血液学機器のための形状パラメータ
粒子分析器およびフローサイトメトリーを用いて取得されたデータセットなどの体積測定データセットから取得されたN次元ヒストグラムをプログラム可能に生成する診断技術に対する方法および装置。受信されたデータは、データ成形技術(例えば、ノイズフィルタリングおよびアウトライヤーフィルタリング、所望のデータの分離および増幅、ならびにデータセットの閾値化など)を利用して処理されて、異常の検出を支援する。生物学的サンプルにおいて、このような異常は、しばしば疾患を示し、それゆえ、一貫して精度の高い結果を提供することが重要である。生物学的異常の母集団は、複数のパラメータ(例えば、蛍光パラメータ、光学パラメータ、および電気パラメータ)を用いて、検出および数値化され得、情報コンテンツを最大化する態様で表示され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(分野)
本発明は、概して、データ解釈に関し、より具体的には、粒子分析器(例えば、フローサイトメータ)を用いた診断技術に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術の記載)
フローサイトメトリーは、粒子の特性を検出するために、サンプル内の個別の粒子を分析するために一般的に利用される技術である。フローサイトメトリーデバイスは、サンプルに関する情報(他の特性の中でも、濃度、パーセンテージ、位置パラメータおよび形状パラメータ)を決定するために、ある時刻に単一の粒子についての分析を行う。
【0003】
血液学機器は、一般的に、所与の血液サンプル中の異常の検出を支援するために、フローサイトメトリーを実装する。このような異常は、しばしば、疾患を示し、それゆえ、血液学機器は、一貫して有用な結果を提供することが重要である。
【0004】
様々な方法が、個別の粒子(例えば、血液学機器の場合には血液細胞)のマルチパラメータ分析を行うために、フローサイトメトリーデバイスによって利用され得、その結果は、次いで、血液サンプルに対する特性データを生成するために集められる。例えば、細胞の体積は、伝導性希釈液内に懸濁された細胞に直流電流を印加することによって、間接的に決定され得、それは細胞の体積に基づいて電気抵抗における変化が生じるからである。細胞をインターロゲートするために使用され得る追加のパラメータは、無線周波数を用いた伝導率測定値を含み得、同様にレーザーを用いた光散乱パラメータを含み得る。細胞の特性を決定するために使用され得る測定値の種類は、当該分野が進化し続けるために、恒常的に拡張しており、フローサイトメトリーを実装する機器は、追加のパラメータデータを生成するように改善される。
【0005】
上述したように、血液サンプル特性を解釈する方法のうちの1つは、形状パラメータの使用による。形状パラメータは、2次元ヒストグラム上でのデータの分布を特徴付けるために使用される。血液サンプルに対する形状パラメータを決定するための典型的な方法は、所与の測定データに基づいて、標準偏差を決定することである。例えば、血液サンプルの母集団またはサンプルは、個別のサンプルそれぞれの2つの特性を表すスカラー値を生成するために、フローサイトメトリーデバイス内で試験される。これらの2つの特性は、また、例えば、細胞の体積および細胞の伝導率であり得る。疑わしい血液サンプルにフラグをたてるために容易に使用され得るデータを生成するために、母集団の標準偏差が、多くの細胞に対する体積データおよび伝導率データの集合に基づいて決定される。
【0006】
フローサイトメトリーの結果に対する標準偏差データは、診断において、しばしば有用であるが、実際の臨床的研究を妨げ得る制限を有することがある。最良の努力にもかかわらず、任意の器具からのデータは、ノイズを含む傾向がある。このことは、計算された標準偏差のスキューをもたらし得、その有用性を悪化させる。2つの母集団が、第1の母集団がノイズによって引き起こされたアウトライヤーイベントを有するが、第2の母集団は有しないことを除いて、他の場合には同一のヒストグラムを有する場合には、2つのサンプルの標準偏差は、有意に異なり得る。しかしながら、2つの母集団は、他の場合には同一のヒストグラムを有するので、この類似性を示す形状パラメータを決定することは有用である。
【0007】
さらに、標準偏差はスカラー値であるので、母集団の特性の多変量記述に関連する複雑さをキャプチャすることはできない。それにもかかわらず、2つのパラメータに対して全体的に異なるヒストグラムを有する2つの母集団は、類似または同一の標準偏差を有し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ノイズによって有意に影響されることなしに、詳細な形状情報を提供することが可能なパラメータが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
本発明の実施形態は、データサンプルの特性を記述する方法を含む。上記方法は、検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定パラメータを表すデータから多次元ヒストグラムを生成することと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分から開始するスライシングライン(slicing line)に沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することとを包含する。
【0010】
本発明のさらなる実施形態は、データサンプルの特性を記述するシステムを含む。上記システムは、検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールとを備えている。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、コンピュータ使用可能な媒体を備えているコンピュータプログラム製品を含み、コンピュータ使用可能な媒体は、プロセッサがデータサンプルの特性を記述することを可能にするための記録されたコンピュータプログラム論理を有している。上記コンピュータプログラム論理は、プロセッサが、検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することを可能にするように構成された生成モジュールと、プロセッサが、ヒストグラムの中央部分を決定することを可能にするように構成された決定モジュールと、プロセッサが、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することを可能にするように構成された算出モジュールとを備えている。
【0012】
本発明のその他の実施形態は、記録されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能な格納媒体を含み、コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、データサンプルの特性を記述する方法を実行させる。上記方法は、検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することとを包含する。
【0013】
本発明の実施形態は、また、血液細胞の母集団の特性を記述する方法を含む。上記方法は、器具アパーチャにおいて、血液細胞の母集団から血液細胞を獲得することと、血液細胞についての2つの物理的な測定値を表すデータを取得することと、データに基づいて、母集団の母集団型を決定することと、データから2次元ヒストグラムを生成することであって、データは、ヒストグラムを生成するために、母集団に対応する追加のデータと集合される、ことと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分において開始するスライシングラインに沿ってヒストグラムについての形状パラメータを算出することとを包含する。
【0014】
本発明の追加の実施形態は、生物学的サンプル内の不規則性を検出するための方法を含む。上記方法は、生物学的サンプルについての物理学的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する度数値を積分することと、積分された度数値を用いて形状パラメータを計算することと、スライシングラインの角度に対する形状パラメータのプロットを作成することと、プロットを予測されたプロットと比較することとを包含する。
【0015】
さらに、本発明の実施形態は、フローチャンバと、フローチャンバを通る粒子に応答する電子信号を生成するように構成された検出器と、電気信号を受信することと、電気信号をキャプチャされたデータに変換することとを行うように構成された受信器と、データプロセッサと、スライシングラインの角度に対する形状パラメータのプロットを表示するように構成されたディスプレイとを備えている、システムを含む。上記データプロセッサは、キャプチャされたデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、第1の閾値未満の特性を有するヒストグラムの一部分を除去する除去モジュールと、第2の閾値未満の特性を有するヒストグラムの残りの部分のさらなる部分を除去することを介して、ヒストグラムの残りの部分を平滑化する平滑化モジュールと、ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールとを備えている。
【0016】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の様々な実施形態の構造および動作と共に、添付の図面を参照して以下に詳細に記載される。本発明が本明細書に記載された特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書において、例示の目的のためだけに提示される。追加の実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づくと当業者に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、この説明と共に、本発明の原理を説明することと、当業者が本発明を構成し使用することを可能にすることとに役立つ。
【図1】図1は、本発明の実施形態が使用され得る例示的なフローサイトメータを例示する。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従う、イベントに対応するデータが取得され、分析されるステップを描くフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従う、図2の方法が実行され得るデータ分析システムである。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従う、一組のイベントにおいて事前処理が実行されるステップを例示するフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態に従う、多数のイベント(それぞれが2次元に関連付けられる)を例示する2つの散布図を描く。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態に従う、図5Aの散布図に対応するイベントデータなどのデータから生成された2次元ヒストグラムである。
【図5C】図5Cは、本発明の実施形態に従う、図5Bのヒストグラムに対応する平滑化されたヒストグラムである。
【図6】図6は、本発明の実施形態に従う、複数の組のイベントをより容易にかつ精度良く比較するために、改善された形状パラメータが計算されるステップを例示するフローチャートである。
【図7A】図7Aは、本発明の実施形態に従う、例示的な2次元ヒストグラムである。
【図7B】図7Bは、本発明の実施形態に従う、図7Aのヒストグラムに対応する例示的な2次元散布図である。
【図7C】図7Cは、本発明の実施形態に従う、スライシング角度に対する算出された形状特性のX−Yプロットである。
【図7D】図7Dは、本発明の実施形態に従う、スライシング角度に対する算出された形状特性の極座標プロットである。
【図8】図8は、本発明の実施形態に従う、図6のフローチャートにおいて算出された形状パラメータが、イベントデータを分析する際に使用されるステップを例示するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムを描く。
【0018】
本発明は、ここで、添付の図面を参照して記載される。図面においては、概して、同様の参照数字は、同一の要素または機能的に類似の要素を示す。さらに、概して、参照数字の最も左の桁は、参照数字が最初に現れる図面を識別する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
(I.導入)
本発明の以下の詳細な説明は、本発明と矛盾しない例示的な実施形態を例示する添付の図面を参照する。他の実施形態が可能であり、修正が、本発明の精神および範囲内で実施形態に対してなされ得る。それゆえ、詳細な説明は、本発明を限定することを意味していない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0020】
本発明は、以下に説明されるように、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアおよび/または図面に例示されるエンティティの多くの異なる実施形態において実装され得ることが当業者には明らかである。本発明を実装するためにハードウェアの特殊な制御を伴う任意の実際のソフトウェアコードは、本発明を限定しない。従って、本発明の動作の挙動は、本明細書に提示される詳細のレベルを考慮すると、実施形態の修正および変形が可能であるという理解と共に記載される。
【0021】
本明細書に記載される技術は、概して、血液学の研究のためのフローサイトメトリーに関連して記載されているが、この概念は、データ分析に対する類似の必要性を含む他の領域に適用され得ることが理解される。さらに、典型的に研究されているサンプルは、血液細胞のサンプル(または「母集団」)からの血液細胞であるが、同一の技術は、多くの異なる粒子の特性を測定するために、これらに適用され得る。従って、フローサイトメトリーおよび血液学に関連する本明細書における議論は、例示のために提示され、限定のために提示されていない。
【0022】
