説明

薬剤分包装置

【課題】薬剤師等のユーザが煩雑な入力・演算を繰り返し行わなくても、簡単に分包作業を行うことができる薬剤分包装置を提供する。
【解決手段】散剤供給部21と散剤分割部22と分包部4と制御部6と入力部7とを備え、前記入力部7は、処方情報を入力すべく操作する入力画面8を備え、前記入力画面8が操作されて、処方情報として、1つの散剤分割部22で分割することができる最大分割数よりも多い数の分包数と、前記複数の散剤分割部22を用いて分包を実行するように指示する分割部使用指示とが入力されると、制御部6は、前記入力された多数の分包数を、最大分割数を超えないように各散剤分割部22に割り当て、該割り当てに基づいて、散剤供給部21、複数の散剤分割部22および分包部4を制御するように構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散剤を分包することができる薬剤分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の薬剤分包装置として、散剤を供給する散剤供給部と、該散剤供給部から供給された散剤を所定量ずつ複数に分割する複数の散剤分割部と、該散剤分割部で分割された散剤を1包ずつ分包する分包部と、散剤供給部、散剤分割部および分包部を制御する制御部と、該制御部に分包数を入力する入力部とを備えたものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
かかる薬剤分包装置にあっては、入力部としてのキーボードを介して分包数が入力されると、該入力内容に基づいて、制御部が散剤供給部、散剤分割部および分包部を制御して分包を実行する。
【0004】
ところで、処方日数の制限が緩和されたことに伴って、例えば長期間の投薬が必要な患者に対する処方において、1度に長期間の投薬を指定することができるようになった。このように、1度に長期間の投薬が指定されると、その分だけ分包数が多くなるところ、指定される期間の長さによっては、1つの散剤分割部で分割することができる最大分割数を超える分包数が指定されることになる。
【0005】
このように最大分割数を超える分包数が指定された場合、上記従来の薬剤分包装置では、かかる多数の分包数をいくつかに分割して分包を実行する。具体的には、上記従来の薬剤分包装置にあっては、入力部を用いて多数の分包数が入力されると、該分包数を所定の分割数に分割し、該分割した分割単位毎に順番に分包が実行されるように、制御部が散剤供給部、散剤分割部および分包部を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−97667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の薬剤分包装置にあっては、入力された多数の分包数を複数に分割するに際し、薬剤師等のユーザが、最適な分割となるまで分割数の入力と演算とを繰り返し実行しなければならず、また、かかる入力作業は入力部であるキーボードでしなければならないため、操作し難いうえに時間がかかって煩雑な作業となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記実情に鑑みてなされ、薬剤師等のユーザが煩雑な入力・演算を繰り返し行わなくても、簡単に分包作業を行うことができる薬剤分包装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、本発明に係る薬剤分包装置は、散剤を供給する散剤供給部と、該散剤供給部から供給された散剤を所定量ずつ複数に分割する複数の散剤分割部と、該散剤分割部で分割された散剤を1包ずつ分包する分包部と、散剤供給部、散剤分割部および分包部を制御する制御部と、該制御部に処方情報を入力する入力部とを備え、前記入力部は、処方情報を入力すべく操作する入力画面を備え、前記入力画面が操作されて、処方情報として、1つの散剤分割部で分割することができる最大分割数よりも多い数の分包数と、前記複数の散剤分割部を用いて分包を実行するように指示する分割部使用指示とが入力されると、制御部は、前記入力された多数の分包数を、最大分割数を超えないように各散剤分割部に割り当て、該割り当てに基づいて、散剤供給部、複数の散剤分割部および分包部を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
該構成の薬剤分包装置にあっては、薬剤師等のユーザが入力部の入力画面を操作して多数の分包数と分割部使用指示とを処方情報として入力すれば、制御部が、前記入力された多数の分包数を、最大分割数を超えないように各散剤分割部に割り当て、該割り当てに基づいて、散剤供給部、複数の散剤分割部および分包部を制御して分包を実行する。
【0011】
また、本発明に係る薬剤分包装置は、前記入力画面には、分包数を入力するための分包数入力部が設けられており、該分包数入力部が操作されて前記最大分割数よりも多い数の分包数が入力されると、前記分割部使用指示を入力するための分割部使用指示入力部が前記入力画面に操作可能な状態で表示され、該分割部使用指示入力部が操作されて前記分割部使用指示が入力されると、前記制御部は、前記割り当てに従って、前記複数の散剤分割部を連続的に使用して分包を実行するように構成することができる。
【0012】
かかる構成によれば、分包数入力部を操作して分包数を入力し、分割部使用指示入力部を操作して分割部使用指示を入力することができるから、入力作業が簡素である。また、入力画面には、分包数入力部が操作されて前記多数の分包数が入力された場合に、分割部使用指示入力部が操作可能な状態で表示されるので、誤操作を確実に防止することができる。
【0013】
