説明

蓄電装置、及び車両

【課題】正極未塗工部及び負極未塗工部の面積を極力小さくするとともに正極塗工部及び負極塗工部の面積を極力大きくすること。
【解決手段】正極12には、正極金属箔121に正極かつ物質が塗布されている正極塗工部12aと未塗工部12bが形成されている。負極13にも同様に負極塗工部13aと未塗工部13bが形成されている。負極塗工部13aの領域は正極塗工部12aの領域より大きく、負極未塗工部野幅H3は正極未塗工部に幅H1より短くなっている。それぞれの未塗工部に集電端子31が接合されており、正極未塗工部12bの幅H1及び負極未塗工部13bの幅H3は、接続部32の厚み方向の長さHの2倍以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極と負極との間を絶縁してこれらを層状に形成してなる電極体を備えた蓄電装置、及び蓄電装置を搭載した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電装置の一種である二次電池として、例えば、帯状の正極と負極との間に帯状のセパレータを介在させて、これらを渦捲き状に捲回して構成される電極体を備えたものが知られている。詳細には、正極には、正極薄板に正極活物質が塗布されている正極塗工部と、正極薄板に正極活物質が塗布されていない正極未塗工部とが形成されている。また、負極には、負極薄板に負極活物質が塗布されている負極塗工部と、負極薄板に負極活物質が塗布されていない負極未塗工部とが形成されている。正極及び負極は、セパレータを介して幅方向にずらして積層されるとともに、正極未塗工部及び負極未塗工部を、セパレータの両端縁から夫々外側へ突出させた状態で渦捲き状に捲回される。そして、正極、負極及びセパレータが渦捲き状に捲回された後、正極、負極及びセパレータを径方向両側から圧縮することにより扁平状の電極体が形成される。電極体は、長径方向両端に位置する弧状に湾曲するように折り曲げられた両折り曲げ部と、長径方向に延びて両折り曲げ部同士を繋ぐ連結部とから形成されている。連結部を形成する正極未塗工部及び負極未塗工部の一部には集電端子が夫々接合されている。そして、各集電端子が接合された電極体を、内部に電解液が注入されたケースに収容することで二次電池が構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−261441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常、このような二次電池の体格は規格として定められているため、正極未塗工部及び負極未塗工部の面積が大きくなると、その分だけ正極塗工部及び負極塗工部の面積が小さくなってしまい、二次電池の充放電に際しての化学反応が生じる面積が小さくなってしまう。その結果として、二次電池のエネルギー密度が小さくなってしまう。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、正極未塗工部及び負極未塗工部の面積を極力小さくするとともに正極塗工部及び負極塗工部の面積を極力大きくすることができる蓄電装置、及び車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、正極薄板に正極活物質が塗布されている正極塗工部と、前記正極薄板に前記正極活物質が塗布されていない正極未塗工部とが形成されてなる正極と、負極薄板に負極活物質が塗布されている負極塗工部と、前記負極薄板に前記負極活物質が塗布されていない負極未塗工部とが形成されてなる負極と、を有し、前記正極と前記負極との間を絶縁してこれらを層状に形成してなる電極体を備え、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部に集電端子が夫々接続される蓄電装置であって、前記正極には、前記正極塗工部と前記正極未塗工部との境界線である正極境界線と、前記正極未塗工部における前記正極境界線とは反対側の端縁である第1正極端縁と、前記正極塗工部における前記正極境界線とは反対側の端縁である第2正極端縁とが形成され、前記負極には、前記負極塗工部と前記負極未塗工部との境界線である負極境界線と、前記負極未塗工部における前記負極境界線とは反対側の端縁である第1負極端縁と、前記負極塗工部における前記負極境界線とは反対側の端縁である第2負極端縁とが形成され、各集電端子には、前記正極未塗工部又は前記負極未塗工部に対して接触することで接続される接続部が設けられており、前記正極境界線から前記第1正極端縁までの前記正極未塗工部の幅、及び前記負極境界線から前記第1負極端縁までの前記負極未塗工部の幅は、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さの2倍以下であることを要旨とする。
【0007】
例えば、正極未塗工部の幅及び負極未塗工部の幅と、正極未塗工部及び負極未塗工部の幅方向における接続部の長さとの関係を何も考慮せずに、正極及び負極を形成する場合があり、例えば、正極未塗工部及び負極未塗工部の幅が、正極未塗工部及び負極未塗工部の幅方向における接続部の長さの2.1倍以上になっている場合がある。しかし、本発明では、正極未塗工部の幅及び負極未塗工部の幅を、正極未塗工部及び負極未塗工部の幅方向における接続部の長さの2倍以下にしている。