説明

衛星情報更新システム、測位補助情報提供装置、測位補助情報提供装置の制御方法、測位補助情報提供装置の制御プログラム及び測位補助情報提供装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】衛星情報の更新が必要である旨を示す情報のみを、衛星情報の更新が必要になった時点で提供することができる衛星情報更新システム等を提供すること。
【解決手段】測位補助情報提供装置30は、衛星情報を含む測位補助情報を生成する補助情報生成手段と、衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断手段と、衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成手段と、提供対象端末情報に示される端末装置80a等に対して、仲介装置60を介して測位補助情報を送信するための測位補助情報送信手段と、提供対象端末情報に示される端末装置80a等に対して、仲介装置60を介して衛星情報更新必要情報を送信するための衛星情報更新必要情報送信手段等を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの信号に基く測位に関する衛星情報更新システム、測位補助情報提供装置、測位補助情報提供装置の制御方法、測位補助情報提供装置の制御プログラム及び測位補助情報提供装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、位置情報衛星を使用する衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。このような測位システムに使用されるGPS受信機には、外部装置から無線通信によって衛星軌道情報等を含む衛星情報を受信する機構を有するものがあり、測位時間の短縮や測位精度の向上を図っている。このようなGPS受信機は、衛星情報を記憶装置に記憶しておき、測位時にはその記憶装置に記憶した衛星情報を使用するようになっている。この記憶装置が高速な記憶装置である例えば、ハードディスク(Hard Disk)内部のキャッシュメモリである場合には、衛星情報を高速に閲覧することが可能である。
ところが、特定のGPS衛星からの衛星情報がGPS衛星の故障などによって、配信中止になったにもかかわらず、上述のGPS受信機がその衛星情報をキャッシュメモリに記憶している場合には、無効な衛星情報に基いて測位処理を開始する。このため、上述のGPS受信機は、測位結果を取得することができず、処理時間、処理能力、電力を無駄に消費することになる。
これに対して、無線基地局から定期的に送信されるGPS測位アシスト情報を、制御チャンネルを利用して定期的に受信するGPS位置検出システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−221565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述のGPS位置検出システムにおいては、衛星情報の更新がある旨を示す情報以外の情報も定期的に送受信するため、衛星情報の送信側及び受信側における情報処理の負担が大きい。
【0004】
そこで、本発明は、衛星情報の更新が必要である旨を示す情報のみを、衛星情報の更新が必要になった時点で提供することができる衛星情報更新システム、測位補助情報提供装置、測位補助情報提供装置の制御方法、測位補助情報提供装置の制御プログラム及び測位補助情報提供装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星情報生成手段を有する衛星基地局と、前記衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置と、前記測位補助情報提供装置と、通信を仲介する仲介装置を介して通信可能な複数の端末装置と、を有する衛星情報更新システムであって、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、前記衛星情報を格納する衛星情報格納手段と、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する補助情報生成手段と、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断手段と、前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新手段と、前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成手段と、前記測位補助情報及び前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置を示す提供対象端末情報を格納する提供対象端末情報格納手段と、前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記測位補助情報を送信するための測位補助情報送信手段と、前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信するための衛星情報更新必要情報送信手段と、を有し、前記仲介装置は、前記測位補助情報提供装置から取得した前記測位補助情報に含まれる前記衛星情報を格納するための仲介装置側衛星情報格納手段と、前記測位補助情報提供装置から取得した前記衛星情報更新必要情報に基づいて、前記仲介装置側衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する仲介装置側衛星情報更新手段と、前記測位補助情報の提供の仲介対象である複数の前記端末装置である仲介対象端末装置を示す仲介対象端末情報を格納する仲介対象端末情報格納手段と、前記仲介対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記測位補助情報提供装置から受信した前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信手段と、前記仲介対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記測位補助情報提供装置から受信した前記衛星情報更新必要情報を送信する仲介装置側衛星情報更新必要情報送信手段と、を有し、前記端末装置は、前記測位補助情報提供装置から、前記仲介装置を介して取得した前記測位補助情報に含まれる前記衛星情報を格納する端末側衛星情報格納手段と、前記測位補助情報提供装置から、前記仲介装置を介して取得した前記衛星情報更新必要情報に基づいて、前記端末側衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する端末側衛星情報更新手段と、を有することを特徴とする衛星情報更新システムによって達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記端末装置が前記測位補助情報提供装置から提供を受ける前記測位補助情報は、前記衛星情報を含む。
上述したように、前記端末装置である例えば、GPS受信機は前記測位補助情報に含まれる前記衛星情報を記憶装置である例えば、ハードディスク内部のキャッシュメモリに記憶しておき、そのキャッシュメモリに記憶した前記衛星情報を使用して測位する場合がある。
ところが、前記位置情報衛星である例えば、特定のGPS衛星からの前記位置関連信号がGPS衛星の故障などによって、配信中止になったにもかかわらず、GPS受信機がそのGPS衛星の前記衛星情報をキャッシュメモリに記憶している場合には、無効な前記衛星情報を使用して測位処理を開始する。しかし、GPS受信機は測位結果を取得できず、処理時間、処理能力、電力を無駄に消費することになる。
【0007】
この点、 第1の発明の構成によれば、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星情報更新必要性判断手段を有するから、前記衛星情報の更新必要性を判断することができる。そして、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星情報更新必要情報生成手段を有するから、前記衛星情報更新必要情報を生成することができ、さらに、前記衛星情報更新必要情報送信手段によって前記仲介装置を介して前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記衛星情報更新必要情報を送信することができる。
すなわち、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星情報が配信中止になった等の理由で無効になり、前記衛星情報の更新が必要である旨を判断する。そして、前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報の更新が必要であることを示す前記衛星情報更新必要情報を生成する。そして、前記衛星情報更新必要情報のみを前記端末装置に対して送信する。また、前記衛星情報の更新が必要であると判断した時点で、前記衛星情報更新必要情報を生成し、送信する。
これにより、衛星情報の更新が必要である旨を示す情報のみを、衛星情報の更新が必要になった時点で提供することができる。
【0008】
さらに、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星情報更新手段を有する。このため、前記測位補助情報提供装置自身の前記衛星情報格納手段である例えば、ハードディスク内のキャッシュメモリに格納した前記衛星情報を更新することができる。これにより、前記提供対象端末情報に示されていない端末装置から要求を受けた場合にも、最新の前記衛星情報を含む前記測位補助情報を提供することができる。