更に、本発明に係る薬剤分包装置は、前記入力画面には、前記多数の分包数および分割部使用指示が入力されると、複数の散剤分割部を使用する順番を指示するための分割部順番入力部が操作可能な状態で表示され、該分割部順番入力部を操作することで指示した順番に基づいて、前記制御部は複数の散剤分割部を順に使用して分包を実行するように構成することができる。
【0014】
かかる構成によれば、順番に散剤分割部を使用することで、効率良く分包を行うことができる。
【0015】
また更に、本発明に係る薬剤分包装置は、前記入力画面には、散剤分割部に割り当てられた分包数を表示するための割当表示部が、各散剤分割部に対応して設けられるように構成することができる。
【0016】
かかる構成によれば、割当表示部の表示によって各散剤分割部に割り当てられた分包数を確認することができる。
【0017】
また、本発明に係る薬剤分包装置は、前記割当表示部に表示される分包数は整数であるように構成することができる。
【0018】
更に、本発明に係る薬剤分包装置は、前記各割当表示部に表示される分包数は均等な数であるように構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明に係る薬剤分包装置にあっては、薬剤師等のユーザが入力部の入力画面を操作して多数の分包数と分割部使用指示とを入力すれば、制御部が、前記入力された多数の分包数を、最大分割数を超えないように各散剤分割部に割り当て、該割り当てに基づいて、散剤供給部、複数の散剤分割部および分包部を制御して分包を実行するので、薬剤師等のユーザは、煩雑な入力・演算を繰り返し行う必要なく、簡単な画面操作で分包作業を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る薬剤分包装置の一実施形態を示す概略図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】同薬剤分包装置のブロック図である。
【図4】同薬剤分包装置の入力画面のうち、メニュー画面を示す図である。
【図5】同薬剤分包装置の入力画面のうち、用法入力画面を示す図である。
【図6】同薬剤分包装置の入力画面のうち、分包情報入力画面を示す図である。
【図7】同薬剤分包装置の入力画面のうち、操作画面を示す図である。
【図8】同薬剤分包装置の入力画面のうち、操作画面を示す図であり、複数の散剤分割部を使用する順番を選択する画面を示すである。
【図9】同薬剤分包装置の入力画面のうち、操作画面を示す図であり、複数の散剤分割部への割当てを設定する画面を示す図である。
【図10】同薬剤分包装置における、連続使用に関する処方情報の入力・設定手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る薬剤分包装置の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本実施形態における薬剤分包装置1が示されている。該薬剤分包装置1は、散剤と錠剤とを別個に或いは一緒に分包することができる装置であり、散剤用として使用される散剤分配部2と、錠剤用として用いられる錠剤分配部3と、前記散剤分配部2及び錠剤分配部3で分配された散剤及び錠剤を別個に或いは一緒に分包する分包部4と、分包に使用される分包紙Pに印字を施す印字部5と、これらを制御する制御部6と、該制御部6に処方情報を入力する入力部7とを備える。
【0022】
散剤分配部2は、図1,2に示すように、散剤を供給する散剤供給部21と、該散剤供給部21から供給された散剤を所定量ずつ複数に分割する散剤分割部22とを備える。
【0023】
散剤供給部21は、散剤を投入するホッパー211と、該ホッパー211に投入された散剤を一定の搬送速度で供給するフィーダ212とを備える。本実施形態では、図2に示すように、散剤供給部21は、1つの散剤分割部22に対して1つ設けられており、それぞれを使用して散剤を散剤分割部22に供給することができる。
【0024】
散剤分割部22は、散剤供給部21から供給される散剤が載置される回転テーブル221と、該回転テーブル221上の散剤を所定量ずつ掻き出す掻出部222とを備える。本実施形態では、散剤分割部22は、左右に並べて2つ設けられており、それぞれの散剤分割部22で散剤を分割することができる。
【0025】
回転テーブル221は、水平配置される円盤テーブルであり、上下方向に沿った回転軸線C(円盤の中心軸線)回りに回転可能に設けられる。この回転テーブル221は、周縁部に上方に開く凹部2211が設けられており、該凹部2211に散剤供給部21から供給された散剤が盛られる(堆積される)。
【0026】
掻出部222は、回転テーブル221の凹部2211に盛られた散剤を、回転軸線C回りの所定角度分だけ堰き止める堰止部2221と、該堰止部2221で堰き止められた散剤を、回転テーブル221の径方向外方へ掻き出すように駆動する掻出羽根2222とを備える。また、掻出部222は、外部信号に基づき、不図示の駆動機構によって、回転テーブル221に盛られた散剤を掻き出す掻出位置X1と、該回転テーブル221から離間した待避位置X2とをとり得るように構成されている。尚、堰止部2221は、掻出位置X1では回転テーブル221の凹部2211に当接し、待避位置X2では凹部2211から離間する。
【0027】
かかる散剤分配部2の分配動作について説明する。まず、散剤供給部21から散剤分割部22に散剤を供給する。具体的には、ホッパー211に散剤を投入し、回転テーブル221を回転軸線C回りに等速回転させる。その状態で、フィーダ212を駆動して散剤を一定供給する。そうすると、回転テーブル221の凹部2211には、フィーダ212から散剤が供給され、周方向に亘って均一な量の散剤が盛られる。
【0028】