よって、例えば、正極未塗工部の幅及び負極未塗工部の幅が、正極未塗工部及び負極未塗工部の幅方向における接続部の長さの2.1倍以上になるように正極及び負極が形成されている場合に比べると、正極未塗工部及び負極未塗工部の面積を極力小さくすることができるとともに正極塗工部及び負極塗工部の面積を極力大きくすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記正極未塗工部は前記第2負極端縁側に配置されるとともに、前記負極未塗工部は前記第2正極端縁側に配置され、前記第2正極端縁の位置は、前記負極境界線よりも前記第2負極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっているとともに、前記第2負極端縁の位置は、前記正極境界線よりも前記第1正極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっており、前記所定長さは、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さ以下であることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、正極未塗工部が第2負極端縁側に配置されるとともに、負極未塗工部が第2正極端縁側に配置された構成であっても、正極未塗工部及び負極未塗工部の面積を極力小さくすることができるとともに、正極塗工部及び負極塗工部の面積を極力大きくすることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部は、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向の同じ側に配置され、前記第2正極端縁の位置は、前記第2負極端縁よりも前記第1正極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっているとともに、前記正極境界線の位置は、前記負極境界線よりも前記第2正極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっており、前記所定長さは、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さ以下であることを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、正極未塗工部及び負極未塗工部が、正極未塗工部及び負極未塗工部の幅方向の同じ側に配置された構成であっても、正極未塗工部及び負極未塗工部の面積を極力小さくすることができるとともに、正極塗工部及び負極塗工部の面積を極力大きくすることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記負極未塗工部の幅は、前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さと同じであることを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、負極未塗工部の幅を、接続部と接続するために必要な幅のみにすることができる。よって、負極未塗工部の面積を可能な限り小さくすることができるとともに負極塗工部の面積を可能な限り大きくすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記接続部には、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向に貫通するとともに前記正極未塗工部又は前記負極未塗工部を差し込み可能なスリットが形成されていることを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、接続部における正極未塗工部及び負極未塗工部とは反対側から、スリットを介してスリットに差し込まれた正極未塗工部及び負極未塗工部と接続部とを容易に溶接することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記接続部には、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部における隣り合う層間の層方向に屈曲して接続する屈曲部が形成されていることを要旨とする。
【0017】
この発明によれば、接続部が直線状に形成されている場合に比べると、接続部自身の剛性を高めることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記蓄電装置は二次電池であることを要旨とする。
【0018】
この発明によれば、二次電池のエネルギー密度を大きくすることができ、二次電池の性能を向上させることができる。
請求項8に記載の発明は、車両において、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の蓄電装置が搭載されていることを要旨とする。
【0019】
この発明によれば、蓄電装置のエネルギー密度が大きくなるため、蓄電装置を搭載した車両の走行性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、正極未塗工部及び負極未塗工部の面積を極力小さくするとともに正極塗工部及び負極塗工部の面積を極力大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態における二次電池の縦断面図。
【図2】電極体の一部を展開して示す斜視図。
【図3】正極、負極及び接続部の位置関係を示す図。
【図4】接続部周辺を表面から見た斜視図。
【図5】接続部と負極未塗工部とが接合された状態を模式的に示す斜視図。
【図6】別の実施形態における接続部と負極未塗工部との位置関係を示す図。
【図7】別の実施形態における接続部と負極未塗工部との位置関係を示す図。
【図8】別の実施形態における接続部周辺を表面から見た斜視図。
【図9】別の実施形態における接続部周辺を表面から見た斜視図。
【図10】別の実施形態における接続部と正極未塗工部とが接合された状態を模式的に示す斜視図。
【図11】別の実施形態における電極体の一部を展開して示す斜視図。
