制御装置40は、低温再熱蒸気遮断弁29に対して「開指令」を送り、その後に、低温再熱蒸気遮断弁29の「全開」を検知すると、低温再熱蒸気調節弁30に対して蒸気の「圧力設定」の指示を送る。
【0025】
一方、通常運転中であっても系統周波数変動等があった場合には、負荷急減が行われる。この場合、高圧タービンバイパス弁27および給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが開かれる。制御装置40は、高圧タービンバイパス弁27が「全閉のNOT」、即ち、少しでも開いた状態となり、且つ、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが「全開」となったことを検知すると、低温再熱蒸気遮断弁29に対して「開指令」を送り、その後に、低温再熱蒸気遮断弁29の「全開」を検知すると、低温再熱蒸気調節弁30に対して補助蒸気の「圧力設定」の指示を送る。
【0026】
なお、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの状態を伝える経路の途中に、オフ・ディレイ・タイマを介在させてもよい。その場合、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが「全開」となった時には、即座に、低温再熱蒸気遮断弁29に対して「開指令」が出され、一方、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが「全開」でなくなった時には、一定の遅延があってから、低温再熱蒸気遮断弁29に対して「閉指令」が出されることになる。これにより、まだ安定状態に十分には戻っていないタービンに過度な負荷がかかることを防ぐことができる。
【0027】
ここで、図3を参照して、同実施形態における通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の制御装置40による動作の一例を説明する。
【0028】
制御装置40は、通常運転中に系統周波数変動等の不安定な状態を示す信号を検知すると、タービン負荷を急減させるための制御を実施し(ステップS11)、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9の開度を減少させる。更に、制御装置40は、高圧タービンバイパス弁27を開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、且つ、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bを一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う(ステップS12)。
【0029】
次いで、制御装置40は、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度および高圧タービンバイパス弁27の開度をそれぞれ監視し(ステップS13)、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度が一定以上(例えば、全開)となり且つ高圧タービンバイパス弁27の開度が一定以上(例えば、全開)になったときに、低温再熱蒸気遮断弁29を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う(ステップS14)。
【0030】
次いで、制御装置40は、低温再熱蒸気遮断弁29の開度を監視し(ステップS15)、低温再熱蒸気遮断弁29の開度が一定以上(例えば、全開)になったときに、低温再熱蒸気調節弁30を通る補助蒸気が一定の圧力となるよう調整するための制御を行う(ステップS16)。
【0031】
次いで、制御装置40は、低温再熱蒸気調節弁30により調節される補助蒸気の蒸気圧力を監視し(ステップS17)、所定の蒸気圧力が得られたら、一連の処理を終了する。なお、ここで処理を終了せずに、ステップS16およびステップS17の処理を繰り返すようにしてもよい。
【0032】
このように、第1の実施形態によれば、従来のような事故があった際の負荷遮断や所内単独運転といった特殊運転時だけでなく、通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時においても、給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ必要な駆動蒸気を供給することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時に、給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給される蒸気の圧力を調整することができるので、給水ポンプ駆動タービン25a,25bの駆動を制御しやすくなり、給水ポンプ17a,17bにて必要な給水流量を容易に実現することができる。
【0033】
また、第1の実施形態によれば、通常運転時やプラント起動/停止時に給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが過渡的に全開したとしても、高圧タービンバイパス弁27が開していなければ、低温再熱蒸気管6から給水ポンプ駆動タービン25a,25bへの蒸気供給は行われないため、プラントのヒートバランスどおりの運転を実現することができる。
【0034】
(第2の実施形態)
次に、図4〜図6を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0035】
なお、この第2の実施形態(図4〜図6)では、前述の第1の実施形態(図1〜図3)と共通する要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。以下では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0036】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る蒸気タービン設備の構成の一例を示す図である。