図1は、簡略化された例示的なフローサイトメータ100の動作を例示する。フローサイトメトリーは、光散乱、光抽出および蛍光色素分子の放射の原理を使用して、粒子および細胞から具体的なマルチパラメータデータを生成する。細胞112などの粒子を含むサンプル102は、フローチャンバ104に含まれるシースフロー106の中心に注入される。組み合わされたフロー108は、直径が低減され、各細胞112を流れ110の中心に押しやる。光のビーム114(例えば、レーザー光)は、流れ110を通るように方向付けられる。細胞112がビーム114に入るとき、細胞は光を散乱し、存在する任意の蛍光色素がより高いエネルギー状態に励起される。蛍光色素のエネルギーは、各蛍光色素に固有の特別なスペクトル特性を有する光の光子として放出される。モジュール116内の検出器(詳細な示されていない)は、散乱光および蛍光光の一方または両方を検出して、それらを電気パルスまたは信号に変換する。一例において、信号またはパルスは、モジュール116を用いて、増幅され得、そして/またはデジタル値に変換され得る。
【0023】
従って、フローサイトメトリーデータは、それぞれの細胞に対する様々なパラメータについての一組の値を含む。一例において、各細胞に関連する一組の値は、「イベント」という用語で呼ばれる。例えば、測定されたパラメータは、特定の波長および散乱(例えば、前方散乱および側方散乱)強度で放射された蛍光エネルギーを含む。各イベントは、各イベントに関連する複数の(N個の)測定されたパラメータ値を有し得る。典型的なフローサイトメータサンプルにおいて、数百万以上のイベントが、分析のために測定され記録される。フローサイトメトリーデータは、(例えば、データファイルから読み取られた)事実の後に分析され得るか、または、サンプルが機器を通過する際に実質的にリアルタイムで分析され得る。
【0024】
他の方法が、サンプル内の個別の細胞に対する追加のパラメータを測定するために存在する。例えば、細胞は、流れ110を通過する間に、伝導性希釈液内に懸濁され得る。光のビーム114を適用する代わりに、直流電流(DC)が細胞112に印加され、流れ110の電気抵抗における変化が測定される。直流電流は、細胞周辺を流れ、細胞112のサイズに比例して電気抵抗を変化させる。
【0025】
サンプル内の個別の細胞に対する追加のパラメータを測定する追加の方法は、高無線周波数電流(RF)の細胞112への印加を含む。直流電流の印加とは異なり、RFは、また、細胞膜を貫通し、それゆえ、細胞112の周辺と細胞112との両方を通る。結果として、伝導率測定値が取得され、これは、細胞112の細胞体積および内部組成の両方の関数である。伝導率測定値は、細胞112の細胞の粒状度、核組成、核と細胞質との比、および化学組成に関する情報を提供する。
【0026】
さらに、不透明度測定値を産出するために、DCおよびRFを印加することから決定される伝導率測定値を洗練することが可能である。不透明度は、RFとDC情報との比から導出され、細胞112の内部特性をより密接に反映するように不透明度測定値を産出するために体積情報を除去する効果を有する。
【0027】
さらなる技術が使用され得、上述の技術は例示のために提供され、限定するために提供されていないことが理解される。本明細書において開示される用途において使用されるデータは、直接測定によって、または(例えば、上記の不透明度の場合のように)他のデータソースからデータを導出することによってのいずれかで、複数のソースから導出され得る。
【0028】
上述の技術のそれぞれが、イベントごとにN個のパラメータを生成する。1つの母集団に対するイベントを一緒にプロットすることによって、N次元のヒストグラムが作成される。このヒストグラムと、類似の母集団に対して予期されるヒストグラムとを比較することによって、母集団における異常が可能性として検出され得る。本発明の実施形態に従って、フローサイトメータ100によって生成されたデータを収集し、分析するモジュール116は、フローサイトメータ100に連結され、ヒストグラムを生成し、分析する機能性を含む。モジュール116は、オプションで、サイトメータ100とは別個に位置決めされ得、モジュール116がデータを処理している間に、医療技術者が、さらなる研究のためにフローサイトメータ100を使用し続けることを可能にする。これが行われるとき、検出器および他の感知デバイスがモジュール116とは別個に見出される。一例において、本発明のさらなる実施形態に従う、分析されたデータの結果を表示するためのディスプレイ118は、モジュール116に接続される。
【0029】
(II.データ収集および分析)
図2は、方法200を描くフローチャートであり、方法200は、本発明の実施形態に従い、イベントに対応するデータが取得され、分析されるステップを含む。上記方法は、図1のモジュール116において、本発明の実施形態に従って行われる。
【0030】
方法200は、ステップ202において開始し、ステップ204に進み、ここで、物理的な測定データが取得される。物理的な測定データは、特定のイベントに対して取得され、イベントは、イベントに関連するN個のパラメータを有し、それぞれが異なるスカラー物理的測定値に対応する。本発明の実施形態に従って、イベントはフローサイトメータを通る単一の細胞であり、イベントに関連するパラメータは、例えば、I節で論じた複数の技術のうちの1つを介して決定される。本発明のさらなる実施形態に従って、複数のイベントに関連する物理的な測定データが取得される。
【0031】
ステップ202の物理的な測定データは、実際には任意のN次元ヒストグラムに対応し得、ここでN個の次元のそれぞれは、ヒストグラム内の各イベントに関連する特性に対応することが理解される。これらの特性は、生物学的サンプルで伝導される物理学的測定値に限定されず、その代わりに、スカラー値を用いて、イベントの任意のN個の特性を記載する。本発明の実施形態に従って、Nは1より大きい。
【0032】
オプションのステップ206において、ステップ204で取得されたデータは、ノイズイベントを取り除くために事前処理される。このことは、III節でさらに論じられる。
【0033】
ステップ204のデータに対応するヒストグラムは、本発明の実施形態に従って、ステップ208において生成される。ヒストグラムの生成は、さまざまな種類のデータ格納に対応し得、そして、必ずしも、ヒストグラムの形式でステップ204からのデータをグラフィカルディスプレイ上に表示することを含む必要はないことが理解される。本発明のさらなる実施形態に従って、ヒストグラムを表すデータアレイは、生成ステップにおいて作成される。さらに、ヒストグラムを生成するステップは、本発明のさらなる実施形態に従って、事前処理するステップ206の前に発生し得る。
【0034】
本発明の実施形態に従って、一組のイベントに対して測定されたN個のパラメータに関連するN次元のうちのそれぞれに沿ったスカラー値の範囲を、関連する度数値を有するN次元形状と関連付けることによって生成される。度数値は、形状内に入るイベントの数に対応する。本発明のさらなる実施形態に従って、各イベントは、2つのパラメータに関連付けられ、結果として、2次元プロット上に表示され得る。2つの次元の各々に沿った値の範囲は、グラフィカルディスプレイ上のピクセルに関連付けられるか、またはメモリ内に格納された同様の2次元構造に関連付けられる。度数値が各ピクセルに対して保持され、度数値は、ピクセルに関連付けられた範囲内にあるイベントの数に関連付けられる。本発明のさらなる実施形態に従って、度数は、グラフィカルディスプレイ上に表示するための色または強度に関連付けられる。
【0035】
ヒストグラムに対応するデータ構造に表されるデータを用いて、ヒストグラムの中央部分は、ステップ210において決定または産出される。スライシングラインは、ステップ212において決定され、形状パラメータはスライシングラインに沿って決定または産出される214。ステップ216において、この形状パラメータは、オプションで、スライシングラインに関連付けられた角度に対してプロットされる。これらのステップ、スライシングライン、および形状パラメータのさらなる議論は、IV節に見出される。
【0036】
プロットの結果は、オプションで、ステップ218において図1のディスプレイ118上に表示される。結果の表示および解釈のさらなる議論は、V節において論じられる。次いで、方法200はステップ220で終了する。
【0037】
本発明のさらなる実施形態に従って、上記の方法は、図3の分析システム300において行われ得る。システム300は、イベントデータを生成する器具302(例えば、フローサイトメータ)を備えている。システム300は、事前処理モジュール304をさらに備え、この事前処理モジュール304は、本発明の実施形態に従って、III節において開示される事前処理方法を行うように動作可能である。さらに、システム300は、ヒストグラムモジュール306を備え、このヒストグラムモジュール306は、本発明の実施形態に従って、IV節に開示されるヒストグラムデータ分析方法を行うように動作可能である。ディスプレイモジュール308は、V節で論じられる表示および解釈方法を実装するために、本発明のさらなる実施形態に従って、オプションで含まれる。システム300の4つのモジュールへのタスクの明確な図示は、例示として提示され、限定することはせず、この明細書を通して開示される方法は、単一のモジュールまたは複数のモジュールのうちの任意のモジュールにおいて行われ得る。
【0038】
(III.ノイズを低減するデータサンプルの事前処理)
図4は、本発明の実施形態に従って、一組のイベントにおいて事前処理がオプションで行われるステップを例示する方法400を描くフローチャートである。本発明のさらなる実施形態に従って、事前処理ステップは、モジュール304で行われる。このモジュールは、モジュールが事前処理するデータを生成する器具(例えば、フローサイトメータ)と一体的であり得るか、あるいは、スタンドアロンであり得るか、または別のモジュールもしくはシステムと一体的であり得る。
【0039】
方法400は、ステップ402で開始し、ステップ404に進み、ここで、物理的な測定データが読み取られる。本発明の実施形態に従って、方法400がスタンドアロンモジュールによって実装される場合、ステップ404のデータは、ローカル処理のためにローカルデータバンク(例えば、レジスタ)内に読み取られる。本発明のさらなる実施形態に従って、ステップ404のデータは、データソース(例えば、フローサイトメータ)によって共有されるデータバンクから読み取られ得る。本発明のさらなる実施形態に従って、ステップ404において読み取られるデータは、本質的に一時的であり得、物理的に格納され得ない。方法400の方法によって事前処理するためのデータを取得するための多数の方法が存在し、上述の方法は例示のために提示され、限定するものではないことが理解される。
【0040】
ステップ406において、孤立データアイランドが識別される。孤立データアイランドは、イベントのグルーピングであり、これは相対的に少ないイベントから構成され、例えば、閾値などのいくつかの基準に基づくと、イベントの1つ以上の主なグルーピングから相対的に分離されている。ステップ408において、これらの孤立データアイランドに関連付けられたイベントは除去される。ステップ406および408は、図5Aを参照して以下でさらに論じられる。ステップ410において、残りのイベントデータは平滑化される。ステップ410は、図5Bおよび図5Cを参照して以下でさらに論じられる。
【0041】
次いで、結果生じる事前処理データは、ステップ412において出力される。ステップ412における出力は、さらなる処理ステップを実装する任意のさらなる処理モジュール(例えば、図3のヒストグラムモジュール306)に送られる。次いで、この方法はステップ414において終了する。
【0042】
図5Aは、本発明の実施形態に従って、多数のイベントを例示する2つの散布図を描き、それぞれのイベントは2つの次元に関連付けられる。2つの次元(それぞれがイベントのパラメータに対応する)はX(502)およびY(504)として示される。従って、図5Aの散布図において1つの点として示されている個別のイベントは、関連するXおよびYの値を有する。
【0043】
(a)とマークされた左の散布図は、グルーピング506において発生している多くのイベントを有し、グルーピングは、X次元およびY次元に対する値の特定の範囲に関連付けられる。(b)とマークされた右の散布図は、同一のグルーピング506を有するが、ノイズによって生成されたイベントに対応する2つの孤立データアイランド508をさらに有する。アイランド508のノイズイベントは、本発明の実施形態に従って、図5Aの散布図に示されているデータを生成する器具類によって生成される。
【0044】
図4のフローチャート400のステップ406は、図5Aのアイランド508などの孤立データアイランドを識別し、その後、アイランドに関連したイベントは、ステップ408において、データセットから除去される。1つ以上のイベントが孤立データアイランドを構成するか否かを決定するために、多くの技術が利用され得、技術の選択は、本発明の実施形態に従って、特定の用途およびデータセットのノイズ特性に基づいて置換可能である。必ずしも全ての孤立データアイランドがノイズによって引き起こされたわけでなく、そのため、技術の選択は、ノイズが、ステップ408において除去され得る任意のデータの原因であるか否かの考慮を必要とし得る。実施形態において、データ領域(例えば、最小のXおよびYならびに最大のXおよびYの範囲内で、図5Aの散布図によってグラフィカルに表されたデータ領域)内のイベントの数が特定の閾値未満である場合には、その範囲内のイベントは、孤立データアイランドであるとみなされる。さらなる実施形態において、一組のイベントによって、X次元およびY次元内において占められる面積が特定の閾値未満である場合には、その面積内のイベントは、孤立データアイランドであるとみなされる。ステップ408において、孤立データアイランドとみなされる任意のイベントは、データセットから消去される。
【0045】
一組のイベントの面積およびイベントカウントを閾値と比較することによるデータアイランドの識別は、ノイズによって引き起こされるイベントを識別するために利用され得る多くの技術のうちのたった2つであることと、上述の技術は例示のために提示され、限定はしないこととが理解される。
【0046】
図5Bは、データ(例えば、図5Aの散布図に対応するイベントデータ)から生成された2次元ヒストグラムである。本発明の実施形態に従って、ヒストグラムはII節に記載された技術によって生成されるが、N次元ヒストグラムは、本明細書に記載された技術をさらなる次元まで拡張することによって生成され得ることが理解される。結果生じるヒストグラムは、例えば、図5Bのヒストグラム510に類似している。
