説明

血液から白血球を除去するための方法

本発明は、有機ポリマーをベースとする多数の繊維の配置における血液の処理によって血液中の白血球数を減少させるための方法であって、その際、血液が繊維を流れ、かつその際、本質的に繊維上での吸着によって血液から白血球を減少させる、血液中の白血球数を減少させるための方法において、有機ポリマーをベースとする多数の繊維が、流入口および流出口を有するハウジング内に維持されること、および血液が流入口を介してハウジングに供給され、それが有機ポリマーをベースとする多数の繊維を有するハウジングを貫流し、かつ流出口にてハウジングから再び出ること、繊維の配置が高度の規則性を有すること、血液が繊維の外部表面に沿って送り出されること、および繊維が、繊維表面積1m当たり少なくとも10μgの濃度の補体活性化産物C5aの形成をもたらすことを特徴とする、血液中の白血球数を減少させるための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液から白血球を除去するための方法ならびにこの方法を実施するための装置に関する。
【0002】
血液は、本質的に血漿および細胞成分からなる。それらには、赤血球(red blood cells)、血小板(platelets)および白血球(white blood cells)が含まれる。白血球には、リンパ球、単球および好中性顆粒球(好中球、PMN)が含まれる。リンパ球は、特異免疫において決定的な役割を果たし、単球および好中性顆粒球は、非特異免疫防御機構または炎症反応に関与する細胞型である。それらの課題は、例えば、あらかじめ特定の内因性タンパク質によって(例えば補体系のC3bによってまたは免疫グロブリンIgGによって)相応して異質であると認識された侵入微生物を排除することである。
【0003】
細胞が侵入微生物に接近すると、それらは酸素ラジカルと同様またプロテアーゼも放出し、それらによって微生物は死滅させられ、そうしてその後に食菌される。この反応が完全には進行しない場合、または制御不能となりかつ慢性化する場合、攻撃性の酸素ラジカルおよびプロテアーゼの放出によって生体固有の組織も損傷しうる。炎症が起こる間、なかでも種々のサイトカインが使用される強力な伝達および協調が全細胞型の間で生じる。反応は非常に複雑であり、かつまだ完全には解明されていない。それはしかし最終的には、臨床的に観察されるべき腫脹、発赤および熱の炎症につながる。なかでも特徴的であるのは、骨髄中で形成されかつ血液中で循環する単球および好球性顆粒球および特定の伝達物質の増加である。すでに記載された前炎症性サイトカイン以外に、タンパク質C3およびC5の活性化によって生じ、かつ炎症反応または急性期反応の間の補体活性化の度合いとなる補体タンパク質C3aおよびC5aも形成される。
【0004】
一連の炎症性疾患、例えば潰瘍性大腸炎、クローン病(Morbus Crohn)および慢性関節リウマチにおいては、今日では体外治療が用いられる。現在の従来技術によれば、そのために患者からある一定の数の細胞(おそらく特に単球および好中性顆粒球)が、患者の血液を体外で再循環させかつ細胞濾過器で処理することによって除去される。例えば、セルロースアセテートからの粒子もしくはビーズが充填されているカラムが白血球フィルターとして使用される。この場合、主にビーズの表面上での細胞の細胞吸着を介して除去が行われる。そのような製品はすでに市販されている。この場合、血液は、セルロースアセテートビーズを含有するカラムに導通される。セルロースアセテートビーズは、血液中に含まれる顆粒球および単球を吸着によって減少させる。
【0005】
US6,498,007は、キャリア上での吸着によって血液から白血球を除去するための方法を開示する。この際、血液は、有利にはいわゆるビーズの形のこのキャリアと接触させられ、その際、キャリアは、感染されなかった、活性化されなかったもしくは欠損のない白血球より、感染した、活性化されたまたは欠損のある白血球に対して高い親和性を有する。
【0006】
代替的に、不織布または織物も白血球フィルターの体外的な除去のために使用される。例えば、(例えば赤血球のまたは濃厚血小板の)輸血のための保存血液から白血球を除去するために不織布をベースとする製品が使用され、この場合、細胞除去は、主として不織布を用いた機械的な濾過を介して行われる。輸血のために、一般に500mlの血液のバッチが30分未満で濾過される。工程は、重力駆動によってシングルパスにおいて進められ、かつ循環路内では進められない。細胞濾過器を体外循環において使用できるようにするためには、およそ1〜6lの血液がポンプ駆動によって数時間、濾過できなければならない。そのために、正面に供給接続部および反対側の正面に排出接続部を有する円筒形ハウジング内のポリプロピレン不織布が市販されている。そこで使用される不織布により、白血球が濾過効果および吸着効果に基づき保持される。
【0007】
EP1230940によると、同様に、血液から白血球を除去するためのフィルターが使用される。フィルターは、不織布、織物または多孔質の平膜もしくは中空繊維膜であってもよい。処理されるべき血液は、不織布、織物または多孔質の膜を通って流れる。フィルター材料は、親水性合成ポリマーからのコーティングを有する。このコーティングは、フィルターに血小板を貫通させながら、同時に白血球を除去することを可能にする。