次に、散剤分割部22で散剤を分割する。具体的には、掻出部222を、待避位置X2から掻出位置X1に移動させて堰止部2221を前記凹部2211に当接させる。その状態で、回転テーブル221を所定角度(例えば18°)だけ回転させることによって、該所定角度分に相当する量の散剤が堰止部2221で堰き止められる。そして、掻出羽根2222を駆動することにより、堰止部2221で堰き止められた散剤を、前記凹部2211から径方向外側へ掻き出す。散剤分配部2では、このようにして散剤を所定量ずつ複数に分割して分包部4に分配する。
【0029】
錠剤分配部3は、48個の分割マス311から構成される錠剤分割供給部31を備える。この分割マス311の開閉可能な底板は、錠剤分割供給部31の下側に設けられているシュート(図示しない)の上で順次間欠的に開くように構成され、分割マス311内の錠剤は、該シュートから不図示の経路を通じて分包部4に分配されるようになっている。
【0030】
分包部4は、散剤分配部2及び錠剤分配部3から分配される散剤及び錠剤が通過する共通ホッパー41と、散剤及び錠剤を分包紙Pに1包ずつ分包するヒートシール部42とを備える。分包部4では、回転テーブル221の凹部2211から掻き出された1包分の散剤、及び、錠剤分割供給部31の分割マス311から落ちた1包分の錠剤が、共通ホッパー41を通じて分包紙Pに投入され、ヒートシール部42で1包ずつに分包される。
【0031】
印字部5は、分包紙Pの表面に、例えば用法や患者情報、医師コメントなどを印字するように構成されており、共通ホッパー41よりも分包紙Pの搬送方向における上流側に配置されている。印字部5に印字項目を出力するための入力部7としては、後述のパーソナルコンピュータが用いられる。
【0032】
制御部6は、図3に示すように、散剤分配部2、錠剤分配部3、分包部4の駆動を制御する駆動制御部61と、駆動制御部61に処方情報を送信する入力制御部62とを備える。駆動制御部61は、薬剤分包装置1に内蔵されるCPUであり、入力・設定された処方情報に基づいて、散剤分配部2、錠剤分配部3、分包部4の駆動を制御する。入力制御部62は、薬剤分包装置1に外付けされるパーソナルコンピュータのCPUである。
【0033】
ここで、パーソナルコンピュータは、処方情報を入力するための入力部7として機能する。具体的には、入力部7(パーソナルコンピュータ)は、タッチパネル式であり、処方情報を入力すべく操作する入力画面8(タッチパネル)と、入力した処方情報を駆動制御部61に送信する入力制御部62(CPU)とを備え、入力画面8を操作して入力された処方情報が、駆動制御部61で確認・設定され、該設定に基づいて、駆動制御部61が各部を制御する。また、入力制御部62は、印字部5を制御する。具体的には、入力画面8で印字項目が入力されると、入力制御部62は、入力された印字項目に基づいて印字部5の駆動を制御する。
【0034】
ここで、処方情報を入力するための入力画面8について説明する。
入力画面8は、タッチパネル式の画面であり、画面へのタッチ操作によって、分包紙Pへの印字項目の選択、処方情報の入力を行うことができる。この入力画面8は、図4に示す印字項目選択画面81、図5に示す用法入力画面82、図6に示す分包情報入力画面83、図7に示す操作画面84が切り替わるように構成されている。
【0035】
印字項目選択画面81は、印字部5が分包紙Pに印字する項目を選択する画面である。分包紙Pに印字する項目は、用法、日付け、患者情報、薬品名、コメントであり、印字項目選択画面81は、これらの項目のうち、1つ又は複数、或いは全部を選択可能に構成されている。
【0036】
具体的には、印字項目選択画面81は、図4に示すように、印字項目選択部として、設定された複数の印字パターンそれぞれに対応した印字項目選択キー811を備える。具体的には、印字項目選択画面81は、印字項目選択キー811として、用法のみを印字する用法キーa1、日付けと患者情報と用法とを印字する日付・患者・用法キーa2、コメントと用法とを印字するコメント・用法キーa3、コメントのみを印字するコメントキーa4、患者情報と用法とを印字する患者・用法キーa5、患者情報と用法とコメントとを印字する患者・用法・コメントキーa6、患者情報と用法と薬品名とを印字する患者・用法・薬品キーa7、全ての項目を印字する全項目キーa8を備える。
【0037】
かかる印字項目選択画面81において、前記印字項目選択キー811のうち、所望のキーが選択されると、入力制御部62は、当該選択されたキーに係る項目を印字項目として設定し、印字部5に出力する。図4では、用法キーa1が選択されている。尚、印字項目選択画面81は、上記印字項目選択キー811の他に、操作パネルキー812を備え、該操作パネルキー812が選択されると、操作画面84に切り替わるように構成されている。
【0038】
用法入力画面82は、処方情報のうち用法情報を入力するための画面である。ここで、用法情報とは、服用開始年月日を示す服用日、1日の服用回数を示す1日回数、服用日数を示す日数/回数、分包数を示す包数、服用する時間帯を示す服用タイミングを含む用法に関する情報であり、用法入力画面82は、これらの情報を入力・表示することができるように構成されている。
【0039】
具体的には、用法入力画面82は、図5に示すように、用法入力部821として、服用日を入力するための服用日入力欄8211、1日回数を入力するための1日回数入力欄8212、日数/回数を入力するための日数/回数入力欄8213、分包数を表示するための包数表示欄8214、服用タイミングを入力するための服用タイミング入力欄8215を備えており、これらの複数の欄を操作することで、用法入力画面82に用法情報を入力・表示することができる。
【0040】