【0037】
図4の蒸気タービン設備は、図1の蒸気タービン設備が有する各種要素に加え、更に、補助蒸気管28’、補助蒸気遮断弁29’および補助蒸気調節弁30’を有する。
【0038】
補助蒸気管28’は、補助蒸気遮断弁29’および補助蒸気調節弁30’を備え、前述の蒸気管21,23や蒸気管26,28とは異なる別の系統から得られる補助蒸気(例えば、図示しない補助ボイラから排気される補助蒸気など)を補助蒸気遮断弁29’および補助蒸気調節弁30’を介して給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給することが可能である。なお、補助蒸気管28’は、例えば主蒸気管3内の蒸気を取り込むように構成されていてもよい。補助蒸気遮断弁29’は、制御装置40からの指令信号に応じて開閉動作し、補助蒸気管28’を通る蒸気の量を設定する。補助蒸気調節弁30’は、制御装置40からの指令信号に応じて補助蒸気管28’を通る蒸気の圧力を設定する。
【0039】
こうした要素の追加に伴い、本実施形態の制御装置40は、低温再熱蒸気遮断弁29および補助蒸気遮断弁29’のいずれか一方もしくは両方に対して開閉動作を指示することができる。例えば、低温再熱蒸気遮断弁29および補助蒸気遮断弁29’のうち、片方は、予備用として普段は使用せずに常に全閉としておき、もう片方が故障したときにだけ使用するようにしてもよい。また、低温再熱蒸気遮断弁29および補助蒸気遮断弁29’を両方とも使用して開閉動作を連動させ、片方が故障したときに、もう片方だけを使用するようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態の制御装置40は、低温再熱蒸気調節弁30および補助蒸気調節弁30’のいずれか一方もしくは両方を調整して給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給する補助蒸気の圧力を一定に保つための制御を行うことができる。例えば、低温再熱蒸気遮断弁29および補助蒸気遮断弁29’のうち、片方だけ(例えば、補助蒸気遮断弁29’だけ)を開いた場合には、低温再熱蒸気調節弁30および補助蒸気調節弁30’のうちの該当する方(例えば、補助蒸気調節弁30’)の開度を調整する。また、低温再熱蒸気調節弁30および補助蒸気調節弁30’を両方とも開いた場合には、低温再熱蒸気調節弁30および補助蒸気調節弁30’の動作を連動させる、あるいは、片方の圧力を一定にしたままで、もう片方の圧力を調節するようにようにしてもよい。
【0041】
このような構成において、通常運転が安定しているときは、制御装置40は、高圧タービン加減弁4、再熱蒸気加減弁9、給水ポンプ駆動タービン25a,25bは適度な開度で開き、一方、高圧タービンバイパス弁27および低温再熱蒸気遮断弁29は閉じ、更に、補助蒸気遮断弁29’も閉じた状態となるよう制御している。
【0042】
一方、事故があった際の負荷遮断や所内単独運転、ランバックなどの特殊運転時においては、制御装置40は、タービン負荷を急減させるために、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9を急閉し、高圧タービンバイパス弁27を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、更に低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’を開くと共に低温再熱蒸気調節弁30もしくは補助蒸気調節弁30’を調整して給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給する補助蒸気の圧力を一定に保つための制御を行う。これにより、量および圧力が適切に調整された補助蒸気が蒸気管28もしくは補助蒸気管28’を通じて給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給されることになる。
【0043】
また、通常運転中に系統周波数変動等の不安定な状態が生じた場合は、制御装置40は、タービン負荷を急減させるために、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9の開度を減少させ、高圧タービンバイパス弁27を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、更に給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bを一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、これにより給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度が一定以上(例えば、全開)となり且つ高圧タービンバイパス弁27の開度が一定以上(例えば、全開)になったら、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う。また、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’の開度が一定以上(例えば、全開)になったら、低温再熱蒸気調節弁30もしくは補助蒸気調節弁30’を調整して給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給する蒸気の圧力を一定に保つための制御を行う。これにより、量および圧力が適切に調整された補助蒸気が蒸気管28もしくは補助蒸気管28’を通じて給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給されることになる。
【0044】