【0047】
ステップ410は、図5Bのヒストグラムデータ510を平滑化して、図5Cのヒストグラム512を生成する。このステップは、本発明の実施形態に従って、主要なイベント母集団内のノイズを排除し、類似のサンプルに対するヒストグラムとの視覚的な比較が容易なヒストグラムを提示する。本発明のさらなる実施形態に従って、ヒストグラムは、ヒストグラムを平滑化カーネルkで畳み込むことによって平滑化される。本発明のさらなる実施形態において、kはガウシアンカーネルである。
【0048】
本発明のなおさらなる実施形態において、kは、
【0049】
【数1】
の形式である。カーネルkは、多くの形式であり得、上述のカーネルは例示のために提供され、限定するために提供されていないことが理解される。
【0050】
(IV.新しい形状パラメータの算出)
図6は、複数の組のイベントをより容易にかつ精度良く比較するために、改善された形状パラメータが計算されるステップを含む方法600を描くフローチャートを例示する。本発明のさらなる実施形態に従って、フローチャート600のステップは、図3のモジュール306において行われる。このモジュールは、モジュールが事前処理するデータを生成する器具(例えば、フローサイトメータ)と一体的であり得るか、あるいは、スタンドアロンであり得るか、または別のモジュールもしくはシステムと一体的であり得る。
【0051】
方法600は、ステップ602において開始し、ステップ604に進み、ここで物理的測定データが読み取られる。データは、種々のソース(図3の事前処理モジュール304を含むがこれに限定されない)から、または器具(例えば、フローサイトメータ)から直接的に取得され得る。
【0052】
ステップ606において、ヒストグラムは、本発明の実施形態に従って、物理的測定データから生成される。本発明のさらなる実施形態において、ヒストグラムは、他の場所で生成され、ステップ604において受信されたデータとして受信される。ヒストグラムが生成され得る方法は、例示としてII節において提供される。
【0053】
ヒストグラムが利用可能な場合、ヒストグラムの中央部分または中心は、ステップ608において決定または算出される。図7Aを参照して、ヒストグラム702の中央は、2つの次元に沿ったイベント度数の平均的な中心点として示されている。2次元ヒストグラムにおいて、中心点は、本発明の実施形態に従って、個別のピクセルまたは他の2次元形状に対応し、ここに、ヒストグラムがセグメント化される。
【0054】
中心は、(平均値、モード、メジアンまたはヒストグラムによって表されるイベント母集団の他の特性の使用を含む)多くの様々な技術を用いて計算され得、上述の技術は、限定ではなく例示として提示されている。
【0055】
中心が算出されると、方法はステップ610に進み、ここで、スライシングラインが選択される。さらなる実施形態において、スライシングラインは、スライシングラインの原点として使用される。いくつかの追加の点において開始するが、さらなる議論は、原点としての中心に言及する。スライシングラインは、分析されるヒストグラムの選択を規定する作図であり、スライシングラインに沿った形状パラメータを算出するための分析は本明細書においてさらに論じられる。
【0056】
例えば、図7Aのスライシングライン706が使用され得る。本発明の実施形態に従って、任意の所与のスライシングラインの方向は、同様に中心において開始する基準スライシングラインに対する角度として規定され、基準スライシングラインは、0度または0ラジアンの角度を表すように選択される。基準スライシングラインに対する対応する角度測定の規定は、議論のためであり、任意の基準スライシングラインが使用され得ることが理解される。図7Aにおいて、この基準スライシングラインは、スライシングライン704として示される。図7Aの例において、スライシングライン706の角度は、それゆえ、0度の基準スライシングラインとスライシングライン706との間の角度、すなわち60°である。図7Aのヒストグラムに対応する散布図708が、参照のために図7Bに示される。
【0057】
スライシングラインに従って、本発明の実施形態に従って、ステップ612において、ヒストグラムは、スライシングラインに沿って補間され、スライシングラインに沿ったプロファイルを決定または計算する。このことは、プロファイルに対応する一次元ヒストグラムの作成をもたらす。同様の技術がN次元ヒストグラムに利用され得(ここでNは1より大きい)、その結果、N−1次元プロファイルがスライシングN−1次元形状(例えば、3次元ヒストグラムにおけるスライシング面に沿った2次元プロファイル)に沿って決定されることが理解される。2次元ヒストグラムの使用は、限定でなく例示である。
【0058】
決定された形状特性に対応するヒストグラムによって、形状特性がステップ614で決定される。形状特性はスカラー値であり、これは種々の技術を用いて決定され得る。例えば、標準偏差は、1次元ヒストグラムにおいて計算され得、スライシングラインに沿った有用な形状パラメータをもたらす。さらなる技術は、スライシングラインに沿った平均値の計算およびスライシングラインに沿った距離(これを超えると値が閾値未満に下がる)を決定または計算することを含むが、スライシングラインに沿った形状特性をもたらす任意の技術が使用され得る。典型的に、形状特性は、1次元ヒストグラムの特徴(表示することを意味する)に関するいくつかの識別情報を提供する。
【0059】
スライシングラインに沿って形状特性を算出すると、スライシングラインは、基準スライシングラインに対する角度に関連付けられ、形状特性および角度は、データ構造に一緒に格納される。本発明の実施形態に従って、形状特性および角度は、ステップ616においてアレイに格納される。
【0060】
ステップ618において、追加のスライシングラインが処理されるべきか否かに関して決定がなされる。本発明の実施形態に従って、0°基準スライシングラインに対して、2πラジアン(360°)空間を通して一様に分布した一組のスライシングラインが使用されるが、スライシングラインを選択するための他の機構が利用され得る。追加のスライシングラインが処理されるために残っている場合には、方法はステップ610に戻る。他の場合には、算出されたデータ(形状特性に関連付けられたスライシングラインの角度を含む)は、本発明の実施形態に従って、ステップ620において出力される。方法は、ステップ622で終了する。
【0061】
(V.形状パラメータ分析)
図8の方法800を描くフローチャートは、図7Aを引き続き参照し、図7Cおよび図7Dをさらに参照して議論される。方法800は、本発明の実施形態に従って、図6のフローチャート600において算出される形状パラメータがイベントデータを分析する際に用いられるオプションのステップを例示する。方法800は、本発明の実施形態に従って、ステップ802において開始し、ステップ804に進み、ここで、形状アレイが入力として受信される。様々なスライシングラインの角度およびそれらが関連する形状特性に対応するデータが、デバイス、モジュール、方法800のステップを行う他のエンティティによって受信される多数の方法が存在する。アレイ内のこのデータを受信することは、限定ではなく例示のために適宜提示される。
【0062】
本発明の実施形態に従って、ステップ806において、アレイがプロットされる。アレイは、様々な方法でプロットされ得、図7Cおよび図7Dのプロット710および716は、それぞれ、X−Yプロットおよび極座標プロットの使用を介した2つの例示的な方法を例示する。各プロットは、様々な点を含み、各点は、本発明の実施形態に従って、スライシングラインの角度およびスライシングラインの角度に対する形状特性の値に関連付けられる。例えば、図7Cの点714は、60°のスライシングラインに関連付けられた、5と6と(単位は、例に関連していない、さらに言えば単位のない値が使用され得る)の間の形状特性に対応する。これは、図7Aのスライシングライン706を用いて計算された形状特性値である。
【0063】
注意すべきは、この同一のデータが図7Dの極座標プロット716において提示され得る。点718は、図7Cの点714と同様に、関連する60°スライシングラインに沿った5と6の間の形状特性に対応する。図7Dの極座標プロット716を図7Aのヒストグラム702と視覚的に比較することによって、ヒストグラム702の形状の微妙な差異の多くがプロット716に反映されることが興味深い。
【0064】
本発明の実施形態に従って、ステップ808において、プロットがグラフィカルディスプレイ上に表示され、ステップ810において、予測されたプロットが比較として表示される。このことは、医療技術者が、任意の有意な異常が存在しているか否かを決定するために、ステップ812において2つのプロットを視覚的に比較することを可能にする。(例えば、患者の診断シートの一部として印刷物を作成することによって、または、特定のスライシングラインに沿ったプロットと予測されたプロットとの間の算出された差を提示することによって)プロットを表示する他の手段が存在する。その後、方法は、ステップ814で終了する。
【0065】
(VI.新しい形状パラメータを使用する例示的な利点)
関連するN個のパラメータに対する一組のイベントについての標準偏差を計算する従来の方法論と比較して、新しい形状パラメータは、イベントの母集団の構造的または方向的な情報を明らかにする。例えば、図7Dにプロットされた形状パラメータは、図7Aのヒストグラムに示された卵形の母集団が、60°および240°において最も長いスパンを有し、150°および300°において最も短いスパンを有することを示している。
【0066】
新しい形状パラメータは、さらに、他の形状的特徴の計算を可能にする。例えば、図7Dに例示される卵形形状は、60°−240°の軸で最長であり、150°−330°の軸で最短である。60°スライスに対する形状パラメータと240°スライスに対する形状パラメータとを合計することと、合計を150°スライスに対する形状パラメータと330°スライスに対する形状パラメータの合計と比較することとによって、2つの長さの間の相対的な差が明らかになる。
【0067】
さらに、III節において記載された事前処理ステップは、有用な情報を保持しながら、ノイズを排除する。代替的に、このステップは、行われないことがあり得るが、新しい形状パラメータは、ノイズイベントが存在しているときに、従来の標準偏差の方法論よりもさらにより統計的に有意なデータをもたらす。
【0068】
(VII.例示的なコンピュータシステム実装)
本発明の様々な局面は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせにより実装され得る。図9は、本発明またはその一部がコンピュータ読み取り可能コードとして実装され得る例示的なコンピュータシステム900を例示する。例えば、図2のフローチャート200、図4のフローチャート400、図6のフローチャート600および図8のフローチャート800によって例示された方法は、システム900に実装され得る。本発明の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム900に関して説明される。この説明を読んだ後、当業者に対して、他のコンピュータシステムおよび/またはコンピュータアーキテクチャを用いて本発明をどのように実装するかの方法が明らかになるだろう。
【0069】
コンピュータシステム900は、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ904)を含む。プロセッサ904は、通信インフラストラクチャ906(例えば、バスまたはネットワーク)に接続される。
【0070】
コンピュータシステム900は、また、メインメモリ908(好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM))を含み、同様に、2次メモリ910を含み得る。2次メモリ910は、例えば、ハードディスクドライブ912、リムーバブル格納ドライブ914、および/またはメモリスティックを含み得る。リムーバブル格納ドライブ914は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含み得る。リムーバブル格納ドライブ914は、周知の態様で、リムーバブル格納ユニット918から読み取りを行い、そして/またはリムーバブル格納ユニット918に書き込みを行う。リムーバブル格納ユニット918は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光学ディスクなどを含み得、これらはリムーバブル格納ドライブ914によって読み取られ、そして、リムーバブル格納ドライブ914に書き込まれる。当業者によって認識されるように、リムーバブル格納ユニット918は、コンピュータソフトウェアおよび/またはデータを格納したコンピュータ使用可能な格納媒体を含む。
【0071】
代替的な実装において、2次メモリ910は、コンピュータプログラムまたは他の命令がコンピュータシステム900にロードされることを可能にする他の類似の手段を含み得る。そのような手段は、例えば、リムーバブル格納ユニット922およびインターフェース920を含み得る。このような手段の例は、(例えば、ビデオゲームデバイスで見られるような)プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース、リムーバブルメモリチップ(例えば、EPROMまたはPROM)および関連するソケット、ならびにソフトウェアおよびデータが、リムーバブル格納ユニット922からコンピュータシステム900に転送されることを可能にする他のリムーバブル格納ユニット922およびインターフェース920を含み得る。
【0072】
コンピュータシステム900は、また、通信インターフェース924を含み得る。通信インターフェース924は、ソフトウェアおよびデータが、コンピュータシステム900と外部デバイスとの間で転送されることを可能にする。通信インターフェース924は、モデム、ネットワークインターフェース(例えば、イーサネット(登録商標)カード)、通信ポート、PCMCIAスロットおよびカードなどを含み得る。通信インターフェース924を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、信号の形態であり、この信号は、電子的、電磁気的、光学的または通信インターフェース924によって受信可能な他の信号であり得る。これらの信号は、通信経路926を介して、通信インターフェース924に提供される。通信経路926は信号を搬送し、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話線、セルラ電話リンク、RFリンクあるいは他の通信チャネルを用いて実装され得る。
