説明

蒸気用弁およびそれを用いた蒸気滅菌システムと方法

【課題】ドレン抜きラインにドレンが溜まらないようにし、ドレン滞留に伴う不都合、とくに所定の滅菌温度に維持できなくなる不都合等の発生を防止できるようにした蒸気用弁を提供し、さらにこの蒸気用弁を用いて所定の滅菌操作を確実に行うことができるようにした蒸気滅菌システムと方法を提供する。
【解決手段】全閉状態で微少流量にて蒸気を常時通気可能な微小流路を有することを特徴とする蒸気用弁、およびそれを用いた蒸気滅菌システムと方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気用弁およびそれを用いた蒸気滅菌システムと方法に関し、とくに、医薬用水供給系(製造・供給系)や食品用精製液供給系(製造・供給系)等の、無菌性を維持するために蒸気を用いた滅菌が必要とされる系のドレン抜きラインに用いて好適な蒸気用弁、およびその蒸気用弁を用いた蒸気滅菌システムと蒸気滅菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬分野や甘味料や機能性食品等の食品製造分野等においては、所定の注射用水、精製水あるいは精製液が系内を通流する。たとえば注射用水、精製水等の医薬用水供給系においては、ユースポイントまで含めて、実質的に系内の全体を無菌状態に維持することが要求されることが多い。無菌性を維持するためには、通常、蒸気(とくに、水蒸気)を用いて、系内を所定時間以上(例えば、20分以上)、所定温度以上(例えば、121℃以上)に保持して系内を滅菌し、滅菌後に医薬用水あるいは精製液を供給するようにしている。この滅菌操作においては、系内の加温時および温度保持時に蒸気のドレンが発生し、このドレンを抜かないとドレンが滞留した部分の温度が下降してしまうため、適切にドレンを抜いてやる必要がある。
【0003】
従来の滅菌操作においては、例えば図6(A)に示すように、系101の最下部に位置するドレン抜きライン102に、メイン側の配管103に取り付けた弁104とバイパス配管105に取り付けたスチームトラップ106とを設け、弁104を閉じた状態でバイパス配管105、スチームトラップ106を介してドレンを抜くようにしている。スチームトラップ106の代わりに、オリフィス107(図6(B))やニードル弁108(図6(C))を設けてもよい。図において、109は、滅菌後、系101にて精製水が所定のユースポイントに供給される場合に系101内とドレン抜きライン102とを遮断する通常の開閉弁、110は温度センサー、111は逆止弁を、それぞれ示している。
【0004】
上記のようなシステム構成では、滅菌操作は例えば次のようなステップにより行われる。
(1)系内の水を抜く。ポンプで抜ける液面レベルまでポンプで抜き、残りは重力でブローする。
(2)さらに残っている系内の水を空気を用いて押し出す。弁が複数存在するときは、順次弁を開閉していく。
(3)系内の最下部の上記メイン配管側の弁を開にし、系内に蒸気を導入する。
(4)最下部のメイン配管側の弁を閉じ、バイパス配管側にドレンを流す。
(5)系内の温度が上昇していき、例えば121℃以上となる。
(6)121℃以上で一定時間(例えば、20分以上)系内の温度を保持し、所定の滅菌を行う。
(7)温度保持終了後、メイン配管側の弁を開いて蒸気をブローする。弁が複数存在するときは、順次弁を開閉していく。
(8)陽圧の状態(100℃以上)で陰圧にならないように空気で加圧し、蒸気を置換ブローする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記のようなドレン抜きラインにバイパス配管を設けるシステムでは、温度保持時にメイン配管側の弁を閉にするため、とくにメイン配管側の弁直前にドレンが溜まり、その部分や周辺部分を所定の温度に維持できなくなるという問題がある。また、とくにスチームトラップを用いたシステムでは、スチームトラップが機械的動作によりドレンを排出するものであることから、この動作が不安定になることがある。例えば、滅菌操作では上記の如く空気で系内ブローを行う工程があり、この空気により、いわゆるエアーロックを起こすと、ドレンが抜けなくなることがある。また、スチームトラップには機械的稼動部分があるので、定期的なメンテナンスが必要である。