【0008】
WO95/18665は、フィルターおよび、白血球およびウイルス不活化物質を血漿またはその他の血液分画から除去するための方法を開示する。フィルターは、織物繊維からのネットをベースとする。ネットには、ウイルス不活化物質もしくは白血球に対して高い親和性を有するリガンドが共有結合している。これは、リガンドが直接的にまたはリンカーを介してポリマーマトリックスに結合されていなければならないので、選択的な、しかし技術的に非常に費用の掛かる方法である。
【0009】
そのようなフィルターによる白血球の保持は、繊維不織布中での細胞捕獲または繊維表面上での細胞の多少なりとも強い吸着に拠る。とはいってもこの方法の場合、種々の血球は機械的に非常に強く負荷を受けるので、このことから細胞活性化につながりうるかまたはそれどころか血球の破壊にもつながりうる。
【0010】
存在する機構および方法の本質的な欠点は、種々の細胞型が目的に合わせてまたは限定して吸着されえないという点と、単球および顆粒球以外にリンパ球、血小板および赤血球も吸着されえないという点にある。これは、徴候に応じて、全く必要でなくてもよいかまたはそれどころか患者にとって有害でさえもありうる。特殊なケースは、血小板の吸着である。血小板は、活性化後に血液凝固に中心的に関与する。体外循環の間に血液凝固が生じないようにするために、例えば抗凝固剤としてのヘパリンの投与によって、薬剤を用いて抑制されなければならない。抗凝固剤にも関わらず血液凝固が生じる場合、これによりフィルターが詰まることになる。
【0011】
慣例の白血球フィルターのさらに他の一欠点は、臨床使用前に、例えば脱気に関して、しばしば取り扱いが難しいという点にある。気泡は、体外循環においてともすれば患者を危険にさらし、つまり非常に好ましくない。フィルター内に存在する空気の除去が簡単であればあるほど、それだけ取り扱いは良好となり、かつ安全に使用される。
【0012】
従って本発明の課題は、従来技術の欠点が少なくとも軽減される、血液が注意深く処理される、および種々の細胞型を目的に合わせて除去するために代替的な方法も可能にする、血液から白血球を減少させるための方法を提供することである。さらに本発明の課題は、そのような方法を実施するための装置を提供することである。
【0013】
この課題は、有機ポリマーをベースとする多数の繊維の配置において血液を処理することによって血液中の白血球数を減少させるための方法であって、その際、多数の繊維は、流入口(Einlasseinrichtung)および流出口(Auslasseinrichtung)を有するハウジング内に保持され、血液は流入口を介してハウジングに供給され、引き続きハウジングを貫流し、その際、血液は繊維の外部表面の周囲を流れ、かつ最後に流出口を介してハウジングから再び出る、有機ポリマーをベースとする多数の繊維の配置において血液を処理することによって血液中の白血球数を減少させるための方法において、血液が繊維の外部表面の周囲を流れる際に、繊維表面積1m当たり少なくとも10μgの濃度の補体活性化産物C5aの形成をもたらす繊維を使用すること、および繊維の配置が高度の規則性を有することを特徴とする、有機ポリマーをベースとする多数の繊維の配置において血液を処理することによって血液中の白血球数を減少させるための方法によって解決される。
【0014】
同様に本発明は、流入口および流出口を有するハウジング内に有機ポリマーをベースとする多数の繊維を包含する、血液中の白血球数を減少させるための装置であって、繊維の配置が高度の規則性を有すること、および有機ポリマーをベースとする繊維が、繊維表面積1m当たり少なくとも10μgの濃度の補体活性化産物C5aの形成をもたらすことを特徴とする、流入口および流出口を有するハウジング内に有機ポリマーをベースとする多数の繊維を包含する、血液中の白血球数を減少させるための装置も包含する。
【0015】
C5aは、血漿タンパク質C5の分解産物である。従って、血液中のC5a濃度の最大値は、血漿中のC5の濃度によって限定され、その際、血漿中のC5濃度は個々の強い変動下にあり、かつ約40mg/l〜150mg/lでありうる。C5対C5aのモル質量比に基づき、それによって9mg/lの血液中でのC5aの理論的な最大濃度が出される。
【0016】
補体活性化産物C5aの濃度は、DRG Diagnostics社(マールブルク)のサンドイッチELISA(酵素免疫測定法)を使用して血漿中で算出される。繊維とヒトドナー血液(5U/ml ヘパリン)との接触後、種々の時間で血液1.8mlが採取され、かつEDTA溶液100mM 0.2mlにより止められる。分析前に、製造元仕様に応じてC5が沈殿する(血漿200μl+沈殿試薬200μl)。上清50μlが測定に用いられる。アッセイの検出感度は<0.02μg/lであり、血漿中でのC5aの回収率は86〜114%であり、かつ変動係数は5〜8%(測定内(Intraassay))もしくは6〜10%(測定間(Interassay))である。測定されるC5a濃度は、血液量および繊維表面積に依存する。従って、繊維の外部表面積に対するC5a濃度を算出するために、サンプル中のC5aの絶対含有率が測定されなければならず、かつ外部繊維表面積と対比されなければならない。その際、0.3L/mの血液量(V)対繊維表面積(A)V/Aの比が維持されるべきである。繊維表面積に対するC5a濃度の算出は、3hの処理時間後に行われ、すなわち血液サンプルは3h、繊維の外部表面積に沿った形で送り込まれ、その際、5〜30cm/分の線流速(lineare Stroemungsgeschwindigkeit)が維持されなければならない。測定結果はドナーに依存し、個々の変動下にあるので、任意抽出サンプル数Nは少なくとも2つであるべきであり、かつ任意抽出サンプルの平均値が挙げられるべきである。