【0009】
さらに、前記測位補助情報提供装置は、前記仲介装置を介して前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記衛星情報更新必要情報を送信する。このため、前記仲介装置は、前記仲介装置側衛星情報格納手段である例えば、ハードディスク内のキャッシュメモリに格納された前記衛星情報を、更新することができる。そして、前記端末装置は、前記端末装置側衛星情報格納手段に格納された前記衛生情報を更新することができる。
【0010】
前記目的は、第2の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星情報生成手段を有する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置であって、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、前記衛星情報を格納する衛星情報格納手段と、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する補助情報生成手段と、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断手段と、前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新手段と、前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成手段と、前記測位補助情報及び前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置を示す提供対象端末情報を格納する提供対象端末情報格納手段と、前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信するための測位補助情報送信手段と、前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信するための衛星情報更新必要情報送信手段と、を有することを特徴とする測位補助情報提供装置によって達成される。
【0011】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、衛星情報の更新が必要である旨を示す情報のみを、衛星情報の更新が必要になった時点で提供することができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記衛星情報更新必要性判断手段は、前記衛星情報の全部又は一部が無効であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする。
【0013】
第3の発明の構成によれば、前記衛星情報更新必要性判断手段が、前記衛星情報の全部又は一部が無効であるか否かを判断する。このため、前記衛星情報更新必要情報送信手段は、前記衛星情報の全部又は一部が無効であることを内容とする前記衛星情報更新必要情報を送信することができる。
これにより、前記衛星情報更新必要情報を受信した前記仲介装置等は、無効になった前記衛星情報をそれぞれの情報格納手段から削除することにより、無効な前記衛星情報を使用して測位処理を行って、処理時間、処理能力、電力を無駄に消費することを未然に防止することができる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明の構成において、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星基地局が前記位置情報衛星から前記位置関連信号を受信し得る受信可能領域を示す受信可能領域情報を格納する受信可能領域情報格納手段と、前記位置情報衛星が前記受信可能領域に位置するか否かを判断する受信可能領域内外判断手段と、を有し、前記衛星情報更新必要性判断手段は、前記衛星基地局から、前記衛星基地局に対応する前記受信可能領域に存在する前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなったときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっていることを特徴とする。
【0015】
前記位置情報衛星が前記受信可能領域内に存在し、前記位置情報衛星が前記位置関連信号を発信する限り、前記衛星基地局は前記位置情報衛星から前記位置関連信号を受信するはずであるから、その前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を前記測位補助情報提供装置に送信することができるはずである。
したがって、前記位置情報衛星が前記受信可能領域内に存在するにもかかわらず、前記衛星基地局が前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を前記測位補助情報提供装置に送信することができないということは、前記衛星基地局が前記位置情報衛星から前記関連信号を受信していないことを意味する。これは、その前記位置情報衛星が故障等によって、前記位置関連信号を送信することができなくなったためであると考えられる。
【0016】
この点、第4の発明の構成によれば、前記測位補助情報提供装置は、前記受信可能領域内外判断手段を有するから、前記位置情報衛星が前記受信可能領域に位置するか否かを判断することができる。そして、前記測位補助情報提供装置は、前記衛星基地局から、前記衛星基地局に対応する前記受信可能領域に存在する前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなったときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっている。
このため、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であるか否かを判断することができる。
【0017】
第5の発明は、第4の発明の構成において、前記衛星情報更新必要性判断手段は、複数の前記衛星基地局のいずれからも前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなったときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっていることを特徴とする。
【0018】
前記位置情報衛星が前記受信可能領域内に存在する限り、前記衛星基地局は前記位置情報衛星から前記位置関連信号を受信できるはずであるから、その前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を前記測位補助情報提供装置に送信することができるはずである。
ところが、前記測位補助情報提供装置は例えば、前記位置情報衛星から受信した前記位置関連信号に乗せられている衛星軌道情報等を含む航法メッセージの誤差によって、前記位置情報衛星が前記受信可能領域に存在するか否かの判断を誤る場合も考えられる。前記位置情報衛星が前記位置関連信号を送信しつつ、前記受信可能領域外に存在するにもかかわらず、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を無効と判断すると、本来有効な前記衛星情報を使用することができなくなる。
【0019】
この点、前記衛星情報更新必要性判断手段は、複数の前記衛星基地局のいずれからも前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなったときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する。
すなわち、前記衛星情報更新必要性判断手段は、一つの前記衛星基地局から前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなった場合であっても、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であるとは判断せずに、複数の前記衛星基地局のいずれからも前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなったときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断するのである。
これにより、本来有効な前記衛星情報を、誤って無効と判断することを未然に防止することができる。
【0020】
第6の発明は、第4の発明又は第5の発明のいずれかの構成において、前記衛星情報更新必要性判断手段は、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が許容可能時間範囲内に受信できないときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっていることを特徴とする。
【0021】
前記衛星基地局が前記位置情報衛星からの前記位置関連信号を受信できない状態は、前記位置情報衛星が故障等の場合に限らない。
すなわち、前記衛星基地局が前記位置情報衛星からの前記位置関連信号を受信できない状態は、前記衛星基地局と前記位置情報衛星との間に例えば、高層ビルなどの障害物が存在する場合にも発生する。この場合、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報は有効な情報であるから使用することができる。そして、高層ビルなどの障害物によって前記位置関連信号がさえぎられるのは、一定時間に限られる。すなわち、一定時間を経過すれば、高層ビルなどの障害物によって前記位置関連信号がさえぎられる状態は解消されるはずである。
