説明

蒸気発生器マッピングシステム

蒸気発生器内の堆積物の厚み及び位置を決定する方法であって、1)少なくとも2つの堆積物質のリングを備えた較正基準を生成するステップと、2)前記較正基準を、渦電流信号にさらすステップ(前記較正基準から反射された前記信号の強度が、前記リングの実際の厚みに対する前記反射された渦電流信号の多項式適合を取得するために使用される。)と、3)管を備えた蒸気発生器を取得するステップと、4)渦電流信号を前記蒸気発生器の前記管内に誘導するステップと、5)前記蒸気発生器の前記管内に誘導された前記渦電流信号の反射を検出及び記録するステップと、6)前記蒸気発生器内の前記堆積物の厚みを、前記渦電流信号の前記記録された反射及び前記多項式から決定するステップとを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気発生器に関する。特に、本発明は、蒸気発生器堆積物マッピングシステム及び方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
加圧水型原子炉に使用される原子炉蒸気発生器は、例えば、給水不純物の堆積の影響を受けやすい。給水は高レベルの純度で維持されているが、腐食生成物及び/又は給水不純物のわずかな濃度は、水が蒸気に変換されるとき、フローストリーム内に濃縮されて、その結果、これらの物質を蒸気発生器内に堆積させる可能性がある。これらの堆積物は、コンポーネントの熱水圧の性能を最後には劣化させる。
【0003】
蒸気発生器の熱伝達能力を増大するには、除去技術を実施することができるように、堆積物の位置、及び、堆積物の厚みを決定しなければならない。現在は、目視検査及び渦流探傷検査が、物質の位置及び概算の厚みを確認するために利用されている。しかし、これらの技術は誤差を生じる傾向がある。さらに、目視検査は、蒸気発生器が原子力発電システムに接続されている場合、作業員に重大な放射線リスクをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、蒸気発生器の加熱中の表面上の堆積物の堆積の厚み、及び、これらの堆積の位置を決定するシステムを提供する必要がある。
【0005】
また、潜在的な放射性環境内に作業員が立ち入る必要を最小限に抑える一方で、蒸気発生器の加熱中の表面上の堆積物の堆積を決定するシステムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、蒸気発生器の加熱中の表面上の堆積物の堆積の厚み、及び、堆積の位置を決定するシステムを提供することである。
【0007】
また、本発明の目的は、作業員のために、潜在的な放射性環境内に立ち入る必要を最小限に抑える一方で、蒸気発生器の加熱中の表面上の堆積物の堆積を計算するシステム及び方法を提供することである。
【0008】
上記した目的は、図示及び説明されるように達成される。本発明による方法は、蒸気発生器内の堆積物の厚み及び位置を決定する。方法は、次のステップを具備している。
1)少なくとも2つの堆積物質のリングを備えた較正基準を生成するステップ
2)前記較正基準を、渦電流信号にさらすステップ(前記較正基準から反射された前記信号の強度が、前記リングの実際の厚みに対する前記反射された渦電流信号の多項式適合を取得するために使用される。)
3)管を備えた蒸気発生器を取得するステップ
4)渦電流信号を前記蒸気発生器の前記管内に誘導するステップ
5)前記蒸気発生器の前記管内に誘導された前記渦電流信号の反射を検出及び記録するステップ
6)前記蒸気発生器内の前記堆積物の厚みを、前記渦電流信号の前記記録された反射及び前記多項式から決定するステップ
【0009】
前記方法は、前記渦電流信号がボビンコイルプローブによって生成されるように実行される。
【0010】
また、前記方法は、前記多項式が4次式であるように達成される。
【0011】
また、前記方法は、複数の信号が前記較正基準内に入力され、かつ、反射された信号が検出及び処理されるとともに、前記多項式を取得するように達成される。加えて、前記複数の反射された信号は、淘汰(culling)アルゴリズムを通過してもよい。
