説明

蒸気タービン

【課題】蒸気量を調整する調整弁の長期に渡る安定した駆動が可能であって、且つ、調整弁の開閉駆動機構が軸受の保守作業の邪魔にならない蒸気タービンを提供する。
【解決手段】本発明に係る蒸気タービン10は、タービン本体11と、タービン本体11に接続されて蒸気が流通する蒸気流路12と、直線運動することで蒸気流路12の開閉を調整する調整弁13と、調整弁13を駆動する開閉駆動機構15とを有し、開閉駆動機構15が、電力が供給されて回転する電動モータと、電動モータの回転運動を調整弁13の直線運動に変換する変換機構と、電動モータの回生エネルギーによって作動するブレーキと、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気によって回転駆動する蒸気タービンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンは、機械駆動用などに用いられ、回転可能に支持されたロータを有するタービン本体を備え、このタービン本体に対して作動流体としての蒸気が供給されることによってロータが回転駆動される。この蒸気タービンでは、タービン本体へ供給する蒸気やタービン本体から抽気した蒸気が蒸気流路を流れるが、この蒸気流路には調整弁が設けられ、調整弁が蒸気流路の開閉を調整することによって蒸気の流量を調整するようになっている。そして、この調整弁の駆動には、油圧サーボ機構が広く用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ここで、図11は、従来の蒸気タービン80の構成を示す模式図である。蒸気タービン80は、圧縮機を駆動するタービン本体81と、このタービン本体81に蒸気を供給する蒸気流路82と、蒸気流路82に設けられてその開閉を調整する調整弁83と、回動可能に支持されて調整弁83の一端部が固定されたレバー部材84と、レバー部材84を介して調整弁83を駆動する油圧サーボ機構85と、タービン本体81で検出された回転速度や操作盤から入力された指示に基づいて油圧サーボ機構85の動作を制御する電子ガバナ86と、を備えるものである。
【0004】
ここで、油圧サーボ機構85は、図11に示すように、レバー部材84に一端部が固定されたピストン87と、ピストン87を収容する油圧シリンダ88と、油圧シリンダ88に作動油を供給するパイロット弁89と、パイロット弁89を駆動するアクチュエータ90とを有している。このように構成される油圧サーボ機構85によれば、油圧シリンダ88におけるピストン87より下側にパイロット弁89から作動油が供給されると、ピストン87が上方へ移動することにより、レバー部材84がその先端部を上昇させるように回動する。これにより、レバー部材84に固定された調整弁83も上昇し、蒸気流路82が開放されることにより、蒸気流路82からタービン本体81に対して蒸気が供給される。
【0005】
一方、油圧シリンダ88におけるピストン87より上側にパイロット弁89から作動油が供給されると、ピストン87が下方へ移動することにより、レバー部材84がその先端部を下降させるように回動する。これにより、レバー部材84に固定された調整弁83も下降し、蒸気流路82が閉止されることにより、蒸気流路82からタービン本体81に対する蒸気の供給が停止する。
【0006】
ここで、図12は、従来の油圧サーボ機構85の設置状態を示す概略斜視図である。通常、設備建屋内の設備設置スペースの大部分は、駆動対象の機械とタービン本体とで占められてしまう。油圧サーボ機構85は、そのレバー部材84を上下に操作する都合上、レバー部材84の下方にスペースを必要とする。しかしながら、上記のとおり設置スペースの大部分が駆動対象の機械とタービン本体で占められていることから、レバー部材84の下方のスペースを油圧サーボ機構85のみとすることは困難である。このため、レバー部材84を直接操作するピストン87及び油圧シリンダ88は、レバー部材84の直下に配置しつつ、それ以外のパイロット弁89とアクチュエータ90とは、軸受カバー91の上に設置することとして、設置スペースを確保している。この軸受カバー91は、タービン本体81のロータを構成する回転軸を回転可能に支持する役割を果たす軸受を収容するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−19006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載されるように調整弁83の駆動に油圧サーボ機構85を用いる蒸気タービン80には、以下に示すような問題がある。
【0009】
まず、油圧サーボ機構85の作動流体として油を使用することで大出力や速い応答性が得られるが、比較的高い油圧が必要となるため、油圧シリンダ88や各種の配管には油圧に耐え得るだけの十分な強度が必要とされる。これにより、蒸気タービン80全体としての大型化や重量の増加を招くとともに、材料費の増加に伴うコストアップにもつながるという問題がある。
【0010】
また、蒸気タービン80は長期に渡って連続的な運転が行われる。従って、油圧サーボ機構85の各部を封止するパッキンには、経年的な劣化が生じるおそれがあり、また、油圧サーボ機構85の各部を接続する継手にも経年的な緩みが生じるおそれがある。このため、これらに起因する作動油の漏れ出しを防止するための対策を講じる必要があり、また防火の対策を講じる必要がある。従って、蒸気タービン80の長期に渡る運転に影響を受けることなく、調整弁83を確実に駆動し続ける機構が要求される。