【0022】
この点、第6の発明の構成によれば、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が許容可能時間範囲内に受信できないときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっている。
このため、前記衛星情報が無効であるか否かを、確実に判断することができる。
【0023】
前記目的は、第7の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置が、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を格納する衛星情報格納ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する測位補助情報生成ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記測位補助情報を提供する対象である複数の端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成ステップと、前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信する衛星情報更新必要情報送信ステップと、を有することを特徴とする測位補助情報提供装置の制御方法によって達成される。
【0024】
前記目的は、第8の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置が、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を格納する衛星情報格納ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する測位補助情報生成ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記測位補助情報を提供する対象である複数の端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成ステップと、前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信する衛星情報更新必要情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする測位補助情報提供装置の制御プログラムによって達成される。
【0025】
前記目的は、第9の発明の構成によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置が、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を格納する衛星情報格納ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する測位補助情報生成ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記測位補助情報を提供する対象である複数の端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新ステップと、前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成ステップと、前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信する衛星情報更新必要情報送信ステップと、を実行させることを特徴とする測位補助情報提供装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態である衛星情報更新システムの1例であるキャッシュ更新システム10等を示す概略図である。
図1に示すように、キャッシュ更新システム10は、衛星基地局である例えば、GPS基地局20を有する。このGPS基地局20は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12a乃至12xから位置関連信号である例えば、信号S1乃至S24を受信し、受信した信号S1等に基いて、衛星情報を生成する。この衛星情報は、後述するように、GPS衛星12a等の軌道情報等を含む情報である。
【0028】
キャッシュ更新システム10はまた、GPS基地局20と通信可能な測位補助情報提供装置である例えば、アシストサーバ30を有する。アシストサーバ30は、GPS基地局20から上述の衛星情報を受信し、複数の端末装置である例えば、端末80a,80b及び80cがGPS衛星12a等からの信号S1等に基いて現在位置を測位するための測位補助情報である例えば、後述のアシスト情報234を生成する。このアシスト情報234には、上述の衛星情報が含まれており、端末80a等は、アシスト情報234を取得することにより、迅速にGPS衛星12a等からの信号S1等を捕捉することができる。
キャッシュ更新システム10は、さらに、アシストサーバ30と端末80a等の通信を仲介する仲介装置である例えば、ネットワークコントローラ60を有する。このネットワークコントローラ60は、インターネット網70及び通信基地局75を介して端末80a等と通信可能に構成されている。
端末80a等は例えば、携帯電話機である。
【0029】
なお、端末80a等は、携帯電話機に限らず、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であってもよい。また、端末80a等は3個に限らず、複数であればよい。
さらに、本実施の形態とは異なり、GPS衛星の数24個に限らず例えば、32個でもよい。
【0030】
(GPS基地局20の主なハードウエア構成について)
図2はGPS基地局20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、GPS基地局20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス21を有し、バス21には、CPU22、記憶装置23、外部記憶装置24等が接続されている。記憶装置23は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等であり、外部記憶装置24は例えば、ハードディスクである。
【0031】
また、このバス21には、各種情報等を入力するための入力装置25、図1のGPS衛星12a等から位置関連信号S1等を受信するためのGPS受信機26、アシストサーバ30と通信するための通信装置27が接続されている。
さらに、このバス21には、各種情報等を表示するための表示装置28、及び、時計29が接続されている。
【0032】
(アシストサーバ30の主なハードウエア構成について)
図3はアシストサーバ30の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、アシストサーバ30の主なハードウエア構成は、上述のGPS基地局20と同様である。
【0033】
(ネットワークコントローラ60の主なハードウエア構成について)
図4はネットワークコントローラ60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、ネットワークコントローラ60の主なハードウエア構成は、上述のGPS基地局20とほぼ同様である。ただし、ネットワークコントローラ60は、GPS受信機を有していない。
なお、本実施の形態とは異なり、ネットコントローラ60がGPS受信機を有していてもよい。
【0034】
(端末80aの主なハードウエア構成について)
図5は端末80aの主なハードウエア構成を示す概略図である。
図5に示すように、端末80aの主なハードウエア構成は、上述のGPS基地局20とほぼ同様である。但し、図5に示すように、端末80aは外部記憶装置を有しない。
なお、端末80b及び80cのハードウエア構成は、端末80aと同様であるから、説明を省略する。
【0035】
(GPS基地局20の主なソフトウエア構成について)
図6は、GPS基地局20の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図6に示すように、GPS基地局20は、各部の制御を行うGPS基地局制御部100、図2のGPS受信機26に対応する基地局GPS信号受信部102、図2の通信装置27に対応する基地局通信部104、図2の表示装置28に対応する基地局表示部106、図2の時計29に対応する基地局計時部108を有する。
【0036】
図6に示すように、GPS基地局20は、各種プログラムを格納するための基地局第1記憶部110、各種情報を格納する基地局第2記憶部120を有する。
図6に示すように、基地局第1記憶部110は、衛星情報生成プログラム112を格納している。衛星情報生成プログラム112は、GPS基地局制御部100が、図1のGPS衛星12a等からの信号S1等に基いて衛星情報である例えば、後述の衛星情報122A等を生成するための情報である。すなわち、衛星情報生成プログラム112とGPS基地局制御部100は、衛星情報生成手段の1例である。
GPS基地局制御部100は、生成した衛星情報122A等を基地局第2記憶部120に格納する。
【0037】
図7は、衛星情報122A等の1例を示す図である。