【0012】
また、第2の変形方法を実行してもよい。方法は、
1)少なくとも2つの堆積物質のリングを備えた較正基準を生成するステップと、
2)前記較正基準を、渦電流信号にさらすステップ(前記較正基準から反射された前記信号の強度が、前記リングの実際の厚みに対する前記反射された渦電流信号の多項式適合を取得するために使用される。)と、
3)前記較正基準から、ベースライン信号オフセットを取得するステップと、
4)管を備えた蒸気発生器を取得するステップと、
5)渦電流信号を前記蒸気発生器の前記管内に誘導するステップと、
6)前記蒸気発生器の前記管内に誘導された前記渦電流信号の反射を検出及び記録するステップと、
7)前記ベースライン信号オフセットを、前記反射された渦電流信号から減算して、補正後の反射された渦電流信号を取得するステップと、
8)前記蒸気発生器内の前記堆積物の厚みを、前記多項式を介して、前記補正後の反射された渦電流信号から決定するステップと
を具備している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明による堆積物マッピング出力の透視図である。
【図2】図2は、堆積物マッピング出力の第2透視図である。
【図3】図3は、腐食生成物移送メカニズムに対して堆積物マッピングを比較するグラフである。
【図4】図4は、堆積物マッピングの再現性を示すヒストグラムである。
【図5】図5は、蒸気発生器内側の堆積物マッピングを決定する方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図5に示すように、堆積物マッピング方法10は、蒸気発生器内側の堆積された物質の位置及び量を確認するために提供される。蒸気発生器は、原子炉又は非原子炉システムの一部であってもよい。堆積された物質は、それが蒸気発生器を通過するときにプラント内に生成された腐食生成物、及び、冷却装置内側の給水不純物から生じる可能性がある。
【0015】
堆積物マッピング方法10の目的は、堆積物の堆積量を特徴付けること、及び、給水が蒸気発生器を通るときに蒸気発生器内に存在する物質の堆積物分布を形成することである。蒸気発生器内の堆積物状況に関する知識は、熱水圧の性能、蒸気発生器内の加熱中の表面の堆積された腐食の可能性に対する堆積物のインパクトを評価すること、及び、非破壊試験(NDE)信号検出性能の劣化を判断することに役立つ。この情報はまた、堆積状況を緩和するための最良のメンテナンス技術を判断すること、及び、そのようなメンテナンス活動の効果を評価することに必要である。
【0016】
堆積物マッピングプロセスは、3つの鍵となる要素を利用している。3つの鍵となる要素の組み合わせによって、蒸気発生器配管(tubing)の外径表面に付着した堆積物の量を計測するための独特の方法をもたらしている。
【0017】
第1の方法のステップでは、特定の堆積物較正基準20が生成される。前記基準20は、堆積物質の外周リング(circumferential ring)の数量(各リングが、各リングの厚みによって決定された既知の量の堆積物質を含む)から導出される。較正基準のための厚み計測は、各リングの厚みを確認するために、あらかじめ決定されるか、又は、あらかじめ計測される。代表的な実施例における一連のリングは、最も内側の円から最も外側の円に向かって、堆積物体積の量を増大させつつ、厚みを増している。代表的な実施例では、ボビン渦電流プローブからの信号応答が、各リング間の非堆積物影響ヌル値(non-deposit influence null value)を達成することができるように、リングは十分に分離されている。開示された代表的な実施例における現在の堆積物較正基準設計は、5つの堆積物リングと、6つの非堆積物影響ヌル領域とを利用する。堆積物質混合は、特定のプラント化学から決定されて、較正基準と蒸気発生器配管との間の一貫した信号応答を確実にする。
【0018】
