説明

蓄電素子

【課題】本発明では低抵抗化に優れた蓄電素子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明における蓄電素子は、シート状の正極2および負極3の間にセパレータ4を介在させて積層され、外周面の対向する2箇所に形成されて正極2から電極を引き出すリード部2cと、このリード部2cを除いた外周面の対向する2箇所に形成されて負極3から電極を引き出すリード部3cを備えた素子1を少なくとも備え、このセパレータ4は正極2および負極3の間に介在する複数のセパレート部4aと、これらセパレート部4aどうしを繋ぐ中継部4bとから構成され、中継部4bの一部を折り曲げて、交互に逆方向から折り畳まれて前記セパレート部4aが積層されると共に、中継部4bの少なくとも一部が、隣り合って設けられたリード部2c、3cの間から表出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種電子機器、ハイブリッド自動車や燃料電池車のバックアップ電源用や回生用、あるいは電力貯蔵用等に使用される蓄電素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、機器の動作時には、使用されるエネルギーの一部が熱エネルギー等としてその機器から不必要に消費されるエネルギーとなっている。この消費されるエネルギーを、電気エネルギーとして一旦、蓄電素子に貯蔵して必要な際に再利用することにより、消費されるエネルギーを低減し、効率化することが考えられている。
【0003】
この際に、機器の動作に必要なエネルギーを必要な出力で取り出すことが出来る蓄電素子が必須となる。その蓄電素子の候補には、大別してキャパシタと二次電池の2種類がある。
【0004】
図10は従来のキャパシタの一例として示した電気二重層キャパシタの各電極の取出し方法を示した正面断面図である。
【0005】
素子200は対向した帯状の正極および負極と、正極と負極との間に介在するセパレータからなる。
【0006】
この正極と負極は夫々、一端辺に電極部が形成されていない引き出し電極部201、202が形成されており、この引き出し電極部201、202が互いに突出するようにずれて対向している。そして、この引き出し電極部201、202が夫々、巻回軸方向両端部を形成するように前記正極、負極、ならびにセパレータを巻回して形成されている。
【0007】
この正極の引き出し電極部201は、金属製の端子板203と溶接などにより接合され、この端子板203から外部回路へと正極が引き出されていく。
【0008】
また、負極の引き出し電極部202は、有底筒状の金属ケース204の内底面と外底面などからの溶接により接合され、金属ケース204の外表面から負極が外部回路へと引き出されていく。
【0009】
そして、この端子板203の表面と金属ケース204の内面とが接触しないように、この間に絶縁テープ(図示なし)などを介在させている。
【0010】
このように夫々の電極を取り出すことによって、端子板203や金属ケース204のような引き出し端子の役割をする部材と素子200との接触面積を増やすことができるため、キャパシタ内部における低抵抗化を図ることができる。
【0011】
なお、この出願に関する先行技術文献情報として、例えば特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−258414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記電気二重層キャパシタのように従来の蓄電装置は各電極の集電体の一端辺に形成された引き出し電極部201、202からそれぞれの電極を引き出すとともに、この引き出し電極部201、202を端子板203の底面または金属ケース204の内底面へ直接接合させることにより、素子200と端子板203および金属ケース204との接触面積を増やし低抵抗化を図っている。
【0014】
しかしながら、瞬時により多くのエネルギーを要する電子機器に搭載される蓄電装置については、上記電気二重層キャパシタの構成による低抵抗化に留まらず、更なる低抵抗化による出力密度の向上が求められている。
【0015】
そこで、本発明は低抵抗化による出力特性に優れた蓄電装置に用いられる蓄電素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題に対して本発明における蓄電素子は、シート状の一対の電極の間にセパレータを介在させて積層され、外周面の対向する2箇所に形成されて一方の電極を引き出す第1電極引出部と、この第1電極引出部を除いた外周面の対向する2箇所に形成されて他方の電極を引き出す第2電極引出部を備えた素子と、この素子の内部に含まれた電解質と、この素子および電解質を収容する外装体とを少なくとも備え、上記セパレータは上記一対の電極の間に介在する複数のセパレート部と、これらセパレート部どうしを繋ぐ中継部とから構成され、上記セパレータは、前記中継部の一部に折り曲げ部が形成されて、交互に逆方向から折畳められて前記セパレート部が積層されると共に、前記中継部の少なくとも一部が、隣り合って設けられた前記第1、2電極引出部の間から表出したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
この構成により本発明の蓄電素子は、帯状である電極体の一端辺から電流を取り出す従来の方法と比べて、電極の集電抵抗を半減させることができる。
