説明

蓄電装置及び蓄電装置集合体並びに蓄電装置の製造方法

【課題】複数の蓄電装置を接続して蓄電装置集合体とするときの接続作業を簡易化すること。
【解決手段】蓄電装置は、充放電可能な第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bと、第1蓄電セル2Aを収納する第1収納室6及び第2蓄電セル2Bを収納する第2収納室7を有し、かつ第1蓄電セル2Aの第1極体と第2蓄電セル2Bの第1極体とが電気的に接続される筐体3の蓋3Tと、第1蓄電セル2Aの第2極体と電気的に接続されて筐体3の外部に引き出される第1端子4と、第2蓄電セル2Bの第2極体と電気的に接続されて筐体3の外部に引き出される第2端子5と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電できる蓄電装置及び蓄電装置集合体並びに蓄電装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気を充放電できる蓄電装置として、電気二重層キャパシタ及び二次電池等が知られている。電気二重層キャパシタとしては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。また、二次電池については、例えば、特許文献2に記載されたようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−285622号公報
【特許文献2】特開2001−093508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両又は産業機械のエネルギー源として電気二重層キャパシタ又は二次電池等を用いる場合、必要な電圧を確保するため、複数の蓄電装置を直列に接続し、蓄電装置集合体として用いることがある。本発明は、複数の蓄電装置を接続して蓄電装置集合体とするときの接続作業を簡易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1極体と第2極体とを有し、充放電可能な第1蓄電セル及び第2蓄電セルと、前記第1蓄電セルを収納する第1収納室及び前記第2蓄電セルを収納する第2収納室を有し、かつ前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とが電気的に接続される導体の筐体と、前記第1蓄電セルの第2極体と電気的に接続されて前記筐体の外部に引き出される第1端子と、前記第2蓄電セルの第2極体と電気的に接続されて前記筐体の外部に引き出される第2端子と、を含むことを特徴とする蓄電装置である。
【0006】
本発明において、前記筐体が囲む空間を、前記第1収納室と前記第2収納室とに仕切る仕切り部材を有することが好ましい。
【0007】
本発明において、前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを電気的に接続するための引出部が前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とから延出する方向と同じ方向に配置されることが好ましい。
【0008】
本発明において、前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを電気的に接続するための引出部が前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とから延出する方向とは反対の方向に引き出されることが好ましい。
【0009】
本発明において、前記筐体は、筒状の側周部材と、前記側周部材の両方の端部にそれぞれ設けられる一対の端部側部材と、を含むことが好ましい。
【0010】
本発明において、一方の前記端部側部材は、前記側周部材と一体で成形され、前記第1蓄電セルの第1極体及び前記第2蓄電セルの第1極体は他方の前記端部側部材と電気的に接続されるとともに、前記第1端子及び前記第2端子は他方の前記端部側部材から引き出されることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記一対の端部側部材は、前記側周部材の両方の端部にそれぞれ接合され、前記第1蓄電セルの第1極体及び前記第2蓄電セルの第1極体は一方の前記端部側部材と電気的に接続され、前記第1端子及び前記第2端子は他方の前記端部側部材から引き出されることが好ましい。
【0012】
本発明において、
前記仕切り部材は導体であり、前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体と前記筐体とが、前記仕切り部材と電気的に接続されることが好ましい。
【0013】
本発明において、前記第1端子と前記第2端子とは、前記第1蓄電セルと前記第2蓄電セルとが配列される方向と平行な方向に向かって配列されることが好ましい。
【0014】
本発明において、前記第1端子及び前記第2端子が取り出されない前記端部側部材は、前記筐体を取付対象に取り付けるための取付部を有する請求項6又は7に記載の蓄電装置。
【0015】
本発明において、前記側周部材の表面、かつ前記第1端子及び前記第2端子が取り出されない前記端部側部材側に、前記筐体を取付対象に取り付けるための取付部を有することが好ましい。
【0016】
本発明は、前記蓄電装置を複数直列に接続したことを特徴とする蓄電装置集合体である。
【0017】
本発明は、充放電可能な第1蓄電セルと第2蓄電セルとを、筐体の第1収納室と第2収納室とにそれぞれ収納する手順と、前記筐体に取り付けられる蓋に前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを電気的に接続するとともに、前記蓋に設けられた第1端子に前記第1蓄電セルの前記第2極体を電気的に接続し、さらに、前記蓋に設けられた第2端子に前記第2蓄電セルの前記第2極体を電気的に接続する手順と、前記蓋を前記筐体に取り付けて封止する手順と、を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法である。
【0018】
本発明は、充放電可能な第1蓄電セルの第1極体と、充放電可能な第2蓄電セルの第1極体とを、筐体の底部となる部材へ電気的に接続する手順と、前記第1蓄電セルを、前記筐体が有する第1収納室に収納するとともに、前記第2蓄電セルを、前記筐体が有する第2収納室に収納する手順と、前記底部となる部材を前記筐体に接合する工程と、前記筐体に取り付けられる蓋に設けられた第1端子に前記第1蓄電セルの第2極体を電気的に接続するとともに、前記蓋に設けられた第2端子に前記第2蓄電セルの第2極体を電気的に接続する手順と、前記蓋を前記筐体に取り付けて封止する手順と、を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法である。
【0019】
本発明は、充放電可能な第1蓄電セルと第2セルとを、板状の仕切り部材の両方の面側に絶縁体を介して配置する手順と、前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを、前記仕切り部材へ電気的に接続するとともに、前記第1蓄電セルの第2極体を第1端子へ電気的に接続し、さらに、前記第2蓄電セルの第2極体を第2端子へ電気的に接続する手順と、前記第1蓄電セルと前記第2蓄電セルと前記第1端子と前記第2端子の一部を筐体3で覆う手順と、を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、複数の蓄電装置を接続して蓄電装置集合体とするときの接続作業を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、実施形態1に係る蓄電装置を示す正面図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る蓄電装置を示す側面図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る蓄電装置を示す平面図である。
【図4】図4は、第1極体、第2極体及びセパレーターの斜視図である。
【図5】図5は、図1のA−A断面図である。
【図6】図6は、図1のB−B断面図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る蓄電装置が有する第1蓄電セル及び第2蓄電セルを示す平面図である。
【図8−1】図8−1は、図7のC−C断面図である。
【図8−2】図8−2は、第1引出部の接続構造の変形例を示す拡大図である。
【図9−1】図9−1は、図7のD−D断面図である。
【図9−2】図9−2は、第2引出部の接続構造の変形例を示す拡大図である。
【図10】図10は、単独の蓄電セルを直列接続した蓄電装置の電気回路図である。
【図11】図11は、実施形態1に係る蓄電装置の電気回路図である。
【図12】図12は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図13】図13は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図14】図14は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図15】図15は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図16】図16は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図17】図17は、実施形態1に係る蓄電装置を複数直列接続した例を示す図である。
【図18】図18は、実施形態1に係る蓄電装置を複数直列接続した例を示す図である。
【図19】図19は、図10に示す単独の蓄電セルを複数直列接続した例を示す図である。
【図20−1】図20−1は、図10に示す単独の蓄電セルを複数直列接続した例を示す図である。
【図20−2】図20−2は、本実施形態に係る蓄電装置の筐体を示す図である。
【図20−3】図20−3は、図10に示す単独の蓄電セルを2個直列接続した例を示す図である。
【図21】図21は、本実施形態に係る蓄電装置の取付構造の一例を示す図である。
【図22】図22は、本実施形態に係る蓄電装置の取付構造の一例を示す図である。
【図23】図23は、本実施形態に係る蓄電装置の取付構造の他の例を示す図である。
【図24】図24は、本実施形態に係る蓄電装置を複数有する蓄電装置集合体を示す平面図である。
【図25】図25は、本実施形態に係る蓄電装置を複数有する蓄電装置集合体を示す平面図である。
【図26】図26は、本実施形態に係る蓄電装置を複数有する蓄電装置集合体を示す平面図である。
