説明

融解サーメット製品

本発明は、ドープされていてもよい酸化セリウムCeO,ニッケルNi及び/又はコバルトCoの溶融されたサーメットを含む、溶融されたサーメット物質において、該サーメットが、共晶構造を有し、酸化セリウム、ニッケル、コバルトの含有量がモル%で0.351Ni+0.136Co≦(CeO+ドーパント)≦0.538Ni+0.282Coである、前記溶融されたサーメットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融解サーメット製品、特に固体酸化物形燃料電池(SOFC)のスタックの要素、特にそのような電池スタックのアノード、を製造するための融解サーメット製品に関する。本発明は、融解サーメット製品の前駆体並びに該融解サーメット製品及び該サーメット前駆体の製造方法にもまた関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、ホットプレス操作により製造された固体酸化物形燃料電池(SOFC)スタック10の例を断面において模式的に示す。スタック10は第一及び第二の基本の電池12及び14をそれぞれ含み、該電池は連結層16により分離されている。第一及び第二の基本の電池は似た構造を有しているので、第一の基本の電池12のみが記載されている。第一の基本の電池12は、続いて、アノード18、電解質層20、及びカソード22を含む。アノード18は、アノード機能層(AFL)24(電解質層20と接触している)及びアノード支持層26からなる。アノード18は、例えばスクリーンプリントすることによりアノード機能層24をアノード支持層26の上に堆積させることから方法により一般的に製造される。この段階において、複数の層24及び26は、最終的なアノード物質の前駆体に基づいていてもよい。次に、焼結硬化段階が行われる。
【0003】
燃料電池スタックを製造するために使用されることのできる燃料電池スタック又は物質は、例えば国際公開第2004/093235号、欧州特許第1796191号、米国特許出願公開第2007/0082254号、欧州特許第1598892号又は欧州特許第0568281号に記載されている。
【0004】
イットリアで安定化されたジルコニア及びニッケル(Ni−YSZ)に基づく多孔質のサーメットは、アノード機能層を製造するために広く使用されている。これらのサーメットは特にJ.Am.Ceram.Soc.,第88巻、3215〜3217頁(2005年)の「自己集合されたNiO−YSZの指向的に固化された共晶物から製造されたチャンネルを設けられたNi−YSZサーメットの安定性」という題名の論文及びJournal of the European Ceramic Society 第25巻、1455〜1462頁(2005年)における「指向的に固化された共晶複合体から製造された構造化された多孔質Ni及びCo−YSZサーメット」という題名の論文において特に研究されている。これらの論文は、固体酸化物形燃料電池を製造するために使用され得る、イオン的かつ電子的に伝導する多孔質のラメラ構造を製造するための方法を特に記載している。
【0005】
Journal of the European Ceramic Society 第24巻、1349〜1353頁(2004年)における論文「アノードに支持された固体酸化物形燃料電池における指向的に固化されたカルシアで安定化されたジルコニア−ニッケル酸化物プレート」もまた、カルシアに安定化されたジルコニア及びニッケル(Ni−CaSZ)に基づくサーメットを記載している。
【0006】
さらに、J. Am. Ceram. Soc.第86巻、1567〜1570頁における論文「CeO−CoO相ダイアグラム」は、不規則な共晶構造を有する20モル%CeO/80モル%CoO化合物を開示している。固化の間の冷却速度、即ち「固化速度」は10℃/分、即ち0.16K/秒である。その文献に従うと、共晶構造は82±1.5モル%のCoO含有量の場合可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2004/093235号
【特許文献2】欧州特許第1796191号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0082254号明細書
【特許文献4】欧州特許第1598892号明細書
【特許文献5】欧州特許第0568281号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「自己集合されたNiO−YSZの指向的に固化された共晶物から製造されたチャンネルを設けられたNi−YSZサーメットの安定性」,J.Am.Ceram.Soc.,第88巻、3215〜3217頁(2005年)
【非特許文献2】「指向的に固化された共晶複合体から製造された構造化された多孔質Ni及びCo−YSZサーメット」,Journal of the European Ceramic Society、第25巻、1455〜1462頁(2005年)
【非特許文献3】「アノードに支持された固体酸化物形燃料電池における指向的に固化されたカルシアで安定化されたジルコニア−ニッケル酸化物プレート」,Journal of the European Ceramic Society, 第24巻、1349〜1353頁(2004年)
【非特許文献4】「CeO2−CoO相ダイアグラム」,J. Am. Ceram. Soc.第86巻、1567〜1570頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
アノード機能層の操作を最適化するために、それがエージングするにつれて、例えば750℃の温度に300時間付された後に、その性質、特にその多孔性、を実質的に保持できる多孔質の物質に対するニーズがある。
【0010】
本発明の目的はこのニーズを満たすことである。
【0011】
本発明に従うと、この目的は、ドープされていてもよい酸化セリウムCeO,ニッケルNi及び/又はコバルトCoに基づく融解サーメットを含む融解サーメット製品により達成され、該サーメットは、共晶構造を有し、
0.351Ni+0.136Co≦(CeO+ドーパント)≦0.538Ni+0.282Co
である酸化セリウム、可能性のあるドーパント、ニッケル、コバルトの百分率モル含有量を有する。
【0012】
本明細書の残りにおいてより詳細に見られるように、「本発明に従うサーメット」と呼ばれるこのサーメットは、SOFCスタック、特にアノード機能層、における使用に適切にする性質を有利に有する。
【0013】
本発明に従うサーメット製品の100%への残余は、不純物及び好ましくは0.351NiO+0.136CoO≦(CeO+ドーパント)≦0.538NiO+0.282CoOの割合の酸化ニッケル及び/又は酸化コバルトから成る。好ましくは、サーメットがNiを含まないとき、100%への残余はNiOを含まない。好ましくは、サーメットがCoを含まないとき、100%への残余はCoOを含まない。
【0014】
好ましくは、本発明に従うサーメットは、本発明に従うサーメット製品の質量の50%超、70%超、90%超、95%超、98%超、又は実質的に100%さえを占める。
【0015】
本発明に従うサーメットは、以下の選択的な特徴の1以上をさらに有していてもよい(それらが両立しない程度まで):
【0016】
− 0.370Ni+0.176Co≦(CeO+ドーパント)≦0.493Ni+0.250Co;
【0017】
− 0.399Ni+0.198Co≦(CeO+ドーパント)≦0.460Ni+0.227Co;
【0018】
− サーメット組成物は1%未満のニッケルを含み、好ましくはニッケルを含まない;
【0019】
− 0.136Co≦(CeO+ドーパント)≦0.282Co;
【0020】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 12%〜22%
− Co: 78%〜88%;