【0006】
そこで本発明の課題は、このような従来システムにおける問題点に着目し、ドレン抜きラインにドレンが溜まらないようにし、ドレン滞留に伴う不都合、とくに所定の滅菌温度に維持できなくなる不都合等の発生を防止できるようにした蒸気用弁を提供すること、さらにこの蒸気用弁を用いて所定の滅菌操作を確実に行うことができるようにした蒸気滅菌システムと方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る蒸気用弁は、全閉状態で微少流量にて蒸気を常時通気可能な微小流路を有することを特徴とするものからなる。
【0008】
この蒸気用弁は、とくに滅菌用に用いられる場合には、サニタリー性に優れたダイヤフラム弁、あるいはボール弁にて実現できる。ダイヤフラム弁構造とする場合には、例えばダイヤフラムに対向する弁内面に弁一次側と二次側とを連通する溝を刻設することにより上記微小流路を形成することができる。ボール弁構造とする場合には、例えばボールに弁一次側と二次側とを連通する貫通孔を設けることにより上記微小流路を形成することができる。メンテナンス上は、ダイヤフラム弁構造の方が楽である。サニタリー性についても、ダイヤフラムを介して弁内通路側とダイヤフラムアクチュエータ側が完全に分離されることから、ダイヤフラム弁構造の方が優れている。
【0009】
本発明に係る蒸気滅菌システムは、このような蒸気用弁を、系内のドレン抜きラインに設けたことを特徴とするものからなる。
【0010】
この蒸気滅菌システムにおいては、上記微小流路が実質的に最低位となるように、つまり、上記蒸気用弁内において実質的に最も低い位置にくるように、蒸気用弁の取付け姿勢が設定されていることが好ましい。したがって、蒸気用弁の最適な取付け姿勢が、蒸気用弁を傾けた姿勢となることもある。このようにすることにより、弁一次側と二次側とが微小流路を介して弁内の下位で連通されることになり、重力により下位に溜まろうとするドレンが微小流路を通して円滑に抜けていくことになる。
【0011】
このような蒸気滅菌システムは、例えば、医薬用水供給系や食品用精製液供給系に組み込まれて好適なものである。
【0012】
本発明に係る蒸気滅菌方法は、前記のような蒸気用弁を系内のドレン抜きラインに用い、該蒸気用弁を全閉状態にして系内に蒸気を充満させ、系内を所定時間以上(例えば、20分以上)所定温度以上(例えば、121℃以上)に保持して系内を滅菌するとともに、該滅菌中に前記微小流路を通し微少流量にて蒸気を常時通気することによりドレンの滞留を防止ないし抑制することを特徴とする方法からなる。
【0013】
上記のような本発明に係る蒸気用弁においては、微小流路により、弁全閉状態でも微少流量にて蒸気が常時通気可能な状態に維持できるので、とくに弁一次側に溜まろうとするドレンは蒸気の通気とともに常に排出される状態となり、弁一次側および弁内にドレンが溜まることはなくなる。したがって、ドレンの滞留が温度低下等の不都合を招く箇所にこの蒸気用弁を用いれば、その不都合の発生が確実に防止されることになる。
【0014】
従来、弁に関する技術として、如何に確実に全閉状態を確立するか、つまり、漏洩を如何に確実に防止するかについての技術は多数提案されているが、全く逆の思想として、常時微少量積極的に漏洩させる、とくに蒸気を微少量積極的に漏洩させるという技術思想は見当たらず、この点において本発明に係る蒸気用弁は、絶対的な新規性を有するものと言える。
【0015】
そして、この本発明に係る蒸気用弁を蒸気滅菌システムおよび蒸気滅菌方法に用いることにより、従来システムおよび方法のドレン抜きラインにおけるドレン滞留に伴う問題点を一挙に解決でき、所定の滅菌操作が確実に安定して行われるようになる。しかも、この蒸気用弁のみで目標とするドレン抜き動作が可能であり、前述したバイパス配管およびそこに設けたスチームトラップやオリフィス、ニードル弁が不要になることから、ドレン抜きラインの構造の簡素化、コストダウンも可能になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る蒸気用弁によれば、弁内、弁一次側におけるドレンの滞留を確実に防止でき、蒸気ドレン滞留に伴い問題が生じるあらゆる用途に適用でき、その問題を解消できる。