図5は、同実施形態の制御装置40による特殊運転時の動作ロジックと通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の動作ロジックとを組み合わせた概念の一例を示す図である。
【0045】
図5に示されるように、事故があった際には、「負荷遮断または所内単独運転」、もしくは「ランバック」などの特殊運転が行われる。このとき、制御装置40は、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’に対して「開指令」を送り、その後に、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’の「全開」を検知すると、低温再熱蒸気調節弁30もしくは補助蒸気調節弁30’に対して補助蒸気の「圧力設定」の指示を送る。
【0046】
一方、通常運転中であっても系統周波数変動等があった場合には、負荷急減が行われる。この場合、高圧タービンバイパス弁27および給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが開かれる。制御装置40は、高圧タービンバイパス弁27が「全閉のNOT」、即ち、少しでも開いた状態となり、且つ、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが「全開」となったことを検知すると、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’に対して「開指令」を送り、その後に、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’の「全開」を検知すると、低温再熱蒸気調節弁30もしくは補助蒸気調節弁30’に対して補助蒸気の「圧力設定」の指示を送る。
【0047】
なお、この場合も、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの状態を伝える経路の途中に、オフ・ディレイ・タイマを介在させてもよい。
【0048】
ここで、図6を参照して、同実施形態における通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の制御装置40による動作の一例を説明する。
【0049】
制御装置40は、通常運転中に系統周波数変動等の不安定な状態を示す信号を検知すると、タービン負荷を急減させるための制御を実施し(ステップS21)、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9の開度を減少させる。更に、制御装置40は、高圧タービンバイパス弁27を開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、且つ、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bを一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う(ステップS22)。
【0050】
次いで、制御装置40は、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度および高圧タービンバイパス弁27の開度をそれぞれ監視し(ステップS23)、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度が一定以上(例えば、全開)となり且つ高圧タービンバイパス弁27の開度が一定以上(例えば、全開)になったときに、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う(ステップS24)。
【0051】
次いで、制御装置40は、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’の開度を監視し(ステップS25)、低温再熱蒸気遮断弁29もしくは補助蒸気遮断弁29’の開度が一定以上(例えば、全開)になったときに、低温再熱蒸気調節弁30もしくは補助蒸気調節弁30’を通る補助蒸気が一定の圧力となるよう調整するための制御を行う(ステップS26)。
【0052】
次いで、制御装置40は、低温再熱蒸気調節弁30もしくは補助蒸気調節弁30’により調節される補助蒸気の蒸気圧力を監視し(ステップS27)、所定の蒸気圧力が得られたら、一連の処理を終了する。なお、ここで処理を終了せずに、ステップS26およびステップS27の処理を繰り返すようにしてもよい。
【0053】
このように、第2の実施形態によれば、前述の第1の実施形態と同様の効果が得られるほか、通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時などにおいて補助蒸気を給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給するに際し、蒸気管28を経由する経路だけでなく、補助蒸気管28’を経由する経路も利用することができるので、故障等の不具合に柔軟に対応でき、信頼性を向上させることができる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0055】
なお、この第3の実施形態(図7〜図9)では、前述の第2の実施形態(図4〜図6)と共通する要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。以下では、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0056】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る蒸気タービン設備の構成の一例を示す図である。
【0057】
図7の蒸気タービン設備は、図4の蒸気タービン設備が有する各種要素のうち、蒸気管28、低温再熱蒸気遮断弁29、および低温再熱蒸気調節弁30が設けられていない構成となっている。
【0058】
