説明

衣服を生産するための方法

衣服(1;50)を生産するための方法は、衣服(1;50)を形成することが意図されるとともに繊維被覆(5;52)を各々有する1つ以上のパッドが設けられた半製品ピースを編成する作業と、パッドが設けられた半製品ピースに規定のパターンに従ってキルティングを施す作業と、パッドが設けられた半製品ピースに不規則ゾーンを形成する作業とを含む。特に、半製品ピースに不規則ゾーンを形成する作業は、半製品ピースの繊維被覆(5;52)を装飾するまたは仕上げるために、色(6;53)、画像(7)、および/またはその他をパッドが設けられキルティングが施された半製品ピースの繊維被覆(5;52)に適用することにより、パッドが設けられた半製品ピースのキルティングゾーン(54)に対応して色保護領域を画定する作業にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純粋な例として、パッドが設けられキルティングが施されたジャケットなどの衣服を生産するための方法に関わる。
【0002】
また、本明細書に記載の発明は、前述の生産方法により得られる衣服にも言及する。
【背景技術】
【0003】
既知のように、現在市販されているある種類の衣服は、パッドが繊維被覆自体の間に封入されるように、それぞれの周辺縁においてキルティング作業により接合された2つの繊維被覆が設けられた、例えば異なる品質の合成またはダウンもしくはダックのフェザーを有するパッドが設けられた本体を含む。
【0004】
さらに、繊維被覆は、被覆の側面上、従って上述の周辺縁の内側に画定された、均等に離間され互いに実質的に平行な複数のシームラインにおいて適用されたキルティングにより結合されている。
【0005】
これらのキルティングのシームラインにより、衣服について、例えばフェザーのパッドが設けられ、丸いゾーンにより特色付けられ、ステッチにより形成された凹状ストリップにより互い違いになった、着用されるジャケットの古典的な構成が決定される。
【0006】
現在の方法によるこのカテゴリーの衣服の製造は、本検討に影響を与える本質的な特徴において、まず、典型的には仕立てにおいて衣服、例えばショルダーウェアを構成することが意図されるとともにポリアミド(例えば、Nylon(登録商標))またはポリエステルなどの繊維被覆を有する1つ以上のパッドが設けられた半製品ピースを編成するステップを提供する。
【0007】
当の衣服を製造する既知の種類の手法は、さらに、繊維被覆自体を装飾するまたは仕上げるために、パッドが設けられた半製品ピースの繊維被覆に色、画像、図画、および/またはその他を適用するステップを提供する。
【0008】
繊維被覆にいずれかの装飾的画像の色を適用する段階に続き、現在の手法は、パッドが設けられた半製品ピースにキルティング作業を実行するステップを含み、かかるステップが終了すると、最終的な衣服が得られる。
【0009】
上で簡単に説明した生産手法により、幅広い顧客のニーズに合うことが可能な、様々な完全に表面的に均質な色および仕上がりを有するパッドが設けられキルティングが施された衣服を得ることが可能である。
【0010】
しかし、かかるパッドが設けられキルティングが施された衣服の生産に関して、いくつかの否定できない著しい限界が残っている。
【0011】
検討中の従来技術の第1の限界は、衣服を生産するために行わなければならない作業の前述の典型的な順序、特に、半製品ピースの繊維被覆に装飾または表面仕上げを行う作業の後にキルティング作業が続く、という事実に関するものである。
【0012】
実際、これらの作業は生産者の工場で行われるため、かかる方法は、生産者が、所与の衣服に結合される色および/または装飾について、より一般的には、最終製品の最終的な外観がどのようなものであるかについて多くのことを、予め、キルティング作業、表面仕上げを行う前に知っておくことを義務付けている。
【0013】
このため、一方では準備時間の過度の拡大、他方では生産効率の低下を意味するこの明らかな欠点により、現在、生産者は、自らの顧客の、ある数量の、特定の仕事注文についてのみ取り扱っている。
【0014】
当の従来技術の第2の限界は、得られる美的効果の範囲が、どれほど広かろうとも、特定の顧客の要請に対して生産者が用いる色、描写、写真、画像、その他に絶対的かつ明確に依存し、現在のところはどのようにしても広げることができない、という事実に由来するものである。
【0015】
換言すれば、所与の装飾により衣服に与えられ得る美的効果は、独特かつはっきりしたものであり、どれほど小さくとも、生産上の限界を表すものであり、このことは、生産者の競合相手に対する競争上の利点に鑑みて市場において生産者を明らかに区別することが可能な新型の衣類について提案するという施策に係る生産者の作業を妨げる。
【0016】
本発明は、上述の従来技術の限界を克服しようとするものである。
【0017】
特に、本発明の主な目的は、従来技術よりも大きい作業上の自由を製造者に与えることができる、衣服を生産するための方法を開発することである。
【0018】