服用日入力欄8211は、服用開始年月日を、画面に表示されるテンキー或いはカレンダー(図示せず)を操作することで入力することができるように構成されている。1日回数入力欄8212及び日数/回数入力欄8213は、処方内容に基づく回数或いは日数を、画面に表示されるテンキー(図示せず)を操作することで入力することができるように構成されている。服用タイミング入力欄8215は、設定された複数の服用タイミングのそれぞれに対応するタイミングキーを備える。具体的には、服用タイミング入力欄8215は、タイミングキーとして、毎食後キーb1、毎食前キーb2、毎食後2時間キーb3、朝・昼食後と寝る前キーb4、朝・夕食後と寝る前キーb5、その他の用法キーb6を備えており、これらのキーから所望の服用タイミングに合ったキーを選択することで服用タイミングを入力することができるように構成されている。
【0041】
尚、包数表示欄8214は、1日回数入力欄8212および日数/回数入力欄8213が入力されると、これらから求めた分包総数が表示されるように構成されている。つまり、本実施形態では、分包数を入力するための分包数入力部821Aは、1日回数入力欄8212、日数/回数入力欄8213、及び包数表示欄8214で構成されており、1日回数入力欄8212および日数/回数入力欄8213への数値の入力によって、それらの数値から合計の分包数が演算されて包数表示欄8214に表示されるように構成されている。尚、包数表示欄8214を操作することで分包数を入力することができるように構成することも可能である。
【0042】
また、用法入力画面82には、選択された服用タイミングを表示する服用タイミング表示欄822が設けられており、該服用タイミング表示欄822により、前記1日回数入力欄8212および服用タイミング入力欄8215を操作して入力した服用タイミングの内容を確認することができるようになっている。また、用法入力画面82には、次の手順に進むための進行キー823が設けられている。
【0043】
分包情報入力画面83は、処方情報のうち分包情報を入力するための画面である。ここで、分包情報とは、錠剤及び散剤の分包方式、複数の散剤分割部22の使用方法、分包速度、今回の分包作業と次回の分包作業との間に設ける空包の数、分包に使用する分包紙Pの紙幅を含む情報であり、分包情報入力画面83は、これらの情報を入力・表示することができるように構成されている。
【0044】
本実施形態では、分包方式としては、散剤のみの分包、錠剤のみの分包、錠剤及び散剤の同時分包(同包)、錠剤及び散剤の個別分包(別包)という複数の分包方式が設定されている。使用方法としては、2つの散剤分割部22のうち、いずれか一方のみの使用、両方同時の使用、一方及び他方の連続使用(後述する)、自動使用という複数の使用パターンが設定されている。分包速度としては、高速・標準速度・低速・任意速度が設定されている。空包の数としては、0包(空包無し)・1包・3包が設定されている。紙幅については、60mm・70mm・80mm(標準の紙幅である)・90mmが設定されている。
【0045】
かかる分包情報を入力するための分包情報入力画面83は、図6に示すように、分包情報を入力するための分包情報入力部831を備え、該分包情報入力部831は、分包方式を入力するための分包方式入力部8311、使用方法を入力するための使用方法入力部8312、分包速度を入力するための分包速度入力部8313、空包数を入力するための空包入力部8314、紙幅を入力するための紙幅入力部8315を備える。
【0046】
分包方式入力部8311は、実行可能な複数の分包方式のそれぞれに対応する方式選択キーc0を備える。具体的には、分包方式入力部8311は、方式選択キーc0として、散剤のみの分包方式を設定するための散剤キーc1、錠剤のみの分包方式を設定するための錠剤キーc2、同時分包を設定するための同包キーc3、個別分包を設定するための別包キーc4を備え、これらのキーから所望の分包方式に合ったキーを選択することで分包方式を入力することができるように構成されている。
【0047】
使用方法入力部8312は、実行可能な複数の使用方法のそれぞれに対応する方法選択キーd0を備える。具体的には、使用方法入力部8312は、方法選択キーd0として、一方の散剤分割部22のみを使用するための一方使用キーd1、他方の散剤分割部22のみを使用するための他方使用キーd2、両方の散剤分割部22を同時に使用するための同時使用キーd3、両方の散剤分割部22を連続して使用するための連続使用キーd4、使用方法を制御部6で自動的に選択する自動使用キーd5を備え、これらのキーから所望の使用方法に合ったキーを選択することで使用方法を入力することができるように構成されている。尚、本実施形態では、連続使用キーd4は、複数の散剤分割部22を使用して分包を実行するように入力・指示するための分割部使用指示入力部7として機能するものであり、分包情報入力画面83には、通常は表示されておらず、用法入力画面82で多数の分包数が入力された場合に、操作可能な状態(選択可能な状態)で表示されるように構成されている。
【0048】
分包速度入力部8313は、設定された複数の分包速度のそれぞれに対応する速度選択キーe0を備える。具体的には、分包速度入力部8313は、速度選択キーe0として、標準の分包速度とするための標準キーe1、標準速度よりも速い速度とするための高速キーe2、標準速度よりも遅い速度とするための低速キーe3を備える。また、分包速度入力部8313は、任意の分包速度を入力することができる速度入力キーe4を備える。
【0049】
分包速度入力部8313は、標準キーe1、高速キーe2、低速キーe3のいずれかのキーを選択することで、選択したキーに対して設定された分包速度を入力することができ、速度入力キーe4を選択することで、画面に表示されるテンキー(図示せず)を操作して任意の分包速度を入力することができるように構成されている。
【0050】
空包入力部8314は、設定された複数の空包数のそれぞれに対応する空包キーf0を備える。具体的には、空包入力部8314は、空包キーf0として、0包キーf1、1包キーf2、3包キーf3を備え、これらのキーから所望の空包数に合ったキーを選択することで空包数を入力するように構成されている。
【0051】