【図27】図27は、実施形態2に係る蓄電装置を示す図である。
【図28】図28は、実施形態2に係る蓄電装置を示す側面図である。
【図29】図29は、実施形態2に係る蓄電装置を示す平面図である。
【図30】図30は、実施形態2に係る蓄電装置が有する第1蓄電セル及び第2蓄電セルを示す斜視図である。
【図31】図31は、実施形態2に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図32】図32は、実施形態2に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図33】図33は、実施形態2に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図34】図34は、実施形態2に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図35】図35は、実施形態3に係る蓄電装置を示す図である。
【図36】図36は、図35のE−E断面図である。
【図37】図37は、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。
【図38】図38は、ハイブリッド油圧ショベルを示す側面図である。
【図39】図39は、図38のF−F矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0023】
(実施形態1)
<蓄電装置の全体構造>
図1は、実施形態1に係る蓄電装置を示す正面図である。図2は、実施形態1に係る蓄電装置を示す側面図である。図3は、実施形態1に係る蓄電装置を示す平面図である。
図4は、第1極体、第2極体及びセパレーターの斜視図である。図5は、図1のA−A断面図である。図6は、図1のB−B断面図である。本実施形態において、蓄電装置1は、EDLC(Electric Double Layer Capacitor:電気二重層キャパシタ)である。しかし、蓄電装置1は、EDLCに限定されるものではなく、リチウムイオンキャパシタ、電解コンデンサ又はリチウムイオン電池等の二次電池等であってもよい。
【0024】
蓄電装置1は、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bと、筐体3と、第1端子4と、第2端子5とを含む。第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bは、いずれも同一の構造である。第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bは、活物質の層が表面に設けられた第1極体21(図3参照)と、同じく活物質の層が表面に設けられた第2極体22(図3参照)とを有している。第1極体21と第2極体22とはいずれも導体である。第1極体21と第2極体22との間には、セパレーター23が挟まれる。そして、第1極体21の活物質と第2極体22の活物質とは、セパレーター23に対向している。
【0025】
第1極体21及び第2極体22は、セパレーター23及びそれぞれの表面に設けられた活物質とともに電解質に浸される。第1極体21の表面と第2極体22の表面とに設けられた活物質の層は、それぞれ第1分極性電極24Aと第2分極性電極24Bとを形成する。本実施形態においては、第1極体21と第2極体22との両方で、電気二重層によるコンデンサを形成する。すなわち、第1極体21と第2極体22とセパレーター24とで、EDLCが構成される。第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bは、第1極体21と第2極体22とセパレーター24との組み合わせを少なくとも1つ有している。本実施形態において、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bは、前記組み合わせを複数有している。このように、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bは、それぞれEDLCであり、充放電可能な蓄電素子である。第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの構造並びに第1極体21及び第2極体22の構造については、後に詳述する。
【0026】
筐体3は、第1蓄電セル2Aを収納する第1収納室6と、第2蓄電セル2Bを収納する第2収納室7とを有している。また、筐体3は、導体で作られており、第1蓄電セルの第1極体21と第2蓄電セルの第1極体21とが電気的に接続される。筐体3は、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bを外部から区画するための構造体である。筐体3は、側周部材3Sと、蓋3Tと、底部3Bとを有する。このため、側周部材3S、蓋3T及び底部3Bは導体である。本実施形態において、筐体3は、例えば、アルミニウム合金であるが、筐体3の材料はこれに限定されるものではない。また、側周部材3Sと、蓋3Tと、底部3Bとはいずれも導体であればよく、必要に応じて材料を異ならせてもよい。例えば、側周部材3Sと底部3Bとをアルミニウム合金とし、蓋3Tを銅合金としてもよい。このようにすることで、筐体3が有するそれぞれの部材に適した材料を選択することができる。
【0027】
側周部材3Sは、筒状の部材である。側周部材3Sは、側部で囲まれた空間に、仕切り部材8を有している。仕切り部材8は、側周部材3Sの内部の空間を2つの空間に仕切っている。本実施形態において、側周部材3Sと仕切り部材8とは、一体で成形されているが、両者を別部材として製造し、溶接等の接合手段によって両者を接合してもよい。仕切り部材8は、筐体3の側周部材3Sのリブとしての機能も有するので、側周部材3Sの強度を向上させることができる。仕切り部材8が側周部材3Sに固定されていると、前記リブとしての機能はより大きくなるので好ましい。
【0028】
蓋3Tと底部3Bとは、筒状の部材である側周部材3Sの両方の端部にそれぞれ設けられる。蓋3Tと底部3Bとは、一対の端部側部材に相当する。本実施形態において、一方の端部側部材としての底部3Bは、側周部材3Sと一体で成形される。このため、側周部材3Sと底部3Bとは、図5に示すように、底部3Bとは反対側の側周部材3Sの端部が開口した、底付きの容器となる。このように、筐体3は、側周部材3Sと、底部3Bと、仕切り部材8とが一体で成形された構造物である。このような構造物は、例えば、インパクト成形と呼ばれる冷間鍛造の一種である加工方法によって製造することができる。なお、前記構造物を製造する方法はインパクト成形に限定されるものではない。底部3Bと側周部材3Sとを一体成形することにより、底部3Bと側周部材3Sとの接合が省略できるので、蓄電装置1は、製造工程の簡略化及び部品点数の削減といった効果が得られる。また、インパクト成形によって底部3Bと側周部材3Sとを一体成形することにより、筐体3内に封入される電解質(電解液)が漏洩するおそれを低減できる。
【0029】
図5に示すように、第1収納室6の第1開口部6H及び第2収納室7の第2開口部7Hが、底部3Bとは反対側の側周部材3Sの端部に開口している。第1開口部6H及び第2開口部7Hには、他方の端部側部材としての蓋3Tが取り付けられる。より具体的には、蓋3Tは、第1開口部6H及び第2開口部7H側における側周部材3Sの端部(開口側端部)3St及び第1開口部6H及び第2開口部7H側における仕切り部材8の端部(開口側仕切り部材端部)8Stに取り付けられる。そして、蓋3Tは、側周部材3Sと溶接等の接合手段によって接合され、固定される。
【0030】
筐体3が有する第1収納室6及び第2収納室7は、筐体3が囲む空間、すなわち、蓋3Tと、側周部材3Sと、底部3Bとが囲む空間を、仕切り部材8が2つに仕切った空間である。すなわち、第1収納室6及び第2収納室7は、側周部材3Sと、蓋3Tと、底部3Bと、仕切り部材8とが囲む空間である。図5に示すように、本実施形態において、仕切り部材8の開口側仕切り部材端部8Stは蓋3Tと接触しているが、両者は離れていてもよい。仕切り部材8が第1収納室6と第2収納室7とを区画することにより、筐体3内に配置した第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとの干渉を確実に抑えることができる。本実施形態において、仕切り部材8は側周部材3Sと一体で成形されるので、仕切り部材8は導体である。しかし、仕切り部材8は、導体でなくてもよい。
【0031】
筐体3は、第1蓄電セル2Aの第2極体22と電気的に接続されて筐体3の外部に引き出される第1端子4と、第2蓄電セル2Bの第2極体22と電気的に接続されて筐体3の外部に引き出される第2端子5とを有している。第1端子4及び第2端子5は、いずれも導体であり、本実施形態ではアルミニウム又はアルミニウム合金である。なお、第1端子4及び第2端子5の材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金に限定されるものではない。第1端子4は、第1収納室6から蓋3Tを貫通して蓋3Tの外部に引き出される。第2端子5は、第2収納室7から蓋3Tを貫通して蓋3Tの外部に引き出される。第1端子4と蓋3Tとの間には、シール部材4Sが介在し、第2端子5と蓋3Tとの間には、第2シール部材5Sが介在する。第1シール部材4S及び第2シール部材5Sは、第1端子4及び第2端子5と、導体である蓋3Tとの間で電気的な絶縁を確保するための部材である。また、第1シール部材4S及び第2シール部材5Sは、第1端子4及び第2端子5と蓋3Tとの隙間を封止して、第1収納室6及び第2収納室7を密封する。このような構造により、第1収納室6及び第2収納室7からの電解質の漏れ等を抑制する。このため、第1シール部材4S及び第2シール部材5Sは、電気絶縁性及び密封性能が高い、ゴム又は樹脂等で作られる。
【0032】
蓋3Tは、ガス抜き部9A、9Bを有する。ガス抜き部9A、9Bは、第1収納室6及び第2収納室7内の電解質から発生した気体を筐体3の外部へ放出する。ガス抜き部9A、9Bは、蓋3Tを貫通して第1収納室6及び第2収納室7と蓋3Tの外部とをそれぞれ連通する貫通孔と、第1収納室6及び第2収納室7から蓋3Tの外部へ向かってのみ気体を流すチェック弁とを含む。このような構造により、第1収納室6及び第2収納室7内の電解質から発生した気体は、ガス抜き部9A、9Bを通って筐体3の外部へ放出される。
【0033】