上記の較正基準20の生成の後、次のステップでは、ボビン渦電流プローブを用いて基準を評価する。非堆積物影響領域からの平均的な信号応答に対して各堆積物リングから反射されたボビン渦電流信号強度は、曲線適合法によって、4次多項式最小二乗適合30を形成するのに使用される。この多項式を使用して、蒸気発生器内の隣接する支持構造間のユーザ選択可能な特定の長さの配管に沿った堆積物の厚みが決定される。方法は、蒸気発生器管の試験中に取得された較正基準データを利用するように構成されている。この管試験の収集は、較正グループとして既知である。較正グループのために堆積物較正データを利用することによって、渦電流プローブ性能における変化は最小二乗適合内に含まれて、多項式はより信頼性の高い結果をもたらす。さらに、計測された厚み内の誤差(プローブ性能に帰属した)は、較正グループのために数量化することができる。従来の計測の実施では、ASME較正基準内の1又はセットの欠陥からの電圧正規化応答を使用して、管試験に先立って、プローブ性能の一貫性が設定される。これらの従来の実施例では、現在は堆積物厚みに特定の較正を実行するための厳密なプロセス(本発明に記載されたような)が存在しない。したがって、従来の実施は誤差を生じやすい。
【0019】
本方法における次のステップでは、各管試験データセット40のために、非堆積物影響ヌル参照強度値(non-deposit influenced null reference amplitude value)が設定される。従来のアプリケーションにおけるプローブハードウエアに関しては、平衡化は較正とは独立に実行され、その結果、そのような絶対信号強度値の使用は一貫性のない不正確な結果を生じている。本発明において提供された既知の較正された値を用いた各管に対する参照強度の設定(ステップ40)は、低周波数渦電流の使用によって堆積物の厚みを計測する従来のアプリケーションに対して重大な利点を示す。上記したように、堆積物厚みは、蒸気発生器内の隣接した支持構造間のユーザ選択可能な特定の長さの配管を使用して評価される。これらのユーザ選択可能な長さは、堆積物マッピングプロセス内で「ビン(bin)」と呼ばれ、かつ、1/2インチから5インチの長さであってもよい。ユーザ選択可能な「ビン」長さを所与とすれば、「ビン」を構成する渦電流信号強度の数量が決定される。各ペアの隣接する支持構造のため(例えば、管支持1(TSP1)及び管支持2(TSP2))、ペア間に適合可能な「ビン」の数量が決定される(ステップ50)。各分析セクションのために平均的な信号強度が一覧表にされ、かつ、各支持ペアのために最小の「ビン」強度が決定される。最小の「ビン」強度の母集団は、淘汰アルゴリズムに通されて、その2つに対する非堆積物影響ヌル参照強度値として使用するのに最良の強度値を決定する。代表的な実施例では、8個の支持プレートを備えた循環蒸気発生器のための最小の「ビン」強度の母集団は16であり、かつ、15個の支持プレートを備えた貫流蒸気発生器(once through steam generator)の母集団は16である。淘汰アルゴリズムは、参照強度値を設定するために、3個以上の「ビン」強度を必要とする。淘汰アルゴリズムが参照強度値を生成することができない場合、管は堆積物マッピングプロセスから除外される。
【0020】
代表的な実施例では、故障停止内の複数の試験を有する管と、連続した故障停止内の試験を有する管とからの管結果の比較の最小量を実行した以降に、3個の「ビン」強度の最小の基準が選択される。管のこの最小母集団に対する堆積物の堆積量の一貫した計測は、基準を支持する。「ビン」強度の必要な最小数量の増大は、管比較のより大規模な母集団に対する結果の一貫性を改善するが、より大規模な堆積物の堆積量を有する発生器に対する全堆積物マッピングプロセスから、大規模な数の管も削除する。淘汰プロセスは、BASICプログラミング言語を使用して、次のように表される。
【0021】
Dim pair_min_value(1 To 32) As Long
'ベース値決定のために使用されるペア数は、支持ペア数 (number_of_pairs)に初期設定される
Dim num_mins As Integer