【0017】
理論と結び付けられることなく、炎症性患者の治療に際して補体活性化が重要な意味を持つこと、および補体活性化との組み合わせにおいて白血球数を減少させることの方が、単独で白血球数を減少させることよりも本質的に効果的であることが推測される。そのために、血液中でのC5aの濃度によって測定される補体活性化は、本発明による閾値を上回っていなければならない。
【0018】
パラメーターの白血球数とC5aとの関係はおそらく、特定の白血球がC5aによって活性化されうるということによって示される。C5aおよびその他の因子による活性化によって、細胞は癒着性("粘着性")となり、従ってC5aを産生する表面で強まって結合することになる。
【0019】
従って有利なのは、繊維が、繊維表面積1m当たり少なくとも75μgの濃度の補体活性化産物C5aのさらに強まった形成をもたらすことである。
【0020】
とりわけ有利には、繊維は、繊維表面積1m当たり少なくとも100μgの濃度の補体活性化産物C5aの形成をもたらす。
【0021】
血液中に含まれる細胞の損傷を回避するために重要なことは、血液が本質的に繊維材料に浸透しないかもしくは繊維材料を通って貫流しないことである。従って有利なのは、不透過性の表面を有するか、または多孔質の表面の場合0.1μmの最大孔径を有する繊維材料もしくは繊維である。
【0022】
有機ポリマーをベースとする繊維は、マルチフィラメント繊維、すなわち多数の個々のフィラメントからなる繊維であってもよく、有利には、繊維はモノフィラメント繊維であり、すなわち、それらはただ一つのフィラメントからなる。
【0023】
本発明による方法のために不可欠のC5a形成は、ポリマーに依存するのみならずまたポリマーの混合物または置換度にも依存するので、"有機ポリマーをベースとする"という記載は、ポリマー材料それ自体、置換基、それらの混合物、これらの材料の共重合体ならびに場合によっては添加される助剤または添加剤、例えば親水化剤を包含する。
【0024】
本発明の意味における高度の規則性とは、繊維が互いに似た配置にあること、もしくは高い割合の繊維がそれらの伸長方向に沿って並んで配置されていることと理解されるべきである。理論的に、互いに平行にあるまっすぐの繊維の束は非常に高度の規則性を有する。本発明の意味における高度の規則性はまた、波形もしくは、けん縮された繊維の束も有し、その際、繊維束の繊維は、全て同じ伸長方向を有する。また本発明の意味における高度の規則性には、ループ形に敷設されている繊維束も含まれている。ここでも繊維の配置は互いに似ている。同様に高度の規則性とは、繊維の少なくとも30%が平行にあると理解されるべきである。さらに、いくつかの層内に存在する繊維も包含されており、その際、繊維は層の中で本質的に互いに平行に配置されている。とはいっても一方の層の平行な繊維が、他方の層の平行な繊維と交差していてもよい。この種類の配置は、EP285812に記載されている。高度の規則性を有する本発明による配置には、繊維が完全に不規則に存在し、かつ互いに混交している不織布またはもつれた繊維マットは含まれていない。不織布と比較して高度の規則性を有する本発明による配置は、より高い表面積および本発明による方法の適用に際して均一の血液膜厚を有する。高度の規則性は、繊維を通って流れる血液が比較的小さい乱流を有し、かつ血液中に含まれる細胞が小さいせん断応力にさらされることを保証する。そのうえ、高度の規則性は、デッドスペースおよび有利な流路、いわゆる分路の形成が大幅に回避されることを保証する。これによって、とりわけ注意深い血液処理が達成される。
【0025】
高度の規則性は、白血球数の減少が本質的に、例えば不織布の場合がそうであるように、ふるい効果によってではなく、とりわけ注意深い血液処理が可能となる吸着効果によって引き起こされることを保証する。そのうえ、不織布の場合に生じるふるい効果は、その他の細胞血液成分、例えば血小板の不所望の減少をもたらす。
【0026】
本発明による方法もしくは本発明による装置のために、中実繊維が適しているのみならず、中空繊維もまた使用されうる。中空繊維は、内部表面および外部表面を有する。中空繊維が使用される場合にも、これらは中実繊維の場合と同じように外部表面に沿って流されなければならない。血液は、中空繊維の外部表面の周囲を流れる前にまたは周囲を流れた後にその管腔も貫流してよい。しかしながら、管腔を付加的に貫流する場合には、どんな利点も得られないことが明らかになった。当然のことながら、中空繊維として不透過性のまたは多孔質の構造を有する中空繊維膜も使用されうる。その際、本発明による方法は、血液が本質的に中空繊維もしくは中空繊維膜に浸透せずかつ膜壁を貫流しないように実施されることが考慮されなければならない。