【0018】
さらに、立方体である同じ空間に素子を可能な限り納める場合では、約2.55倍の接続面積を設けることができる。従って、接続部材と素子との間の接続抵抗を大幅に低減させることができ、より低抵抗な製品特性の発現が可能となり、蓄電装置として出力特性を高めることができるものである。
【0019】
さらに、複数枚のシート状のセパレータを一枚一枚積層していく製造方法と比べて、素子作製時に、積層された電極の上でセパレータを折り畳むために、セパレータおよび電極に対して、軸を用いて、特に折り曲げ箇所近辺に均一な応力およびテンションを与えてセパレータを交互の方向に折り畳んでいくため、各電極の対向方向において、軸の押圧により、セパレータのセパレート部の配設位置がばらつくことが少なくなり、素子における短絡抑制などの効果を奏する。
【0020】
加えて、セパレータが一体で構成されているため、セパレータの中継部などを用いながら電解液を含浸させることにより、セパレート部の電解液含浸性のばらつきを抑制することができる。
【0021】
また、上記中継部が上記のように隣接する第1、第2電極引出部から表出するように上記セパレータを折り畳んで積層しているため、第1、第2電極引出部と重なって第1、上フレームと電気的に接続してセパレータが炭化する、あるいは、電気的な接続が不十分となることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1における電気二重層キャパシタに用いられる蓄電素子を示した分解斜視図
【図2】(a)は実施例1における電気二重層キャパシタに用いられる蓄電素子の上面図、(b)は同蓄電素子を示した部分正面図
【図3】本発明の実施例1における電気二重層キャパシタを示した分解斜視図
【図4】本発明の実施例1における電気二重層キャパシタに用いられる一方の電極の集電の様子を示した平面図
【図5】本発明の実施例1における電気二重層キャパシタに用いられるセパレータを示した上面図
【図6】(a)本発明の実施例2における電気二重層キャパシタに用いられる素子を示した分解斜視図、(b)同素子の上面図
【図7】(a)〜(g)本発明の実施例2における電気二重層キャパシタに用いられる電極の積層方法を示した組み立て上面図
【図8】(a)本発明の実施例3における電気二重層キャパシタに用いられる素子を示した分解斜視図、(b)同素子の上面図
【図9】本発明の実施例4における電気二重層キャパシタに用いられる正極および上フレームが当接する様子を示した部分正面断面図
【図10】従来の蓄電装置を示した正面断面図
【図11】(a)従来の蓄電装置に用いられる素子を示した斜視図、(b)同素子に用いられる一方の電極の集電の様子を示した部分平面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に図面を用いて本発明の実施例1および請求項1、2に記載の発明について説明を行うが、下記の内容に限定されない。
【0024】
また、以下の本発明における蓄電装置の説明において、蓄電装置の一例として電気二重層キャパシタを用いて説明を行うが、本発明における蓄電装置は上記電気二重層キャパシタに限定されない。
【実施例1】
【0025】
図1は本実施例における電気二重層キャパシタに用いられる素子1の分解斜視図である。
【0026】
図2(a)は本実施例における電気二重層キャパシタに用いられる素子1の上面図であり、(b)は同素子1を示した部分正面図である。
【0027】
図1において、本実施例の電気二重層キャパシタに用いる蓄電素子である素子1は、矩形箔状である正極2および負極3を一対の電極として対向させ、この一対の電極の間に介在するセパレート部4aとセパレート部4aどうしを繋ぐ中継部4bとが交互に連続して形成された帯状のセパレータ4を介在させながら積層されたものである。
【0028】
この素子1を作製する際、正極2および負極3を複数枚用意し、上記セパレータ4のセパレート部4aを正極2および負極3の間に供給する際は、左右または前後などの逆方向へ交互に折り畳んで積層させ、対向する正極2および負極3の間にセパレート部4aがちょうど介在するように構成する。
【0029】
このセパレータ4を折り畳んで積層する際、上記中継部4bの一部がそれぞれ折れ曲がることにより、セパレータ4は積層されていく。
【0030】
上記正極2および負極3は、例えばアルミニウム箔から成る矩形状の集電体2a、3aの表裏面上に活性炭を主成分とする電極層2b、3bを形成したものである。この電極層2b、3bを集電体2a、3aへ夫々形成する際、矩形状である集電体2a、3aの長手方向の両端辺上には、上記電極層2b、3bを形成しない集電体表出部であるリード部2c、3cを設けるように形成する。
【0031】
これら正極2および負極3を、矩形状である正極2および負極3それぞれの長手方向が直交するように対向させ、その間にセパレータ4を介在させて複数の正極2および負極3、セパレータ4を積層し、素子1を構成する。その際、正極2および負極3はそれぞれの長手方向が直交関係となるように配置されているため、リード部2c、3cは互いに直交関係となるように表出している。
【0032】
つまり、積層された素子1の積層距離を素子1の高さとすると、本実施例の電気二重層キャパシタに用いられる素子1は略十字状の柱体を形成し、四方の突出した端部はそれぞれリード部2c、3cの集合体により構成される。