とくに、医薬用水や食品用精製液供給系の蒸気滅菌システムおよび方法におけるドレン抜きラインに適用すれば、ドレン抜きラインの構造の簡素化、コストダウンをはかりつつ、目標とする滅菌操作を、不都合を伴うことなく確実に安定して行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1〜図3は、本発明の一実施態様に係る蒸気用弁を示しており、とくにダイヤフラム弁に本発明を適用した例を示している。図1は、本発明に係る蒸気用弁としてのダイヤフラム弁1を正面側からみた縦断面図で、ダイヤフラム弁1の全閉状態を示しており、図2は、そのダイヤフラム弁1を側面側からみた半断面図、図3は、ダイヤフラム弁1の全開状態における正面側からみた縦断面図を、それぞれ示している。
【0018】
ダイヤフラム弁1は、弾性変形自在のダイヤフラム2を有しており、このダイヤフラム2を、連結部3を介してアクチュエータ4(手動、自動のいずれも可能)により弁内で移動(あるいは弾性変形)させることで、弁一次側部分5と二次側部分6との間の弁内通路7が開閉されるようになっている。ダイヤフラム2と対向する弁内面には、弁全閉状態で弁内通路7において上記弁一次側部分5と二次側部分6とを常時連通する微小溝8が複数刻設されており、本実施態様では合計3条の微小溝8が刻設されている。これら微小溝8が、本発明で言う「全閉状態で微少流量にて蒸気を常時通気可能な微小流路」を構成している。
【0019】
上記微小溝8は、1条でもよいが、1条の場合、その微小溝8が、ダイヤフラム弁1の取付け形態、とくにその姿勢によっては、常に弁の最低位に位置されるとは限らないので、例えばダイヤフラム弁1が傾けられて取り付けられた場合においても、いずれかの微小溝8が弁の最低位あるいはその近傍に位置できるように、本実施態様では合計3条の微小溝8が互いに異なる位置に設けられている。ドレンは自重により低位部分に溜まろうとするので、上記のように適切な位置に分けて複数の微小溝8を設けておくことにより、低位部分に溜まろうとするドレンを蒸気の通気とともに良好に抜き出すことが可能になる。また、微小溝8を設けた位置は弁設置前に予め分かっているから、意図的に弁の取付け姿勢を傾斜姿勢に設定するなどして、いずれかの微小溝8がドレン抜き上最も好ましい位置にくるようにすることもできる。
【0020】
図4は、本発明の別の実施態様に係る蒸気用弁を示しており、とくにボール弁に本発明を適用した例を示している。11は、本発明に係る蒸気用弁としてのボール弁を示しており、とくにその全閉状態を示している。ボール12は、連結部13を介してアクチュエータ14(手動、自動のいずれも可能)により弁内で回動されるようになっている。ボール12には、図4の紙面と垂直の方向に延びる断面円形の比較的大径の貫通穴15が設けられており、この貫通穴15が図4の状態まで回動されると全閉状態となり、図4の状態からボール12が90度回動され、貫通穴15を介して弁一次側部分16と二次側部分17とが連通されると全開状態となる。このボール12に、弁全閉状態で弁一次側部分16と二次側部分17とを常時連通する微小通路としての貫通孔18a、18b、18cが設けられている。弁一次側部分16と二次側部分17とは、貫通孔18a、18b、貫通穴15、貫通孔18cを通して連通されるようになっている。
【0021】
微小通路としての貫通孔18cは、弁二次側部分17に対してほぼ中央位置に設けられているが、微小通路としての貫通孔18a、18bは、上下位置にて、弁一次側部分16に対して斜めに延びるように、かつ、弁一次側部分16の通路内面近傍に開口するように穿設されている。この貫通孔18a、18bの設置構造により、ボール弁11が縦配管に取り付けられた場合でも、横配管に取り付けられた場合でも、一次側に溜まろうとするドレンを円滑に二次側へと抜き出すことができるようになっている。
【0022】
