説明

表示システム、および表示システムを制御する方法

【課題】残像により映像を表示でき外側の光を通すことができる表示システムを実現する。
【解決手段】表示システム(12,14)は、制御部(100,322)と、窓側に配置され第1の制御信号(PS_EN)に従って表示期間において点灯する複数の表示素子(P1-P16)を含む表示部(304,350)と、複数の表示素子を機械的に走査する走査駆動部(340)と、鏡側に配置され第2の制御信号(PS_S)に従って表示部の表示期間において表示部の表示素子に由来する光を遮断し、表示部の非表示期間において窓からの光を透過する光学的遮断装置(330)と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に、周期的な機械的な走査の間に点滅する表示素子の残像により映像を表示する表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の通常の表示器とは別にリア・ウィンドウ(後部窓)付近に設けた表示装置を用いて、自動車の運転中に、自己の自動車を割り込みさせてくれた他の自動車に謝意を表すメッセージを表示し、また後続の自動車にブレーキをかけていることを強調的に表すメッセージを表示することが、考えられている。
【0003】
直線状に配置された点滅するLEDのような複数の発光素子の1次元のアレイをその直線に垂直な方向に運動させることによって、光の残像効果によって、観察者にとって2次元映像として知覚されるような映像が表示される。この表示において、発光素子の時間的な点滅が、空間的な解像度として表現される。時間的な解像度が空間的な解像度を形成する。
【0004】
既知の表示装置は、単位列に配置された複数の発光素子からなる発光体と、この発光体を単位列と直交する方向に運動させる駆動手段と、その発光体の運動により生じる平面の所定位置におけるその発光素子の発光データを保持する記憶手段と、この記憶手段から単位毎にその発行素子の発光データを読み出し出力する処理手段と、この処理手段から出力された信号により発光素子を駆動させる点灯手段とを含んでいる。
【0005】
既知の映像表示装置は、画面上に表示した映像信号に同期させて左右眼の視界を開閉するようにしたシャッタ眼鏡と、N個の映像信号を同一の画面上に周期的に時分割で表示する表示手段と、その画面に表示されているN個の映像信号の内何れか一つを選択し、その選択された映像信号の周期に応じてそのシャッタ眼鏡を開閉する映像選択手段とを含む。それによって、1つの画面に大きさを損なわずに複数の映像を表示させ、複数の者が同時に別々の映像を見ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平 3−133486号公報
【特許文献2】特開平10−240212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常の表示装置を自動車のリア・ウィンドウ付近に配置すると、その表示装置によってドライバの後方の視野が狭くなる。また、自動車のリア・ウィンドウに透明材料のホログラム素子を配置すると、後方の視野を確保できるが、再生光の波長または入射角のずれによって表示メッセージの一部がドライバに見えて後方の視認が低下することがある。例えば夜間において外部が暗い状態でそのような視認性の低下が顕著になる。
【0008】
発明者たちは、周期的に機械的走査される点滅する表示素子の列の残像によりメッセージを表す映像を表示することによって、自動車のドライバの後方の視認性を確保しつつ、メッセージを表示することができる、と認識した。
【0009】
本発明の目的は、残像により映像を表示でき外側の光を通すことができる表示システムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態の一観点(特徴)によれば、表示システムは、制御部と、窓側に配置され、その制御部からの第1の制御信号に従って、表示期間において表示のために点灯する複数の表示素子を含む表示部と、その複数の表示素子が取り付けられて、その複数の表示素子を機械的に走査する走査駆動部と、鏡側に配置され、その制御部からの第2の制御信号に従って、その表示部のその表示期間においてその表示部のその表示素子に由来する光を遮断し、その表示部の非表示期間においてその窓からの光を透過する光学的遮断装置と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態の一観点によれば、残像により映像を表示でき外側の光を通すことができる表示システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施形態による、メッセージ表示システムの概略的構成の例を示している。
【図2A】図2Aは、図1のメッセージ表示システムの概略的なブロック図の例を示している。
【図2B】図2Bは、図1のメッセージ表示システムの別の概略的なブロック図の例を示している。
【図3】図3A〜3Cは、走査駆動部によって機械的に走査される表示体の回転運動、振り子運動または水平往復運動の例を示している。
【図4】図4は、図2Aの表示素子駆動部によって生成される、アドレス・イネーブル信号、アドレス信号、表示イネーブル信号、点灯信号およびシャッタ・パルス信号のタイミング・チャートの例を示している。
【図5】図5は、図2Aの表示素子駆動部によって生成される、アドレス・イネーブル信号、アドレス信号、表示イネーブル信号、点灯信号およびシャッタ・パルス信号の別のタイミング・チャートの例を示している。
【図6】図6は、図2Bの表示素子駆動部によって生成される、アドレス・イネーブル信号、アドレス信号、表示イネーブル信号、点灯信号およびシャッタ・パルス信号のさらに別のタイミング・チャートの例を示している。
【図7】図7Aおよび7Bは、図2Aの表示システムにおける、図4のタイムチャートに従う、表示体の表示素子によるメッセージの残像表示のための点灯および消滅または色発光の例を示している。
【図8】図8Aおよび8Bは、図2Aの表示システムにおける、図4のタイムチャートに従う、点灯信号の例を示している。
【図9】図9Aおよび9Bは、図2Aの表示システムにおける、図5のタイムチャートに従う、表示体の表示素子によるメッセージの残像表示のための点灯および消滅または色発光の別の例を示している。図9Cは、表示体の非表示状態の例を示している。
【図10】図10Aおよび10Bは、図2Aの表示システムにおける、図5のタイムチャートに従う、点灯信号の別の例を示している。図10Cは、図9Cに対応し、点灯信号に対応する、表示体の表示素子の点灯停止状態にある時間における時間的なシーケンスの例を示している。
