説明

血管情報管理装置

【課題】診療箇所の分類を行うことが困難であるため、統計情報の取得が容易な形式で血管の診療情報を蓄積できない。
【解決手段】血管情報管理装置10は、情報を出力する出力部500と、患者の血管の形状を示す画像を格納する記憶部400と、画像上におけるXY座標の入力を受け付けるとともに、患者を指定する患者IDの入力を受け付ける入力部100と、情報を処理する処理部200とを備える。処理部200は、出力部500を介して画像を出力し、出力した画像上におけるXY座標の入力を、入力部100を介して受け付け、受け付けたXY座標を、血管を指定する血管番号と血管を所定の数に分割して得られる各分割位置に付した番号である目盛りとの組み合わせである血管座標に変換して、血管座標を治療位置として患者IDに対応させて記憶部400に格納する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテシステムの備えるサブシステムに関する技術であり、特に、心臓カテーテル診療を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓医療分野においては、心臓カテーテル診断・治療が患者に負担の少ない診療行為として多数実施されているが、医療従事者は、この診療の際の診断内容や治療内容、所見等の診療情報を心臓の血管の位置と対応付けて記録する必要がある。手書きカルテに記載する場合においては、診療情報を心臓および血管の模式図の該当箇所と対応付けて記録していた。
【0003】
しかし、手書きカルテに診療情報を記録する技術では、診療情報の管理が煩雑であり、近年においては、診療情報を容易に管理できる電子カルテシステムが普及している。この電子カルテシステムによって、医療従事者は、診療情報を手書きによってカルテに記録する代わりに、電子データによって記録することが可能となっている。
【0004】
電子カルテシステムに診療情報を入力する技術としては、医療従事者が患者の心臓の実画像または実画像により作成した図面(平面図または立体図)上で診療箇所を特定して、診療情報を入力する技術が一般的である。
【0005】
また、診療情報を容易に入力できる技術として、非特許文献1に示すような技術が開示されている。この技術では、心臓の冠動脈を、予め設定した平面テンプレート図として画面に表示し、血管の追加・削除・形状修正等の処理によって患者の心臓の個人差を反映できる。また、既定の血管分類記号を付与してあり、医療従事者は、診療箇所を修正図の上でマウス操作によって特定し、診療情報を入力することが可能である。
【非特許文献1】原悠紀,外5名,「心臓カテーテル検査における所見記載および治療計画のための直感的なインターフェースの開発」,電子情報通信学会,2005年12月,技術研究報告書(IEICE Technical Report),Vol.105, No.456, MBE2005-94,pp.9-12
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の一般的な技術によれば、医療従事者は、診療箇所を詳細なレベルで特定して診療情報を入力することが可能であるが、入力された診療箇所が分類されていないために、統計情報の取得が容易な形式で血管の診療情報を蓄積できないという問題がある。
【0007】
また、前記の非特許文献1に開示された技術によれば、医療従事者は、患者の実状態に合わせて冠動脈の形状を変形して診療情報を入力することができるが、変形の自由度が高いため、冠動脈の形状の分類が困難である。すなわち、入力された診療箇所の分類を行うことが困難であるため、統計情報の取得が容易な形式で血管の診療情報を蓄積できないという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、統計情報の取得が容易な形式で血管の診療情報を蓄積することを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は、患者の血管に関する情報を管理する血管情報管理装置とする。血管情報管理装置は、情報を格納する記憶部と、情報を入力する入力部と、情報を処理する処理部とを備える。入力部は、患者を指定する患者IDの入力を受け付けるとともに、医療従事者が患者に治療を施す位置である治療位置の入力として血管座標の入力を受け付け、処理部は、入力部を介して入力を受け付けた治療位置を患者IDに対応させて記憶部に格納する。血管座標は、血管を指定する血管番号と血管を所定の数に分割して得られる各分割位置に付した番号である目盛りとの組み合わせとする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、統計情報の取得が容易な形式で血管の診療情報を蓄積することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0012】
図1は、本実施形態における血管情報管理装置の構成を示す図である。図1に示すように、血管情報管理装置10は、入力部100と、処理部200と、プログラム格納部300と、記憶部400と、出力部500とを含んで構成され、それぞれがバス900に接続されている。血管情報管理装置10は、患者の血管に関する情報を管理する機能を有する。
【0013】
入力部100は、マウスや、キーボード等によって構成され、医療従事者等から情報の入力を受け付ける機能を有する。
【0014】
出力部500は、ディスプレイ、プリンタ等によって構成され、情報を出力する機能を有する。
【0015】
処理部200は、CPU(Central Processing Unit)等によって構成され、プログラム格納部300に格納された各種プログラムを実行する機能を有する。
【0016】
プログラム格納部300は、血管形状情報制御プログラム310と、血管診断結果情報制御プログラム320と、血管治療位置情報制御プログラム330と、血管治療成績情報制御プログラム340と、メインプログラム350と、入出力制御プログラム360とを含んで構成される。
【0017】
血管形状情報制御プログラム310は、血管の形状に関する情報を制御するプログラムである。
【0018】
血管診断結果情報制御プログラム320は、血管の診断結果に関する情報を制御するプログラムである。
【0019】
血管治療位置情報制御プログラム330は、治療を施した血管の位置に関する情報を制御するプログラムである。
【0020】
血管治療成績情報制御プログラム340は、治療後の血管における成績(病気が再発しているか否かに関する情報)を制御するプログラムである。
【0021】
入出力制御プログラム360は、入力部100や、出力部500を制御するプログラムである。
【0022】
メインプログラム350は、血管形状情報制御プログラム310、血管診断結果情報制御プログラム320、血管治療位置情報制御プログラム330、血管治療成績情報制御プログラム340および入出力制御プログラム360を制御するプログラムである。
【0023】
記憶部400は、処理部200がプログラム格納部300に格納されているプログラムを実行する際に使用するデータを格納する機能を有する。また、固定血管情報DB(DataBase)410や、可変血管情報DB420、血管移動可能先情報DB430、血管形状情報DB450、血管診断結果情報DB460、血管治療位置情報DB470、血管治療成績情報DB480等の各種DBや、血管分割模式画像490を格納する機能を有する。なお、これらの各種DBや、血管分割模式画像490は、血管情報管理装置10の外部の記憶装置(不図示)に格納する構成としてもよい。この場合、外部の記憶装置(不図示)に複数の血管情報管理装置10がアクセス可能な構成とすればよい。
【0024】
また、血管情報管理装置10は、患者情報DB(不図示)およびオーダー情報DB(不図示)を内部または外部に備え、これらのDBから情報を取得可能な構成としてもよい。患者情報DBには患者のID、氏名、生年月日、血液型等の基本情報が登録されており、オーダー情報DBには患者に処方する薬に関する情報、診断結果、治療行為に関する情報等が登録されている。このような構成とすれば、処理部200が前記の各種プログラムを実行する際に、これらのDBに登録されている情報を使用することが可能である。
【0025】
本実施形態では、患者の診療情報として、例えば、診断結果、治療位置、治療成績等の情報を使用する。
【0026】
図2は、血管情報管理装置が使用する血管名称、血管番号および血管座標の一例を示す図であり、図2(a)は、血管名称の一例、図2(b)は、血管番号および血管座標の一例を示すものである。本実施形態においては、体内の血管のうち、心筋に動脈血を供給する血管である冠動脈に血管番号および血管座標を設定し、これらの血管番号および血管座標を使用する場合を例にあげて説明する。