図7(a)に示すように、衛星情報122Aは例えば、GPS衛星12aの衛星IDである1、GPS衛星12bの衛星IDである2等の各衛星IDに対応して衛星状態、クロック補正係数、エフェメリス等を示す情報である。
【0038】
図6に示すように、GPS基地局20は、基地局第2記憶部120に配信先サーバ情報124を格納している。配信先サーバ情報124は、GPS基地局20が、衛星情報122A等を配信する対象に関する情報であり例えば、図1のアシストサーバ30の電話番号、インターネットアドレス等を含む。これにより、GPS基地局20は、アシストサーバ30に衛星情報122A等を提供することができる。
【0039】
(アシストサーバ30の主なソフトウエア構成について)
図8は、アシストサーバ30の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図8に示すように、アシストサーバ30は、各部の制御を行うサーバ制御部200、図3のGPS受信機42に対応するサーバ測位部202、図3の通信装置44に対応するサーバ通信部204、図3の表示装置48に対応するサーバ表示部206、図3の時計48に対応するサーバ計時部208を有する。
アシストサーバ30は、サーバ通信部204によって図6のGPS基地局20から例えば、衛星情報122Aを受信する。すなわち、サーバ通信部204は衛星情報取得手段の1例である。
【0040】
図8に示すように、アシストサーバ30は、各種プログラムを格納するサーバ第1記憶部210、各種情報を格納するサーバ第2記憶部230及びサーバ第3記憶部240を有する。サーバ第2記憶部230は高速読み取り可能な記憶装置である例えば、図3の外部記憶装置38のキャッシュメモリ内に配置されている。
【0041】
アシストサーバ30は、サーバ第2記憶部230に図6のGPS基地局20から取得した例えば、衛星情報122Aをサーバ側衛星情報232Aとして格納する。すなわち、サーバ第2記憶部230は、衛星情報格納手段の1例である。
【0042】
図9は、サーバ側衛星情報232A等の1例を示す図である。
図9(a)に示すように、サーバ側衛星情報232Aは、図7の衛星情報122Aと同様の内容である。
【0043】
図8に示すように、アシストサーバ30は、アシスト情報生成プログラム212を有する。アシスト情報生成プログラム212は、サーバ制御部200が例えば、サーバ側衛星情報232Aを含むアシスト情報234を生成するための情報である。すなわち、アシスト情報生成プログラム212とサーバ制御部200は、補助情報生成手段の1例である。
サーバ制御部200は、生成したアシスト情報234をサーバ第2記憶部230に格納する。すなわち、サーバ第2記憶部230は、補助情報格納手段の1例である。
【0044】
アシスト情報234は、アシストサーバ30が、図1の端末80a等に提供する情報である。このため、アシスト情報234は、衛星情報232A(図9(a)参照)を含み、さらに例えば、図1の各GPS衛星12a等からの信号S1等のドップラー効果に関する情報、各端末80a等の概略位置からの観測可能性に関する情報等を含む。
【0045】
図8に示すように、アシストサーバ30は、衛星情報有効性判断プログラム214を有する。衛星情報有効性判断プログラム214は、サーバ制御部200が、サーバ側衛星情報232Aの更新必要性を判断するための情報である。すなわち、衛星情報有効性判断プログラム214とサーバ制御部200は、衛星情報更新必要性判断手段の1例である。
具体的には、サーバ制御部200は、衛星情報有効性判断プログラム214に基いて、図6のGPS基地局20から取得した衛星情報122B(図7(b)参照)を参照して、サーバ第2記憶部230に格納している衛星情報232A(図9(a)参照)の全部又は一部が無効であるか否かを判断する。
【0046】
図10は、アシストサーバ30が、衛星情報232Aの有効性を判断する方法を示す概略図である。
図10に示すように、GPS基地局20が天空に存在するGPS衛星12a等から信号S1等を受信し得る受信可能領域である例えば、カバー範囲P1は、GPS基地局20の位置及びGPS基地局20が信号S1等を受信する角度の範囲である仰角X度によって規定される。アシストサーバ30は、このカバー範囲P1を示すカバー範囲情報242を、サーバ通信部204によってGPS基地局20から取得し、サーバ第3記憶部240に格納している。このカバー範囲情報242は受信可能領域情報の1例であり、サーバ第3記憶部240は受信可能領域情報格納手段の1例である。
【0047】
上述の衛星情報有効性判断プログラム214(図8参照)に基いて、サーバ制御部200は例えば、サーバ側衛星情報232AからGPS衛星12aの位置を特定し、GPS衛星12aがGPS基地局20のカバー範囲P1に位置するか否かを判断する。すなわち、衛星情報有効性判断プログラム214とサーバ制御部200は、受信可能領域内外判断手段の1例である。
【0048】
ここで、図10に示すように、GPS衛星12aがカバー範囲P1内に存在し、GPS衛星12aが信号S1を発信する限り、GPS基地局20はGPS衛星12aから信号S1を受信するはずである。したがって、GPS基地局20はGPS衛星12aに対応する衛星情報をアシストサーバ30に送信することができるはずである。
【0049】
これに対して、GPS衛星12aがカバー範囲P1内に存在するにもかかわらず、GPS基地局20がGPS衛星12aに対応する衛星情報をアシストサーバ30に送信することができないということは、GPS基地局20がGPS衛星12aから信号S1を受信していないことを意味する。これは、GPS衛星12aが故障等によって、信号S1を送信することができなくなったためであると考えられる。
このため、図8のサーバ制御部200は、衛星情報有効性判断プログラム214に基いて、GPS基地局20から、GPS基地局20に対応するカバー範囲P1内に存在するGPS衛星12aに対応する衛星情報を受信できなくなったときに、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効であると判断する。
例えば、GPS衛星12aがGPS基地局20に対応するカバー範囲P1内に存在するときに、GPS基地局20から受信した衛星情報122BにはGPS衛星12aの衛星IDである1に対応する衛星情報が存在しない場合(図7(b)参照)に、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効であると判断する。
【0050】
図8に示すように、アシストサーバ30は、キャッシュ情報更新プログラム216を有する。キャッシュ情報更新プログラム216は、サーバ制御部200が、図8のサーバ第2記憶部230に格納した例えば、衛星情報232A(図9(a)参照)を更新するための情報である。すなわち、キャッシュ情報更新プログラム216とサーバ制御部200は、衛星情報更新手段の1例である。
具体的には、キャッシュ情報更新プログラム216に基いて、サーバ制御部200は例えば、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効な場合には、図8のサーバ第2記憶部230に格納しているサーバ側衛星情報232A(図9(a)参照)を、GPS衛星12aの衛星IDである1に対応する衛星情報を削除することによって更新し、新たなサーバ側衛星情報232B(図9(b)参照)を生成する。
【0051】
また、サーバ制御部200は、キャッシュ情報更新プログラム216に基いて、図8のサーバ第2記憶部230に格納しているアシスト情報234を、GPS衛星12aに対応するアシスト情報を削除することによって更新する。
【0052】
図8に示すように、アシストサーバ30は、キャッシュ無効情報生成プログラム218を有する。キャッシュ無効情報生成プログラム218は、サーバ制御部200が、上述の衛星情報有効性判断プログラム214による判断結果に基いて、衛星情報の更新が必要であることを示すキャッシュ無効情報236を生成するための情報である。このキャッシュ無効情報236は、衛星情報更新必要情報の1例である。そして、キャッシュ無効情報生成プログラム218とサーバ制御部200は、衛星情報更新必要情報生成手段の1例である。サーバ制御部200は、生成したキャッシュ無効情報236を図8のサーバ第2記憶部230に格納する。
【0053】
図11は、キャッシュ無効情報236の1例を示す図である。
図11に示すように、キャッシュ無効情報236は、信号S1等の配信が中止されたGPS衛星12a等を識別するための情報であり例えば、特定のGPS衛星12a等に対応する衛星情報が無効である旨、及び、GPS衛星12aの衛星IDを示す無効対象衛星IDのみを示す情報である。このため、キャッシュ無効情報236の情報量は非常に小さい。従って、キャッシュ無効情報236の送受信にともなうアシストサーバ30等の負荷を非常に小さくすることができる。また、キャッシュ無効情報236の送受信の時間を短縮することができる。
アシストサーバ30は、このキャッシュ無効情報236を、以下に説明する配信先に送信する。
【0054】
図8に示すように、アシストサーバ30は、サーバ第3記憶部240に、配信先情報246を格納している。
【0055】
図12は、配信先情報246等の1例を示す図である。
図12に示すように、配信先情報246は、アシスト情報234A等及びキャッシュ無効情報236を提供する対象である図1のネットワークコントローラ60、複数の端末80a等のノードを示す情報である。配信先情報246は例えば、ネットワークコントローラ60の下位の階層に、複数の端末80a等が属するというように、階層構造を有している。ここで、ネットワークコントローラ60は、端末80a等の上位ノードである。この配信先情報246は提供対象端末情報の1例であり、サーバ第3記憶部240は、提供対象端末情報格納手段の1例である。
