螺旋コイルシールを備えた逆止バルブ
金属射出成形機の逆止バルブのためのシールである。シールには、逆止バルブの外面に設けた周辺溝部と、溝部内に配置した螺旋巻きコアとの組み合わせが設けられる。螺旋巻きコイルは、射出成形機における円筒壁に対してシール係合すべく拡張可能になっている。螺旋巻きコイルは、溶融物チャネルが開いた位置と溶融物チャネルが閉じた位置との間において、横方向に可動になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、射出成形機のための逆止リング及びシールに関し、限定はしないが、より詳しくは、金属射出成形機やダイキャスト機のための逆止リング及びシールに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の技術水準として、1971年5月18日に Huhn に与えられた特許文献1は、軸上にシールを創り出すために、シールリングをカウンタ・リングに向けて促すために、螺旋バネを使用している。
【特許文献1】米国特許第3,578,803号明細書
【0003】
1972年4月11日に Durametallic 社に与えられた特許文献2においては、螺旋状のシールリングを使用しており、これを楔形の表面に対して押圧し、半径方向内方かつ軸線方向の圧縮力をシールリングに与えて、軸のまわりにシールを形成している。シールリングは、複数層のグラファイト材料から構成される。シールリングは、軸のまわりにシールを維持するようにデザインされている。
【特許文献2】米国特許第3,655,206号明細書
【0004】
2002年8月1日に刊行された、 Hauser らによる特許文献3は、自動車のブレーキ系統のピストンポンプのための逆止バルブを開示している。逆止バルブは、片端にはベースリングを、他端には閉止ディスクを備えた螺旋コイルからなる、単一ピースとして形成されている。ベースリングが動くと、逆止バルブが開閉される。螺旋バネは、バルブに開閉運動を提供する。螺旋バネの外面は、閉止面ないしシール面としては使用されない。
【特許文献3】米国特許出願第2002/0100507号明細書
【0005】
2004年1月1日に刊行された Dominka による特許文献4は、インジェクション・システムのための逆止バルブを開示している。バルブは、遮断ピン、バネ案内部材、及び螺旋バネを具備する。螺旋バネを案内部材で圧縮すると、ピンが流路を閉じさせ、圧縮を解放すると、流路が開く。螺旋バネの表面は、流路に接触しているが、なんら閉止面ないしシール面を提供しない。
【特許文献4】米国特許出願第2004/0001900号明細書
【特許文献5】米国特許第5,040,589号明細書
【特許文献6】米国特許第6,494,703号明細書
【特許文献7】米国特許第5,680,894号明細書
【0006】
いずれの従来技術も、螺旋コイルを用いて、実際に流路をシールすることを示唆していない。
射出成形機において逆止バルブを通る流路をシールするための、耐摩耗の信頼できるシールを求める要望が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プラスチックの射出成形においては、なんらシールを備えない逆止バルブを使用するのが一般的であって、完全なシールを得るためには、比較的大きなクリアランスと溶融物の高い粘性とを頼りにしている。金属射出成形において使用される金属は、プラスチックのような高い粘性を持っていないため、プラスチックの射出成形において代表的に用いられるクリアランスを通って逆方向に漏れることになる。さらに、金属の高い腐食性と射出成形に必要な高温とは、金属射出成形に用いた場合、プラスチックの射出成形機のシール装置を弱らせる。従って、金属射出成形のために有効なシールは、きついクリアランス及び公差を有することが求められ、高温と腐食性の環境に耐えられなければならない。本発明は、螺旋コイルを使用して、そうしたシールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、逆止バルブにおける溶融物の逆流を防ぎ、バレルと逆止バルブの摩耗を低減させ、かなりの摩耗が存在しても確実な動作をする、射出成形機のためのシールを提供する。本発明は、螺旋コイルを用いてチャネルをシールすることによって達成される。螺旋コイルは、溶融経路を開閉する逆止リングとして作用する。
【0009】
本発明は、金属射出成形機の逆止バルブのためのシールを提供する。シールには、逆止バルブの外面に設けた周辺溝部と、溝部内に配置した螺旋巻きコアとが設けられる。螺旋巻きコイルは、射出成形機における円筒壁に対してシール係合すべく拡張可能になっている。
【0010】
本発明はさらに、金属射出成形機のための逆止バルブを提供する。バルブは、螺旋巻きコイルを具備する。コイルは逆止バルブをシールし、逆止バルブのシリンダ上を摺動して、バルブを通る流路を開閉する。コイルの最初の巻きは、シリンダ上の合致面に一致する面を有し、合致面に接触したとき、バルブを閉じる。コイルの外周面は、逆止バルブを取り囲むシリンダ壁に一致して、逆止バルブのための軸線シールを提供する。
【0011】
本発明はさらに、射出成形機のための射出ユニットを提供し、射出スクリューと、射出スクリューの片端に設けたノズル本体と、ノズル本体に設けた逆止バルブとを具備している。逆止バルブは、シールリングを具備する。シールリングは、ノズル本体を取り囲み、ノズルが開かれる第1の位置とノズルが閉じられる第2の位置との間において摺動可能である、螺旋巻きコイルを備えている。コイルにおける最初の巻きは、コイルが閉じられた位置にあるとき、ノズル本体の肩部に対してシール係合する。
以下、本発明の例示的な実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の構造と動作について、逆止バルブの機能と耐久性を改善する文脈において説明するが、逆止バルブは、半固体の(すなわちチキソトロピーの)状態においてマグネシウムなどの金属合金をモールド成形する射出成形システムにおけるバレル組立体で用いるように構成される。そうした射出成形システムのいくつかについて、その構造と動作の詳細な説明は、特許文献5及び特許文献6によって入手可能である。上記にかかわらず、本発明の逆止バルブの一般的な有益性や、他の合金金属(アルミニウム、亜鉛など)に対する互換性について、そうした限定を意図するものではない。
図1Aには、代表的な射出成形システムにおけるバレル組立体を示している。
【0013】