【0027】
本実施形態では、AHA(American Heart Association)分類名称を血管名称の例として用いる。血管名称とは、図2(a)において、♯1〜♯14、♯4AV、♯4PDと示されているものである。ただし、血管名称の設定の方法はこれに限定されるものではない。また、本実施形態では、図2(a)に示したように、右方向をX方向、下方向をY方向として所定の位置を原点としたXY座標を設定する。
【0028】
さらに、診療対象となる患者の血管の形状には個人差があるため、本数や位置を変更できる血管である可変の血管名称を予め指定しておくことを可能とする。本実施形態では、可変血管として指定された血管名称(A)に対応する血管の1本目を血管番号(A−1)、2本目を血管番号(A−2)、n本目を血管番号(A−n)等と示すことにする。図2(a)の♯12が可変血管として指定されており、図2(b)に示した例では、この血管♯12に対応する血管が3本存在するため、各血管の血管番号を♯12−1、♯12−2および♯12−3と示している。本数や位置を変更できない血管である固定血管の血管番号には、血管名称をそのまま使用することにする。ただし、血管番号の設定の方法はこれに限定されるものではない。
【0029】
また、血管番号によって指定される血管を所定の数で分割し、分割した血管の各分割位置に付した番号である目盛りと前記の血管番号との組み合わせを血管座標として使用する。本実施形態では、目盛りとして、血管を10等分して得られる各分割位置に根元の方から順に付した番号を使用することにする。ここで、根元とは血管のうち、他の血管との接続点(他の血管からの分岐点)となる位置を意味する。例えば、図2(b)に示すように、血管番号#13−1で指定される血管に設定された分割位置のうち、根元に近い方から3目盛り目の位置の血管座標を(♯13−1,3)、血管番号♯14−1で指定される血管に設定された分割位置のうち、根元に近い方から6目盛り目の位置の血管座標を(♯14−1,6)として設定する。ただし、血管座標の設定の方法はこれに限定されるものではなく、例えば、分割の方法は等分割でなくてもよいし、10分割でなくてもよい。
【0030】
図3は、図1の出力部500に出力される血管情報管理画面の表示例を示す図である。図3に示すように、血管情報管理画面500Aは、画面内に各種ボタンを有し、例えば、医療従事者が入力部100を介して血管情報管理画面500Aを起動するコマンドを入力することによって処理部200が出力部500に血管情報管理画面500Aを表示する。ボタンには、血管形状情報制御画面表示510T、血管診断結果情報制御画面表示520T、血管治療位置情報制御画面表示530T、血管治療成績情報制御画面表示540T、終了550等がある。医療従事者が、この血管情報管理画面500Aを参照して、血管形状情報制御画面表示510T、血管診断結果情報制御画面表示520T、血管治療位置情報制御画面表示530Tまたは血管治療成績情報制御画面表示540Tを、入力部100を介して押下することによって、処理部200は、メインプログラム350から血管形状情報制御プログラム310、血管診断結果情報制御プログラム320、血管治療位置情報制御プログラム330または血管治療成績情報制御プログラム340を呼び出し、それぞれの画面に遷移することが可能である。遷移後の各画面については、後記する。
【0031】
図4は、図3の血管情報管理画面から遷移する血管形状情報制御画面の表示例を示す図である。図4に示すように、血管形状情報制御画面510は、血管形状情報を表示する血管形状情報表示部511と、患者IDの入力欄である患者ID512と、血管名称の入力欄である血管名称513と、分岐位置の入力欄である分岐位置514(514A)と、各種ボタンとを備える。ボタンには、検索515と、血管追加516と、血管削除517と、DB保存518と、終了519とが存在する。また、血管形状情報制御画面510には、ポインタ501が表示され、入力部100のマウス操作によって、ポインタ501の移動、ポインタ501による画面上の点の選択を行うことが可能である。
【0032】
図5は、図1の固定血管情報DBに格納される固定血管情報の構成例を示す図である。図5に示すように、固定血管情報DB410は、血管座標411と、XY座標412とを含んで構成される。血管座標411は、固定血管として指定された血管の血管座標である。XY座標412は、血管座標411の位置をXY座標で示したものである。
【0033】
図6は、図1の可変血管情報DBに格納される可変血管情報の構成例を示す図である。図6に示すように、可変血管情報DB420は、血管座標421と、根元基準変位422とを含んで構成される。血管座標421は、可変血管として指定された血管の血管座標である。根元基準変位422は、血管座標421が設定されている血管の根元を基準とした血管座標421の変位をXY座標で示したものである。図6に示した例では、血管座標421(♯9−1,1)が設定されている血管♯9の根元から根元基準変位422(6,1)、すなわち、X方向に6、Y方向に1だけ移動した位置が血管座標421(♯9−1,1)であることを示している。
【0034】
図7は、図1の血管移動可能先情報DBに格納される血管移動可能先情報の構成例を示す図である。図7(a)に示すように、血管移動可能先情報DB430は、可変血管の血管番号431と、血管番号431で指定される血管の移動可能先の位置である移動可能先位置432とを含んで構成される。本実施形態では、図7に示すように、移動可能先位置432に対応する座標を「血管座標」「XY座標」で示している。移動可能先位置432は、予め設定されているものとし、図7(a)に示した例では、血管番号431(♯9−1)によって指定される血管の移動可能先位置(1)432Aおよび移動可能先位置(2)432Bが血管移動可能先情報DB430に登録されている。また、図7(b)に示した例では、血管番号431(♯12−1、♯12−2および♯12−3)によって指定される血管の移動可能先位置(1)432Aが血管移動可能先情報DB430に登録されている。
【0035】
図8は、図1の可変血管模式画像の構成例を示す図である。図8に示すように、可変血管模式画像493は、可変血管の血管番号493Aと、血管番号431で指定される血管の他の血管からの分岐位置(他の血管への接続位置)である分岐位置493Bと、画像情報493Cとを含んで構成される。
【0036】
図9は、図1の血管形状情報DBの構成例を示す図である。図9(a)に示すように、血管形状情報DB450は、患者を指定する患者ID451と、血管名称452と、分岐位置453とを含んで構成される。図9(a)に示した例では、患者ID451「001」および血管名称452「♯9」に対応する血管が1本あり、その血管(血管番号♯9−1)の分岐位置(1本目)453Aに、移動可能先位置(1)、すなわち、移動可能先位置432A(1)(図7(a)参照)が登録されている。また、図9(b)に示した例では、患者ID451「001」および血管名称452「♯12」に対応する血管が3本あり、その血管(血管番号♯12−1、♯12−2および♯12−3)の分岐位置(1本目)453A、分岐位置(2本目)453Bおよび分岐位置(3本目)453Cのそれぞれに、移動可能先位置(1)、すなわち、移動可能先位置432A(1)(図7(b)参照)が登録されている。さらに、図9(c)に示した例では、患者ID451が「デフォルト値」の場合の情報が登録されている。
【0037】
図10は、図1の処理部が実行する血管形状情報制御処理の流れを示すフローチャートである。図10を参照して(適宜図1ないし図9参照)、図4の血管形状情報制御画面510が表示された後、図1の処理部200が実行する血管形状情報制御プログラム310の処理について説明する。
【0038】
まず、処理部200は、入力部100を介して操作内容の入力を受け付ける(ステップS101)。操作は医療従事者等によって行われる。操作内容が検索である場合には(ステップS102で「Yes」)、血管形状情報検索処理(ステップS103)を実行してステップS101に戻る。ここで、操作内容が検索であるか否かの判定は、検索515が押下されたか否かを判定することによって行う。血管形状情報検索処理(ステップS103)については後記する。
【0039】