【図12】別の実施形態における電極体の一部を分解して示す斜視図。
【図13】正極と負極との位置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
図1に示すように、二次電池10(蓄電装置)は、電極体11と、電極体11を収容するケースCと、ケースCの蓋Fとから構成されている。ケースCは一面が開口する有底矩形箱状をなすとともに、内部に電解液が注入されている。蓋Fには、正極端子F1及び負極端子F2が取り付けられている。
【0023】
図2に示すように、電極体11は、帯状の正極12と帯状の負極13との間に帯状のセパレータ14を介在させることで正極12と負極13との間を絶縁させて、これらを捲回軸L周りに渦捲き状に捲回して構成されている。
【0024】
正極12には、正極薄板としての正極金属箔121に正極活物質が塗布されている正極塗工部12aと、正極金属箔121に正極活物質が塗布されていない正極未塗工部12bとが形成されている。正極金属箔121はアルミニウムから形成されている。正極塗工部12aと正極未塗工部12bとの間には、正極塗工部12aと正極未塗工部12bとの境界線である正極境界線K1が形成されている。また、正極12には、正極未塗工部12bにおける正極境界線K1とは反対側の端縁である第1正極端縁121bと、正極塗工部12aにおける正極境界線K1とは反対側の端縁である第2正極端縁121aとが形成されている。
【0025】
負極13には、負極薄板としての負極金属箔131に負極活物質が塗布されている負極塗工部13aと、負極金属箔131に負極活物質が塗布されていない負極未塗工部13bとが形成されている。負極金属箔131は銅から形成されている。負極塗工部13aと負極未塗工部13bとの間には、負極塗工部13aと負極未塗工部13bとの境界線である負極境界線K2が形成されている。また、負極13には、負極未塗工部13bにおける負極境界線K2とは反対側の端縁である第1負極端縁131bと、負極塗工部13aにおける負極境界線K2とは反対側の端縁である第2負極端縁131aとが形成されている。
【0026】
正極未塗工部12bは第2負極端縁131a側に配置されるとともに、負極未塗工部13bは第2正極端縁121a側に配置されている。つまり、正極未塗工部12bと負極未塗工部13bとは、捲回軸L方向の反対側に夫々配置されている。本実施形態において、正極未塗工部12bにおける捲回軸L方向(正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの幅方向)の幅H1に対する正極塗工部12aにおける捲回軸L方向の幅H2の比率は少なくとも10.0以上に設定されている。また、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3に対する負極塗工部13aにおける捲回軸L方向の幅H4の比率は少なくとも10.0以上に設定されている。
【0027】
正極12及び負極13は、セパレータ14を介して幅方向にずらして積層されるとともに、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bを、セパレータ14の両端縁14a,14bから夫々外側へ突出させた状態で捲回軸L周りに渦捲き状に捲回される。そして、正極12、負極13及びセパレータ14が渦捲き状に捲回された後、正極12、負極13及びセパレータ14を径方向両側から圧縮することにより扁平状の電極体11が形成される。電極体11は、長径方向(図2に示す矢印Y1の方向)両端に位置する弧状に湾曲するように折り曲げられた両折り曲げ部21,22と、長径方向に延びて両折り曲げ部21,22同士を繋ぐ連結部23とから形成されている。
【0028】
図3に示すように、正極境界線K1は、電極体11の長径方向(電極体11の周方向)に沿って直線状に延びている。また、負極境界線K2は、電極体11の長径方向に沿って直線状に延びている。また、捲回軸L方向において、第2負極端縁131aの位置は、正極境界線K1よりも第1正極端縁121b側に所定長さH5分だけずれた位置になっている。また、捲回軸L方向において、第2正極端縁121aの位置は、負極境界線K2よりも第2負極端縁131a側に所定長さH6分だけずれた位置になっている。すなわち、負極塗工部13aの領域は、正極塗工部12aの領域よりも大きくなっており、正極塗工部12a全体は、負極塗工部13aと重なっている。また、負極未塗工部13bの幅H3は正極未塗工部12bの幅H1よりも短くなっている。
【0029】
図1に示すように、電極体11の捲回軸L方向両端において、連結部23を形成する正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bには集電端子31が夫々接合されている。各集電端子31は、正極金属箔121又は負極金属箔131と同じ材質で形成された厚さ2.0mmの金属板を屈曲することで形成されている。集電端子31は、その一端に形成されるとともに正極未塗工部12b又は負極未塗工部13bの層間に挿入される接続部32と、他端に形成されるとともに正極端子F1又は負極端子F2に接続される端子接続部33と、接続部32と端子接続部33とを繋ぐ連繋部34とから構成されている。
【0030】
接続部32及び連繋部34は電極体11の長径方向に沿って延びるとともに、接続部32と連繋部34との間には電極体11の捲回軸L方向に沿って延びる段差部35が形成されている。端子接続部33は、連繋部34に連なるとともに電極体11の捲回軸L方向に沿って延びている。連繋部34は、第1正極端縁121b又は第1負極端縁131bよりも捲回軸L方向外側に位置するとともに、折り曲げ部21よりも捲回軸L方向外側を通過しながら折り曲げ部21よりも長径方向外側まで延びている。各端子接続部33は正極端子F1又は負極端子F2に接続されている。