換言すれば、本発明の主たる目的は、衣服自体にキルティングを施す前に最終製品に要求される最終的な仕上がりがどのようなものであるかを知る必要性から製造者を解放する衣服を生産するための方法を実行することである。
【0019】
かかる目的において、本発明の課題は、既知の種類の相当する方法と比較して、顧客への納期を短縮し、同時に生産効率を向上させることを可能にする衣服を生産するための方法を利用可能にすることである。
【0020】
本発明のさらなる課題は、既知の種類の手法により提供されるものよりも幅広い、質と量との両面における種々の要求を満たすことが可能な作業上の柔軟性を達成することを可能にする衣服を生産するための方法を実行することである。
【0021】
本発明の第2の目的は、同じ衣服に関連付けることが可能な美的効果の範囲を現在達成されているものよりも広げる衣服を生産するための方法を提供することである。
【0022】
この第2の目的に対する帰結として、本明細書に記載の発明のさらなる目的は、非常に精密かつ正確の彩色、画像および/またはその他を用いて達成することが可能な美的効果の範囲を従来技術と比較して広げることが可能な衣服を生産するための方法を実行することである。
【0023】
本発明の最後だが重要な目的は、現在市場で利用可能な衣服を製造する手法および装置により作動させることが可能な衣服を生産するための方法を考案することである。
【0024】
前記目的は、以下で簡潔に言及する付帯の請求項1による衣服を生産するための方法により達成される。
【0025】
本発明の方法の詳細のさらなる応用的特徴は、それぞれの従属請求項に含まれている。
【0026】
特有の構成的特徴が関係する独立請求項10において概説されている衣服も、解説を単純にするためにやはり以下で言及するように、本発明の不可欠な部分を形成している。
【0027】
本発明の衣服の詳細の他の技術的特徴は、従属請求項11に含まれている。
【0028】
有利には、本発明の方法は、相当する既知の技術と比較して、パッドが設けられキルティングが施された衣服に関連付けられた美的効果の範囲、ならびにはっきりした精密な色、画像、図形、図画、写真などを用いることにより得ることが可能な美的効果の多様性を広げることを可能にする。
【0029】
さらに有利には、本発明の方法は、新しい精巧な生産設備への相当な投資を必要とすることなく、既存の設備で実行することが可能である。
【0030】
等しく有利には、本発明の方法の目的は、色および/または他のいずれかの装飾的要素を適用する段階の前にキルティングを施す段階を提供することにより、製造者が、衣服が最終的な外観を呈する瞬間を、相当する既知の手順に対して遅らせることを可能にする。
【0031】
これにより、市場のニーズに対する製造者の応答能力にまったく影響を与えることなく、最終製品の顧客への納期が改善される。
【0032】
加えて、有利には、本発明の方法は、製造者が、バージョン毎に製造することが可能な最終品の最小数として理解される生産バッチの柔軟性を増加させ、従って、市場における最新のトレンドおよび単一の衣服をカスタマイズする要求を素早く満たすことを可能にする。
【0033】
前記の目的および利点、ならびに後にさらに強調されるその他の目的および利点は、下記の添付図面を参照して例示的および指示的であるが限定的でない例によりなされ、ともに本発明の目的である方法の好適な実施形態と衣服の好適な実施形態とに関する後続の説明からさらに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の生産方法で得られる本発明の衣服の前面図である。
【図2】図2は、図1の衣服の後面図である。
【図3】図3は、本発明の衣服の別の実施形態の切断部分アソノメトリック(assonometric)投影図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
可能な実施形態の1つにおける本発明の衣服を図1および図2に示し、図中、かかる衣服の全体を1で表し、この場合、見て取れるように、通常若者により着用されるファッションジャケットで構成される。
【0036】
観測することが可能であるように、衣服1は、この場合、3つのパッドが設けられキルティングが施された本体2、3、4を備え、かかる本体の各々は、任意におよび/または顧客の要求により選定された色6で仕上げられた、例えば合成の繊維被覆5が設けられている。
【0037】
特に、パッドが設けられた本体2は、胸部を表す一方、パッドが設けられた本体3および4は、ジャケットのそれぞれの袖を表す。
【0038】
また、衣服1を形成する様々なパッドが設けられた本体2、3、4は、それ自体当業者に既知の種類の、例えばシームコードである、全体として8で示す統合手段により互いに結合されている。
【0039】
また、2で示すパッドが設けられキルティングが施された本体のみの繊維被覆5には、前面5a上に、様々なモチーフおよび構成の、全体的に7で示す一連の画像が設けられている。
【0040】
しかし、本発明の他の実施形態(後続の図面におい図示せず)において、衣服のパッドが設けられた本体全ての繊維被覆が、彩色に加えて、少なくとも1つの装飾的画像を提供し得ることが理解されよう。