操作内容が検索ではない場合(ステップS102で「No」)、かつ、血管追加である場合には(ステップS104で「Yes」)、画面(血管形状情報制御画面510)の該当位置に血管を追加し(ステップS105)、ステップS101に戻る。つまり、処理部200は、第1に、患者ID512および血管名称513に設定されている値をキーとして血管形状情報DB450を検索し、検索によって得られる最後の分岐位置453(図9(b)の例において、分岐位置(1本目)453Aおよび分岐位置(2本目)453Bが登録されているとした場合には、分岐位置(2本目)453B)の次の分岐位置453(図9(b)の例において、分岐位置(2本目)453Bが最後の分岐位置453の場合には、分岐位置(3本目)453C)を画面(分岐位置514)に設定する。設定する分岐位置453の値は、例えば、移動可能先位置(1)とする。第2に、処理部200は、登録した分岐位置453に該当する血管番号(前記の例では、血管名称452「♯12」のデータに分岐位置(3本目)453Cを登録したので、♯12−3)および登録した分岐位置453(前記の例では、分岐位置(3本目)453Cに設定されている移動可能先位置(1))をキーに血管番号493Aおよび分岐位置493Bを検索し、検索によって得られた画像情報493Cを図4の血管形状情報表示部511に出力されている血管二次元画像(単に「画像」ともいう)にマージして血管形状情報表示部511に出力する。ここで、操作内容が血管追加であるか否かの判定は、血管追加516が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0040】
操作内容が血管追加ではない場合(ステップS104で「No」)、かつ、血管削除である場合には(ステップS106で「Yes」)、選択されている血管を画面(血管形状情報制御画面510)から削除し(ステップS107)、ステップS101に戻る。つまり、処理部200は、第1に、患者ID512、選択されている血管の血管番号によって指定される血管名称452および分岐位置453(図9(a)の例で、血管番号が♯9−1であれば、血管名称452「♯9」、分岐位置453「分岐位置(1本目)」。以降においても同様に血管番号によって血管名称および分岐位置が指定されるものとする。)をキーとして、患者ID512および血管名称513を検索し、検索によって得られた分岐位置514を画面(血管形状情報制御画面510)から削除する。第2に、処理部200は、削除した分岐位置453に該当する血管番号(前記の例では、血管名称452「♯9」のデータから分岐位置(1本目)453Aを削除したので、♯9−1)および削除した分岐位置453(前記の例では、分岐位置453Aに設定されている移動可能先位置(1))をキーに血管番号493Aおよび分岐位置493Bを検索し、検索によって得られた画像情報493Cを血管形状情報表示部511に出力されている血管二次元画像から削除する。ここで、操作内容が血管削除であるか否かの判定は、血管削除517が押下されたか否かを判定することによって行う。選択されている血管を判定する方法としては、例えば、患者ID512をキーにして検索し、検索によって得られる血管形状情報DB450の血管名称452および分岐位置453によって指定される血管番号(図9(a)の例では、血管名称452「♯9」、分岐位置(1本目)453Aが設定されているので、♯9−1。以降においても同様に血管名称および分岐位置によって血管番号が指定されるものとする。)をキーに血管移動可能先情報DB430を検索し、検索によって得られる移動可能先位置432の「XY座標」が、ポインタ501によって指定されたXY座標から所定の範囲内である場合に、その血管番号431に該当する血管が選択されたと判定する方法等がある。所定の範囲内であるか否かの判定は、基準となる点からの距離が所定の値以下であるか否かを判定することによってなされる。この所定の値は、プログラム格納部300に格納されているプログラムが備えていてもよいし、記憶部400に格納されているものとしてもよい。ここで、操作内容が血管削除であるか否かの判定は、血管削除517が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0041】
操作内容が血管削除ではない場合(ステップS106で「No」)、かつ、血管移動である場合には(ステップS108で「Yes」)、選択されている血管を指定されたXY座標分(X座標およびY座標それぞれの増加分)移動し(ステップS109)、ステップS101に戻る。つまり、処理部200は、第1に、患者ID512、選択されている血管の血管番号をキーとして、血管形状情報DB450を検索し、検索によって得られた分岐位置453および血管名称452によって指定される血管番号をキーとして、血管移動可能先情報DB430を検索し、検索によって得られた移動可能先位置432の「XY座標」に、ポインタ501によって指定されたX方向の移動距離およびY方向の移動距離を加算する。そして、加算後のXY座標から所定の範囲内の「XY座標」を有する移動可能先位置432を、同様の血管番号をキーとして血管移動可能先情報DB430を検索して得られる移動可能先位置432から取得し、取得した移動可能先位置432、患者ID512および選択されている血管の血管番号によって指定される血管名称452で、画面(血管形状情報制御画面510)に設定されている情報(分岐位置514、患者ID512および血管名称513)を更新する。第2に、処理部200は、更新前の画像情報493Cを血管形状情報表示部511に出力されている血管二次元画像から削除し、更新後の画像情報493Cを血管形状情報表示部511に出力されている血管二次元画像にマージして血管形状情報表示部511に出力する。ここで、操作内容が血管移動であるか否かの判定は、血管がポインタ501(入力部100のマウスによるドラッグアンドドロップ)によって移動されたか否かを判定することによって行う。
【0042】
操作内容が血管移動ではない場合(ステップS108で「No」)、かつ、DB保存である場合には(ステップS110で「Yes」)、処理部200は、画面(血管形状情報制御画面510)上に設定されている情報(患者ID512、血管名称513および分岐位置514)を血管形状情報DB450に格納し(ステップS111)、ステップS101に戻る。ここでは、例えば、患者ID512に一致する患者ID451が存在すれば、画面上に設定されている情報を該当データに上書き保存し、存在しなければ、画面上に設定されている情報を新規登録する。ここで、操作内容がDB保存であるか否かの判定は、DB保存518が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0043】
操作内容がDB保存ではない場合(ステップS110で「No」)、かつ、終了でない場合には(ステップS112で「No」)、ステップS101に戻る。操作内容がDB保存ではない場合(ステップS110で「No」)、かつ、終了の場合には(ステップS112で「Yes」)、血管形状情報制御処理を終了する。ここで、操作内容が終了であるか否かの判定は、終了519が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0044】
図11は、図10の血管形状情報検索処理の詳細を示すフローチャートである。図11を参照して(適宜図1ないし図9参照)、図1の処理部200が実行する血管形状情報検索処理について説明する。
【0045】
まず、処理部200は、入力部100を介して患者IDの入力を受け付ける(ステップS201)。ここで、患者IDの入力を受け付ける方法としては、医療従事者が入力部100のキーボード等によって患者ID512を設定し、設定された患者ID512を処理部200が取得する方法、入力部100の患者ID読取装置等によってRFID(Radio frequency identification)タグが内蔵されたカードやリストバンドから患者IDを読み取り、読み取られた患者IDを処理部200が患者ID512に設定するとともに、設定された患者ID512を処理部200が取得する方法等があり、特に限定されるものではない(以下の患者IDの入力を受け付ける処理においても同様)。次に、処理部200は、入力を受け付けた患者IDをキーとして血管形状情報DB450を検索し(ステップS202)、検索で得た血管形状情報に該当する血管分割模式画像490を読み込む(ステップS203)。処理部200は、読み込んだ血管分割模式画像490をマージして血管二次元画像を作成し(ステップS204)、作成した血管二次元画像および検索結果を画面(血管形状情報制御画面510)に出力する(ステップS205)。なお、作成した血管二次元画像は、血管形状情報表示部511に出力され、検索結果は、血管名称513および分岐位置514に出力される。また、患者ID512にデフォルト値を設定して検索した場合には、血管形状情報DB450に登録されているデフォルトの情報を検索によって取得することが可能であるとしてもよい。
【0046】