【0031】
図4に示すように、接続部32は略矩形平板状をなすとともに、その厚み方向(正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの幅方向)の長さH(2.0mm)は、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3と同じになっている。つまり、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3は2.0mmになっている。本実施形態では、所定長さH5,H6は、接続部32の厚み方向の長さH以下である。
【0032】
接続部32にはスリットとしての第1〜第4スリット41〜44が形成されている。第1〜第4スリット41〜44は、接続部32の長手方向の一端から他端に亘って直線状に延びるように形成されている。また、第1〜第4スリット41〜44は互いに平行に延びるとともに、接続部32の厚み方向(正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの幅方向)に貫通している。さらに、第1〜第4スリット41〜44は、接続部32の短手方向において一定の間隔をあけて形成されている。
【0033】
次に、上記構成の集電端子31と負極未塗工部13bとを接続する方法について説明する。
まず、連結部23を形成する負極未塗工部13bの各層において、負極未塗工部13bを、負極未塗工部13bの各層に対応する第1〜第4スリット41〜44に差し込む。なお、本実施形態では、連結部23は、6つの負極未塗工部13bの層から形成されているものとする。
【0034】
図5に示すように、連結部23を形成する負極未塗工部13bの層のうち、電極体11の短径方向(図5に示す矢印Z1の方向)において一端側から2層目に位置する第2層S2の負極未塗工部13bを第1スリット41に差し込む。ここで、「電極体11の短径方向」とは、連結部23を形成する負極未塗工部13bの層が並ぶ方向と同じ方向のことをいう。また、連結部23を形成する負極未塗工部13bの層のうち、電極体11の短径方向において一端側から3層目に位置する第3層S3の負極未塗工部13bを第2スリット42に差し込む。さらに、連結部23を形成する負極未塗工部13bの層のうち、電極体11の短径方向において一端側から4層目に位置する第4層S4の負極未塗工部13bを第3スリット43に差し込む。また、連結部23を形成する負極未塗工部13bの層のうち、電極体11の短径方向において一端側から5層目に位置する第5層S5の負極未塗工部13bを第4スリット44に差し込む。
【0035】
さらに、連結部23を形成する負極未塗工部13bの層のうち、電極体11の短径方向において最も一端側に位置する第1層S1の負極未塗工部13bを接続部32の一側面に接触させる。また、連結部23を形成する負極未塗工部13bの層のうち、電極体11の短径方向において最も他端側に位置する第6層S6の負極未塗工部13bを接続部32の他側面に接触させる。
【0036】
すると、図3に示すように、第1負極端縁131bが、接続部32における負極塗工部13a側とは反対側の面である表面32a上に位置する。また、負極境界線K2が、接続部32における負極塗工部13a側の面である裏面32b上に位置する。よって、本実施形態では、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3は、接続部32の厚み方向の長さHと同じである。したがって、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3は、接続部32と接続するために必要な長さ分しか形成されていない。よって、負極未塗工部13bの面積が極力小さくなっており、その結果として、負極塗工部13aの面積が極力大きくなっている。
【0037】
続いて、接続部32の表面32a側から第1〜第4スリット41〜44に向けてレーザービームを照射する。すると、第1〜第4スリット41〜44の内面が溶融するとともに、第1〜第4スリット41〜44内に位置する負極未塗工部13bも溶融する。そして、これら溶融した部位が再凝固することで第1〜第4スリット41〜44の内面と負極未塗工部13bとが接合される。
【0038】
また、接続部32の表面32a側から接続部32の両側面と負極未塗工部13bとの接触部位に向けてレーザービームを照射する。すると、接続部32の両側面が溶融するとともに、両側面に接触している負極未塗工部13bも溶融する。そして、これら溶融した部位が再凝固することで接続部32の両側面と負極未塗工部13bとが接合される。これにより、集電端子31と負極未塗工部13bとが接続される。
【0039】
なお、集電端子31と正極未塗工部12bとを接続する方法は、集電端子31と負極未塗工部13bとを接続する方法と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、第1正極端縁121bは、接続部32の表面32a上に位置している。また、接続部32の裏面32bは、第2負極端縁131aよりも僅かに第1正極端縁121b側に位置している。ここで、第2負極端縁131aの位置は、正極境界線K1よりも第1正極端縁121b側に所定長さH5分だけずれた位置にあり、所定長さH5は、接続部32の厚み方向の長さH以下である。よって、正極未塗工部12bにおける捲回軸L方向の幅H1は、接続部32の厚み方向の長さHの2倍以下となっている。その結果として、正極未塗工部12bの面積が極力小さくなっており、正極塗工部12aの面積が極力大きくなっている。
【0040】