本実施形態において、第1蓄電セル2Aの第1極体21と第2蓄電セル2Bの第1極体21とは、筐体3が有する蓋3Tと電気的に接続される。次に、この接続構造を説明する。図5に示すように、蓋3Tの第1収納室6及び第2収納室7側には、第1突起部10及び第2突起部11が設けられている。第1突起部10及び第2突起部11は、いずれも蓋3Tと一体成形されているが、第1突起部10及び第2突起部11と蓋3Tとの電気的な導通が確保されていれば、両者を別部材としてもよい。
【0034】
第1突起部10は、蓋3Tの第1収納室6と対向する位置に設けられており、蓋3Tの表面から第1収納室6に向かって突出する。第2突起部11は、蓋3Tの第2収納室7と対向する位置に設けられており、蓋3Tの表面から第2収納室7に向かって突出する。図5に示すように、第1蓄電セル2Aの第1極体21と第2蓄電セル2Bの第1極体21とには、それぞれ第1接続導体25が電気的に接続されている。第1接続導体25は、例えば、銅又はアルミニウム等の電気の良導体がシート状に形成されたものである。
【0035】
第1収納室6に収納される第1蓄電セル2Aが有する第1極体21に接続された第1接続導体25は、第1突起部10と電気的に接続される。また、第2収納室7に収納される第2蓄電セル2Bが有する第1極体21に接続された第1接続導体25は、第2突起部11と電気的に接続される。第1突起部10と第2突起部11とは、蓋3Tを介して電気的に接続されているので、第1蓄電セル2Aの第1極体21と第2蓄電セル2Bの第1極体21とは、第1接続導体25と第1突起部10と蓋3Tと第2突起部11と第1接続導体とを介して、電気的に接続される。このような構造により、第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとは、筐体3が有する蓋3Tを介して直列に接続される。
【0036】
第1端子4は、第1蓄電セル2Aの第2極体22と電気的に接続され、第2端子5は、第2蓄電セル2Bの第2極体22と電気的に接続される。次に、この接続構造を説明する。図6に示すように、第1端子4は、第1収納室6側に第1導体接続部4Cを有しており、第2端子5は、第2収納室7側に第2導体接続部5Cを有している。第1導体接続部4C及び第2導体接続部5Cは、いずれも平板形状であり、第1端子4及び第2端子5が蓋3Tから引き出された部分よりも、第1端子4及び第2端子5が引き出される方向から見たときの面積が広くなっている。
【0037】
図6に示すように、第1蓄電セル2Aの第2極体22と第2蓄電セル2Bの第2極体22とには、それぞれ第2接続導体26が電気的に接続されている。第2接続導体26は、例えば、銅又はアルミニウム等の電気の良導体がシート状に形成されたものである。第1収納室6に収納される第1蓄電セル2Aが有する第2極体22に接続された第2接続導体26は、第1端子4の第1導体接続部4Cと電気的に接続される。また、第2収納室7に収納される第2蓄電セル2Bが有する第2極体22に接続された第2接続導体26は、第2端子5の第2導体接続部5Cと電気的に接続される。このような構造により、蓄電装置1は、直列に接続された第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bが、第1端子4及び第2端子5を介して電力をやり取りする。次に、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの構造を説明する。
【0038】
<第1蓄電セル及び第2蓄電セルの構造>
図7は、本実施形態に係る蓄電装置が有する第1蓄電セル及び第2蓄電セルを示す平面図である。図8−1は、図7のC−C断面図である。図8−2は、第1引出部の接続構造の変形例を示す拡大図である。図9−1は、図7のD−D断面図である。図9−2は、第2引出部の接続構造の変形例を示す拡大図である。本実施形態において、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bは、いずれも同様の構造なので、次においては、第1蓄電セル2Aを説明する。第1蓄電セル2Aは、第1極体21と、第2極体22とを有している。第1極体21は、第1集電部21Cと、第1引出部21Eとを有している。また、第2極体22は、第2集電部22Cと、第2引出部22Eとを有している。第1引出部21Eには第1接続導体25が電気的に接続され、第2引出部22Eには第2接続導体26が電気的に接続される。第1極体21及び第2極体22は、いずれも導体の箔又はシートである。第1極体21及び第2極体22は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金で製造することができる。
【0039】
第1極体21の第1集電部21C及び第2極体22の第2集電部22Cは、第1極体21の表面と直交する方向から見た場合、すなわち、平面視における形状が略長方形(正方形を含む)の部材である。第1集電部21Cからは、第1引出部21Eが引き出されている。第1引出部21Eは、第1蓄電セル2Aの第1極体21と第2蓄電セル2Bの第1極体21とを電気的に接続するための部分(引出部)である。具体的には、第1蓄電セル2Aの第1引出部21Eは、図8−1に示すように、第1接続導体25と電気的に接続されて、第1突起部10(第2蓄電セル2Bの第1引出部21Eは、第2突起部11)と電気的に接続される。なお、図8−1に示すように、第1引出部21Eと第1接続導体25とを一体成形して両者を同一の部材としてもよい。そして、第1蓄電セル2Aの第1引出部21Eは、第1突起部10(第2蓄電セル2Bの第1引出部21Eは、第2突起部11)と電気的に接続されてもよい。第1引出部21Eは、長方形形状の第1集電部21Cの一辺から第1集電部21Cの外側に向かって延出する、平面視が長方形(正方形を含む)の部分である。本実施形態において、第1集電部21Cと第1引出部21Eとは、一体で成形されている。
【0040】
第2集電部22Cからは、第2引出部22Eが引き出されている。第2引出部22Eは、第1蓄電セル2Aの第2極体22と第2蓄電セル2Bの第2極体22とを電気的に接続するための部分である。具体的には、第2引出部22Eは、図9−1に示すように、第2接続導体26と電気的に接続されて、第1導体接続部4C(第2蓄電セル2Bの第2引出部22Eは、第2導体接続部5C)と電気的に接続される。なお、図9−2に示すように、第2引出部22Eと第2接続導体26とを一体成形して両者を同一の部材としてもよい。そして、第1蓄電セル2Aの第2引出部22Eは、第1導体接続部4C(第2蓄電セル2Bの第2引出部22Eは、第2導体接続部5C)と電気的に接続されてもよい。第2引出部22Eは、長方形形状の第2集電部22Cの一辺から第2集電部22Cの外側に向かって延出する、平面視が長方形(正方形を含む)の部分である。本実施形態において、第2集電部22Cと第2引出部22Eとは、一体で成形されている。
【0041】
蓄電装置1がEDLCである場合、第1極体21と第2極体22とに極性はない。本実施形態においては、第1極体21は、第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとを電気的に接続するものであり、第2極体22は、蓄電装置1の接続対象と電気的に接続されるものであるとして、両者を区別している。
【0042】
図8−1、図9−1に示すように、第1極体21の第1集電部21Cの表面には、第1分極性電極24Aが設けられ、第2極体22の第2集電部22Cの表面には、第2分極性電極24Bが設けられる。第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2BがEDLCである場合、第1極体21と第2極体22とは同一の構造である。このため、第1分極性電極24Aと第2分極性電極24Bとは同一である。第1分極性電極24A及び第2分極性電極24Bは、活物質の層である。第1分極性電極24A及び第2分極性電極24Bは、多孔質材料である。第1分極性電極24A及び第2分極性電極24Bは、例えば、活性炭にバインダ等(導電補助剤等をさらに添加してもよい)を混合したものを第1集電部21C及び第2集電部22Cの表面に塗布することにより形成することができる。
【0043】
本実施形態において、第1集電部21Cと第2集電部22Cとは、一方の表面にのみ第1分極性電極24Aと第2分極性電極24Bとが設けられているが、両方の表面に第1分極性電極24Aと第2分極性電極24Bとを設けてもよい。上述したように、第1極体21と第2極体22との間には、セパレーター23が挟まれている。さらに、2つのセパレーター23が、第1極体21及び第2極体22を挟み込む。このようにして、筐体3と第1極体21及び第2極体22との絶縁を確保するとともに、第1極体21及び第2極体22を筐体3内へ挿入するときにこれらを保護する。第1極体21の第1分極性電極24Aと、第2極体22の第2分極性電極24Bとは、セパレーター23に対向している。セパレーター23は、例えば、多孔質の樹脂シート等を用いることができる。セパレーター23は、図1から図6に示す第1収納室6及び第2収納室7の内面(蓋3Tの内面を除く)と接している。このようにすることで、第1極体21の第1分極性電極24Aと第2極体22の第2分極性電極24Bとを確実に区分することができる。
【0044】
第1極体21とセパレーター23と第2極体22との組み合わせにより、1つの蓄電部が作られる。1つの蓄電部における第1極体21と第2極体22との間の電圧が、第1蓄電セル2Aの端子間電圧に相当する。第1蓄電セル2Aは、前記蓄電部が1つでもよいし、複数の前記蓄電部がセパレーター23を介して積層され、かつ並列に接続されていてもよい。前者の場合、例えば、1つの前記蓄電部の第1極体21が第1接続導体25と電気的に接続される。後者の場合、複数の前記蓄電部の第1極体21同士が電気的に接続されるとともに第1極体21と電気的に接続され、かつ複数の前記蓄電部の第2極体22同士が電気的に接続されるとともに第2極体22と電気的に接続される。
【0045】
蓄電装置1の筐体3は、インパクト成形によって側周部材3Sと底部3Bとが一体成形される。このため、第1蓄電セル2Aの第1極体21と第2蓄電セル2Bの第1極体21とは、作業の負荷を考慮すると、側周部材3Sとは別部材の蓋3Tを介して電気的に接続することが好ましい。また、第1端子4と第2端子5とは、それぞれ第1蓄電セル2Aの第2接続導体26と第2蓄電セル2Bの第2引出部22Eと電気的に接続されるが、作業の負荷を考慮すると、側周部材3Sとは別部材の蓋3Tに第1端子4及び第2端子5を設けることが好ましい。
【0046】
本実施形態においては、図7に示すように、第1端子4及び第2端子5は、第1引出部21Eが第1蓄電セル2Aの第1極体21と第2蓄電セル2Bの第1極体21とから延出する方向(矢印Eで示す方向)と同じ方向に配置される。このように、第1引出部21Eの延出方向側に第1端子4及び第2端子5を配置するので、第1端子4及び第2端子5は、第1引出部21Eの延出方向の延長線上に存在することになる。その結果、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの第1引出部21Eと第1端子4及び第2端子5とを短い距離で接続することができ、また、両者の配線の取り回しが簡単になる。