紙幅入力部8315は、設定された複数の紙幅のそれぞれに対応する紙幅キーg0を備える。具体的には、紙幅入力部8315は、紙幅キーg0として、60キーg1、70キーg2、80キーg3(標準キーe1)、90キーg4を備え、これらのキーから、分包に用いる分包紙Pの紙幅に合ったキーを選択することで紙幅を入力することができるように構成されている。
【0052】
また、分包情報入力画面83は、分包数を表示する分包数表示部832と、分包紙Pに印字する内容を確認することができる印字確認部833と、清掃やロック、カッター、重ね撒きに関する条件を入力するためのその他条件入力部834と、入力した用法情報及び分包情報を確定するための確定キー835とを備える。
【0053】
尚、本実施形態では、用法入力画面82と分包情報入力画面83とは、それぞれがタブとして1画面で重なるように表示されており、該画面上でのタブの選択によっていずれの画面にも切り替え可能となっている。
【0054】
操作画面84は、既に確定した分包条件(例えば、複数の散剤分割部22の使用方法や散剤分割部22で分包する分包数など)を変更する(再度入力する)ための画面である。具体的には、操作画面84は、図7に示すように、複数の散剤分割部22の使用方法を変更するための使用方法変更部841と、散剤分割部22で分包する分包数(換言すると、散剤分割部22の分割数)を変更するための分包数変更部842とを備える。
【0055】
使用方法変更部841は、使用方法入力部8312で入力した使用方法を変更する(再度選択する)ためのものであるため、使用方法入力部8312と同様に、一方使用キーh1と他方使用キーh2と同時使用キーh3を備える(図8参照)。また、使用方法変更部841は、複数の散剤分割部22を連続して使用する連続使用の際に、当該複数の散剤分割部22を使用する順番を変更する(入力する)分割部順番入力部8411を備える。本実施形態では、分割部順番入力部8411は、2つの散剤分割部22のうちの一方を先に使用して他方を後で使用する第一順番キーh4と、他方を先に使用して一方を後で使用する第二順番キーh5とを備える。この分割部順番入力部8411(第一順番キーh4と第二順番キーh5)は、操作画面84には、通常は表示されておらず、分包情報入力画面83の使用方法入力部8312で連続使用キーd4が選択されて複数の散剤分割部22の連続使用が入力された場合に、操作可能な状態(選択可能な状態)で表示されるように構成されている。
【0056】
分包数変更部842は、散剤分割部22で分包する分包数を変更するためのもので、散剤分割部22の分包数を表示する包数表示部8421を、各散剤分割部22に対応するように複数備える。この包数表示部8421は、図9に示すように、対応する散剤分割部22で分包する分包数を、画面に表示されるテンキーを操作することで変更することができるように構成されている。また、分包数変更部842は、連続使用が設定されている場合には、連続使用する複数の散剤分割部22それぞれの包数表示部8421が操作可能な状態で表示するように構成されており、しかも、一方(又は他方)の散剤分割部22の包数表示部8421を操作して該一方(又は他方)の分包数を変更すると、該変更内容と合計分包数とに基づいて、他方(又は一方)の散剤分割部22の包数表示部8421の分包数も変更されるように構成されている。尚、各散剤分割部22に対応するように設けられる包数表示部8421は、連続使用が設定されている場合、連続使用する複数の散剤分割部22それぞれに割り当てられた分包数を表示する割当表示部として機能する。
【0057】
また、操作画面84は、散剤供給部21(具体的には、フィーダ212)の供給速度を変更するための供給速度変更部843と、散剤供給部21から供給される散剤の散剤分割部22への供給状況(堆積状況)を監視・調整する供給調整部844と、分包を開始する又は予約を完了するためのスタートキー845とを更に備える。尚、本実施形態では、操作画面84は、今回の分包条件だけでなく、予約されている次回、次々回の分包条件も、切り替えて表示・変更することができるように構成されている。
【0058】
以上の構成の薬剤分包装置1は、錠剤と散剤とを分包することができる。特に、散剤分割部22で分割することができる最大分割数を超える多数の分包数が入力された場合でも、該多数の分包数を複数の散剤分割部22に割り当て、各散剤分割部22を連続使用することで、前記多数の分包数を1つの分包作業として分包することができる。ここでは、かかる多数の分包数を分包する手順について、図4乃至9に記載の入力画面8と図10のフローチャートとを参酌して説明する。尚、図10のフローチャートは、多数の分包数が入力された場合の各散剤分割部22への割り当ての手順を示すものである。
【0059】
まず、図4に示すように、印字項目選択画面81を操作して、分包紙Pに印字する項目を選択する。図4では、用法キーa1が選択されているので、入力制御部62は、用法のみ印字するように印字部5を制御する。キーが選択されると、印字項目選択画面81が用法入力画面82に切り替わる。
【0060】
次に、入力画面8を操作して分包数を入力する。ここでは、入力される分包数は、1つの散剤分割部22にて分割することができる最大分割数(具体的には、93包)よりも大きい数である(図10のステップ1)。具体的には、用法入力画面82の分包数入力部821Aを操作して今回の分包作業における分包数を入力する。図5では、1日回数入力欄8212に1日の服用回数「3」を入力し、日数/回数入力欄8213に服用する日数「45」を入力することで、今回の分包作業で実行する分包総数が演算されて包数表示欄8214に「135」が表示される。尚、服用日入力欄8211には服用開始日が入力され、服用タイミング入力欄8215では、所定のタイミングキー(図5では、毎食後キーb1)が選択される。そして、進行キー823が選択されると次の手順に進む。