図12は、図11の血管形状情報検索処理の一部について詳細に説明するための図である。図12を参照して(適宜図1ないし図9参照)、図1の処理部200が実行する図11のステップS203からステップS205の処理について説明する。
【0047】
図12に示すように、血管分割模式画像490の基本画像491と、可変血管模式画像493とをマージして血管二次元画像を作成する。ここで、可変血管模式画像493としては、図11のステップS202でキーとして使用した患者IDをキーとして血管形状情報DB450を検索し、検索によって得られた血管名称452および分岐位置453によって指定される血管番号と分岐位置453とをキーとして可変血管模式画像493を検索し、検索によって得られた画像情報493Cがマージされる。血管分割模式画像490は、青、白、黒の3色で構成されており、青色(図12ではドットで示す)は透過色、白色(図12では白で示す)は塗り潰し色、黒色(図12では黒で示す)は描画色として使用されている。例えば、図12に示した基本画像491に可変血管模式画像493を重ねた場合、可変血管模式画像493の青色部は透過するため、基本画像491の黒色部はそのまま残る。さらに、可変血管模式画像493の白色部が基本画像491の同範囲を塗り潰し、可変血管模式画像493の黒色部が基本画像491の同範囲を描画する。基本画像491および前記の画像情報493Cについてこのような処理を繰り返し、最終的に残った青色部を白色で塗り潰すことにより血管二次元画像495が作成される。
【0048】
本実施形態では、図8に示すように、血管番号493A、分岐位置493Bに画像情報493Cを対応させた可変血管模式画像493を記憶部400に格納することとしたが、血管名称およびその血管名称に該当する血管の本数に画像情報493Cを対応させた可変血管模式画像493を記憶部400に格納することとしてもよい。このようにすれば、処理部200は、血管形状情報制御画面510から入力された患者ID512、血管名称513およびその本数に対応した可変血管模式画像493を血管形状情報表示部511に表示することが可能である。
【0049】
図13は、図3の血管情報管理画面から遷移する血管診断結果情報制御画面の表示例を示す図である。図13に示すように、血管診断結果情報制御画面520は、血管形状情報を表示する血管形状情報表示部511と、血管形状情報DB450を検索する際に用いる検索キー(患者ID)の入力欄である患者ID512と、患者IDの入力欄である患者ID521と、血管名称の入力欄である血管名称522と、医療従事者が患者の診断を行った日時である診断日時523と、診断の結果の一例として使用する血管の狭窄度の入力欄である狭窄度524(524A)と、各種ボタンとを備える。ボタンには、血管形状検索525と、診断結果検索526と、診断結果保存527と、終了528とが存在する。
【0050】
図14は、図1の血管診断結果情報DBに格納される血管診断結果情報の構成例を示す図である。図14に示すように、血管診断結果情報DB460は、患者ID461と、血管名称462と、診断日時463と、狭窄度464とを含んで構成される。図14(a)に示した例では、患者ID461「001」および血管名称462「♯9」に対応する血管が1本あり、その血管(血管番号♯9−1)の狭窄度(1本目)464Aに、「25%」が登録されている。また、図14(b)に示した例では、同様の患者の血管名称462「♯12」に対応する血管が3本あり、その血管(血管番号♯12−1、♯12−2および♯12−3)の狭窄度(1本目)464A、狭窄度(2本目)464Bおよび狭窄度(3本目)464Cのそれぞれに、「75%」「25%」「50%」が登録されている。図14(c)および(d)に示した例では、同様の患者の血管名称462「♯13」および「♯14」に対応する血管の狭窄度464それぞれが、診断日時463「2005/7/10/9:00」と対応付けられて登録されている。図14(e)および(f)に示した例では、同様の患者の血管名称462「♯13」および「♯14」に対応する血管の狭窄度464それぞれが、図14(c)および(d)の診断日時463「2005/7/10/9:00」の一週間後である診断日時463「2005/7/17/9:00」と対応付けられて登録されている。このように、患者ID461、血管名称462および狭窄度464に診断日時463を対応付けた診断結果情報を血管診断結果情報DB460に格納することによって、診断が行われた日時をさらに保存しておくことができる。また、この診断結果情報を血管診断結果情報DB460に格納する際に、追加格納(格納しようとするデータと同様の患者ID461、血管名称462および狭窄度464を有するデータが既に存在しても、その既存のデータを上書きせず、新規に追加して格納)することによって、診断結果を時間軸に沿って追跡することができる。
【0051】
図15は、図1の処理部が実行する血管診断結果情報制御処理の流れを示すフローチャートである。図15を参照して(適宜図1ないし図14参照)、図13の血管診断結果情報制御画面520が表示された後、図1の処理部200が実行する血管診断結果情報制御プログラム320の処理について説明する。
【0052】
まず、処理部200は、入力部100を介して操作内容の入力を受け付ける(ステップS301)。操作は医療従事者等によって行われる。操作内容が血管形状検索である場合には(ステップS302で「Yes」)、血管形状情報検索処理(ステップS103)(図11参照)を実行してステップS301に戻る。ここで、操作内容が血管形状検索であるか否かの判定は、血管形状検索525が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0053】
操作内容が血管形状検索ではない場合(ステップS302で「No」)、かつ、診断結果検索である場合には(ステップS303で「Yes」)、処理部200は、入力部100を介して患者IDの入力を受け付ける(ステップS304)。次に、処理部200は、入力を受け付けた患者IDをキーとして血管診断結果情報DB460を検索し(ステップS305)、検索結果を画面(血管診断結果情報制御画面520)に出力する(ステップS306)。なお、検索結果は、患者ID521、血管名称522、診断日時523および狭窄度524に出力される。その後、ステップS301に戻る。
【0054】
操作内容が診断結果検索ではない場合(ステップS303で「No」)、かつ、診断結果保存である場合には(ステップS307で「Yes」)、処理部200は、画面(血管診断結果情報制御画面520)上に設定されている情報(患者ID521、血管名称522、診断日時523および狭窄度524)を血管診断結果情報DB460に格納し(ステップS308)、ステップS301に戻る。ここでは、例えば、画面上に設定されている情報を新規登録する。また、診断日時523には、血管情報管理装置10で管理している現在の時刻を自動で取得して設定するようにしてもよい。操作内容が診断結果保存であるか否かの判定は、診断結果保存527が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0055】
操作内容が診断結果保存ではない場合(ステップS307で「No」)、かつ、終了でない場合には(ステップS309で「No」)、ステップS301に戻る。操作内容が診断結果保存ではない場合(ステップS307で「No」)、かつ、終了の場合には(ステップS309で「Yes」)、血管診断結果情報制御処理を終了する。ここで、操作内容が終了であるか否かの判定は、終了528が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0056】
図16は、図3の血管情報管理画面から遷移する血管治療位置情報制御画面の表示例を示す図である。図16に示すように、血管治療位置情報制御画面530は、血管形状情報を表示する血管形状情報表示部511と、血管形状情報DB450を検索する際に用いる検索キー(患者ID)の入力欄である患者ID512と、患者ID530Aと、カテーテル通番530Bと、治療部通番530Cと、血管名称530Dと、狭窄度530E(530EA)と、治療部模式図531と、ステント(医療器具)通番530Jと、ステントコード530Kと、各種ボタンとを備える。
【0057】