【0027】
繊維の数は、有利には繊維2000〜20000本の範囲、とりわけ有利には繊維4000〜14000本の範囲にある。繊維の外径は、0.05mmから2mmの間、有利には0.1mmから2mmの間、とりわけ有利には0.2mmから1mmの間にあるべきである。
【0028】
有利には、繊維の配置は、処理されるべき血液1ml当たり0.1から100cmの間の、有利には、処理されるべき血液1ml当たり0.5から20cmの間の血液処理のための比表面積を有する。処理されるべき血液の量は、血液処理および体積流量の継続時間から出される。
【0029】
有機ポリマーからの繊維として、天然ポリマーからの、または合成工程を経て製造されたポリマーからの繊維が考慮の対象となる。天然ポリマーからの繊維は、殊にセルロース系ポリマーをベースとするものであり、それはいわゆる重合類似反応に供された繊維も同様に包含する。セルロースをベースとするそのような繊維のための例は、再生セルロース、セルロースアセテートまたは変性されたセルロース、例えばセルロースエステル、セルロースエーテル、ベンジル基で変性されたセルロース(ベンジルセルロース)またはジエチルアミノエチルで変性されたセルロースまたはこれらのセルロース系ポリマーの混合物からのものである。セルロース系ポリマーをベースとする繊維により、本発明による方法において白血球数の高い減少率が達成され、とりわけ高い減少率は、再生セルロースからの繊維により得られる。さらに、キチンもしくはキトサンをベースとする繊維も使用されうる。
【0030】
有機ポリマーは、合成工程を経て製造されるポリマーでもある。合成ポリマーからの繊維のために、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネートまたはポリエステルならびにそれらから得られた変性物、これらのポリマーの配合物、混合物または共重合体からなるものが使用されうる。有利には、スルホンポリマー、例えばポリスルホンまたはポリエーテルスルホンをベースとするものが使用される。これらのポリマーに、さらに他のポリマー、例えばポリエチレンオキシド、ポリヒドロキシエーテル、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールまたはポリカプロラクタンが添加物質として加えられてもよい。繊維は、そのうえなお添加剤を有するコーティングを有してもよい。有利には、そのような繊維は、親水化剤、例えばポリビニルピロリドンまたはこれらのポリマーの親水性変性物も含有する。
【0031】
自明のことながら、本発明による方法は、全血中の白血球数を減少させることのみならず、血漿中またはその他の濃縮血液中の残留白血球数を減少させることにも適している。従って本発明の範囲内で、血液とは、全血、血漿または濃縮血液と理解される。
【0032】
記載された繊維材料により、何よりもまず白血球が減少させられることが明らかになった。殊にセルロース系繊維材料により、主に顆粒球および単球の数が減少させられる。リンパ球は、セルロース系材料によりほんのわずかしか減少させられない。
【0033】
従って本発明の範囲内で、目的に合わせてある部類の特定の細胞型、例えば白血球の部類から単球および顆粒球を減少させ、かつリンパ球は減少させないことが可能である。さらにセルロースをベースとする繊維材料は、血小板がわずかな程度にしか保持されないことを特徴とする。
【0034】
全ての繊維が同じ程度に、その繊維に沿って流れる血液と接触することを確実に保証するために、繊維は互いに間隔を空けて、例えばいわゆるスペーサーヤーン(Spaceryarn)を介して配置されうる。繊維の間隔を空けることは、ふるい効果を回避することに鑑みてとりわけ有利である。そのようなスペーサーヤーンは、それによって、本質的に平行して存在する繊維間の均等な間隔が保証されるのでとりわけ有利である。そのようなスペーサーヤーンによる配置は、例えばEP732141またはEP285812の中で記載される。有利には、多数の平行な繊維と同じ材料からのスペーサーヤーンが存在する。しかしまた、スペーサーヤーンとしてのその他の繊維材料の使用によって、血液中に含まれるさらに他の細胞型の数を減少させることも可能である。
【0035】
特定の適用例に関して有利でありうるのは、付加的に血小板を目的に合わせて血液から除去することである。これらの適用例に関して、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンからの繊維が適している。血小板および白血球の減少が所望されている場合、例えばセルロース系繊維とPET繊維との組み合わせが本発明による方法のために提供される。
【0036】