【0033】
この素子1を構成するために、上記矩形状などの集電体2a、3aが方形状のものを用いた正極2および負極3を用いる場合、それぞれの電極に形成される電極層2b、3bの形状は互いに合同な正方形状とすることが好ましく、かつ、正極2の電極層2bが負極3の電極層3bとズレ少なく対向していることが望ましい。さらには、本実施例において、各電極を積層する際のズレを考慮すると、電極層3bが電極層2bの面積より大となる構成が好ましい。これは、充電において電極層2bの近傍に電解質アニオンが寄るが電極層3bが対向していない場合は特に、電極層2bの近傍が酸性となり、これにより電極層2bのバインダ材料や、セパレータ4の電極層2bと対向した箇所が劣化してしまう可能性があるためである。リード部2c、3cが互いに直交方向に表出するように素子1が構成されるため、それぞれ単に同じ形状に電極層2b、3bを形成しただけでは、一方の電極が他方の電極に対して略90度転回して対向することとなり、それぞれの電極層2b、3bにおいて未対向部分が形成されることが多い。
【0034】
図3は本実施例における電気二重層キャパシタの分解斜視図である。
【0035】
図3において、本実施例の電気二重層キャパシタは、上記素子1と、この素子1に含浸される電解液(図示なし)と、これら素子1および電解液を収容する外装体の役割を担い、略コの字状の下フレーム5および上フレーム6から構成されている。
【0036】
下フレーム5は、例えば略コの字状のアルミニウム板から構成され、対向する一対の接続部5aと、この一対の接続部5aを中継する底面部5bとから構成されている。この下フレーム5に対して上記十字状の素子1は底面部5bの内面上に配設され、下フレーム5の一対の接続部5aの内面が、素子1が有する一対の負極のリード部3cの集合体と当接すると共に、接続部5aおよびリード部3cの集合体が接合されている。
【0037】
上フレーム6は、下フレーム5と同様に例えばコの字状のアルミニウム板から構成され、対向する平板状の一対の接続部6aと、この一対の接続部6aを中継する上面部6bとから構成されている。上記素子1に対してこの上フレーム6は素子1の上に上面部6bが位置するように設けられ、上フレーム6の一対の接続部6aの内面が、素子1が有する正極のリード部2cの集合体と当接すると共に、接続部6aおよびリード部2cが接合される。
【0038】
なお、下フレーム5および上フレーム6は他にニッケルや鉄、銅などによって構成されていても良い。
【0039】
そして、下フレーム5および上フレーム6の接合および絶縁については、絶縁部材(図示なし)として変性ポリプロピレンなどを当接する下フレーム5端辺および上フレーム6の端辺の間に介在させ、この絶縁部材へ熱を加えて融着させる、あるいは、上記変性ポリプロピレンに代えて、エポキシ系接着剤を塗布し固化させるなどが考えられるが、当接する下フレーム5および上フレーム6間の絶縁、封止および固定を行える手段であれば特に限定されない。
【0040】
下フレーム5および上フレーム6を接合する際、さらに本実施例では、充放電時のガス発生による内圧上昇に対して機械的強度を向上させるために、下フレーム5および上フレーム6の接続部5a、6aにおいて、接続部6aの内面上の接続部5aの側端辺部分が当接する箇所にガイド溝6cが形成され、このガイド溝6c内面に接続部5aの側端辺部分が当接しながら下フレーム5がガイド溝6c形成方向に沿ってスライド移動し、上フレーム6と当接し、ガイド溝6c内部に接続部5aの側端辺部分を埋没した状態で固定している。
【0041】
そして、図3のように、接続部5aの内面には同様に、接続部6aの側端辺部分が当接する箇所にガイド溝5cを形成し、ガイド溝5c内部に埋没した状態で接続部6aの側端辺部分を固定している。
【0042】
この構成により、単に絶縁部材が介在して下フレーム5および上フレーム6を固定した構成に比べて、金属により構成された溝によって接続部5a、6aが固定されるため、格別に機械的強度が向上する。
【0043】
加えて、図3のように本実施例では、上フレーム6の上面部6b上において、接続部5aが当接する箇所に貫通孔6dを形成し、この接続部5aの端辺部分において貫通孔6dと対応する箇所に、貫通孔6d内に嵌合させるための突起部5dを形成し、この突起部5dを貫通孔6dへ挿入して嵌合させることにより、下フレーム5および上フレーム6を接合する上でさらに機械的強度を高めることができる。
【0044】
なお、上記ガイド溝5c、6cおよび貫通孔6dと接続部5a、6aを当接させるために、その間に上記のような絶縁部材を介在させることが当然ながら必要である。上記絶縁を行うために、ガイド溝5c、6cや貫通孔6dへ絶縁部材としてゴムなどの絶縁性を有した弾性体を予め配設し、接続部5a、6aにより、圧着させる構成であってもよい。
【0045】
素子1と下フレーム5または上フレーム6を接合する際、接続部5a、6aの外表面へ素子1を構成するリード部2c、3cの箔の端辺方向に対して垂直方向に溶接痕(図示なし)がそれぞれ形成されることが好ましい。
【0046】
これは一度の溶接で略全ての電極箔と接合箇所を形成することができ、本発明の蓄電装置を作製する上で生産性が高まるためである。そして、本実施例では素子1内部で電解液が分解されるなどによって生じるガスを抜くために、上フレーム6上に自己復帰型の調圧弁(図示なし)を設けた。この調圧弁は、本実施例のように電解液を用いる場合、下フレーム5および上フレーム6が接合された後に下フレーム5および上フレーム6によって形成される素子1を収容した収容室(図示なし)の内部へ注入される電解液の注入孔(図示なし)を下フレーム5または上フレーム6に形成する必要があり、この注入孔を封止するように設けられていることが、部品点数などを減らせることなどから好ましい。