【0047】
また、図7に示すように、第1引出部21Eと第2引出部22Eとは、第1集電部21Cと第2集電部22Cとから、いずれも同じ方向に向かって延出する。第1接続導体25を介して第1引出部21Eと電気的に接続される第1端子4及び第2端子5はいずれも蓋3Tに取り付けられ、また、第1蓄電セル2Aの第2極体22と第2蓄電セル2Bの第2極体22とは、第2接続導体26を介して蓋3Tと電気的に接続される。第1引出部21Eの延出方向と第2引出部22Eの延出方向とを同じ方向とすることにより、それぞれの接続対象が設けられている方向に、第1引出部21Eと第2引出部22Eと向けることができる。その結果、第1引出部21Eと第1引出部21Eの接続対象である第1突起部10及び第2突起部11との距離、及び第2引出部22Eと第2引出部22Eの接続対象である第1端子4及び第2端子5との距離を短くすることができ、また、配線の取り回しが簡単になる。このように、蓄電装置1は、第1引出部21Eの延出方向側に第1端子4及び第2端子5を配置し、かつ第1引出部21Eの引出方向と第2引出部22Eの引出方向とを同じ方向にすることにより、筐体3の側周部材3Sと底部3Bとをインパクト成形により一体成形した構造に適している。
【0048】
図10は、単独の蓄電セルを直列接続した蓄電装置の電気回路図である。図10に示す蓄電装置201が有する蓄電セル220A、220Bは、それぞれ端子間電圧がEであり、蓄電装置201の端子間電圧(2つの端子205間の電圧)は2×Eである。蓄電セル220A、220Bは、第1引出部221Eと第2引出部222Eとが筐体203から引き出され、それぞれ外部接続端子としての端子204、205とに電気的に接続される。蓄電セル220A、220Bは、筐体203と第1引出部221E及び第2引出部222Eとの絶縁を確保するため、それぞれ2つの絶縁体204S、205Sを有している。したがって、2つの蓄電セル220A、220Bを有する蓄電装置201は、計4個の絶縁体を有している。また、蓄電装置201は、2つの蓄電セル220A、220Bを直列接続するために、蓄電セル間接続バー223を用いて蓄電セル220Aの端子204と蓄電セル220Bの端子204とを電気的に接続する。
【0049】
図11は、実施形態1に係る蓄電装置の電気回路図である。図11に示す蓄電装置1が有する第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bは、それぞれ端子間電圧がEであり、蓄電装置1の端子間電圧(第1端子4と第2端子5との間の電圧)は2×Eである。図11に示すように、蓄電装置1は、第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとを、第1引出部21E及び筐体3を介して直列接続し、第2引出部22Eを介して外部接続端子(第1端子4及び第2端子5)に接続する。筐体3の電位は、蓄電装置1の端子間電圧の半分(E)となる。このように、筐体3の電位は、蓄電装置1の中間電位となる。
【0050】
蓄電装置1は、筐体3を介して電流を流す構造である。このような構造により、蓄電装置1は、2つの蓄電セルを有しているが、外部接続端子は第1端子4と第2端子5との2つで済む。そして、筐体3と外部接続端子としての第1端子4及び第2端子5との絶縁を確保するための絶縁体も、第1シール部材4S及び第2シール部材5Sの2つで済む。また、図10の蓄電装置201は、蓄電セル間接続バー223が必要であったが、蓄電装置1は、筐体3を介して第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとを電気的に接続するため、蓄電セル間接続バー223は不要である。このため、蓄電装置1は、部品点数を少なくできる。
【0051】
蓄電装置1は、第1蓄電セル2Aの第1極体21と第2蓄電セル2Bの第1極体21とが、外部接続端子を介さずに筐体3に接続される。このため、蓄電装置1は、2つの蓄電セルを直列接続する際に、外部接続端子の数を低減することができる。その結果、蓄電装置1は、構造が簡単になるので、製造コストが低減されるとともに、信頼性が向上する。また、筐体3は、導体で作られるため、電気伝導性及び熱伝導性に優れている。本実施形態において、筐体3は、アルミニウム合金なので、電気伝導性及び熱伝導性は良好である。蓄電装置1は、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bが熱を発生するが、第1極体21は熱伝導性の良好な筐体3に接続されている。このため、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bで発生した熱は、第1極体21から筐体3に伝わり、筐体3の表面から放熱される。このため、蓄電装置1は、放熱性能が高いという利点がある。なお、筐体3の表面に凹凸又はフィン等を設けてもよい。このようにすると、筐体3表面積が大きくなるので、蓄電装置1はさらに放熱性能が向上する。
【0052】
蓄電装置1は、第1収納室6及び第2収納室7に、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの他に、電解質(電解液)を収納している。このため、蓄電装置1は、筐体3の蓋3Tと第1端子4及び第2端子5との間に、第1シール部材4S及び第2シール部材5Sを設けて筐体3の内部を密封している。第1端子4及び第2端子5と筐体3とは、いずれも導体なので、両者は絶縁が必要である。筐体3の密封と、筐体3と第1端子4及び第2端子5との絶縁とを両立し、かつ信頼性を向上させることは難しい。上述した蓄電装置201(図10参照)は、2個の蓄電セル220A、220Bを直列接続しており、前記密封及び前記絶縁に、計4個の絶縁体を用いる。これに対して、蓄電装置1は、2個の第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとを直列接続しているが、前記密封及び前記絶縁には、第1シール部材4S及び第2シール部材5Sの2個を用いればよい。このように、蓄電装置1は、前記密封及び前記絶縁に用いる部材の数を低減できるので、その分、信頼性が向上するとともに、前記密封及び前記絶縁に用いる作業を低減でき、さらにコストも低減できる。
【0053】
<蓄電装置の製造方法>
図12から図16は、実施形態1に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。蓄電装置1を製造するにあたり、側周部材3Sと底部3Bとが一体成形された構造体3D、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bを用意する。構造体3Dは、図1等に示す筐体3の一部である。第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの第1引出部21Eには第1接続導体25が電気的に接続され、第2引出部22Eには第2接続導体26が電気的に接続される。第1引出部21Eと第1接続導体25とは、例えば、溶接又は超音波接合等の接合手段によって電気的に接続される。第2引出部22Eと第2接続導体26とも同様に接続させる。
【0054】
次に、構造体3Dが有する第1収納室6に第1蓄電セル2Aを収納し、第2収納室7に第2蓄電セル2Bを収納する。このとき、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bが有する第1引出部21E及び第2引出部22Eを、構造体3Dが有する第1収納室6及び第2収納部7の開口部側に向ける。次に、図13に示すように、第1蓄電セル2Aの第1接続導体25を、蓋3Tに設けられた第1突起部10と電気的に接続し、第2蓄電セル2Bの第1接続導体25を、蓋3Tに設けられた第2突起部11と電気的に接続する。また、図14に示すように、第1蓄電セル2Aの第2接続導体26を、蓋3Tに設けられた第1端子4の第1導体接続部4Cと電気的に接続し、第2蓄電セル2Bの第2接続導体26を、蓋3Tに設けられた第2端子5の第2導体接続部5Cと電気的に接続する。これらの接続には、例えば、溶接又は超音波接合等の接合手段が用いられる。
【0055】
その後、第1収納室6及び第2収納室7の内部へ電解質(電解液)ESを注入する。そして、図15に示すように、蓋3Tを側周部材3Sに向かって接近させ(図15の矢印Cで示す方向)、側周部材3Sの開口部側における端部に蓋3Tを載置する。次に、図16に示すように、蓋3Tと側周部材3Sとの境界部分を溶接又は超音波接合等の接合手段を用いて接合し、両者を固定する。このようにして、蓄電装置1が完成する。電解質ESは、蓋3Tを側周部材3Sに接合した後、ガス抜き部9A、9Bから第1収納室6と第2収納室7とへ注入してもよい。この蓄電装置の製造方法は、インパクト成形により製造した構造体3Dを用いるので、底部3Bと側周部材3Sとを接合する工程を省略できるとともに、部品点数も低減できる。次に、蓄電装置1を複数直列に接続することについて説明する。
【0056】
<蓄電装置の接続>
図17、図18は、実施形態1に係る蓄電装置を複数直列接続した例を示す図である。図19、図20−1は、図10に示す単独の蓄電セルを複数直列接続した例を示す図である。図20−2は、本実施形態に係る蓄電装置の筐体を示す図である。図20−3は、図10に示す単独の蓄電セルを2個直列接続した例を示す図である。図17、図18に示す例では、蓄電装置1を4個直列に接続している。上述したように、1個の蓄電装置1は、2個の蓄電セル、すなわち、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bを有している。第1蓄電セル2Aの端子間電圧及び第2蓄電セル2Bの端子間電圧をEとすると、1個の蓄電装置1の第1端子4と第2端子5との間の電圧は、2×Eとなる。4個の蓄電装置1を直列に接続した場合、端子間の電圧は、8×Eとなる。複数の蓄電装置1を配列する場合、隣接する蓄電装置1の間には絶縁体32を介在させる。蓄電装置1の筐体3は蓄電装置1の中間電位となっているので、隣接する蓄電装置1の間における短絡を回避するためである。
【0057】
複数(本実施形態では4個)の蓄電装置1を直列接続する場合、蓄電装置1が有する第1端子4と第2端子5とが配列される方向と平行な方向に向かって複数の蓄電装置1を配列する。すなわち、第1端子4と第2端子5とは、複数の蓄電装置1が配列される方向と平行な方向に向かって配列される。蓄電装置1の筐体3は導体なので、隣接する蓄電装置1の間には、絶縁体を介在させる。第1端子4と第2端子5とは対向しているため、複数の蓄電装置1を配列すると、複数の第1端子4と第2端子5とは、一直線に配列される。