患者ID530Aは、患者IDの入力欄である。カテーテル通番530Bは、カテーテル診療行為を指定する番号であるカテーテル通番の入力欄である。治療部通番530Cは、患者ID530Aの治療部を患者ID530Aおよびカテーテル通番530Bの組み合わせごとに指定する治療部通番の入力欄である。血管名称530Dは、血管の名称の入力欄である。狭窄度530E(530EA)は、診断結果の一例として使用する血管の狭窄度の入力欄である。ステント通番530Jは、患者ID530Aに挿入されるステントを患者ID530A、カテーテル通番530Bおよび治療部通番530Cの組み合わせごとに指定するステント通番の入力欄である。ステントコード530Kは、ステントの種類を指定するステントコードの入力欄である。治療部模式図531は、患者の治療部の模式図であり、治療範囲の始点の血管座標530F1と、治療範囲の始点のXY座標530F2と、治療範囲の終点の血管座標530G1と、治療範囲の終点のXY座標530G2とを備えるとともに、ステント留置範囲の始点の血管座標530H1と、ステント留置範囲の始点のXY座標530H2と、ステント留置範囲の終点の血管座標530I1と、ステント留置範囲の終点のXY座標530I2とを備える。ボタンには、血管形状検索532と、治療位置検索533と、治療位置保存534と、治療範囲指定535と、ステント留置範囲指定536と、終了537とが存在する。なお、ここでは、治療範囲の終点の血管座標530G1、治療範囲の終点のXY座標530G2、ステント留置範囲の終点の血管座標530I1およびステント留置範囲の終点のXY座標530I2が、それぞれ、治療範囲の始点の血管座標530F1、治療範囲の始点のXY座標530F2、ステント留置範囲の始点の血管座標530H1およびステント留置範囲の始点のXY座標530H2に1つ対応付けられることとしているが、2つ以上が対応付けられることとしてもよい。
【0058】
図17は、図1の血管治療位置情報DBに格納される血管治療位置情報の構成例を示す図である。図17に示すように、血管治療位置情報DB470は、治療範囲に関する情報をテーブルで示した治療範囲情報テーブル471と、留置したステントの範囲に関する情報をテーブルで示したステント留置範囲情報テーブル472と、治療直後の治療部に関する情報をテーブルで示した治療直後情報テーブル473とを含んで構成される。
【0059】
図17に示した例では、治療範囲情報テーブル471は、患者ID471Aと、カテーテル通番471Bと、治療部通番471Cと、始点座標471Dと、終点座標471Eとを対応付けて備えている。また、始点座標471Dは、血管座標471D1およびXY座標471D2を含んでおり、終点座標471Eは、血管座標471E1およびXY座標471E2を含んでいる。
【0060】
また、ステント留置範囲情報テーブル472は、患者ID472Aと、カテーテル通番472Bと、治療部通番472Cと、ステント通番472Dと、ステントコード472Eと、始点座標472Fと、終点座標472Gとを対応付けて備えている。また、始点座標472Fは、血管座標472F1およびXY座標472F2を含んでおり、終点座標472Gは、血管座標472G1およびXY座標472G2を含んでいる。
【0061】
さらに、治療直後情報テーブル473は、患者ID473Aと、カテーテル通番473Bと、治療部通番473Cと、血管名称473Dと、狭窄度473E(473EA)とを対応付けて備えている。
【0062】
図18は、図1の処理部が実行する血管治療位置情報制御処理の流れを示すフローチャート(1番目)である。図18を参照して(適宜図1ないし図17参照)、図16の血管治療位置情報制御画面530が表示された後、図1の処理部200が実行する血管治療位置情報制御プログラム330の処理(1番目)について説明する。
【0063】
まず、処理部200は、入力部100を介して操作内容の入力を受け付ける(ステップS401)。操作は医療従事者等によって行われる。操作内容が血管形状検索である場合には(ステップS402で「Yes」)、血管形状情報検索処理(ステップS103)(図11参照)を実行してステップS401に戻る。ここで、操作内容が血管形状検索であるか否かの判定は、血管形状検索532が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0064】
操作内容が血管形状検索ではない場合(ステップS402で「No」)、かつ、治療位置検索である場合には(ステップS403で「Yes」)、処理部200は、入力部100を介して患者IDおよびカテーテル通番の入力を受け付ける(ステップS404)。ここで、カテーテル通番の入力を受け付ける方法としては、医療従事者が入力部100のキーボード等によってカテーテル通番530Bを設定し、設定されたカテーテル通番530Bを処理部200が取得する方法等があり、特に限定されるものではない(以下のカテーテル通番の入力を受け付ける処理においても同様)。次に、処理部200は、入力を受け付けた患者IDおよびカテーテル通番をキーとして血管治療位置情報DB470を検索し(ステップS405)、検索結果を画面(血管治療位置情報制御画面530)に出力する(ステップS406)。なお、検索結果は、入力欄群530P(治療部通番530C、血管名称530D、狭窄度(1本目)530E(530EA)、治療範囲の始点の血管座標530F1、治療範囲の始点のXY座標530F2、治療範囲の終点の血管座標530G1、治療範囲の終点のXY座標530G2、ステント留置範囲の始点の血管座標530H1、ステント留置範囲の始点のXY座標530H2、ステント留置範囲の終点の血管座標530I1、ステント留置範囲の終点のXY座標530I2、ステント通番530Jおよびステントコード530K)に出力される。治療部模式図531の描画も行うことが好ましい。その後、ステップS401に戻る。なお、図16の例では、検索によって取得したデータが1件のみ入力欄群530Pに出力されているが、検索によって取得できるデータは1件に限らない。したがって、検索によって取得したデータが複数件の場合には、この入力欄群530Pにその複数件のデータを出力することとしてもよいし、医療従事者が次データ取得ボタン(不図示)等を押下することによって、この入力欄群530Pに表示されているデータの次のデータを表示することとしてもよい。ここで、操作内容が治療位置検索であるか否かの判定は、治療位置検索533が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0065】
操作内容が治療位置検索ではない場合(ステップS403で「No」)、かつ、治療位置保存である場合には(ステップS407で「Yes」)、処理部200は、画面(血管治療位置情報制御画面530)上に設定されている情報(入力欄群530P)を血管治療位置情報DB470に格納し(ステップS408)、ステップS401に戻る。ここでは、情報を格納する際に、例えば、画面上に設定されている情報を新規登録する。操作内容が治療位置保存であるか否かの判定は、治療位置保存534が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0066】
図19は、図1の処理部が実行する血管治療位置情報制御処理の流れを示すフローチャート(2番目)である。図19を参照して(適宜図1ないし図18参照)、図16の血管治療位置情報制御画面530が表示された後、図1の処理部200が実行する血管治療位置情報制御プログラム330の処理(2番目)について説明する。
【0067】
操作内容が治療位置保存ではない場合(ステップS407で「No」)、かつ、治療範囲指定である場合には(ステップS409で「Yes」)、始点および終点の各XY座標の入力を受け付け(ステップS410)、始点および終点の各XY座標を血管座標に変換し(ステップS411)、各血管座標およびそれに対応するXY座標を治療範囲として画面に出力して(ステップS412)、ステップS401に戻る。つまり、処理部200は、ポインタ501によって指定された治療範囲の始点および終点の各XY座標の入力を受け付け、入力された始点および終点の各XY座標から所定の範囲内にあるXY座標を血管の情報から取得し、取得した各XY座標を血管座標に変換し、取得した血管座標を、画面の該当位置(治療範囲の始点の血管座標530F1および治療範囲の終点の血管座標530G1)に出力するとともに、取得した各XY座標を、画面の該当位置(治療範囲の始点のXY座標530F2および治療範囲の終点のXY座標530G2)に出力する。また、血管形状情報表示部511において、取得した各XY座標で囲まれる部分の血管輪郭上を、例えば、赤く塗りつぶす(図16の例では(♯13−1,3)から(♯14−1,6)までの血管輪郭上を太線で示してある)ことによって、指定された治療範囲を視覚的に確認しやすくすることが好ましい。このとき、治療部模式図531の治療範囲の始点および終点を示す線(図16の例では縦線で示してある)も描画し直すことが好ましい。
【0068】