【0041】
しかし、参照図面を伴わないが、衣服のパッドが設けられた本体の各々の繊維被覆が、代替として、色、画像、または同様の装飾的要素を有さない本発明の実施形態も存在し得る。
【0042】
本発明によれば、パッドが設けられた本体2、3、4の色および画像は、不規則であり、不均一であり、および一様でないトレンドを呈する。
【0043】
この特定の場合、基本的に、パッドが設けられた本体2、3、4は色がないと想定されるため、それらに関係する彩色は、キルティングゾーン9において欠落しており、真の色の「保護領域」となっている。
【0044】
図3は、本発明の別の実施形態を示し、全体を50で示す衣服が、接合手段(不可視)によりキルティングエリア54においてパッドが設けられた本体51と結合された装飾的層状ストリップ55も含むという点で図1および図2に示し先に説明したものと異なる。
【0045】
装飾的層状ストリップ55は、パッドが設けられた本体51自体の繊維被覆52の色53と異なる色56を呈する。
【0046】
上述の接合手段は、それ自体当業者に既知の種類のものであり、例えば、適当な粘着性物質またはステッチを含む。
【0047】
本発明の目的であり図1および図2に示す衣服1を生産するための方法は、以下の作業を含む:
−衣服1を形成するように設計されるとともに繊維被覆5を各々有する3つのパッドが設けられた半製品ピースを編成する作業;
−かかるパッドが設けられた半製品ピースに規定のパターンに従ってキルティングを施す作業;
−パッドが設けられキルティングが施された半製品ピースに不規則ゾーンを形成する作業。
【0048】
本発明によれば、半製品ピースに不規則ゾーンを形成する作業は、半製品ピースの繊維被覆5を装飾するまたは仕上げるために、色6、画像7、および/またはその他をパッドが設けられキルティングが施された半製品ピースの繊維被覆5に適用することにより、パッドが設けられた半製品ピースのキルティングゾーンにおいて色保護領域を画定する作業にある。
【0049】
換言すれば、本発明の方法の主な特色は、半製品ピースにおける不規則ゾーンが、半製品ピースの繊維被覆5を装飾するまたは仕上げるために、色6、画像7、および/またはその他をパッドが設けられキルティングが施された半製品ピースの繊維被覆5に適用する作業により自然発生的に形成されるとともにかかる作業に直接由来する、という事実を表す(stands I)ものである。このため、その点において、色6、画像7および/またはその他を適用する作業自体により、パッドが設けられた半製品ピースのキルティングゾーンにおいて色保護領域が画定される。
【0050】
これは、半製品ピースにキルティングを施す作業が、半製品ピースを編成する作業の後、色6および画像7を半製品ピースに適用する作業の前に行われるためである。
【0051】
キルティング作業の最後に、最終製品として理解される衣服1が最終的に得られる。
【0052】
特に、色6、画像7、および/またはその他を繊維被覆5に適用する作業は、色6、画像7、および/またはその他を、色6、画像7、および/またはその他自体を含む、不可視で例えば紙製の層状支持シートから繊維被覆5に昇華印刷により転写する作業にある。
【0053】
好ましくは、昇華印刷作業は、パッドが設けられた半製品ピースの繊維被覆5の各々の互いに対向する両側面5a、5bに押し付けることにより作用するプレス機により行われる。
【0054】
本発明の方法の他の適用例では、プレス機が、まず繊維被覆の側面に押し付け、続いてパッドが設けられた半製品ピースをひっくり返した後に反対側の側面に押し付けることにより作用し得る。
【0055】
昇華印刷作業は、用いられる材料によって実質的に180℃〜210℃の温度で、実質的に20〜50秒の間行われることが好ましいが、そうである必要はない。
【0056】
半製品ピースの繊維被覆5は、合成繊維、例えばnylon(登録商標)などのポリアミドまたはポリエステルである。
【0057】
通常は衣服を形成する仕立て部品の1つを各々が構成する半製品ピースに、代わりに、ダウンフェザー、プルームフェザー、ダックフェザー、合成フェザー、および/またはそれらの適切な組み合わせから選択された材料のいずれかのパッドが設けられてもよい。
【0058】
衣服1を生産する方法に関してこれまで述べてきたことは、衣服50を生産する方法についても有効かつ適用可能であることが理解される。
【0059】
しかし、衣服50を生産するための方法は、加えて、図3に示すパッドが設けられた半製品ピースの(色、画像および/またはその他を適用する作業の完了後、「保護領域」と言及される)キルティングエリア54において、繊維被覆52に転写された色53と異なる色56を有する装飾的層状ストリップ55を結合する作業を含む。
【0060】
特に、層状ストリップ55を半製品ピースに結合する作業は、パッドが設けられた本体51にキルティングを施す作業の後、作業上の選定によって色53を前述の繊維被覆52に適用する作業の前または後に行われる。
【0061】