【0021】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 15%〜20%
− Co: 80%〜85%;
【0022】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 16.5%〜18.5%
− Co: 81.5%〜83.5%;
【0023】
− サーメットは以下の組成を有する
− (CeO+ドーパント): 17.5%〜18.2%,
− Co: 81.8%〜82.5%;
【0024】
− サーメットは以下の組成を有する:
− (CeO+ドーパント): 18%
− Co: 82%;
【0025】
−サーメットは1%未満のコバルトを含み、好ましくはコバルトを含まない
【0026】
− 0.351Ni≦(CeO+ドーパント)≦0.538Ni;
【0027】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 26%〜35%
− Ni: 65%〜74%;
【0028】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 27%〜33%
− Ni: 67%〜73%;
【0029】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 28.5%〜31.5%
− Ni: 68.5%〜71.5%;
【0030】
− サーメットは以下の組成を有する
− (CeO+ドーパント): 30.2%
− Ni: 69.8%;
【0031】
− 酸化セリウムCeOはドープされていないか、又はランタノイド(57〜71の原子番号を有する周期表の元素)から選択された元素(但しセリウム及びその混合物を除く)、イットリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、好ましくはサマリウム及び/又はガドリニウムから選択された元素でドープされている;
【0032】
− 一つの実施態様において、ドーパントは、ランタノイドから選択され、但しセリウム及びサマリウムを除く;
【0033】
− セリウムカチオン及びドーパントカチオンの含有量の合計に基づいて、酸化セリウムCeOのドーパントのモル含有量は8%超、及び/又は25%未満である;
【0034】
− モル百分率で酸化セリウムCeOの90%超、95%超、又は実質的に100%さえが好ましくはサマリウム及び/又はガドリニウムでドープされている;
【0035】
− 酸化セリウムCeOはサマリウムだけでドープされている;
【0036】
− セリウム及びサマリウムのモル含有量の合計に基づくサマリウムのモル含有量は、16%超及び/又は24%未満、好ましくは、実質的に20%である。
【0037】
− 酸化セリウムCeOはガドリニウムだけでドープされている。
【0038】
− セリウム及びガドリニウムのモル含有量の合計に基づくガドリニウムのモル含有量は8%超及び/又は14%未満であり、好ましくは実質的に10%である;
【0039】
− 酸化セリウム、ニッケル、コバルト、サマリウム及びガドリニウムはモル百分率で、サーメットの95%超、98%超、99%超、又は実質的に100%を占める。好ましくは100%への残余は不純物からなる;
【0040】
− サーメットは、20%超、好ましくは25%超、又は30%又は40%超の、そして50%に達する全体的な多孔性、好ましくは均一に分布している多孔性、を有する。
【0041】
− サーメットは25%〜60%、好ましくは30%〜45%、好ましくは30%〜40%の開放型の多孔性(open porosity)を有する。
【0042】
− サーメットは、5%未満、好ましくは2%未満、そしてより好ましくは1重量%未満の不純物を有する。
【0043】
本発明は、電極、特にアノード、領域を有するもの、特に機能性アノードにもまた関し、該アノード及び/又は該機能性アノードは本発明に従う融解サーメット製品から作られた粒子の粉末から形成される。本発明は、本発明に従うアノードを含む固体酸化物形燃料電池スタックの基本電池及びそのような燃料電池スタックにもまた関する。
【0044】
本発明は、融解サーメット前駆体にもまた関し、該前駆体の組成は、還元により、本発明に従うサーメット製品をもたらすように採用されるが、不規則な共晶構造を有するCeO/CoOサーメット前駆体は除く。
【0045】
本発明は、ドープされたCeO/CoO融解サーメット前駆体に、CeO/NiO融解サーメット前駆体(このCeOは任意的にドープされていてもよい)に、及びラメラ及び/又は繊維状の共晶構造を有するCeO/CoO融解サーメット前駆体に、特に関する。
【0046】
本発明は、任意的にドープされていてもよい酸化セリウムCeO、5重量%未満の不純物、及び100%への残余として、酸化ニッケルNiO及び/又は酸化コバルトCoOを含む融解サーメット前駆体であって、酸化セリウム、酸化ニッケル、および酸化コバルトの百分率モル含有量は、
0.351NiO+0.136CoO≦(CeO+ドーパント)≦0.538NiO+0.282CoO
である融解サーメット前駆体に特に関する。
【0047】
このサーメット前駆体は、還元操作により、本発明に従う融解サーメット製品を製造することを可能にする。特に、本発明に従うサーメット製品は、以下の任意的な特徴の1以上を有していてもよい。
【0048】
− 0.370NiO+0.176CoO≦(CeO+ドーパント)≦0.493NiO+0.250CoO;
【0049】
− 0.399NiO+0.198CoO≦(CeO+ドーパント)≦0.460NiO+0.227CoO;
【0050】
− サーメット前駆体はニッケルを含まない;
【0051】
− 0.136CoO≦(CeO+ドーパント)≦0.282CoO;
【0052】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント) 12%〜22%
− CoO 78%〜88%
【0053】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント) 15%〜20%
− CoO 80%〜85%
【0054】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント) 16.5%〜18.5%
− CoO 81.5%〜83.5%
【0055】
− サーメット前駆体は以下のモル組成を有する:
− (CeO+ドーパント) 17.5%〜18.2%
− CoO 81.8%〜82.5%
【0056】
− サーメット前駆体は以下のモル組成を有する:
− (CeO+ドーパント) 18%
− CoO 82%
【0057】
− サーメット前駆体はコバルトを含まない;
【0058】
− 0.351NiO≦(CeO+ドーパント)≦0.538NiO;
【0059】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント) 26%〜35%
− NiO 65%〜74%
【0060】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント) 27%〜33%
− NiO 67%〜73%
【0061】
− 不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント) 28.5%〜31.5%
− NiO 68.5%〜71.5%
【0062】
− サーメット前駆体は、共晶に相当する以下のモル組成を有する
− (CeO+ドーパント) 30.2%
− NiO 69.8%
【0063】
− 酸化セリウムCeOはドープされていないか、又はランタノイド(57〜71の原子番号を有する周期表の元素)から選択された元素(但しセリウム及びその混合物を除く)、イットリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、好ましくはサマリウム及び/又はガドリニウムから選択された元素でドープされている;