【0011】
更に、油圧サーボ機構85は、図12に示すように、そのパイロット弁89とアクチュエータ90とが軸受カバー91の上にそれぞれ設置される。従って、軸受カバー91の内部に収容された不図示の軸受の保守作業を行うために軸受カバー91を開放する度に、パイロット弁89及びアクチュエータ90をレバー部材84から切り離した後、それらを軸受カバー91の上から取り外す作業が必要となる。これにより、軸受の保守作業に多大な手間が掛かるという問題がある。
【0012】
また、油圧サーボ機構85に供給する作動油は、軸受に供給する油と比較すると、その油量は少ないものの、高い油圧が必要とされる。従って、油圧サーボ機構85用の油と軸受用の油をまとめて管理する油コンソールは、全流量の油を油圧サーボ機構85用の高い油圧まで昇圧した後、軸受用の低い油圧へと減圧するラインになっている。これにより、油コンソールでは大出力のポンプ及びモータが必要となり、コストアップ及び蒸気タービン80全体としての大型化や重量の増加につながるという問題がある。
【0013】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、蒸気量を調整する調整弁の長期に渡る安定した駆動が可能であって、且つ、調整弁の開閉駆動機構が軸受の保守作業の邪魔にならない蒸気タービンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係る蒸気タービンは、回転可能に支持されたブレードを有するタービン本体と、前記タービン本体に接続されて蒸気が流通する蒸気流路と、直線運動することで前記蒸気流路の開閉を調整する調整弁と、前記調整弁を駆動する開閉駆動機構と、を有する蒸気タービンであって、前記開閉駆動機構が、電力が供給されて回転する電動モータと、前記電動モータの回転運動を前記調整弁の直線運動に変換する変換機構と、前記電動モータの回生エネルギーによって作動するブレーキと、を備えることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、電動モータによる回転を変換機構で直線運動に変換することで、調整弁を開閉させることができる。このため、油圧サーボ機構が不要となり、作動油の漏れを防止する手段が不要となる。また、作動油を供給するアクチュエータや、封止する弁機構等が不要となるため、軸受カバーの上方のスペースを設置スペースとして利用する必要がなくなる。また、作動油は、軸受のみの利用とすることが可能となるため、比較的低圧とすることができ油コンソールの小型化を図ることができる。ここで、電動モータへの電力供給が停止した場合、調整弁は、機械的な手段によって強制的に閉塞する方向に動作する。これに応じて、変換機構は、調整弁を閉塞する方向に動作する直線運動を回転運動へと変換させ、電動モータは通常駆動する際の回転方向と逆方向に回転する。ここで、電動モータの回生エネルギーによって作動するブレーキを備えている。このため、電動モータへの電力供給が停止して電動モータが逆方向に回転した場合、電動モータが逆方向に回転して回生エネルギーが発生し、当該回生エネルギーを動力としてブレーキが作動することとなる。このため、電動モータの回転速度が過大になることが抑制される。これにより、電動モータの回転運動を調整弁の直線運動に変換する変換機構において過大な熱が発生して焼き付きが生じることを未然に防止することができる。
【0016】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記変換機構が、前記電動モータによって回転駆動されるボールネジと、前記ボールネジに螺合されるとともに前記調整弁に接続されたナットと、を備えることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、ボールネジの回転に伴ってそれに螺合されたナットがボールネジに沿った直線運動をし、このナットに接続された調整弁もまた直線運動をする。これにより、ボールネジとナットという簡略な構成によって、電動モータの回転運動を調整弁の直線運動に変換することができる。また、開閉駆動機構を簡略な構成とすることにより、その設置スペースを削減することができる。また、電動モータへの電力供給が停止した場合、調整弁が閉塞する方向に動作することで、ナットは対応する方向に直線運動し、これによりナットが螺合するボールネジとボールネジが接続された電動モータとは、強制的に通常駆動する際の回転方向と逆方向に回転することとなる。この際、電動モータの回転はブレーキによって制限されることとなるから、ナットの直線運動によってボールネジが回転したとしても、ボールネジとナットとが焼き付いてしまうことを防止することができる。
【0018】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記電動モータは、内部が密閉されたモータ収容部に収容されていることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、電動モータが周囲の油等と隔絶されるため、防爆構造とすることができる。
【0020】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記開閉駆動機構の故障時に前記調整弁を駆動する予備開閉駆動機構を更に備えることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、開閉駆動機構の故障時にもこれに代わって予備開閉駆動機構が調整弁を駆動するので、蒸気タービンの連続運転が可能となる。これにより、信頼性の高い蒸気タービンの運転が可能となる。