そして、各端子接続部33を正極端子F1又は負極端子F2に接続するとともに、各集電端子31を介して正極12又は負極13と正極端子F1又は負極端子F2とが接続された電極体11をケースCに収容し、蓋FによりケースCの開口を塞いで密閉することで二次電池10が構成される。
【0041】
次に、本実施形態の作用について説明する。
上記構成の二次電池10では、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの面積が極力小さくなっており、正極塗工部12a及び負極塗工部13aの面積が極力大きくなっている。よって、二次電池10の充放電に際しての化学反応が生じる面積が極力大きくなっている。その結果として、二次電池10の充放電の際に生じる化学反応が効率良く行われ、二次電池10のエネルギー密度が大きくなる。そして、この二次電池10が搭載された車両の走行性能が向上する。
【0042】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)正極未塗工部12bの幅H1及び負極未塗工部13bの幅H3は、接続部32の厚み方向の長さHの2倍以下である。例えば、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅と、接続部32の厚み方向の長さHとの関係を何も考慮せずに、正極12及び負極13を形成する場合がある。具体的には、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの幅が、接続部32の厚み方向の長さHの2.1倍以上になっている場合がある。しかし、本実施形態では、正極未塗工部12bの幅H1及び負極未塗工部13bの幅H3を、接続部32の厚み方向の長さHの2倍以下にしている。よって、例えば、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの幅が、接続部32の厚み方向の長さHの2.1倍以上になるように正極12及び負極13が形成されている場合に比べると、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの面積を極力小さくすることができる。その結果として、正極塗工部12a及び負極塗工部13aの面積を極力大きくすることができ、二次電池10のエネルギー密度を向上させることができる。
【0043】
(2)第2正極端縁121aの位置は、負極境界線K2よりも第2負極端縁131a側に所定長さH6分だけずれた位置になっているとともに、第2負極端縁131aの位置は、正極境界線K1よりも第1正極端縁121b側に所定長さH5分だけずれた位置になっている。さらに、所定長さH5,H6は、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの幅方向における接続部32の長さH以下である。これによれば、正極未塗工部12bが第2負極端縁131a側に配置されるとともに、負極未塗工部13bが第2正極端縁121a側に配置された構成であっても、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの面積を極力小さくすることができるとともに、正極塗工部12a及び負極塗工部13aの面積を極力大きくすることができる。
【0044】
(3)負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3は、接続部32の厚み方向の長さHと同じになっている。よって、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3を、接続部32と接続するために必要な長さのみにすることができる。よって、負極未塗工部13bの面積を可能な限り小さくすることができるとともに負極塗工部13aの面積を可能な限り大きくすることができる。
【0045】
(4)接続部32に、その厚み方向に貫通するとともに正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bを差し込み可能な第1〜第4スリット41〜44を形成した。よって、接続部32の表面32aから、第1〜第4スリット41〜44を介して第1〜第4スリット41〜44に差し込まれた正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bと接続部32とを容易に溶接することができる。
【0046】
(5)本実施形態によれば、二次電池10のエネルギー密度を大きくすることができ、二次電池10の性能を向上させることができる。
(6)本実施形態によれば、二次電池10のエネルギー密度が大きくなるため、二次電池10を搭載した車両の走行性能を向上させることができる。
【0047】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3は、接続部32の厚み方向の長さHよりも所定長さH6だけ短い長さから、接続部32の厚み方向の長さHの2倍の範囲に設定されていればよい。例えば、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3は、接続部32の厚み方向の長さHよりも所定長さH6だけ短い長さに設定されていてもよい。図6に示すように、負極未塗工部13bの第1負極端縁131bが、接続部32の表面32a上に位置する。また、接続部32の裏面32bの位置は、第2正極端縁121aよりも僅かに第1負極端縁131b側に位置している。これによれば、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3をさらに短くすることができ、負極未塗工部13bの面積をさらに小さくすることができる。この図6に示す負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H3は、負極未塗工部13bと接続部32とを機械的に接続させるために最低限必要な溶接代(接続代)の長さであり、具体的には2.0mmである。