【図11】図11Aおよび11Bは、図2Bの表示システムにおける、図6のタイムチャートに従う、表示体の表示素子によるメッセージの残像表示のための点灯および消滅または色発光のさらに別の例を示している。図11Cは、表示体の非表示状態の例を示している。
【図12】図12Aおよび12Bは、図2Bの表示システムにおける、図6のタイムチャートに従う、点灯信号のさらに別の例を示している。図12Cは、図9Cに対応し、点灯信号に対応する、表示体の表示素子の点灯停止状態にある時間における時間的なシーケンスの例を示している。
【図13A】図13Aおよび13Bは、情報処理機器によって実行される、メッセージ表示のための制御のフローチャートの例を示している。
【図13B】(図13Aで説明)
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない。
【0014】
本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様のコンポーネントおよび素子には同じ参照番号が付されている。
【0015】
図1は、本発明の実施形態による、メッセージ表示システム12または14の概略的構成(configuration)の例を示している。
【0016】
図2Aは、図1のメッセージ表示システム12の概略的なブロック図の例を示している。
図2Bは、図1のメッセージ表示システム14の別の概略的なブロック図の例を示している。
【0017】
図1、2Aおよび2Bを参照すると、メッセージ表示システム12または14は、特に自動車2に適したものであり、例えば液晶シャッタ装置のようなシャッタ装置330と、走査駆動部340と、走査駆動部340に取り付けられた表示部材または表示体350とを含んでいる。メッセージ表示システム12または14は、さらに、任意に外部照度検出用の照度センサ120を含んでいてもよい。
【0018】
表示部材350は、例えば不透明なプリント回路板(PCB)上に、例えば線状に配置された複数の表示素子または発光素子P1〜P16の列を含んでいる。表示素子P1〜P16は、例えばLED素子、有機EL素子または豆電球であってもよい。表示部材350の表示素子の数は、16個に限定されることなく、任意の数であってよい。各表示素子P1〜P16は、単色の表示素子であっても、例えば3原色(R,G,B)のような複数色の表示素子であってもよい。表示部材350は、走査駆動部340に取り付けられて、自動車2のリア・ウィンドウ30の内側に外に向けて配置される。表示部材350は、走査駆動部340によって表示部材350の表示素子列(の長手方向)に概ね垂直な方向に周期的に機械的に走査される。表示部材350は、走査駆動部340による表示部材350の回転運動、振り子運動または往復運動の軌跡の法線方向に配置されてもよい。
【0019】
シャッタ装置330は、ルーム・ミラー40の前側(反射面側)に配置されている。液晶シャッタ装置は、印加電圧に応じて、光学的な散乱状態と透過状態の2つの状態を取る。液晶シャッタ装置は、例えば電圧の印可と非印加に応じて透過状態と不透過状態をとる日本板硝子製ウムフィルム(調光ガラス)を用いてもよい。シャッタ装置330は、例えば、高速液晶シャッタ装置であってもよい。
【0020】
メッセージ表示システム12は、さらに、表示メッセージの選択のための情報処理機器200、および表示部材350の各表示素子P1〜P16を駆動するための表示素子駆動部または表示駆動部300を含んでいる。要素200、300、330、340および350は、電源(図示せず)から供給電力を受け取る。表示素子駆動部300は、情報処理機器200に組み込まれていてもよい。情報処理機器200は、パーソナル・コンピュータ、またはカー・ナビゲーション・システムであってもよい。
【0021】
情報処理機器200は、操作キーを含む入力装置110および表示装置112を含んでいる。情報処理機器200は、ユーザまたはドライバによる入力装置110の操作OPによって入力された入力情報に従って、表示素子駆動部300に所望のメッセージを含む情報を供給する。情報処理機器200は、その入力情報に従って、表示素子駆動部300、走査駆動部340およびシャッタ装置330に制御信号CTL(例えば、オン・オフ)を供給する。情報処理機器200は、その入力情報に従って、さらに照度センサ120の照度の大きさに応じて、表示素子駆動部300およびシャッタ装置330に制御信号CTLを供給してもよい。
【0022】
走査駆動部340は、モータを含んでいて、表示部材350を、その表示素子P1〜P16の列に概ね垂直な走査方向に回転運動、振り子運動(スウィング)または往復運動させる。走査駆動部340は、モータの回転運動を直線的な水平往復運動に変換するカム機構を含んでいてもよい。
【0023】
走査駆動部340は、表示範囲または表示走査範囲の開始位置を表す基準位置信号SPを表示素子駆動部300に供給する。表示素子駆動部300は、基準位置信号SPに同期的に、または基準位置信号SPとは非同期または独立に、表示部材350の表示素子P1〜P16をオン・オフ制御および/またはカラー制御するための点灯信号PS_VSを生成する。表示素子P1〜P16は、点灯信号PS_VSに従ってオンまたはオフされて発光(点灯)または消灯を行う。点灯信号PS_VSは、複数(例えば16個)の表示素子P1〜P16に対する並列な複数m個(例えば16個)のパルス・シーケンスを含んでいてもよい。各パルス・シーケンスは、時間軸上の複数n個(例えば128個)の一連のパルスを含んでいる。表示素子P1〜P16の各々が複数色の表示素子の組である場合、点灯信号PS_VSは、表示素子P1〜P16の各々に対して複数色を表す1組の(複数の)または単一のパルス・シーケンスであってもよい。点灯信号PS_VSは、例えば単色表示に対して16本または3色表示に対して48本といった、複数の信号線を含むケーブルを介して表示部材350に供給されてもよい。
【0024】
表示部材350の表示素子P1〜P16は、走査駆動部340による表示部材350の回転運動、振り子運動または水平往復運動とともに、表示素子駆動部300からの点灯信号PS_VSに従って点滅して、表示範囲において表示メッセージを表す空間的残像を形成する。表示部材350の横方向の走査レート(周波数)は、例えば毎秒4〜20走査(走査周期0.05秒〜0.25秒)の範囲内の或る走査レートであってもよい。
【0025】