図12に示すように、各ノードは例えば、bb11等のノードIDで表現されている。そして、配信先情報246には、端末80a等の各ノードIDであるbb11等に対応して、通信アドレス、アシスト情報234A等又はキャッシュ無効情報236を前回配信した時刻を示す配信時刻情報及び、配信した衛星情報に対応するGPS衛星12a等のIDを示す配信衛星IDが示されている。
これにより、アシストサーバ30は、どのノードに、いつ、どのGPS衛星12a等に対応するアシスト情報234を配信したかについての記録を保持することができる。
【0056】
図8に示すように、アシストサーバ30は、アシスト情報送信プログラム220を有する。アシスト情報送信プログラム220は、サーバ制御部200が、配信先情報246に示される配信先であるネットワークコントローラ60を介して端末80a等に対して、アシスト情報234A等を送信するための情報である。すなわち、アシスト情報送信プログラム220とサーバ制御部200は、測位補助情報送信手段の1例である。
これにより、アシストサーバ30は、上位ノードである図1のネットワークコントローラ60を介して、端末80a等の各ノードに対して、アシスト情報234A等を送信することができる。
【0057】
図8に示すように、アシストサーバ30は、キャッシュ無効情報送信プログラム222を有する。キャッシュ無効情報送信プログラム222は、サーバ制御部200が、配信先情報246に示される配信先であるネットワークコントローラ60等の各ノードに対して、キャッシュ無効情報236を送信するための情報である。すなわち、キャッシュ無効情報送信プログラム222は、サーバ制御部200は、衛星情報更新必要情報送信手段の1例である。
これにより、アシストサーバ30は、図1のネットワークコントローラ60を介して端末80a等の各ノードに対して、キャッシュ無効情報236を送信することができる。
すなわち、アシストサーバ30が直接にキャッシュ無効情報236を送信する配信先は、ネットワークコントローラ60だけであるから、アシストサーバ30の情報送信量が最低限度で足りる。
【0058】
上述のように、アシストサーバ30は、サーバ側衛星情報232Aが配信中止になった等の理由で一部又は全部が無効になり、サーバ側衛星情報232Aの更新が必要である旨を判断すると、ネットワークコントローラ60等の各ノードが有する衛星情報の更新が必要であることを示すキャッシュ無効情報236を生成する。そして、キャッシュ無効情報236のみを上位ノードであるネットワークコントローラ60を介して、図1の端末80a等に対して送信する。
このため、衛星情報の更新が必要である旨を示す情報のみを、衛星情報の更新が必要になった時点で提供することができる。
【0059】
アシストサーバ30は、キャッシュ無効情報236を送信するときに、配信先情報246も送信する。これにより、ネットワークコントローラ60に対して、配信先の端末80a等に関する情報を与えることができる。
また、上述のように、アシストサーバ30は、どのノードに、いつ、どのGPS衛星12a等に対応するアシスト情報234等を配信したかについての記録を保持することができるから、キャッシュ無効情報236に示される特定の衛星に関する衛星情報を有する端末80a等のみを配信先情報246に含めることにより、ネットワークコントローラ60と端末80a等の間の通信量を少なくすることができる。
【0060】
さらに、アシストサーバ30は、アシストサーバ30自身のサーバ第2記憶部230のキャッシュメモリに格納した衛星情報232Aを更新することができる。これにより、配信先情報246(図8参照)に示されていない端末等から問い合わせを受けた場合にも、最新の衛星情報に基いて生成したアシスト情報234等を提供することができる。
【0061】
(ネットワークコントローラ60の主なソフトウエア構成について)
図13は、ネットワークコントローラ60の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図13に示すように、ネットワークコントローラ60は、各部の制御を行うNW制御部300、図4の通信装置74に対応するNW通信部302、図4の表示装置76に対応するNW表示部304、図4の時計78に対応するNW計時部306を有する。なお、NW通信部302等に使用するNWの文言は、ネットワークコントローラを意味する。
【0062】
図13に示すように、ネットワークコントローラ60は、各種プログラムを格納するNW第1記憶部310、各種情報を格納するNW第2記憶部340及びNW第3記憶部350を有する。NW第2記憶部340は高速読み取り可能な記憶装置である例えば、図4の外部記憶装置68のキャッシュメモリ内に配置されている。
【0063】
図13に示すように、ネットワークコントローラ60は、アシスト情報要求情報送信プログラム312を有する。アシスト情報要求情報送信プログラム312は、NW制御部300が、図8のアシストサーバ30に対してアシスト情報要求情報を送信するための情報である。アシスト情報要求情報は、アシストサーバ30に対してアシスト情報234(図8参照)の送信を要求するための情報である。
これにより、ネットワークコントローラ60は、アシストサーバ30に対してアシスト情報234の送信を要求することができる。
ネットワークコントローラ60は、アシストサーバ30からアシスト情報234を受信すると、NWアシスト情報342としてNW第2記憶部340に格納する(図13参照)。従って、NWアシスト情報342の内容は、アシスト情報234と同様である。
また、ネットワークコントローラ60は、アシスト情報234に含まれるサーバ側衛星情報234(図8参照)をNW衛星情報344Aとして、NW第2記憶部340に格納する(図13参照)。ここで、NW衛星情報344Aの内容は、サーバ側衛星情報234と同様である。
従って、NWアシスト情報342はNW衛星情報344Aを含むと言える。
【0064】
図13に示すように、ネットワークコントローラ60は、NWアシスト情報送信プログラム314を有する。NWアシスト情報送信プログラム314は、NW制御部300が、図1の端末80a等に対してNWアシスト情報342を送信するための情報である。すなわち、アシスト情報送信プログラム314とNW制御部300は、測位補助情報送信手段の1例である。
これにより、ネットワークコントローラ60は、端末80a等に対してNWアシスト情報342を送信することができる。
【0065】
図13に示すように、ネットワークコントローラ60は、NWキャッシュ情報更新プログラム320を有する。NWキャッシュ情報更新プログラム320は、NW制御部300が、図8のアシストサーバ30から取得したキャッシュ無効情報236に基いて、サーバ第2記憶部340に格納したNW衛星情報344Aを更新するための情報である。すなわち、NWキャッシュ情報更新プログラム320とNW制御部300は、仲介装置衛星情報更新手段の1例である。
NW制御部300は、図8のアシストサーバ30からキャッシュ無効情報236(図8参照)を取得すると、NWキャッシュ情報更新プログラム320に基いて、図13のNW衛星情報344Aから例えば、無効対象衛星ID1に対応する衛星情報を削除することによって更新し、NW衛星情報344B(図9(b)参照)を生成する。
なお、図13に示すように、NW制御部300は、図8のアシストサーバ30から取得したキャッシュ無効情報236(図8参照)を、NWキャッシュ無効情報346としてNW第2記憶部340に格納する。
【0066】
図13に示すように、ネットワークコントローラ60は、NW第3記憶部350に、NW配信先情報352を格納している。NW配信先情報352は、NWアシスト情報342の提供の仲介対象である複数の端末80a等を示す情報である。この端末80a等は仲介対象端末装置の1例であり、NW配信先情報352は仲介対象端末情報の1例である。そして、NW第3記憶部350は、仲介対象端末情報格納手段の1例である。
NW配信先情報352の内容は、アシストサーバ30が有する配信先情報246(図12参照)と同様であるが、下位の各ノードに関する情報のみを含む。すなわち、NW配信先情報352には、ネットワークコントローラ60自身の情報は含まない。
【0067】
図13に示すように、ネットワークコントローラ60は、NWキャッシュ無効情報送信プログラム326を有する。NWキャッシュ無効情報送信プログラム326は、NW制御部300が、NW配信先情報352に示される配信先である端末80a等の各ノードに対して、NWキャッシュ無効情報346を送信するための情報である。すなわち、NWキャッシュ無効情報送信プログラム326とNW制御部300は、仲介装置側衛星情報更新必要情報送信手段の1例である。
これにより、ネットワークコントローラ60は、図1の端末80a等の各ノードに対して、NWキャッシュ無効情報346を送信することができる。
【0068】
(端末80aの主なソフトウエア構成について)
図14は、端末80aの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図14に示すように、端末80aは、各部の制御を行う端末制御部400、図5のGPS受信機90に対応する端末測位部402、図5の通信装置92に対応する端末通信部404、図5の表示装置94に対応する端末表示部406、図5の時計96に対応する端末計時部408を有する。
【0069】
図14に示すように、端末80aは、各種プログラムを格納する端末第1記憶部410、各種情報を格納する端末第2記憶部420を有する。端末第2記憶部420は高速読み取り可能な記憶装置である例えば、図5の記憶装置86のキャッシュメモリ内に配置されている。