このため、上記に基づき、ともに本発明の目的である衣服を生産するための方法と衣服自体とは、目的に到達するとともに上述の利点を達成することが理解される。
【0062】
この場合、本発明の方法は、所与の種類の色、画像、写真、図画などを、パッドが設けられ少なくとも部分的にキルティングが施された衣服に適用することにより、分野において今や唯一行われている方法で、伝統的に得られる結果に対して、驚くべき方法で、衣服の美的効果の範囲を広げることを可能にする。
【0063】
本発明に組み合わせられた新たな驚くべき結果は、色、画像、および/またはその他を適用する作業が、衣服を特色付けるパッドが設けられた本体にキルティングが施されてから行われる、という事実に由来する。これにより、実際、色または画像がキルティングエリアに入り込みことが防止され、真の色の「保護領域」となる。
【0064】
このため、これらのキルティングエリアは、それらが作製されている白色または黄色などの元々の色、または色、画像、および/またはその他を適用する前に接合手段によりを堅固に結合された装飾的層状ストリップの色を保持する。
【0065】
例えば、キルティング作業を、衣服を形成し得るパッドが設けられた半製品ピースの1つまたはいくつかのみに影響させるなど、実行段階において、本発明の方法に変更を行うことも可能である。
【0066】
いくつかの場合において、色を適用する作業も、当のパッドが設けられた半製品ピースの1つまたは少なくともいくつかのみの繊維被覆に影響させることも可能である。
【0067】
上述の本発明の方法の両方の適用例の結果として、キルティングエリアにおける真の色の保護領域により特色付けられた不規則ゾーンを、1から始まり任意の数の、添付の図面に示すものとは異なる数のパッドが設けられた半製品ピースの繊維被覆に影響させることも可能である。
【0068】
加えて、本発明の方法の他の適用例は、前述のものと異なる数のパッドが設けられた半製品ピースを編成するステップを提供することも可能である。
【0069】
その上、他の実施形態において、本発明の衣服は、1から始まり任意の数の、後続の図面に示すものとは異なる数のパッドが設けられキルティングが施された本体を備え得る。例えば、パッドが設けられた本体が単一の場合、本発明の衣服は、パッドが設けられたウエストコートを表し得る。
【0070】
さらに、他の実施形態(図示せず)において、本発明の衣服は、複数のパッドが設けられた本体を含むことができ、かかるパッドが設けられた本体の1つまたはいくつかはすべてキルティングが施されているとは限らない。
【0071】
本明細書において請求する衣服の他の実施形態(図示せず)において、1つ以上のパッドが設けられた本体の繊維被覆は、最も多様かつ所望される美的効果を引き起こすために、様々に混合されるとともに互いに構成し合う一群の色を呈することができ、本発明によりもたらされる利点に影響を与えない。
【0072】
また、衣服のパッドが設けられキルティングが施された本体は、最終的な外観によって、無色であることも、任意の色も呈することもできることを強調しておく。
【0073】
本発明の衣服は、添付の図面の助けにより、純粋に例示的な名称により説明したラケットと異なる、人により着用されるかまたはいずれかのやり方で携行されることが可能な、任意の衣類および/または装身具によっても構成され得ることを、最後に厳密に述べておく。本発明の分野に含まれるかかるキルティングが施された衣類または装身具の中には、ハンドバック、帽子、スカーフ、靴などがある。
【0074】
本発明の実用的実行例において、説明された詳細の材料、形状、およびサイズを必要に応じて変更すること、および他の技術的に相当するもので置換することが可能であることが明らかであるため、本明細書に記載の発明的観念に内在する新規の原則から逸脱することなく、当の生産方法および衣服に他の多くの変更を行ってもよいことは明らかである。
【0075】
後続の請求項において述べる構成的特徴および手法には、参照番号または符号が続いているが、それらの参照符号は、請求項自体の理解し易さを増加させることのみを目的として導入されているため、これらの参照符号により例示のみのために識別される各要素の解釈を限定する効果を有するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服(1;50)を生産するための方法において:
−前記衣服(1;50)を形成することが意図されるとともに繊維被覆(5;52)を各々有する1つ以上のパッドが設けられた半製品ピースを編成する作業と;
−前記パッドが設けられた半製品ピースの少なくとも1つに規定のパターンに従ってキルティングを施す作業と;
−前記パッドが設けられキルティングが施された半製品ピースの少なくとも1つに不規則ゾーンを形成する作業と;を含み、
