説明

蛍光体セラミックスおよび発光装置

【課題】目的とする発光色度を実現し、光透過性を確保することができながら、機械的強度を向上させることができる蛍光体セラミックスおよび、その蛍光体セラミックスを備える発光装置を提供すること。
【解決手段】
外部から電力が供給される回路基板12と、回路基板12の上に電気的に接合され、回路基板12からの電力により発光する発光ダイオード13と、発光ダイオード13を囲むように回路基板12の上に設けられるハウジング14とを備える発光装置において、ハウジング14の上に、蛍光を発光できる少なくとも1つの蛍光層2と、蛍光層2に積層され、蛍光を発光しない少なくとも1つの非蛍光層3とを備える蛍光体セラミックス1を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体セラミックス、および、その蛍光体セラミックスを備える発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、青色光を受けて黄色光を発光する蛍光体として、セリウムが含有されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体が知られている。このようなYAG系蛍光体に青色光を照射すると、照射される青色光と、YAG系蛍光体が発する黄色光とが混色されることにより、白色光を得ることができる。そのため、YAG系蛍光体で青色発光ダイオードを被覆し、青色発光ダイオードからの青色光と、YAG系蛍光体の黄色光とを混色させて白色光を得ることができる白色発光ダイオードが知られている。
【0003】
このようなYAG系蛍光体として、例えば、目的とする発光色度を実現するために、ドーパント(セリウム)濃度と厚みとが調整された蛍光体セラミック板が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−27704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記した特許文献1に記載の蛍光体セラミック板では、目的とする発光色度を実現するため、および、光透過性を確保するために、蛍光体セラミック板を薄く形成する必要があり、そうすると、蛍光体セラミック板の機械的強度が低下する。
【0006】
蛍光体セラミックス板の機械的強度が低下すると、蛍光体セラミックス板の破損が頻発するなど、その取り扱いが困難になる場合がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、目的とする発光色度を実現し、光透過性を確保することができながら、機械的強度を向上させることができる蛍光体セラミックスおよび、その蛍光体セラミックスを備える発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、本発明の蛍光体セラミックスは、蛍光を発光できる、少なくとも1つの蛍光層と、前記蛍光層に積層され、蛍光を発光しない、少なくとも1つの非蛍光層とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の蛍光体セラミックスでは、前記蛍光層と前記非蛍光層とは、1つの前記蛍光層が2つの前記非蛍光層の間に挟まれるように、積層されていることが好適である。
【0010】
また、本発明の蛍光体セラミックスでは、前記蛍光層の厚みの総和は、100μm以下であることが好適である。
【0011】
また、本発明の蛍光体セラミックスでは、前記蛍光層は、基体材料と、蛍光を発光させるための蛍光性付与材料とを含有し、前記非蛍光層は、前記蛍光性付与材料を含有せずに、前記蛍光層と同様の前記基体材料を含有することが好適である。
【0012】
また、本発明の発光装置は、外部から電力が供給される回路基板と、前記回路基板の上に電気的に接合され、前記回路基板からの電力により発光する発光ダイオードと、前記発光ダイオードを囲むように前記回路基板の上に設けられ、上端部が、前記発光ダイオードの上端部よりも上側に配置されるハウジングと、前記ハウジングの上に設けられる上記した蛍光体セラミックスとを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の蛍光体セラミックスによれば、蛍光層と、蛍光層に積層される非蛍光層とを備えている。
【0014】
そのため、目的とする発光色度および光透過性に応じて蛍光層の厚みを調整することができながら、非蛍光層において、機械的強度を確保することができる。
【0015】
その結果、目的とする発光色度を実現し、光透過性を確保することができながら、機械的強度を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の発光装置によれば、上記した蛍光体セラミックスを備えているため、蛍光体セラミックスを容易にハウジングの上に設けることができ、目的とする発光色度および光透過性を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の蛍光体セラミックスの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す蛍光体セラミックスを備える本発明の発光装置の一実施形態を示す断面図である。