【0058】
蓄電装置1を配列したら、隣接する蓄電装置1の第1端子4と第2端子5とを、蓄電装置端子接続導体としての接続バー27を用いて電気的に接続する。接続バー27は、平面視が略長方形(正方形も含む)の導体であり、例えば、アルミニウム合金又は銅等を用いることができる。接続バー27と、隣接する第1端子4及び第2端子5とは、例えば、溶接等の接合手段によって接続される。本実施形態において、接続バー27は、隣接する第1端子4及び第2端子5の端部と接続される。第1端子4と第2端子5とは、複数の蓄電装置1が配列される方向と平行な方向に向かって配列されるので、接続バー27は、一直線に配置される。
【0059】
本実施形態においては、3個の接続バー27によって4個の蓄電装置1が電気的に接続されて、計8個の蓄電セルが直列に接続される。その結果、4個の蓄電装置1を直列に接続すると、端子間、すなわち、接続バー27に接続されていない第1端子4と、同じく接続バー27に接続されていない第2端子5との電圧は、8×Eとなる。
【0060】
複数の蓄電装置1同士を直列接続する場合、それぞれの蓄電装置1の特性を調整するために、蓄電装置1の電圧を測定するバランス回路を用いるのが一般的である。このため、バランス回路を搭載したバランス回路基板28が接続バーの近傍に配置される。本実施形態においては、それぞれの接続バー27と対向する位置にバランス回路基板28が配置される。より具体的には、接続バー27にバランス回路基板28が搭載されて、ねじ29Bによって両者が締結される。バランス回路は、蓄電装置1の第1端子4と第2端子5と筐体3とに電気的に接続される。このため、4個の蓄電装置1を直列接続した場合、バランス回路基板8は、計9箇所で4個の蓄電装置1と電気的に接続される。図18に示す例において、バランス回路基板8は、第1端子4と、第2端子5と、4個の筐体3と、4個の接続バー27と電気的に接続される。この例では、第1端子4と、第2端子5と、4個の筐体3とは、筐体3と、第1端子4と、第2端子5とにそれぞれ溶接された接続ピン29Tを介してバランス回路基板28と電気的に接続される。また、4個の接続バー27は、ねじ29Bを介してバランス回路基板28と電気的に接続される。
【0061】
図19は、端子間電圧がEの単独の蓄電装置201を、複数直列に接続した例を示している。この例では、図17、図18に示す、本実施形態に係る蓄電装置1を複数直列に接続した例と同じ端子間電圧(8×E)を得るため、端子間電圧がEの蓄電装置201は、8個直列に接続される。8個の蓄電装置201の端子204同士と端子205同士とを接続バー227で電気的に接続することにより、8個の蓄電装置201が直列に接続される。8個の蓄電装置201を直列に接続する場合には、7個の接続バー227が必要である。
【0062】
蓄電装置201は、端子204及び端子205から見ると長方形、すなわち、平面視が長方形であるが、端子204と端子205とは、平面視において、蓄電装置201の長手方向に向かって配列されている。このため、接続バー227は、平面視において、蓄電装置201の長手方向の両側へ交互に配置されて、隣接する蓄電装置201の端子204と端子205とを電気的に接続している。このような構造のため、複数の蓄電装置201を直列接続すると、1個のバランス回路基板228が、すべての端子204と端子205とを包含するように配置される。このため、単独の蓄電装置201を複数直列接続すると、バランス回路基板228の面積が大きくなってしまう。図17、図18に示すように、複数の蓄電装置1を直列接続すれば、単独の蓄電装置201を複数直列接続する場合と比較して、バランス回路基板28の面積を小さくすることができる。
【0063】
図20−1に示す蓄電装置201aは、平面視が長方形であり、端子204と端子205とは、平面視において短手方向に向かって配列されている。このような蓄電装置201aを複数(8個)直列接続すると、端子204と端子205とは、複数の蓄電装置201aを配列した方向に向かって一直線に配列される。このため、蓄電装置201aを複数直列に接続する場合、バランス回路基板228は、第1端子4と第2端子5との配列方向に向かって配置すればよいので、1個で済む。しかし、それぞれの蓄電装置201aは、第1端子4と第2端子5とを有しているため、8個の蓄電装置201aを直列に接続する場合には、7個の接続バー227が必要になる。
【0064】
蓄電装置1又は蓄電装置201、201aを複数直列に接続して1つの組立体とする場合、前記組立体の端子間電圧が同じであれば、蓄電装置1は、単独の蓄電装置201、201aと比較して、接続バー27の数を半数以下にすることができる。このため、蓄電装置1は、複数の蓄電装置1を直列に接続して1つの組立体を製造するときに、接続作業を簡易化することができる。また、複数の蓄電装置1を直列接続する場合、接続箇所が少なくなれば、それだけ接続の不具合が発生するおそれも低減されるため、信頼性も向上するが、蓄電装置1は、接続バー27の数を少なくすることができるので、接続バー27の数が低減して第1端子4及び第2端子5と接続バー27との接続箇所が低減でき、その結果、前記組立体の信頼性が向上する。さらに、接続バー27は、蓄電装置1の第1端子4及び第2端子5側、すなわち、蓄電装置1の上方(鉛直方向反対側)に配置される。このため、接続バー27は、蓄電装置1の重心を高くする。蓄電装置1は、単独の蓄電装置201、201aを接続する場合と比較して、接続バー27の数を約半分にすることができるので、蓄電装置1の低重心化にも寄与する。特に、複数の蓄電装置1を直列接続する場合に、この低重心化の効果は大きい。
【0065】
接続バー27と第1端子4及び第2端子5との接続箇所には大電流が流れるが、前記接続箇所の電気抵抗により発熱し、電気エネルギーの損失が発生する。このため、前記接続箇所の数は少ない方が電気エネルギーを有効利用できるため、好ましい。蓄電装置1は、接続バー27の数を少なくすることにより、前記接続箇所が少なくなるので、電気エネルギーの損失が低減できる。また、蓄電装置1の組立体は、前記接続箇所に起因する発熱量も小さくなる。
【0066】
図19に示す蓄電装置201は、平面視において、端子204と端子205とが蓄電装置201の長手方向に向かって配列されている。このため、複数の蓄電装置201を直列接続して組立体とすると、2つのバランス回路基板228が必要になる。上述したように、本実施形態に係る蓄電装置1は、バランス回路基板8は1つで済むので、製造コストの低減及び組立体のコンパクト化を実現できる。
【0067】
蓄電装置1は、バランス回路が、第1端子4と第2端子5とに電気的に接続されるため、4個の蓄電装置1を直列接続した場合、バランス回路は、計8個の端子(第1端子4及び第2端子5)と電気的に接続される。一方、8個の蓄電装置201、201aを直列に接続した場合、前記バランス回路は、計16個の端子(端子204及び端子205)と電気的に接続される。このように、蓄電装置1は、バランス回路に接続される端子の数を低減できるので、構造の簡略化、コスト低減といった利点がある。
【0068】
インパクト成形で蓄電装置1の筐体3を製造する場合、材料の流動性を確保するため、図20−2に示すように、角部3Rを曲面で面取りする必要がある。単独の蓄電セル201を2個組み合わせた場合、図20−2に示すように、1つの蓄電セル201が有する筐体203の角部203Rに設けられた曲面の面取りにより、隣接する蓄電セル201同士の接触面積は小さくなる。その結果、単独の蓄電セル201を2個組み合わせた場合、放熱性が低下する。蓄電装置1は、上述したように、第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとを1つの筐体3の内部に収納する。このため、2つの蓄電セル201を組み合わせたときにおける前記接触面積の低下は起こらない。その結果、2つの蓄電セル、すなわち、第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとを有する蓄電装置1は、単独の蓄電セル201を2個組み合わせた場合と比較して、放熱性が高くなる。
【0069】
<蓄電装置の取付構造>
図21、図22は、本実施形態に係る蓄電装置の取付構造の一例を示す図である。図21に示すように、蓄電装置1は、側周部材3Sの表面、かつ第1端子4及び第2端子5が取り出されない端部側部材としての底部3B側に、筐体3を取付対象としての蓄電装置取付体34に取り付けるための取付部としてのブラケット30を有する。ブラケット30は、樹脂で作られている。そして、ブラケット30は、2つの蓄電装置1の側周部材3Sの2箇所に設けられて、両者を結合している。すなわち、2つのブラケット30が、2つの蓄電装置1を連結している。ブラケット30は、インサート成形により筐体3の側周部材3Sに設けることができる。なお、2つの蓄電装置1の間には、絶縁体32が介在しており、導体の筐体3同士の間における導通を回避している。絶縁体32は、ブラケット30と同様に、樹脂でもよい。
【0070】
それぞれのブラケット30は、取付孔31を有している。図22に示すように、取付孔31にボルト33を貫通させ、蓄電装置取付体34に設けられたボルト穴35へボルト33をねじ込む。このとき、蓄電装置1と蓄電装置取付体34との間に、絶縁体としての絶縁シート39を介在させる。蓄電装置取付体34は、金属等の熱の良導体で作られており、本実施形態では、アルミニウム合金が用いられている。このため、蓄電装置取付体34に取り付けられる複数の蓄電装置1間における電気的な絶縁を確保するためである。絶縁シート39は、熱伝導性の良好なものを用いることが好ましい。このようにすれば、蓄電装置1内に収納された第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bが発生する熱を、効率よく蓄電装置取付体34へ伝えることができる。なお、ボルト33と蓄電装置取付体34との間にも絶縁体を設ける。
【0071】
このようにして、2つの蓄電装置1は、ブラケット30を介して蓄電装置取付体34に取り付けられる。蓄電装置取付体34は、冷却媒体通路36を有している。蓄電装置取付体34に取り付けられた蓄電装置1の熱は、冷却媒体通路36を流れる冷却媒体(例えば、水)によって冷却される。このような冷却構造は、蓄電装置1を密封された空間内に配置し、空気の流れによる冷却が望めないような場合、例えば、ハイブリッド建設機械に搭載されるような場合に好ましい。また、蓄電装置1は、上述したように、筐体3に第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの第1極体21が電気的及び熱的に接続されている。このため、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの熱が効率よく筐体3へ伝わり、さらに筐体3から蓄電装置取付体34へ伝わる。その結果、蓄電装置1の内部で発生した熱は、効率よく冷却媒体に伝えられ、蓄電装置1の冷却効率が向上する。このように、蓄電装置1は、密封された空間内に配置される場合に好ましい。