【0064】
− セリウムカチオン及びドーパントカチオンの含有量の合計に基づく、酸化セリウムCeOのドーパントのモル含有量は8%超、及び/又は25%未満である;
【0065】
− モル百分率で酸化セリウムCeOの90%超、95%超、又は実質的に100%さえが好ましくはサマリウム及び/又はガドリニウムでドープされている;
【0066】
− 酸化セリウムCeOはサマリウムだけでドープされている;
【0067】
− セリウム及びサマリウムのモル含有量の合計に基づくサマリウムのモル含有量は16%超及び/又は24%未満、好ましくは、実質的に20%である。
【0068】
− 酸化セリウムCeOはガドリニウムだけでドープされている。
【0069】
− セリウム及びガドリニウムのモル含有量の合計に基づくガドリニウムのモル含有量は8%超及び/又は14%未満、好ましくは、実質的に10%である。
【0070】
− 酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、サマリウム及びガドリニウムはモル百分率で、サーメット前駆体の95%超、98%超、99%超、又は実質的に100%を占める;そして
【0071】
− サーメット前駆体は、5%未満、好ましくは2%未満、そしてより好ましくは1重量%未満の不純物を有する。
【0072】
本発明に従うサーメット及びサーメット前駆体は、以下の任意的な特徴の1以上をもまた有していてもよい。
− サーメット又はサーメット前駆体は、ラメラ及び/又は繊維状構造を有する;ラメラ構造において、2つのラメラの間の平均間隔は特に0.2μm超、好ましくは0.3μm超、及び/又は6μm未満、好ましくは4μm未満である;
【0073】
− サーメット又はサーメット前駆体は、融解されたビーズ、粒子の粉、融解された板、融解されたブロック、又はそのような融解された板又はそのような融解されたブロックを粉砕することから生じる粒子の形をとる;
【0074】
− サーメット又はサーメット前駆体は、焼結されることのできる粉末の形、そのような粉末から得られるプレフォーム即ち「グリーン」部品、又はそのようなプレフォームから得られる焼結された物、特に焼結された部品又は層の形をとる。プレフォーム又は焼結された物は、2mm未満、1mm未満、又は500μm未満の厚さを有する層の形を特にとる。
【0075】
− サーメット又はサーメット前駆体は、20%超、好ましくは25体積%〜50体積%、好ましくは27体積〜45体積%、より好ましくは30体積〜40体積%の合計多孔性を有する焼結された物の形をとる。
【0076】
本発明は、以下の順次の段階、
a)CeO,CoO及び/又はNiOを与える粒状の原料、及び/又はこれらの酸化物の1以上の前駆体、及び/又は任意的に酸化セリウムのための1以上のドーパント及び/又はこれらドーパントのための1以上の前駆体が混合されて供給原料を形成する段階;
b)該供給原料が融解されて、溶融された物質を得る段階;
c)該溶融された物質が、完全に固化するまで冷却されて、共晶構造を有する融解された物を得る段階;
d)任意的に、該融解された物が粉砕される段階;
e)任意的に、融解された物(任意的に粉砕されていてもよい)が形成される又は焼結さえされる段階;及び
f)任意的に、該融解された物(任意的に粉砕及び/又は成形及び/又は焼結されていてもよい)が還元されて、Co及び/又はNiに転化されるCoO及び/又はNiOの量を増加させる段階;
を含み、原料は、段階c)の後に、得られた融解された物が本発明に従う融解サーメット製品であるように選択され、段階c)における冷却は、該溶融された物質及び/又は該融解された物を還元性流体と接触させることによる製造方法にもまた関する。
【0077】
好ましくは、段階b)において使用される炉は、誘導炉、プラズマトーチ、アーク炉又はレーザーから選択される。
【0078】
再び好ましくは、段階f)における還元は焼結と同時に行われる。
【0079】
定義
用語「サーメット」は、慣用的に、セラミック相と金属相との両方を含む複合物質を意味する。明確性のために、「サーメット製品」と「サーメット」は本明細書では区別され、サーメット製品はサーメット及び任意的に他の化合物、特に還元されなかったNi又はCoの酸化物を含む。
【0080】
ある物が原料物質を融解すること及び冷却による固化を含む方法により得られるとき、該物は、「融解された」と、慣用的に言われる。
【0081】
用語「共晶物」は、共晶組成物を溶融させ、続いて該溶融された物質を冷却することによる固化により得られた構造又は形態を慣用的に意味する。W.Kurz及びD.J.Fisherによる書籍、「固化の基礎」、第3版、株式会社Trans.Tech. Publications、スイス(1989年)における「固化の微細構造:共晶物と包晶物」の章は共晶物の構造を記載している。
【0082】
本発明者らの知識では、溶融させる段階は共晶構造を得るために必須である。特にM.Chenらによる論文「IT−SOFCアノードのためにNi−SDCサーメットの合成と性能」、データベース コンペンデックスエンジニアリングインフォメーションインク、ニューヨーク、米国、は共晶構造をもたらさない「尿素の燃焼」によるサーメットの製造方法を記載している。
【0083】
共晶構造を得るためには、共晶組成物を使用することもまた必要である。そのような組成物は、酸化物のある組み合わせの場合のみ存在し、それが存在するとき、該酸化物の割合は問題の酸化物に依存する。2つの共晶組成物が一つの酸化物を共通して有していても、共晶組成物が得られることを可能にするかもしれない他の酸化物の含有量は、この他の酸化物の性質に依存する。例えばMgO−ZrO及びSrO−ZrOの共晶組成物は、MgO/ZrOはSrO/ZrOと異なるような組成物である。
【0084】
即ち、もし刊行物が2つの酸化物の共晶組成物を記載しており、これらの酸化物の1つを変化させることが想定されるならば、新しい酸化物との共晶組成物がやはり存在することの保障はありえず、そのような共晶組成物が得られることを可能にする割合を先験的に決定することはさらにできそうにもない。
【0085】
本発明に従うサーメット前駆体の共晶構造は2つのタイプ:規則的(通常)又は不規則(異常)、であり得る。
【0086】
本発明に従うサーメット前駆体の規則的な構造は2つの成長形態、ラメラ又は繊維状のもの、を有し、該形態には共晶物の複数の相の間に結晶学上の明らかな関係がある。
【0087】
ラメラの形態は、小板状体のスタッキングであって、酸化セリウム及びコバルト又はニッケル酸化物により交互に構成されたものに相当する。ラメラが固化するに連れて、成長面D1(図6B)はラメラの平面において移動する。ラメラ構造は、20K/秒より速い固化段階における固化段階を含む共晶混合物の溶融による製造方法から特に生じ得る。より遅い速度、例えば10K/秒もまたラメラ構造を導き得るが、その後、これを確認するためにチェックが必要である。
【0088】
繊維状の形態は繊維の形の相の一つが第二相により形成された連続マトリックスに埋め込まれている形態に相当する。そうすると、繊維の軸は、成長面Df(図6A)の伝播の方向に平行である。繊維状構造は、特に20K/秒未満、10K/秒未満、又は5K/秒未満の固化速度を有する固化段階を含む、共晶混合物の溶融による製造方法から特に生じ得る。しかし、20K/秒未満の固化速度でも、組成物に依存して、ラメラ及び繊維状の形態の混合物に相当する構造もまた得られ得る。
【0089】
1K/秒超の固化速度は、規則的なの共晶構造を得るために好ましい。これは、本発明者らが、1K/秒未満の固化速度が、より低い融点を有する酸化物(CoO及び/又はNiO)の昇華を促し、この昇華は非共晶の相(CeO)をおそらく発生させ、このようにして不規則な共晶構造を促進することを発見したからである。この観察はJ.Am.Ceram.Soc.,第86巻、1567〜1570頁の論文「CeO− CoO相ダイアグラム」の教示と一致する。