【0061】
次に、分包数が入力されると、制御部6は、入力された分包数が1つの散剤分割部22で分割(分包)することができる最大分割数よりも大きいか否か判断する(図10のステップ2)。具体的には、用法入力画面82の進行キー823が選択されると、入力制御部62は、入力された分包数「135」が、前記最大分割数より大きく、且つ、複数の散剤分割部22の最大分割数の合計以下であるか否か判断すると共に、入力画面8を用法入力画面82から分包情報入力画面83に切り替える。尚、本実施形態では、最大分割数は「93」であり、最大分割数の合計は、散剤分割部22が2つ設けられているので「186」である。
【0062】
ここで、入力された分包数が、前記最大分割数より大きく、且つ、複数の散剤分割部22の最大分割数の合計よりも小さい値である場合(本実施形態の場合)、入力制御部62は、図6に示すように、分包情報入力画面83の分包情報入力部831に、分割部使用指示入力部7としての連続使用キーd4を操作可能な状態で表示する(図10のステップ3)。入力された分包数がそのような値でない場合には、連続使用キーd4は表示されず、分包情報の入力が完了すると、図10のステップ6へ進んで操作画面84が表示される。
【0063】
次に、分包情報入力画面83を操作して分包情報が入力される(図6参照)。具体的には、分包作業で実施する分包方式に応じて、分包方式入力部8311のキーを選択する。図6では、散剤キーc1が選択されている。そして、分包作業で使用する複数の散剤分割部22の使用方法に応じて使用方法入力部8312のキーを選択する。ここで、本実施形態では、複数の散剤分割部22を連続的に使用して前記多数の分包数を分包するために、分割部使用指示入力部7としての連続使用キーd4が選択されており、これにより、分割部使用指示が入力される。
【0064】
尚、分包速度入力部8313、空包入力部8314、紙幅入力部8315のキーがそれぞれ選択され、その他条件入力部834を操作してその他の条件が入力される。また、分包情報入力画面83では、印字確認部833に印字項目選択画面81で選択した印字項目に応じた印字レイアウトが表示されるので、印字内容の確認を容易に行うことができる。分包情報入力画面83での入力・確認が完了すると、確定キー835が選択され、入力制御部62から駆動制御部61へ入力した処方情報(用法情報及び分包情報)が送信される。
【0065】
次に、処方情報を受信した駆動制御部61は、受信した処方情報の内容を確認する。具体的には、駆動制御部61は、連続使用キーd4が選択されているか否かを判断し(図10のステップ4)、選択されている場合には、操作画面84の使用方法変更部841に分割部順番入力部8411としての第一順番キーh4と第二順番キーh5とを操作可能な状態で表示するよう入力制御部62に指示する。
【0066】
ここでは、散剤分割部22の最大分割数を超える分包数が入力され、且つ、複数の散剤分割部22を用いて分包を実行する指示がなされているので、駆動制御部61は、入力された分包数を、複数の散剤分割部22に割り当てる。具体的には、駆動制御部61は、散剤分割部22の最大分割数を超えない範囲(本実施形態では「93」)で、各散剤分割部22に分包数を割り当てる。尚、かかる割り当ては、複数の散剤分割部22に均等になされる。具体的には、入力された分包数が偶数である場合には、2つの散剤分割部22に同じ分包数を割り当て、本実施形態のように、入力された分包数が奇数である場合には、一方の散剤分割部22の割り当て数を他方の散剤分割部22の割り当て数よりも1つだけ多くなるように割り当てる。また、駆動制御部61は、各散剤供給部21の供給速度を同じ速度に設定する。
【0067】
また、駆動制御部61は、使用する複数の散剤分割部22に対応した包数表示部8421を、割当表示部として機能させて、各散剤分割部22に割り当てられた分包数を整数表示すると共に操作可能な状態で表示するよう入力制御部62に指示する(図10のステップ5)。
【0068】
一方、連続使用キーd4が選択されていない場合には、駆動制御部61は、分割部順番入力部8411を表示せずに各使用キーのみを表示し、また、包数表示部8421を割当表示部として機能させずに単に包数表示のみとして機能させるよう入力制御部62に指示する(図10のステップ6)。尚、駆動制御部61は、その他の処方情報の内容を適宜確認し、入力制御部62に確認信号を送信する。これにより、入力した処方情報が薬剤分包装置1に設定され、入力画面8が分包情報入力画面83から操作画面84に切り替わる。
【0069】
次に、操作画面84を操作して設定内容の変更を必要に応じて行う(図10のステップ7,8)。本実施形態では、複数の散剤分割部22を連続使用する場合、制御部6が複数の散剤分割部22を使用する順番を自動設定している。具体的には、散剤分割部22の最大分割数を超える分包数が入力され、且つ、複数の散剤分割部22を用いて分包を実行する指示がなされると、駆動制御部61は、今回の分包作業の直前の分包作業において使用した散剤分割部22とは別の散剤分割部22から優先的に使用されるように、複数の散剤分割部22の使用順序を設定する。この自動設定された順番を、操作画面84を操作することによって変更することができる。具体的には、操作画面84の使用方法変更部841を操作すると、分割部順番入力部8411としての第一順番キーh4及び第二順番キーh5がウィンドウ表示され、これらのキーを選択することで使用する順番を選択(変更)することができる(図8参照)。
【0070】