図示のバレル組立体138は、軸線上に円筒ボア孔148Aが形成された、細長い円筒バレル140を具備している。バレル組立体は、クランプユニット(図示せず)の静止プラテン16に結合されている。ボア孔148Aは、スクリュー156と協働すべく構成され、金属原料を処理及び輸送し、射出中には、溶融したモールド材料を蓄積し、続いて送り出す手段である。スクリュー156は、細長い円筒本体部分159のまわりに設けられた、螺旋の羽根158を具備している。スクリューにおける不図示の後部部分は、駆動組立体に結合すべく構成されており、スクリュー156の前方部分は、本発明の実施形態に従って、逆止バルブ160を受け入れるように構成されている。逆止バルブ160の動作部分は、スクリュー156における前方合致面ないし肩部32に配置されている。バレル組立体138は、射出成形機のノズル144とバレル140の前端との中間に配置された、バレルヘッド2Aを具備している。バレルヘッド2Aには、溶融通路10が形成され、この溶融通路は、バレルボア孔148Aを、射出成形機のノズル144を通って設けられた相補的な溶融通路148Cに結合する。バレルヘッド2Aを貫通する溶融通路10は、内側へテーパした部分を具備し、溶融通路の直径を、はるかに細い射出成形機のノズル144の溶融通路148Cへと移行させている。バレル140における中心のボア孔148Aは、ステライト(登録商標)などの耐腐食性材料から作られたライニング12Aを具備し、例えば、インコネル (登録商標)などのニッケルベースの合金から一般的に作られている、バレルの生地材料を、高温の溶融金属の腐食特性に対して保護する。バレル組立体138における他の部分であっても、溶融したモールド材料に接触する部分については、同様な保護ライニングないしコーティングを備えると良い。バレル140はさらに、不図示の供給口を介して、細かく砕かれた金属の原料源に結合されており、供給口はバレル140における上部後方部分に配置されている。供給口は、原料を、バレル140のボア孔148Aの中へと導く。そして、原料は、処理された溶融材料になるために、機械的な加工を受け、バレルボア孔148Aに協働するスクリュー156の作用を受け、制御下における加熱を受ける。不図示の一連の加熱器によって熱が与えられ、加熱器は、バレル組立体138の長さのうち実質的な部分に沿って配置され、射出成形機のノズル144に沿って加熱器150が配置される。
【0014】
射出成形金型は、少なくともひとつの成形キャビティ(図示せず)を形成されて具備し、金型のコールドハーフ(図示せず)と金型のホットハーフ125との間に共有される相補的な成形インサートの間において緊密に協働する。金型のコールドハーフは、少なくともひとつのコア成形インサートが内部に配置された、コアプレート組立体を具備する。金型のホットハーフ125は、キャビティプレート組立体127を具備し、少なくともひとつの相補的なキャビティ成形インサートを内部に配置され、ランナーシステム126の面に取り付けられている。ランナーシステム126は、射出成形機のノズル144における溶融通路148Cを、少なくともひとつの成形キャビティに結合して、該成形キャビティを充填するための手段を提供する。一般的に知られているように、ランナーシステム126は、オフセット式又はマルチドロップ式の、ホットランナー、コールドランナー、コールドスプルー、又はその他の公知の溶融物分配手段である。動作に際しては、金型を閉じてクランプした状態において、コアとキャビティ成形インサートは協働して、少なくともひとつの成形キャビティを形成して、ランナーシステム126から受けたモールド材料の溶融物を受け入れて成形する。
【0015】
動作に際しては、バレル組立体138における射出成形機のノズル144は、成形金型の注湯ブッシング55に係合し、溶融物は、金型の中に射出される(すなわち、溶融物の射出によって生じる反力に対して作用する。)。
モールド成形工程は概略、以下の段階を含む。
i)バレル140の後端部分への金属原料の流入を確立する。
ii)金属原料を加工(すなわち剪断)し、加熱してチキソトロピー状態の成形材料の溶融物を得るために、
a.スクリュー156の運転(すなわち回転及び引っ込み)は原料/溶融物を輸送するように機能して、スクリューの羽根158は、バレル140の長さに沿って、軸線ボア孔148Aと協働して、逆止バルブ160を通過させ、逆止バルブ160の前方に形成された蓄積領域へと流入させる。
b.原料がバレル組立体138の実質的部分に沿って移動するとき、原料を加熱する。
iii)射出成形の金型半体を閉じてクランプする。
iv)射出成形機のノズル144を通して蓄積した溶融物を射出し、スクリュー156を前方へ並進させて、溶融物を射出成形金型の中に注入する。
v)任意的事項として、射出圧力の適用を維持することによって、少なくとも成形キャビティの中にあるすべての空洞を充填する(すなわちパッキング)。
vi)射出成形金型の冷却によって成形品が固化したならば、成形金型を開く。
vii)成形品を射出成形金型から取り外す。
viii)任意的事項として、次回の成形サイクルのために、射出成形金型のコンディショニングを行う(例えば、剥離剤の塗布など)。
【0016】
続く射出成形のために溶融物の一定量を準備する段階(すなわち段階i)及び段階ii)。)は一般的に「リカバリー」として知られており、少なくともひとつの成形キャビティに充填及びパッキングする段階(すなわち段階iv)及び段階v)。)は一般的に「インジェクション」として知られている。
【0017】
逆止バルブ160は、バレル140の前方にある蓄積領域に向けて溶融物を前方へ輸送するように機能するが、その他の点においては、溶融物の射出中に溶融物が逆流するのを防止する。逆止バルブ160が適切に機能することは、両側にある溶融物の間の圧力差(すなわち、リカバリー中にはバルブの後方が高圧で、インジェクション中にはバルブの前方が高圧になる。)に依存している。金属の射出成形に使用するための代表的な逆止バルブの構造及び動作については、特許文献7に開示されている。
【0018】
図1及び図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態において使用される螺旋コイルを示している。図1は、シールとしてのコイルの使用を示している。
図2において、バレルライナー4を備えたバレル2は、ネジ28によって逆止バルブ20が取り付けられたスクリュー(図示せず)を支持している。ボルト孔8に通されたボルト(図示せず)によって、バレルヘッド6はバレル2に結合される。ボルト孔9によって、バレルヘッド6には注湯ブッシング(図示せず)などが取り付けられる。逆止バルブ20が図2に示した開いた位置にあるとき、スクリューを回転させると、溶融物は逆止バルブを通り、逆止バルブ20の前方にある溶融物通路10に流入するが、これについては、金属成形分野において良く知られている通りである。
【0019】
溶融物通路10が充填されるとき、溶融物は、逆止リング24を前進させようとする力を斜面32に作用させ、流路を開かせようとする力を斜面32及び34の間に作用させる。表面40は、リング24の前進運動を拘束する。前進運動中には、螺旋コイルは、溶融物からわずかな圧力を受けるだけであって、リングの前進運動に対してほとんど抵抗力を発生させない。
【0020】
溶融物通路10が溶融物で充填されると、スクリューの回転は止められて、成形キャビティ(図示せず)への溶融物の射出が開始される。射出中にスクリューが前進運動すると、逆止リングの前面に力が作用して、逆止リングを押し戻そうとするので、斜面32及び34が接触して溶融物の経路がシールされる。
【0021】
さらに、リング24の側壁に設けられた開口部12(図3参照)によって、溶融物は、螺旋コイルの内壁に対して押圧力を加え、螺旋コイルをバレルライナー4に対してシール接触せしめ、射出サイクル中にバレルの長さに沿って漏れないようにシールする。
【0022】
図3に示すように、逆止バルブ20は、メイン・ステム22と、逆止リング24と、螺旋コイル26とから構成される。システム22は、ネジ28によって、射出スクリューの端部に取り付けられる。肩部30は、射出スクリューの端部に固定される。
【0023】
図3に示した閉じた位置においては、当業者に周知の如く、溶融物チャネル36の中にある溶融物がリング24に作用させる背圧は、逆止バルブ20の斜面32と、肩部30の斜面34とを、シール係合させるように押し合わせる。
【0024】