上記のようなダイヤフラム弁1あるいはボール弁11に構成された、本発明に係る蒸気用弁においては、微小流路(8、18a、18b、18c)により、弁全閉状態でも微少流量にて蒸気が常時通気可能な状態に維持されるので、弁一次側に溜まろうとするドレンは蒸気の通気とともに常に排出される状態となり、弁一次側および弁内にドレンが溜まることはない。したがって、ドレンの滞留が不都合を招く箇所にこの蒸気用弁を用いることにより、その不都合の発生が確実に防止され、少なくとも問題とならない程度に抑制される。
【0023】
次に、上記のような本発明に係る蒸気用弁を用いた蒸気滅菌システムと蒸気滅菌方法の実施態様について説明する。
図5は、本発明の一実施態様に係る蒸気滅菌システムを示しており、医薬用の精製水供給系に本発明を適用した場合を示している。図5において、21は、精製水供給系を示しており、精製水22は、例えば前段の精製水製造システム(図示略)から精製水タンク23に貯留され、そこからポンプ24により、例えば供給口25を介して各ユースポイント26に送られるとともに、未使用の精製水が返却口27を介してタンク22へ戻されるようになっている。
【0024】
このような精製水供給系21に、複数の本発明に係る蒸気用弁31を用いて、本発明の一実施態様に係る蒸気滅菌システム32が次のように組み込まれている。33は、滅菌用の蒸気(ピュアスチーム)で、蒸気供給ライン34は精製水タンク23へと接続されている。35は無菌空気(加圧空気)を示しており、空気供給ライン36はエアフィルタ37を介して精製水タンク23へと接続されている。蒸気用弁31は、各部のドレン抜きラインに対して設けられており、各ドレン抜きラインの低位に設けられている。蒸気用弁31aは、ポンプ24までのライン、ポンプ24の内部および呼び水ラインに対するドレン抜きライン38に対して設けられたものであり、蒸気用弁31bは、精製水送給ラインに対するドレン抜きライン39に対して設けられたものであり、蒸気用弁31cは、精製水タンク23への入口ラインに対するドレン抜きライン40に対して設けられたものであり、蒸気用弁31dは、主としてエアフィルタ37に対するドレン抜きライン41に対して設けられたものであり、蒸気用弁31eは、精製水タンク23への戻りラインに対するドレン抜きライン42に対して設けられたものである。なお、43a、43b、43c、43d、43eは各ドレン抜きラインの温度を監視するための温度センサー、44a、44b、44c、44d、44eは逆止弁、45a、45b、45c、45d、45eは、精製水供給系21における精製水のラインと各ドレン抜きラインとの間を遮断する開閉弁を、それぞれ示している。
【0025】
このような蒸気滅菌システム32が組み込まれた精製水供給系21においては、滅菌操作は、例えば次のようなステップにより行われる。
(1)系内の水を抜く。ポンプで抜ける液面レベルまでポンプで抜き、残りは重力でブローする。
(2)さらに残っている系内の水を無菌空気を用いて押し出す。弁が複数存在するときは、順次弁を開閉していく。
(3)系内の最下部の上記蒸気用弁を開にし、系内に蒸気を導入する。
(4)系内の温度が100〜110℃位まで昇温した後に最下部の蒸気用弁を閉じる。蒸気用弁を全閉にしても微小流路を通して微少流量にて蒸気が通気され、それに伴ってドレンが排出される。
(5)系内の圧力、つまり弁一次側の圧力が保持され、系内の温度が上昇し、例えば121℃以上となる。
(6)121℃以上で一定時間(例えば、通常20分以上)系内の温度を保持し、所定の滅菌を行う。
(7)温度保持終了後、弁を開いて蒸気をブローする。弁が複数存在するときは、順次弁を開閉していく。
(8)陽圧の状態(100℃以上)で陰圧にならないように空気で加圧し、蒸気を置換ブローする。
【0026】
このように、蒸気用弁31の一次側におけるドレンの滞留を確実に防止でき、蒸気ドレン滞留に伴う温度低下の問題を解消でき、所定の滅菌操作が確実に安定して行われることになる。また、従来のようなバイパスラインは不要になるので、ドレン抜きラインの構造の簡素化、コストダウンも可能になる。
【0027】