すでに記載されたように、有機ポリマーをベースとする多数の繊維が、有利には流入口および流出口を有するハウジング内に存在する。このために繊維は、一般に公知の方法で、血液が貫流可能な外部スペースが繊維の周りに形成されるように、該繊維の両端の少なくとも1つがハウジングの内部に結合された封止用コンパウンドに埋め込まれる。例えば、繊維はそれらの末端が別々に封止用コンパウンドに埋め込まれていてもよく、かつこれらの封止用コンパウンド間で本質的に直線的に伸長しうる。そのような構造は、例えば通常のいわゆる"交差流(cross-flow)"方式で運転される中空繊維モジュールにて実現され、かつなかでも市販の透析モジュールにて見つけられる。この種類のモジュールの場合、本発明による方法の実施に際して、中空繊維の周りの外部スペースを血液が貫流する。しかしまた繊維は、一方の端部のみが埋め込まれていてもよく、またはそれらの両端が同じ封止用コンパウンドに埋め込まれていてもよく、かつ血液は、埋め込まれず独立した他方の端部もしくは形成されるループの周囲を流れてもよい。この種類の繊維配置は、例えばEP732142またはEP371189の中で記載される。
【0037】
有機ポリマーからの本発明による繊維を有するハウジングの充填率は、10%から70%の間に、有利には30%から60%の間にあるべきである。繊維は、繊維材料に依存して、液体との接触に際して様々に強く膨潤しうるので、膨潤した状態の繊維によりハウジングの充填率の測定が行われなければならない。強く膨潤する繊維、例えばセルロースベースの繊維の場合、繊維直径に関して膨潤した状態もしくは膨潤しなかった状態とでは明らかな差違が観察されうる。従って、膨潤に基づき、繊維が乾燥した状態で存在する場合には違った充填率が生じる。それに対して、膨潤しないかまたはほとんど膨潤しない繊維、例えばポリスルホンからの繊維は、膨潤した状態もしくは膨潤しなかった状態における充填率の測定に際して差違を示さないかまたはわずかな差違しか示さない。
【0038】
ハウジングの充填率は、一方では十分に大きい繊維表面積を提供するために、他方では本発明による方法において白血球を減少させるのに際してふるい効果を回避するために、あらかじめ設定された範囲内に制限されなければならない。
【0039】
ハウジング内の血液の滞留時間は、少なくとも0.5分であるべきであり、かつ5分の時間は超えないべきである。5分を上回る長い滞留時間の場合、血液の凝固傾向が増大し、かつ抗凝固剤の添加にも関わらず血液凝固の危険性が高まる。これに対して、0.5分を下回るわずかな滞留時間の場合には白血球吸着は十分ではない。従って、有利なのは1分〜3分のハウジング内での血液の滞留時間である。
【0040】
有機ポリマーをベースとする多数の繊維を有するハウジングを通過する血液の線流速は、5cm/分から30cm/分の間にあるべきである。線流速とは、血液が流入口から流出口へとケーシングを通って流れる平均速度と理解されるべきである。線流速の計算には、ハウジング内の全ての繊維の横断面積の合計を差し引いたハウジングの内部の横断面積から成るいわゆる流の自由断面積が用いられる。この際、繊維の横断面積を計算するために、繊維の外径を引き合いに出さなければならないことが考慮されるべきであり、その際、血液との接触において膨潤しうる繊維材料が使用される場合、膨潤した状態での外径が重要である。5cm/分より小さい線流速は、血小板凝集および血液凝固を促進する。30cm/分を上回る流速は、繊維表面上での細胞血液成分の吸着を阻害する。
【0041】
すでに挙げられたように、有機ポリマーをベースとする繊維はそれらの配置において高度の規則性を有する。本発明による方法もしくは本発明による装置の有利な一実施態様において、有機ポリマーをベースとする繊維は、本質的に平行な繊維の繊維束として存在する。本発明による方法のさらに他の有利な一実施態様において、有機ポリマーをベースとする繊維は1つ以上の層内に存在し、その際、繊維は層の中で本質的に平行にある。
【0042】
本発明は、以下の実施例および図を手がかりに詳細に説明されるが、しかしながら本発明の範囲はそれによって制限されない。
【0043】
各図が示すのは以下の通りである:
図1:時間に依存する、再生セルロースからの中空繊維の使用下での本発明による方法による血液サンプル中の白血球数の減少
図2:時間に依存する、再生セルロースからの中空繊維の使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の顆粒球数、リンパ球数、単球数および血小板数の減少
図3:時間に依存する、再生セルロースからの中空繊維の使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の補体活性化産物C5aの濃度
図4:時間に依存する、再生セルロースからの中空繊維の使用およびPET繊維の付加的な使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の顆粒球数、リンパ球数、単球数および血小板数の減少
図5:時間に依存する、変性されたセルロースからの中空繊維の使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の白血球数の減少
図6:時間に依存する、変性されたセルロースからの中空繊維の使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の補体活性化産物C5aの濃度
図7:時間に依存する、ポリエーテルスルホンからの中空繊維の使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の白血球数の減少