【0090】
繊維は共晶物の成長面の伝播方向に沿って一般的に成長するが(図6Cおよび6D)、不規則な共晶構造には、2つの相の方向の間には関連性はない。
【0091】
拡張して、用語「共晶構造」は、共晶構造を有するサーメット前駆体の還元から生じる物質の構造をもまた意味する。
【0092】
「ドーパント」は、セリウムカチオン以外の金属カチオンであって、通常は固体溶液において、CeOの結晶格子内に取り込まれている金属カチオン、つまり酸化セリウム内において挿入及び/又は置換カチオンとして存在する金属カチオンである。
【0093】
酸化セリウムCeOが「あるドーパントでx%までドープされている」と言われたとき、これは、該ドープされた酸化セリウムにおいて、ドーパントの量はドーパントカチオン及びセリウムカチオンの合計量に基づくドーパントカチオンのモル百分率であることを慣用的に意味する。例えば、ガドリニウム(Gd)で10モル%までドープされた酸化セリウムにおいては、セリウムカチオンの10モル%がガドリニウムカチオンで置換されている。Gdで10モル%までドープされているそのような酸化セリウムは、式Ce0.9Gd0.11.95により一般的に記載される。同様に、サマリウム(Sm)で20モル%までドープされた酸化セリウムでは、セリウムカチオンの20モル%がサマリウムカチオンで置換されている。Smで20モル%までドープされているそのような酸化セリウムは、式Ce0.8Sm0.21.9により一般的に記載される。
【0094】
表現「(CeO+ドーパント)」は、セリウムカチオンとドーパントのモル含有量の合計を意味すると理解されたい。
【0095】
CeO、CoO,NiO又はドーパントに基づく前駆体は、融解させること、続く冷却することによる固化を含む方法により、それぞれ、これらの酸化物の形成をもたらすことのできる化合物である。
【0096】
サーメット製品の前駆体は、還元条件下、本発明に従うサーメット製品を生じることのできる物質である。
【0097】
表現「粒子のサイズ」は、レーザー粒子サイズ分析器を使用して粒子サイズ分布の特徴により慣用的に与えられる粒子のサイズを意味すると理解さえたい。本明細書において使用されるレーザー粒子サイズ分析器は堀場製作所製のPartica LA−950装置である。
【0098】
用語「不純物」は、原料と一緒に故意でなくかつ不可避的に導入された、又はこれらの成分との反応から生じた避けがたい成分を意味すると理解されたい。不純物は、必要な成分でないだけでなく、単に許容されているだけである。例えばナトリウム及び他のアルカリ金属、鉄、バナジウム、及びクロムの酸化物、窒化物、酸化窒化物、カーバイド、オキシカーバイド、カーボナイトライド、及び金属種の群の一部から形成される化合物は、もしその存在が所望されないのであれば、不純物である。
【0099】
「Co」及び「Ni」により金属コバルト及び金属ニッケルが意味される。
【0100】
他に明記されない限り、すべての百分率はモル百分率である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に従う固体酸化物形燃料電池(SOFC)の断面の模式図である。
【図2a】本発明に従うサーメット前駆体CeO−CoOのマイクログラフである。
【図2b】本発明に従うサーメット前駆体CeO−CoOのマイクログラフである。
【図2c】本発明に従うサーメット前駆体CeO−CoOのマイクログラフである。
【図2d】本発明に従うサーメット前駆体CeO−CoOのマイクログラフである。
【図2e】本発明に従うサーメット前駆体CeO−CoOのマイクログラフである。
【図2f】本発明に従うサーメット前駆体CeO−CoOのマイクログラフである。
【図3a】10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図3b】10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図3c】10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図3d】10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図3e】10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図3f】10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図4a】750℃における還元処理後の、10モル%GdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図4b】750℃における還元処理後の、10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図4c】750℃における還元処理後の、10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図4d】750℃における還元処理後の、10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図4e】750℃における還元処理後の、10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図4f】750℃における還元処理後の、10モル%のGdでドープされたCeO−CoOのマイクログラフである。
【図5】本発明に従うサーメット前駆体CeO−NiOのマイクログラフである。
【図6A)】規則的な共晶の形態を説明するダイアグラムである。
【図6B)】規則的な共晶の形態を説明するダイアグラムである。
【図6C)】不規則な共晶の形態を説明するダイアグラムである。
【図6D)】不規則な共晶の形態を説明するダイアグラムである。
【図7(a)】実施例のために実行された還元処理を説明するダイアグラムである。
【図7(b)】実施例のために実行された還元処理を説明するダイアグラムである。
【0102】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の記載を読み、添付の図面を調べればより明確に明白になる。
【0103】
図1は本発明に従う固体酸化物形燃料電池(SOFC)の断面の模式図である。
【0104】
以下の図は、本発明に従うサーメット前駆体CeO−CoO(図2a〜2f)及び10モル%のGdでドープされたCeO−CoO(図3a〜3f);750℃における還元処理後の本発明に従う10モル%のGdでドープされたCeO−CoO(図4a〜4f);及び本発明に従うサーメット前駆体CeO−NiO(図5)のマイクログラフを示し、これらのマイクログラフはSEM(走査電子顕微鏡)により撮影された。サーメット前駆体のマイクログラフにおいて、倍率及び固化速度「v」が示されている。図2a〜2f及び3a〜3fにおいて、酸化セリウムCeOは白く見え、酸化コバルトCoOは灰色に見える。図4a〜4dにおいて、酸化セリウムCeOは白く見え、コバルトCoは灰色に見え、孔は黒く見える。図5において、酸化セリウムCeOは白く見え、酸化ニッケルNiOは濃い灰色に見える。
【0105】
図6は、規則的な共晶の形態(図6A)及び6B))、及び不規則な共晶の形態(図6C)及び6d))を説明するダイアグラムである。そして
【0106】
図7(a)及び7(b)は、実施例のために実行された還元処理を説明するダイアグラムを示す。
【0107】
種々の図において見られ得るラメラの方向における向きの変化は、共晶成長の前面の方向の変化のためである。
【発明を実施するための形態】
【0108】
本発明は、本発明に従うサーメット前駆体又は本発明に従う融解サーメット製品を製造する一般的方法において、以下の順次の段階