【0022】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記開閉駆動機構または前記予備開閉駆動機構の動作を制御するコントローラユニットを更に備えることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、開閉駆動機構と予備開閉駆動機構の動作を共通のコントローラユニットで制御することにより、蒸気タービンの構成を簡略化することができる。
【0024】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記コントローラユニットの故障時に、前記開閉駆動機構または前記予備開閉駆動機構の動作を制御する予備コントローラユニットを更に備えることを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、コントローラユニットの故障時にも、これに代わって予備コントローラユニットが開閉駆動機構または予備開閉駆動機構の動作を制御するので、蒸気タービンの連続運転が可能となる。これにより、信頼性の高い蒸気タービンの運転が可能となる。
【0026】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記ブレーキは、前記ボールネジの周速が閾値を超えて大きくなった時、または前記電動モータに対する電力の供給が停止してから一定の時間だけ作動することを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、通常運転時であって電動モータに電力が供給されている時は、ボールネジの周速が過大になった時のみブレーキが作動することにより、電動モータの回転速度が抑制される。これにより、変換機構において過大な熱が発生して焼き付きが生じることを未然に防止することができる。
【0028】
一方、停電時等であって電動モータに対する電力の供給が停止した時は、蒸気流路を閉止することで蒸気タービンを直ちに停止させるフェールセーフ機能が働くが、この蒸気流路の閉止時にボールネジの周速が大きくなるのは調整弁が閉止動作を開始した直後である。従って、電力の供給が停止してから一定の時間だけブレーキを作動させて電動モータの回転速度を抑制することにより、変換機構において焼き付きが生じることを未然に防止することができる。更に、電力の供給が停止してから一定の時間が経過してボールネジの周速が低下した後は、ブレーキが停止することで調整弁による蒸気流路の閉止動作が迅速に行われる。これにより、蒸気流路の閉止が遅延することに起因して蒸気タービンの停止動作に危険が生じることを防止することができる。
【0029】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記ナットと前記調整弁とを切り離し可能に接続するカップリングと、前記調整弁を移動不能にロックするロック機構と、を更に備えることを特徴とする。
【0030】
このような構成によれば、開閉駆動機構に故障等が生じて交換が必要になった場合は、蒸気流路が開放された状態においてロック機構によって調整弁を移動不能にロックした後、カップリングを切り離してナットと調整弁との接続を解除する。これにより、蒸気タービンの運転を継続したまま、開閉駆動機構を取り外して交換または修理する作業を行うことができる。
【0031】
また、本発明に係る蒸気タービンは、前記調整弁の駆動に基準値を超えて大きな出力が必要な場合に、前記開閉駆動機構とともに前記調整弁を駆動する補助開閉駆動機構を更に備えることを特徴とする。
【0032】
このような構成によれば、蒸気流路の開放を開始する際のように調整弁の駆動に大きな出力が必要な場合には、開閉駆動機構と補助開閉駆動機構の両方を用いて調整弁を駆動する。一方、定常運転時や蒸気流路を閉止する際のように調整弁の駆動に大きな出力を必要としない場合には、開閉駆動機構のみで調整弁を駆動すればよい。このように、運転状態に応じて必要な出力だけを供給することにより、エネルギーの省力化を図ることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る蒸気タービンによれば、蒸気量を調整する調整弁の長期に渡る安定した駆動が可能であって、且つ、調整弁の開閉駆動機構が軸受の保守作業の邪魔にならない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第一実施形態に係る蒸気タービンの構成を示す模式図である。
【図2】開閉駆動機構の周辺を示す概略斜視図である。
【図3】電動アクチュエータの内部構成を示す概略断面図である。
【図4】電動アクチュエータの周辺を示す概略斜視図である。
【図5】カップリングの構成を示す概略正面図である。
【図6】ロック機構の構成を示す概略平面図である。
【図7】第一実施形態に係る蒸気タービンについて、電動アクチュエータの制御を示す模式図である。
【図8】第二実施形態に係る蒸気タービンについて、電動アクチュエータの制御を示す模式図である。
【図9】第三実施形態に係る蒸気タービンについて、レバー部材の先端部周辺を示す概略斜視図である。
【図10】第三実施形態に係る蒸気タービンの作用効果を説明する図である。
【図11】従来の蒸気タービンの構成を示す模式図である。