前記半製品ピースの少なくとも1つに前記不規則ゾーンを形成する前記作業は、前記半製品ピースの前記繊維被覆(5;52)を装飾するまたは仕上げるために、少なくとも1つの色(6;53)、画像(7)、および/またはその他を前記パッドが設けられキルティングが施された半製品ピースの少なくとも1つの前記繊維被覆(5;52)に適用することにより、前記パッドが設けられた半製品ピースの少なくとも1つのキルティングゾーン(54)の少なくとも1つに対応する色保護領域を画定することにあることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記半製品ピースの少なくとも1つにキルティングを施す前記作業は、前記パッドが設けられた半製品ピースを編成する前記作業の後において、前記色(6;53)、前記画像(7)、および/またはその他を前記半製品ピースに適用する前記作業の前に行われることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記色(6;53)、画像(7)、および/またはその他を前記繊維被覆(5;52)に適用する前記作業は、前記色(6;53)、画像(7)、および/またはその他を前記色(6;53)、画像(7)、および/またはその他を含む層状支持シートから前記繊維被覆(5;52)に昇華印刷により転写する作業で構成されていることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記昇華印刷作業は、前記パッドが設けられた半製品ピース(2、3、4;51)の少なくとも1つの前記繊維被覆(5;52)の互いに対向する側面(5a、5b)の少なくとも一方に押し付けることにより作用するプレス機により行われることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法において、前記昇華印刷作業は、用いられる材料によって実質的に180℃〜210℃の温度で、実質的に20〜50秒の間行われることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法において、前記パッドが設けられた半製品ピースの前記被覆(5、52)の前記繊維は、合成繊維であることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法において、前記半製品ピースの各々は、アイダーフェザー、ダックフェザー、アイダーダウン、合成フェザー、および/またはそれらの組み合わせで構成された群から選択されたいずれかの材料でパッドが設けられていることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法において、前記パッドが設けられた半製品ピース(2、3、4;51)は、前記衣服(1;50)の裁縫部を構成することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法において、前記パッドが設けられた半製品ピースの少なくとも1つの前記キルティングエリア(54)の少なくとも1つに対応して前記繊維被覆(51)に転写された前記色(53)、画像、および/またはその他と異なる彩色(56)を有する装飾的層状ストリップ(55)を結合させる作業を含み、前記層状ストリップ(55)を前記半製品ピースの少なくとも1つに結合させる前記作業は、前記半製品ピースの少なくとも1つにキルティングを施す前記作業の後、前記色(53)、画像、および/またはその他を前記繊維被覆(52)に適用する前記作業の前または後に行われることを特徴とする方法。
【請求項10】
少なくとも1つの色(6;53)、画像(7)、および/またはその他で仕上げられた繊維被覆(5;52)が設けられた1つ以上のパッドが設けられキルティングが施された本体(2、3、4;51)を備える衣服(1;50)において、前記パッドが設けられた本体(2、3、4;51)の少なくとも1つの前記色(6;53)、画像(7)、および/またはその他は、前記パッドが設けられた本体(2、3、4;51)の少なくとも1つのキルティングエリア(9;54)において不規則かつ不均一なトレンドを有することを特徴とする衣服(1;50)。
【請求項11】
請求項10に記載の衣服(50)において、前記パッドが設けられた本体(51)の前記繊維被覆(52)の前記色(53)と異なる彩色(56)を有するとともに前記パッドが設けられた本体(51)の少なくとも1つの前記キルティングエリア(54)において前記パッドが設けられた本体(51)の少なくとも1つに接合手段により結合された装飾的層状ストリップ(55)を備えることを特徴とする衣服(50)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2013−510959(P2013−510959A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538472(P2012−538472)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【国際出願番号】PCT/IT2010/000447
【国際公開番号】WO2011/058591
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(503093590)グロット ソチエタ ペル アツィオニ (1)
【Fターム(参考)】