なお、上記蒸気滅菌システムおよび方法の例は、図5に示した精製水供給系の範囲内について説明したが、ユースポイント26まで含めた系の全体に対して適用してもよい。具体的には、各ユースポイント26に対しても、図5に示したのと同様の蒸気滅菌システムを組み込むことができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明に係る蒸気用弁は、蒸気ドレン滞留に伴い問題が生じるあらゆる用途に適用でき、その問題を解消できる。とくに、医薬用精製水や食品用精製水供給系の蒸気滅菌システムおよび方法に用いて好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施態様に係る蒸気用弁(ダイヤフラム弁)の全閉状態における縦断面図である。
【図2】図1の弁の側面側からみた半断面図である。
【図3】図1の弁の全開状態における縦断面図である。
【図4】本発明の別の実施態様に係る蒸気用弁(ボール弁)の全閉状態における縦断面図である。
【図5】本発明に係る蒸気用弁を用いた蒸気滅菌システムが組み込まれた精製水供給系の機器系統図である。
【図6】従来の蒸気滅菌システムの要部を示す概略機器系統図である。
【符号の説明】
【0030】
1 本発明に係る蒸気用弁としてのダイヤフラム弁
2 ダイヤフラム
3 連結部
4 アクチュエータ
5 弁一次側部分
6 弁二次側部分
7 弁内通路
8 本発明に係る微小流路としての微小溝
11 本発明に係る蒸気用弁としてのボール弁
12 ボール12
13 連結部
14 アクチュエータ
15 貫通穴
16 弁一次側部分
17 弁二次側部分
18a、18b、18c 本発明に係る微小流路としての貫通孔
21 精製水供給系
22 精製水
23 精製水タンク
24 ポンプ
25 供給口
26 ユースポイント
27 返却口
31、31a、31b、31c、31d、31e 蒸気用弁
32 蒸気滅菌システム
33 蒸気(ピュアスチーム)
34 蒸気供給ライン
35 無菌空気(加圧空気)
36 空気供給ライン
37 エアフィルタ
38、39、40、41、42 ドレン抜きライン
43a、43b、43c、43d、43e 温度センサー
44a、44b、44c、44d、44e 逆止弁
45a、45b、45c、45d、45e 開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全閉状態で微少流量にて蒸気を常時通気可能な微小流路を有することを特徴とする蒸気用弁。
【請求項2】
ダイヤフラム弁からなる、請求項1の蒸気用弁。
【請求項3】
ダイヤフラムに対向する弁内面に弁一次側と二次側とを連通する溝を刻設することにより前記微小流路が形成されている、請求項2の蒸気用弁。
【請求項4】
ボール弁からなる、請求項1の蒸気用弁。
【請求項5】
ボールに弁一次側と二次側とを連通する貫通孔を設けることにより前記微小流路が形成されている、請求項4の蒸気用弁。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の蒸気用弁を、系内のドレン抜きラインに設けたことを特徴とする蒸気滅菌システム。
【請求項7】
前記微小流路が実質的に最低位となるように蒸気用弁の取付け姿勢が設定されている、請求項6の蒸気滅菌システム。
【請求項8】
医薬用水供給系に組み込まれている、請求項5または6の蒸気滅菌システム。
【請求項9】
食品用精製液供給系に組み込まれている、請求項5または6の蒸気滅菌システム。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の蒸気用弁を系内のドレン抜きラインに用い、該蒸気用弁を全閉状態にして系内に蒸気を充満させ、系内を所定時間以上所定温度以上に保持して系内を滅菌するとともに、該滅菌中に前記微小流路を通し微少流量にて蒸気を常時通気することによりドレンの滞留を防止ないし抑制することを特徴とする、蒸気滅菌方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−132573(P2006−132573A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319260(P2004−319260)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【出願人】(390014948)日本ダイヤバルブ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】