【図3】発光装置の駆動電流と、蛍光体セラミックスの表面温度との関係を示す相関図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の蛍光体セラミックスの一実施形態を示す断面図である。
【0019】
蛍光体セラミックス1は、図1に示すように、1つの蛍光層2と、蛍光層2を挟むように蛍光層2に積層される2つの非蛍光層3とを備えている。なお、蛍光体セラミックス1において、蛍光層2および非蛍光層3の数、積層順序は特に限定されず、例えば、蛍光層2および非蛍光層3を交互に積層して2層または4層以上の積層体として形成することもできる。
【0020】
蛍光層2は、励起光として、波長350〜480nmの光の一部又は全部を吸収して励起され、励起光よりも長波長、例えば、500〜650nmの蛍光を発光する蛍光体を含有している。
【0021】
蛍光層2に含有される蛍光体としては、例えば、複合金属酸化物や金属硫化物などの基体材料に、例えば、セリウム(Ce)やユウロピウム(Eu)などの金属原子が蛍光性付与材料としてドープされた蛍光体が挙げられる。
【0022】
蛍光体としては、具体的には、例えば、YAl12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)(基体材料:YAl12、蛍光性付与材料:Ce)、(Y,Gd)Al12:Ce(基体材料:(Y,Gd)Al12、蛍光性付与材料:Ce)、TbAl12:Ce(基体材料:TbAl12、蛍光性付与材料:Ce)、CaScSi12:Ce(基体材料:CaScSi12、蛍光性付与材料:Ce)、LuCaMg(Si,Ge)12:Ce(基体材料:LuCaMg(Si,Ge)12、蛍光性付与材料:Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、(Sr,Ba)SiO:Eu(基体材料:(Sr,Ba)SiO、蛍光性付与材料:Eu)、CaSiOCl:Eu(基体材料:CaSiOCl、蛍光性付与材料:Eu)、SrSiO:Eu(基体材料:SrSiO、蛍光性付与材料:Eu)、LiSrSiO:Eu(基体材料:LiSrSiO、蛍光性付与材料:Eu)、CaSi:Eu(基体材料:CaSi、蛍光性付与材料:Eu)などのシリケート蛍光体、例えば、CaAl1219:Mn(基体材料:CaAl1219、蛍光性付与材料:Mn)、SrAl:Eu(基体材料:SrAl、蛍光性付与材料:Eu)などのアルミネート蛍光体、例えば、ZnS:Cu,Al(基体材料:ZnS、蛍光性付与材料:Cu、Al)、CaS:Eu(基体材料:CaS、蛍光性付与材料:Eu)、CaGa:Eu(基体材料:CaGa、蛍光性付与材料:Eu)、SrGa:Eu(基体材料:SrGa、蛍光性付与材料:Eu)などの硫化物蛍光体、CaSi:Eu(基体材料:CaSi、蛍光性付与材料:Eu)、SrSi:Eu(基体材料:SrSi、蛍光性付与材料:Eu)、BaSi:Eu(基体材料:BaSi、蛍光性付与材料:Eu)、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体、例えば、CaAlSiN:Eu(基体材料:CaAlSiN、蛍光性付与材料:Eu)、CaSi:Eu(基体材料:CaSi、蛍光性付与材料:Eu)などの窒化物蛍光体、例えば、KSiF:Mn(基体材料:KSiF、蛍光性付与材料:Mn)、KTiF:Mn(基体材料:KTiF、蛍光性付与材料:Mn)などのフッ化物系蛍光体などが挙げられる。好ましくは、ガーネット型蛍光体、より好ましくは、YAl12:Ceが挙げられる。
【0023】
非蛍光層3は、蛍光特性のない材料であれば特に制限されることなく用いることができ、好ましくは、蛍光性付与材料を含有せずに、上記した蛍光層2と同様の基体材料から形成される。非蛍光層3が上記した蛍光層2と同様の基体材料から形成されていれば、蛍光層2と非蛍光層3との焼結時の収縮割合が近似しているため、蛍光層2を形成するセラミックスグリーン体と、非蛍光層3を形成するセラミックスグリーン体とを積層し、一体的に焼結することができる。また、例えば、蛍光層2がYAl12:Ceである場合には、焼結時の収縮割合がYAl12と近似するアルミナも好適に使用することができる。
【0024】
なお、焼結処理中に、蛍光層2中の蛍光性付与材料が、非蛍光層3に拡散される場合があるが、特に本発明の効果を損なうものではない。
【0025】
蛍光体セラミックス1を作製するには、まず、蛍光層2を形成するための蛍光層用粒子と、非蛍光層3を形成するための非蛍光層用粒子とを作製する。
【0026】
蛍光層用粒子を作製するには、蛍光体としてYAl12:Ceを形成する場合には、例えば、硝酸イットリウム六水和物などのイットリウム含有化合物、例えば、硝酸アルミニウム九水和物などのアルミニウム含有化合物、および、例えば、硝酸セリウム六水和物などのセリウム含有化合物を、例えば、蒸留水などの溶媒に所定の割合で溶解させ、前駆体溶液を調製する。
