説明

蓄熱式バーナの燃焼制御装置及びそれに使用する蓄熱式バーナ

【課題】蓄熱式バーナの蓄熱器から排出される排気ガスの温度が低くなりすぎることによる腐食を防止するために、蓄熱式バーナの蓄熱器の蓄熱容量を可変にすること。
【解決手段】バーナ21と蓄熱器22を備える二台で一組の蓄熱式バーナ2、並びに各蓄熱式バーナのバーナに接続する燃料の供給回路3、及び各蓄熱式バーナの蓄熱器に接続する吸排気回路4を有する蓄熱式バーナの燃焼制御装置において、蓄熱器は、ケース23内に複数の小部屋27を形成すると共に、各小部屋に蓄熱体24を収容してあるもので、吸排気回路4は、各小部屋に接続すると共に、各蓄熱器の小部屋のうち燃焼空気又は排気ガスが通過するものを一つ又は複数選択可能に設け、その選択により蓄熱器の蓄熱容量及び放熱容量を可変可能にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば炉で用いられる蓄熱式バーナの燃焼を制御する装置、及びそれに使用する蓄熱式バーナに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、蓄熱式バーナは、二台で一組となっており、一組又は複数組の蓄熱式バーナが炉に設置されている。また、二台の蓄熱式バーナに対して、燃料の供給回路、並びに燃焼空気及び排気ガスの吸排気回路が設けられ、これらの回路には切替弁、排気ガス吸引ファン及び燃焼空気ブロワ等が設けられている。
【0003】
二台の蓄熱式バーナは、バーナと蓄熱器とをそれぞれ備えており、バーナが燃料を燃焼する役割と排気ガスを排出する役割に一定時間で交互に切り換えられて使用される。また、蓄熱器はケースの中の1箇所に蓄熱体が集中して収容されており、排気ガスは、排出側の蓄熱器の蓄熱体を通過する過程で熱を回収されてから、排出される。このとき蓄熱器の下流側の切替弁や排気ガス吸引ブロワ等は、排気ガスの温度が高すぎれば焼損し、一方低すぎれば水分によって腐食することになる。従って、このようなことがないよう排気ガスの温度は、一定の温度範囲(使用温度範囲)に制御することが望まれている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−286472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、炉の内部が負圧にならないようにするために、炉内で産出される排気ガスの生産量に比べて排気ガス吸引ファンで回収する排気量を少なくし、排気ガスの生産量と排気量のバランスを燃料の量に応じて保った上で炉は、使用される。
【0006】
ところが、排気ガスの排気量が生産量に対して極端に少なくなるほどに、燃料を絞って(減らして)蓄熱式バーナを運転する場合がある。この場合、炉の内部圧を重視すると、排気ガスの生産量と排気量のバランスが大幅に崩れ、排気側の蓄熱式バーナの蓄熱器によって排気ガスから回収できる蓄熱量が、吸気側の蓄熱式バーナの蓄熱器から放出される放熱量に対して少なすぎることになり、そのうちに蓄熱器から排出される排気ガスの温度が使用温度範囲よりも低くなり、前述した腐食の問題が起きることがある。
【0007】
排気ガスの生産量と排気量のバランスが大幅に崩れるほど燃料を絞った場合に、このような腐食の問題がおきるのは、蓄熱器の蓄熱容量が常に一定だからであると、本発明者は考えた。つまり、蓄熱器はケースの中の1箇所に蓄熱体を集中して収容している構造だからである。そこで、本発明者は蓄熱器の蓄熱容量が可変であればこのような問題を解消できることに思い至った。
【0008】
即ち、本発明は上記実情に基づいて創作されたもので、その解決課題は蓄熱器の蓄熱容量を可変にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、バーナと蓄熱器を備える二台で一組の蓄熱式バーナ、並びに各蓄熱式バーナのバーナに接続する燃料の供給回路、及び各蓄熱式バーナの蓄熱器に接続する吸排気回路を有する蓄熱式バーナの燃焼制御装置を前提とする。
【0010】
そして、請求項1の発明は、蓄熱器は、ケース内に複数の小部屋を形成すると共に、各小部屋に蓄熱体を収容してあるもので、吸排気回路は、各小部屋に接続すると共に、各蓄熱器の小部屋のうち燃焼空気又は排気ガスが通過するものを一つ又は複数選択可能に設け、その選択により蓄熱器の蓄熱容量及び放熱容量を可変可能にしてあることを特徴とする。
【0011】
また、ケース内に前述した複数の小部屋を形成する例としては、次のものが挙げられる。例えば、請求項2の発明のように、ケース内には、前述した複数の小部屋が直列接続的もしくは並列接続的に又はこれらを組み合わせて形成してあるものである。