【0047】
また、この注入孔も電解液が上記収容室内部を流れていくことを考慮すると、下フレーム5および上フレーム6において、素子1が対向していない箇所、あるいは素子1が当接していない箇所に形成されていることが好ましい。
【0048】
これは、上記収容室において上記注入孔の近傍の空間を意図的に空けることにより、電解液の注入をよりスムーズに行うことができるためである。
【0049】
この構成により、より早く素子1内部の奥深くまで電解液を含浸させることができ生産性を向上させることができる。
【0050】
このように、正極2および負極3から引き出される電極を夫々の集電体2a、3aにおいて対向する端辺部分にあたるリード部2c、3cから引き出すとともに、短絡しないようにリード部2c、3cの表出方向を直交させて素子1を形成し、それぞれのリード部2c、3cと接続する接続部5a、6aを備えた下フレーム5および上フレーム6によって、各電極を引き出すことによって、限られた容積の中で素子1と外部端子の役割を担う下フレーム5および上フレーム6の接触面積を増加させることができ、蓄電装置として素子1と下フレーム5および上フレーム6との間における低抵抗化を図ることができる。
【0051】
これは、仮に、一辺の長さをrとした立方体形状を有した同じ容積の空間に内接するように素子を収容した場合、上記一端辺から電流を取り出す従来の巻回状の素子(概算接続面積:π×r2/4)と比べて、本発明の素子1(概算接続面積:r2×2)は、一方の電極において約2.55倍の接続面積を得ることができるためである。
【0052】
さらに、上記従来の素子と比べて、本発明の素子1は各電極の集電抵抗を半減させることができる。その理由を以下に詳しく述べる。
【0053】
図4は本発明の蓄電装置に用いられる素子1を分解して一方の電極における接合箇所および電極内の集電方向を示した平面図である。
【0054】
図11(a)は従来の蓄電装置に用いられる素子200を表した斜視図であり、(b)は同素子に用いられる一方の電極の集電の様子を示した部分平面図である。
【0055】
図11(a)において、従来の素子200は、巻回軸方向両端から電流を取り出していくため、この両端部に位置する上記引き出し電極部201、202において、上記電極引き出し部材(図示なし)と接合される。その際、図11(a)に示される矢印方向へ伸びるようにレーザー溶接などによって接合される。そして、図11(b)ように、溶接により形成された接合箇所210が形成される。この接合箇所210は、素子200が巻回状であるため、巻回軸(図示なし)により近い部分は各接合箇所210の間隔が小さい。しかし、巻回軸から遠い部分は、同時に、集電体端部により構成される略円環の径が大きくなるため、接合箇所210の間隔が広くなってしまう。この際、図11(b)に示される矢印のように、電極内を流れる電流は、接合箇所210へ到達するために移動する経路が、少なくとも集電体箔の幅の距離Wの分だけ要し、加えて、接合箇所210の間隔が広い部分はその間隔の距離Dだけ移動することを要する。また、特に巻回状の素子200の最外周近傍に該当する部分は、いくら巻回軸を中心にして放射線状に接合箇所を増やしても、素子200最外周近傍に位置する接合箇所210の間隔を狭めることは難しい。
【0056】
上記構成に比べ、図4のように、本発明に用いられる正極2あるいは負極3は、リード部2c、3cの一対の端部に接合箇所10を有する構成となる。これにより、例えば、図11(b)の電極の集電体箔の幅と同じ大きさに形成したとしても、各電極の両端に形成された接合箇所10へ移動しようと電極内部を流れる電流の集電経路は、矢印のように約半分になる。また、上記巻回状の素子200と異なり、本実施例における素子1は積層される各電極において、接合箇所10どうしの間隔が広がることは少ないため、間隔方向に集電経路が増加することを抑えることができると共に、接合箇所10増加によって各接合箇所の間隔を狭めることが容易である。このように本発明の蓄電装置は、素子1内部における集電抵抗を大幅に低減させることができる。
【0057】
上記のことから、蓄電装置として、出力特性を高めることができる。
【0058】
加えて、低抵抗化が図れることにより、素子1と下フレーム5および上フレーム6との接合箇所における発熱が抑制され、セパレータ4の炭化や電解液の分解などの性能劣化を抑制させることができる。
【0059】
また、本実施例において素子作製時に、積層された電極の上でセパレータを折り畳むために、例えば棒状である軸などの押圧手段を用いてセパレータおよび一対の電極に対して、特に折り曲げ箇所近辺に均一な押圧やテンションを与えながらセパレータを交互の方向に折り畳んでいくこととなる。この時、軸は、その長手方向が上記折り曲げ箇所の折り曲がり線と略平行となるように配置されて用いられる。この軸から加わる応力およびテンションにより、複数枚のシート状のセパレータを一枚一枚積層していく製造方法と比べて、各対向方向において、セパレート部4aの配設位置がばらつくことが少なくなり、短絡抑制などの効果を奏する。さらに、折り曲げ線の直線精度も向上する。