【0027】
前駆体溶液を調製するには、イットリウム原子100モルに対して、アルミニウム原子が、例えば、120〜220モル、好ましくは、160〜180モル、セリウム原子が、例えば、0.2〜5.0モル、好ましくは、0.5〜2.0モルとなるように、イットリウム含有化合物、アルミニウム含有化合物およびセリウム含有化合物を配合し、溶媒に溶解させる。
【0028】
次いで、前駆体溶液を、噴霧しながら熱分解することにより、前駆体粒子を得る。なお、前駆体粒子は、そのまま蛍光層粒子として用ることもできるが、好ましくは、例えば、1000〜1400℃、好ましくは、1150〜1300℃で、例えば、0.5〜5時間、好ましくは、1〜2時間、仮焼成し、蛍光層用粒子とする。
【0029】
前駆体粒子を仮焼成すれば、得られた蛍光層用粒子の結晶相を調整することができ、高密度な蛍光層2を得ることができる。
【0030】
得られた蛍光層用粒子の平均粒子径(自動比表面積測定装置(Micrometritics社製、モデルGemini 2365)を用いたBET(Brunauer−Emmett−Teller)法により測定する。)は、例えば、50〜10000nm、好ましくは、50〜1000nm、より好ましくは、50〜500nmである。
【0031】
蛍光層用粒子の平均粒子径が上記範囲内であると、バインダー樹脂(後述)などの添加剤の使用量を低減することができながら、蛍光層2の高密度化、焼結時の寸法安定性の向上、および、ボイドの発生の低減を実現することができる。
【0032】
また、蛍光層用粒子としては、例えば、酸化イットリウム粒子などのイットリウム含有粒子、例えば、酸化アルミニウム粒子などのアルミニウム含有粒子、例えば、酸化セリウム粒子などのセリウム含有粒子を混合した混合物を使用することもできる。
【0033】
この場合には、イットリウム原子100モルに対して、アルミニウム原子が、例えば、120〜220モル、好ましくは、160〜180モル、セリウム原子が、例えば、0.2〜5.0モル、好ましくは、0.5〜2.0モルとなるように、イットリウム含有粒子、アルミニウム含有粒子およびセリウム含有粒子を混合する。
【0034】
また、非蛍光層用粒子は、蛍光性付与材料(蛍光体としてYAl12:Ceを形成する場合には、Ce原子)を配合しない以外は、上記した蛍光層用粒子の作製と同様にして作製される。
【0035】
次いで、蛍光体セラミックス1を作製するには、蛍光層用粒子が分散された蛍光層用粒子分散液と、非蛍光層用粒子が分散された非蛍光層用粒子分散液とを調製する。
【0036】
蛍光層用粒子分散液を調製するには、蛍光層用粒子を、例えば、キシレンなどの芳香族系溶媒、例えば、メタノールなどのアルコールなど、揮発性を有する溶媒に分散させる。なお、蛍光層用粒子を溶媒に分散させるには、バインダー樹脂、分散剤、可塑剤、焼結助剤などの添加剤を適宜配合することができる。また、これらの添加剤としては、加熱により分解されるものであれば特に限定されず、公知の添加剤を使用することができる。
【0037】
蛍光層用粒子を溶媒に分散させる方法としては、例えば、各種ミキサー、ボールミル、ビーズミルなどの公知の分散装置を用いて、湿式混合する。
【0038】
また、非蛍光層用粒子分散液も、上記した蛍光層用粒子の作製と同様に、非蛍光層用粒子を溶媒に分散させることにより、調製される。
【0039】
次いで、蛍光体セラミックス1を作製するには、蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシート、および、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートを作製する。
【0040】
セラミックグリーンシートを作製するには、例えば、PETフィルムなどの樹脂基材の上に、蛍光層用粒子分散液または非蛍光層用粒子分散液を、必要により粘度調整した後、例えば、ドクターブレード法などによりテープキャスティングするか、または押出成形し、乾燥する。なお、各セラミックグリーンシートの厚みは、ドクターブレード法を用いる場合には、ドクターブレードのギャップを調整することで制御する。
【0041】
なお、セラミックグリーンシートの厚みを200μm以上に調整する場合には、溶媒乾燥時のひび割れや表面のうねりを抑制するために、一旦、200μm未満のセラミックグリーンシートを作製し、後述するセラミックグリーンシートの積層工程において、同じセラミックグリーンシートを複数枚重ねることにより、目的とする膜厚に調整することもできる。
【0042】
次いで、蛍光体セラミックス1を作製するには、蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートと、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートとを積層させる。
【0043】
セラミックグリーンシートを積層させるには、まず、得られたセラミックグリーンシートを、樹脂基材から剥離させる。