表示素子駆動部300は、さらに、基準位置信号SPに同期的に、または基準位置信号SPと非同期的または独立に、点灯信号PS_VSの発生期間においてシャッタ・パルス信号PS_Sを生成してシャッタ装置330に供給し、シャッタ装置330を閉状態にする。
【0026】
シャッタ装置330は、シャッタ・パルス信号PS_Sに応答して、表示部材350の非発光時にリア・ウィンドウ30を透過したルーム・ミラー40への外側の光または景色を透過する。それによって、ドライバは、リア・ウィンドウ30の外側の景色を見ることができる。
【0027】
一方、表示部材350の発光時において、発光素子P1〜P8からの光の一部は発光体350から漏れ、またはリア・ウィンドウ30によって反射される。その漏光または反射光は、ドライバにとって眩しく感じられ、発光素子P1〜P8の発光期間および直後の非発光期間におけるリア・ウィンドウ30の外側の景色を見にくくすることがある。シャッタ装置330は、シャッタ・パルス信号PS_Sに応答して、表示部材350の発光時に表示部材350の光に由来する反射光または漏光のルーム・ミラー40への入射を遮断する。それによって、リア・ウィンドウ30を通した後方の景色に対するドライバの可視性を妨害しないようにすることができる。
【0028】
情報処理機器200は、状態信号STを受け取って、それに応じて表示素子駆動部300およびシャッタ装置330用の制御信号CTLを生成してもよい。状態信号STは、自動車2の動作状態、例えば、エンジン・キーの挿脱、エンジンの起動/停止、自動車2の加速/減速、ブレーキの動作、ハンドル操作、方向指示器の動作、等の状態を表す信号である。
【0029】
図2Aおよび2Bにおいて、情報処理機器200は、制御部100、入力装置110、表示装置112、メモリ202、およびメッセージ生成部204を含んでいる。メモリ202は、プログラム記憶領域、データ記憶領域、および表示情報記憶領域を含んでいる。制御部100は、プロセッサまたはマイクロコンピュータであってもよい。制御部100の制御機能は、ハードウェアとして集積回路の形態で実装されても、メモリ202に格納されるプログラムの形態で実装されていてもよい。この場合、制御部100は、メモリ202に格納されるプログラムに従って動作する。
【0030】
制御部100は、ユーザによって入力装置110を介して入力または選択された表示メッセージに関する入力情報を、メモリ202のメッセージ記憶領域に格納し、メッセージ生成部204に供給する。制御部100は、入力情報に従って、制御信号CTLとしてメッセージ選択情報をメッセージ生成部204に供給してもよい。代替的におよび/または追加的に、制御部100は、状態信号STに従って、制御信号CTLとしてメッセージ選択情報をメッセージ生成部204に供給してもよい。
【0031】
メッセージ生成部204は、制御部100の制御の下で、メッセージMを含む情報をメモリ202のメッセージ記憶領域に格納しおよび/またはメモリ202のメッセージ記憶領域から表示メッセージMを取り出し、そのメッセージMを含む情報を表示素子駆動部300に供給する。メッセージ生成部204は、指定または選択されたメッセージMを表す映像信号または表示データを生成する。メッセージ生成部204は、例えば、指定または選択された“ありがとう”、“急ブレーキ”、“渋滞中”、“右折”、“車間距離をあけて下さい”のようなメッセージを表す表示データを生成する。表示素子駆動部300は、その表示データによって表される例えばm行×n列または3m行×n列のマトリックスの点灯信号または点滅信号PS_VSを表示部材350に順次供給する。
【0032】
表示素子駆動部300は、表示残像映像の表示データまたは画素データに関する情報を格納するメモリ302、点灯信号生成部304、およびタイミング調整部または表示制御部322を含んでいる。タイミング調整部322は、発振器およびパルス生成回路(図示せず)を含んでいる。メモリ302はメモリ202の一部であってもよい。点灯信号生成部304はメッセージ生成部322の一部であってもよい。点灯信号生成部304は、表示部として表示部材350と一体化されていてもよい。点灯信号生成部304およびメッセージ生成部222は制御部100の一部であってもよい。タイミング調整部または表示制御部322は、メッセージ生成部204および/または制御部100の一部であってもよい。
【0033】
図2Aにおいて、表示素子駆動部300のタイミング調整部322は、走査駆動部340から基準位置信号SPを受け取る。基準位置信号SPは、走査駆動部340に設けられた回転角度位置検出器または表示部材30の接近または通過を検出する位置検出センサまたは近接センサ342によって生成されてもよい。
【0034】
タイミング調整部322は、基準位置信号SPに同期して、メモリ302に対するアドレス動作をイネーブルするためのアドレス・イネーブル信号ADR_ENを点灯信号生成部304に供給する。また、タイミング調整部322は、基準位置信号SPに同期して、メモリ302からアドレス指定された表示データの読み出しをイネーブルするための表示イネーブル信号PS_ENを点灯信号生成部304に供給する。アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENは、タイミング信号または制御信号として見ることもできる。
【0035】
代替形態として、タイミング調整部322は、基準位置信号SPに同期して、基準位置信号SPの発生周期より短い周期で(例えば、1/2周期、1/3周期)、点灯信号生成部304に表示イネーブル信号PS_ENを供給してもよい。この場合、それぞれの1つの走査周期において、複数文字を含むメッセージM全文を表示するための表示データの異なる一部だけがメモリ302から読み出されて表示素子P1〜P16によって表示される。連続する複数h個の走査周期において、複数文字を含むメッセージM全文を表示するための表示データの全てがメモリ302から読み出されて表示素子P1〜P16によって表示される。従って、表示イネーブル信号PS_ENは、連続する複数の基準位置信号SPに対して、互いに異なる時間期間に高レベルHのパルスを有するシーケンスを有する。
【0036】
点灯信号生成部304は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENに応答して、メモリ302の表示データの読み出しアドレスADDRを順次生成し、指定された読み出しアドレスADDRの表示データをメモリ302から列単位で順次読み出す。点灯信号生成部304は、その表示データを点灯信号PS_VSとして表示部材350に供給する。表示データは、例えば、表示素子P1〜P16の各表示素子のオン・オフ状態(1、0)を表すものであってもよい。また、表示データは、例えば、表示素子P1〜P16の各表示素子の3色(R,G,B)のオン・オフ状態(1,0)の組み合わせ、例えば、緑(0,1,0)、赤(1,0,0)、黄(1,1,0)を表すものであってもよい。