【0060】
なお、この軸の形状は上記のように棒状に限定されず、板状などでもよい。
【0061】
これは、図1および図2(b)のように、セパレータ4を交互に折り畳みながら積層する際、例えば、セパレータ4に対して、折り込みをつけるために、軸を用いてテンションをかけながら積層していくが、この時のテンションにより、セパレータ4の平行度が高められる。これが素子1の平行度を高め、他の正極2、負極3についても積層時のずれが抑制され、電極層2b、3bどうしの非対向部が生ずる可能性を低減できるためである。
【0062】
さらに、図2(a)、(b)のように、上記のようなセパレータ4を用いることにより、セパレータ4を一体で形成することができるため、上記中継部4bなどを用いながら電解液を含浸させることにより、各セパレート部4aの含浸性のバラつきを抑制する。
【0063】
そして、中継部4bが上記のように隣接する正極引出部および負極引出部から表出するように素子1を構成することにより、一体であるセパレータ4を用いながら素子1を構成した際、正極引出部または負極引出部にあたるリード部2c、3cの電気的に接続される箇所と重なってセパレータ4が炭化する、あるいは、電気的な接続が不十分となることを抑制することができる。
【0064】
また、本発明のような一方の電極を対向する2箇所から引き出す素子において、本発明のセパレータ4の構成は顕著な効果を奏する。
【0065】
これは、素子1の積層方向の上方から電解液を注液する場合、下フレーム5、上フレーム6などの外装ケース内部を浸入する電解液は外装ケース内面と隣接するリード部2c、3cにより形成される空隙を通って、素子1の底の方へ浸入していく。従って、電解液の浸入経路である上記空隙に本発明のようにセパレータ4の中継部4bが素子1から表出するように素子1を構成することにより、中継部4bから積極的に電解液が含浸され、本発明のような一方の電極が対向する2箇所から引き出される構成である素子1において、セパレータ4における電解液の含浸性が高まるものである。
【0066】
図5は本実施例の電気二重層キャパシタに用いられるセパレータ4を示した上面図である。
【0067】
本実施例では、図5のようにセパレータ4は例えば略方形状のセパレート部4aと、このセパレート部4aの一端と接続している中継部4bとこの中継部4bと一端で接続している他のセパレート部4aという様に、セパレート部4aと中継部4bとが交互に接続されて構成されている。このセパレート部4aの形状は特に上記に限定されない。
【0068】
なお、このセパレータ4は、例えばセルロースなどの紙製のものなど正極2および負極3を絶縁するものであれば特に限定されない。
【0069】
また、電極層2b、3bには上記のように活性炭の他に、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩やポリテトラフルオロエチレンなどのバインダやアセチレンブラックなどの導電剤が含まれた方が活性炭どうしの距離の短縮や導電性を向上させることができるため、素子1としてより低抵抗化を図ることができる。
【実施例2】
【0070】
以下に、図面を用いながら本発明の実施例2および請求項3に記載の発明の説明を行うが、本発明は下記の内容に限定されない。また、上記実施例1と同じ構成要素については実施例1と同じ符号を付与して説明を行う。
【0071】
図6(a)は本実施例に記載の電気二重層キャパシタに用いられる素子11の構成を示した分解斜視図であり、(b)は同素子の上面図である。
【0072】
図6(a)において、本実施例の電気二重層キャパシタに用いられる素子11は、帯状である正極12および負極13がそれぞれ交互に折り畳まれて積層されている。そして、積層された正極12および負極13の間に実施例1のセパレータ4のセパレート部4aが介在するように構成されている。
【0073】
上記正極12および負極13は、帯状のアルミニウム箔からなる集電体12a、13aの表裏面に、電極層12b、13bがそれぞれ形成される。この電極層12b、13bは正極12および負極13が折り畳まれる際に、折り曲がる部分を除いて、例えば間欠塗工などの手段を用いて形成される。
【0074】
図7(a)〜(g)は本実施例における素子11の積層方法を順々に示した組み立て上面図である。
【0075】
この素子11を形成する際、折り畳まれる帯状の正極12、負極13そしてセパレータ4はそれぞれ異なる方向に折り畳まれる。正極12と負極13の折り畳まれる方向は互いに直交関係にあり、セパレータ4は正極12、負極13の折り畳み方向と異なる方向で折り畳まれる。例えば、まず、図7(a)のように、セパレータ4の一端に位置するセパレート部4aと一方の電極の一端に位置する電極層形成部を対向するように重ね、図7(b)のように、セパレータ4を折り畳んでセパレート部4aを一方の電極の上に積層すると共に、このセパレート部4aの上に他方の電極の一端に位置する電極層形成部が対向するように重ね、さらに、図7(c)のように、セパレータ4が他方の電極の上にセパレート部4aを積層すると共に、一方の電極の次の電極層形成部をセパレート部4aと対向するように折り畳み、以下、図7(d)〜(g)のように、セパレータ4、他方の電極、セパレータ4、一方の電極、セパレータ4という順番でそれぞれの部材をそれぞれの方向で交互に折り畳んでいき、最終的に図6(b)のような素子11を形成していく。
【0076】