【0012】
吸排気回路は、各蓄熱器の小部屋のうち燃焼空気又は排気ガスが通過するものを一つ選択する場合に、各蓄熱器の全ての小部屋のうち特定の一つの小部屋だけを選択できるものであっても良いが、この場合、その特定の一つの小部屋は、消耗が激しくなる。このようなことを防ぐには、次のようにすることが望ましい。即ち、請求項3のように、ケース内には、前述した複数の小部屋が並列接続的に形成してあり、吸排気回路は、各蓄熱器の全ての小部屋を単独で選択可能に設けてあることである。
【0013】
そして、上述した燃焼制御装置で重要な役割を果たすのが、請求項4の蓄熱式バーナである。即ち、バーナと蓄熱器を備える蓄熱式バーナにおいて、蓄熱器は、ケース内に複数の小部屋を形成すると共に、各小部屋に蓄熱体を収容し、各小部屋に吸排気回路への接続口を有するものである。
【0014】
また、ケース内に前述した複数の小部屋を形成する例としては、次のものが挙げられる。例えば、請求項5の発明のように、ケース内には、前述した複数の小部屋が直列接続的もしくは並列接続的に又はこれらを組み合わせて形成してあることである。このうち、各蓄熱器の全ての小部屋を単独で選択可能に設けるには、次のようにすることが望ましい。即ち、請求項6の発明のように、ケース内には、前述した複数の小部屋が並列接続的に形成してあることである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の蓄熱式バーナの燃焼制御装置は、蓄熱体が収容された複数の小部屋をケース内に形成し、各小部屋に吸排気回路を接続することにより、燃焼空気又は排気ガスが通過するルートをケース内に複数形成したものである。そして、吸排気回路で燃焼空気又は排気ガスが通過する各蓄熱器の小部屋を1つ又は複数選択可能にしてあることから、蓄熱容量及び放熱容量を可変にできる。その結果、燃料を絞って運転する場合には、蓄熱容量を減らせば、蓄熱器から排出される排気ガスの温度を使用温度範囲に保持することができ、蓄熱器の下流側の切替弁や排気ガス吸引ブロワ等が腐食することを防止できる。
【0016】
燃焼空気又は排気ガスが通過するルートである小部屋は、バーナの内部と吸排気回路とを接続するものであり、ケース内に小部屋を形成する仕方としては、小部屋が直列接続的もしくは並列接続的に又はこれらを組み合わせて形成してある場合が挙げられる。そして、並列接続的に形成してある場合は、吸排気回路が各蓄熱器の全ての小部屋を単独で選択可能に設けることもでき、この場合であれば、各小部屋に収容された蓄熱体を均等に消耗させることができ、長期間に亘って蓄熱体を交換せずに使用できる。
【0017】
さらに、蓄熱式バーナの蓄熱器が、ケース内に複数の小部屋を形成すると共に、各小部屋に蓄熱体を収容し、各小部屋に吸排気回路への接続口を有するものであれば、上述した蓄熱式バーナの燃焼制御装置を構築できる。また、ケース内には、前述した複数の小部屋が直列接続的もしくは並列接続的に又はこれらを組み合わせて形成してある場合も同様に、上述した蓄熱式バーナの燃焼制御装置を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第一例を示す回路図である。
【図2】蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第二例の要部を示す回路図である。
【図3】蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第三例を示す回路図である。
【図4】蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第四例の要部を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第一例は、図1に示すように、炉1に対して設置される二台で一組の蓄熱式バーナ2、2、各蓄熱式バーナ2に接続される燃料の供給回路3、及び各蓄熱式バーナ2に接続される吸排気回路4により構成される。以下、各構成要素を詳述する。
【0020】
蓄熱式バーナ2は、バーナ21と蓄熱器22により構成される。バーナ21は、炉1の周壁11に取り付けられる。また、バーナ21には、蓄熱器22で暖められた燃焼空気が送り込まれるか、又は炉1の内部で作り出された排気ガスが吸い込まれて蓄熱器22へ送られる。
【0021】
蓄熱器22は、蓄熱容量又は放熱容量を段階的に可変可能なもので、耐火物からなるケース23と、ケース23の中に収容される蓄熱体24により構成される。なお、蓄熱体24は多数のセラミックボール等によって構成される。
【0022】