【0037】
図2Bにおいて、表示素子駆動部300の点灯信号生成部304は、走査駆動部340から基準位置信号SPを受け取り、基準位置信号SPに同期してアドレス・イネーブル信号ADR_ENを内部で生成する。この場合、タイミング調整部322は、基準位置信号SPに非同期または独立に、基準位置信号SPの周期より短い周期で(例えば、1/2周期、1/3周期)、点灯信号生成部304に表示イネーブル信号PS_ENを供給してもよい。
【0038】
点灯信号生成部304は、内部発生のアドレス・イネーブル信号ADR_ENに応答して、メモリ302の表示データの読み出しアドレスADDRを順次生成する。点灯信号生成部304は、タイミング調整部322からの表示イネーブル信号PS_ENに応答して、指定された読み出しアドレスADDRの表示データをメモリ302から列単位で順次読み出す。点灯信号生成部304は、その表示データを点灯信号PS_VSとして表示部材350に供給する。
【0039】
点灯信号生成部304は、表示イネーブル信号PS_ENが高レベルHの間だけ、現在指定されているアドレスADDRの表示データをメモリ302から列単位で順次読み出す。従って、それぞれの1つの走査周期において、複数文字を含むメッセージM全文を表示するための表示データの異なる一部または部分的に重複する一部だけがメモリ302から読み出されて表示素子P1〜P16によって表示される。連続する複数h個の走査周期において、複数文字を含むメッセージM全文を表示するための表示データの全てがメモリ302から読み出されて表示素子P1〜P16によって表示される。従って、表示イネーブル信号PS_ENは、連続する複数の基準位置信号SPに対して、互いに異なるまたは互いに部分的に重複する時間期間に高レベルHのパルスを有するシーケンスを有する。
【0040】
図3A、3Bおよび3Cは、走査駆動部340によって機械的に走査される表示部材350の回転運動、振り子運動または水平往復運動の例を示している。
【0041】
図3Aにおいて、表示部材350は、円を描くように回転運動し、上側の位置における表示範囲において表示部材350が付勢される。例えば、奇数番目の回転走査期間において表示部材350が発光し、偶数番目の回転走査期間において表示部材350が発光しないようにしてもよい。代替形態として、例えば、連続する3回転中の最初の回転走査期間において表示部材350が発光し、3回転中の2番目と3番目の回転走査期間において表示部材350が発光しないようにしてもよい。例えば、奇数番目の回転走査期間において表示部材350が表示範囲中の或る角度範囲で発光し、偶数番目の回転走査期間において表示部材350が表示範囲中の別の角度範囲で発光するようにしてもよい。例えば、連続する3回転中の最初の回転走査期間において表示部材350が表示範囲中の或る角度範囲で発光し、3回転中の2番目の回転走査期間において表示部材350が表示範囲中の別の角度範囲で発光し、3回転中の3番目の回転走査期間において表示部材350が発光しないようにしてもよい。それによって、それぞれの角度範囲の部分映像が残像効果によって視覚的に合成されて、完全なメッセージの残像表示が形成される。
【0042】
図3Bにおいて、表示部材350は、表示範囲において扇または円弧を描くように往復または振り子運動する。図3Cにおいて、表示部材350は、表示範囲において長方形を描くように水平運動する。図3Bおよび3Cの場合、往路走査期間において表示部材350が発光し、復路期間では表示部材350が発光しないようにしてもよい。代替形態として、奇数番目の往路走査期間において表示部材350が発光し、全ての復路期間および偶数番目の往路期間では表示部材350が発光しないようにしてもよい。
【0043】
図3A〜3Cを参照すると、位置検出センサ342または走査駆動部340によって表示部材350が基準位置SPを通過したことが検出されてもよい。走査駆動部340は、その基準位置の検出信号SPを表示素子駆動部300に供給する。表示部材350の表示素子P1〜P16は、基準位置SPで表示を開始して、表示範囲において、複数m個の時間期間またはスロット(t1、t2、...)の各位置で、点灯信号PS_VSに対応する点灯および消滅または色発光を行ってもよい。
【0044】
図4は、図2Aの表示素子駆動部300によって生成される、アドレス・イネーブル信号ADR_EN、アドレス信号ADDR、表示イネーブル信号PS_EN、点灯信号PS_VS、およびシャッタ・パルス信号PS_Sのタイミング・チャートの例を示している。
【0045】
図4の左側を参照すると、複数h個毎の最初(例えば、奇数番目)の基準信号SPに同期して、タイミング調整部322は、表示範囲に対応する時間期間において、高レベルHのアドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを生成する。その間、タイミング調整部322は、シャッタ・パルス信号PS_Sを低レベルLに維持する。hの値は、例えば2または3であってもよい。点灯信号生成部304は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENに従って、1列単位でアドレスADDRのシーケンスを生成する。点灯信号生成部304は、表示イネーブル信号PS_ENに従って、アドレスADDRによって指定されたメモリ302における表示データのシーケンスを時間t1〜t22において順次読み出して点灯信号PS_VSとして表示素子P1〜P16に供給する。シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。
【0046】
次の基準信号SPまでの残りの期間において、タイミング調整部322は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを低レベルLに維持し、シャッタ・パルス信号PS_Sを高レベルHに維持する。従って、点灯信号生成部304は、表示データを供給しない。シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0047】