また、操作画面84の分包数変更部842を操作することによって、複数の散剤分割部22に割り当てられた分包数を変更することができる。本実施形態では、複数の散剤分割部22を連続使用する場合、制御部6が入力された分包数を複数の散剤分割部22に均等に割り当てる。そして、各散剤分割部22の割当表示部として機能する包数表示部8421には、割り当てられた分包数(整数)が表示される。図7では、一方の散剤分割部22の包数表示部8421には「68」が表示され、他方の散剤分割部22の包数表示部8421には「67」が表示されている。かかる包数表示部8421を操作することによって、散剤分割部22に割り当てられた分包数を、最大分割数を超えない範囲で変更することができる。具体的には、図9に示すように、操作画面84の包数表示部8421を操作すると、テンキーが表示され、該テンキーを操作することで割り当てられた分包数を調整(変更)することができる。尚、図9では、他方の散剤分割部22の包数表示部8421が操作されて、該他方の散剤分割部22の分包数が「67」から「50」に変更されている。そして、かかる変更に伴って、一方の散剤分割部22の分包数が「68」から「85」に変更されている。
【0071】
このような、操作画面84を操作することによる設定内容の変更が、入力制御部62で認識されると(図10のステップ7)、入力制御部62から駆動制御部61に変更内容が送信され、駆動制御部61において先の設定が変更される(図10のステップ8)。そして、散剤分割部22に割り当てられた分包数の表示(具体的には、包数表示部8421の表示)に従って、ユーザが散剤を秤量して各ホッパー211に投入し、その後、操作画面84のスタートキー845を選択すると、分包が開始される又は分包予約が完了する(図10のステップ9)。尚、設定内容の変更がない場合、操作画面84のスタートキー845を選択することで分包が開始又は分包予約される。
【0072】
尚、入力された錠剤の分包数が、錠剤分割供給部31の最大分包数(48包)を超えている場合には、入力された分包数の分包が完了するまで、錠剤分割供給部31を繰り返し使用する。
【0073】
以上のような構成の薬剤分包装置1にあっては、薬剤師等のユーザが、用法入力画面82を操作して、用法情報として、1つの散剤分割部22で分割することができる最大分割数よりも多い数の分包数を入力し、分包情報入力画面83を操作して、分包情報として、複数の散剤分割部22を連続使用する分割部使用指示を入力すると、制御部6は、入力された多数の分包数を、最大分割数を超えないように各散剤分割部22に割り当て、該割り当てに基づいて、散剤供給部21、複数の散剤分割部22および分包部4を制御する。従って、薬剤師等のユーザは、煩雑な入力・演算を繰り返し行う必要なく、簡単な画面操作で分包作業を行うことができる。
【0074】
また、用法入力画面82には、分包数を入力するための分包数入力部821Aが設けられており、該分包数入力部821Aが操作されて前記多数の分包数が入力されると、分包情報入力画面83に、分割部使用指示入力部7としての連続使用キーd4が操作可能な状態で表示されるので、ユーザは、用法入力画面82において分包数入力部821Aを操作して分包数を入力し、分包情報入力画面83において連続使用キーd4を操作して分割部使用指示を入力することができ、入力作業が簡素である。また、連続使用キーd4は、通常は表示されておらず、用法入力画面82で前記多数の分包数が入力された場合にのみ、分包情報入力画面83に操作可能な状態で表示されるので、誤操作を確実に防止することができる。
【0075】
更に、操作画面84には、用法入力画面82において前記多数の分包数が入力され、分包情報入力画面83において連続使用キーd4が選択されて分割部使用指示が入力されると、複数の散剤分割部22を使用する順番を指示するための分割部順番入力部8411が操作可能な状態で表示されるので、ユーザは、簡単なパネル操作で複数の散剤分割部22を使用する順番を設定することができる。また、順番に散剤分割部22を使用することで、効率良く分包を行うことができる。
【0076】
また更に、操作画面84には、割当表示部として機能する包数表示部8421が、各散剤分割部22に対応して設けられているので、各散剤分割部22に割り当てられた分包数を容易に確認することができる。
【0077】
また、多数の分包数の各散剤分割部22への割り当ては、均等になされるので、各散剤分割部22への負荷を分散して装置の耐久性を向上させることができる。また、均等な割り当てであると、各ホッパー211に投入すべき散剤の分量も均等となるので、散剤の秤量を容易に行うことができて作業負担を抑制することができる。
【0078】
更に、複数の散剤分割部22を連続使用する際には、直前の分包作業に使用した散剤分割部22以外の散剤分割部22から優先的に使用するので、1つの散剤分割部22の長期間の連続駆動を避けることができ、装置の耐久性を向上させることができる。また、直前の分包作業に使用されていない散剤分割部22に散剤供給部21から散剤を供給しておけば、直前の分包作業が終了したすぐ後に、次の分包作業(散剤の分割作業)を開始することができ、作業の効率化を図ることができる。即ち、直前の分包作業に使用した散剤分割部22以外の散剤分割部22であって、分包可能状態(散剤供給部21からの散剤の供給が可能な状態)の散剤分割部22から優先的に作業を実行することで、作業の効率化を図ることができる。
【0079】
尚、本実施形態では、分割部使用指示入力部7としての連続使用キーd4が、通常時には非表示であり、分包数入力部821Aが操作されて多数の分包数が入力されると操作可能な状態で表示される場合について説明したが、これに限らず、連続使用キーd4は、通常時には操作不能な状態で表示され、分包数入力部821Aが操作されて多数の分包数が入力されると操作可能な状態の表示に切り替わるように構成することも可能である。
【0080】
また、本実施形態では、分割部順番入力部8411が、通常時には非表示であり、多数の分包数および分割部使用指示が入力された場合に、操作可能な状態で表示される場合について説明したが、これに限らず、分割部順番入力部8411は、通常時には操作不能な状態で表示され、多数の分包数および分割部使用指示が入力されると操作可能な状態の表示に切り替わるように構成することも可能である。