a)CeO、CoO及び/又はNiOを与える粒状の原料、及び/又はこれら酸化物の1以上の前駆体及び/又は任意的に酸化セリウムのための1以上のドーパント及び/又はこれらのドーパントのための1以上の前駆体が混合されて供給原料を形成する段階;
b)該供給原料が融解されて溶融された物質を得る段階;
c)該溶融された物質が完全に固化するまで冷却されて、共晶構造を有する融解された物を得る段階;
d)任意的に、該融解物が粉砕される段階;
e)粉砕されていてもよい融解物が成形される又は焼結さえされる任意的な段階;及び
f)該融解物、粉砕されてもよく及び/又は成形又は焼結された物がCo及び/又はNiに転化されるCoO及び/又はNiOの量を増加させるために還元される任意的な段階、
を含み、原料は、段階c)の後に、得られた融解物が
【0109】
− 本発明に従う融解サーメット前駆体、特に
0.351NiO+0.136Co≦(CeO+ドーパント)≦0.538NiO+0.282CoOである組成を有する物(含有量は酸化物CeO、CoO,およびNiOの合計モル量に基づくモル百分率として表される)又は
【0110】
− 本発明に従う融解サーメット製品、特に
0.351NiO+0.136Co≦(CeO+ドーパント)≦0.538NiO+0.282Coである組成を有する物(含有量は酸化セリウム、可能性のあるドーパント、ニッケルおよびコバルトの合計モル量に基づくモル百分率として表される)
のいずれかであるように選択される方法に関する。
【0111】
即ち、慣用の溶融方法は、例えば粒子又はブロックの形の種々のサイズの融解サーメット前駆体又はサーメット製品を製造することを可能にする。得られる物(サーメット前駆体又はサーメット製品)の性質は、本製造方法の実施に間に遭遇する酸化−還元条件に依存する。特に段階f)はサーメット製品の量を増加させる。
【0112】
段階a)において、供給原料は本方法が、段階c)、d)又はe)の後に、上記の任意的な特徴の1以上を有していてもよいところの本発明に従うサーメット前駆体をもたらすように適合され得る。
【0113】
酸化物CeO、CoO及び/又はNiO、それらの前駆体、酸化セリウムのドーパント及びその前駆体は好ましくは不純物と共に、供給原料の酸化物の100%を構成する。好ましくは、不純物は、供給原料の酸化物に基づくモル百分率で、
ZrO<0.5%及び/又は
NaO<0.3%及び/又は
Fe<0.2%及び/又は
Al<0.3%及び/又は
CaOが酸化セリウムのドーパントとして意図的に添加されるとき以外は、CaO<0.2%であり、及び/又は
MgOが酸化セリウムのドーパントとして意図的に添加されるとき以外は、MgO<0.2%である
ようなものである。
【0114】
一つの実施態様において、供給原料は尿素を含まない。
【0115】
段階b)において、誘導炉、プラズマトーチ、アーク炉又はレーザーが特に使用され得る。好ましくはアーク炉又は誘導炉が使用される。有利には、このようにして、工業スケールで大量の物を得ることが可能である。
【0116】
段階b)において、溶融させることは、好ましくは酸化条件下で実行されることができる。段階b)における酸化条件は段階c)において維持され得る。
【0117】
段階c)は、完全に又は部分的に、酸化条件下、又は還元条件下で実行され得る。酸化条件下では、段階f)は本発明に従うサーメット製品を得るために必要である。還元条件下では段階f)は有利には任意的であり得る。
【0118】
段階c)において、固化速度は構造、特にラメラ構造の場合の構造、サーメット前駆体又は製造された本発明に従うサーメットの2つのラメラ間の平均距離を決定する。
【0119】
固化速度は、規則的な共晶構造を有する本発明に従うサーメットを製造するように適合され得る。特に該速度は好ましくは1K/秒より速くてもよい。
【0120】
もしラメラ構造が所望されるならば、固化速度は好ましくは20K/秒超である。もし繊維状構造が所望されるならば、固化速度は好ましくは20K/秒未満、好ましくは10K/秒未満、好ましくは5K/秒未満である。
【0121】
任意的な段階d)において、段階c)の後に得られた融解物は次の段階をより容易にするために粉砕され得る。粉砕物の粒子サイズは、その用途に従って適合される。適切であれば、粉砕された粒子は粒子サイズ選択操作、例えばスクリーニング操作、を受ける。
【0122】
粉砕され、スクリーン選別されていてもよい粒子は、0.1μm超、又は1μm超さえ、又は0.3μm超さえ、又は0.5μm超さえ、又は1μm超さえ、又は15μm超さえ、又は20μm超さえ、及び/又は6mm未満、又は4mm未満さえ、又は3mm未満さえ、又は70μm未満さえ、又は50μm未満さえのサイズを有し得る。
【0123】
任意的な段階e)において、物は特に焼結されるように成形される。すべての慣用の成形及び焼結技術が使用され得る。
【0124】
一つの特定の実施態様において、焼結はインシチューで行われ、即ち融解され、場合によって粉砕されてもよい物がその使用位置に、例えばアノード層の形において、置かれた後に行われる。
【0125】
段階f)において、還元は、NiO及びCoO酸化物の少なくともいくらかがNiおよびCoにそれぞれ転化されることをもたらす。この目的のために、段階c)、d)又はe)から得られる本発明に従うサーメット前駆体は還元環境に暴露される。例えば、該前駆体は還元性流体例えば水素を含むガスと接触に至らせられる。
【0126】
該還元性流体は好ましくは少なくとも体積5%、好ましくは少なくとも20体積%、少なくとも50体積%さえの水素(H)を含んでいてもよい。
【0127】
一つの特定の実施態様において、段階f)は部分的に段階e)と同時行われ、還元は焼結と同時行われる。言い換えると、焼結は還元環境で行われる。有利には、本方法の効率はそうすることにより、かなり改善される。
【0128】
段階f)の後に、本発明に従うサーメット製品の粉末が得られる。
【0129】
好ましくは、本方法は、自動開始段階も、自立燃焼段階も含まず、特に上記の論文「IT−SOFCアノードのためのNi−SDCサーメットの合成及び性能」に記載されたタイプのものを含まない。
【0130】
本発明に従うサーメット製品は、高い合計多孔性、典型的には20%超、及び/又は60%未満のもの、を含み得る。サーメットの孔は燃料電池の稼働に必要な触媒反応のいくつかのサイトであるから、サーメットの多孔性は、非常に重要である。孔は、アノードの中へとガスを運搬する手段でもある。多孔性が経時的に安定であるとき、使用中の燃料電池の性能の低下を制限することができる。
【0131】
本発明は、一般的な製造方法の文脈において上述された段階a)及びb)を含む第一の特定の製造方法であって、この第一の方法について、それぞれ「a)」及び「b)」により表示された段階a)及びb)及び以下の段階、
')液体の滴の形の溶融された物質の分散;及び
'')融解サーメット前駆体の粒子を得るための、液体との接触による、これらの液状の滴の固化。
を含む段階c)を含む該第一の特定の製造方法にもまた関する。
【0132】
即ち、供給原料組成物の単純な適合により、慣用の分散方法、例えばブローイング、遠心分離、又は噴霧化は、溶融された物質から本発明に従うサーメット前駆体の粒子を製造することを可能にする。
【0133】
第一の特定の製造方法は、上に列挙された一般的な製造方法の任意的な特徴の1又は複数さえも有し得る。
【0134】
段階c’)及び/又は段階c’’)において、固化を受ける、該溶融された物質及び/又は該液状の滴は、酸化流動体と接触に至らせられる。もし、これらの段階の間に、固化を受ける該溶融された物質も該液状の滴も還元性流体と接触に至らせられなかったのならば、段階f)は本発明に従うサーメット製品を得るために必須である。
【0135】
従って、段階c)の後、本発明に従うサーメットから作られた本発明に従うビーズが得られる。
【0136】