ここで、入力された始点および終点の各XY座標から所定の範囲内にあるXY座標を血管の情報から取得する方法には、固定血管の情報から取得する方法と、可変血管の情報から取得する方法とがある。前者では、入力された始点および終点の各XY座標から所定の範囲内にあるXY座標412を固定血管情報DB410(図5参照)から検索し、検索によって取得したXY座標412およびそのXY座標に対応する血管座標411を治療範囲として画面に出力すればよい。後者では、患者ID530Aをキーとして、血管形状情報DB450(図9参照)を検索し、検索によって得られる血管名称452および分岐位置453によって指定される情報(血管番号431および移動可能先位置432)をキーに血管移動可能先情報DB430(図7参照)を検索する。検索によって得られる移動可能先位置432の「XY座標」に、血管番号431をキーに可変血管情報DB420(図6参照)を検索(血管座標421の血管番号とマッチング)して取得した根元基準変位422を加算した結果であるXY座標を算出する。そして、算出したXY座標が、入力された始点および終点の各XY座標から所定の範囲内にある場合に、その根元基準変位422に対応する血管座標421を治療範囲として画面に出力すればよい。ここで、操作内容が治療範囲指定であるか否かの判定は、治療範囲指定535が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0069】
操作内容が治療範囲指定ではない場合(ステップS409で「No」)、かつ、ステント留置範囲指定である場合には(ステップS413で「Yes」)、始点および終点の各XY座標の入力を受け付け(ステップS414)、始点および終点の各XY座標を血管座標に変換し(ステップS415)、各血管座標およびそれに対応するXY座標をステント留置範囲として画面に出力して(ステップS416)、ステップS401に戻る。つまり、処理部200は、ポインタ501によって指定された治療範囲の始点および終点の各XY座標の入力を受け付け、入力された始点および終点の各XY座標から所定の範囲内にあるXY座標を血管の情報から取得し、取得した各XY座標を血管座標に変換し、取得した血管座標を、画面の該当位置(ステント留置範囲の始点の血管座標530H1およびステント留置範囲の終点の血管座標530I1)に出力するとともに、取得した各XY座標を、画面の該当位置(ステント留置範囲の始点のXY座標530H2およびステント留置範囲の終点のXY座標530I2)に出力する。入力された始点および終点の各XY座標から所定の範囲内にあるXY座標を血管の情報から取得する方法については、前記した治療範囲指定の場合と同様である。また、取得した各XY座標を、例えば、血管と直角に交わる直線で描画し、血管内を赤斜線で塗りつぶす(図16の例では、血管内を斜線で塗りつぶしてある)ことによって、指定されたステント留置範囲を視覚的に確認しやすくすることが好ましい。このとき、治療部模式図531のステント留置範囲の始点および終点を示す線(図16の例では斜線で示してある)も描画し直すことが好ましい。ここで、操作内容がステント留置範囲指定であるか否かの判定は、ステント留置範囲指定536が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0070】
操作内容がステント留置範囲指定ではない場合(ステップS413で「No」)、かつ、終了でない場合には(ステップS417で「No」)、ステップS401に戻る。操作内容がステント留置範囲指定ではない場合(ステップS413で「No」)、かつ、終了の場合には(ステップS417で「Yes」)、血管治療位置情報制御処理を終了する。ここで、操作内容が終了であるか否かの判定は、終了537が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0071】
図20は、図3の血管情報管理画面から遷移する血管治療成績情報制御画面の表示例を示す図である。図20に示すように、血管治療成績情報制御画面表示540Tは、血管形状情報表示部511と、患者ID512と、患者ID540Aと、カテーテル通番540Bと、治療部通番540Cと、治療部模式図541と、治療範囲の始点の血管座標540F1と、治療範囲の終点の血管座標540G1と、成績540Lと、ステント通番540Jと、ステントコード540Kと、成績(始)540Mと、成績(内)540Nと、成績(終)540Oと、各種ボタンとを備える。ボタンには、血管形状検索542と、治療位置・成績検索543と、治療成績保存544と、終了545とが存在する。
【0072】
図21は、図1の血管治療成績情報DBに格納される血管治療成績情報の構成例を示す図である。図21に示すように、血管治療成績情報DB480は、治療範囲に対する成績に関する情報をテーブルで示した治療範囲成績情報テーブル481と、ステント留置範囲に対する成績に関する情報をテーブルで示したステント留置範囲成績情報テーブル482とを含んで構成される。
【0073】
図21に示した例では、治療範囲成績情報テーブル481は、患者ID481Aと、カテーテル通番481Bと、治療部通番481Cと、治療の成績である成績481Dとを対応付けて備えている。成績481Dとは、治療範囲の経過状態を示すものであり、例えば、治療範囲に対する再狭窄度を示すものである。また、ステント留置範囲成績情報テーブル482は、患者ID482Aと、カテーテル通番482Bと、治療部通番482Cと、ステント通番482Dと、ステント留置範囲の始点に対する成績である成績(始)482Fと、ステント留置範囲の内部に対する成績である成績(内)482Gと、ステント留置範囲の終点に対する成績である成績(終)482Hとを対応付けて備えている。成績(始)482F、成績(内)482Gおよび成績(終)482Hは、ステント留置範囲の経過状態を示すものであり、例えば、ステント留置範囲に対する再狭窄度を示すものである。
【0074】
図22は、図1の処理部が実行する血管治療成績情報制御処理の流れを示すフローチャートである。図22を参照して(適宜図1ないし図21参照)、図20の血管治療成績情報制御画面表示540Tが表示された後、図1の処理部200が実行する血管治療成績情報制御プログラム340の処理について説明する。
【0075】
まず、処理部200は、入力部100を介して操作内容の入力を受け付ける(ステップS501)。操作は医療従事者等によって行われる。操作内容が血管形状検索である場合には(ステップS502で「Yes」)、血管形状情報検索処理(ステップS103)(図11参照)を実行してステップS501に戻る。ここで、操作内容が血管形状検索であるか否かの判定は、血管形状検索542が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0076】
操作内容が血管形状検索ではない場合(ステップS502で「No」)、かつ、治療位置・成績検索である場合には(ステップS503で「Yes」)、処理部200は、入力部100を介して患者IDおよびカテーテル通番の入力を受け付ける(ステップS504)。次に、処理部200は、入力を受け付けた患者IDおよびカテーテル通番をキーとして血管治療位置情報DB470(図17参照)を検索する(ステップS505)。また、処理部200は、入力を受け付けた患者IDおよびカテーテル通番をキーとして血管治療成績情報DB480(図21参照)を検索する(ステップS506)。続いて、処理部200は検索結果を画面(血管治療成績情報制御画面表示540T)に出力する(ステップS507)。なお、検索結果は、入力欄群540P1(患者ID540A、カテーテル通番540B、治療部通番540C、治療範囲の始点の血管座標540F1、治療範囲の終点の血管座標540G1、ステント通番540Jおよびステントコード540K)に出力されるとともに、入力欄群540P2(患者ID540A、カテーテル通番540B、成績540L、成績(始)540M、成績(内)540Nおよび成績(終)540O)に出力される。治療部模式図541の描画も行うことが好ましい。その後、ステップS501に戻る。なお、図22の例では、検索によって取得したデータが1件のみ入力欄群540P1に出力されているが、検索によって取得できるデータは1件に限らない。したがって、検索によって取得したデータが複数件の場合には、この入力欄群540P1および入力欄群540P2にその複数件のデータを出力することとしてもよいし、医療従事者が次データ取得ボタン(不図示)等を押下することによって、この入力欄群540P1および入力欄群540P2に表示されているデータの次のデータを表示することとしてもよい。ここで、操作内容が治療位置・成績検索であるか否かの判定は、治療位置・成績検索543が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0077】