なお、端末80b及び80cのソフトウエア構成は端末80aと同様であるから、説明を省略する。
【0070】
図14に示すように、端末80aは、端末アシスト情報要求情報送信プログラム412
を有する。端末アシスト情報要求情報送信プログラム412は、端末制御部400が、図13のネットワークコントローラ60を介して図8のアシストサーバ30に対して、アシスト情報234の送信を要求するための情報である。
これにより、端末80aは、ネットワークコントローラ60からNWアシスト情報342を受信し、端末アシスト情報422として端末第2記憶部420に格納する。上述のように、NWアシスト情報342はネットワークコントローラ60がアシストサーバ30から取得した情報であり、アシスト情報234と同様の内容を示す情報である。端末80aは、NWアシスト情報342を、現在位置の測位のために利用する。
また、端末80aは、NWアシスト情報342に含まれるNW衛星情報344Aを端末衛星情報424Aとして端末第2記憶部420に格納する。すなわち、端末第2記憶部420は、端末側衛星情報格納手段の1例である。
端末80aは、この端末衛星情報424Aを以後の測位のために利用する。
【0071】
図14に示すように、端末80aは、端末キャッシュ情報更新プログラム414を有する。端末キャッシュ情報更新プログラム414は、端末制御部400が、図13のネットワークコントローラ60から取得したNWキャッシュ無効情報344に基いて、端末第2記憶部420に格納した端末衛星情報424Aを更新するための情報である。すなわち、端末キャッシュ情報更新プログラム414と端末制御部400は、端末側衛星情報更新手段の1例である。
端末キャッシュ情報更新プログラム414の内容は、上述したネットワークコントローラ60のNWキャッシュ情報更新プログラム320(図13参照)と同様である。
【0072】
(本実施の形態のキャッシュ更新システム10の動作例等について)
以上のように、キャッシュ更新システム10は構成されるが、以下その動作例を説明する。
図15及び図16はキャッシュ更新システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0073】
まず、図1のGPS基地局20が、GPS衛星12a等からの信号S1等に基いて例えば、図7(a)に示す衛星情報122Aを生成する(図15のステップST1)。このステップST1は、衛星情報生成ステップの1例である。
続いて、GPS基地局20は、生成した衛星情報122Aをアシストサーバ30に送信し(ステップST2)、アシストサーバ30は衛星情報122Aを受信する(ステップST3)。このステップST2は、衛星情報取得ステップの1例である。
続いて、アシストサーバ30は、受信した衛星情報122Aをサーバ側衛星情報232A(図8参照)としてサーバ第2記憶部230に格納する(ステップST4)。このステップST4は、衛星情報格納ステップの1例である。
【0074】
続いて、アシストサーバ30は、サーバ側衛星情報232Aを含むアシスト情報234を生成する(ステップST5)。このステップST5は、補助情報生成ステップの1例である。
【0075】
続いて、図1の端末80aがアシスト情報要求情報をネットワークコントローラ60に対して送信する(ステップST6)と、ネットワークコントローラ60はそのアシスト情報要求情報を受信し、アシストサーバ30に送信する(ステップST7)。
【0076】
続いて、アシストサーバ30がアシスト情報要求情報を受信すると(ステップST8)、ネットワークコントローラ60及び端末80aの通信アドレス等を示す配信先情報246(図12参照)を生成し、図8のサーバ第3記憶部240に保存する(ステップST9)。
【0077】
続いて、アシストサーバ30は、図8のサーバ第2記憶部230に格納しているアシスト情報234を、ネットワークコントローラ60に送信する(ステップST10)。このとき、配信先情報246も送信する。
このステップST10は、ネットワークコントローラ60を介して端末80a等に対して、アシスト情報を送信する測位補助情報送信ステップの1例である。
【0078】
続いて、ネットワークコントローラ60は、アシスト情報234及び配信先情報246を受信し、NWアシスト情報342及びNW配信先情報352(図13参照)として保存する(ステップST11)。このとき、アシスト情報234に含まれるサーバ側衛星情報232Aを、NW衛星情報344AとしてNW第2記憶部340に保存する。
続いて、ネットワークコントローラ60は、アシスト情報要求情報を送信した端末80
aに対してNWアシスト情報342を送信する(ステップST12)。
【0079】
続いて、端末80aは、NWアシスト情報342を受信し、端末アシスト情報422(図14参照)として端末第2記憶部420に保存する(ステップST13)。このとき、NWアシスト情報342に含まれるNW衛星情報344Aを、端末衛星情報424Aとして端末第2記憶部420に保存する。
続いて、端末80aは、端末アシスト情報422を利用して、図1のGPS衛星12a等から信号S1等を受信して、現在位置を測位する(ステップST14)。
これ以降、端末80aは、端末第2記憶部420に保存した端末衛星情報424Aを利用して、継続的に又は定期的に測位をすることができる。
しかし、端末衛星情報424Aの一部又は全部が無効になる場合がある。以下の説明は、このような場合において、端末衛星情報424A等を更新する方法に関するものである。
【0080】
図1のGPS衛星12aはGPS基地局20のカバー範囲P1内(図10参照)に存在するが、故障により、信号S1を送信できないという前提で、以下説明する。
図1のGPS衛星12b等から信号S2等を受信したGPS基地局20は、衛星情報122B(図7(b)参照)を生成し(図16のステップST15)、アシストサーバ30に送信する(ステップST16)。上述のステップST15も衛星情報生成ステップの1例である。
【0081】
続いて、アシストサーバ30が衛星情報122Bを受信する(ステップST17)。このステップST17も衛星情報取得ステップの1例である。
続いて、アシストサーバ30は、衛星情報の配信が中止されたGPS衛星12a等があるか否かを判断する(ステップST18)。信号S1等の配信が中止されたGPS衛星12a等があれば、サーバ側衛星情報232Aは更新の必要性がある。すなわち、ステップST18は、衛星情報更新必要性判断ステップの1例である。
【0082】
上述のように、GPS衛星12aはGPS基地局20のカバー範囲P1(図10参照)内に存在するにもかかわらず、信号S1を発信していないから、アシストサーバ30がGPS基地局20から取得した衛星情報122B(図7(b)参照)には、GPS衛星12aに対応する衛星情報は含まれていない。
従って、アシストサーバ30は、サーバ側衛星情報232Aを更新する必要があると判断し、サーバ側衛星情報232Aを更新する(ステップST19)。このステップST19は、衛星情報更新ステップの1例である。
【0083】
続いて、アシストサーバ30は、キャッシュ無効情報236(図8参照)を生成する。(ステップST20)。このステップST20は、衛星情報更新必要情報生成ステップの1例である。
【0084】
続いて、アシストサーバ30は、サーバ第3記憶部240から配信先情報246(図13参照)を取得し(ステップST21)、各ノードIDで特定されるネットワークコントローラ60、端末80a等の配信先があることを確認すると(ステップST22)、上位のノードであるネットワークコントローラ60にキャッシュ無効情報236を送信する(ステップST23)。このステップST23は、アシストサーバ30が、ネットワークコントローラ60を介して複数の端末80a等に対して、キャッシュ無効情報236を送信するステップであり、衛星情報更新必要情報送信ステップの1例である。
【0085】
続いて、ネットワークコントローラ60は、キャッシュ無効情報236を受信し(ステップST24)、NW衛星情報344A(図9(a)参照)を更新し、NW衛星情報344B(図9(b)参照)とする(ステップST25)。このステップST25は、仲介装置衛星情報更新ステップの1例である。
なお、ネットワークコントローラ60は、取得したキャッシュ無効情報をNWキャッシュ無効情報346としてNW第2記憶部340に格納する。
【0086】
続いて、ネットワークコントローラ60は、NW第3記憶部350からNW配信先情報352を取得し(ステップST26)、配信先があることを確認すると(ステップST27)、NWキャッシュ無効情報346を端末80a等に送信する(ステップST28)。このステップST28は、仲介装置側衛星情報更新必要情報送信ステップの1例である。ステップST28においては、NW配信先情報352に含まれるすべての配信先に対してNWキャッシュ無効情報346を送信する。
【0087】
続いて、端末80a等がNWキャッシュ無効情報346を受信し(ステップST29)、端末衛星情報422A(図9(a)参照)を更新し、端末衛星情報424B(図9(b)参照)とする(ステップST30)。このステップST30は、端末側衛星情報更新ステップの1例である。
以上のステップにより、衛星情報の更新が必要である旨を示す情報のみを、衛星情報の更新が必要になった時点で提供することができ、端末80a等は衛星情報の更新が必要な場合にだけNWキャッシュ無効情報346を受信して衛星情報を更新することができる。