【0081】
更に、本実施形態では、各散剤分割部22に割り当てる分包数が均等になる場合について説明したが、これに限らず、不均等に割当てる場合であってもよい。具体的には、1つの散剤分割部22には多くの分包数を割当て、残りの散剤分割部22には少ない分包数を割当てる場合であってもよい。この場合、各割当表示部には、不均等な数の分包数が表示される。
【0082】
また更に、本実施形態では、制御部6が駆動制御部61と入力制御部62との2台のCPUで構成される場合について説明したが、これに限らず、1台のCPUで構成することも可能である。
【0083】
また、本実施形態では、散剤分割部22が2つ設けられる場合について説明したが、これに限らず、散剤分割部22は3つ以上設けることも可能である。尚、散剤分割部22が2つ設けられる場合には、多数の分包数を全ての散剤分割部22に割当てて分包する(つまり、全ての散剤分割部22を使用して多数の分包数を分包する)が、散剤分割部22が3つ以上設けられる場合には、少なくとも2つの散剤分割部22に多数の分包数を割当てて分包する(つまり、少なくとも2つの散剤分割部22を使用して多数の分包数を分包する)。
【0084】
更に、本実施形態では、複数の散剤分割部22を連続使用する場合について説明したが、これに限らず、複数の散剤分割部22を、例えば交互に使用することも可能である。また、薬剤分包装置1に割り込み機能を持たせて、1つの連続使用に係る分包作業中に、別の分包作業を割り込ませて分包することも可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…薬剤分包装置、2…散剤分配部、3…錠剤分配部、4…分包部、5…印字部、6…制御部、7…入力部、8…入力画面、21…散剤供給部、211…ホッパー、212…フィーダ、22…散剤分割部、221…回転テーブル、222…掻出部、2211…凹部、2221…堰止部、2222…掻出羽根、31…錠剤分割供給部、311…分割マス、41…共通ホッパー、42…ヒートシール部、61…駆動制御部、62…入力制御部、81…印字項目選択画面、811…印字項目選択キー、812…操作パネルキー、82…用法入力画面、821…用法入力部、822…服用タイミング表示欄、823…進行キー、8211…服用日入力欄、8212…1日回数入力欄、8213…日数/回数入力欄、8214…包数表示欄、8215…服用タイミング入力欄、821A…分包数入力部、84…操作画面、841…使用方法変更部、842…分包数変更部、843…供給速度変更部、844…供給調整部、845…スタートキー、8411分割部順番入力部、8421…包数表示部(割当表示部)、P…分包紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
散剤を供給する散剤供給部と、該散剤供給部から供給された散剤を所定量ずつ複数に分割する複数の散剤分割部と、該散剤分割部で分割された散剤を1包ずつ分包する分包部と、散剤供給部、散剤分割部および分包部を制御する制御部と、該制御部に処方情報を入力する入力部とを備え、
前記入力部は、処方情報を入力すべく操作する入力画面を備え、
前記入力画面が操作されて、処方情報として、1つの散剤分割部で分割することができる最大分割数よりも多い数の分包数と、前記複数の散剤分割部を用いて分包を実行するように指示する分割部使用指示とが入力されると、
制御部は、前記入力された多数の分包数を、最大分割数を超えないように各散剤分割部に割り当て、該割り当てに基づいて、散剤供給部、複数の散剤分割部および分包部を制御するように構成されていることを特徴とする薬剤分包装置。
【請求項2】
前記入力画面には、分包数を入力するための分包数入力部が設けられており、
該分包数入力部が操作されて前記最大分割数よりも多い数の分包数が入力されると、前記分割部使用指示を入力するための分割部使用指示入力部が前記入力画面に操作可能な状態で表示され、
該分割部使用指示入力部が操作されて前記分割部使用指示が入力されると、前記制御部は、前記割り当てに従って、前記複数の散剤分割部を連続的に使用して分包を実行することを特徴とする請求項1に記載の薬剤分包装置。
【請求項3】
前記入力画面には、前記多数の分包数および分割部使用指示が入力されると、複数の散剤分割部を使用する順番を指示するための分割部順番入力部が操作可能な状態で表示され、
該分割部順番入力部を操作することで指示した順番に基づいて、前記制御部は複数の散剤分割部を順に使用して分包を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤分包装置。
【請求項4】
前記入力画面には、散剤分割部に割り当てられた分包数を表示するための割当表示部が、各散剤分割部に対応して設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の薬剤分包装置。
【請求項5】
前記割当表示部に表示される分包数は整数であることを特徴とする請求項4に記載の薬剤分包装置。
【請求項6】
前記各割当表示部に表示される分包数は均等な数であることを特徴とする請求項4又は5に記載の薬剤分包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図10】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−99480(P2013−99480A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245906(P2011−245906)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(510154420)高園テクノロジー株式会社 (29)
【Fターム(参考)】