螺旋コイル26の外径は、組み立てを容易にするため、充分なクラアランスを有する。開口部12は、螺旋コイル26の内周に隣接した空間14の中へ溶融物が流入するのを許容する。射出中には、空間14の内部にある溶融物は、軸線及び放射方向外方への射出力をコイル26に加え、螺旋コイル26の極めて従順な構造を軸線方向に圧縮し、放射方向に拡張させて、最後には、すべてのクラアランスが解消されて、シールが創り出される。射出圧力が消失すると、圧縮及び拡張を引き起こす力はもはや存在しなくなり、螺旋コイル26は弛緩する。新たな材料をスクリューの前方へ運ぶために、可塑化スクリュー(図示せず)が回転を始めると、逆止リング24と螺旋コイル26との間の接触はトルクの適用をもたらし、これにより螺旋コイル26は捩られ、シール外径が小さくなることで、バレルライナーの壁面からシール外径を係脱させ、もって摩耗を低減させる。
【0025】
図4に示すように、メイン・ステム22の端部は、分岐して指部38を形成し、溶融物チャネル36にスロット42を形成している。当業者が理解するように、射出スクリューを引っ込めて回転させると、スクリューが提供する溶融物は、逆止リング24を前進させ、バルブ20を開いて、溶融物チャネル36は回転するスクリューから溶融物を受け入れる。溶融物チャネル36が溶融物で充填されると、チャネルの内部の圧力は、可塑化スクリューを、ゆっくりと、スクリューのフルショット位置にまで押し戻す。射出ストロークが開始するときには、逆止リングの前方にある閉じた体積の溶融物は、逆止リング24を図3に示した閉じた位置へと押し動かす。逆止リング24が、図3に示したシール位置に到達すると、溶融物チャネル36には充分な溶融物が提供され、キャビティに次回の溶融物を射出することを可能にする。スクリューの回転を停止させ、スクリューを前方へ並進させて、溶融物を成形キャビティの中へ押し込む。スクリューの並進運動は、溶融物が発生させる圧力を高め、斜面32及び34にて、またコイル26に隣接したバレル面に沿って、溶融物の経路36は確実にシールされる。
【0026】
図3Aに明瞭に示されるように、コイル26の横断面は実質的に矩形の形状になっている。コイルの外周面は、関連するバレルライナーの壁面としっかり密着するように、高い公差に機械加工されている。内周面は、凸状又は凹面など、他の形状でも良い。内周面の形状に対する唯一の制限は、コイルをバレルライナー面にシール係合させるように動かすための、適当な力を伝達する充分な表面を有することである。コイルのそれぞれの巻きにおける放射方向の表面も、高い公差に機械加工され、コイルの隣接する巻きが互いに効果的にシールするようになっている。外側コイルにおける外側の放射方向の表面、及びコイルが逆止リングに接触する表面は、良好なシールを確保するために高い公差に機械加工されているべきである。
【0027】
図5、図5A、及び図5Bには、逆止リング24を詳しく示している。リング24は、その外周に円周状にスロット44を備えている。図示のスロット44は、リング24の中央付近に設けているが、必要に応じて、いずれかの端部付近に設けても良い。唯一の制限は、スロットに隣接した壁部分46及び48が、スロット44に取り付けられたコイル26から働く押圧力に耐えられるだけの、充分な強度を有することである。
【0028】
図6、図6A、及び図6Bには、螺旋コイル26を詳しく示している。図示の通り、外周面66は、高い公差に機械加工されている。放射方向の表面68も、高い公差に機械加工されている。内周面70は、動作時に溶融物に接触するだけなので、高い公差に作る必要はない。
【0029】
図7は、逆止バルブ52の開閉動作と、溶融物チャネル54のシール動作とを組み合わせた、逆止リングコイル50を示している。この実施形態においては、コイル50における外側コイルの表面56が斜面34と係合して、図示の如く、バルブを閉じる。コイル50の巻きにおける周辺面は、バレルの壁面と係合して、溶融物が逆流しないように壁面をシールする。コイル50の巻きには可撓性があるために、たとえバレルが摩耗しても、コイル50は確実なシールを提供し続けることができ、というのは、コイル50の内壁に溶融物の圧力が働いて、コイルの外壁をバレルに対して押し付けるためである。従って、バレルが余りにも摩耗して、コイルの拡張によっては、摩耗した隙間を塞げないほどになったとき、壁面に沿ったシールは摩耗を開始する。
【0030】
金属のモールド成形においては、螺旋コイルは、例えばマグネシウムのモールド成形にあっては600℃などの、高温の運転温度にて安定していて、腐食に対して不活性な材料から作る必要がある。例えば、マグネシウムをモールド成形する場合には、ニッケルは存在すべきでない。
【0031】
図7に示したステム22は、本質的には、図3に示したステム22と同一であるので、ステムの同一部分を示すのに同一の参照符号を付している。ステム22については、これ以上、説明しない。
【0032】
図7Aは、コイル50の機械加工された表面を明瞭に示している。
図8は、図7に示した逆止バルブ52の端面図であって、溶融物が射出キャビティに流入できるようにスロット42を具備している。
図9は、本発明のさらに別の実施形態を示している。この実施形態においては、溶融物流路チャネル60が、逆止バルブの周辺から、バレルの内部64へ向けて延びている。螺旋コイル66は、図7及び図8を参照して述べたのと同様に、逆止リング及び逆止バルブのシールとして作用する。
図10及び図11は、本発明のさらに別の実施形態を示している。この実施形態においては、スクリュー(図示せず)の座部74と螺旋コイル76との間にはリング72が配置されている。リング72によれば、必要な流路を維持しつつ、薄いコイル76を使用することができる。リング72は、コイル76と共に前後に動く。
上述した説明は単なる例示であって、もちろん、本発明の範囲内においてその詳細に改変を施し得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】金属射出成形機のためのバレル組立体を示した端面図である。
【図1A】本発明が有益な、代表的な射出成形システムにおけるバレル組立体を示した図である。
【図2】図1の線2−2に沿ったバレル組立体の断面図であって、本発明によって提供される螺旋シールを示している。
【図3】図2の一部分を示した詳細図であり、図4の線3−3に沿った断面図であって、螺旋シールを備えた逆止バルブについて、その閉じたシール位置を示している。
【図3A】図3において円Aで囲んだ部分の詳細図であって、螺旋の幾何学形状と溝部との関係をさらに詳しく示している。
【図4】図3の逆止バルブを示した端面図である。
【図5】本発明による逆止リングを示した斜視図である。
【図5A】図5の逆止リングを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図5B】図5の逆止リングを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図6】逆止リングをシールするために図5の逆止リングに嵌着される、螺旋コイルを示した斜視図である。
【図6A】図6の螺旋コイルを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図6B】図6の螺旋コイルを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図7】図8の線7−7に沿った逆止バルブの断面図である。
【図7A】逆止バルブの断面図であって、螺旋コイルはシール及び逆止リングとして機能している。
【図8】図7の逆止バルブを示した端面図である。
【図9】本発明の他の実施形態であって、螺旋コイルは、逆止リング及びシールとしての組み合わせになっている。