【0073】
この書類において、用語「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能な媒体」は、概して、媒体(例えば、リムーバブル格納ユニット918、リムーバブル格納ユニット922およびハードディスクドライブ912にインストールされたハードディスク)を指すために使用される。通信経路926を介して搬送される信号は、また、本明細書に記載された論理を具体化し得る。コンピュータプログラム媒体およびコンピュータ使用可能な媒体は、また、メモリ(例えば、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であり得るメインメモリ908および2次メモリ910)をいい得る。これらのコンピュータプログラム製品は、ソフトウェアをコンピュータシステム900に提供するための手段である。
【0074】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理ともいう)は、メインメモリ908および/または2次メモリ910に格納される。コンピュータプログラムは、また、通信インターフェース924を介して受信され得る。このようなコンピュータプログラムは、実行されるとき、コンピュータシステム900が、本明細書に議論されるように本発明を実装することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されるとき、プロセッサ904が本発明のプロセス(例えば、上述された図2のフローチャート200、図4のフローチャート400、図6のフローチャート600および図8のフローチャート800によって例示された方法におけるステップ)を実装することを可能にする。従って、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム900のコントローラを表す。ソフトウェアを用いて本発明が実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に格納され得、リムーバブル格納ドライブ914、インターフェース920、ハードドライブ912または通信インターフェース924を用いてコンピュータシステム900にロードされ得る。
【0075】
本発明は、また、任意のコンピュータ使用可能な媒体上に格納されたコンピュータプログラム製品に関する。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理デバイスにおいて実行されるとき、データ処理デバイスを本明細書に記載されるように動作させる。本発明の実施形態は、現在公知または将来的に公知になる任意のコンピュータ使用可能または読み取り可能媒体を利用し得る。コンピュータ使用可能媒体の例は、1次格納デバイス(例えば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ)、2次格納デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CD ROM、ZIPディスク、テープ、磁気格納デバイス、光学格納デバイス、MEMS、ナノテクノロジー格納デバイスなど)、および通信媒体(例えば、有線通信ネットワークおよび無線通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、イントラネットなど)を含むが、これらに限定されない。
【0076】
本発明の様々な実施形態が上記で説明されてきたが、これらの実施形態は例示のみの目的で提示され、限定のためには提示されていないことが理解されるべきである。当業者によって、形態および詳細における様々な変更が、添付の特許請求の範囲において規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなしになされ得ることが理解される。本発明がこれらの例に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、本明細書に記載されるように動作する任意の要素に適用可能である。従って、本発明の外延および範囲は、上述された例示的な実施形態の任意の実施形態によって限定されるべきではないが、添付の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ規定されるべきである。
【技術分野】
【0001】
(背景)
(分野)
本発明は、概して、データ解釈に関し、より具体的には、粒子分析器(例えば、フローサイトメータ)を用いた診断技術に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景技術の記載)
フローサイトメトリーは、粒子の特性を検出するために、サンプル内の個別の粒子を分析するために一般的に利用される技術である。フローサイトメトリーデバイスは、サンプルに関する情報(他の特性の中でも、濃度、パーセンテージ、位置パラメータおよび形状パラメータ)を決定するために、ある時刻に単一の粒子についての分析を行う。
【0003】
血液学機器は、一般的に、所与の血液サンプル中の異常の検出を支援するために、フローサイトメトリーを実装する。このような異常は、しばしば、疾患を示し、それゆえ、血液学機器は、一貫して有用な結果を提供することが重要である。
【0004】
様々な方法が、個別の粒子(例えば、血液学機器の場合には血液細胞)のマルチパラメータ分析を行うために、フローサイトメトリーデバイスによって利用され得、その結果は、次いで、血液サンプルに対する特性データを生成するために集められる。例えば、細胞の体積は、伝導性希釈液内に懸濁された細胞に直流電流を印加することによって、間接的に決定され得、それは細胞の体積に基づいて電気抵抗における変化が生じるからである。細胞をインターロゲートするために使用され得る追加のパラメータは、無線周波数を用いた伝導率測定値を含み得、同様にレーザーを用いた光散乱パラメータを含み得る。細胞の特性を決定するために使用され得る測定値の種類は、当該分野が進化し続けるために、恒常的に拡張しており、フローサイトメトリーを実装する機器は、追加のパラメータデータを生成するように改善される。
【0005】
上述したように、血液サンプル特性を解釈する方法のうちの1つは、形状パラメータの使用による。形状パラメータは、2次元ヒストグラム上でのデータの分布を特徴付けるために使用される。血液サンプルに対する形状パラメータを決定するための典型的な方法は、所与の測定データに基づいて、標準偏差を決定することである。例えば、血液サンプルの母集団またはサンプルは、個別のサンプルそれぞれの2つの特性を表すスカラー値を生成するために、フローサイトメトリーデバイス内で試験される。これらの2つの特性は、また、例えば、細胞の体積および細胞の伝導率であり得る。疑わしい血液サンプルにフラグをたてるために容易に使用され得るデータを生成するために、母集団の標準偏差が、多くの細胞に対する体積データおよび伝導率データの集合に基づいて決定される。
【0006】
フローサイトメトリーの結果に対する標準偏差データは、診断において、しばしば有用であるが、実際の臨床的研究を妨げ得る制限を有することがある。最良の努力にもかかわらず、任意の器具からのデータは、ノイズを含む傾向がある。このことは、計算された標準偏差のスキューをもたらし得、その有用性を悪化させる。2つの母集団が、第1の母集団がノイズによって引き起こされたアウトライヤーイベントを有するが、第2の母集団は有しないことを除いて、他の場合には同一のヒストグラムを有する場合には、2つのサンプルの標準偏差は、有意に異なり得る。しかしながら、2つの母集団は、他の場合には同一のヒストグラムを有するので、この類似性を示す形状パラメータを決定することは有用である。
【0007】
さらに、標準偏差はスカラー値であるので、母集団の特性の多変量記述に関連する複雑さをキャプチャすることはできない。それにもかかわらず、2つのパラメータに対して全体的に異なるヒストグラムを有する2つの母集団は、類似または同一の標準偏差を有し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ノイズによって有意に影響されることなしに、詳細な形状情報を提供することが可能なパラメータが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の概要)
本発明の実施形態は、データサンプルの特性を記述する方法を含む。上記方法は、検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定パラメータを表すデータから多次元ヒストグラムを生成することと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分から開始するスライシングライン(slicing line)に沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することとを包含する。
【0010】
本発明のさらなる実施形態は、データサンプルの特性を記述するシステムを含む。上記システムは、検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールとを備えている。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、コンピュータ使用可能な媒体を備えているコンピュータプログラム製品を含み、コンピュータ使用可能な媒体は、プロセッサがデータサンプルの特性を記述することを可能にするための記録されたコンピュータプログラム論理を有している。上記コンピュータプログラム論理は、プロセッサが、検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することを可能にするように構成された生成モジュールと、プロセッサが、ヒストグラムの中央部分を決定することを可能にするように構成された決定モジュールと、プロセッサが、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することを可能にするように構成された算出モジュールとを備えている。
【0012】
本発明のその他の実施形態は、記録されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能な格納媒体を含み、コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されたとき、プロセッサに、データサンプルの特性を記述する方法を実行させる。上記方法は、検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することとを包含する。
【0013】
本発明の実施形態は、また、血液細胞の母集団の特性を記述する方法を含む。上記方法は、器具アパーチャにおいて、血液細胞の母集団から血液細胞を獲得することと、血液細胞についての2つの物理的な測定値を表すデータを取得することと、データに基づいて、母集団の母集団型を決定することと、データから2次元ヒストグラムを生成することであって、データは、ヒストグラムを生成するために、母集団に対応する追加のデータと集合される、ことと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分において開始するスライシングラインに沿ってヒストグラムについての形状パラメータを算出することとを包含する。
【0014】
本発明の追加の実施形態は、生物学的サンプル内の不規則性を検出するための方法を含む。上記方法は、生物学的サンプルについての物理学的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、ヒストグラムの中央部分を決定することと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する度数値を積分することと、積分された度数値を用いて形状パラメータを計算することと、スライシングラインの角度に対する形状パラメータのプロットを作成することと、プロットを予測されたプロットと比較することとを包含する。
【0015】
さらに、本発明の実施形態は、フローチャンバと、フローチャンバを通る粒子に応答する電子信号を生成するように構成された検出器と、電気信号を受信することと、電気信号をキャプチャされたデータに変換することとを行うように構成された受信器と、データプロセッサと、スライシングラインの角度に対する形状パラメータのプロットを表示するように構成されたディスプレイとを備えている、システムを含む。上記データプロセッサは、キャプチャされたデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、第1の閾値未満の特性を有するヒストグラムの一部分を除去する除去モジュールと、第2の閾値未満の特性を有するヒストグラムの残りの部分のさらなる部分を除去することを介して、ヒストグラムの残りの部分を平滑化する平滑化モジュールと、ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、中央部分において開始するスライシングラインに沿って、ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールとを備えている。
【0016】
本発明のさらなる特徴および利点は、本発明の様々な実施形態の構造および動作と共に、添付の図面を参照して以下に詳細に記載される。本発明が本明細書に記載された特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、本明細書において、例示の目的のためだけに提示される。追加の実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づくと当業者に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、この説明と共に、本発明の原理を説明することと、当業者が本発明を構成し使用することを可能にすることとに役立つ。