そして素子11が作製された時に、折り曲げられた電極層12b、13bの上記電極層未形成部分が、それぞれ十字方向に突出したリード部12c、13cとなる。このリード部12c、13cの特に端辺を用いて素子11から正極引出部および負極引出部として電極を引き出す。従って、上記電極層未形成部分を形成する際は、その幅はリード部として突出させたい長さの2倍の長さ以上とすることが好ましい。
【0077】
本実施例における電気二重層キャパシタは、上記素子11を、外装体である下フレーム5および上フレーム6により収容して構成される。
【0078】
そして、本実施例においても、実施例1のように、突出したリード部12c、13cの間からセパレータ4の中継部4bが表出している。
【0079】
この構成により、実施例1と同様に各電極それぞれ2箇所から電極を引き出すことができるため、低抵抗化を図ることができると共に、セパレータ4における電解液の含浸性を向上させることができる。
【0080】
加えて、セパレータ4だけでなく正極12、負極13を交互に折り畳みながら積層することにより、複数の箔状の正極2、負極3を積層していく構成と比べて積層される正極2と負極3のずれが少なくなり、各電極において、他方の電極との非対向部が少なくなり充放電バランスが向上するという効果を奏する。
【0081】
なお、上記素子11を作製する場合、用いる製造装置は、正極供給部、負極供給部、セパレータ供給部と、積層された部材を置く素子載置部と、各供給部から供給される部材を素子載置部の上でそれぞれ折り畳むために曲げ箇所を形成する折り畳み部を備え、これら各供給部は、上記素子載置部を基準に3方から素子載置部に向かって供給し、効率的に各部材を折り畳むことが可能な構成である。
【実施例3】
【0082】
以下に、図面を用いながら本発明の実施例3および請求項4に記載の発明の説明を行うが、本発明は下記の内容に限定されない。また、上記実施例1と同じ構成要素については実施例1、2と同じ符号を付与して説明を行う。
【0083】
図8(a)は、本実施例における蓄電装置の一例として電気二重層キャパシタに用いられる素子21を示した分解斜視図であり、図8(b)は同素子の上面図である。
【0084】
なお、本実施例の素子21に用いられる正極12、負極13は実施例2において用いられるものと同じものとする。
【0085】
図8(a)のように、本実施例において、互いに対向すると共に交互に折り畳まれて積層される正極12、13に対して、各電極が対向する箇所に少なくとも一枚それぞれ介在するように複数枚のシート状のセパレータ24を用いて素子を構成する。
【0086】
このように素子21が構成されることにより、実施例2と同様に、正極12、負極13が一体の集電体12a、13aを用いて構成されているため、素子21を形成するためにそれぞれを積層していく際に、複数枚のシート状の電極を積層していく構成に比べて、積層時のズレが少ない。そのため、短絡抑制の効果を高めることができる。
【実施例4】
【0087】
以下に、図面を用いながら本発明の実施例4および請求項5、6に記載の発明の説明を行うが、本発明は下記の内容に限定されない。また、上記実施例1と同じ構成要素については実施例1と同じ符号を付与して説明を行う。
【0088】
図9は本実施例における電気二重層キャパシタに用いられる上フレーム6と正極32が当接する前の様子を示した部分正面断面図である。
【0089】
本実施例では、図9のように正極32の集電体32aの両端に設けたリード部32cの距離が上フレーム6の一対の接続部6a間の距離より長くしている。
【0090】
この構成により、接続部6aの内面とリード部32cを当接させる時に、本実施例における集電体32aは、リード部32cが収まらないため、接続部6aの内面に圧接されたリード部32cどうしが折曲がって重なり合った状態(スウェージ部32d)で接続部6aの内面と当接する構成となる。
【0091】
この構成により本実施例における電気二重層キャパシタは、リード部3cの端部のみが当接し接合される実施例1と比べ、リード部32cの端部を押圧しながら当接するようにスウェージ部32dを形成することにより、リード部32cの端部付近の集電体32aは重なるように押し倒され、この結果上フレーム6の接続部6aとリード部32cとの接触面積が大となり、前記スウェージ部32dにおいては集電体32aが密集した(集電体32aどうしの隙間が狭まり密度が大きい)状態となるため、レーザー溶接による集電体32aの溶断の防止や、上フレーム6の接続部6aに孔が開くことを防止することができ、ものつくりの信頼性を向上させることができるものである。
【0092】
また、リード部32cにおいてより容易にスウェージ部32dを形成するために、予めリード部32c上に屈曲部分(図示なし)、もしくは切り込み(図示なし)などを入れ、上フレーム6、もしくは下フレーム5にスライド挿入することにより得てもよいし、もしくは、上記屈曲部分、切り込みからリード部32cの端までを優先的に折り曲げるなど行ってもよい。
【0093】
なお、リード部32cに上記屈曲部分を形成する方法として、例えば、リード部32cの所望の位置にロ−ラ−(図示なし)などを押し当てることにより、リード部32c側の電極層32bの端辺と平行方向に形成する方法などがある。
【0094】
また、リード部32cに上記切り込みを形成する方法として、例えば、リード部32cの端辺を形成するスリット加工と同時にカットロ−ラ−(図示なし)などを押し当てることでリード部32c側の電極層32bの端辺に対して平行方向にリード部32c上に形成する方法などがある。