【0072】
1つのブラケット30は、蓄電装置1の第1端子4及び第2端子5側に取り付けられている。もう一つのブラケット30は、第1端子4及び第2端子5側にブラケット30を有する蓄電装置1とは異なる蓄電装置1の側周部材3Sに取り付けられている。その場所は、第1端子4及び第2端子5とは反対側である。このような構造により、2つのブラケット30が取り付けられた2つの蓄電装置1を、それぞれの第1端子4及び第2端子5側から見た場合に、それぞれのブラケット30は、2つの蓄電装置1の中心BCに対して略点対称の位置に配置される。このようにすることで、中心BCに対して2つの蓄電装置1を回転させても、それぞれのブラケット30と蓄電装置取付体34のボルト穴35との位置関係を合わせることができるので、作業効率が向上する。
【0073】
また、ブラケット30を用いることにより、底部3Bの厚みを大きくしなくてもよい。このため、底部3Bから蓄電装置取付体34へ熱が伝わりやすくなり、蓄電装置1の冷却性能が向上する。さらに、ブラケット30を用いることにより、底部3Bの厚みを小さくできるため、蓄電装置1の高さ(底部3Bから蓋3Tへ向かう方向の寸法)を小さくすることができる。その結果、蓄電装置1の重心を低くすることができるので、蓄電装置1の安定性が向上する。蓄電装置1の数が多くなるにしたがって、複数の蓄電装置1の総質量は大きくなるので、蓄電装置1を低重心とする効果は、直列接続される蓄電装置1の数が多いほど顕著になる。
【0074】
蓄電装置1は、2つの蓄電セル、すなわち、第1蓄電セル2Aと第2蓄電セル2Bとを直列接続したものである。このため、蓄電装置1の筐体3は、単独の蓄電セル(例えば、図10に示す蓄電セル220A、220B等)の筐体よりも大きくなる。このため、蓄電装置1は、ブラケット30を取り付けるために大きい面積を利用することができる。その結果、蓄電装置1は、確実かつ安定してブラケット30を筐体3の側周部材3Sに取り付けることができる。また、蓄電装置1は、ブラケット30を取り付ける部分を大きくできるので、ブラケット30の寸法も大きくできる。このため、ブラケット30の強度及びブラケット30と側周部材3Sとの取付強度を確保しやすく、また、取付孔31を加工する場合には、その加工も容易である。さらに、蓄電装置1は、単独の蓄電セルにそれぞれブラケット30を取り付ける場合と比較して、ブラケット30の数を半減できる。このため、同じ数の蓄電セルを直列接続する場合、蓄電装置1は、単独の蓄電セルを直列接続する場合と比較して、ブラケット30の取り付けに要する手間を半減できるとともに、製造コストも低減できる。このように、蓄電装置1は、ブラケット30を筐体3の側周部材3Sに取り付ける構造に適している。
【0075】
図23は、本実施形態に係る蓄電装置の取付構造の他の例を示す図である。この取付構造は、蓄電装置1の筐体3の底部3Bに設けられたボルト穴3BHに、蓄電装置取付体34に設けられた貫通孔37からボルト38をねじ込み、蓄電装置1を蓄電装置取付体34に固定する。このとき、底部3Bと蓄電装置取付体34との間に絶縁シート39及び絶縁ワッシャ39Wを介在させる。ボルト38は、絶縁ワッシャ39Wを貫通して、ボルト穴3BHへねじ込まれる。この取付構造は、ブラケット30が不要になるので、蓄電装置1が専有する面積を小さくすることができる。
【0076】
<蓄電装置集合体>
図24から図26は、本実施形態に係る蓄電装置を複数有する蓄電装置集合体を示す平面図である。複数の蓄電装置1を直列接続することにより、蓄電装置1の電力供給対象に要求される電圧を作り出すことができる。図24に示す蓄電装置集合体110は、直列接続された複数の蓄電装置1を有している。蓄電装置集合体110は、図21、図22に示した、2つのブラケット30で組み合わされた2つの蓄電装置1を複数有し、これらが直列に接続されている。この例では、蓄電装置集合体110は、計8個の蓄電装置1を有している。複数の蓄電装置1は、集合体筐体111の内部に配置されるとともに、上述した蓄電装置取付体34に取り付けられて、外部から密閉される。また、蓄電装置集合体110は、複数の蓄電装置1間において、電気特性のバランスを調整するためのバランス回路を有するバランス回路基板28を有している。
【0077】
図25に示す蓄電装置集合体110Aは、複数(この例では3個)の蓄電装置1を1単位とし、前記1単位の蓄電装置1の第1端子4及び第2端子5が対向するように配置したものである。このようにすると、複数の蓄電装置1の第1端子4及び第2端子5が近接するので、バランス回路基板28が1つで済むという利点がある。図26に示す蓄電装置集合体110Bは、図25に示す蓄電装置集合体110Aを1つの単位として、1単位の蓄電装置集合体110Aを複数有している。このように、多数の蓄電装置1を直列接続する場合、複数の単位に分割することで、保守、点検が容易になる。
【0078】
(実施形態2)
図27は、実施形態2に係る蓄電装置を示す図である。図28は、実施形態2に係る蓄電装置を示す側面図である。図29は、実施形態2に係る蓄電装置を示す平面図である。図30は、実施形態2に係る蓄電装置が有する第1蓄電セル及び第2蓄電セルを示す斜視図である。本実施形態の蓄電装置1aは、実施形態1の蓄電装置1と同様であるが、別部材で作られた筐体3aの側周部材3Saと底部3Baとが、溶接等の接合手段によって一体化されている点が異なる。これにともなって、第1蓄電セル2Aa及び第2蓄電セル2Baの構造も異なる。蓄電装置1aの他の構成は、実施形態1に係る蓄電装置1と同様である。
【0079】
蓄電装置1aの筐体3aは、蓋3Taと、側周部材3Saと、底部3Baとを有している。側周部材3Saと底部3Baとは、別部材で製造され、溶接等によって接続されている。筐体3aは、実施形態1の筐体3と同様の材料で作られる。側周部材3Saは、一方の端部3St1から他方の端部3St2に向かって、第1収納室6及び第2収納室7となる部分が貫通した筒状の部材である。側周部材3Saは、内部に仕切り部材8aを有している。側周部材3Saと仕切り部材8aとは、例えば、押出成形によって一体成形される。
【0080】
蓋3Taは、側周部材3Saの一方の端部3St1及び仕切り部材8aの一方の端部8at1と接し、底部3Baは、側周部材3Saの他方の端部3St2及び仕切り部材8aの他方の端部8at2と接する。第1蓄電セル2Aaは第1収納室6に収納され、第2蓄電セル2Baは第2収納室7に収納される。図30に示すように、第1蓄電セル2Aaと第2蓄電セル2Baとは、同一の構造であるので、必要に応じて、第1蓄電セル2Aaについてのみ説明する。
【0081】
図30に示すように、第1蓄電セル2Aaは、第1極体21aと第2極体22aとを有している。第1極体21aは、第1集電部21Cと第1引出部21Eとを有しており、第2極体22aは、第1集電部22Cと第2集電部22Cとを有している。第1集電部21Cと第2集電部22Cとの間には、セパレーター23が挟まれている。第1極体21aの第1集電部21Cの表面には図8、図9に示す第1分極性電極24Aが設けられ、第2極体22の第2集電部22Cの表面には、図8、図9に示す第2分極性電極24Bが設けられる点及び第1分極性電極24Aと第2分極性電極24Bとがセパレーター23に対向する点は、実施形態1と同様である。
【0082】
第1引出部21Eと第2引出部22Eとは、第1集電部21Cと第2集電部22Cとから、それぞれ反対方向に引き出される。そして、図28に示すように、第1蓄電セル2Aaの第1引出部21Eと第2蓄電セル2Baの第1引出部21Eとは、底部3Baと電気的に接続される。また、第1蓄電セル2Aaの第2引出部22Eと第2蓄電セル2Baの第2引出部22Eとは、第2接続導体26を介して、それぞれ第1端子4と第2端子5と電気的に接続される。このため、第1端子4及び第2端子5が筐体3の蓋3Taから引き出される方向は、第1蓄電セル2Aaの第1極体21aと第2蓄電セル2Baの第1極体21aとを電気的に接続するための引出部、すなわち第1引出部21Eが第1蓄電セル2Aaの第1極体21aと第2蓄電セル2Baの第1極体21aとから延出する方向とは反対の方向になる。このようにすることで、第1引出部21Eは、第1端子4及び第2端子5とは反対側に配置されるので、第1引出部21Eが底部3Baと接続される面積及び場所は、第1端子4及び第2端子5の影響を受けない。その結果、第1引出部21Eと底部3Baとが接続される面積を大きくして、第1極体21aから底部3Baへより効率的に熱を伝えることができる。また、第1引出部21Eの配置の自由度が向上する。
【0083】
蓄電装置1aの底部3Baは、図22、図23に示す蓄電装置取付体34に最も近い位置に配置されるので、底部3Baから蓄電装置取付体34に熱が移動する。蓄電装置1aは、底部3Baに第1引出部21Eが接続されるので、第1蓄電セル2Aa及び第2蓄電セル2Bの熱を、蓄電装置取付体34に最も近い底部3Baに伝えることができる。このため、蓄電装置1aは、第1蓄電セル2Aa及び第2蓄電セル2Bの熱を、より効率よく外部へ伝えることができる。
【0084】
<蓄電装置の製造方法>
図31から図34は、実施形態2に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。図27等に示す蓄電装置1aを製造するにあたり、図31に示すように、第1極体21aの第1引出部21Eと第2極体22aの第1引出部21Eとを、底部3Baの表面3Bapに接続する。これらは、例えば、溶接によって電気的、熱的に接続される。次に、図32に示すように、側周部材3Saの他方の端部3St2及び仕切り部材8aの他方の端部8at2側から、第1蓄電セル2Aaと第2蓄電セル2Baとを第1収納室6及び第2収納室7とに収納していく。そして、底部3Baと側周部材3Saの他方の端部3St2及び仕切り部材8aの他方の端部8at2とを当接させた状態で、側周部材3Saと底部3Baとの接続部MPが溶接等によって接合される。
【0085】