一つの特定の有利な変形において、段階c')及び/又はc'')において、固化を受ける該溶融された物質及び/又は該液状滴は、還元性流体と接触に至らせられ、これは好ましくは段階c')及び/又はc'')にとって、同じである。有利には、従って、段階f)は、本発明に従うサーメット製品を得るためにもはや必須ではない。還元性流体は、少なくとも5体積%、好ましくは少なくとも20体積%、又は少なくとも50体積%さえの水素(H)を含んでいてもよい。
【0137】
還元性流体が段階c')及び/又はc'')において、使用されているときでさえ、段階f)は、サーメットの量を増加させることが想定され得る。そうすると、段階c')及び/又はc'')において使用される、好ましくは気体状の還元流体は、段階f)において使用されるかもしれない還元性流体と同じであっても、異なっていてもよい。
【0138】
一つの実施態様において、分散段階c')及び固化段階c'')は、実質的に同時であり、分散のために使用される手段は溶融された物質の冷却を起こす。例えば分散は融解された物質を通してガスを吹き込むことから得られ、該ガスの温度は所望される固化速度に適合される。
【0139】
滴が酸化する又は還元する流動体と接触する時間は変化し得る。しかし、該滴及びこの流動体の間の接触を、該滴が完全に固化するまで維持することが好ましい。
【0140】
本発明は、一般的な製造方法の文脈において上述された段階a)及びb)を含む第二の特定の製造方法であって、この第二の特定の製造方法について、それぞれ「a)」及び「b)」により表示された段階a)及びb)、及び以下の段階
')型に該融解された物質をキャスティングする段階;及び
'')型において冷却することにより、少なくとも部分的に又は完全にさえ、固化されたブロックが得られるまで該キャスティングされた物質の固化段階;及び
''')ブロックを離型する段階
を含む段階c)を含む該第二の特定の製造方法にもまた関する。
【0141】
この第二の特定の製造方法は、上に列挙された一般的な製造方法の任意的な特徴の1又は複数さえも有し得る。
【0142】
一つの特定の実施態様において、段階c')において、速い冷却を許す型が使用される。特にシートの形のブロックを成形することのできる型、好ましくは米国特許第3993119号に記載された型を使用することが有利である。
【0143】
段階c')及び/又は段階c'')及び/又は段階c''')及び/又は段階c''')の後において、型において及び/又は離型されたブロックにおいて固化を受ける、該溶融された物質及び/又はキャスティングされた物質は酸化流動体と接触に至らせられ得る。もしこれらの段階の間、該溶融された物質も、型において固化を受けるキャスティングされた物質も、離型されたブロックも還元性流体と接触したならば、段階f)は本発明に従うサーメット製品を得るために必須である。
【0144】
有利な変形において、段階c')及び/又は段階c'')及び/又は段階c''')及び/又は段階c''')の後において、キャスティング及び/又は固化の間の該溶融された物質及び/又は離型されたブロックは、直接又は間接に還元性流体と接触に至らせられ得る。還元性流体は、少なくとも5体積%、好ましくは少なくとも20体積%、又は少なくとも50体積%さえの水素(H)を含んでいてもよい。還元性流体と接触することは、型が10mm未満、又は5mm未満さえの厚さを有するブロック、特に板の形のブロックを製造するように設計されているとき、特に効果的である。
【0145】
段階c')及び/又は段階c'')及び/又は段階c''')及び/又は段階c''')の後において使用される、好ましくはガス状の還元性流体は段階f)で使用される可能性のあるものと同じであっても異なっていてもよい。
【0146】
還元性流体が段階c')及び/又は段階c'')及び/又は段階c''')及び/又は段階c''')の後に使用されるときでさえ、段階f)は特にバルクブロックの製造の間にサーメットの量を増加させるために一般的に好ましい。段階c')及び/又は段階c'')及び/又は段階c''')及び/又は段階c''')の後において使用される、好ましくはガス状の還元性流体は、段階f)で使用される可能性のあるものと同じであっても異なっていてもよい。
【0147】
好ましくは、酸化流動体又は還元性流体との該接触は溶融された物質を型にキャスティングすることから、正にはじまり、ブロックの離型で終了する。また、好ましくは、該接触はブロックが完全に固化するまで維持される。
【0148】
段階c'')において、融解された物質の冷却の間の固化速度は特に常に1000K/秒未満、100K/秒未満、50K/秒未満であり得る。もしラメラ構造が所望されるならば、固化速度は好ましくは20K/秒超である。もし、繊維状の構造が所望されるならば、速度は20K/秒未満、好ましくは10K/秒未満、好ましくは5K/秒未満である。
【0149】
段階c''')において、離型がブロックの完全な固化の前に好ましくは行われる。好ましくは、該ブロックはその形を実質的に維持するための十分の剛性を有するや否や離型される。それから、酸化又は還元性流体との接触の硬化が増加される。
【0150】
第一及び第二の特定の方法は、良好な収率で大量の物を死蔵するための工業的方法である。
【0151】
もちろん、上記の方法以外の方法が本発明に従うサーメット前駆体又はサーメット製品を製造するために想定されることができるだろう。
【0152】
本発明に従うサーメット製品の粉末は特に、本発明に従う多孔質の物、特に多孔質のアノード機能層を、例えば以下の順次の段階
A)本発明に従うサーメット製品の粉末又は本発明に従うサーメット製品前駆体の粉末の製造;
B)段階A)において製造された粉末の成形;及び
C)このようにして成形された該粉末の焼結、
を含む方法を使用して製造するために使用され得る。
【0153】
段階A)において使用されるサーメット製品の粉末は、上記の段階a)〜f)を使用して特に製造され得る。
【0154】
段階B)において、該粉末は層の形で堆積され得る。
【0155】
段階C)において、成形された粉末は慣用の焼結技術、好ましくはホットプレス、を使用して焼結される。
【実施例】
【0156】
以下の非制限的な実施例は、本発明を説明する目的のために与えられる。
【0157】
実施例4,6,8,10、及び12の物は600ワット出力のCOレーザーを使用してレーザー浮遊ゾーン溶融により得られた。
【0158】
使用された原料は以下の通りである:
− 以下の方法で酸化コバルトCoから得られた酸化コバルトCoOの粉末:シグマ−アルドリッチ(商標)により販売されている約99.7%の純度の酸化コバルトCoが、アルミナの坩堝において空気中で4時間1000℃において焼結された。1000℃の温度において保った後、アルミナの坩堝は炉から取り出されて、水で冷却されたアルミナのシートの上に置かれた。従って、固化速度は増加され、そうすることにより得られたCoOのCoへの再酸化を制限した。完全に冷却した後、CoO含有量はX線回折によりチェックされた。95%以上のCoO含有量が期待されたが、この測定はRietveld法を使用して実行された。各焼結の間に処理されたCoの典型的な質量は、15〜20グラムであった。焼結後、酸化コバルトCoO粉末は1mmの直径を有するジルコニアのボールを使用して粉砕され、メジアン直径を約1ミクロンに減少させた。
【0159】
− シグマ−アルドリッチ(商標)により販売されている約99.9%の純度の酸化セリウムCeO粉末。5μm未満のメジアン直径を有する。
【0160】
− 約1μmのメジアン直径を有する酸化ニッケルNiO粉末。ジルコニアボールを使用してRetschMM2000ボールミルにおいて、シグマ−アルドリッチ(商標)により販売されている、5μm未満のメジアン直径を有する純度約99.9%の粉末を粉砕することにより得られる。
【0161】