【図12】従来の油圧サーボ機構の設置状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第一実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第一実施形態に係る蒸気タービンの構成について説明する。図1は、第一実施形態に係る蒸気タービン10の構成を示す模式図である。
【0036】
本実施形態の蒸気タービン10は、図1に示すように、タービン本体11と、蒸気流路12と、調整弁13と、レバー部材14と、開閉駆動機構15と、ロック機構16(図4及び図6に示す)と、電子ガバナ17と、を備える。
【0037】
(タービン本体)
タービン本体11は、図1に示すように、筒状のケーシング111と、ケーシング111に設けられた軸受112と、軸受112に回転可能に支持されてケーシング111内部に配されたロータ113と、このロータ113の回転速度を検出する速度検出センサ114と、を有している。そして、ロータ113は、回転軸115と、この回転軸115に固定されたブレード116とを備えている。このように構成されるブレード116が蒸気により回転し、その回転力により、圧縮機18が駆動されるようになっている。
【0038】
(蒸気流路)
蒸気流路12は、タービン本体11に対して蒸気を供給する役割を果たすものである。この蒸気流路12は、図1に示すように、その蒸気導入口121から蒸気が導入されるとともに、その蒸気供給口122がタービン本体11に接続されている。また、蒸気導入口121と蒸気供給口122との間には、その流路幅が狭く絞られた絞り穴123が設けられている。
【0039】
尚、本実施形態では、本発明に係る「蒸気流路」として、タービン本体11に対して供給する蒸気が流通する流路を例に説明するが、蒸気流路12はこれに限られず、例えばタービン本体11から抽気した蒸気が流通する流路であってもよい。
【0040】
(調整弁)
調整弁13は、タービン本体11に供給する蒸気の量を調整する役割を果たすものである。この調整弁13は、図1に示すように、棒状のアーム部材131の一端部に略半円形状の封止部材132が設けられたものであって、アーム部材131の他端部が前記レバー部材14の長手方向中間部に固定されている。このように構成される調整弁13によれば、蒸気流路12に沿ってアーム部材131が直線運動することに伴って、その先端部の封止部材132が蒸気流路12の絞り穴123に嵌合しまたは離間する。これにより、絞り穴123の開口径が変化し、この絞り穴123を介してタービン本体11に供給される蒸気の流量が変化するようになっている。
【0041】
(レバー部材)
レバー部材14は、開閉駆動機構15の出力を調整弁13に伝達する役割を果たすものである。このレバー部材14は、図1に示すように、その長手方向基端部が回動可能に支持されるとともに、その長手方向先端部にはレバー側ロッド19の一端部が固定されている。また、前述のようにレバー部材14の長手方向中間部には、調整弁13を構成するアーム部材131の他端部が固定されている。更に、レバー部材14における前記アーム部材131の固定位置より先端側には、強制的に調整弁13を閉塞させる強制閉塞手段として引きバネ20の一端が取り付けられている。この引きバネ20は、その他端が移動不能に固定され、外力が作用しない状態では、図1においてレバー部材14を反時計回りに回動させる方向へ引っ張り力を付与している。
【0042】
(開閉駆動機構)
開閉駆動機構15は、調整弁13を駆動する役割を果たすものである。この開閉駆動機構15は、図1に示すように、固定して設置された一対のブラケット21と、これらブラケット21によって回動可能に支持された保持部材22と、この保持部材22によって保持された電動アクチュエータ23と、を有している。
【0043】
図2は、開閉駆動機構15の周辺を示す概略斜視図である。尚、図2ではタービン本体11等については図示を省略している。開閉駆動機構15を構成する一対のブラケット21は、断面略L字形状を有し、軸受カバー24に近接して設けられた台座25の上に固定してそれぞれ設置されている。ここで、軸受カバー24とは、図1に示すロータ113の回転軸115を回転可能に支持する役割を果たす軸受112を収容するものである。
【0044】
開閉駆動機構15を構成する保持部材22は、電動アクチュエータ23を保持する役割を果たすものである。この保持部材22は、図1及び図2に示すように、側面視で略U字形状を有し、前記一対の保持部材22によって回動可能に支持されている。
【0045】
開閉駆動機構15を構成する電動アクチュエータ23は、調整弁13を駆動するための駆動力を発生させるものである。図3は、電動アクチュエータ23の内部構成を示す概略断面図である。電動アクチュエータ23は、電動モータ26と、変換機構27と、ブレーキ28と、を備えるものである。
【0046】
電動モータ26は、電力の供給を受けて回転するものである。この電動モータ26は、図3(a)に示すように、電動アクチュエータ23の基端部に設けられて内部が密閉されたモータ収容部29に収容されている。これにより、電動モータ26が周囲に存在する油から隔絶されることにより、防爆構造とすることができる。
【0047】
変換機構27は、電動モータ26の回転運動を調整弁13の直線運動に変換する役割を果たすものである。この変換機構27は、図3(a)に示すように、電動モータ26の駆動軸に接続されたボールネジ30と、ボールネジ30の回転によって進退移動するピストンユニット31とを有している。