【0044】
その後、蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートと、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートとを、所定の順序(この実施形態では、蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシート1枚を、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシート2枚で挟んでいる。)で重ね合わせて、例えば、熱ラミネートすることにより、セラミックグリーンシート積層体を作製する。
【0045】
なお、各セラミックグリーンシートを熱ラミネートするには、蛍光層用粒子分散液または非蛍光層用粒子分散液にバインダー樹脂を配合した場合には、例えば、バインダー樹脂のガラス転移点付近の温度で熱ラミネートする。
【0046】
次いで、セラミックグリーンシート積層体を、空気中で、例えば、400〜800℃で、例えば、1〜10時間加熱し、添加剤を分解除去する脱バインダー処理を実施する。このとき、昇温速度は、例えば、0.2〜2.0℃/分である。昇温速度が上記範囲内であれば、セラミックグリーンシート積層体の変形やクラックなどを防止することができる。
【0047】
次いで、蛍光体セラミックス1を作製するには、セラミックグリーンシート積層体を焼成する。
【0048】
焼成温度、時間および焼成雰囲気は、蛍光体によって適宜設定されるが、蛍光体がYAl12:Ceであれば、例えば、真空中、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中、または、水素、水素/窒素混合ガスなどの還元ガス中において、例えば、1500〜1800℃、好ましくは、1650〜1750℃で、例えば、0.5〜24時間、好ましくは、3〜5時間焼成する。
【0049】
なお、還元雰囲気で焼成する場合には、還元ガスとともにカーボン粒子を併用することもできる。カーボン粒子を併用すれば、さらに還元性を高めることができる。
【0050】
また、焼成温度までの昇温速度は、例えば、0.5〜20℃/分である。昇温温度が上記範囲内であれば、効率よく昇温することができながら、結晶粒(グレイン)を比較的穏やかに成長させて、ボイドの発生を抑制することができる。また、さらに蛍光体セラミックスを高密度化、透光性の向上を図るには、熱間等方加圧式焼結法(HIP法)により加圧下で焼結する。
【0051】
これにより、蛍光体セラミックス1の作製が完了される。
【0052】
蛍光体セラミックス1の蛍光層2の総厚みは、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
【0053】
蛍光体セラミックス1の非蛍光層3の厚みは、蛍光層2よりも厚く、例えば、100〜1000μm、好ましくは、200〜500μmである。
【0054】
蛍光体セラミックス1の総厚みは、例えば、100〜1000μm、好ましくは、200〜700μm、より好ましくは、300〜500μmである。
【0055】
蛍光体セラミックス1の総厚みが上記範囲内であれば、取り扱い性の向上、および、破損の防止を図ることができる。
【0056】
蛍光体セラミックス1の全光線透過率(at700nm)は、例えば、40%以上、好ましくは、50%以上である。
【0057】
この蛍光体セラミックス1によれば、蛍光層2と、蛍光層2に積層される非蛍光層3とを備えている。
【0058】
そのため、目的とする発光色度および光透過性に応じて蛍光層2の厚みを調整することができながら、非蛍光層3において、機械的強度を確保することができる。
【0059】
その結果、目的とする発光色度を実現し、光透過性を確保することができながら、機械的強度を向上させることができる。
【0060】
また、この蛍光体セラミックス1によれば、蛍光層2は、2つの非蛍光層3に挟まれている。
【0061】
そのため、セラミックグリーンシート積層体を焼成するときには、外側の非蛍光層3が加熱され、蛍光層2が直接加熱されることを防止することができる。
【0062】
その結果、焼成によって、蛍光層2の表面に蛍光特性が低い部分が発生することを防止することができる。
【0063】
また、焼成後に、蛍光体セラミックス1の表面を研磨する場合に、非蛍光層3を研磨することができ、研磨による蛍光層2の厚みの変動を防止することができる。
【0064】
図2は、図1に示す蛍光体セラミックスを備える本発明の発光装置の一実施形態を示す断面図である。
【0065】
次いで、蛍光体セラミックス1を備える発光装置11について説明する。
【0066】
発光装置11は、図2に示すように、回路基板12、発光ダイオード13、ハウジング14および蛍光体セラミックス1を備えている。
【0067】
回路基板12は、ベース基板16、および、ベース基板16の上面に形成される配線パターン17を備えている。回路基板12には、外部からの電力が供給される。