− ガドリニウム(Gd)で10モル%までドープされた酸化セリウムCeOの粉末、Ce0.9Gd0.11.95。以下の方法に従って製造された:硝酸(HNO)及びエチレングリコールの存在において、約99.5%の純度の、シグマ−アルドリッチ(商標)により販売されている水性相中の硝酸セリウム(Ce(NO)が約99.9の純度のシグマアルドリッチ(商標)により販売されている水性相硝酸ガドリニウム(Gd(NO・6HO)と混合された。硝酸セリウム及び硝酸ガドリニウムの量は、製造段階の最後において酸化ガドリニウムで10モル%までドープされた酸化セリウムを得るように、計算された。溶液は、樹脂を形成するために80〜90℃において、そしてほとんどの有機元素が除去されることを可能にする発熱反応を起こすために130〜140℃において加熱された。得られた残渣は酸化セリウム及びガドリニウムの正しい割合を有していた。可能な残渣の有機元素はエタノール中で該残渣を分散させることにより除去され、次に、エタノールはゆっくり、100℃において蒸発された。次に、回収された残渣は空気中で1350℃において4時間の温度保持で焼結された。熱処理の後に回収された粉末は10モル%のガドリニウムでドープされた酸化セリウム粉末であった。
【0162】
粉末にされた原料及びその適切な量は製造されるべき物に従って選択された。原料は、めのう乳鉢において手動で緊密に混合された。瑪瑙乳鉢における混合の間に、5%PVA/95%水溶液が、粉末の混合物の1.5〜2g当たり1mlの割合で添加された。このようにして得られた混合物は、3〜4分間、200mbarにおいて冷平衡圧縮(CIP)によりロッドの形にされた。
【0163】
得られたロッドは、次に以下の様式で空気中で焼結された:
− 3℃/分において室温から500℃までの温度上昇;
− 500℃において30分間、温度保持;
− 3℃/分において500℃〜1350℃の温度上昇;
− 1350℃において240分間の温度保持;及び
− 10℃/分において、室温までの温度下降。
【0164】
このようにして焼結されたロッドは、次に60Wに設定されたレーザーのビームの中を並進的に(ロッドの回転なし)移動された。即ち、ロッドは10〜750mm/時の一定の成長速度(2〜約140K/秒の固化速度に相当する)でレーザー浮遊ゾーン融解を受けた。方向性のある固化の後、ロッド製品は本発明に従う融解サーメット前駆体であり、その組成は還元により本発明に従う融解サーメット製品をもたらすように適合されていた。
【0165】
実施例3,5,7,9,11,13、及び15の物は下記のプロコルを使用して、それぞれ実施例4,6,8,10,12,14、及び16の物を還元することにより得られた。
【0166】
長さが約100cmであり、内径が3cmに等しい水晶のチューブが、静止における管状の炉に挿入された。水晶のチューブは炉より長く、図7に記載された原理に従って、それが炉に沿って動くことを許す。5体積%の水素(H)及び95体積%のアルゴン(Ar)からなる還元ガス混合物が0.7リットル/分の速度で水晶のチューブを通って流動させられ、酸素の痕跡すべてを除去する。次に炉は750℃まで加熱された(約10℃/分の温度上昇)。次に、前もって秤量されたロッドが水晶のチューブの中へと挿入され(図7(a))、該水晶のチューブは、処理されるべき該ロッドを炉のホットゾーンに1時間保持するように、炉に沿って移動された(図7(b))。次に、ロッドは炉の外にあるように水晶のチューブは移動された。次に、ロッドはチューブから抽出されて、秤量された。次にロッドは水晶チューブに戻されて、上記の還元ガス混合物においてロッドの重量が2つの処理の間でもはや変化しなくなるまでさらなる熱処理を受けた。
【0167】
実施例4,6,8,10,12,14及び16の融解サーメット前駆体は、この還元処理の最後に、それぞれ実施例3,5,7,9,11,13、及び15の融解サーメットをもたらした。
【0168】
比較例2の物は、浮遊ゾーン溶解段階がない以外は実施例4,6,8,10,12,14及び16を製造するために上述されたのと同じ方法を使用して得られた。従って、この物は融解された物ではなかった。
【0169】
比較例1の物は、実施例2の物を使用し、上記の還元処理を適用して得られた。
【0170】
種々の実施例において、不純物の含有量は2%未満であった。
【0171】
結果は下の表1に与えられる。
【0172】

【0173】
多孔性安定性測定
5つの試験片が比較例1及び本発明に従う実施例9の各ロッドからランダムに取りだされた。
【0174】
次に、各ロッドは以下のエージング処理を受けた:長さが約100cmで内径が3cmに等しい水晶のチューブが、静止している管状炉の中へと挿入された。水晶のチューブは炉より長く、図7に記載された原理に従って該チューブが炉の中で動くことを許す。5体積%の水素(H)及び95体積%のアルゴン(Ar)からなる還元ガス混合物が0.4リットル/分の流速で水晶のチューブを通って流動させられ、酸素の痕跡すべてを除去する。次に炉は750℃まで加熱された(約10℃/分の温度上昇)。次に、ロッドは水晶のチューブの中へと挿入され、水晶のチューブは炉に沿って移動されて、処理されるべきロッドを炉の熱いゾーンの中へと306時間の間、もって行った。次に、水晶のチューブは、ロッドが炉の外にあるように移動され、次にロッドはチューブから抽出されて分析された。
【0175】
5つの他の試験片が得られたロッドからランダムに取りだされて、エージング処理の前に取りだされた同じロッドからの試験片と比較された。
【0176】
この目的のために、エージング処理の前の試験片及びエージング処理後の試験片が樹脂に埋め込まれ、磨かれた。次に、各磨かれた部分が走査電子顕微鏡(SEM)下で観察された。一つの部分当たり一つのマイクログラフが撮られた。
【0177】
次に、各マイクログラフはデジタルマイクログラフ(商標)プログラム(バージョン3.10、Gatan Softwareにより販売されている)を使用して加工されて、ピクセルに変換された。次に孔はその色によって分離され、顕微鏡の倍率を考慮に入れて各孔の面積が計算された、各ロッドについて、エージング処理の前及び後に、孔の面積の関数としての孔の数の分布が決定された。これらの分布はこのロッドから取り出された5つの試験片の5つのマイクログラフについて、、エージング処理の前及び後それぞれに、累積的に評価された。例えば、比較例1のロッドのエージング処理前の孔の面積の関数としての孔の数の分布は、エージング処理前のこのロッドから取り出された5つの試験片について撮影された5つのマイクログラフ(一つの試験片当たり1つ)のそれぞれについて測定された孔の分布の合計であった。
【0178】
パーセンタイルの定義により、数による孔の99%は99パーセンタイル未満即ちD99の孔サイズを有していた。
【0179】
同様に、数による孔の90%は、90パーセンタイル未満即ちD90の孔サイズを有していた。
【0180】
パーセンタイルDのパーセンテージの増加は以下の式により定義される。
[(エージング処理後のDi)−(エージング処理前のDi)]/(エージング処理前のDi)
【0181】
下の表2及び3は得られた結果をまとめる。
【0182】

【0183】

【0184】
測定は比較例におけるより、本発明に従う実施例における多孔性の著しく小さい変化を示す。
【0185】
従って、驚いたことに、本発明者らは本発明に従う製品は時間が経ってもより大きい多孔性安定性を示すことを示した。
【0186】
即ち、本発明は、時間が経ったときの多孔性の安定性を増加させるために、本発明に従うサーメット製品を使用する方法にもまた関する。
【0187】
今、明白に明らかなように、本発明は、
− アノード物質、電解質及び燃料の間の接触の領域(「三重点」又は「TPB」(三相界面))であって、長く数の多いものを提供する新規な多孔性製品;
− 経時的に、多孔性のそのレベルを実質的に維持する新規な多孔性製品;
− 使用条件下で、経時的に、化学的に耐性である新規な多孔性製品;及び
− 使用中の成形操作及び熱サイクルに特に耐えるために、経時的に、機械的に耐性である新規な多孔性製品
を提供する。
【0188】
もちろん、本発明は、記載された実施態様に制限されず、これらは単に説明のために与えられている。
【0189】