図4の右側を参照すると、複数h個毎の次の1つ(例えば、偶数番目)または2つの基準信号SPに同期して、タイミング調整部322は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを低レベルLに維持し、シャッタ・パルス信号PS_Sを高レベルHに維持する。従って、点灯信号生成部304は、表示データを供給しない。シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を透過する。
【0048】
図5は、図2Aの表示素子駆動部300によって生成される、アドレス・イネーブル信号ADR_EN、アドレス信号ADDR、表示イネーブル信号PS_EN、点灯信号PS_VS、およびシャッタ・パルス信号PS_Sの別のタイミング・チャートの例を示している。
【0049】
図5の左側を参照すると、複数h個毎の最初(例えば、奇数番目)の基準信号SPに同期して、タイミング調整部322は、表示範囲に対応する時間期間において高レベルHのアドレス・イネーブル信号ADR_ENを生成し、表示範囲における周期的な一部の時間期間において高レベルHの表示イネーブル信号PS_ENを生成する。表示範囲において表示イネーブル信号PS_ENが高レベルHの間、タイミング調整部322は、シャッタ・パルス信号PS_Sを低レベルLに維持する。
【0050】
点灯信号生成部304は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENに従って、1列単位でアドレスADDRのシーケンスを生成する。点灯信号生成部304は、表示イネーブル信号PS_ENに従って、アドレス信号ADDRによって指定されたメモリ302における表示データのシーケンスを時間t1〜t8およびt17〜t22において順次読み出して点灯信号PS_VSとして表示素子P1〜P16に供給する。
【0051】
シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。
【0052】
低レベルLの表示イネーブル信号PS_ENおよび次の基準信号SPまでの残りの期間において、タイミング調整部322は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを低レベルLに維持し、シャッタ・パルス信号PS_Sを高レベルHに維持する。従って、点灯信号生成部304は、表示データを供給しない。シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0053】
図5の右側を参照すると、複数h個毎の次の1つ(例えば、偶数番目)の基準信号SPに同期して、タイミング調整部322は、表示範囲に対応する時間期間において高レベルHのアドレス・イネーブル信号ADR_ENを生成し、表示範囲における周期的な別の一部の時間期間において高レベルHの表示イネーブル信号PS_ENを生成する。表示範囲において表示イネーブル信号PS_ENが高レベルHの間、タイミング調整部322は、シャッタ・パルス信号PS_Sを低レベルLに維持する。
【0054】
点灯信号生成部304は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENに従って、1列単位でアドレスADDRのシーケンスを生成する。点灯信号生成部304は、表示イネーブル信号PS_ENに従って、アドレス信号ADDRによって指定されたメモリ302における表示データのシーケンスを時間t9〜t16において順次読み出して点灯信号PS_VSとして表示素子P1〜P16に供給する。
【0055】
シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。
【0056】
低レベルLの表示イネーブル信号PS_ENおよび次の基準信号SPまでの残りの期間において、タイミング調整部322は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを低レベルLに維持し、シャッタ・パルス信号PS_Sを高レベルHに維持する。従って、点灯信号生成部304は、表示データを供給しない。シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0057】
図6は、図2Bの表示素子駆動部300によって生成される、アドレス・イネーブル信号ADR_EN、アドレス信号ADDR、表示イネーブル信号PS_EN、点灯信号PS_VS、およびシャッタ・パルス信号PS_Sのさらに別のタイミング・チャートの例を示している。
【0058】
図6の左側を参照すると、複数h個毎の最初(例えば、奇数番目)の基準信号SPに同期して、タイミング調整部322は、表示範囲に対応する時間期間において高レベルHのアドレス・イネーブル信号ADR_ENを生成する。一方、タイミング調整部322は、基準信号SPに非同期または独立に、表示範囲における周期的な一部の時間期間において高レベルHの表示イネーブル信号PS_ENを生成する。表示範囲において表示イネーブル信号PS_ENが高レベルHの間、タイミング調整部322は、シャッタ・パルス信号PS_Sを低レベルLに維持する。
【0059】
点灯信号生成部304は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENに従って、1列単位でアドレスADDRのシーケンスを生成する。点灯信号生成部304は、表示イネーブル信号PS_ENに従って、アドレス信号ADDRによって指定されたメモリ302における表示データのシーケンスを時間t2〜t9およびt18〜t22において順次読み出して点灯信号PS_VSとして表示素子P1〜P16に供給する。
【0060】
シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。
【0061】
低レベルLの表示イネーブル信号PS_ENおよび次の基準信号SPまでの残りの期間において、タイミング調整部322は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを低レベルLに維持し、シャッタ・パルス信号PS_Sを高レベルHに維持する。従って、点灯信号生成部304は、表示データを供給しない。シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0062】
図6の右側を参照すると、複数h個毎の次の1つ(例えば、偶数番目)の基準信号SPに同期して、タイミング調整部322は、表示範囲に対応する時間期間において、高レベルHのアドレス・イネーブル信号ADR_ENを生成する。一方、タイミング調整部322は、基準信号SPに非同期または独立に、表示範囲における周期的な別の一部の時間期間において、高レベルHの表示イネーブル信号PS_ENを生成する。表示範囲において表示イネーブル信号PS_ENが高レベルHの間、タイミング調整部322は、シャッタ・パルス信号PS_Sを低レベルLに維持する。