【0048】
○ 実施形態において、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H7が、接続部32の厚み方向の長さHの2倍に設定されていてもよい。図7に示すように、負極未塗工部13bの第1負極端縁131bが、接続部32の表面32a上に位置する。また、接続部32の裏面32bの位置は、負極境界線K2よりも、接続部32の厚み方向の長さH分だけ、第1負極端縁131b側にずれた位置になっている。すなわち、負極未塗工部13bにおける捲回軸L方向の幅H7は、接続部32の厚み方向の長さHの2倍の長さである4.0mmになっている。なお、正極12側も同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0049】
○ 実施形態において、接続部32と連繋部34とは、電極体11の捲回軸L方向に沿って延びるように形成された段差部35により連結されていたが、これに限らず、例えば、図8に示すように、波状に形成された段差部51により接続部32と連繋部34とが連結されていてもよい。これによれば、電極体11の捲回軸L方向に沿って延びる段差部35を形成する場合に比べると、集電端子31を形成する金属板の加工を容易なものとすることができる。
【0050】
○ 実施形態において、接続部32は略矩形平板状をなしていたが、これに限らず、接続部32が屈曲形成されていてもよい。図9に示すように、接続部61は、電極体11の短径方向(図9に示す矢印Z1の電極体11の層方向)に平板状の板材を波状に折り曲げることで屈曲部62が形成されている。屈曲部62は、電極体11の短径方向の一端から他端に向かうにつれて下るように弧状に湾曲しながら延びる第1湾曲部62aと、第1湾曲部62aに連なるとともに電極体11の短径方向の一端から他端に向かうにつれて上るように弧状に湾曲しながら延びる第2湾曲部62bとから形成されている。第1湾曲部62aの基端は、隣接する第2湾曲部62bの基端と接続されている。また、隣り合う第1湾曲部62a及び第2湾曲部62bの先端同士の間には、第1〜第4スリット41〜44が形成されている。第1湾曲部62a及び第2湾曲部62bは段差部35に連結されている。そして、正極未塗工部12bを、正極未塗工部12bの各層に対応する第1〜第4スリット41〜44に差し込むとともに、レーザー溶接により接続部61と正極未塗工部12bとを溶接する。すると、屈曲部62により正極未塗工部12bにおいて隣り合う層同士が接合される。これによれば、接続部61が直線状(平板状)に形成されている場合に比べると、接続部61自身の剛性を向上させることができる。その結果として、接続部61の厚み方向への振動により接続部61自体が撓んで変形してしまうことを抑制することができる。
【0051】
○ 実施形態において、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bを第1〜第4スリット41〜44に差し込まなくてもよい。例えば、図10に示すように、矩形平板状をなす接続部71を、連結部23を形成する正極未塗工部12bの層のうち、電極体11の短径方向において一端側から3層目と4層目に位置する第3層S3及び第4層S4の正極未塗工部12bの間に挿入してもよい。このようにすることで、第1〜第4スリット41〜44を削除してもよい。なお、接続部71を挟んだ両側に配置される正極未塗工部12bの層の数は同数であってもよいし、異数であってもよい。
【0052】
○ 実施形態において、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bが、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの幅方向の同じ側に配置されていてもよい。例えば、図11に示すように、正極12には、正極未塗工部12bの一方の縁部121eから正極12の長手方向に間隔をおいて突出するタブ部12cが複数形成されている。また、負極13には、負極未塗工部13bの一方の縁部131eから負極13の長手方向に間隔をおいて突出するタブ部13cが複数形成されている。そして、各タブ部12c,13cが重なるようして、正極12、負極13及びセパレータ14を捲回することにより、電極体11の捲回軸L方向の一端側において同方向に突出する正極タブ12d及び負極タブ13dが形成されている。正極タブ12d及び負極タブ13dには集電端子31の接続部32が接続される。
【0053】
正極12には、正極未塗工部12bにおける正極境界線K1とは反対側のタブ部12cの端縁である第1正極端縁121bと、正極塗工部12aにおける正極境界線K1とは反対側の端縁である第2正極端縁121aとが形成されている。負極13には、負極未塗工部13bにおける負極境界線K2とは反対側のタブ部13cの端縁である第1負極端縁131bと、負極塗工部13aにおける負極境界線K2とは反対側の端縁である第2負極端縁131aとが形成されている。
【0054】
第2正極端縁121aの位置は、第2負極端縁131aよりも第1正極端縁121b側に所定長さH8分だけずれた位置になっている。また、正極境界線K1の位置は、負極境界線K2よりも第2正極端縁121a側に所定長さH9分だけずれた位置になっている。すなわち、負極塗工部13aの領域は、正極塗工部12aの領域よりも大きくなっており、正極塗工部12a全体は、負極塗工部13aと重なっている。また、負極未塗工部13bの幅H3は正極未塗工部12bの幅H1よりも短くなっている。所定長さH8,H9は、接続部32の厚み方向の長さH以下である。これによれば、実施形態(1)と同様な効果を得ることができる。
【0055】