このような構成において、通常運転が安定しているときは、制御装置40は、高圧タービン加減弁4、再熱蒸気加減弁9、給水ポンプ駆動タービン25a,25bは適度な開度で開き、一方、高圧タービンバイパス弁27および補助蒸気遮断弁29’は閉じた状態となるよう制御している。
【0059】
一方、事故があった際の負荷遮断や所内単独運転、ランバックなどの特殊運転時においては、制御装置40は、タービン負荷を急減させるために、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9を急閉し、高圧タービンバイパス弁27を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、更に補助蒸気遮断弁29’を開くと共に補助蒸気調節弁30’を調整して給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給する蒸気の圧力を一定に保つための制御を行う。これにより、量および圧力が適切に調整された補助蒸気が補助蒸気管28’を通じて給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給されることになる。
【0060】
また、通常運転中に系統周波数変動等の不安定な状態が生じた場合は、制御装置40は、タービン負荷を急減させるために、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9の開度を減少させ、高圧タービンバイパス弁27を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、更に給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bを一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、これにより給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度が一定以上(例えば、全開)となり且つ高圧タービンバイパス弁27の開度が一定以上(例えば、全開)になったら、補助蒸気遮断弁29’を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う。また、補助蒸気遮断弁29’の開度が一定以上(例えば、全開)になったら、補助蒸気調節弁30’を調整して給水ポンプ駆動タービン25a,25bに供給する蒸気の圧力を一定に保つための制御を行う。これにより、量および圧力が適切に調整された補助蒸気が補助蒸気管28’を通じて給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給されることになる。
【0061】
図8は、同実施形態の制御装置40による特殊運転時の動作ロジックと通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の動作ロジックとを組み合わせた概念の一例を示す図である。
【0062】
図8に示されるように、事故があった際には、「負荷遮断または所内単独運転」、もしくは「ランバック」などの特殊運転が行われる。このとき、制御装置40は、補助蒸気遮断弁29’に対して「開指令」を送り、その後に、補助蒸気遮断弁29’の「全開」を検知すると、補助蒸気調節弁30’に対して補助蒸気の「圧力設定」の指示を送る。
【0063】
一方、通常運転中であっても系統周波数変動等があった場合には、負荷急減が行われる。この場合、高圧タービンバイパス弁27および給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが開かれる。制御装置40は、高圧タービンバイパス弁27が「全閉のNOT」、即ち、少しでも開いた状態となり、且つ、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bが「全開」となったことを検知すると、補助蒸気遮断弁29’に対して「開指令」を送り、その後に、補助蒸気遮断弁29’の「全開」を検知すると、補助蒸気調節弁30’に対して補助蒸気の「圧力設定」の指示を送る。
【0064】
なお、この場合も、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの状態を伝える経路の途中に、オフ・ディレイ・タイマを介在させてもよい。
【0065】
ここで、図9を参照して、同実施形態における通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時の制御装置40による動作の一例を説明する。
【0066】
制御装置40は、通常運転中に系統周波数変動等の不安定な状態を示す信号を検知すると、タービン負荷を急減させるための制御を実施し(ステップS31)、高圧タービン加減弁4及び再熱蒸気加減弁9の開度を減少させる。更に、制御装置40は、高圧タービンバイパス弁27を開く(例えば、全開にする)ための制御を行い、且つ、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bを一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う(ステップS32)。
【0067】
次いで、制御装置40は、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度および高圧タービンバイパス弁27の開度をそれぞれ監視し(ステップS33)、給水ポンプ駆動タービン加減弁24a,24bの開度が一定以上(例えば、全開)となり且つ高圧タービンバイパス弁27の開度が一定以上(例えば、全開)になったときに、補助蒸気遮断弁29’を一定以上開く(例えば、全開にする)ための制御を行う(ステップS34)。
【0068】
次いで、制御装置40は、補助蒸気遮断弁29’の開度を監視し(ステップS35)、補助蒸気遮断弁29’の開度が一定以上(例えば、全開)になったときに、補助蒸気調節弁30’を通る蒸気が一定の圧力となるよう調整するための制御を行う(ステップS36)。