操作内容が治療位置・成績検索ではない場合(ステップS503で「No」)、かつ、治療成績保存である場合には(ステップS508で「Yes」)、処理部200は、画面(血管治療成績情報制御画面表示540T)上に設定されている情報(入力欄群540P2)を血管治療成績情報DB480(図21参照)に格納し(ステップS509)、ステップS501に戻る。ここでは、例えば、画面上に設定されている情報を新規登録する。操作内容が治療成績保存であるか否かの判定は、治療成績保存544が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0078】
操作内容が治療成績保存ではない場合(ステップS508で「No」)、かつ、終了でない場合には(ステップS510で「No」)、ステップS501に戻る。操作内容が治療成績保存ではない場合(ステップS508で「No」)、かつ、終了の場合には(ステップS510で「Yes」)、血管治療成績情報制御処理を終了する。ここで、操作内容が終了であるか否かの判定は、終了545が押下されたか否かを判定することによって行う。
【0079】
図23は、図1の処理部が実行する各画面で入力された情報のマージ例を示す図である。図23を参照して(適宜図1ないし図22参照)、図3の血管情報管理画面500Aから遷移する各画面で情報が入力された後、図1の処理部200が実行するマージ処理の例について説明する。なお、このマージ処理は、例えば、図1の処理部200が実行するメインプログラム350の処理である。また、図23に示す図が、図3の血管情報管理画面500Aのマージ処理ボタン(不図示)の押下によって出力部500に表示されることとしてもよいし、図3の血管情報管理画面500Aから遷移する各画面で情報が入力された後に出力部500に表示されることとしてもよい。なお、ここでは、診断時に処理部200が血管診断結果情報制御プログラム320を実行し、治療時に処理部200が血管治療位置情報制御プログラム330を実行し、経過診断時に処理部200が血管診断結果情報制御プログラム320および血管治療成績情報制御プログラム340を実行するものとする。
【0080】
図23に示すように、処理部200は入力部100を介して検索キー604(患者ID601、カテーテル通番602および治療部通番603)の入力を受け付けると(ここでは、患者ID601「001」、カテーテル通番602「00001」および治療部通番603「001」の入力を受け付けたものとする)、その検索キー604に対応付けられた各情報を各箇所に設定する。例えば、入力を受け付けた検索キー604に対応する血管形状情報を血管形状情報DB450(図9参照)から取得し、その血管形状情報に対応する画像を作成して血管形状情報レイヤ610(「血管形状」の行の「診断」「治療」「経過診断」の列)に表示する。
【0081】
同様に、処理部200は、入力を受け付けた検索キー604に対応する治療範囲情報を治療範囲情報テーブル471から取得し、その治療範囲情報の始点座標471Dの血管座標471D1を画像のXY座標471D2の位置に、終点座標471Eの血管座標471E1を画像のXY座標471E2の位置に設定して治療範囲情報レイヤ620(「治療範囲」の行の「治療」の列)に表示する。このときに表示する画像は、血管分割模式画像490をすべてマージして作成する必要は必ずしもなく、治療範囲を包含するような画像であればよい(以降についても同様)。また、入力を受け付けた検索キー604に対応する治療範囲成績情報を治療範囲成績情報テーブル481(図21参照)から取得し、その治療範囲成績情報の成績481Dを画像に設定して治療範囲成績情報レイヤ630(「治療範囲」の行の「経過診断」の列)に表示する。
【0082】
また、処理部200は、入力を受け付けた検索キー604に対応するステント留置範囲情報をステント留置範囲情報テーブル472から取得し、そのステント留置範囲情報の始点座標472Fの血管座標472F1を画像のXY座標472F2の位置に、終点座標472Gの血管座標472G1を画像のXY座標472G2の位置に設定してステント留置範囲情報レイヤ640(「ステント」の行の「治療」の列)に表示する。また、入力を受け付けた検索キー604に対応するステント留置範囲成績情報をステント留置範囲成績情報テーブル482(図21参照)から取得し、そのステント留置範囲成績情報の成績(始)482F、成績(内)482Gおよび成績(終)482Hを画像に設定してステント留置範囲成績情報レイヤ650(「ステント」の行の「経過診断」の列)に表示する。
【0083】
また、処理部200は、入力を受け付けた検索キー604に対応する血管診断結果情報(診断日時463の古いデータ)を血管診断結果情報DB460から取得し、その血管診断結果情報の血管名称462および狭窄度464によって指定される血管番号と、狭窄度464とを画像に設定して狭窄度レイヤ(診断結果情報)660(「狭窄度」の行の「診断」の列)に表示する。また、入力を受け付けた検索キー604に対応する治療直後情報を治療直後情報テーブル473から取得し、その治療直後情報の血管名称473Dおよび狭窄度473Eによって指定される血管番号と、狭窄度473Eとを画像に設定して狭窄度レイヤ(治療直後情報)670(「狭窄度」の行の「治療」の列)に表示する。また、入力を受け付けた検索キー604に対応する血管診断結果情報(診断日時463の新しいデータ)を血管診断結果情報DB460から取得し、その血管診断結果情報の血管名称462および狭窄度464によって指定される血管番号と、狭窄度464とを画像に設定して狭窄度レイヤ(診断結果情報)660(「狭窄度」の行の「経過診断」の列)に表示する。
【0084】
本実施形態では、患者の血管に関する情報を管理する血管情報管理装置10について説明した。血管情報管理装置10は、情報を格納する記憶部400と、情報を入力する入力部100と、情報を処理する処理部200とを備える。入力部100は、患者を指定する患者IDの入力を受け付けるとともに、医療従事者が患者に治療を施す位置である治療位置の入力として血管座標の入力を受け付け、処理部200は、入力部100を介して入力を受け付けた治療位置を患者IDに対応させて記憶部400に格納する。血管座標は、血管を指定する血管番号と血管を所定の数に分割して得られる各分割位置に付した番号である目盛りとの組み合わせとする。
【0085】
このように、血管情報管理装置10は、患者の治療位置を血管座標として記憶部400に蓄積することによって、統計情報の取得が容易になる。すなわち、血管形状は患者によって異なるものであり、治療位置をXY座標で管理しただけでは、血管形状の異なる患者同士の血管の対応関係を把握することができないが、治療位置を血管座標として管理すれば、血管形状の異なる患者同士の血管の対応関係を把握することができる。それによって、統計情報の取得が容易になる。
【0086】
また、診断結果、治療範囲に対する成績、ステント留置位置に対する成績等の情報も記憶部400に記憶するのが好ましい。そのようにすれば、時間軸を加味した統計情報の取得を行なうことが可能となる。また、各情報は、日時と併せて記憶部400に格納するのが好ましい。そのようにすれば、診断、治療、経過診断を繰り返し行った際にも患者の状態を時系列で追跡することができる。
【0087】
例えば、同一家族内の患者(親と子等)において、治療を施したものの、病気の再発が起こっている血管の情報を取得することで、再発が起き易い血管の遺伝的な要因を含んだ統計情報を取得することが可能となる。また、例えば、半年前から薬の治療をしている患者としていない患者との治療成績を比較して、薬物の効果についての情報を含んだ統計情報を取得することが可能となる。さらに、血管名称(♯9)に相当する血管の本数が3本で、2本目が他の血管の特定の位置から分岐して出ている患者の場合には、3本目の血管が詰まり易い等の統計情報を取得することも可能である。
【0088】
また、ステント留置範囲に対しても血管治療成績情報を収集することにより、細かい粒度での血管治療成績情報管理と統計が可能となる。また、ステントの種類であるステントコードを管理することにより、ステントが有効である血管、またはステントが有効に働かない血管等の情報を得ることができる。また、ステント留置範囲の血管座標を管理することにより、ステントがオーバーラップしている情報を容易に取得することができる。
【0089】
さらに、例えば、縦軸を累積再狭窄率、横軸を追跡期間として、あるステントを使用した患者群と使用していない患者群のKaplan-Meier曲線等を作成することができる。
【0090】