【図1】図1は、本発明の実施形態が使用され得る例示的なフローサイトメータを例示する。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従う、イベントに対応するデータが取得され、分析されるステップを描くフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従う、図2の方法が実行され得るデータ分析システムである。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従う、一組のイベントにおいて事前処理が実行されるステップを例示するフローチャートである。
【図5A】図5Aは、本発明の実施形態に従う、多数のイベント(それぞれが2次元に関連付けられる)を例示する2つの散布図を描く。
【図5B】図5Bは、本発明の実施形態に従う、図5Aの散布図に対応するイベントデータなどのデータから生成された2次元ヒストグラムである。
【図5C】図5Cは、本発明の実施形態に従う、図5Bのヒストグラムに対応する平滑化されたヒストグラムである。
【図6】図6は、本発明の実施形態に従う、複数の組のイベントをより容易にかつ精度良く比較するために、改善された形状パラメータが計算されるステップを例示するフローチャートである。
【図7A】図7Aは、本発明の実施形態に従う、例示的な2次元ヒストグラムである。
【図7B】図7Bは、本発明の実施形態に従う、図7Aのヒストグラムに対応する例示的な2次元散布図である。
【図7C】図7Cは、本発明の実施形態に従う、スライシング角度に対する算出された形状特性のX−Yプロットである。
【図7D】図7Dは、本発明の実施形態に従う、スライシング角度に対する算出された形状特性の極座標プロットである。
【図8】図8は、本発明の実施形態に従う、図6のフローチャートにおいて算出された形状パラメータが、イベントデータを分析する際に使用されるステップを例示するフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムを描く。
【0018】
本発明は、ここで、添付の図面を参照して記載される。図面においては、概して、同様の参照数字は、同一の要素または機能的に類似の要素を示す。さらに、概して、参照数字の最も左の桁は、参照数字が最初に現れる図面を識別する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
(I.導入)
本発明の以下の詳細な説明は、本発明と矛盾しない例示的な実施形態を例示する添付の図面を参照する。他の実施形態が可能であり、修正が、本発明の精神および範囲内で実施形態に対してなされ得る。それゆえ、詳細な説明は、本発明を限定することを意味していない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0020】
本発明は、以下に説明されるように、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアおよび/または図面に例示されるエンティティの多くの異なる実施形態において実装され得ることが当業者には明らかである。本発明を実装するためにハードウェアの特殊な制御を伴う任意の実際のソフトウェアコードは、本発明を限定しない。従って、本発明の動作の挙動は、本明細書に提示される詳細のレベルを考慮すると、実施形態の修正および変形が可能であるという理解と共に記載される。
【0021】
本明細書に記載される技術は、概して、血液学の研究のためのフローサイトメトリーに関連して記載されているが、この概念は、データ分析に対する類似の必要性を含む他の領域に適用され得ることが理解される。さらに、典型的に研究されているサンプルは、血液細胞のサンプル(または「母集団」)からの血液細胞であるが、同一の技術は、多くの異なる粒子の特性を測定するために、これらに適用され得る。従って、フローサイトメトリーおよび血液学に関連する本明細書における議論は、例示のために提示され、限定のために提示されていない。
【0022】
図1は、簡略化された例示的なフローサイトメータ100の動作を例示する。フローサイトメトリーは、光散乱、光抽出および蛍光色素分子の放射の原理を使用して、粒子および細胞から具体的なマルチパラメータデータを生成する。細胞112などの粒子を含むサンプル102は、フローチャンバ104に含まれるシースフロー106の中心に注入される。組み合わされたフロー108は、直径が低減され、各細胞112を流れ110の中心に押しやる。光のビーム114(例えば、レーザー光)は、流れ110を通るように方向付けられる。細胞112がビーム114に入るとき、細胞は光を散乱し、存在する任意の蛍光色素がより高いエネルギー状態に励起される。蛍光色素のエネルギーは、各蛍光色素に固有の特別なスペクトル特性を有する光の光子として放出される。モジュール116内の検出器(詳細な示されていない)は、散乱光および蛍光光の一方または両方を検出して、それらを電気パルスまたは信号に変換する。一例において、信号またはパルスは、モジュール116を用いて、増幅され得、そして/またはデジタル値に変換され得る。
【0023】
従って、フローサイトメトリーデータは、それぞれの細胞に対する様々なパラメータについての一組の値を含む。一例において、各細胞に関連する一組の値は、「イベント」という用語で呼ばれる。例えば、測定されたパラメータは、特定の波長および散乱(例えば、前方散乱および側方散乱)強度で放射された蛍光エネルギーを含む。各イベントは、各イベントに関連する複数の(N個の)測定されたパラメータ値を有し得る。典型的なフローサイトメータサンプルにおいて、数百万以上のイベントが、分析のために測定され記録される。フローサイトメトリーデータは、(例えば、データファイルから読み取られた)事実の後に分析され得るか、または、サンプルが機器を通過する際に実質的にリアルタイムで分析され得る。
【0024】
他の方法が、サンプル内の個別の細胞に対する追加のパラメータを測定するために存在する。例えば、細胞は、流れ110を通過する間に、伝導性希釈液内に懸濁され得る。光のビーム114を適用する代わりに、直流電流(DC)が細胞112に印加され、流れ110の電気抵抗における変化が測定される。直流電流は、細胞周辺を流れ、細胞112のサイズに比例して電気抵抗を変化させる。
【0025】
サンプル内の個別の細胞に対する追加のパラメータを測定する追加の方法は、高無線周波数電流(RF)の細胞112への印加を含む。直流電流の印加とは異なり、RFは、また、細胞膜を貫通し、それゆえ、細胞112の周辺と細胞112との両方を通る。結果として、伝導率測定値が取得され、これは、細胞112の細胞体積および内部組成の両方の関数である。伝導率測定値は、細胞112の細胞の粒状度、核組成、核と細胞質との比、および化学組成に関する情報を提供する。
【0026】
さらに、不透明度測定値を産出するために、DCおよびRFを印加することから決定される伝導率測定値を洗練することが可能である。不透明度は、RFとDC情報との比から導出され、細胞112の内部特性をより密接に反映するように不透明度測定値を産出するために体積情報を除去する効果を有する。
【0027】
さらなる技術が使用され得、上述の技術は例示のために提供され、限定するために提供されていないことが理解される。本明細書において開示される用途において使用されるデータは、直接測定によって、または(例えば、上記の不透明度の場合のように)他のデータソースからデータを導出することによってのいずれかで、複数のソースから導出され得る。
【0028】
上述の技術のそれぞれが、イベントごとにN個のパラメータを生成する。1つの母集団に対するイベントを一緒にプロットすることによって、N次元のヒストグラムが作成される。このヒストグラムと、類似の母集団に対して予期されるヒストグラムとを比較することによって、母集団における異常が可能性として検出され得る。本発明の実施形態に従って、フローサイトメータ100によって生成されたデータを収集し、分析するモジュール116は、フローサイトメータ100に連結され、ヒストグラムを生成し、分析する機能性を含む。モジュール116は、オプションで、サイトメータ100とは別個に位置決めされ得、モジュール116がデータを処理している間に、医療技術者が、さらなる研究のためにフローサイトメータ100を使用し続けることを可能にする。これが行われるとき、検出器および他の感知デバイスがモジュール116とは別個に見出される。一例において、本発明のさらなる実施形態に従う、分析されたデータの結果を表示するためのディスプレイ118は、モジュール116に接続される。
【0029】
(II.データ収集および分析)
図2は、方法200を描くフローチャートであり、方法200は、本発明の実施形態に従い、イベントに対応するデータが取得され、分析されるステップを含む。上記方法は、図1のモジュール116において、本発明の実施形態に従って行われる。
【0030】
方法200は、ステップ202において開始し、ステップ204に進み、ここで、物理的な測定データが取得される。物理的な測定データは、特定のイベントに対して取得され、イベントは、イベントに関連するN個のパラメータを有し、それぞれが異なるスカラー物理的測定値に対応する。本発明の実施形態に従って、イベントはフローサイトメータを通る単一の細胞であり、イベントに関連するパラメータは、例えば、I節で論じた複数の技術のうちの1つを介して決定される。本発明のさらなる実施形態に従って、複数のイベントに関連する物理的な測定データが取得される。
【0031】
ステップ202の物理的な測定データは、実際には任意のN次元ヒストグラムに対応し得、ここでN個の次元のそれぞれは、ヒストグラム内の各イベントに関連する特性に対応することが理解される。これらの特性は、生物学的サンプルで伝導される物理学的測定値に限定されず、その代わりに、スカラー値を用いて、イベントの任意のN個の特性を記載する。本発明の実施形態に従って、Nは1より大きい。
【0032】
オプションのステップ206において、ステップ204で取得されたデータは、ノイズイベントを取り除くために事前処理される。このことは、III節でさらに論じられる。
【0033】
ステップ204のデータに対応するヒストグラムは、本発明の実施形態に従って、ステップ208において生成される。ヒストグラムの生成は、さまざまな種類のデータ格納に対応し得、そして、必ずしも、ヒストグラムの形式でステップ204からのデータをグラフィカルディスプレイ上に表示することを含む必要はないことが理解される。本発明のさらなる実施形態に従って、ヒストグラムを表すデータアレイは、生成ステップにおいて作成される。さらに、ヒストグラムを生成するステップは、本発明のさらなる実施形態に従って、事前処理するステップ206の前に発生し得る。
【0034】
本発明の実施形態に従って、一組のイベントに対して測定されたN個のパラメータに関連するN次元のうちのそれぞれに沿ったスカラー値の範囲を、関連する度数値を有するN次元形状と関連付けることによって生成される。度数値は、形状内に入るイベントの数に対応する。本発明のさらなる実施形態に従って、各イベントは、2つのパラメータに関連付けられ、結果として、2次元プロット上に表示され得る。2つの次元の各々に沿った値の範囲は、グラフィカルディスプレイ上のピクセルに関連付けられるか、またはメモリ内に格納された同様の2次元構造に関連付けられる。度数値が各ピクセルに対して保持され、度数値は、ピクセルに関連付けられた範囲内にあるイベントの数に関連付けられる。本発明のさらなる実施形態に従って、度数は、グラフィカルディスプレイ上に表示するための色または強度に関連付けられる。
【0035】
ヒストグラムに対応するデータ構造に表されるデータを用いて、ヒストグラムの中央部分は、ステップ210において決定または産出される。スライシングラインは、ステップ212において決定され、形状パラメータはスライシングラインに沿って決定または産出される214。ステップ216において、この形状パラメータは、オプションで、スライシングラインに関連付けられた角度に対してプロットされる。これらのステップ、スライシングライン、および形状パラメータのさらなる議論は、IV節に見出される。
【0036】
プロットの結果は、オプションで、ステップ218において図1のディスプレイ118上に表示される。結果の表示および解釈のさらなる議論は、V節において論じられる。次いで、方法200はステップ220で終了する。
【0037】
本発明のさらなる実施形態に従って、上記の方法は、図3の分析システム300において行われ得る。システム300は、イベントデータを生成する器具302(例えば、フローサイトメータ)を備えている。システム300は、事前処理モジュール304をさらに備え、この事前処理モジュール304は、本発明の実施形態に従って、III節において開示される事前処理方法を行うように動作可能である。さらに、システム300は、ヒストグラムモジュール306を備え、このヒストグラムモジュール306は、本発明の実施形態に従って、IV節に開示されるヒストグラムデータ分析方法を行うように動作可能である。ディスプレイモジュール308は、V節で論じられる表示および解釈方法を実装するために、本発明のさらなる実施形態に従って、オプションで含まれる。システム300の4つのモジュールへのタスクの明確な図示は、例示として提示され、限定することはせず、この明細書を通して開示される方法は、単一のモジュールまたは複数のモジュールのうちの任意のモジュールにおいて行われ得る。
【0038】
(III.ノイズを低減するデータサンプルの事前処理)
図4は、本発明の実施形態に従って、一組のイベントにおいて事前処理がオプションで行われるステップを例示する方法400を描くフローチャートである。本発明のさらなる実施形態に従って、事前処理ステップは、モジュール304で行われる。このモジュールは、モジュールが事前処理するデータを生成する器具(例えば、フローサイトメータ)と一体的であり得るか、あるいは、スタンドアロンであり得るか、または別のモジュールもしくはシステムと一体的であり得る。
【0039】
方法400は、ステップ402で開始し、ステップ404に進み、ここで、物理的な測定データが読み取られる。本発明の実施形態に従って、方法400がスタンドアロンモジュールによって実装される場合、ステップ404のデータは、ローカル処理のためにローカルデータバンク(例えば、レジスタ)内に読み取られる。本発明のさらなる実施形態に従って、ステップ404のデータは、データソース(例えば、フローサイトメータ)によって共有されるデータバンクから読み取られ得る。本発明のさらなる実施形態に従って、ステップ404において読み取られるデータは、本質的に一時的であり得、物理的に格納され得ない。方法400の方法によって事前処理するためのデータを取得するための多数の方法が存在し、上述の方法は例示のために提示され、限定するものではないことが理解される。