【0088】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態としてのキャッシュ更新システム10A(図1)について説明する。第2の実施の形態におけるキャッシュ更新システム10Aの構成は、上記第1の実施の形態のキャッシュ更新システム10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0089】
図17は、第2の実施の形態におけるアシストサーバ31が、衛星情報の有効性を判断する方法を示す概略図である。
第2の実施の形態におけるキャッシュ更新システム10Aのアシストサーバ31が有する衛星情報有効性判断プログラム214A(図8参照)は、上記第1の実施の形態のキャッシュ更新システム10のアシストサーバ30が有する衛星情報有効性判断プログラム214と以下の点において異なる。
すなわち、サーバ制御部200は、衛星情報有効性判断プログラム214Aに基いて例えば、図17に示す複数のGPS基地局20A及び20Bのいずれからも特定のGPS衛星である例えば、GPS衛星12aに対応する衛星情報を受信できなくなったときに、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効であると判断する。
【0090】
例えば、アシストサーバ31は、GPS衛星12a等からの信号S1等に乗せられている衛星軌道情報等を含む航法メッセージの誤差等によって、GPS衛星12aがGPS基地局20Aのカバー範囲P1内に存在するか否かの判断を誤る場合も考えられる。GPS衛星12aが信号S1を送信しつつ、カバー範囲P1外に存在するにもかかわらず、GPS衛星12aに対応する衛星情報を無効と判断すると、本来有効な衛星情報を使用することができなくなる。すなわち、図17に示すように、GPS衛星12aがGPS基地局20Bのカバー範囲P2内にある場合には、GPS基地局20Aではなくて、GPS基地局20BからGPS衛星12aに対応する衛星情報を受信するかどうかによって、GPS衛星12aからの信号S1の配信が中止され、衛星情報が無効になったか否かを判断すべきである。
【0091】
そこで、アシストサーバ31のサーバ制御部200(図8参照)は、衛星情報有効性判断プログラム214Aに基いて、図17のGPS基地局20AからGPS衛星12aに対応する衛星情報を受信できなくなった場合であっても、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効であるとは判断せずに、GPS基地局BからもGPS衛星12aに対応する衛星情報を受信できなくなったときに、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効であると判断する。
これにより、本来有効な衛星情報を、誤って無効と判断することを未然に防止することができる。
【0092】
さらに、アシストサーバ31のサーバ制御部200(図8参照)は、衛星情報有効性判断プログラム214Aに基いて、一定の許容時間内である例えば、60秒以内に、GPS基地局A又はGPS基地局BからGPS衛星12aに対応する衛星情報を受信できないときに、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効であると判断する。この60秒という時間は、許容可能時間範囲の1例である。
すなわち、GPS基地局20A等がGPS衛星12a等から信号S1等を受信できない状態は、GPS衛星12a等が故障等の場合に限らない。
すなわち、GPS基地局A等がGPS衛星12aからの信号S1を受信できない状態は、GPS基地局A等とGPS衛星12aとの間に例えば、高層ビルなどの障害物が存在する場合や、信号S1等が一時的に弱くなった場合等にも発生する。この場合、GPS衛星12aに対応する衛星情報は有効な情報であるから使用することができる。そして、高層ビルなどの障害物によって信号S1がさえぎられるのは、一定時間に限られる。すなわち、一定時間が経過すれば、高層ビルなどの障害物によって信号S1がさえぎられる状態は解消するはずである。信号S1等が一時的に弱くなる現象も、同様に、一定時間が経過すれば解消するはずである。
【0093】
この点、アシストサーバ31は、一定の許容時間内でGPS基地局A又はGPS基地局BからGPS衛星12aに対応する衛星情報を受信できないときに、GPS衛星12aに対応する衛星情報が無効であると判断するから、衛星情報が無効であるか否かを、確実に判断することができる。
【0094】
なお、本実施の形態とは異なり、図1の通信基地局75も衛星情報を保存しておき、ネットワークコントローラ60からのNWキャッシュ無効情報346に基いて、その衛星情報を更新する構成としてもよい。
【0095】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の衛星情報取得ステップと、衛星情報格納ステップと、補助情報生成ステップと、測位補助情報送信ステップと、衛星情報更新必要性判断ステップと、衛星情報更新ステップと、衛星情報更新必要情報生成ステップと、衛星情報更新必要情報送信ステップ等を実行させるための測位補助情報提供装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような測位補助情報提供装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0096】
これら測位補助情報提供装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0097】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態であるキャッシュ更新システムを示す概略図である。
【図2】GPS基地局の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】アシストサーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】ネットワークコントローラの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図5】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図6】GPS基地局の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図7】衛星情報の1例を示す図である。
【図8】アシストサーバの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図9】サーバ側衛星情報の1例を示す図である。
【図10】衛星情報の有効性を判断する方法を示す概略図である。
【図11】キャッシュ無効情報の1例を示す図である。
【図12】配信先情報の1例を示す図である。
【図13】ネットワークコントローラの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図14】端末の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図15】キャッシュ更新システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図16】キャッシュ更新システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図17】アシストサーバが、衛星情報の有効性を判断する方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0099】
10・・・キャッシュ更新システム、12a乃至12y・・・GPS衛星、20・・・GPS基地局、30,31・・・アシストサーバ、60・・・ネットワークコントローラ、80a,80b,80c・・・端末、122A・・・衛星情報、124・・・配信先サーバ情報、212・・・アシスト情報生成プログラム、214・・・衛星情報有効性判断プログラム、216・・キャッシュ情報更新プログラム、222・・・キャッシュ無効情報送信プログラム、320・・・NWキャッシュ情報更新プログラム、314・・・端末キャッシュ情報更新プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星情報生成手段を有する衛星基地局と、
前記衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置と、
前記測位補助情報提供装置と、通信を仲介する仲介装置を介して通信可能な複数の端末装置と、
を有する衛星情報更新システムであって、
前記測位補助情報提供装置は、
前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、
前記衛星情報を格納する衛星情報格納手段と、
前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する補助情報生成手段と、
前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断手段と、
前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新手段と、
前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成手段と、
前記測位補助情報及び前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置を示す提供対象端末情報を格納する提供対象端末情報格納手段と、
前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記測位補助情報を送信するための測位補助情報送信手段と、