○ 実施形態において、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの層の数に応じて、接続部32に形成されるスリットの数を適宜変更してもよい。
○ 実施形態において、例えば、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの層のうち、第1層S1及び第2層S2の正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bを束ねて、第1スリット41に差し込んでもよい。すなわち、第1〜第4スリット41〜44に差し込まれる正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bの層の数を適宜変更してもよい。
【0056】
○ 実施形態において、接続部32との接合部位に対応させて正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bを形成してもよい。すなわち、正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bにおいて、接続部32との接合部位以外の部位を削除し、接続部32との接合部位のみを残すように正極未塗工部12b及び負極未塗工部13bを形成してもよい。
【0057】
○ 実施形態において、接続部32の厚さは2.0mmとなっていたが、これに限らず、接続部32の厚さは、1.5〜8.0mmの範囲であれば、接続部32の厚さは特に限定されるものではない。
【0058】
○ 実施形態では、帯状の正極12と帯状の負極13との間に帯状のセパレータ14を介在させて、これらを捲回軸L周りに渦捲き状に捲回して構成された電極体11を用いたが、これに限らず、例えば、板状の正極と板状の負極との間にセパレータを介在させて、これらを積層して構成された電極体を用いてもよい。この場合であっても、集電端子31は、正極及び負極の各未塗工部に接続すればよい。この場合は、各塗工部と各未塗工部との境界線は、集電端子31を設けた側の縁線と略平行となる。なお、ここでいう「略平行」とは、「完全に平行」を含むものであり、集電端子31を未塗工部における所望の位置に接続可能であり、且つ正極と負極との間で短絡等の虞がないようにしてあればよい。
【0059】
例えば、図12に示すように、正極82、負極83及びセパレータ84を積層して構成された電極体81において、正極未塗工部82b及び負極未塗工部83bが、正極未塗工部82b及び負極未塗工部83bの幅方向の同じ側に配置されていてもよい。正極未塗工部82bの端縁821eからはタブ部82cが突出している。負極未塗工部83bの端縁831eからはタブ部83cが突出している。正極82は、各タブ部82cが重なるようにして一定方向に積層されるとともに、負極83は、各タブ部83cが重なるようにして一定方向に積層される。そして、各タブ部82c,83cには、集電端子31の接続部32が夫々接続される。
【0060】
図13に示すように、正極82には、正極未塗工部82bにおける正極境界線K1とは反対側のタブ部82cの端縁である第1正極端縁821bと、正極塗工部82aにおける正極境界線K1とは反対側の端縁である第2正極端縁821aとが形成されている。負極83には、負極未塗工部83bにおける負極境界線K2とは反対側のタブ部83cの端縁である第1負極端縁831bと、負極塗工部83aにおける負極境界線K2とは反対側の端縁である第2負極端縁831aとが形成されている。
【0061】
第2正極端縁821aの位置は、第2負極端縁831aよりも第1正極端縁821b側に所定長さH8分だけずれた位置になっている。また、正極境界線K1の位置は、負極境界線K2よりも第2正極端縁821a側に所定長さH9分だけずれた位置になっている。すなわち、負極塗工部83aの領域は、正極塗工部82aの領域よりも大きくなっており、正極塗工部82a全体は、負極塗工部83aと重なっている。また、負極未塗工部83bの幅H3は正極未塗工部82bの幅H1よりも短くなっている。所定長さH8,H9は、接続部32の厚み方向の長さH以下である。これによれば、実施形態(1)と同様な効果を得ることができる。
【0062】
○ 本発明を、車両用の二次電池10に具体化したが、これに限らず、車両用以外の二次電池に具体化してもよい。
○ 本発明を、二次電池10に具体化したが、これに限らず、例えば、電気二重層コンデンサ等の蓄電装置に具体化してもよい。
【0063】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)正極薄板に正極活物質が塗布されている正極塗工部と、前記正極薄板に前記正極活物質が塗布されていない正極未塗工部とが形成されてなる正極と、負極薄板に負極活物質が塗布されている負極塗工部と、前記負極薄板に前記負極活物質が塗布されていない負極未塗工部とが形成されてなる負極と、を有し、前記正極と前記負極との間を絶縁してこれらを層状に形成してなる電極体を備え、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部に集電端子が夫々接続される蓄電装置であって、前記正極には、前記正極塗工部と前記正極未塗工部との境界線である正極境界線と、前記正極未塗工部における前記正極境界線とは反対側の端縁である第1正極端縁と、前記正極塗工部における前記正極境界線とは反対側の端縁である第2正極端縁とが形成され、前記負極には、前記負極塗工部と前記負極未塗工部との境界線である負極境界線と、前記負極未塗工部における前記負極境界線とは反対側の端縁である第1負極端縁と、前記負極塗工部における前記負極境界線とは反対側の端縁である第2負極端縁とが形成され、各集電端子には、前記正極未塗工部又は前記負極未塗工部に対して接触することで接続される接続部が設けられており、前記正極境界線から前記第1正極端縁までの前記正極未塗工部の幅、及び前記負極境界線から前記第1負極端縁までの前記負極未塗工部の幅は、前記接続部と機械的に接続可能とする最低限必要な接続代を有する長さから、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さの2倍以下であることを特徴とする蓄電装置。