また、患者の血管の形状に関する情報を履歴として保存しておくこととしてもよい。具体的には、例えば、血管形状情報DB450(図9参照)の項目に「形状登録日」を追加しておき、医療従事者から血管形状情報を保存する旨の指示が入力された場合に、処理部200(図1参照)が、血管形状情報DB450(図9参照)に新規で血管形状情報を格納することとする。格納する情報には、図9に示した患者ID451、血管名称452、分岐位置453の他、「形状登録日」に現在の日付が設定された情報が含まれるものとする。患者の血管の形状に関する情報を履歴として保存しておけば、患者の過去の時点での血管の本数や分岐位置の情報を取得することが可能であり、統計化の際に利用することが可能となる。
【0091】
さらに、本実施形態では、位置を表す情報としてXY座標を用いることとしたが、Z座標を新たに追加し、空間座標(XYZ座標)を用いることとしてもよい。空間座標を用いる場合であっても、XY座標を用いた場合と同様の原理で実現することが可能である。
【0092】
また、前記した統計情報を取得する処理や、その他において説明した各処理が記述されたプログラムをプログラム格納部300(図1参照)に格納し、処理部200(図1参照)がそのプログラムを実行することとしてもよい。それによって、血管情報管理装置10(図1参照)が、統計情報を取得する処理や、その他において説明した様々な処理を行うことが可能となる。
【0093】
さらに、本実施形態によれば、患者個別の血管形状情報を反映させた血管二次元画像を作成し、出力部を介して表示することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本実施形態における血管情報管理装置の構成を示す図である。
【図2】血管情報管理装置が使用する血管名称、血管番号および血管座標の一例を示す図であり、図2(a)は、血管名称の一例、図2(b)は、血管番号および血管座標の一例を示すものである。
【図3】出力部に出力される血管情報管理画面の表示例を示す図である。
【図4】血管情報管理画面から遷移する血管形状情報制御画面の表示例を示す図である。
【図5】固定血管情報DBに格納される固定血管情報の構成例を示す図である。
【図6】可変血管情報DBに格納される可変血管情報の構成例を示す図である。
【図7】血管移動可能先情報DBに格納される血管移動可能先情報の構成例を示す図である。
【図8】可変血管模式画像の構成例を示す図である。
【図9】血管形状情報DBの構成例を示す図である。
【図10】処理部が実行する血管形状情報制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】血管形状情報検索処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】血管形状情報検索処理の一部について詳細に説明するための図である。
【図13】血管情報管理画面から遷移する血管診断結果情報制御画面の表示例を示す図である。
【図14】血管診断結果情報DBに格納される血管診断結果情報の構成例を示す図である。
【図15】処理部が実行する血管診断結果情報制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】血管情報管理画面から遷移する血管治療位置情報制御画面の表示例を示す図である。
【図17】血管治療位置情報DBに格納される血管治療位置情報の構成例を示す図である。
【図18】処理部が実行する血管治療位置情報制御処理の流れを示すフローチャート(1番目)である。
【図19】処理部が実行する血管治療位置情報制御処理の流れを示すフローチャート(2番目)である。
【図20】血管情報管理画面から遷移する血管治療成績情報制御画面の表示例を示す図である。
【図21】血管治療成績情報DBに格納される血管治療成績情報の構成例を示す図である。
【図22】処理部が実行する血管治療成績情報制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】各画面で入力された情報のマージ例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
10 血管情報管理装置
100 入力部
200 処理部
300 プログラム格納部
400 記憶部
411 血管座標
412 XY座標
421 血管座標
422 根元基準変位
431 血管番号
432 移動可能先位置
452 血管名称
453 分岐位置
462 血管名称
463 診断日時
464 狭窄度(診断結果)
471 治療範囲情報テーブル
471D 始点座標
471E 終点座標
472 ステント留置範囲情報テーブル
472E ステントコード
472F 始点座標
472G 終点座標
473 治療直後情報テーブル
473D 血管名称
473E 狭窄度(診断結果)
481 治療範囲成績情報テーブル
481D 成績
482 ステント留置範囲成績情報テーブル
490 血管分割模式画像
491 基本画像
493 可変血管模式画像
493A 血管番号
493B 分岐位置
493C 画像情報
495 血管二次元画像
500 出力部
410 固定血管情報DB
420 可変血管情報DB
430 血管移動可能先情報DB
450 血管形状情報DB
460 血管診断結果情報DB
470 血管治療位置情報DB
480 血管治療成績情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の血管に関する情報を管理する血管情報管理装置であって、
情報を出力する出力部と、
前記患者の血管の形状を示す画像を格納する記憶部と、
前記画像上におけるXY座標の入力を受け付けるとともに、前記患者を指定する患者IDの入力を受け付ける入力部と、
前記出力部を介して前記画像を出力し、出力した前記画像上におけるXY座標の入力を、前記入力部を介して受け付け、受け付けた前記XY座標を、前記血管を指定する血管番号と前記血管を所定の数に分割して得られる各分割位置に付した番号である目盛りとの組み合わせである前記血管座標に変換して、当該血管座標を治療位置として前記患者IDに対応させて前記記憶部に格納する処理部と
を備えることを特徴とする血管情報管理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記血管のXY座標それぞれの増加分を、前記入力部を介して受け付け、前記増加分に基づいて、前記患者の血管の形状を変更して、当該変更後の患者の血管の形状を示す画像を作成し、前記出力部を介して出力する機能をさらに有すること
を特徴とする請求項1に記載の血管情報管理装置。
【請求項3】
患者の血管に関する情報を管理する血管情報管理装置であって、
情報を格納する記憶部と、
前記血管を指定する血管番号と前記血管を所定の数に分割して得られる各分割位置に付した番号である目盛りとの組み合わせである血管座標の入力を、前記患者が受ける治療の位置である治療位置の入力として受け付けるとともに、前記患者を指定する患者IDの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部を介して入力を受け付けた前記治療位置を前記患者IDに対応させて前記記憶部に格納する処理部と
を備えることを特徴とする血管情報管理装置。
【請求項4】
前記入力部は、
医療従事者が前記患者の血管を診断した結果である診断結果および前記血管を指定する血管番号の入力を受け付ける機能をさらに有し、
前記処理部は、
前記入力部を介して入力を受け付けた前記患者ID、前記血管番号および前記診断結果を対応させて前記記憶部に格納する機能をさらに有すること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の血管情報管理装置。
【請求項5】
前記入力部は、
前記医療従事者が前記診断をした日時を示す診断日時を受け付ける機能をさらに有し、
前記処理部は、
前記入力部を介して入力を受け付けた前記診断日時を、前記患者IDおよび前記血管番号に対応させて前記記憶部に追加格納する機能をさらに有すること
を特徴とする請求項4に記載の血管情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−161277(P2008−161277A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351510(P2006−351510)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成18年7月12日から平成18年7月14日に社団法人日本経営協会が主催で開催された国際モダンホスピタルショウ2006にて出展
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】