【0068】
ベース基板16は、平面視略矩形平板状に形成されており、例えば、アルミニウムなどの金属、例えば、アルミナなどのセラミック、例えば、ポリイミド樹脂などから形成されている。
【0069】
配線パターン17は、発光ダイオード13の端子と、発光ダイオード13に電力を供給するための電源(図示せず)の端子(図示せず)とを電気的に接続している。配線パターン17は、例えば、銅、鉄などの導体材料から形成されている。
【0070】
発光ダイオード13は、ベース基板16の上に設けられている。各発光ダイオード13は、ワイヤ18を介して、配線パターン17に電気的に接合(ワイヤボンディング)されている。発光ダイオード13は、回路基板12からの電力により発光する。
【0071】
ハウジング14は、その上端部が発光ダイオード13の上端部よりも上側に配置されるように、ベース基板16の上面から上方に立設され、平面視において、発光ダイオード13を囲むように形成されている。
【0072】
ハウジング14は、例えば、フィラーが添加された樹脂、セラミックスから形成されている。また、ハウジング14の反射率は、発光ダイオード13からの光に対する反射率が、例えば、70%以上、好ましくは、90%以上、より好ましくは、95%以上となるように設定される。
【0073】
なお、ハウジング14は、予め、回路基板12と一体的に、ハウジング付きの回路基板として形成することもできる。ハウジング付きの回路基板として、市販品が入手可能であり、例えば、キャビティー付き多層セラミック基板(品番:207806、住友金属エレクトロデバイス社製)などが挙げられる。
【0074】
また、ハウジング14の中には、必要により、シリコーン樹脂などの封止材が満たされている。
【0075】
蛍光体セラミックス1は、ハウジング14の上に、ハウジング14の上端部を閉鎖するように設けられ、ハウジング14内の封止材を介してハウジング14に接着されている。
【0076】
また、ハウジング14の上には、必要により、蛍光体セラミックス1を被覆するように、略半球形状(略ドーム形状)のレンズ15を設置することができる。レンズ15は、例えば、シリコーン樹脂などの透明樹脂から形成されている。
【0077】
発光装置11を作製するには、まず、回路基板12にハウジング14を設ける。次いで、ハウジング14内に、発光ダイオード13を設置し、ワイヤ18で、発光ダイオード13と回路基板12とを電気的に接合する。
【0078】
次いで、ハウジング14内を必要により封止材で満たし、ハウジング14の上に蛍光体セラミックス1を設置する。
【0079】
最後に、蛍光体セラミックス1の上に、必要により接着剤を介してレンズ15を設置して、発光装置11の作製を完了する。
【0080】
この発光装置11によれば、蛍光層2と非蛍光層3とを備え、強度が向上された蛍光体セラミックス1を備えているため、蛍光体セラミックス1を容易にハウジング14の上に設けることができ、目的とする発光色度を容易に実現することができる。
【0081】
なお、上記した実施形態では、1つの発光ダイオード13を有する発光装置11を示しているが、発光装置11に備えられる発光ダイオード13の数は、特に限定されず、発光装置11を、例えば、複数の発光ダイオード13を、平面的(二次元的)または直線的(一次元的)に並べたアレイ状に形成することもできる。
【0082】
また、上記した実施形態では、蛍光体セラミックス1の上に、半球状のレンズ15を設けたが、レンズ15の替わりに、例えば、マイクロレンズアレイシート、拡散シートなどを設けることもできる。
【実施例】
【0083】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例等により何ら限定されるものではない。
1.蛍光層用粒子の作製
作製例1
硝酸イットリウム六水和物283.95g、硝酸アルミニウム九水和物474.62g、硝酸セリウム六水和物4.07gを1000mlの蒸留水に溶解させ、2Mの前駆体溶液(Y原子に対するCe原子の割合:1.25原子%)を調製した。
【0084】
この前駆体溶液を、二流体ノズルを用いて、RF誘導プラズマ炎中に10ml/minの速度で噴霧し、熱分解することにより、前駆体粒子を得た。
【0085】
得られた前駆体粒子の結晶相は、X線回折法により分析したところ、アモルファスとYAP(イットリウム・アルミニウム・ぺロブスカイト、YAlO)結晶との混合相であった。
【0086】
また、得られた前駆体粒子の平均粒子径(自動比表面積測定装置(Micrometritics社製、モデルGemini 2365)を用いたBET(Brunauer−Emmett−Teller)法により測定した。)は、約75nmであった。
【0087】
次に、得られた前駆体粒子を、アルミナ製のるつぼに入れ、電気炉にて、1200℃で2時間仮焼成して、蛍光層用粒子(YAG:Ce−1.25%と表記する。)を得た。
【0088】
得られた蛍光層用粒子の結晶相は、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)結晶の単一相であった。