ケース23は、その内部空間を形成するケース本体25と、ケース本体25の内面から延長する仕切板26とを備えている。仕切板26は、ケース本体25の内部空間のうち吸排気回路4側を二つに区画し、仕切板26を境にして二つの小部屋27、27が形成される。従って、ケース23の中には、仕切板26によって仕切られた二つの小部屋27、27と、仕切られていない接続部屋28が形成される。各小部屋27は、バーナ21の内部(より詳しく言えば接続部屋28)と吸排気回路4とを接続するルートであって、各々が独立したルートであり、ケース23内にはこれら小部屋27、27が並列接続的に形成されている。従って、吸排気回路4からバーナ21の内部へ燃焼空気を送るルートがケース23には二つ並列して存在することになり、仕切板26によってこれらルートの間では気体が行き来できないようになっている。
【0023】
さらに、各小部屋27は、バーナ21側(接続部屋28側)の収容室と、吸排気回路4側の接続室に分かれている。バーナ21側の収容室の内部には蓄熱体24が収容され、図示しない支持部材(気体が通過する抜穴を有するもの例えば格子状のもの)によって蓄熱体24の上下が支持されている。一方、吸排気回路4側の接続室は、その内部が単なる空間であって、吸排気回路4に別々に接続するために配管用の接続口29aが形成されている。なお、接続部屋28にも、バーナ21に接続する口部29bが形成されている。
【0024】
各蓄熱式バーナ2に接続される燃料の供給回路3は、統一された回路の一部である。統一回路は、一般的なものであって、二つの蓄熱式バーナ2への燃料供給を所定時間経過毎に交互に切り換えるものである。燃料の供給回路3の配管構造は、燃料供給源31に燃料供給管32の一次側を接続し、燃料供給管32の二次側をその途中で流量調整弁33に接続した後に二本の分岐管34に分岐し、各分岐管34の二次側をその途中で切替弁35に接続した後に別々のバーナ21に接続したものである。そして、燃料の供給回路3の図示しない制御装置は、流量調整弁33及び各切替弁35に指令を送って制御することにより、流量調整弁33の開度を決定し、二つの切替弁35のうち一方を開き他方を閉じることを決定し、一定時間経過後に他方を開き一方を閉じることを決定する。
【0025】
吸排気回路4は、燃焼空気用の吸気回路の役割と排気ガス用の排気回路の役割とを兼備する回路である。また、各蓄熱式バーナ2に接続される吸排気回路4は、統一された回路の一部である。統一された回路は一般的なものであって、二台の蓄熱式バーナ2のうち一方への燃焼空気の供給と他方からの炉1内の排気ガスの吸引を所定時間経過毎に交互に切り換えるものである。
【0026】
吸排気回路4のうち吸気回路の配管構造は、燃焼空気ブロワ41に空気供給管42の一次側を接続し、空気供給管42の二次側を二本からなる第二の分岐管43、43に分岐している。図では、二本の第二の分岐管43は、左右に分岐しており、このうち左側のものについて以後説明し、右側のものについては同様の対称的な構造なので説明を省略する。第二の分岐管43の二次側をその途中で第二の切替弁44に接続した後にさらに二本からなる第三の分岐管45、45に分岐している。分岐した二本からなる第三の分岐管45のうち一方の二次側をそのまま左側の蓄熱器22における右側の小部屋27の接続口29aに接続し、第三の分岐管45のうち他方の二次側をその途中で第三の切替弁46に接続した後に左側の蓄熱器22における左側の小部屋27の接続口29aに接続してある。
【0027】
吸排気回路4のうち排気回路の配管構造は、排気ガス吸引ファン51に排気管52の二次側を接続し、排気管52の一次側を二本からなる第四の分岐管53に分岐している。図では、二本の第四の分岐管53は、左右に分岐しており、このうち左側のものについて説明し、右側のものについては同様の対称的な構造なので説明を省略する。第四の分岐管53の一次側をその途中で第四の切替弁54に接続した後に、前述した燃焼空気側の配管に接続してある。その接続箇所は、第二の分岐管43のうち第二の切替弁44よりも二次側である。このようにすることによって、吸気回路の配管構造の一部を排気回路の配管構造の一部として兼用する。従って、先の接続箇所と左側の蓄熱式バーナ2との間を繋ぐ第二及び第三の分岐管43、45と第三の切替弁46は、空気供給用と排気用の役割を兼備している。
【0028】
そして、吸排気回路4の図示しない制御装置は、吸排気回路4の各種の切替弁に対して指令を送って開閉を制御することにより、燃焼空気ブロワ41から空気を送り込む一方の蓄熱式バーナ2を小部屋27の数と共に決定すると共に、排気ガス吸引ファン51に排気ガスを送り込む他方の蓄熱式バーナ2を小部屋27の数と共に決定する。