次に、図33に示すように、第1蓄電セル2Aaの第2引出部22Eが接続される第2接続導体26及び第2蓄電セル2Baの第2引出部22Eが接続される第2接続導体26は、それぞれ、第1端子4の第1導体接続部4C及び第2端子5の第2導体接続部5Cと溶接等によって接続される。その後、第1収納室6及び第2収納室7の内部へ電解質(電解液)ESが注入される。そして、蓋3Taを側周部材3Saの一方の端部3St1及び仕切り部材8aの一方の端部8at1に当接させた状態で、側周部材3Saと蓋3Taとの接続部が溶接等によって接合される。このようにして、図34に示すように蓄電装置1aが完成する。この蓄電装置の製造方法は、押出成形によって側周部材3Saを比較的容易に製造できる。
【0086】
(実施形態3)
図35は、実施形態3に係る蓄電装置を示す図である。図36は、図35のE−E断面図である。蓄電装置1bは、仕切り部材8bに第1蓄電セル2Aaの第1引出部21Eと第2蓄電セル2Baの第1引出部21Eとを電気的に接続するとともに、筐体3bで仕切り部材8bと第1蓄電セル2Aaと第2蓄電セル2Baとを覆ったものである。他の構成は、実施形態1に係る蓄電装置1等と同様である。
【0087】
蓄電装置1bが有する第1蓄電セル2Aa及び第2蓄電セル2Baの構造は、実施形態2で説明した通りなので、説明を省略する。仕切り部材8bは、一枚の板状部材である。本実施形態において、仕切り部材8bは、平面視の形状が(板面と直交する方向から見た場合の形状)長方形(正方形を含む)であるが、これに限定されるものではない。仕切り部材8bは、例えば、板金をプレス成形することにより製造される。
【0088】
仕切り部材8bは、導体であり、本実施形態においてはアルミニウム合金である。なお、仕切り部材8bの材料はこれに限定されるものではない。仕切り部材8bは、一方の端部8bt1側に第1端子4bと第2端子5bとが配置され、他方の端部8bt2側に第1蓄電セル2Aaの第1引出部21Eと第2蓄電セル2Baの第2引出部22Eとが電気的に接続される。
【0089】
仕切り部材8bと、第1蓄電セル2Aa及び第2蓄電セル2Baとの間には、絶縁体13A及び絶縁体13Bが設けられる。絶縁体13A、13Bは、第1蓄電セル2Aa及び第2蓄電セル2Baと仕切り部材8bとの電気的な絶縁を確保する。筐体3bは、仕切り部材8bを中心に、第1蓄電セル2Aa側と第2蓄電セル2Ba側とに設けられる。筐体3bは、平面視が長方形(正方形を含む)のシート状の部材である。筐体3bは、金属箔等の外層12Aと樹脂等の絶縁層12Bとを積層した構造であるが、これに限定されるものではない。2つの筐体3bは、絶縁層12Bを第1蓄電セル2Aaと第2蓄電セル2Baとに対向させ、かつこれらを仕切り部材8bとの間に包んだ状態で、仕切り部材8bの外周部で封止されて、この部分に封止部15が形成される。2つの筐体3bの封止は、例えば、超音波融着等の接合手段を用いることができる。
【0090】
第1端子4bの表面の一部と第2端子5bの表面の一部とは、それぞれシール部材4Sbとシール部材5Sbとで覆われている。シール部材4Sb、5Sbは、筐体3bと仕切り部材8bとに挟まれる。シール部材4Sb、5Sbは、第1端子4b及び第2端子5bと仕切り部材8bとを絶縁するとともに、筐体3bと仕切り部材8bとで囲まれる2つの空間、すなわち、第1収納室6b及び第2収納室7を密封する。第1収納室6bには第1蓄電セル2Aaが収納され、第2収納室7には第2蓄電セル2Baが収納される。
【0091】
<蓄電装置の製造方法>
図37は、実施形態3に係る蓄電装置の製造方法を示す図である。図35、図36等に示す蓄電装置1bを製造するにあたり、図37に示すように、第1蓄電セル2Aaの第1引出部21Eと第2蓄電セル2Baの第1引出部21Eとを、仕切り部材8bの他方の端部8bt2側における表面に、溶接等で接合する。また、第1蓄電セル2Aaの第2引出部22Eと第2蓄電セル2Baの第2引出部22Eとを、それぞれ第1端子4bと第2端子5bとに、溶接等で接合する。次に、1つの筐体3bで第1蓄電セル2Aaを覆い、もう1つの筐体3bで第2蓄電セル2Baを覆う。このとき、第1端子4b及び第2端子5bの一部、より具体的には、シール部材4Sb、5Sbよりも第1蓄電セル2Aa及び第2蓄電セル2Ba側も、それぞれの筐体3で覆われる。
【0092】
そして、それぞれの筐体3bの外周部を、仕切り部材8bの外周部で接合する。なお、筐体3bの全周を接合する前に、第1収納室6b及び第2収納室7bの内部へ電解質(電解液)ESが注入される。電解質ESが注入されたら、仕切り部材8bの外周部がすべて接合される。このようにして、図35、図36に示すような蓄電装置1bが完成する。この蓄電装置の製造方法は、板状の仕切り部材8bを用いるので、インパクト成形又は押出成形を用いる必要はない。このため、比較的簡単な製造設備で蓄電装置1bを製造できる。
【0093】
(実施形態4) 建設機械への適用例
本実施形態では、上述した実施形態に係る蓄電装置1を複数有する蓄電装置集合体110を有する機械の一例として、ハイブリッド建設機械を説明する。ハイブリッド建設機械としては、ハイブリッド油圧ショベルを例とするが、蓄電装置1及び蓄電装置集合体110の適用対象はこれに限定されるものではない。
【0094】
図38は、ハイブリッド油圧ショベルを示す側面図である。図39は、図38のF−F矢視図である。ハイブリッド油圧ショベル100は、内燃機関により発電電動機を駆動して電力を発生させ、前記電力によって電動機を駆動して上部旋回体を旋回させたり、ハイブリッド油圧ショベル100の補機類を駆動したりする、いわゆるハイブリッド方式の建設機械である。
【0095】
ハイブリッド油圧ショベル100は、左右一対の履帯102Cを有する下部走行体102と、上部旋回体103と、ブーム104a、アーム104b及びバケット104cを含むとともに上部旋回体103に取り付けられた作業機104と、下部走行体102と上部旋回体103とを連結するスイングサークル105と、を含んでいる。左右一対の履帯102Cは、右走行油圧モータと左走行油圧モータとにより駆動されて、ハイブリッド油圧ショベル100を走行させる。右走行油圧モータ、左走行油圧モータは、図39に示す油圧ポンプ107から圧送される作動油が供給されて駆動される。
【0096】
上部旋回体103は、旋回モータとして機能する電動機105M(図39参照)により旋回する。上部旋回体103にはスイングサークル105のアウターレース105Oが固定されており、下部走行体102にはスイングサークル105のインナーレース105Iが固定されている。このような構造によって、スイングサークル105は、上部旋回体103と下部走行体102とを連結する。電動機105Mの入出力シャフトは、減速機構を備えたスイングマシナリを介してスイングピニオン105Pと連結している。スイングピニオン105Pは、スイングサークル105のインナーレース105Iに取り付けられた内歯に噛み合っている。電動機105Mの駆動力は、前記スイングマシナリを介してスイングピニオン105Pに伝達されて、上部旋回体103を旋回させる。本実施形態において、電動機105Mは、縦置き、すなわち、ハイブリッド油圧ショベル100を水平面に設置した場合において、電動機105Mの入出力シャフトが重力の作用する方向に向かうように設置される。ブーム104a、アーム104b及びバケット104cは、図39に示す油圧ポンプ107から圧送される作動油によって、コントロールバルブを介して各々ブーム104a用、アーム104b用及びバケット104c用の油圧シリンダによって駆動されて、掘削等の作業を実行する。
【0097】
上部旋回体103は、平面視が略長方形形状の構造体である。上部旋回体103の操縦室103aは、ハイブリッド油圧ショベル100の作業中において操縦者の視線が主として向く方向を前方とした場合、上部旋回体103の前方左側に配置される。カウンターウェイト103bは、上部旋回体103の後方に配置される。上部旋回体103は、操縦室103a及びカウンターウェイト103bに加え、ハイブリッド油圧ショベル100の動力発生源としての内燃機関106と、本実施形態に係る発電電動機109と、油圧ポンプ107と、インバータ108と、上述した蓄電装置1を複数直列接続した蓄電装置集合体110と、を有する。
【0098】
内燃機関106は、例えば、ディーゼルエンジンであるが、内燃機関106の種類は問わない。内燃機関106、発電電動機109、油圧ポンプ107、インバータ108及び蓄電装置集合体110は、カウンターウェイト103bの前方、すなわち操縦室103a側に配置されている。内燃機関106と油圧ポンプ107との間に、発電電動機109が配置される。内燃機関106の出力シャフト106Sは発電電動機109の入出力シャフトに接続され、発電電動機109の入出力シャフトは油圧ポンプ107の入力シャフト107Sに接続される。このような構造により、内燃機関106は、発電電動機109を駆動して電力を発生させるとともに、油圧ポンプ107を駆動する。すなわち、油圧ポンプ107は、発電電動機109を介して駆動される。なお、発電電動機109は、PTO(Power Take Off)を介して、エンジンの出力軸に間接的に接続されていてもよい。
【0099】
インバータ108の入出力端子と発電電動機109の電力入出力端子とは、高電圧配線CAaが電気的に接続している。インバータ108の出力端子と電動機105Mの入力端子とは、高電圧配線CAbが電気的に接続している。インバータ108は、発電電動機109が発生した電力を蓄電装置集合体110に蓄えたり、前記電力を電動機105Mに供給してこれを駆動したりする。また、インバータ108は、上部旋回体103に旋回ブレーキが作動したときに、電動機105Mが上部旋回体103の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することによって得られた電力を、蓄電装置集合体110に蓄える。蓄電装置集合体110に蓄えられた電力は、次に上部旋回体103が旋回するときに、インバータ108が電動機105Mへ供給する。発電電動機109は、必要に応じて、蓄電装置集合体110から電力の供給を受けて電動機として動作し、内燃機関106の補助をすることもできる。
【0100】
このように、上述した蓄電装置集合体110は、建設機械の一種であるハイブリッド油圧ショベル100に適用される。なお、蓄電装置集合体110の適用対象は、ハイブリッド油圧ショベル100に限定されるものではない。例えば、蓄電装置集合体110は、ホイールローダー等の他のハイブリッド建設機械を適用対象としてもよい。
【0101】
ハイブリッド油圧ショベル100等の建設機械は、通常、不整地等で使用され、また、作業機104及び上部旋回体103は急激な加減速を受けたり、大きな荷重が作用したりする。このように、建設機械は、過酷な条件で使用されることが多い。このため、建設機械に搭載される蓄電装置集合体110も、急激な加減速を受けたり、振動又は衝撃を受けたり、上部旋回帯103を急加速させるために大きな電流を電動機105Mへ流したりするので、過酷な条件で使用される。