【0063】
点灯信号生成部304は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENに従って、1列単位でアドレスADDRのシーケンスを生成する。 点灯信号生成部304は、表示イネーブル信号PS_ENに従って、アドレス信号ADDRによって指定されたメモリ302における表示データのシーケンスを時間t1およびt10〜t17において順次読み出して表示素子P1〜P16に供給する。
【0064】
シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。
【0065】
低レベルLの表示イネーブル信号PS_ENおよび次の基準信号SPまでの残りの期間において、タイミング調整部322は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを低レベルLに維持し、シャッタ・パルス信号PS_Sを高レベルHに維持する。従って、点灯信号生成部304は、表示データを供給しない。シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0066】
図5および6において、上述の奇数番目と偶数番目のタイミング調整部322および点灯信号生成部304の動作を交互に繰り返してもよい。代替形態として、複数h(h≧3)個毎の連続する3つ以上の走査期間によって、表示範囲の全ての複数の部分が表示(カバー)されるようにしてもよい。
【0067】
図5および6において、追加形態として、複数h(h≧3)個毎の次の1つ(例えば、3個毎の3番目)の基準信号SPに同期して、タイミング調整部322は、アドレス・イネーブル信号ADR_ENおよび表示イネーブル信号PS_ENを低レベルLに維持し、シャッタ・パルス信号PS_Sを高レベルHに維持してもよい。この場合、点灯信号生成部304は、表示データ(PS_VS)を供給しない。シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を透過する。
【0068】
図7Aおよび7Bは、図2Aの表示システム12における、図4のタイムチャートに従う、表示部材350の表示素子P1〜P16によるメッセージの残像表示のための点灯および消滅または色発光の例を示している。この場合、表示素子P1〜P8によってメッセージ“HELLO”が残像表示される。図7Aおよび7Bにおいて、水平方向は機械的な回転または水平の走査方向を表し、垂直方向は表示部材350の列方向を表す。走査が振り子運動または回転運動の場合は、表示部材350の下方向は回転の中心の方向となる。
【0069】
図8Aおよび8Bは、図2Aの表示システム12における、図4のタイムチャートに従う、点灯信号PS_VSの例を示している。
【0070】
図7Aおよび8Aにおいて、表示素子P1〜P8の網点を施された○および矩形のパルスは、例えば無点灯または緑色発光を示し、斜線が施された○および矩形のパルスは、例えば点灯または赤色発光を示している。図7Bおよび8Bにおいて、空白の○および矩形のパルスは無点灯を示している。
【0071】
図7Aおよび8Aにおいて、発光素子P1〜P8は、走査駆動部340によるh個毎の最初または奇数回目の走査期間において点滅または点灯して表示を行う。例えば、時間t1において、発光素子P1〜P7は、点灯または赤色発光の状態を取り、発光素子P8は、無点灯または緑色発光の状態を取る。例えば、時間t2において、発光素子P1〜P3およびP5〜P8は、無点灯または緑色発光の状態を取る。発光素子P1〜P8からの光の一部は、発光体350から漏れ、またはリア・ウィンドウ30によって反射されることがある。その漏光または反射光は、ドライバにとって眩しく感じられ、発光素子P1〜P8の発光期間および直後の非発光期間におけるリア・ウィンドウ30の外側の景色の可視性を低下させる。
【0072】
図8Aに示されているように、走査期間における時間t1〜t22において、シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルL状態をとり、シャッタ装置330が閉じて、表示部材350の表示または発光時に表示部材350からの光に由来する反射光または漏光のルーム・ミラー40への入射を遮断する。
【0073】
図7Bにおいて、発光素子P1〜P8は、走査期間において完全に消灯し、それによって走査中であってもリア・ウィンドウ30の外側の景色がドライバにとって見えやすくなる。図8Bに示されているように、点灯信号PS_VSが低レベルLとなる走査期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルH状態をとり、シャッタ装置330が開いて、リア・ウィンドウ30を透過した外側の光または景色のルーム・ミラー40への入射を透過する。
【0074】
図7Aおよび図8Aの表示状態と図7Bおよび図8Bの非表示状態は交互に生じてもよい。代替形態として、図7Aおよび図8Aの表示状態と図7Bおよび図8Bの非表示状態がそれぞれ3回の走査周期毎に1回と2回の割合で周期的に生じてもよい。
【0075】
図9Aおよび9Bは、図2Aの表示システム12における、図5のタイムチャートに従う、表示部材350の表示素子P1〜P16によるメッセージの残像表示のための点灯および消滅または色発光の別の例を示している。図9Cは、表示部材350の非表示状態の例を示している。
【0076】
図10Aおよび10Bは、図2Aの表示システム12における、図5のタイムチャートに従う、点灯信号PS_VSの別の例を示している。図10Cは、図9Cに対応し、点灯信号PS_VSに対応する、表示部材350の表示素子P1〜P8の非点灯状態にある時間t1〜t22における時間的なシーケンスの例を示している。
【0077】
図10Aおよび10Bにおいて、破線の矩形パルスは、点灯信号PS_VSにおける表示素子P1〜P8用のパルスの不存在を示している。その破線のパルスは、メモリ302においてアドレス指定された表示データがあっても読み出されないかまたはその表示データが読み出されても点灯信号PS_VSとして表示部材350に供給されないことを示している。
【0078】