【図10】本発明のさらに別の実施形態を示した断面図であり、図11の線10−10に沿った断面図であって、螺旋コイルの逆止バルブとシールの間の摩耗リングを示している。
【図11】図10の逆止バルブを示した端面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、射出成形機のための逆止リング及びシールに関し、限定はしないが、より詳しくは、金属射出成形機やダイキャスト機のための逆止リング及びシールに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の技術水準として、1971年5月18日に Huhn に与えられた特許文献1は、軸上にシールを創り出すために、シールリングをカウンタ・リングに向けて促すために、螺旋バネを使用している。
【特許文献1】米国特許第3,578,803号明細書
【0003】
1972年4月11日に Durametallic 社に与えられた特許文献2においては、螺旋状のシールリングを使用しており、これを楔形の表面に対して押圧し、半径方向内方かつ軸線方向の圧縮力をシールリングに与えて、軸のまわりにシールを形成している。シールリングは、複数層のグラファイト材料から構成される。シールリングは、軸のまわりにシールを維持するようにデザインされている。
【特許文献2】米国特許第3,655,206号明細書
【0004】
2002年8月1日に刊行された、 Hauser らによる特許文献3は、自動車のブレーキ系統のピストンポンプのための逆止バルブを開示している。逆止バルブは、片端にはベースリングを、他端には閉止ディスクを備えた螺旋コイルからなる、単一ピースとして形成されている。ベースリングが動くと、逆止バルブが開閉される。螺旋バネは、バルブに開閉運動を提供する。螺旋バネの外面は、閉止面ないしシール面としては使用されない。
【特許文献3】米国特許出願第2002/0100507号明細書
【0005】
2004年1月1日に刊行された Dominka による特許文献4は、インジェクション・システムのための逆止バルブを開示している。バルブは、遮断ピン、バネ案内部材、及び螺旋バネを具備する。螺旋バネを案内部材で圧縮すると、ピンが流路を閉じさせ、圧縮を解放すると、流路が開く。螺旋バネの表面は、流路に接触しているが、なんら閉止面ないしシール面を提供しない。
【特許文献4】米国特許出願第2004/0001900号明細書
【特許文献5】米国特許第5,040,589号明細書
【特許文献6】米国特許第6,494,703号明細書
【特許文献7】米国特許第5,680,894号明細書
【0006】
いずれの従来技術も、螺旋コイルを用いて、実際に流路をシールすることを示唆していない。
射出成形機において逆止バルブを通る流路をシールするための、耐摩耗の信頼できるシールを求める要望が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プラスチックの射出成形においては、なんらシールを備えない逆止バルブを使用するのが一般的であって、完全なシールを得るためには、比較的大きなクリアランスと溶融物の高い粘性とを頼りにしている。金属射出成形において使用される金属は、プラスチックのような高い粘性を持っていないため、プラスチックの射出成形において代表的に用いられるクリアランスを通って逆方向に漏れることになる。さらに、金属の高い腐食性と射出成形に必要な高温とは、金属射出成形に用いた場合、プラスチックの射出成形機のシール装置を弱らせる。従って、金属射出成形のために有効なシールは、きついクリアランス及び公差を有することが求められ、高温と腐食性の環境に耐えられなければならない。本発明は、螺旋コイルを使用して、そうしたシールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、逆止バルブにおける溶融物の逆流を防ぎ、バレルと逆止バルブの摩耗を低減させ、かなりの摩耗が存在しても確実な動作をする、射出成形機のためのシールを提供する。本発明は、螺旋コイルを用いてチャネルをシールすることによって達成される。螺旋コイルは、溶融経路を開閉する逆止リングとして作用する。
【0009】
本発明は、金属射出成形機の逆止バルブのためのシールを提供する。シールには、逆止バルブの外面に設けた周辺溝部と、溝部内に配置した螺旋巻きコアとが設けられる。螺旋巻きコイルは、射出成形機における円筒壁に対してシール係合すべく拡張可能になっている。
【0010】
本発明はさらに、金属射出成形機のための逆止バルブを提供する。バルブは、螺旋巻きコイルを具備する。コイルは逆止バルブをシールし、逆止バルブのシリンダ上を摺動して、バルブを通る流路を開閉する。コイルの最初の巻きは、シリンダ上の合致面に一致する面を有し、合致面に接触したとき、バルブを閉じる。コイルの外周面は、逆止バルブを取り囲むシリンダ壁に一致して、逆止バルブのための軸線シールを提供する。
【0011】
本発明はさらに、射出成形機のための射出ユニットを提供し、射出スクリューと、射出スクリューの片端に設けたノズル本体と、ノズル本体に設けた逆止バルブとを具備している。逆止バルブは、シールリングを具備する。シールリングは、ノズル本体を取り囲み、ノズルが開かれる第1の位置とノズルが閉じられる第2の位置との間において摺動可能である、螺旋巻きコイルを備えている。コイルにおける最初の巻きは、コイルが閉じられた位置にあるとき、ノズル本体の肩部に対してシール係合する。
以下、本発明の例示的な実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の構造と動作について、逆止バルブの機能と耐久性を改善する文脈において説明するが、逆止バルブは、半固体の(すなわちチキソトロピーの)状態においてマグネシウムなどの金属合金をモールド成形する射出成形システムにおけるバレル組立体で用いるように構成される。そうした射出成形システムのいくつかについて、その構造と動作の詳細な説明は、特許文献5及び特許文献6によって入手可能である。上記にかかわらず、本発明の逆止バルブの一般的な有益性や、他の合金金属(アルミニウム、亜鉛など)に対する互換性について、そうした限定を意図するものではない。
図1Aには、代表的な射出成形システムにおけるバレル組立体を示している。
【0013】
図示のバレル組立体138は、軸線上に円筒ボア孔148Aが形成された、細長い円筒バレル140を具備している。バレル組立体は、クランプユニット(図示せず)の静止プラテン16に結合されている。ボア孔148Aは、スクリュー156と協働すべく構成され、金属原料を処理及び輸送し、射出中には、溶融したモールド材料を蓄積し、続いて送り出す手段である。スクリュー156は、細長い円筒本体部分159のまわりに設けられた、螺旋の羽根158を具備している。スクリューにおける不図示の後部部分は、駆動組立体に結合すべく構成されており、スクリュー156の前方部分は、本発明の実施形態に従って、逆止バルブ160を受け入れるように構成されている。逆止バルブ160の動作部分は、スクリュー156における前方合致面ないし肩部32に配置されている。バレル組立体138は、射出成形機のノズル144とバレル140の前端との中間に配置された、バレルヘッド2Aを具備している。バレルヘッド2Aには、溶融通路10が形成され、この溶融通路は、バレルボア孔148Aを、射出成形機のノズル144を通って設けられた相補的な溶融通路148Cに結合する。バレルヘッド2Aを貫通する溶融通路10は、内側へテーパした部分を具備し、溶融通路の直径を、はるかに細い射出成形機のノズル144の溶融通路148Cへと移行させている。