【0102】
蓄電装置集合体110は、図17、図18に示す接続バー27の数を低減できるとともに、第2端子5と接続バー27との接続箇所も低減できる。また、蓄電装置集合体110は、第1端子4及び第2端子5(外部端子)と蓋3T(筐体)との間に設けられる第1シール部材4S及び第2シール部材5S(封止箇所)の数も低減できるので、信頼性を向上させることができる。このように、蓄電装置集合体110は、振動又は衝撃の影響を受けやすい前記接続箇所の数及び前記封止箇所を低減できるので、高い信頼性を維持することができる。特に、電動機等を駆動するための電力供給源として蓄電装置集合体110を用いる場合、高い電圧が必要であるため、蓄電装置1の直列数が増加する結果、前記接続箇所及び前記封止箇所も増加する。蓄電装置集合体110は、前記接続箇所及び前記封止箇所の数を低減できるので、多くの蓄電装置1を直列接続して用いる用途、例えば、ハイブリッド建設機械等に好適である。
【0103】
建設機械は、通常、不整地等で使用されるので、泥又は異物から蓄電装置集合体110を保護する必要がある。このため、図24に示すように、蓄電装置集合体110は、複数の蓄電装置1を集合体筐体111(図24参照)の内部に収納して密封する。蓄電装置集合体110が有する蓄電装置1は、第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bで発生した熱を、接続される第1極体21を介して筐体3へ効率よく伝えることができる。したがって、蓄電装置集合体110は、蓄電装置1が密封された状態であっても、筐体3を介して第1蓄電セル2A及び第2蓄電セル2Bの熱を蓄電装置取付体34に効率よく伝えて、蓄電装置1の過度な昇温を抑制することができる。
【0104】
建設機械は、傾斜地等のように不安定な場所で作業することが多いため、重心をできる限り低くする方が、安定性が向上するので好ましい。図21、図22に示すように、蓄電装置1の側周部材3Sにブラケット30を設けて取付対象に固定する取付構造は、蓄電装置集合体110の重心を低く抑えることができる。その結果、このような取付構造を有する蓄電装置集合体110は、建設機械の低重心化に寄与できるので好ましい。このように、蓄電装置集合体110は、建設機械に適している。
【符号の説明】
【0105】
1、1a、1b、201、201a 蓄電装置
2A、2Aa 第1蓄電セル
2B、2Ba 第2蓄電セル
3、3a、3b、203 筐体
3B、3Ba 底部
3D 構造体
3S、3Sa 側周部材
3T、3Ta 蓋
4、4b 第1端子
4C 第1導体接続部
4S、4Ab 第1シール部材
5、5b 第2端子
5C 第2導体接続部
5S、5Ab 第2シール部材
6、6b 第1収納室
7、7b 第2収納室
8 バランス回路基板
8、8a、8b 仕切り部材
10 第1突起部
11 第2突起部
12A 外層
12B 絶縁層
13A、13B 絶縁体
15 封止部
21、21a 第1極体
21C 第1集電部
21E、221E 第1引出部
22、22a 第2極体
22C 第2集電部
22E、222E 第2引出部
23 セパレーター
24A 第1分極性電極
24B 第2分極性電極
25 第1接続導体
26 第2接続導体
27、207 接続バー
28、228 バランス回路基板
30 ブラケット
34 蓄電装置取付体
36 冷却媒体通路
39 絶縁シート
100 ハイブリッド油圧ショベル
110、110A、110B 蓄電装置集合体
111 集合体筐体
204S、205S 絶縁体
220A、220B 蓄電セル
223 蓄電セル間接続バー
228 バランス回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1極体と第2極体とを有し、充放電可能な第1蓄電セル及び第2蓄電セルと、
前記第1蓄電セルを収納する第1収納室及び前記第2蓄電セルを収納する第2収納室を有し、かつ前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とが電気的に接続される導体の筐体と、
前記第1蓄電セルの第2極体と電気的に接続されて前記筐体の外部に引き出される第1端子と、
前記第2蓄電セルの第2極体と電気的に接続されて前記筐体の外部に引き出される第2端子と、
を含むことを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記筐体が囲む空間を、前記第1収納室と前記第2収納室とに仕切る仕切り部材を有する請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1端子及び前記第2端子は、
前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを電気的に接続するための引出部が前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とから延出する方向と同じ方向に配置される請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第1端子及び前記第2端子は、
前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを電気的に接続するための引出部が前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とから延出する方向とは反対の方向に引き出される請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記筐体は、
筒状の側周部材と、
前記側周部材の両方の端部にそれぞれ設けられる一対の端部側部材と、
を含む請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項6】
一方の前記端部側部材は、前記側周部材と一体で成形され、
前記第1蓄電セルの第1極体及び前記第2蓄電セルの第1極体は他方の前記端部側部材と電気的に接続されるとともに、前記第1端子及び前記第2端子は他方の前記端部側部材から引き出される請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記一対の端部側部材は、前記側周部材の両方の端部にそれぞれ接合され、
前記第1蓄電セルの第1極体及び前記第2蓄電セルの第1極体は一方の前記端部側部材と電気的に接続され、前記第1端子及び前記第2端子は他方の前記端部側部材から引き出される請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記仕切り部材は導体であり、
前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体と前記筐体とが、前記仕切り部材と電気的に接続される請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記第1端子と前記第2端子とは、前記第1蓄電セルと前記第2蓄電セルとが配列される方向と平行な方向に向かって配列される請求項1から8のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記第1端子及び前記第2端子が取り出されない前記端部側部材は、前記筐体を取付対象に取り付けるための取付部を有する請求項6又は7に記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記側周部材の表面、かつ前記第1端子及び前記第2端子が取り出されない前記端部側部材側に、前記筐体を取付対象に取り付けるための取付部を有する請求項6又は7に記載の蓄電装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の蓄電装置を複数直列に接続したことを特徴とする蓄電装置集合体。
【請求項13】
充放電可能な第1蓄電セルと第2蓄電セルとを、筐体の第1収納室と第2収納室とにそれぞれ収納する手順と、
前記筐体に取り付けられる蓋に前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを電気的に接続するとともに、前記蓋に設けられた第1端子に前記第1蓄電セルの前記第2極体を電気的に接続し、さらに、前記蓋に設けられた第2端子に前記第2蓄電セルの前記第2極体を電気的に接続する手順と、
前記蓋を前記筐体に取り付けて封止する手順と、
を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法。
【請求項14】
充放電可能な第1蓄電セルの第1極体と、充放電可能な第2蓄電セルの第1極体とを、筐体の底部となる部材へ電気的に接続する手順と、
前記第1蓄電セルを、前記筐体が有する第1収納室に収納するとともに、前記第2蓄電セルを、前記筐体が有する第2収納室に収納する手順と、
前記底部となる部材を前記筐体に接合する工程と、
前記筐体に取り付けられる蓋に設けられた第1端子に前記第1蓄電セルの第2極体を電気的に接続するとともに、前記蓋に設けられた第2端子に前記第2蓄電セルの第2極体を電気的に接続する手順と、
前記蓋を前記筐体に取り付けて封止する手順と、
を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法。
【請求項15】
充放電可能な第1蓄電セルと第2セルとを、板状の仕切り部材の両方の面側に絶縁体を介して配置する手順と、
前記第1蓄電セルの第1極体と前記第2蓄電セルの第1極体とを、前記仕切り部材へ電気的に接続するとともに、前記第1蓄電セルの第2極体を第1端子へ電気的に接続し、さらに、前記第2蓄電セルの第2極体を第2端子へ電気的に接続する手順と、
前記第1蓄電セルと前記第2蓄電セルと前記第1端子と前記第2端子の一部を筐体3で覆う手順と、
を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図9−1】
image rotate

【図9−2】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20−1】
image rotate

【図20−2】
image rotate

【図20−3】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate


【公開番号】特開2013−38192(P2013−38192A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172390(P2011−172390)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】