【0069】
次いで、制御装置40は、補助蒸気調節弁30’により調節される蒸気圧力を監視し(ステップS37)、所定の蒸気圧力が得られたら、一連の処理を終了する。なお、ここで処理を終了せずに、ステップS36およびステップS37の処理を繰り返すようにしてもよい。
【0070】
このように、第3の実施形態によれば、前述の蒸気管28、低温再熱蒸気遮断弁29、および低温再熱蒸気調節弁30が無くても、通常運転中の系統周波数変動等に伴う負荷急減時などにおいて補助蒸気を給水ポンプ駆動タービン25a,25bへ供給するに際し、補助蒸気管28’を経由する経路を利用することができるので、前述の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0071】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…ボイラドラム、2…スーパーヒータ、3…主蒸気管、4…高圧タービン加減弁、5…高圧タービン、6…低温再熱蒸気管、7…再熱器、8…高温再熱蒸気管、9…再熱蒸気加減弁、10…中圧タービン、11…クロスオーバ管、12…低圧タービン、13…復水器、14…復水ポンプ、15…低圧給水加熱器、16…脱気器、17a,17b…給水ポンプ、18…高圧給水加熱器、20…タービン発電機、21…抽気蒸気管、22…抽気逆止弁、23…蒸気管、24a,24b…給水ポンプ駆動タービン加減弁、25a,25b…給水ポンプ駆動タービン、26…高圧タービンバイパス蒸気管、27…高圧タービンバイパス弁、28…蒸気管、29…低温再熱蒸気遮断弁、30…低温再熱蒸気調節弁、28’…補助蒸気管、29’…補助蒸気遮断弁、30’…補助蒸気調節弁、31a,31b…圧力トランスミッタ、40…制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラに設けられた過熱器で発生した蒸気を主蒸気管を通じて高圧タービンに供給して膨張仕事をさせ、その排気を低温再熱蒸気管を通じて前記ボイラに設けられた再熱器で再熱した後、高温再熱蒸気管を通じて中圧タービンに供給して膨張仕事をさせ、この中圧タービンの排気を低圧タービンに供給して膨張仕事をさせた後、復水器で復水し、この復水を給水ポンプ駆動タービンで駆動される給水ポンプにより前記ボイラに給水として供給するよう構成した蒸気タービン設備において、
前記中圧タービンから抽気された蒸気を加減弁を介して前記給水ポンプ駆動タービンに供給することが可能な第1の蒸気管と、
前記主蒸気管内の蒸気をバイパス弁を介して前記低温再熱蒸気管へバイパスさせることが可能な第2の蒸気管と、
前記第1の蒸気管から供給される蒸気とは異なる別の系統からの補助蒸気を遮断弁を介して前記給水ポンプ駆動タービンに供給することが可能な第3の蒸気管と、
前記第1の蒸気管の加減弁の開度が一定以上となり且つ前記第2の蒸気管のバイパス弁の開度が一定以上となった場合に、前記第3の蒸気管の遮断弁を開く制御を行う制御手段とを具備することを特徴とする蒸気タービン設備。
【請求項2】
前記第3の蒸気管は、前記給水ポンプ駆動タービンに供給する蒸気の圧力を調節するための調節弁を備え、
前記制御手段は、前記遮断弁の開度が一定以上となった場合に、前記調節弁を調整して前記給水ポンプ駆動タービンに供給する蒸気の圧力を一定に保つための制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン設備。
【請求項3】
前記第3の蒸気管は前記低温再熱蒸気管と前記第2の蒸気管との合流位置より下流の前記低温再熱蒸気管に接続され、当該低温再熱蒸気管内の蒸気を前記補助蒸気としたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の蒸気タービン設備。
【請求項4】
前記第3の蒸気管は、前記第1及び第2の蒸気管とは異なる別の系統から得られる蒸気を前記補助蒸気としたことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の蒸気タービン設備。
【請求項5】
ボイラに設けられた過熱器で発生した蒸気を主蒸気管を通じて高圧タービンに供給して膨張仕事をさせ、その排気を低温再熱蒸気管を通じて前記ボイラに設けられた再熱器で再熱した後、高温再熱蒸気管を通じて中圧タービンに供給して膨張仕事をさせ、この中圧タービンの排気を低圧タービンに供給して膨張仕事をさせた後、復水器で復水し、この復水を給水ポンプ駆動タービンで駆動される給水ポンプにより前記ボイラに給水として供給するよう構成し、前記中圧タービンから抽気された蒸気を加減弁を介して前記給水ポンプ駆動タービンに供給することが可能な第1の蒸気管と、前記主蒸気管内の蒸気をバイパス弁を介して前記低温再熱蒸気管へバイパスさせることが可能な第2の蒸気管と、前記第1の蒸気管から供給される蒸気とは異なる別の系統からの補助蒸気を遮断弁を介して前記給水ポンプ駆動タービンに供給することが可能な第3の蒸気管とを設けた蒸気タービン設備に適用される給水ポンプ駆動タービン運転方法において、
前記第1の蒸気管の加減弁の開度が一定以上となり且つ前記第2の蒸気管のバイパス弁の開度が一定以上となった場合に、前記第3の蒸気管の遮断弁を開くための制御を行うことを特徴とする給水ポンプ駆動タービン運転方法。
【請求項6】
前記第3の蒸気管は前記低温再熱蒸気管と前記第2の蒸気管との合流位置より下流の前記低温再熱蒸気管に接続され、当該低温再熱蒸気管内の蒸気を前記補助蒸気としたことを特徴とする請求項5記載の給水ポンプ駆動タービン運転方法。
【請求項7】
前記第3の蒸気管は前記第1及び第2の蒸気管とは異なる別の系統から得られる蒸気を前記補助蒸気としたことを特徴とする請求項5記載の給水ポンプ駆動タービン運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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