【0095】
なお、本実施例では正極32および接続部6aを用いて説明を行ったが、実施例1における負極3と接続部5aとの間においても同様の構成を用いて、同様にものつくりの信頼性を向上させることができるものである。また同様に、実施例2における素子11のリード部12c、13cについても、集電体12a、13aの一部を折り曲げて形成したものであるが、本実施例のようなスウェージ部を形成することができる。
【0096】
なお、上記実施例1〜3において構成要素として説明された下フレーム5および上フレーム6は一対の接続部5a、6aを備えた略コの字状の金属部材であったが、この構成に限定されず、素子1の2方向の両端から各電極がそれぞれ引き出される構成に対して少なくとも一対の接続部を備え、2箇所から引き出される電極を一括して外部回路へ引き出す構成を有していれば、蓄電装置の低抵抗化という本発明の格別の効果を奏するものである。
【0097】
従って、上記下フレーム5または上フレーム6の一方が有底状のケース状の金属部材であってもよく、また、下フレーム5および上フレーム6を外部端子としてだけ用い、素子1および電解質を収容する樹脂または金属部材などの外装体を、別途設けてもよい。
【0098】
特に、上フレーム5、下フレーム6のいずれか一方が金属製有底ケースを用いて本発明の電気二重層キャパシタを構成することにより装置としての気密性が高まり、好ましい。
【0099】
ただし、これらの構成をとる場合、下フレーム5および上フレーム6が直接当接しないように絶縁を十分に行う必要がある。
【0100】
因みに、本実施例に用いる電解液には、溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)などのうち少なくとも一つを用いた溶媒に、電解質として例えばテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEABF4)や、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMABF4)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF4)、1−エチル−2、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EDMIBF4)、1、2、3−トリメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(TMIBF4)及び1、3−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(DMIBF4)などのうち少なくとも一つを用いることができるが、特に溶媒、電解質を限定するものではない。
【0101】
上記のように電解液として用いることに限らず、溶媒中にバインダを含ませ、ゲル状のものを用いた構成や、固体状の電解質を用いた構成であってもよい。
【0102】
また、集電体2a、3aに用いられる材料は、上記のようにアルミニウムに限定されず、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、珪素、鉄、銀、鉛、ニッケル、銅、白金、金や、これらの合金を用いてもよい。この集電体2a、3aは無処理のプレーン箔でもよいし、電極層2b、3bとの接着強度を高めるためにエッチング処理を施したエッチング箔であってもよい。
【0103】
また、電極層2b、3bには上記のように活性炭のような炭素材料の他に、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩やポリテトラフルオロエチレンなどのバインダやアセチレンブラックなどの導電剤が含まれた方が活性炭どうしの距離の短縮や導電性を向上させることができるため、素子1としてより低抵抗化を図ることができる。
【0104】
なお、本発明は電気二重層キャパシタに限定されることはなく、電解質のカチオンとしてリチウムイオンを用い、負極の電極層に含まれる炭素材料にリチウムを吸蔵させ、かつ、正極は電気二重層キャパシタの正極を用いて充放電を行う電気化学キャパシタや、同様に、リチウム二次電池を始めとする夫々の電極層の集電部材として金属部材を主に用いた蓄電池に応用しても上記のような蓄電装置として低抵抗化の実現という格別な効果を奏することができる。
【0105】
以上のように、本発明における蓄電素子は、シート状の正極および負極の間にセパレータを介在させて積層され、外周面の対向する2箇所に形成されて正極から電極を引き出す正極引出部と、この正極引出部を除いた外周面の対向する2箇所に形成されて負極から電極を引き出す負極引出部を備えた素子と、この素子の内部に含まれた電解質と、この素子および電解質を収容する外装体とを少なくとも備え、上記セパレータは上記正極および上記負極の間に介在する複数のセパレート部と、これらセパレート部どうしを繋ぐ中継部とから構成され、上記セパレータは前記中継部の一部に折り曲げ部が形成されて、交互に逆方向から折畳められて前記セパレート部が積層されると共に、前記中継部の少なくとも一部が、隣り合って設けられた前記正極引出部と前記負極引出部の間から表出した構成である。
【0106】