【0089】
また、得られた蛍光層用粒子の平均粒子径は、約95nmであった。
【0090】
作製例2
硝酸イットリウム六水和物と硝酸セリウム六水和物の配合比を調整し、Y原子に対するCe原子の割合を0.5原子%とした以外は、上記した作製例1と同様にして、蛍光層用粒子組成物(YAG:Ce−0.5%と表記する。)を得た。
【0091】
作製例3
硝酸イットリウム六水和物と硝酸セリウム六水和物の配合比を調整し、Y原子に対するCe原子の割合を0.125原子%とした以外は、上記した作製例1と同様にして、蛍光層用粒子(YAG:Ce−0.125%と表記する。)を得た。
【0092】
作製例4
酸化イットリウム粒子11.233g、酸化アルミニウム粒子8.560g、酸化セリウム粒子0.2167gを混合し、Y原子に対するCe原子の割合が1.25原子%の蛍光層用粒子(SSR−YAG:Ce−1.25%と表記する。)を得た。
2.非蛍光層用粒子の作製
酸化イットリウム粒子11.412gと、酸化アルミニウム粒子8.588gとを混合し、非蛍光層用粒子(SSR−YAGと表記する。)を得た。
3.蛍光体セラミックスの作製
実施例1
(1)蛍光層用粒子分散液の調製
上記した作製例1で得られた蛍光層用粒子20gに対して、バインダー樹脂として、PVB(poly(vinyl butyral−co−vinyl alcohol−co−vinyl acetate)1.2g、分散剤として、フローレンG−700(共栄社化学株式会社製)0.4g、可塑剤として、BBP(benzyl n−butyl phthalate)0.6gおよびPEG(polyethylene glycol、分子量=400)0.6g、焼結助剤として、TEOS(tetraethoxysilane)0.1g、溶媒として、キシレン6mlおよびメタノール6mlを、アルミナ製容器に仕込み、1500rpmのスピードで24時間、ボールミル(直径3mmのイットリウム安定化ジルコニアボールを使用)により湿式混合した。
【0093】
これにより、蛍光層用粒子が分散された蛍光層用粒子分散液を調製した。
(2)非蛍光層用粒子分散液の調製
蛍光層用粒子を非蛍光層用粒子に替えた以外は、上記した蛍光層用粒子分散液と同様に、ボールミルにより湿式混合することにより、非蛍光層用粒子が分散された非蛍光層用粒子分散液を調製した。
(3)セラミックグリーンシート積層体の作製
上記した蛍光層用粒子分散液および非蛍光層用粒子分散液を、それぞれ、ドクターブレード法によりPETフィルム上にテープキャスティングし、自然乾燥することで、上記した蛍光層用粒子および非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートをそれぞれ作製した。なお、各セラミックグリーンシートの厚みは、ドクターブレードのギャップを調整することで制御した。
【0094】
蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートと、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートとを、それぞれ、PETフィルムから剥離させ、20mm×20mmのサイズに切り出した。
【0095】
その後、蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシート1枚を、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシート2枚で挟むように、蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートと、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートとを重ね合わせて、2軸ホットプレスを用いて温度90℃にて熱ラミネートした。
【0096】
これにより、セラミックグリーンシート積層体を作製した。
(4)セラミックグリーンシート積層体の焼成
得られたセラミックグリーンシート積層体を、電気マッフル炉にて、空気中、1℃/minの昇温速度で800℃まで加熱し、バインダー樹脂等の有機成分を分解除去する脱バインダー処理を実施した。
【0097】
その後、高温真空炉にサンプルを移し、約10−3Torrの真空中、5℃/minの昇温速度で1700℃まで加熱し、その温度で5時間焼成することで、蛍光体セラミックスを得た。
【0098】
蛍光体セラミックスは、焼成により、厚みおよびサイズともに、セラミックグリーンシート積層体のサイズから、およそ20%収縮した。
【0099】
得られた蛍光体セラミックスは、非蛍光層(150μm)/蛍光層(42μm)/非蛍光層(150μm)、全層の厚みが342μmであった。
【0100】
実施例2
蛍光層用粒子として作製例2で得られた蛍光層用粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、非蛍光層(150μm)/蛍光層(71μm)/非蛍光層(150μm)、全層の厚みが371μmの蛍光体セラミックスを作製した。