【0040】
ステップ406において、孤立データアイランドが識別される。孤立データアイランドは、イベントのグルーピングであり、これは相対的に少ないイベントから構成され、例えば、閾値などのいくつかの基準に基づくと、イベントの1つ以上の主なグルーピングから相対的に分離されている。ステップ408において、これらの孤立データアイランドに関連付けられたイベントは除去される。ステップ406および408は、図5Aを参照して以下でさらに論じられる。ステップ410において、残りのイベントデータは平滑化される。ステップ410は、図5Bおよび図5Cを参照して以下でさらに論じられる。
【0041】
次いで、結果生じる事前処理データは、ステップ412において出力される。ステップ412における出力は、さらなる処理ステップを実装する任意のさらなる処理モジュール(例えば、図3のヒストグラムモジュール306)に送られる。次いで、この方法はステップ414において終了する。
【0042】
図5Aは、本発明の実施形態に従って、多数のイベントを例示する2つの散布図を描き、それぞれのイベントは2つの次元に関連付けられる。2つの次元(それぞれがイベントのパラメータに対応する)はX(502)およびY(504)として示される。従って、図5Aの散布図において1つの点として示されている個別のイベントは、関連するXおよびYの値を有する。
【0043】
(a)とマークされた左の散布図は、グルーピング506において発生している多くのイベントを有し、グルーピングは、X次元およびY次元に対する値の特定の範囲に関連付けられる。(b)とマークされた右の散布図は、同一のグルーピング506を有するが、ノイズによって生成されたイベントに対応する2つの孤立データアイランド508をさらに有する。アイランド508のノイズイベントは、本発明の実施形態に従って、図5Aの散布図に示されているデータを生成する器具類によって生成される。
【0044】
図4のフローチャート400のステップ406は、図5Aのアイランド508などの孤立データアイランドを識別し、その後、アイランドに関連したイベントは、ステップ408において、データセットから除去される。1つ以上のイベントが孤立データアイランドを構成するか否かを決定するために、多くの技術が利用され得、技術の選択は、本発明の実施形態に従って、特定の用途およびデータセットのノイズ特性に基づいて置換可能である。必ずしも全ての孤立データアイランドがノイズによって引き起こされたわけでなく、そのため、技術の選択は、ノイズが、ステップ408において除去され得る任意のデータの原因であるか否かの考慮を必要とし得る。実施形態において、データ領域(例えば、最小のXおよびYならびに最大のXおよびYの範囲内で、図5Aの散布図によってグラフィカルに表されたデータ領域)内のイベントの数が特定の閾値未満である場合には、その範囲内のイベントは、孤立データアイランドであるとみなされる。さらなる実施形態において、一組のイベントによって、X次元およびY次元内において占められる面積が特定の閾値未満である場合には、その面積内のイベントは、孤立データアイランドであるとみなされる。ステップ408において、孤立データアイランドとみなされる任意のイベントは、データセットから消去される。
【0045】
一組のイベントの面積およびイベントカウントを閾値と比較することによるデータアイランドの識別は、ノイズによって引き起こされるイベントを識別するために利用され得る多くの技術のうちのたった2つであることと、上述の技術は例示のために提示され、限定はしないこととが理解される。
【0046】
図5Bは、データ(例えば、図5Aの散布図に対応するイベントデータ)から生成された2次元ヒストグラムである。本発明の実施形態に従って、ヒストグラムはII節に記載された技術によって生成されるが、N次元ヒストグラムは、本明細書に記載された技術をさらなる次元まで拡張することによって生成され得ることが理解される。結果生じるヒストグラムは、例えば、図5Bのヒストグラム510に類似している。
【0047】
ステップ410は、図5Bのヒストグラムデータ510を平滑化して、図5Cのヒストグラム512を生成する。このステップは、本発明の実施形態に従って、主要なイベント母集団内のノイズを排除し、類似のサンプルに対するヒストグラムとの視覚的な比較が容易なヒストグラムを提示する。本発明のさらなる実施形態に従って、ヒストグラムは、ヒストグラムを平滑化カーネルkで畳み込むことによって平滑化される。本発明のさらなる実施形態において、kはガウシアンカーネルである。
【0048】
本発明のなおさらなる実施形態において、kは、
【0049】
【数1】
の形式である。カーネルkは、多くの形式であり得、上述のカーネルは例示のために提供され、限定するために提供されていないことが理解される。
【0050】
(IV.新しい形状パラメータの算出)
図6は、複数の組のイベントをより容易にかつ精度良く比較するために、改善された形状パラメータが計算されるステップを含む方法600を描くフローチャートを例示する。本発明のさらなる実施形態に従って、フローチャート600のステップは、図3のモジュール306において行われる。このモジュールは、モジュールが事前処理するデータを生成する器具(例えば、フローサイトメータ)と一体的であり得るか、あるいは、スタンドアロンであり得るか、または別のモジュールもしくはシステムと一体的であり得る。
【0051】
方法600は、ステップ602において開始し、ステップ604に進み、ここで物理的測定データが読み取られる。データは、種々のソース(図3の事前処理モジュール304を含むがこれに限定されない)から、または器具(例えば、フローサイトメータ)から直接的に取得され得る。
【0052】
ステップ606において、ヒストグラムは、本発明の実施形態に従って、物理的測定データから生成される。本発明のさらなる実施形態において、ヒストグラムは、他の場所で生成され、ステップ604において受信されたデータとして受信される。ヒストグラムが生成され得る方法は、例示としてII節において提供される。
【0053】
ヒストグラムが利用可能な場合、ヒストグラムの中央部分または中心は、ステップ608において決定または算出される。図7Aを参照して、ヒストグラム702の中央は、2つの次元に沿ったイベント度数の平均的な中心点として示されている。2次元ヒストグラムにおいて、中心点は、本発明の実施形態に従って、個別のピクセルまたは他の2次元形状に対応し、ここに、ヒストグラムがセグメント化される。
【0054】
中心は、(平均値、モード、メジアンまたはヒストグラムによって表されるイベント母集団の他の特性の使用を含む)多くの様々な技術を用いて計算され得、上述の技術は、限定ではなく例示として提示されている。
【0055】
中心が算出されると、方法はステップ610に進み、ここで、スライシングラインが選択される。さらなる実施形態において、スライシングラインは、スライシングラインの原点として使用される。いくつかの追加の点において開始するが、さらなる議論は、原点としての中心に言及する。スライシングラインは、分析されるヒストグラムの選択を規定する作図であり、スライシングラインに沿った形状パラメータを算出するための分析は本明細書においてさらに論じられる。
【0056】
例えば、図7Aのスライシングライン706が使用され得る。本発明の実施形態に従って、任意の所与のスライシングラインの方向は、同様に中心において開始する基準スライシングラインに対する角度として規定され、基準スライシングラインは、0度または0ラジアンの角度を表すように選択される。基準スライシングラインに対する対応する角度測定の規定は、議論のためであり、任意の基準スライシングラインが使用され得ることが理解される。図7Aにおいて、この基準スライシングラインは、スライシングライン704として示される。図7Aの例において、スライシングライン706の角度は、それゆえ、0度の基準スライシングラインとスライシングライン706との間の角度、すなわち60°である。図7Aのヒストグラムに対応する散布図708が、参照のために図7Bに示される。
【0057】
スライシングラインに従って、本発明の実施形態に従って、ステップ612において、ヒストグラムは、スライシングラインに沿って補間され、スライシングラインに沿ったプロファイルを決定または計算する。このことは、プロファイルに対応する一次元ヒストグラムの作成をもたらす。同様の技術がN次元ヒストグラムに利用され得(ここでNは1より大きい)、その結果、N−1次元プロファイルがスライシングN−1次元形状(例えば、3次元ヒストグラムにおけるスライシング面に沿った2次元プロファイル)に沿って決定されることが理解される。2次元ヒストグラムの使用は、限定でなく例示である。
【0058】
決定された形状特性に対応するヒストグラムによって、形状特性がステップ614で決定される。形状特性はスカラー値であり、これは種々の技術を用いて決定され得る。例えば、標準偏差は、1次元ヒストグラムにおいて計算され得、スライシングラインに沿った有用な形状パラメータをもたらす。さらなる技術は、スライシングラインに沿った平均値の計算およびスライシングラインに沿った距離(これを超えると値が閾値未満に下がる)を決定または計算することを含むが、スライシングラインに沿った形状特性をもたらす任意の技術が使用され得る。典型的に、形状特性は、1次元ヒストグラムの特徴(表示することを意味する)に関するいくつかの識別情報を提供する。
【0059】
スライシングラインに沿って形状特性を算出すると、スライシングラインは、基準スライシングラインに対する角度に関連付けられ、形状特性および角度は、データ構造に一緒に格納される。本発明の実施形態に従って、形状特性および角度は、ステップ616においてアレイに格納される。
【0060】
ステップ618において、追加のスライシングラインが処理されるべきか否かに関して決定がなされる。本発明の実施形態に従って、0°基準スライシングラインに対して、2πラジアン(360°)空間を通して一様に分布した一組のスライシングラインが使用されるが、スライシングラインを選択するための他の機構が利用され得る。追加のスライシングラインが処理されるために残っている場合には、方法はステップ610に戻る。他の場合には、算出されたデータ(形状特性に関連付けられたスライシングラインの角度を含む)は、本発明の実施形態に従って、ステップ620において出力される。方法は、ステップ622で終了する。
【0061】
(V.形状パラメータ分析)
図8の方法800を描くフローチャートは、図7Aを引き続き参照し、図7Cおよび図7Dをさらに参照して議論される。方法800は、本発明の実施形態に従って、図6のフローチャート600において算出される形状パラメータがイベントデータを分析する際に用いられるオプションのステップを例示する。方法800は、本発明の実施形態に従って、ステップ802において開始し、ステップ804に進み、ここで、形状アレイが入力として受信される。様々なスライシングラインの角度およびそれらが関連する形状特性に対応するデータが、デバイス、モジュール、方法800のステップを行う他のエンティティによって受信される多数の方法が存在する。アレイ内のこのデータを受信することは、限定ではなく例示のために適宜提示される。
【0062】
本発明の実施形態に従って、ステップ806において、アレイがプロットされる。アレイは、様々な方法でプロットされ得、図7Cおよび図7Dのプロット710および716は、それぞれ、X−Yプロットおよび極座標プロットの使用を介した2つの例示的な方法を例示する。各プロットは、様々な点を含み、各点は、本発明の実施形態に従って、スライシングラインの角度およびスライシングラインの角度に対する形状特性の値に関連付けられる。例えば、図7Cの点714は、60°のスライシングラインに関連付けられた、5と6と(単位は、例に関連していない、さらに言えば単位のない値が使用され得る)の間の形状特性に対応する。これは、図7Aのスライシングライン706を用いて計算された形状特性値である。
【0063】
注意すべきは、この同一のデータが図7Dの極座標プロット716において提示され得る。点718は、図7Cの点714と同様に、関連する60°スライシングラインに沿った5と6の間の形状特性に対応する。図7Dの極座標プロット716を図7Aのヒストグラム702と視覚的に比較することによって、ヒストグラム702の形状の微妙な差異の多くがプロット716に反映されることが興味深い。
【0064】
本発明の実施形態に従って、ステップ808において、プロットがグラフィカルディスプレイ上に表示され、ステップ810において、予測されたプロットが比較として表示される。このことは、医療技術者が、任意の有意な異常が存在しているか否かを決定するために、ステップ812において2つのプロットを視覚的に比較することを可能にする。(例えば、患者の診断シートの一部として印刷物を作成することによって、または、特定のスライシングラインに沿ったプロットと予測されたプロットとの間の算出された差を提示することによって)プロットを表示する他の手段が存在する。その後、方法は、ステップ814で終了する。
【0065】
(VI.新しい形状パラメータを使用する例示的な利点)
関連するN個のパラメータに対する一組のイベントについての標準偏差を計算する従来の方法論と比較して、新しい形状パラメータは、イベントの母集団の構造的または方向的な情報を明らかにする。例えば、図7Dにプロットされた形状パラメータは、図7Aのヒストグラムに示された卵形の母集団が、60°および240°において最も長いスパンを有し、150°および300°において最も短いスパンを有することを示している。
【0066】
新しい形状パラメータは、さらに、他の形状的特徴の計算を可能にする。例えば、図7Dに例示される卵形形状は、60°−240°の軸で最長であり、150°−330°の軸で最短である。60°スライスに対する形状パラメータと240°スライスに対する形状パラメータとを合計することと、合計を150°スライスに対する形状パラメータと330°スライスに対する形状パラメータの合計と比較することとによって、2つの長さの間の相対的な差が明らかになる。
【0067】
さらに、III節において記載された事前処理ステップは、有用な情報を保持しながら、ノイズを排除する。代替的に、このステップは、行われないことがあり得るが、新しい形状パラメータは、ノイズイベントが存在しているときに、従来の標準偏差の方法論よりもさらにより統計的に有意なデータをもたらす。