前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信するための衛星情報更新必要情報送信手段と、
を有し、
前記仲介装置は、
前記測位補助情報提供装置から取得した前記測位補助情報に含まれる前記衛星情報を格納するための仲介装置側衛星情報格納手段と、
前記測位補助情報提供装置から取得した前記衛星情報更新必要情報に基づいて、前記仲介装置側衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する仲介装置側衛星情報更新手段と、
前記測位補助情報の提供の仲介対象である複数の前記端末装置である仲介対象端末装置を示す仲介対象端末情報を格納する仲介対象端末情報格納手段と、
前記仲介対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記測位補助情報提供装置から受信した前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信手段と、
前記仲介対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記測位補助情報提供装置から受信した前記衛星情報更新必要情報を送信する仲介装置側衛星情報更新必要情報送信手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記測位補助情報提供装置から、前記仲介装置を介して取得した前記測位補助情報に含まれる前記衛星情報を格納する端末側衛星情報格納手段と、
前記測位補助情報提供装置から、前記仲介装置を介して取得した前記衛星情報更新必要情報に基づいて、前記端末側衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する端末側衛星情報更新手段と、
を有することを特徴とする衛星情報更新システム。
【請求項2】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星情報生成手段を有する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置であって、
前記測位補助情報提供装置は、
前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得手段と、
前記衛星情報を格納する衛星情報格納手段と、
前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する補助情報生成手段と、
前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断手段と、
前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新手段と、
前記衛星情報更新必要性判断手段の判断結果に基いて、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成手段と、
前記測位補助情報及び前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置を示す提供対象端末情報を格納する提供対象端末情報格納手段と、
前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信するための測位補助情報送信手段と、
前記提供対象端末情報に示される前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信するための衛星情報更新必要情報送信手段と、
を有することを特徴とする測位補助情報提供装置。
【請求項3】
前記衛星情報更新必要性判断手段は、前記衛星情報の全部又は一部が無効であるか否かを判断する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の測位補助情報提供装置。
【請求項4】
前記衛星基地局が前記位置情報衛星から前記位置関連信号を受信し得る受信可能領域を示す受信可能領域情報を格納する受信可能領域情報格納手段と、
前記位置情報衛星が前記受信可能領域に位置するか否かを判断する受信可能領域内外判断手段と、
を有し、
前記衛星情報更新必要性判断手段は、前記衛星基地局から、前記衛星基地局に対応する前記受信可能領域に存在する前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなったときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の測位補助情報提供装置。
【請求項5】
前記衛星情報更新必要性判断手段は、複数の前記衛星基地局のいずれからも前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報を受信できなくなったときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっていることを特徴とする請求項4に記載の測位補助情報提供装置。
【請求項6】
前記衛星情報更新必要性判断手段は、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が許容可能時間範囲内に受信できないときに、前記位置情報衛星に対応する前記衛星情報が無効であると判断する構成となっていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の測位補助情報提供装置。
【請求項7】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置が、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を格納する衛星情報格納ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する測位補助情報生成ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記測位補助情報を提供する対象である複数の端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成ステップと、
前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信する衛星情報更新必要情報送信ステップと、
を有することを特徴とする測位補助情報提供装置の制御方法。
【請求項8】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置が、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を格納する衛星情報格納ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する測位補助情報生成ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記測位補助情報を提供する対象である複数の端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成ステップと、
前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信する衛星情報更新必要情報送信ステップと、
を実行させることを特徴とする測位補助情報提供装置の制御プログラム。
【請求項9】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて衛星情報を生成する衛星基地局と通信可能な測位補助情報提供装置が、前記衛星基地局から前記衛星情報を取得する衛星情報取得ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を格納する衛星情報格納ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報を含む測位補助情報を生成する測位補助情報生成ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記測位補助情報を提供する対象である複数の端末装置に対して、通信を仲介する仲介装置を介して前記測位補助情報を送信する測位補助情報送信ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報の更新必要性を判断する衛星情報更新必要性判断ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報格納手段に格納した前記衛星情報を更新する衛星情報更新ステップと、
前記測位補助情報提供装置が、前記衛星情報更新必要性判断ステップにおいて前記衛星情報の更新が必要であると判断したときに、前記衛星情報の更新が必要であることを示す衛星情報更新必要情報を生成する衛星情報更新必要情報生成ステップと、
前記衛星情報更新必要情報を提供する対象である複数の前記端末装置に対して、前記仲介装置を介して前記衛星情報更新必要情報を送信する衛星情報更新必要情報送信ステップと、
を実行させることを特徴とする測位補助情報提供装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−29914(P2006−29914A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207348(P2004−207348)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】