バレル140における中心のボア孔148Aは、ステライト(登録商標)などの耐腐食性材料から作られたライニング12Aを具備し、例えば、インコネル (登録商標)などのニッケルベースの合金から一般的に作られている、バレルの生地材料を、高温の溶融金属の腐食特性に対して保護する。バレル組立体138における他の部分であっても、溶融したモールド材料に接触する部分については、同様な保護ライニングないしコーティングを備えると良い。バレル140はさらに、不図示の供給口を介して、細かく砕かれた金属の原料源に結合されており、供給口はバレル140における上部後方部分に配置されている。供給口は、原料を、バレル140のボア孔148Aの中へと導く。そして、原料は、処理された溶融材料になるために、機械的な加工を受け、バレルボア孔148Aに協働するスクリュー156の作用を受け、制御下における加熱を受ける。不図示の一連の加熱器によって熱が与えられ、加熱器は、バレル組立体138の長さのうち実質的な部分に沿って配置され、射出成形機のノズル144に沿って加熱器150が配置される。
【0014】
射出成形金型は、少なくともひとつの成形キャビティ(図示せず)を形成されて具備し、金型のコールドハーフ(図示せず)と金型のホットハーフ125との間に共有される相補的な成形インサートの間において緊密に協働する。金型のコールドハーフは、少なくともひとつのコア成形インサートが内部に配置された、コアプレート組立体を具備する。金型のホットハーフ125は、キャビティプレート組立体127を具備し、少なくともひとつの相補的なキャビティ成形インサートを内部に配置され、ランナーシステム126の面に取り付けられている。ランナーシステム126は、射出成形機のノズル144における溶融通路148Cを、少なくともひとつの成形キャビティに結合して、該成形キャビティを充填するための手段を提供する。一般的に知られているように、ランナーシステム126は、オフセット式又はマルチドロップ式の、ホットランナー、コールドランナー、コールドスプルー、又はその他の公知の溶融物分配手段である。動作に際しては、金型を閉じてクランプした状態において、コアとキャビティ成形インサートは協働して、少なくともひとつの成形キャビティを形成して、ランナーシステム126から受けたモールド材料の溶融物を受け入れて成形する。
【0015】
動作に際しては、バレル組立体138における射出成形機のノズル144は、成形金型の注湯ブッシング55に係合し、溶融物は、金型の中に射出される(すなわち、溶融物の射出によって生じる反力に対して作用する。)。
モールド成形工程は概略、以下の段階を含む。
i)バレル140の後端部分への金属原料の流入を確立する。
ii)金属原料を加工(すなわち剪断)し、加熱してチキソトロピー状態の成形材料の溶融物を得るために、
a.スクリュー156の運転(すなわち回転及び引っ込み)は原料/溶融物を輸送するように機能して、スクリューの羽根158は、バレル140の長さに沿って、軸線ボア孔148Aと協働して、逆止バルブ160を通過させ、逆止バルブ160の前方に形成された蓄積領域へと流入させる。
b.原料がバレル組立体138の実質的部分に沿って移動するとき、原料を加熱する。
iii)射出成形の金型半体を閉じてクランプする。
iv)射出成形機のノズル144を通して蓄積した溶融物を射出し、スクリュー156を前方へ並進させて、溶融物を射出成形金型の中に注入する。
v)任意的事項として、射出圧力の適用を維持することによって、少なくとも成形キャビティの中にあるすべての空洞を充填する(すなわちパッキング)。
vi)射出成形金型の冷却によって成形品が固化したならば、成形金型を開く。
vii)成形品を射出成形金型から取り外す。
viii)任意的事項として、次回の成形サイクルのために、射出成形金型のコンディショニングを行う(例えば、剥離剤の塗布など)。
【0016】
続く射出成形のために溶融物の一定量を準備する段階(すなわち段階i)及び段階ii)。)は一般的に「リカバリー」として知られており、少なくともひとつの成形キャビティに充填及びパッキングする段階(すなわち段階iv)及び段階v)。)は一般的に「インジェクション」として知られている。
【0017】
逆止バルブ160は、バレル140の前方にある蓄積領域に向けて溶融物を前方へ輸送するように機能するが、その他の点においては、溶融物の射出中に溶融物が逆流するのを防止する。逆止バルブ160が適切に機能することは、両側にある溶融物の間の圧力差(すなわち、リカバリー中にはバルブの後方が高圧で、インジェクション中にはバルブの前方が高圧になる。)に依存している。金属の射出成形に使用するための代表的な逆止バルブの構造及び動作については、特許文献7に開示されている。
【0018】
図1及び図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態において使用される螺旋コイルを示している。図1は、シールとしてのコイルの使用を示している。
図2において、バレルライナー4を備えたバレル2は、ネジ28によって逆止バルブ20が取り付けられたスクリュー(図示せず)を支持している。ボルト孔8に通されたボルト(図示せず)によって、バレルヘッド6はバレル2に結合される。ボルト孔9によって、バレルヘッド6には注湯ブッシング(図示せず)などが取り付けられる。逆止バルブ20が図2に示した開いた位置にあるとき、スクリューを回転させると、溶融物は逆止バルブを通り、逆止バルブ20の前方にある溶融物通路10に流入するが、これについては、金属成形分野において良く知られている通りである。
【0019】
溶融物通路10が充填されるとき、溶融物は、逆止リング24を前進させようとする力を斜面32に作用させ、流路を開かせようとする力を斜面32及び34の間に作用させる。表面40は、リング24の前進運動を拘束する。前進運動中には、螺旋コイルは、溶融物からわずかな圧力を受けるだけであって、リングの前進運動に対してほとんど抵抗力を発生させない。
【0020】
溶融物通路10が溶融物で充填されると、スクリューの回転は止められて、成形キャビティ(図示せず)への溶融物の射出が開始される。射出中にスクリューが前進運動すると、逆止リングの前面に力が作用して、逆止リングを押し戻そうとするので、斜面32及び34が接触して溶融物の経路がシールされる。
【0021】
さらに、リング24の側壁に設けられた開口部12(図3参照)によって、溶融物は、螺旋コイルの内壁に対して押圧力を加え、螺旋コイルをバレルライナー4に対してシール接触せしめ、射出サイクル中にバレルの長さに沿って漏れないようにシールする。
【0022】
図3に示すように、逆止バルブ20は、メイン・ステム22と、逆止リング24と、螺旋コイル26とから構成される。システム22は、ネジ28によって、射出スクリューの端部に取り付けられる。肩部30は、射出スクリューの端部に固定される。
【0023】
図3に示した閉じた位置においては、当業者に周知の如く、溶融物チャネル36の中にある溶融物がリング24に作用させる背圧は、逆止バルブ20の斜面32と、肩部30の斜面34とを、シール係合させるように押し合わせる。
【0024】