【0068】
(VII.例示的なコンピュータシステム実装)
本発明の様々な局面は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせにより実装され得る。図9は、本発明またはその一部がコンピュータ読み取り可能コードとして実装され得る例示的なコンピュータシステム900を例示する。例えば、図2のフローチャート200、図4のフローチャート400、図6のフローチャート600および図8のフローチャート800によって例示された方法は、システム900に実装され得る。本発明の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム900に関して説明される。この説明を読んだ後、当業者に対して、他のコンピュータシステムおよび/またはコンピュータアーキテクチャを用いて本発明をどのように実装するかの方法が明らかになるだろう。
【0069】
コンピュータシステム900は、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ904)を含む。プロセッサ904は、通信インフラストラクチャ906(例えば、バスまたはネットワーク)に接続される。
【0070】
コンピュータシステム900は、また、メインメモリ908(好ましくはランダムアクセスメモリ(RAM))を含み、同様に、2次メモリ910を含み得る。2次メモリ910は、例えば、ハードディスクドライブ912、リムーバブル格納ドライブ914、および/またはメモリスティックを含み得る。リムーバブル格納ドライブ914は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光学ディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含み得る。リムーバブル格納ドライブ914は、周知の態様で、リムーバブル格納ユニット918から読み取りを行い、そして/またはリムーバブル格納ユニット918に書き込みを行う。リムーバブル格納ユニット918は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、光学ディスクなどを含み得、これらはリムーバブル格納ドライブ914によって読み取られ、そして、リムーバブル格納ドライブ914に書き込まれる。当業者によって認識されるように、リムーバブル格納ユニット918は、コンピュータソフトウェアおよび/またはデータを格納したコンピュータ使用可能な格納媒体を含む。
【0071】
代替的な実装において、2次メモリ910は、コンピュータプログラムまたは他の命令がコンピュータシステム900にロードされることを可能にする他の類似の手段を含み得る。そのような手段は、例えば、リムーバブル格納ユニット922およびインターフェース920を含み得る。このような手段の例は、(例えば、ビデオゲームデバイスで見られるような)プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース、リムーバブルメモリチップ(例えば、EPROMまたはPROM)および関連するソケット、ならびにソフトウェアおよびデータが、リムーバブル格納ユニット922からコンピュータシステム900に転送されることを可能にする他のリムーバブル格納ユニット922およびインターフェース920を含み得る。
【0072】
コンピュータシステム900は、また、通信インターフェース924を含み得る。通信インターフェース924は、ソフトウェアおよびデータが、コンピュータシステム900と外部デバイスとの間で転送されることを可能にする。通信インターフェース924は、モデム、ネットワークインターフェース(例えば、イーサネット(登録商標)カード)、通信ポート、PCMCIAスロットおよびカードなどを含み得る。通信インターフェース924を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、信号の形態であり、この信号は、電子的、電磁気的、光学的または通信インターフェース924によって受信可能な他の信号であり得る。これらの信号は、通信経路926を介して、通信インターフェース924に提供される。通信経路926は信号を搬送し、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、電話線、セルラ電話リンク、RFリンクあるいは他の通信チャネルを用いて実装され得る。
【0073】
この書類において、用語「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ使用可能な媒体」は、概して、媒体(例えば、リムーバブル格納ユニット918、リムーバブル格納ユニット922およびハードディスクドライブ912にインストールされたハードディスク)を指すために使用される。通信経路926を介して搬送される信号は、また、本明細書に記載された論理を具体化し得る。コンピュータプログラム媒体およびコンピュータ使用可能な媒体は、また、メモリ(例えば、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であり得るメインメモリ908および2次メモリ910)をいい得る。これらのコンピュータプログラム製品は、ソフトウェアをコンピュータシステム900に提供するための手段である。
【0074】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御論理ともいう)は、メインメモリ908および/または2次メモリ910に格納される。コンピュータプログラムは、また、通信インターフェース924を介して受信され得る。このようなコンピュータプログラムは、実行されるとき、コンピュータシステム900が、本明細書に議論されるように本発明を実装することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されるとき、プロセッサ904が本発明のプロセス(例えば、上述された図2のフローチャート200、図4のフローチャート400、図6のフローチャート600および図8のフローチャート800によって例示された方法におけるステップ)を実装することを可能にする。従って、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム900のコントローラを表す。ソフトウェアを用いて本発明が実装される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に格納され得、リムーバブル格納ドライブ914、インターフェース920、ハードドライブ912または通信インターフェース924を用いてコンピュータシステム900にロードされ得る。
【0075】
本発明は、また、任意のコンピュータ使用可能な媒体上に格納されたコンピュータプログラム製品に関する。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理デバイスにおいて実行されるとき、データ処理デバイスを本明細書に記載されるように動作させる。本発明の実施形態は、現在公知または将来的に公知になる任意のコンピュータ使用可能または読み取り可能媒体を利用し得る。コンピュータ使用可能媒体の例は、1次格納デバイス(例えば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ)、2次格納デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、CD ROM、ZIPディスク、テープ、磁気格納デバイス、光学格納デバイス、MEMS、ナノテクノロジー格納デバイスなど)、および通信媒体(例えば、有線通信ネットワークおよび無線通信ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、イントラネットなど)を含むが、これらに限定されない。
【0076】
本発明の様々な実施形態が上記で説明されてきたが、これらの実施形態は例示のみの目的で提示され、限定のためには提示されていないことが理解されるべきである。当業者によって、形態および詳細における様々な変更が、添付の特許請求の範囲において規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなしになされ得ることが理解される。本発明がこれらの例に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、本明細書に記載されるように動作する任意の要素に適用可能である。従って、本発明の外延および範囲は、上述された例示的な実施形態の任意の実施形態によって限定されるべきではないが、添付の特許請求の範囲およびその均等物に従ってのみ規定されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データサンプルの特性を記述する方法であって、該方法は、
検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定パラメータを表すデータから多次元ヒストグラムを生成することと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分から開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することと
を包含する、方法。
【請求項2】
第1の閾値未満の特性を有する前記ヒストグラムの一部分を除去することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の閾値未満の特性を有する残りの部分のさらなる部分を除去することを介して、前記ヒストグラムの該残りの部分を平滑化することをさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記さらなる部分は、前記ヒストグラムのノイズ部分である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記平滑化することは、平滑化カーネルで前記残りの部分を畳み込むことを包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記平滑化カーネルは、ガウシアンカーネルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記特徴は、前記ヒストグラムの前記一部分の面積を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記特徴は、前記ヒストグラムの前記一部分の度数を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記一部分は、前記ヒストグラムのノイズ部分である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記形状パラメータが、前記スライシングラインの角度に関連するように、該形状パラメータをアレイに格納することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記スライシングラインの前記角度に対する前記形状パラメータをプロットすることをさらに包含する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記算出することは、前記スライシングラインに沿って前記ヒストグラムに対する度数値を積分することと、
該積分された度数値を用いて前記形状パラメータを計算することと
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記形状パラメータは、前記積分された度数値の平均値を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記形状パラメータは、前記スライシングラインに沿った距離を含み、該スライシングラインにおいて、前記積分された度数値は、形状パラメータ閾値レベル未満である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒストグラムは、N個の物理的測定値に対応するN次元ヒストグラムであり、Nは1より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
追加の角度を有する追加のスライシングラインについて算出することを繰り返すことさらに包含し、該追加の角度は、2πの範囲内に一様に分布される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記検出されたオブジェクトは、複数のオブジェクトの母集団の1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のオブジェクトの母集団は、血液細胞の母集団である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
データサンプルの特性を記述するシステムであって、
検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、
該ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールと
を備えている、システム。
【請求項20】
コンピュータ使用可能な媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータ使用可能な媒体は、プロセッサがデータサンプルの特性を記述することを可能にするための記録されたコンピュータプログラム論理を有し、該コンピュータプログラム論理は、
該プロセッサが、検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することを可能にするように構成された生成モジュールと、
該プロセッサが、該ヒストグラムの中央部分を決定することを可能にするように構成された決定モジュールと、
該プロセッサが、該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することを可能にするように構成された算出モジュールと
を備えている、コンピュータプログラム製品。
【請求項21】