図9Aおよび10Aにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t1〜t8およびt17〜t22において点滅または点灯して表示を行う。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。
【0079】
図9Aおよび10Aにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t9〜t16において消灯する。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0080】
図9Bおよび10Bにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t9〜t16において点滅または点灯して表示を行う。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。図9Aおよび9Bにおける発光素子P1〜P8の異なる位置における発光の合成残像によってメッセージ“HELLO”が表示される。
【0081】
図9Bおよび10Bにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t1〜t8およびt17〜t22において消灯する。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0082】
図9Cおよび10Cは、図7Bおよび8Bに対応する。但し、図9Cおよび10Cの走査期間は設けなくてもよい。
【0083】
図11Aおよび11Bは、図2Bの表示システム14における、図6のタイムチャートに従う、表示部材350の表示素子P1〜P16によるメッセージの残像表示のための点灯および消滅または色発光のさらに別の例を示している。図11Cは、表示部材350の非表示状態の例を示している。
【0084】
図12Aおよび12Bは、図2Bの表示システム14における、図6のタイムチャートに従う、点灯信号PS_VSのさらに別の例を示している。図12Cは、図9Cに対応し、点灯信号PS_VSに対応する、表示部材350の表示素子P1〜P8の非点灯状態にある時間t1〜t22における時間的なシーケンスの例を示している。
【0085】
図11Aおよび12Aにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t2〜t9およびt18〜t22において点滅または点灯して表示を行う。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。
【0086】
図11Aおよび12Aにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t1およびt10〜t17において消灯する。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0087】
図11Bおよび12Bにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t1およびt10〜t17において点滅または点灯して表示を行う。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが低レベルLの間、シャッタ装置330は、閉状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光を遮断する。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。図11Aおよび11Bにおける発光素子P1〜P8の異なる位置における発光の合成残像によってメッセージ“HELLO”が表示される。
【0088】
図11Bおよび12Bにおいて、発光素子P1〜P8は、点灯信号PS_VSに従って、走査駆動部340による走査期間における時間t2〜t9およびt18〜t22において消灯する。この期間において、シャッタ・パルス信号PS_Sが高レベルHの間、シャッタ装置330は、開状態を維持し、ルーム・ミラー40への入射光およびルーム・ミラー40からの反射光を透過する。
【0089】
図11Cおよび12Cは、図7Bおよび8Bに対応する。但し、図11Cおよび12Cの走査期間は設けなくてもよい。
【0090】
照度センサ120によって検出された照度の大きさが小さい、即ち外光の照度が低い場合、制御部100またはタイミング調整部322によって、複数h個の走査期間にわたる表示範囲内でのメッセージM全体の表示の回数Ndまたは合計期間Tdと非表示の回数Nnまたは合計期間Tnの比率R(=Nd:NnまたはTd:Tn)を小さくしてもよい。それによって、シャッタ装置330の開状態の期間を相対的に長くしてもよい。それによって、外の景色が暗い場合に、リア・ウィンドウ30を通して入射されルーム・ミラー40に映る外側の景色をより明るくすることができる。外の景色が暗い場合、表示部材350上の明るさ(輝度)が幾分低くなっても見えにくいことはない。
【0091】
この場合、情報処理機器200の制御部100は、照度センサ120によって検出された照度DTCの大きさに応じて、図7Aおよび7B、図9Aおよび9B、または図11Aおよび11B、または、図9A〜9C、または図11A〜11Cにおける、表示NdまたはTdと非表示NnまたはTnの比率Rを変更する。また、上述の比率の変更に加えてまたは代替形態として、外光の照度DTCに応じて、LED等の表示素子または発光素子P1〜P16の発光強度を決定しまたは変更してもよい。即ち、外光の照度DTCが高い場合には、表示素子の発光強度を増大させるように調整してもよい。
【0092】
図13Aおよび13Bは、情報処理機器200によって実行される、メッセージ表示のための制御のフローチャートの例を示している。
【0093】
図13Aを参照すると、ステップ502において、情報処理機器200の制御部100は、メモリ202のメッセージ記憶領域を参照してメッセージ表示の状態がオン状態かどうかを判定する。メッセージ表示の状態がオン状態であると判定された場合は、手順はステップ504に進む。メッセージ表示の状態がオン状態でない、即ちオフ状態であると判定された場合は、手順はステップ526に進む。
【0094】
ステップ504において、制御部100は、ユーザによる入力情報に従っておよび/または自動車2の状態信号STに応じて、メモリ202のメッセージ記憶領域から表示すべきメッセージを選択する。1つ以上のメッセージが、ユーザによってメモリ202のメッセージ記憶領域に格納されてもよい。
【0095】