Dim base_value As Long '最終結果 (参照値)
Dim spread As Long '最大値と最小値との差異
Dim max_min As Long '中央値を演算するために使用される
Dim min_min As Long '中央値を演算するために使用される
Dim median As Long '中央値を演算するために使用される
Dim max_min_index As Integer '最大値を記憶するために使用される
Dim min_min_index As Integer '最小値を記憶するために使用される
Dim i_long As Integer '一般目的インデックス変数
Dim i_long As Integer '一般目的インデックス変数

spread = 31 'アルゴリズムを最初に通過させる
num_mins = number_of_pairs
【0022】
ステップ30の強度散布度制御は、母集団平均からの堆積物の厚みの+/-0.001インチの最終結果に一致する。この値は、最終結果から構成要素を上向きに調整してより多くを包含させるか、又は、下向きに調整してより多く除外させることができる。

While spread > 30 And num_mins > 2

base_value = pair_min value(1)
max_min = base_value
max_min index = 1
min_min = base_value
min_min_index = 1
【0023】
コードの次のセクション(「for/next」ループ)は、最小値ペアの現在の母集団内の最大値及び最小値を識別し、かつ、平均値計算用の値を合計するために使用される。

For i_long = 2 To num_mins
If pair_min_value(i_long) > max_min Then
max_min = pair_min value(i_long)
max_min_index = i_long
End If
If pair_min_value(i_long) < min_min Then
min_min = pair_min_value(i_long)
min_min_index = i_long
End if
base_value = base_value + pair_min value(i_long)
Next i_long
【0024】
次の3つのステートメントは、最小値ペアの現在の母集団のための平均値、中央値及び散布度を計算する。

base_value = CLng(base_value / num_mins) '平均値
median = CLng((max_min + min_min) / 2) '中央値
spread = max_min - min_min '散布度
【0025】
コードの次のセクションは、母集団がより分けられる必要があるか否かを決定し、かつ、そうである場合、どの母集団の1又は複数の構成要素が除外される必要があるかを決定する。

If spread > 30 Then ’母集団を減らさなければならない

If base_value > median Then '低い値を除外させる
i_long = min_min_index
For i_long = i_long To (num_mins -1 )
pair_min_value(i_long)=pair_min_value(i_long + 1 )
Next i_long
num_mins = num_mins -1
End If

If base_value < median Then '高い値を除外させる
i_long = max_min_index
For i_long = i_long To (num_mins -1)
pair_min_value(i_long) = pair_min_value(i_long + 1 )
Next i_long
num_mins = num_mins - 1
End If

If base_value = median Then '両方の値を除外させる
i_long = min_min_index
For i_long = i_long To (num_mins - 1 )
pair_min_value(i_long)=pair_min_value(i_long + 1 )
Next i_long
num_mins = num_mins -1
i_long = max_min_index
If i_long > min_min_index Then i_long = i_long - 1
For i_long = i_long To (num_mins - 1 )
pair_min_value(i_long) = pair_min_value(i_long + 1 )
Next i_long
num_mins = num_mins -1
End if