【0048】
ボールネジ30は、図3(a)に示すように、長尺なネジ部材であって、その外周面には雄ネジが切られている。そして、このボールネジ30の一端部が電動モータ26の駆動軸に接続され、電動モータ26の回転に伴ってボールネジ30が回転駆動される。
【0049】
ピストンユニット31は、ボールネジ30に沿って往復動するものである。このピストンユニット31は、図3(a)に示すように、略円環形状を有する部材であって内周面に雌ネジが切られてボールネジ30に螺合されたナット311と、このナット311の一端面に固定されてボールネジ30の外側を覆う筒状のピストンロッド312と、このピストンロッド312の先端部に嵌合して装着されたロッドエンドコネクタ313と、このロッドエンドコネクタ313に対して長手方向一端部が固定されたアクチュエータ側ロッド314と、を有している。このように構成されるピストンユニット31によれば、ボールネジ30が軸線回りに回転すると、図3(b)に示すようにボールネジ30に螺合したナット311が軸線に沿って移動し、これに伴ってナット311に固定されたピストンロッド312、ロッドエンドコネクタ313、及びアクチュエータ側ロッド314も、ナット311と共にボールネジ30の軸線に沿って移動する。
【0050】
ブレーキ28は、いわゆる回生ブレーキである。このブレーキ28は、図3(a)に示すように、電動モータ26を挟んでボールネジ30と逆側の位置に設けられ、電動モータ26の回生エネルギーによって作動し、電動モータ26の回転に制動を掛けるようになっている。このブレーキ28は、図1に示す電子ガバナ17によってその動作が制御されている。より詳細には、電子ガバナ17は、ボールネジ30の周速が閾値を超えて大きくなった場合に、ブレーキ28を作動させることにより、電動モータ26の回転に制動を掛ける。また、電子ガバナ17は、停電等によって電動モータ26に対する電力の供給が停止した場合に、電力の供給の停止から一定の時間だけブレーキ28を作動させることにより、電動モータ26の回転に制動を掛ける。
【0051】
図4は、電動アクチュエータ23の周辺を示す概略斜視図である。以上のように構成される電動アクチュエータ23は、保持部材22に固定されるとともに、アクチュエータ側ロッド314が保持部材22に挿通される。そして、このアクチュエータ側ロッド314は、カップリング32を介して前記レバー側ロッド19に接続される。このように設置された電動アクチュエータ23は、図4に破線で示すように、ブラケット21が保持部材22を支持する位置を支点として、若干の回動が許容された状態となっている。
【0052】
図5は、カップリング32の構成を示す概略正面図である。カップリング32は、略円柱形状の部材であって、一方の端面にネジ穴321が形成されるとともに、他方の端面にロッド挿入穴322が形成されている。そして、カップリング32のネジ穴321に対し、アクチュエータ側ロッド314に取り付けられた固定用ボルト315が螺合されることにより、カップリング32とアクチュエータ側ロッド314とが互いに接続される。一方、カップリング32のロッド挿入穴322に対し、レバー側ロッド19が挿入され、互いに直交する2本のピン33が挿通されることにより、カップリング32とレバー側ロッド19とが互いに接続される。これにより、アクチュエータ側ロッド314とレバー側ロッド19とがカップリング32を介して互いに接続される。また、2本のピン33をそれぞれ取り外すことにより、ロッド挿入穴322からレバー側ロッド19を抜き取ることができ、これによりアクチュエータ側ロッド314とレバー側ロッド19との接続を解除することができる。
【0053】
(ロック機構)
ロック機構16は、調整弁13を移動不能にロックする役割を果たすものである。ここで、図6は、ロック機構16の構成を示す概略平面図である。ロック機構16は、図4及び図6に示すように、下端部が固定されて上方へ延びる支持棒161と、この支持棒161に支持されて水平方向に延びる保持板162と、一対の固定ボルト163を介して保持板162の先端部に着脱可能な押圧部材164と、を有している。ここで、図4に示すように、保持板162の先端部には、平面視で略半円形状の嵌合溝162aが形成されている。一方、押圧部材164における保持板162に対向する側には、平面視で略三角形状の切欠き164aが形成されている。
【0054】
このように構成されるロック機構16によれば、保持板162の嵌合溝162aにレバー側ロッド19を嵌合させた後、固定ボルト163を用いて保持板162の先端部に押圧部材164を固定する。これにより、レバー側ロッド19は、保持板162と押圧部材164とによって挟持されることにより移動不能にロックされる。
【0055】
(電子ガバナ)
電子ガバナ17は、開閉駆動機構15の動作を制御するものである。この電子ガバナ17に対しては、図1に示すように、圧縮機18における圧力や温度の検出結果に基づいてプロセス制御が行われた結果が入力される。また、電子ガバナ17に対しては、タービン本体11を構成する速度検出センサ114によって検出されたブレード116の回転速度が入力される。更に、電子ガバナ17に対しては、操作盤34から入力されたユーザからの指示が入力される。そして、電子ガバナ17は、これらの入力に基づいて、開閉駆動機構15の動作、より詳細には電動アクチュエータ23を構成する電動モータ26の動作を制御する。
【0056】