さらに、本発明に従う物は、種々の化学組成を有する領域を含み得る(が、特許を請求された組成物の範囲内である)、及び/又は種々の構造(例えばラメラ構造を有する領域及びラメラ及び繊維状構造を有する領域)を含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドープされていてもよい酸化セリウムCeO,ニッケルNi及び/又はコバルトCoに基づく融解サーメットを含む、融解サーメット製品において、該サーメットが共晶構造を有し、酸化セリウム、ニッケル、コバルトの百分率モル含有量が
0.351 Ni + 0.136 Co ≦ (CeO2+ドーパント) ≦ 0.538 Ni + 0.282 Co
である、前記融解サーメット製品。
【請求項2】
請求項1に記載の製品の質量の50%超の該融解サーメットを含む、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
請求項2に記載の製品の質量の90%超の該融解サーメットを含む、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
サーメットがニッケルを含まず、不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 12%〜22%
− Co: 78%〜88%
である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製品。
【請求項5】
サーメットがコバルトを含まず、不純物を除いて合計100%として、
− (CeO+ドーパント): 26%〜35%
− Ni: 65%〜74%
である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製品。
【請求項6】
酸化セリウムCeOが、セリウム及びその混合物を除くランタノイド、イットリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムから選択された元素でドープされている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製品。
【請求項7】
酸化セリウムCeOが、サマリウム及び/又はガドリニウムでドープされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製品。
【請求項8】
酸化セリウムCeOがドープされていない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製品。
【請求項9】
酸化セリウムCeOが、セリウム及びサマリウムを除くランタノイドから選択された元素でドープされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製品。
【請求項10】
セリウムカチオン及びドーパントカチオンのモル含有量の合計に基づいて、酸化セリウムCeOのドーパントのモル含有量が、8%超かつ25%未満である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製品。
【請求項11】
− 酸化セリウムCeOが、サマリウムのみでドープされており、セリウムカチオン及びサマリウムカチオンのモル含有量の合計に基づいて、サマリウムカチオンのモル含有量は、16%超かつ24%未満であるか、又は
− 酸化セリウムCeOが、ガドリニウムのみでドープされており、セリウムカチオン及びガドリニウムカチオンのモル含有量の合計に基づいて、ガドリニウムカチオンのモル含有量は、8%超かつ14%未満である、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の製品。
【請求項12】
2つのラメラの間の平均間隔が0.2μm超かつ6μm未満であるラメラ構造及び/又は繊維状構造を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製品。
【請求項13】
100%への残余が不純物及び酸化ニッケル及び/又は酸化コバルトからなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製品。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の融解サーメット製品から作られた粒子の粉末から形成された領域を含む電極。
【請求項15】
融解サーメット前駆体において、その組成が、還元により、請求項1〜13のいずれか1項に記載のサーメット製品をもたらすように適合されている、前記融解サーメット前駆体、ただし不規則な構造を有するCeO/CoOサーメット前駆体を除く。
【請求項16】
以下の順次の段階、
a)CeO,CoO及び/又はNiOを与える粒状の原料、及び/又はこれら酸化物の前駆体の1以上、及び/又は任意的に酸化セリウムのための1以上のドーパント及び/又はこれらドーパントの1以上の前駆体が混合されて供給原料を形成する段階;
b)該供給原料が融解されて、溶融された物質を得る段階;
c)該溶融された物質が、完全に固化するまで冷却されて、共晶構造を有する融解された物を得る段階;
d)該融解された物が粉砕される任意的な段階;
e)粉砕されていてもよい該融解された物が、成形される又は焼結さえされる任意的な段階;及び
f)粉砕及び/又は成形及び/又は焼結されていてもよい該融解された物が、還元されて、Co及び/又はNiに転化されるCoO及び/又はNiOの量を増加させる任意的な段階;
を含む製造方法において、原料は、段階c)の後に、得られた融解された物が請求項1〜13のいずれか1項に記載の融解サーメット製品であるように選択され、段階c)における冷却は、冷却されている該溶融された物質及び/又は該融解された物を還元性流体と接触させることによる、前記製造方法。
【請求項17】
段階f)を含まない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
誘導炉、プラズマトーチ、アーク炉又はレーザーから選択された炉が段階b)において使用される、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
段階f)における還元が、焼結と同時に行われる、請求項16〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
段階c)における固化速度が、1K/秒超である、請求項16〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
段階c)における固化速度が、20K/秒超又は10K/秒未満である、請求項16〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
段階c)における固化速度が、5K/秒未満である、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2a−2f】
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【図3a−3f】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【公表番号】特表2012−520394(P2012−520394A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553594(P2011−553594)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051086
【国際公開番号】WO2010/103498
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(511104875)
【出願人】(508157886)コンセジョ スペリオール デ インベスティガショネス シエンティフィカス (21)
【Fターム(参考)】