End If
Wend '基準が達成されるまでループを継続する
【0026】
ターゲット管スケールの化学分析を使用して、実際の堆積物の渦電流反応成分から構成された堆積物シミュレーション物質が生成される。プロセスは、この堆積物シミュレーション物質の多様な厚みのバンドを、配管のセクションに適用することに使用される。厚みの範囲は、蒸気発生器内の予期された堆積物厚みに基づく。堆積物基準のボビンコイル渦電流試験を使用して、渦電流応答位相角(eddy current response phase angle)は、利用可能な蒸気発生器データ内に観測された渦電流応答位相角と類似していることが確認される。化学分析がないか、又は、調査中の実際の蒸気発生器から重要な渦電流堆積物応答がない場合、このチェックは、事実上類似したプラントデータとの比較に基づく。堆積物基準渦電流データが取得される場合、それは、絶対信号応答を堆積物厚み値に変換する(ステップ50)ことに使用可能な多項式応答関数を開発することに使用される。
【0027】
絶対値データは堆積物計測に使用されるので、データのヌルポイント(null point)又はクリーンオフセット値を設けるには慎重さも必要である。温度、渦電流装置オフセット、プローブ構造、管材料及び壁厚み、同様に、堆積物又は冗長性のスケール(とりわけ)を含む多数の要素は、管内の絶対渦電流信号応答を決定することに全て相互作用する。これらのパラメータの大部分(堆積物がスケール成分であることを除く)が所定の管試験中にほぼ一定であるので、大部分の管内のベースライン信号オフセットを識別する(ステップ60)ことができる。いったん1又は複数のベースラインオフセット値が識別される(ステップ60)と、次いで、ベースラインオフセット値は、絶対信号応答から減算されて(ステップ70)、堆積物の存在に起因する信号の成分を分離及び抽出する。位相識別の使用は、堆積物信号に対する正確な位相角に関係しない応答を除外する追加的なツールをもたらす。
【0028】
管内の渦電流データは、堆積物応答が鉛直成分となるように回転される。管に対するオフセットの決定(ステップ60)以降に、それは信号応答から減算される(ステップ70)。残りの鉛直成分信号は、堆積物応答を代表している。次いで、この残りの鉛直成分信号は、較正基準多項式関数に適用されて、堆積物厚み推定値を導出する(ステップ80)。多項式を介して導出された厚みは、これらの実際の厚みが管外周の周囲で変化するので、技術的には、所定の軸の位置における合計の堆積物堆積を一層代表している。ボビンプローブ応答は、管内の所定の位置におけるその視野内の全ての物質を組み込んでいる。
【0029】
要約すれば、プロセス(堆積物較正基準の特定の設計を有し、かつ、この較正基準を使用し、かつ、この較正基準の使用によって、最小二乗適合多項式を設定して信号強度を堆積物厚みに変換し、かつ、淘汰アルゴリズムの使用によって各管に対する非堆積物影響参照信号強度を決定する)は、蒸気発生器配管の外径表面に付着した堆積物の厚みを決定するための既存の方法に対して重要な改善をもたらす。
【0030】
この技術は、いくつかの蒸気発生器内の堆積物分布をマッピングすることに使用されている。上記したような堆積物マッピング技術計測を、腐食生成物移送(Corrosion Product Transport:CPT)計測の独立した結果と比較することができる。腐食生成物移送計測は、腐食生成物のイオン濃度として表現され、かつ、堆積物マッピング結果は、実際の予期された酸化化合物に基づいているので、腐食生成物移送計測は、代表的な実施例と比較可能な値を取得するために、係数1.38によって乗算される必要がある。腐食生成物移送計測を、プラントの化学などの係数に基づいた蒸気発生器マッピング分析と比較する場合、他の係数を使用してもよいことが理解される。
【0031】
サイクルデータを多重化する堆積物マッピング技術のアプリケーションは、技術の再現性に関する情報を提供する。このセクションは、この情報の事例を提示して、堆積物マッピングプロセスの性能、腐食生成物移送結果の比較及び計測の再現性を説明する。
【0032】
堆積物マッピング計測は、管の行、列、x座標、y座標、z座標、及び、堆積物厚み計測を含む一連のファイルからなる。一般的な堆積物テキストファイルからの以下の抜粋は、利用可能な情報を示している。この場合、サンプルは、実際に、管に沿って5インチ毎に設けられている。ファイルの座標はメートルで提供されている。
【0033】
30 48 -0.9992 -0.0163 0.16183
30 48 -0.9992 -0.0163 0.28882
30 48 -0.9992 -0.0163 0.41582
30 48 -0.9992 -0.0163 0.54282
30 48 -0.9992 -0.0163 0.77096
30 48 -0.9992 -0.0163 0.89797
30 48 -0.9992 -0.0163 1.02495
30 48 -0.9992 -0.0163 1.15195
30 48 -0.9992 -0.0163 1.27896
30 48 -0.9992 -0.0163 1.42905
30 48 -0.9992 -0.0163 1.55604
30 48 -0.9992 -0.0163 1.68304
30 48 -0.9992 -0.0163 1.81004
30 48 -0.9992 -0.0163 1.93704
30 48 -0.9992 -0.0163 2.06403
30 48 -0.9992 -0.0163 2.19102
30 48 -0.9992 -0.0163 2.31802
30 48 -0.9992 -0.0163 2.44502
30 48 -0.9992 -0.0163 2.57202
30 48 -0.9992 -0.0163 2.72211
30 48 -0.9992 -0.0163 2.84912
30 48 -0.9992 -0.0163 2.97611
30 48 -0.9992 -0.0163 3.10311
30 48 -0.9992 -0.0163 3.23011
【0034】
図1は、堆積された管に関する代表的な堆積物マッピングの出力ファイルのグラフィック描写を示している。図2は、可視化された第2の代表的な堆積物を示している。
【0035】
堆積物のグラフィック可視化に加えて、蒸気発生器の多様な位置内の全体の堆積物の堆積量も評価することができる。次の表1は、このタイプのデータの事例を提供している。表は、2つの別々の堆積物マッピング分析の結果をリスト化している。この場合、堆積物情報は堆積物のポンドに変換されている。
【0036】
【表1】