ステップ506において、制御部100は、照度センサ120から照度の大きさを表す信号DTCを取得する。ステップ507において、制御部100は、照度の大きさに応じて表示素子P1〜P16の発光強度を決定しまたは変更する。ステップ508において、制御部100は、照度の大きさに応じて表示範囲における表示と非表示の比率R(=Nd:NnまたはTd:Tn)を決定する。比率Rは、例えば、1:1、1:2、1:3である。表示素子P1〜P16の発光強度および比率Rが固定されている場合は、破線で示されているように、ステップ506〜508はスキップしてよい。
【0096】
ステップ510において、制御部100は、表示素子駆動部300、シャッタ装置330、および走査駆動部340を起動する。比率Rが可変の場合には、制御部100は、比率Rを表す制御信号CTLを表示素子駆動部300に供給する。
【0097】
図13Bを参照すると、ステップ512において、表示素子駆動部300(タイミング調整部322)は、時分割的に表示をイネーブルしディセーブルする。即ち、表示素子駆動部300は、点灯信号PS_VSおよびシャッタ・パルス信号PS_Sを供給する。比率Rが可変な場合には、表示素子駆動部300は、比率Rに応じて時分割的に表示をイネーブルしディセーブルする。
【0098】
ステップ514において、制御部100は、メモリ202のメッセージ記憶領域を参照してメッセージ表示がオフ状態かどうかを判定する。メッセージ表示がオフ状態であると判定された場合は、手順はステップ524に進む。ステップ512〜514は、メッセージ表示がオフ状態であると判定されるまで繰り返される。
【0099】
ステップ524において、制御部100は、表示素子駆動部300、シャッタ装置330、および走査駆動部340を停止して、点灯信号PS_VSおよびパルス信号PS_Sの発生を停止させる。このとき、シャッタ装置330は開状態で停止される。
【0100】
ステップ526において、制御部100は、状態信号STに基づいて、自動車2の運転が終了したかまたはエンジン・キーがオフ状態かを判定する。自動車2の運転が終了したと判定された場合は、手順は図13Aおよび13Bのルーチンを出る。自動車2の運転が終了していないと判定された場合は、手順は図13Aのステップ502に戻る。
【0101】
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈すべきである。また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解すべきである。
【符号の説明】
【0102】
12、14 メッセージ表示システム
30 リア・ウィンドウ
40 ルーム・ミラー
120 照度センサ
200 情報処理機器
100 制御部
110 入力装置
112 表示装置
202 メモリ
204 メッセージ生成部
300 表示素子駆動部
302 メモリ
304 点灯信号生成部
306 タイミング調整部
330 シャッタ装置
340 走査駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
窓側に配置され、前記制御部からの第1の制御信号に従って、表示期間において表示のために点灯する複数の表示素子を含む表示部と、
前記複数の表示素子が取り付けられて、前記複数の表示素子を機械的に走査する走査駆動部と、
鏡側に配置され、前記制御部からの第2の制御信号に従って、前記表示部の前記表示期間において前記表示部の前記表示素子に由来する光を遮断し、前記表示部の非表示期間において前記窓からの光を透過する光学的遮断装置と、
を含む、表示システム。
【請求項2】
前記表示システムはさらにメモリを含み、
前記走査駆動部は基準位置信号を発生し、
前記表示部は、前記基準信号に同期したアドレス信号に基づいて、前記第1の制御信号に従って、前記メモリにおける表示データを読み出して前記表示素子に供給するものであることを特徴とする、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
制御部と、
窓側に配置され、複数の表示素子を含む表示部材と、
前記表示部材が取り付けられて、前記表示部材を機械的に走査する走査駆動部と、
前記制御部からの第1の制御信号に従って、前記表示部材の走査における表示期間において前記表示部材を駆動する表示素子駆動部と、
鏡側に配置され、前記制御部からの第2の制御信号に従って、前記表示部材の前記表示期間において前記表示部材の前記表示素子に由来する光を遮断し、前記表示部材の非表示期間において前記窓からの光を透過する光学的遮断装置と、
を含む、表示システム。
【請求項4】
前記表示システムはさらにメモリを含み、
前記走査駆動部は基準位置信号を発生し、
前記表示素子駆動部は、前記基準信号に同期したアドレス信号に基づいて、前記第1の制御信号に従って、前記メモリにおける表示データを読み出して前記表示部材に供給するものであることを特徴とする、請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記表示期間は、前記走査駆動部による走査に同期して、前記走査駆動部による1つの走査の期間に1回以上発生するものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の表示システム。
【請求項6】
前記表示期間は、前記走査駆動部による走査に非同期にまたは独立して、前記走査駆動部による1つの走査の期間に1回以上発生するものであることを特徴とする、請求項1乃至5に記載の表示システム。
【請求項7】
制御部と、窓側に配置され複数の表示素子を含む表示部材と、前記表示部材を機械的に走査する走査駆動部と、鏡側に配置される光学的遮断装置とを含む表示システムを制御する方法であって、
前記制御部からの第1の制御信号に従って、前記走査駆動部が前記表示部材を機械的に走査している間に、表示期間において前記表示部材を駆動する工程と、
前記制御部からの第2の制御信号に従って、前記光学的遮断装置に、前記表示部材の前記表示期間において前記表示部材の前記表示素子に由来する光を遮断させ、前記表示部材の非表示期間において前記窓からの光を透過させる工程と、
を含む方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2011−112924(P2011−112924A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270141(P2009−270141)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】