【0101】
実施例3
蛍光層用粒子として作製例4で得られた蛍光層用粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして、非蛍光層(150μm)/蛍光層(58μm)/非蛍光層(150μm)、全層の厚みが358μmの蛍光体セラミックスを作製した。
【0102】
実施例4
非蛍光体層の厚みを変えた以外は、実施例1と同様にして、非蛍光層(200μm)/蛍光層(42μm)/非蛍光層(50μm)、全層の厚みが292μmの蛍光体セラミックスを作製した。なお、非蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートは、100μmのセラミックグリーンシートを2枚重ねることにより、200μmに調整した。
【0103】
実施例5
非蛍光体層の厚みを、100μmのセラミックグリーンシートと、150μmのセラミックグリーンシートとを重ねることにより、250μmに調整した以外は、実施例4と同様にして、非蛍光層(250μm)/蛍光層(42μm)/非蛍光層(250μm)、全層の厚みが542μmの蛍光体セラミックスを作製した。
【0104】
実施例6
100μmのセラミックグリーンシートと、150μmのセラミックグリーンシートとを重ねることにより、250μmに調整した非蛍光体層と、蛍光体層とを積層して2層構造とした以外は、実施例2と同様にして、非蛍光層(250μm)/蛍光層(71μm)、全層の厚みが321μmの2層構造を有する蛍光体セラミックスを作製した。
【0105】
比較例1
作製例1で得られた蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートのみから、1層の蛍光体層(YAG:Ce−1.25%(厚み42μm))のみ備える蛍光体セラミックスの作製を試みた。
【0106】
しかし、セラミックグリーンシートが薄すぎたため、取り扱いが困難であり、脱バインダー処理や焼結時に、反りやひび割れが多発した。また、得られた蛍光体セラミックスは、切り出し時に容易に割れてしまい、十分なサイズを有する平坦なサンプルを得ることができなかった。
【0107】
比較例2
作製例2で得られた蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートのみから、1層の蛍光体層(YAG:Ce−0.5%(厚み71μm))のみ備える蛍光体セラミックスの作製を試みた。
【0108】
しかし、比較例1と同様に、セラミックグリーンシートおよび得られた蛍光体セラミックスの取り扱いが困難であり、十分なサイズを有する平坦なサンプルを得ることができなかった。
【0109】
比較例3
作製例2で得られた蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートを2つ積層し、1層の蛍光体層(YAG:Ce−0.5%(厚み142μm))のみ備える蛍光体セラミックスを作製した。
【0110】
各実施例と比較すると、焼結により少し反りが発生した。
【0111】
比較例4
作製例3で得られた蛍光層用粒子からなるセラミックグリーンシートのみから、1層の蛍光体層(YAG:Ce−0.125%(厚み237μm))のみ備える蛍光体セラミックスを作製した。
【0112】
比較例5
2液混合タイプの熱硬化性シリコーンエラストマー(信越シリコーン社製、品番KER2500)に、市販のYAG蛍光体粉末(Phosphor Tech社製、品番BYW01A、平均粒子径9μm)を20質量%の割合で分散させ、蛍光体分散液を調製した。
【0113】
次いで、蛍光体分散液を、アプリケーターを用いてPETフィルム上に約200μmの厚みに塗工し、100℃で1時間、150℃で1時間加熱することにより、蛍光体分散樹脂シートを作製した。
【0114】
このシートをPETフィルムから剥離し、サイズ3.5mm×2.8mmに切断することにより、YAG:Ce粉末分散シートを作製した。
5.評価用発光ダイオード素子の作製
キャビティー付き多層セラミック基板(住友金属エレクトロデバイス社製、品番207806、外寸:3.5mm×2.8mm、キャビティー:長軸方向が2.68mm、短軸方向が1.98mm、高さ0.6mmtの略楕円形)のキャビティー内に、青色発光ダイオードチップ(クリー社製、品番C450EZ1000−0123、980μm×980μm×100μmt)をAu−Snはんだにてダイアタッチし、Au線にて発光ダイオードチップの電極から多層セラミック基板のリードフレームにワイヤボンディングすることで、青色発光ダイオードチップ1個を実装した発光ダイオードパッケージを作製した。
【0115】
別途、実施例1〜6、および、比較例3〜5の蛍光体セラミックス、または、YAG:Ce粉末分散シートを、ダイヤモンドブレードを具備したダイシング装置により、後述の発光ダイオードパッケージの外寸(3.5mm×2.8mm)に合わせて切り出した。
【0116】