図7は、第一実施形態に係る蒸気タービン10について、電動アクチュエータ23の制御を示す模式図である。本実施形態に係る蒸気タービン10では、電子ガバナ17による制御に基づいて、コントローラユニット35が電動アクチュエータ23の動作を制御する。そして、コントローラユニット35は、コントローラ351と、サーボドライブ352とを有している。このような構成によれば、電子ガバナ17の制御の下、コントローラ351がサーボドライブ352に対して回転速度についての指令を発し、この指令に基づいてサーボドライブ352が電動モータ26に動力を付与する。一方、電動モータ26において検出された回転速度や電流値や各所の温度等が、サーボドライブ352を介してコントローラ351に入力される。そしてコントローラ351は、検出値について異常が検知されると、電動モータ26において重度または軽度の故障が発生したことを電子ガバナ17に通知する。
【0057】
次に、本発明の第一実施形態に係る蒸気タービン10の作用効果について説明する。第一実施形態に係る蒸気タービン10は、調整弁13を駆動するための開閉駆動機構15が、電動モータ26の回生エネルギーによって作動してその回転を制動するブレーキ28を有している。このような構成によれば、電動モータ26への電力供給が停止した場合、引きバネ20の引っ張り力を受けたレバー部材14が図1において反時計回りに回動し、これに伴って調整弁13が蒸気流路12を閉止する。そして、このレバー部材14の回動に応じて、レバー側ロッド19が下方へ直線運動し、変換機構27がこの直線運動を回転運動へと変換することにより、電動モータ26は通常駆動する際の回転方向と逆方向に回転する。ここで、開閉駆動機構15を構成する電動アクチュエータ23は、電動モータ26の回生エネルギーによって作動するブレーキ28を備えている。このため、電動モータ26への電力供給が停止して電動モータ26が逆方向に回転した場合、電動モータ26が逆方向に回転して回生エネルギーが発生し、当該回生エネルギーを動力としてブレーキ28が作動することとなる。このため、電動モータ26の回転速度が過大になることが抑制される。これにより、電動モータ26の回転運動を調整弁13の直線運動に変換する変換機構27において過大な熱が発生して焼き付きが生じることを未然に防止することができる。
【0058】
また、第一実施形態に係る蒸気タービン10では、調整弁13を駆動する開閉駆動機構15として、電動モータ26を駆動源とする電動アクチュエータ23を用いている。従って、調整弁13の駆動用に従来用いていた油圧サーボ機構85が不要となり、作動油の漏れを防止する手段が不要となる。また、作動油を供給するアクチュエータ(図12に示すアクチュエータ90)や、封止する弁機構等(図12に示すパイロット弁89)が不要となるため、軸受カバー24の上方のスペースを開閉駆動機構15の設置スペースとして利用する必要がなくなる。これにより、軸受112の保守作業を行う度に軸受カバー24の上から開閉駆動機構15を取り外す必要がなく、軸受112の保守作業に要する手間を削減することができる。
【0059】
また、作動油は、図1に示す軸受112のみの利用とすることが可能となるため比較的低圧とすることができる。これにより、大出力のポンプやモータが不要であり、油コンソールの小型化を図ることができる。
【0060】
また、第一実施形態に係る蒸気タービン10では、図4に破線で示すように電動アクチュエータ23は若干の回動が許容された状態となっている。これは、電動アクチュエータ23に作用する横方向への力、すなわちボールネジ30の軸方向に対して略直交する方向への力を逃がすためである。より詳細に説明すると、図1に示すレバー部材14は、その基端部を支点として回動するため、その先端部は円弧軌道を描いている。従って、このレバー部材14に固定されたレバー側ロッド19及びそれに接続されたアクチュエータ側ロッド314もまた、軸方向に沿った単なる直線運動ではなく円弧軌道を描いている。そこで、電動アクチュエータ23に回動を許容して横方向に作用する力を逃がすことにより、故障等の発生を防止している。
【0061】
また、第一実施形態に係る蒸気タービン10では、レバー側ロッド19とアクチュエータ側ロッド314とがカップリング32を介して切り離し可能に接続されるとともに、ロック機構16を用いてレバー側ロッド19を移動不能にロックできるようになっている。このような構成によれば、電動アクチュエータ23に故障等が生じて交換が必要になった場合、調整弁13が蒸気流路12を開放した状態においてロック機構16によってレバー側ロッド19をロックした後、カップリング32を切り離してレバー側ロッド19とアクチュエータ側ロッド314との接続を解除する。これにより、タービン本体11の運転を継続したまま、電動アクチュエータ23を取り外して交換または修理する作業を行うことができる。
【0062】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る蒸気タービンについて説明する。図8は、第二実施形態に係る蒸気タービン40について、電動アクチュエータ23の制御を示す模式図である。本実施形態の蒸気タービン40は、図7に示す第一実施形態の蒸気タービン40と比較すると、開閉駆動機構15及びコントローラユニット35がそれぞれ冗長化されている点で異なっている。それ以外の構成は、第一実施形態と同じであるため、図1と同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0063】