螺旋コイル26の外径は、組み立てを容易にするため、充分なクラアランスを有する。開口部12は、螺旋コイル26の内周に隣接した空間14の中へ溶融物が流入するのを許容する。射出中には、空間14の内部にある溶融物は、軸線及び放射方向外方への射出力をコイル26に加え、螺旋コイル26の極めて従順な構造を軸線方向に圧縮し、放射方向に拡張させて、最後には、すべてのクラアランスが解消されて、シールが創り出される。射出圧力が消失すると、圧縮及び拡張を引き起こす力はもはや存在しなくなり、螺旋コイル26は弛緩する。新たな材料をスクリューの前方へ運ぶために、可塑化スクリュー(図示せず)が回転を始めると、逆止リング24と螺旋コイル26との間の接触はトルクの適用をもたらし、これにより螺旋コイル26は捩られ、シール外径が小さくなることで、バレルライナーの壁面からシール外径を係脱させ、もって摩耗を低減させる。
【0025】
図4に示すように、メイン・ステム22の端部は、分岐して指部38を形成し、溶融物チャネル36にスロット42を形成している。当業者が理解するように、射出スクリューを引っ込めて回転させると、スクリューが提供する溶融物は、逆止リング24を前進させ、バルブ20を開いて、溶融物チャネル36は回転するスクリューから溶融物を受け入れる。溶融物チャネル36が溶融物で充填されると、チャネルの内部の圧力は、可塑化スクリューを、ゆっくりと、スクリューのフルショット位置にまで押し戻す。射出ストロークが開始するときには、逆止リングの前方にある閉じた体積の溶融物は、逆止リング24を図3に示した閉じた位置へと押し動かす。逆止リング24が、図3に示したシール位置に到達すると、溶融物チャネル36には充分な溶融物が提供され、キャビティに次回の溶融物を射出することを可能にする。スクリューの回転を停止させ、スクリューを前方へ並進させて、溶融物を成形キャビティの中へ押し込む。スクリューの並進運動は、溶融物が発生させる圧力を高め、斜面32及び34にて、またコイル26に隣接したバレル面に沿って、溶融物の経路36は確実にシールされる。
【0026】
図3Aに明瞭に示されるように、コイル26の横断面は実質的に矩形の形状になっている。コイルの外周面は、関連するバレルライナーの壁面としっかり密着するように、高い公差に機械加工されている。内周面は、凸状又は凹面など、他の形状でも良い。内周面の形状に対する唯一の制限は、コイルをバレルライナー面にシール係合させるように動かすための、適当な力を伝達する充分な表面を有することである。コイルのそれぞれの巻きにおける放射方向の表面も、高い公差に機械加工され、コイルの隣接する巻きが互いに効果的にシールするようになっている。外側コイルにおける外側の放射方向の表面、及びコイルが逆止リングに接触する表面は、良好なシールを確保するために高い公差に機械加工されているべきである。
【0027】
図5、図5A、及び図5Bには、逆止リング24を詳しく示している。リング24は、その外周に円周状にスロット44を備えている。図示のスロット44は、リング24の中央付近に設けているが、必要に応じて、いずれかの端部付近に設けても良い。唯一の制限は、スロットに隣接した壁部分46及び48が、スロット44に取り付けられたコイル26から働く押圧力に耐えられるだけの、充分な強度を有することである。
【0028】
図6、図6A、及び図6Bには、螺旋コイル26を詳しく示している。図示の通り、外周面66は、高い公差に機械加工されている。放射方向の表面68も、高い公差に機械加工されている。内周面70は、動作時に溶融物に接触するだけなので、高い公差に作る必要はない。
【0029】
図7は、逆止バルブ52の開閉動作と、溶融物チャネル54のシール動作とを組み合わせた、逆止リングコイル50を示している。この実施形態においては、コイル50における外側コイルの表面56が斜面34と係合して、図示の如く、バルブを閉じる。コイル50の巻きにおける周辺面は、バレルの壁面と係合して、溶融物が逆流しないように壁面をシールする。コイル50の巻きには可撓性があるために、たとえバレルが摩耗しても、コイル50は確実なシールを提供し続けることができ、というのは、コイル50の内壁に溶融物の圧力が働いて、コイルの外壁をバレルに対して押し付けるためである。従って、バレルが余りにも摩耗して、コイルの拡張によっては、摩耗した隙間を塞げないほどになったとき、壁面に沿ったシールは摩耗を開始する。
【0030】
金属のモールド成形においては、螺旋コイルは、例えばマグネシウムのモールド成形にあっては600℃などの、高温の運転温度にて安定していて、腐食に対して不活性な材料から作る必要がある。例えば、マグネシウムをモールド成形する場合には、ニッケルは存在すべきでない。
【0031】
図7に示したステム22は、本質的には、図3に示したステム22と同一であるので、ステムの同一部分を示すのに同一の参照符号を付している。ステム22については、これ以上、説明しない。
【0032】
図7Aは、コイル50の機械加工された表面を明瞭に示している。
図8は、図7に示した逆止バルブ52の端面図であって、溶融物が射出キャビティに流入できるようにスロット42を具備している。
図9は、本発明のさらに別の実施形態を示している。この実施形態においては、溶融物流路チャネル60が、逆止バルブの周辺から、バレルの内部64へ向けて延びている。螺旋コイル66は、図7及び図8を参照して述べたのと同様に、逆止リング及び逆止バルブのシールとして作用する。
図10及び図11は、本発明のさらに別の実施形態を示している。この実施形態においては、スクリュー(図示せず)の座部74と螺旋コイル76との間にはリング72が配置されている。リング72によれば、必要な流路を維持しつつ、薄いコイル76を使用することができる。リング72は、コイル76と共に前後に動く。
上述した説明は単なる例示であって、もちろん、本発明の範囲内においてその詳細に改変を施し得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】金属射出成形機のためのバレル組立体を示した端面図である。
【図1A】本発明が有益な、代表的な射出成形システムにおけるバレル組立体を示した図である。
【図2】図1の線2−2に沿ったバレル組立体の断面図であって、本発明によって提供される螺旋シールを示している。
【図3】図2の一部分を示した詳細図であり、図4の線3−3に沿った断面図であって、螺旋シールを備えた逆止バルブについて、その閉じたシール位置を示している。
【図3A】図3において円Aで囲んだ部分の詳細図であって、螺旋の幾何学形状と溝部との関係をさらに詳しく示している。
【図4】図3の逆止バルブを示した端面図である。
【図5】本発明による逆止リングを示した斜視図である。
【図5A】図5の逆止リングを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図5B】図5の逆止リングを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図6】逆止リングをシールするために図5の逆止リングに嵌着される、螺旋コイルを示した斜視図である。
【図6A】図6の螺旋コイルを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図6B】図6の螺旋コイルを示した、それぞれ断面図及び端面図である。
【図7】図8の線7−7に沿った逆止バルブの断面図である。
【図7A】逆止バルブの断面図であって、螺旋コイルはシール及び逆止リングとして機能している。
【図8】図7の逆止バルブを示した端面図である。
【図9】本発明の他の実施形態であって、螺旋コイルは、逆止リング及びシールとしての組み合わせになっている。
【図10】本発明のさらに別の実施形態を示した断面図であり、図11の線10−10に沿った断面図であって、螺旋コイルの逆止バルブとシールの間の摩耗リングを示している。