キャビティー内をゲル状シリコーン樹脂で満たし、切り出した蛍光体セラミックスまたはYAG:Ce粉末分散シート(サイズ3.5mm×2.8mm)を、ゲル状シリコーン樹脂を介して設置し、発光装置を作製した。
【0117】
また、多層セラミックス基板の底部に設けられている、はんだパッドに、少量のはんだペースト(製品名Chip Quik、品番SMD291SNL)を塗り、これを市販のスター型アルミ基板(Bergquist社製、製品名Thermal Clad、品番803291)の電極パターンに合わせて設置し、260℃でリフローすることにより、発光装置をスター型アルミ基板にはんだ付けした。
【0118】
さらにこのスター型アルミ基板の裏面に、熱伝導性のグリース(ITW CHEMTRONICS社製、品番CT40−5)を薄く塗り、アルミ製のヒートシンク(WAKEFIELD THERMAL SOLUTIONS社製、品番882−50AB)に前述のグリースを介して貼着した。
6.評価
(1)蛍光体セラミックスの全光線透過率の測定
瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、MCPD 7000)と積分球とを具備した透過率測定ステージ(大塚電子社製)を、専用の光ファイバーを用いて接続し、波長380nmから1000nmの範囲で全光線透過率を測定した。
【0119】
詳しくは、測定時の入射光のスポットサイズを約2mmΦに調整し、蛍光体セラミックスを設置していない状態の透過率を100%として、各実施例および比較例の蛍光体セラミックスの全光線透過率を測定した。
【0120】
蛍光体セラミックスの吸収に伴い、全光線透過率は波長依存性を示すが、透明性(拡散性)を評価する指標として、蛍光体層(YAG:Ce)に吸収がない波長700nmの値を採用した。結果を表1に示す。
(2)発光装置の発光特性の測定
瞬間マルチ測光システム(大塚電子社製、MCPD 7000)と、内径が12インチの積分球とを、専用の光ファイバーで接続し、波長380nmから1000nmの範囲で、発光装置の発光スペクトルを測定した。
【0121】
詳しくは、発光装置を積分球内の中心部に設置し、発光ダイオードに100mAの直流電流を印加して点灯した。発光スペクトルは、発光ダイオードの動作安定化のため、電力供給後、10秒以上経ってから記録した。得られた発光スペクトルから、発光ダイオード素子の放射強度(mW)およびCIE色度(x,y)の値を算出した。結果を表1に示す。
(3)蛍光体セラミックス表面の温度測定
発光装置に発光ダイオードに1Aの電流を通電した際の、蛍光体セラミックスの温度を赤外線カメラ(FLIR Systems社製、製品名Infrared Camera A325)を用いて測定した。結果を表1に示す。また、図3に、サンプルの駆動電流と、蛍光体セラミックスの表面温度との関係を示した。
【0122】
【表1】

【符号の説明】
【0123】
1 蛍光体セラミックス
2 蛍光層
3 非蛍光層
11 発光装置
12 回路基板
13 発光ダイオード
14 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光を発光できる、少なくとも1つの蛍光層と、
前記蛍光層に積層され、蛍光を発光しない、少なくとも1つの非蛍光層と
を備えることを特徴とする、蛍光体セラミックス。
【請求項2】
前記蛍光層と前記非蛍光層とは、1つの前記蛍光層が2つの前記非蛍光層の間に挟まれるように、積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の蛍光体セラミックス。
【請求項3】
前記蛍光層の厚みの総和は、100μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の蛍光体セラミックス。
【請求項4】
前記蛍光層は、基体材料と、蛍光を発光させるための蛍光性付与材料とを含有し、
前記非蛍光層は、前記蛍光性付与材料を含有せずに、前記蛍光層と同様の前記基体材料を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体セラミックス。
【請求項5】
外部から電力が供給される回路基板と、
前記回路基板の上に電気的に接合され、前記回路基板からの電力により発光する発光ダイオードと、
前記発光ダイオードを囲むように前記回路基板の上に設けられ、上端部が、前記発光ダイオードの上端部よりも上側に配置されるハウジングと、
前記ハウジングの上に設けられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光体セラミックスと
を備えることを特徴とする、発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−15254(P2012−15254A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149094(P2010−149094)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】