より詳細に説明すると、蒸気タービン40は、図8に示すように、調整弁13を駆動する手段として開閉駆動機構15だけでなく予備開閉駆動機構41をも備えている。そして、開閉駆動機構15の故障時等には、これに代えて予備開閉駆動機構41が調整弁13を駆動するようになっている。これにより、開閉駆動機構15の故障時にも蒸気タービン40を連続して運転することができるので、蒸気タービン40の信頼性を高めることができる。
【0064】
更に蒸気タービン40は、図8に示すように、開閉駆動機構15または予備開閉駆動機構41の動作を制御する手段として、コントローラユニット35だけでなく予備コントローラユニット42をも備えている。そして、コントローラユニット35の故障時等には、これに代えて予備コントローラユニット42が開閉駆動機構15または予備開閉駆動機構41の動作を制御するようになっている。これにより、コントローラユニット35の故障時にも蒸気タービン40を連続して運転することができるので、蒸気タービン40の信頼性を更に高めることができる。
【0065】
尚、本実施形態では、開閉駆動機構15とコントローラユニット35を共に冗長化したが、これに限られず、開閉駆動機構15だけを冗長化することも可能である。この場合、単一のコントローラユニット35により、開閉駆動機構15と予備開閉駆動機構41の両方の動作を制御すればよい。また、コントローラユニット35だけを冗長化することも可能である。この場合、コントローラユニット35または予備コントローラユニット42のいずれかにより、単一の開閉駆動機構15の動作を制御すればよい。
【0066】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態に係る蒸気タービンについて説明する。図9は、第三実施形態に係る蒸気タービン50について、レバー部材14の先端部周辺を示す概略斜視図である。本実施形態の蒸気タービン50は、図2に示す第一実施形態の蒸気タービン10と比較すると、調整弁13を駆動する手段として、開閉駆動機構15に加えて補助開閉駆動機構51を更に備える点で異なっている。ここで、補助開閉駆動機構51の構成は開閉駆動機構15と同じであるため、同じ部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。また、それ以外の構成は第一実施形態と同じであるため、同じ符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0067】
より詳細に説明すると、図9に示すように、レバー部材14の一方の側部には第一レバー側ロッド52の一端部が固定され、他方の側部には第二レバー側ロッド53の一端部が固定されている。そして、第一レバー側ロッド52の他端部は、カップリング32を介して開閉駆動機構15のアクチュエータ側ロッド314に接続されている。一方、第二レバー側ロッド53の他端部は、カップリング32を介して補助開閉駆動機構51のアクチュエータ側ロッド511に接続されている。これにより、開閉駆動機構15及び補助開閉駆動機構51の両方により、レバー部材14を介して調整弁13を駆動することが可能となっている。
【0068】
図10は、第三実施形態に係る蒸気タービン50の作用効果を説明する図であって、横軸はレバーのリフトすなわち持ち上げ量を、縦軸は調整弁13の駆動に必要な出力をそれぞれ示している。蒸気タービン50は、通常は複数の調整弁13を有しており、これら調整弁13はその駆動に必要な出力大きさがそれぞれ異なっている。また、調整弁13それぞれにおいて必要な出力は、調整弁13が蒸気流路12の開放を開始する時点で最大の出力が必要であって、定常運転に移行するに従って必要な出力は徐々に小さくなる。尚、蒸気流路12の開放を開始する時点で最大の出力が必要な理由は、図1に示す引きバネ20の引っ張り力に抗してレバー部材14を押し上げる必要があるためである。このように、調整弁13の駆動に必要な出力が時間の経過とともに変化するため、本実施形態では、必要な出力に応じて開閉駆動機構15と補助開閉駆動機構51とを適宜使い分けている。
【0069】
例えば、図10に示すO点において第一の調整弁(不図示)が蒸気流路12の開放動作を開始する場合、略95%の出力が必要であるため、開閉駆動機構15と補助開閉駆動機構51の両方を用いて第一の調整弁13を駆動する。そして、A点で出力が略95%に達した後は、定常運転に移行するに従って必要な出力は徐々に小さくなり、予め定めた基準値である略70%のラインを超えて小さくなった後は、補助開閉駆動機構51を停止して開閉駆動機構15だけを用いて第一の調整弁13を駆動する。
【0070】
その後、B点において第二の調整弁(不図示)が蒸気流路12の開放動作を開始する場合、第一の調整弁13と同様に略95%の出力が必要であるため、開閉駆動機構15と補助開閉駆動機構51の両方を用いて第二の調整弁を駆動する。そして、C点で出力が略95%に達した後は、定常運転に移行するに従って必要な出力は徐々に小さくなり、基準値である略70%を超えて小さくなった後は、開閉駆動機構15だけを用いて第二の調整弁を駆動する。
【0071】
その後、D点において第三の調整弁(不図示)が蒸気流路12の開放動作を開始する場合、略75%の出力が必要であるため、開閉駆動機構15と補助開閉駆動機構51の両方を用いて第三の調整弁を駆動する。そして、E点で出力が略75%に達した後は、定常運転に移行するに従って必要な出力は徐々に小さくなり、基準値である略70%を超えて小さくなった後は、開閉駆動機構15だけを用いて第三の調整弁を駆動する。