【0029】
上述した蓄熱式バーナの燃焼制御装置は、次の要領で二台の蓄熱式バーナ2の運転を行う。図1のように、一方(左側)の蓄熱式バーナ2で燃料を燃焼し、他方(右側)の蓄熱式バーナ2で排気ガスを吸引する。そして、一定時間経過後には、他方の蓄熱式バーナ2で燃料を燃焼し、一方の蓄熱式バーナ2で排気ガスを吸引する。このように、二台の蓄熱式バーナ2、2は、燃料を燃焼する役割と排気ガスを排出する役割に一定時間で交互に切り換えられて使用される。
【0030】
そして、各蓄熱式バーナ2をその蓄熱容量及び放熱容量を最大容量の1/2にして運転する場合は次のようにする。左側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち右側のみを燃焼空気ブロワ41からの燃焼空気の通過先に選択するときは、制御装置からの指令によって、燃焼空気ブロワ41に通じる二つの第二の切替弁44、44のうち右側を閉じると共に左側を開き、左側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち左側に通じる第三の切替弁46を閉じる。一方、右側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち左側のみを炉1内からの排気ガスの通過先に選択するときは、制御装置からの指令によって、排気ガス吸引ファン51に通じる二つの第四の切替弁54、54のうち左側を閉じると共に右側を開き、右側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち右側にのみ通じる第三の切替弁46を閉じる。
【0031】
このように最大容量の1/2にして運転する場合、右側と左側の小部屋27の温度差によって仕切板26が変形するおそれがあるが、これを予防するには、仕切板26の厚みを変形可能な薄いものにするか、仕切板26に気体が行き来可能な抜穴を形成することが望ましい。
【0032】
また、最大容量で運転する場合は、図示しないが、制御装置からの指令によって、二つとも第三の切替弁46、46を開き、各蓄熱式バーナ2の小部屋27が全て選択されたものとする。
【0033】
図2は、蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第二例を示す。これは、蓄熱式バーナ2の二つの小部屋27にそれぞれ接続された第三の分岐管45の途中に、第三の切替弁46をそれぞれ接続したものである。このようにすることによって、蓄熱容量及び放熱容量を最大容量の1/2で運転する場合に、制御装置によって各蓄熱式バーナ2の二つの小部屋27のうち右側と左側を別々に(単独で)選択して燃焼空気又は排気ガスを通過させることができる。
【0034】
図3は、蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第三例を示す。これは、仕切板26を用いることなく、ケース23内に複数の小部屋27を直列接続的に形成してあるものである。つまり、バーナ21側から吸排気回路4側に向かってケース23内に接続部屋28及び二つの小部屋27、27を順番に連通して形成したもので、上側の小部屋27によって短いルートが、二つの小部屋27、27によって連続する長いルートがそれぞれ形成される。また、各小部屋27の接続室に、第二例と同様に、第三の分岐管45が接続され、各第三の分岐管45には途中に第三の切替弁46が接続されている。
【0035】
この図3の例では、各蓄熱式バーナ2をその蓄熱容量及び放熱容量を最大容量の1/2にして運転する場合の、要点は次の通りである。左側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち上側のみを燃焼空気ブロワ41からの燃焼空気の通過先に選択するときは、制御装置からの指令によって、左側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち上側に通じる第三の切替弁46を開き、下側に通じる第三の切替弁46を閉じる。一方、右側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち上側のみを炉1内からの排気ガスの通過先に選択するときは、制御装置からの指令によって、右側の蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち上側にのみ通じる第三の切替弁46を開き、下側に通じる第三の切替弁46を閉じる。
【0036】