【図11】図10の逆止バルブを示した端面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属射出成形機の逆止バルブのためのシールであって、前記シールは、前記逆止バルブの外面に設けた周辺溝部と、前記溝部内に配置した螺旋巻きコアとを備え、前記螺旋巻きコイルは、前記射出成形機における円筒壁に対してシール係合すべく拡張可能になっていることを特徴とするシール。
【請求項2】
請求項1に記載のシールであって、前記コイルのそれぞれの巻きは、平坦な放射壁を具備し、前記コイルの隣接する巻きは、互いに接触して前記コイルを放射方向にシールしていることを特徴とするシール。
【請求項3】
金属射出成形機のための逆止バルブであって、前記バルブは、前記逆止バルブの外面に設けた周辺溝部と、前記溝部内に配置した螺旋巻きコイルとを備え、前記コイルは、前記射出成形機における円筒壁に対してシール係合すべく拡張可能になっていることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項4】
請求項3に記載の逆止バルブであって、前記螺旋巻きコイルは、溶融物チャネルが開いた位置と溶融物チャネルが閉じた位置との間で横方向に可動になっていることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項5】
請求項3に記載の逆止バルブであって、前記コイルの巻きは、横断面において、実質的に矩形になっていることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項6】
請求項4に記載の逆止バルブであって、前記コイルの巻きが隣接する面は、高い公差に機械加工されて、前記コイルが圧縮されたとき、隣接する巻き同士の間にシールを確保することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項7】
請求項4に記載の逆止バルブであって、前記コイルの巻きにおける外面は、高い公差に機械加工されて、前記コイルが拡張したとき、前記壁面に対して密にシールすることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項8】
金属射出成形機のための逆止バルブであって、前記バルブは螺旋巻きコイルを具備し、前記コイルは前記逆止バルブをシールし、前記バルブを通る流路を開閉すべく、前記逆止バルブのシリンダ上にて摺動可能になっており、前記コイルにおける最初の巻きは、前記シリンダの合致面に一致する面を有し、前記合致面と接触したときには、前記バルブが閉じられ、前記コイルの外周面は、前記逆止バルブを取り囲むシリンダ壁に一致して、前記逆止バルブのために軸線方向のシールを提供することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項9】
請求項8に記載の逆止バルブであって、前記コイルにおける最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な放射壁を有し、互いに押圧されると放射シールを提供することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項10】
射出成形機のための射出ユニットであって、射出スクリューと、前記射出スクリューの片端に設けたノズル本体と、前記ノズル本体に設けた逆止バルブとを備え、前記逆止バルブはシールリングを具備し、前記シールリングは、前記ノズル本体を取り囲み、前記ノズルが開かれる第1の位置と前記ノズルが閉じられる第2の位置との間において摺動可能である、螺旋巻きコイルを備え、前記コイルにおける最初の巻きは、前記コイルが前記閉じられた位置にあるとき、前記ノズル本体の肩部に対してシール係合することを特徴とする射出ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載の射出ユニットであって、前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な放射壁を有し、前記逆止バルブに放射方向のシールを提供すべく、隣接する巻きにおける平坦な放射面に対してシール係合していることを特徴とする射出ユニット。
【請求項12】
金属射出成形機の逆止バルブのためのシールであって、前記シールは、前記バルブに設けた周辺溝部に挿入可能である螺旋コイルを備え、前記コイルは、前記リングの内側放射面が圧力を受けたとき、シリンダ壁にシール係合すべく拡張可能な外側放射面を有し前記コイルにおける最初の巻きは、前記溝部に設けた軸線面に一致する軸線面を有し、前記コイルが軸線力を受けたとき、軸線方向のシールを提供することを特徴とするシール。
【請求項13】
請求項12に記載のシールであって、前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な軸線面を有し、前記コイルに軸線方向のシールを提供すべく、隣接する巻きにおける平坦な軸線面に対してシール係合していることを特徴とするシール。
【請求項14】
金属射出成形機のための逆止バルブであって、螺旋コイルを備え、前記コイルは、前記逆止バルブをシールして、前記バルブを通る流路を開閉すべく軸線方向に並進可能になっていて、前記コイルにおける最初の巻きが有する面は、前記逆止バルブ本体に設けた合致面と一致して、前記合致面と接触したとき、前記バルブを閉じ、前記コイルにおける外側の放射面は、前記逆止バルブを取り囲んでいる円筒壁と一致して、前記逆止バルブに放射方向のシールを提供することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項15】
前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な軸線壁を有し、軸線力を受けると軸線シールを提供することを特徴とする請求項14に記載のコイル。
【請求項16】
金属射出成形機のための射出ユニットであって、射出スクリューと、前記射出スクリューの片端に設けた逆止バルブとを備え、前記逆止バルブはシールを備え、前記シールは、前記逆止バルブの本体を取り囲み、前記バルブの流路を開閉すべく軸線方向に並進可能である、螺旋巻きコイルを備え、前記コイルにおける最初の巻きが有する面は、前記逆止バルブ本体に設けた合致面と一致して、前記合致面と接触したとき、前記バルブを閉じ、前記コイルにおける外側の放射面は、前記逆止バルブを取り囲んでいる円筒壁と一致して、前記逆止バルブに放射方向のシールを提供することを特徴とする射出ユニット。
【請求項17】
請求項16に記載の射出ユニットであって、前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な軸線面を有し、前記逆止バルブに軸線方向のシールを提供すべく、隣接する巻きにおける平坦な軸線面に対してシール係合していることを特徴とする射出ユニット。
【請求項1】
金属射出成形機の逆止バルブのためのシールであって、前記シールは、前記逆止バルブの外面に設けた周辺溝部と、前記溝部内に配置した螺旋巻きコアとを備え、前記螺旋巻きコイルは、前記射出成形機における円筒壁に対してシール係合すべく拡張可能になっていることを特徴とするシール。
【請求項2】
請求項1に記載のシールであって、前記コイルのそれぞれの巻きは、平坦な放射壁を具備し、前記コイルの隣接する巻きは、互いに接触して前記コイルを放射方向にシールしていることを特徴とするシール。
【請求項3】