【0037】
図3は、堆積物の堆積量マッピング推定値と、CPTによって概算された値との比較を示している。ハイライトされた領域によって示された堆積物マッピング計測によって、運転の定格出力運転年数10及び14の間に約956ポンド増加した堆積物の堆積量が示されている。酸化物に対して補正後のCPTデータは、比較のための基準を提供し、かつ、堆積物マッピング推定値の精度を検証する同じ期間に渡って996ポンドの増加を示している。
【0038】
本発明の追加的な利点は計測の再現性である。計測値の一部が変化すると考えられる期間に計測が引き継がれるとき、再現性は、定量化することがさらに困難である。渦電流は、長年、ある期間に渡る指示値の変化を評価することに使用されている。そのような変化の評価は、期間の開始の初期計測と期間の終了の最終計測とを具備している。
【0039】
統計的に、計測技術の不確実性が、開始及び最終の各計測に含まれている。したがって、本技術の計測の不確実性によって、負の成長が物理的に不可能であっても、見かけの負の成長を有する計測指示値を一部に生じる。したがって、この見かけの負の成長は、不確実性の指標又は計測技術の誤差である。既知の値がなければ、この見かけの負の成長係数を計測技術の再現性の評価に使用してもよい。
【0040】
図4は、大規模な一連の開始及び終了計測ペアに対する計測された変化を図示している。代表的な実施例では、時間の経過に伴って堆積物が増加すると考えられる期間中に計測が行われたので、予期された真のデルタ(差分)は、蒸気発生器内の位置によって、ゼロ又は正のどちらか一方である。図4における負の計測変化の非常に低いパーセンテージ及び値は、システムの優れた信頼性及び再現性を表している。システムの不確実性が高い場合、負のデルタの数及び程度はより大きい。
【0041】
上記の明細書では、本発明は、特定の代表的な実施例を参照して説明している。しかし、添付の特許請求の範囲に説明された本発明のより広い真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多様な変形例及び変更が成される得ることは明らかである。したがって、明細書及び図面は、限定する意味ではなく説明に役立つものとして取り扱われなければならない。
【符号の説明】
【0042】
10 堆積物マッピング方法
20 較正基準
30 多項式適合
40 参照強度
50 絶対値変換
60 ベースラインオフセット
70 ベースラインオフセット減算
80 厚み推定

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生器内の堆積物を決定する方法であって、
1)少なくとも2つの堆積物質のリングを備えた較正基準を生成するステップと、
2)前記較正基準を渦電流信号にさらすステップと、
3)管を備えた蒸気発生器を取得するステップと、
4)渦電流信号を前記蒸気発生器の前記管内に誘導するステップと、
5)前記蒸気発生器の前記管内に誘導された前記渦電流信号の反射を検出及び記録するステップと、
6)前記蒸気発生器内の前記堆積物の厚みを、多項式を使用して、前記渦電流信号の前記記録された反射から決定するステップと
を具備し、
前記較正基準から反射された前記信号の強度は、前記リングの実際の厚みに対する前記反射された渦電流信号の前記多項式適合を取得するために使用されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記渦電流信号は、ボビンコイルプローブによって生成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多項式は4次式であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の信号が前記較正基準内に入力され、かつ、反射された信号が検出及び処理されるとともに、前記多項式を取得することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の反射された信号は、淘汰アルゴリズムを通過することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
蒸気発生器内の堆積物を決定する方法であって、
1)少なくとも2つの堆積物質のリングを備えた較正基準を生成するステップと、
2)前記較正基準を渦電流信号にさらすステップと、
3)前記較正基準から、ベースライン信号オフセットを取得するステップと、
4)管を備えた蒸気発生器を取得するステップと、
5)渦電流信号を前記蒸気発生器の前記管内に誘導するステップと、
6)前記蒸気発生器の前記管内に誘導された前記渦電流信号の反射を検出及び記録するステップと、
7)前記ベースライン信号オフセットを、前記反射された渦電流信号から減算して、補正後の反射された渦電流信号を取得するステップと、
8)前記蒸気発生器内の前記堆積物の厚みを、多項式を介して、前記補正後の反射された渦電流信号から決定するステップと
を具備し、
前記較正基準から反射された前記信号の強度は、前記リングの実際の厚みに対する前記反射された渦電流信号の前記多項式適合を取得するために使用されることを特徴とする方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−543094(P2009−543094A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519437(P2009−519437)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/013187
【国際公開番号】WO2008/100267
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(508330076)アレバ・エヌピー・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】