【0072】
このように、開閉駆動機構15と補助開閉駆動機構51とを適宜使い分けて必要な出力だけを供給することにより、エネルギーの省力化を測ることができる。
【0073】
尚、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、或いは動作手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 蒸気タービン
11 タービン本体
111 ケーシング
112 軸受
113 ロータ
114 速度検出センサ
115 回転軸
116 ブレード
12 蒸気流路
121 蒸気導入口
122 蒸気供給口
123 絞り穴
13 調整弁
131 アーム部材
132 封止部材
14 レバー部材
15 開閉駆動機構
16 ロック機構
161 支持棒
162 保持板
162a 嵌合溝
163 固定ボルト
164 押圧部材
164a 切欠き
17 電子ガバナ
18 圧縮機
19 レバー側ロッド
20 引きバネ
21 ブラケット
22 保持部材
23 電動アクチュエータ
24 軸受カバー
25 台座
26 電動モータ
27 変換機構
28 ブレーキ
29 モータ収容部
30 ボールネジ
31 ピストンユニット
311 ナット
312 ピストンロッド
313 ロッドエンドコネクタ
314 アクチュエータ側ロッド
315 固定用ボルト
32 カップリング
321 ネジ穴
322 ロッド挿入穴
33 ピン
34 操作盤
35 コントローラユニット
351 コントローラ
352 サーボドライブ
40 蒸気タービン
41 予備開閉駆動機構
42 予備コントローラユニット
50 蒸気タービン
51 補助開閉駆動機構
511 アクチュエータ側ロッド
52 第一レバー側ロッド
53 第二レバー側ロッド
80 蒸気タービン
81 タービン本体
82 蒸気流路
83 調整弁
84 レバー部材
85 油圧サーボ機構
86 電子ガバナ
87 ピストン
88 油圧シリンダ
89 パイロット弁
90 アクチュエータ
91 軸受カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持されたブレードを有するタービン本体と、前記タービン本体に接続されて蒸気が流通する蒸気流路と、直線運動することで前記蒸気流路の開閉を調整する調整弁と、前記調整弁を駆動する開閉駆動機構と、を有する蒸気タービンであって、
前記開閉駆動機構が、
電力が供給されて回転する電動モータと、
前記電動モータの回転運動を前記調整弁の直線運動に変換する変換機構と、
前記電動モータの回生エネルギーによって作動するブレーキと、
を備えることを特徴とする蒸気タービン。
【請求項2】
前記変換機構が、
前記電動モータによって回転駆動されるボールネジと、
前記ボールネジに螺合されるとともに前記調整弁に接続されたナットと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項3】
前記電動モータは、内部が密閉されたモータ収容部に収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービン。
【請求項4】
前記開閉駆動機構の故障時に前記調整弁を駆動する予備開閉駆動機構を更に備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の蒸気タービン。
【請求項5】
前記開閉駆動機構または前記予備開閉駆動機構の動作を制御するコントローラユニットを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の蒸気タービン。
【請求項6】
前記コントローラユニットの故障時に、前記開閉駆動機構または前記予備開閉駆動機構の動作を制御する予備コントローラユニットを更に備えることを特徴とする請求項5に記載の蒸気タービン。
【請求項7】
前記ブレーキは、前記ボールネジの周速が閾値を超えて大きくなった時、または前記電動モータに対する電力の供給が停止してから一定の時間だけ作動することを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の蒸気タービン。
【請求項8】
前記ナットと前記調整弁とを切り離し可能に接続するカップリングと、前記調整弁を移動不能にロックするロック機構と、を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の蒸気タービン。
【請求項9】
前記調整弁の駆動に基準値を超えて大きな出力が必要な場合に、前記開閉駆動機構とともに前記調整弁を駆動する補助開閉駆動機構を更に備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の蒸気タービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−72349(P2013−72349A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211826(P2011−211826)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(310010564)三菱重工コンプレッサ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】