金属射出成形機のための逆止バルブであって、前記バルブは、前記逆止バルブの外面に設けた周辺溝部と、前記溝部内に配置した螺旋巻きコイルとを備え、前記コイルは、前記射出成形機における円筒壁に対してシール係合すべく拡張可能になっていることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項4】
請求項3に記載の逆止バルブであって、前記螺旋巻きコイルは、溶融物チャネルが開いた位置と溶融物チャネルが閉じた位置との間で横方向に可動になっていることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項5】
請求項3に記載の逆止バルブであって、前記コイルの巻きは、横断面において、実質的に矩形になっていることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項6】
請求項4に記載の逆止バルブであって、前記コイルの巻きが隣接する面は、高い公差に機械加工されて、前記コイルが圧縮されたとき、隣接する巻き同士の間にシールを確保することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項7】
請求項4に記載の逆止バルブであって、前記コイルの巻きにおける外面は、高い公差に機械加工されて、前記コイルが拡張したとき、前記壁面に対して密にシールすることを特徴とする逆止バルブ。
【請求項8】
金属射出成形機のための逆止バルブであって、前記バルブは螺旋巻きコイルを具備し、前記コイルは前記逆止バルブをシールし、前記バルブを通る流路を開閉すべく、前記逆止バルブのシリンダ上にて摺動可能になっており、前記コイルにおける最初の巻きは、前記シリンダの合致面に一致する面を有し、前記合致面と接触したときには、前記バルブが閉じられ、前記コイルの外周面は、前記逆止バルブを取り囲むシリンダ壁に一致して、前記逆止バルブのために軸線方向のシールを提供することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項9】
請求項8に記載の逆止バルブであって、前記コイルにおける最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な放射壁を有し、互いに押圧されると放射シールを提供することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項10】
射出成形機のための射出ユニットであって、射出スクリューと、前記射出スクリューの片端に設けたノズル本体と、前記ノズル本体に設けた逆止バルブとを備え、前記逆止バルブはシールリングを具備し、前記シールリングは、前記ノズル本体を取り囲み、前記ノズルが開かれる第1の位置と前記ノズルが閉じられる第2の位置との間において摺動可能である、螺旋巻きコイルを備え、前記コイルにおける最初の巻きは、前記コイルが前記閉じられた位置にあるとき、前記ノズル本体の肩部に対してシール係合することを特徴とする射出ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載の射出ユニットであって、前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な放射壁を有し、前記逆止バルブに放射方向のシールを提供すべく、隣接する巻きにおける平坦な放射面に対してシール係合していることを特徴とする射出ユニット。
【請求項12】
金属射出成形機の逆止バルブのためのシールであって、前記シールは、前記バルブに設けた周辺溝部に挿入可能である螺旋コイルを備え、前記コイルは、前記リングの内側放射面が圧力を受けたとき、シリンダ壁にシール係合すべく拡張可能な外側放射面を有し前記コイルにおける最初の巻きは、前記溝部に設けた軸線面に一致する軸線面を有し、前記コイルが軸線力を受けたとき、軸線方向のシールを提供することを特徴とするシール。
【請求項13】
請求項12に記載のシールであって、前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な軸線面を有し、前記コイルに軸線方向のシールを提供すべく、隣接する巻きにおける平坦な軸線面に対してシール係合していることを特徴とするシール。
【請求項14】
金属射出成形機のための逆止バルブであって、螺旋コイルを備え、前記コイルは、前記逆止バルブをシールして、前記バルブを通る流路を開閉すべく軸線方向に並進可能になっていて、前記コイルにおける最初の巻きが有する面は、前記逆止バルブ本体に設けた合致面と一致して、前記合致面と接触したとき、前記バルブを閉じ、前記コイルにおける外側の放射面は、前記逆止バルブを取り囲んでいる円筒壁と一致して、前記逆止バルブに放射方向のシールを提供することを特徴とする逆止バルブ。
【請求項15】
前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な軸線壁を有し、軸線力を受けると軸線シールを提供することを特徴とする請求項14に記載のコイル。
【請求項16】
金属射出成形機のための射出ユニットであって、射出スクリューと、前記射出スクリューの片端に設けた逆止バルブとを備え、前記逆止バルブはシールを備え、前記シールは、前記逆止バルブの本体を取り囲み、前記バルブの流路を開閉すべく軸線方向に並進可能である、螺旋巻きコイルを備え、前記コイルにおける最初の巻きが有する面は、前記逆止バルブ本体に設けた合致面と一致して、前記合致面と接触したとき、前記バルブを閉じ、前記コイルにおける外側の放射面は、前記逆止バルブを取り囲んでいる円筒壁と一致して、前記逆止バルブに放射方向のシールを提供することを特徴とする射出ユニット。
【請求項17】
請求項16に記載の射出ユニットであって、前記コイルにおける前記最初の巻き以外のそれぞれの巻きは、平坦な軸線面を有し、前記逆止バルブに軸線方向のシールを提供すべく、隣接する巻きにおける平坦な軸線面に対してシール係合していることを特徴とする射出ユニット。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図7A】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−504130(P2008−504130A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518416(P2007−518416)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000743
【国際公開番号】WO2006/000077
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(595155303)ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド (88)
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/CA2005/000743
【国際公開番号】WO2006/000077
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(595155303)ハスキー インジェクション モールディング システムズ リミテッド (88)
【氏名又は名称原語表記】HUSKY INJECTION MOLDING SYSTEMS LIMITED
【Fターム(参考)】
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