この構成により、上記一対の接続部を備えた下フレームおよび上フレームによって、従来それぞれの電極箔において一方から引き出された電極を、2箇所から引き出すことによって、限られた空間の中で素子の各一対の電極引出部と外部端子の役割を担う下フレームおよび上フレームの接触面積を増やし、蓄電装置として低抵抗化を図ることができる。さらに、複数枚のシート状のセパレータを一枚一枚積層していく製造方法と比べて、素子作製時に、セパレータが交互の方向に折り畳まれながら積層されるため、各電極の対向方向において、セパレータのセパレート部の配設位置がばらつくことが少なくなり、素子における短絡抑制などの効果を奏する。
【0107】
加えて、セパレータが一体で構成されているため、セパレータの中継部などを用いながら電解液を含浸させることにより、セパレート部の電解液含浸性のばらつきを抑制することができる。
【0108】
また、上記中継部が上記のように隣接する第1、第2電極引出部から表出するように上記セパレータを折り畳んで積層しているため、第1、第2電極引出部と重なって下フレーム、上フレームと電気的に接続させてセパレーターが炭化する、あるいは、電気的な接続が不十分となることを抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明における蓄電素子は、シート状である各電極の対向する両端からそれぞれの電極を引き出す素子と、このシート状の電極から電極を引き出す一対の接続部を備えた第1のフレームおよび第2のフレームを少なくとも備え、これにより、素子から下フレームおよび上フレームを用いて電極を引き出す際の接触面積を増やし、低抵抗化が達成されたものである。
【0110】
従って、本発明における蓄電装置は、短時間でより多くの電力を取り出すことを要する電子機器や電気自動車などの移動体での利用が期待される。
【符号の説明】
【0111】
1、11、21 素子
2、12、32 正極
2a、3a、12a、13a、32a 集電体
2b、3b、12b、13b、32b 電極層
2c、3c、12c、13c、32c リード部
3、13 負極
4、24 セパレータ
4a セパレート部
4b 中継部
5 下フレーム
5a、6a 接続部
5b 底面部
5c、6c ガイド溝
5d 突起部
6 上フレーム
6b 上面部
6d 貫通孔
32d スウェージ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の一対の電極の間にセパレータを介在させて積層され、外周面の対向する2箇所に形成されて一方の電極を引き出す第1電極引出部と、この第1電極引出部を除いた外周面の対向する2箇所に形成されて他方の電極を引き出す第2電極引出部を備え、
前記セパレータは前記正極および前記負極の間に介在する複数のセパレート部と、これらセパレート部どうしを繋ぐ中継部とから構成され、
前記セパレータは、前記中継部の一部に折り曲げ部が形成されて、交互に逆方向から折り畳まれて前記セパレート部が積層されると共に、前記中継部の少なくとも一部が、隣り合って設けられた前記第1電極引出部と前記第2電極引出部の間から表出した蓄電素子。
【請求項2】
前記一対の電極の少なくとも一方はそれぞれ矩形箔状の集電体と、この集電体の少なくとも一方の面に形成された電極層とから構成され、複数枚の前記一対の電極が前記セパレータを介在させながら交互に積層され、前記電極層は前記集電体の対向する一対の端辺に電極層未形成部を有するように形成され、前記一対の電極それぞれの電極層未形成部が前記第1電極引出部および前記第2電極引出部である請求項1に記載の蓄電素子。
【請求項3】
前記一対の電極はシート状の集電体と、この集電体の両面に長手方向に一定間隔で電極層未形成部を有するように形成された電極層とから構成され、前記電極未形成部を折り曲げ部として、前記一対の電極は、前記セパレータのセパレート部を介在させながら互いの前記電極層が対向するように交互に折り畳んで積層され、前記一対の電極それぞれの折り曲げ部が前記第1電極引出部と前記第2電極引出部であると共に、前記一対の電極の折り畳み方向はそれぞれ異なる請求項1に記載の蓄電素子。
【請求項4】
対向する一対の電極と、その間に介在するセパレータとからなる素子とを少なくとも備え、
前記一対の電極は、シート状の集電体とこの集電体の表面に形成され、一定間隔で集電体が露出した間欠部を有するように形成された電極層とから構成され、前記間欠部を折り曲げ部とし、前記一対の電極は前記セパレータを介在させながら互いの前記電極層が対向するように交互に折り畳んで積層され、前記一対の電極のそれぞれの折り曲げ部が前記第1電極引出部と前記第2電極引出部であると共に、前記一対の電極の折り畳み方向がそれぞれ異なる蓄電素子。
【請求項5】
前記一対の電極に夫々設けられた複数の電極層未形成部が一方向に折り曲がって折り重なった折り重なり部が形成された請求項2に記載の蓄電素子。
【請求項6】
前記一対の電極に夫々設けられた間欠部から構成された複数の折り曲げ部が一方向に折り曲がって折り重なった折り重なり部が形成された請求項3または請求項4に記載の蓄電素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−59863(P2012−59863A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200651(P2010−200651)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】