記録されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、該コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されたとき、該プロセッサに、データサンプルの特性を記述する方法を実行させる、コンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、該方法は、
検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することと
を包含する、コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【請求項22】
血液細胞の母集団の特性を記述する方法であって、
器具アパーチャにおいて、血液細胞の母集団から血液細胞を獲得することと、
該血液細胞についての2つの物理的な測定値を表すデータを取得することと、
該データに基づいて、該母集団の母集団型を決定することと、
データから2次元ヒストグラムを生成することであって、該データは、該ヒストグラムを生成するために、該母集団に対応する追加のデータと集合される、ことと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って該ヒストグラムについての形状パラメータを算出することと
を包含する、方法。
【請求項23】
生物学的サンプル内の不規則性を検出するための方法であって、
該生物学的サンプルについての物理学的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する度数値を積分することと、
該積分された度数値を用いて該形状パラメータを計算することと、
該スライシングラインの角度に対する該形状パラメータのプロットを作成することと、
該プロットを予測されたプロットと比較することと
を包含する、方法。
【請求項24】
フローチャンバと、
該フローチャンバを通る粒子に応答する電子信号を生成するように構成された検出器と、
電気信号を受信することと、該電気信号をキャプチャされたデータに変換することとを行うように構成された受信器と、
データプロセッサであって、該データプロセッサは、
該キャプチャされたデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、
第1の閾値未満の特性を有する該ヒストグラムの一部分を除去する除去モジュールと、
第2の閾値未満の特性を有する該ヒストグラムの残りの部分のさらなる部分を除去することを介して、該ヒストグラムの該残りの部分を平滑化する平滑化モジュールと、
該ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールと
を備えている、データプロセッサと、
該スライシングラインの角度に対する該形状パラメータのプロットを表示するように構成されたディスプレイと
を備えている、システム。
【請求項25】
前記検出器は、DC抵抗アパーチャを備え、該検出器は、該DC抵抗アパーチャの抵抗を測定することと、該測定された抵抗に基づいて前記電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記検出器は、前記フローチャンバに方向付けられた光のビームを形成するように構成された光源を備え、該検出器は、該フローチャンバを通過する粒子から散乱された散乱光子を検出することと、該検出された散乱光子に基づいて該電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記検出器は、前記フローチャンバに方向付けられた光のビームを形成するように構成された光源を備え、該検出器は、励起された蛍光色素から放出された放射光子を検出することと、該検出された放射光子に基づいて該電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記検出器は、RF伝導性アパーチャを備え、該検出器は、該RF伝導性アパーチャの伝導率を測定することと、該測定された伝導率に基づいて前記電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項1】
データサンプルの特性を記述する方法であって、該方法は、
検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定パラメータを表すデータから多次元ヒストグラムを生成することと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分から開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することと
を包含する、方法。
【請求項2】
第1の閾値未満の特性を有する前記ヒストグラムの一部分を除去することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2の閾値未満の特性を有する残りの部分のさらなる部分を除去することを介して、前記ヒストグラムの該残りの部分を平滑化することをさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記さらなる部分は、前記ヒストグラムのノイズ部分である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記平滑化することは、平滑化カーネルで前記残りの部分を畳み込むことを包含する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記平滑化カーネルは、ガウシアンカーネルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記特徴は、前記ヒストグラムの前記一部分の面積を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記特徴は、前記ヒストグラムの前記一部分の度数を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記一部分は、前記ヒストグラムのノイズ部分である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記形状パラメータが、前記スライシングラインの角度に関連するように、該形状パラメータをアレイに格納することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記スライシングラインの前記角度に対する前記形状パラメータをプロットすることをさらに包含する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記算出することは、前記スライシングラインに沿って前記ヒストグラムに対する度数値を積分することと、
該積分された度数値を用いて前記形状パラメータを計算することと
を包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記形状パラメータは、前記積分された度数値の平均値を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記形状パラメータは、前記スライシングラインに沿った距離を含み、該スライシングラインにおいて、前記積分された度数値は、形状パラメータ閾値レベル未満である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ヒストグラムは、N個の物理的測定値に対応するN次元ヒストグラムであり、Nは1より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
追加の角度を有する追加のスライシングラインについて算出することを繰り返すことさらに包含し、該追加の角度は、2πの範囲内に一様に分布される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記検出されたオブジェクトは、複数のオブジェクトの母集団の1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のオブジェクトの母集団は、血液細胞の母集団である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
データサンプルの特性を記述するシステムであって、
検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、
該ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールと
を備えている、システム。
【請求項20】
コンピュータ使用可能な媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータ使用可能な媒体は、プロセッサがデータサンプルの特性を記述することを可能にするための記録されたコンピュータプログラム論理を有し、該コンピュータプログラム論理は、
該プロセッサが、検出されたオブジェクトについての物理的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することを可能にするように構成された生成モジュールと、
該プロセッサが、該ヒストグラムの中央部分を決定することを可能にするように構成された決定モジュールと、
該プロセッサが、該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することを可能にするように構成された算出モジュールと
を備えている、コンピュータプログラム製品。
【請求項21】
記録されたコンピュータプログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、該コンピュータプログラムコードは、プロセッサによって実行されたとき、該プロセッサに、データサンプルの特性を記述する方法を実行させる、コンピュータ読み取り可能な格納媒体であって、該方法は、
検出されたオブジェクトについての複数の物理的な測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出することと
を包含する、コンピュータ読み取り可能な格納媒体。
【請求項22】
血液細胞の母集団の特性を記述する方法であって、
器具アパーチャにおいて、血液細胞の母集団から血液細胞を獲得することと、
該血液細胞についての2つの物理的な測定値を表すデータを取得することと、
該データに基づいて、該母集団の母集団型を決定することと、
データから2次元ヒストグラムを生成することであって、該データは、該ヒストグラムを生成するために、該母集団に対応する追加のデータと集合される、ことと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って該ヒストグラムについての形状パラメータを算出することと
を包含する、方法。
【請求項23】
生物学的サンプル内の不規則性を検出するための方法であって、
該生物学的サンプルについての物理学的測定値を表すデータからヒストグラムを生成することと、
該ヒストグラムの中央部分を決定することと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する度数値を積分することと、
該積分された度数値を用いて該形状パラメータを計算することと、
該スライシングラインの角度に対する該形状パラメータのプロットを作成することと、
該プロットを予測されたプロットと比較することと
を包含する、方法。
【請求項24】
フローチャンバと、
該フローチャンバを通る粒子に応答する電子信号を生成するように構成された検出器と、
電気信号を受信することと、該電気信号をキャプチャされたデータに変換することとを行うように構成された受信器と、
データプロセッサであって、該データプロセッサは、
該キャプチャされたデータからヒストグラムを生成する生成モジュールと、
第1の閾値未満の特性を有する該ヒストグラムの一部分を除去する除去モジュールと、
第2の閾値未満の特性を有する該ヒストグラムの残りの部分のさらなる部分を除去することを介して、該ヒストグラムの該残りの部分を平滑化する平滑化モジュールと、
該ヒストグラムの中央部分を決定する決定モジュールと、
該中央部分において開始するスライシングラインに沿って、該ヒストグラムに対する形状パラメータを算出する算出モジュールと
を備えている、データプロセッサと、
該スライシングラインの角度に対する該形状パラメータのプロットを表示するように構成されたディスプレイと
を備えている、システム。
【請求項25】
前記検出器は、DC抵抗アパーチャを備え、該検出器は、該DC抵抗アパーチャの抵抗を測定することと、該測定された抵抗に基づいて前記電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記検出器は、前記フローチャンバに方向付けられた光のビームを形成するように構成された光源を備え、該検出器は、該フローチャンバを通過する粒子から散乱された散乱光子を検出することと、該検出された散乱光子に基づいて該電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記検出器は、前記フローチャンバに方向付けられた光のビームを形成するように構成された光源を備え、該検出器は、励起された蛍光色素から放出された放射光子を検出することと、該検出された放射光子に基づいて該電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
前記検出器は、RF伝導性アパーチャを備え、該検出器は、該RF伝導性アパーチャの伝導率を測定することと、該測定された伝導率に基づいて前記電子信号を生成することとを行うように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2012−505470(P2012−505470A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531042(P2011−531042)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/052125
【国際公開番号】WO2010/042267
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/052125
【国際公開番号】WO2010/042267
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】
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