図8:時間に依存する、ポリエーテルスルホンからの中空繊維の使用およびPET繊維の付加的な使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の白血球数の減少
図9:時間に依存する、ポリエーテルスルホンからの中空繊維の使用およびPET繊維の付加的な使用下での本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の補体活性化産物C5aの濃度。
【0044】
例1
再生セルロースからの中空繊維の使用下で血液サンプルを本発明による方法を用いて処理し、かつ時間に依存して白血球数、特定の白血球型の数、血小板数ならびに補体活性化産物C5aの形成を測定した。図1は、本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の白血球数(WBC−White Blood Cells)の相対的なパーセントによる減少率を示す。そのために1.36mの外部表面積および1.27mの内部表面積を有する再生セルロースからの一群の中空繊維を使用した。そのために膨張した状態で242μmの繊維直径および260mmの長さを有する繊維7400本からなる中空繊維群を、33mmの内径を有する円筒形ハウジング内に配置した。ハウジングの充填率は約40%であった。血液サンプルとしてヒト血液410mlを使用し、それを最大3hの時間にわたって50ml/分の体積流量で循環させたが、このことは10cm/分の線流速に相当する。ハウジング内での血液の滞留時間は2.5分であった。図1に示される試験結果は明らかに、繊維の外部表面に沿って血液が流れる場合に白血球数の著しい減少が起こることを示している。内部の貫流は、出発量の約15%の細胞数のわずかな減少にしかつながらない。内部流および外部流は、単独の外部流と比べて利点が生じない。血液と2.54mの繊維材料との接触面が外部流(1.36m)の時より明らかに大きいにも関わらず、連続した2つのモジュールの内部の貫流も、それが外部の貫流により達成されうる量の白血球の減少につながらない。図1から読み取れるのは、血液が中空繊維の外部を通過して流れる場合、細胞数の減少が得られるのみということである。内部を貫流された中空繊維は、細胞粘着を示さないかまたは非常にわずかな細胞粘着しか示さない。これはまた、内部の貫流が外部表面の周囲の流と組み合わされる場合にも当てはまる。
【0045】
図2は、個々の白血球型の数がどの程度減少させられ、かつ本発明による方法が血小板の数に対してどんな影響を持つのかを示す。図2では、血液処理時間に依存する、単球、顆粒球、リンパ球および血小板の細胞数の相対的なパーセントによる減少率が示されており、それらは0.56mの外部表面積を有する再生セルロースからの中空繊維およびヒト血液240mlの使用下で算出した。そのために膨張した状態で275μmの繊維直径および120mmの長さを有する繊維5400本を、38mmの内径を有する円筒形ハウジング内に配置した。ハウジングの充填率は約29%であった。血液サンプルを最大3hの時間にわたって117ml/分の体積流量で循環させたが、このことは14cm/分の線流速に相当する。ハウジング内での血液の滞留時間は約0.8分であった。単球および顆粒球は、95%を上回って3hの継続時間後に血液サンプルから除去されるが、しかしながらリンパ球および血小板は、より少ない量で約20%もしくは15%しか減少させられない。再生セルロースの使用によって、つまり特に単球および顆粒球が血液から除去されうる。
【0046】
図3は、本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の補体活性化産物C5aの濃度を示す。試験は、図1で示されるのと同じ条件下で行う。3時間の血液処理後、外部表面に沿う流にて403μg/lの処理されたサンプル中でのC5a含有率を算出した。これは、処理された血液サンプル中の165μgのC5a形成もしくは繊維表面積1m当たりC5a 121μgのC5a形成に相当する。
【0047】
例2
例1、図2の箇所で記載されるような中空繊維モジュールを使用し、その際、しかしながら、中空繊維束は付加的にポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含有していた。図4は、ポリエチレンテレフタレート繊維の付加的な使用下での単球、顆粒球、リンパ球および血小板の細胞数の時間に依存する相対的なパーセントによる減少率を示す。試験条件は、その他の点では図2に関して例1で示された試験条件に相当する。ポリエチレンテレフタレート繊維の付加的な使用によって、再生セルロースからの繊維をもっぱら使用することと比較して単球および顆粒球のはるかに速い除去が達成される。すでに15分後に、95%を上回る単球および75%を上回る顆粒球がサンプルから除去されている。リンパ球は約60%がサンプルから除去され、かつ血小板はおよそ75%が除去される。
【0048】
例3