【0064】
ここで、前記技術的思想(イ)に記載された「機械的に接続」とは、レーザー溶接や導電性接着剤等により接続部と未塗工部とを接続することをいう。
【符号の説明】
【0065】
K1…正極境界線、K2…負極境界線、10…二次電池(蓄電装置)、11,81…電極体、12,82…正極、12a,82a…正極塗工部、12b,82b…正極未塗工部、13,83…負極、13a,83a…負極塗工部、13b,83b…負極未塗工部、31…集電端子、32,61,71…接続部、41〜44…スリットとしての第1〜第4スリット、62…屈曲部、121…正極薄板としての正極金属箔、121a,821a…第2正極端縁、121b,821b…第1正極端縁、131…負極薄板としての負極金属箔、131a,831a…第2負極端縁、131b,831b…第1負極端縁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極薄板に正極活物質が塗布されている正極塗工部と、前記正極薄板に前記正極活物質が塗布されていない正極未塗工部とが形成されてなる正極と、
負極薄板に負極活物質が塗布されている負極塗工部と、前記負極薄板に前記負極活物質が塗布されていない負極未塗工部とが形成されてなる負極と、を有し、
前記正極と前記負極との間を絶縁してこれらを層状に形成してなる電極体を備え、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部に集電端子が夫々接続される蓄電装置であって、
前記正極には、
前記正極塗工部と前記正極未塗工部との境界線である正極境界線と、
前記正極未塗工部における前記正極境界線とは反対側の端縁である第1正極端縁と、
前記正極塗工部における前記正極境界線とは反対側の端縁である第2正極端縁とが形成され、
前記負極には、
前記負極塗工部と前記負極未塗工部との境界線である負極境界線と、
前記負極未塗工部における前記負極境界線とは反対側の端縁である第1負極端縁と、
前記負極塗工部における前記負極境界線とは反対側の端縁である第2負極端縁とが形成され、
各集電端子には、前記正極未塗工部又は前記負極未塗工部に対して接触することで接続される接続部が設けられており、
前記正極境界線から前記第1正極端縁までの前記正極未塗工部の幅、及び前記負極境界線から前記第1負極端縁までの前記負極未塗工部の幅は、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さの2倍以下であることを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記正極未塗工部は前記第2負極端縁側に配置されるとともに、前記負極未塗工部は前記第2正極端縁側に配置され、
前記第2正極端縁の位置は、前記負極境界線よりも前記第2負極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっているとともに、前記第2負極端縁の位置は、前記正極境界線よりも前記第1正極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっており、
前記所定長さは、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部は、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向の同じ側に配置され、
前記第2正極端縁の位置は、前記第2負極端縁よりも前記第1正極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっているとともに、前記正極境界線の位置は、前記負極境界線よりも前記第2正極端縁側に所定長さ分だけずれた位置になっており、
前記所定長さは、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記負極未塗工部の幅は、前記負極未塗工部の幅方向における前記接続部の長さと同じであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記接続部には、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部の幅方向に貫通するとともに前記正極未塗工部又は前記負極未塗工部を差し込み可能なスリットが形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記接続部には、前記正極未塗工部及び前記負極未塗工部における隣り合う層間の層方向に屈曲して接続する屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記蓄電装置は二次電池であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の蓄電装置が搭載されていることを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−84546(P2013−84546A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−40376(P2012−40376)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】