また、最大容量で運転する場合は、図示しないが、制御装置からの指令によって、各蓄熱式バーナ2の小部屋27のうち下側に通じる第三の切替弁46のみを開き、上側に通じる第三の切替弁46を閉じ、各蓄熱式バーナ2の小部屋27が全て選択されたものとする。
【0037】
図4は、蓄熱式バーナの燃焼制御装置の第四例を示す。これは、ケース23内に複数の小部屋27を直列接続と並列接続との組み合わせによって形成してあるものである。つまり、バーナ21側から吸排気回路4側に向かってケース23内に接続部屋28及び大きな小部屋27を順番に直列的に連通して形成すると共に、大きな小部屋27の後に二つの小さな小部屋27、27を並列的に分岐して形成してある。これによって太い1本のルートから細い2本のルートが分岐して形成される。この第四例のケース23は、第一例と第三例のケース23を組み合わせたものといえる。また、小部屋27が三つあることから、第二の分岐管43の二次側を三本からなる第三の分岐管45に分岐してある。なお、各蓄熱式バーナ2の運転の仕方は、先の三つの例と同様なので、省略する。
【0038】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、各蓄熱器22を形成する小部屋27の数は3つ以上であっても良い。また、3つ以上にした場合であれば、燃焼空気及び排気ガスが通過する小部屋27をそれぞれ単独で又は複数組み合わせて選択できるようにしても良い。さらに、二台で一組の蓄熱式バーナ2、2を複数組、炉1に対して設置しても良い。
【符号の説明】
【0039】
1炉 2蓄熱式バーナ
3燃料の供給回路 4吸排気回路
11周壁
21バーナ 22蓄熱器
23ケース 24蓄熱体
25ケース本体 26仕切板
27小部屋 28接続部屋
29a接続口 29b口部
31燃料供給源 32燃料供給管
33流量調整弁 34分岐管
35切替弁
41燃焼空気ブロワ 42空気供給管
43第二の分岐管 44第二の切替弁
45第三の分岐管 46第三の切替弁
51排気ガス吸引ファン 52排気管
53第四の分岐管 54第四の切替弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナ(21)と蓄熱器(22)を備える二台で一組の蓄熱式バーナ(2)、並びに各蓄熱式バーナ(2)のバーナ(21)に接続する燃料の供給回路(3)、及び各蓄熱式バーナ(2)の蓄熱器(22)に接続する吸排気回路(4)を有する蓄熱式バーナの燃焼制御装置において、
蓄熱器(22)は、ケース(23)内に複数の小部屋(27)を形成すると共に、各小部屋(27)に蓄熱体(24)を収容してあるもので、
吸排気回路(4)は、各小部屋(27)に接続すると共に、各蓄熱器(22)の小部屋(27)のうち燃焼空気又は排気ガスが通過するものを一つ又は複数選択可能に設け、その選択により蓄熱器(22)の蓄熱容量及び放熱容量を可変可能にしてあることを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼制御装置。
【請求項2】
ケース(23)内には、前述した複数の小部屋(27)が直列接続的もしくは並列接続的に又はこれらを組み合わせて形成してあることを特徴とする請求項1記載の蓄熱式バーナの燃焼制御装置。
【請求項3】
ケース(23)内には、前述した複数の小部屋(27)が並列接続的に形成してあり、
吸排気回路(4)は、各蓄熱器(22)の全ての小部屋(27)を単独で選択可能に設けてあることを特徴とする請求項2記載の蓄熱式バーナの燃焼制御装置。
【請求項4】
バーナ(21)と蓄熱器(22)を備える蓄熱式バーナ(2)において、
蓄熱器(22)は、ケース(23)内に複数の小部屋(27)を形成すると共に、各小部屋(27)に蓄熱体(24)を収容し、各小部屋(27)に吸排気回路(4)への接続口(29a)を有することを特徴とする蓄熱式バーナ。
【請求項5】
ケース(23)内には、前述した複数の小部屋(27)が直列接続的もしくは並列接続的に又はこれらを組み合わせて形成してあることを特徴とする請求項4記載の蓄熱式バーナ。
【請求項6】
ケース(23)内には、前述した複数の小部屋(27)が並列接続的に形成してあることを特徴とする請求項5記載の蓄熱式バーナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−7375(P2011−7375A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149432(P2009−149432)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000141808)株式会社宮本工業所 (22)
【Fターム(参考)】