ベンジル基で変性されたセルロース(ベンジルセルロース)からの市販の中空繊維膜の使用下で、血液サンプルを本発明による方法を用いて処理し、かつ時間に依存して白血球数ならびに補体活性化産物C5aの形成を測定した。図5は、本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の出発量に対する白血球数(WBC−White Blood Cells)の時間に依存する相対的なパーセントによる減少率を示す。1.36mの内部表面積および1.47mの外部表面積を有する中空繊維をここで使用した。処理された血液は、ヒト血液440mlであった。そのために膨張した状態で246μmの繊維直径および240mmの長さを有する繊維7900本の繊維群を、34mmの内径を有する円筒形ハウジング内に配置した。ハウジングの充填率は約41%であった。血液サンプルを最大3hの時間にわたって50ml/分の体積流量で循環させたが、このことは9.4cm/分の線流速に相当する。ハウジング内での血液の滞留時間は約2.5分であった。図1で示される試験と同じように、白血球の著しい減少は繊維の外部表面に沿った流の場合にのみ達成されることが明らかになる。内部表面積は外部表面積と似たような大きさであるにも関わらず、内部の貫流は、出発量の約15%のわずかな減少にしかつながらない。内部流および外部流は、単独の外部流と比べて利点が生じない。繊維と平行に外部の表面に沿った流により、血液サンプル中に含まれる白血球の減少が80%生じる。
【0049】
補体活性化産物C5aの形成は、図5に示されるのと同じ試験条件下で、かつ同じ中空繊維膜を用いて調べた。結果は図6に示されている。図5と似たように、ここでも内部流と外部流との明らかな差違が観察される。ほとんど同じ大きさの接触面にも関わらず、外部流でのC5a形成が、内部流の時より約2.5倍高い。外部流では3h後に血液サンプル中に365μg/lのC5a濃度が存在する。これは、血液サンプル中での161μgにもしくは繊維表面積1m当たりC5a 109μgに相当する。
【0050】
例4
図7に示されるように、ポリエーテルスルホンからの中空繊維の使用下で白血球を減少させることも同様に可能である。ここでは300μmの外部直径、275mmの有効長、1.6mの内部表面積および2.2mの外部表面積を有する中空繊維を、繊維8500本が備え付けられる、すなわち約52%の充填率を有する、38.5mmの内径を有するモジュール内で使用した。ヒト血液381mlを、50ml/分の体積流量でモジュールに循環させた。線流速は約9cm/分であり、滞留時間は3.1分であった。ここでも示されるのは、ポリエーテルスルホン(PES)からの中空繊維が、外部流では約70%の白血球数の減少をもたらすことである。外部の繊維表面積に対するC5a含有率を算出するのに必要とされる条件下で、ポリエーテルスルホンからの中空繊維に関して30μg/mの表面積に対するC5a形成を算出した。
【0051】
例5
例5では、ポリエーテルスルホンからの中空繊維以外にさらに付加的にPETからの繊維を、本発明による方法の実施のために使用した。図8は、本発明による方法を用いて処理された血液サンプル中の白血球(WBC−White Blood Cells)の時間に依存する相対的なパーセントによる減少率を示す。このために1.31mの内部表面積および1.57mの外部表面積を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からの繊維と組み合わせられたポリエーテルスルホン(PES)からの中空繊維を使用した。そのために260μmの繊維直径および240mmの長さを有する繊維8000本を、34mmの内径を有する円筒形ハウジング内に配置した。ハウジングの充填率は約47%であった。血液サンプルとしてヒト血液470mlを使用し、それを最大3hの時間にわたって50ml/分の体積流量で循環させたが、このことは10cm/分の線流速に相当する。ハウジング内での血液の滞留時間は2.3分であった。ここで示されるのは、ポリエチレンテレフタレート繊維との組み合わせにおけるポリエーテルスルホンからの中空繊維が、外部表面に沿う流にて、約50%の白血球数の著しい減少をもたらすことである。内部の貫流は、出発量の約18%のわずかな減少にしかつながらない。
【0052】
図8に示される結果と同じように、貫流に依存してC5a形成において大きな差違も存在する。図9に示される結果は、図8に記載されたのと同じ膜を用いて、かつ繊維表面に対してC5a含有率を算出するのに必要とされる条件下で算出した。内部流では、単に30μg/lのみのC5a濃度が算出され、外部流では、192μg/lのC5a濃度が算出された。後者は、処理された血液サンプル中の90μgのC5a形成にもしくは繊維表面積1m当たり58μgのC5aの形成に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】白血球数の減少を示す図
【図2】顆粒球数、リンパ球数、単球数および血小板数の減少を示す図
【図3】補体活性化産物C5aの濃度を示す図
【図4】顆粒球数、リンパ球数、単球数および血小板数の減少を示す図
【図5】白血球数の減少を示す図
【図6】補体活性化産物C5aの濃度を示す図
【図7】白血球数の減少を示す図
【図8】白血球数の減少を示す図
【図9】補体活性化産物C5aの濃度を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ポリマーをベースとする多数の繊維の配置において血液を処理することによって血液中の白血球数を減少させるための方法であって、その際、多数の繊維は流入口および流出口を有するハウジング内に保持され、血液は流入口を介してハウジングに供給され、引き続きハウジングを貫流し、その際、血液は繊維の外部表面の周囲を流れ、かつ最後に流出口を介してハウジングから再び出る、有機ポリマーをベースとする多数の繊維の配置において血液を処理することによって血液中の白血球数を減少させるための方法において、血液が繊維の外部表面の周囲を流れる場合に、繊維表面積1m当たり少なくとも10μgの濃度の補体活性化産物C5aの形成をもたらす繊維を使用すること、および繊維の配置が高度の規則性を有することを特徴とする、血液を処理することによって血液中の白血球数を減少させるための方法。
【請求項2】
繊維が、繊維表面積1m当たり少なくとも75μgの濃度の補体活性化産物C5aの形成をもたらすことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
有機ポリマーをベースとする繊維が中空繊維であり、かつ血液が中空繊維の外部表面の周囲を流れることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
有機ポリマーをベースとする繊維の数が、繊維2000〜20000本の範囲にあることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
有機ポリマーをベースとする繊維直径が、0.05mmから2mmの間にあることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
有機ポリマーをベースとする繊維の配置の比表面積が、処理されるべき血液1ml当たり0.1から100cmの間にあることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
有機ポリマーをベースとする繊維が、再生セルロース、セルロースアセテートまたはベンジル基で変性されたセルロース(ベンジルセルロース)からなることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
有機ポリマーをベースとする繊維が、本質的にポリエーテルスルホンまたはポリスルホンからなることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
多数の繊維の配置が、付加的にポリエチレンテレフタレートからの繊維も含有することを特徴とする、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
ハウジング内の繊維の充填率が10%〜70%の範囲にあることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
ハウジング内での血液の滞留時間が0.5〜5分であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
血液がハウジングを流れる線流速が、5から30cm/分の間にあることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
有機ポリマーをベースとする繊維が、本質的に平行な繊維を有する繊維束として存在することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
有機ポリマーをベースとする繊維が1つ以上の層内に存在すること、および繊維が層の中で本質的に平行にあることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
流入口および流出口を有するハウジング内に有機ポリマーをベースとする多数の繊維を包含する、血液から白血球を減少させるための装置であって、繊維の配置が高度の規則性を有すること、および有機ポリマーをベースとする繊維が繊維表面積1m当たり少なくとも10μgの濃度の補体活性化産物C5aの形成をもたらすことを特徴とする、流入口および流出口を有するハウジング内に有機ポリマーをベースとする多数の繊維を包含する、血液から白血球を減少させるための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−529924(P2009−529924A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529518(P2008−529518)
【出願日】平成18年9月2日(2006.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008585
【国際公開番号】WO2007/057065
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(300083158)メムブラーナ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (14)
【氏名又は名称原語表記】Membrana GmbH
【住所又は居所原語表記】Oehder Strasse 28, D−42201 Wuppertal, Germany
【Fターム(参考)】